JPH06345817A - 固体触媒成分およびこれを用いたオレフィンの重合方法 - Google Patents

固体触媒成分およびこれを用いたオレフィンの重合方法

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JPH06345817A
JPH06345817A JP14177393A JP14177393A JPH06345817A JP H06345817 A JPH06345817 A JP H06345817A JP 14177393 A JP14177393 A JP 14177393A JP 14177393 A JP14177393 A JP 14177393A JP H06345817 A JPH06345817 A JP H06345817A
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catalyst component
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aluminum
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JP14177393A
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English (en)
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Norihide Inoue
則英 井上
Masahiro Jinno
政弘 神野
Yoshio Sonobe
善穂 園部
Kazumi Mizutani
一美 水谷
Tetsunosuke Shiomura
哲之助 潮村
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】実質的に吸着水を含まない、表面積が350m
2 /g以上、細孔径が0.3〜3.0ml/gの範囲に
あり、平均粒子径が0.1〜200μmの範囲にあるシ
リカゲルと、アルミノキサンおよび/または遷移金属化
合物から形成される固体触媒成分であり、該固体触媒成
分中のアルミニウム含有率が10〜25重量%の範囲に
あり、かつ20℃のトルエンに溶解するアルミニウム成
分が3重量%以下であることを特徴とする固体触媒成分
およびこれを用いたオレフィンの重合方法。 【効果】粉体性状に優れたポリオレフィンを効率よく製
造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオレフィン重合用固体触
媒成分およびこれを用いたオレフィンの重合方法に関す
る。詳しくは担体に担持された固体触媒成分を用いてオ
レフィンを重合することにより、粒子性状に優れたポリ
オレフィンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シクロペンタジエニル基、インデニル
基、フルオレニル基、またはそれらの誘導体を配位子と
する遷移金属化合物、いわゆるメタロセン化合物は、助
触媒、例えばアルミノキサンと共に使用してα−オレフ
ィンを重合することによりポリ−α−オレフィンが製造
できることが知られている。特開昭58−19309号
公報には、 (シクロペンタジエニル)2 MeRHal (ここで、Rはシクロペンタジエニル、C1 〜C6 のア
ルキル、ハロゲンであり、Meは遷移金属であり、Ha
lはハロゲンである)で表される遷移金属化合物とアル
ミノキサンからなる触媒の存在下エチレンおよび/また
はα−オレフィンを重合または共重合させる方法が記載
されている。
【0003】特開昭60−35008号公報には、少な
くとも2種のメタロセン化合物とアルミノキサンからな
る触媒を用いることにより幅広い分子量分布を有するポ
リ−α−オレフィンが製造できることが記載されてい
る。特開昭61−130314号公報には、立体的に固
定したジルコン・キレート化合物およびアルミノキサン
からなる触媒を用いてポリオレフィンを製造する方法が
記載されている。また、同公報には、遷移金属化合物と
してエチレン−ビス−(4、5、6、7−テトラヒドロ
−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを使用する
ことにより、アイソタクチック度の高いポリオレフィン
が製造する方法が記載されている。特開昭64−661
24号公報には、珪素で架橋したシクロペンタジエニル
化合物を配位子とする遷移金属化合物およびアルミノキ
サンを有効成分とする立体規則性オレフィン重合体製造
用触媒が開示されている。特開平2−41303号公
