JP2006143969A - プロピレンと共役ジエンとの共重合体の製造方法 - Google Patents

プロピレンと共役ジエンとの共重合体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006143969A
JP2006143969A JP2004339345A JP2004339345A JP2006143969A JP 2006143969 A JP2006143969 A JP 2006143969A JP 2004339345 A JP2004339345 A JP 2004339345A JP 2004339345 A JP2004339345 A JP 2004339345A JP 2006143969 A JP2006143969 A JP 2006143969A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copolymer
group
propylene
methyl
indenyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004339345A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Ishihara
毅 石原
The Ban Hoang
ホアン・テ・バン
Hideaki Hagiwara
英昭 萩原
Kenji Tsuchihara
健治 土原
Takeshi Shiono
毅 塩野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen Chemical Corp
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Sekiyu Kagaku KK, Tonen Chemical Corp, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical Tonen Sekiyu Kagaku KK
Priority to JP2004339345A priority Critical patent/JP2006143969A/ja
Publication of JP2006143969A publication Critical patent/JP2006143969A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

【課題】 得られる共重合体の分子量制御が容易であると共に、得られる共重合体が規則性を有するプロピレン連鎖を有し、炭素‐ケイ素結合を有し、かつその主鎖中に共役ジエンに由来する二重結合を有するところのプロピレンと共役ジエンとの共重合体を製造する方法を提供する。
【解決手段】 プロピレンと共役ジエンとを触媒及び連鎖移動剤の存在下に反応して、プロピレンと共役ジエンとの共重合体を製造する方法において、触媒が所定の架橋メタロセン化合物であり、かつ連鎖移動剤が所定のシラン化合物であることを特徴とする方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プロピレンと共役ジエンとの共重合体の製造方法に関する。
ポリオレフィン、とりわけポリプロピレンは、安価であると共に、優れた耐薬品性及びバランスの取れた機械的強度を有することから各種用途に使用されている。そして、夫々の用途に応じて適宜分子量を調節して、ポリオレフィンの適切な物性及び成形性を付与している。オレフィン重合において分子量を調節する方法としては、通常、重合中、反応系に水素を存在せしめて連鎖移動を制御する方法が知られている。しかし、ポリマーの分子量を大きく低下させるためには、多量の水素を使用する必要がある。水素は、重合反応に際して通常気相に存在する故、反応器への水素導入量が増大すると、それに伴って反応圧力も増大する。従って、連鎖移動剤として水素を使用する方法では、反応器の耐圧に依存して導入し得る水素量が決定され、それによりポリマーの分子量が制限されると言う欠点を有している。一方、反応器の耐圧を増加させれば著しいコスト高を生ずる。
オレフィン重合用の連鎖移動剤としては、上記水素の他、有機アルミニウム、有機亜鉛、ホウ素化合物、シラン化合物、硫黄化合物、スチレン誘導体と水素との組み合わせが知られている(非特許文献1〜5参照)。有機アルミニウム、有機亜鉛を使用すると、触媒の活性低下を招く可能性が高く、かつ残渣中に反応性の高いこれらの有機金属化合物が残存し、この処理が煩雑となる。ホウ素化合物をエチレン、スチレンの重合における連鎖移動剤として使用することが報告されている(非特許文献6参照)。しかし、プロピレンと共役ジエンとの共重合において、ホウ素化合物が連鎖移動反応を進行せしめることは報告されていない。プロピレンの単独重合終了後にポリマー末端の二重結合を利用して末端にホウ素化合物を導入することが報告されているに過ぎない(非特許文献7参照)。硫黄化合物は生成物中に混入して臭気の問題が生ずるばかりでなく、得られたポリマーの後処理及び他の材料との複合化に際して混入した硫黄化合物が副反応を生ずる。従って、硫黄化合物の利用は現実的に困難である。スチレン誘導体と水素との組み合わせは、水素のみを連鎖移動剤として使用するときと同じ問題が生ずる。
CGC触媒[例えば、ジメチルシリル(ターシャリーブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジメチル]を使用したプロピレン重合において、シラン化合物による連鎖移動反応が進行することが知られている。しかし、得られたポリプロピレンはアタクチックポリマーであり実用性がない。触媒系としてrac‐エチレンビスインデニルチタニウムジメチルを使用し、反応温度を−45℃まで低下させることで、シラン化合物を末端に有するイソタクチックポリプロピレンの合成に成功している(非特許文献8参照)。しかし、該方法は反応条件が過酷で実用性を欠く。
