JP2001019847A - 感光性ポリイミド前駆体組成物および金属箔−ポリイミド複合体 - Google Patents

感光性ポリイミド前駆体組成物および金属箔−ポリイミド複合体

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JP2001019847A
JP2001019847A JP11195536A JP19553699A JP2001019847A JP 2001019847 A JP2001019847 A JP 2001019847A JP 11195536 A JP11195536 A JP 11195536A JP 19553699 A JP19553699 A JP 19553699A JP 2001019847 A JP2001019847 A JP 2001019847A
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mol
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polyimide precursor
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Koji Fujimoto
康二 藤本
Toshio Yoshimura
利夫 吉村
Nana Arai
名奈 新井
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小さい線膨張数と、低い比誘電率を持ちかつ、
良好なパターン加工が可能な感光性ポリイミド前駆体組
成物を提供し、金属箔上に前記感光性ポリイミド前駆体
組成物をキュアした後のポリイミド−金属箔複合体にお
いてカールが生じない。 【解決手段】感光性ポリイミド前駆体組成物であって、
キュア後の該組成物の30℃〜100℃の平均線膨張係
数が、5×10-6/℃以上25×10-6/℃以下であ
り、比誘電率が3.0以下であることを特徴とする感光
性ポリイミド前駆体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性ポリイミド
前駆体組成物およびこれを用いた金属箔−ポリイミド複
合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来感光性ポリイミド前駆体ワニスとし
てはポリアミド酸を主成分とするポリマー、炭素−炭素
2重結合を有するアミン化合物、必要に応じて加える増
感剤とから成る組成物や、ポリアミド酸にエステル基で
感光基を導入した感光性ポリイミド前駆体組成物や、ポ
リマー末端に感光性基を導入したポリイミド前駆体に光
重合性官能基を有する感光助剤を添加したもの等が知ら
れている。これらの材料は、有機溶剤に溶解したワニス
状態で用いられる。このワニスを基板に塗布し、乾燥し
て皮膜とした後に、適当なフォトマスクを介して紫外線
照射し、現像、リンス処理して所望のレリーフ・パター
ンを得、更に加熱処理して耐熱性の高い感光性ポリイミ
ド膜のレリーフ・パターンを形成することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの公知
のポリイミド膜と金属材料とからなるポリイミド複合材
料は、芳香族ポリイミド膜を形成している芳香族ポリイ
ミドが金属材料に対してかなり大きな線膨張係数を有す
るために、ポリアミド酸を熱処理してポリイミド化する
際にカールが生じてしまうという欠点があった。また、
半導体の分野においてもポリイミド膜の膜厚を厚くする
と基板であるシリコンウエハが反ってくるという欠点が
あった。
【0004】また、近年、半導体素子、回路あるいは回
路付きサスペンション基板や多層配線板などの微細化、
高集積化、高密度化が進むにつれて、信号伝搬速度遅延
の短縮化等に寄与する誘電率の低い材料が求められてい
る。
【0005】上記線膨張係数と誘電率を制御した非感光
性ポリイミドの例としては、特公平6−76554号公
報に記載されているが、一般的に非感光性ポリイミドに
感光性を付与する場合、熱処理を実施してポリイミド前
駆体をポリイミドに変換する工程において、感光性基等
がポリマーの配向を阻害するため、非感光性ポリイミド
と同様の低い線膨張係数を感光性ポリイミドにおいて実
現することは困難である。
【0006】本発明は、かかる従来技術の諸欠点に鑑み
創案されたもので、その目的とするところは、低い線膨
張係数と低い比誘電率を持ち、さらに良好なパターン加
工が可能な感光性ポリイミド前駆体組成物を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、感光性ポリイ
ミド前駆体組成物であって、キュア後の該組成物の30
℃〜100℃の平均線膨張係数が、5×10-6(1/
℃)以上25×10-6(1/℃)以下、比誘電率が3.
