JP4122609B2 - 感光性ポリイミド前駆体組成物及びそれを用いたパターンの製造法並びに電子部品 - Google Patents

感光性ポリイミド前駆体組成物及びそれを用いたパターンの製造法並びに電子部品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子の表面コート膜等の保護膜や薄膜多層配線基板の層間絶縁膜等に好適な感光性ポリイミド前駆体組成物及びこの組成物を用いたパターンの製造法並びに電子部品に関し、特に、加熱処理によりポリイミド系耐熱性高分子となるネガ型の感光性ポリイミド前駆体組成物及びパターンの製造法並びに電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐熱性高分子を得るための感光性耐熱材料としては、特公平5−67026号公報に記載されている、芳香族テトラカルボン酸二無水物をオレフィン不飽和アルコールと反応させてオレフィン芳香族テトラカルボン酸ジエステルを合成し、この化合物とジアミンとをカルボジイミドを用いた脱水縮合反応により重合させ、共有結合で感光基を導入したものや、特公昭63−31939号公報に記載されている、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物を反応させ、イオン結合で感光基を導入したものなどが知られている。
【0003】
これらの技術はいずれも、適当な有機溶媒に溶解したワニス状態で基板に塗布し、乾燥して被膜とした後に、適当なフォトマスクを介して紫外線を照射して露光部を光硬化させ、有機溶媒を用いて現像およびリンスすることにより、ネガ型のレリーフパターンを得ている。
【0004】
これらの材料以外に、水性の液により現像可能な材料として、例えば、ポリアミド酸のカルボキシル基に、ナフトキノンジアジドスルホニルアミド基を導入したポジ型のポリマが提案されている(特開平6−258835号公報)。このポリマは、光照射によりナフトキノンジアジドスルホニルアミド基がカルボキシル基に変化するため、露光部が塩基性水溶液に可溶化する特徴を有しており、ポジ型の感光材料として用いることが可能である。しかしながら、このようなポジ型の感光性ポリイミド前駆体組成物では、高感度でパターン形状に優れ、実用に供する性能を有するものが得られていないのが現状である。
【0005】
ところで、これらの感光性ポリイミド前駆体は、耐熱性、機械特性に優れる芳香族系モノマに基本骨格を用いており、そのポリイミド前駆体自体の吸収のため、紫外領域での透光性が低く、露光部における光化学反応を充分効果的に行うことができず、低感度であったり、パターンの形状が悪化するという問題があった。
また、最近では、半導体の高集積化に伴い、加工ルールが益々小さくなり、より高い解像度が求められる傾向にある。
【0006】
そのため、従来の平行光線を用いるコンタクト/プロキシミテイ露光機から、ミラープロジェクションと呼ばれる1:1投影露光機、さらにステッパと呼ばれる縮小投影露光機が用いられるようになってきている。
ステッパは、超高圧水銀灯の高出力発振線、エキシマレーザのような単色光を利用するものである。これまでステッパとしては、超高圧水銀灯のg−lineと呼ばれる可視光(波長:435nm)を使ったg線ステッパが主流であったが、さらに加工ルール微細化の要求に対応するため、使用するステッパの波長を短くすることが必要である。そのため、使用する露光機は、g線ステッパ(波長:435nm)からi線ステッパ(波長:365nm)に移行しつつある。
【0007】
しかし、感光性ポリイミドのベースポリマでは、前記のごとく一般的に透明性が低く、特にi線(波長:365nm)での透過率はほとんどないため、i線ステッパでは、まともなパターンを得るのが非常に困難になっている。また、半導体素子の高密度実装方式であるLOC(リードオンチップ)に対応して表面保護用ポリイミド膜はさらに厚膜のものが求められているが、厚膜の場合には、透過性が低い問題はさらに深刻になる。
このため、i線ステッパーによる照度が非常に低くなる底部においても充分な感度を有し、良好なパターン形状の得られる感光性ポリイミドが強く求められている。
【0008】
これまでこのような条件で高感度な光開始剤として、1−フェニル−1、2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどのオキシムエステル化合物やビス(y5−シクロペンタジエニル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロ−1−イル)フェニル]−チタニウムのようなチタノセン系の化合物、またさらに2,2−ビス(2−クロロフェニル)−4,4,5,5−テトラフェニルビイミダゾール(o−Cl−HABI)が用いられてきた。しかしながらオキシムエステル化合物は一般に熱安定性が低く感度との両立が困難であり、チタノセン系の化合物は可視光に吸収があり、イエロー光に感光するため、取り扱いが難しく、色素等を添加する必要があった。一方、o−Cl−HABIは感度および熱安定性に優れるが、半導体プロセスにおいてClイオンの遊離が問題となっていた。
【0009】
従って、従来知られる一般の光開始剤を用いることでは、上記に示した問題がなく同時に満足な感光特性を有する感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物は得られなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1〜5記載の発明は、優れた感光特性を有し、低露光量でも形状に優れる良好なパターンが得られる感光性ポリイミド前駆体組成物を提供するものである。
請求項6及び7記載の発明は、優れた感光特性を有し、低露光量でも形状に優れる良好なパターンが得られると共に、その一部はアルカリ水溶液で良好な現像が実現でき、さらに優れた耐熱性、耐薬品性を示すポリイミドパターンが製造可能なパターンの製造法を提供するものである。
請求項8及び9記載の発明は、前記のパターンを有することにより信頼性に優れた電子部品を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)光重合可能な炭素−炭素二重結合を有するポリイミド前駆体及び(B)一般式(I)