重合触媒としてニッケル、鉄及びコバルトより成る群から選択される金属の二座配位子の錯体を使用するオレフィンの重合方法であって、連鎖移動剤として、有効量の水素、CBr4又は式R1R2R3SiH(式中、R1及びR2はアルキルであり、そしてR3は水素又はアルキルである)の化合物を使用する方法が開示されている(特許文献1参照)。該方法においては、ニッケル、鉄及びコバルトより成る群から選択される金属の二座配位子の錯体重合触媒を使用する。周期表の第4族の遷移金属を含む架橋メタロセン化合物を使用するものではない。重合可能なオレフィンとしては、エチレン及びプロピレン等が挙げられているが、実施例においてはエチレンの単独重合のみが記載されているに過ぎない。プロピレンの単独重合に関する実施例はないが、該方法によれば、実用性のないアタクチックポリマーが得られることは周知である。また、プロピレンと共役ジエンとの共重合に関する記載はない。
触媒として、架橋メタロセン化合物、例えば、ジメチルシリルビス[2‐メチル‐ベンゾインデニル]ジルコニウムジクロリドを使用するプロピレンと共役ジエンとの共重合において、連鎖移動剤として水素を使用する方法が知られている(非特許文献9)。しかし、該方法において、種々の分子量を有する共重合体を製造するためには水素圧力を種々変化させる必要がある。とりわけ、比較的低分子量のポリプロピレンを製造するためには著しく高い水素圧力を使用しなければならない。従って、反応容器の耐圧を著しく上げる必要が生じ、操作的にも経済的にも不利となる。加えて、連鎖移動剤として水素を使用すると、得られるプロピレン共重合体の主鎖中に二重結合を入れることができない。
所定の構造を有する遷移金属化合物を含むオレフィン重合用触媒の存在下に、炭素原子数2〜20のオレフィンを重合し、重合系内で生成した上記触媒とポリマー鎖との結合を連鎖移動反応によって切断することで得られる触媒を用いて更にオレフィンの重合を行う方法が開示されている(特許文献2参照)。該方法においては、触媒として、本願発明のような架橋メタロセン化合物を使用するものではない。特許請求の範囲には、連鎖移動剤として、水素、有機ホウ素化合物又は有機亜鉛化合物が挙げられており、実施例では水素及び有機亜鉛化合物が使用されているに過ぎない。
特表2002‐516361号公報 特開2003‐301010号公報 T. Shiono, H. Kurosaki, and K. Soga, Makromol. Chem. 1992年、第193号、第2751頁 T. C. Chung, G. Xu, Yingying Lu and Youliang Hu, Macromolecules 2001年、第34号、第8040頁 Haruyuki Makio, Kwangmo Koo, and Tobin J. Marks, Macromolecules 2001年、第34号、第4676頁 Stepanie N. Ringelberg, Auke Meetsma, Bart Hessen, and Jan H. Teuben, J. Am. Chem. Soc., 1999年、第121号、第6082頁 T. C. Chung and J. Y. Dong, J. Am. Chem. Soc., 2001年、第123号、第4871頁 T. C. Chung, G. Xu, Yingying Lu and Youliang Hu, Macromolecules 2001年、第34号、第8040〜8050頁 T. C. Chung, H. L. Lu and W. Janvikul, Polymer, 1997年、第38巻、第1495〜1502頁 Kwangmo Koo and Tobin J. Marks, J. Am. Chem. Soc., 1999年、第121号、第8791〜8802頁 石原 毅、ホアン テ バン、萩原 英昭、土原 健二、塩野 毅、「ジルコノセン触媒によるプロピレン‐ブタジエン共重合反応における水素添加効果」、第92回触媒討論会討論会A予稿集、平成15年9月21日、第493頁
本発明は、得られる共重合体の分子量制御が容易であると共に、得られる共重合体が規則性を有するプロピレン連鎖を有し、炭素‐ケイ素結合を有し、かつ主鎖中に共役ジエンに由来する二重結合を有するところのプロピレンと共役ジエンとの共重合体を製造する方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、一般式(1)で示される架橋メタロセン化合物の存在下に、連鎖移動剤として一般式(2)で示されるシラン化合物を使用して、プロピレンと共役ジエンとを共重合すれば、驚くべきことに、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1)プロピレンと共役ジエンとを触媒及び連鎖移動剤の存在下に反応して、プロピレンと共役ジエンとの共重合体を製造する方法において、触媒が一般式(1)で示される架橋メタロセン化合物であり、かつ連鎖移動剤が一般式(2)で示されるシラン化合物であることを特徴とする方法
Figure 2006143969
(ここで、R1及びR4は夫々独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数6〜20のアリール基より成る群から選ばれ、R2及びR3は夫々独立して、水素原子及び炭素数1〜3のアルキル基より成る群から選ばれ、Mは周期表の第4族の遷移金属を表し、2個のXは夫々独立して、ハロゲン原子及び炭素数1〜3のアルキル基より成る群から選ばれ、かつQは架橋結合基を表す。)
Figure 2006143969
(ここで、R5、R6及びR7は夫々独立して、水素、炭素数1〜10個のアルキル基及び炭素数6〜20個のアリール基より成る群から選ばれる)
である。
好ましい態様として、
(2)一般式(1)で示される架橋メタロセン化合物において、MがZr、Ti又はHfであるところの上記(1)記載の方法、
(3)一般式(1)で示される架橋メタロセン化合物において、R1及びR4が夫々独立して、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基及びアントリル基から選ばれるところの上記(1)又は(2)記載の方法、
(4)一般式(1)で表される架橋メタロセン化合物が、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド又はジメチルシリレンビス(2‐メチルベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリドであるところの上記(1)記載の方法、
(5)一般式(2)で表されるシラン化合物において、R5、R6及びR7が夫々独立して、水素、炭素数1〜8個のアルキル基及び炭素数6〜16個のアリール基より成る群から選ばれるところの上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の方法、
