JP2002040658A - 感光性樹脂組成物、これを用いた半導体装置及び電子部品 - Google Patents

感光性樹脂組成物、これを用いた半導体装置及び電子部品

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JP2002040658A
JP2002040658A JP2000227983A JP2000227983A JP2002040658A JP 2002040658 A JP2002040658 A JP 2002040658A JP 2000227983 A JP2000227983 A JP 2000227983A JP 2000227983 A JP2000227983 A JP 2000227983A JP 2002040658 A JP2002040658 A JP 2002040658A
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photosensitive resin
resin composition
polyimide precursor
component
glass transition
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Application number
JP2000227983A
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Masahiro Miyasaka
昌宏 宮坂
Akihiro Sasaki
顕浩 佐々木
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Original Assignee
Hitachi Chemical DuPont Microsystems Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリイミド膜を形成した基板(シリコンウエハ
等)が低残留応力となり、良好なパターンが形成可能
で、かつ溶剤現像又はアルカリ現像可能なネガ型或いは
ポジ型の感光性樹脂組成物を提供する。また、i線露光
により高感度、高解像度で形状も良好なパターンを製造
でき、イミド化後に低応力で、耐熱性等に優れるポリイ
ミド膜を形成することのできるパターンの製造法及び信
頼性に優れる電子部品を提供する。 【解決手段】(a) 光反応を阻害しない程度の光透過
性を有するポリイミド前駆体であって、かつ、イミド化
後のガラス転移温度以下における熱膨張係数が2×10
-5/K以下となるポリイミド前駆体と、(b) 光反応
を阻害しない程度の光透過性を有するポリイミド前駆体
であって、イミド化後のガラス転移温度が350℃未満
であって、かつ、イミド化後のガラス転移温度以下にお
ける熱膨張係数が2×10-4/K以下となるポリイミド
前駆体とを含有してなる感光性樹脂組成物、これを用い
た半導体装置及び電子部品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミド膜を形
成したシリコンウエハが低残留応力となり、良好なパタ
ーンが形成可能な感光性樹脂組成物、これを用いたパタ
ーン製造法及び電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体工業にあっては、従来より
無機材料を用いて行われていた層間絶縁材料として、ポ
リイミド樹脂等のような耐熱性に優れた有機物が、その
特性を活かして使用されてきている。しかし、半導体集
積回路やプリント基板上の回路パターン形成は、基材表
面へのレジスト材の造膜、所定箇所への露光、エッチン
グ等により不要箇所の除去、基板表面の洗浄作業等の煩
雑で多岐に亘工程を経てパターン形成が行われることか
ら、露光、現像によるパターン形成後も必要な部分のレ
ジストを絶縁材料としてそのまま残して用いることがで
きる耐熱感光材料の開発が望まれている。
【0003】これらの材料として、例えば、感光性ポリ
イミド、環化ポリブタジエン等をベースポリマとした耐
熱感光材料が提案されており、特に感光性ポリイミド
は、その耐熱性が優れていることや不純物の排除が容易
であること等の点から特に注目されている。また、この
ような感光性ポリイミドとしては、ポリイミド前駆体と
重クロム酸塩からなる系(特公昭49−17374号公
報)が最初に提案されたが、この材料は、実用的な光感
度を有するとともに膜形成能が高い等の長所を有する反
面、保存安定性に欠け、ポリイミド中にクロムイオンが
残存すること等の欠点があり、実用には至らなかった。
【0004】このような問題を回避するために、例え
ば、ポリイミド前駆体に感光基を有する化合物を混合す
る方法(特開昭54−109828号公報)、ポリイミ
ド前駆体中の官能基と感光基を有する化合物の官能基と
を反応させて感光基を付与させる方法(特開昭56−2
4343号公報、特開昭60−100143号公報等)
などが提案されている。しかし、これらの感光性ポリイ
ミド前駆体は耐熱性、機械特性に優れる芳香族系モノマ
に基本骨格を用いており、そのポリイミド前駆体自体の
吸収のため、紫外領域での透光性が低く、露光部におけ
る光化学反応を充分効果的に行うことができず、低感度
であったり、現像後のパターンの形状が悪化するという
問題があった。また、最近では、半導体の高集積化に伴
い、加工ルールが益々小さくなり、より高い解像度が求
められる傾向にある。
【0005】そのため、従来の平行光線を用いるコンタ
クト/プロキシミテイ露光機から、ミラープロジェクシ
ョンと呼ばれる1:1投影露光機、さらにステッパと呼
ばれる縮小投影露光機が用いられるようになってきてい
る。ステッパは、超高圧水銀灯の高出力発振線、エキシ
マレーザのような単色光を利用するものである。これま
でステッパとしては、超高圧水銀灯のg−lineと呼
ばれる可視光(波長:435nm)を使ったg線ステッ
パが主流であったが、さらに加工ルール微細化の要求に
対応するため、使用するステッパの波長を短くすること
が必要である。そのため、使用する露光機は、g線ステ
ッパ(波長:435nm)からi線ステッパ(波長:3
65nm)に移行しつつある。
【0006】しかし、コンタクト/プロキシミテイ露光
機、ミラープロジェクション投影露光機、g線ステッパ
用に設計された従来の感光性ポリイミドのベースポリマ
では、先に述べた理由により透明性が低く、特にi線
(波長:365nm)での透過率はほとんどないため、
i線ステッパでは、まともなパターンが得られない。ま
た、半導体素子の高密度実装方式であるLOC(リード
オンチップ)に対応して表面保護用ポリイミド膜はさら
に厚膜のものが求められているが、厚膜の場合には、透
過性が低い問題はさらに深刻になる。このため、i線透
過率が高く、i線ステッパにより良好なパターン形状を
有するポリイミドパターンの得られる感光性ポリイミド
が強く求められている。
【0007】また、基板となるシリコンウエハの径は、
年々大きくなり、ポリイミドとシリコンウエハの熱膨張
係数差により、表面保護膜としてのポリイミドを形成し
たシリコンウエハの反りが以前より大きくなるという問
題が発生している。そのため、従来のポリイミドよりも
更に低熱膨張性を有する感光性ポリイミドが強く求めら
れている。一般に分子構造を剛直にすることにより低熱
膨張性は達成できるが、剛直構造の場合i線をほとんど
透過しないため感光性特性が低下する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリイミド
膜を形成した基板(シリコンウエハ等)が低残留応力と
なり、良好なパターンが形成可能な感光性樹脂組成物を
提供するものである。また本発明は、前記特徴を有し、
かつ溶剤現像又はアルカリ現像可能なネガ型の感光性樹
脂組成物を提供するものである。また本発明は、前記特
徴を有し、かつアルカリ現像可能なポジ型の感光性樹脂
組成物を提供するものである。
【0009】また本発明は、i線露光により高感度、高
解像度で形状も良好なパターンを製造でき、イミド化後
に低応力で、耐熱性等に優れるポリイミド膜を形成する
ことのできるパターンの製造法を提供するものである。
また本発明は、高解像度で、形状も良好なパターンの、
耐熱性等に優れたポリイミド膜を有し、しかも残留応力
が極めて小さく信頼性に優れる電子部品を提供するもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の1)〜1
4)に関する。 1)(a) 光反応を阻害しない程度の光透過性を有す
るポリイミド前駆体であって、かつ、イミド化後のガラ
