JP2020056957A - 感光性樹脂組成物、パターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品 - Google Patents
感光性樹脂組成物、パターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品 Download PDFInfo
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Abstract
Description
1.(A1)下記式(1)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体、
(A2)下記式(1A)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体、
(B)重合性モノマー、
(C)光重合開始剤、及び
(D)溶剤を含有する感光性樹脂組成物。
2.前記(B)成分が、重合性の不飽和二重結合を含む基を有する重合性モノマーを含む1に記載の感光性樹脂組成物。
3.前記重合性の不飽和二重結合を含む基が、2以上である2に記載の感光性樹脂組成物。
4.前記(A2)成分の含有量が、前記(A1)成分100質量部に対して、5〜55質量部である1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
5.前記(A2)成分の重量平均分子量が、前記(A1)成分の重量平均分子量に対して、1.2〜3.0倍である1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
6.前記(A2)成分の重量平均分子量が、30,000〜200,000である1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
7.さらに、(E)熱重合開始剤を含む1〜6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
8.1〜7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、
前記感光性樹脂膜をパターン露光して、樹脂膜を得る工程と、
前記パターン露光後の樹脂膜を、有機溶剤を用いて、現像し、パターン樹脂膜を得る工程と、
前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程と、を含むパターン硬化物の製造方法。
9.前記加熱処理の温度が200℃以下である8に記載のパターン硬化物の製造方法。
10.1〜7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化した硬化物。
11.パターン硬化物である10に記載の硬化物。
12.10又は11に記載の硬化物を用いて作製された層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜。
13.12に記載の層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜を含む電子部品。
「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。さらに、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本明細書における「(メタ)アクリル基」とは、「アクリル基」及び「メタクリル基」を意味する。
また、任意の効果として、200℃以下の低温硬化であっても、機械特性の優れた硬化物を形成できる。
本発明の感光性樹脂組成物は、電子部品用材料であることが好ましい。
式(1)で表される構造単位の含有量は、(A1)成分の全構成単位に対して、50モル%以上であることが好ましく、80モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。上限は特に限定されず、100モル%でもよい。
式(8)で表されるテトラカルボン酸二無水物及び式(9)で表されるジアミノ化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
式(1)で表される構造単位以外の構造単位としては、式(11)で表される構造単位等が挙げられる。
式(11)のY2の2価の芳香族基は、式(1)のY1の2価の芳香族基と同様のものが挙げられる。
式(11)のR51及びR52の炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基は、R1及びR2の炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
(A1)成分及び後述の(A2)成分の重量平均分子量は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定することができ、標準ポリスチレン検量線を用いて換算することによって求めることができる。
式(1A)のY1Aの2価の芳香族基は、式(1)のY1の2価の芳香族基と同様のものが挙げられる。
式(1A)のR1A及びR2Aの炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基は、R1及びR2の炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
式(1A)で表される構造単位以外の構造単位としては、式(1)で表される構造単位等が挙げられる。
テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレート、アクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、メタクリロイルオキシエチルイソシアヌレート等が挙げられる。テトラエチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレートが好ましい。
上記範囲内である場合、実用的なレリ−フパターンが得られやすく、未露光部の現像後残滓を抑制しやすい。
2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン誘導体、
チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、
ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール等のベンジル誘導体、
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン誘導体、及び
