JPH10237131A - エチレン・ブタジエン共重合体 - Google Patents

エチレン・ブタジエン共重合体

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JPH10237131A
JPH10237131A JP4604297A JP4604297A JPH10237131A JP H10237131 A JPH10237131 A JP H10237131A JP 4604297 A JP4604297 A JP 4604297A JP 4604297 A JP4604297 A JP 4604297A JP H10237131 A JPH10237131 A JP H10237131A
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butadiene
compound
ethylene
transition metal
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JP4604297A
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English (en)
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Shigeru Igai
滋 猪飼
Eiko Narisawa
栄子 成沢
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単独で熱可塑性樹脂あるいはエラストマーと
して使用でき、または各種熱可塑性樹脂、エラストマー
などへの複合材、物性改良材として使用できる新規なエ
チレン・ブタジエン共重合体を提供する。 【解決手段】 重合体主鎖を構成するシス不飽和結合単
位XC %、トランス不飽和結合単位XT %、側鎖ビニル
結合単位Y%、シス−シクロペンチル単位ZC %、及び
トランス−シクロペンチル単位ZT %が、下式(1)の
関係を満足することを特徴とするエチレン・ブタジエン
共重合体。 (1) 5<XC +XT +Y+ZC +ZT <100

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なエチレン・ブタ
ジエン共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生成ポリマーの分子量分布、共重
合における組成分布が狭く、物性の優れたオレフィン重
合体を高活性で製造できるオレフィン重合触媒として、
Ti、Zr、Hf等のメタロセン型錯体とメチルアルモキサン
等の有機アルミニウムオキシ化合物との組み合わせから
なる触媒系が注目されている。これらは、例えば、Macr
omlecular Science,1994年,C34, No3, 439頁, Progress
Polymer Science,1995年,20 巻,309頁, 同459 頁,Jour
nal Organometallic Chemistry,1995年,497巻,No 1-2
に記載されている。
【0003】メタロセン系触媒を用いたエチレンとブタ
ジエンとの共重合については、ビス( シクロペンタジエ
ニル) ジルコニウムジクロライド[(η5C5H5)2ZrCl2] と
メチルアルモキサンの組合せによるエチレンとブタジエ
ンとの共重合が報告されている(Macromolecular Sympos
ia、1986年、 4卷、103 頁) 。ポリマーのコモノマー組
成、構造についての記載はなく、ブタジエンの添加量の
増やすとオレフィンの重合活性が著しく低下する。
【0004】特開平6-73128 号には、エチレンとジエン
との共重合体を含めたエチレンからの非晶質コポリマ
ー、その製造用の触媒であるイミドアリール配位子を有
するバナジウム錯体とトリアルキルアルミニウムの組合
せが開示されているが、共役ジエンとの共重合体の実施
例の記載は無い。
【0005】特表平1-501633号には、ビス(n−ブチル
シクロペンタジエニル) ジルコニウムジクロライドから
なるメタロセン触媒によるポリマー主鎖中にシクロペン
タン構造を有するエチレンとブタジエンとの共重合体が
開示されている。実施例としては、ブタジエンモノマー
に由来するシス不飽和結合、トランス不飽和結合、側鎖
ビニル結合の各単位、その他、トランスシクロペンチル
単位の検出の記載はあるが、ブタジエンモノマーの含有
量及びその含有量と各構造単位の量的関係については記
載されていない。
【0006】Makromol.Chem.1991年、第192 巻、2591頁
には、ポリマー主鎖中にシクロペンタン構造を有するエ
チレンとブタジエンとの共重合体についてC-13NMR 構造