ス転移温度以下における熱膨張係数が2×10-5/K以
下となるポリイミド前駆体と、(b) 光反応を阻害し
ない程度の光透過性を有するポリイミド前駆体であっ
て、イミド化後のガラス転移温度が350℃未満であっ
て、かつ、イミド化後のガラス転移温度以下における熱
膨張係数が2×10-4/K以下となるポリイミド前駆体
とを含有してなる感光性樹脂組成物。
【0011】2) 少なくとも2種類のブロック単位を
含むブロック共重合体型のポリイミド前駆体であって、
(a)1種類のブロック単位が、単独のポリイミド前駆
体として存在する場合に、光反応を阻害しない程度の光
透過性を有するポリイミド前駆体であって、かつ、イミ
ド化後のガラス転移温度以下における熱膨張係数が2×
10-5/K以下となるものであり、(b)他の1種類の
ブロック単位が、単独のポリイミド前駆体として存在す
る場合に、光反応を阻害しない程度の光透過性を有する
ポリイミド前駆体であって、イミド化後のガラス転移温
度が350℃未満であって、かつ、イミド化後のガラス
転移温度以下における熱膨張係数が2×10-4/K以下
となるポリイミド前駆体とを含有してなる感光性樹脂組
成物。
【0012】3) (a)成分及び(b)成分の光透過
性が、共に波長365nmの光の透過率が膜厚20μm
あたり5%以上である前記1)又は2)記載の感光性樹
脂組成物。 4) 感光性樹脂組成物を用いてシリコンウエハ上にポ
リイミド膜を形成した際のシリコンウエハの23℃にお
ける残留応力が25MPa以下となる前記1)、2)又
は3)記載の感光性樹脂組成物。
【0013】5) (a)及び(b)成分が、各々独立
に、一般式(1)
【化4】 (式中、Xは芳香族四塩基酸二無水物又は脂環式四塩基
酸二無水物の残基である四価の有機基であり、Yは二価
の有機基であり、個々のR1は独立に水素原子、炭化水
素基又は光重合性基を示す)で表される繰り返し単位を
有するものである前記1)、2)、3)又は4)に記載
の感光性樹脂組成物。
【0014】6) (a)成分として、一般式(1)の
Xが一般式(2)
【化5】 (式中、R2とR3は、各々独立に、単結合、O、C
2、C=O、Si(CH3 2、C(CH32、C(C
32、C(CH3)(CF3)、Si(OCH32、C
(OCH32、C(OCF32、C(OCH3)(OC
3)、S、SO2、CH(CH3)、CH(CF3)、C
H(OCH3)、CH(OCF3)、SiH(CH3)及
びSiH(OCH3)から選択される基である)で表さ
れるポリイミド前駆体を用いてなる前記1)、2)、
3)、4)又は5)記載の感光性樹脂組成物。
【0015】7) (a)成分として、一般式(1)の
Yが一般式(3)
【化6】 (式中、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11
は、各々独立に、水素原子又はその他の一価の基を示
す)で表されるポリイミド前駆体を用いてなる前記
1)、2)、3)、4)、5)又は6)記載の感光性樹
脂組成物。
【0016】8) (a)成分及び(b)成分として、
一般式(1)のR1の少なくとも一部が光重合性基のポ
リイミド前駆体を用い、さらに光重合開始剤を含むネガ
型である前記1)〜7)のいずれかに記載の感光性樹脂
組成物。 9) (a)成分及び(b)成分として、一般式(1)
のR1が炭素数1〜10のアルキル基であり、さらに光
により酸を発生する化合物を含むポジ型である前記1)
〜7)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。 10) 前記1)〜9)のいずれかに記載の感光性樹脂
組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工
程、現像する工程及び加熱する工程を含むパターンの製
造法。
【0017】11) 露光する工程が、露光光源として
i線単色光を用いて行うものである前記10)記載のパ
ターンの製造法。 12) 支持基板が直径20cm以上のシリコンウエハ
である前記10)又は11)記載のパターンの製造法。 13) 前記10)、11)又は12)記載の製造法に
より得られるパターンの層を有してなる電子部品。 14) 電子部品が半導体装置であり、パターンの層が
表面保護膜又は層間絶縁膜である前記13)記載の電子
部品。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の感光性樹脂組成物に必須
成分として用いられるポリイミド前駆体は、上記1)で
規定するように、別々に合成した(a)成分及び(b)
成分の2種類のポリイミド前駆体を含む混合物か、上記
2)で規定するように、(a)成分及び(b)成分の少
なくとも2種類のブロック単位を含むブロック共重合体
型のポリイミド前駆体である。以下、ブロック共重合体
型のポリイミド前駆体中の(a)成分及び(b)成分の
特性は、それぞれの成分のみからなるポリイミド前駆体
を合成して測定した際の特性として規定する。
【0019】上記(a)成分及び(b)成分のポリイミ
ド前駆体は、光反応を阻害しない程度の光透過性を有す
る。光反応を阻害しない程度であれば特に制限はない
が、前記各ポリイミド前駆体において、そのポリイミド
前駆体からなる膜の膜厚20μm当たりの波長365n
mの光の透過率が1%以上であることが好ましく、3%
以上であることがより好ましく、5%以上であることが
さらに好ましく、10%以上であることが特に好まし
く、10%〜80%であることが極めて好ましい。ここ
で、この値が1%未満であると、高解像度で形状の良好
なパターンを形成できる感光性樹脂組成物が得られにく
い傾向にある。
【0020】なお、透過率の測定に供されるポリイミド
前駆体の膜は、ポリイミド前駆体を溶剤に溶解した状態
で基板に塗布し、乾燥することにより製造できる。この
膜の波長365nmの光の透過率は、分光光度計(たと
えば日立U−3410型、(株)日立製作所製)により
測定することができる。なお、ブロック共重合体型のポ
リイミド前駆体の場合は、(a)成分及び(b)成分と
ともに、そのブロック共重合体としても上記光の透過率
を有することが好ましい。
【0021】また、上記(a)成分をイミド化して得ら
れるポリイミドのガラス転移温度は、特に制限はない
が、一般に350℃以上が好ましく、360℃以上がよ
り好ましく、370℃以上がさらに好ましい。一方、上
記(b)成分をイミド化して得られるポリイミドのガラ
ス転移温度は、ガラス転移温度が350℃未満であり、
300℃以下が好ましく、230〜300℃がより好ま
しい。
【0022】(b)成分をイミド化して得られるポリイ
ミドのガラス転移温度が350℃以上であるとブロック
共重合体型ポリイミド前駆体が十分に低残留応力になら
ない。なお、ガラス転移温度は、熱機械分析装置(TM
A。例えばセイコー電子工業(株)製、TMA−1)に
より測定することができる。本発明において、以上の
(a)成分と(b)成分の混合物又はそれらの成分のブ
ロック共重合体としてのポリイミド前駆体には、通常、
2つのガラス転移温度がみられ、これにより特徴づける
ことができる。
【0023】さらに、本発明の感光性樹脂組成物に用い
られる(a)成分及び(b)成分のポリイミド前駆体
は、(a)成分が、イミド化後のガラス転移温度以下に
おける熱膨張係数が2×10-5/K以下、好ましくは
1.5×10-5/K以下であり、かつ、(b)成分がイ
ミド化後のガラス転移温度以下における熱膨張係数が2
×10-4/K以下、好ましくは1×10-4/K以下、よ
り好ましくは3×10-5〜1×10-4/Kである。
(a)成分のイミド化後のガラス転移温度以下における
熱膨張係数が2×10 -5/Kを超えると低残留応力には
なりにくく、また(b)成分のイミド化後のガラス転移
温度以下における熱膨張係数が2×10-4/Kを超える
と耐熱性が悪くなる。
【0024】イミド化後の熱膨張係数の測定温度は、ガ
ラス転移温度以下であればよく、その範囲で一般に大き
くばらつくものではないが、基準として、例えば100
℃〜200℃で測定することができる。なお、前記熱膨
張係数は、熱機械分析装置(TMA)により測定するこ
とができる。測定条件に特に制限はないが、たとえば、
イミド化したフィルム(膜厚10μm、2mm×2.5
cmの長方形)に5mgの荷重をかけながら450℃ま
で昇温させることにより行うことができる。熱膨張係数
は100℃〜200℃の範囲で測定することができる。
後述する実施例でもこの方法により測定した。
【0025】また、(a)成分及び(b)成分のポリイ
ミド前駆体の化学構造としては、各々独立に、前記一般
