JP3102933B2 - ポリオレフィン製造用固体触媒およびポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン製造用固体触媒およびポリオレフィンの製造方法

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JP3102933B2 JP03316046A JP31604691A JP3102933B2 JP 3102933 B2 JP3102933 B2 JP 3102933B2 JP 03316046 A JP03316046 A JP 03316046A JP 31604691 A JP31604691 A JP 31604691A JP 3102933 B2 JP3102933 B2 JP 3102933B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィンの製造方
法に関する。詳しくは担体に担持された固体触媒を用い
ることにより、粒子性状の良好なポリオレフィンを製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シクロペンタジエニル基、インデニル
基、フルオレニル基、またはそれらの誘導体を配位子と
する遷移金属化合物、いわゆるメタロセン化合物は、助
触媒、例えばアルミノキサンと共に使用してオレフィン
を重合することによりポリオレフィンが製造できること
が知られている。特開昭58−19309号公報には、 (シクロペンタジエニル)2 MeRHal (ここで、Rはシクロペンタジエニル、C1 〜C6 のア
ルキル、ハロゲンであり、Meは遷移金属であり、Ha
lはハロゲンである)で表される遷移金属化合物とアル
ミノキサンからなる触媒の存在下エチレンおよび/また
はα−オレフィンを重合または共重合させる方法が記載
されている。特開昭60−35008号公報には、少な
くとも2種のメタロセン化合物とアルミノキサンからな
る触媒を用いることにより幅広い分子量分布を有するポ
リ−α−オレフィンが製造できることが記載されてい
る。特開昭61−130314号公報には、立体的に固
定したジルコン・キレート化合物およびアルミノキサン
からなる触媒を用いてポリオレフィンを製造する方法が
記載されている。また、同公報には、遷移金属化合物と
してエチレン−ビス−(4、5、6、7−テトラヒドロ
−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを使用する
ことにより、アイソタクチック度の高いポリオレフィン
が製造する方法が記載されている。特開昭64−661
24号公報には、珪素で架橋したシクロペンタジエニル
化合物を配位子とする遷移金属化合物およびアルミノキ
サンを有効成分とする立体規則性オレフィン重合体製造
用触媒が開示されている。
【0003】特開平2−41303号公報には、下記式 R”(Cp Rn )(CpR’m )MeQk (但し、各 Cpはシクロペンタジエニル又は置換され
たシクロペンタジエニル環であり;各Rn は同一又は異
なっていてもよく、1〜20の炭素原子を有するヒドロ
カルビル残基であり;各R’m はは同一又は異なってい
てもよく、1〜20の炭素原子を有するヒドロカルビル
残基であり;R”は触媒に立体剛性をもたらすCp環の
間の構造的架橋であり;Meは元素の周期律表の4b,
5b,又は6b族の金属であり;各Qは1〜20の炭素
原子を有するヒドロカルビル残基又はハロゲンであり;
0≦k≦3:0≦n≦4:及び1≦m≦4であり;及び
R’m は(CpR’m )が(CpRn )と立体的に相違
しているように選択される、によって表記されるシンジ
オタクチックポリオレフィンを製造するために使用され
るメタロセン触媒。を一成分とする触媒を使用すること
によってシンジオタクティシティーの良好なポリ−α−
オレフィンが製造できることが記載されている。また、
同公報には上記メタロセン化合物を2種以上使用するこ
とにより幅広い分子量分布を有するシンジオタクチック
ポリ−α−オレフィンが製造できることが記載されてい
る。特開平2−274703号公報には、下記式(化
2)
【0004】
【化2】 〔式中、M1 はチタニウム、ジルコニウム、バナジウ
ム、ニオブまたはタンタルであり、R1 およびR2 は互
いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン
原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1
〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のアリール
基、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、炭素原子
数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリ
ールアルキル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリー
ル基または炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基
を意味し、R3 およびR4 は異なっており、中心原子M
1 と一緒にサンドイッチ構造を形成し得る単核−または
多核炭化水素基を意味し、R5 は(化3)
【0005】
【化3】 =BR6 ,=AlR6 ,−Ge−,−Sn−,−O−,
−S−,=SO,=SO,=NR6 ,=CO, =PR
6 または=P(O)R6 を意味し、その際R6 、R7
よびR8 は互いに同じでも異なっていてもよく、水素原
子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、
炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基、炭素原子数
