JP2862627B2 - 感光性樹脂組成物及びパターン形成方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物及びパターン形成方法

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JP2862627B2 JP7344690A JP7344690A JP2862627B2 JP 2862627 B2 JP2862627 B2 JP 2862627B2 JP 7344690 A JP7344690 A JP 7344690A JP 7344690 A JP7344690 A JP 7344690A JP 2862627 B2 JP2862627 B2 JP 2862627B2
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は半導体素子、多層配線基板、マイクロエレク
トロニクス素子等に用いられる新規感光性樹脂組成物と
そのパターン形成方法に関するものである。
[従来の技術] 従来、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜などに
は、耐熱性が優れ、また卓越した電気特性、機械特性な
どを有するポリイミド樹脂が用いられているが、最近ポ
リイミド樹脂自身に感光性を付与する技術が注目を集め
てきた。
これらの感光性を付与したポリイミド樹脂を使用する
と、付与していないポリイミド樹脂に対してパターン作
成工程の簡素化効果があるだけでなく、毒性の強いエッ
チング液を使用しなくてすむので、安全、公害上の面か
らも優れており、ポリイミド樹脂の感光性化は今後一層
重要な技術となることが期待されている。
感光性ポリイミド樹脂としては、例えば下式 で示されるような構造のエステル基で感光性基を付与し
たポリイミド前駆体組成物(特公昭55−30207号公報、
特公昭55−41422号公報)あるいは下式 で示されるような構造のポリアミック酸に化学線により
2量化、または重合可能な炭素−炭素二重結合およびア
ミノ基または、その四級化塩を含む化合物を添加した組
成物(例えば特開昭54−145794号公報)などが知られて
いる。
これらは、いずれも適当な有機溶剤に溶解し、ワニス
状態で塗布、乾燥した後、フォトマスクを介して紫外線
照射し、現像、リンス処理して所望のパターンを得、さ
らに加熱処理することによりポリイミド被膜としてい
る。
しかしながら、特公昭55−30207号公報、特公昭55−4
1422号公報で代表されるエステル結合型の感光性ポリイ
ミド前駆体、並びに特開昭54−145794号公報で代表され
るイオン結合型の感光性ポリイミド前駆体は、何れも現
像液に有機溶剤を使用しているので、現像時に露光部の
膨潤が起こり易く、アスペクト比(解像度/膜厚)1.0
以下の高解像度のパターンを得ることが困難であった。
特に層間絶縁膜用途など1μmスルーホールを形成す
る必要がある場合には、従来の感光性ポリイミド前駆体
では必ずしも充分とは言えなかった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的とするところは、前述した従来の感光性
ポリイミド樹脂の欠点を改良し、耐熱性、電気的及び機
械的特性に優れた高解像度のレリーフパターンを容易に
形成し得る感光性樹脂組成物及びパターン形成方法を提
供するにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、 (1)(A)一般式〔I〕 (式中Ar1は少なくとも4個以上の炭素を含む4価の有
機基、Ar2は芳香族環を含む2価の有機基、R1は感光性
不飽和二重結合を2個以上有する基を示す。) で示される繰返し単位を主成分とする重合体100重量部
と、 (B)光重合開始剤、光架橋剤、増感剤をあわせて0.1
〜200重量部及び有機溶媒とからなる感光性樹脂組成
物。
(2)上記感光性樹脂組成物を用いて、基板に塗布、乾
燥後紫外線などを照射して未露光部を現像する際に塩基
性水溶液を用いることを特徴とするパターン形成方法で
ある。
[作用] 本発明の感光性樹脂組成物のベース樹脂の構造は一般
式〔I〕に示されているが、これに添加剤として光重合
開始剤、光架橋剤、増感剤及び有機溶媒を加えて感光性
樹脂組成物としている。本発明で得られる高解像度のレ
リーフパターンは現像液に塩基性の水溶液を使用してい
るのが大きな理由の一つである。前述した従来の感光性
ポリイミド前駆体の場合は、現像液に有機溶媒を1種あ
るいは2種以上を組合せて用いているが、何れの場合も
露光部の膨潤或いは溶解が生じ、このために高解像度の
パターンを得ることが難しかった。一般式〔I〕に示し
た本発明のベース樹脂は繰返し単位当たり2個のカルボ
ン酸を有しており、この2つのカルボン酸が存在するた
めに未露光部分の光反応していない部分を塩基性水溶液
で現像することが可能となった。塩基性水溶液による現
像では露光部分の膨潤、溶解は何れも起こり難く、これ
によって高解像度のレリーフパターンの形成を可能なら
しめたものである。
一般式〔I〕の繰返し単位で表わされるポリマーのAr
