JP2995098B2 - ポリ−α−オレフィン製造用遷移金属触媒成分およびそれを用いたα−オレフィンの重合方法 - Google Patents

ポリ−α−オレフィン製造用遷移金属触媒成分およびそれを用いたα−オレフィンの重合方法

Info

Publication number
JP2995098B2
JP2995098B2 JP3046375A JP4637591A JP2995098B2 JP 2995098 B2 JP2995098 B2 JP 2995098B2 JP 3046375 A JP3046375 A JP 3046375A JP 4637591 A JP4637591 A JP 4637591A JP 2995098 B2 JP2995098 B2 JP 2995098B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
olefin
transition metal
catalyst component
cyclopentadienyl
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3046375A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04283205A (ja
Inventor
則英 井上
政弘 神野
善穂 園部
一美 水谷
哲之助 潮村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP3046375A priority Critical patent/JP2995098B2/ja
Publication of JPH04283205A publication Critical patent/JPH04283205A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2995098B2 publication Critical patent/JP2995098B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリ−α−オレフィン製
造用触媒成分に関する。詳しくはヘテロ原子を含有した
ポリ−α−オレフィン製造用触媒成分に関する。
【0002】さらに、上記ポリ−α−オレフィン製造用
触媒成分を用いたα−オレフィンの重合方法に関する。
【0003】
【従来の技術】シクロペンタジエニル基、インデニル
基、フルオレニル基、またはそれらの誘導体を配位子と
する遷移金属化合物、いわゆるメタロセン化合物は、助
触媒、例えばアルミノキサンと共に使用してα−オレフ
ィンを重合することにより高活性にポリ−α−オレフィ
ンが製造できることが知られている。特開昭58−19
309号公報には(シクロペンタジエニル)2MeRHa
l(ここで、Rはシクロペンタジエニル、C1 〜C6
アルキル、ハロゲンであり、Meは遷移金属であり、H
alはハロゲンである)で表わされる遷移化合物とアル
ミノキサンからなる触媒の存在下エチレンおよび/また
はα−オレフィンを重合または共重合させる方法が記載
されている。特開昭60−35008号公報には、少な
くとも2種のメタロセン化合物とアルミノキサンから成
る触媒を用いることにより幅広い分子量分布を有するポ
リ−α−オレフィンが製造できることが記載されてい
る。特開昭61−130314号公報には、一般式(化
2)
【0004】
【化2】 (式中、R3 は炭素原子数1〜4の環状炭化水素残基ま
たは炭素原子数3〜6の環状炭化水素残基であり、A1
およびA2 は単核または多核の対称炭化水素残基であ
り、その際A1 およびA2 は互いに異なっていてもまた
は同じであってもよく、R1 およびR2 はハロゲン原子
または炭素原子数1〜6のアルキル基であり、その際R
1 およびR2 は互いに異なっていてもまたは同じであっ
てもよい。)で表わされる立体的に固定したジルコン・
キレート化合物およびアルミノキサンからなる触媒を用
いてポリオレフィンを製造する方法が記載されている。
また、同公報には遷移金属化合物としてエチレン−ビス
−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)
−ジルコニウムジクロリドを使用することにより、アイ
ソタクチック度の高いポリオレフィンが製造できること
が記載されている。特開昭64−66214号公報に
