JP7243233B2 - 感光性樹脂組成物、パターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品 - Google Patents
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Description
1.(A)下記式(1)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体、
(B)重合性モノマー、
(C)光重合開始剤、
(D)脂肪族環状骨格を有するアルコール、及び
(E)溶剤
を含有する感光性樹脂組成物。
2.前記(B)成分が、重合性の不飽和二重結合を含む基を有する重合性モノマーを含む1に記載の感光性樹脂組成物。
3.前記重合性の不飽和二重結合を含む基の数が2以上である2に記載の感光性樹脂組成物。
4.前記(D)成分が、下記式(41)~(44)で表される化合物からなる群から選択される1以上の化合物を含む1~3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
aは1~10の整数であり、少なくとも1つのR41は下記式(45)で表される基である。
bは1~12の整数であり、少なくとも1つのR42は下記式(45)で表される基である。
cは1~16の整数であり、少なくとも1つのR43は下記式(45)で表される基である。
dは1~16の整数であり、少なくとも1つのR44は下記式(45)で表される基である。
式(43)においてR43は脂肪族環状骨格の全ての置換位置に結合可能であり、式(44)においてR44は脂肪族環状骨格の全ての置換位置に結合可能である。)
5.前記式(41)~(44)で表される化合物が、前記式(45)で表される基を2つ有する4に記載の感光性樹脂組成物。
6.前記(D)成分が、前記式(43)で表される化合物を含む4又は5に記載の感光性樹脂組成物。
7.前記(D)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対して、1~50質量部である1~6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
8.前記(D)成分の含有量が、前記(B)成分の含有量に対して、0.1~5倍である1~7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
9.さらに、(F)熱重合開始剤を含む1~8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
10.1~9のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、
前記感光性樹脂膜をパターン露光して、樹脂膜を得る工程と、
前記パターン露光後の樹脂膜を、有機溶剤を用いて、現像し、パターン樹脂膜を得る工程と、
前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程と、を含むパターン硬化膜の製造方法。
11.前記加熱処理の温度が200℃以下である10に記載のパターン硬化物の製造方法。
12.1~11のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化した硬化物。
13.パターン硬化物である12に記載の硬化物。
14.12又は13に記載の硬化物を用いて作製された層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜。
15.14に記載の層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜を含む電子部品。
「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。さらに、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本明細書における「(メタ)アクリル基」とは、「アクリル基」及び「メタクリル基」を意味する。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)式(1)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体(以下、「(A)成分」ともいう。)、(B)重合性モノマー(以下、「(B)成分」ともいう。)、(C)光重合開始剤(以下、「(C)成分」ともいう。)、(D)脂肪族環状骨格を有するアルコール(以下、「(D)成分」ともいう。)、及び(E)溶剤(以下、「(E)成分」ともいう。)を含有する。本発明の感光性樹脂組成物は、好ましくはネガ型感光性樹脂組成物である。本発明の感光性樹脂組成物は、電子部品用材料であることが好ましい。
以下、各成分について説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)成分を含むことにより、i線の透過率が高く、200℃以下の低温硬化時にも良好な硬化物を形成できる。(A)成分は、式(1)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体であれば特に限定されない。
Z3は、-O-が好ましい。
式(1)で表される構造単位以外の構造単位は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
(A)成分の重量平均分子量は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定することができ、標準ポリスチレン検量線を用いて換算することによって求めることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は(B)重合性モノマーを含む。(B)成分は、(A)成分と架橋し、又は(B)成分同士が重合して架橋ネットワークを形成する。(B)成分は、重合性の不飽和二重結合を含む基を有することが好ましく、架橋密度向上、光感度向上、及び現像後のパターンの膨潤の抑制のため、2~4(好ましくは2又は3)の重合性の不飽和二重結合を含む基を有することが好ましい。当該基は、好ましくは、光重合開始剤により重合可能である観点から(メタ)アクリル基又はアリル基である。
上記範囲内である場合、実用的なレリ-フパターンが得られやすく、未露光部の現像後残滓を抑制しやすい。