報、特開平2−274703号公報、特開平2−274
704号公報には、互いに非対称な配位子からなる架橋
性配位子を有するメタロセン化合物およびアルミノキサ
ンからなる触媒を用いることによりシンジオタクチック
ポリオレフィンが製造できることが記載されている。
【0004】一方、上記のようないわゆるカミンスキー
型触媒の活性種が〔Cp'2MR〕+(ここでCp' =シ
クロペンタジエニル誘導体、M=Ti,Zr,Hf,R
=アルキル)で表されるような遷移金属カチオンである
ことが示唆されて以来、アルミノキサン類を助触媒とし
ない触媒系もいくつか報告されている。特開平3−18
8092号公報には、シクロペンタジエニル配位子とヘ
テロ原子含有配位子を有するメタロセン化合物がオレフ
ィン重合触媒として開示されている。Taube らは、J. O
rganometall. Chem., 347 , C9 (1988) に〔Cp2 Ti
Me(THF)〕+ 〔BPh4 - (Me=メチル基、
Ph=フェニル基)で表される化合物を用いてエチレン
重合に成功している。Jordanらは、J. Am. Chem. Soc.,
109, 4111 (1987) で、〔Cp2 ZrR(L)〕+ (R
=メチル基、ベンジル基、L=ルイス塩基)のようなジ
ルコニウム錯体がエチレンを重合することを示してい
る。
【0005】特表平1−501950号公報、特表平1
−502036号公報にはシクロペンタジエニル金属化
合物およびシクロペンタジエニル金属カチオンを安定化
することのできるイオン性化合物とからなる触媒を用い
てオレフィンを重合する方法が記載されている。Zambel
liらは、Macromolecules, 22, 2186 (1989) に、シクロ
ペンタジエンの誘導体を配位子とするジルコニウム化合
物と、トリメチルアルミニウムとフルオロジメチルアル
ミニウムとを組み合わせた触媒により、アイソタクチッ
クポリプロピレンが製造できることを報告している。上
記のようないわゆるカミンスキー型触媒は、一般的に溶
媒に可溶な系であるため、溶媒重合あるいは気相重合を
行おうとした場合生成重合体の嵩密度が低く、粉体性状
に劣っていたり、重合機への壁付着などの問題が生じて
いた。これらの問題を解決するために、特開昭61−1
08610号公報、特開昭63−66206号公報、特
開平2−173104号公報には、メタロセン化合物お
よびアルミノキサンを微粒子状担体に担持した固体触媒
を用いてオレフィンを重合する方法が記載されている。
しかしながら、これらのアルミノキサンを使用して得ら
れる固体触媒は、固体触媒当たりの活性が低いという欠
点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のようなメタロセ
ン化合物/アルミノキサンからなるいわゆるカミンスキ
ー型触媒は、高活性を得るために大量のアルミノキサン
の使用が必要である。そのため、これらの触媒系ではア
ルミノキサン当たりに換算した活性は非常に低い。本発
明者らの知見によれば、前述のようなアルミノキサンを
担持した固体触媒はアルミノキサンの担持率が比較的低
いため、該固体触媒当たりの活性が低いという問題点が
あった。一方、特開昭63−264606号公報のよう
に、アルミノキサンが難溶の溶媒を用いてメタロセン及
びアルミノキサンを担体上に析出させることによりアル
ミノキサン担持率が高い固体触媒を得ることも可能であ
るが、該触媒では、主に溶媒重合などに適用した場合、
重合中にアルミノキサンの溶出が起こり微粉の発生、壁
付着などの問題が生じていた。このような問題を解決す
る手段として予重合などが試みられている。また、アル
ミノキサンの担持率を向上させる方法として、特願平4
−298607号公報に、吸着水を含む無機酸化物にア
ルミノキサンおよびメタロセン化合物を担持した触媒が
記載されているが、該触媒では併用する有機アルミニウ
ム化合物と長時間接触させることによりアルミノキサン
の溶出が起こり、そのため例えば長時間の連続重合など
に適用した場合、若干の微粉が生成するなどの問題が生
じていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決し、固体触媒当たりの活性が高く、かつ溶媒重合
に適用した場合においても粉体性状に優れたポリオレフ
ィンを製造するための固体触媒の開発について鋭意検討
した結果、ある特定のシリカゲルを担体として用いるこ
とによりアルミノキサンの担持率が向上し、前述の目的
が達成されることを見出し、本発明を完成するに到っ
た。すなわち本発明は、(A)実質的に吸着水(試料の
シリカゲルを600℃で恒量になるまでの時間加熱して