分析結果が報告されている。しかし、いずれもシス不飽
和結合、トランス不飽和結合、及びトランス−シクロペ
ンチル単位構造だけからなり、ブタジエン含有量が5モ
ル%未満の触媒に依存する特定の共重合体である。
【0007】さらにマグネシウム化合物に担持した固体
チタン触媒から製造されるエチレンとブタジエンの共重
合体については、Polymer Bulletin 、1993年、第30
巻、377 頁、及びEuropean Polymer Journal 、1994
年、第30巻、1055頁に報告されており、ブタジエン含有
量に対するシス不飽和結合、トランス不飽和結合、側鎖
ビニル結合の各構成単位の変化は知られているが、シク
ロペンチル単位を全く含まず、触媒系の特性に基づいた
別種の重合体である。
【0008】
【発明の解決しようとする課題】単独で熱可塑性樹脂あ
るいはエラストマーとして使用でき、または各種熱可塑
性樹脂、エラストマーなどへの複合材、物性改良材とし
て使用できる新規なエチレン・ブタジエン共重合体を提
供することを目的とする。
【0009】
【問題解決のための手段】本発明は、重合体主鎖を構成
するシス不飽和結合単位XC %、トランス不飽和結合単
位XT %、側鎖ビニル結合単位Y%、シス−シクロペン
チル単位ZC %、及びトランス−シクロペンチル単位Z
T %が、下式(1)の関係を満足することを特徴とする
エチレン・ブタジエン共重合体に関する。 (1) 5<XC +XT +Y+ZC +ZT <100
【0010】また、本発明は、重合体主鎖を構成するシ
ス不飽和結合単位XC %、トランス不飽和結合単位XT
%、側鎖ビニル結合単位Y%、シス−シクロペンチル単
位Z C %、及びトランス−シクロペンチル単位ZT
が、下式(1)の関係を満足することを特徴とするエチ
レン・ブタジエン共重合体に関する。 (1) 5<XC +XT +Y+ZC +ZT <100 、 (2)(−0.47B+47)≦ 100(ZC +ZT )/B≦
(−0.63B+80)、 (但し、XC +XT +Y+ZC +ZT =B) (3)(0.22B−4.84)≦ 100Y/B≦0.4 B、 (4) 0.5≦(ZT /ZC )/(XT /XC )≦2.5
【0011】本発明のエチレン・ブタジエン共重合体の
主鎖を構成する各単位構造の含有量は、C13-NMR スペク
トルで得られるミクロ構造の分析に求められる。C13-NM
Rスペクトルにおける各単位構造の帰属は、Makromol.Ch
em.1991年、第192 巻、2591頁、及び、Makromol.Chem.1
989年、第190 巻、515 頁参照して行い表1にケミカル
シフト値をまとめて示した。
【0012】
【表1】
【0013】XC %、XT %、Y%、ZC %、及びZT
%は、表1に示したスペクトルピーク強度A、AXC、A
XT、AY 、AZC、及びAZTを用いて、それぞれ下記の式
により求めることができる。 XC =100AXC/2S XT =100AXT/2S Y =100AY /S ZC =100AZC/2S ZT =100AZT/2S (但し、S=A+AXC/2+AXT/2+AY +AZC/2
+AZT/2)
【0014】本発明のエチレンとブタジエンとの共重合
体において、各単位構造の含有量は以下の関係を満足す
る。 (1) 5<XC +XT +Y+ZC +ZT <100 の関係に
ある。 (2)(−0.47B+47)≦ 100(ZC +ZT )/B≦
(−0.63B+80)、好ましくは(-0.57 B+57)≦ 100
(ZC ) +ZT )/B ≦(-0.63 B+70)の関係にあ
る。さらに、好ましくは以下の関係を満足する。 (3)(0.22B−4.84)≦ 100Y/B≦0.4 B、さらに
好ましくは(0.27B−4.86)≦ 100Y/B≦0.34B の
関係にある。 (4) 0.5≦(ZT /ZC )/(XT /XC )≦2.5 、
さらに好ましくは0.7 ≦(ZT /ZC )/(XT
C )≦2.2 の関係にある。
【0015】本発明のエチレンとブタジエンとの共重合
体は、各種用途によって主鎖を構成する単位構造を選択
して利用することができる。
【0016】本発明のエチレンとブタジエンとの共重合
体は、 (A)次の式1で示される周期律表第4族遷移金属化合
物と、 (L−Y−Z)MXn (1) (式1で、Mは第4族遷移金属、Xは水素、ハロゲン、
炭素数1から12の炭化水素基、炭素数1から12の炭化水
素オキシ基、炭素数1から12の炭化水素アミド基、Lは
Mとパイ結合を形成するシクロペンタジエニル基、炭素
数1から20の炭化水素置換基を有するシクロペンタジエ
ニル基、Zは酸素、硫黄、窒素、燐等のヘテロ原子の配
位子、YはLとZの架橋基であり、nは1又は2であ