0以下であることを特徴とする感光性ポリイミド前駆体
組成物である。また、金属箔上に、上記感光性ポリイミ
ド前駆体組成物を、キュア後の膜厚が5〜30μmにな
るように塗布し、キュアした金属箔−ポリイミド複合体
であって、キュア後の該複合体のそり値が50×10ー3
以下であり、パターン状に形成した場合、キュア後の複
合体のそり係数が10×10ー3であることを特徴とする
金属箔−ポリイミド複合体である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、キュア後の30℃〜100℃の平均線膨張係
数が、5×10-6(1/℃)以上25×10-6(1/
℃)以下、比誘電率が3.0以下であることを特徴とす
る感光性ポリイミド前駆体組成物であり、さらに下記一
般式(1)で示されるポリマーと光重合開始剤および/
または感光剤を含有する感光性ポリイミド前駆体組成物
であることが好ましい。
【0009】
【化2】
【0010】ここで、一般式(1)中、R1の65〜1
00モル%がピロメリット酸の残基で、0〜35モル%
が2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘ
キサフルオロプロパンの残基であり、R2の70〜10
0モル%が2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−
4,4’−ベンジジン類の残基で、0〜20モル%がフ
ェニレンジアミン類の残基で、0〜10モル%が分子内
にエーテル結合を含む芳香族ジアミン類の残基であり、
3は−OH、または−OR4、−NHR4、−O-+4
567から選ばれた基もしくはこれらの基の混合を
示す。ただしR4は少なくとも1種のエチレン性不飽和
結合を有する基であり、R5、R6、R7はそれぞれ水素
原子または炭素数1から10までの有機基を表し、同じ
でも異なっていても良い。Z1は、水酸基またはエチレ
ン性不飽和結合を有する基、Z2は、水素またはエチレ
ン性不飽和結合を有する基を表す。nは3〜10000
の整数であり、mは1または2である。
【0011】酸無水物としてピロメリット酸類の割合が
少なくなり、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン類の割合が多くなる
と、キュア後のフィルムの線膨張係数が大きくなり、金
属箔−ポリイミド複合体において大きなカールが生じ
る。ジアミン類として、2,2’−ビス(トリフルオロ
メチル)−4,4’−ベンジジン類の割合が少なくな
り、分子内にエーテル結合を持つジアミン類が多くなる
と、線膨張係数、比誘電率ともに、大きくなる。また、
フェニレンジアミンの割合が大きくなると、線膨張係数
の変化は無いが、比誘電率が増加する。従って、一般式
(1)のR1は、65〜100モル%がピロメリット酸
類の残基で、0〜35モル%が2,2’−ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン類の
残基であり、R2は70〜100モル%が2,2’−ビ
ス(トリフルオロメチル)−4,4’−ベンジジン類残
基で、0〜20モル%がフェニレンジアミン類残基で、
0〜10モル%が分子内にエーテル結合を含む芳香族ジ
アミン残基であることが好ましい。
【0012】本発明における分子内にエーテル結合を含
む芳香族ジアミン類としては、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス
(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]エーテルなどを挙げる
ことができ、本発明におけるフェニレンジアミン類とし
ては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、o−フェニレンジアミン、2−メチル−p−フェニ
レンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジア
ミンなどをあげることができるがこれらに限定されるも
のではない。
【0013】さらに、ポリイミド系ポリマーの接着性を
向上させるために、耐熱性を低下させない範囲でR2
して、シロキサン結合を有する脂肪族基を共重合する事
も可能である。好ましい具体例としては、ビス(3−ア
ミノプロピル)テトラメチルジシロキサン等が挙げられ
るが、これに限定されない。
【0014】本発明における重合体は、一般式(1)で
表される構造単位のみからなる物であっても良いし、他
の構造単位との共重合体であってもよい。その際、一般
式(1)で表される構造単位を80%以上含有している
ことが好ましい。共重合に用いられる構造単位の種類、
量は最終加熱処理によって得られるポリイミド系ポリマ
ーの耐熱性を著しく損なわない範囲で選択するのが好ま
しい。
【0015】一般式(1)のR3が−OR4(R4は前記
と同じである)である化合物の重合方法としては、酸二
無水物と1種のエチレン性不飽和結合を有するアルコー
ルとを反応させた後、脱水縮合剤を用いてジアミンと反
応させることにより得ることができる。また、酸二無水
物とジアミンを反応させた後に1種のエチレン性不飽和
結合を有するエポキシ化合物とを反応させることによっ
ても得られる。先のエステル化するための化合物の具体
例としては、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクルレート、2−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、アリルアルコール、エチレングリコールモノアリ
ルエーテルなどが挙げられ、後者のエステル化するため
の具体例としては、グリシジルメタクリレート、グリシ
ジルアクリレートなどが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0016】また、一般式(1)のR3が−O-+4
567(R4、R5、R6、R7は前記と同じである)で
ある化合物の重合方法としては、酸二無水物とジアミン
を反応して得られたポリアミド酸に1種のエチレン性不
飽和結合を有するアミンを混合し、アミド酸のカルボキ
シル基にイオン結合させることにより得ることができ
る。このアミン化合物の具体例としては、N,N−ジメ
チルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミ
ノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピ
ルアクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルアク
リレート、N,N−ジメチルアミノブチルアクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノブチルアクリレートおよび
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N
−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメ
チルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジエチル
アミノプロピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノブチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノブチ
ルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタ
クリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタク
リルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリル
アミド、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリルア
ミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、
N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、2−
ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、アリルアミン、
2−メチルアリルアミン、ジアリルアミンなどが挙げら
れるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0017】また、一般式(1)のR3が−NHR4(R
4は前記と同じである)である化合物の重合方法として
は、酸二無水物とジアミンを反応して得られたポリアミ
ド酸に、塩基触媒存在下、1種のエチレン性不飽和結合
を有するイソシアネートと反応させることにより得るこ
とができる。この化合物の具体例としては、イソシアネ
ートエチルアクリレート、イソシアネートプロピルアク
リレート、イソシアネートブチルアクリレート、イソシ
アネートペンチルアクリレート、イソシアネートヘキシ
ルアクリレート、イソシアネートオクチルアクリレー
ト、イソシアネートデシルアクリレート、イソシアネー
トペンチルアクリレート、イソシアネートエチルメタク
リレート、イソシアネートプロピルメタクリレート、イ
ソシアネートブチルメタクリレート、イソシアネートペ
ンチルメタクリレート、イソシアネートヘキシルメタク
リレート、イソシアネートオクチルメタクリレート、イ
ソシアネートデシルメタクリレートなどが挙げられる
が、特にこれらに限定される物ではない。これらの中で
は、キュア中の感光剤の揮発が起こりやすいイオン結合
型である−OーN+4567がR3として好ましい。
【0018】エチレン性不飽和結合基は、ポリイミド前
駆体組成物中のカルボキシル基に対し0.1〜1倍モル
当量存在するのが好ましい。混合する量が少なすぎれ
ば、感光特性が不良となり、混合する量が多すぎれば、
ポリイミド前駆体膜を金属箔に塗布し熱処理してポリイ
ミド膜を形成する時に、この複合材料のそりが大きくな
ったり、膜厚の減少量が大きくなったりする。
【0019】本発明において使用するエチレン性不飽和
基をイオン結合、アミド結合あるいはエステル結合で導
入するためのポリアミド酸は、前述のテトラカルボン酸
成分とジアミン成分とをテトラカルボン酸の総モル当量
に対して、0.9〜1.1倍モル当量、好ましくは0.
