JPH05170822A - オレフィン重合用固体触媒およびオレフィンの重合方法 - Google Patents

オレフィン重合用固体触媒およびオレフィンの重合方法

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JPH05170822A
JPH05170822A JP34078691A JP34078691A JPH05170822A JP H05170822 A JPH05170822 A JP H05170822A JP 34078691 A JP34078691 A JP 34078691A JP 34078691 A JP34078691 A JP 34078691A JP H05170822 A JPH05170822 A JP H05170822A
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JP
Japan
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group
hydrocarbon group
solid catalyst
polymerization
olefin
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Application number
JP34078691A
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English (en)
Inventor
Norihide Inoue
則英 井上
Masahiro Jinno
政弘 神野
Tetsunosuke Shiomura
哲之助 潮村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】下記(A)、(B)、(C)から形成される固
体触媒 (A)下記(a)および(b)成分を反応させることに
より得られる反応生成物 (a)下記式 (ここで、A1 ,A2 はシクロペンタジエニル基、イン
デニル基、フルオレニル基、またはそれらの誘導体を示
す。A3 ,A4 はアルキル基、アリール基、アルキルア
リール基、アリールアルキル基、ハロゲン化アリール基
またはヘテロ原子を含む炭化水素基または水素原子であ
る。QはA1 ,A2 を連結する炭化水素基または珪素、
ゲルマニウム、錫を含む炭化水素基である。R1 ,R2
はハロゲン原子、Mはチタン、ジルコニウム、ハフニウ
ムである。)で表される遷移金属化合物 (b)炭素数2以上の炭化水素基または珪素含有炭化水
素基を有する周期律表1aまたは2a族の有機金属化合
物 (B)アルミノキサン (C)微粒子状担体 およびこの固体触媒を用いるオレフィンの重合方法 【効果】ポリマーの重合機の壁への付着を防止し、パウ
ダー性状の良好なポリオレフィンを効率的に製造するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィンの製造方
法に関する。詳しくは担体に担持された固体触媒を用い
ることにより、粒子性状の良好なポリオレフィンを製造
する方法に関する。
【0002】
【従来技術】シクロペンタジエニル基、インデニル基、
フルオレニル基、またはそれらの誘導体を配位子とする
遷移金属化合物、いわゆるメタロセン化合物は、助触
媒、例えばアルミノキサンと共に使用してα−オレフィ
ンを重合することによりポリ−α−オレフィンが製造で
きることが知られている。特開昭58−19309号公
報、特開昭60−35008号公報には、メタロセン化
合物およびアルミノキサンからなる触媒の存在下にオレ
フィンを重合または共重合させる方法が記載されてい
る。特開昭61−130314号公報、特開昭64−6
6124号公報には、架橋性配位子を有するメタロセン
化合物およびアルミノキサンからなる触媒を用いること
によりアイソタクチック度高いポリ−α−オレフィンが
製造できることが記載されている。特開平2−4130
3号公報、特開平2−274703号公報、特開平2−
274704号公報には、互いに非対称な配位子からな
る架橋性配位子を有するメタロセン化合物およびアルミ
ノキサンからなる触媒を用いることによってシンジオタ
クチックポリ−α−オレフィンが製造できることが記載
されている。
【0003】一方、上記のようないわゆるカミンスキー
型触媒の活性種が〔Cp'2MR〕+ (ここでCp' =シ
クロペンタジエニル誘導体、M=Ti,Zr,Hf,R
=アルキル)で表されるような遷移金属カチオンである
ことが示唆されて以来、アルミノキサン類を助触媒とし
ない触媒系もいくつか報告されている。Taube らは、J.
