JP4399949B2 - 感光性樹脂組成物、パターンの製造法及び電子部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、i線透過性かつ低応力を与えるポリベンゾオキサゾール前駆体を用いた感光性樹脂組成物、これを用いたパターンの製造法及び電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体工業にあっては、従来より無機材料を用いて行われていた層間絶縁材料として、ポリイミド樹脂等のような耐熱性に優れた有機物が、その特性を活かして使用されてきている。
しかし、半導体集積回路やプリント基板上の回路パターン形成は、基材表面へのレジスト材の造膜、所定箇所への露光、エッチング等により不要箇所の除去、基板表面の洗浄作業等の煩雑で多岐に亘工程を経てパターン形成が行われることから、露光、現像によるパターン形成後も必要な部分のレジストを絶縁材料としてそのまま残して用いることができる耐熱感光材料の開発が望まれている。
【0003】
これらの材料として、例えば、感光性ポリイミド、環化ポリブタジエン等をベースポリマとした耐熱感光材料が提案されており、特に感光性ポリイミドは、その耐熱性が優れていることや不純物の排除が容易であること等の点から特に注目されている。
また、このような感光性ポリイミドとしては、ポリイミド前駆体と重クロム酸塩からなる系(特公昭49−17374号公報)が最初に提案されたが、この材料は、実用的な光感度を有するとともに膜形成能が高い等の長所を有する反面、保存安定性に欠け、ポリイミド中にクロムイオンが残存すること等の欠点があり、実用には至らなかった。
【0004】
このような問題を回避するために、例えば、ポリイミド前駆体に感光基を有する化合物を混合する方法(特開昭54−109828号公報)、ポリイミド前駆体中の官能基と感光基を有する化合物の官能基とを反応させて感光基を付与させる方法(特開昭56−24343号公報、特開昭60−100143号公報等)などが提案されている。また、新たにポリベンゾオキサゾール前駆体を用いた感光性樹脂組成物も提案されている。
【0005】
しかし、これらの感光性ポリイミド前駆体やポリベンゾオキサゾール前駆体は耐熱性、機械特性に優れる芳香族系モノマに基本骨格を用いており、そのポリイミド前駆体自体の吸収のため、紫外領域での透光性が低く、露光部における光化学反応を充分効果的に行うことができず、低感度であったり、パターンの形状が悪化するという問題があった。
また、最近では、半導体の高集積化に伴い、加工ルールが益々小さくなり、より高い解像度が求められる傾向にある。
【0006】
そのため、従来の平行光線を用いるコンタクト/プロキシミテイ露光機から、ミラープロジェクションと呼ばれる1:1投影露光機、さらにステッパと呼ばれる縮小投影露光機が用いられるようになってきている。
ステッパは、超高圧水銀灯の高出力発振線、エキシマレーザのような単色光を利用するものである。これまでステッパとしては、超高圧水銀灯のg−lineと呼ばれる可視光(波長:435nm)を使ったg線ステッパが主流であったが、さらに加工ルール微細化の要求に対応するため、使用するステッパの波長を短くすることが必要である。
そのため、使用する露光機は、g線ステッパ(波長:435nm)からi線ステッパ(波長:365nm)に移行しつつある。
【0007】
しかし、コンタクト/プロキシミテイ露光機、ミラープロジェクション投影露光機、g線ステッパ用に設計された従来の感光性ポリイミドのベースポリマでは、先に述べた理由により透明性が低く、特にi線(波長:365nm)での透過率はほとんどないため、i線ステッパでは、まともなパターンが得られない。
また、半導体素子の高密度実装方式であるLOC(リードオンチップ)に対応して表面保護用ポリイミド膜はさらに厚膜のものが求められているが、厚膜の場合には、透過性が低い問題はさらに深刻になる。このため、i線透過率の高く、i線ステッパにより良好なパターン形状を有する感光性組成物が強く求められている。
【0008】
また、基板となるシリコンウエハの径は、年々大きくなり、ポリイミドとシリコンウエハの熱膨張係数差により、表面保護膜としてのポリイミドを形成したシリコンウエハの反りが以前より大きくなるという問題が発生している。そのため、従来のポリイミドよりも更に低熱膨張性を有する感光性ポリイミドが強く求められている。一般に分子構造を剛直にすることにより低熱膨張性は達成できるが、剛直構造の場合、i線をほとんど透過しないため、感光性特性が低下する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリベンゾオキサゾール前駆体における良好なi線透過性とポリベンゾオキサゾール化後の低熱膨張性を両立する感光性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、アルカリ水溶液で現像が可能な感光性樹脂組成物を提供するものである。
【0010】