95〜1.05倍モル当量、さらに好ましくは等モル当
量を使用し、極性有機溶剤中で0〜100℃、好ましく
は10〜80℃の範囲の温度で0.2〜60時間高分子
量になるように重合する事によって製造される。
【0020】この製造法において、モル当量の差が小さ
いほど、ポリイミド前駆体を加熱処理することによって
得られるポリイミドの重合度が大きくなり、機械的特性
の良好なフィルムが得られるため、芳香族テトラカルボ
ン酸成分と芳香族ジアミン成分とを等モル量使用するこ
とが好ましい。重合温度においては、温度が低すぎると
反応がなかなか進まず、また温度が高すぎるとポリアミ
ド酸のイミド化が進行するおそれがあることから、10
〜80℃の範囲で重合することが好ましい。
【0021】エチレン性不飽和結合をイオン結合で導入
する場合には、上記重合により得たポリアミド酸に前述
の不飽和結合を有するアミンを室温で添加し、光重合開
始剤さらに必要に応じて増感剤を加えることによりポリ
イミド前駆体組成物が得られる。
【0022】また、エチレン性不飽和結合をアミド結合
で導入する場合には、上記重合により得たポリアミド酸
に前述の不飽和結合を有するイソシアネートをアミンな
どの塩基性触媒存在下、0〜100℃、好ましくは20
〜70℃で重合に使用した有機溶剤中で反応させた後、
光重合開始剤、さらに必要に応じて増感剤を加えること
によりポリイミド前駆体組成物が得られる。
【0023】エチレン性不飽和結合をエステル結合で導
入する場合には、上記重合により得たポリアミド酸に前
述の不飽和結合を有するエポキシ化合物をアミンなどの
塩基性触媒存在下、60〜120℃、好ましくは70〜
90℃で重合に使用した有機溶剤中で反応させた後、光
重合開始剤さらに必要に応じて増感剤を加えることによ
りポリイミド前駆体組成物が得られる。
【0024】また、エチレン性不飽和基をエステル結合
で導入するポリアミド酸の他の製造法は、前述のテトラ
カルボン酸とエチレン性不飽和結合を有するアルコール
とを反応させて得られたテトラカルボン酸ジエステルと
前述のジアミン成分とを脱水縮合剤の存在下に反応させ
て得ることができ、反応条件は特に限定されない。この
脱水縮合剤の例としては、ジシクロヘキシルカルボジイ
ミドなどのペプチド合成に用いられるものを使用するこ
とができる。この場合の反応温度は、反応が進行する温
度であれば特に制限はないが、反応速度および副生成物
の発生の問題から−20℃〜80℃が好ましく、−10
℃〜30℃がさらに好ましい。縮合剤の比率は、カルボ
ン酸またはアミンの少ない方に対して当量以上あればよ
く、過剰に存在しても特に問題はない。通常、1当量〜
1.5当量程度用いるのが好ましい。反応時間は10分
〜100時間が好ましく、1時間ないし24時間がさら
に好ましい。また、反応時に1−ヒドロキシベンゾトリ
アゾール、ピリジンなどの添加剤を用いて反応を円滑に
行うこともできる。テトラカルボン酸ジエステルとジア
ミンのモル比は、目的とするポリアミド酸の分子量に応
じてテトラカルボン酸の総モル当量に対して、0.7〜
1.3倍モル当量、好ましくは等モル当量を使用するこ
とによって製造される。生成したポリアミド酸は、水ま
たは有機溶剤中で結晶化され、ろか、洗浄、水または有
機溶剤による再沈殿等の公知の方法を用いて溶媒、残存
縮合剤、縮合剤からの生成物である尿素類等を除去する
ことによって精製される。精製したポリアミド酸、光重
合開始剤さらに必要に応じて増感剤を含む全ての成分を
溶解しうる有機溶剤に溶解することによりポリイミド前
駆体組成物が得られる。
【0025】本発明に必要に応じて用いられる感光剤と
してはポリマー中のカルボン酸にエチレン性不飽和結合
を導入するために使用した不飽和結合を有するアルコー
ル類、エポキシ類、アミン類、イソシアネート類や4−
(2’−ニトロフェニル)−4−ヒドロピリジン類など
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】本発明に用いる光重合開始剤は特に限定さ
れない。その具体的な例として、ベンゾフェノン、o−
ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチル
アミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルア
ミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェ
ノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケト
ン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2’−ジエ
トキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェ
ニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロ
ピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノ
ン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−
クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサント
ン、ジエチルチオキサントン、ベンジル、ベンジルジメ
チルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセター
ル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルア
ントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロル
アントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベ
ンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザ
ルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリ
デン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベ
ンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、1−フェ
ニル−1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシカル
ボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2
−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル
−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、
1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エ
トキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エト
キシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキ
シム、ミヒラーケトン、N−フェニルグリシン、3−フ
ェニル−5−イソオキサゾロン、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン、2−メチル−[4−(メチル
チオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノ
ン、また、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリン
スルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、
4,4´−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジ
スルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェ
ニルホスフィン、カンファーキノン、四臭化炭素、トリ
ブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイルおよびエオ
シン、メチレンブルーなどの光還元性色素とアスコルビ
ン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組み合わせ
などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。本発
明ではこれらを1種または2種以上使用することができ
る。
【0027】本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物に
含有される光重合開始剤の量は、ポリアミド酸の0.1
〜30重量%が好ましく、0.3〜15重量%がさらに
好ましい。光重合開始剤の量が少なすぎれば、組成物の
光感度が不良となり、光重合開始剤の量が多すぎれば、
ポリイミド前駆体膜を熱処理してポリイミド膜を形成す
る時に、膜厚の減少量が大きくなりすぎる。
【0028】また、光感度を向上させ得る増感剤を、本
発明の感光性ポリイミド前駆体組成物に添加してもよ
い。増感剤の具体的な例として、2,5−ビス(4’−
ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−
ビス(4’−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノ
ン、2,6−ビス(4’−ジメチルアミノベンザル)−
4−メチルシクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジ
エチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノ
ン、ミヒラーケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミ
ノ)−ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミ
ノ)カルコン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)カル
コン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、
p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p
−ジメチルアミノフェニルビニレン)ベンゾチアゾー
ル、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)−イ
ソナフトチアゾール、1,3−ビス(4’−ジメチルア
ミノベンザル)アセトン、1,3−ビス(4’−ジエチ
ルアミノベンザル)アセトン、3,3’−カルボニル−
ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル−
N’−エチルエタノールアミン、N−フェニルジエタノ
ールアミン、N−トリルジエタノールアミン、N−フェ
ニルエタノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソア
ミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、3−フェニ
ル−5−イソオキサゾロン、1−フェニル−5−ベンゾ
イルチオテトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカ
ルボニルチオテトラゾールなどが挙げられるが、特にこ
れらに限定されない。本発明ではこれらの増感剤を1種
または2種以上使用することができる。なお、増感剤の
なかには光重合開始剤としても作用するものがある。
【0029】増感剤を本発明の感光性ポリイミド前駆体
組成物に添加する場合、その添加量は、ポリアミド酸の
0.1〜30重量%が好ましく、0.3〜15重量%が