【化2】
Figure 0004122609
(式中、R1、R2、R3及びR4は、各々独立に炭素原子1〜5のアルキル基である)で表わされるヘキサアリールビイミダゾール化合物を含有してなる感光性ポリイミド前駆体組成物に関する。
【0012】
また本発明は、前記(B)成分が、一般式(I)のR1、R2、R3及びR4がメチル基であるヘキサアリールビイミダゾール化合物である感光性ポリイミド前駆体組成物に関する。
また本発明は、前記(A)成分100重量部に対して、前記(B)成分0.1〜20重量部を用いる感光性ポリイミド前駆体組成物に関する。
また本発明は、さらに、(C)少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する化合物を含有する感光性ポリイミド前駆体組成物に関する。
【0013】
また本発明は、前記(C)成分の量が、(A)成分100重量部に対して5〜50重量部である感光性ポリイミド前駆体組成物に関する。
また本発明は、前記の感光性ポリイミド前駆体組成物を用いて被膜を形成する工程、該被膜に所定のパターンのマスクを介して光を照射する工程及び該光照射後の被膜を有機溶媒または塩基性水溶液を用いて現像する工程を含むパターンの製造法に関する。
また本発明は、前記の現像する工程が、塩基性水溶液を用いて現像するものであるパターンの製造法に関する。
さらに本発明は、前記の製造法により得られるパターンを表面保護膜として有してなる電子部品に関する。
さらに本発明は、前記の製造法により得られるパターンを層間絶縁膜として有してなる電子部品に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明では、光開始剤として、o−Cl−HABI(オルトクロロヘキサアリールビイミダゾール)のようなヘキサアリールビイミダゾールの骨格において、塩素のかわりにフッ素を置換基として有し、さらに4、5−フェニル部という特定の位置に、アルコキシ基を導入した前記一般式(I)で示される2,2−ビス(2−フルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラキス(3−アルコキシフェニル)ビイミダゾール化合物を用いることにより、他の光開始剤を用いる場合に比較して、格別に顕著な感度、解像度等の向上を図ることができる。
【0015】
本発明では、重合体成分として、光重合可能な炭素−炭素二重結合を有するポリイミド前駆体(A)が用いられる。
光重合可能な炭素−炭素二重結合を有するこのようなポリイミド前駆体としては、光重合可能な炭素−炭素二重結合を有する化合物がポリアミド酸の側鎖に共有結合した構造を有するポリアミド酸不飽和エステル、ポリアミド酸不飽和アミド、ポリアミド酸に炭素−炭素二重結合を有するアミン化合物を混合して、カルボキシル基とアミノ基のイオン結合により炭素−炭素二重結合を導入したものなどが挙げられる。炭素−炭素不飽和二重結合は、アクリロイル基又はメタクリロイル基の形で含まれることが好ましい。
【0016】
これらの中で、本発明で使用する(B)成分と組み合わせ用いることにより優れた感度と現像時間の短縮が図れることから、下記一般式(II)で示される繰り返し単位を有するポリアミド酸不飽和エステルが好ましいものとして挙げられる。
【化3】
Figure 0004122609
(式中、Rは4価の有機基、R’は2価、3価または4価の有機基、R”は炭素−炭素二重結合を有する1価の有機基、Aは酸性を示す1価の基、nは0,1または2である)
【0017】
一般式(II)で示される繰り返し単位において、Rで示される4価の有機基は、通常、ジアミンと反応してポリイミド前駆体を形成することができるテトラカルボン酸又はその誘導体の残基であり、硬化して得られるポリイミド膜の機械特性、耐熱性及び接着性の観点から、炭素数4以上の4価の有機基であることが好ましい。炭素数4以上の4価の有機基の中では、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環等)を含む総炭素数6〜30の有機基であることがより好ましい。また、テトラカルボン酸の4つのカルボキシル基の結合部位は、芳香環のオルト位又はペリ位に存在する2つの結合部位を1組として、その2組からなることが好ましい。なお、1分子のポリアミド酸エステル中、複数存在する前記繰り返し単位において、全てのRは、同じであってもよく異なっていてもよい。
【0018】
一般式(II)において、nが1または2であるものは、塩基性水溶液に対する溶解性に優れる点で好ましい。Aで示される酸性を示す基としては、スルホン酸基(−SO3H)、スルフィン酸基(−SO2H)、カルボキシル基(−COOH)及びフェノール性水酸基のいずれかとすることが良好な可溶性を示すので好ましく、カルボキシル基及びフェノール性水酸基が、ポリイミド前駆体の合成が容易なのでより好ましい。なお、1分子のポリアミド酸エステル中、複数存在する前記繰り返し単位において、全てのAは、同じであってもよく異なっていてもよい。
また、nが0である場合において、塩基性水溶液に対する溶解性を付与するために、前記一般式(II)の繰り返し単位以外に、前記一般式(IV)で示される繰り返し単位のR’が水素原子の単位を有すること、すなわちポリアミド酸の部分エステルであることが好ましい。
【0019】
一般式(II)において、酸性を示す基Aの結合している基R’は、通常、テトラカルボン酸又はその誘導体と反応してポリイミド前駆体を形成できるジアミン残基であり、硬化して得られるポリイミド膜の機械特性、耐熱性及び接着性の観点から、芳香族環を含む有機基であることが好ましく、硬化して得られるポリイミド膜の機械特性、耐熱性及び接着性の観点から、芳香族環を含む総炭素数6〜30の有機基であることがより好ましい。なお、ポリイミド前駆体分子中、複数存在する前記繰り返し単位において、全てのR’は、同じであってもよく異なっていてもよい。
【0020】
前記一般式(II)において、R”で示される炭素−炭素二重結合を有する基としては、下記一般式
【化4】
Figure 0004122609