また本発明は、高i線透過性により、i線露光により高感度、高解像度で、形状も良好なパターンを製造でき、イミド化後に低応力で、耐熱性等を示すポリベンゾオキサゾールの膜を形成できるパターンの製造法を提供するものである。
また本発明は、高解像度で、形状も良好なパターンであり、耐熱性に優れたポリベンゾオキサゾール膜を有し、しかも残留応力が極めて小さいため、信頼性に優れる電子部品を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次のものに関する。
(1) 下記(3)に記載のポリベンゾオキサゾール前駆体を含有してなる感光性樹脂組成物において、前記ポリベンゾオキサゾール前駆体が、膜厚10μmあたりの波長365nmの光の透過率が1%以上であり、かつ、シリコンウエハ上に前記組成物を用いて形成されたポリベンゾオキサゾール前駆体膜をオキサゾール閉環して形成されるポリベンゾオキサゾール膜を有するシリコンウエハの残留応力が25℃で25MPa以下である感光性樹脂組成物。
【0012】
(2)ポリベンゾオキサゾール前駆体の膜厚10μmあたりの波長365nmの光の透過率が5%以上である前記(1)の感光性樹脂組成物。
(3)一般式(1)
【化3】
(式中、X及びYは各々独立に、結合する芳香環と共役しない2価の基であり、Zは2価の芳香族基であり、個々のR1は各々独立に水素原子又は一価の有機基であり、2つの矢印で示される結合はそれらが逆に結合していてもよいことを示す)で表される繰り返し単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体を含有してなる感光性樹脂組成物。
【0013】
(4)前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体が、一般式(2)
【化4】
(式中、X及びYは各々独立に、単結合,O,CH2,C=O,Si(CH3)2,C(CH3)2,C(CF3)2,C(CH3)(CF3),Si(CH3)(CF3),Si(OCH3)2,C(OCH3)2,C(OCF3)2及びC(OCH3)(OCF3)から選択される基であり、Z’は単結合、O、CO、CH2、S又はSO2であり、個々のR1は各々独立に水素原子又は感光性基であり、R2〜R9は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、CF3、ハロゲン原子、COOH又はOHであり、2つの矢印で示される結合はそれらが逆に結合していてもよいことを示す)で表される繰り返し単位を有するものである、前記(3)に記載の感光性樹脂組成物。
【0014】
(5) さらに光重合開始剤又は光により酸を発生する化合物を含有してなる前記(1)〜(4)の何れかに記載の感光性樹脂組成物。
(6) 一般式(1)において、R1がともに水素原子であり、光により酸を発生する化合物として感光性キノンジアジド化合物を含む前記(3)に記載の感光性樹脂組成物。
【0015】
(7) 前記(1)〜(6)の何れかに記載の感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程を含むパターンの製造法。
(8) 露光する工程が、露光光源としてi線を用いて行うものである前記(7)に記載のパターンの製造法。
【0016】
(9) 支持基板が直径が12インチ以上のシリコンウエハである前記(7)又は(8)記載のパターンの製造法。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の感光性樹脂組成物は、ポリベンゾオキサゾール前駆体を含有する。本発明で用いるポリベンゾオキサゾール前駆体は、そのプリベーク膜の膜厚10μmあたりの波長365nmの光の透過率が1%以上であり、5%以上であることがより好ましく、10%以上であることがさらに好ましい。ここで、この値が1%未満であると、高解像度で形状の良好なパターンを形成できる感光性樹脂組成物が得られにくい。特に好ましい透過率は、10%〜80%である。ポリベンゾオキサゾール前駆体の膜は、ポリベンゾオキサゾール前駆体を溶剤に溶解した状態で基板に塗布し、乾燥して膜とすることにより製造できる。ポリベンゾオキサゾール前駆体の膜の波長365nmの光の透過率は、分光光度計(たとえば日立U−3410型、(株)日立製作所製)により測定することができる。
【0018】
また、本発明の第1の感光性樹脂組成物で用いるポリベンゾオキサゾール前駆体は、本発明の組成物を用いて、シリコンウエハ上に形成したポリベンゾオキサゾール前駆体膜をオキサゾール閉環して得られるポリベンゾオキサゾール膜を有するシリコンウエハの25℃の残留応力が25MPa以下となるものであることが好ましい。ここで、この値が25MPaを超えると、シリコンウエハの反り量やシリコンチップ内部の残留歪みが大きくなるという欠点がある。より好ましい残留応力は、0〜20MPaである。なお、ポリベンゾオキサゾール膜を有するシリコンウエハの残留応力は、常温(25℃)において、5〜8インチウエハ上に形成した硬化後の膜厚5〜20μm、好ましくは約10μmの膜について、薄膜ストレス測定装置(たとえば、テンコール社製、FLX−2320型)により測定することができる。
