JP2020056956A - 感光性樹脂組成物、パターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品 - Google Patents

感光性樹脂組成物、パターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】200℃以下の低温硬化であっても、解像度に優れた硬化物を形成でき、かつ、銅の変色を抑制できる感光性樹脂組成物、パターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品を提供する。【解決手段】(A)重合性の不飽和結合を有するポリイミド前駆体、(B)重合性モノマー、(C)光重合開始剤、及び(D)活性光線照射の際の乱反射を抑制できる特定構造の化合物を含有する感光性樹脂組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、パターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品に関する。
従来、半導体素子の表面保護膜及び層間絶縁膜には、優れた耐熱性と電気特性、機械特性等を併せ持つポリイミドやポリベンゾオキサゾールが用いられている。近年、これらの樹脂自身に感光特性を付与した感光性樹脂組成物が用いられており、これを用いるとパターン硬化物の製造工程が簡略化でき、煩雑な製造工程を短縮できる。(例えば、特許文献1参照)
ところで、近年、コンピュータの高性能化を支えてきたトランジスタの微細化は、スケーリング則の限界に来ており、さらなる高性能化や高速化のために半導体素子を3次元的に積層する積層デバイス構造が注目を集めている。
積層デバイス構造の中でも、マルチダイファンアウトウエハレベルパッケージ(Multi−die Fanout Wafer Level Packaging)は、一つのパッケージの中に複数のダイを一括封止して製造するパッケージであり、従来から提案されているファンアウトウエハレベルパッケージ(一つのパッケージの中に一つのダイを封止して製造する)よりも低コスト化、高性能化が期待できるので、非常に注目を集めている。
マルチダイファンアウトウエハレベルパッケージの作製においては、高性能なダイの保護や耐熱性の低い封止材を保護し、歩留まりを向上させる観点から、低温硬化性が強く求められている(例えば、特許文献2〜4参照)。
特開2009−265520号公報 国際公開第2008/111470号 特開2016−199662号公報 国際公開第2015/052885号
本発明の目的は、200℃以下の低温硬化であっても、解像度に優れた硬化物を形成でき、かつ、銅の変色を抑制できる感光性樹脂組成物、パターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品を提供することである。
電子機器には小型化及び高集積化の要求がある。本発明者らは、そこから、パターン化した樹脂膜を加熱硬化して形成するパターン硬化膜の高解像度化が課題となることを見出した。
また、銅配線の酸化及び変色が課題となることを見出した。
本発明者らは、上記課題を鑑み、検討を重ねた結果、感光性樹脂組成物に特定の成分の組み合わせを用いることで、解像度に優れたパターン硬化膜の硬化物を形成でき、かつ、銅の変色を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の感光性樹脂組成物等が提供される。
1.(A)重合性の不飽和結合を有するポリイミド前駆体、
(B)重合性モノマー、
(C)光重合開始剤、及び
(D)下記式(101)〜(107)で表される化合物
を含有する感光性樹脂組成物。
Figure 2020056956
(式(101)〜(107)中、
101〜R110は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜3のアルコキシ基、又はヒドロキシ基であり、
101〜R105のうち少なくとも1つはヒドロキシ基であり、R106〜R110のうち少なくとも1つはヒドロキシ基であり、
111〜R114は、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基であり、
115は、2価の基、又は単結合であり、
121、R131、R141、R151〜R154、R161、R162、R171及びR172は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜3のアルコキシ基、又は、ヒドロキシ基である。)
2.前記(A)成分が、下記式(1)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体である1に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2020056956
(式(1)中、Xは1以上の芳香族基を有する4価の基であって、−COOR基と−CONH−基とは互いにオルト位置にあり、−COOR基と−CO−基とは互いにオルト位置にある。Yは1以上の芳香族基を有する2価の基である。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、下記式(2)で表される基、又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、R及びRの少なくとも一方が前記式(2)で表される基である。)
Figure 2020056956
(式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基であり、mは1〜10の整数である。)
3.前記(B)成分が、重合性の不飽和二重結合を含む基を有する重合性モノマーを含む1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
4.前記重合性の不飽和二重結合を含む基が、2以上である3に記載の感光性樹脂組成物。
5.前記重合性モノマーが、脂肪族環状骨格を有する1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
6.前記(B)成分が、下記式(3)で表される重合性モノマーを含む1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2020056956
(式(3)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基又は下記式(4)で表される基である。n1は0又は1であり、n2は0〜2の整数であり、n1+n2は1以上である。n1個のR及びn2個のRの少なくとも1つは、下記式(4)で表される基である。)
Figure 2020056956
(式(4)中、R〜R11は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基であり、lは0〜10の整数である。)
7.n1+n2が、2又は3である6に記載の感光性樹脂組成物。
8.前記(B)成分が、下記式(5)で表される重合性モノマーを含む1〜7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2020056956
9.前記(D)成分が、前記式(101)で表される化合物である1〜8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
10.R115がメチレン基である9に記載の感光性樹脂組成物。
11.前記(D)成分が、下記式(101A)で表される化合物である1〜10のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2020056956
(式(101A)中、R102A及びR107Aは、それぞれ独立に、水素原子、又はメトキシ基である。)
12.さらに、(I)熱重合開始剤を含む1〜11のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
13.1〜12のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、
前記感光性樹脂膜をパターン露光して、樹脂膜を得る工程と、
前記パターン露光後の樹脂膜を、有機溶剤を用いて、現像し、パターン樹脂膜を得る工程と、
前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程と、を含むパターン硬化物の製造方法。
14.前記加熱処理の温度が200℃以下である13に記載のパターン硬化物の製造方法。
15.1〜12のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化した硬化物。
16.パターン硬化物である15に記載の硬化物。
17.15又は16に記載の硬化物を用いて作製された層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜。
18.17に記載の層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜を含む電子部品。
本発明によれば、200℃以下の低温硬化であっても、解像度に優れた硬化物を形成でき、かつ、銅の変色を抑制できる感光性樹脂組成物、パターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品が提供できる。
本発明の一実施形態に係る電子部品の製造工程図である。
以下に、本発明の感光性樹脂組成物、それを用いたパターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品の実施の形態を詳細に説明する。尚、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。
本明細書において「A又はB」とは、AとBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。さらに、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本明細書における「(メタ)アクリル基」とは、「アクリル基」及び「メタクリル基」を意味する。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)重合性の不飽和結合を有するポリイミド前駆体(以下、「(A)成分」ともいう。)、(B)重合性モノマー(以下、「(B)成分」ともいう。)、(C)光重合開始剤(以下、「(C)成分」ともいう。)、及び(D)下記式(101)〜(107)で表される化合物からなる群から選択される1以上の化合物(以下、「(D)成分」ともいう。)を含有する。
Figure 2020056956
(式(101)〜(107)中、