Organometall. Chem., 347 , C9 (1988) に〔Cp2
iMe(THF)〕+ 〔BPh4 - (Me=メチル
基、Ph=フェニル基)で表される化合物を用いてエチ
レン重合に成功している。Jordanらは、J. Am. Chem. S
oc., 109, 4111 (1987) で、〔Cp2 ZrR(L)〕+
(R=メチル基、ベンジル基、L=ルイス塩基)のよう
なジルコニウム錯体がエチレンを重合することを示して
いる。特表平1−501950号公報、特表平1−50
2036号公報にはシクロペンタジエニル金属化合物お
よびシクロペンタジエニル金属カチオンを安定化するこ
とのできるイオン性化合物とからなる触媒を用いてオレ
フィンを重合する方法が記載されている。Zambelliら
は、Macromolecules, 22, 2186 (1989) に、シクロペン
タジエンの誘導体を配位子とするジルコニウム化合物
と、トリメチルアルミニウムとフルオロジメチルアルミ
ニウムとを組み合わせた触媒により、アイソタクチック
ポリプロピレンが製造できることを報告している。特開
平3−179005号公報には、a)中性のメタロセン
化合物、b)アルミニウムアルキル、c)ルイス酸から
なるオレフィン重合用触媒が開示されている。
【0004】上記のようないわゆるカミンスキー型触媒
は、一般的に溶媒に可溶な系であるため、溶媒重合ある
いは気相重合を行おうとした場合生成重合体の嵩比重が
低く、粉体性状に劣っていたり、重合機への壁付着など
の問題が生じていた。これらの問題を解決するために、
特開昭61−108610号公報、特開昭63−662
06号公報、特開平2−173104号公報には、メタ
ロセン化合物およびアルミノキサンを微粒子状担体に担
持した固体触媒を用いてオレフィンを重合する方法が記
載されている。しかしながら、これらのアルミノキサン
を使用して得られる固体触媒は、固体触媒当たりの活性
が低いという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のようなメタロセ
ン化合物/アルミノキサンからなるいわゆるカミンスキ
ー型触媒は、一般に、高活性を得るために大量のアルミ
ノキサンの使用が必要である。そのため、これから得ら
れる固体触媒には、固体触媒当たりの活性が低いという
問題点があった。また、前述のようなメタロセンを微粒
子状担体に担持した固体触媒は、一般にメタロセンの担
持率が低いことも低活性の原因の一つとなっており、担
持率の向上が課題となっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決し、メタロセン含有率が高く、粉体性状に優れた
ポリオレフィンを高活性に製造するための固体触媒の開
発について鋭意検討した結果、特殊な担持方法により得
られる固体触媒により前述の目的が達成されることを見
出し、本発明を完成するに到った。すなわち本発明は、 (A)下記(a)および(b)成分を接触させることに
より得られる反応生成物 (a)一般式(化2)
【0007】
【化2】 (ここで、A1 ,A2 はシクロペンタジエニル基、イン
デニル基、フルオレニル基、またはそれらの誘導体を示
し、A1 ,A2 は互いに同じであっても異なっていても
良い。A3 ,A4 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素
数6〜20のアリール基、アルキルアリール基、アリー
ルアルキル基、ハロゲン化アリール基または酸素、窒
素、硫黄、珪素などのヘテロ原子を含む炭化水素基また
は水素原子である。QはA1 ,A2 を連結する炭素数1
〜10の炭化水素基または珪素、ゲルマニウム、錫を含
む炭化水素基である。また、A3 ,A4 は互いに連結し
ていてA3 ,A4 ,Qの間で環構造を形成していてもよ
い。R1 ,R2 はハロゲン原子、Mはチタン、ジルコニ
ウム、ハフニウムである。)で表される遷移金属化合物 (b)炭素数が2以上の炭化水素基または珪素含有炭化
水素基を有する周期律表1aまたは2a族の有機金属化
合物 (B)アルミノキサン (C)微粒子状担体 上記(A)、(B)、(C)からなる形成される固体触
媒を提供することにあり、さらに本発明は、上記
(A)、(B)、(C)からなる形成される固体触媒お
よび有機アルミニウム化合物の存在下または不存在下に
オレフィンを重合する方法である。
【0008】(a)一般式中、A1 ,A2 はシクロペン
タジエニル基、インデニル基、フルオレニル基、または
それらの誘導体を示す。A1 ,A2 の具体例としては、
シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル
基、ジメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシ
クロペンタジエニル基、インデニル基、3−メチルイン
デニル基、フルオレニル基、1−メチルフルオレニル
基、2,7−ジt−ブチルフルオレニル基などを挙げる
ことができる。A3 ,A4 は炭素数1〜10のアルキル
基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール
基、アリールアルキル基、ハロゲン化アリール基または
酸素、窒素、硫黄、珪素などのヘテロ原子を含む炭化水
素基または水素原子である。A3 ,A4 の具体例として
は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、フェ
ニル基、トルイル基、フルオロフェニル基、メトキシフ
ェニル基、ベンジル基などを挙げることができる。Qは
1 ,A2 を連結する炭素数1〜10の炭化水素基また
は珪素、ゲルマニウム、錫を含む炭化水素基であり、好
ましくは炭化水素基、珪素原子である。また、A3 ,A
4 は互いに連結していてA3 ,A4 ,Qの間で環構造を
形成していてもよく、そのような場合に、A3 ,A4
Qがなす基としては例えば、シクロペンチリデン基、シ
クロヘキシリデン基、テトラヒドロピラン−4−イリデ
ン基などを挙げることができる。R1 ,R2 はハロゲン
原子を示す。R1 ,R2 の好ましい具体例としては、塩
素原子である。
【0009】上記(a)の遷移金属化合物の好適な例
は、非架橋配位子を有する遷移金属化合物としてはビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、(シクロペンタジエニル)(ペンタメチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド等、架
橋配位子を有する遷移金属化合物としてはエチレンビス
(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン
ビス(4,5,6,7−テトラヒドロ1−インデニル)
ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペ
ンタジエニル)(9−フルオレニオル)ジルコニウムジ
クロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニ
ル)(9−フルオレニオル)ジルコニウムジクロリド等
のジルコニウム化合物、これらと同様なハフニウム化合
物等の他に、例えば特開平3−9913号公報、特開平
2−131488号公報、特開平3−21607号公
報、特開平3−106907号公報などに記載されてい
るような遷移金属化合物を挙げることができる。
【0010】また、上記の遷移金属化合物の他に本願発
明者が先に出願した(特願平2−179563号公報記
載)アルキル基などで置換されたフルオレニル基を配位
子として有する遷移金属化合物を使用すると好ましい。
特にt−ブチル基などのようなかさ高い基をフルオレニ
ル基に導入することによりポリマーの立体規則性及び触
媒の安定性が向上する。そのような化合物の具体例とし
ては、例えばイソプロピリデン(シクロペンタジエニ
ル)(2,7−ジt−ブチル−9−フルオレニル)ジル
コニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペン
タジエニル)(2,7−ジt−ブチル−9−フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シ
クロペンタジエニル)(2,7−ジt−ブチル−9−フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニル
メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジt−ブ
チル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド等の
ジルコニウム化合物、同様のハフニウム化合物などを挙
げることができる。これらの化合物は本願実施例でイソ
プロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジt
−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド
の合成例を示したが、その他の化合物もこれに準じた方
法で容易に合成できる。
【0011】本発明において、(b)成分として使用さ
れる炭素数が2以上の炭化水素基または珪素含有炭化水
素基を有する周期律表1aまたは2a族の有機金属化合