(C)成分としては、例えば、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン等のベンゾフェノン誘導体;2,2’-ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン誘導体;チオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル-β-メトキシエチルアセタール等のベンジル誘導体;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン誘導体;1-フェニル-1,2-ブタンジオン-2-(o-メトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-メトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-ベンゾイル)オキシム、1,3-ジフェニルプロパントリオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-3-エトキシプロパントリオン-2-(o-ベンゾイル)オキシム、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)、下記式で表される化合物等のオキシムエステル類等が好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。光感度の点で、オキシムエステル類が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は(D)成分を含むことにより、得られる硬化膜に疎水性を付与でき、耐湿性を向上させることができる。
aは1~10の整数であり、少なくとも1つ(好ましくは2つ又は3つ)のR41は下記式(45)で表される基である。
bは1~12の整数であり、少なくとも1つ(好ましくは2つ又は3つ)のR42は下記式(45)で表される基である。
cは1~16の整数であり、少なくとも1つ(好ましくは2つ又は3つ)のR43は下記式(45)で表される基である。
dは1~16の整数であり、少なくとも1つ(好ましくは2つ)のR44は下記式(45)で表される基である。
式(43)においてR43は脂肪族環状骨格の全ての置換位置に結合可能であり、式(44)においてR44は脂肪族環状骨格の全ての置換位置に結合可能である。)
本発明の感光性樹脂組成物は、(E)溶剤を含む。
(E)成分としては、N-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n-ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、3-メチルメトキシプロピオネート、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、N-ジメチルモルホリン等が挙げられ、通常、他の成分を充分に溶解できるものであれば特に制限はない。
この中でも、各成分の溶解性と感光性樹脂膜形成時の塗布性に優れる観点から、N-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドを用いることが好ましい。
式(51)で表される化合物は、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド(例えば、商品名「KJCMPA-100」(KJケミカルズ株式会社製))であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、重合反応の促進の観点から、さらに、(F)熱重合開始剤(以下、「(F)成分」ともいう。)を含んでもよい。
(F)成分としては、成膜時に溶剤を除去するための加熱(乾燥)では分解せず、硬化時の加熱により分解してラジカルを発生し、(B)成分同士、(A)成分及び(B)成分の重合反応を促進する化合物が好ましい。
(F)成分は分解点が、110℃以上200℃以下の化合物が好ましく、より低温で重合反応を促進する観点から、110℃以上175℃以下の化合物がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、カップリング剤(接着助剤)、界面活性剤又はレベリング剤、防錆剤、及び重合禁止剤等を含有してもよい。
カップリング剤は、通常、現像後の加熱処理において、(A)成分と反応して架橋する、又は加熱処理する工程においてカップリング剤自身が重合する。これにより、得られる硬化物と基板との接着性をより向上させることができる。
低温での硬化を行った際の接着性の発現に優れるため、下記式(61)で表される化合物がより好ましい。
さらにアミノ基を有するシランカップリング剤としては、ビス(2-ヒドロキシメチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2-ヒドロキシメチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(2-グリシドキシメチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2-ヒドロキシメチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
R66-(CH2)q-CO-NH-(CH2)r-Si(OR67)3 (63)
(式(63)中、R66はヒドロキシ基又はグリシジル基であり、q及びrは、それぞれ独立に、1~3の整数であり、R67はメチル基、エチル基又はプロピル基である。)
界面活性剤又はレベリング剤を含むことで、塗布性(例えばストリエーション(膜厚のムラ)の抑制)及び現像性を向上させることができる。
防錆剤を含むことで、銅及び銅合金の腐食の抑制や変色の防止ができる。
防錆剤としては、例えば、トリアゾール誘導体及びテトラゾール誘導体等が挙げられる。
重合禁止剤を含有することで、良好な保存安定性を確保することができる。
重合禁止剤としては、ラジカル重合禁止剤、ラジカル重合抑制剤等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物の、例えば、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、98質量%以上、99質量%以上、99.5質量%以上、99.9質量%以上又は100質量%が、(A)~(E)成分、又は(A)~(F)成分であってもよい。
本発明の硬化物は、上述の感光性樹脂組成物の硬化することで得ることができる。本発明の硬化物は、パターン硬化膜として用いてもよく、パターンがない硬化膜として用いてもよい。本発明の硬化膜の膜厚は、5~20μmが好ましい。
本発明のパターン硬化膜の製造方法では、上述の感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、感光性樹脂膜をパターン露光して、樹脂膜を得る工程と、パターン露光後の樹脂膜を、有機溶剤を用いて現像し、パターン樹脂膜を得る工程と、パターン樹脂膜を加熱処理する工程と、を含む。これにより、パターン硬化膜を得ることができる。
