JPH11338141A - 感光性ポリイミド前駆体組成物及びそれを用いたパターンの製造法 - Google Patents

感光性ポリイミド前駆体組成物及びそれを用いたパターンの製造法

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JPH11338141A
JPH11338141A JP14788598A JP14788598A JPH11338141A JP H11338141 A JPH11338141 A JP H11338141A JP 14788598 A JP14788598 A JP 14788598A JP 14788598 A JP14788598 A JP 14788598A JP H11338141 A JPH11338141 A JP H11338141A
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JP
Japan
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polyimide precursor
precursor composition
photosensitive polyimide
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JP14788598A
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Inventor
Takahiro Hidaka
敬浩 日高
Makoto Kaji
誠 鍛治
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HD MicroSystems Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical DuPont Microsystems Ltd
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 優れた感光特性(感度、解像度)を有し、低
露光量でも形状に優れる良好なパターンが得られる感光
性ポリイミド前駆体組成物及び優れた耐熱性、耐薬品性
を示すポリイミド膜パターンが製造可能なパターンの製
造法を提供する。 【解決手段】 光重合可能な炭素−炭素二重結合を有す
るポリイミド前駆体並びに光開始剤系として下記一般式
(I)で表わされるヘキサアリールビイミダゾール化合
物と(II)で表わされるアリールグリシン系化合物及び
この感光性ポリイミド前駆体組成物を用いて被膜を形成
し、光照射後の被膜を塩基性水溶液を用いて現像する工
程を含むパターンの製造法。 (式(I)中、X、Y及びZは、水素原子、アルキル
基、ハロゲン原子などであり、pは、1〜7の整数、q
及びrは、1〜5の整数である)(式(II)中、R
水素原子又はアルキル基、Rは、水素原子、アルキル
基、ハロゲン原子など、sは1〜5の整数である)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子の表面
コート膜等の保護膜や薄膜多層配線基板の層間絶縁膜等
に好適な感光性ポリイミド前駆体組成物及びこの組成物
を用いたパターンの製造法に関し、特に、塩基性水溶液
により現像するのに好適な感光性ポリイミド前駆体組成
物及びパターンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐熱性高分子を得るための感光性
耐熱材料としては、特公平5−67026号公報に記載
されている、芳香族テトラカルボン酸二無水物をオレフ
ィン不飽和アルコールと反応させてオレフィン芳香族テ
トラカルボン酸ジエステルを合成し、この化合物とジア
ミンとをカルボジイミドを用いた脱水縮合反応により重
合させ、共有結合で感光基を導入したものや、特公昭6
3−31939号公報に記載されている、芳香族テトラ
カルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物を反応さ
せ、イオン結合で感光基を導入したものなどが知られて
いる。
【0003】これらの技術はいずれも、適当な有機溶媒
に溶解したワニス状態で基板に塗布し、乾燥して被膜と
した後に、適当なフォトマスクを介して紫外線を照射し
て露光部を光硬化させ、有機溶媒を用いて現像およびリ
ンスすることにより、ネガ型のレリーフパターンを得て
いる。
【0004】これらの材料以外に、水性の液により現像
可能な材料として、例えば、ポリアミド酸のカルボキシ
ル基に、ナフトキノンジアジドスルホニルアミド基を導
入したポジ型のポリマが提案されている(特開平6−2
58835号公報)。このポリマは、光照射によりナフ
トキノンジアジドスルホニルアミド基がカルボキシル基
に変化するため、露光部が塩基性水溶液に可溶化する特
徴を有しており、ポジ型の感光材料として用いることが
可能である。しかしながら、このようなポジ型の感光性
ポリイミド前駆体組成物では、高感度でパターン形状に
優れ、実用に供する性能を有するものが得られていない
のが現状である。
【0005】ところで、これらの感光性ポリイミド前駆
体は、耐熱性、機械特性に優れる芳香族系モノマに基本
骨格を用いており、そのポリイミド前駆体自体の吸収の
ため、紫外領域での透光性が低く、露光部における光化
学反応を充分効果的に行うことができず、低感度であっ
たり、パターンの形状が悪化するという問題があった。
また、最近では、半導体の高集積化に伴い、加工ルール
が益々小さくなり、より高い解像度が求められる傾向に
ある。
【0006】そのため、従来の平行光線を用いるコンタ
クト/プロキシミテイ露光機から、ミラープロジェクシ
