JP4560859B2 - テトラカルボン酸二無水物、その誘導体及び製造法、ポリイミド前駆体、ポリイミド、樹脂組成物、感光性樹脂組成物、レリーフパターンの製造法、並びに電子部品 - Google Patents
テトラカルボン酸二無水物、その誘導体及び製造法、ポリイミド前駆体、ポリイミド、樹脂組成物、感光性樹脂組成物、レリーフパターンの製造法、並びに電子部品 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、新規なテトラカルボン酸二無水物及びその誘導体並びにその製造法に関する。さらに詳しくは、半導体装置の層間絶縁膜や表面保護膜の形成に用いられる高i線透過性、高速現像性、高解像性、高寸法精度の感光性樹脂組成物に好適であり、低熱膨張及び低残留応力を呈するポリイミド又はその前駆体調製用に用いられる、テトラカルボン酸二無水物及びその製造法並びにその誘導体に関する。
【0002】
本発明は、また、半導体装置、多層配線板等の電子部品の分野で有用である、高耐熱性、高i線透過性のポリイミド前駆体、ポリイミド及びこれらを含む樹脂組成物並びに電子部品に関する。
【0003】
本発明はまた、感光性樹脂組成物及びこの組成物を用いたレリーフパターンの製造法並びに電子部品に関する。さらに詳しくは、高i線透過性を有するポリイミド前駆体を用い、加熱処理により半導体素子等の電子部品の表面保護膜、層間絶縁膜等とされるポリイミド系耐熱性高分子に変化し得る、ネガ型又はポジ型の感光性樹脂組成物、並びにこの感光性樹脂組成物を用いたレリーフパターンの製造法並びに電子部品に関する。
【0004】
【従来の技術】
近年、半導体工業にあっては、従来より無機材料を用いて行われていた層間絶縁材料として、ポリイミド樹脂等のような耐熱性に優れた有機物が、その特性を活かして使用されてきている。
【0005】
しかし、半導体集積回路やプリント基板上の回路パターン形成は、基材表面へのレジスト材の造膜、所定箇所への露光、エッチング等による不要箇所の除去、基板表面の洗浄作業等の煩雑で多岐に亘る工程を経てパターン形成が行われることから、露光、現像によるパターン形成後も必要な部分のレジストを絶縁材料としてそのまま残して用いることができる耐熱感光材料の開発が望まれている。
【0006】
これらの材料として、例えば、感光性ポリイミド及びその前駆体、環化ポリブタジエン等をベースポリマとした耐熱感光材料が提案されており、特に感光性ポリイミド及びその前駆体は、その耐熱性が優れていることや不純物の排除が容易であること等の点から特に注目されている。
【0007】
また、このような感光性ポリイミドとしては、ポリイミド前駆体と重クロム酸塩からなる系(特公昭49−17374号公報)が最初に提案されたが、この材料は、実用的な光感度を有するとともに膜形成能が高い等の長所を有する反面、保存安定性に欠け、ポリイミド中にクロムイオンが残存すること等の欠点があり、実用には至らなかった。
【0008】
このような問題を回避するために、例えば、ポリイミド前駆体に感光基を有する化合物を混合する方法(特開昭54−109828号公報)、ポリイミド前駆体中の官能基と感光基を有する化合物の官能基とを反応させて感光基を付与させる方法(特開昭56−24343号公報、特開昭60−100143号公報等)などが提案されている。
【0009】
しかし、これらの感光性ポリイミド前駆体は耐熱性、機械特性に優れる芳香族系モノマを基本骨格に用いており、そのポリイミド前駆体自体の吸収のため、紫外領域での透光性が低く、露光部における光化学反応を充分効果的に行うことができず、低感度であったり、パターンの形状が悪化するという問題があった。
【0010】
また、最近では、半導体の高集積化に伴い、加工ルールが益々小さくなり、より高い解像度が求められる傾向にある。
【0011】
そのため、従来の平行光線を用いるコンタクト/プロキシミテイ露光機から、ミラープロジェクションと呼ばれる1:1投影露光機、さらにステッパと呼ばれる縮小投影露光機が用いられるようになってきている。
【0012】
ステッパは、超高圧水銀灯の高出力発振線、エキシマレーザのような単色光を利用するものである。これまでステッパとしては、超高圧水銀灯のg−lineと呼ばれる可視光(波長:435nm)を使ったg線ステッパが主流であったが、さらに加工ルール微細化の要求に対応するため、使用するステッパの波長を短くすることが必要である。そのため、使用する露光機は、g線ステッパ(波長:435nm)からi線ステッパ(波長:365nm)に移行しつつある。
【0013】
しかし、コンタクト/プロキシミテイ露光機、ミラープロジェクション投影露光機、g線ステッパ用に設計された従来の感光性ポリイミドのベースポリマでは、先に述べた理由により透明性が低く、特にi線(波長:365nm)での透過率はほとんどないため、i線ステッパでは、まともなパターンが得られない。
【0014】
また、半導体素子の高密度実装方式であるLOC(リードオンチップ)に対応して表面保護用ポリイミド膜はさらに厚膜のものが求められているが、厚膜の場合には、透過性が低い問題はさらに深刻になる。このため、i線透過率の高く、i線ステッパにより良好なパターン形状を有するポリイミドパターンの得られる感光性ポリイミドが強く求められている。
【0015】
また、基板となるシリコンウエハの径は、年々大きくなり、ポリイミドとシリコンウエハの熱膨張係数差により、表面保護膜としてのポリイミドを形成したシリコンウエハの反りが以前より大きくなるという問題が発生している。そのため、従来のポリイミドよりも更に低熱膨張性を有する感光性ポリイミドが強く求められている。一般に分子構造を剛直にすることにより低熱膨張性は達成できるが、剛直構造の場合、i線をほとんど透過しないため、感光性特性が低下する。また、分子構造を柔軟にすることによってシリコンウエハにかかる応力を低減しそりを小さくし、さらにi線を透過させることが可能であるが、この場合にはポリイミド表面保護膜として要求される耐熱性を満足できないという問題を生じる。
【0016】
i線の透過性を向上させる方法として、フッ素を導入したポリイミド(特開平8−234433号公報)や分子鎖を屈曲させたポリイミド(特開平8−36264号公報)が提案されている。しかし、フッ素を導入したポリイミドはシリコンウエハに対する接着力が弱く、半導体素子に用いた場合の信頼性が低い。また、分子鎖を屈曲させたポリイミドは分子間相互作用が弱いため、耐熱性の低下や熱膨張係数の増大のため、半導体素子とした場合の信頼性が低い。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1〜6記載の発明は、低熱膨張性及び高耐熱性が期待できる剛直構造を有しながら、実用に供し得るi線透過性を合わせ持つポリイミド前駆体を調製するための材料として好適な、新規なテトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸及びその誘導体並びにその製造法を提供することを目的とする。
【0018】
請求項7〜16記載の発明は、剛直な構造を有しながら良好なi線透過性を示し、イミド化後に優れた耐熱性を示すポリイミド前駆体を提供することを目的とする。
【0019】
特に、請求項11〜15記載の発明は、本発明のポリイミド前駆体の中でも感光性樹脂組成物に特に好適なポリイミド前駆体を提供することを目的とする。
【0020】
請求項17〜21記載の発明は、剛直な構造を有しながら良好なi線透過性を示し、優れた耐熱性を示すポリイミドを提供することを目的とする。
【0021】
請求項22〜24記載の発明は、剛直な構造を有しながら良好なi線透過性を示し、イミド化後に優れた耐熱性を示すポリイミド前駆体又はポリイミドを含み、半導体装置の表面保護膜や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜などの形成に有用な樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0022】
請求項25記載の発明は、剛直な構造を有しながら良好なi線透過性を示し、イミド化後に優れた耐熱性を示す材料を用いて形成された表面保護膜や層間絶縁膜を有し、信頼性に優れる電子部品を提供することを目的とする。
【0023】
請求項26〜33記載の発明は、良好なi線透過性を有し、解像度に優れる感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0024】
特に、請求項29及び31記載の発明は、上記の特長を備え、ネガ型のパターン形成が可能な感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0025】
また、請求項32及び33記載の発明は、アルカリ水溶液により現像して、ポジ型のパターン形成が可能な感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0026】
請求項34及び35記載の発明は、i線露光により解像度の良好なパターンが形成できるレリーフパターンの製造法を提供することを目的とする。
【0027】
請求項36及び37記載の発明は、高解像度のレリーフパターンを有する表面保護膜又は層間絶縁膜等を有し、信頼性が良好な電子部心を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、一般式(1)
【0029】
【化14】
(式中、R1及びR2は、各々独立にアルキル基を表す。)
で示される6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を提供する。
【0030】
また本発明は、前記一般式(1)におけるR1及びR2がメチル基である6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を提供する。
【0031】
また本発明は、一般式(2)
【0032】
【化15】
(式中、R1及びR2は、各々独立にアルキル基を表し、R3、R4、R5及びR6は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンを表す。)
で示される6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸又はその誘導体を提供する。
【0033】
また、本発明は、4−アルキルフタル酸無水物の5位を臭素化した後、臭素化生成物をニッケル触媒を用いてカップリングさせることを特徴とする6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の製造法を提供する。
【0034】
本発明は、上記製造法の一態様として、4−アルキルフタル酸無水物及び臭素酸塩の水懸濁液を加熱し、濃硫酸を添加して4−アルキル−5−ブロモフタル酸を製造し、4−アルキル−5−ブロモフタル酸をエステル化して4−アルキル−5−ブロモフタル酸ジエステルを製造し、4−アルキル−5−ブロモフタル酸ジエステルをニッケル触媒の存在下でカップリングして6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルを製造し、6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルを加水分解して6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸を製造し、6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸を脱水して6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を製造する方法を提供する。
【0035】
また、本発明は、一般式(7)
【0036】
【化16】
(式中、Yは二価の有機基であり、R7及びR8は、各々独立にOH又は一価の有機基であり、R9及びR10は各々独立に一価の炭化水素基であり、R11、R12及びR13は各々独立に一価の炭化水素基であり、a及びbは各々独立に0〜2の整数であり、cは0〜4の整数であり、mは0〜3の整数である。)
で表される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体を提供する。
【0037】
本発明のポリイミド前駆体の繰り返し単位には、一般式(7)の構造を含む3つの構造異性体があり、各繰り返し単位はいずれの構造を有していてもよい。3つの構造異性体のうち、一般式(7)で表される構造異性体以外の2つの構造異性体を下記一般式(7′)及び(7″)で示す。
【0038】
【化17】
本発明は、一態様として、一般式(8)
【0039】
【化18】
(式中、Yは二価の有機基であり、R14、R15、R16、R17及びR18は各々独立に水素原子又はアルキル基であり、xは0又は1であり、n及びpは各々独立に1〜10の整数である。)
で表される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体を提供する。
【0040】
一態様において、本発明は、一般式(8)で表され、R14、R15、R16及びR18が水素原子であり、xが0である繰り返し単位を有するポリイミド前駆体を提供する。
【0041】
一態様において、本発明は、一般式(8)で表され、n及びpが1である繰り返し単位を有するポリイミド前駆体を提供する。
【0042】
また、本発明は、一態様として、感光性樹脂組成物に好適なポリイミド前駆体として、一般式(9)
【0043】
【化19】