物は例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネ
シウムなどを有する有機金属化合物である。具体的に
は、例えば、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウ
ム、ネオペンチルリチウム、フェニルリチウム、ベンジ
ルリチウム、トリメチルシリルメチルリチウム、エチル
マグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリド、
ネオペンチルマグネシウムクロリド、ベンジルマグネシ
ウムクロリド、トリメチルシリルメチルマグネシウムク
ロリドなどを挙げることができる。好ましい具体例とし
ては、β位に水素を有していないネオペンチルリチウ
ム、ベンジルリチウム、トリメチルシリルメチルリチウ
ム、ネオペンチルマグネシウムクロリド、ベンジルマグ
ネシウムクロリド、トリメチルシリルメチルマグネシウ
ムクロリドなどを挙げることができる。
【0012】本発明において使用される(A)成分は上
記(a)および(b)成分を接触させることにより得ら
れる。上記(a)および(b)成分を接触させる方法と
しては特に制限はないが、有機溶媒中、−100〜10
0℃の温度で接触させる方法が好ましく利用される。よ
り好ましくは、ベンゼン、トルエン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタンなどの炭化水素溶媒中、−100〜50℃
で接触させる方法が利用される。(a)成分に対する
(b)成分の使用割合としては、1.0〜100モル
倍、好ましくは1.0〜50モル倍である。一般に、ハ
ロゲンを配位子として有するメタロセン化合物は上記の
ような周期律表1aまたは2a族の有機金属化合物と反
応させることにより、ハロゲンがアルキル基などで置換
された化合物が生成することが知られている。(例え
ば、J.Organometal. Chem., 34, 155 (1972), Organome
tallics, 9, 1539 (1990), Or-ganometallics,10, 1406
(1991), Organometallics, 10, 3417 (1991) などに記
載されている。)本発明者らの知見によれば、ハロゲン
を配位子として有するメタロセン化合物は通常、ベンゼ
ン、トルエンなどの芳香族炭化水素には可溶であるが、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素ま
たは脂環族炭化水素には不溶あるいは難溶である。ま
た、アルミノキサンも一般に、芳香族炭化水素には可溶
であるが、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族
炭化水素または脂環族炭化水素には不溶あるいは難溶で
ある。そのため、特開昭61−108610号公報、特
開昭63−66206号公報、特開平2−173104
号公報などに記載されているように、担持または担持触
媒の洗浄に際しトルエンなどの芳香族炭化水素を用いる
従来公知の方法ではメタロセン化合物およびアルミノキ
サンの担持率が低く、固体触媒当たりの活性が低かっ
た。そこで、本発明者らは、脂肪族炭化水素または脂環
族炭化水素中で担持を行うことによりアルミノキサンの
溶出を防ぐことができると考え、上述のようにハロゲン
を配位子とするメタロセン化合物を炭化水素基などで置
換することにより脂肪族炭化水素に可溶となることに着
目し、この化合物を用いることによって脂肪族炭化水素
中で担持を行う方法を確立した。その結果得られる本発
明の固体触媒は比較的高い遷移金属およびアルミニウム
含有率を有し、オレフィン重合用触媒として用いた場合
従来になく高い重合活性を示す。本発明において(B)
成分として使用されるアルミノキサンとしては一般式
(化3)
【0013】
【化3】 (ここでRは炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原
子、nは2以上を示す。)であり、特にRがアルキル基
であるアルキルアルミノキサンでnが5以上、好ましく
は10以上のものが利用される。より好ましくはメチル
アルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブチルア
ルミノキサンである。上記アルミノキサンには若干のア
ルキルアルミニウム化合物が混入していても差し支えな
い。また、その他に、特開平2−24701号公報、特
開平3−103407号公報などに記載されている二種
類以上のアルキル基を有するアルミノキサンも好適に利
用することができる。
【0014】微粒子状担体としては、平均粒子径が0.