ョンと呼ばれる1:1投影露光機、さらにステッパと呼
ばれる縮小投影露光機が用いられるようになってきてい
る。ステッパは、超高圧水銀灯の高出力発振線、エキシ
マレーザのような単色光を利用するものである。これま
でステッパとしては、超高圧水銀灯のg−lineと呼ばれ
る可視光(波長:435nm)を使ったg線ステッパが主
流であったが、さらに加工ルール微細化の要求に対応す
るため、使用するステッパの波長を短くすることが必要
である。そのため、使用する露光機は、g線ステッパ
(波長:435nm)からi線ステッパ(波長:365n
m)に移行しつつある。
【0007】また、半導体素子の高密度実装方式である
LOC(リードオンチップ)に対応して表面保護用ポリ
イミド膜はさらに厚膜のものが求められているが、厚膜
の場合には、透過性が低い問題はさらに深刻になる。こ
のため、i線ステッパによる照度が非常に低くなる底部
においても充分な感度を有し、良好なパターン形状の得
られる感光性ポリイミドが強く求められている。これは
ネガ型感光性ポリイミド前駆体組成物でも同様である。
【0008】そこで光開始剤には、高感度で内部硬化性
にも優れた特性を有するものが求められている。高感度
開始剤として従来よりよく用いられている化合物に、ヘ
キサアリールビイミダゾール化合物がある。例えば特開
昭61−123603号公報では、ヘキサアリ−ルビイ
ミダゾールの他に、3−ケト置換クマリン化合物および
複素環式チオール化合物を用いた高感度光開始剤系が開
示されている。
【0009】しかしながら、ネガ型感光性ポリイミド前
駆体組成物の光開始剤として前記ヘキサアリールビイミ
ダゾール化合物を用いた場合、特に塩基性水溶液に対す
る未露光部の溶解性が低くなり現像時間が長くなるとい
う欠点が見られた。これはパターン形成のプロセス上好
ましくないばかりでなく、パターンの形状の悪化を招く
要因にもなっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】請求項1〜4記載の発
明は、優れた感光特性(感度、解像度)を有し、低露光
量でも形状に優れる良好なパターンが得られる感光性ポ
リイミド前駆体組成物を提供するものである。請求項5
及び6記載の発明は、優れた感光特性(感度、解像度)
を有し、低露光量でも形状に優れる良好なパターンが得
られると共に、優れた耐熱性、耐薬品性を示すポリイミ
ド膜パターンが製造可能なパターンの製造法を提供する
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)光重合
可能な炭素−炭素二重結合を有するポリイミド前駆体並
びに(B)光開始剤系として (b1)一般式(I)
【化4】 (式中、X、Y及びZは、各々独立に、水素原子、アル
キル基、ハロゲン原子、トリハロメチル基、ニトロ基、
アルコキシ基又はCOR1若しくはCOOR2(R1及び
2は各々独立にアルキル基である)で示される基であ
り、pは、1〜7の整数であり、q及びrは、各々独立
に、1〜5の整数である)で表わされるヘキサアリール
ビイミダゾール化合物と (b2)一般式(II)
【化5】 (式中、R3は水素原子又はアルキル基、R4は、水素原
子、アルキル基、ハロゲン原子又はアルコキシ基、sは
1〜5の整数である)で表わされるアリールグリシン系
化合物又は芳香族メルカプト化合物とを含有してなる感
光性ポリイミド前駆体組成物に関する。
【0012】また本発明は、前記の光重合可能な炭素−
炭素二重結合を有するポリイミド前駆体が、一般式(II
I)
【化6】 (式中、Rは4価の有機基、R′は芳香族環を含む3価
または4価の有機基、R″は炭素−炭素二重結合を有す
る1価の有機基、Aは酸性を示す1価の基、nは1また
は2である)で示される繰り返し単位を有するものであ
る感光性ポリイミド前駆体組成物に関する。
【0013】また本発明は、(A)成分100重量部に
対して、(b1)成分を0.1〜10重量部、(b2)
成分を0.1〜15重量部含有する前記の感光性ポリイ
ミド前駆体組成物に関する。また本発明は、さらに、常
圧において100℃以上の沸点を有する付加重合性化合
物を5〜50重量部の割合で含有する前記の感光性ポリ
イミド前駆体組成物に関する。
【0014】また本発明は、前記の感光性ポリイミド前
駆体組成物を用いて被膜を形成する工程、該被膜に所定
のパターンのマスクを介して光を照射する工程、及び該
光照射後の被膜を有機溶媒または塩基性水溶液を用いて
現像する工程を含むパターンの製造法に関する。さらに
本発明は、前記の現像する工程が、塩基性水溶液を用い
て現像するものであるパターンの製造法に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、光開始剤(B)として
前記一般式(I)で示される特定のヘキサアリールビイ
ミダゾール化合物(b1)と前記一般式(II)で示され
るアリールグリシン系化合物又は芳香族メルカプト化合
物(b2)とを併用することを特長とし、これにより、
高感度及び高解像度を達成することができる。
【0016】前記一般式(I)で表されるヘキサアリー
ルビイミダゾール化合物において、X、Y及びZは、各
々独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、トリ
ハロメチル基、ニトロ基、アルコキシ基又はCOR1
しくはCOOR2(R1及びR2は各々独立にアルキル基
である)で示される基である。ここで、アルキル基とし
ては、メチル基、エチル基等の炭素原子数が1〜5のも
のが挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エ
トキシ基等の炭素原子数が1〜5のものが挙げられ、ハ
