JP3048655B2 - α‐オレフィン重合体の製造 - Google Patents

α‐オレフィン重合体の製造

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JP3048655B2 JP3028781A JP2878191A JP3048655B2 JP 3048655 B2 JP3048655 B2 JP 3048655B2 JP 3028781 A JP3028781 A JP 3028781A JP 2878191 A JP2878191 A JP 2878191A JP 3048655 B2 JP3048655 B2 JP 3048655B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、ポリα−オレフィンの
製造に関する。詳しくは、本発明は、特定の遷移金属化
合物と、特定の新規なメチルイソブチルアルモキサンか
らなるα−オレフィン重合用触媒並びに該重合用触媒を
用いたポリα−オレフィンの製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】アルモキサンおよび遷移金属化合物を組
み合わせてポリα−オレフィンを製造する方法は良く知
られている(特開昭58−45205号、同58−19
309号、同60−35007号、同61−13031
4号、同62−230802号、同63−142004
号、同63−234009号、同64−51408号、
同64−66214号各公報)。しかし、これらの先行
例では、アルミニウム原子あたりの活性が低いため製造
コストが高く、また多量のアルミニウムがオレフィン重
合体中に残存してしまうために、工業上の問題があると
思われる。
【0003】これらの問題を解決する目的で、種々の提
案がなされている(特開昭61−211307号、同6
3−130601号、同64−16803号、特開平2
−22308号、同2−167307号各公報)。これ
らの提案により、アルミニウムあたりの活性は多少改善
されているが、このようなアルモキサンは溶解性が悪
く、取り扱いにくい上にアルミ除去が難しいため、オレ
フィン重合体の品質の低下や色相の悪化等の原因となっ
ており、さらに改良が必要である。
【0004】別の提案として、メチルアルモキサンにそ
の他の有機アルミニウム化合物等を共存させる方法が開
示されている(特開昭60−260602号、同60−
130604号、同63−89506号、同63−17
8108号、同63−218707号、同64−920
6号、特開平1−315407号、同2−22306
号、同2−167310号各公報)。これらの提案によ
り、メチルアルモキサンの使用量を低下させることがで
きるようになったが、しかし、アルミニウムあたりの活
性は不充分であり、さらに改善が望まれる。
【0005】一方、新たな試みとして、二種以上のアル
キル基を保有するアルモキサン化合物からなるオレフィ
ン重合用触媒成分が提案されている(特開平2−247
201号公報)。しかし、活性の改良は充分であるとは
思われず、従って、より一層の活性改良が望まれる。
【0006】〔発明の概要〕
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上記の従来の技術に見られた数々の問題点
を解決することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】<要 旨> 本発明は、上記問題点を解決するために検討を行なった
結果なされたものである。即ち、本発明によるα−オレ
フィン重合用触媒は、下記の成分(A)および成分
(B)からなること、を特徴とするものである。成分(A) シクロペンタジエニル基を少くとも1個有し、該シクロ
ペンタジエニル基の一部が炭化水素基(ただし、この炭
化水素基は、一価の基としてシクロペンタジエニル基に
結合していても、二価の基として同一のシクロペンタジ
エニル基に結合して環を形成していてもよい)で置換さ
れている、周期律表IVB族遷移金属化合物(ただし、
シクロペンタジエニル基を2つ有しかつその2つのシク
ロペンタジエニル基が橋かけ構造を有するものは除
く)、成分(B) 下記の(イ)および(ロ)の条件を充足するメチルイソ
ブチルアルモキサン。 (イ) メチル基とイソブチル基の数が4対1〜1対4
の比で存在すること、 (ロ) 27Al−NMRのケミカルシフトが160ppm
〜200ppm に存在し、半値巾が3000Hz以上のピー
クを有すること。
【0008】また、本発明によるα−オレフィンの重合
方法は、下記の成分(A)および成分(B)よりなるα
−オレフィン重合用触媒にα−オレフィンを接触させて
重合させること、を特徴とするものである。成分(A) シクロペンタジエニル基を少くとも1個有し、該シクロ
ペンタジエニル基の一部が炭化水素基(ただし、この炭
化水素基は、一価の基としてシクロペンタジエニル基に
結合していても、二価の基として同一のシクロペンタジ
エニル基に結合して環を形成していてもよい)で置換さ
れている、周期律表IVB族遷移金属化合物(ただし、
シクロペンタジエニル基を2つ有しかつその2つのシク
ロペンタジエニル基が橋かけ構造を有するものは除
く)、成分(B) 下記の(イ)および(ロ)の条件を充足するメチルイソ
ブチルアルモキサン。 (イ) メチル基とイソブチル基の数が4対1〜1対4
の比で存在すること、 (ロ) 27Al−NMRのケミカルシフトが160〜2
00ppm に存在し、半値巾が3000Hz以上のピークを
有すること。
【0009】<効 果>本発明の重合用触媒を用いてポ
リα−オレフィンを製造することにより、高分子量のα
−オレフィン重合体を高収率で得ることが可能である。
また、アルミニウム成分の使用量を削減しても充分な活
性を維持することが可能である。また、本発明に使用す
る新規なメチルイソブチルアルモキサンは、炭化水素溶
媒への溶解性が高いために重合体からの除去が容易であ