(但し、R5、R6及びR7は、各々独立に、水素、アルキル基、フェニル基、ビニル基及びプロペニル基から選択された基であり、R8は2価の有機基を示す)で表される有機基が高感度の感光性を付与できるため好ましい。前記アルキル基としては炭素原子数1〜4のものが挙げられる。また、R8で示される2価の有機基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素原子数1〜20のアルキレン基が挙げられる。
これらの中で、メタクリロイルオキシアルキル基及びアクリロイルオキシアルキル基(アルキルの炭素数が1〜20のもの)は、高い感度を実現するのみならず、合成も容易であるため本発明に好適である。
前記ポリアミド酸エステルは、前記一般式(II)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。
【0021】
本発明のポリイミド前駆体において、一般式(II)で示される繰り返し単位の割合としては、nが1または2である場合は全繰り返し単位中のモル百分率で、10〜100モル%であることが、塩基性水溶液での現像性及び良好なパターン形状のバランスに優れるので好ましく、80〜100モル%であることがより好ましい。この調整は、材料として使用するテトラカルボン酸二無水物、ジアミン、炭素−炭素二重結合含有化合物の種類と量により調整することが可能である。
また、nが0である場合は、一般式(II)で示される繰り返し単位の割合としては、10〜100モル%であることが、パターン形状に優れるので好ましく、30〜100モル%であることがより好ましく、塩基性水溶液での現像性を与えるためには、それ以外の単位、例えば、ポリアミド酸の繰り返し単位が、15〜50モル%であることが好ましい。
【0022】
前記ポリアミド酸エステルは、テトラカルボン酸二無水物と不飽和基を有するヒドロキシ基含有化合物を混合して反応させ、テトラカルボン酸のハーフエステルを製造した後、塩化チオニルにより酸クロリド化し、ついで、ジアミンと反応させる方法や、前記テトラカルボン酸ハーフエステルをカルボジイミド類を縮合剤としてジアミンと反応させる酸クロライド法、カルボジイミド縮合剤を用いる方法、イソイミド法等により合成することができる。
【0023】
前記テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、オキシジフタル酸、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、スルホニルジフタル酸、m−ターフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、p−ターフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス{4’−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス{4’−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}プロパン、下記一般式(III)
【化5】
Figure 0004122609
(式中、R9及びR10は、各々独立に一価の炭化水素基を示し、sは1以上の整数である)で表されるテトラカルボン酸等の芳香族テトラカルボン酸の二無水物が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0024】
また、一般式(II)で示される繰り返し単位におけるジアミン残基のうちnが1または2のもの(R’−(A)n)を与えるジアミンとしては、3,5−ジアミノ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアミノビフェニル、3,4−ジアミノ安息香酸、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,3−ジアミノ−4−ヒドロキシピリジン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,4−ジアミノフェノール、2,4−ジアミノ安息香酸、3−カルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、3−カルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,5,5’−テトラカルボキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3−カルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−カルボキシ−4−アミノフェニル)プロパン等が挙げられる。
【0025】
一般式(II)で示される繰り返し単位において、nが0のジアミン残基を与えるジアミンとしては、4,4’−(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−、2,2’−)ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−、2,2’−)ジアミノジフェニルメタン、4,4’−(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−、2,2’−)ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−、2,2’−)ジアミノジフェニルスルフィド、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、o−トリジン,o−トリジンスルホン、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジイソプロピルアニリン)、2,4−ジアミノメシチレン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ベンゾフェノンジアミン、ビス−{4−(4’−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス{4−(4’−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス{4−(3’−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0026】