式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミド前
駆体又はブロック単位であることがi線透過性、低熱膨
張性及び耐熱性の点で好ましい。(a)成分は、前記一
般式(1)において、Xとして前記一般式(2)から選
択される基であることが低熱膨張性及び耐熱性の点で好
ましい。また(a)成分は、前記一般式(1)におい
て、Yとして前記一般式(3)から選択される基である
ことがi線透過性、低ガラス転移温度及び耐熱性の点で
好ましい。
【0026】(a)成分及び(b)成分において、前記
一般式(1)の個々のR1は水素原子、炭素数1〜10
の炭化水素基又は光重合性基を示す。アルカリ現像用と
する場合は、一部に水素原子を有するようにするか、ま
たは、Yにカルボキシル基、フェノール性水酸基等の酸
性を示す基を有していることが好ましい。ネガ型の感光
性樹脂組成物である場合は、パターン性の点からR1
光重合性基を有することが好ましい。一方、ポジ型感光
性樹脂組成物である場合は、パターン性の点からR1
炭素数1〜10の炭化水素基(好ましくはアルキル基)
とし、Yにカルボキシル基、フェノール性水酸基等の酸
性を示す基を有していることが好ましい。
【0027】前記光重合性基としては、光の照射により
二量化又は重合が可能な、炭素炭素二重結合を有する基
が好ましく、具体的には、ビニル基やアリル基を含む一
価の有機基やアクリロキシアルキル基、メタクリロキシ
アルキル基などが挙げられるが、中でも良好な光重合性
を示す、アルキル部分の炭素原子数が1〜10のアクリ
ロキシアルキル基又はメタクリロキシアルキル基が好ま
しい。
【0028】本発明のポリイミド前駆体は、テトラカル
ボン酸又はその誘導体とジアミンとを、必要に応じて用
いる有機溶媒中で反応させることにより合成することが
できる。前記一般式(2)で示されるXを与えるテトラ
カルボン酸二無水物としては、例えば、
【化7】 等が挙げられる。
【0029】(a)成分のポリイミド前駆体において、
i線透過率、低応力性及び耐熱性等を低下させない程度
に前記一般式(2)以外のXを与えるテトラカルボン酸
二無水物又はその誘導体を使用することができる。例え
ば、オキシジフタル酸、3,3',4,4'−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸、3,3',4,4'−ビフェニル
テトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラ
カルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、
2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸、3,4,
9,10−ペリレンテトラカルボン酸、スルホニルジフ
タル酸、m−ターフェニル−3,3',4,4'−テトラ
カルボン酸、p−ターフェニル−3,3',4,4'−テ
トラカルボン酸、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−又は
3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス[4'−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノ
キシ)フェニル]プロパン、1,1,1,3,3,3−
ヘキサフルオロ−2,2−ビス[4'−(2,3−又は
3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン
等の芳香族テトラカルボン酸の二無水物が挙げられ、こ
れらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用され
る。テトラカルボン酸二無水物の誘導体としては、例え
ば、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸塩化物等が挙
げられる。ジアミンの反応の相手としては、反応性等の
点から、ポリアミド酸を合成する場合はテトラカルボン
酸二無水物が好ましく、ポリアミド酸エステルを合成す
る場合はテトラカルボン酸塩化物を一旦経由する方法が
好ましい。
【0030】ジアミン成分として、一般式(3)の残基
を与えるものとしては、例えば、
【化8】 等が挙げられる。
【0031】中でも
【化9】 が特に好ましいものとして挙げられる。
【0032】ジアミン成分として、i線透過率、低応力
性及び耐熱性等を低下させない程度に上記一般式(3)
の残基を与えるジアミン以外のジアミンを使用すること
ができる。一般式(3)の以外のジアミンとしては、特
に制限はなく、例えば、4,4'−(又は3,4'−、
3,3'−、 2,4'−、 2,2'−)ジアミノジフ
ェニルエーテル、4,4'−(又は3,4'−、 3,
3'−、 2,4'−、 2,2'−)ジアミノジフェニ
ルメタン、4,4'−(又は3,4'−、 3,3'−、
2,4'−、 2,2'−)ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4'−(又は3,4'−、 3,3'−、 2,
4'−、 2,2'−)ジアミノジフェニルスルフィド、
メタフェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m
−キシリレンジアミン、o−トリジン,o−トリジンス
ルホン、4,4'−メチレン−ビス(2,6−ジエチル
アニリン)、4,4'−メチレン−ビス(2,6−ジイ
ソプロピルアニリン)、2,4−ジアミノメシチレン、
1,5−ジアミノナフタレン、4,4'−ベンゾフェノ
ンジアミン、ビス[4−(4'−アミノフェノキシ)フ
ェニル]スルホン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス[4−(4'−アミノフェノキシ)フ
ェニル]プロパン、3,3'−ジメチル−4,4'−ジア
ミノジフェニルメタン、3,3',5,5'−テトラメチ
ル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−
(3'−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,
2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン等が挙げら
れ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用
される。また、ジアミノポリシロキサン等の脂肪族ジア
ミンが使用される。
【0033】一方、(b)成分のポリイミド前駆体にお
いて、一般式(1)におけるXを与えるテトラカルボン
酸二無水物としては、オキシジフタル酸、3,3',
4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3',
4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸、1,2,5,
6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナ
フタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレ
ンテトラカルボン酸、2,3,5,6−ピリジンテトラ
カルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボ
ン酸、スルホニルジフタル酸、m−ターフェニル−3,
3',4,4'−テトラカルボン酸、p−ターフェニル−
3,3',4,4'−テトラカルボン酸、1,1,1,
3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(2,3−
又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス[4'−(2,3−又は3,4
−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス
[4'−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)フェニル]プロパン等の芳香族テトラカルボン酸の
二無水物が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を
組み合わせて使用される。これらの中で、好ましいもの
としては、オキシジフタル酸、3,3',4,4'−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸、3,3',4,4'−ビフ