101〜R110は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜3のアルコキシ基、又はヒドロキシ基であり、
101〜R105のうち少なくとも1つ(式(102)〜(106)においては、R101〜R104のうち少なくとも1つ)はヒドロキシ基であり、R106〜R110のうち少なくとも1つはヒドロキシ基であり、
111〜R114は、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基であり、
115は、2価の基、又は単結合であり、
121、R131、R141、R151〜R154、R161、R162、R171及びR172は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜3のアルコキシ基、又は、ヒドロキシ基である。)
これにより、200℃以下の低温硬化であっても、解像度に優れた硬化物を形成でき、かつ、銅の変色を抑制できる。
本発明の感光性樹脂組成物は、ネガ型感光性樹脂組成物であることが好ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、電子部品用材料であることが好ましい。
(A)成分としては、特に制限はされないが、パターニング時の光源にi線を用いた場合の透過率が高く、200℃以下の低温硬化時にも高い硬化物特性を示すポリイミド前駆体が好ましい。
重合性の不飽和結合としては、炭素−炭素二重結合等が挙げられる。
(A)成分は、下記式(1)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体であることが好ましい。これにより、i線の透過率が高く、200℃以下の低温硬化時にも良好な硬化物を形成できる。
式(1)で表される構造単位の含有量は、(A)成分の全構成単位に対して、50モル%以上であることが好ましく、80モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。上限は特に限定されず、100モル%でもよい。
Figure 2020056956
(式(1)中、Xは1以上の芳香族基を有する4価の基であって、−COOR基と−CONH−基とは互いにオルト位置にあり、−COOR基と−CO−基とは互いにオルト位置にある。Yは1以上の芳香族基を有する2価の基である。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、下記式(2)で表される基、又は炭素数1〜4(好ましくは1又は2)の脂肪族炭化水素基であり、R及びRの少なくとも一方が前記式(2)で表される基である。)
Figure 2020056956
(式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基であり、mは1〜10の整数(好ましくは2〜5の整数、より好ましくは2又は3)である。)
式(1)のXの1以上(好ましくは1〜3、より好ましくは1又は2)の芳香族基を有する4価の基において、芳香族基は、芳香族炭化水素基でもよく、芳香族複素環式基でもよい。芳香族炭化水素基が好ましい。
式(1)のXの芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環から形成される2〜4価(2価、3価又は4価)の基、ナフタレンから形成される2〜4価の基、ペリレンから形成される2〜4価の基等が挙げられる。
式(1)のXの1以上の芳香族基を有する4価の基としては、例えば以下の式(6)の4価の基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2020056956
(式(6)中、X及びYは、それぞれ独立に、各々が結合するベンゼン環と共役しない2価の基又は単結合を示す。Zはエーテル基(−O−)又はスルフィド基(−S−)である(−O−が好ましい)。)
式(6)において、X及びYの、各々が結合するベンゼン環と共役しない2価の基は、−O−、−S−、メチレン基、ビス(トリフルオロメチル)メチレン基、又はジフルオロメチレン基であることが好ましく、−O−であることがより好ましい。
式(1)のYの1以上(好ましくは1〜3、より好ましくは1又は2)の芳香族基を有する2価の基において、芳香族基は、芳香族炭化水素基でもよく、芳香族複素環式基でもよい。芳香族炭化水素基が好ましい。
式(1)のYの芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環から形成される2〜4価の基、ナフタレンから形成される2〜4価の基、ペリレンから形成される2〜4価の基等が挙げられる。
式(1)のYの1以上の芳香族基を有する2価の基としては、例えば2つの芳香族基がエーテル基(−O−)を介して結合した2価の基が挙げられるが、これに限定されるものではない。
式(1)のYの1以上の芳香族基を有する2価の基としては、例えば以下の式(7)の基が挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 2020056956
(式(7)中、R12〜R19は、それぞれ独立に水素原子、1価の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を有する1価の有機基である。)
式(7)のR12〜R19の1価の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6)としては、メチル基等が挙げられる。例えば、R12及びR15〜R19が水素原子であり、R13及びR14が1価の脂肪族炭化水素基であってもよい。
式(7)のR12〜R19のハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)を有する1価の有機基は、ハロゲン原子を有する1価の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6)が好ましく、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
式(1)のR及びRの炭素数1〜4(好ましくは1又は2)の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。
式(1)のR及びRの少なくとも一方が、式(2)で表される基であり、ともに式(2)で表される基であることが好ましい。
式(2)のR〜Rの炭素数1〜3(好ましくは1又は2)の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基等が挙げられる。メチル基が好ましい。
式(1)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体は、例えば下記式(8)で表されるテトラカルボン酸二無水物と、下記式(9)で表されるジアミノ化合物とを、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤中にて反応させポリアミド酸を得て、下記式(10)で表される化合物を加え、有機溶剤中で反応させ部分的にエステル基を導入することで得ることができる。
式(8)で表されるテトラカルボン酸二無水物及び式(9)で表されるジアミノ化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
Figure 2020056956
(式(8)中、Xは式(1)のXに対応する基である。)
Figure 2020056956
(式(9)中、Yは式(1)で定義した通りである。)
Figure 2020056956
(式(10)中、Rは上述の式(2)で表される基である。)
(A)成分は、式(1)で表される構造単位以外の構造単位を有してもよい。
式(1)で表される構造単位以外の構造単位としては、式(11)で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2020056956
(式(11)中、Xは1以上の芳香族基を有する4価の基であって、−COOR51基と−CONH−基とは互いにオルト位置にあり、−COOR52基と−CO−基とは互いにオルト位置にある。Yは1以上の芳香族基を有する2価の基である。R51及びR52は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基である。)
式(11)のXの1以上の芳香族基を有する4価の基は、式(1)のXの1以上の芳香族基を有する4価の基と同様のものが挙げられる。
式(11)のYの1以上の芳香族基を有する2価の基は、式(1)のYの1以上の芳香族基を有する2価の基と同様のものが挙げられる。
式(11)のR51及びR52の炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基は、R及びRの炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
式(1)で表される構造単位以外の構造単位は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
式(1)で表される構造単位以外の構造単位の含有量は、(A)成分の全構成単位に対して、50モル%未満であることが好ましい。
(A)成分において、全カルボキシ基及び全カルボキシエステルに対して、式(2)で表される基でエステル化されたカルボキシ基の割合が、50モル%以上であることが好ましく、60〜100モル%がより好ましく、70〜90モル%がさらに好ましい。
(A)成分の分子量に特に制限はないが、重量平均分子量で10,000〜200,000であることが好ましい。
重量平均分子量は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定することができ、標準ポリスチレン検量線を用いて換算することによって求めることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)重合性モノマーを含む。これにより、形成される硬化物の耐熱性、機械特性及び耐薬品性を向上することができる。
(B)成分は、(A)成分との架橋密度向上の観点から、(好ましくは2以上の)重合性の不飽和二重結合を含む基(好ましくは、光重合開始剤により重合可能であることから、(メタ)アクリル基)を有する重合性モノマーを含むことが好ましい。
重合性モノマーは、脂肪族環状骨格(好ましくは炭素数4〜15、より好ましくは5〜12)を有することが好ましい。これにより、形成できる硬化物に疎水性を付与でき、高温多湿条件下での硬化物と基板間の接着性低下を抑制できる。
重合性モノマーは、架橋密度及び光感度の向上、現像後のパターンの膨潤の抑制のため、2又は3の、重合性の不飽和二重結合を含む基を、有することが好ましい。
(B)成分は、下記式(3)で表される重合性モノマーを含むことが好ましい。