【0019】
本発明の第1の感光性樹脂組成物において用いられるポリベンゾオキサゾール前駆体は、具体的には、前記一般式(1)で示される、いわゆるラダー構造を繰り返し単位中に有するものであることが好ましい。この構造を有するポリベンゾオキサゾール前駆体は、一般に、前記の365nm波長光の透過率とポリベンゾオキサゾール膜を有するシリコンウエハの残留応力を達成することができるものである。中でも前記一般式(2)で示される繰り返し単位を有するものが良好な365nm波長光の透過率とポリベンゾオキサゾール膜を有するシリコンウエハの残留応力を達成することができるのでより好ましい。
【0020】
本発明の第2の感光性樹脂組成物に用いられるポリベンゾオキサゾール前駆体は、前記一般式(1)で示される構造を有する。
一般式(1)において、X及びYはそれぞれ独立に、それらが結合する芳香環と共役しない2価の基であり、具体的には、カルボニル基、オキシ基、チオ基、スルフィニル基、スルホニル基、置換基を有してもよい炭素数1から5のアルキレン基、置換基を有してもよいイミノ基、置換基を有してもよいシリレン基、これらの基の組み合わせによってなる基などを例示することができる。
【0021】
前記X及びYの説明において述べた、各基中に有してもよい置換基としては、1価の置換基及び2価の置換基が挙げられ、具体的には、枝分かれがあってもよい、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン(塩素、フッ素、沃素、臭素等)置換アルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキニル基、フェニル基、ベンジル基等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のハロゲン(塩素、フッ素、沃素、臭素等)置換アルキルオキシ基、シアノ基、ハロゲン原子(塩素、フッ素、沃素、臭素等)、ヒドロキシ基、アミノ基、アジド基、メルカプト基、各アルキル基の炭素数が1〜5のトリアルキルシリル基、炭素数2から5のアルキレン基、カルボニル基、カルボキシル基、イミノ基、オキシ基、チオ基、スルフィニル基、スルホニル基、各アルキル基の炭素数が1〜5のジアルキルシリレン基、さらにはこれらの組み合わせによってなる置換基などを例示することができる。中でも炭素数1〜5のアルキル基、同ハロゲン置換アルキル基、同アルキルオキシ基、同ハロゲン置換アルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、炭素数2から3のアルキレン基がより好ましい。
【0022】
X及びYとしては、前記一般式(2)で示されるような単結合,O,CH2,C=O,Si(CH3)2,C(CH3)2,C(CF3)2,C(CH3)(CF3),Si(CH3)(CF3),Si(OCH3)2,C(OCH3)2,C(OCF3)2及びC(OCH3)(OCF3)から選択される基が好ましいものとして挙げられる。
【0023】
一般式(1)において、Zで示される基は、ポリベンゾオキサゾール前駆体の原料として用いられるジカルボン酸のカルボキシル基を除いた2価の基であり、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環等)を1つ又は2つ以上含む炭素原子数が6〜30の有機基であることが好ましい。
Zとしては、前記一般式(2)で示される繰り返し単位に記載される、置換基を有していてもよい2つのベンゼン環がZ’を介して結合する構造のものが好ましい。
なお、一般式(1)のX及びYは単結合でもかまわないが、高i線透過性を発現するためには単結合以外の結合が好ましい。また、Zは低熱膨張性の点から単結合が好ましい。
【0024】
前記一般式(1)において、R1で示される基は、水素原子又は一価の有機基である。一価の有機基としては特に制限はなく、炭素原子数1〜20の、アルキル基、アリール基等の炭化水素基や、感光性基、例えば炭素炭素不飽和二重結合を有する炭素原子数1〜20の一価の有機基などが挙げられる。これらは、目的とする感光性樹脂組成物がポジ型の組成物かネガ型の組成物か、また、有機溶剤現像型かアルカリ水溶液現像型か等によって好ましい基、その割合等が異なり、特に制限されない。
【0025】
一般に、アルカリ水溶液で現像する場合、ネガ型の組成物としては、R1が感光性基であり、R2〜R9の何れかにCOOH基を有するものであることが好ましく、ポジ型の組成物としては、R1が水素原子またはアルキル基であり、かつ、R1がアルキル基の場合はR2〜R9の何れかに水酸基を有するものであることが好ましい。
【0026】
本発明で用いるポリベンゾオキサゾール前駆体は、ジヒドロキシジアミンとジカルボン酸又はそれらの誘導体とを、必要に応じて用いる有機溶媒中で、反応させることにより合成することができる。