(式中、Y、R7、R8、R9、R10、R13及びmは上記と同じ意味を有する。)
で表される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体を提供する。
【0044】
一態様において、本発明は、一般式(9)で表され、Yで表される2価の有機基が、一般式(10)
【0045】
【化20】
(式中、R19、R20、R21及びR22は、各々独立に水素原子、アルキル基、フッ素原子又はフルオロアルキル基であり、それらの2つ以上がアルキル基、フッ素原子又はフルオロアルキル基である。)
で示される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体を提供する。
【0046】
また、本発明は、一態様において、ネガ型の感光性樹脂組成物に好適なポリイミド前駆体として、一般式(9)で表され、R7及びR8のうち少なくとも一方が、炭素炭素不飽和二重結合を有する一価の有機基である繰り返し単位を有するポリイミド前駆体を提供する。
【0047】
また、本発明は、一態様において、ポジ型の感光性樹脂組成物に好適なポリイミド前駆体として、一般式(9)で表され、Yがカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する二価の有機基である繰り返し単位を有するポリイミド前駆体を提供する。
【0048】
一態様において、本発明は、一般式(9)で表され、R7及びR8が水酸基である繰り返し単位を有するポリイミド前駆体を提供する。
【0049】
また、本発明は、一般式(11)
【0050】
【化21】
(式中、Yは二価の有機基であり、R9及びR10は各々独立に一価の炭化水素基であり、R11、R12及びR13は各々独立に一価の炭化水素基であり、a及びbは各々独立に0〜2の整数であり、cは0〜4の整数であり、mは0〜3の整数である。)
で表される繰り返し単位を有するポリイミドを提供する。
【0051】
一態様において、本発明は、一般式(12)
【0052】
【化22】
(式中、Yは二価の有機基であり、R16、R17及びR18は各々独立に水素原子又はアルキル基であり、xは0又は1であり、n及びpは各々独立に1〜10の整数であり、R16、R17及びR18は各々ベンゼン環のどの位置に結合していてもよい。)
で表される繰り返し単位を有するポリイミドを提供する。
【0053】
一態様において、本発明は、一般式(12)で表され、R16及びR18が水素原子であり、xが0である繰り返し単位を有するポリイミドを提供する。
【0054】
一態様において、本発明は、一般式(12)で表され、n及びpが1である繰り返し単位を有するポリイミドを提供する。
【0055】
また、本発明は、一般式(7)で表される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体又は一般式(11)で表される繰り返し単位を有するポリイミドを含有してなる樹脂組成物を提供する。
【0056】
一態様において、本発明は、一般式(8)
【0057】
【化23】
(式中、Yは二価の有機基であり、R14、R15、R16、R17及びR18は各々独立に水素原子又はアルキル基であり、xは0又は1であり、n及びpは各々独立に1〜10の整数である)で表される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体、又は、一般式(12)
【0058】
【化24】
(式中、Yは二価の有機基であり、R16、R17及びR18は各々独立に水素原子又はアルキル基であり、xは0又は1であり、n及びpは各々独立に1〜10の整数であり、R16、R17及びR18は各々ベンゼン環のどの位置に結合していてもよい。)
で表される繰り返し単位を有するポリイミドを含有してなる樹脂組成物を提供する。
【0059】
また、本発明は、一般式(11)、好ましくは一般式(12)で表される繰り返し単位を有するポリイミドの膜を有する電子部品(以下、電子部品(a)と呼ぶことがある。)を提供する。
【0060】
また、本発明は、一般式(7)で表される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体を含有してなる感光性樹脂組成物を提供する。
【0061】
一態様として、本発明は、ポリイミド前駆体が、一般式(9)
【0062】
【化25】
(式中、Y、R7、R8、R9、R10、R13及びmは上記と同じ意味を有する。)
で表される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体である感光性樹脂組成物を提供する。
【0063】
一態様として、本発明は、ポリイミド前駆体が、一般式(9)で表され、Yで表される2価の有機基が一般式(10)
【0064】
【化26】
(式中、R19、R20、R21及びR22は上記と同じ意味を有する。)
で示されるものである繰り返し単位を有するものである感光性樹脂組成物を提供する。
【0065】
また、本発明は、ネガ型のパターン形成に好適な一態様として、ポリイミド前駆体が、一般式(9)で表され、R7及びR8のうち少なくとも一方が炭素炭素不飽和二重結合を有する一価の有機基である繰り返し単位を有するものである感光性樹脂組成物を提供する。
【0066】
一態様として、本発明は、ポリイミド前駆体が一般式(9)で表される繰り返し単位を有するものであり、更に、光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物を提供する。
【0067】
また、本発明は、アルカリ水溶液により現像可能で、ポジ型のパターン形成に好適な一態様として、ポリイミド前駆体が、一般式(9)で示され、Yがカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する二価の有機基であるものか或はR7及びR8が水酸基である繰り返し単位を有し、更に、光により酸を発生する化合物を含有する感光性樹脂組成物を提供する。
【0068】
一態様として、本発明は、光により酸を発生する化合物がo−キノンジアジド化合物である上記感光性樹脂組成物を提供するものである。
【0069】
また、本発明は、本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程を含むレリーフパターンの製造法を提供する。
【0070】
一態様として、本発明は、露光する工程が、露光光源としてi線を用いて行うものであるレリーフパターンの製造法を提供する。
【0071】
また、本発明は、上記の製造法により得られるレリーフパターンの層を有してなる電子部品(以下、電子部品(b)と呼ぶことがある。)を提供する。
【0072】
一態様として、本発明は、レリーフパターンの層が、表面保護膜又は層間絶縁膜である電子部品(b)を提供する。
【0073】
【発明の実施の形態】
(A)テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸及び誘導体、並びにそれらの製法
前記一般式(1)で示される本発明の6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物において、R1及びR2で示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素原子数が1〜4のアルキル基が挙げられる。
【0074】
これらのR1及びR2で示されるアルキル基は、ビフェニルの二つの芳香環をねじれた配置にするとともに芳香環の電子不足性を緩和する役割を果たしている。
【0075】
本発明の6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物は、例えば、本発明の製造法に従い、4−アルキルフタル酸無水物の5位を臭素化した後、臭素化生成物をニッケル触媒を用いてカップリングさせることにより製造することができる。
【0076】
6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物は、1種類の臭素化4−アルキルフタル酸無水物から製造してもよいし、アルキル基の異なる2種類の臭素化4−アルキルフタル酸無水物から製造してもよい。
【0077】
4−アルキルフタル酸無水物の5位への選択的臭素化は、例えば、4−アルキルフタル酸無水物及び臭素酸塩の水懸濁液を加熱し、そこへ濃硫酸を添加することにより行うことができる。この反応により、4−アルキル−5−ブロモフタル酸が得られる。この4−アルキル−5−ブロモフタル酸をエステル化して4−アルキル−5−ブロモフタル酸ジエステルとし、カルボン酸部位を2個のカルボキシル保護基で保護する。得られた4−アルキル−5−ブロモフタル酸ジエステルをニッケル触媒の存在下でカップリングして6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルを製造する。次いで、6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルを加水分解することにより、4個のカルボキシル保護基を脱離させる。
得られた6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸を脱水することにより、目的とする6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が得られる。
【0078】
例えば、4−アルキルフタル酸無水物と臭素酸塩、例えば臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウム、臭素酸アンモニウム等との水懸濁液を、好ましくは70〜120℃、より好ましくは90〜100℃に加熱し、そこに濃硫酸をゆっくり滴下することにより、5位を選択的に臭素化することができ、これにより、一般式(3)
【0079】
【化27】
(式中、R1は一般式(1)のR1と同義である。)
で示されるジカルボン酸が得られる。
【0080】
このものは粗生成物のまま次の反応に用いることもできるが、例えば粉末状活性炭の存在下、水から再結晶することにより純粋なサンプルを得ることもできる。このジカルボン酸を過剰量のハロゲン化剤、例えば塩化チオニル、塩化オキサリル、塩化リン、臭化チオニル等と加熱環流し酸ハロゲン化物とした後、メタノール等の炭素数1〜5のアルキルアルコールを加え加熱環流することで、ジアルキルエステル、例えば一般式(4)
【0081】
【化28】
(式中、R1は一般式(1)のR1と同義である。)
に示すジメチルエステルが得られる。また一般式(3)に示すジカルボン酸を硫酸などの酸触媒の存在下、メタノール等のアルキルアルコールと加熱環流し、さらにトルエンを加えて水を共沸により除去する方法によっても、前記一般式(4)で示されるジメチルエステル等のジアルキルエステルを得ることができる。
【0082】
こうして得られたジアルキルエステルを、二塩化ニッケル等のニッケル触媒を用い、好ましくはトリフェニルホスフィン、トリフリルホスフィン、トリトリルホスフィン等のホスフィン類と、亜鉛末、アルミニウム末、スズ末、マンガン末等の還元剤の存在下、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(HHPA)等の非プロトン性極性溶媒中で、カップリングする。ニッケル触媒の使用量は、通常、ジアルキルエステルに対して2〜10モル%、好ましくは3〜5モル%とする。ビピリジンの使用量は、通常、ニッケル触媒1モルあたり0.5〜1.5モル、好ましくは0.9〜1.1モルとする。還元剤の使用量は、通常、ニッケル触媒の少なくとも3倍モル量、好ましくはニッケル触媒1モルあたり20〜50モルとする。反応温度は通常70〜120℃であり、反応時間は通常4〜10時間である。このようにして、テトラエステル、例えば一般式(5)
【0083】
【化29】
(式中、R1及びR2は一般式(1)のR1及びR2と同義である)
で表される6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステルが得られる。
【0084】
なお、この場合分子内にエステルを有するためGrignard試薬に誘導する(又はこれを経由する)カップリング法は一切用いることができない。また、銅触媒を用いるUllmannカップリングはエステル部位の共存が可能とされているが、この場合は反応は全く進行しない。
【0085】
得られるテトラエステルは、前記一般式(2)で示されるテトラカルボン酸誘導体の1つである。このテトラエステルは、2〜8M、好ましくは2〜4M水酸化ナトリウム水溶液等と加熱環流することにより容易に加水分解でき、一般式(6)
【0086】
【化30】
(式中、R1及びR2は一般式(1)のR1及びR2と同義である。)
で示される6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸とすることができる。このテトラカルボン酸もまた前記一般式(2)で示されるものの1つである。
【0087】
このようにして得られたテトラカルボン酸を減圧下(好ましくは1〜5mmHg)で150〜180℃に4〜6時間保つと分子内で脱水縮合が起こり、前記一般式(1)に示す酸無水物が得られる。
【0088】
本発明における前記一般式(2)で示されるテトラカルボン酸又はその誘導体もまた、各種ポリイミド前駆体の材料等として使用することができる。
【0089】