Figure 2020056956
(式(3)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基又は下記式(4)で表される基である。n1は0又は1であり、n2は0〜2の整数であり、n1+n2は1以上(好ましくは2又は3)である。n1個のR及びn2個のRの少なくとも1つ(好ましくは2又は3)は、下記式(4)で表される基である。)
が2つの場合、2つのRは同一でもよく、異なっていてもよい。
Figure 2020056956
(式(4)中、R〜R11は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基であり、lは0〜10の整数(好ましくは0、1又は2)である。)
(B)成分は、下記式(5)で表される重合性モノマーを含むことがより好ましい。
Figure 2020056956
また、(B)成分として、例えば以下の重合性モノマーを用いてもよい。
Figure 2020056956
式(12)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基又は上記式(4)で表される基である。n3は1〜3の整数(好ましくは2又は3)である。n4は1〜3の整数(好ましくは2又は3)である。n5は0又は1であり、n6は0又は1である。n5+n6は1以上(好ましくは2)である。
21が2以上存在する場合、2以上のR21は同一でもよく、異なっていてもよい。
22が2以上存在する場合、2以上のR22は同一でもよく、異なっていてもよい。
n3個のR21の少なくとも1つ(好ましくは2又は3)は、上記式(4)で表される基である。
n4個のR22の少なくとも1つ(好ましくは2又は3)は、上記式(4)で表される基である。
n5個のR23及びn6個のR24の少なくとも1つ(好ましくは2)は、上記式(4)で表される基である。
式(3)のR及びR及び式(12)のR21〜R24の炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基としては、式(1)のR及びRの炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
式(4)のR〜R11の炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基としては、式(2)のR〜Rの炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
(B)成分として、脂肪族環状骨格を有する重合性モノマー以外の重合性モノマーを用いてもよい。脂肪族環状骨格を有する重合性モノマー以外の重合性モノマーとしては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート等が挙げられる。
また、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、
テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、テトラキスアクリル酸メタンテトライルテトラキス(メチレンオキシエチレン)、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレート、アクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、メタクリロイルオキシエチルイソシアヌレート等が挙げられる。
中でも、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、テトラキスアクリル酸メタンテトライルテトラキス(メチレンオキシエチレン)が好ましい。
(B)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、1〜50質量部が好ましい。硬化物の疎水性向上の観点から、より好ましくは3〜50質量部、さらに好ましくは5〜40質量部である。
上記範囲内である場合、実用的なレリーフパターンが得られやすく、未露光部の現像後残滓を抑制しやすい。
(C)成分としては、例えば、ベンゾフェノン、2−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン等のベンゾフェノン誘導体、
2,2′−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン誘導体、
チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、
ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール等のベンジル誘導体、
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン誘導体、及び
1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、下記式で表される化合物等のオキシムエステル類などが好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2020056956
特に光感度の点で、オキシムエステル類が好ましい。
(C)成分は、(C1)下記式(15−1)で表される化合物及び下記式(15−2)で表される化合物からなる群から選択される1以上の化合物(以下、「(C1)成分」ともいう。)を含有することが好ましい。
(C1)成分は、活性光線に対する感度が後述する(C2)成分より高いことが好ましく、高感度な感光剤であることが好ましい。
Figure 2020056956
式(15−1)中、R11Aは炭素数1〜12のアルキル基であり、a1は0〜5の整数である。R12Aは水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基である。R13A及びR14Aは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜4)のアルキル基、フェニル基又はトリル基を示す。a1が2以上の整数の場合、R11Aはそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。
11Aは、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。a1は好ましくは1である。R12Aは、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくはエチル基である。R13A及びR14Aは、好ましくはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
式(15−1)で表される化合物としては、例えば、下記式(15A)で表される化合物が挙げられ、BASFジャパン株式会社製「IRGACURE OXE 02」として入手可能である。
Figure 2020056956
Figure 2020056956
式(15−2)中、R15Aは、−OH、−COOH、−O(CH)OH、−O(CHOH、−COO(CH)OH又は−COO(CHOHであり、R16A及びR17Aは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基、フェニル基又はトリル基である。b1は0〜5の整数である。b1が2以上の整数の場合、R15はそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。
15Aは、好ましくは−O(CHOHである。b1は好ましくは0又は1である。R16Aは、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくはメチル基又はヘキシル基である。R17Aは、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基であり、より好ましくはメチル基又はフェニル基である。
式(15−2)で表される化合物としては、例えば下記式(15B)で表される化合物が挙げられ、株式会社ADEKA製「NCI−930」として入手可能である。
Figure 2020056956
また、(C)成分は、(C2)下記式(16)で表される化合物(以下、「(C2)成分」ともいう。)を含有することが好ましい。
(C2)成分は、活性光線に対する感度が(C1)成分より低いことが好ましく、標準的な感度の感光剤であることが好ましい。
Figure 2020056956
式(16)中、R21Aは炭素数1〜12のアルキル基であり、R22A及びR23Aは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)、炭素数1〜12のアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)、炭素数4〜10のシクロアルキル基、フェニル基又はトリル基であり、c1は0〜5の整数である。c1が2以上の整数の場合、R21Aはそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。
c1は好ましくは0である。R22Aは、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。R23Aは、好ましくは炭素数1〜12のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基であり、さらに好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。
式(16)で表される化合物としては、例えば下記式(16A)で表される化合物が挙げられ、Lambson社製「G−1820(PDO)」として入手可能である。
Figure 2020056956
(C)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
(C)成分は、(C1)成分及び(C2)成分からなる群から選択される1以上を含むことが好ましい。
また、(C)成分は、透過率の調整の観点から、(C1)成分及び(C2)成分を含むことが好ましい。
(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜15質量部であり、さらに好ましくは0.1〜10質量部である。
上記範囲内の場合、光架橋が膜厚方向で均一となりやすく、実用的なレリーフパターンを得やすくなる。
(C1)成分を含有する場合、(C1)成分の含有量は、通常、(A)成分100質量部に対して0.05〜5.0質量部であり、好ましくは0.1〜2.5質量部であり、より好ましくは0.2〜2.0質量部である。
(C2)成分を含有する場合、(C2)成分の含有量は、通常、(A)成分100質量部に対して0.5〜15.0質量部であり、好ましくは1.0〜10.0質量部である。