1として好ましいものの例を挙げると 等であるが、特にこれらに限定されるものではない。ま
た2種以上を併用しても差し支えない。
Ar2として好ましいものの例を挙げると (但しXは−O−,−S−,−SO2−,−CO−,−CH
2−, の中から選択された1種を示す)等であるが、何等これ
らに限定されるものではない。
本発明のR1は感光性不飽和二重結合を2個以上有する
基であるが、好ましい例としては、以下の構造が具体的
に挙げられる。
等である。
また本発明の重合体においては、繰返し単位〔I〕で
示されるR1が感光性不飽和二重結合を2個以上有してい
ない芳香族ジアミンを用いて得られる単位のものも感光
性に悪影響を及ぼさない範囲で用いることができる。例
えば、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、パラフェ
ニレンジアミンなどのように感光性不飽和二重結合を有
さない芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水
物からなる単位や3.5−ジアミノ−安息香酸エチルケイ
皮酸エステル、3,5−ジアミノ(2′−メタクリロイル
オキシエチル)ベンゾエートなどのように感光性不飽和
二重結合を1個含有する芳香族ジアミンと芳香族テトラ
カルボン酸二無水物からなる単位などを挙げることがで
きる。
一般式〔I〕の繰返し単位で示されるポリマーはテト
ラカルボン酸二無水物あるいはその誘導体(エステル誘
導体、酸ハライド誘導体を含む)と感光基を有する芳香
族ジアミン化合物の縮重合反応によって合成される。
本発明の感光性樹脂組成物は光重合開始剤または光架
橋剤または増感剤の添加が必須である。
感光性樹脂組成物に用いられる開始剤としては2,2−
ジメトキシ−2−フェニル−アセトフェノン、1−ヒド
ロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル
−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ
−1−プロパン、3,3′,4,4′−テトラ−(t−ブチル
パーオーキシカルボニル)ベンゾフェノン、ベンジル、
ベンゾイン−イソプロピルエーテル、ベンゾイン−イソ
ブチルエーテル、4,4′−ジメトキシベンジル、1,4−ジ
ベンゾイルベンゼン、4−ベンゾイルビフェニル、2−
ベンゾイルナフタレン、メチル−o−ベンゾイルベンゾ
エート、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,
5,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール、10−
ブチル−2−クロロアクリドン、エチル−4−ジメチル
アミノベンゾエート、ジベンゾイルメタン、2,4−ジエ
チルチオキサントン、3,3−ジメチル−4−メトキシ−
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−
オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ
−2−メチルプロパン−1−オン、1−フェニル−1,2
−ブタンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキ
シム、1−フェニル−プロパンブタンジオン−2−(o
−ベンゾイル)オキシム、1,2−ジフェニル−エタンジ
オン−1−(o−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェ
ニル−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキ
シム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン
−2−(o−ベゾイル)オキシム、オキサゾロン化合物
などが挙げられる。二種以上を併用しても勿論差し支え
ない。
本発明に用いられる光架橋剤は1分子中に2個以上の
アクリル基またはメタクリル基を有する分子量500以下
のアクリル化合物である。1分子中にアクリル基が1個
である単官能アクリレートでは、光照射しても架橋構造
が得られないので、光パターニングできず、好ましくな
い。また分子量が500以上であると均一に溶解させるこ
とが困難であるばかりでなく、熱硬化のための加熱処理
でも熱飛散せずパターン中に残存し、耐熱性が著しく低
下するので好ましくない。例を挙げると、エチレングリ
コールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチ
レングリコールジアクリレート、ジエチレングリコール
ジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリス
リトールテトラメタクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタ
クリレート、ビスフェノールAジメタクリレートなどで
あるが、これらに限定されない。勿論2種以上を併用す