【0027】
前記一般式(1)又は(2)で示される繰り返し単位を与えるジヒドロキシジアミン成分としては、例えば、
【化5】
【化6】
等が挙げられる。
【0028】
また、i線透過率、低応力性及び耐熱性等を低下させない程度に上記以外のジヒドロキシジアミンを使用することができる。このようなジヒドロキシジアミンとしては、例えば、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどが挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0029】
一般式(2)で示される繰り返し単位を与えるジカルボン酸成分として、例えば
【化7】
【化8】
等が挙げられる。
i線透過率、低応力性及び耐熱性等を低下させない程度に上記以外のジカルボン酸を使用することができる。
【0030】
そのようなジカルボン酸としては、特に制限はなく、例えば、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3'−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,4'−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4'−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−3,4'−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4'−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,4'−ジカルボン酸等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0031】
前記反応に使用する有機溶媒としては、生成するポリベンゾオキサゾール前駆体を完全に溶解する極性溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
【0032】
前記ポリベンゾオキサゾール前駆体は、例えば、ジカルボン酸ジハライド(クロライド、ブロマイド等)と、ジアミンとを反応させて得ることができる。
この場合、反応は脱ハロ酸触媒の存在下に、有機溶媒中で行うことが好ましい。
ジカルボン酸ジハライドとしては、ジカルボン酸ジクロリドが好ましい。ジカルボン酸ジクロリドは、ジカルボン酸と塩化チオニルを反応させて得ることができる。
【0033】
一般式(1)及び(2)においてR1で示される一価の有機基は、アクリル酸、メタクリル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イソシアネートメチルアクリレート、イソシアネートメチルメタクリレート、イソシアネートエチルアクリレート、イソシアネートエチルメタクリレート等を原料として付与することができる。
【0034】
前記ポリベンゾオキサゾール前駆体の分子量に特に制限はないが、重量平均分子量で20,000〜100,000であることが好ましい。なお、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法により測定し標準ポリスチレン換算することなどにより測定することができる。
【0035】
本発明の感光性樹脂組成物は、前記ポリベンゾオキサゾール前駆体を含むものであるが、組成物に感光性を付与するために種々の方法がある。
感光性を付与する方法としては、例えば、前記ポリベンゾオキサゾール前駆体自体の側鎖(例えば、カルボキシル基、水酸基等)に共有結合によりアクリル系の基を導入する方法、ポリベンゾオキサゾール前駆体と反応性のモノマの混合する方法、光により酸を発生する化合物や光により塩基を発生する化合物等の感光性付与剤を混合する方法など既知の方法が挙げられる。
【0036】
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、光重合開始剤を含有することができる。一般に光重合開始剤はネガ型の感光性樹脂組成物を製造する場合に用いられる。
光重合開始剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、4,4,−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ベンジル、ジフェニルジスルフィド、フェナンスレンキノン、2−イソプロピルチオキサントン、リボフラビンテトラブチレート、2,6−ビス(p−ジエチルアミノベンザル)−4−メチル−4−アザシクロヘキサノン、N−エチル−N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−フェニルジエタノールアミン、2−(o−エトキシカルボニル)オキシイミノ−1,3−ジフェニルプロパンジオン、1−フェニル−2−(o−エトキシカルボニル)オキシイミノプロパン−1−オン、3,3,4,4,−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3,−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス−[2,6−ジフルオロ−3− (ピリ−1−イル)フェニル]チタン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0037】