さらに好ましい。添加量が大きすぎれば、ポリイミド前
駆体膜を熱処理してポリイミド膜を形成する時に、膜厚
の減少量が大きくなりすぎる。また、添加量が小さすぎ
れば、光感度を向上させる効果が発揮されない。
【0030】前記の製造法において使用する極性有機溶
剤としては、常圧で沸点が300℃以下、特に250℃
以下のものが好ましく、たとえばN−メチル−2−ピロ
リドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミト゛、N,N−ジエチルアセトアミド、
N,N−ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルスルホン、γ−ブチロラクトンなどが好適
にあげることができるが、これらに限定されるものでは
ない。この他、これらの極性溶媒以外に一般的有機溶媒
であるケトン類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化
炭化水素類、炭化水素類など、たとえば、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュ
ウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、
エチレングリコ−ルジメチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロルエタン、1,
4−ジクロルブタン、トリクロルエタン、クロルベンゼ
ン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどと混合して使
用することができる。
【0031】本発明における感光性ポリイミド前駆体組
成物は、キュア後の該組成物の30℃〜100℃の平均
線膨張係数が5×10-6(1/℃)以上25×10
-6(1/℃)以下であることに加え、比誘電率が3.0
以下であることが重要である。この平均線膨張係数が2
5×10-6(1/℃)より大きい場合には、金属材料と
比べて大きな線膨張係数を有するために、金属材料−ポ
リイミド複合体においてポリイミドを内側にカールする
問題が発生し、金属材料を薄くするほど、またポリイミ
ドの膜厚を厚くするほど顕著になる傾向がある。また、
半導体の分野においてもポリイミドの膜厚が厚くなると
シリコンウエハがそってくるという問題が発生する。逆
に線膨張係数が5×10-6(1/℃)より小さい場合、
金属材料と比べて線膨張係数が小さいために、金属材料
−ポリイミド複合体においてポリイミドを外側にカール
する問題が発生する。
【0032】本発明における平均線膨張係数は、感光性
ポリイミド前駆体組成物をキュアした厚さ10μm、幅
15mm、長さ30mmのポリイミドフィルムを、長さ
方向に円筒状に巻き、セイコー電子製TMA/SS−6
000を用いて測定した。装置中、窒素雰囲気中280
℃までアニールした後冷却し、再度昇温し、30〜10
0℃の範囲で昇温速度5℃/分で測定した。
【0033】本発明における比誘電率は、200μmの
アルミ基板上に厚み10μmの感光性ポリイミド膜を形
成した後、ポリイミド上に200nmのアルミを蒸着し
たものをサンプルとして用い、湿度45%RHでポリイ
ミド膜の1KHzにおける静電容量を横川ヒューレット
パッカード製LCRメータ4284Aを用いて測定し、
下記式より求めた。 ε=(C・d)/(ε0・S) ただし、Cは静電容量、dは試料膜厚、ε0は真空での
誘電率、Sは電極面積である。
【0034】本発明におけるそりは、感光性ポリイミド
前駆体組成物を25μmのSUS箔上に塗布し、キュア
して得られたポリイミド膜厚10μmの金属箔−ポリイ
ミド複合体を用いる。そのキュアした金属箔−ポリイミ
ド複合体を水平面に静置し、その複合体の角部の水平面
からの高さ(h)をSUS箔の長手方向の長さ(L)で
割ることによって得られる。そり値の測定は、パターン
化していない金属箔−ポリイミド複合体を、20〜30
℃、30〜70%RHの下で、キュアし、キュア後の複
合体を水平面に静置し、角部の水平面からの高さ(h
1)をノギスで測定し、次式により求めた。なお、そり
が金属箔側に発生した(ポリイミドを外側にしてそる)
場合は、マイナスで表し、そりがポリイミド側に発生し
た(ポリイミドを内側にしてそる)場合は、プラスで表
した。そり値=h1/L。
【0035】また、そり係数の測定は、パターン状に形
成された金属箔−ポリイミド複合体を、20〜30℃、
30〜70%RHの下で、複合体の一方を基準面に固定
した時のもう一方の基準面からの複合体の高さ(h2)
をノギスあるいはレーザーテック製1LM21で測定
し、次式により求めた。なお、そりが金属箔側に発生し
た(ポリイミドを外側にしてそる)場合は、マイナスで
表し、そりがポリイミド側に発生した(ポリイミドを内
側にしてそる)場合は、プラスで表した。そり係数=h
2/L。
【0036】得られた組成物を基板上に塗布する方法と
しては、スピンコーター、バーコーター、ブレードコー
ター、リバースコーター、スクリーン印刷法などで基板
に塗布する方法、基板をワニス中に浸漬する方法、ワニ
スを基板に噴霧するなどの種々の方法を用いることがで
きるが、これらに限定されるものではない。基板として
は、厚さが5〜100μmの金属箔好ましくは5〜30
μmの金属箔、さらに好ましくは10〜30μmのステ
ンレス箔を用い、前記感光性ポリイミド前駆体組成物を
キュア後の膜厚が5〜30μmになるように基板上に塗
布した後、風乾、加熱乾燥、真空乾燥などにより、感光
性ポリイミド前駆体膜を形成し、この膜を、窒素雰囲気
中、あるいは真空中で150〜450℃の温度のもとで
0.5〜5時間連続的または段階的に加熱処理すること
によってポリイミド膜に変換でき、金属箔−ポリイミド
複合体を得ることができる。
【0037】また、上記金属箔−ポリイミド複合体の感
光性ポリイミド前駆体膜をパターン加工することもでき
る。この場合、通常のフォトマスクを用いて露光され
る。この際に使用される活性光線としては、たとえば、
紫外線、電子線、X線などが挙げられるが、これらの中
では紫外線が好ましく、その光源としては、たとえば、