(C1)成分及び(C2)成分を含有する場合、(C1)成分の含有量が(A)成分100質量部に対して0.05〜5.0質量部であり、かつ、(C2)成分の含有量が(A)成分100質量部に対して0.5〜15.0質量部であると好ましい。
(C1)成分及び(C2)成分を含有する場合、(C1)成分と(C2)成分の含有量の質量比は、好ましくは1:3〜1:70であり、より好ましくは1:5〜1:50である。
本発明の感光性樹脂組成物は、(D)下記式(101)〜(107)で表される化合物からなる群から選択される1以上の化合物を含有する。
Figure 2020056956
(式(101)〜(107)中、
101〜R110は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜3のアルコキシ基、又はヒドロキシ基であり、
101〜R105のうち少なくとも1つはヒドロキシ基であり、R106〜R110のうち少なくとも1つはヒドロキシ基であり、
111〜R114は、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基であり、
115は、2価の基、又は単結合であり、
121、R131、R141、R151〜R154、R161、R162、R171及びR172は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜3のアルコキシ基、又は、ヒドロキシ基である。)
式(101)〜(107)のR101〜R110、R111〜R114、R121、R131、R141、R151〜R154、R161、R162、R171及びR172の炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。メチル基が好ましい。
式(101)〜(107)のR101〜R110、R111〜R114、R121、R131、R141、R151〜R154、R161、R162、R171及びR172の炭素数1〜3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。メトキシ基が好ましい。
(D)成分は、上記式(101)で表される化合物であることが好ましい。
式(101)のR115は、メチレン基であることが好ましい。
(例えば、式(101)の)R103及びR108のうち少なくとも1つはヒドロキシ基であることが好ましい。R103及びR108がヒドロキシ基であることがより好ましい。
式(101)のR111〜R114の炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。メチル基が好ましい。
式(101)のR111〜R114は、水素原子であることが好ましい。
(D)成分は、下記式(101A)で表される化合物であることがより好ましい。これにより、活性光線照射の際に乱反射による未露光部の架橋を抑制できる。さらに、Cuめっき基板の変色を抑制できる。
Figure 2020056956
(式(101A)中、R102A及びR107Aは、それぞれ独立に、水素原子、又はメトキシ基である。)
(D)成分は、10mg/Lの濃度で、365nmにおける吸光度が0.05以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましい。
(D)成分としては、例えば、フラボン、フラボノール、イソフラボン、カルコン、オーロン、フラバン3−オール、アントシアニジン、ロイコアントシアニジン、(1E,6E)−1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−7−(4−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン)、(1E,6E)−1,7−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン等が挙げられる。
(D)成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせてもよい。
(D)成分の含有量は、解像度(解像性)に優れる点において、(A)成分100質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.2質量部以上がさらに好ましい。
(D)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2質量部以下がさらに好ましい。これにより、活性光線照射の際に組成物の表面での吸収が増大して内部の光硬化が不充分となることを抑えることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、保存安定性の確保の観点から、さらに、(E)重合禁止剤(以下、「(E)成分」ともいう。)を含んでもよい。
(E)成分としては、ラジカル重合禁止剤、ラジカル重合抑制剤等が挙げられる。
(E)成分としては、例えば、p−メトキシフェノール、ジフェニル−p−ベンゾキノン、ベンゾキノン、ヒドロキノン、ピロガロール、フェノチアジン、レゾルシノール、オルトジニトロベンゼン、パラジニトロベンゼン、メタジニトロベンゼン、フェナントラキノン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、クペロン、2,5−トルキノン、タンニン酸、パラベンジルアミノフェノール、ニトロソアミン類、及び1,4,4−トリメチル−2,3−ジアザビシクロ[3.2.2]−ノナ−2−エン−2,3−ジキソイド)等のジキソイド類などが挙げられる。
(E)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
(E)成分を含有する場合、(E)成分の含有量としては、感光性樹脂組成物の保存安定性及び得られる硬化物の耐熱性の観点から、(A)成分100質量部に対して、0.01〜30質量部が好ましく、0.01〜10質量部がより好ましく、0.05〜5質量部がさらに好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、銅及び銅合金の腐食の抑制や変色の防止の観点から、さらに、(F)防錆剤(以下、「(F)成分」ともいう。)を含んでもよい。
(F)成分としては、例えば、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,5−トリアゾール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−3,5−ジメチル−4H−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−3,5−ジプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−イソプロピル−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−3−メルカプト−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−3,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、3,5−ジアミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチルベンゾトリアゾール、5−アミノ−1H−ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール−4−スルホン酸、1,2,3−ベンゾトリアゾール等のトリアゾール誘導体、及び、
1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−(メチルチオ)−1H−テトラゾール、5−(エチルチオ)−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5−ニトロ−1H−テトラゾール1−メチル−1H−テトラゾール、5,5’−ビス−1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール等のテトラゾール誘導体などが挙げられる。
(F)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
(F)成分を用いる場合、防錆剤の含有量は、(A)成分100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましく、0.5〜4質量部がさらに好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、得られる硬化膜の基材への接着性を向上させる観点から、さらに、(G)シランカップリング剤(接着助剤)(以下、「(G)成分」ともいう。)を含んでもよい。
通常、(G)成分は、現像後の加熱処理において、(A)成分と反応して架橋する、又は加熱処理する工程において(G)成分自身が重合する。これにより、得られる硬化物と基板との接着性をより向上させることができる。
(G)成分としては、ウレア結合(−NH−CO−NH−)を有する化合物が挙げられる。これにより、200℃以下の低温下で硬化を行った場合も基板との接着性をさらに高めることができる。
低温での硬化を行った際の接着性の発現に優れる点で、下記式(13)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2020056956
(式(13)中、R31及びR32は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基である。aは1〜10の整数であり、bは1〜3の整数である。)
式(13)で表される化合物の具体例としては、ウレイドメチルトリメトキシシラン、ウレイドメチルトリエトキシシラン、2−ウレイドエチルトリメトキシシラン、2−ウレイドエチルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、4−ウレイドブチルトリメトキシシラン、4−ウレイドブチルトリエトキシシラン等が挙げられ、好ましくは3−ウレイドプロピルトリエトキシシランである。
(G)成分として、ヒドロキシ基又はグリシジル基を有するシランカップリング剤を用いてもよい。ヒドロキシ基又はグリシジル基を有するシランカップリング剤、及び分子内にウレア結合を有するシランカップリング剤を併用すると、さらに低温硬化時の硬化物の基板への接着性を向上することができる。