01〜500μm、好ましくは1〜200μmの範囲に
ある微粒子状無機または有機担体である。微粒子状無機
担体としては金属酸化物や金属塩化物が挙げられる。具
体的には、例えば、SiO2 、Al2 3 、MgC
2 、TiO2 、ZrO2 、MgOまたはそれらの複合
体を挙げることができる。微粒子状有機担体としては、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
ポリノルボルネン等の有機ポリマーを挙げることができ
る。
【0015】本発明で重要なのはまず(C)微粒子状担
体を(B)アルミノキサンで処理することによって得ら
れる固体触媒成分に、脂肪族炭化水素または脂環族炭化
水素溶媒中で前記(A)成分を接触させることにある。
そうすることによりアルミノキサンの溶出を防ぎ、高担
持率が達成できる。これら微粒子状担体を前記アルミノ
キサンで処理する方法としては、有機溶媒中または無溶
媒で、微粒子状担体およびアルミノキサンを接触させる
方法が好ましく利用される。接触させる温度としては、
−50℃〜300℃、好ましくは0℃〜200℃の範囲
である。有機溶媒中で接触させる場合に使用される有機
溶媒としては、アルミノキサンに対して不活性な物であ
れば特に制限はないが、具体的にはベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカ
ン、シクロヘキサンなどの芳香族、脂肪族または脂環族
炭化水素を挙げることができる。前記微粒子状無機酸化
物担体に対するアルミノキサンの使用割合は0.01〜
100重量倍、好ましくは0.1〜10重量倍である。
アルミノキサンで処理された微粒子状担体と上記(A)
成分とを接触させる方法としては、前述のようにアルミ
ノキサンを溶出させることのない炭化水素溶媒中で行う
のが好ましい。それらの炭化水素溶媒としては例えば、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサ
ンなどの脂肪族または脂環族炭化水素を挙げることがで
きる。接触させる温度としては−50℃〜100℃、好
ましくは0℃〜50℃の範囲である。
【0016】このようにして得られる本発明の固体触媒
には、遷移金属原子として0.01〜70重量%、好ま
しくは0.1〜30重量%、Al原子として1〜90重
量%、好ましくは5〜80重量%を含む。また、本発明
においては、このようにして得られた本発明の固体触媒
を必要に応じて有機アルミニウム化合物の存在下に使用
してポリオレフィンを製造することができる。有機アル
ミニウム化合物としては、 一般式 R1 j Al(OR2 k l m (ここでR1 ,R2 は炭素数1〜20までの炭化水素基
を示し、R1 ,R2 は互いに同一であっても異なってい
てもよい。Xはハロゲン原子、Oは酸素原子、Hは水素
原子を示す。jは1〜3までの整数、k,l,mは0か
ら2までの整数であり、j+k+l+m=3である)で
表すことができる。具体的には例えば、トリメチルアル
ミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルア
ルミニウムジクロリド、ジイソブチルアルミニウムヒド
リドなどを挙げることができる。その中でも、トリエチ
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好適に
用いられる。
【0017】本発明の方法で行われる重合方法および重
合条件については特に制限はなくオレフィンの重合で行
われる公知の方法が用いられ、不活性炭化水素媒体を用
いる溶媒重合法、または実質的に不活性炭化水素媒体の
存在しない塊状重合法、気相重合法も利用でき、重合温
度としては−100〜200℃、重合圧力としては常圧
〜100kg/cm2 で行うのが一般的である。好まし
くは−50〜100℃、常圧〜50kg/cm2 であ
る。本発明において重合に際し使用される炭化水素媒体
としては例えばブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ノナン、デカン、シクロペンタン、シク
ロヘキサンなどの飽和族または脂環族炭化水素の他に、
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素も
使用することができる。重合に際し使用されるオレフィ
ンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−
メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、
1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘ
キサデセン、1−オクタデセンなどの炭素数2〜25の
オレフィンを挙げることができる。本発明においては、
オレフィンの単独重合のみならず、例えばプロピレンと
エチレン、プロピレンと1−ブテンなどの炭素数2〜2
5程度のオレフィンの共重合体を製造する際にも利用で
きる。
【0018】
〔イソプロピリデン(シクロペンタジエン)(2,7−ジt−ブチル−9−フルオレン)〕
充分窒素置換した300cm3 ガラス製フラスコに2,
7−ジt−ブチル−9−フルオレン12.0g( Synth
sis, 335 ( 1984 ) に記載の方法で合成した)をテトラ