6〜10のフルオロアリール基、炭素原子数6〜20の
アリール基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素
原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40の
アリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールア
ルケニル基または炭素原子数7〜40のアルキルアリー
ル基を意味するかまたは、R6 およびR7 またはR6
よびR8 はそれぞれそれらの結合する原子と一緒に成っ
て環を形成し、そしてM2 は珪素、ゲルマニウムまたは
錫である。〕で表される遷移金属成分およびアルミノキ
サンからなる触媒の存在下にオレフィンを重合すること
により高分子量のシンジオタクチックポリオレフィンを
製造する方法が記載されている。また、特開平2−27
4704号公報には、同様のハフニウム化合物を用いて
高分子量のシンジオタクチックポリオレフィンを製造す
る方法が記載されている。一方、上記のようないわゆる
カミンスキー型触媒の活性種が〔Cp'2MR〕+ (ここ
でCp' =シクロペンタジエニル誘導体、M=Ti,Z
r,Hf,R=アルキル)で表されるような遷移金属カ
チオンであることが示唆されて以来、アルミノキサン類
を助触媒としない触媒系もいくつか報告されている。Ta
ube らは、J. Organometall. Chem., 347 , C9(1988)
に〔Cp2 TiMe(THF)〕+ 〔BPh4 - (M
e=メチル基、Ph=フェニル基)で表される化合物を
用いてエチレン重合に成功している。Jordanらは、J. A
m. Chem. Soc., 109, 4111 (1987) で、〔Cp2 ZrR
(L)〕+ (R=メチル基、ベンジル基、L=ルイス塩
基)のようなジルコニウム錯体がエチレンを重合するこ
とを示している。特表平1−501950号公報、特表
平1−502036号公報にはシクロペンタジエニル金
属化合物およびシクロペンタジエニル金属カチオンを安
定化することのできるイオン性化合物とからなる触媒を
用いてオレフィンを重合する方法が記載されている。
【0006】Zambelliらは、Macromolecules, 22, 2186
(1989) に、シクロペンタジエンの誘導体を配位子とす
るジルコニウム化合物と、トリメチルアルミニウムとフ
ルオロジメチルアルミニウムとを組み合わせた触媒によ
り、アイソタクチックポリプロピレンが製造できること
を報告している。上記のようないわゆるカミンスキー型
触媒は、一般的に溶媒に可溶な系であるため、溶媒重合
あるいは気相重合を行おうとした場合生成重合体の嵩比
重が低く、粉体性状に劣っていたり、重合機への壁付着
などの問題が生じていた。これらの問題を解決するため
に、特開昭61−108610号公報、特開昭63−6
6206号公報、特開平2−173104号公報には、
メタロセン化合物およびアルミノキサンを微粒子状担体
に担持した固体触媒を用いてオレフィンを重合する方法
が記載されている。しかしながら、これらのアルミノキ
サンを使用して得られる固体触媒は、固体触媒当たりの
活性が低いという欠点があった。そのため、アルミノキ
サンを使用しない固体触媒の開発が望まれている。
【0007】特開平3−234709号公報には、
〔A〕微粒子状担体と〔B〕シクロアルカジエニル骨格
を有する配位子を含みかつホウ素元素を含有するアニオ
ンを含む遷移金属化合物とから形成されているオレフィ
ン重合用固体触媒が開示されている。しかしながら、同
公報に記載されているような同一担体上に遷移金属化合
物およびホウ素元素を含有するアニオンが担持された固
体触媒は、触媒の保存安定性が悪く、その上、溶媒重合
などに適用した場合、生成ポリマーの嵩比重などの粉体
性状や重合機の壁付着などの問題に関して不充分であっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述のようなメタロセ
ン化合物/アルミノキサンからなるいわゆるカミンスキ
ー型触媒は、高活性を得るために大量のアルミノキサン
の使用が必要である。そのため、これから得られる固体
触媒は、固体触媒当たりの活性が低いという問題点があ
った。また、特開平3−234709号公報に記載され
ているようなアルミノキサンを使用せずに得られる固体
触媒は、生成ポリマーの嵩比重などの粉体性状に劣って
いたり、重合機への壁付着などを引き起こしていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決し、溶媒重合に適用した場合においても、粉体性
状に優れたポリオレフィンを製造するための固体触媒の
開発について鋭意検討した結果、アルミノキサンを使用
せずに得られる固体触媒により前述の目的が達成される
ことを見出し、本発明を完成するに到った。
【0010】すなわち本発明は、 (A) (a)少なくとも一つのシクロペンタジエニル基、イン
デニル基、フルオレニル基、またはそれらの誘導体から
なる架橋または非架橋性配位子を有する4価のジルコニ
ウム、チタン及びハフニウムの化合物から選ばれた遷移
金属化合物 (b)有機アルミニウム化合物で処理が施された微粒子
状無機酸化物担体から形成される固体触媒成分、および (B) (c)アニオンを含む化合物及びルイス酸性化合物から
選ばれた、成分(a)の4価のジルコニウム、チタン及
びハフニウムの化合物のカチオンを安定化することので
きる化合物 (d)微粒子状担体から形成される固体助触媒成分から
なるポリオレフィン製造用固体触媒を提供することにあ
り、さらに本発明は、前記(A)、(B)からなる触媒
の存在下にオレフィンを重合することを特徴とするポリ
オレフィンの製造方法、および、前記(A)、(B)か
らなる触媒および有機アルミニウム化合物からなる触媒