ェニルテトラカルボン酸等が挙げられる。
【0034】また、(b)成分のポリイミド前駆体にお
いて、一般式(1)におけるYを与えるジアミンとして
は、4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,
4′−、2,2′−)ジアミノジフェニルエーテル、
4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′
−、2,2′−)ジアミノジフェニルメタン、4,4′
−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′−、2,
2′−)ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−(又
は3,4′−、3,3′−、2,4′−、2,2′−)
ジアミノジフェニルスルフィド、パラフェニレンジアミ
ン、メタフェニレンジアミン、p−キシリレンジアミ
ン、m−キシリレンジアミン、o−トリジン,o−トリ
ジンスルホン、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−
ジエチルアニリン)、4,4′−メチレン−ビス−
(2,6−ジイソプロピルアニリン)、2,4−ジアミ
ノメシチレン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4′
−ベンゾフェノンジアミン、ビス−{4−(4′−アミ
ノフェノキシ)フェニル}スルホン、1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス{4−(4′−アミノ
フェノキシ)フェニル}プロパン、3,3′−ジメチル
−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′,
5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジフェニ
ルメタン、ビス{4−(3′−アミノフェノキシ)フェ
ニル}スルホン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)
プロパン等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上
を組み合わせて使用される。これらの中で、好ましいも
のとしては、4,4′−(又は3,4′−、3,3′
−、2,4′−、2,2′−)ジアミノジフェニルエー
テル等が挙げられる。
【0035】本発明において、前記(a)成分のポリイ
ミド前駆体と、(b)成分のポリイミド前駆体の混合比
(又は(a)成分のブロック単位と、(b)成分のブロ
ック単位の存在比)としては、i線透過性と低応力性の
点から、前者/後者(重量比)で90/10〜10/9
0が好ましく、80/20〜20/80がより好まし
い。
【0036】本発明に使用される(a)成分のポリイミ
ド前駆体及び(b)成分のポリイミド前駆体の分子量に
特に制限はないが、重量平均分子量で、10,000〜
100,000であることが好ましい。なお、重量平均
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法
により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて算出す
ることができる。
【0037】本発明のポリイミド前駆体の製造方法に特
に制限はなく、公知の種々の方法を用いることができ
る。また、ブロック共重合体を製造する方法も特に制限
はなく、たとえば、公知の種々の方法を用いてポリイミ
ド前駆体を製造しておき、その後それぞれのポリイミド
前駆体を重縮合する手法を用いることができる。なお、
ブロック共重合体の場合、(a)成分及び(b)成分の
各特性は、各ブロック単位が、単独のポリイミド前駆体
として存在する場合のそのポリイミド前駆体の特性とし
て特定するが、例えば、各ブロック単位のみの前駆体で
あって、重量平均分子量が、20,000〜50,00
0程度の前駆体を合成し、これについて測定する方法に
よることが好ましい。
【0038】ポリイミド前駆体に感光性を付与する場
合、感光性を付与する方法としては、例えば、ポリイミ
ド前駆体のカルボキシル基にアミノ基を有するアクリル
化合物をイオン結合で導入する方法や、ポリイミド前駆
体の側鎖(例えば、カルボキシル基、水酸基等)にエス
テル結合により水酸基を有するアクリル化合物を導入す
る方法(前記一般式(1)で示される繰り返し単位を有
するもの)、ポリイミド前駆体と反応性のモノマを混合
する方法、光酸発生剤又は光塩基発生剤等の感光性付与
剤を混合する方法など既知の方法が挙げられる。そし
て、本発明の感光性樹脂組成物は、感光性を付与する方
法に応じてネガ型又はポジ型の感光性樹脂組成物とする
ことができる。
【0039】ネガ型とするため、側鎖にイオン結合を介
して光重合性基を付与するために用いられる、アミノ基
を有するアクリル化合物としては、ジメチルアミノエチ
ルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミ
ノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアク
リレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジ
エチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプ
ロピルメタクリレート、ジメチルアミノブチルアクリレ
ート、ジメチルアミノブチルメタクリレート、ジエチル
アミノブチルアクリレート、ジエチルアミノブチルメタ
クリレート、などのジアルキルアミノアルキルアクリレ
ート又はメタクリレートが好ましく、中でもアミノ基上
のアルキル基が炭素数1〜10、アルキル鎖が炭素数1
〜10のジアルキルアミノアルキルアクリレート又はメ
タクリレートが好ましいものとして用いられる。
【0040】また、側鎖のエステル結合を構成するため
に用いられるアルコール化合物としては、ネガ型の感光
性樹脂組成物を製造するためにポリアミド酸エステルに
光重合性基を付与する場合は、ヒドロキシメチルアクリ
レート、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシ
エチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、
ヒドロキシブチルメタクリレートなどの不飽和アルコー
ル化合物が好ましく、中でもアルキル鎖の炭素数が1〜
10のヒドロキシアルキルアクリレート又はヒドロキシ
アルキルメタクリレートが好ましいものとして用いられ
る。
【0041】また前記アルコール化合物として、ポジ型
の感光性樹脂組成物を製造するために用いられるものと
しては、飽和アルコール化合物が挙げられ、メタノー
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチル
アルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチル
アルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3
−ペンタノール、イソアミルアルコール、1−ヘキサノ
ール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノールなどの炭素
原子数1〜10のアルキルアルコールが挙げられ、これ
らは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用すること
ができる。
【0042】側鎖のエステル結合を構成するための各成
分の反応は、周知の方法によることができる。即ち、塩
化チオニル法、DCC法、イソイミド法などが知られて
いる。反応に使用する有機溶媒としては、生成するポリ
イミド前駆体を完全に溶解する極性溶媒が好ましく、例
えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルリン
酸トリアミド、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
【0043】また、この極性溶媒以外にケトン類、エス
テル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素
類、炭化水素類等も使用することができ、例えば、アセ