ヒドロキシ基又はグリシジル基を有するシランカップリング剤としては、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオール、1,4−ビス(トリヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(メチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(プロピルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ブチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジエチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジプロピルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジブチルヒドロキシシリル)ベンゼン、及び下記式(14)で表わされる化合物等が挙げられる。中でも、特に、基板との接着性をより向上させるため、式(14)で表される化合物が好ましい。
Figure 2020056956
(式(14)中、R33はヒドロキシ基又はグリシジル基を有する1価の有機基であり、R34及びR35は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基である。cは1〜10の整数であり、dは1〜3の整数である。)
式(14)で表される化合物としては、ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、4−ヒドロキシブチルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、4−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、4−グリシドキシブチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
市販品としては、商品名「KBM403」(信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
ヒドロキシ基又はグリシジル基を有するシランカップリング剤は、さらに、窒素原子を有する基を含むことが好ましく、さらにアミノ基又はアミド結合を有するシランカップリング剤がより好ましい。
さらにアミノ基を有するシランカップリング剤としては、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(2−グリシドキシメチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
さらにアミド結合を有するシランカップリング剤としては、下記式で表される化合物等が挙げられる。
36−(CH−CO−NH−(CH−Si(OR37
(R36はヒドロキシ基又はグリシジル基であり、e及びfは、それぞれ独立に、1〜3の整数であり、R37はメチル基、エチル基又はプロピル基である)
また、(G)成分は、トリエトキシシリルプロピルエチルカーボメートを用いてもよい。
(G)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
(G)成分を用いる場合、(G)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、1〜15質量部がより好ましく、1〜10質量部がさらに好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、広範囲の露光量における残膜率の維持と良好な解像性との両立の観点から、さらに、(H)増感剤(以下、「(H)成分」ともいう。)を含んでもよい。
(H)成分としては、ミヒラーズケトン、ベンゾイン、2−メチルベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、2−t−ブチルアントラキノン、1,2−ベンゾ−9,10−アントラキノン、アントラキノン、メチルアントラキノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、1,5−アセナフテン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ジアセチルベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ジフェニルジスルフィド、アントラセン、フェナンスレンキノン、リボフラビンテトラブチレート、アクリジンオレンジ、エリスロシン、フェナンスレンキノン、2−イソプロピルチオキサントン、2,6−ビス(p−ジエチルアミノベンジリデン)−4−メチル−4−アザシクロヘキサノン、6−ビス(p−ジメチルアミノベンジリデン)−シクロペンタノン、2,6−ビス(p−ジエチルアミノベンジリデン)−4−フェニルシクロヘキサノン、アミノスチリルケトン、3−ケトクマリン化合物、ビスクマリン化合物、N−フェニルグリシン、N−フェニルジエタノールアミン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等が挙げられる。
(H)成分は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせてもよい。
(H)成分を含有する場合、(H)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜2.0質量部が好ましく、0.2〜1.5質量部がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、重合反応の促進の観点から、さらに、(I)熱重合開始剤(以下、「(I)成分」ともいう。)を含んでもよい。
(I)成分としては、成膜時に溶剤を除去するための加熱(乾燥)では分解せず、硬化時の加熱により分解してラジカルを発生し、(B)成分同士、又は(A)成分及び(B)成分の重合反応を促進する化合物が好ましい。
(I)成分は分解点が、110℃以上200℃以下の化合物が好ましく、より低温で重合反応を促進する観点から、110℃以上175℃以下の化合物がより好ましい。
具体例としては、メチルエチルケトンペルオキシド等のケトンペルオキシド、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等のパーオキシケタール、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロペルオキシド、クメンハイドロペルオキシド、p−メンタンハイドロペルオキシド等のハイドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド等のジアルキルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド等のジアシルペルオキシド、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等のパーオキシエステル、ビス(1−フェニル−1−メチルエチル)ペルオキシドなどが挙げられる。市販品としては、商品名「パークミルD」、「パークミルP」、「パークミルH」、「パーブチルO」(以上、日油株式会社製)等が挙げられる。
(I)成分を含有する場合、(I)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、良好な耐フラックス性の確保のために0.2〜20質量部がより好ましく、乾燥時の分解による溶解性低下抑制の観点から、0.3〜10質量部がさらに好ましい。
(J)成分としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、3−メチルメトキシプロピオネート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、N−ジメチルモルホリン等が挙げられ、通常、他の成分を充分に溶解できるものであれば特に制限はない。
この中でも、各成分の溶解性と感光性樹脂膜形成時の塗布性に優れる観点から、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドを用いることが好ましい。
また、(J)成分としては、下記式(21)で表される化合物を用いてもよい。
Figure 2020056956
(式中、R41〜R43は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基である。)
式(21)中におけるR41〜R43の炭素数1〜10(好ましくは1〜3、より好ましくは1又は3)のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等を挙げることができる。
式(21)で表される化合物は、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(例えば、商品名「KJCMPA−100」(KJケミカルズ株式会社製))であることが好ましい。
(J)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
(J)成分の含有量は、特に限定されないが、一般的に、(A)成分100質量部に対して、50〜1000質量部である。
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに界面活性剤又はレベリング剤等を含有してもよい。
界面活性剤又はレベリング剤を含むことで、塗布性(例えばストリエーション(膜厚のムラ)の抑制)及び現像性を向上させることができる。
界面活性剤又はレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等が挙げられ、市販品としては、商品名「メガファックF171」、「F173」、「R−08」(以上、DIC株式会社製)、商品名「フロラードFC430」、「FC431」(以上、住友スリーエム株式会社製)、商品名「オルガノシロキサンポリマーKP341」(信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
界面活性剤及びレベリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
界面活性剤又はレベリング剤を含む場合、界面活性剤又はレベリング剤の含有量は、(A)成分100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましく、0.05〜3質量部がさらに好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(J)成分を除いて、本質的に、(A)〜(D)、並びに任意に(E)〜(I)成分、界面活性剤、及びレベリング剤からなっており、本発明の効果を損なわない範囲で他に不可避不純物を含んでもよい。