その他、ジアミン残基としては接着性向上のために、下記一般式(IV)
【化6】
Figure 0004122609
(式中、R11及びR12は二価の炭化水素基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R13及びR14は一価の炭化水素基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよく、tは1以上の整数である)で表されるジアミノポリシロキサン等のジアミンを使用することもできる。R11及びR12としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、フェニレン基等のアリーレン基、それらの結合基などが挙げられ、R13及びR14としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基などが挙げられる。これらを用いる場合、全アミン成分に対して、1〜30モル%用いることが好ましい。
【0027】
また、ジアミンとして、耐熱性向上のために、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル−3−スルホンアミド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル−4−スルホンアミド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル−3’−スルホンアミド、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル−4−スルホンアミド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル−3−カルボキサミド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル−4−カルボキサミド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル−3’−カルボキサミド、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル−4−カルボキサミド等のスルホンアミド基又はカルボキサミド基を有するジアミン化合物を使用することもできる。これらを用いる場合、全アミン成分に対して、1〜30モル%用いることが好ましい。
これらの、ジアミンは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0028】
本発明において、ポリイミド前駆体(A)の分子量としては、イミド化後の硬化膜特性の点から、重量平均分子量で、10,000〜200,000が好ましく、15,000〜80,000がより好ましい。これらの範囲外では、機械強度や現像性が劣る傾向にある。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)で測定し、ポリスチレン換算で算出することができる。
【0029】
本発明で使用する光開始剤(B)である前記一般式(I)で表されるヘキサアリールビイミダゾール化合物において、R1、R2、R3及びR4は各々独立に、炭素原子数1〜5のアルキル基、すなわちメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基であるが、これらのうち、炭素原子数1〜3のものが好ましく、何れもがメチル基であるものが特に好ましい。
具体的には、2,2−ビス(2−フルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラキス(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2−ビス(2−フルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラキス(3−エトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2−ビス(2−フルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラキス(3−プロポキシフェニル)ビイミダゾール等が挙げられる。
なお、これらのビイミダゾール化合物は、市販品を使用することもできるし、L.A.CesconらによるJournal of Organic Chemistry,36,2262−2267(1971)等の文献に記載の方法により調製することもできる。
【0030】
前記一般式(I)で表されるヘキサアリールビイミダゾール化合物の含有量は、ポリイミド前駆体(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部とすることが好ましく、0.1〜10重量部とすることがより好ましく、0.5〜6重量部とすることがより好ましい。
【0031】
さらに本開始剤系に、特開昭61−123603号公報、特開平5−239116号公報などにみられる、メルカプト化合物、アミン化合物、アリールグリシン系化合物などの水素供与体を加えることにより、さらに高感度化することが可能となる。水素供与体として特に好ましい化合物としては、アリールグリシン系化合物及びメルカプト化合物が挙げられる。
【0032】
前記アリールグリシン系化合物としては、N−フェニルグリシン(NPG)、N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−(p−ブロモフェニル)グリシン、N−(p−シアノフェニル)グリシン、N−(p−メチルフェニル)グリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−(p−ブロモフェニル)−N−メチルグリシン、N−(p−クロロフェニル)−N−エチルグリシン等が挙げられる。また前記メルカプト化合物としては、メルカプトベンゾキサゾール、メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、メルカプトベンゾイミダゾール、2,5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、1−フェニル−5−メルカプト−1H−テトラゾ−ル、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール等が挙げられる。