(6)一般式(2)で表されるシラン化合物が、モノフェニルシラン又はメチルフェニルシランであるところの上記(1) 〜(4)のいずれか一つに記載の方法、
(7)更に、少なくとも1種類のルイス酸を存在させるところの上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の方法、
(8)ルイス酸が、アルミニウム化合物、ホウ素化合物、亜鉛化合物、マグネシウム化合物、リチウム化合物又はケイ素含有化合物である上記(7)記載の方法、
(9)ルイス酸がアルモキサンである上記(7)記載の方法、
(10)共役ジエンが1,3‐ブタジエンである上記(1)〜(9)のいずれか一つに記載の方法
を挙げることができる。
本発明の方法により、水素による分子量制御のように反応器耐圧に制限を受けることなく、プロピレンと共役ジエンとの共重合体の分子量を自由に制御でき、かつ該共重合体中のプロピレン連鎖に規則性を持たせたまま、その主鎖中に共役ジエンに由来する二重結合を付与することができる。従って、得られた共重合体は種々の用途に適用可能であり、かつ規則性を有するプロピレン基材の改質材として使用したとき、該基材の機械的特性等の物性を低下させることなく、種々の機能を基材に付与することができる。主鎖中に存在する二重結合を利用してメタセシス分解が可能であり、両末端に官能基を有する共重合体及び種々のブロック共重合体を製造し得る。また、該共重合体がシラン化合物を有することから、シラン化合物の置換基を利用して、更なる化学修飾が可能である。
本発明においては、一般式(1)で示される架橋メタロセン化合物が使用される。
Figure 2006143969
上記の式中、R1及びR4は夫々独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数6〜20のアリール基、好ましくは炭素数6〜20のアリール基、より好ましくは炭素数6〜14のアリール基より成る群から選ばれる。更に好ましくは、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基又はアントリル基から選ばれる。R2及びR3は夫々独立して、水素原子及び炭素数1〜3のアルキル基より成る群から選ばれる。Mは周期表の第4族の遷移金属を表し、好ましくはZr、Ti又はHfであり、特に好ましくはZrである。2個のXは夫々独立して、ハロゲン原子及び炭素数1〜3のアルキル基より成る群から選ばれる。ハロゲン原子としては、好ましくはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、アルキル基としては、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。これらのうち、Xとして特に塩素が好ましい。Qは架橋結合基を表す。架橋結合基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基、シクロヘキシレン基等の(シクロ)アルキレン基類、又はシリレン基、ジメチルシリレン基、フェニルメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基等のシリレン基類が挙げられる。このうち、メチレン基、エチレン基及びジメチルシリレン基が好ましい。
一般式(1)で表される架橋メタロセン化合物としては、好ましくは、メチレンビス(2‐メチル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐インデニル) チタニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) チタニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) チタニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐インデニル) ハフニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) ハフニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) ハフニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐インデニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐インデニル) チタニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) チタニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)チタニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐インデニル) ハフニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) ハフニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) ハフニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐インデニル) チタニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) チタニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) チタニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐インデニル) ハフニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) ハフニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) ハフニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチル‐インデニル) チタニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) チタニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) チタニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチル‐インデニル) ハフニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) ハフニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐インデニル) チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐インデニル) ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐インデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐インデニル) チタニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) チタニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) チタニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐インデニル) ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) ハフニウムジメチルが使用される。
一般式(1)で表される架橋メタロセン化合物としては、より好ましくは、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド又はジメチルシリレンビス(2‐メチルベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリドが使用される。
本発明において使用する連鎖移動剤は、一般式(2)で示されるシラン化合物である。
Figure 2006143969
上記の式中、R5、R6及びR7は夫々独立して、水素、炭素数1〜10個のアルキル基及び炭素数6〜20個のアリール基、好ましくは水素、炭素数1〜8個のアルキル基及び炭素数6〜16個のアリール基、より好ましくは水素、炭素数1〜6個のアルキル基及び炭素数6〜14個のアリール基より成る群から選ばれる。
一般式(2)で示されるシラン化合物としては、好ましくはメチルシラン、エチルシラン、プロピルシラン、ブチルシラン、ペンチルシラン、ヘキシルシラン、ヘプチルシラン、オクチルシラン、モノフェニルシラン、ジメチルシラン、ジエチルシラン、ジプロピルシラン、ジブチルシラン、ジペンチルシラン、ジヘキシルシラン、ジヘプチルシラン、ジオクチルシラン、トリメチルシラン、トリエチルシラン、トリプロピルシラン、トリブチルシラン、トリペンチルシラン、トリヘキシルシラン、トリヘプチルシラン、トリオクチルシラン、メチルフェニルシラン、エチルフェニルシラン、プロピルフェニルシラン、ブチルフェニルシラン、ペンチルフェニルシラン、ヘキシルフェニルシラン、ヘプチルフェニルシラン、オクチルフェニルシラン、メチルエチルシラン、エチルプロピルシラン、エチルブチルシラン、エチルペンチルシラン、エチルヘキシルシラン、エチルヘプチルシラン、エチルオクチルシラン、メチルプロピルシラン、プロピルブチルシラン、プロピルペンチルシラン、プロピルヘキシルシラン、プロピルヘプチルシラン、プロピルオクチルシラン、メチルブチルシラン、ブチルペンチルシラン、ブチルヘキシルシラン、ブチルヘプチルシラン、ブチルオクチルシラン、メチルペンチルシラン、ペンチルヘキシルシラン、ペンチルヘプチルシラン、ペンチルオクチルシラン、メチルヘプチルシラン、ヘプチルオクチルシラン、メチルヘキシルシラン、ヘキシルヘプチルシラン、ヘキシルオクチルシラン、メチルオクチルシラン、トリフェニルシラン等が使用される。より好ましくは、モノフェニルシラン、メチルフェニルシランが使用される。
本発明においては、上記の一般式(1)で表される架橋メタロセン化合物と一般式(2)で表されるシラン化合物に加えて、下記に示すルイス酸を併用することができる。ルイス酸としては、好ましくは、アルミニウム化合物、例えば、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルモキサン;ホウ素化合物;亜鉛化合物、例えば、アルキル亜鉛化合物;マグネシウム化合物、例えば、アルキルマグネシウム化合物;リチウム化合物、例えば、アルキルリチウム化合物又はケイ素含有化合物、例えば、有機アルミニウムと接触した担体としてのシリカ、ポリシロキサン等が挙げられる。これらのうちアルモキサン又はホウ素化合物が好ましく、とりわけ、アルモキサン、例えば、下記一般式(3)又は(4)で表されるメチルアルモキサンが使用される。
Figure 2006143969
Figure 2006143969
(式(3)及び(4)中、nは0〜40、好ましくは2〜30の整数である。)
一般式(3)及び(4)の化合物は、トリメチルアルミニウムと水との反応により得られる生成物である。メチルアルモキサンは、他のトリアルキルアルミニウムと水から得られるアルモキサン、例えば、エチルアルモキサン、プロピルアルモキサン、ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキサン、メチルエチルアルモキサン、メチルブチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサン等と複数種併用して用いることもできる。