る。) (B)周期律表第1〜3族主元素金属の有機金属化合
物、有機アルミニウムオキシ化合物、該遷移金属化合物
と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるイオ
ン性化合物、該遷移金属化合物と反応してカチオン性遷
移金属化合物を生成できるルイス酸化合物、から選択さ
れる少なくとも一種類の助触媒との組み合わせからなる
触媒系でエチレンとブタジエンを共重合することによっ
て製造できる。
【0017】本発明で周期律表第4族遷移金属は、Ti、
Zr、またはHfであり、好ましい金属はTiである。Xは水
素、ハロゲン、炭素数1から12の炭化水素基、炭素数1
から12の炭化水素オキシ基、炭素数1から12の炭化水素
アミド基であり、具体例としてハロゲンでは塩素、臭
素、炭化水素基ではメチル基、t-ブチル基、フェニル
基、ベンジル基、ネオペンチル基、トリメチルシリルメ
チル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基、炭化水素
オキシ基ではメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ
基、アミド基ではジメチルアミド基、ジエチルアミド
基、ジイソプロピルアミド基、ジオクチルアミド基など
が挙げられる。nが2の場合、各々のXは異なったもの
でもよい。LはMとパイ結合を形成するシクロペンタジ
エニル基、炭素数1から20の炭化水素置換基が一個又は
複数個付いたシクロペンタジエニル基であり、置換基と
してはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、t-ブチル基、フェニル基、ベンジル基、
トリメチルシリルメチル基などが挙げられ、さらにトリ
メチルシリル基などの珪素原子を含有する炭化水素基も
含まれる。シクロペンタジエニル環上に付いた置換基は
シクロペンタジエニル環とともに例えばインデニル基、
フルオレニル基のような多環状基も形成できる。さらに
インデニル基、フルオレニル基において炭素数1から20
の炭化水素置換基が一個又は複数個付いたものも用いる
ことができる。特に好ましいLとしてはペンタメチルシ
クロペンタジエニル基である。
【0018】Zは酸素、硫黄、窒素、燐等のヘテロ原子
の配位子であり、中心遷移金属とσ結合を有し、架橋基
YによってLのシクロペンタジエニル基に結合されて
L、Y、Z全体で中心金属Mとメタロサイクルを形成す
る。Zとして好ましいのは窒素原子の配位子であり、具
体例としてはメチルアミド基、エチルアミド基、n-ブチ
ルアミド基、sec-ブチルアミド基、t-ブチルアミド基、
ネオペンチルアミド基、ベンジルアミド基、ジメチルフ
ェニルメチルアミド基などが挙げられる。この内、特に
好ましいのはt-ブチルアミド基である。架橋基Yは炭素
数 1から24の炭化水素基、炭素数 1から24の炭化水素基
を含むシリレン基又はジシリレン基であり、具体例とし
ては、メチルシリレン基、ジメチルシリレン基、メチル
フェニルシリレン基、ジフェニルシリレン基、ジベンジ
ルシリレン基、テトラメチルジシリレン基、ジメチルメ
チレン基、ジフェニルメチレン基、エチニル基などが挙
げられる。特に好ましい架橋基としてはジメチルシリレ
ン基である。本発明の上記式1において、nは1又は2
であり、好ましくは2である。式1の一般式で示される
周期律表第4族遷移金属化合物は、公表特許公報6-5010
37号、再公表特許公報WO95/14024号に記載されたものを
用いることができる。具体例として、(シクロペンタジ
エニル)(t- ブチルアミド)ジメチルシリルチタニウム
ジクロライド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
(t- ブチルアミド) ジメチルシリルチタニウムジクロラ
イド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(t- ブチ
ルアミド) メチルフェニルシリルチタニウムジクロライ
ド、(シクロペンタジエニル)(フェニルアミド) ジメ
チルシリルチタニウムジクロライド、((ペンタメチル
シクロペンタジエニル)(t- ブチルアミド) ジメチルシ
リル)ビス(ジエチルアミド)チタニウム、((ペンタ
メチルシクロペンタジエニル)(t- ブチルアミド) ジメ
チルシリル)ビス(ジブチルアミド)チタニウム、
((ペンタメチルシクロペンタジエニル)(t- ブチルア
ミド) ジメチルシリル)ビス(ジオクチルアミド)チタ
ニウム、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(t- ブ
チルアミド) ジメチルシリルチタニウムジエトキサイ