の存在下にオレフィンを重合することを特徴とするポリ
オレフィンの製造方法本発明において(A)成分中、
(a)成分として使用される少なくとも一つのシクロペ
ンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基、また
はそれらの誘導体からなる架橋または非架橋性配位子を
有する4価のジルコニウム、チタン及びハフニウムの化
合物から選ばれた遷移金属化合物は、いわゆるメタロセ
ン化合物と呼ばれる化合物であり、好ましくは、下記一
般式(化4)
【0011】
【化4】 (ここで、A1 ,A2 はシクロペンタジエニル基、イン
デニル基、フルオレニル基、またはそれらの誘導体を示
し、A1 ,A2 は互いに同じであっても異なっていても
良い。A3 ,A4 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素
数6〜20のアリール基、アルキルアリール基、アリー
ルアルキル基、ハロゲン化アリール基または酸素、窒
素、硫黄、珪素などのヘテロ原子を含む炭化水素基また
は水素原子である。QはA1 ,A2 を連結する炭素数1
〜10の炭化水素基または珪素、ゲルマニウム、錫を含
む炭化水素基である。また、A3 ,A4 は互いに連結し
ていてA3 ,A4 ,Qの間で環構造を形成していてもよ
い。R1 ,R2 はハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜
10のアルキル基、珪素含有アルキル基、炭素数6〜2
0のアリール基、アルキルアリール基、アリールアルキ
ル基を示し、R1 ,R2 の少なくとも一つは水素原子、
炭素数1〜10のアルキル基、珪素含有アルキル基、炭
素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基、アリ
ールアルキル基である。Mはチタン、ジルコニウム、ハ
フニウムである。)で表される遷移金属化合物が用いら
れる。
【0012】式中、A1 ,A2 はシクロペンタジエニル
基、インデニル基、フルオレニル基、またはそれらの誘
導体を示す。A1 ,A2 の具体例としては、シクロペン
タジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、ジメチ
ルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタ
ジエニル基、インデニル基、3−メチルインデニル基、
フルオレニル基、1−メチルフルオレニル基、2,7−
ジt−ブチルフルオレニル基などを挙げることができ
る。A3 ,A4 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数
6〜20のアリール基、アルキルアリール基、アリール
アルキル基、ハロゲン化アリール基または酸素、窒素、
硫黄、珪素などのヘテロ原子を含む炭化水素基または水
素原子である。A3 ,A4 の具体例としては、水素原
子、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ト
ルイル基、フルオロフェニル基、メトキシフェニル基、
ベンジル基などを挙げることができる。QはA1 ,A2
を連結する炭素数1〜10での炭化水素基または珪素、
ゲルマニウム、錫を含む炭化水素基であり、好ましくは
炭化水素基、珪素原子である。また、A3 ,A4 は互い
に連結していてA3 ,A4 ,Qの間で環構造を形成して
いてもよく、そのような場合に、A3 ,A4 ,Qがなす
基としては例えば、シクロペンチリデン基、シクロヘキ
シリデン基、テトラヒドロピラン−4−イリデン基など
を挙げることができる。R1 ,R2 はハロゲン原子、水
素原子、炭素数1〜10までのアルキル基、珪素含有ア
ルキル基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリ
ール基、アリールアルキル基を示し、R1 ,R2 の少な
くとも一つは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、
珪素含有アルキル基、炭素数6〜20までのアリール
基、アルキルアリール基、アリールアルキル基である。
1 ,R2 の好ましい具体例としては、塩素原子、メチ
ル基、フェニル基、トリメチルシリルメチル基などを挙
げることができる。本発明においては、上記R1 ,R2
の少なくとも一つが水素原子、メチル基、フェニル基、
トリメチルシリルメチル基である遷移金属化合物が好ま
しく利用される。そのような遷移金属化合物は、例えば
J. Organometal. Chem., 34, 155(1972)、Macromolecu
les, 20, 1015 (1987) などに記載されているように、
同様のジハロゲン化合物をLiやMgを有する有機金属
化合物と反応させることによりえることができる。
【0013】上記一般式で表される遷移金属化合物の好
適な例として、非架橋配位子を有する遷移金属化合物と
しては ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
メチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
フェニル、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジメチル、(シクロペンタジエニル)(ペ
ンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、 架橋配位子を有する遷移金属化合物としてはエチ
レンビス(1−インデニル)ジルコニウムジメチル、エ
チレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ1−インデ
ニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス
(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、ジメチルシリレンビス(ジメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジメチル、イソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウム
ジメチル、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニ
ル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジメチル、同様
なハフニウム化合物等の他に、例えば特開平3−991
3号公報、特開平2−131488号公報、特開平3−
21607号公報、特開平3−106907号公報など
に記載されているような遷移金属化合物を挙げることが
できる。その他に、本発明者らによって見出された遷移
金属化合物、イソプロピリデン(シクロペンタジエニ
ル)(2,7−ジt−ブチル−9−フルオレニル)ジル
コニウムジメチル、1,4−シクロヘキサンジイリデン
ビス〔(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)
ジルコニウムジメチル〕などを挙げることができる。
【0014】本発明において(A)成分中、(b)成分
で微粒子状無機酸化物担体の処理に使用される有機アル
ミニウム化合物は、 一般式 R1 j Al(OR2 k l m (ここでR1 ,R2 は炭素数1〜20までの炭化水素基
を示し、R1 ,R2 は互いに同一であっても異なってい
てもよい。Xはハロゲン原子、Oは酸素原子、Hは水素
原子を示す。jは1〜3までの整数、k,l,mは0か
ら2までの整数であり、j+k+l+m=3である)で
表すことができる。具体的には例えば、トリメチルアル
ミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルア
ルミニウムジクロリド、ジイソブチルアルミニウムヒド
リドなどを挙げることができる。その中でも、トリエチ
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好適に
用いられる。
【0015】微粒子状無機酸化物担体としては、平均粒
子径が0.01〜500μm、好ましくは1〜200μ
mの範囲にある無機酸化物担体である。具体的には、例
えば、SiO2 、Al2 3 、TiO2 、ZrO2 、M
gOまたはそれらの複合体を挙げることができる。この
ような微粒子状無機酸化物担体は、一般に50℃〜10
00℃、好ましくは100℃〜800℃の温度で焼成し
て用いられる。これら微粒子状無機酸化物担体を前記有
機アルミニウム化合物で処理する方法としては、有機溶
媒中または無溶媒で、微粒子状無機酸化物担体および有
機アルミニウム化合物を接触させる方法が好ましく利用
される。接触させる温度としては、−50℃〜300
℃、好ましくは0℃〜200℃の範囲である。有機溶媒
中で接触させる場合に使用される有機溶媒としては、有
機アルミニウム化合物に対して不活性な物であれば特に
制限はないが、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘ
キサンなどの芳香族および脂肪族炭化水素を挙げること
ができる。前記微粒子状無機酸化物担体に対する有機ア
ルミニウム化合物の使用割合は0.01〜100重量
倍、好ましくは0.1〜10重量倍である。
【0016】本発明における固体触媒成分(A)は、前
記遷移金属化合物成分(a)および有機アルミニウム化
合物で処理された微粒子状無機酸化物担体成分(b)を
接触させることにより得ることができる。接触させる方
法としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサンなど
の芳香族および脂肪族炭化水素溶媒中、両成分を接触さ
せる方法、または実質的に無溶媒で粉砕機などを用いて
共粉砕する方法などが挙げられる。接触させる温度は−
100℃〜200℃、好ましくは−50℃〜100℃の
範囲である。
【0017】本発明においては、前記微粒子状無機酸化
物担体と有機アルミニウム化合物を接触させる工程、ま
たは前記遷移金属化合物成分(a)および有機アルミニ
ウム化合物で処理された微粒子状無機酸化物担体成分
(b)を接触させる工程のうち、少なくとも一工程で有
機溶媒により洗浄することが望ましい。そうしないと、
生成ポリマーの嵩比重などの粉体性状などに問題が生じ
ことがある。洗浄の際使用される有機溶媒としては、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、デカン、シクロヘキサンなどの芳香族および脂
肪族炭化水素などを挙げることができる。このようにし
て得られる本発明の固体触媒成分(A)には、遷移金属
原子として0.01〜70重量%、好ましくは0.1〜
30重量%、Al原子として0.1〜90重量%、好ま
しくは1〜80重量%を含む。
【0018】本発明における(B)成分中、(c)成分
として使用される成分(a)の4価のジルコニウム、チ
タン及びハフニウムの化合物のカチオンを安定化するこ
とのできる化合物としては、カチオンを安定化するこ
とのできるアニオンを含む化合物や、ルイス酸性化合物
を挙げることができる。カチオンを安定化することの
できるアニオンとしては、例えば有機硼素化合物アニオ
ン、有機砒素化合物アニオン、有機リン化合物アニオ
ン、有機アルミニウム化合物アニオン、有機ガリウム化
合物アニオン等であり、それらの中で比較的かさ高く、
生成した遷移金属カチオン化合物に対して結合したり、
強く配位して重合活性種を不活性化しない物が好適に利
用される。そのような好適なアニオンの例としては例え
ば、前記 Taube, Jordanらによるテトラフェニル硼素ア