測定した重量減少量を水として計算することにより含水
量を求める)を含まない、表面積が350m2 /g以
上、細孔径が0.3〜3.0ml/gの範囲にあり、平
均粒子径が0.1〜200μmの範囲にあるシリカゲル
と、(B)アルミノキサンから形成される固体触媒成分
であり、該固体触媒成分中のアルミニウム含有率が15
〜30重量%の範囲にあり、かつ20℃のトルエンに溶
解するアルミニウム成分が3重量%以下(該固体触媒成
分を20℃のトルエンでの洗浄を繰り返しても、溶出す
るアルミニウム成分が該固体触媒成分中に担持されたア
ルミニウム成分に対して3重量%以下であることを意味
する)であることを特徴とする固体触媒成分を提供する
ことにあり さらに本発明は、周期律表4〜6族の遷移
金属化合物、上記固体触媒成分および有機アルミニウム
化合物からなる触媒の存在下にオレフィンを重合するこ
とを特徴とするオレフィンの重合方法である。
【0008】さらに本発明は、 (A)実質的に吸着水を含まない、表面積が350m2
/g以上、細孔径が0.3〜3.0ml/gの範囲にあ
り、平均粒子径が0.1〜200μmの範囲にあるシリ
カゲルと、 (B)アルミノキサン (C)周期律表4〜6族の遷移金属化合物、から形成さ
れる固体触媒成分であり、該固体触媒成分中のアルミニ
ウム含有率が10〜25重量%の範囲にあり、かつ20
℃のトルエンに溶解するアルミニウム成分が3重量%以
下であることを特徴とする固体触媒成分を提供すること
にありさらに本発明は、上記固体触媒成分および有機ア
ルミニウム化合物からなる触媒の存在下にオレフィンを
重合することを特徴とするオレフィンの重合方法であ
る。
【0009】本発明において(A)成分として使用され
るシリカゲルは、表面積が350m 2 /g以上、細孔径
が0.3〜3.0ml/gの範囲にあり、平均粒子径が
0.1〜200μmの範囲にあるシリカゲルをさらにそ
の吸着水を除去するために加熱焼成処理して使用され
る。好ましくは、表面積が400m2 /g以上、細孔径
が0.4〜2.0ml/gの範囲にあり、平均粒子径が
0.5〜100μmの範囲にあるシリカゲルをその含水
量が0.5重量%未満となるように焼成して使用され
る。焼成温度としては、50〜1000℃、好ましくは
100〜500℃の範囲である。また、本発明において
使用されるシリカゲルには、本発明の固体触媒としての
性能を損なわない限りAl2 3 、Na2 Oなどの金属
酸化物やMgCl2 などの金属ハロゲン化物が若干混入
していても差し支えない。本発明において(B)成分と
して使用されるアルミノキサンは、一般式(化1)
【0010】
【化1】 (ここでRは炭素数1〜10の炭化水素基、nは2以上
の整数を示す。)で表される化合物であり、特にRがメ
チル基であるメチルアルミノキサンでnが5以上、好ま
しくは10以上のものが利用される。上記アルミノキサ
ン類には若干のアルキルアルミニウム化合物が混入して
いても差し支えない。また、その他に、特開平2−24
701号公報、特開平3−103407号公報などに記
載されている二種類以上のアルキル基を有するアルミノ
キサンや、特開昭63−198691号公報などに記載
されている微粒子状アルミノキサン、特開平2−167
302号公報、特開平2−167305号公報などに記
載されているアルミノキサンを水や活性水素化合物と接
触させて得られるアルミニウムオキシ化合物なども好適
に利用することができる。
【0011】上記(A)成分と(B)成分を接触させて
本発明の固体触媒成分を製造する方法としては、無溶媒
中または溶媒中、0〜300℃の範囲で接触させる方法
が採用される。好ましくは、溶媒中、30〜200℃の
範囲で接触させる方法が利用される。使用される溶媒と
しては、アルミノキサンに対して不活性なものであれば
制限なく使用することができる。そのような溶媒の具体
例として、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トル
エン、キシレンなどの芳香族炭化水素などの他に、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、
クロロホルム、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水
素なども使用することもできる。(A)成分であるシリ
カゲルに対する(B)成分であるアルミノキサンの使用
割合としては0.1〜10重量倍好ましくは0.2〜3
重量倍である。
【0012】このようにして得られる本発明の固体触媒
成分には、アルミニウム原子として10〜25重量%、
好ましくは10〜20重量%含有している。アルミニウ
