JP6354240B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 - Google Patents
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Description
請求項1に係る発明は、
導電性基体と、前記導電性基体上に配置された下引層と、前記下引層上に配置された感光層と、を有し、
且つ最表面を構成する層が、連鎖重合性基を有する電荷輸送材料と、下記一般式(1−A)乃至(1−H)のいずれかで示される構造を有するパーフルオロポリエーテル化合物と、の重合物を含有する電子写真感光体である。
一般式(1−A)
A−O−CH 2 −CF 2 −O−[(CF 2 −CF 2 −O) l −(CF 2 −O) m ]−CF 2 −CH 2 −O−A
一般式(1−B)
A−O−(CH 2 −CH 2 −O) n −CH 2 −CF 2 −O−[(CF 2 −CF 2 −O) l −(CF 2 −O) m ]−CF 2 −CH 2 −(O−CH 2 −CH 2 ) n −O−A
一般式(1−C)
A−O−CH 2 −CH(−O−A)−CH 2 −O−CH 2 −CF 2 −O−[(CF 2 −CF 2 −O) l −(CF 2 −O) m ]−CF 2 −CH 2 −O−CH 2 −CH(−O−A)−CH 2 −O−A
一般式(1−D)
A−O−CH 2 −CF(CF 3 )−O−[(CF 2 −CF(CF 3 )−O) l −(CF 2 −CF 2 −O) m ]−CF(CF 3 )−CH 2 −O−A
一般式(1−E)
A−O−CH 2 −CF(CF 3 )−O−[(CF 2 −CF 2 −CF 2 −O) l −(CF 2 −CF 2 −O) m ]−CF(CF 3 )−CH 2 −O−A
一般式(1−F)
A−O−CH 2 −CF(CF 3 )−O−[(C(CF 3 ) 2 −O) l −(CF 2 −CF 2 −O) m ]−CF(CF 3 )−CH 2 −O−A
一般式(1−G)
A−O−CH 2 −CF 2 −O−[(CF 2 −CF 2 −CF 2 −O) l −(CF 2 −O) m ]−CF 2 −CH 2 −O−A
一般式(1−H)
A−O−CH 2 −CF 2 −O−[(CF(CF 3 )−CF 2 −O) l −(CF 2 −O) m ]−CF 2 −CH 2 −O−A
(一般式(1−A)乃至(1−H)において、Aはアクロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、アリル基、ビニル基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基、又はCH 2 =CH−C 6 H 5 −CH 2 −基の連鎖重合性基を表し、lおよびmはそれぞれ独立に0以上100以下の整数を表し、且つl+mは5以上150以下であり、nは0以上5以下の整数を表す。)
前記電荷輸送材料および前記パーフルオロポリエーテル化合物が、それぞれ独立に、アクロイル基、メタクリロイル基、およびスチリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の連鎖重合性基を有する請求項1に記載の電子写真感光体である。
前記最表面を構成する層が、フッ素含有樹脂粒子を含有する請求項1または請求項2に記載の電子写真感光体である。
前記フッ素含有樹脂粒子が、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびこれらの共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含む粒子である請求項3に記載の電子写真感光体である。
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジである。
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置である。
本実施形態に係る電子写真感光体(以下単に「感光体」とも称す)は、導電性基体と、前記導電性基体上に配置された下引層と、前記下引層上に配置された感光層と、を有する。そして、この感光体の最表面を構成する層が、連鎖重合性基を有する電荷輸送材料と、分子鎖の両末端それぞれに少なくとも1つ以上の連鎖重合性基を有するパーフルオロポリエーテル化合物と、の重合物を含有する。
これに対し、反応性官能基を一つ有するフッ素系の材料の場合には、最表面層中に分散され、維持性は改善するものの、クリーニング等の機械的なストレスにより表面より脱離しやすい。また、両末端に反応性官能基を有するフッ素系の材料の場合には、最表面層中のムラ、表面への保持性は改善されるものの、フッ素部分がパーフルオロポリエーテル構造でない場合、フッ素部分の分子鎖の長さが短くなり、摩擦係数の低減、耐汚染性の向上が達成し得ない。尚、一般にフッ素系材料の低摩擦係数、耐汚染性は、フッ素原子が膜表面に存在することにより発揮されるものであり、両末端に反応性官能基を有し、且つパーフルオロポリエーテル構造でなく、分子鎖の長さが短い場合には、両末端を固定されることで分子運動が抑制され、その結果その機能発現が低下しているものと推察される。
但し、従来においては、感光体は放電によって帯電して使用されるが、その際に電気的ストレス、オゾンなどの放電ガスによるストレスにより、表面の材料の劣化が起こり、結果として放電生成物と呼ばれる硝酸アンモニウムなどのイオン性物質を吸着しやすくなる。そのため、特に高湿下で水分を吸着し、表面抵抗が低下し、潜像にじみを生じ、結果として画像流れを生じやすかった。