ロゲンとしてはフッ素、塩素、ヨウ素が挙げられる。
【0017】これらのヘキサアリールビイミダゾール化
合物の具体例としては、4,5−ジフェニル−2−(1
−ナフチル)−ビイミダゾール、4,5−ビス(3−メ
トキシフェニル)−2−(1−ナフチル)ビイミダゾー
ル、4,5−ビス(3−エトキシフェニル)−2−(1
−ナフチル)ビイミダゾール、4,5−ビス(3−クロ
ロフェニル)−2−(1−ナフチル)ビイミダゾール、
4,5−ビス(3−メチルフェニル)−2−(1−ナフ
チル)ビイミダゾール、4,5−ビス(3−フルオロフ
ェニル)−2−(1−ナフチル)ビイミダゾール、4−
(3,4−ジメトキシフェニル)−5−(2−クロロフ
ェニル)−2−(ナフチル)ビイミダゾール、4−
(3,4−ジメトキシフェニル)−5−(3−クロロフ
ェニル)−2−(ナフチル)ビイミダゾール、4,5−
ジフェニル−2−(2−メトキシ−1−ナフチル)ビイ
ミダゾール、4,5−ジフェニル−2−(2−フルオロ
−1−ナフチル)ビイミダゾール、4,5−ジフェニル
−2−(2−クロロ−1−ナフチル)ビイミダゾール、
4,5−ジフェニル−2−(2−ブロモ−1−ナフチ
ル)ビイミダゾール、4,5−ビス(3−メトキシフェ
ニル)−2−(2−クロロ−1−ナフチル)ビイミダゾ
ール等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組
み合わせて使用される。
【0018】これらの中で、感光特性の点で、置換基を
有するフェニル基又は置換基を有するナフチル基を有す
るものが好ましいものとして挙げられ、中でも4,5−
ビス(3−メトキシフェニル)−2−(1−ナフチル)
ビイミダゾールや4−(3,4−ジメトキシフェニル)
−5−(3−クロロフェニル)−2−(ナフチル)ビイ
ミダゾール、4,5−ジフェニル−2−(2−メトキシ
−1−ナフチル)ビイミダゾールが好ましく、特に、
4,5−ビス(3−メトキシフェニル)−2−(1−ナ
フチル)ビイミダゾールが優れた感光特性を示すので好
ましい。これらの化合物は、例えば、L.A.Cesconらによ
るJ.Org.Chem., 36,2262-2267(1971)記載の方法により
調製することができる。ヘキサアリールビイミダゾール
化合物(b1)の含有量は、ポリイミド前駆体(A)1
00重量部に対して、0.1〜10.0重量部とするこ
とが好ましく、0.3〜8.0重量部とすることがより
好ましい。
【0019】本発明は開始剤成分として、上記ヘキサア
リールビイミダゾール化合物(b1)と共に、水素供与
体として、前記一般式(II)で示されるアリールグリシ
ン系化合物又は芳香族メルカプト化合物(b2)を併用
する。前記一般式(II)において、R3及びR4としての
アルキル基及びアルコキシ基としては、炭素原子数1〜
5のものが挙げられる。具体的なアリールグリシン系化
合物としては、N−フェニルグリシン、N−(p−クロ
ロフェニル)グリシン、N−(p−ブロモフェニル)グ
リシン、N−(p−シアノフェニル)グリシン、N−
(p−メチルフェニル)グリシン、N−メチル−N−フ
ェニルグリシン、N−(p−ブロモフェニル)−N−メ
チルグリシン、N−(p−クロロフェニル)−N−エチ
ルグリシン等が好ましいものとして挙げられる。
【0020】また、芳香族メルカプト化合物としては、
メルカプトベンゾキサゾール、メルカプトベンゾチアゾ
ール、メルカプトベンゾイミダゾール、2,5−ジメル
カプト−1,3,4−チアジアゾール、1−フェニル−
5−メルカプト−1H−テトラゾール、5−メチル−
1,3,4−チアジアゾール、3−メルカプト−4−メ
チル−4H−1,2,4−トリアゾール等の複素環を含
むものが好ましいものとして挙げられる。これらの(b
2)成分の組成物中の含有量は、ポリイミド前駆体
(A)100重量部に対して、0.1〜15重量部とす
ることが好ましく、1〜10重量部にすることがより好
ましい。
【0021】本発明では、重合体成分として、光重合可
能な炭素−炭素二重結合を有するポリイミド前駆体
(A)が用いられる。光重合可能な炭素−炭素二重結合
を有するこのようなポリイミド前駆体としては、光重合
可能な炭素−炭素二重結合を有する化合物がポリアミド
酸の側鎖に共有結合した構造を有するポリアミド酸不飽
和エステル、ポリアミド酸不飽和アミド、ポリアミド酸
に炭素−炭素二重結合を有するアミンがイオン結合によ
り導入されたものなどが挙げられる。炭素−炭素不飽和
二重結合は、アクリロイル基又はメタクリロイル基の形
で含まれることが好ましい。
【0022】これらの中で、塩基性水溶液に対する溶解
性に優れ、本発明で使用する(B)成分と組み合わせ用
いることにより優れた感度と現像時間の短縮が図れるこ
とから、前記一般式(III)で示される繰り返し単位を
有するポリアミド酸エステルが好ましいものとして挙げ
られる。
【0023】一般式(III)で示される繰り返し単位に
おいて、Rで示される4価の有機基は、通常、ジアミン
と反応してポリイミド前駆体を形成することができるテ
トラカルボン酸又はその誘導体の残基であり、硬化して
得られるポリイミド膜の機械特性、耐熱性及び接着性の
観点から、炭素数4以上の4価の有機基であることが好
ましい。炭素数4以上の4価の有機基の中では、芳香環
(ベンゼン環、ナフタレン環等)を含む総炭素数6〜3
0の有機基であることがより好ましい。また、テトラカ
ルボン酸の4つのカルボキシル基の結合部位は、芳香環
のオルト位又はペリ位に存在する2つの結合部位を1組
として、その2組からなることが好ましい。なお、1分
子のポリアミド酸エステル中、複数存在する前記繰り返
し単位において、全てのRは、同じであってもよく異な
っていてもよい。
【0024】一般式(III)において、Aで示される酸