本発明の感光性樹脂組成物の、例えば、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、98質量%以上又は100質量%が、(J)成分を除いて、
(A)〜(D)成分、
(A)〜(I)成分、又は
(A)〜(D)成分、並びに任意に(E)〜(I)成分、界面活性剤、及びレベリング剤からなっていてもよい。
本発明の硬化物は、上述の感光性樹脂組成物を硬化することで得ることができる。
本発明の硬化物は、パターン硬化物として用いてもよく、パターンがない硬化物として用いてもよい。
本発明の硬化物の膜厚は、5〜20μmが好ましい。
本発明のパターン硬化物の製造方法では、上述の感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、感光性樹脂膜をパターン露光して、樹脂膜を得る工程と、パターン露光後の樹脂膜を、有機溶剤を用いて、現像し、パターン樹脂膜を得る工程と、パターン樹脂膜を加熱処理する工程と、を含む。
これにより、パターン硬化物を得ることができる。
パターンがない硬化物を製造する方法は、例えば、上述の感光性樹脂膜を形成する工程と加熱処理する工程とを備える。さらに、露光する工程を備えてもよい。
基板としては、ガラス基板、Si基板(シリコンウエハ)等の半導体基板、TiO基板、SiO基板等の金属酸化物絶縁体基板、Cuめっきウエハ、窒化ケイ素基板、銅基板、銅合金基板等が挙げられる。
塗布方法に特に制限はないが、スピナー等を用いて行うことができる。
乾燥は、ホットプレート、オーブン等を用いて行うことができる。
乾燥温度は90〜150℃が好ましく、溶解コントラスト確保の観点から、90〜120℃がより好ましい。
乾燥時間は、30秒間〜5分間が好ましい。
乾燥は、2回以上行ってもよい。
これにより、上述の感光性樹脂組成物を膜状に形成した感光性樹脂膜を得ることができる。
感光性樹脂膜の膜厚は、5〜100μmが好ましく、6〜50μmがより好ましく、7〜30μmがさらに好ましい。
パターン露光は、例えばフォトマスクを介して所定のパターンに露光する。
照射する活性光線は、i線等の紫外線、可視光線、放射線等が挙げられるが、i線であることが好ましい。
露光装置としては、平行露光機、投影露光機、ステッパ、スキャナ露光機等を用いることができる。
露光後、現像前に、必要に応じて露光後加熱(PEB)を行ってもよい。露光後加熱の温度は60℃〜160℃が好ましく、露光後加熱の時間は0.5分間〜5分間が好ましい。
現像することで、パターン形成された樹脂膜(パターン樹脂膜)を得ることができる。一般的に、ネガ型感光性樹脂組成物を用いた場合には、未露光部を現像液で除去する。
現像液として用いる有機溶剤は、現像液としては、感光性樹脂膜の良溶媒を単独で、又は良溶媒と貧溶媒を適宜混合して用いることができる。
良溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
貧溶媒としては、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、水等が挙げられる。
現像液に界面活性剤を添加してもよい。添加量としては、現像液100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。
現像時間は、例えば感光性樹脂膜を浸漬して完全に溶解するまでの時間の2倍とすることができる。
現像時間は、用いる(A)成分によっても異なるが、10秒間〜15分間が好ましく、10秒間〜5分間がより好ましく、生産性の観点からは、20秒間〜5分間がさらに好ましい。
現像後、リンス液により洗浄を行ってもよい。
リンス液としては、蒸留水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を単独又は適宜混合して用いてもよく、また段階的に組み合わせて用いてもよい。
パターン樹脂膜を加熱処理することにより、パターン硬化物を得ることができる。
(A)成分のポリイミド前駆体が、加熱処理工程によって、脱水閉環反応を起こし、通常対応するポリイミドとなる。
加熱処理の温度は、250℃以下が好ましく、120〜250℃がより好ましく、200℃以下又は160〜200℃がさらに好ましい。
上記範囲内であることにより、基板やデバイスへのダメージを小さく抑えることができ、デバイスを歩留り良く生産することが可能となり、プロセスの省エネルギー化を実現することができる。
加熱処理の時間は、5時間以下が好ましく、30分間〜3時間がより好ましい。
上記範囲内であることにより、架橋反応又は脱水閉環反応を充分に進行することができる。
加熱処理の雰囲気は大気中であっても、窒素等の不活性雰囲気中であってもよいが、パターン樹脂膜の酸化を防ぐことができる観点から、窒素雰囲気下が好ましい。
加熱処理に用いられる装置としては、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、縦型拡散炉、赤外線硬化炉、電子線硬化炉、マイクロ波硬化炉等が挙げられる。
本発明の硬化物は、パッシベーション膜、バッファーコート膜、層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜等として用いることができる。
上記パッシベーション膜、バッファーコート膜、層間絶縁膜、カバーコート層及び表面保護膜等からなる群から選択される1以上を用いて、信頼性の高い、半導体装置、多層配線板、各種電子デバイス、積層デバイス(マルチダイファンアウトウエハレベルパッケージ等)等の電子部品などを製造することができる。
本発明の電子部品である半導体装置の製造工程の一例を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子部品である多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。
図1において、回路素子を有するSi基板等の半導体基板1は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2等で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層3が形成される。その後、前記半導体基板1上に層間絶縁膜4が形成される。
次に、塩化ゴム系、フェノールノボラック系等の感光性樹脂層5が、層間絶縁膜4上に形成され、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁膜4が露出するように窓6Aが設けられる。
窓6Aが露出した層間絶縁膜4は、選択的にエッチングされ、窓6Bが設けられる。
次いで、窓6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光性樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光性樹脂層5が完全に除去される。
さらに公知の写真食刻技術を用いて、第2導体層7を形成し、第1導体層3との電気的接続を行う。
3層以上の多層配線構造を形成する場合には、上述の工程を繰り返して行い、各層を形成することができる。
次に、上述の感光性樹脂組成物を用いて、パターン露光により窓6Cを開口し、表面保護膜8を形成する。表面保護膜8は、第2導体層7を外部からの応力、α線等から保護するものであり、得られる半導体装置は信頼性に優れる。
尚、前記例において、層間絶縁膜を本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成することも可能である。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明についてさらに具体的に説明する。尚、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いた各成分は以下の通りである。
(A)成分:重合性の不飽和結合を有するポリイミド前駆体
A1:後述の合成例1で得られた化合物
A2:後述の合成例2で得られた化合物
A3:後述の合成例3で得られた化合物
A4:後述の合成例4で得られた化合物
(B)成分:重合性モノマー
B1:A−DCP(新中村化学工業株式会社製、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、下記式で表される化合物)
Figure 2020056956
B2:ATM−4E(新中村化学工業株式会社製、テトラキスアクリル酸メタンテトライルテトラキス(メチレンオキシエチレン))
B3:TEGDMA(新中村化学工業株式会社製、テトラエチレングリコールジメタクリレート)
B4:A−TMMT(新中村化学工業株式会社製、ペンタエリスリトールテトラアクリレート)
(C)成分:光重合開始剤
C1:IRGACURE OXE 02(BASFジャパン株式会社製、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム))
C2:G−1820(PDO)(Lambson株式会社製、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム)
C3:NCI−930(株式会社ADEKA製、2−(アセトキシイミノ)−1−[4−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルファニル]フェニル]プロパン−1−オン)
(D)成分
D1:クルクミン(株式会社三和ケミカル製、(1E,6E)−1,7−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン)
D2:HPH(株式会社三和ケミカル製、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン)
(D′)成分
D′1:アデカスタブ LA−29(株式会社ADEKA製、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)
D′2:アデカスタブ LA−24(株式会社ADEKA製、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール)
D′3:アデカスタブ LA−32(株式会社ADEKA製、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール)
D′4:SEESORB106(シプロ化成株式会社製、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン)
D′5:SEESORB107(シプロ化成株式会社製、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン)
D′6:ディスパースレッド1(日立化成テクノサービス株式会社製、4−[エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4′−ニトロアゾベンゼン)