ム含有量が10重量%より小さいと重合活性が低く好ま
しくない。また、アルミニウム含有量が25重量%より
大きいと重合時に微粉の発生および重合機への壁付着が
起こり好ましくない。また、本発明の固体触媒成分の2
0℃のトルエンに溶出するアルミニウム成分は3重量%
以下、好ましくは1重量%以下である。トルエンに溶出
するアルミニウム成分が3重量%を越えると重合機への
ポリマーの壁付着や微粉の発生が起こり好ましくない。
トルエンに溶出するアルミニウム成分を制御する方法と
しては、使用するアルミノキサンの使用量を制御する方
法が有効であるが、必要によってはベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒で洗浄する方法
が採用される。
【0013】本発明におけるオレフィンの重合に際し使
用される周期律表4〜6族の遷移金属化合物としては、
周期律表4〜6族の遷移金属ハロゲン化合物、遷移金属
アルキル化合物、遷移金属アルコキシ化合物、非架橋性
または架橋性メタロセン化合物などである。好ましくは
周期律表4族の遷移金属ハロゲン化合物、遷移金属アル
キル化合物、非架橋性または架橋性メタロセン化合物な
どである。具体的に例示すると遷移金属ハロゲン化合
物、遷移金属アルキル化合物、遷移金属アルコキシ化合
物としては、四塩化チタン、ジメチルチタニウムジクロ
リド、テトラベンジルチタン、テトラベンジルジルコニ
ウム、テトラブトキシチタン、等が挙げられ、非架橋性
メタロセン化合物としては、シクロペンタジエニルチタ
ニウムトリクロリド、シクロペンタジエニルジルコニウ
ムトリクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエ
ニル)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド等が挙げられ、架橋性メタロセン化合物
としては、エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラ
ヒドロ1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメ
チルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(ジメチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソ
プロピリデン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン
(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコ
ニウムジクロリド等が挙げられる。また同様なハフニウ
ム化合物等の他に、例えば特開平3−9913号公報、
特開平2−131488号公報、特開平3−21607
号公報、特開平3−106907号公報、特開平3−1
88092号公報、特開平4−69394号公報、特開
平4−300887号公報などに記載されているような
遷移金属化合物を挙げることができる。上記遷移金属化
合物は場合により2種以上同時に使用することもでき
る。本発明におけるオレフィンの重合に際し使用される
有機アルミニウム化合物は一般式(化2)
【0014】
【化2】R1 j Al(OR2 k l m (ここでR1 ,R2 は炭素数1〜20までの炭化水素基
を示し、R1 ,R2 は互いに同一であっても異なってい
てもよい。Xはハロゲン原子、Oは酸素原子、Hは水素
原子を示す。jは1〜3までの整数、k,l,mは0か
ら2までの整数であり、j+k+l+m=3である)で
表すことができる。具体的には例えば、トリメチルアル
ミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルア
ルミニウムジクロリド、ジイソブチルアルミニウムヒド
リドなどを挙げることができる。その中でも、トリエチ
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好適に
用いられる。
【0015】本発明におけるオレフィンの重合方法にお
いては、上記シリカゲル/アルミノキサンからなる固体
触媒成分に遷移金属化合物を担持して使用することもで
きるが、固体触媒成分および/または遷移金属化合物お
よび/または有機アルミニウム化合物を事前に接触させ
何ら処理を施さずに、または上記三成分を別々に重合系
に供することができる。そうすることにより、触媒とし
ての保存安定性が保たれるので好ましい。
【0016】本発明の固体触媒成分に対する遷移金属化
合物の使用割合としては、固体触媒成分1gに対し0.