光重合開始剤の使用量は、前記ポリベンゾオキサゾール前駆体の量100重量部に対して、0.01〜30重量部とすることが好ましく、0.05〜10重量部とすることがより好ましい。この使用量が、0.01重量部未満では、光感度が劣る傾向があり、30重量部を超えると、フィルムの機械特性が劣る傾向がある。
【0038】
また、本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、付加重合性化合物を含有することができる。付加重合性化合物は一般にネガ型の感光性樹脂組成物を製造する場合に用いられる。
付加重合性化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、4−ビニルトルエン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1,3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、1,3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0039】
付加重合性化合物の使用量は、ポリベンゾオキサゾール前駆体の量100重量部に対して、1〜200重量部とすることが好ましい。この使用量が、1重量部未満では、現像液への溶解性も含んだ感光特性が劣る傾向があり、200重量部を超えると、フィルムの機械特性が劣る傾向がある。
【0040】
また、本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、ビスアジド等のアジド化合物を含有することができる。アジド化合物は一般にネガ型の感光性樹脂組成物を製造する場合に用いられる。アジド化合物の使用量は、ポリベンゾオキサゾール前駆体の量100重量部に対して、0.01〜30重量部とすることが好ましく、0.05〜10重量部とすることがより好ましい。この使用量が、0.01重量部未満では、光感度が劣る傾向があり、30重量部を超えると、フィルムの機械特性が劣る傾向がある。
【0041】
また、本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて保存時の安定性を高めるために、ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤を含有することができる。ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤は一般にネガ型の感光性樹脂組成物を製造する場合に用いられる。
ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ジフェニル−p−ベンゾキノン、ベンゾキノン、ハイドロキノン、ピロガロール、フェノチアジン、レソルシノール、オルトジニトロベンゼン、パラジニトロベンゼン、メタジニトロベンゼン、フェナントラキノン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、クペロン、フェノチアジン、2,5−トルキノン、タンニン酸、パラベンジルアミノフェノール、ニトロソアミン類等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0042】
ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤の使用量は、ポリベンゾオキサゾール前駆体の量100重量部に対して、0.01〜30重量部とすることが好ましく、0.05〜10重量部とすることがより好ましい。この使用量が、0.01重量部未満であると、保存時の安定性が劣る傾向があり、30重量部を超えると、光感度及びフィルムの機械特性が劣る傾向がある。
【0043】
本発明における感光性樹脂組成物をポジ型とする場合は、一般に光により酸を発生する化合物が用いられる。光により酸を発生する化合物は、感光剤であり、酸を発生させ、光の照射部の現像液(アルカリ水溶液)への可溶性を増大させる機能を有するものである。その種類としては、o−キノンジアジド化合物等の感光性キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩などが挙げられ、特に制限はないが、感光性キノンジアジド化合物が効果に優れ好ましい。感光性キノンジアジド化合物としては、米国特許2,772,972号などに記載されている1,2−ベンゾキノンジアジドあるいは1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する公知の化合物が挙げられる。光により酸を発生する化合物は、現像後の膜厚及び感度の点から、ポリベンゾオキサゾール前駆体100重量部に対して、好ましくは5〜100重量部、より好ましくは10〜40重量部用いられる。