(E)成分:重合禁止剤
E1:Taobn(Hampford Research社製、1,4,4−トリメチル−2,3−ジアザビシクロ[3.2.2]−ノナ−2−エン−2,3−ジキソイド)
E2:ヒドロキノン
(H)成分:増感剤
H1:EMK(Aldrich社製、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン)
(I)成分:熱重合開始剤
I1:パークミルD(日油株式会社製、ビス(1−フェニル−1−メチルエチル)ペルオキシド)
(J)成分:溶剤
J1:N−メチル−2−ピロリドン
J2:γ−ブチロラクトン
J3:KJCMPA−100(KJケミカルズ株式会社製、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド)
[吸光度測定]
また、(D)成分及び(D′)成分の吸光度を、以下の条件で測定した。結果を表1に示す。
(D)成分及び(D′)成分をそれぞれクロロホルムに溶かし、10mg/Lになるよう調製し、測定用試料とした。
測定機器:U−3900H(株式会社日立ハイテクサイエンス製)
測定条件:セル長:10.0mm
Figure 2020056956
合成例1(A1の合成)
3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA)47.1g(152mmol)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)5.54g(43mmol)及び触媒量の1,4−ジアザビシクロ[2.2.2.]オクタントリエチレンジアミンを380gのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に溶解して、45℃で1時間撹拌した後25℃まで冷却し、2,2’−ジメチルベンジジン27.4g(129mmol)及び乾燥したN−メチル−2−ピロリドン145mLを加えた後45℃で150分間撹拌した後、室温へ冷却した。この溶液へトリフルオロ酢酸無水物59.7g(284mmol)を滴下した後、120分間撹拌した後、触媒量のベンゾキノンを加え、さらにHEMA40.4g(310mmol)を加え45℃で20時間撹拌した。この反応液を蒸留水に滴下し、沈殿物をろ別して集め、減圧乾燥することによってポリイミド前駆体A1を得た。
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法を用いて、標準ポリスチレン換算により、以下の条件で、重量平均分子量を求めた。A1の重量平均分子量は35,000であった。
0.5mgのA1に対して溶剤[テトラヒドロフラン(THF)/ジメチルホルムアミド(DMF)=1/1(容積比)]1mLの溶液を用いて測定した。
測定装置:検出器 株式会社日立製作所製L4000UV
ポンプ:株式会社日立製作所製L6000
株式会社島津製作所製C−R4A Chromatopac
測定条件:カラムGelpack GL−S300MDT−5×2本
溶離液:THF/DMF=1/1(容積比)
LiBr(0.03mol/L)、HPO(0.06mol/L)
流速:1.0mL/min、検出器:UV270nm
また、A1のエステル化率(ODPAのカルボキシ基のHEMAとの反応率)を、以下の条件でNMR測定を行い、算出した。エステル化率は、ポリアミド酸の全カルボキシ基に対し81モル%であった(残り19モル%はカルボキシ基)。
測定機器:ブルカー・バイオスピン社製 AV400M
磁場強度:400MHz
基準物質:テトラメチルシラン(TMS)
溶媒:ジメチルスルホキシド(DMSO)
合成例2(A2の合成)
ODPA47.1g(152mmol)とHEMA2.77g(21mmol)及び触媒量の1,4−ジアザビシクロ[2.2.2.]オクタントリエチレンジアミンを500gのNMP中に溶解して、45℃で1時間撹拌した後25℃まで冷却し、2,2’−ジメチルベンジジン30.0g(141mmol)及び乾燥したNMP145mLを加えた後45℃で150分間撹拌した後、室温へ冷却した。この溶液へトリフルオロ酢酸無水物65.2g(311mmol)を滴下した後、180分間撹拌した後、触媒量のベンゾキノンを加え、さらにHEMA43.1g(331mmol)を加え45℃で20時間撹拌した。この反応液を蒸留水に滴下し、沈殿物をろ別して集め、減圧乾燥することによってポリイミド前駆体A2を得た。
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法を用いて、標準ポリスチレン換算により、以下の条件で、重量平均分子量を求めた。A2の重量平均分子量は70,000であった。
また、A2のエステル化率を、合成例1と同じ条件でNMR測定を行い、算出した。エステル化率は、ポリアミド酸の全カルボキシ基に対し73モル%であった(残り27モル%はカルボキシ基)。
合成例3(A3の合成)
ODPA62.0g(200mmol)、HEMA5.2g(40.0mmol)及び触媒量の1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタントリエチレンジアミンをNMP250gに溶解し、45℃で1時間撹拌した後、25℃まで冷却し、m−フェニレンジアミン5.5g(50.9mmol)、オキシジアニリン(4,4′−ジアミノジフェニルエーテル)23.8g(119mmol)及び乾燥したNMP100mLを加え、45℃で150分間撹拌した後、室温へ冷却し、ポリアミド酸を得た。この溶液へトリフルオロ酢酸無水物78.5g(374mmol)を滴下し、20分間撹拌した後、HEMA53.1g(408mmol)を加え45℃で20時間撹拌した。この反応液を蒸留水に滴下し、沈殿物をろ別して集め、減圧乾燥することによってポリイミド前駆体A3を得た。
GPC法を用いて、合成例1と同じ条件で、重量平均分子量を求めた。A3の重量平均分子量は35,000であった。
また、A3のエステル化率を、合成例1と同じ条件でNMR測定を行い、算出した。エステル化率は、ポリアミド酸の全カルボキシ基に対し70モル%であった(残り30モル%はカルボキシ基)。
合成例4(A4の合成)
ピロメリット酸二無水物(PMDA)43.6g(200mmol)とHEMA54.9g(401mmol)とヒドロキノン0.220gをNMP394gに溶解し、1,8−ジアザビシクロウンデセンを触媒量添加した後に、25℃で24時間撹拌し、エステル化を行い、ピロメリット酸−ヒドロキシエチルメタクリレートジエステル溶液を得た。この溶液をPMDA−HEMA溶液とする。
ODPA49.6g(160mmol)とHEMA4.98g(328mmol)とヒドロキノン0.176gをNMP378gに溶解し、1,8−ジアザビシクロウンデセンを触媒量添加した後に、25℃で48時間撹拌し、エステル化を行い、3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸−ヒドロキシエチルメタクリレートジエステル溶液を得た。この溶液をODPA−HEMA溶液とする。
PMDA−HEMA溶液196gとODPA−HEMA溶液58.7gとを混合し、その後、氷冷下で塩化チオニル25.9g(218mmol)を反応溶液温度が10℃以下を保つように滴下漏斗を用いて滴下した。塩化チオニルの滴下が終了した後、氷冷下で2時間反応を行いPMDAとODPAの酸クロリドの溶液を得た。次いで、滴下漏斗を用いて、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン31.7g(99.0mmol)、ピリジン34.5g(436mmol)、ヒドロキノン0.076g(693mmol)のNMP90.2g溶液を氷冷下で反応溶液の温度が10℃を超えないように注意しながら滴下した。この反応液を蒸留水に滴下し、沈殿物をろ別して集め、減圧乾燥することによってポリイミド前駆体A4を得た。
GPC法を用いて、合成例1と同じ条件で、重量平均分子量を求めた。A4の重量平均分子量は34,000であった。
実施例1〜13及び比較例1〜18
[感光性樹脂組成物の調製]
表2〜表4に示した成分及び配合量にて、実施例1〜13及び比較例1〜18の感光性樹脂組成物を調製した。表2〜表4の配合量は、100質量部の(A)成分に対する、各成分の質量部である。
[パターン樹脂膜の製造]
得られた感光性樹脂組成物を、塗布装置Act8(東京エレクトロン株式会社製)を用いて、Cuめっきウエハ上にスピンコートし、100℃で2分間乾燥後、110℃で2分間乾燥して乾燥膜厚が7〜10μmの感光性樹脂膜を形成した。
得られた感光性樹脂膜をシクロペンタノンに浸漬して完全に溶解するまでの時間の2倍を現像時間として設定した。
また、上記と同様に感光性樹脂膜を作製し、得られた感光性樹脂膜に、i線ステッパFPA−3000iW(キヤノン株式会社製)を用いて、表2〜表4に示した露光量で、直径1μm〜100μmのビア形成用フォトマスクに照射して、露光を行った。
Act8を用いて、大気下、120℃で3分間、露光後加熱を行った。
露光後加熱後の樹脂膜を、Act8を用いて、シクロペンタノンに、上記の現像時間でパドル現像した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)でリンス洗浄を行い、パターン樹脂膜を得た。
[Cu変色の評価]
得られたパターン樹脂膜について、開口部のCuの色を、光学顕微鏡を用いて観察した。スピンコート前のCuめっきウエハの色と比較して、以下の基準で評価した。
A:変色しなかった。
B:赤く変色した。
C:白く変色した。
D:残渣が発生したため、変色を観察できなかった。
結果を表2〜表4に示す。
[パターン硬化物の製造]
得られたパターン樹脂膜を、縦型拡散炉μ−TF(光洋サーモシステム株式会社製)を用いて、窒素雰囲気下、175℃で1時間加熱し、パターン硬化物(硬化後膜厚5μm)を得た。
[解像度の評価]
得られたパターン硬化物について、光学顕微鏡を用いて観察し、ビアのマスク寸法の面積に対して、55%以上の基板表面が露出した開口が形成された最小の直径を解像度として、以下の基準で評価した。
A:4μm未満のパターンが開口した。
B:4μm以上6μm未満のパターンが開口した。
C:6μm以上8μm未満のパターンが開口した。
D:8μm以上のパターンが開口した。
結果を表2〜表4に示す。
Figure 2020056956
Figure 2020056956
Figure 2020056956
実施例1a、9a〜12a及び比較例5a、6a、12a〜15a、17a、18a
[感光性樹脂組成物の調製]
表5に示した成分及び配合量にて、実施例1a、9a〜12a及び比較例5a、6a、12a〜15a、17a、18aの感光性樹脂組成物を調製した。表5の配合量は、100質量部の(A)成分に対する、各成分の質量部である。
[パターン樹脂膜の製造]