トン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエ
チル、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチル
エーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロ
エタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、
クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が
挙げられ、これらの有機溶媒は、単独で又は2種類以上
を組み合わせて使用される。
【0044】本発明の感光性樹脂組成物において、ネガ
型の感光性樹脂組成物とするには、一般に、光重合開始
剤を含有させる。光重合開始剤としては、例えば、ミヒ
ラーズケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2
−t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノ
ン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、
アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチ
ル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリ
ノ−1−プロパノン、ベンジル、ジフェニルジスルフィ
ド、フェナンスレンキノン、2−イソプロピルチオキサ
ントン、リボフラビンテトラブチレート、2,6−ビス
(p−ジエチルアミノベンザル)−4−メチル−4−ア
ザシクロヘキサノン、N−エチル−N−(p−クロロフ
ェニル)グリシン、N−フェニルジエタノールアミン、
2−(o−エトキシカルボニル)オキシイミノ−1,3
−ジフェニルプロパンジオン、1−フェニル−2−(o
−エトキシカルボニル)オキシイミノプロパン−1−オ
ン、3,3,4,4−テトラ(t−ブチルパーオキシカ
ルボニル)ベンゾフェノン、3,3'−カルボニルビス
(7−ジエチルアミノクマリン)、ビス(シクロペンタ
ジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−
1−イル)フェニル]チタン、1,3−ジフェニル−
1,2,3−プロパントリオン−2−(o−エトキシカ
ルボニル)オキシム、ヘキサアリールビスイミダゾール
誘導体等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上
を組み合わせて使用される。
【0045】光重合開始剤の使用量は、ポリイミド前駆
体の総量100重量部に対して、0.01〜30重量部
とすることが好ましく、0.05〜10重量部とするこ
とがより好ましい。この使用量が、0.01重量部未満
では、光感度が劣る傾向があり、30重量部を超える
と、フィルムの機械特性が劣る傾向がある。
【0046】また、ネガ型の感光性樹脂組成物は、必要
に応じて、付加重合性化合物を含有することができる。
付加重合性化合物としては、例えば、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリ
レート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジ
エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレング
リコールジメタクリレート、テトラエチレングリコール
ジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリ
メチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオール
ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,
6−ヘキサンジオールメタクリレート、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、スチ
レン、ジビニルベンゼン、4−ビニルトルエン、4−ビ
ニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、1,3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプ
ロパン、1,3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキ
シプロパン、メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジ
メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド
等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み
合わせて使用される。
【0047】付加重合性化合物の使用量は、ポリイミド
前駆体の総量100重量部に対して、1〜200重量部
とすることが好ましい。この使用量が、1重量部未満で
は、現像液への溶解性も含んだ感光特性が劣る傾向があ
り、200重量部を超えると、フィルムの機械特性が劣
る傾向がある。
【0048】また、ネガ型の感光性樹脂組成物には、保
存時の安定性を高めるために、ラジカル重合禁止剤又は
ラジカル重合抑制剤を含有することができる。ラジカル
重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤としては、例えば、
p−メトキシフェノール、ジフェニル−p−ベンゾキノ
ン、ベンゾキノン、ハイドロキノン、ピロガロール、フ
ェノチアジン、レソルシノール、オルトジニトロベンゼ
ン、パラジニトロベンゼン、メタジニトロベンゼン、フ
ェナントラキノン、N−フェニル−1−ナフチルアミ
ン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、クペロン、フ
ェノチアジン、2,5−トルキノン、タンニン酸、パラ
ベンジルアミノフェノール、ニトロソアミン類等が挙げ
られる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて
使用される。
【0049】ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制
剤の使用量は、ポリイミド前駆体の総量100重量部に
対して、0.01〜30重量部とすることが好ましく、
0.05〜10重量部とすることがより好ましい。この
使用量が、0.01重量部未満であると、保存時の安定
性が劣る傾向があり、30重量部を超えると、光感度及
びフィルムの機械特性が劣る傾向がある。
【0050】一方、ポジ型の感光性樹脂組成物を製造す
る場合、ポリイミド前駆体とともに、光により酸を発生
する化合物を用いることが好ましい。光により酸を発生
する化合物は、酸を発生させ、光の照射部の現像液(ア
ルカリ水溶液)への可溶性を増大させる機能を有するも
のである。その種類としてはo−キノンジアジド化合
物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム
塩、トリアリールスルホニウム塩などが挙げられる。光
により酸を発生する化合物は、現像後の膜厚及び感度の
点から、ポリイミド前駆体の総量100重量部に対し
て、好ましくは5〜100重量部、より好ましくは10
〜40重量部用いられる。
【0051】本発明の感光性樹脂組成物は、前記ポリイ
ミド前駆体及び他の成分を溶剤に溶解して、溶液状態で
得ることができる。前記溶剤としては、例えば、N−メ
チル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチルスル
ホン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロ
ペンタノン等の非プロトン性極性溶剤が単独で又は2種
以上併用して用いられる。
【0052】本発明の感光性樹脂組成物は、硬化膜の基
板との接着性を高めるために、さらに有機シラン化合
物、アルミキレート化合物、けい素含有ポリアミド酸な
どを含むことができる。有機シラン化合物としては、例
えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。アルミ
キレート化合物としては、例えば、トリス(アセチルア
セテート)アルミニウム、アセチルアセテートアルミニ
ウムジイソプロピレートなどが挙げられる。