一般式(2)において、R3、R4、R5及びR6は、各々独立に、水素,アルキル基、アルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンであるが、前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素原子数が1〜4のアルキル基が挙げられ、アルカリ金属イオンとしては、ナトリウム、カリウム、リチウム等が挙げられる。
【0090】
また、R3、R4、R5及びR6がアルカリ金属イオンのものに関しては、上記の製造方法により合成した一般式(6)で示されるテトラカルボン酸に対し量論量の塩基(例えば水酸化ナトリウムなど)を作用させることにより、合成することができる。
【0091】
本発明のテトラカルボン酸二無水物は、例えば、本発明のポリイミド前駆体の合成に好適に用いられる。
【0092】
(B)ポリイミド前駆体
本発明のポリイミド前駆体は、上記一般式(7)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物である。一般式(7)で表される繰り返し単位を有することにより、ポリイミド前駆体では高透明性であり、また、イミド化後は、従来知られている同様の透明性を持つ従来のポリイミド前駆体からは得られない耐熱性を有する。
【0093】
上記一般式(7)で表される繰り返し単位の全繰り返し単位に対する割合は特に制限されないが、ポリイミド前駆体のi線(365nm)透過率やイミド化後の耐熱性が要求特性と一致するよう設定することが好ましい。具体的には、全繰り返し単位に対して、10〜100モル%有することが好ましい。
【0094】
このポリイミド前駆体は、一般に、下記一般式(13)
【0095】
【化31】
(式中、R9、R10、R11、R12、R13、a、b、c及びmは上記と同じ意味を有する。)
で表されるテトラカルボン酸二無水物又はその誘導体及びYで示される構造を与えるジアミン並びに必要に応じて側鎖を形成するその他の化合物を原料として製造することができる。
【0096】
R9、R10、R11、R12及びR13で示される一価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基が挙げられるが、炭素原子数が1〜10のものが好ましく、炭素原子数1〜10のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
【0097】
ポリイミド前駆体を感光性樹脂組成物の材料として用いる場合には、一般式(14)
【0098】
【化32】
(式中、R9、R10、R13及びmは上記と同じ意味を有する)で表されるテトラカルボン酸二無水物が好適に用いられる。
【0099】
このような構造のテトラカルボン酸二無水物の好ましい例としては、6,6′−ジメチル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6′−ジエチル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6′−ジプロピル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6′−ジイソプロピル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6′−ジブチル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6′−ジtertブチル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等の6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、即ち、本発明のテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
【0100】
前記6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物は、先に記載したとおり、4−アルキルフタル酸無水物の5位を臭素化した後、臭素化生成物をニッケル触媒を用いてカップリングさせることにより合成できる。
【0101】
本発明のポリミド前駆体の製造においては、上記一般式(13)で表されるテトラカルボン酸二無水物又はその誘導体成分を必須成分とするが、i線透過率や耐熱性等を低下させない程度にこれ以外のテトラカルボン酸二無水物又はその誘導体を使用することができる。
【0102】
このようなテトラカルボン酸二無水物としては特に制限はなく、例えば、オキシジフタル酸二無水物(例えば3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物)、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、スルホニルジフタル酸二無水物(例えば3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物)、m−ターフェニル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス{4′−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}プロパン二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス{4′−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}プロパン二無水物、下記一般式(15)
【0103】
【化33】
(式中、R23及びR24は、各々独立に一価の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を示し、複数の場合それぞれ同一でも異なっていてもよく、sは1以上、好ましくは1〜10の整数である。
)
で表されるテトラカルボン酸二無水物等の、芳香族テトラカルボン酸の二無水物などが挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0104】
これらの併用可能なテトラカルボン酸二無水物のうち、好ましいものとしては、i線透過性の点から、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸(例えば3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物)、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物が挙げられる。
【0105】
テトラカルボン酸二無水物の誘導体としては、例えば、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸塩化物、テトラカルボン酸モノエステル、ジエステル等が挙げられる。
【0106】
上記一般式(7)におけるYは、一般に、前記テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体と反応しうるジアミンに由来する二価の有機基である。一般に、その環上にハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、水酸基、カルボキシル基等の置換基を有していてもよいベンゼン環、ナフタレン環等の芳香環又はそのような芳香環の2〜6個が、単結合、エーテル基、スルホン基、カルボニル基、チオエーテル基、メチレン基、アルキリデン基、ハロゲン化アルキリデン基、スルホニル基、9,9−フルオレニリデン基等を介して結合した構造を有する二価の有機基が挙げられる。
【0107】
このような構造を与えるジアミンとしては、特に制限はなく、例えば、4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′−、2,2′−)ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′−、2,2′−)ジアミノジフェニルメタン、4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′−、2,2′−)ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′−、2,2′−)ジアミノジフェニルスルフィド、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、o−トリジン,o−トリジンスルホン、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジイソプロピルアニリン)、2,4−ジアミノメシチレン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4′−ベンゾフェノンジアミン、ビス−{4−(4′−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス{4−(4′−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、ビス{4−(3′−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2′,5,5′−テトラフルオロ−4,4′−ジアミノビフェニル等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0108】
また、ジアミンの中で、耐熱性が高くかつ透明性の高いポリイミド前駆体を与えるジアミンとしては、一般式(16)
【0109】
【化34】
(式中、R19、R20、R21及びR22は、各々独立に水素原子、アルキル基、フッ素原子又はフルオロアルキル基であり、それらの2つ以上がアルキル基、フッ素原子又はフルオロアルキル基である。)
で示されるものが挙げられる。R19、R20、R21及びR22において、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素原子数1〜5のものが好ましく、フルオロアルキル基としては、トルフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等の炭素原子数が1〜5のパーフルオロアルキル基が好ましい。
【0110】
中でもYの部分が
【0111】
【化35】
であるものが好ましく、
【0112】
【化36】
であるものがより好ましいものとして挙げられる。
【0113】
なお、i線透過率並びにポリイミド膜の機械特性及び熱特性を向上させる目的で、上記一般式(16)で表されるジアミンを使用する場合、その使用量は、全ジアミン総量の10〜100モル%の範囲とすることが好ましく、50〜100モル%であることがより好ましい。
【0114】
また、基板への接着性等を向上させるために下記一般式(17)
【0115】
【化37】
(式中、R25及びR26は、各々独立に二価の炭化水素基、例えば、−(CH2)n−(nは1〜10の整数)等の炭素数1〜10のアルキレン基を示し、R27及びR28は、各々独立に一価の炭化水素基、例えばメチル基等の炭素数1〜6のn−アルキル基等の炭素数1〜6のアルキル基、メトキシ等の炭素数1〜6のアルコキシ基、又はフェニル等の炭素数6〜12のアリール基を示し、複数の同一記号の基はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、tは1以上、例えば1〜100の整数である。)で表されるジアミノポリシロキサン等の脂肪族ジアミンを使用することもできる。
【0116】
本発明のポリイミド前駆体のうち、ポリアミド酸(すなわち、一般式(7)又は(9)において、R7及びR8が水酸基であるもの、又は一般式(8)において、R14及びR15が水素原子であるもの)は、前記テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、適当な有機溶媒中で、開環重付加反応させることにより得ることができる。テトラカルボン酸二無水物とジアミンの量は,前者/後者(モル)で0.7/1〜1/0.7とすることが好ましい。開環重付加反応の反応温度は、室温で十分であり、好ましくは10〜40℃であり、反応時間は好ましくは6〜24時間である。
【0117】
前記開環重付加反応に使用する有機溶媒としては、生成するポリイミド前駆体を完全に溶解する極性溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミド、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
【0118】
また、この極性溶媒以外に、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等も使用することができ、例えば、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
【0119】
これらの有機溶媒は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0120】