って、重合体中の残存するアルミニウム量を大巾に削減
出来るために、ポリマーの品質の改良が可能である。
【0010】〔発明の具体的説明〕 <α−オレフィン重合用触媒>本発明のα−オレフィン
重合用触媒は、成分(A)および成分(B)からなるも
のである。ここで、「からなる」とは、成分(A)およ
び成分(B)を使用する場合に、その効果を悪化させな
い限りにおいては、任意の第三成分が共存することを除
外するものではない。
【0011】<成分(A)> 成分(A)は、シクロペンタジエニル基を少くとも1個
有し、該シクロペンタジエニル基の一部が炭化水素基
(ただし、この炭化水素基は、一価の基としてシクロペ
ンタジエニル基に結合していても、二価の基として同一
のシクロペンタジエニル基に結合して環を形成していて
もよい)で置換されている、周期律表IVB族遷移金属
化合物(ただし、シクロペンタジエニル基を2つ有しか
つその2つのシクロペンタジエニル基が橋かけ構造を有
するものは除く)、である。
【0012】シクロペンタジエニル基の一つの具体例は
非置換のシクロペンタジエニル基である。シクロペンタ
ジエニル基が炭化水素基に置換されているときの炭化水
素基は、炭素数1〜20程度、特に1〜12程度、のも
のが好ましい。この炭化水素基は一価の基としてシクロ
ペンタジエニル基に結合していても、二価の基として同
一のシクロペンタジエニル基に結合して環を形成してい
てもよい。二価の基として結合しているときの代表例
は、炭化水素基が当該シクロペンタジエニル基の二重結
合を共有して縮合六員環を形成しているもの、即ちこの
共役五員環がインデニル基またはフルオレニル基である
もの、である。
【0013】成分(A)の具体例としては、(イ)シク
ロペンタジエニル基を1個有する遷移金属化合物、例え
ばペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリ
クロリド、n−ブチルシクロペンタジエニルジルコニウ
ムトリクロリド、インデニルジルコニウムトリクロリ
ド、フルオレニルジルコニウムトリクロリド、ペンタメ
チルシクロペンタジエニルビス(トリメチルシリル)ア
ミノジルコニウムジクロリド、ペンタメチルシクロペン
タジエニル−ビス(フェニル)アミノジルコニウムジク
ロリド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタ
ジエニル)フェニルアミノジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレン(テトラヒドロインデニル)デシルアミ
ノジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(テトラ
ヒドロインデニル)(トリメチルシリルアミノ)ジルコ
ニウムジクロリド、ペンタメチルシクロペンタジエニル
ビス(フェニル)アミノジルコニウムジメチル等、
【0014】(ロ)π電子共役配位子を2個有する遷移
金属化合物、例えば ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(α‐フェニル‐α
‐メチルエチルカルビルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(tert−ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(トリメチルシ
リルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(フルオレニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(2−メチルインデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、(n−ブチルシクロペンタジエニル)
(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(tert−ブチ
ルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニ
ル)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(ジフェニルアミノシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジフェニルホ
スフィノシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、(ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジエニ
ル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウム(ジフェニルアミノ)クロリド、ビス(イン
デニル)ジルコニウム(2,6−ジメチルフェノキシ)
クロリド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムフェニル
クロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジフェニ
ル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ベンジルクロリド等、
【0015】(ハ)また、上記化合物(イ)〜(ロ)に
おける塩素を臭素、ヨウ素、ヒドリド、メチル、フェニ
ル等に置きかえたものがある。
【0016】これらのうちで好ましいのは、シクロペン
タジエニル基に炭素数が3個以上、好ましくは3〜20
の置換基を有するジルコニウム化合物、ハフニウム化合
物またはチタン化合物である。
【0017】<成分(B)>本発明で使用する成分
(B)は、一般式(I)又は一般式(II)であらわされ
る新規なメチルイソブチルアルモキサンである。
【化1】
【化2】 ここで、R1 およびR2 はメチル基およびイソブチル基
のいずれかを示す。メチル基およびイソブチル基の配列