ることも何等差し支えない。
本発明に用いられる増感剤としては、ベンゾフェノ
ン、アセトフェノン、アントロン、p,p′−テトラメチ
ルジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、フェナ
ントレン、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフ
テン、ベンゾキノン、N−アセチル−p−ニトロアニリ
ン、p−ニトロアニリン、2−エチルアントラキノン、
2−ターシャリーブチルアントラキノン、N−アセチル
−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ピクラミド、1,2
−ベンズアンスラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−
1,9−ベンズアンスロン、p,p′−テトラエチルジアミノ
ベンゾフェノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、ジ
ベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、2,5−ビス−
(4′−ジエチルアミノベンザル)−シクロペンタン、
2,6−ビス−(4′−ジエチルアミノベンザル)−シク
ロヘキサノン、2,6−ビス−(4′−ジメチルアミノベ
ンザル)−4−メチル−シクロヘキサノン、2,6−ビス
−(4′−ジエチルアミノベンザル)−4−メチル−シ
クロヘキサノン、4,4′−ビス−(ジメチルアミノ)−
カルコン、4,4′−ビス−(ジエチルアミノ)−カルコ
ン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、1,3
−ビス−(4′−ジメチルアミノベンザル)−アセト
ン、1,3−ビス−(4′−ジエチルアミノベンザル)−
アセトン、N−フェニル−ジエタノールアミン、N−p
−トリル−ジエチルアミン、スチリル化合物などが挙げ
られるが、特にこれらに限定されるものではない。勿論
二種以上を併用して用いることも可能である。
光重合開始剤、光架橋剤、増感剤の添加量の合計は一
般式〔I〕で示される繰返し単位を主成分とする重合体
100重量部に対して0.1〜200重量部が好ましい。各々の
添加量は使用する組合せによって適正量が決定される
が、合計が0.1重量部未満になると充分な光架橋物が得
られず、現像時に溶解してしまうので好ましくない。ま
た添加量の合計が200重量部を越えると、熱処理硬化後
の皮膜特性が低下するので好ましくない。
さらに本発明の感光性樹脂組成物に対して重合禁止
剤、平面平滑剤、密着性向上剤、染料等の各種添加剤を
適宜加えることも可能である。
本発明による感光性樹脂組成物は、上記構成成分を適
当な有機溶剤に溶解した溶液状態で使用する。この場合
の溶媒としては非プロトン性の極性溶媒が好ましい。こ
の種の溶媒として代表的なものは、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチル
ホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘ
キサメチルフォスホアミド、ジメチルスルホラン、テト
ラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホ
ン、γ−ブチルラクトン、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル
などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、混合
系にすることも可能である。
この他にも溶媒として組合せて用いられるものとして
ベンゼン、ベンゾニトリル、ジオキサン、キシレン、ト
ルエン、シクロヘキサノン等の溶媒が塗布性の改良を目
的として、感光性樹脂組成物の溶解に悪影響を及ぼさな
い範囲での使用が可能である。
本発明による感光性樹脂組成物は、通常の微細加工技
術でパターン加工が可能である。支持基板への本組成物
の塗布にはスピンナー等を用いての回転塗布、浸漬、噴
霧などの手段を適宜選ぶことができる。塗布膜厚は使用
する塗布装置、塗布条件、本組成物の固形分濃度等で調
節が可能である。本組成物を所望の厚みで支持基板上に
塗布した後、乾燥の目的でプリベークを行う。プリベー
クは通常ホットプレートやオーブンなどを用いて行うこ
とができるが、必要以上の加熱は不飽和二重結合の熱重
合を引起こし、後の現像工程で現像を速やかに行うこと
ができなくなるので好ましくない。乾燥に必要な最低限
度のベーキング条件を採用することが望ましい。皮膜が
乾燥した後、フォトマスクを介して紫外線を照射し、次
に未露光部を現像液で溶解除去する。この際に用いる現
像液は塩基性水溶液を用いることが解像度の優れたパタ
ーンを形成するためには好ましい。従来の感光性ポリイ
ミド前駆体を用いた感光性組成物においては現像液に有
機溶剤を使用しているが、この場合現像時に露光部の膨
潤、溶解が起り易く、アスペクト比(解像度/膜厚)1.