また、本発明のポリイミド前駆体のうち、ポリアミド酸エステル(すなわち、一般式(7)又は(9)において、R7及びR8の少なくとも一方がアルコキシ基等のアルコールの残基であるもの、又は一般式(8)において、R14及びR15の少なくとも一方がアルキル基であるもの)は、前記ジアミンとピリジンなどの脱ハロゲン酸剤を前記有機溶媒に溶解し、有機溶媒に溶解したテトラカルボン酸ジエステルジハライドを滴下して反応させた後、水などの貧溶剤に投入し、析出物をろ別、乾燥することにより得られる。ジアミンの総量とテトラカルボン酸ジエステルジハライドの割合(モル比)は、前者/後者で0.6/1〜1/0.6の範囲が好ましく、0.7/1〜1/0.7の範囲がより好ましい。反応温度は−20〜40℃が好ましく、反応時間は1〜10時間が好ましい。脱ハロゲン酸剤とテトラカルボン酸ジエステルジハライドの割合は、前者/後者(モル比)が、1.8/1〜2.2/1の範囲が好ましく、1.9/1〜2.1/1の範囲がより好ましい。前記テトラカルボン酸ジエステルジハライドはテトラカルボン酸二無水物をアルコール化合物と反応させて得られるテトラカルボン酸ジエステルと塩化チオニルを反応させて得ることができる。
【0121】
前記アルコール化合物としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、イソアミルアルコール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノールなどの炭素原子数が、1〜6のアルキルアルコールが好ましいものとして挙げられる。
【0122】
本発明のポリイミド前駆体の分子量に特に制限はないが、重量平均分子量で20,000〜100,000であることが好ましい。なお、分子量は、E型粘度計により測定することができる。
【0123】
−感光性樹脂組成物に好適に用いられるポリイミド前駆体−
本発明のポリイミド前駆体をアルカリ現像性のポジ型感光性樹脂組成物の調製に用いる場合、又は、アルカリ現像性のネガ型感光性樹脂組成物の調製に用いる場合、ポリイミド前駆体にアルカリ可溶性を持たせる方法の1つとして、一般式(7)、好ましくは一般式(9)中のYで示されるジアミン残基がフェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を少なくとも1個(好ましくは1〜3個)有する二価の有機基とする方法が好ましい方法として挙げられる。これらの構造を与えるジアミンの具体例としては、2,5−ジアミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノテレフタル酸、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)メチレン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジカルボキシビフェニル、4,4′−ジアミノ−5,5′−ジカルボキシ−2,2′−ジメチルビフェニル、1,3−ジアミノ−4−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−5−ヒドロキシベンゼン、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)メタンなどを挙げることができる。
【0124】
この方法により、アルカリ現像性のポジ型感光性樹脂組成物とする場合、又はアルカリ現像性のネガ型感光性樹脂組成物とする場合、このようなYを与えるジアミンの量は全ジアミンに対して50〜100モル%とすることが好ましい。
【0125】
感光性樹脂組成物にアルカリ現像性を付与する場合、前記のように、一般式(7)、好ましくは一般式(9)中のYで示されるジアミン残基がフェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を有する二価の有機基とする方法の他に、R7及びR8で示される基の少なくとも一方をOHとする方法がある。この方法でアルカリ現像性を付与する場合、ポリイミド前駆体中のR7及びR8で示される基の50〜100モル%を水酸基とすることが好ましい。
【0126】
本発明の感光性樹脂組成物をネガ型とする場合、R7及びR8の少なくとも一部、好ましくは20〜100モル%を炭素炭素不飽和二重結合を有する一価の有機基とすることが好ましい。
【0127】
このような一価の有機基としては、イオン結合、エステル結合、アミド結合等を介して、炭素炭素不飽和二重結合基を有する下記の基が好ましいものとして挙げられる。
【0128】
【化38】
(式中、Xは二価の炭化水素基であり、Rは水素原子又はメチル基であり、Z1、Z2及びZ3は各々独立に水素原子又は一価の炭化水素基である。)
Xとしては、炭素原子数1〜10のアルキレン基が好ましいものとして挙げられ、Z1、Z2及びZ3のうち一価の炭化水素基としては炭素原子数1〜5のアルキル基が好ましいものとして挙げられる。
【0129】
前記のうち、イオン結合を介して炭素炭素不飽和二重結合を導入する方法としては、アクリル酸又はメタクリル酸のアミノ基を有する誘導体(アミノ基を有するアクリル化合物)を用いる方法が好ましい。このような化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0130】
上記の、イオン結合を介して炭素炭素不飽和二重結合を導入する場合、前記アミノ基を有するアクリル化合物の使用量は、導入前のポリアミド酸(即ち、一般式(7)において、R7及びR8がともにOHであるもの)の量に対して、1〜200重量%とすることが好ましく、5〜150重量%とすることがより好ましい。この使用量が、1重量%未満であると、光感度が劣る傾向があり、200重量%を超えると、耐熱性、フィルムの機械特性等が劣る傾向がある。
【0131】
この方法により、イオン結合型のポリイミド前駆体を製造する場合、前記テトラカルボン酸二無水物とジアミンを混合して開環重付加反応させポリアミド酸したのち、前記アミノ基を有するアクリル化合物を混合すればよい。
【0132】
前記開環重付加反応等、上記のポリイミド前駆体の製造に使用する有機溶媒としては、生成するポリイミド前駆体を完全に溶解する極性溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミド、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
【0133】
また、この極性溶媒以外に、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等も使用することができ、例えば、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
【0134】
これらの有機溶媒は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0135】
エステル結合を介して炭素炭素不飽和二重結合を導入すると、ポリアミド酸エステルが合成される。この合成法では、まず、テトラカルボン酸エステル化合物を合成する。テトラカルボン酸エステル化合物の合成法としては、例えば、前記テトラカルボン酸二無水物と不飽和アルコール化合物を有機溶剤中、塩基の存在下混合することにより得られる。
【0136】
前記不飽和アルコール化合物としては、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどのアルキレン鎖の炭素数が1〜10のヒドロキシアルキルアクリレート又はメタクリレートが好ましいものとして用いられる。
【0137】
また、ポジ型の感光性樹脂組成物を製造する場合等で、一般式(7)、好ましくは一般式(9)中のYにフェノール性水酸基又はカルボキシル基を有するジアミンを用いる場合、ポリイミド前駆体中のR7及びR8としては、酸素原子を介して一価の炭化水素基(好ましくは炭素原子数1〜10のアルキル基)が結合した形のものが好ましく、これもまたポリアミド酸エステルであるため、アルコール化合物を代えて上記と同様の合成法が採用できる。
【0138】
こちらの場合に用いるアルコール化合物としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、イソアミルアルコール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノールなどの炭素原子数1〜10のアルキルアルコールが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0139】
テトラカルボン酸ジエステルの合成において、テトラカルボン酸二無水物とアルコール化合物の割合(モル比)は、前者/後者で1/2〜1/2.5の範囲とするのが好ましく、1/2とすることが最も好ましい。また、テトラカルボン酸二無水物と塩基の割合(モル比)は、前者/後者で1/0.001〜1/3の範囲とするのが好ましく、1/0.005〜1/2とすることがより好ましい。この反応温度は10〜60℃が好ましく、反応時間は3〜24時間が好ましい。
【0140】
次いでテトラカルボン酸ジエステルジハライドを合成するが、この方法は公知であり、例えば、有機溶剤に溶解したテトラカルボン酸ジエステルに塩化チオニルを滴下して反応させて得られる。テトラカルボン酸ジエステルと塩化チオニルの割合(モル比)は、前者/後者で1/1.1〜1/2.5の範囲とするのが好ましく、1/1.5〜1/2.2の範囲とするのがより好ましい。反応温度は−20〜40℃が好ましく、反応時間は1〜10時間が好ましい。
【0141】
ポリアミド酸エステルは、例えば、ジアミンと、ピリジンなどの脱ハロゲン酸剤を有機溶剤に溶解し、有機溶剤に溶解したテトラカルボン酸ジエステルジハライドを滴下して反応させた後、水などの貧溶剤に投入し、析出物をろ別、乾燥することにより得られる。ジアミンの総量とテトラカルボン酸ジエステルジハライドの割合(モル比)は、前者/後者で0.6/1〜1/0.6の範囲が好ましく、0.7/1〜1/0.7の範囲がより好ましい。反応温度は−20〜40℃が好ましく、反応時間は1〜10時間が好ましい。脱ハロゲン酸剤とテトラカルボン酸ジエステルジハライドの割合は、前者/後者(モル比)が、1.8/1〜2.2/1の範囲が好ましく、1.9/1〜2.1/1の範囲がより好ましい。
【0142】
ポリイミド前駆体中のR7及びR8としては、窒素原子を介して炭化水素基が結合した形を取ることもでき、この場合、ポリイミド前駆体はポリアミド酸アミドとなる。その製造法は、前記ポリアミド酸エステルの合成において、アルコール化合物の代わりに、モノアミン化合物、例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、1−ペンチルアミン、2−ペンチルアミン、3−ペンチルアミン、イソアミルアミン、1−ヘキシルアミン、2−ヘキシルアミン、3−ヘキシルアミン、モルホリン、アニリン、ベンジルアミンなどを用いることにより合成することができる。
【0143】
感光性樹脂組成物に用いられる本発明のポリイミド前駆体の分子量に特に制限はないが、重量平均分子量で20,000〜100,000であることが好ましい。なお、分子量は、E型粘度計により測定することができる。
【0144】
(C)ポリイミド
本発明のポリイミドは、前記一般式(11)で示される繰り返し単位を有するものである。この製造法には特に制限はなく、例えば、本発明のポリイミド前駆体をイミド閉環させることにより合成することができる。
【0145】
イミド閉環は、通常、加熱により行うことができる。
【0146】
加熱条件としては、特に制限はないが、加熱温度は、80〜450℃とすることが好ましい。この加熱温度が、80℃未満では、閉環反応が遅くなる傾向があり、450℃を超えると、生成するポリイミドが劣化する傾向がある。
【0147】
また、加熱時間は、10〜100分間とすることが好ましい。この加熱時間が、10分未満では、閉環反応が遅くなる傾向があり、100分を超えると、生成するポリイミドが劣化する傾向があり、作業性が低下する傾向がある。
【0148】
本発明のポリイミドは、一般に溶媒不溶のものが多いため、直接その分子量を測定するのは困難であるが、測定できるものはその重量平均分子量が、測定できないものはその前駆体の重量平均分子量が、前記のポリイミド前駆体の重量平均分子量と同様に20,000〜100,000であることが好ましい。
【0149】
(D)樹脂組成物
本発明のポリイミド前駆体又はポリイミドは、例えば、前記のような有機溶媒に希釈し、必要に応じてその他の成分を加えて樹脂組成物とすることができる。
この樹脂組成物は、特に電子部品の表面保護膜又は層間絶縁膜形成用として有用である。
【0150】
本発明の樹脂組成物に用いられる本発明のポリイミド前駆体又はポリイミドの中でも、一般式(8)で表される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体又は一般式(12)で表される繰り返し単位を有するポリイミドが好ましい。
【0151】
有機溶媒の使用量に特に制限はないが、全樹脂組成物中、50〜85重量%とすることが好ましい。
【0152】
前記その他の成分としては特に制限はなく、例えば、有機シラン化合物、アルミキレート化合物、ポリシロキサン結合を有するポリアミド酸等の接着助剤を含むことができる。その量に特に制限はなく、例えば、全樹脂組成物中、10重量%以下の量で使用することができる。
【0153】
この樹脂組成物は、浸漬法、スプレー法、スクリーン印刷法、回転塗布法等によってシリコンウエハー、金属基板、セラミック基板等の基材上に塗布され、溶剤の大部分を加熱乾燥することにより粘着性のない塗膜とすることができる。この塗膜の膜厚には特に制限はないが、電子部品を製造する場合、回路特性等の点から、4〜50μmであることが好ましく、6〜40μmであることがより好ましく、10〜40μmであることが特に好ましく、20〜35μmであることが極めて好ましい。
【0154】