【0053】こうして得られる本発明の感光性樹脂組成
物は、その感光性樹脂組成物を用いてシリコンウエハ上
にポリイミド膜を形成した際のシリコンウエハの23℃
における残留応力が、電子部品の信頼性等の点で、25
MPa以下となることが好ましく、20MPa以下とな
ることがより好ましい。なお、残留応力は、レーザー光
の反射角から求めた支持基板の反りを用いて算出するこ
とができる。たとえば、前記残留応力は応力測定装置
(例えばテンコール社製FLX−2320)により測定す
ることができる。
【0054】本発明の感光性樹脂組成物は、浸漬法、ス
プレー法、スクリーン印刷法、回転塗布法等によってシ
リコンウエハー、金属基板、セラミック基板等の基材上
に塗布され、溶剤の大部分を加熱乾燥することにより粘
着性のない塗膜とすることができる。この塗膜の膜厚に
は特に制限はないが、回路特性等の点から、4〜50μ
mであることが好ましく、6〜40μmであることがよ
り好ましく、10〜40μmであることが特に好まし
く、20〜35μmであることが極めて好ましい。この
塗膜上に、所望のパターンが描かれたマスクを通して活
性光線又は化学線を照射する等してパターン状に露光
後、未露光部を適当な現像液で現像して溶解し、除去す
ることにより、所望のレリーフパターンを得ることがで
きる。
【0055】また、本発明の感光性樹脂組成物は、低残
留応力の膜を形成できるので、直径が20cm(8イン
チ)以上、特に30cm(12インチ)以上のシリコン
ウエハなどの大径のウエハへの適用に好適である。この
塗膜上に、所望のパターンが描かれたマスクを通して活
性光線又は化学線を照射してパターン状に露光後、未露
光部又は露光部を適当な現像液で現像して溶解し、除去
することにより、所望のパターンを得ることができる。
【0056】本発明の感光性樹脂組成物は、i線ステッ
パ等を用いたi線単色光の露光用に好適なものである
が、照射する活性光線又は化学線としては、i線以外
に、例えば、超高圧水銀灯を用いるコンタクト/プロキ
シミテイ露光機、ミラープロジェクション露光機、g線
ステッパ、その他の紫外線、可視光源、X線、電子線等
も使用することができる。
【0057】現像液としては、例えば、有機溶媒現像液
として、良溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン等)、前記良溶媒と貧溶媒(低級アルコール、ケト
ン、水、芳香族炭化水素等)との混合溶媒、アルカリ水
溶液などが挙げられる。前記アルカリ水溶液としては、
例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液、トリ
エタノールアミン水溶液等が挙げられる。現像後は、必
要に応じて、水又は貧溶媒でリンスを行い、パターンを
安定なものとすることが好ましい。また、このレリーフ
パターンを、加熱することによりパターン化された高耐
熱性ポリイミドを形成することができる。
【0058】この時の加熱温度は、150〜500℃と
することが好ましく、200〜400℃とすることがよ
り好ましい。この加熱温度が、150℃未満であると、
ポリイミド膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向があ
り、500℃を超えると、ポリイミド膜の機械特性及び
熱特性が低下する傾向がある。
【0059】また、この時の加熱時間は、0.1〜10
時間とすることが好ましい。この加熱時間が、0.1時
間未満であると、ポリイミド膜の機械特性及び熱特性が
低下する傾向があり、10時間を超えると、ポリイミド
膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向がある。
【0060】本発明の感光性樹脂組成物は、半導体装置
や多層配線板等の電子部品に使用することができ、具体
的には、半導体装置の表面保護膜や層間絶縁膜、多層配
線板の層間絶縁膜等の形成に使用することができる。本
発明の電子部品は、前記組成物を用いて形成される表面
保護膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限され
ず、様々な構造をとることができる。
【0061】本発明の電子部品の一例として、半導体装
置の製造工程の一例を以下に説明する。図1は多層配線
構造の半導体装置の製造工程図である。図において、回
路素子を有するSi基板等の半導体基板は、回路素子の
所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆さ
れ、露出した回路素子上に第1導体層が形成されてい
る。前記半導体基板上にスピンコート法等で層間絶縁膜
としての樹脂等の膜4が形成される(工程(a))。
【0062】次に塩化ゴム系、フェノールノボラック系
などの感光性樹脂層5が前記層間絶縁膜4上にスピンコ
ート法で形成され、公知の写真食刻技術によって所定部
分の層間絶縁膜4が露出するように窓6Aが設けられて
いる(工程(b))。前記窓6Aの層間絶縁膜4は、酸
素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手
段によって選択的にエッチングされ、窓6Bがあけられ
ている。ついで窓6Bから露出した第1導体層3を腐食
することなく、感光樹脂層5のみを腐食するようなエッ
チング溶液を用いて感光樹脂層5が完全に除去される
(工程(c))。
【0063】さらに公知の写真食刻技術を用いて、第2
導体層7を形成させ、第1導体層3との電気的接続が完
全に行われる(工程(d))。3層以上の多層配線構造
を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を
形成することができる。
【0064】次に表面保護膜8が形成される。この図の
例では、この表面保護膜を前記感光性樹脂組成物をスピ
ンコート法にて塗布、乾燥し、所定部分に窓6Cを形成
するパターンを描いたマスク上から光を照射した後アル
カリ水溶液にて現像してパターンを形成し、加熱してレ
リーフパターンの樹脂膜とする。この樹脂膜は、導体層
を外部からの応力、α線などから保護するものであり、
得られる半導体装置は信頼性に優れる。なお、上記例に
おいて、層間絶縁膜を本発明の感光性樹脂組成物を用い
て形成することも可能である。
【0065】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 合成例1 かく拌機、窒素導入管、冷却管及び温度計を備えた四つ
口セパラブルフラスコに表1に示した酸成分(5g)、
酸成分に対して2倍モル量のヒドロキシエチルメタクリ
レート、触媒量(70mg)の1,8−ジアザビシクロ
[5,4,0]ウンデカ−7−エンを加え、N,N−ジ
メチルアセトアミド(DMAc)に溶解した。60〜7
0℃で1時間加熱した後、室温で一晩かく拌した。氷浴
で冷却しながら酸成分に対して2倍モル量の塩化チオニ
ルを滴下し、その後1時間かく拌した。冷却しながら表
1に示したジアミン成分、触媒量のピリジンのDMAc
溶液を滴下し、その後室温で30分かく拌した。蒸留水
中に固形分を再沈させ、ミックスローターを用いて洗浄
した。吸引ろ過後40℃で減圧乾燥し、粉末状のポリイ
ミド前駆体を得た。このようにして得た種々のポリイミ
ド前駆体をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)又は
γ−ブチロラクトン(GBL)に溶解し、ポリイミド前
駆体溶液を得た。
【0066】実施例1 上記合成例で得た、PMDA−HEMA/DADとOD
PA−HEMA/DADの混合物をGBLに溶解し(重
量比で固形分40%)、ポリイミド前駆体溶液を得た。
この溶液をガラスプレート上に滴下スピンコート、ホッ
トプレートを用いて、85℃で100秒間、95℃で1
00秒間加熱し、20μmの塗布膜を形成した。この膜
のi線透過率を紫外可視分光光度計で測定したところ4
5%であった。
【0067】次に、ポリイミド前駆体総量を1として、
これに対する重量比でテトラエチレングリコールジアク
リレート(TEGDA)を0.2、ミヒラーズケトン
(MK)を0.004、1,3−ジフェニル−1,2,
3−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニ
ル)オキシム(PDO)0.06、2−メルカプトベン
ゾオキサゾール0.02を加えて溶解後、均一な感光性
樹脂組成物溶液を得た。得られた感光性樹脂組成物溶液
をフィルタ濾過し、シリコンウエハ上に滴下スピンコー
トした。ホットプレートを用いて、85℃で100秒
間、95℃で100秒間加熱し、20μmの塗布膜を形