低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンラン
プ、殺菌灯などが挙げられる。これらの光源の中で超高
圧水銀灯が好適である。
【0038】露光後、必要なら熱処理を行った後、現像
液を使用して現像を行い、未露光部あるいは露光部を除
去する。この場合、浸漬法やスプレー法を用いることが
できる。現像液としては通常、ポリアミド酸を合成する
場合に好適に使用される、該ポリアミド酸を溶解しうる
有機溶媒と同様のものが使用される。なお、このような
有機溶媒に、現像性を良好とするために水を添加して用
いることもできる。水を添加する場合、その添加量は有
機溶媒に対して通常、1〜100重量%、好ましくは5
〜50重量%である。添加量が大きすぎる場合、有機溶
媒とのあいだで相分離を起こすおそれが生じ、添加量が
小さすぎる場合は、現像性を良好にする効果を発揮しな
い。アルカリ水溶液の場合は、水酸化ナトリウム、テト
ラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチ
ルアンモニウムハイドロオキサイド、コリンなどが用い
られる。また、現像直後に、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、イソブチルアルコール、ヘキサン、
ペンタンなどの有機溶剤、水と任意の割合で混和可能な
有機溶剤と水との混合溶剤あるいは水単独で、リンスを
行うことが望ましい。
【0039】現像によって得られたポリイミド前駆体の
パターンは、その後、加熱処理することによって、ポリ
イミドのパターンに変換される。加熱処理は通常、窒素
雰囲気中、あるいは、真空中で、150〜450℃の温
度のもとで、0.5〜5時間、連続的または段階的に行
われ、パターン状に形成された金属箔−ポリイミド複合
体が得られる。
【0040】また、パターン状に形成されたポリイミド
の上に薄膜導体回路とポリイミドからなる層を少なくと
も1層形成する金属箔−ポリイミド複合体を得ることが
できる。ポリイミドの上に形成する薄膜導体回路として
は、スパッタリング、メッキ、蒸着等の方法によるC
u、Cr、Ti、Ni、Ag、Au、Pd、Pt、A
l、Sn等の金属が考えられ、これらが単独でも合金で
あっても、また2種以上の金属が層状に形成されていて
も良い。これらの中でポリイミドと直接接触する金属薄
膜としては、ポリイミドとの密着性からCrが好まし
い。形成された金属薄膜をフォトレジストを用いてパタ
ーン状に加工し回路を形成した後、2層目のポリイミド
前駆体を塗布、乾燥、パターン状に加工することによ
り、上記金属箔−ポリイミド複合体を得ることができ
る。
【0041】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】実施例1 温度計および乾燥空気導入口と攪拌装置を付した300
mlの4つ口フラスコに、2,2’−ビス(トリフルオ
ロメチル)−4,4’−ベンジジン(TFMB)32.
0g(0.10モル)、N−メチル−2−ピロリドン1
60gを仕込み、窒素気流化、60℃で攪拌する。溶解
したのを確認した後、60℃でピロメリット酸二無水物
(PMDA)18.54g(0.085モル)、2,
2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン二無水物(6FDA)6.66g(0.
015モル)、N−メチル−2−ピロリドン30gを添
加し、60℃で3時間攪拌した。
【0043】次に、光遮断下の室温で、ミヒラーケトン
0.6g、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−
ベンゾイル)オキシム0.6g、N,N−ジメチルアミ
ノエチルメタクレート18.5gをN−メチル−2−ピ
ロリドン50g混合撹拌後、フィルターでろ過して感光
性ポリイミド前駆体組成物溶液を得た。
【0044】この溶液を10cm×10cm角の25μ
mSUS箔にスピンコートし、90℃で60分間加熱乾
燥して、厚み19μmの膜を形成した。これを140℃
30分間、350℃60分間のステップで加熱処理し、
厚み10μmのポリイミドの膜を得た。このとき、ポリ
イミドが塗布されたSUS箔の4つの角のそりを測定し
平均化すると、0.5mmであり、そり値は5×10-3
であった。
【0045】また、このポリイミド膜の30℃〜100
℃の範囲での平均線膨張係数は12×10-6(1/℃)
であり、比誘電率は2.88であった。
【0046】次にパターン加工するために、25μmS
US箔にスピンコートし、90℃で60分間加熱乾燥し
て厚み20μmの膜を形成した。この膜面をパターンマ
スクし、窒素雰囲気下、7mW/cm2の出力の超高圧
水銀灯を用いて2分間露光を行った後、東レ製DV−5
05現像液を用い25℃で現像し、イソプロピルアルコ
ールで1分間リンス洗浄したところ、厚み19μmのポ
リイミド前駆体のパターンを得た。これを窒素雰囲気
下、140℃30分間、350℃60分間のステップで
加熱処理し、厚み10μmのポリイミドのパターンを得
た。このパターン状に形成したSUS−ポリイミド膜複
合体を幅2mm、長さ3mmにカットし、長さ方向の一
方の端を固定台に固定し、もう一方の固定台からの高さ
をレーザーテック製1LM21を用いて測定すると、
1.2μmであり、そり係数は0.4×10-3であっ
た。
【0047】実施例2〜6、比較例1〜4 ポリマー組成比について、表1に従ったほかは実施例1
と同様の方法により行った。得られたそり値、比誘電
率、線膨張係数、そり係数の値も合わせて表1に示し
た。
【0048】
【表1】
【0049】(表のPMDAはピロメリット酸二無水
物、6FDAは2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、TFMB
は2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−
ベンジジン、PDAはパラフェニレンジアミン、DAE
は4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを示す)。