水素供与体の含有量は、ポリイミド前駆体(A)100重量部に対して、0.1〜15重量部とすることが好ましく、1〜10重量部にすることがより好ましい。
【0033】
本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物の光開始剤系として、必要に応じて増感剤を含有してもよい。増感剤としては、例えば、7−N,N−ジエチルアミノクマリン、7−ジエチルアミノ−3−テノニルクマリン、3,3’−カルボニルビス(7−N,N−ジエチルアミノ)クマリン、3,3’−カルボニルビス(7−N,Nージメトキシ)クマリン、3−チエニルカルボニル−7−N,N−ジエチルアミノクマリン、3−ベンゾイルクマリン、3−ベンゾイル−7−N,N−メトキシクマリン、3−(4’−メトキシベンゾイル)クマリン、3,3’−カルボニルビス−5,7−(ジメトキシ)クマリン、ベンザルアセトフェノン、4’−N,Nージメチルアミノベンザルアセトフェノン、4’−アセトアミノベンザル−4−メトキシアセトフェノン、ジメチルアミノベンゾフェノン、ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(N−エチル,N−メチル)ベンゾフェノン等が挙げられる。増感剤を使用する場合、その使用量は、ポリイミド前駆体(A)100重量部に対して、0.1〜2.0重量部とすることが好ましい。
【0034】
本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物には、さらに、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物を含有させることが好ましい。このような化合物としては、常圧において100℃以上の沸点を有する付加重合性化合物が、より良好なパターンを形成できるので好ましい。ここで、常圧において沸点が100℃より低いものでは系内に含有する溶剤を乾燥等によって除去する際または活性光線を照射する際、前記付加重合性化合物が揮散して特性上好ましくない。前記付加重合性化合物は有機溶剤に可溶なものが好ましい。
【0035】
このような付加重合性化合物としては、多価アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とを縮合して得られる化合物、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート(ジアクリレートまたはジメタクリレートの意味、以下同じ)、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ(1,2−プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、トリ(1,2−プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、テトラ(1,2−プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等)、スチレン、ジビニルベンゼン、4−ビニルトルエン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
これらの常圧において100℃以上の沸点を有する付加重合性化合物は、(A)成分100重量部に対して5〜50重量部の割合で使用することが好ましい。
【0036】
本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物は、通常、各成分が有機溶剤中に溶解又は分散されている。使用される有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、トルエン、クロロホルム、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロペンタノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N−ベンジル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、スルホラン、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、Nーアセチル−ε−カプロラクタム、ジメチルイミダゾリジノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等が好適な例として挙げられる。これらは単独で用いても良いし、混合系として用いることも可能である。その使用量に特に制限はないが、一般に組成物の総量に対して10〜90重量%であることが好ましい。
【0037】
本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物は他の添加物、例えば、可塑剤、接着促進剤等の添加物を含有しても良い。
本発明のパターン製造法は、前記の感光性ポリイミド前駆体組成物を用いて、フォトリソグラフィ技術により該組成物の硬化物からなるポリイミド膜を形成するものである。
本発明のパターン製造法では、まず、支持基板表面に本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物からなる被膜が形成される。なお、本発明のパターン製造法では、被膜または加熱硬化後のポリイミド被膜と支持基板との接着性を向上させるため、あらかじめ支持基板表面を接着助剤で処理しておいてもよい。
【0038】
感光性ポリイミド前駆体組成物からなる被膜は、例えば、感光性ポリイミド前駆体組成物のワニスの膜を形成した後、これを乾燥させることにより形成される。ワニスの膜の形成は、ワニスの粘度などに応じて、スピンナを用いた回転塗布、浸漬、噴霧印刷、スクリーン印刷などの手段から適宜選択された手段により行う。 なお、被膜の膜厚は、塗布条件、本組成物の固形分濃度等によって調節できる。また、あらかじめ支持体上に形成した被膜を支持体から剥離してポリイミド前駆体組成物からなるシートを形成しておき、このシートを上記支持基板の表面に貼り付けることにより、上述の被膜を形成してもよい。