成した。この塗布膜をパターンマスクし、i線ステッパ
で露光した後、γ−ブチロラクトンを主成分とする有機
溶剤を用いてパドル現像したところ、良好なパターンを
得た。さらに、これを窒素雰囲気下400℃で60分間
加熱して、ポリイミドのレリーフパターンを得た。レリ
ーフパターンは解像度5μm、PCT(120℃、2気
圧)500時間を満たした。さらに、シリコンウエハ上
の残留応力をテンコール社製薄膜ストレス測定装置(F
LX−2320型)で測定したところ16MPaであっ
た。
【0068】なお、ウエハ上の残留応力は5インチウエ
ハ上に膜厚10μmのポリイミド膜を形成し、テンコー
ル社製薄膜ストレス測定装置(FLX−2320型)で
測定した。ガラス転移温度は、熱機械分析装置(セイコ
ー電子工業(株)製TMA−1、昇温10℃/min、
温度RT〜300℃)で測定した。
【0069】ガラス転移温度下の熱膨張係数の関係の測
定法 熱機械分析装置(セイコー電子工業(株)製TMA−
1、昇温10℃/min、温度RT〜300℃)で測定
した。熱膨張係数は、100℃〜200℃の温度範囲で
求めた。解像度は、スルホールテストパターンを用い
て、現像可能なスルホールの最小の大きさとして評価し
た。
【0070】実施例2 ポリイミド前駆体溶液をMMXDA−HEMA/DAD
とODPA−HEMA/DADの混合物にした。この前
駆体溶液の塗布膜のi線透過率は60%であった。実施
例1と同様の方法で感光性樹脂溶液を調製し、塗布膜を
作製した。露光、現像、加熱して得たレリーフパターン
は解像度5μm、PCT(120℃、2気圧)500時
間を満たした。さらに、シリコンウエハ上の残留応力を
テンコール社製薄膜ストレス測定装置(FLX−232
0型)で測定したところ15MPaであった。
【0071】実施例3 ポリイミド前駆体溶液をPSDA−HEMA/DADと
ODPA−HEMA/DDEの混合物にした。この前駆
体溶液の塗布膜のi線透過率は35%であった。実施例
1と同様の方法で感光性樹脂溶液を調製し、塗布膜を作
製した。露光、現像、加熱して得たレリーフパターンは
解像度6μm、PCT(120℃、2気圧)500時間
を満たした。さらに、シリコンウエハ上の残留応力をテ
ンコール社製薄膜ストレス測定装置(FLX−2320
型)で測定したところ18MPaであった。
【0072】合成例2 かく拌機、窒素導入管、冷却管及び温度計を備えた四つ
口セパラブルフラスコにジアミン成分DAD5gを加え
NMP(重量比で固形分25%)に溶解した。ジアミン成
分と等モル量の酸成分PMDAを加え、室温で一晩かく
拌することによってポリイミド前駆体溶液を得た。同様
の方法で酸成分ODPAとジアミン成分DADのポリイ
ミド前駆体溶液も得た。
【0073】実施例4 合成例2で得た2種類のポリイミド前駆体溶液を80重
量部対20重量部の割合で混合した。この溶液をガラス
プレート上に滴下スピンコート、ホットプレートを用い
て、85℃で100秒間、95℃で100秒間加熱し、
20μmの塗布膜を形成した。この膜のi線透過率を紫
外可視分光光度計で測定したところ60%であった。次
に、ポリマ全体に対する重量比でN,N−ジメチルアミ
ノプロピルメタクリレートを0.65、ミヒラーズケト
ン(MK)を0.004、1,3−ジフェニル−1,
2,3−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボ
ニル)オキシム(PDO)0.06、2−メルカプトベ
ンゾオキサゾール0.02を加えて溶解後、均一な感光
性樹脂組成物溶液を得た。その後、実施例1と同様の方
法で塗布膜を形成し、露光、現像、加熱して得たレリー
フパターンは解像度6μm、PCT(120℃、2気
圧)500時間を満たした。さらに、シリコンウエハ上
の残留応力をテンコール社製薄膜ストレス測定装置(F
LX−2320型)で測定したところ12MPaであっ
た。
【0074】合成例3 かく拌機、窒素導入管、冷却管及び温度計を備えた四つ
口セパラブルフラスコに酸成分ODPA(6g)、酸成
分に対して2倍モル量のヒドロキシエチルメタクリレー
ト、触媒量(70mg)の1,8−ジアザビシクロ
[5,4,0]ウンデカ−7−エンを加え、N,N−ジ
メチルアセトアミド(DMAc)に溶解した。60〜7
0℃で1時間加熱した後、室温で一晩かく拌した。氷浴
で冷却しながら酸成分に対して2倍モル量の塩化チオニ
ルを滴下し、その後1時間かく拌した。冷却しながら酸
成分に対して1.1倍モル量のジアミン成分DAD、酸
成分に対して2倍モル量のピリジンのDMAc溶液を滴
下し、その後室温で30分かく拌した。蒸留水中に固形
分を再沈させ、ミックスローターを用いて洗浄した。吸
引ろ過後40℃で減圧乾燥し、粉末状のポリイミド前駆
体を得た。同様の方法で、酸成分PMDA(10g)、
酸成分ODPAに対して2倍モル量のヒドロキシエチル
メタクリレートを加えたDMAc溶液を60〜70℃で
1時間加熱した後、室温で一晩かく拌した。氷浴で冷却
しながら酸成分に対して2倍モル量の塩化チオニルを滴
下し、その後1時間かく拌した。冷却しながら酸成分P
MDAに対して0.91倍モル量のジアミン成分DAD
溶液を滴下し、室温で30分攪拌した。このフラスコの
中に、先に合成しておいた酸成分ODPA、ジアミン成
分DADからなるポリイミド前駆体のDMAc溶液を滴
下し、その後1時間かく拌した。蒸留水中に固形分を再
沈させ、ミックスローターを用いて洗浄した。吸引ろ過
後40℃で減圧乾燥し、粉末状のブロック共重合体型の
ポリイミド前駆体を得た。このブロック共重合体型のポ
リイミド前駆体をGBLに溶解し、ポリイミド前駆体溶
液を得た。なお、ブロック共重合体の各ブロック成分の
特性は、前記実施例1で使用した2種のポリイミド前駆
体と同様と判断できる。
【0075】実施例5 合成例3で得たポリイミド前駆体溶液の塗布膜のi線透
過率は42%であった。実施例1と同様に感光性樹脂溶
液を調製し、塗布膜を作製した。露光、現像、加熱して
得たレリーフパターンは解像度5μm、PCT(120
℃、2気圧)500時間を満たした。さらに、シリコン
ウエハ上の残留応力をテンコール社製薄膜ストレス測定
装置(FLX−2320型)で測定したところ15MP
aであった。
【0076】比較例1 PMDA−HEMA/DADのみのポリイミド前駆体溶
液を調製した。この溶液の塗布膜のi線透過率は40%
であった。実施例1と同様の方法で感光性樹脂溶液を調
製し、塗布膜を作製した。窒素雰囲気下400℃で60
分間加熱した後測定したシリコンウエハ上の残留応力は
18MPaと小さかったが、ポリイミド膜がもろく実用
性がなかった。
【0077】比較例2 PMDA−HEMA/DMAPのみのポリイミド前駆体
溶液を調製した。この溶液の塗布膜のi線透過率は3%
で実用性がなかった。 比較例3 ODPA−HEMA/DADのみのポリイミド前駆体溶
液を調製した。この溶液の塗布膜のi線透過率は60%
であった。実施例1と同様の方法で感光性樹脂溶液を調
製し、塗布膜を作製した。窒素雰囲気下400℃で60
分間加熱した後測定したシリコンウエハ上の残留応力は
46MPaと大きかった。
【0078】比較例4 ODPA−HEMA/DDEのみのポリイミド前駆体溶
液を調製した。この溶液の塗布膜のi線透過率は50%
であった。実施例1と同様の方法で感光性樹脂溶液を調
製し、塗布膜を作製した。窒素雰囲気下400℃で60
分間加熱した後測定したシリコンウエハ上の残留応力は
45MPaと大きかった。 比較例5 PMDA−HEMA/DADとPMDA−HEMA/D
MAPを混合したポリイミド前駆体溶液を調製した。こ
の溶液の塗布膜のi線透過率は1%で実用性がなかっ
た。
【0079】比較例6 ODPA−HEMA/DADとODPA−HEMA/D
DEを混合したポリイミド前駆体溶液を調製した。この
溶液の塗布膜のi線透過率は50%であった。実施例1
と同様の方法で感光性樹脂溶液を調製し、塗布膜を作製
した。窒素雰囲気下400℃で60分間加熱した後測定
したシリコンウエハ上の残留応力は50MPaと大きか
った。
【0080】
【表1】 *PMDA;ピロメロット酸二無水物、 ODPA;オキシジフタル酸二無水物、 MMXDA;9,9−ジメチル−2,3,6,7−キサ
ンテンテトラカルボン酸二無水物、 DAD;3,6−ジアミノデュレン、 DDE;4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、 DMAP;2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノジ
フェニル HEMA;ヒドロキシエチルメタクリレート なお、熱膨張係数(CTE)は100℃〜200℃で求