性を示す基としては、スルホン酸基(−SO3H)、ス
ルフィン酸基(−SO2H)、カルボキシル基(−CO
OH)及びフェノール性水酸基のいずれかとすることが
良好な可溶性を示すので好ましく、カルボキシル基およ
びフェノール性水酸基が、ポリイミド前駆体の合成が容
易なのでより好ましい。なお、1分子のポリアミド酸エ
ステル中、複数存在する前記繰り返し単位において、全
てのAは、同じであってもよく異なっていてもよい。
【0025】一般式(III)において、酸性を示す基A
の結合している基R′は、通常、テトラカルボン酸又は
その誘導体と反応してポリイミド前駆体を形成できるジ
アミン残基であり、硬化して得られるポリイミド膜の機
械特性、耐熱性及び接着性の観点から、芳香族環を含む
有機基であることが好ましく、硬化して得られるポリイ
ミド膜の機械特性、耐熱性及び接着性の観点から、芳香
族環を含む総炭素数6〜30の有機基であることがより
好ましい。なお、ポリイミド前駆体分子中、複数存在す
る前記繰り返し単位において、全てのR′は、同じであ
ってもよく異なっていてもよい。
【0026】前記一般式(III)において、R″で示さ
れる炭素−炭素二重結合を有する基としては、下記一般
【化7】 (但し、R5、R6及びR7は、各々独立に、水素、アル
キル基、フェニル基、ビニル基及びプロペニル基から選
択された基であり、R8は2価の有機基を示す)で表さ
れる有機基が高感度の感光性を付与できるため好まし
い。前記アルキル基としては炭素原子数1〜4のものが
挙げられる。また、R8で示される2価の有機基として
は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素原
子数1〜20のアルキレン基が挙げられる。これらの中
で、メタクリロイルオキシアルキル基及びアクリロイル
オキシアルキル基(アルキルの炭素数が1〜20のも
の)は、高い感度を実現するのみならず、合成も容易で
あるため本発明に好適である。
【0027】前記ポリアミド酸エステルは、前記一般式
(III)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位を
含んでいてもよく、そのような例としては、前記一般式
(III)で示される繰り返し単位のAの酸性を示す基が
ない単位、前記一般式(III)で示される繰り返し単位
のR′が水素原子や感光性基を含まない有機基である単
位等が挙げられる。
【0028】本発明のポリイミド前駆体において、一般
式(III)で示される繰り返し単位の割合としては、全
繰り返し単位中のモル百分率で、10〜100モル%で
あることが、塩基性水溶液での現像性及び良好なパター
ン形状のバランスに優れるので好ましく、80〜100
モル%であることがより好ましい。この調整は、材料と
して使用するテトラカルボン酸二無水物、ジアミン、炭
素−炭素二重結合含有化合物の種類と量により調整する
ことが可能である。
【0029】前記ポリアミド酸エステルは、テトラカル
ボン酸二無水物と不飽和基を有するヒドロキシ基含有化
合物を混合して反応させ、テトラカルボン酸のハーフエ
ステルを製造した後、塩化チオニルにより酸クロリド化
し、ついで、ジアミンと反応させる方法や、前記テトラ
カルボン酸ハーフエステルをカルボジイミド類を縮合剤
としてジアミンと反応させる方法等により合成すること
ができる。
【0030】前記テトラカルボン酸二無水物としては、
例えば、オキシジフタル酸、ピロメリット酸、3,
3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、
1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,
3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,
5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,5,6
−ピリジンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリ
レンテトラカルボン酸、スルホニルジフタル酸、m−タ
ーフェニル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸、
p−ターフェニル−3,3′,4,4′−テトラカルボ
ン酸、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,
2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジ
カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス{4′−
(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェ
ニル}プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2,2−ビス{4′−(2,3−又は3,4−ジ
カルボキシフェノキシ)フェニル}プロパン、下記一般
式(IV)
【化8】 (式中、R9及びR10は、各々独立に一価の炭化水素基
を示し、uは1以上の整数である)で表されるテトラカ
ルボン酸等の芳香族テトラカルボン酸の二無水物が挙げ
られ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使
用される。
【0031】また、一般式(III)で示される繰り返し
単位におけるジアミン残基(R′−(A)n)を与えるジ
アミンとしては、3,5−ジアミノ安息香酸、4,4′
−ジヒドロキシ−3,3′−ジアミノビフェニル、3,