ヒドロフラン100cm3 に溶解させた。この溶液にメ
チルリチウムのエーテル溶液44ミリモルを−78℃で
滴下した。滴下終了後、反応溶液を室温まで上昇させ、
そんままの温度で3時間攪拌した。この反応溶液にテト
ラヒドロフラン50cm3 で希釈した6,6−ジメチル
フルベン4.6gを−78℃で滴下した。滴下終了後、
反応温度を室温まで上昇させ、さらに10時間攪拌を続
けた。3.6%塩酸水100cm3 を加えることにより
反応を停止し、エーテル層を水洗、蒸発乾固させること
により赤褐色粘性液を得た。この粘性液を熱アセトンか
ら再結晶することにより白色粉末のイソプロピリデン
(シクロペンタジエン)(2,7−ジt−ブチル−9−
フルオレン)12.2gを得た。この化合物の物性値を
下に示す。
【0019】 〔イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7
−ジt−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジク
ロリド〕 まず、上記合成したイソプロピリデン(シクロペンタジ
エン)(2,7−ジt−ブチル−9−フルオレン)1
0.0gをn−ブチルリチウムでリチウム化することに
より、イソプロピリデン(シクロペンタジエン)(2,
7−ジt−ブチル−9−フルオレン)のジリチウム塩を
調製した。
【0020】次に、充分窒素置換した500cm3 ガラ
ス製フラスコに四塩化ジルコニウム6.1gを塩化メチ
レン100cm3 に懸濁させた。この懸濁液に−78℃
で熔解させたイソプロピリデン(シクロペンタジエニ
ル)(2,7−ジt−ブチル−9−フルオレニル)ジリ
チウムの塩化メチレン溶液300cm3 を−78℃で添
加した。−78℃で4時間攪拌した後、ゆっくりと室温
まで昇温し、その温度でさらに15時間反応を続けた。
塩化リチウムの白色沈澱を含む赤褐色溶液を濾別し、濾
液を濃縮した後、−30℃で24時間冷却することによ
りオレンジ色結晶のイソプロピリデン(シクロペンタジ
エニル)(2,7−ジt−ブチル−9−フルオレニル)
ジルコニウムジクロリド4.3gを得た。この化合物の
物性値を下に示す。 元素分析値 C2934ZrCl2 C H Cl 計算値(%) 63.97 6.25 13.0 実測値(%) 64.20 6.21 12.90
【0021】固体触媒成分の調製 100cm3 のガラス製フラスコに、シリカ(富士・デ
ヴィソン社製、表面積300m2 /g、平均粒子径57
μm、600℃2時間焼成品)2.0g、東ソー・アク
ゾ社製メチルアルミノキサン2.0gおよびトルエン3
0cm3 を入れ、50℃で3時間攪拌した。上澄み液を
デカンテーションにより除去し、さらにヘプタン50c
3 を用いて3回洗浄することによりシリカのメチルア
ルミノキサン処理を完了した。100cm3 のガラス製
フラスコに、上記合成したイソプロピリデン(シクロペ
ンタジエニル)(2,7−ジt−ブチル−9−フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリド0.5gおよびトリメチ
ルシリルメチルリチウム2.0ミリモルをヘプタン中室
温で接触させることにより少量の白色沈澱を含む淡黄色
の触媒溶液を得た。この触媒溶液を上記調製したメチル
アルミノキサン処理したシリカにヘプタン中室温で2時
間接触させた。得られた紫色の固体をヘプタンで充分に
洗浄することにより固体触媒とした。この固体触媒を分
析した結果、Zr原子として1.6wt%、Al原子と
して14.7wt%含有していた。
【0022】実施例2重合 充分窒素置換した1.5dm3 のオートクレーブに実施
例1で調製した固体触媒成分0.2gを装入し、液体プ
ロピレン0.75dm3 を加え、40℃で1時間重合を
行った。少量のメタノールを系内に添加することにより
重合を停止した後、未反応のプロピレンをパージし、乾
燥することにより208.4gのシンジオタクチックポ
リプロピレンパウダーを得た。これは1040(gポリ
マー/g触媒・h)の活性に相当する。パウダーの13
5℃のテトラリン溶液で測定した極限粘度(以下〔η〕
と略記する)は0.90dl/g、13C−NMRで測定
したシンジオタクチックペンタッド分率(rrrr)は
0.88、嵩比重は0.40g/cm3 であった。ま
た、オートクレーブの壁へのポリマーの付着はなかっ
た。
【0023】比較例1固体触媒の調製 100cm3 のガラス製フラスコに、シリカ(富士・デ
ヴィソン社製、表面積300m2 /g、平均粒子径57
μm、600℃2時間焼成品)2.0g、東ソー・アク
ゾ社製メチルアルミノキサン2.0gおよびトルエン3
0cm3 を入れ、50℃で3時間攪拌した。上澄み液を
デカンテーションにより除去し、さらにヘプタン50c
3 を用いて3回洗浄することによりシリカのメチルア
ルミノキサン処理を完了した。100cm3 のガラス製
フラスコに、イソプロピリデン(シクロペンタジエニ
ル)(2,7−ジt−ブチル−9−フルオレニル)ジル
コニウムジクロリド0.5gをトルエン50cm3 に溶
解させた。この溶液を上記調製したメチルアルミノキサ
ン処理したシリカにトルエン中室温で2時間接触させ
た。得られた紫色の固体をトルエンで充分に洗浄するこ
とにより固体触媒とした。この固体触媒を分析した結
果、Zr原子として0.2wt%、Al原子として8.