【0039】
つぎに、この被膜に、所定のパターンのフォトマスクを介して光(紫外線等)を照射した後、有機溶剤または塩基性水溶液により未露光部を溶解除去して、所望のレリーフパターンを得る。本発明の組成物は、露光に用いる光源としてi線を用いても良好なレリーフパターンを得ることができる。現像工程は、通常のポジ型フォトレジスト現像装置を用いて行ってもよい。現像に用いる溶液としては、有機溶媒を用いることもできるが、耐環境性等の面から、塩基性水溶液が好ましいものとして挙げられる。
【0040】
有機溶媒としては、γ−ブチロラクトン、シクロペンタノン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、これらの混合溶液などが挙げられる。
塩基性水溶液は、通常、塩基性化合物を水に溶解した溶液である。塩基性化合物の濃度は、通常0.1〜50重量%とするが、支持基板等への影響などから好ましく、0.1〜30重量%とすることがより好ましい。なお、ポリイミド前駆体の溶解性を改善するため、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の水溶性有機溶媒を、さらに含有していてもよい。
【0041】
上記塩基性化合物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムイオンの、水酸化物または炭酸塩や、アミン化合物などが挙げられ、具体的には、2−ジメチルアミノエタノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、4−ジメチルアミノ−1−ブタノ−ル、5−ジメチルアミノ−1−ペンタノ−ル、6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノ−ル、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノ−ル、3−ジメチルアミノ−2,2−ジメチル−1−プロパノ−ル、2−ジエチルアミノエタノ−ル、3−ジエチルアミノ−1−プロパノ−ル、2−ジイソプロピルアミノエタノ−ル、2−ジ−n−ブチルアミノエタノ−ル、N,N−ジベンジル−2−アミノエタノ−ル、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノ−ル、2−(2−ジエチルアミノエトキシ)エタノ−ル、1−ジメチルアミノ−2−プロパノ−ル、1−ジエチルアミノ−2−プロパノ−ル、N−メチルジエタノ−ルアミン、N−エチルジエタノ−ルアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−アミノブタノール、2−アミノ−1−ブタノール、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、テトラメチルアンモニムウヒドロキシド、テトラエチルアンモニムウヒドロキシド、テトラプロピルアンモニムウヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニムウヒドロキシド、アミノメタノ−ル、2−アミノエタノ−ル、3−アミノプロパノ−ル、2−アミノプロパノ−ル、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミンなどを用いることが好ましいが、水に可溶であり、水溶液が塩基性を呈するものであれば、これら以外の化合物を用いても構わない。
【0042】
得られたレリーフパターンは、好ましくは150℃〜450℃の範囲から選ばれた温度で加熱処理することにより、ポリイミドからなるパターンとすることができる。このパターンは、高解像度であり、また、耐熱性が高く、機械特性に優れる。
【0043】
支持基板上に塗布し乾燥する工程では、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えばTiO2、SiO2等)、窒化ケイ素などの支持基板上に、この感光性重合体組成物をスピンナーなどを用いて回転塗布後、ホットプレート、オーブンなどを用いて乾燥する。
【0044】
次いで、露光工程では、支持基板上で被膜となった感光性重合体組成物に、マスクを介して紫外線、可視光線、放射線などの活性光線を照射する。これらのうち、高い解像度のパターンを形成できるので、中でもi線(365nmの単色光)を用いた露光が好ましい。
現像工程では、露光部を現像液で除去することによりレリーフパターンが得られる。現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,ケイ酸ナトリウム,アンモニア,エチルアミン,ジエチルアミン,トリエチルアミン,トリエタノールアミン,テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアルカリ水溶液があげられる。これらの水溶液の塩基濃度は、0.1〜10重量%とされることが好ましい。
【0045】
さらに上記現像液にアルコール類や界面活性剤を添加して使用することもできる。これらはそれぞれ、現像液100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲で配合することができる。
次いで、加熱処理工程では、得られたレリーフパターンに好ましくは150〜450℃の加熱処理をすることにより、イミド環や他に環状基を持つ耐熱性ポリイミドのレリーフパターンになる。
【0046】
本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物は、半導体装置や多層配線板等の電子部品に使用することができ、具体的には、半導体装置の表面保護膜や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜等の形成に使用することができる。
本発明の半導体装置は、前記組成物を用いて形成される表面保護膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。
【0047】
本発明の半導体装置の製造工程の一例を以下に説明する。