尚、電気特性と強度とを備えた最表面層が得られる理由については、以下のように推測されるが、当該推測によって本実施形態は限定されない。
また、パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物の両末端に連鎖重合性基を有することから、パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物が強固に膜中に相分離することなく固定化され、且つパーフルオロポリエーテル構造がフレキシビリティーを有することから、フッ素元素が表面に現れやすいため、長期に渡って表面に防汚性を与え、長期に渡って摩擦係数を低減し得るものと考えられる。
なお、最表面層が保護層として機能する層である場合、この保護層の下層には、電荷輸送層および電荷発生層からなる感光層、または単層型感光層を有することとなる。
一方、最表面層が電荷輸送層として機能する層の場合、導電性基体上に、下引層、電荷発生層、および最表面層として電荷輸送層を有し、該電荷輸送層が前記重合物を含有する層である形態が挙げられる。
図2に示す電子写真感光体7Bにおいては、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に、電荷輸送層3、電荷発生層2、および保護層5が順次形成された構造を有するものである。電子写真感光体7Bにおいては、電荷輸送層3および電荷発生層2により感光層が構成されている。
まず、電子写真感光体7Aにおける最表面層である保護層5について説明する。
保護層は、電子写真感光体における最表面層であり、連鎖重合性基を有する電荷輸送材料と、分子鎖の両末端それぞれに少なくとも1つ以上の連鎖重合性基を有するパーフルオロポリエーテル化合物と、の重合物を含有する層である。
最表面層に含まれる重合物の原料となるパーフルオロポリエーテル化合物は、分子鎖の両末端それぞれに少なくとも1つ以上の連鎖重合性基を有する
連鎖重合性基としては、例えばアクロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、アリル基、ビニル基、ビニルエーテル基、アリルビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基およびそれらの誘導体等が挙げられる。
これらの中でも、特にアクロイル基、メタクリロイル基、およびスチリル基がより好ましい。
一般式(1)
−[(CF2)a−(CF(CF3))b−(C(CF3)2)c−O]−
(一般式(1)において、a、b、およびcはそれぞれ独立に0以上3以下の整数を表す。尚、a+b+cは1以上3以下である。)
式(I) −(CF2−O)−
式(II) −(CF2−CF2−O)−
式(III) −(CF2−CF2−CF2−O)−
式(IV) −(CF(CF3)−CF2−O)−
式(V) −(C(CF3)2−O)−
などが挙げられる。
・HO−CH2−CF2−O−[(CF2−CF2−O)l−(CF2−O)m]−CF2−CH2−OH (Z−DOL)
・HO−(CH2−CH2−O)n−CH2−CF2−O−[(CF2−CF2−O)l−(CF2−O)m]−CF2−CH2−(O−CH2−CH2)n−OH (Zdol−TX)
・HO−CH2−CH(OH)−CH2−O−CH2−CF2−O−[(CF2−CF2−O)l−(CF2−O)m]−CF2−CH2−O−CH2−CH(OH)−CH2−OH (Z−Tetraol)
・HO−CH2−CF(CF3)−O−[(CF2−CF(CF3)−O)l−(CF2−CF2−O)m]−CF(CF3)−CH2−OH
・HO−CH2−CF(CF3)−O−[(CF2−CF2−CF2−O)l−(CF2−CF2−O)m]−CF(CF3)−CH2−OH
・HO−CH2−CF(CF3)−O−[(C(CF3)2−O)l−(CF2−CF2−O)m]−CF(CF3)−CH2−OH
(上記の具体例において、lおよびmはそれぞれ独立に0以上100以下の整数を表し、且つl+mは5以上150以下であり、nは0以上5以下の整数を表す。)
一般式(1−A)
A−O−CH2−CF2−O−[(CF2−CF2−O)l−(CF2−O)m]−CF2−CH2−O−A
一般式(1−B)
A−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CF2−O−[(CF2−CF2−O)l−(CF2−O)m]−CF2−CH2−(O−CH2−CH2)n−O−A
一般式(1−C)
A−O−CH2−CH(−O−A)−CH2−O−CH2−CF2−O−[(CF2−CF2−O)l−(CF2−O)m]−CF2−CH2−O−CH2−CH(−O−A)−CH2−O−A
一般式(1−D)
A−O−CH2−CF(CF3)−O−[(CF2−CF(CF3)−O)l−(CF2−CF2−O)m]−CF(CF3)−CH2−O−A
一般式(1−E)
A−O−CH2−CF(CF3)−O−[(CF2−CF2−CF2−O)l−(CF2−CF2−O)m]−CF(CF3)−CH2−O−A
一般式(1−F)
A−O−CH2−CF(CF3)−O−[(C(CF3)2−O)l−(CF2−CF2−O)m]−CF(CF3)−CH2−O−A
(一般式(1−A)乃至(1−F)において、Aは連鎖重合性基を表し、lおよびmはそれぞれ独立に0以上100以下の整数を表し、且つl+mは5以上150以下であり、nは0以上5以下の整数を表す。)