乾燥温度は90~150℃が好ましく、溶解コントラスト確保の観点から、90~120℃がより好ましい。
乾燥時間は、30秒間~5分間が好ましい。
乾燥は、2回以上行ってもよい。
これにより、上述の感光性樹脂組成物を膜状に形成した感光性樹脂膜を得ることができる。
照射する活性光線は、i線、広帯域(BB)等の紫外線、可視光線、放射線等が挙げられるが、i線であることが好ましい。
露光装置としては、平行露光機、投影露光機、ステッパ、スキャナ露光機等を用いることができる。
現像液として用いる有機溶剤は、現像液としては、感光性樹脂膜の良溶媒を単独で、又は良溶媒と貧溶媒を適宜混合して用いることができる。
良溶媒としては、N-メチル-2-ピロリドン、N-アセチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ガンマブチロラクトン、α-アセチル-ガンマブチロラクトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
貧溶媒としては、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル及び水等が挙げられる。
現像時間は、用いる(A)成分によっても異なるが、10秒間~15分間が好ましく、10秒間~5分間より好ましく、生産性の観点からは、20秒間~5分間がさらに好ましい。
リンス液としては、蒸留水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を単独又は適宜混合して用いてもよく、また段階的に組み合わせて用いてもよい。
(A)成分のポリイミド前駆体が、加熱処理工程によって、閉環反応を起こし、通常対応するポリイミドとなる。
上記範囲内であることにより、基板やデバイスへのダメージを小さく抑えることができ、デバイスを歩留り良く生産することが可能となり、プロセスの省エネルギー化を実現することができる。
加熱処理の雰囲気は大気中であっても、窒素等の不活性雰囲気中であってもよいが、パターン樹脂膜の酸化を防ぐことができる観点から、窒素雰囲気下が好ましい。
本発明の硬化物は、パッシベーション膜、バッファーコート膜、層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜等として用いることができる。
上記パッシベーション膜、バッファーコート膜、層間絶縁膜、カバーコート層及び表面保護膜等からなる群から選択される1以上を用いて、信頼性の高い、半導体装置、多層配線板、各種電子デバイス、積層デバイス(マルチダイファンアウトウエハレベルパッケージ等)等の電子部品等を製造することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子部品である多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。
図1において、回路素子を有するSi基板等の半導体基板1は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2などで被覆され、露出した回路素子上に第1導体層3が形成される。その後、前記半導体基板1上に層間絶縁膜4が形成される。
次いで、窓6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光樹脂層5を腐食するようなエッチング溶液を用いて感光樹脂層5が除去される。
3層以上の多層配線構造を形成する場合には、上述の工程を繰り返して行い、各層を形成することができる。
尚、前記例において、層間絶縁膜を本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成することも可能である。
3,3’,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA)7.07g、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEMA)0.831g及び触媒量の1,4-ジアザビシクロ[2.2.2.]オクタンをN-メチル-2-ピロリドン(NMP)30gに溶解し、45℃で1時間撹拌した後、25℃まで冷却した。2,2’-ジメチルビフェニル-4,4’-ジアミン(DMAP)4.12gをNMPに溶解した溶液を加えた後、30℃で4時間撹拌した。その後室温下で一晩撹拌し、反応溶液を得た。
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法を用いて、標準ポリスチレン換算により、以下の条件で、重量平均分子量を求めた。A1の重量平均分子量は25,575であった。
測定装置:検出器 株式会社日立製作所製L4000UV
ポンプ:株式会社日立製作所製L6000
株式会社島津製作所製C-R4A Chromatopac
測定条件:カラムGelpack GL-S300MDT-5×2本
溶離液:THF/DMF=1/1(容積比)
LiBr(0.03mol/L)、H3PO4(0.06mol/L)
流速:1.0mL/min、検出器:UV270nm
測定機器:ブルカー・バイオスピン社製 AV400M
磁場強度:400MHz
基準物質:テトラメチルシラン(TMS)
溶剤:ジメチルスルホキシド(DMSO)
[感光性樹脂組成物の調製]
表1に示した成分及び配合量にて、実施例1,2及び比較例1,2の感光性樹脂組成物を調製した。表1の配合量は、100質量部のA1に対する各成分の質量部である。
A1:ポリイミド前駆体A1
B1:TEGDMA(新中村化学工業株式会社製、テトラエチレングリコールジメタクリレート、下記式で表される化合物)
C1:IRGACURE OXE 02(BASFジャパン株式会社製、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム))
C2:G-1820(PDO)(Lambson株式会社製、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(O-エトキシカルボニル)オキシム)
得られた感光性樹脂組成物を、塗布装置Act8(東京エレクトロン株式会社製)を用いて、シリコンウエハ上にスピンコートし、100℃で2分間乾燥後、110℃で2分間乾燥して乾燥膜厚が10~15μmの感光性樹脂膜を形成した。
得られた感光性樹脂膜をシクロペンタノンに浸漬して完全に溶解するまでの時間の2倍を現像時間として設定した。