4wt%含有していた。
【0024】重合 触媒として、上記調製した固体触媒0.2gを使用した
以外実施例1と同様にして重合を行った。その結果3
0.1gのシンジオタクチックポリプロピレンパウダー
が得られた。これは150(gポリマー/g触媒・h)
の活性に相当する。パウダーの〔η〕は0.90dl/
g,rrrrは0.87、嵩比重は0.34g/cm3
であり、オートクレーブの壁へのポリマーの付着はなか
った。
【0025】
【発明の効果】本発明の固体触媒を使用し、本発明の方
法を実施することによりパウダー性状の良好なポリオレ
フィンを高活性に製造することができ、かつ、ポリマー
の重合機の壁への付着を防止することができ、工業的に
極めて価値がある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A)、(B)、(C)から形成され
    る固体触媒 (A)下記(a)および(b)成分を反応させることに
    より得られる反応生成物 (a)下記式(化1) 【化1】 (ここで、A1 ,A2 はシクロペンタジエニル基、イン
    デニル基、フルオレニル基、またはそれらの誘導体を示
    し、A1 ,A2 は互いに同じであっても異なっていても
    良い。A3 ,A4 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素
    数6〜20のアリール基、アルキルアリール基、アリー
    ルアルキル基、ハロゲン化アリール基または酸素、窒
    素、硫黄、珪素などのヘテロ原子を含む炭化水素基また
    は水素原子である。QはA1 ,A2 を連結する炭素数1
    〜10の炭化水素基または珪素、ゲルマニウム、錫を含
    む炭化水素基である。また、A3 ,A4 は互いに連結し
    ていてA3 ,A4 ,Qの間で環構造を形成していてもよ
    い。R1 ,R2 はハロゲン原子、Mはチタン、ジルコニ
    ウム、ハフニウムである。)で表される遷移金属化合物 (b)炭素数が2以上の炭化水素基または珪素含有炭化
    水素基を有する周期律表1aまたは2a族の有機金属化
    合物 (B)アルミノキサン (C)微粒子状担体
  2. 【請求項2】請求項1記載の固体触媒および有機アルミ
    ニウム化合物の存在下または不存在下にオレフィンを重
    合することを特徴とするオレフィンの重合方法
JP34078691A 1991-12-24 1991-12-24 オレフィン重合用固体触媒およびオレフィンの重合方法 Pending JPH05170822A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5965477A (en) * 1997-02-21 1999-10-12 Council Of Scientific & Industrial Research Process for the preparation of supported metallocene catalyst
US6342568B1 (en) 1998-05-06 2002-01-29 Mitsui Chemicals, Inc. Metallocene compound, and process for preparing polyolefin by using it

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5965477A (en) * 1997-02-21 1999-10-12 Council Of Scientific & Industrial Research Process for the preparation of supported metallocene catalyst
US6342568B1 (en) 1998-05-06 2002-01-29 Mitsui Chemicals, Inc. Metallocene compound, and process for preparing polyolefin by using it

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