【0044】
本発明の感光性樹脂組成物は、硬化膜の基板との接着性を高めるために、さらに有機シラン化合物、アルミキレート化合物、ケイ素含有ポリアミド酸などを含むことができる。
有機シラン化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。アルミキレート化合物としては、例えば、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム、アセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレートなどが挙げられる。
【0045】
本発明の感光性樹脂組成物は、各成分を溶剤に溶解し溶液状態で得ることができる。
前記溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチレンスルホン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等の非プロトン性極性溶剤が単独で又は2種以上併用して用いられる。
【0046】
本発明の感光性樹脂組成物は、浸漬法、スプレー法、スクリーン印刷法、回転塗布法等によってシリコンウエハー、金属基板、セラミック基板等の基材上に塗布され、溶剤の大部分を加熱乾燥することにより粘着性のない塗膜とすることができる。この塗膜の膜厚には特に制限はないが、回路特性等の点から、4〜50μmであることが好ましく、6〜40μmであることがより好ましく、10〜40μmであることが特に好ましい。
【0047】
また、本発明の感光性樹脂組成物は、低残留応力の膜を形成できるので、直径が12インチ以上のシリコンウエハ等の大径のウエハへの適用に好適である。
この塗膜上に、所望のパターンが描かれたマスクを通して活性光線又は化学線を照射する等してパターン状に露光後、未露光部又は露光部を適当な現像液で現像して溶解し、除去することにより、所望のパターンを得ることができる。
【0048】
本発明の感光性樹脂組成物は、i線ステッパ等を用いたi線露光用に好適なものであるが、照射する活性光線又は化学線としては、i線以外に、例えば、超高圧水銀灯を用いるコンタクト/プロキシミテイ露光機、ミラープロジェクション露光機、g線ステッパ、その他の紫外線、可視光源、X線、電子線等も使用することができる。
【0049】
現像液としては、例えば、有機溶媒現像液として、良溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等)、前記良溶媒と貧溶媒(低級アルコール、ケトン、水、芳香族炭化水素等)との混合溶媒、アルカリ現像液が挙げられる。ポリベンゾオキサゾール前駆体にアルカリ水溶液への可溶性を持たせた場合は、アルカリ水溶液を用いることができる。前記アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等の5重量%以下の水溶液、好ましくは1.5〜3.0重量%の水溶液などが用いられるが、より好ましい現像液は水酸化テトラメチルアンモニウムの1.5〜3.0重量%の水溶液である。
【0050】
さらに上記現像液に界面活性剤等を添加して使用することもできる。これらはそれぞれ、現像液100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲で配合する。
【0051】
現像後は、必要に応じて、水又は貧溶媒でリンスを行い、パターンを安定なものとすることが好ましい。
また、このレリーフパターンを、加熱することによりパターン化された高耐熱性ポリベンゾオキサゾールを形成することができる。
この時の加熱温度は、100〜500℃とすることが好ましく、200〜400℃とすることがより好ましい。この加熱温度が、100℃未満であると、膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向があり、500℃を超えると、膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向がある。
また、この時の加熱時間は、0.05〜10時間とすることが好ましい。この加熱時間が、0.05時間未満であると、膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向があり、10時間を超えると、膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向がある。
【0052】
本発明の感光性樹脂組成物は、半導体装置や多層配線板等の電子部品に使用することができ、具体的には、半導体装置の表面保護膜や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜等の形成に使用することができる。