また、上記と同様に感光性樹脂膜を作製し、得られた感光性樹脂膜に、マスクアライナーMA-8(ズース・マイクロテック株式会社製)を用いて、広帯域(BB)露光を所定のパターン(10mm幅の短冊状のパターン)に照射して、露光を行った。
露光後の樹脂膜を、Act8を用いて、シクロペンタノンに、上記の現像時間でパドル現像した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)でリンス洗浄を行い、パターン樹脂膜を得た。
得られたパターン樹脂膜を、縦型拡散炉μ-TF(光洋サーモシステム株式会社製)を用いて、窒素雰囲気下、175℃で2時間加熱し、パターン硬化物(硬化後膜厚10μm)を得た。
<PCT前の引っ張り試験>
[パターン硬化物の製造]で得られたパターン硬化物を、4.9質量%フッ酸水溶液に浸漬して、10mm幅の硬化物をウエハから剥離した。
剥離した10mm幅の硬化物について、オートグラフAGS-100NX(株式会社島津製作所製)を用いて、引っ張り試験を行った。チャック間距離20mm、引張速度5mm/分、測定温度を18~25℃とし、各実施例及び比較例の硬化物ごとに測定し、引張伸び率と引張応力とのグラフを求めた。得られた引張伸び率と引張応力とのグラフにおいて、引張伸び率15%以下の範囲での極大点を求めた。これを、6回測定し、平均値1を求めた。
[パターン硬化物の製造]で得られたパターン硬化物を、PCT(プレッシャークッカー試験)装置HASTEST(株式会社平山製作所製、PC-R8D)を用いて、121℃、100%RH(Relative Humidity)、2atmで100時間処理した。
PCT装置からパターン硬化物を取り出し、上記PCT前の引っ張り試験と同様に剥離して引っ張り試験を行い、平均値2を求めた。
平均値1から平均値2を引いた値の絶対値を平均値1で除して百分率にした値が5%未満の場合をAとし、5%以上10%未満の場合をBとし、10%以上の場合をCとした。結果を表1に示す。
[パターン硬化物の製造]で得られたパターン硬化物を4.9質量%フッ酸水溶液に浸漬して、10mm幅の硬化物をウエハから剥離した。剥離した10mm幅の硬化物について、オートグラフAGS-100NXを用いて、引っ張り試験を行った。チャック間距離20mm、引張速度5mm/分、測定温度を18~25℃とし、6回測定して平均し、伸び率を求めた。
伸び率が、45%以上の場合をAとし、25%以上45%未満の場合をBとし、25%未満の場合をCとした。結果を表1に示す。
2 保護膜
3 第1導体層
4 層間絶縁膜
5 感光性樹脂層
6A、6B、6C 窓
7 第2導体層
8 表面保護膜
Claims (16)
- (A)下記式(1)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体、
(B)重合性モノマー、
(C)光重合開始剤、
(D)下記式(41)~(44)で表される化合物からなる群から選択される1以上の化合物、及び
(E)溶剤
を含有する感光性樹脂組成物。
aは1~10の整数であり、少なくとも1つのR 41 は下記式(45)で表される基である。
bは1~12の整数であり、少なくとも1つのR 42 は下記式(45)で表される基である。
cは1~16の整数であり、少なくとも1つのR 43 は下記式(45)で表される基である。
dは1~16の整数であり、少なくとも1つのR 44 は下記式(45)で表される基である。
式(43)においてR 43 は脂肪族環状骨格の全ての置換位置に結合可能であり、式(44)においてR 44 は脂肪族環状骨格の全ての置換位置に結合可能である。)
- 前記(B)成分が、重合性の不飽和二重結合を含む基を有する重合性モノマーを含む請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記重合性の不飽和二重結合を含む基の数が2以上である請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記式(41)中、少なくとも2つのR 41 は前記式(45)で表される基である請求項1~3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記式(41)~(44)で表される化合物が、前記式(45)で表される基を2つ有する請求項1~4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(D)成分が、前記式(42)~(44)で表される化合物からなる群から選択される1以上の化合物を含む請求項1~5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(D)成分が、前記式(43)で表される化合物を含む請求項1~6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(D)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対して、1~50質量部である請求項1~7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(D)成分の含有量が、前記(B)成分の含有量に対して、0.1~5倍である請求項1~8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- さらに、(F)熱重合開始剤を含む請求項1~9のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1~10のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、
前記感光性樹脂膜をパターン露光して、樹脂膜を得る工程と、
前記パターン露光後の樹脂膜を、有機溶剤を用いて、現像し、パターン樹脂膜を得る工程と、
前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程と、を含むパターン硬化膜の製造方法。 - 前記加熱処理の温度が200℃以下である請求項11に記載のパターン硬化膜の製造方法。
- 請求項1~10のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化した硬化物。
- パターン硬化物である請求項13に記載の硬化物。
- 請求項13又は14に記載の硬化物を用いて作製された層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜。
- 請求項15に記載の層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜を含む電子部品。
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