0001〜100mmol、好ましくは0.001〜1
0mmolである。本発明の固体触媒成分に対する有機
アルミニウム化合物の使用割合としては、固体触媒成分
1gに対し0.01〜10000mmol、好ましくは
0.1〜1000mmolである。本発明の方法で行わ
れる重合方法および重合条件については特に制限はなく
α−オレフィンの重合で行われる公知の方法が用いら
れ、不活性炭化水素媒体を用いる溶媒重合法、または実
質的に不活性炭化水素媒体の存在しない塊状重合法、気
相重合法も利用でき、重合温度としては−100〜20
0℃、重合圧力としては常圧〜100kg/cm2 で行
うのが一般的である。好ましくは−50〜100℃、常
圧〜50kg/cm2 である。
【0017】本発明における触媒成分の処理あるいは重
合に際し使用される炭化水素媒体としては例えばブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナ
ン、デカン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの飽
和炭化水素の他に、ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素も使用することができる。重合に際し
使用されるオレフィンとしては、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−
テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンな
どの炭素数2〜25のオレフィンを挙げることができ
る。本発明においては、オレフィンの単独重合のみなら
ず、例えばプロピレンとエチレン、プロピレンと1−ブ
テンなどの炭素数2〜25程度のオレフィンの共重合体
を製造する際にも利用できる。
【0018】
【実施例】以下に本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1固体触媒成分の調製 充分窒素置換した500cm3 4っ口フラスコに、20
0℃で3時間焼成したシリカゲル(富士・デヴィソン社
製、表面積485m2 /g、細孔径0.72ml/g、
平均粒子径32μm、含水率0.3重量%)50gをト
ルエン200cm3 に懸濁した。この懸濁液にメチルア
ルミノキサン(東ソー・アクゾ社製、重合度17)30
gをトルエン180cm3 に溶解した溶液を加え、還流
下で6時間反応させた。溶媒を減圧留去することにより
78gの白色固体を得た。この固体触媒成分を分析した
結果15.9重量%のアルミニウムを含有していた。ま
た、この固体触媒成分を一部取り、20℃のトルエンに
再懸濁し、濾過した後の濾液中のアルミニウム含有量か
ら求めた固体触媒成分中のアルミニウムのトルエンへの
溶解量は0.1重量%であった。重合 1.5dm3 ステンレス製オートクレーブを充分窒素置
換した後、液体プロピレン0.75dm3 および水素4
1mmolを装入した。次に上記固体触媒成分15mg
および特開平2−274703号公報記載の方法により
合成したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)
フルオレニルジルコニウムジクロリド0.5mg、トリ
イソブチルアルミニウム71mgを窒素を用いて圧入し
た。その後、系内を60℃まで昇温し、その温度で1時
間重合を行った。少量のメタノールを添加することによ
り重合を停止し、プロピレンをパージ、乾燥することに
より135gのシンジオタクチックポリプロピレンを得
た。重合機壁へのポリマーの付着は観測されなかった。
固体触媒当たりの重合活性は9000g・(ポリプロピ
レン)/g・(固体触媒)・(時間)と計算できる。得
られたシンジオタクチックポリプロピレンの135℃の
テトラリン溶液で測定した極限粘度(以下〔η〕と略記
する)は1.51 /g、示差走査熱量分析(DSC)
により測定した融点(Tm)は133℃、嵩密度は0.