は、少なくとも1つのフルオレニル基またはその誘導体
を配位子とする周期律表IVB族の遷移金属化合物とアル
ミノキサンからなる触媒の存在下、α−オレフィンを重
合または共重合させる方法が開示されている。特開平1
−301704号公報には一般式〔I〕(化3)で表わ
される遷移金属化合物
【0005】
【化3】 (但し、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムの
遷移金属、Yはケイ素、ゲルマニウムまたはスズを示
す。R1 n −Cs 4-n 及びR1 q −Cs 4-qは無置
換もしくは置換シクロペンタジエニル基を示し、n及び
qは0〜4の整数であるが、同時には0の値をとらな
い。各R1 は互いに同一でも異なっていてもよく、水
素、シリル基または炭化水素基を示すが、R1のシクロ
ペンタジエニル環上の位置及び種類は、Mを含む対称面
が存在しない配置をとるものとする。各R 2 は互いに同
一でも異なっていてもよく、水素または炭化水素基を示
す。またXは同一でも異なっていてもよく、水素、ハロ
ゲンまたは炭化水素基を示す。)及びアルミノキサンを
有効成分とする立体規則性オレフィン重合体製造用触媒
が開示されている。特表平1−501950号公報、特
表平1−502036号公報には、シクロペンタジエニ
ル金属化合物およびシクロペンタジエニル金属カチオン
を安定することのできるイオン性化合物とからなる触媒
を用いてオレフィンを重合する方法が記載されている。
【0006】特開平2−41303号公報には下記式 R”(CpRn ) (CpR’m ) MeQk (但し各Cpはシクロペンタジエニル又は置換されたシ
クロペンタジエニル環であり:各Rn は同一または異な
っていてもよく、1〜20の炭素原子を有するヒドロカ
ルビル残基であり:R”は触媒に立体規則性をもたらす
Cp環の間の構造的架橋であり:Meは元素の周期律表
の4b、5b、又は6b族の金属原子を有するヒドロカ
ルビル残基又はハロゲンであり:0≦k≦3:0≦n≦
3:及び1≦m≦4であり、:及びR’m は(CpRn
) が(CpR’m ) と立体的に相違しているように選
択される、によって表記されるシンジオタクチックポリ
オレフィンを製造するために使用されるメタロセン触
媒。を一成分とする触媒を使用することによってシンジ
オタクティシティーの良好なポリα−オレフィンが製造
できることが記載されている。また、同公報には上記メ
タロセン化合物を2種以上使用することにより幅広い分
子量分布を有するシンジオタクチックポリ−α−オレフ
ィンが製造できることが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のようないわゆる
カミンスキー型触媒は遷移金属触媒成分の構造により生
成ポリマーの立体構造および分子量が決定され、異なる
立体構造(立体規則性)および分子量をもつポリ−α−
オレフィンを製造するために様々な遷移金属触媒成分の
合成が所望されている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
考慮し、ポリ−α−オレフィンを効果的に製造する遷移
金属触媒成分について鋭意検討した結果、ヘテロ原子を
含有する特定の有機化合物より得られる遷移金属触媒成
分がポリ−α−オレフィン製造用として有効であること
を見い出し、本発明を完成するに到った。
【0009】すなわち本発明は、(A)一般式(I)
(化4)
【0010】
【化4】 (ここでA1 、A2 はシクロペンタジエニル基、インデ
ニル基、フルオレニル基、またはそれらの誘導体を示
す。A3 、A4 は炭素数1〜10までの炭化水素基を示
し、Qは酸素、窒素、イオウ、ケイ素またはそれらの原
子を含む炭化水素基である。Cは炭素原子、Hは水素原
子である。)で表わされる有機化合物を (B)アルカリ金属または有機アルカリ金属と反応させ
た後、さらに (C)一般式(II) Mxn (II) (ここでMはチタン、ジルコニウム及びハフニウムから
選ばれた金属原子、Xはハロゲン原子を示す。nは3〜
6までの整数である。)で表わされる遷移金属ハロゲン
化物とを反応させることによって得られるポリ−α−オ
レフィン製造用遷移金属触媒成分を提供することにあ
る。更に、上記ポリ−α−オレフィン製造用遷移金属触
媒成分とアルミノキサン又はイオン性化合物よりなる触
媒を用いることを特徴とするα−オレフィンの重合方法
を提供することにある。
【0011】本発明における有機化合物(I)は、2つ