0以下の高解像を得ることが困難であった。本発明の塩
基性水溶液を現像液に用いると露光部の膨潤も溶解も起
り難く、アスペクト比1.0以下の高解像度のパターンを
形成することが可能である。本発明において用いられる
塩基性水溶液は無機の塩基性化合物、例えば珪酸ナトリ
ウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、燐酸ナトリウム、燐酸水素ナトリ
ウム、燐酸アンモニウム、燐酸−水素アンモニウム、メ
タ珪酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア等の
水溶液或いは有機の塩基性化合物、例えばテトラメチル
アンモニウムハイドロオキサイド、β−ヒドロキシエチ
ル−トリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、ピペ
リジン、トリエタノールアミン等の水溶液である。これ
らは単独或いは2種以上混合して用いることも可能であ
り必要に応じて界面活性剤等も添加することができる。
尚現像液の濃度は所望の現像時間を得るために適宜選ぶ
ことが可能である。さらに場合によっては現像速度を調
節する目的でメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等の有機溶剤も解像度の低下を招かない程度の量を添
加することができる。
現像によって形成したレリーフパターンは次にリンス
液によって洗浄し現像液を完全に除去する。リンス液に
は現像液との親和性から水を用いることが望ましい。
上記の処理によって形成されたパターンは、次にイミ
ド化及び感光剤、各種添加剤を完全に飛散させるために
加熱硬化処理を施される。加熱硬化処理の条件としては
150℃〜400℃の範囲から選ばれた温度を用い、処理雰囲
気は空気中或いは窒素等不活性ガス中を用いることによ
り、優れた耐熱性を有するポリマーのパターンが得られ
る。
以下実施例により本発明を説明する。
実施例1 温度計、撹拌機、原料投入口、乾燥空気導入管を備え
た四つ口のセパラブルフラスコに3,5−ジアミノ−安息
香酸〔(1,3−メタクリロイル)グリセリル〕エステル3
6.24g、N−メチル−2−ピロリドン200gを入れ、撹拌
して内容物を溶解させる。溶解後フラスコを水冷して冷
却し4,4′−オキシジフタル酸二無水物31.02gを徐々に
加え、系の温度を20℃に保つ。添加終了後20℃で8時間
撹拌を続けて反応を完結させる。この時ジアミン化合物
溶解度から反応終了時まで反応系には乾燥空気を導入し
ておく。得られた感光性ポリイミド前駆体溶液は褐色透
明の粘稠の液体でありゲル状物の存在は認められなかっ
た。上記ポリイミド前駆体溶液にN−フェニル−ジエタ
ノールアミン4.0g、1−フェニル−1,2−ブタンジオン
−2−(0−メトキシカルボニル)オキシム2.0g、ハイ
ドロキノン0.067gを添加し、シリコンウェハ上に塗布し
て70℃で60分間プリベークして約20μm厚みの皮膜を得
た。この塗膜にテストパターンを有するフォトマスクを
介し500Wの高圧水銀灯を用いて紫外線を照射した。露光
面における紫外線強度は365nmの波長で14mW/cm2であっ
た。露光後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサ
イド2.38%水溶液の現像液を用い現像、さらに純水でリ
ンスしてパターンを得た。現像後膜厚を測定し、現像後
膜厚が塗布膜厚の1/2となる際の照射量を感度とした
時、50mJ/cm2であった。解像度は約10μmであった。次
いで、このパターンを150℃、250℃、350℃で各30分間
空気中で加熱処理を施したところ、パターンのぼやけも
認められず良好であった。一方350℃までの加熱処理を
施した塗膜の引張り試験を実施したところ強度は10kg/m
m2、伸び率は7%と良好であった。
実施例2〜5 ポリイミド前駆体合成に用いる反応成分並びにパター
ニングの際に用いる現像液組成以外は実施例1と全く同
様の操作を行ない第1表の結果を得た。尚増感剤、開始
剤、重合禁止剤の添加量については実施例1のポリイミ
ド前駆体に対する各成分の添加量比と全く同一の割合と
なるよう調整した。
比較例1 実施例1と同様のセパラブルフラスコに4,4′−ジア
ミノジフェニルエーテル20.02g、N−メチル−2−ピロ
リドン200gを入れ溶解させた。溶解後フラスコを冷却し
て無水ピロメリット酸21.81gを徐々に加え、系の温度を
20℃に保って8時間撹拌を続け反応を完結させる。この
際系には水分の侵入を防ぐために乾燥窒素を流してお
く。得られたポリアミック酸溶液50gにミヒラーケトン
0.80g、ジメチルアミノエチルメタクリレート7.0gを添
加し、感光性ポリイミド前駆体溶液を調整した。この溶
液をシリコンウェハ上に塗布し70℃で60分間プリベーク
して約20μm厚みの皮膜を得た。この塗膜に実施例1と
同様にフォトマスクを介して紫外線を照射した。露光
後、N,N−ジメチルアセトアミド/メタノール(60/40=