36g/mlであった。また、200メッシュの篩を通
過する微粉はなかった。
【0019】実施例2重合 充分窒素置換した50cm3 の3っ口フラスコに実施例
1で調製した固体触媒15mgをヘキサン10cm3
懸濁させ、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニ
ル)フルオレニルジルコニウムジクロリド0.5mgお
よびトリイソブチルアルミニウム71mgを順次加える
ことにより触媒スラリーを調製した。 1.5dm3
テンレス製オートクレーブを充分窒素置換した後、上記
調製した触媒スラリーを装入し、次に液体プロピレン
0.75dm3 および水素41mmolを加えた。60
℃に昇温し、1時間重合を行うことにより163gのシ
ンジオタクチックポリプロピレンを得た。ポリマーの壁
付着はほとんど観測されなかった。固体触媒当たりの重
合活性は10870g・(ポリプロピレン)/g・(固
体触媒)・(時間)と計算できる。得られたシンジオタ
クチックポリプロピレンの〔η〕は1.54 /g、示
差走査熱量分析(DSC)により測定した融点(Tm)
は132℃、嵩密度は0.35g/mlであった。ま
た、200メッシュの篩を通過する微粉はなかった。
【0020】実施例3 充分窒素置換した50cm3 の3っ口フラスコに実施例
1で調製した固体触媒15mgをヘキサン10cm3
懸濁させ、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニ
ル)フルオレニルジルコニウムジクロリド0.5mgお
よびトリイソブチルアルミニウム71mgを順次加える
ことにより触媒スラリーを調製した。この触媒スラリー
を24時間保存した後重合に使用したこと以外は実施例
2と同様にして重合を行った。その結果、171gのシ
ンジオタクチックポリプロピレンを得た。ポリマーの壁
付着はほとんど観測されなかった。固体触媒当たりの重
合活性は11400g・(ポリプロピレン)/g・(固
体触媒)・(時間)と計算できる。得られたシンジオタ
クチックポリプロピレンの〔η〕は1.54 /g、示
差走査熱量分析(DSC)により測定した融点(Tm)
は133℃、嵩密度は0.35g/mlであった。ま
た、200メッシュの篩を通過する微粉はなかった。
【0021】比較例1固体触媒成分の調製 表面積296m2 /g、細孔径1.46ml/g、平均
粒子径46μm、含水率0.1重量%の600℃で5時
間焼成されたシリカゲルを担体として用いた事以外実施
例1の固体触媒成分の調製と同様にして固体触媒成分の
調製を行った結果79gの固体触媒成分を得た。この固
体触媒成分を分析した結果、16.2重量%のアルミニ
ウムを含有していた。この固体触媒成分中のアルミニウ
ムのトルエンへの溶解量は4.7重量%であった。重合 固体触媒成分として上記調製した固体触媒成分を用いた
事以外は実施例2と同様にして重合を行った。その結
果、180gのシンジオタクチックポリプロピレンが得
られたが、酷いポリマーの壁付着が見られた。
【0022】比較例2固体触媒成分の調製 比較例1で調製した固体触媒成分をさらにトルエンを用
いて充分に洗浄した後、乾燥することによって65gの
固体触媒成分を得た。この固体触媒成分を分析した結
果、11.5重量%のアルミニウムを含有していた。こ
の固体触媒成分中のアルミニウムのトルエンへの溶解量
は0.1重量%であった。重合 固体触媒成分として上記調製した固体触媒成分を用いた
事以外は実施例2と同様にして重合を行った。その結
果、51gのシンジオタクチックポリプロピレンが得ら
れた。ポリマーの壁付着はほとんど観測されなかった。
固体触媒当たりの重合活性は2330g・(ポリプロピ
レン)/g・(固体触媒)・(時間)と計算できる。得
られたシンジオタクチックポリプロピレンの〔η〕は
1.50 /g、示差走査熱量分析(DSC)により測
定した融点(Tm)は132℃、嵩密度は0.28g/
mlであった。このように本発明のように高表面積のシ
リカゲルを用いることにより重合活性が向上する。
【0023】比較例3固体触媒成分の調製 表面積296m2 /g、細孔径1.46ml/g、平均
粒子径46μm、含水率4.5重量%のシリカゲルを担
体として用いた事以外実施例1の固体触媒成分の調製と
同様にして固体触媒成分の調製を行った結果78gの固
体触媒成分を得た。この固体触媒成分を分析した結果、
16.0重量%のアルミニウムを含有していた。この固
体触媒成分中のアルミニウムのトルエンへの溶解量は
0.3重量%であった。重合 固体触媒成分として上記調製した固体触媒成分を用いた