本発明の樹脂組成物により得られるポリイミド又はその前駆体の膜は、前述のように、ポリイミドの分子構造が剛直であるため低熱膨張性を呈する。また、i線等の光の透過性に優れるため、感光性材料としての特性にも優れる。
【0155】
この膜がポリイミド前駆体である場合、これを加熱することにより高耐熱性ポリイミド膜を形成することができる。
【0156】
このときの加熱温度は、150〜500℃とすることが好ましく、200〜400℃とすることがより好ましい。この加熱温度が、150℃未満であると、ポリイミド膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向があり、500℃を超えると、ポリイミド膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向がある。
【0157】
また、この時の加熱時間は、0.05〜10時間とすることが好ましい。この加熱時間が、0.05時間未満であると、ポリイミド膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向があり、10時間を超えると、ポリイミド膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向がある。
【0158】
このようにして生成する膜は、耐熱性に優れるので、各種電子部品の保護膜や絶縁膜、例えば、半導体装置の表面保護膜や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜等とされ、耐熱性に優れた膜となる。
【0159】
(E)電子部品(a)
本発明の電子部品(a)は、上記一般式(11)、好ましくは一般式(12)で表されるポリイミドの膜を有する。本発明に用いられる電子部品としては、例えば、シリコンチップ等の半導体基板に回路を形成した半導体装置、多層配線板などが挙げられ、それらの表面保護膜や層間絶縁膜として上記ポリイミドの膜を有する。
【0160】
本発明の電子部品(a)の一例として、半導体装置の製造工程の一例を以下に説明する。
【0161】
図4は多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。図において、回路素子を有するSi基板等の半導体基板1は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層3が形成されている。前記半導体基板1上に、本発明の樹脂組成物を用い、スピンコート法等による塗布及び加熱により、本発明のポリイミドからなる層間絶縁膜4が形成される(工程(a))。
【0162】
次に塩化ゴム系又はフェノールノボラック系の感光性樹脂層5が前記層間絶縁膜4上にスピンコート法で形成され、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁膜4が露出するように窓6Aが設けられる(工程(b))。
【0163】
前記窓6A下の層間絶縁膜4は、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段によって選択的にエッチングされ、窓6Bがあけられる。ついで窓6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光性樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光性樹脂層5が完全に除去される(工程(c))。
【0164】
さらに公知の写真食刻技術を用いて、第2導体層7を形成させ、第1導体層3との電気的接続が完全に行われる(工程(d))。
【0165】
3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を形成することができる。
【0166】
次に表面保護膜8が形成される(工程(e))。この表面保護膜8も前記層間絶縁膜4と同様の手法により本発明の樹脂組成物のパターンを形成し、加熱してポリイミド膜とすることができる。6Cは、表面保護膜8にあけられた窓である。このポリイミド膜は、導体層を外部からの応力、α線などから保護するものであり、得られる半導体装置は信頼性に優れる。
【0167】
(F)感光性樹脂組成物
本発明の感光性樹脂組成物は、一般式(7)、好ましくは一般式(9)で表される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体を含有する。
【0168】
本発明の感光性樹脂組成物においては、一般式(9)で表され、Yで表される二価の有機基が、一般式(10)
【0169】
【化39】
(式中、R19、R20、R21及びR22は上記と同じ意味を有する。)
で示される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体を用いることが好ましい。
【0170】
本発明の感光性樹脂組成物においては、先に記載した「感光性樹脂組成物に好適なポリイミド前駆体」を用いることが好ましく、がネガ型感光性樹脂組成物であるか、ポジ型感光性樹脂組成物であるかにより、各々に適したポリイミド前駆体を用いる。
【0171】
例えば、上記したように、ネガ型感光性樹脂組成物においては、一般式(7)、好ましくは一般式(9)で表され、R7及びR8のうち少なくとも一方が、炭素炭素不飽和二重結合を有する一価の有機基である繰り返し単位を有するポリイミド前駆体を用いることが好ましい。
【0172】
また、ポジ型感光性樹脂組成物においては、一般式(7)、好ましくは一般式(9)で示される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体であって、一般式(7)、好ましくは一般式(9)中のYがカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する二価の有機基であるものか又はR7及びR8が水酸基であるものを、光により酸を発生する化合物と組み合わせて用いることが好ましい。
【0173】
本発明の感光性樹脂組成物において、ネガ型の感光性樹脂組成物を製造する場合、前記ポリイミド前駆体と共に、必要に応じて、光重合開始剤を含有することができる。
【0174】
光重合開始剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ベンジル、ジフェニルジスルフィド、フェナンスレンキノン、2−イソプロピルチオキサントン、リボフラビンテトラブチレート、2,6−ビス(p−ジエチルアミノベンザル)−4−メチル−4−アザシクロヘキサノン、N−エチル−N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−フェニルジエタノールアミン、2−(o−エトキシカルボニル)オキシイミノ−1,3−ジフェニルプロパンジオン、1−フェニル−2−(o−エトキシカルボニル)オキシイミノプロパン−1−オン、1,3−ジフェニル−1,2,3−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス−[2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル]チタン等が挙げられる。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0175】
光重合開始剤の使用量は、一般式(7)、好ましくは一般式(9)で表される繰り返し単位を含むポリイミド前駆体の量に対して、0.01〜30重量%とすることが好ましく、0.05〜10重量%とすることがより好ましい。この使用量が、0.01重量%未満では、光感度が劣る傾向があり、30重量%を超えると、フィルムの機械特性が劣る傾向がある。
【0176】
また、ネガ型の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、炭素炭素不飽和二重結合を有する付加重合性化合物を含有することができる。
【0177】
このような付加重合性化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、4−ビニルトルエン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1,3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、1,3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0178】
前記付加重合性化合物の使用量は、一般式(7)、好ましくは一般式(9)で表される繰り返し単位を含むポリイミド前駆体の量に対して、1〜200重量%とすることが好ましい。この使用量が、1重量%未満では、現像液への溶解性も含んだ感光特性が劣る傾向があり、200重量%を超えると、フィルムの機械特性が劣る傾向がある。
【0179】
また、ネガ型の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、アジド化合物を含有することができる。
【0180】
アジド化合物としては、例えば、
【0181】
【化40】
等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0182】
アジド化合物の使用量は、一般式(7)、好ましくは一般式(9)で表される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体の量に対して、0.01〜30重量%とすることが好ましく、0.05〜10重量%とすることがより好ましい。この使用量が、0.01重量%未満では、光感度が劣る傾向があり、30重量%を超えると、フィルムの機械特性が劣る傾向がある。
【0183】
また、ネガ型の感光性樹脂組成物には、保存時の安定性を高めるために、ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤を含有することができる。
【0184】
ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ジフェニル−p−ベンゾキノン、ベンゾキノン、ハイドロキノン、ピロガロール、フェノチアジン、レゾルシノール、オルトジニトロベンゼン、パラジニトロベンゼン、メタジニトロベンゼン、フェナントラキノン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、クペロン、2,5−トルキノン、タンニン酸、パラベンジルアミノフェノール、ニトロソアミン類等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0185】
ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤の使用量は、一般式(7)、好ましくは一般式(9)で表される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体の量に対して、0.01〜30重量%とすることが好ましく、0.05〜10重量%とすることがより好ましい。この使用量が、0.01重量%未満であると、保存時の安定性が劣る傾向があり、30重量%を超えると、光感度及びフィルムの機械特性が劣る傾向がある。
【0186】
ポジ型の感光性樹脂組成物を製造する場合、ポリイミド前駆体と共に、一般に、光により酸を発生する化合物を用いる。光により酸を発生する化合物は、感光剤であり、酸を発生させ、光の照射部のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有するものである。その種類としては、o−キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩などが挙げられ、特に制限はないが、o−キノンジアジド化合物が感度が高く好ましいものとして挙げられる。
【0187】
o−キノンジアジド化合物は、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリド類とヒドロキシ化合物、アミノ化合物などとを脱塩酸性触媒の存在下で縮合反応させることで得られる。
【0188】
前記o−キノンジアジドスルホニルクロリド類としては、例えば、1,2−ベンゾキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド等が使用できる。
【0189】
前記ヒドロキシ化合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2′,3′−ペンタヒドロキシベンゾフェノン,2,3,4,3′,4′,5′−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−又は1,1,2−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどが挙げられる。
【0190】
前記アミノ化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンなど挙げられる。
【0191】
前記o−キノンジアジドスルホニルクロリドとヒドロキシ化合物又はアミノ化合物は、o−キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基とアミノ基の合計が0.5〜1当量になるように配合されることが好ましい。脱塩酸触媒とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの好ましい割合は0.95/1〜1/0.95の範囲とされる。好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜10時間とされる。