1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、下記式で表される化合物等のオキシムエステル類などが好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記範囲内の場合、光架橋が膜厚方向で均一となりやすく、実用的なレリ−フパターンを得やすくなる。
(D)成分としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、3−メチルメトキシプロピオネート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、N−ジメチルモルホリン等が挙げられ、通常、他の成分を充分に溶解できるものであれば特に制限はない。
この中でも、各成分の溶解性と感光性樹脂膜形成時の塗布性に優れる観点から、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドを用いることが好ましい。
式(21)で表される化合物は、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(例えば、商品名「KJCMPA−100」(KJケミカルズ株式会社製))であることが好ましい。
(D)成分の含有量は、特に限定されないが、一般的に、(A1)成分100質量部に対して、50〜1000質量部である。
(E)成分としては、成膜時に溶剤を除去するための加熱(乾燥)では分解せず、硬化時の加熱により分解してラジカルを発生し、(B)成分同士、(A1)成分及び(B)成分の重合反応を促進する化合物が好ましい。
(E)成分は分解点が、110℃以上200℃以下の化合物が好ましく、より低温で重合反応を促進する観点から、110℃以上175℃以下の化合物がより好ましい。
低温での硬化を行った際の接着性の発現に優れるため、下記式(13)で表される化合物がより好ましい。
ヒドロキシ基又はグリシジル基を有するシランカップリング剤としては、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオール、1,4−ビス(トリヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(メチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(プロピルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ブチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジエチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジプロピルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジブチルヒドロキシシリル)ベンゼン、及び下記式(14)で表わされる化合物等が挙げられる。中でも、特に、基板との接着性をより向上させるため、式(14)で表される化合物が好ましい。
さらにアミノ基を有するシランカップリング剤としては、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(2−グリシドキシメチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、トリアゾール誘導体及びテトラゾール誘導体等が挙げられる。
防錆剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
重合禁止剤としては、ラジカル重合禁止剤、ラジカル重合抑制剤等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物の、例えば、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、98質量%以上又は100質量%が、
(A1)、(A2)、(B)〜(D)成分、
(A1)、(A2)、(B)〜(E)成分、又は
(A1)、(A2)、(B)〜(D)成分、並びに任意に(E)成分、カップリング剤、界面活性剤、レベリング剤、防錆剤、及び重合禁止剤からなっていてもよい。
本発明の硬化物は、パターン硬化物として用いてもよく、パターンがない硬化物として用いてもよい。
本発明の硬化物の膜厚は、5〜20μmが好ましい。
これにより、パターン硬化物を得ることができる。
乾燥温度は90〜150℃が好ましく、溶解コントラスト確保の観点から、90〜120℃がより好ましい。
乾燥時間は、30秒間〜5分間が好ましい。
乾燥は、2回以上行ってもよい。
これにより、上述の感光性樹脂組成物を膜状に形成した感光性樹脂膜を得ることができる。
照射する活性光線は、i線、広帯域(BB)等の紫外線、可視光線、放射線などが挙げられるが、i線であることが好ましい。
露光装置としては、平行露光機、投影露光機、ステッパ、スキャナ露光機等を用いることができる。
現像液として用いる有機溶剤は、現像液としては、感光性樹脂膜の良溶媒を単独で、又は良溶媒と貧溶媒を適宜混合して用いることができる。
良溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ガンマブチロラクトン、α−アセチル−ガンマブチロラクトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
貧溶媒としては、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル及び水等が挙げられる。
現像時間は、用いる(A1)成分及び(A2)成分によっても異なるが、10秒間〜15分間が好ましく、10秒間〜5分間より好ましく、生産性の観点からは、20秒間〜5分間がさらに好ましい。
リンス液としては、蒸留水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を単独又は適宜混合して用いてもよく、また段階的に組み合わせて用いてもよい。
(A1)成分及び(A2)成分のポリイミド前駆体が、加熱処理工程によって、脱水閉環反応を起こし、通常対応するポリイミドとなる。
上記範囲内であることにより、基板やデバイスへのダメージを小さく抑えることができ、デバイスを歩留り良く生産することが可能となり、プロセスの省エネルギー化を実現することができる。
上記範囲内であることにより、架橋反応又は脱水閉環反応を充分に進行することができる。
加熱処理の雰囲気は大気中であっても、窒素等の不活性雰囲気中であってもよいが、パターン樹脂膜の酸化を防ぐことができる観点から、窒素雰囲気下が好ましい。