ニオン、特表平1−501950号公報、特表平1−5
02036号公報、特開平3−179006号公報、特
開平3−207703号公報記載のテトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)硼素アニオンや、同様のアルミニウ
ム化合物アニオン、ガリウム化合物アニオンなどを挙げ
ることができる。アルミニウム化合物アニオンやガリウ
ム化合物アニオンを含む化合物は、例えば特開平3−2
07703号公報に記載されているような硼素化合物ア
ニオンを含む化合物と同様な方法を用いて製造すること
ができる。これらのアニオンと対をなしてイオン性化合
物を形成するためのカチオンとしては、重合活性種を不
活性化しない物であれば特に制限はなく、上記アニオン
と対を成し得る公知のカチオンを挙げることができる。
そのようなカチオンとしては、金属カチオン、有機金属
カチオン、カルボニウムカチオン、トリピウムカチオ
ン、アンモニウムカチオン等が挙げられる。詳しくは、
銀カチオン、ジシクロペンタジエニル鉄カチオン、トリ
フェニルカルベニウムカチオン、トリフェニルホスホニ
ウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオンなどで
ある。
【0019】ルイス酸性化合物としては、ルイス酸性を
示す公知の化合物で、重合活性種を不活性化しない物で
あれば特に制限はなく利用できる。好ましい例としては
特開平3−179005号公報に記載されているトリス
(ペンタフルオロフェニル)硼素などを挙げることがで
きる。
【0020】(d)成分として用いられる微粒子状担体
は平均粒子径が0.01〜500μm、好ましくは1〜
200μmの範囲にある微粒子状無機または有機担体で
ある。微粒子状無機担体としては金属酸化物や金属塩化
物が挙げられる。具体的にはSiO2 、Al2 3 、T
iO2 、ZrO2 、MgOまたはそれらの複合体、Mg
Cl2 、AlCl3 などが挙げられる。微粒子状有機担
体としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリノルボルネンなどの有機ポリマーを挙
げることができる。
【0021】本発明における固体助触媒成分(B)は前
記(c)および(d)成分を接触させることにより得る
ことができる。接触させる方法としては有機溶媒中、−
100℃〜300℃、好ましくは−50℃〜200℃の
範囲で(c)および(d)成分を接触させる方法が好ま
しく利用される。その際使用される有機溶媒としては、
特に制限はないが、具体的にはベンゼン、トルエン、キ
シレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、シク
ロヘキサンなどの芳香族および脂肪族炭化水素、クロロ
ホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタ
ンなどのエーテル類の他にメタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類などを
挙げることができる。(d)成分に対する(c)成分の
使用割合としては、0.001〜100重量倍、好まし
くは0.01〜50重量倍である。このようにして得ら
れる本発明の固体触媒成分(B)には、前記成分(a)
の4価のジルコニウム、チタン及びハフニウムの化合物
カチオンを安定化することのできる化合物が0.1〜
99重量%、好ましくは5〜90重量%含まれる。
【0022】上記(A)成分および(B)成分を接触さ
せることにより、本発明のポリオレフィン製造用固体触
媒として使用することができる。(A)成分および
(B)成分を接触させる方法としては、特に制限はな
く、オレフィンの存在下または不存在下、溶媒中または
無溶媒中で接触させることによりオレフィンの重合に用
いることができる。オレフィンの重合の際、(A)成分
に対する(B)成分の使用割合は0.01〜50重量
倍、好ましくは0.1〜10重量倍である。
【0023】また、本発明においては、上記(A)およ
び(B)成分からなる固体触媒を有機アルミニウム化合
物の存在下に使用してポリオレフィンを製造することが
できる。有機アルミニウム化合物としては、トリメチル
アルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチ
ルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリドなどの
アルキルアルミニウムまたはアルキルアルミニウムハラ
イドなどが好ましく利用される。
【0024】本発明の方法で行われる重合方法および重
合条件については特に制限はなくオレフィンの重合で行
われる公知の方法が用いられ、不活性炭化水素媒体を用
いる溶媒重合法、または実質的に不活性炭化水素媒体の
存在しない塊状重合法、気相重合法も利用でき、重合温
度としては−100〜200℃、重合圧力としては常圧
〜100kg/cm2 で行うのが一般的である。好まし
くは−50〜100℃、常圧〜50kg/cm2 であ
る。
【0025】本発明において重合に際し使用される炭化
水素媒体としては例えばブタン、ペンタン、ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロペンタ
ン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素の他に、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素も使用す
ることができる。重合に際し使用されるオレフィンとし
ては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル
−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デ