メチルアルモキサンは、公知の方法で調製することができる。例えば、 (イ)トリメチルアルミニウムをトルエン、ベンゼン、エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させる方法、(ロ)トリメチルアルミニウムを、結晶水を有する塩水和物、例えば、硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物と反応させる方法、(ハ)トリメチルアルミニウムをシリカゲル等に含浸させた水分と反応させる方法、(ニ)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを混合し、該混合物を、トルエン、ベンゼン、エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させる方法、(ホ)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを混合し、該混合物を、結晶水を有する塩水和物、例えば、硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物と加熱反応させる方法、(ヘ)シリカゲル等に水分を含浸させ、トリイソブチルアルミニウムで処理した後、これをトリメチルアルミニウムで追加処理する方法、(ト)メチルアルモキサン及びイソブチルアルモキサンを公知の方法で合成し、これら2成分を所定量混合し、加熱反応させる方法、(チ)ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒に硫酸銅5水塩等の結晶水を有する塩を入れ、マイナス40〜40℃位の温度条件下にてトリメチルアルミニウムと反応させる方法(この場合、使用する水の量は、トリメチルアルミニウムに対して、モル比で通常0.5〜1.5である)が挙げられる。このようにして得られたメチルアルモキサンは、上記一般式(3)又は(4)に表すような、線状又は環状の有機アルミニウムの重合体である。
ホウ素化合物としては、例えば、Ph3CB(C6F5)4、PhNMeHB(C6F5)4、B(C6F5)3等の化合物が挙げられる。トリアルキルアルミニウムとしては、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムが挙げられ、ジアルキルアルミニウムハライドとしては、例えば、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリドが挙げられ、アルキル亜鉛化合物としては、例えば、ジエチル亜鉛が挙げられ、アルキルマグネシウム化合物としては、例えば、ターシャリー‐ブチルマグネシウムクロリドが挙げられ、アルキルリチウム化合物としては、n‐ブチルリチウムが挙げられ、シラン化合物としては、例えば、シリカ担持アルミニウム化合物及びホウ素化合物が挙げられる。
上記の共重合反応において、共重合の温度は、上限が好ましくは100℃、より好ましくは80℃であり、下限が好ましくは−100℃、より好ましくは0℃である。上記上限を超えては、触媒が失活し、上記下限未満では、重合速度が低下する。また、共重合の時間は、上限が好ましくは500時間、より好ましくは50時間であり、下限が好ましくは0.1時間、より好ましくは0.5時間である。上記下限未満では、共重合反応が十分に進行しない。
該共重合反応は、気相又は液相のいずれでも実施することができる。プロピレン及び共役ジエンモノマーの量は、重合温度、重合圧力、重合方法等に依存して変化し、通常当業者に公知の量で使用され得る。得られるコポリマーの分子量の調節は連鎖移動剤により効果的になし得る。一方、共重合体中の共役ジエン由来の構造のモル分率は、共役ジエンのモル濃度、触媒の種類、重合温度、モノマー比を変化させることにより調節することができる。プロピレン単独重合において見られる触媒の種類による分子量依存性は、共重合においても同様の傾向を示し、高分子量体の合成に向いている触媒[例えば、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド]を用いることにより高分子量体が得られる。同一の触媒であっても、重合温度を上げることにより低分子量化ができ、一方、重合温度を低下させることにより高分子量化ができる。また、プロピレン/共役ジエン比率を保ったまま、反応器内でのこれら両者のモル濃度を上げることによっても高分子量化が可能である。一方、共重合体中の1,2体のモル分率は、共役ジエンのモル濃度を上げることによって増加させることができる。液相で実施する場合には、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素又は液状プロピレンモノマー中で行うことができる。また、該共重合反応は、反応容器内のモノマー組成比が実質的に変わらないよう制御し得る方法で実施することが好ましく、例えば、連続式、半回分式又はバッチ式で実施することができる。該共重合反応は一段でも二段以上で行ってもよい。
本発明の方法において、共重合を溶液重合により実施するに際して、一般式(1)で表される架橋メタロセン化合物の濃度は、上限が好ましくは1×10-2モル/リットル、より好ましくは5×10-3モル/リットルであり、下限が好ましくは1×10-7モル/リットル、より好ましくは5×10-7モル/リットルである。上記下限未満では、触媒としての効果がなく、上記上限を超えても、該効果の著しい増加は認められず、コスト高を招くばかりである。一般式(2)で示されるシラン化合物の濃度は、上限が好ましくは10モル/リットル、より好ましくは5モル/リットル、更に好ましくは2モル/リットルであり、下限が好ましくは10マイクロモル/リットル、より好ましくは50マイクロモル/リットル、更に好ましくは0.1ミリモル/リットルである。上記下限未満では、連鎖移動剤としての効果がなく、上記上限を超えても、該効果の著しい増加は認められず、コスト高を招くばかりである。ルイス酸を使用する場合、その使用量は架橋メタロセン化合物1モル当たり、上限が好ましくは50000モル、より好ましくは10000モルであり、下限が好ましくは50モル、より好ましくは100モルである。
プロピレンとの共重合に使用される共役ジエンは、好ましくは炭素数4〜20、より好ましくは炭素数4〜12である。例えば、1,3‐ブタジエン、イソプレン、2‐エチル‐1,3‐ブタジエン、2‐プロピル‐1,3‐ブタジエン、2‐イソプロピル‐1,3‐ブタジエン、2‐ヘキシル‐1,3‐ブタジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、2,3‐ジエチル‐1,3‐ブタジエン、2‐メチル‐1,3‐ブタジエン、2‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、2‐メチル‐1,3‐オクタジエン、2‐メチル‐1,3‐デカジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ペンタジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐オクタジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐デカジエン等を挙げることができる。このうち、好ましくは1,3‐ブタジエン又はイソプレンが使用され、特に好ましくは1,3‐ブタジエンが使用される。