ド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(t- ブチル
アミド) ジメチルシリルチタニウムジt-ブトキサイド、
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(t- ブチルアミ
ド) ジメチルシリルチタニウムジフェノキサイド、(1-
インデニル)(t- ブチルアミド) ジメチルシリルチタニ
ウムジクロライド、(2,3,4,5,6,7-ヘキサメチルインデ
ニル)(t-ブチルアミド) ジメチルシリルチタニウムジ
クロライド、(2,3,4,5-テトラメチルインデニル)(t-
ブチルアミド) ジメチルシリルチタニウムジクロライド
などが挙げられる。また上記化合物のチタンの替えてに
ジルコニウム、ハフニウムの各化合物が挙げられる
【0019】上記触媒系(B)成分として周期律表第1
〜3族主元素金属の有機金属化合物、有機アルミニウム
オキシ化合物、該遷移金属化合物と反応してカチオン性
遷移金属化合物を生成できるイオン性化合物、該遷移金
属化合物と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成で
きるルイス酸化合物を用いることができる。周期律表第
1〜3族主元素金属の有機金属化合物としては、周期律
表第1〜3族主元素金属の有機金属ハロゲン化合物、水
素化有機金属化合物が挙げられる。主元素金属の有機金
属化合物としては、例えば、メチルリチウム、ブチルリ
チウム、フェニルリチウム、ジブチルマグネシウム、ト
リメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ
イソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、
トリオクチルアルミニウム、有機金属ハロゲン化合物と
しては、例えば、エチルマグネシウムクロライド、ブチ
ルマグネシウムクロライド、ジメチルアルミニウムクロ
ライド、ジエチルアルミニウムクロライド、セスキエチ
ルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロ
ライド、水素化有機金属化合物としては、例えば、ジエ
チルアルミニウムハイドライド、セスキエチルアルミニ
ウムハイドライドなどが挙げられる。有機アルミニウム
オキシ化合物は、アルモキサンとも言われ、一般式(-Al
(R)O-)m で示される直鎖状、あるいは環状重合体であ
る。R は炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部ハロゲ
ン原子及び/ 又はRO基で置換されたものも含まれる。m
は重合度であり、5以上、好ましくは10以上である。R
としてはメチル、エチル、プロピル、イソブチル基が挙
げられるが、メチル基が好ましい。
【0020】遷移金属化合物と反応してカチオン性錯体
を形成できるイオン性化合物は、アニオンとして周期律
表第IV族遷移金属メタロセン触媒系でよく知られた嵩高
く、非配位性のテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート、テトラキス(モノフルオロフェニル)ボレー
ト、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テト
ラフェニルボレート、及びそれらのアルミネートを挙げ
ることができる。一方、カチオンとしては、例えば(ア
ルキル)2N(C6H5)H+ のような活性プロトンを有するN,N-
ジアルキルアニリニウムカチオン、トリアルキルアンモ
ニウムカチオン、トリアリルホスホニウムカチオン、(C
6H5)3C+ のような三置換カルボニウムカチオン、オキソ
ニウムカチオン、スルホニウムカチオン、カルボランカ
チオン、メタルカルボランカチオン、遷移金属を有する
フェロセニウムカチオン、更には主元素金属、遷移金属
のカチオン及びそれらにエーテル、アミンなどが配位し
たカチオンを挙げることができる。
【0021】該遷移金属化合物と反応してカチオン性遷
移金属化合物を生成できるルイス酸化合物としては、ト
リス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(モノ
フルオロフェニル)ボロン、トリス(ジフルオロフェニ
ル)ボロン、トリフェニルボロンを挙げることができ
る。
【0022】上記の助触媒として(1)周期律表第1〜
3族主元素金属の有機金属化合物、(2)有機アルミニ
ウムオキシ化合物、(3)該遷移金属化合物と反応して
カチオン性遷移金属化合物を生成できるイオン性化合
物、及び(4)該遷移金属化合物と反応してカチオン性
遷移金属化合物を生成できるルイス酸化合物から選択さ