本発明の製造法を用いて得られる電子部品は、前記組成物を用いて形成される表面保護膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。
【0053】
本発明の製造法を用いて得られる電子部品の一例として、半導体装置の製造工程の一例を以下に説明する。
図1は多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。図において、回路素子を有するSi基板等の半導体基板は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層が形成されている前記半導体基板上にスピンコート法等で層間絶縁膜としての樹脂等の膜4が形成される(工程(a))。
【0054】
次に塩化ゴム系またはフェノールノボラック系の感光性樹脂層5が前記層間絶縁膜4上にスピンコート法で形成され、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁膜4が露出するように窓6Aが設けられている(工程(b))。
前記窓6Aの層間絶縁膜4は、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段によって選択的にエッチングされ、窓6Bがあけられている。ついで窓6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光樹脂層5が完全に除去される(工程(c))。
【0055】
さらに公知の写真食刻技術を用いて、第2導体層7を形成させ、第1導体層3との電気的接続が完全に行われる(工程(d))。
3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を形成することができる。
【0056】
次に表面保護膜8が形成される。この図の例では、この表面保護膜を前記感光性樹脂組成物をスピンコート法にて塗布、乾燥し、所定部分に窓6Cを形成するパターンを描いたマスク上から光を照射した後アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、加熱してレリーフパターンの樹脂膜とする。この樹脂膜は、導体層を外部からの応力、α線などから保護するものであり、得られる半導体装置は信頼性に優れる。
なお、上記例において、層間絶縁膜を本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成することも可能である。
【0057】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
合成例1〜3及び合成例5〜6
(1)酸クロライドの合成
200mlの四つ口フラスコに表1に示すジカルボン酸0.03モル、ピリジン4.75g(0.06モル)、N,N'−ジメチルアセトアミド(DMAc)70mlを入れ、撹拌し、均一な溶液とした。この溶液の入ったフラスコを氷で冷却し、塩化チオニル8.57g(0.072モル)を10分で滴下した。その後、室温で1時間撹拌し、酸クロライド溶液を得た。
【0058】
(2)ポリベンゾオキサゾール前駆体の合成
別の200mlの四つ口フラスコに表1に示すジヒドロキシジアミン0.03モル、ピリジン5.06g(0.064モル)、DMAc50mlを入れ、フラスコを氷で冷却(10℃以下)撹拌しながら上記(1)で得られた酸クロライド溶液を1時間かけてゆっくりと滴下した。その後室温で1時間撹拌し、1リットルの水へ投入して析出したポリマーを濾取後二回洗浄し、真空乾燥した。
このポリマー粉末をγ−ブチロラクトン(γ−BL)に溶解し、粘度を80ポイズに調節し、ポリベンゾオキサゾール前駆体溶液(P−1〜3、P−5〜6)とした。
【0059】
合成例4
表1のP−4に示すジカルボン酸とジヒドロジアミンを用いて合成例1と同様にポリベンゾオキサゾール前駆体粉末を得た。この前駆体粉末10重量部をγ−BL 100重量部に溶解した。この溶液にグリシジルメタクリレート50重量部、ベンジルジメチルアミン0.5重量部、ハイドロキノン0.5重量部を加え、90℃、2時間加熱した。この溶液を1リットルの水へ投入して析出したポリマーを濾取後二回洗浄し、真空乾燥した。
このポリマー粉末をγ−ブチロラクトン(γ−BL)に溶解し、粘度を80ポイズに調節し、ポリベンゾオキサゾール前駆体溶液(P−4)とした。
【0060】
なお、粘度は、E型粘度計(東機産業(株)製、EHD型)を使用し、温度が25℃、回転数が2.5rpmで測定した。
また、得られたベンゾオキサゾール前駆体の溶液(P−1〜P−6)を乾燥させたものを、KBr法により、赤外吸収スペクトル(日本電子(株)製、JIR−100型)を測定したところ、いずれも、1600cm−1付近にアミド基のC=Oの吸収と、3300cm−1付近にN−Hの吸収が確認された。
【0061】
実施例1〜3及び比較例1〜2