セン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデ
セン、1−オクタデセンなどの炭素数2〜25のオレフ
ィンを挙げることができる。本発明においては、オレフ
ィンの単独重合のみならず、例えばプロピレンとエチレ
ン、プロピレンと1−ブテンなどの炭素数2〜25程度
のオレフィンの共重合体を製造する際にも利用できる。
【0026】
【実施例】以下に本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1固体触媒成分(A)の調製 100cm3 のガラス製フラスコに、シリカ(富士・デ
ヴィソン社製、表面積300m2 /g、平均粒子径57
μm)2.0g、トリエチルアルミニウム2.5gおよ
びヘプタン20cm3 を入れ、50℃で3時間攪拌し
た。上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらに
ヘプタン50cm3 を用いて3回洗浄することによりシ
リカのトリエチルアルミニウム処理を完了した。特開平
2−41303号公報記載の方法で合成したイソプロピ
リデン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)
ジルコニウムジクロリドを、さらにメチルリチウムと反
応させることによって得られたイソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウム
ジメチル0.3gを上記調製したトリエチルアルミニウ
ム処理したシリカとヘプタン中、室温で2時間反応させ
た。上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらに
ヘプタン50cm3 を用いて3回洗浄することにより固
体触媒成分(A)とした。この固体触媒を分析した結
果、Zr原子として1.5wt%、Al原子として4.
7wt%含有していた。固体助触媒成分(B)の調製 100cm3 のガラス製フラスコに、シリカ(富士・デ
ヴィソン社製、表面積300m2 /g、平均粒子径57
μm)4.2gをトルエン70cm3 に懸濁させた。こ
の懸濁液に、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレート1.3gを加え、室温
で一晩攪拌した。上澄み液をデカンテーションにより除
去し、さらにヘプタン70cm3 を用いて3回洗浄する
ことにより固体助触媒成分(B)とした。この固体助触
媒を分析した結果、炭素原子として10.8wt%含有
していた。
【0027】実施例2重合 充分窒素置換した1.5dm3 のオートクレーブに実施
例1で調製した固体触媒成分(A)0.5gおよび固体
助触媒成分(B)0.3gを装入し、液体プロピレン
0.75dm3 を加え、40℃で1時間重合を行った。
少量のメタノールを系内に添加することにより重合を停
止した後、未反応のプロピレンをパージし、乾燥するこ
とにより146.0gのシンジオタクチックポリプロピ
レンパウダーを得た。パウダーの135℃のテトラリン
溶液で測定した極限粘度(以下〔η〕と略記する)は
0.93dl/g、13C−NMRで測定したシンジオタ
クチックペンタッド分率(rrrr)は0.83、嵩比
重は0.32g/cm3 であった。また、オートクレー
ブの壁へのポリマーの付着はほとんどなかった。比較例1 実施例1において、固体触媒成分(A)の調製を、ヘプ
タン20cm 3 中にシリカ2.0gを分散したスラリー
にトリエチルアルミニウム2.5gおよびイソプロピリ
デン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジ
ルコニウムジメチル0.3gを加え室温で2時間反応し
た後、上澄みをデカンテーションで除去し、さらにヘプ
タン50cm 3 で3回洗浄することにより行い固体触媒
成分(A)を得た。この固体触媒はZrを0.8wt
%、Alを6.0wt%含有していた。固体触媒成分
(A)として、この触媒を用いた他は実施例2と同様に
重合したところ、シンジオタクチックポリプロピレンパ
ウダーを32.5g得た。〔η〕は0.91、rrrr
は0.83であった。
【0028】実施例3重合 触媒として、実施例1で調製した固体触媒成分(A)
0.1g、固体助触媒成分(B)0.1gおよびトリエ
チルアルミニウム0.06gを使用した事以外実施例1
と同様にして重合を行った。その結果31.7gのシン
ジオタクチックポリプロピレンパウダーが得られた。パ
ウダーの〔η〕は0.90dl/g,rrrrは0.8
2、嵩比重は0.26g/cm3 であり、オートクレー
ブの壁へのポリマーの付着はほとんどなかった。
【0029】実施例4遷移金属化合物の合成 〔イソプロピリデン(シクロペンタジエン)(2,7−
ジt−ブチル−9−フルオレン)〕 充分窒素置換した300cm3 ガラス製フラスコに2,
7−ジt−ブチル−9−フルオレン12.0g( Synth
sis, 335 ( 1984 ) に記載の方法で合成した)をテトラ
ヒドロフラン100cm3 に溶解させた。この溶液にメ
チルリチウムのエーテル溶液44ミリモルを−78℃で
滴下した。滴下終了後、反応溶液を室温まで上昇させ、
そんままの温度で3時間攪拌した。この反応溶液にテト
ラヒドロフラン50cm3で希釈した6,6−ジメチル
フルベン4.6gを−78℃で滴下した。滴下終了後、
反応温度を室温まで上昇させ、さらに10時間攪拌を続
けた。3.6%塩酸水100cm3 を加えることにより
反応を停止し、エーテル層を水洗、蒸発乾固させること
により赤褐色粘性液を得た。この粘性液を熱アセトンか
ら再結晶することにより白色粉末のイソプロピリデン
(シクロペンタジエン)(2,7−ジt−ブチル−9−
フルオレン)12.2gを得た。この化合物の物性値を
下に示す。 〔イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7