れる少なくとも一種類を用いることができるが、この
内、(1)と(3)、(1)と(4)、(2)と
(3)、(2)と(4)など組合せて用いることこもで
きる。特に好ましい助触媒は、(2)単独、(1)と
(3)の組合せ、(1)と(4)の組合せである。
【0023】本発明においては、遷移金属化合物及び/
又は、助触媒を無機化合物、又は有機高分子化合物に担
持して用いることができる。無機化合物としては、無機
酸化物、無機塩化物、無機水酸化物が好ましく、少量の
炭酸塩、硫酸塩を含有したものも採用できる。特に好ま
しいものは無機酸化物であり、シリカ、アルミナ、マグ
ネシア、チタニア、ジルコニア、カルシアなどを挙げこ
とができる。
【0024】有機高分子化合物としては、側鎖に芳香族
環、置換芳香族環、あるいはヒドロキシ基、カルボキシ
ル基、エステル基、ハロゲン原子などの官能基を有する
ものが好ましい。具体例としては、エチレン、プロピレ
ン、ポリブテンなどの化学変成によって前記官能基を有
するαオレフィンホモポリマー、αオレフィンコポリマ
ー、アクリル酸、メタクリル酸、塩化ビニル、ビニルア
ルコール、スチレン、ジビニルベンゼンなどのホモポリ
マー、共重合体、さらにそれらの化学変成物を挙げるこ
とができる。遷移金属化合物及び/又はイオン性化合物
を担持することによって、触媒の重合反応器への付着に
よる汚染を防止することができる。
【0025】本発明においては、特に限定されないが、
前記の触媒系で、以下のような方法でエチレンとブタジ
エンを共重合することができる。 遷移金属化合物の炭化水素あるいはハロゲン化炭化水
素の溶液〔N〕あるいはスラリー〔M〕と助触媒の炭化
水素あるいはハロゲン化炭化水素の溶液あるいはスラリ
ー〔I〕を予め接触させた後、エチレンとブタジエンと
の共重合を行う。 〔M〕とモノマーを予め接触した後、〔I〕を接触さ
せて共重合を行う。 〔I〕とモノマーを予め接触した後、〔M〕を接触さ
せて共重合を行う。 遷移金属化合物の炭化水素あるいはハロゲン化炭化水
素の溶液〔N〕と助触媒の炭化水素あるいはハロゲン化
炭化水素の溶液〔P〕を混合した後、担体と接触、担体
を分離し、モノマーを接触させて共重合を行う。 〔N〕と担体とを接触した後、〔P〕を接触し、担体
を分離してエチレンとブタジエンとの共重合を行う。 〔P〕と担体とを接触した後、〔N〕を接触し、担体
を分離してエチレンとブタジエンとの共重合を行う。
【0026】各成分を溶解、スラリー化するための炭化
水素溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、シクロヘキサン、ミネラルオイル、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の不活性炭化水素、ハロゲン化炭化
水素溶媒としては、クロロホルム、メチレンクロライ
ド、ジクロロエタン、クロロベンゼンなどを挙げること
ができる。
【0027】上記において、各成分の接触は、通常0 〜
100 ℃、10〜180 分行う。各成分の使用量は、用いる助
触媒の種類によって異なるが、アルミノキサン/遷移金
属化合物のモル比は通常10〜10000 、好ましくは100 〜
3000、イオン性化合物又はルイス酸性化合物/遷移金属
化合物のモル比は、通常0.01〜100 、好ましくは0.1〜1
0であり、有機金属化合物/遷移金属化合物のモル比は
通常0.1 〜10000 、好ましくは 1〜1000である。
【0028】共重合は、通常担持触媒を使用する流動、
あるいは攪拌気相法、不活性炭化水素溶媒中でのスラリ
ー法、高温下、不活性炭化水素溶媒中での溶液法、高温
・高圧重合法いずれの重合方法にも採用できる。重合条
件は、例えば、気相法あるいはスラリー法においては、
温度5 〜110 ℃、時間10〜360 分、圧力が常圧〜100kg/
cm2 、溶液法では、温度100 〜250 ℃、時間 1〜60分、
圧力が10〜300kg/cm2下で、高温高圧重合法では、温度1
20 〜300 ℃、 5〜600 秒、圧力が400kg/cm2以上で行わ
れる。
【0029】また、重合活性の向上、生成ポリマーの固
体触媒の形状保持、本重合反応容器への触媒導入の容易
さ、重合反応容器への触媒付着防止、気相反応容器中で
の流動性向上などを目的として、モノマーを前記の各種
重合方法に従って、予め予備重合したものを本重合で触
媒として使用することができる。予備重合は、例えば、
不活性炭化水素溶媒中でのスラリー法において、通常 5
〜80℃、 5〜60分、メタロセンの遷移金属 1ミリグラム
原子当たり重合体が 1〜100g得られる条件で行うことが
できる。
【0030】本発明では、ブタジエン以外の共役ジエン
を含むこともできる。その具体例としては、イソプレ