事以外は実施例3と同様にして重合を行った。その結
果、151gのシンジオタクチックポリプロピレンが得
られが酷いポリマーの壁付着が観測された。
【0024】実施例4固体触媒成分の調製 充分窒素置換した500cm3 4っ口フラスコに、20
0℃で3時間焼成したシリカゲル(富士・デヴィソン社
製、表面積485m2 /g、細孔径0.72ml/g、
平均粒子径32μm、含水率0.3重量%)50gをト
ルエン200cm 3 に懸濁した。この懸濁液にメチルア
ルミノキサン(東ソー・アクゾ社製、重合度17)30
gをトルエン180cm3 に溶解した溶液を加え、還流
下で6時間反応させた。溶媒を減圧留去することにより
78gの白色固体を得た。次に、充分窒素置換した20
0cm3 の4っ口フラスコに上記調製した白色固体5g
をトルエン20cm3 に懸濁し、この懸濁液に特開平2
−274703号公報記載の方法により合成したジフェ
ニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジ
ルコニウムジクロリド0.20gを加え室温で1時間攪
拌した。得られた紫色の固体をトルエンで充分洗浄し、
乾燥することにより5.1gの固体触媒成分を得た。こ
の固体触媒成分を分析した結果15.7重量%のアルミ
ニウムおよび0.60重量%のジルコニウムを含有して
いた。また、この固体触媒成分を一部取り、20℃のト
ルエンに再懸濁し、濾過した後の濾液中のアルミニウム
含有量から求めた固体触媒成分中のアルミニウム成分の
トルエンへの溶解量は0重量%であった。重合 1.5dm3 ステンレス製オートクレーブを充分窒素置
換した後、液体プロピレン0.75dm3 および水素4
1mmolを装入した。次に上記固体触媒成分20mg
およびトリイソブチルアルミニウム71mgを窒素を用
いて圧入した。その後、系内を60℃まで昇温し、その
温度で1時間重合を行った。少量のメタノールを添加す
ることにより重合を停止し、プロピレンをパージ、乾燥
することにより178gのシンジオタクチックポリプロ
ピレンを得た。重合機壁へのポリマーの付着はほとんど
観測されなかった。固体触媒当たりの重合活性は890
0g・(ポリプロピレン)/g・(固体触媒)・(時
間)と計算できる。得られたシンジオタクチックポリプ
ロピレンの135℃のテトラリン溶液で測定した極限粘
度(以下〔η〕と略記する)は1.52 /g、示差走
査熱量分析(DSC)により測定した融点(Tm)は1
32℃、嵩密度は0.35g/mlであった。また、2
00メッシュの篩を通過する微粉はなかった。
【0025】比較例4固体触媒成分の調製 表面積296m2 /g、細孔径1.46ml/g、平均
粒子径46μm、含水率0.1重量%の600℃で5時
間焼成されたシリカゲルを担体として用いた事以外実施
例4の固体触媒成分の調製と同様にして固体触媒成分の
調製を行った結果、11.1重量%のアルミニウムおよ
び0.58重量%のジルコニウムを含有する固体触媒成
分を得た。この固体触媒成分中のアルミニウムのトルエ
ンへの溶解量は0重量%であった。重合 固体触媒成分として上記調製した固体触媒成分を用いた
事以外は実施例4と同様にして重合を行った。その結
果、45gのシンジオタクチックポリプロピレンが得ら
れた。ポリマーの壁付着はほとんど観測されなかった。
固体触媒当たりの重合活性は2250g・(ポリプロピ
レン)/g・(固体触媒)・(時間)と計算できる。得
られたシンジオタクチックポリプロピレンの〔η〕は
1.50 /g、示差走査熱量分析(DSC)により測
定した融点(Tm)は132℃、嵩密度は0.28g/
mlであった。このように本発明のように高表面積のシ
リカゲルを用いることにより重合活性が向上する。
【0026】実施例5 充分窒素置換した50cm3 のフラスコに実施例1で調
製した固体触媒20mgをヘキサン10cm3 に懸濁さ
せ、トリイソブチルアルミニウム71mgを加えること
により触媒スラリーを調製した。この触媒スラリーを2
4時間保存した後重合にしようしたこと以外は実施例4
と同様にして重合を行った。その結果、185gのシン
ジオタクチックポリプロピレンが得られた。ポリマーの
壁付着はほとんど観測されなかった。固体触媒当たりの
重合活性は9250g・(ポリプロピレン)/g・(固
体触媒)・(時間)と計算できる。得られたシンジオタ
クチックポリプロピレンの〔η〕は1.52 /g、示
差走査熱量分析(DSC)により測定した融点(Tm)
は132℃、嵩密度は0.34g/mlであった。ま