4−ジアミノ安息香酸、3,3′−ジヒドロキシ−4,
4′−ジアミノビフェニル、2,3−ジアミノ−4−ヒ
ドロキシピリジン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3
−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,4−
ジアミノフェノール、2,4−ジアミノ安息香酸、3−
カルボキシ−4,4′−ジアミノジフェニルエ−テル、
3,3′−ジカルボキシ−4,4′−ジアミノジフェニ
ルエ−テル、3−カルボキシ−4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタン、3,3′−ジカルボキシ−4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン、3,3′−ジカルボキシ−
4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′,5,5′−
テトラカルボキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、3
−カルボキシ−4,4′−ジアミノジフェニルスルホ
ン、3,3′−ジカルボキシ−4,4′−ジアミノジフ
ェニルスルホン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2,2−ビス(3−カルボキシ−4−アミノフェ
ニル)プロパン等が挙げられる。
【0032】一般式(III)で示される繰り返し単位以
外の繰り返し単位を与えるジアミンとしては、4,4′
−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′−、2,
2′−)ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−(又
は3,4′−、3,3′−、2,4′−、2,2′−)
ジアミノジフェニルメタン、4,4′−(又は3,4′
−、3,3′−、2,4′−、2,2′−)ジアミノジ
フェニルスルホン、4,4′−(又は3,4′−、3,
3′−、2,4′−、2,2′−)ジアミノジフェニル
スルフィド、パラフェニレンジアミン、メタフェニレン
ジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジ
アミン、o−トリジン、o−トリジンスルホン、4,
4′−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリ
ン)、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジイソプ
ロピルアニリン)、2,4−ジアミノメシチレン、1,
5−ジアミノナフタレン、4,4′−ベンゾフェノンジ
アミン、ビス−{4−(4′−アミノフェノキシ)フェ
ニル}スルホン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、
2,2−ビス{4−(4′−アミノフェノキシ)フェニ
ル}プロパン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミ
ノジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトラメチ
ル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、ビス{4−
(3′−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、2,
2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン等が挙げら
れ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用
される。
【0033】その他、ジアミン残基としては接着性向上
のために、下記一般式(V)
【化9】 (式中、R11及びR12は二価の炭化水素基を示し、それ
ぞれ同一でも異なっていてもよく、R13及びR14は一価
の炭化水素基を示し、それぞれ同一でも異なっていても
よく、tは1以上の整数である)で表されるジアミノポ
リシロキサン等のジアミンを使用することもできる。R
11及びR12としては、メチレン基、エチレン基、プロピ
レン基等のアルキレン基、フェニレン基等のアリーレン
基、それらの結合基などが挙げられ、R13及びR14とし
ては、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基
等のアリール基などが挙げられる。これらを用いる場
合、全アミン成分に対して、1〜30モル%用いること
が好ましい。
【0034】また、ジアミンとして、耐熱性向上のため
に、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル−3−スル
ホンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル−
4−スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテル−3′−スルホンアミド、3,3′−ジアミノジ
フェニルエーテル−4−スルホンアミド、4,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル−3−カルボキサミド、3,
4′−ジアミノジフェニルエーテル−4−カルボキサミ
ド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル−3′−カ