上記パッシベーション膜、バッファーコート膜、層間絶縁膜、カバーコート層及び表面保護膜等からなる群から選択される1以上を用いて、信頼性の高い、半導体装置、多層配線板、各種電子デバイス、積層デバイス(マルチダイファンアウトウエハレベルパッケージ等)等の電子部品などを製造することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子部品である多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。
図1において、回路素子を有するSi基板等の半導体基板1は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2などで被覆され、露出した回路素子上に第1導体層3が形成される。その後、前記半導体基板1上に層間絶縁膜4が形成される。
次いで、窓6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光性樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光性樹脂層5が完全に除去される。
3層以上の多層配線構造を形成する場合には、上述の工程を繰り返して行い、各層を形成することができる。
尚、前記例において、層間絶縁膜を本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成することも可能である。
3,3’,4,4’‐ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA)7.07g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)0.831g及び触媒量の1,4−ジアザビシクロ[2.2.2.]オクタントリエチレンジアミンをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)30gに溶解し、45℃で1時間攪拌した後、25℃まで冷却した。2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン(DMAP)4.12gをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解した溶液を加えた後、30℃で4時間攪拌した。その後室温下で一晩撹拌し、反応溶液を得た。
この反応溶液に無水トリフルオロ酢酸を9.45g加え、45℃で3時間撹拌し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)7.08gを加え45℃で20時間撹拌した。この反応液を蒸留水に滴下し、沈殿物をろ別して集め、減圧乾燥することによってポリイミド前駆体A1を得た。
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法を用いて、標準ポリスチレン換算により、以下の条件で、重量平均分子量を求めた。A1の重量平均分子量は25,575であった。
ポンプ:株式会社日立製作所製L6000
株式会社島津製作所製C−R4A Chromatopac
測定条件:カラムGelpack GL−S300MDT−5×2本
溶離液:THF/DMF=1/1(容積比)
LiBr(0.03mol/L)、H3PO4(0.06mol/L)
流速:1.0mL/min、検出器:UV270nm
磁場強度:400MHz
基準物質:テトラメチルシラン(TMS)
溶媒:ジメチルスルホキシド(DMSO)
3,3’,4,4’‐ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA)37.23gと2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン(DMAP)24.97gとを、583.19gのKJCMPA−100(後述)に溶解し、室温下で一晩撹拌し、ポリイミド前駆体A2を得た。
GPC法を用いて、合成例1と同様の条件で、重量平均分子量を求めた。A2の重量平均分子量は64,872であった。
(感光性樹脂組成物の調製1)
表1に示した成分及び配合量にて、実施例1〜2及び比較例1の感光性樹脂組成物を調製した。表1の配合量は、100質量部のA1に対する、各成分の質量部である。
B1:テトラエチレングリコールジメタクリレート
B2:ATM−4E(新中村化学工業株式会社製、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、下記式で表される化合物(n11+n12+n13+n14は4である))
C1:IRUGCURE OXE 02(BASFジャパン株式会社製、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム))
C2:G−1820(PDO)(Lambson株式会社製、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム)
得られた感光性樹脂組成物を、塗布装置Act8(東京エレクトロン株式会社製)を用いて、シリコンウエハ上にスピンコートし、100℃で2分間乾燥後、110℃で2分間乾燥して乾燥膜厚が10〜15μmの感光性樹脂膜を形成した。
得られた感光性樹脂膜をシクロペンタノンに浸漬して完全に溶解するまでの時間の2倍を現像時間として設定した。
また、上記と同様に感光性樹脂膜を作製し、得られた感光性樹脂膜に、i線ステッパFPA−3000iW(キヤノン株式会社製)を用いて、1000mJ/cm2のi線を、所定のパターン(100μm×100μmの格子(未露光部)を、10μmの間隔で、7つ並べたパターン)に照射して、露光を行った。
露光後の樹脂膜を、Act8を用いて、シクロペンタノンに、上記の現像時間でパドル現像した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)でリンス洗浄を行い、パターン樹脂膜を得た。
得られたパターン樹脂膜を、縦型拡散炉μ−TF(光洋サーモシステム株式会社製)を用いて、窒素雰囲気下、150℃で2時間加熱し、パターン硬化物(硬化後膜厚10μm)を得た。
パターン硬化物の製造1で得られたパターン硬化物について膜厚を測定した。接針式プロファイラーDektak150(ブルカー社製)を用いて、触針をパターン硬化物上に置き、シリコンウエハが露出している部分を含むように触針を走査することで、シリコンウエハ表面からパターン硬化物の表面までの高さを測定した(膜厚の測定は、以下においても同様である)。