得られた感光性樹脂組成物を用いて、実施例1〜13及び比較例1〜18と同様にして、感光性樹脂膜を形成した。
得られた感光性樹脂膜をシクロペンタノンに浸漬して完全に溶解するまでの時間の2倍を現像時間として設定した。
また、上記と同様に感光性樹脂膜を作製し、得られた感光性樹脂膜に、FPA−3000iWを用いて、表5に示した露光量で、直径1μm〜100μmのビア形成用フォトマスクに照射して、露光を行った。
露光後の樹脂膜を、Act8を用いて、シクロペンタノンに、上記の現像時間でパドル現像した後、PGMEAでリンス洗浄を行い、パターン樹脂膜を得た。
[Cu変色の評価]
得られたパターン樹脂膜について、実施例1〜13及び比較例1〜18と同様にして、開口部のCuの色を評価した。
結果を表5に示す。
[パターン硬化物の製造]
得られたパターン樹脂膜を、μ−TFを用いて、窒素雰囲気下、175℃で1時間加熱し、パターン硬化物(硬化後膜厚5μm)を得た。
[解像度の評価]
得られたパターン硬化物について、実施例1〜13及び比較例1〜18と同様にして、解像度を評価した。
結果を表5に示す。
Figure 2020056956
実施例14〜16及び比較例19〜21
[感光性樹脂組成物の調製]
表6に示した成分及び配合量にて、実施例14〜16及び比較例19〜21の感光性樹脂組成物を調製した。表6の配合量は、100質量部の(A)成分に対する、各成分の質量部である。
[パターン樹脂膜の製造]
得られた感光性樹脂組成物を、塗布装置Act8(東京エレクトロン株式会社製)を用いて、Cuめっきウエハ上にスピンコートし、100℃で2分間乾燥後、110℃で2分間乾燥して乾燥膜厚が12〜15μmの感光性樹脂膜を形成した。
得られた感光性樹脂膜をシクロペンタノンに浸漬して完全に溶解するまでの時間の2倍を現像時間として設定した。
また、上記と同様に感光性樹脂膜を作製し、得られた感光性樹脂膜に、FPA−3000iWを用いて、表6に示した露光量で、直径1μm〜100μmのビア形成用フォトマスクに照射して、露光を行った。
露光後の樹脂膜を、Act8を用いて、シクロペンタノンに、上記の現像時間でパドル現像した後、PGMEAでリンス洗浄を行い、パターン樹脂膜を得た。
[パターン硬化物の製造]
得られたパターン樹脂膜を、μ−TFを用いて、窒素雰囲気下、175℃で1時間加熱し、パターン硬化物(硬化後膜厚10μm)を得た。
[解像度の評価]
得られたパターン硬化物について、光学顕微鏡を用いて観察し、ビアのマスク寸法の面積に対して、55%以上の基板表面が露出した開口が形成された最小の直径を解像度として、以下の基準で評価した。
A:8μm未満のパターンが開口した。
B:8μm以上10μm未満のパターンが開口した。
C:10μm以上15μm未満のパターンが開口した。
D:15μm以上のパターンが開口した。
結果を表6に示す。
Figure 2020056956
実施例17、18及び比較例22、23
[感光性樹脂組成物の調製]
表7に示した成分及び配合量にて、実施例17、18及び比較例22、23の感光性樹脂組成物を調製した。表7の配合量は、100質量部の(A)成分に対する、各成分の質量部である。
[パターン樹脂膜の製造]
得られた感光性樹脂組成物を、Act8を用いて、Cuめっきウエハ上にスピンコートし、100℃で2分間乾燥後、110℃で2分間乾燥して乾燥膜厚が12〜15μmの感光性樹脂膜を形成した。
得られた感光性樹脂膜をシクロペンタノンに浸漬して完全に溶解するまでの時間の2倍を現像時間として設定した。
また、上記と同様に感光性樹脂膜を作製し、得られた感光性樹脂膜に、FPA−3000iWを用いて、表7に示した露光量で、直径1μm〜100μmのビア形成用フォトマスクに照射して、露光を行った。
Act8を用いて、大気下、120℃で3分間、露光後加熱を行った。
露光後加熱後の樹脂膜を、Act8を用いて、シクロペンタノンに、上記の現像時間でパドル現像した後、PGMEAでリンス洗浄を行い、パターン樹脂膜を得た。
[パターン硬化物の製造]
得られたパターン樹脂膜を、μ−TFを用いて、窒素雰囲気下、175℃で1時間加熱し、パターン硬化物(硬化後膜厚10μm)を得た。
[解像度の評価]
得られたパターン硬化物について、実施例14〜16及び比較例19〜21
と同様にして、解像度を評価した。
結果を表7に示す。
Figure 2020056956
本発明の感光性樹脂組成物は、層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜等に用いることができ、本発明の層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜は、電子部品等に用いることができる。
1 半導体基板
2 保護膜
3 第1導体層
4 層間絶縁膜層
5 感光性樹脂層
6A、6B、6C 窓
7 第2導体層
8 表面保護膜層

Claims (18)

  1. (A)重合性の不飽和結合を有するポリイミド前駆体、
    (B)重合性モノマー、
    (C)光重合開始剤、及び
    (D)下記式(101)〜(107)で表される化合物
    を含有する感光性樹脂組成物。
    Figure 2020056956
    (式(101)〜(107)中、
    101〜R110は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜3のアルコキシ基、又はヒドロキシ基であり、
    101〜R105のうち少なくとも1つはヒドロキシ基であり、R106〜R110のうち少なくとも1つはヒドロキシ基であり、
    111〜R114は、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基であり、
    115は、2価の基、又は単結合であり、
    121、R131、R141、R151〜R154、R161、R162、R171及びR172は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜3のアルコキシ基、又は、ヒドロキシ基である。)
  2. 前記(A)成分が、下記式(1)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2020056956
    (式(1)中、Xは1以上の芳香族基を有する4価の基であって、−COOR基と−CONH−基とは互いにオルト位置にあり、−COOR基と−CO−基とは互いにオルト位置にある。Yは1以上の芳香族基を有する2価の基である。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、下記式(2)で表される基、又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、R及びRの少なくとも一方が前記式(2)で表される基である。)
    Figure 2020056956
    (式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基であり、mは1〜10の整数である。)
  3. 前記(B)成分が、重合性の不飽和二重結合を含む基を有する重合性モノマーを含む請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記重合性の不飽和二重結合を含む基が、2以上である請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記重合性モノマーが、脂肪族環状骨格を有する請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記(B)成分が、下記式(3)で表される重合性モノマーを含む請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2020056956
    (式(3)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基又は下記式(4)で表される基である。n1は0又は1であり、n2は0〜2の整数であり、n1+n2は1以上である。n1個のR及びn2個のRの少なくとも1つは、下記式(4)で表される基である。)
    Figure 2020056956
    (式(4)中、R〜R11は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基であり、lは0〜10の整数である。)
  7. n1+n2が、2又は3である請求項6に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 前記(B)成分が、下記式(5)で表される重合性モノマーを含む請求項1〜7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2020056956
  9. 前記(D)成分が、前記式(101)で表される化合物である請求項1〜8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  10. 115がメチレン基である請求項9に記載の感光性樹脂組成物。
  11. 前記(D)成分が、下記式(101A)で表される化合物である請求項1〜10のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2020056956
    (式(101A)中、R102A及びR107Aは、それぞれ独立に、水素原子、又はメトキシ基である。)
  12. さらに、(I)熱重合開始剤を含む請求項1〜11のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、
    前記感光性樹脂膜をパターン露光して、樹脂膜を得る工程と、
    前記パターン露光後の樹脂膜を、有機溶剤を用いて、現像し、パターン樹脂膜を得る工程と、
    前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程と、を含むパターン硬化物の製造方法。
  14. 前記加熱処理の温度が200℃以下である請求項13に記載のパターン硬化物の製造方法。
  15. 請求項1〜12のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化した硬化物。
  16. パターン硬化物である請求項15に記載の硬化物。
  17. 請求項15又は16に記載の硬化物を用いて作製された層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜。
  18. 請求項17に記載の層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜を含む電子部品。
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