ルボキサミド、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル
−4−カルボキサミド等のスルホンアミド基又はカルボ
キサミド基を有するジアミン化合物を使用することもで
きる。これらを用いる場合、全アミン成分に対して、1
〜30モル%用いることが好ましい。これらの、ジアミ
ンは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0035】本発明において、ポリイミド前駆体(A)
の分子量としては、イミド化後の硬化膜特性の点から、
重量平均分子量で、10,000〜200,000が好
ましく、15,000〜80,000がより好ましい。
これらの範囲外では、機械強度や現像性が劣る傾向にあ
る。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエ
ーション・クロマトグラフィー)で測定し、ポリスチレ
ン換算で算出することができる。
【0036】本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物に
は、さらに、常圧において100℃以上の沸点を有する
付加重合性化合物を用いることが、より良好なパターン
を形成できるので好ましい。ここで、常圧において沸点
が100℃より低いものでは系内に含有する溶剤を乾燥
等によって除去する際または活性光線を照射する際、前
記付加重合性化合物が揮散して特性上好ましくない。前
記付加重合性化合物は有機溶剤に可溶なものが好まし
い。
【0037】このような付加重合性化合物としては、多
価アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とを縮合して
得られる化合物、例えば、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート(ジアクリレートまたはジメタクリレ
ートの意味、以下同じ)、トリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジ(1,2−プロピレングリコ
ール)ジ(メタ)アクリレート、トリ(1,2−プロピ
レングリコール)ジ(メタ)アクリレート、テトラ
(1,2−プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレ
ート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール
ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート等)、スチレン、ジビニルベンゼン、
4−ビニルトルエン、4−ビニルピリジン、N−ビニル
ピロリドン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、1,3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロ
キシプロパン、メチレンビスアクリルアミド、N,N−
ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラ
メチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙
げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使
用される。
【0038】本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物
は、通常、各成分が有機溶剤中に溶解又は分散されてい
る。使用される有機溶剤としては、例えば、アセトン、
メチルエチルケトン、ジエチルケトン、トルエン、クロ
ロホルム、メタノール、エタノール、1−プロパノー
ル、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノー
ル、t−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
シクロペンタノン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロ
リドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N−ベンジル
−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスル
ホキシド、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、スルホラン、ヘキサメチレンホスホルトリアミ
ド、N−アセチル−ε−カプロラクタム、ジメチルイミ
ダゾリジノン、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等が好適
な例として挙げられる。これらは単独で用いても良い
し、混合系として用いることも可能である。
【0039】本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物
は、必要に応じて増感剤を含有してもよい。増感剤とし
ては、例えば、7−N,N−ジエチルアミノクマリン、
7−ジエチルアミノ−3−テノニルクマリン、3,3′
−カルボニルビス(7−N,N−ジエチルアミノ)クマ
リン、3,3′−カルボニルビス(7−N,N−ジメト
キシ)クマリン、3−チエニルカルボニル−7−N,N
ージエチルアミノクマリン、3−ベンゾイルクマリン、
3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(4′−