【0192】
反応溶媒としては、例えばジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N−メチルピロリドン等の溶媒が用いられる。脱塩酸触媒としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンなどが挙げられる。
【0193】
光により酸を発生する成分は、現像後の膜厚及び感度の点から、一般式(7)、好ましくは一般式(9)で示される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体100重量部に対して、好ましくは5〜100重量部、より好ましくは10〜40重量部用いられる。
【0194】
本発明の感光性樹脂組成物は、前記一般式(7)、好ましくは一般式(9)で示される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体を溶剤に溶解した後、そのほかの成分を溶解して、溶液状態で得ることができる。
【0195】
前記溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチレンスルホン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等の非プロトン性極性溶剤が単独で又は2種以上併用して用いられる。
【0196】
本発明の感光性樹脂組成物は、硬化膜の基板との接着性を高めるために、さらに有機シラン化合物、アルミキレート化合物、ケイ素含有ポリアミド酸などを含むことができる。
【0197】
有機シラン化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。アルミキレート化合物としては、例えば、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム、アセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレートなどが挙げられる。
【0198】
(G)レリーフパターンの製造法
[感光性樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥する工程]
本発明の感光性樹脂組成物は、浸漬法、スプレー法、スクリーン印刷法、回転塗布法等によってシリコンウエハー、金属基板、セラミック基板等の基板上に塗布され、溶剤の大部分を加熱乾燥することにより粘着性のない塗膜とすることができる。この塗膜の膜厚には特に制限はないが、回路特性等の点から、4〜50μmであることが好ましく、6〜40μmであることがより好ましく、10〜40μmであることが特に好ましく、20〜35μmであることが極めて好ましい。
【0199】
[露光する工程及び現像する工程]
この塗膜上に、所望のパターンが描かれたマスクを通して活性光線又は化学線を照射する等してパターン状に露光後、未露光部又は露光部を適当な現像液で現像して溶解し、除去することにより、所望のレリーフパターンを得ることができる。
【0200】
本発明の感光性樹脂組成物は、i線ステッパ等を用いたi線露光用に好適なものであるが、照射する活性光線又は化学線としては、i線以外に、例えば、超高圧水銀灯を用いるコンタクト/プロキシミテイ露光機、ミラープロジェクション露光機、g線ステッパ、その他の紫外線、可視光源、X線、電子線等も使用することができる。露光光量は、100〜1000mJ/cm2が好ましい。
【0201】
現像液としては、例えば、有機溶媒現像液として、良溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等)、前記良溶媒と貧溶媒(低級アルコール、ケトン、水、シクロペンタン等の脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等)との混合溶媒、アルカリ性現像液が挙げられる。ポリイミド前駆体にアルカリ可溶性を持たせた場合は、アルカリ性溶液を用いることができる。前記アルカリ性水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等の5重量%以下の水溶液、好ましくは1.5〜3.0重量%の水溶液などが用いられるが、より好ましい現像液は水酸化テトラメチルアンモニウムの1.5〜3.0重量%の水溶液である。
【0202】
さらに上記現像液に界面活性剤等を添加して使用することもできる。これらはそれぞれ、現像液100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲で配合する。
【0203】
現像後は、必要に応じて、水又は貧溶媒でリンスを行い、100℃前後で乾燥し、パターンを安定なものとすることが好ましい。
【0204】
[加熱する工程]
得られるレリーフパターンは、加熱することによりパターン化された高耐熱性ポリイミド膜とすることができる。
【0205】
この時の加熱温度は、150〜500℃とすることが好ましく、200〜400℃とすることがより好ましい。この加熱温度が、150℃未満であると、ポリイミド膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向があり、500℃を超えると、ポリイミド膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向がある。
【0206】
また、この時の加熱時間は、0.05〜10時間とすることが好ましい。この加熱時間が、0.05時間未満であると、ポリイミド膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向があり、10時間を超えると、ポリイミド膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向がある。
【0207】
本発明の感光性樹脂組成物は、上記のようにしてレリーフパターン化することにより、半導体装置や多層配線板等の電子部品に使用することができ、具体的には、半導体装置の表面保護膜や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜等の形成に使用することができる。
【0208】
図4は多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。図において、回路素子を有するSi基板等の半導体基板1は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層3が形成されている。前記半導体基板1上にスピンコート法等でポリイミド樹脂等からなる層間絶縁膜4が形成される(工程(a))。
【0209】
次に塩化ゴム系又はフェノールノボラック系の感光性樹脂層5が前記層間絶縁膜4上にスピンコート法で形成され、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁膜4が露出するように窓6Aが設けられる(工程(b))。
【0210】
前記窓6A下の層間絶縁膜4は、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段によって選択的にエッチングされ、窓6Bがあけられている。ついで窓6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光性樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光性樹脂層5が完全に除去される(工程(c))。
【0211】
さらに公知の写真食刻技術を用いて、第2導体層7を形成させ、第1導体層3との電気的接続が完全に行われる(工程(d))。
【0212】
3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を形成することができる。
【0213】
次に表面保護膜8が形成される(工程(e))。この図の例では、この表面保護膜8を前記感光性重合体組成物をスピンコート法にて塗布、乾燥し、所定部分に窓6Cを形成するパターンを描いたマスク上から光を照射した後アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、加熱してポリイミド膜とする。このポリイミド膜は、導体層を外部からの応力、α線などから保護するものであり、得られる半導体装置は信頼性に優れる。
【0214】
なお、上記例において、層間絶縁膜4を、感光性樹脂層5を形成せずに、本発明の感光性樹脂組成物を用いて直接形成することも可能である。
【0215】
(H)電子部品(b)
本発明の電子部品は、本発明の感光性樹脂組成物を上記の方法でレリーフパターン化して形成される層を、表面保護膜や層間絶縁膜等としてを有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。例えば、シリコンチップ等の半導体基板に回路を形成した半導体装置、多層配線板などが挙げられ、例えば、それらの表面保護膜や層間絶縁膜として本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成したレリーフパターンを有する。
【0216】
【実施例】
実施例1
本実施例では、次の反応スキームによりテトラカルボン酸二無水物を合成した。
【0217】
【化41】
4−メチルフタル酸無水物(1)(58.8g, 0.363mol)、臭素酸カリウム(66.7g, 0.400mol)及び水250mlの懸濁液を90℃に加熱したのち、加熱浴を取り除き強力な撹拌下、濃硫酸250mlをゆっくりと滴下した。滴下終了後、再び加熱浴を取り付け90〜100℃で3時間撹拌した。室温まで放冷し、生じた固体を濾別し、冷水で洗浄した。この濾液をエーテルで3回抽出し、合わせた有機層を水、次いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。このエーテル溶液を濃縮することで得られる固体と先に濾別した固体を合わせ、トルエン共沸により水分を除去することで、5−ブロモ−4−メチルフタル酸(2)が粗生成物として得られた。
【0218】
この粗5−ブロモ−4−メチルフタル酸(2)に塩化チオニル100mlを加え4時間加熱環流した。室温まで冷却後、メタノール200mlを加え5時間加熱環流した。室温まで冷却後、メタノールを減圧下留去し、残った油状物を蒸留することにより5−ブロモ−4−メチルフタル酸メチル(3)が得られた。(bp156〜159℃/5mmHg、54.3g、52%(4−メチルフタル酸無水物からの収率))
無水塩化ニッケル(0.84g, 6.5mmol)、ビピリジル(1.02g, 6.5mmol)、トリフェニルホスフィン(11.0g, 41.9mmol)、亜鉛末(13.1g, 0.200g atom)とジメチルホルムアミド(DMF)80mlの懸濁液を窒素雰囲気下60℃に加熱し、濃茶褐色の呈色を確認した後、100℃に昇温し、5−ブロモ−4−メチルフタル酸メチル(3)(33.2g, 0.116mol)のDMF(20ml)溶液を滴下して加えた。100℃で8時間撹拌した後室温まで冷却し氷水中に注いだ。この混合液をセライトで濾過後エーテルで抽出し、水洗した後無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。このエーテル溶液を濃縮して得られる油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、テトラエステル(4)が得られた(12.65g, 30.6mmol, 収率53%)。メタノールから再結晶することにより、さらに純粋なものが得られた。
【0219】
なお、さらに大きいスケールで反応を行う場合には、粗生成物を固化させた後、その固体をエーテル又は少量のヘキサンを混合したエーテルで洗浄することにより、カラムクロマトグラフィーによる精製操作を省略することもできる。
【0220】
テトラエステル(4)(6.54g, 15.8mmol)を、4mol・l-1の水酸化ナトリウム水溶液90mlと8時間加熱環流した。室温まで放冷後、さらに氷冷下、濃塩酸40mlを徐々に加えたところ、白色固体が析出した。これを濾過し、減圧下乾燥させることにより、テトラカルボン酸(5)(6,6′−ジメチル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸)が得られた。
この固体を減圧下(5mmHg)180℃に6時間保ったところ、酸無水物(6)が生成した(4.78g, 14.8mmol, 94重量%(テトラエステルからの収率))。
【0221】
得られた酸無水物(6)のIRスペクトルを図1に、その1H−NMRスペクトルを図2に、その13C−NMRスペクトルを図3に示す。分析データを以下に示す。
【0222】
mp 235〜236℃
IR(KBr) 1849, 1784, 1323, 1257, 887, 737 cm-1.
1H NMR(DMSO−d6) d=2.19(6H, s), 7.89(2H, s), 8.17(2H, s).
13C NMR(DMSO−d6) d=20.09, 125.41, 126.88, 129.11, 131.21, 145.30, 146.22, 162.74, 162.91.
MS m/z322.