ン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2-メ
チル-1,3- ペンタジエン、4-メチル-1,3- ペンタジエ
ン、2,4-ヘキサジエンが挙げられる。
【0031】
【発明の効果】本発明は、特定の構造を有するエチレン
とブタジエンとの共重合体を提供し、共重合体中のブタ
ジエンミクロ構造はブタジエンの単独の重合体とは異な
っている。また、共重合体の分子量分布は狭く、モノマ
ーの組成を制御することによって特性を調節することが
できる。
【0032】
【実施例】実施例において「重合活性」とは、重合反応
に使用した遷移金属化合物触媒の遷移金属 1ミリモル当
たりの重合体収量(g) である。ブタジエン、エチレンの
含有量は、1H-NMRで不飽和炭素に結合する水素原子から
測定した。共重合体の構成単位のミクロ構造はC-13NMR
スペクトル分析によって行った。分子量分布は、ポリス
チレンを標準物質として用いたGPC から求めた重量平均
分子量Mw及び数平均分子量Mnの比Mw/Mn によって評価し
た。
【0033】実施例1 〔遷移金属化合物Aの調製〕特開平7-53618 号公報記載
の方法に従って、ジメチルシリル(ペンタメチルシクロ
ペンタジエニル)(t- ブチルアミド) チタニウムジクロ
ライドの合成を行った。
【0034】〔エチレンとブタジエンとの共重合〕トル
エン200ml にメチルアルモキサン( 東ソー・アクゾー社
製)5mmol をトルエン溶液として添加し、さらにブタジ
エン 4mlを添加し溶液を30℃に保つ。エチレンを1000ml
/min. の速度で流通しながら上記遷移金属化合物(A)
1μmol をトルエン溶液として添加して、30分間重合を
行った。HCl 含有エタノール溶液で重合を停止し、ろ
過、乾燥して非晶性のエチレン・ブタジエン共重合体を
得た。活性、分子量、分子量分布、エチレン含量、ブタ
ジエン含量を表2に、共重合体のミクロ構造の分析結果
を表3〜6に示す。
【0035】実施例2 〔エチレンとブタジエンとの共重合〕ブタジエン 8mlを
添加した以外は実施例1と同様にエチレンとブタジエン
との共重合を行った。非晶性のエチレン・ブタジエン共
重合体を得た。活性、分子量、分子量分布、エチレン含
量、ブタジエン含量を表2に、共重合体のミクロ構造の
分析結果を表3〜6に示す。
【0036】実施例3 〔エチレンとブタジエンとの共重合〕ブタジエン16mlを
添加した以外は実施例1と同様にエチレンとブタジエン
との共重合を行った。非晶性のエチレン・ブタジエン共
重合体を得た。活性、分子量、分子量分布、エチレン含
量、ブタジエン含量を表2に、共重合体のミクロ構造の
分析結果を表3〜6に示す。
【0037】比較例1 〔エチレンの重合〕ブタジエンを全く使用しない以外は
実施例1と同様にエチレンの重合を行った。結晶性のポ
リエチレンが得られた。
【0038】比較例2 〔ブタジエンの重合〕エチレンを全く使用せずに、ブタ
ジエンを32ml使用し、重合を1 時間行った以外は実施例
1と同様にブタジエンの重合を行った。非晶性のポリブ
タジエンが得らた。また、ブタジエン単位のミクロ構造
は共重合体と単独重合体では全く異なっていることが判
った。活性、分子量、分子量分布、エチレン含量、ブタ
ジエン含量を表2に、共重合体のミクロ構造の分析結果
を表3〜6に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合体主鎖を構成するシス不飽和結合単
    位XC %、トランス不飽和結合単位XT %、側鎖ビニル
    結合単位Y%、シス−シクロペンチル単位ZC %、及び
    トランス−シクロペンチル単位ZT %が、下式(1)の
    関係を満足することを特徴とするエチレン・ブタジエン
    共重合体。 (1) 5<XC +XT +Y+ZC +ZT <100
  2. 【請求項2】 重合体主鎖を構成するシス不飽和結合単
    位XC %、トランス不飽和結合単位XT %、側鎖ビニル
    結合単位Y%、シス−シクロペンチル単位ZC %、及び
    トランス−シクロペンチル単位ZT %が、下式(1)〜
    (4)の関係を満足することを特徴とするエチレン・ブ
    タジエン共重合体。 (1) 5<XC +XT +Y+ZC +ZT <100 、 (2)(−0.47B+47)≦ 100(ZC +ZT )/B≦
    (−0.63B+80)、 (但し、XC +XT +Y+ZC +ZT =B) (3)(0.22B−4.84)≦ 100Y/B≦0.4 B、 (4) 0.5≦(ZT /ZC )/(XT /XC )≦2.5 、
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