のシクロペンタジエニル基誘導体を有する新規有機化合
物である。一般式(I)中、A1 、A2 はシクロペンタ
ジエニル基、インデニル基、フルオレニル基、またはそ
れらの誘導体を示す。A3 、A4 はメチレン基、エチレ
ン基、プロピレン基、ジメチルメチレン基、1,2−ジ
メチルエチレン基などの炭素数1〜10までの炭化水素
基である。Qは酸素、窒素、イオウ、ケイ素またはそれ
らの原子を含む炭化水素基である。
【0012】Qの具体例として、下記のような構造(化
5)を有する基を挙げることができる。
【0013】
【化5】 (ここで、R1 、R2 、R3 は水素原子または炭素数1
〜10までのアルキル基である。)一般式(I)で表わ
される有機化合物の具体例としては例えば、4,4−ジ
シクロペンタジエニルテトラヒドロピラン、4,4−ジ
シクロペンタジエニルテトラヒドロチオピラン、4,4
−ジシクロペンタジエニル−1−メチルピペリジン、
4,4−ジシクロペンタジエニル−1,1−ジメチル−
1−シラシクロヘキサン、4−シクロペンタジエニル−
4−インデニルテトラヒドロピラン、4−シクロペンタ
ジエニル−4−インデニルテトラヒドロチオピラン、4
−シクロペンタジエニル−4−インデニル−1−メチル
ピペリジン、4−シクロペンタジエニル−4−インデニ
ル−1−ジメチルシラシクロヘキサン、4−シクロペン
タジエニル−4−フルオレニルテトラヒドロピラン、4
−シクロペンタジエニル−4−フルオレニルテトラヒド
ロチオピラン、4−シクロペンタジエニル−4−フルオ
レニル−1−メチルピペリジン、4−シクロペンタジエ
ニル−4−フルオレニル−1,1−ジメチルシランシク
ロヘキサン、4−メチルシクロペンタジエニル−4−フ
ルオレニルテトラヒドロピラン、4−メチルシクロペン
タジエニル−4−フルオレニルテトラヒドロチオピラ
ン、4−メチルシクロペンタジエニル−4−フルオレニ
ル−1−メチルピペリジン、4−メチルシクロペンタジ
エニル−4−フルオレニル−1,1−ジメチルシラシク
ロヘキサン、4−シクロペンタジエニル−4−(2,7
−ジtertブチルフルオレニル)テトラヒドロピラ
ン、4−シクロペンタジエニル−4−(2,7−ジte
rtブチルフルオレニル)テトラヒドロチオピラン、4
−シクロペンタジエニル−4−(2,7−ジtertブ
チルフルオレニル)−1−メチルピペリジン、4−シク
ロペンタジエニル−4−(2,7−ジtertブチルフ
ルオレニル)−1,1−ジメチルシラシクロヘキサンな
どを挙げることができる。
【0014】一般式(I)中、Cは炭素原子、Hは水素
原子を示す。本発明における一般式(I)で表わされる
有機化合物は、例えば下記(化6、化7)のような経路
により合成することができる。
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】 本発明において(B)成分として使用されるアルカリ金
属または有機アルカリ金属の具体例としては例えば、リ
チウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、メチル
リチウム、ブチルリチウム、リチウムヒドリド、ナトリ
ウムヒドリドなどを挙げることができる。
【0017】上記一般式(I)で表わされる本発明にお
ける(A)成分と、(B)成分とを反応させる際に使用
する溶媒としては例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタンなどの飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン
などの芳香族炭化水素の他にジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテ
ル類も使用することができる。一般式(I)で表わされ
る有機化合物に対するアルカリ金属または有機アルカリ
金属の使用割合は1.0〜10.0、好ましくは2.0
〜4.0モル比、反応温度は−100℃〜150℃、好
ましくは−90℃〜90℃の範囲である。
【0018】本発明において使用される(C)成分とし
ては周期律表IVB〜VIB族の遷移金属ハロゲン化物であ
る。これらの具体例としては例えば三塩化チタン、四塩
化チタン、四塩化ジルコニウム、四塩化ハフニウム、四
フッ化チタン、四フッ化ジルコニウム、三塩化バニジウ
ム、五塩化ニオブ、五フッ化ニオブ、六塩化モリブデ
ン、六塩化タングステンなどを挙げることができる。