上記本発明の方法により、共役ジエンに由来する二重結合[1,2‐付加体(3,4‐付加体を含む)及び1,4‐付加体]を含むプロピレンと共役ジエンとの共重合体が得られる。該共重合体において該二重結合の含有量の下限が、好ましくは0.01モル%、より好ましくは0.05モル%であり、上限が好ましくは40モル%、より好ましくは20モル%である。上記下限未満では、例えば、プロピレン基材との優れた接着性、相溶性等の機能を、本発明の共重合体に付与できない。上記上限を超えては、ポリプロピレン部の規則性が低下し、基材との接着性及び基材の物性を損なう。該共重合体は、数平均分子量の上限が好ましくは1,000,000であり、より好ましくは500,000であり、下限が好ましくは1,000であり、より好ましくは2,000である。上記下限未満では、機械的強度が劣り、上記上限を超えては接着性、相溶性が劣る。炭素・炭素二重結合としては、好ましくはビニル基が挙げられる。
(実施例)
以下の実施例において、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
得られたプロピレン‐ブタジエン共重合体の構造解析は、1H‐NMRを使用して実施した。
1H‐NMR:日本電子社製JNM‐LA600、フーリエ変換型NMRスペクトロメーターを用い、600MHz、パルス角45゜、パルス間隔8秒、120℃、積算回数256回の条件で測定した。試料は、共重合体10ミリグラムを重テトラクロロエタン0.5ミリリットルに溶解して用いた。
得られたプロピレン‐ブタジエン共重合体中に存在する1,3‐ブタジエン由来の二重結合の含有量(モル%)は、1H‐NMRスペクトルにおいて、5.4〜5.6ppm及び4.9〜5.1ppmに存在するピークの夫々と1〜2ppmに存在するプロピレン由来のピークとから算出した。
得られたプロピレン‐ブタジエン共重合体の数平均分子量はGPCにより測定した。
GPC:ポリマーラボラトリー社製PL‐GPC210を用い、オルトジクロロベンゼンを溶媒として140℃で測定した。試料は0.05〜0.1重量%濃度に調製し、ポリスチレン標準試料を使用して解析した。
得られたプロピレン‐ブタジエン共重合体の融点はDSCにより測定した。
DSC: マックサイエンス社製DSC3100SRを用い、−100℃から200℃まで昇温速度10℃/分で測定した。解析にはセカンドスキャンのデータを用いた。試料は共重合体5ミリグラムをアルミニウムパンに封入して用いた。
(実施例1)
予め窒素置換した内容積100ミリリットルのオートクレーブに、予め溶媒としての少量のトルエンに溶解した変性メチルアルモキサン(MMAO:東ソーファインケム製)4ミリモル及びジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド(ボルダー社製)2マイクロモルを入れ、次いで、最終的な総溶媒量が40ミリリットルとなるようトルエンを加えた後に、1,3‐ブタジエン0.2グラム、プロピレン3グラム及びモノフェニルシラン0.01モルを投入した。次いで、該オートクレーブを0℃のバス中に入れて3時間反応させた。反応終了後、塩酸酸性メタノールに反応溶液を注ぎ、共重合体を回収した。回収した共重合体を真空下、60℃にて4時間乾燥した。0.14グラムの共重合体が得られた。該共重合体の数平均分子量はポリスチレン換算で15,900であった。更に精製した後、該共重合体中のモノフェニルシラン及びブタジエンに由来する構造部分の量を、1H-NMRを使用して定量した。その結果、モノフェニルシランは、得られた共重合体1分子当り0.5個導入されていることが分かった。また、得られた共重合体1分子当り主鎖中のブタジエンに由来する二重結合のモル分率は0.2%であった(側鎖に存在するものを除く。以下、同じ)。融点(DSC)は150℃であった。
(実施例2)
モノフェニルシランの投入量を0.01モルから2ミリモルに変えたこと以外は、実施例1と同一にしてプロピレン‐ブタジエン共重合体を製造した。0.08グラムの共重合体が得られた。該共重合体の数平均分子量はポリスチレン換算で20,300であった。モノフェニルシランは、得られた共重合体1分子当り0.2個導入されていることが分かった。また、得られた共重合体1分子当り主鎖中のブタジエンに由来する二重結合のモル分率は0.26%であった。融点(DSC)は148℃であった。
(実施例3)
モノフェニルシランの投入量を0.01モルから0.05モルに変えたこと以外は、実施例1と同一にしてプロピレン‐ブタジエン共重合体を製造した。0.20グラムの共重合体が得られた。該共重合体の数平均分子量はポリスチレン換算で14,350であった。モノフェニルシランは、得られた共重合体1分子当り0.6個導入されていることが分かった。また、得られた共重合体1分子当り主鎖中のブタジエンに由来する二重結合のモル分率は0.20%であった。融点(DSC)は149℃であった。
(実施例4)
ジメチルシリレンビス(2‐メチルベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリドに代えて、ジメチルシリレンビス(2‐メチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを使用し、反応時間を3時間から2時間に変えたこと以外は、実施例1と同一にしてプロピレン‐ブタジエン共重合体を製造した。0.94グラムの共重合体が得られた。該共重合体の数平均分子量はポリスチレン換算で86,000であった。モノフェニルシランは、得られた共重合体1分子当り0.4個導入されていることが分かった。また、得られた共重合体1分子当り主鎖中のブタジエンに由来する二重結合のモル分率は0.08%であった。融点(DSC)は158℃であった。
(比較例1)
モノフェニルシランを投入しなかった以外は、実施例1と同一にしてプロピレン‐ブタジエン共重合体を製造した。0.07グラムの共重合体が得られた。該共重合体の数平均分子量はポリスチレン換算で25,000であった。得られた共重合体1分子当り主鎖中のブタジエンに由来する二重結合のモル分率は0.13%であった。融点(DSC)は147℃であった。
(比較例2)
モノフェニルシランを投入しなかった以外は、実施例4と同一にしてプロピレン‐ブタジエン共重合体を製造した。0.44グラムの共重合体が得られた。該共重合体の数平均分子量はポリスチレン換算で272,000であった。得られた共重合体1分子当り主鎖中のブタジエンに由来する二重結合のモル分率は0.09%であった。融点(DSC)は156℃であった。
(比較例3)
モノフェニルシランに代えて水素を使用して0.1MPaにオートクレーブを加圧し、かつ反応時間を3時間から1時間に変えたこと以外は、実施例1と同一にしてプロピレン‐ブタジエン共重合体を製造した。0.61グラムの共重合体が得られた。該共重合体の数平均分子量はポリスチレン換算で24,900であった。得られた共重合体1分子当り主鎖中のブタジエンに由来する二重結合は認められなかった。融点(DSC)は149℃であった。
(比較例4)
モノフェニルシランに代えてジエチル亜鉛を投入した以外は、実施例1と同一にしてプロピレン‐ブタジエン共重合体の製造を実施した。しかし、共重合体は得られなかった。
(比較例5)
ジエチル亜鉛の投入量を0.01モルから0.2ミリモルに代えた以外は、比較例4と同一にしてプロピレン‐ブタジエン共重合体を製造した。0.03グラムの共重合体が得られた。該共重合体の数平均分子量はポリスチレン換算で18,700であった。得られた共重合体1分子当り主鎖中のブタジエンに由来する二重結合のモル分率は0.12%であった。融点(DSC)は150℃であった。
実施例1〜3は、モノフェニルシランの添加量を変化させたものである。該添加量を増加すると、共重合体の数平均分子量を低下させることができる。シラン化合物に由来する構造が共重合体中に存在することから、シラン化合物により連鎖移動反応が生じ、数平均分子量が制御されていると考えられる。実施例4は、架橋メタロセン化合物として、実施例1のジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリドに代えて、ジメチルシリレンビス(2‐メチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを使用したものである。数平均分子量のより高い共重合体を得ることができた。このように実施例1〜4では、種々の分子量の共重合体を製造し得ることが分かった。
一方、比較例1及び2は、夫々、実施例1〜3及び4においてモノフェニルシランを添加しなかったものである。いずれも得られた共重合体は、実施例1〜3及び4において得られた共重合体に比べて数平均分子量は高いことが分かった。これらの実施例と比較例とから、実施例1〜3及び4においてモノフェニルシランを添加することにより、共重合体の数平均分子量を制御し得ると共に、共重合体中のプロピレン連鎖の規則性を低下させることなく、主鎖中に二重結合を付与し得ることが分かった。比較例3は、従来から連鎖移動剤として使用されている水素を使用したものである。水素圧力0.1MPaにおいて得られた共重合体の数平均分子量は24,900であった。実施例1において得られた共重合体の数平均分子量15,900程度にまで、比較例3において数平均分子量を低下させるには、水素圧力を仕込み圧力で1MPaG程度まで増加させる必要があると推定され、著しく高い耐圧を有する容器が必要であると考えられる。また、連鎖移動剤として水素を使用すると、得られた共重合体の主鎖中に二重結合が存在しないことが分かった。比較例4は、連鎖移動剤としてジエチル亜鉛を使用したものである。共重合体を得ることはできなかった。比較例5は、比較例4に比べて、ジエチル亜鉛の添加量を低下させたものである。共重合体は得られたものの、実施例1に比べて著しく少なく、効率が悪かった。
図1には、実施例1及び比較例3で得られた共重合体についての1H‐NMR測定結果を示した。該1H‐NMR測定結果から、実施例1で得られた共重合体では、該共重合体の主鎖及び側鎖に二重結合が存在し、一方、比較例3で得られた共重合体では、二重結合が側鎖のみに存在し、主鎖には存在しないことが分かった。
本発明は、得られる共重合体の分子量制御が容易であると共に、得られる共重合体が規則性を有するプロピレン連鎖を有し、炭素‐ケイ素結合を有し、かつ主鎖中に共役ジエンに由来する二重結合を有するところのプロピレンと共役ジエンとの共重合体を製造する方法を提供するものである。本発明によれば、プロピレンと共役ジエンとの共重合体の分子量制御が容易であることから、用途に応じて種々の分子量を有する共重合体を製造することができる。該共重合体は規則性を有するプロピレン連鎖を有することから、市販されている種々のポリプロピレン製品の物性を損なうことなく高い親和性を示すと言う特徴を有する。また、ポリマー鎖中の二重結合を利用することで、例えば、両末端に二重結合を導入してブロック共重合体の合成に用いることも可能であり、接着剤、インキ、塗料、界面活性剤等の種々の工業的用途に有用である。
図1は、実施例1及び比較例3で得られた共重合体についての1H‐NMR測定結果を示す。

Claims (3)

  1. プロピレンと共役ジエンとを触媒及び連鎖移動剤の存在下に反応して、プロピレンと共役ジエンとの共重合体を製造する方法において、触媒が一般式(1)で示される架橋メタロセン化合物であり、かつ連鎖移動剤が一般式(2)で示されるシラン化合物であることを特徴とする方法
    Figure 2006143969
    (ここで、R1及びR4は夫々独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数6〜20のアリール基より成る群から選ばれ、R2及びR3は夫々独立して、水素原子及び炭素数1〜3のアルキル基より成る群から選ばれ、Mは周期表の第4族の遷移金属を表し、2個のXは夫々独立して、ハロゲン原子及び炭素数1〜3のアルキル基より成る群から選ばれ、かつQは架橋結合基を表す。)
    Figure 2006143969
    (ここで、R5、R6及びR7は夫々独立して、水素、炭素数1〜10個のアルキル基及び炭素数6〜20個のアリール基より成る群から選ばれる)。
  2. 一般式(1)で表される架橋メタロセン化合物が、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド又はジメチルシリレンビス(2‐メチルベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリドであるところの請求項1記載の方法。