この範囲の数平均分子量を有する化合物を用いることによって、最表面層形成用の組成物中において相溶性が良好となりやすく、求められる低摩擦性、耐汚染性を層表面に賦与し得る。数平均分子量Mnが500以上であることで、防汚性および潤滑性の向上効果が得られ、10,000以下であることで、相溶性が得られ、ムラの抑制された膜が得られる。
例えば、パーフルオロポリエーテル化合物のアルコール体と、ハロゲン化メチルスチレンを、ピリジン、ピペリジン、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン、トリメチルアミン、DBU、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基を用いて縮合させる方法が使用される。
パーフルオロポリエーテル化合物のアルコール体のアルコールに対し、アクリロイルクロライド、またはメタクリロイルクロライドを1当量以上、好ましくは1.2当量以上、より好ましくは1.5当量以上加えることが好ましく、塩基はアクリロイルクロライド、またはメタクリロイルクロライドに対し0.8当量以上2.0当量以下、好ましくは1.0当量以上1.5当量以下で用いられる。
・PFPE−1
A−O−CH2−CF2−O−[(CF2−CF2−O)l−(CF2−O)m]−CF2−CH2−O−A
・PFPE−2
A−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CF2−O−[(CF2−CF2−O)l−(CF2−O)m]−CF2−CH2−(O−CH2−CH2)n−O−A
・PFPE−3
A−O−CH2−CH(−O−A)−CH2−O−CH2−CF2−O−[(CF2−CF2−O)l−(CF2−O)m]−CF2−CH2−O−CH2−CH(−O−A)−CH2−O−A
・PFPE−4
A−O−CH2−CF2−O−[(CF2−CF2−CF2−O)l−(CF2−O)m]−CF2−CH2−O−A
・PFPE−5
A−O−CH2−CF2−O−[(CF(CF3)−CF2−O)l−(CF2−O)m]−CF2−CH2−O−A
まず、連鎖重合性基を有する電荷輸送材料について説明する。
電荷輸送性を有する構造としては、具体的には、フタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、アゾベンゼン系化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物、キノン系化合物、フルオレノン系化合物、などが挙げられる。
これらのうち、トリアリールアミン骨格を有するものが、電荷輸送性が高いため好ましい。より具体的には、特許2000−66424号公報、特許2004−302450号公報、特許2013−60572号公報、特許号2013−61640公報などに開示された化合物が例示されるが、これに限るものではない。
これらの中でも、特にアクロイル基、メタクリロイル基、スチリル基がより好ましい。
Fr−(D)n3 ……一般式(C)
一般式(C)中、Frは電荷輸送能を有する化合物から誘導される有機基(電荷輸送骨格)を表し、Dは、−(−R11−Z)n1(R12)n2−Y(但し、R11およびR12はそれぞれ独立に炭素数1以上5以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を表し、Zは酸素、NH、または硫黄原子を表し、Yは連鎖重合性基を表し、n1は0または1を表し、n2は0または1を表す。)、または炭素二重結合を持つ官能基を有する基を表し、n3は1以上4以下の整数を表す。
ArC5は置換若しくは無置換のアリール基、または置換若しくは無置換のアリーレン基を表す。
1官能のモノマーは、例えば、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、ヒドロキシエチルo−フェニルフェノールアクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテルアクリレート、スチレン、などが挙げられる。
3官能のモノマーは、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、脂肪族トリ(メタ)アクリレート、トリビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
4官能のモノマーは、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、脂肪族テトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
5官能以上のモノマーは、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の他、ポリエステル骨格、ウレタン骨格、フォスファゼン骨格を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なかでも、モビリティー、相溶性など点から、トリフェニルアミン骨格を有するものが望ましく、相溶性の観点から分子量は800以下、より好ましくは700以下のものがより好ましい。
最表面層は、更にフッ素含有樹脂粒子を含有してもよい。分子鎖の両末端それぞれに少なくとも1つ以上の連鎖重合性基を有するパーフルオロポリエーテル化合物を重合してなる重合物を含む最表面層に、更にフッ素含有樹脂粒子を含むことにより、フッ素含有樹脂粒子の分散性が向上し、より効果的に摩擦係数が低減される。
保護層(最表面層)5は、更に成膜性、可とう性、潤滑性、接着性を調整するなどの目的から、他のカップリング剤、特にフッ素含有のカップリング剤と混合して用いてもよい。このような化合物として、各種シランカップリング剤、および市販のシリコーン系ハードコート剤が用いられる。また、ラジカル重合性基を有するシリコン化合物、フッ素含有化合物を用いてもよい。