−ジt−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジメ
チル〕 まず、上記合成したイソプロピリデン(シクロペンタジ
エン)(2,7−ジt−ブチル−9−フルオレン)1
0.0gをn−ブチルリチウムでリチウム化することに
より、イソプロピリデン(シクロペンタジエン)(2,
7−ジt−ブチル−9−フルオレン)のジリチウム塩を
調製した。次に、充分窒素置換した500cm3 ガラス
製フラスコに四塩化ジルコニウム6.1gを塩化メチレ
ン100cm3 に懸濁させた。この懸濁液に−78℃で
熔解させたイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)
(2,7−ジt−ブチル−9−フルオレニル)ジリチウ
ムの塩化メチレン溶液300cm3 を−78℃で添加し
た。−78℃で4時間攪拌した後、ゆっくりと室温まで
昇温し、その温度でさらに15時間反応を続けた。塩化
リチウムの白色沈澱を含む赤褐色溶液を濾別し、濾液を
濃縮した後、−30℃で24時間冷却することによりオ
レンジ色結晶のイソプロピリデン(シクロペンタジエニ
ル)(2,7−ジt−ブチル−9−フルオレニル)ジル
コニウムジクロリド4.3gを得た。さらに、このイソ
プロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジt
−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド
をジエチルエーテル中、2当量のメチルリチウムと反応
させ、ヘキサンを用いて再結晶することによってイソプ
ロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジt−
ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジメチルを得
た。この化合物の物性値を下に示す。 固体触媒成分(A)の調製 イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(9−フル
オレニル)ジルコニウムジクロリドの代わりに上記合成
したイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,
7−ジt−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジ
クロリドを使用したこと以外は実施例1の固体触媒成分
(A)の調製と同様にして固体触媒成分(A)の調製を
行った。得られた固体触媒中には、1.3wt%のZr
原子および4.3wt%のAl原子が含まれていた。
【0030】実施例5重合 触媒として実施例4で得られた固体触媒成分(A)およ
び実施例1で得られた固体助触媒成分(B)を使用した
以外実施例1と同様にして重合を行った。その結果9
6.7gのシンジオタクチックポリプロピレンパウダー
が得られた。パウダーの〔η〕は0.63dl/g,r
rrrは0.86、嵩比重は0.32g/cm3 であ
り、オートクレーブの壁へのポリマーの付着はほとんど
なかった。
【0031】実施例6重合 触媒として実施例4で得られた固体触媒成分(A)0.
1g、実施例1で得られた固体助触媒成分(B)0.1
gおよびトリエチルアルミニウム0.06gを使用した
以外実施例1と同様にして重合を行った。その結果7
5.3gのシンジオタクチックポリプロピレンパウダー
が得られた。パウダーの〔η〕は0.68dl/g,r
rrrは0.87、嵩比重は0.24g/cm3 であ
り、オートクレーブの壁へのポリマーの付着はほとんど
なかった。
【0032】実施例7 〔トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)アルミネート〕 窒素置換した500cm3 のフラスコに、ブロモペンタ
フルオロベンゼン19.6gをトルエン150cm3
溶解し、この溶液にn−ブチルリチウム80ミリモルを
−78℃で2時間かけて滴下した。−78℃で30分間
攪拌した後、臭化アルミニウム5.3gを含むトルエン
溶液50cm3 を滴下し、室温で一晩反応させた。白色
沈澱を含む反応スラリーから溶媒を減圧留去した後、塩
化メチレン150cm3 およびトリフェニルクロロメタ
ン2.3gを加え室温で1時間反応させた。得られた反
応液を濾過し、濾液を減圧乾燥することにより2.9g
のトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)アルミネートが茶色の粉末として得られ
た。この化合物の物性値を下に示す。 元素分析値 C431520Al C H F 計算値(%) 55.01 1.60 40.5 実測値(%) 56.19 1.58 39.7固体触媒成分(B)の調製 トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレートの代わりに上記合成したトリフェニ
ルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
アルミネート2.0gを使用したこと以外は実施例1の
固体助触媒成分(B)の調製と同様にして固体助触媒成
分(B)を調製した。この固体助触媒を分析した結果、
炭素原子として13.5wt%含有していた。
【0033】実施例8重合 触媒として実施例1で得られた固体触媒成分(A)およ
び実施例7で得られた固体助触媒成分(B)を使用した
以外実施例1と同様にして重合を行った。その結果11
6.2gのシンジオタクチックポリプロピレンパウダー
が得られた。パウダーの〔η〕は0.99dl/g,r
rrrは0.86、嵩比重は0.32g/cm3 であ
り、オートクレーブの壁へのポリマーの付着はほとんど
なかった。
【0034】実施例9重合 触媒として実施例1で得られた固体触媒成分(A)0.