【0019】本発明における(C)成分を(A)および
(B)成分との反応により得られる生成物と反応させる
際使用される溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタンなどの飽和炭化水素、ベンゼン、トルエ
ンなどの芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル
類の他にクロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素など
のハロゲン化炭化水素を挙げることができる。(B)成
分として使用されるアルカリ金属または有機アルカリ金
属に対する遷移金属ハロゲン化物の使用割合は、0.1
〜5.0、好ましくは0.4〜2.0モル比、反応温度
は−100℃〜150℃、好ましくは−90℃〜90℃
の範囲である。
【0020】また、本発明の遷移金属触媒成分の製造
は、SiO2 、Al2 3 、MgCl 2 などの公知の担
体の存在下で行ってもよい。重合の際、遷移金属触媒成
分とともに使用される助触媒としては公知のアルミノキ
サン類、公知のイオン性化合物及び他に本出願人が先に
出願した(a)有機金属化合物、および(b)遷移金属
化合物と反応してイオン性化合物を形成する化合物とか
らなる助触媒も使用することができる。
【0021】アルミノキサン類としては一般式(化8)
【0022】
【化8】 および/または(化9)
【0023】
【化9】 (ここでRは炭素数1〜3の炭化水素、nは2以上の整
数を示す)で表わされる化合物であり、特にRがメチル
基であるメチルアルミノキサンでnが5以上、好ましく
は10以上のものが利用される。上記アルミノキサン類
には若干のアルキルアルミニウム化合物が混入していて
も差支えない。
【0024】上記アルミノキサン類の製造法は公知であ
り、例えば結晶水を含む塩類(硫酸銅水和物、塩化マグ
ネシウム水和物など)に炭化水素溶媒中、トリアルキル
アルミニウムを添加して反応させる方法、あるいは有機
化合物溶媒中でトリアルキルアルミニウムと水を直接反
応させる方法などを例示することができる。
【0025】本出願人が先に出願した助触媒のうち
(a)成分である有機金属化合物は、アルミニウム、亜
鉛、マグネシウムから選ばれる金属の化合物が用いられ
る。これらの有機金属化合物はハロゲン、酸素、水素、
アルキル、アルコキシ、アリールなどの残基を配位子と
して有し、これらの配位子はそれぞれ同一でも良いし、
異なっていても構わないが、少なくとも1つはアルキル
基を有す。例えば、炭素数1〜12のアルキル残基が1
〜n個結合したアルキル金属化合物、アルキル金属ハラ
イド、アルキル金属アルコキシなどが利用できる。中で
もアルキルアルミニウム化合物が好適に用いられ、例え
ば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリブチルアルミ
ニウム、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルア
ルミニウムクロライド、ジイソプロピルアルミニウムク
ロライド、ジイソプロピルアルミニウムイソプロポキシ
ド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニ
ウムジイソプロポキシド等が挙げられる。(b)成分で
ある遷移金属化合物と反応してイオン性化合物を形成す
る化合物としては、カチオンとアニオンのイオン対から
形成されるイオン性化合物や親電子性の化合物が挙げら
れる。
【0026】イオン性化合物の例としては、特開平1−
501950号公報、特開平1−502036号公報に
記載されている化合物が挙げられる。また、親電子性化
合物としては、ハロゲン化金属や固体酸として知られて
いる金属酸化物等が挙げられる。
【0027】本発明における遷移金属触媒成分および/
または助触媒は、そのままでもSiO2 、Al2 3
MgCl2 などのチーグラー型触媒を但持する公知の担
体上に但持して使用してもよい。本発明における遷移金
属化合物に対する助触媒の使用割合としては、例えばア
ルミノキサン類を助触媒として使用した場合は、10〜
10000モル倍、通常50〜5000モル倍、遷移金
属化合物と反応してイオン性化合物を形成する化合物を
助触媒として使用した場合は0.1〜10000モル
倍、通常0.5〜5000モル倍である。
【0028】本発明の方法で行われる重合方法及び重合
条件については特に制限はなくα−オレフィンの重合で