図1は多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。図において、回路素子を有するSi基板等の半導体基板は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層が形成されている。前記半導体基板上にスピンコート法等で層間絶縁膜としてのポリイミド樹脂等の膜4が形成される(工程(a))。
【0048】
次に塩化ゴム系またはフェノールノボラック系の感光性樹脂層5が前記層間絶縁膜4上にスピンコート法で形成され、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁膜4が露出するように窓6Aが設けられている(工程(b))。
前記窓6Aの層間絶縁膜4は、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段によって選択的にエッチングされ、窓6Bがあけられている。ついで窓6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光樹脂層5が完全に除去される(工程(c))。
【0049】
さらに公知の写真食刻技術を用いて、第2導体層7を形成させ、第1導体層3との電気的接続が完全に行われる(工程(d))。
3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を形成することができる。
【0050】
次に表面保護膜8が形成される。この図の例では、この表面保護膜を前記感光性重合体組成物をスピンコート法にて塗布、乾燥し、所定部分に窓6Cを形成するパターンを描いたマスク上から光を照射した後、現像液にて現像してパターンを形成し、加熱してポリイミド膜とする。このポリイミド膜は、導体層を外部からの応力、α線などから保護するものであり、得られる半導体装置は信頼性に優れる。
なお、上記例において、層間絶縁膜を本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物を用いて形成することも可能であり、これによりレジスト塗布及びエッチング工程を省略することができる。
【0051】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明する。
合成例1 ポリイミド前駆体の合成
(1)酸クロライドの合成
200mlの四つ口フラスコに、3,3’,4,4’ービフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)9.42g(0.032モル)、2ーヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)8.32g(0.064モル)、ピリジン5.06g(0.064モル)、tーブチルカテコール0.03g、Nーメチルー2ーピロリドン(NMP)70mlを入れ60℃で攪拌すると、2時間で透明な溶液になった。この溶液を室温でその後7時間攪拌した後、フラスコを氷で冷却し、塩化チオニル9.88g(0.083モル)を10分で滴下した。その後室温で1時間攪拌し、酸クロライドを含む溶液を得た。
【0052】
(2)ポリイミド前駆体(ポリアミド酸エステル)の合成
別の200mlの四つ口フラスコに、3,5ージアミノ安息香酸4.72g(0.031モル)、ピリジン5.06g(0.064モル)、tーブチルカテコール0.03g、Nーメチルー2ーピロリドン(NMP)50ml入れフラスコを氷で冷却し攪拌しながら(10℃以下を保って)、上記で得た酸クロライド溶液を1時間でゆっくりと滴下した。その後室温で1時間攪拌し、1リットルの水へ投入して、析出したポリマを濾取して水で2度洗い、真空乾燥したところ、ポリアミド酸エステルが22g得られた。このポリアミド酸エステルの重量平均分子量をGPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィー)で測定したところ、ポリスチレン換算で44,000であった。
【0053】
(3)ヘキサアリールビイミダゾール化合物の調製
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビスイミダゾール(Cl−HABI)については市販のものを、2,2−ビス(2−フルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラキス(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール(3−MeO−F−HABI)については、L.A.CesconらによるJ.Org.Chem.,36,2262−2267(1971)記載の方法により合成した。
2−(2−フルオロフェニル)−4,5−ビス(3−メトキシフェニル)イミダゾール(3.45g)に、N−メチルピロリドン20gを加えて室温で撹拌しながら溶解させる。これにフェリシアン化カリウム6.0gおよび水酸化ナトリウム3.6gを水100mlに溶解した液を、反応温度10〜20℃に保ちながら、ゆっくりと滴下する。滴下後さらに10時間室温で撹拌を続ける。反応終了後、反応物をろ過し水で洗浄し、乾燥する。アセトン−メタノールにより再結晶し目的とする2,2−ビス(2−フルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラキス(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール(3−MeO−F−HABI) を得た。
純度:99%(HPLC)
融点:90℃(DSC)、極大吸収波長λmax:268(アセトニトリル中)
【0054】
実施例1及び比較例
(1)ポリイミド前駆体組成物の調製
得られたポリイミド前駆体10gをγ−ブチロラクトン16g、シクロペンタノン2gに溶解し、テトラエチレングリコールジアクリレート2.5g及び表1に示す感光剤を配合した後、3μm孔のフィルタを用いて加圧濾過して、溶液状の感光性ポリイミド前駆体組成物を得た。
【0055】
【表1】
Figure 0004122609
感光性ポリイミド前駆体100重量部に対しての配合量
MBT:メルカプトベンゾチアゾール