1g、実施例7で得られた固体助触媒成分(B)0.1
gおよびトリエチルアルミニウム0.06gを使用した
以外実施例1と同様にして重合を行った。その結果8
4.8gのシンジオタクチックポリプロピレンパウダー
が得られた。パウダーの〔η〕は1.03dl/g,r
rrrは0.89、嵩比重は0.25g/cm3 であ
り、オートクレーブの壁へのポリマーの付着はほとんど
なかった。
【0035】
【発明の効果】本発明の固体触媒を使用し、本発明の方
法を実施することによりパウダー性状の良好なポリオレ
フィンを製造することができ、かつ、ポリマーの重合機
の壁への付着を防止することができ、工業的に極めて価
値がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 潮村 哲之助 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 審査官 小出 直也 (56)参考文献 特開 平5−125112(JP,A) 特開 平5−247128(JP,A) 特開 平4−142306(JP,A) 特開 昭63−280703(JP,A) 特開 平3−234709(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/60 - 4/70

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) (a)少なくとも一つのシクロペンタジエニル基、イン
    デニル基、フルオレニル基、またはそれらの誘導体から
    なる架橋または非架橋性配位子を有する4価のジルコニ
    ウム、チタン及びハフニウムの化合物から選ばれた遷移
    金属化合物 (b)有機アルミニウム化合物で処理が施された微粒子
    状無機酸化物担体から形成される固体触媒成分、および (B) (c)アニオンを含む化合物及びルイス酸性化合物から
    選ばれた、成分(a)の4価のジルコニウム、チタン及
    びハフニウムの化合物のカチオンを安定化することので
    きる化合物 (d)微粒子状担体から形成される固体助触媒成分から
    なるポリオレフィン製造用固体触媒。
  2. 【請求項2】請求項1記載の固体触媒の存在下、オレフ
    ィンを重合することを特徴とするポリオレフィンの製造
    方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の固体触媒および有機アルミ
    ニウム化合物からなる触媒の存在下、オレフィンを重合
    することを特徴とするポリオレフィンの製造方法。
  4. 【請求項4】成分(a)として使用される遷移金属化合
    物が、下記一般式、(化1) 【化1】 (ここで、A1 ,A2 はシクロペンタジエニル基、イン
    デニル基、フルオレニル基、またはそれらの誘導体を示
    し、A1 ,A2 は互いに同じであっても異なっていても
    良い。A3 ,A4 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素
    数6〜20のアリール基、アルキルアリール基、アリー
    ルアルキル基、ハロゲン化アリール基または酸素、窒
    素、硫黄、珪素などのヘテロ原子を含む炭化水素基また
    は水素原子である。QはA1 ,A2 を連結する炭素数1
    〜10の炭化水素基または珪素、ゲルマニウム、錫を含
    む炭化水素基である。また、A3 ,A4 は互いに連結し
    ていてA3 ,A4 ,Qの間で環構造を形成していてもよ
    い。R1 ,R2 はハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜
    10のアルキル基、珪素含有アルキル基、炭素数6〜2
    0のアリール基、アルキルアリール基、アリールアルキ
    ル基を示し、R1 ,R2の少なくとも一つは水素原子、
    炭素数1〜10までのアルキル基、珪素含有アルキル
    基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール
    基、アリールアルキル基である。Mはチタン、ジルコニ
    ウム、ハフニウムである。)で表される遷移金属化合物
    であることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン
    製造用固体触媒。
  5. 【請求項5】成分(c)として使用される4価のジルコ
    ニウム、チタン及びハフニウムの化合物のカチオンを安
    定化することのできる化合物が、硼素を含有する化合物
    であることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン
    製造用固体触媒。
  6. 【請求項6】成分(c)として使用される4価のジルコ
    ニウム、チタン及びハフニウムの化合物のカチオンを安
    定化することのできる化合物が、アルミニウムまたはガ
    リウムを含有する化合物であることを特徴とする請求項
    1記載のポリオレフィン製造用固体触媒。
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