行われる公知の方法が用いられ、不活性炭化水素媒体を
用いる溶媒重合法、または実質的に不活性炭化水素媒体
の存在しない塊状重合法、気相重合法も利用でき、重合
温度としては−100〜200℃、重合圧力としては常
圧〜100kg/cm2 で行うのが一般的である。好ま
しくは−50℃〜100℃、常圧〜50kg/cm2
ある。
【0029】重合に際し使用される炭化水素媒体として
は例えばブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ノナン、デカン、シクロペンタン、シクロヘキサ
ンなどの飽和炭化水素の他に、ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素も使用することができる。
【0030】重合反応の際に使用されるα−オレフィン
としては、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、
1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、
1−オクタデセンなどの炭素数3〜25のα−オレフィ
ンを挙げることができる。
【0031】本発明においては、α−オレフィンの単独
重合のみならず、例えばプロピレンとエチレン、プロピ
レンと1−ブテンなどの炭素数2〜25程度のエチレン
またはα−オレフィンの共重合体を製造する際にも利用
できる。
【0032】
【実施例】以下に本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 〔遷移金属化合物の合成〕4−シクロペンタジエニル−
4−フルオレニルテトラヒドロピラン 6.7gのフルオレンを100mlのTHFに溶解し、
メチルリチウムを滴下し、室温で4時間反応させること
によりフルオレニルリチウムのTHF溶液を得た。この
溶液に、6.0gのシクロペンタジエニリデンテトラヒ
ドロピラン(J.Org.Chem.,49,1849(1984) に記載の方法
に従い合成した) のTHF溶液30mlを−70℃で加
え、室温で10時間反応させた。この反応液に1N塩酸
水70mlを加え、エーテル層を水洗し、無水硫酸マグ
ネシウムを用いて脱水したのち溶媒を減圧留去すること
により黄色の固体を得た。この固体をさらにエーテルを
用いて再結晶することにより10.3gの4−シクロペ
ンタジエニル−4−フルオレニルテトラヒドロピランを
得た。
【0033】この化合物の分析値は以下のようであっ
た。 1H−NMR スペクトル 図1遷移金属触媒成分 上記合成した4−シクロペンタジエニル−4−フルオレ
ニルテトラヒドロピラン4.0gをTHF80mlに溶
解し、この溶液にブチルリチウム26mmolを滴下
し、室温で24時間反応させることにより赤褐色溶液を
得た。この溶液より溶媒を減圧留去することより得た赤
褐色固体を3.0gの四塩化ジルコニウムとペンタン中
24時間反応させた。その結果、得られたピンク色の固
体を濾過、乾燥することにより遷移金属触媒成分とし
た。
【0034】実施例2 〔重合〕充分窒素置換した2lのオートクレーブにトル
エン1lを装入し、続いて実施例1で製造した遷移金属
触媒成分10.0mgと東ソー・アクゾ社製メチルアル
ミノキサン(重合度17.7)1.0gを加えた。プロ
ピレンを加えて系内を3kg/cm2 に保ち、20℃で
1時間重合を行った。未反応のプロピレンをパージし、
濾過、乾燥することによりシンジオタクチックポリプロ
ピレンパウダー51.6gを得た。またトルエンに可溶
な成分は1.3gであった。パウダーの135℃のテト
ラリン溶液で測定した極限粘度(以下ηと略記する)は
0.83dl/g、13C−NMR測定で約20.2pp
mのメチル基に帰属するピーク強度より求めたシンジオ
タクチックペンタッド分率は0.887であった。
【0035】実施例3 〔遷移金属触媒成分の製造〕4−シクロペンタジエニル
−4−フルオレニルテトラヒドロチオピラン 6.6gのフルオレンとメチルリチウムから調製したフ
ルオレニルリチウムのTHF溶液に6.5gのシクロペ
ンタジエニリデンテトラヒドロチオピラン(J.org.Che
m.,49,1849(1984) に記載の方法に従い合成した) のT
HF溶液30mlを−70℃で加え、室温で10時間反
応させた。この反応液に1N塩酸水100mlを加えエ
ーテル層を水洗し、生成した沈澱を濾別、メタノール洗
浄、乾燥することにより4−シクロペンタジエニル−4