合成例1〜3及び合成例5〜6で得られた各ポリベンゾオキサゾール前駆体(P−1〜3、P−5〜6)の粉末10gをγ−ブチロラクトン(γ−BL)15gに溶解し、1,2−ナフトキノンジアジド2gを加え、均一な感光性樹脂組成物溶液を得た。
【0062】
実施例4
合成例4で選られたポリベンゾオキサゾール前駆体(P−4)の粉末10gをγ−ブチロラクトン(γ−BL)15gに溶解し、ミヒラケトン100mgと1,3−ジフェニル−1,2,3−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム200mgを加えて溶解後、実施例4に供する均一な感光性樹脂組成物溶液を得た。
【0063】
得られた感光性樹脂組成物溶液を、フィルタ濾過し、それぞれシリコンウエハ上に滴下スピンコートした。
次いで、ホットプレートを用いて、100℃で150秒間加熱し、12μmの塗膜を形成した後、パターンマスクし、i線ステッパで露光した。
露光後、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて、パドル現像し、これを、350℃で60分間加熱して、ポリベンゾオキサゾールのレリーフパターンを得た。
【0064】
合成例1〜6で得られた各ポリベンゾオキサゾール前駆体(P−1〜P−6)の透過率とシリコンウエハ上の残留応力及びレリーフパターンの解像度を以下の方法により評価し、これらの評価結果を表2に示した。
透過率は、得られた各ポリベンゾオキサゾール前駆体(P−1〜P−6)の樹脂溶液をスピンコートし、85℃で2分間、さらに105℃で2分間乾燥して得られた塗膜(20μm)を、分光光度計で測定した。
【0065】
残留応力は5インチシリコンウエハ上に、各組成物を用いて、スピンコートし、85℃2分、105℃2分乾燥後、400℃1時間熱処理し、硬化後の膜厚約10μmのポリベンゾオキサゾール膜を形成し、25℃でテンコール社製応力測定装置(FLX−2320型)で応力を測定した。
解像度は、スルホールテストパターンを用いて、現像可能なスルホールの最小の大きさとして評価した。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【発明の効果】
本発明の感光性樹脂組成物は、ポリベンゾオキサゾール前駆体における良好なi線透過性とポリベンゾオキサゾール化後の低熱膨張性を両立するものである。また本発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ水溶液で現像が可能なものである。
【0069】
また本発明のパターンの製造法によれば、高i線透過性により、i線露光により高感度、高解像度で、形状も良好なパターンを製造でき、イミド化後に低応力で、耐熱性等を示すポリベンゾオキサゾールの膜を形成できる。
また本発明の製造法を用いて得られた電子部品は、高解像度で、形状も良好なパターンであり、耐熱性に優れたポリベンゾオキサゾール膜を有し、しかも残留応力が極めて小さいため、信頼性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。
【符号の説明】
1…半導体基板、 2…保護膜、 3…第1導体層、 4…層間絶縁膜層5…感光樹脂層、 6A、6B、6C…窓、 7…第2導体層、 8…表面保護膜層。
Claims (9)
- 一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体が、一般式(2)
- 前記ポリベンゾオキサゾール前駆体が、膜厚10μmあたりの波長365nmの光の透過率が1%以上であり、かつ、シリコンウエハ上に前記組成物を用いて形成されたポリベンゾオキサゾール前駆体膜をオキサゾール閉環して形成されるポリベンゾオキサゾール膜を有するシリコンウエハの残留応力が25℃で25MPa以下である請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- ポリベンゾオキサゾール前駆体の膜厚10μmあたりの波長365nmの光の透過率が5%以上である請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
- さらに光重合開始剤又は光により酸を発生する化合物を含有してなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 一般式(1)において、R1がともに水素原子であり、光により酸を発生する化合物として感光性キノンジアジド化合物を含む請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程を含むパターンの製造法。
- 露光する工程が、露光光源としてi線を用いて行うものである請求項7に記載のパターンの製造法。
- 支持基板が直径が12インチ以上のシリコンウエハである請求項7又は8に記載のパターンの製造法。
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