EAB:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
【0056】
(2)パターンの形成
実施例1及び比較例で調製した感光性ポリイミド前駆体組成物を、シリコンウエハ上に回転塗布し、ホットプレート上90℃で200秒加熱して14μm厚の塗膜を得た。この塗膜をi線ステッパにより40(mJ/cm2)ステップで40〜360(mJ/cm2)、また100(mJ/cm2)ステップで100〜900(mJ/cm2)露光を行った。その際マスクパターンには、解像性評価のための開口パターンと細線密着性評価のための島残しのパターンの2種類を用いて評価した。その後2.38または8.10重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で浸漬現像を行い、さらに水でリンスした。
現像後のパターンの膜厚と形状を測定、観察した。そこで残膜として、膜厚7μmを得るために必要な露光量(mJ/cm2)を感度(E1/2)及び開口・島残しパターンで解像度8μmを得るために必要な露光量(mJ/cm2)を実用感度として表2に示した。
【0057】
【表2】
Figure 0004122609
【0058】
実施例2
実施例1で得られたパターンを用いて、窒素雰囲気下で、100℃で30分間、200℃で30分間、350℃で60分間加熱し、ポリイミドパターンを得た。得られたポリイミドパターンの膜厚は7.0μmであり、良好なポリイミドパターンが得られた。
【0059】
実施例3
(1)ポリイミド前駆体組成物の調製
得られたポリマ10gをγ−ブチロラクトン16g、シクロペンタノン2gに溶解し、テトラエチレングリコールジメタクリレート2.0g及び表3に示す感光剤を配合した後、3μm孔のフィルタを用いて加圧濾過して、溶液状の感光性ポリイミド前駆体組成物を得た。
【0060】
【表3】
Figure 0004122609
感光性ポリイミド前駆体100重量部に対しての光開始剤の配合量
【0061】
(2)パターンの形成
実施例3(1)で調製した感光性ポリイミド前駆体組成物を、シリコンウエハ上に回転塗布し、ホットプレート上90℃で200秒加熱して15μm厚の塗膜を得た。この塗膜をi線ステッパにより40(mJ/cm2)ステップで40〜360(mJ/cm2)露光を行った。その後シクロペンタノンで浸漬現像を行い、さらにエタノールで段階的にリンスした。
現像後のパターンの膜厚と形状を測定、観察した。そこで残膜として、膜厚7μmを得るために必要な露光量(mJ/cm2)を感度(E1/2)及び開口パターンで解像度6μmを得るために必要な露光量(mJ/cm2)を実用感度として表4に示した。
【0062】
【表4】
Figure 0004122609
【0063】
実施例5
実施例4で得られたパターンを用いて、窒素雰囲気下で、100℃で30分間、200℃で30分間、350℃で60分間加熱し、ポリイミドパターンを得た。得られたポリイミドパターンの膜厚は7.5μmであり、良好なポリイミドパターンが得られた。
表2及び表4から明らかなように、本発明の感光性組成物は、比較例における従来型の開始剤Cl−HABIを用いた組成物に比べて、2〜3倍の感度を有し、より少ない露光量で充分なパターニング特性が得られる。
【0064】
【発明の効果】
請求項1〜5記載の感光性ポリイミド前駆体組成物は、特に感度、解像度および細線密着性に優れ、低露光量でも形状に優れる良好なパターンが得られるものである。さらにクロル原子をもたない光開始剤を用いるため、半導体製造工程において非常に有用である。
【0065】
請求項6及び7記載のパターンの製造法によれば、優れた感光特性(感度、解像度、特に細線密着性)を有し、低露光量でも形状に優れる良好なパターンが得られると共に、さらに優れた硬化膜特性(耐熱性、耐薬品性等)を示すポリイミドパターンが製造可能である。さらにその一部は、アルカリ水溶液で良好な現像が実現できる。
請求項8又は9記載の電子部品は、良好な形状のポリイミドパターンを表面保護膜または層間絶縁膜として有することにより、信頼性が高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。
【符号の説明】
1…半導体基板、 2…保護膜、 3…第1導体層、 4…層間絶縁膜層、
5…感光樹脂層、 6A、6B、6C…窓、 7…第2導体層、 8…表面保護膜層

Claims (9)

  1. (A)光重合可能な炭素−炭素二重結合を有するポリイミド前駆体及び(B)一般式(I)
    Figure 0004122609
    (式中、R1、R2、R3及びR4は、各々独立に炭素原子1〜5のアルキル基である)で表わされるヘキサアリールビイミダゾール化合物を含有してなる感光性ポリイミド前駆体組成物。
  2. (B)成分が、一般式(I)のR1、R2、R3及びR4がメチル基であるヘキサアリールビイミダゾール化合物である請求項1記載の感光性ポリイミド前駆体組成物。
  3. (A)成分100重量部に対して、(B)成分0.1〜20重量部を用いる請求項1又は2記載の感光性ポリイミド前駆体組成物。
  4. さらに、(C)少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する化合物を含有する請求項1、2又は3記載の感光性ポリイミド前駆体組成物。
  5. (C)成分の量が、(A)成分100重量部に対して5〜50重量部である請求項4記載の感光性ポリイミド前駆体組成物。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の感光性ポリイミド前駆体組成物を用いて被膜を形成する工程、該被膜に所定のパターンのマスクを介して光を照射する工程、及び該光照射後の被膜を有機溶媒または塩基性水溶液を用いて現像する工程を含むパターンの製造法。
  7. 現像する工程が、塩基性水溶液を用いて現像するものである請求項6記載のパターンの製造法。
  8. 請求項6又は7記載の製造法により得られるパターンを表面保護膜として有してなる電子部品。
  9. 請求項6又は7記載の製造法により得られるパターンを層間絶縁膜として有してなる電子部品。
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