  3. 一般式(2)で表されるシラン化合物が、モノフェニルシラン又はメチルフェニルシランであるところの請求項1又は2記載の方法。
JP2004339345A 2004-11-24 2004-11-24 プロピレンと共役ジエンとの共重合体の製造方法 Pending JP2006143969A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004339345A JP2006143969A (ja) 2004-11-24 2004-11-24 プロピレンと共役ジエンとの共重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004339345A JP2006143969A (ja) 2004-11-24 2004-11-24 プロピレンと共役ジエンとの共重合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006143969A true JP2006143969A (ja) 2006-06-08

Family

ID=36624034

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004339345A Pending JP2006143969A (ja) 2004-11-24 2004-11-24 プロピレンと共役ジエンとの共重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006143969A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015064398A (ja) * 2013-09-24 2015-04-09 コニカミノルタ株式会社 有機感光体およびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015064398A (ja) * 2013-09-24 2015-04-09 コニカミノルタ株式会社 有機感光体およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0384171B1 (en) Catalysts for the polymerization of olefins.
KR100244381B1 (ko) α-올레핀 중합체의 제조방법
JP3382311B2 (ja) 触媒組成物及びポリオレフィン類の製造方法
EP0611773B1 (en) Catalyst component for use in the polymerization of alpha-olefins and process for producing alpha-olefin polymers using the same
EP0611772B1 (en) Catalyst component for use in the polymerization of alpha-olefins and process for producing alpha-olefin polymers using the same
JP3048653B2 (ja) α‐オレフィン重合体の製造
WO1995014024A1 (fr) Compose de metal de transition, catalyseur de polymerisation d'olefines et procede pour produire un polymere d'olefines en utilisant ce catalyseur
JPH09157322A (ja) オレフインの重合法
US5594082A (en) Process for polymerization of olefinic hydrocarbon
KR100626258B1 (ko) 4-, 5-, 6- 또는 7-위치에서 실록시 또는 게르밀옥시 기로치환된 인데닐 잔기를 함유하는 메탈로센 촉매
JPH0780930B2 (ja) α−オレフインの重合方法
JP3357186B2 (ja) プロピレンブロック共重合体の製造法
JP2005139284A (ja) 官能基化ポリプロピレンの製造方法
JPH0525214A (ja) オレフイン重合用触媒成分の製造方法およびそれを用いたオレフインの重合方法
JP3378282B2 (ja) α−オレフィン共重合体の製造法
JPH06287257A (ja) プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造方法
JPH04323207A (ja) 重合触媒及びそれを用いた重合体の製造方法
JP2005200503A (ja) プロピレンと共役ジエンとの共重合体及びその製造方法
JP3572339B2 (ja) オレフィン重合体製造用触媒、その製造方法及びそれを用いたオレフィン重合体の製造方法
JP3091241B2 (ja) 新規なメチルイソブチルアルモキサン
JPH09110917A (ja) オレフィン重合用触媒
JPH10237131A (ja) エチレン・ブタジエン共重合体
JP2006143969A (ja) プロピレンと共役ジエンとの共重合体の製造方法
JP4368728B2 (ja) プロピレンと共役ジエンとの共重合体の製造方法
JP3048655B2 (ja) α‐オレフィン重合体の製造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20070912

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070912

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Effective date: 20070912

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090609

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090616

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091020