市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−8239(以上、信越化学工業社製)、AY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等が挙げられる。
ラジカル重合性基を有するシリコン化合物、フッ素含有化合物としては、特開2007−11005号公報に記載の化合物などが挙げられる。
劣化防止剤としては、ヒンダードフェノール系またはヒンダードアミン系が望ましく、有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤、などの公知の酸化防止剤や、ビスアルキルアミノトリフェニルメタンや、トリスアルキルアミノトリフェニルメタンなどのアミン系化合物を用いてもよい。
劣化防止剤の添加量としては20質量%以下が望ましく、10質量%以下がより望ましい。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、サノールLS2626、サノールLS765、サノールLS770、サノールLS744、チヌビン144、チヌビン622LD、マークLA57、マークLA67、マークLA62、マークLA68、マークLA63が挙げられ、チオエーテル系として、スミライザ−TPS、スミライザーTP−Dが挙げられ、ホスファイト系として、マーク2112、マークPEP−8、マークPEP−24G、マークPEP−36、マーク329K、マークHP−10等が挙げられる。
これらに連鎖重合性の官能基を導入し、特定の反応性基含有電荷輸送材料と硬化反応を行えるように変性してもよい。
この粒子の一例として、ケイ素含有粒子が挙げられる。ケイ素含有粒子とは、構成元素にケイ素を含む粒子であり、具体的には、コロイダルシリカおよびシリコーン粒子等が挙げられる。ケイ素含有粒子として用いられるコロイダルシリカは、平均粒径1nm以上100nm以下、好ましくは10nm以上30nm以下のシリカを、酸性若しくはアルカリ性の水分散液、またはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれる。該粒子としては一般に市販されているものを使用してもよい。
これらのシリコーン粒子は球状で、その平均粒径は好ましくは1nm以上500nm以下、より好ましくは10nm以上100nm以下である。シリコーン粒子は、化学的に不活性で、樹脂への分散性に優れる小径粒子であり、さらに十分な特性を得るために必要とされる含有量が低いため、架橋反応を阻害することなく、電子写真感光体の表面性状が改善される。すなわち、強固な架橋構造中に均一に取り込まれた状態で、電子写真感光体表面の潤滑性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐摩耗性、耐汚染物付着性が維持される。
表面層中のシリコーン粒子の含有量は、保護層5の全固形分全量を基準として、好ましくは0.1質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上10質量%以下である。
シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル;アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル;ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類;1,3,5−トリメチル−1.3.5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類;ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類;3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素含有シクロシロキサン類;メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサン等のヒドロシリル基含有シクロシロキサン類;ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン等のビニル基含有シクロシロキサン類等が挙げられる。
これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いる。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、固溶体や融着での混合でもよい。導電性粒子の平均粒径は保護層の透明性の点で0.3μm以下、特に0.1μm以下が好ましい。
保護層5を形成するために用いる組成物は、保護層形成用塗布液として調製されることが望ましい。
この保護層形成用塗布液は、無溶媒であってもよいし、必要に応じて、トルエン、キシレンなどの芳香族、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのセロソルブ系、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール系等の溶媒などの単独または混合溶媒を用いて調製される。
保護層形成用塗布液は、被塗布面を形成する電荷輸送層3の上に、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法、インクジェット塗布法等の通常の方法により塗布される。