メトキシベンゾイル)クマリン、3,3′−カルボニル
ビス−5,7−(ジメトキシ)クマリン、ベンザルアセ
トフェノン、4′−N,N−ジメチルアミノベンザルア
セトフェノン、4′−アセトアミノベンザル−4−メト
キシアセトフェノン、7−ジメチルアミノシクロペンタ
[c]クマリン、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマ
リン、4,6−ジメチル−7−エチルアミノクマリン等
クマリン化合物や、4,4′−ビス(N,N−ジメチル
アミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビスジアミノベン
ゾフェノン、4,4′−ビス(N,N−ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(エチルメチルア
ミノ)ベンゾフェノン等のジアミノベンゾフェノン誘導
体などが挙げられる。本発明の感光性ポリイミド前駆体
組成物は、さらに他の添加物、例えば、可塑剤、接着促
進剤等の添加物を含有してもよい。
【0040】本発明のパターン製造法は、前記の感光性
ポリイミド前駆体組成物を用いて、フォトリソグラフィ
技術により該組成物の硬化物からなるポリイミド膜を形
成するものである。本発明のパターン製造法では、ま
ず、支持基板表面に本発明の感光性ポリイミド前駆体組
成物からなる被膜が形成される。なお、本発明のパター
ン製造法では、被膜または加熱硬化後のポリイミド被膜
と支持基板との接着性を向上させるため、あらかじめ支
持基板表面を接着助剤で処理しておいてもよい。
【0041】感光性ポリイミド前駆体組成物からなる被
膜は、例えば、感光性ポリイミド前駆体組成物のワニス
の膜を形成した後、これを乾燥させることにより形成さ
れる。ワニスの膜の形成は、ワニスの粘度などに応じ
て、スピンナを用いた回転塗布、浸漬、噴霧印刷、スク
リーン印刷などの手段から適宜選択された手段により行
う。 なお、被膜の膜厚は、塗布条件、本組成物の固形
分濃度等によって調節できる。また、あらかじめ支持体
上に形成した被膜を支持体から剥離してポリイミド前駆
体組成物からなるシートを形成しておき、このシートを
上記支持基板の表面に貼り付けることにより、上述の被
膜を形成してもよい。
【0042】つぎに、この被膜に、所定のパターンのフ
ォトマスクを介して光(紫外線等)を照射した後、有機
溶剤または塩基性水溶液により未露光部を溶解除去し
て、所望のレリーフパターンを得る。本発明の組成物
は、露光に用いる光源としてi線を用いても良好なレリ
ーフパターンを得ることができる。現像工程は、通常の
ポジ型フォトレジスト現像装置を用いて行ってもよい。
現像に用いる溶液としては、塩基性水溶液が好ましいも
のとして挙げられる。
【0043】得られたレリーフパターンは、好ましくは
150℃〜450℃の範囲から選ばれた温度で加熱処理
することにより、ポリイミドからなるパターンとするこ
とができる。このパターンは、高解像度であり、また、
耐熱性が高く、機械特性に優れる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 合成例1 ポリイミド前駆体の合成 (1)酸クロライドの合成 200mlの四つ口フラスコに、3,3′,4,4′−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)9.4
2g(0.032モル)、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート(HEMA)8.32g(0.064モル)、
ピリジン5.06g(0.064モル)、t−ブチルカ
テコール0.03g、N−メチル−2−ピロリドン(N
MP)70mlを入れ、60℃で攪拌すると、2時間で透
明な溶液になった。この溶液を室温でその後7時間攪拌
した後、フラスコを氷で冷却し、塩化チオニル9.88
g(0.083モル)を10分で滴下した。その後室温
で1時間攪拌し、酸クロライドを含む溶液を得た。
【0045】(2)ポリイミド前駆体(ポリアミド酸エ
ステル)の合成 別の200mlの四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安
息香酸4.72g(0.031モル)、ピリジン5.0
6g(0.064モル)、t−ブチルカテコール0.0
3g、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)50mlを
入れフラスコを氷で冷却し攪拌しながら(10℃以下を
保って)、上記で得た酸クロライド溶液を1時間でゆっ
くりと滴下した。その後室温で1時間攪拌し、1リット
ルの水へ投入して、析出したポリマを濾取して水で2度
洗い、真空乾燥したところ、ポリアミド酸エステルが2
2g得られた。このポリアミド酸エステルの重量平均分
子量をGPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィ
ー)で測定したところ、ポリスチレン換算で44,00
0であった。
【0046】実施例1〜5及び比較例1〜3 (1)ポリイミド前駆体組成物の調製 合成例1で得られたポリマ10gをγ−ブチロラクトン
16g、シクロペンタノン2gに溶解し、テトラエチレ
ングリコールジアクリレート2.5g及び表1又は表2
に示す感光剤を配合した後、3μm孔のフィルタを用い
て加圧濾過して、溶液状の感光性ポリイミド前駆体組成
物を得た。
【0047】なお、表1及び表2における感光剤は、メ
ルカプトベンゾキサゾール(MBOと略す)、N−フェ
ニルグリシン(NPGと略す)については市販のものを
使用した。また、4,5−ジフェニル−2−(1−ナフ
チル)−ビイミダゾール(Naphthyl−HABIと略