本発明のテトラカルボン酸、その二無水物及び誘導体は、低熱膨張性及び高耐熱性が期待できる、剛直構造を有しながら、実用に供し得るi線透過性を合わせ持つポリイミド前駆体(ポリアミド酸)調製用のモノマーとして大変有用である。
【0223】
実施例2(ポリイミド及びその前駆体の合成)
攪拌機を備えた100mlのセパラブルフラスコに、4,4′−ジアミノ−2,2′−ジメチルビフェニル2.98g及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)22.5gを加え、室温で攪拌溶解し、この溶液に6,6′−ジメチル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物4.52gを添加し、30時間攪拌し、粘稠なポリイミド前駆体の溶液を得た。
【0224】
得られたポリイミド前駆体の重量平均分子量をE型粘度計により測定したところ、70,000であった。
【0225】
また、得られたポリイミド前駆体の溶液を乾燥させたものを、KBr法により、赤外吸収スペクトル(日本電子(株)製、JIR−100型)を測定したところ、いずれも、1600cm-1付近にアミド基のC=Oの吸収と、3300cm-1付近にN−Hの吸収が確認され、下記繰り返し単位を有するポリイミド前駆体の生成が確認された。
【0226】
【化42】
次にこの溶液を、70℃で5時間加熱し、粘度を100ポイズ(固形分25重量%)に調節し、ポリイミド前駆体の溶液とした後、フィルタ濾過し、シリコンウエハ上に滴下してスピンコートした。次いで、ホットプレートを用いて、90℃で150秒間加熱し塗膜を形成した後、拡散炉中で400℃で60分間熱硬化させ、下記繰り返し単位を有するポリイミド膜を形成させた。
【0227】
【化43】
実施例3(ポリイミド及びその前駆体の合成)
撹拌機を備えた100mlのセパラブルフラスコに、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン6.05g及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)22.5gを加え、室温で撹拌溶解し、この溶液に6,6′−ジメチル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物5.61gを添加し、30時間撹拌し、粘稠なポリイミド前駆体の溶液を得た。
【0228】
得られたポリイミド前駆体の重量平均分子量をE型粘度計により測定したところ、50,000であった。
【0229】
また、得られたポリイミド前駆体の溶液を乾燥させたものを、KBr法により、赤外吸収スペクトル(日本電子(株)製、JIR−100型)を測定したところ、いずれも、1600cm-1付近にアミド基のC=Oの吸収と、3300cm-1付近にN−Hの吸収が確認され、下記繰り返し単位を有するポリイミド前駆体の生成が確認された。
【0230】
【化44】
次にこの溶液を、70℃で5時間加熱し、粘度を100ポイズ(固形分25重量%)に調節し、ポリイミド前駆体の溶液とした後、フィルタ濾過し、それぞれシリコンウエハ上に滴下スピンコートした。
【0231】
次いで、ホットプレートを用いて、90℃で150秒間加熱し塗膜を形成した後、拡散炉中で400℃で60分間熱硬化させ、下記繰り返し単位を有するポリイミド膜を形成させた。
【0232】
【化45】
比較例1
ポリイミド前駆体の合成原料として4,4′−ジアミノ−2,2′−ジメチルビフェニル2.98g及び4,4′−オキシジフタル酸二無水物4.34gを用いた他は、上記実施例と同様な方法によりポリイミド膜を形成させた。
【0233】
比較例2
ポリイミド前駆体の合成原料として4,4′−ジアミノ−2,2′−ジメチルビフェニル2.98g及び3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物4.12gを用いた他は、上記実施例と同様な方法によりポリイミド膜を形成させた。
【0234】
実施例1、2及び比較例1、2により調製したポリイミド前駆体の塗膜についてi線透過率を測定し、また、熱硬化後のポリイミド膜についてガラス転移温度(Tg)を測定した結果を表1に示した(測定装置;熱物理測定装置(TMA))。
【0235】
前記i線透過率は、得られた各ポリイミド前駆体の樹脂溶液をスピンコートし、85℃で3分間、さらに105℃で3分間乾燥して得られた塗膜(10μm)を、分光光度計で測定した。
【0236】
【表1】
表1に示した結果によれば、実施例1及び2のポリイミド前駆体は高いi線透過率を有しながら、かつ得られるポリイミドの耐熱性にも優れている。
【0237】
(ネガ型感光性樹脂組成物)
合成例1、2及び合成例4、5
攪拌機及び温度計を備えた100mlのフラスコに、表2に示したジアミン成分及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加え、室温で攪拌溶解し、この溶液に表2に示した酸成分を添加し、30時間攪拌し、粘稠なポリイミド前駆体の溶液を得た。
【0238】
さらに、この溶液を、70℃で5時間加熱し、粘度を80ポイズ(固形分25重量%)に調節し、ポリイミド前駆体の溶液(PA−1〜PA−2及びPA−4〜5)とした。なお、ジアミン成分、酸成分及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)の各使用量は、表2に合わせて示した。(PA−1及びPA−2の溶液中のポリイミド前駆体の繰り返し単位の構造を下記に示す。
【0239】
【化46】
合成例3
(1)酸クロライドの合成
200mlの四つ口フラスコに表2に示す酸無水物0.03モル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)7.81g(0.06モル)、ピリジン4.75g(0.06モル)、ヒドロキノン0.01g、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)70mlを入れ、60℃で撹拌すると2時間で透明な溶液になった。この溶液を室温でその後7時間撹拌した後、フラスコを氷で冷却し、塩化チオニル8.57g(0.072モル)を10分で滴下した。その後、室温で1時間撹拌し、下記式で表されるテトラカルボン酸ジエステルジクロライドを含む溶液を得た。
【0240】
【化47】
(2)ポリイミド前駆体の合成
別の200mlの四つ口フラスコに表2に示すジアミン0.03モル、ピリジン5.06g(0.064モル)、ヒドロキノン0.01g、DMAc50mlを入れ、フラスコを氷で冷却(10℃以下)撹拌しながら上記(1)で得られたテトラカルボン酸ジエステルジクロライド溶液を1時間かけてゆっくりと滴下した。その後室温で1時間撹拌し、1リットルの水へ投入して析出したポリマーを濾取後二回洗浄し、真空乾燥した。
【0241】
このポリマー粉末をγ−ブチロラクトン(γ−BL)に溶解し、粘度を80ポイズに調節し、下記式で表される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体の溶液(PA−3)とした。
【0242】
【化48】
なお、粘度は、E型粘度計(東機産業(株)製、EHD型)を使用し、温度が25℃、回転数が2.5rpmで測定した。
【0243】
また、得られたポリイミド前駆体の溶液(PA−1〜PA−5)を乾燥させたものを、KBr法により、赤外吸収スペクトル(日本電子(株)製、JIR−100型)を測定したところ、いずれも、1600cm-1付近にアミド基のC=Oの吸収と、3300cm-1付近にN−Hの吸収が確認された。
【0244】
【表2】
<略号>
MBDA:6,6′−ジメチル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
ODPA:4,4′−オキシジフタル酸二無水物、
s−BPDA:ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
DFAP:2,2′−ジフルオロ−4,4′−ジアミノビフェニル、
DMAP:2,2′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
実施例4、5及び比較例3、4
合成例1、2、4、5で得られた、各ポリイミド前駆体(PA−1〜2,PA−4〜5)の溶液10gに対して、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)−4−カルボキシシクロヘキサノン(CA)0.027g、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EAB)0.027g及び1−フェニル−2−(o−エトキシカルボニル)オキシイミノプロパン−1−オン(PDO)0.054gを加え、さらに、ポリイミド前駆体のカルボキシル基と当量のジメチルアミノプロピルメタクリレート(MDAP)を加え、攪拌混合して、実施例4、5及び比較例3、4に供する均一なネガ型感光性樹脂組成物を得た。
【0245】
得られた各ネガ型感光性樹脂組成物を、フィルタ濾過し、それぞれシリコンウエハ上に滴下スピンコートした。
【0246】
次いで、ホットプレートを用いて、100℃で150秒間加熱し、23μmの塗膜を形成した後、パターンマスクし、i線ステッパで200mJ/cm2で露光した。
【0247】
これを、さらに100℃で60秒間加熱し、N−メチル−2−ピロリドン/水(75/25(重量比))の混合溶液を用いて、パドル現像し、これを、100℃で30分間、200℃で30分間、350℃で60分間加熱して、下記繰り返し単位を有するポリイミドのレリーフパターンを得た。
【0248】
【化49】
得られたポリイミドのレリーフパターンの一部について、KBr法により、赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm-1付近にイミドの特性吸収が確認された。
【0249】
実施例6
合成例3で得られたポリイミド前駆体(PA−3)10gをγ−ブチロラクトン(γ−BL)15gに溶解しミヒラケトン100mgと1,3−ジフェニル−1,2,3−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム200mgを加えて溶解後、実施例6に供する均一な感光性樹脂組成物溶液を得た。
【0250】
得られた感光性樹脂組成物溶液を、フィルタ濾過し、それぞれシリコンウエハ上に滴下スピンコートした。
【0251】
次いで、ホットプレートを用いて、100℃で150秒間加熱し、23μmの塗膜を形成した後、パターンマスクし、i線ステッパで200mJ/cm2で露光した。
【0252】
これをN−メチル−2−ピロリドン/シクロペンタン(70/30(重量比))の混合溶液を用いて、パドル現像し、これを、100℃で30分間、350℃で60分間加熱して、下記繰り返し単位を有するポリイミドのレリーフパターンを得た。
【0253】
【化50】
得られたポリイミドのレリーフパターンの一部について、KBr法により赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm-1付近にイミドの特性吸収が確認された。
【0254】
各実施例4、5、6及び比較例3、4で用いた各ポリイミド前駆体(PA−1〜PA−5)のi線透過率と、前記で得られたポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)、シリコンウエハ上のレリーフパターンの解像度を以下の方法により評価し、これらの評価結果を表3に示した。
【0255】
i線透過率は、得られた各ポリイミド前駆体(PA−1〜PA−5)の樹脂溶液をスピンコートし、85℃で3分間、さらに105℃で3分間乾燥して得られた塗膜(20μm)を、分光光度計で測定した。
【0256】
ガラス転移温度は、膜厚10μmのポリイミドフィルムを昇温速度10℃/min、荷重10gの条件でTMAで測定した。
【0257】
解像度は、スルホールテストパターンを用いて、現像可能なスルホールの最小の大きさとして評価した。
【0258】
次に、上記の実施例4、5、6及び比較例3、4で得られたレリーフパターンを100℃で30分間、200℃で30分間、窒素雰囲気下400℃で60分間加熱してポリイミドパターンを得た。実施例4、5、6のレリーフパターンから得られたポリイミドパターンは、解像度が良好であることを反映して良好なパターン形状を有していたが、比較例3、4のレリーフパターンから得られたポリイミドパターンは、解像度が不良であることを反映して好ましくないパターン形状を有していた。
【0259】
【表3】
(ポジ型感光性樹脂組成物)
実施例7
攪拌機、温度計及びジムロート冷却管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、6,6′−ジメチル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物25.78g、n−ブチルアルコール59.30gを仕込、95℃で5時間で攪拌し反応させた。余剰のn−ブチルアルコールを減圧下、留去して、6,6′−ジメチル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルを得た。次いで、フラスコ中に塩化チオニル95.17g、トルエン70.00gを仕込、40℃で3時間反応させた。減圧により、余剰の塩化チオニルをトルエンと共沸させ、除去した。N−メチルピロリドン186gを添加し、6,6′−ジメチル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液(α)を得た。次いで、攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン95gを仕込、3,5−ジアミノ安息香酸8.28g、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル5.13gを添加し、攪拌溶解した後、ピリジン12.66gを添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、6,6′−ジメチル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液(α)を1時間で滴下した後、1時間攪拌を続けた。溶液を4リットルの水に投入し、析出物を回収、洗浄した後、減圧乾燥して、下記繰り返し単位を有するポリアミド酸n−ブチルエステルを得た(以下、ポリマIとする)。
【0260】
【化51】
ポリマI 30gをNMP54gに攪拌溶解し、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン0.9gを添加し、さらに12時間撹拌した後、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドを1/3のモル比で反応させた化合物X7.5gを溶解させた。この溶液を3μm孔のテフロンフィルタを用いて加圧濾過してポジ型感光性樹脂組成物を得た。
【0261】
【化52】