その後、得られた塗膜に対して、光、電子線または熱を付与してラジカル重合を生起させて、該塗膜を重合、硬化させる。
電子線を用いる場合、加速電圧は300KV以下が好ましく、より好ましくは150KV以下である。また、線量は好ましくは1Mrad以上10Mrad以下の範囲、より好ましくは3Mrad以上50Mrad以下の範囲である。加速電圧が300KV以下であることで感光体特性に対する電子線照射のダメージが抑制される。また、線量が1Mrad以上であると架橋が十分となり、100Mrad以下であると感光体の劣化が抑制される。
照射は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、酸素濃度が1000ppm、好ましくは、500ppm以下で行い、さらに照射中、または、照射後に50℃以上150℃以下に加熱してもよい。
光源としては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプなどが用いられ、バンドパスフィルター等のフィルターを用いて好適な波長を選択する。照射時間、光強度は適宜選択されるが、例えば照度(365nm)は300mW/cm2以上、1000mW/cm2以下が好ましく、例えば600mW/cm2のUV光を照射する場合、5秒以上360秒以下照射すればよい。
照射は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、酸素濃度が1000ppm、好ましくは、500ppm以下で行い、さらに照射中、または、照射後に50℃以上150℃以下に加熱してもよい。
より具体的には、ベンジルケタール系として、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンが挙げられる。
また、アルキルフェノン系としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、アセトフェノン、2−フェニル−2−(p−トルエンスルフォニルオキシ)アセトフェノンが挙げられる。
アミノアルキルフェノン系としては、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モリホニル)フェニル]−1−ブタノンなどが挙げられる。
ホスフィノキサイド系としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンキサイドなどが挙げられる。
チタノセン系としては、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムなどが挙げられる。
オキシム系としては、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)などが挙げられる。
より具体的には、ベンゾフェノン系としては、2−ベンゾイル安息香酸、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
チオキサントン系としては、2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
ベンジル系としては、ベンジル、(±)−カンファーキノン、p−アニシルなどが挙げられる。
照射は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、酸素濃度が1000ppm、好ましくは、500ppm以下で行い、さらに照射中、または、照射後に50℃以上150℃以下に加熱してもよい。
熱重合開始剤としては、V−30、V−40、V−59、V601、V65、V−70、VF−096、VE−073、Vam−110、Vam−111(和光純薬製)、OTAzo−15、OTazo−30、AIBN、AMBN、ADVN、ACVA(大塚化学)等のアゾ系開始剤;パーテトラA、パーヘキサHC、パーヘキサC、パーヘキサV、パーヘキサ22、パーヘキサMC、パーブチルH,パークミルH、パークミルP、パーメンタH、パーオクタH、パーブチルC、パーブチルD、パーヘキシルD、パーロイルIB、パーロイル355、パーロイルL、パーロイルSA、ナイパーBW、ナイパーBMT−K40/M、パーロイルIPP、パーロイルNPP、パーロイルTCP、パーロイルOPP、パーロイルSBP、パークミルND、パーオクタND、パーヘキシルND、パーブチルND、パーブチルNHP、パーヘキシルPV、パーブチルPV、パーヘキサ250、パーオクタO、パーヘキシルO、パーブチルO、パーブチルL、パーブチル355、パーヘキシルI、パーブチルI、パーブチルE、パーヘキサ25Z、パーブチルA、パーへヘキシルZ、パーブチルZT、パーブチルZ(日油化学社製)、カヤケタールAM−C55、トリゴノックス36−C75、ラウロックス、パーカドックスL−W75、パーカドックスCH−50L、トリゴノックスTMBH、カヤクメンH、カヤブチルH−70、ペルカドックスBC−FF、カヤヘキサAD、パーカドックス14、カヤブチルC、カヤブチルD、カヤヘキサYD−E85、パーカドックス12−XL25、パーカドックス12−EB20、トリゴノックス22−N70、トリゴノックス22−70E、トリゴノックスD−T50、トリゴノックス423−C70、カヤエステルCND−C70、カヤエステルCND−W50、トリゴノックス23−C70、トリゴノックス23−W50N、トリゴノックス257−C70、カヤエステルP−70、カヤエステルTMPO−70、トリゴノックス121、カヤエステルO、カヤエステルHTP−65W、カヤエステルAN、トリゴノックス42、トリゴノックスF−C50、カヤブチルB、カヤカルボンEH−C70、カヤカルボンEH−W60、カヤカルボンI−20、カヤカルボンBIC−75、トリゴノックス117、カヤレン6−70(化薬アクゾ社製)、ルペロックス610、ルペロックス188、ルペロックス844、ルペロックス259、ルペロックス10、ルペロックス701、ルペロックス11、ルペロックス26、ルペロックス80、ルペロックス7、ルペロックス270、ルペロックスP、ルペロックス546、ルペロックス554、ルペロックス575、ルペロックスTANPO、ルペロックス555、ルペロックス570、ルペロックスTAP、ルペロックスTBIC、ルペロックスTBEC、ルペロックスJW、ルペロックスTAIC、ルペロックスTAEC、ルペロックスDC、ルペロックス101、ルペロックスF、ルペロックスDI、ルペロックス130、ルペロックス220、ルペロックス230、ルペロックス233、ルペロックス531(アルケマ吉富社製)などが挙げられる。
加熱は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、酸素濃度が1000ppm、好ましくは、500ppm以下で行い、50℃以上180℃以下、好ましくは70℃以上170℃以下で10分以上120分以下、好ましくは15分以上100分以下加熱する。
最表面層が電荷輸送層である場合、この層の厚みは、7μm以上70μm以下が望ましく、10μm以上60μm以下がより望ましい。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)または合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、および金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)または合金を塗布、蒸着またはラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸およびフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸およびフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/4n(nは上層の屈折率)から1/2λまでに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独でまたは複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図4に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、および二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
帯電装置8としては、例えば、導電性または半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触または非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤または二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図5に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
使用した電荷輸送材料を以下に示す。
(下引層の作製)
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m2/g)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業社製)1.3質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間)焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛110質量部を500質量部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、プルプリン誘導体1.0質量部を50質量部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてプルプリン誘導体を付与させた酸化亜鉛を濾別し、さらに60℃で減圧乾燥を行いプルプリン誘導体付与酸化亜鉛を得た。
このプルプリン誘導体酸化亜鉛60質量部と硬化剤(ブロック化イソシアネート、スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)13.5質量部とブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学社製)15質量部をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部とメチルエチルケトン25質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製)45質量部を添加し、下引層塗布液を得た。この塗布液を浸漬塗布法にて直径30mm、長さ340mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行い厚さ18μmの下引き層1を得た。Raは0.3μmであった。