す)、4,5−ビス(3−メトキシフェニル)−2−
(1−ナフチル)ビイミダゾール(DDNBと略す)、
4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5−(3−クロ
ロフェニル)−2−(ナフチル)ビイミダゾール(DP
NBと略す)及び4,5−ジフェニル−2−(2−メト
キシ−1−ナフチル)ビイミダゾール(MNLDと略
す)については、L.A.CesconらによるJ.Org.Chem., 36,
2262-2267(1971)記載の方法により調製されたものを使
用した。
【0048】(2)パターンの製造 各実施例及び比較例で調製した感光性ポリイミド前駆体
組成物を、シリコンウエーハ上に回転塗布し、ホットプ
レート上80℃で200秒加熱して10μm厚の塗膜を
得た。この塗膜をi線ステッパにより40(mJ/cm2)ス
テップで40〜360(mJ/cm2)、100(mJ/cm2)ス
テップで100〜900(mJ/cm2)露光を行った。その
後2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド水溶液で浸漬現像を行い、さらに水でリンスした。そ
の際の現像時間は、塗膜の溶解時間の1.7倍とした。
現像後のパターン形状を測定、観察し、そこで得られた
感度及び解像度を表1及び表2に示した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】(3)ポリイミドパターンの製造 実施例1〜5で得られたパターンを用いて、窒素雰囲気
下で、100℃で30分間、200℃で30分間、35
0℃で60分間加熱し、ポリイミドパターンを得た。得
られたポリイミドパターンの膜厚は4.8μmであり、
良好なポリイミドパターンが得られた。表1及び表2か
ら、本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物は、比較例
の組成物に比べて感光特性に優れたものであることがわ
かる。
【0052】
【発明の効果】請求項1〜4記載の感光性ポリイミド前
駆体組成物は、優れた感光特性(感度、解像度)を有
し、低露光量でも形状に優れる良好なパターンが得られ
る。請求項5及び6記載のパターンの製造法によれば、
優れた感光特性(感度、解像度)を有し、低露光量でも
形状に優れる良好なパターンが得られると共に、優れた
耐熱性、耐薬品性を示すポリイミド膜パターンが製造可
能である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)光重合可能な炭素−炭素二重結合
    を有するポリイミド前駆体並びに(B)光開始剤系とし
    て (b1)一般式(I) 【化1】 (式中、X、Y及びZは、各々独立に、水素原子、アル
    キル基、ハロゲン原子、トリハロメチル基、ニトロ基、
    アルコキシ基又はCOR1若しくはCOOR2(R1及び
    2は各々独立にアルキル基である)で示される基であ
    り、pは、1〜7の整数であり、q及びrは、各々独立
    に、1〜5の整数である)で表わされるヘキサアリール
    ビイミダゾール化合物と (b2)一般式(II) 【化2】 (式中、R3は水素原子又はアルキル基、R4は、水素原
    子、アルキル基、ハロゲン原子又はアルコキシ基、sは
    1〜5の整数である)で表わされるアリールグリシン系
    化合物又は芳香族メルカプト化合物とを含有してなる感
    光性ポリイミド前駆体組成物。
  2. 【請求項2】 光重合可能な炭素−炭素二重結合を有す
    るポリイミド前駆体が、一般式(III) 【化3】 (式中、Rは4価の有機基、R′は芳香族環を含む3価
    または4価の有機基、R″は炭素−炭素二重結合を有す
    る1価の有機基、Aは酸性を示す1価の基、nは1また
    は2である)で示される繰り返し単位を有するものであ
    る請求項1記載の感光性ポリイミド前駆体組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分100重量部に対して、(b
    1)成分を0.1〜10重量部、(b2)成分を0.1
    〜15重量部含有する請求項1又は2記載の感光性ポリ
    イミド前駆体組成物。
  4. 【請求項4】 さらに、常圧において100℃以上の沸
    点を有する付加重合性化合物を5〜50重量部の割合で
    含有する請求項3記載の感光性ポリイミド前駆体組成
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の感光性ポ
    リイミド前駆体組成物を用いて被膜を形成する工程、該
    被膜に所定のパターンのマスクを介して光を照射する工
    程、及び該光照射後の被膜を有機溶媒または塩基性水溶
    液を用いて現像する工程を含むパターンの製造法。
  6. 【請求項6】 現像する工程が、塩基性水溶液を用いて
    現像するものである請求項5記載のパターンの製造法。
JP14788598A 1998-05-28 1998-05-28 感光性ポリイミド前駆体組成物及びそれを用いたパターンの製造法 Pending JPH11338141A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006282880A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Dainippon Printing Co Ltd 感光性樹脂組成物及び物品

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