W/W)混合溶液からなる現像液で現像し、さらにイソプ
ロパノールでリンスしてパターンを得た。感度は50mJ/c
m2であったが解像度は30μmでありアスペクト比は約3
と低いレベルにあった。次いで、このパターンを150
℃、250℃、350℃で各30分間空気中で加熱処理を施した
ところ、パターンのぼやけは認められなかった。また塗
膜の引張り特性は強度は12kg/mm2、伸び率10%と良好で
あった。
比較例2 実施例1と同様のセパラブルフラスコに無水ピロメリ
ット酸とモル当量で2倍の2−ヒドロキシエチルメタク
リレートを反応させて得た化合物〔1,4−ジカルボキシ
−2,5−(2−ヒドロキシエチルメタクリル)ベンゼン
と1,5−ジカルボキシ−2,4−(2−ヒドロキシエチルメ
タクリル)ベンゼンとの混合物〕47.83gと4,4′−ジア
ミノジフェニルエーテル20.02gを入れ、乾燥窒素気流下
で無水のγ−ブチロラクトン200gに溶解させた後、10g
のピリジンを加えた。更にこの系に12.25gのジシクロヘ
キシカルボジイミド25gを氷浴下で冷却しながら徐々に
添加した。添加終了後20℃でさらに2時間撹拌を続けた
後、20gのメタノールを加え、30分撹拌した後反応液を
大量のメタノールに沈澱させ、析出したポリマーを濾別
して回収した。これを一昼夜減圧下室温にて乾燥しポリ
マー粉末を得た。このポリマー30g、ミヒラーケトン0.9
g、ペンタエリスリトールチオグリコレート2.4gを70gの
N−メチル−2−ピロリドンに溶解して感光性ポリイミ
ド前駆体溶液を得た。この溶液を用いて比較例1の場合
と同様にシリコンウェハに塗布、プリベークを行い、約
20μm厚みの皮膜を得、フォトマスクを介して紫外線露
光した後、N−メチル−2−ピロリドン/キシレン(80
/20=W/W)混合液で現像し、さらにイソプロパノールで
リンスしてパターンを得た。感度は40mJ/cm2であった
が、解像度は30μmでありアスペクト比は約3と低いレ
ベルであった。次いでこのパターンを150℃、250℃で各
30分間空気雰囲気で加熱した後、350℃、400℃で各30分
窒素雰囲気下での加熱処理を施したところパターンのぼ
やけは認められなかったが、皮膜の引張り強度は3.5kg/
mm2、伸び率は1.0%と非常に脆いものであった。
比較例3、4 第1表に示したジアミン成分、酸二無水物成分及び現
像液組成以外は実施例1と全く同様の方法で実施し、感
光特性、引張り特性について第1表の結果を得た。
[発明の効果] 第1表の結果からも明らかなように、実施例2〜5で
は感光特性、特に解像度の点で全て10μ以下の高解像度
(アスペクト比1.0以下)のパターンが得られており、
機械特性的にも良好な結果が得られている。一方比較例
1では良好な引張り特性は得られているものの、現像液
は有機溶剤系を用いているので解像度はアスペクト比で
約3と低レベルにあった。
比較例2においても比較例1と同様に有機溶剤系の現
像液であるためアスペクト比3という低解像度のパター
ンしか得られなかった。さらに完全にイミド化するため
に400℃の高温加熱が必要であるために一部ポリマーの
熱劣化が生じ、機械特性的にも低く可撓性に乏しいもの
であった。
比較例3においても同様に有機溶剤で現像しているた
め、アスペクト比2.5の低解像度のパターンしか得られ
なかった。
比較例4において、現像液は有機アルカリ水溶液を用
いているものの、感光性基が一官能性であり紫外線露光
による重合、二量化の反応が充分に行われないため感度
自体が不充分で良好なパターンを得ることができなかっ
た。
従って以上の結果より、本発明の感光性樹脂組成物は
耐熱性、電気的及び機械的特性に優れた高解像度のレリ
ーフパターンを容易に形成し得るものであり、また本発
明の方法によりパターンを形成すると良好な感光特性並
びに引張り特性の優れた結果が得られることが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/027 G03F 7/038 C08G 73/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式〔I〕 (式中Ar1は少なくとも4個以上の炭素を含む4価の有
    機基、Ar2は芳香族環を含む2価の有機基、R1は感光性
    不飽和二重結合を2個以上有する基を示す。) で示される繰返し単位を主成分とする重合体100重量部
    と、 (B)光重合開始剤、光架橋剤、増感剤をあわせて0.1
    〜200重量部及び有機溶媒とからなる感光性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】上記感光性樹脂組成物を用いて、基板に塗
    布、乾燥後紫外線などを照射して未露光部を現像する際
    に塩基性水溶液を用いることを特徴とするパターン形成
    方法。
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