得られたポジ型感光性樹脂組成物をスピンナーを使用してシリコンウエハ上に回転塗布し、ホットプレート上125℃で3分間加熱乾燥を行い、10.8μmのポジ型感光性樹脂組成物の膜を得た。この塗膜にi線縮小投影露光装置((株)日立製作所製 LD−5010i)を用い、100〜3μmの等幅線/間隔パターンを有するマスクを介し、700mJ/cm2の露光をした。次いで、2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を現像液とし70秒間パドル現像を行い、純水で洗浄してレリーフパターンを得た。現像後の膜厚は8.5μmであった。また、最小開口寸法は5μmであった。次いで、このパターンを窒素雰囲気下400℃で1時間加熱処理し、膜厚5.6μmの下記繰り返し単位を有するポリイミド膜のパターンを得た。
【0262】
【化53】
実施例8
攪拌機、温度計及びジムロート冷却管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、6,6′−ジメチル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物25.78g、n−ブチルアルコール59.3gを仕込、95℃で5時間で攪拌し反応させた。余剰のn−ブチルアルコールを減圧下、留去して、6,6′−ジメチル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルを得た。次いで、フラスコ中に塩化チオニル95.17g、トルエン70.00gを仕込、40℃で3時間反応させた。減圧により、余剰の塩化チオニルをトルエンと共沸させ、除去した。N−メチルピロリドン186gを添加し、6,6′−ジメチル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液(β)を得た。次いで、攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン95gを仕込、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン19.76g、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル5.13gを添加し、攪拌溶解した後、ピリジン12.66gを添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、6,6′−ジメチル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液(β)を1時間で滴下した後、1時間攪拌を続けた。溶液を4リットルの水に投入し、析出物を回収、洗浄した後、減圧乾燥して、下記繰り返し単位を有するポリアミド酸n−ブチルエステルを得た(以下、ポリマIIとする)。
【0263】
【化54】
ポリマII 30gをNMP54gに攪拌溶解し、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン0.12gを添加しさらに6時間撹拌した後、トリス(4ーヒドロキシフェニル)メタンと1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドを1/2.5のモル比で反応させた化合物Y6gを溶解させた。この溶液を3μm孔のテフロンフィルタを用いて加圧濾過してポジ型感光性樹脂組成物を得た。
【0264】
【化55】
得られたポジ型感光性樹脂組成物をスピンナーを使用してシリコンウエハ上に回転塗布し、ホットプレート上90℃で3分間加熱乾燥を行い、10.4μmのポジ型感光性樹脂組成物の膜を得た。この塗膜にi線縮小投影露光装置((株)日立製作所製 LD−5010i)を用い、100〜3μmの等幅線/間隔パターンを有するマスクを介し、600mJ/cm2の露光をした。次いで、2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を現像液とし60秒間パドル現像を行い、純水で洗浄してレリーフパターンを得た。現像後の膜厚は8.6μmであった。また、最小開口寸法は5μmであった。次いで、このパターンを窒素雰囲気下400℃で1時間加熱処理し、膜厚5.4μmの下記繰り返し単位を有するポリイミド膜のパターンを得た。
【0265】
【化56】
比較例5
攪拌機、温度計及びジムロート冷却管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、4,4′,5,5′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物23.54g、n−ブチルアルコール59.30gを仕込、95℃で5時間で攪拌し反応させた。
余剰のn−ブチルアルコールを減圧下、留去して、4,4′,5,5′−ビフェニルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルを得た。次いで、フラスコ中に塩化チオニル95.17g、トルエン70.00gを仕込、40℃で3時間反応させた。減圧により、余剰の塩化チオニルをトルエンと共沸させ、除去した。N−メチルピロリドン186gを添加し、4,4′,5,5′−ビフェニルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液(γ)を得た。次いで、攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン95gを仕込、3,5−ジアミノ安息香酸8.28g、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル5.13gを添加し、攪拌溶解した後、ピリジン12.66gを添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、4,4′,5,5′−ビフェニルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液(γ)を1時間で滴下した後、1時間攪拌を続けた。溶液を4リットルの水に投入し、析出物を回収、洗浄した後、減圧乾燥してポリアミド酸n−ブチルエステルを得た(以下、ポリマIIIとする)。
【0266】
ポリマIII 30gをNMP54gに攪拌溶解し、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン0.9gを添加し、さらに12時間撹拌した後、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノンとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドを1/3のモル比で反応させた化合物7.5gを溶解させた。この溶液を3μm孔のテフロンフィルタを用いて加圧濾過してポジ型感光性樹脂組成物を得た。
【0267】
得られたポジ型感光性樹脂組成物をスピンナーを使用してシリコンウエハ上に回転塗布し、ホットプレート上125℃で3分間加熱乾燥を行い、9.8μmのポジ型感光性樹脂組成物の膜を得た。この塗膜にi線縮小投影露光装置((株)日立製作所製 LD−5010i)を用い、100〜3μmの等幅線/間隔パターンを有するマスクを介し、1000mJ/cm2の露光をした。次いで、2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を現像液とし90秒間パドル現像を行い、純水で洗浄してレリーフパターンを得た。現像後の膜厚は8.0μmであった。また、最小開口寸法は20μmであった。次いで、このパターンを窒素雰囲気下400℃で1時間加熱処理し、膜厚5.2μmのポリイミド膜のパターンを得た。
【0268】
上記の実施例4〜8及び比較例3〜5から分かるように、本発明の感光性樹脂組成物はi線に対する感度が優れ、現像時間が短く、現像後の解像度に優れている。一方、比較例3〜5の感光性樹脂組成物は、現像後の解像度が低い。
【0269】
【発明の効果】
請求項1〜6記載の発明によって得られる本発明のテトラカルボン酸二無水物及び誘導体は、低熱膨張性及び高耐熱性が期待できる硬直構造を有しながら、実用に供し得るi線透過性を併せ持つポリイミド前駆体(ポリアミド酸)調製用のモノマーとして大変有用である。
【0270】
請求項7〜16記載のポリイミド前駆体は、剛直な構造を有しながら良好なi線透過性を示し、イミド化後に優れた耐熱性を示すポリイミド前駆体を提供することを目的とする。
【0271】
特に、請求項11〜15記載のポリイミド前駆体は、本発明のポリイミド前駆体の中でも感光性樹脂組成物に特に好適に用いられる。
【0272】
請求項17〜21記載のポリイミドは、剛直な構造を有しながら良好なi線透過性を示し、優れた耐熱性を示す。
【0273】
請求項22〜24記載の樹脂組成物は、剛直な構造を有しながら良好なi線透過性を示し、イミド化後に優れた耐熱性を示すポリイミド前駆体又はポリイミドを含み、半導体装置の表面保護膜や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜などの形成に有用である。
【0274】
請求項25記載の電子部品(a)は、剛直な構造を有しながら良好なi線透過性を示し、イミド化後に優れた耐熱性を示す材料を用いて形成された表面保護膜や層間絶縁膜を有し、信頼性に優れる。
【0275】
請求項26〜33記載の感光性樹脂組成物は、良好なi線透過性を有し、解像度に優れるものである。
【0276】
特に、請求項29及び31記載の感光性樹脂組成物は、上記本発明の感光性樹脂組成物の特長を備え、ネガ型のパターン形成が可能なものである。
【0277】
また、請求項32及び33記載の感光性樹脂組成物は、アルカリ水溶液により現像して、ポジ型のパターン形成が可能なものである。
【0278】
請求項34及び35記載のレリーフパターンの製造法によれば、i線露光により解像度の良好なレリーフパターンを形成することができる。
【0279】
請求項36及び37記載の電子部品(b)は、高解像度のレリーフパターンを有する表面保護膜又は層間絶縁膜等を有し、信頼性が良好なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるテトラカルボン酸二無水物のIRスペクトルである。
【図2】本発明の実施例におけるテトラカルボン酸二無水物の1H−NMRスペクトルである。
【図3】本発明の実施例におけるテトラカルボン酸二無水物の13C−NMRスペクトルである。
【図4】多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。
【符号の説明】
1 半導体基板
2 保護膜
3 第1導体層
4 層間絶縁膜
5 感光性樹脂層
6A 窓
6B 窓
6C 窓
7 第2導体層
8 表面保護膜
Claims (37)
- R1及びR2がメチル基である請求項1記載の6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸二無水物。
- R1及びR2がメチル基である請求項3記載の6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸又はその誘導体。
- 4−アルキルフタル酸無水物の5位を臭素化した後、臭素化生成物をニッケル触媒を用いてカップリングさせることを特徴とする6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の製造法。
- 4−アルキルフタル酸無水物及び臭素酸塩の水懸濁液を加熱し、濃硫酸を添加して4−アルキル−5−ブロモフタル酸を製造し、4−アルキル−5−ブロモフタル酸をエステル化して4−アルキル−5−ブロモフタル酸ジエステルを製造し、4−アルキル−5−ブロモフタル酸ジエステルをニッケル触媒の存在下でカップリングして6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルを製造し、6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルを加水分解して6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸を製造し、6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸を脱水して6,6′−ジアルキル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を製造する請求項5記載の方法。
- 一般式(7)
で表される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体。 - 一般式(8)
で表される繰り返し単位を有する請求項7記載のポリイミド前駆体。 - 一般式(8)において、R14、R15、R16及びR18が水素原子であり、xが0である請求項8記載のポリイミド前駆体。
- 一般式(8)において、n及びpが1である請求項9記載のポリイミド前駆体。
- 一般式(9)中のR7及びR8のうち少なくとも一方が、炭素炭素不飽和二重結合を有する一価の有機基である請求項11記載のポリイミド前駆体。
- 一般式(9)中のYがカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する二価の有機基である請求項11記載のポリイミド前駆体。
- 一般式(9)中のR7及びR8が水酸基である請求項11記載のポリイミド前駆体。
- 一般式(11)
で表される繰り返し単位を有するポリイミド。 - 一般式(12)
で表される繰り返し単位を有する請求項17記載のポリイミド。 - 一般式(12)において、R16及びR18が水素原子であり、xが0である請求項18記載のポリイミド。
- 一般式(12)において、n及びpが1である請求項18記載のポリイミド。
- 請求項7記載のポリイミド前駆体又は請求項17記載のポリイミドを含有してなる樹脂組成物。
- 該ポリイミド前駆体又はポリイミド及び有機溶剤を含有してなる請求項22記載の樹脂組成物。
- 請求項17記載のポリイミドの膜を有する電子部品。
- 請求項7記載のポリイミド前駆体を含有してなる感光性樹脂組成物。
- 該ポリイミド前駆体及び有機溶媒を含有してなる請求項26記載の感光性樹脂組成物。
- 一般式(9)中のR7及びR8のうち少なくとも一方が、炭素炭素不飽和二重結合を有する一価の有機基である請求項27記載の感光性樹脂組成物。
- 更に光重合開始剤を含有する請求項27又は29記載の感光性樹脂組成物。
- 一般式(9)で示され、一般式(9)中のYがカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する二価の有機基であるものか或はR7及びR8が水酸基である繰り返し単位を有するポリイミド前駆体を含有し、更に、光により酸を発生する化合物を含有する請求項27記載の感光性樹脂組成物。
- 光により酸を発生する化合物が、o−キノンジアジド化合物である請求項32記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項26又は27記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程を含むレリーフパターンの製造法。
- 露光する工程が、露光光源としてi線を用いて行うものである請求項34記載のレリーフパターンの製造法。
- 請求項34記載の製造法により得られるレリーフパターンの層を有してなる電子部品。
- レリーフパターンの層が、表面保護膜又は層間絶縁膜である請求項36記載の電子部品。
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