めた。分子量測定条件(GPC法)は次の通り。 検出器: L4000 UV Detector ((株)日立製作所製)、検
出波長270nm ポンプ: L6000 Pump ((株)日立製作所製) データ処理: C-R4A Chromatopac ((株)島津製作所製) カラム: Gelpack GL-S300 MDT-5(日立化成工業(株)
製)×2本 溶離液: THF/DMF=1/1(容積比)、LiBr(0.03mol/dm3)、H3
PO4(0.06mol/dm3)
【0081】
【表2】
【0082】
【発明の効果】本発明の感光性樹脂組成物は、ポリイミ
ド前駆体における良好なi線透過性、イミド化後の低ガ
ラス転移温度を両立し、かつ、ポリイミド膜を形成した
シリコンウエハが低残留応力となる、良好なパターンが
形成可能である。また本発明の感光性樹脂組成物は、前
記特徴を有し、かつ溶剤現像又はアルカリ現像可能なネ
ガ型のものである。また本発明の感光性樹脂組成物は、
前記特徴を有し、かつアルカリ現像可能なポジ型のもの
である。
【0083】また本発明のパターンの製造法によれば、
高i線透過率により、i線露光により高感度、高解像度
で形状も良好なパターンを製造でき、イミド化後に低応
力で、耐熱性等に優れるポリイミド膜を形成することが
できる。また本発明の電子部品は、高解像度で形状も良
好なパターンであり、耐熱性等に優れたポリイミド膜を
有し、しかも残留応力が極めて小さいため、信頼性に優
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多層配線構造の半導体装置の製造工程図であ
る。
【符号の説明】
1…半導体基板、 2…保護膜、 3…第1導体層、
4…層間絶縁膜層、5…感光樹脂層、 6A、6B、6
C…窓、 7…第2導体層、 8…表面保護膜層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/028 G03F 7/028 7/037 501 7/037 501 7/039 601 7/039 601 7/075 511 7/075 511 521 521 7/40 501 7/40 501 H01L 21/027 H01L 21/30 502R Fターム(参考) 2H025 AA00 AA01 AA02 AA03 AA04 AA10 AB16 AC01 AD01 AD03 BC69 BE00 BG00 CA01 CA27 CA28 CA39 CB25 CB32 DA19 FA03 FA17 FA29 2H096 AA25 BA06 BA11 BA20 EA02 GA08 HA01 JA04 LA17 4J002 CM04W CM04X GQ05 4J027 AD06 CC04 CC05 CD06

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 光反応を阻害しない程度の光透過
    性を有するポリイミド前駆体であって、かつ、イミド化
    後のガラス転移温度以下における熱膨張係数が2×10
    -5/K以下となるポリイミド前駆体と、(b) 光反応
    を阻害しない程度の光透過性を有するポリイミド前駆体
    であって、イミド化後のガラス転移温度が350℃未満
    であって、かつ、イミド化後のガラス転移温度以下にお
    ける熱膨張係数が2×10-4/K以下となるポリイミド
    前駆体とを含有してなる感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】少なくとも2種類のブロック単位を含むブ
    ロック共重合体型のポリイミド前駆体であって、(a)
    1種類のブロック単位が、単独のポリイミド前駆体とし
    て存在する場合に、光反応を阻害しない程度の光透過性
    を有するポリイミド前駆体であって、かつ、イミド化後
    のガラス転移温度以下における熱膨張係数が2×10-5
    /K以下となるものであり、(b)他の1種類のブロッ
    ク単位が、単独のポリイミド前駆体として存在する場合
    に、光反応を阻害しない程度の光透過性を有するポリイ
    ミド前駆体であって、イミド化後のガラス転移温度が3
    50℃未満であって、かつ、イミド化後のガラス転移温
    度以下における熱膨張係数が2×10-4/K以下となる
    ポリイミド前駆体とを含有してなる感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(a)成分及び(b)成分の光透過性が、
    共に波長365nmの光の透過率が膜厚20μmあたり
    5%以上の光透過性を有するものである請求項1又は2
    記載の感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】感光性樹脂組成物を用いてシリコンウエハ
    上にポリイミド膜を形成した際の23℃におけるシリコ
    ンウエハの残留応力が25MPa以下となる請求項1、
    2又は3記載の感光性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(a)成分及び(b)成分が、各々独立
    に、一般式(1) 【化1】 (式中、Xは芳香族四塩基酸二無水物又は脂環式四塩基
    酸二無水物の残基である四価の有機基であり、Yは二価
    の有機基であり、個々のR1は独立に水素原子、炭化水
    素基又は光重合性基を示す)で表される繰り返し単位を
    有するものである請求項1、2、3又は4記載の感光性
    樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(a)成分として、一般式(1)のXが一
    般式(2) 【化2】 (式中、R2とR3は、各々独立に、単結合、O、C
    2、C=O、Si(CH3 2、C(CH32、C(C
    32、C(CH3)(CF3)、Si(OCH32、C
    (OCH32、C(OCF32、C(OCH3)(OC
    3)、S、SO2、CH(CH3)、CH(CF3)、C
    H(OCH3)、CH(OCF3)、SiH(CH3)及
    びSiH(OCH3)から選択される基である)で表さ
    れるものを用いてなる請求項1〜5のいずれかに記載の
    感光性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】(a)成分として、一般式(1)のYが一
    般式(3) 【化3】 (式中、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11
    は、各々独立に、水素原子又はその他の一価の基を示
    す)で表されるものを用いてなる請求項1、2、3、4
    又は5記載の感光性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】(a)成分及び(b)成分として、一般式
    (1)のR1の少なくとも一部が光重合性基のものを用
    い、さらに光重合開始剤を含み、ネガ型である請求項1
    〜7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】(a)成分及び(b)成分として、一般式
    (1)のR1が炭素数1〜10のアルキル基であり、さ
    らに光により酸を発生する化合物を含み、ポジ型である
    請求項1〜7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の感光性
    樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光す
    る工程、現像する工程及び加熱する工程を含むパターン
    の製造法。
  11. 【請求項11】露光する工程が、露光光源としてi線単
    色光を用いて行うものである請求項10記載のパターン
    の製造法。
  12. 【請求項12】支持基板が直径20cm以上のシリコン
    ウエハである請求項10又は11記載のパターンの製造
    法。
  13. 【請求項13】請求項10、11又は12記載の製造法
    により得られるパターンの層を有してなる電子部品。
  14. 【請求項14】電子部品が半導体装置であり、パターン
    の層が表面保護膜又は層間絶縁膜である請求項13記載
    の電子部品。
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