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、n−酢酸ブチル200質量部からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn−酢酸ブチル175質量部、メチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層用の塗布液を得た。この電荷発生層用塗布液を下引層上に浸漬塗布し、100℃で5分間乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送層をCTM−(A):40質量部、CTM−(B):10質量部、およびバインダー(ビスフェノールZポリカーボネート)55質量部をクロルベンゼン800質量部に加えて溶解し,電荷輸送層用塗布液を得た。この塗布液を電荷発生層上に塗布し、130℃、45分の乾燥を行って膜厚が15μmの電荷輸送層を形成した。
CTM−3を30質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(A−TMPT、新中村化学社製)を15質量部、PFPE−(1)を3質量部、OTazo−15(大塚化学、分子量354.4)0.2質量部、BHTを0.1質量部をTHF20質量部、シクロペンチルメチルエーテル40質量部に溶解し、突き上げコートにて電荷輸送層上に塗布した。室温(20℃)で30分風乾した後、酸素濃度200ppmの窒素下で室温から10℃/分の速度で160℃まで昇温し、160℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚4μmの表面層(保護層)を形成した。これを感光体−1とする。
表面層組成において、OTazo−15を1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)0.5質量部に変え、表面層の塗布までは感光体−1と同様に行い、室温(20℃)で30分風乾した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:500mW/cm2、照射時間:60秒の条件で酸素濃度200ppmの窒素下で光照射を行ない塗布膜を硬化させた。更に150℃で20分乾燥を加え膜厚4μmの表面層(保護層)を形成した。これを感光体−2とする。
表面層組成において、OTazo−15を加えず、表面層の塗布までは感光体−1と同様に行い、室温(20℃)で30分風乾した後、酸素濃度20ppmの窒素下で感光体を300rpmの速度で回転させながら照射距離が30mm、電子線加速電圧が90kV、電子線ビーム電流が2mA、電子線照射時間が1.0秒の条件で感光体に電子線を照射した。照射後すぐに、酸素濃度20ppmの窒素下で150℃に加熱し、20分保持して硬化反応を完結させ、膜厚4μmの保護層を形成した。これを感光体−3とする。
表面層組成において、PFPE−(1)を加えなかった以外は、感光体−1と同様に行い比較感光体−1を得た。
電荷輸送層までは感光体−1と同様に作製した。この電荷輸送層上に、CTM−3を30質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(A−TMPT、新中村化学社製)を15質量部、PFPE−(1)を3質量部、OTazo−15(大塚化学、分子量354.4)0.2質量部、BHTを0.1質量部、ポリテトラフルオロエチレン(以下「PTFE」と言う)粒子(ルブロンL−2:ダイキン社製)5質量部、GF400(東亜合成社製)0.3質量部をTHF20質量部、シクロペンチルメチルエーテル40質量部に溶解し、超音波ホモジェナイザーで分散した。分散終了後、OTazo−15(大塚化学、分子量354.4)0.2質量部を加え、突き上げコートにて電荷輸送層上に塗布した。室温(20℃)で30分風乾した後、酸素濃度200ppmの窒素下で室温から10℃/分の速度で160℃まで昇温し、160℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚4μmの保護層を形成した。
電荷発生層までは感光体−1と同様に作製した。この電荷発生層上に、下記(表1、表2)の組成で電荷輸送層、保護層を感光体−1と同様に作製した。但し、PTFE粒子(ルブロンL−2:ダイキン社製)を加えた場合には感光体−4と同様に作製した。こうして、感光体−5〜14を作製した。
電荷発生層までは感光体−1と同様に作製した。この電荷発生層上に、下記(表2)の組成で電荷輸送層、保護層を感光体1と同様に作製した。但し、PTFE粒子(ルブロンL−2:ダイキン社製)を加えた場合には感光体−4と同様に作製した。こうして、比較感光体−2〜5を作製した。
感光体−1の電荷輸送層の膜厚を22μmとし、表面層を設けなかった以外は、感光体−1と同様に作製した。
上述のようにして作製した電子写真感光体を富士ゼロックス社製、ApeosPort−IV C55750に装着し、低温低湿(8℃、20%RH)および高温高湿(28℃、85%RH)において、以下の評価を連続して行なった。
ゴーストは、図6(A)に示したGと画像濃度50%の灰色領域を有するパターンのチャートをプリントし、50%の灰色部分にGの文字の現れ具合を目視にて評価した。
A:図6(A)のように良好または軽微である。
B:図6(B)のように若干目立つ
C:図6(C)のようにはっきり確認される。
カブリ評価は上述のゴースト評価と同じサンプルを用いて白地部のトナー付着程度を目視にて観察し判断した。
A:良好。
B:カブリあり。
スジ評価は上述のゴースト評価と同じサンプルを用いて白地部のトナー付着程度を目視にて観察し判断した。
A:スジの発生なし、または3本以下の軽微なスジ発生
B:3本を超え10本未満のスジが発生
C:10本以上の明瞭なスジが発生