【0050】実施例7 温度計および乾燥空気導入口と攪拌装置を付した100
mlの4つ口フラスコに、2,2’−ビス(トリフルオ
ロメチル)−4,4’−ベンジジン6.08g(0.0
19モル)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)
ビフェニル0.37(0.001モル)、N,N’−ジ
メチルアセトアミド56.45gを窒素気流化、室温で
攪拌する。溶解したのを確認した後、ピロメリット酸二
無水物3.49(0.016モル)、2,2’−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン二無水物1.78g(0.004モル)を添加した
後、約5時間攪拌し、その後65℃で1時間加熱した。
次に、光遮断下の40℃でN,N−ジメチルベンジルア
ミン0.2gを触媒としてイソシアネートエチルメタク
リレート1.45g(0.01モル)を徐々に加え、4
0℃で4時間撹拌した後、ミヒラーケトン0.09g、
1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイ
ル)オキシム0.09gを混合撹拌後、フィルターでろ
過して感光性ポリイミド前駆体組成物溶液を得た。
【0051】この溶液を10cm×10cm角の25μ
mSUS箔にスピンコートし、90℃で60分間加熱乾
燥して、厚み20μmの膜を形成した。この膜面に、窒
素雰囲気下、7mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を用
いて1.5分間露光を行い、次に、N,N−ジメチルア
セトアミド/メタノール=4/1容からなる現像液で現
像し、エタノールで1分間リンス洗浄した。このとき膜
の厚みは18μmであった。これを150℃30分間、
400℃60分間のステップで加熱処理し、厚み10μ
mのポリイミドの膜を得た。このとき、ポリイミドが塗
布されたSUS箔の4つの角のそりを測定し平均化する
と、3.2mmであり、そり値は32×10-3であっ
た。
【0052】また、このポリイミド膜の30℃〜100
℃の範囲での平均線膨張係数は18×10-6(1/℃)
であり、比誘電率は2.96であった。
【0053】次にパターン加工するために、上記厚み2
0μmの膜を用いて、この膜面をパターンマスクし、同
様にして現像したところ、厚み18μmのポリイミド前
駆体のパターンを得た。これを窒素雰囲気下、150℃
30分間、400℃60分間のテップで加熱処理し、厚
み10μmのポリイミドのパターンを得た。このパター
ンを幅2mm、長さ3mmにカットし、長さ方向の一方
の端を固定台に固定し、もう一方の固定台からの高さを
レーザーテック製1LM21を用いて測定すると、20
μmであり、そり係数は6.7×10-3であった。
【0054】実施例8 温度計および乾燥空気導入口と攪拌装置を付した500
mlのセパラブルフラスコに、ピロメリット酸二無水物
17.45g(0.08モル)、2,2’−ビス(3,
4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二
無水物8.88g(0.02モル)、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート26.02g(0.20モル)、γ
−ブチロラクトン100mlを入れ、室温で1時間撹拌
した後、60℃まで昇温し、同温度で1時間攪拌した。
さらに、氷冷下、撹拌しながらピリジン17.0gを加
えた。室温で16時間撹拌した後、ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド41.2g(0.2モル)のγ−ブチロラ
クトン40mlの溶液を氷冷下、10分間で加え、続い
て、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’
−ベンジジン25.6g(0.08モル)、パラフェニ
レンジアミン2.16g(0.02モル)を15分間で
加えた。氷冷下、3時間撹拌した後、エタノール5ml
を加えてさらに1時間撹拌し、沈殿をろかした後、得ら
れた溶液に10Lのエタノールを加え、生成した沈殿を
エタノールで洗浄した後、真空乾燥して粉末を得た。光
遮断下で、この粉末30g、ミヒラーケトン0.6g、
1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイ
ル)オキシム0.6gをN−メチル−2−ピロリドン4
5gに溶解した後、フィルターでろ過して感光性ポリイ
ミド前駆体組成物溶液を得た。
【0055】この溶液を10cm×10cm角の25μ
mSUS箔にスピンコートし、80℃で60分間加熱乾
燥して、厚み20μmの膜を形成した。この膜面に、窒
素雰囲気下、7mW/cm2 の出力の超高圧水銀灯を用
いて1.5分間露光を行い、次に、シクロヘキサノン/
キシレン=7/3容からなる現像液で現像した後、イソ
プロパノールで1分間リンス洗浄した。このとき膜の厚
みは19μmであった。これを150℃60分間、35
0℃120分間のステップで加熱処理し、厚み10μm
のポリイミドの膜を得た。このとき、ポリイミドが塗布
されたSUS箔の4つの角のそりを測定し平均化する
と、2.7mmであり、そり値は27×10-3であっ
た。
【0056】また、このポリイミド膜の30℃〜100
℃の範囲での平均線膨張係数は16×10-6(1/℃)
であり、比誘電率は2.95であった。
【0057】次にパターン加工するために、上記厚み2
0μmの膜を用いて、この膜面をパターンマスクし、同
様にして現像したところ、厚み19μmのポリイミド前
駆体のパターンを得た。これを窒素雰囲気下、150℃
60分間、350℃120分間のステップで加熱処理
し、厚み10μmのポリイミドのパターンを得た。この
パターンを幅2mm、長さ3mmにカットし、長さ方向
の一方の端を固定台に固定し、もう一方の固定台からの
高さをレーザーテック製1LM21を用いて測定する
と、18μmであり、そり係数は6×10-3であった。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、比誘電率が低く、さら