−フルオレニルテトラヒドロチオピラン11.8gを得
た。
【0036】この化合物の分析値を以下に示す。 1H−NMR スペクトル 図2遷移金属触媒成分 上記合成した4−シクロペンタジエニル−4−フルオレ
ニルテトラヒドロチオピラン4.1gをTHF100m
lに溶解し、この溶液にブチルリチウム25mmolを
滴下し、室温で24時間反応させた。溶媒を減圧留去す
ることにより得た赤褐色固体に2.9gの四塩化ジルコ
ニウムを含むペンタンスラリーを加え、室温で48時間
反応させた。生成した褐色の粉末を濾別し、乾燥するこ
とにより遷移金属触媒成分を得た。
【0037】実施例4 〔重合〕実施例3で製造した遷移金属触媒成分10.0
mgを使用した以外実施例2と同様にして重合を行っ
た。得られたシンジオタクチックポリプロピレンパウダ
ーは38.6g、トルエン可溶分は2.8gであった。
パウダーのηは0.89dl/g、シンジオタクチック
ペンタッド分率は0.895であった。
【0038】実施例5 実施例3で製造した遷移金属触媒成分10.0mgにト
ルエン10mlおよびトリエチルアルミニウム0.2g
を加え、次いでトリフェニルメタンテトラ(ペンタフル
オロフェニル)硼素30mgを加え触媒溶液とした。
【0039】2lのオートクレーブにトルエン1lおよ
び上記調製した触媒溶液を装入した。プロピレンを加え
系内を3kg/cm2 に保ち、20℃で1時間重合を行
った。得られたシンジオタクチックポリプロピレンパウ
ダー22.4g、トルエンに可溶な成分は3.1gであ
った。パウダーのηは0.77dl/g、シンジオタク
チックペンタッド分率は0.871であった。
【0040】
【発明の効果】本発明の遷移金属触媒成分を使用するこ
とにより、高活性でポリ−α−オレフィンを製造するこ
とができ工業的に極めて価値がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で合成した4−シクロペンタジエニル
−4−フルオレニルテトラヒドロピランの1 H−NMR
スペクトルである。
【図2】実施例2で合成した4−シクロペンタジエニル
−4−フルオレニルテトラヒドロチオピランの1 H−N
MRスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 潮村 哲之助 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 審査官 藤本 保 (56)参考文献 特開 平4−275293(JP,A) 特開 平3−195706(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 4/60 - 4/70

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式(I)(化1) 【化1】 (ここで、A1 、A2 はシクロペンタジエニル基、イン
    デニル基、フルオレニル基、またはそれらの誘導体を示
    す。A3 、A4 は炭素数1〜10までの炭化水素基を示
    し、Qは酸素、窒素、イオウ、ケイ素またはそれらの原
    子を含む炭化水素基である。Cは炭素原子、Hは水素原
    子である。)で表わされる有機化合物を (B)アルカリ金属または有機アルカリ金属と反応させ
    た後、さらに (C)一般式(II) Mxn (II) (ここでMはチタン、ジルコニウム及びハフニウムから
    選ばれた金属原子、Xはハロゲン原子を示す。nは3〜
    6までの整数である。)で表わされる遷移金属ハロゲン
    化物とを反応させることによって得られるポリ−α−オ
    レフィン製造用遷移金属触媒成分。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリ−α−オレフィン製
    造用遷移金属触媒成分とアルミノキサン又はイオン性化
    合物よりなる触媒を用いることを特徴とするα−オレフ
    ィンの重合方法。