黒点評価は上述のゴースト評価と同じサンプルを用いて白地部の点状の画質欠陥程度を目視にて観察し判断した。
A:発生なし、または5個未満の黒点発生
B:5個以上20個未満の黒点発生
C:20個以上の黒点発生
文字解像度評価は8ポイントサイズの文字「響」を印字し、解像度を目視にて観察し判断した。
A:図7Aのように良好。
B:図7Bのように若干の文字のつぶれあり。
C:図7Cのように解像度が明らかに不良。
画像流れは上述のゴースト評価と同じサンプルを用いて目視にて判断した。
A:良好。
B:連続的にプリントテストしている時は問題ないが1日(24時間)放置後に発生。
C:連続的にプリントテストしている時にも発生。
感光体表面付着評価はプリントテスト後の感光体表面を目視にて判断した。
A:良好。
B:部分的にスジ状に付着があり、感光体表面をイソプロパノールをしみ込ませた布で軽く拭くことで除去される。
C:全面にスジ状に付着があり、感光体表面をイソプロパノールをしみ込ませた布で軽く拭いても除去されない。
テストプリント中にブレード鳴き(感光体とクリーニングブレードとの摩擦により発生する音)グレードを評価した。
A:鳴きなし。
B:若干鳴きあり。
C:明らかに鳴きが聞こえる。
プリントテストの前後で、光学的膜厚測定装置(ライン干渉膜厚計)を用い、電子写真感光体の長手方向に、電子写真感光体の断面で見て0°、90°、180°、270°の4か所で膜厚測定を行い、この4か所の平均値をとり、プリントテスト前後の差から摩耗量を算出した。
プリントテスト後のブレードエッジをレーザー顕微鏡にて観察し、グレードを評価した。
A:均一に僅かに摩耗が見られる。
B:部分的に大きな摩耗が見られるが、トナーがクリーニング不良となることはないレベル。
C:部分的に大きな摩耗が見られ、クリーニング不良が発生するレベル。
Claims (6)
- 導電性基体と、前記導電性基体上に配置された下引層と、前記下引層上に配置された感光層と、を有し、
且つ最表面を構成する層が、連鎖重合性基を有する電荷輸送材料と、下記一般式(1−A)乃至(1−H)のいずれかで示される構造を有するパーフルオロポリエーテル化合物と、の重合物を含有する電子写真感光体。
一般式(1−A)
A−O−CH 2 −CF 2 −O−[(CF 2 −CF 2 −O) l −(CF 2 −O) m ]−CF 2 −CH 2 −O−A
一般式(1−B)
A−O−(CH 2 −CH 2 −O) n −CH 2 −CF 2 −O−[(CF 2 −CF 2 −O) l −(CF 2 −O) m ]−CF 2 −CH 2 −(O−CH 2 −CH 2 ) n −O−A
一般式(1−C)
A−O−CH 2 −CH(−O−A)−CH 2 −O−CH 2 −CF 2 −O−[(CF 2 −CF 2 −O) l −(CF 2 −O) m ]−CF 2 −CH 2 −O−CH 2 −CH(−O−A)−CH 2 −O−A
一般式(1−D)
A−O−CH 2 −CF(CF 3 )−O−[(CF 2 −CF(CF 3 )−O) l −(CF 2 −CF 2 −O) m ]−CF(CF 3 )−CH 2 −O−A
一般式(1−E)
A−O−CH 2 −CF(CF 3 )−O−[(CF 2 −CF 2 −CF 2 −O) l −(CF 2 −CF 2 −O) m ]−CF(CF 3 )−CH 2 −O−A
一般式(1−F)
A−O−CH 2 −CF(CF 3 )−O−[(C(CF 3 ) 2 −O) l −(CF 2 −CF 2 −O) m ]−CF(CF 3 )−CH 2 −O−A
一般式(1−G)
A−O−CH 2 −CF 2 −O−[(CF 2 −CF 2 −CF 2 −O) l −(CF 2 −O) m ]−CF 2 −CH 2 −O−A
一般式(1−H)
A−O−CH 2 −CF 2 −O−[(CF(CF 3 )−CF 2 −O) l −(CF 2 −O) m ]−CF 2 −CH 2 −O−A
(一般式(1−A)乃至(1−H)において、Aはアクロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、アリル基、ビニル基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基、又はCH 2 =CH−C 6 H 5 −CH 2 −基の連鎖重合性基を表し、lおよびmはそれぞれ独立に0以上100以下の整数を表し、且つl+mは5以上150以下であり、nは0以上5以下の整数を表す。) - 前記電荷輸送材料および前記パーフルオロポリエーテル化合物が、それぞれ独立に、アクロイル基、メタクリロイル基、およびスチリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の連鎖重合性基を有する請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記最表面を構成する層が、フッ素含有樹脂粒子を含有する請求項1または請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記フッ素含有樹脂粒子が、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびこれらの共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含む粒子である請求項3に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
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