た、200メッシュの篩を通過する微粉はなかった。
【0027】比較例5固体触媒成分の調製 表面積296m2 /g、細孔径1.46ml/g、平均
粒子径46μm、含水率4.5重量%の600℃で5時
間焼成されたシリカゲルを担体として用いた事以外実施
例4の固体触媒成分の調製と同様にして固体触媒成分の
調製を行った結果、15.8重量%のアルミニウムおよ
び0.59重量%のジルコニウムを含有する固体触媒成
分を得た。この固体触媒成分中のアルミニウムのトルエ
ンへの溶解量は0重量%であった。重合 固体触媒成分として上記調製した固体触媒成分を用いた
事以外は実施例5と同様にして重合を行った。その結
果、45gのシンジオタクチックポリプロピレンが得ら
れたが、ひどいポリマーの壁付着が観測された。
【0028】
【発明の効果】本発明の固体触媒成分を使用し、本発明
の方法を実施することにより粉体性状に優れたポリオレ
フィンを製造することができ、工業的に極めて価値があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 触媒の製造工程の理解を助けるための、触媒
製造のフローチャート図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 一美 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 潮村 哲之助 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)実質的に吸着水を含まない、表面積
    が350m2 /g以上、細孔径が0.3〜3.0ml/
    gの範囲にあり、平均粒子径が0.1〜200μmの範
    囲にあるシリカゲルと、(B)アルミノキサンから形成
    される固体触媒成分であり、該固体触媒成分中のアルミ
    ニウム含有率が10〜25重量%の範囲にあり、かつ2
    0℃のトルエンに溶解するアルミニウム成分が3重量%
    以下であることを特徴とする固体触媒成分。
  2. 【請求項2】周期律表4〜6族の遷移金属化合物、請求
    項1記載の固体触媒成分および有機アルミニウム化合物
    からなる触媒の存在下にオレフィンを重合することを特
    徴とするオレフィンの重合方法。
  3. 【請求項3】(A)実質的に吸着水を含まない、表面積
    が350m2 /g以上、細孔径が0.3〜3.0ml/
    gの範囲にあり、平均粒子径が0.1〜200μmの範
    囲にあるシリカゲルと、 (B)アルミノキサン (C)周期律表4〜6族の遷移金属化合物、から形成さ
    れる固体触媒成分であり、該固体触媒成分中のアルミニ
    ウム含有率が10〜25重量%の範囲にあり、かつ20
    ℃のトルエンに溶解するアルミニウム成分が3重量%以
    下であることを特徴とする固体触媒成分。
  4. 【請求項4】請求項3記載の固体触媒成分および有機ア
    ルミニウム化合物からなる触媒の存在下にオレフィンを
    重合することを特徴とするオレフィンの重合方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6043180A (en) * 1994-11-17 2000-03-28 The Dow Chemical Company Supported catalyst component, supported catalyst, their preparation, and addition polymerization process
JP2000273112A (ja) * 1999-03-22 2000-10-03 Fina Technol Inc 立体特異性ポリマーの製造方法
JP2003073413A (ja) * 2001-09-03 2003-03-12 Mitsui Chemicals Inc オレフィン重合用固体触媒成分の製造方法
JP2009535435A (ja) * 2006-04-28 2009-10-01 バーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハー 担持金属アルキル化合物及びその存在下におけるオレフィンの重合方法
JP2014156510A (ja) * 2013-02-14 2014-08-28 Bridgestone Corp 変性シリカの製造方法及び変性シリカ

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