に平均線膨張率も小さい感光性ポリイミド前駆体組成物
を得ることができた。また、ポリイミドと金属材料から
なる金属−ポリイミド複合材料においてカールを生じ
ず、また半導体分野においてもポリイミドの膜厚を厚く
しても基板であるシリコンウエハの反りが抑制できた。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月1日(2000.6.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】本発明における分子内にエーテル結合を含
む芳香族ジアミン類としては、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル 、3,4’−ジアミノジフェニルエー
テル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、1,4
−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス
(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]エーテルなどを挙げる
ことができ、本発明におけるフェニレンジアミン類とし
ては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、o−フェニレンジアミン、2−メチル−p−フェニ
レンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジア
ミンなどをあげることができるがこれらに限定されるも
のではない。また、上記組成の範囲内でキュア後の特性
を変化させないことを前提に上記以外の酸二無水物やジ
アミン類を用いても良い。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】本発明に必要に応じて用いられる感光剤と
してはポリマー中のカルボン酸にエチレン性不飽和結合
を導入するために使用した不飽和結合を有するアルコー
ル類、エポキシ類、アミン類、イソシアネート類やポリ
マーに新たに添加・混合する4−(2’−ニトロフェニ
ル)−4−ヒドロピリジン類などが挙げられるが、これ
らに限定されない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA00 AB15 AB16 AC01 AD01 BC69 BC85 BJ00 CA00 CA01 CA14 CA18 CA20 CA27 CA28 CA31 CA35 DA18 FA03 FA15 FA29 4F073 AA06 BA31 BA52 BB08 CA41 CA42 CA45 4J002 CM041 EB047 EC016 ED087 EE037 EE057 EH127 EK047 EN006 EN077 EQ017 ER006 ES017 EV047 EV217 EV297 EV317 EW137 FD147 FD206 GQ05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】感光性ポリイミド前駆体組成物であって、
    キュア後の組成物の30℃〜100℃の平均線膨張係数
    が、5×10-6(1/℃)以上25×10-6(1/℃)
    以下であり、比誘電率が3.0以下であることを特徴と
    する感光性ポリイミド前駆体組成物。
  2. 【請求項2】下記一般式(1)で示されるポリマーと光
    重合開始剤および/または感光剤を含有することを特徴
    とする請求項1記載の感光性ポリイミド前駆体組成物。 【化1】 (一般式(1)中、R1の65〜100モル%がピロメ
    リット酸の残基で、0〜35モル%が2,2’−ビス
    (3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
    パンの残基であり、R2の70〜100モル%が2,
    2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ベンジ
    ジン類の残基で、0〜20モル%がフェニレンジアミン
    類の残基で、0〜10モル%が分子内にエーテル結合を
    含む芳香族ジアミン類の残基であり、R3は−OH、ま
    たは−OR4、−NHR4、−O-+4 567から選
    ばれた基もしくはこれらの基の混合を示す。ただしR4
    は少なくとも1種のエチレン性不飽和結合を有する基で
    あり、R5、R6、R7はそれぞれ水素原子または炭素数
    1から10までの有機基を表し、同じでも異なっていて
    も良い。Z1は、水酸基またはエチレン性不飽和結合を
    有する基、Z2は、水素またはエチレン性不飽和結合を
    有する基を表す。nは3〜10000の整数であり、m
    は1または2である。)
  3. 【請求項3】一般式(1)において、R3が−O-+4
    567で表される基、もしくはこの基と水酸基との
    混合であることを特徴とする請求項2記載の感光性ポリ
    イミド前駆体組成物。
  4. 【請求項4】金属箔上に、請求項1記載の感光性ポリイ
    ミド前駆体組成物を、キュア後の膜厚が5〜30μmに
    なるように塗布し、キュアした金属箔−ポリイミド複合
    体であって、キュア後の該複合体のそり値が50×10
    -3以下であることを特徴とする金属箔−ポリイミド複合
    体。
  5. 【請求項5】請求項4記載の金属箔−ポリイミド複合体
    がパターン状に形成されたものであり、その形成された
    金属箔−ポリイミド複合体のそり係数が10×10-3
    下であることを特徴とする金属箔−ポリイミド複合体。
  6. 【請求項6】金属箔が10〜30μmのステンレス箔で
    あることを特徴とする請求項4または5記載の金属箔−
    ポリイミド複合体。
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