JP3046375A 1991-03-12 1991-03-12 ポリ−α−オレフィン製造用遷移金属触媒成分およびそれを用いたα−オレフィンの重合方法 Expired - Lifetime JP2995098B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3046375A JP2995098B2 (ja) 1991-03-12 1991-03-12 ポリ−α−オレフィン製造用遷移金属触媒成分およびそれを用いたα−オレフィンの重合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3046375A JP2995098B2 (ja) 1991-03-12 1991-03-12 ポリ−α−オレフィン製造用遷移金属触媒成分およびそれを用いたα−オレフィンの重合方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04283205A JPH04283205A (ja) 1992-10-08
JP2995098B2 true JP2995098B2 (ja) 1999-12-27

Family

ID=12745401

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3046375A Expired - Lifetime JP2995098B2 (ja) 1991-03-12 1991-03-12 ポリ−α−オレフィン製造用遷移金属触媒成分およびそれを用いたα−オレフィンの重合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2995098B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04283205A (ja) 1992-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3117231B2 (ja) 幅広い分子量分布を有するシンジオタクチックポリ−α−オレフィンの製造方法
KR100352920B1 (ko) 실릴 브릿지 메탈로센을 사용하여 제조된 신디오택틱폴리프로필렌
JPH09510994A (ja) メタロセン化合物、その製造法及びオレフィン重合用触媒におけるその使用
JPH08512063A (ja) モノシクロペンタジエニル遷移金属触媒系による非晶質ポリ−α−オレフィンの製造方法
US6355747B1 (en) Asymmetric silicon-bridged metallocenes useful as catalysts in the polymerization of α-olefins, process for their preparation and use of said metallocenes for the polymerization of α-olefins
JP3117257B2 (ja) ポリオレフィン製造用固体触媒およびポリオレフィンの製造方法
JP2995098B2 (ja) ポリ−α−オレフィン製造用遷移金属触媒成分およびそれを用いたα−オレフィンの重合方法
JPH0559077A (ja) 新規遷移金属化合物
JP3289834B2 (ja) 新規遷移金属化合物およびそれを用いたα−オレフィンの重合方法
JP2735658B2 (ja) 新規遷移金属化合物及びその製造方法
JP2883695B2 (ja) 新規遷移金属化合物
JPH0748408A (ja) オレフィンの重合方法
JP3102933B2 (ja) ポリオレフィン製造用固体触媒およびポリオレフィンの製造方法
JPH0625357A (ja) 新規なプロピレン系共重合体およびその製造方法
JP3102929B2 (ja) ポリオレフィン製造用固体触媒およびポリオレフィンの製造方法
JP3154511B2 (ja) シンジオタクチックポリプロピレンの製造方法
JP3092974B2 (ja) シンジオタクチックポリ−α−オレフィン製造用触媒およびシンジオタクチックポリ−α−オレフィンの製造方法
JPH05155927A (ja) オレフィンの重合方法
JP3117246B2 (ja) オレフィンの重合方法
JP2955400B2 (ja) オレフィン重合用固体触媒成分の製造方法
JP3025350B2 (ja) シンジオタクチックポリ−α−オレフィン製造用触媒およびシンジオタクチックポリ−α−オレフィンの製造方法
JP3144851B2 (ja) オレフィンの重合方法
JP2780123B2 (ja) 幅広い分子量分布を有するシンジオタクチックポリ―α―オレフィンの製造方法
JP3102905B2 (ja) ポリ−α−オレフィンの製造方法
JPH11189617A (ja) 新規な遷移金属化合物、α−オレフィン重合用触媒成分およびα−オレフィン重合体の製造方法