その後、パターン硬化物の製造1で得られたパターン硬化物を、70℃に加熱したDynastrip7700(Dynaloy社製)に30分間浸漬した。冷却後、蒸留水で洗浄、乾燥した。
5μm未満浸み込んだ場合をAとし、5μm以上35μm未満浸み込んだ場合をBとし、35μm以上浸み込んだ場合をCとした。結果を表1に示す。
上述の感光性樹脂組成物を、Si基板上にスピンコートし、ホットプレート上で、110℃で180秒間加熱乾燥し、15.0〜16.0μmの感光性樹脂膜を形成した。
得られた感光性樹脂膜を、マスクアライナーMA−8(ズース・マイクロテック社製)を用いて、広帯域(BB)露光し、露光後の樹脂膜を、シクロペンタノンにて現像し、10mm幅の短冊状のパターン樹脂膜を得た。
得られたパターン樹脂膜を、150℃で2時間硬化し、膜厚10μmのパターン硬化物を得た。
パターン硬化物の製造2で得られたパターン硬化物を、4.9質量%フッ酸水溶液に浸漬して、10mm幅の硬化物をウエハから剥離した。
剥離した10mm幅の硬化物について、オートグラフAGS−X 100 N(株式会社島津製作所製)を用いて、引っ張り試験を行った。チャック間距離20mm、引張速度5mm/分、測定温度を18〜25℃とし、各実施例及び比較例の硬化物ごとに測定し、引張伸び率と引張応力とのグラフを求めた。得られた引張伸び率と引張応力とのグラフにおいて、引張伸び率10%以下の範囲での極大点を求めた。これを、6回測定し、平均値1を求めた。
また、上述のパターン硬化物の製造2で得られたパターン硬化物を、PCT(プレッシャークッカー試験)試験装置HASTEST(株式会社平山製作所、PC−R8D)を用いて、121℃、100RH(Relative Humidity)%、2atmで100時間処理した。
PCT試験装置からパターン硬化物を取り出し、パターン硬化物を、上記と同様に、剥離し、引っ張り試験を行い、平均値2を求めた。尚、引張伸び率10%以下の範囲での極大点を持たない場合、0.2%耐力を代用した。
平均値1から平均値2を引いた値を、平均値1で除して、百分率にした値が、20%未満の場合をAとし、20%以上30%未満の場合をBとし、30%以上の場合をCとした。結果を表1に示す。
(感光性樹脂組成物の調製1A)
表2に示した成分及び配合量にて、実施例11〜13及び比較例11の感光性樹脂組成物を調製した。表1の配合量は、100質量部のA1に対する、各成分の質量部である。
上述の実施例1と実施例11とは、同一組成である。上述の実施例2と実施例12とは、同一組成である。上述の比較例1と比較例11とは、同一組成である。
各成分は上述のものを用いた。
感光性樹脂組成物の調製1Aで得られた感光性樹脂組成物を用いて、縦型拡散炉μ−TFでの温度を175℃にした以外、パターン硬化物の製造1と同様に、パターン硬化物(硬化後膜厚10μm)を製造した。
パターン硬化物の製造1Aで得られたパターン硬化物について膜厚を測定した。その後、パターン硬化物の製造1Aで得られたパターン硬化物を、70℃に加熱したDynastrip7700(Dynaloy社製)に30分間浸漬した。冷却後、蒸留水で洗浄、乾燥した。
感光性樹脂組成物の調製1Aで得られた感光性樹脂組成物を用いて、縦型拡散炉μ−TFでの温度を175℃にした以外、パターン硬化物の製造2と同様に、パターン硬化物(硬化後膜厚10μm)を製造した。
パターン硬化物の製造2Aで得られたパターン硬化物を、4.9質量%フッ酸水溶液に浸漬して、10mm幅の硬化物をウエハから剥離した。
剥離した10mm幅の硬化物について、オートグラフAGS−X 100 Nを用いて、引っ張り試験を行った。チャック間距離20mm、引張速度5mm/分、測定温度を18〜25℃とし、各実施例及び比較例の硬化物ごとに測定した。6回測定して平均し、伸び率を求めた。
伸び率が、45%以上の場合をAとし、40%以上45%未満の場合をBとし、40%未満の場合をCとした。結果を表2に示す。
2 保護膜
3 第1導体層
4 層間絶縁膜
5 感光性樹脂層
6A、6B、6C 窓
7 第2導体層
8 表面保護膜
Claims (13)
- (A1)下記式(1)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体、
(A2)下記式(1A)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体、
(B)重合性モノマー、
(C)光重合開始剤、及び
(D)溶剤を含有する感光性樹脂組成物。
- 前記(B)成分が、重合性の不飽和二重結合を含む基を有する重合性モノマーを含む請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記重合性の不飽和二重結合を含む基が、2以上である請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(A2)成分の含有量が、前記(A1)成分100質量部に対して、5〜55質量部である請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(A2)成分の重量平均分子量が、前記(A1)成分の重量平均分子量に対して、1.2〜3.0倍である請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(A2)成分の重量平均分子量が、30,000〜200,000である請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- さらに、(E)熱重合開始剤を含む請求項1〜6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、
前記感光性樹脂膜をパターン露光して、樹脂膜を得る工程と、
前記パターン露光後の樹脂膜を、有機溶剤を用いて、現像し、パターン樹脂膜を得る工程と、
前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程と、を含むパターン硬化物の製造方法。 - 前記加熱処理の温度が200℃以下である請求項8に記載のパターン硬化物の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化した硬化物。
- パターン硬化物である請求項10に記載の硬化物。
- 請求項10又は11に記載の硬化物を用いて作製された層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜。
- 請求項12に記載の層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜を含む電子部品。
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