はブロック的でもよくランダム的でもよい。mおよびn
は各々1以上の整数を示し、m+nは一般的には2から
100、好ましくは4〜50、さらに好ましくは8〜2
0、である。メチル基とイソブチル基の数の比は、4対
1から1対4の間である。この範囲以外では、成分
(B)の性質がメチルアルモキサンあるいはイソブチル
アルモキサンの性質に近ずいてしまうため本発明の特異
的効果はあらわれない。なお、一般式(I)および(I
I)での構成単位
【化3】 および
【化4】 の数を表わす添字は、それが2以上のときは当該単位が
2以上存在するということを示すのであって、当該単位
が直結して当該個数存在することを意味するものではな
い。
【0018】メチル基およびイソブチル基の定量は13
−NMRまたは 1H−NMRの測定や、水と反応させて
発生する加水分解生成物をガスクロマトグラフを用いて
分析する方法等により知ることが出来る。アルモキサン
化合物の重合度あるいは分子量はたとえば、ベンゼンの
凝固点降下法により知ることが出来る。
【0019】本発明のアルモキサンは特徴のある27Al
−NMRスペクトルを示す。すなわち、通常のアルキル
アルミニウムのケミカルシフトは4配位を示す150〜
155pmに存在し、半値巾が2000Hz以下のピークを
示すのに対し、本発明のアルモキサンはケミカルシフト
が160ppm ないし250ppm に存在し、半値巾が30
00Hz以上のピークを持つスペクトルを示すという特徴
を有する。本発明のアルモキサンは、ケミカルシフトが
好ましくは160ppm 〜200ppm 、さらに好ましくは
165ppm 〜180ppm 、であるものである。また半値
巾が3000Hz以上、好ましくは3500以上、さらに
好ましくは4000Hz〜10,000Hz、であるもので
ある。
【0020】尚、NMRスペクトルの測定(13C:6
7.9MHz 、27Al:70.4MHz )は、アルミニウム
原子換算で6〜7重量%のトルエン溶液2.5ミリリッ
トルと、重ベンゼン0.5ミリリットルとを混合した
後、日本電子(株)製GSX−270型NMR測定装置
を用いて27℃で行なったものである。27Al−NMR
スペクトルは、パルス幅90°、パルス間隔0.06秒
および積算回数10000回の条件で非デカップリング
モードで測定したものであり、27Alケミカルシフト
は、硫酸アルミニウム水溶液中の〔Al(H2 O)6
3+イオンを外部基準(0ppm )として測定したものであ
る。スペクトルの半値巾は、ピークの最大値の半分の高
さにおけるピーク幅をHzで換算したものである。13C−
NMRスペクトルは、パルス幅45°、パルス間隔5秒
および積算回数1000回の条件でプロトンデカップリ
ングモードで、テトラメチルシランを外部基準(0ppm
)として測定したものである。
【0021】このようなメチル基とイソブチル基の数が
4対1から1対4の比で存在し、27Al−NMRのケミ
カルシフトが160〜200ppm に存在し、半値巾が3
000Hz以上有するという特徴を有するメチルイソブチ
ルアルモキサン化合物の製造方法は、このような特徴を
有するアルモキサンが得られる限り任意であるが、具体
的な製造方法の例を挙げると以下のような方法が例示さ
れる。
【0022】(イ) トリメチルアルミニウムとトリイ
ソブチルアルミニウムとをモル比で4対1から1対4で
混合し、これと飽和水を含有したトルエン、ベンゼン、
ヘキサン、エーテル等の不活性溶媒とを、アルミニウム
と含有水とのモル比を2対1から1対2の範囲内に保ち
ながら−78℃〜100℃の温度範囲で少量ずつ接触さ
せる方法、(ロ) トリメチルアルミニウムとトリイソ
ブチルアルミニウムとをモル比で4対1から1対4で混
合し、これと結晶水を有する塩水和物、例えば硫酸銅、
硫酸アルミニウムの水和物、とをアルミニウムと水のモ
ル比が2対1から1対2のモル比で、40〜100℃で
加熱反応させる方法、(ハ)シリカゲル等に水分を含浸
させ、これをトリイソブチルアルミニウムで処理した
後、使用したトリイソブチルアルミニウムに対してモル
比が4対1から1対4の範囲のトリメチルアルミニウム
を追加導入し、40〜100℃で加熱反応させる方法、
(ニ) メチルアルモキサンおよびイソブチルアルモキ
サンを公知の方法で合成し、これらの二成分を、各々の
メチル基とイソブチル基の数が4対1から1対4の範囲
で混合し、40〜100℃で加熱反応させる方法。
【0023】<オレフィンの重合>本発明によるオレフ
ィン重合用触媒は、通常のスラリー重合に適用されるの
はもちろんであるが、実質的に溶媒を用いない液相無溶
媒重合、溶液重合または気相重合法にも適用される。ま
た連続重合、回分式重合または予備重合を行なう方式に
も適用される。したがって、この触媒にオレフィンを接
触させて重合させることからなる本発明によるオレフィ
ン重合体の製造法は、上記の各重合法ないし重合様式を
採用してなるものである。
【0024】スラリー重合の場合の重合溶媒としては、
ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベン
ゼン、トルエン等の飽和脂肪族または芳香族炭化水素の
単独あるいは混合物が用いられる。重合温度は−78℃
から200℃程度、好ましくは0℃〜150℃、であ
り、そのとき分子量調節剤として補助的に水素を用いる
ことができる。スラリー重合のとき、成分(A)の使用
量は、0.0001〜1.0グラム成分(A)/リット
ル溶剤の範囲内が好ましい。
【0025】本発明による触媒系で重合するオレフィン
類、言い換えれば、本発明による触媒に接触させるオレ
フィン類は、一般式R−CH=CH2 (ここで、Rは水
素原子または炭素数1〜10の炭化水素残基であり、分
枝基を有してもよい)で表わされるものである。具体的
には、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、スチレ
ン、ジビニルベンゼンなどのオレフィン類がある。好ま
しくはエチレンおよびプロピレンである。これらの重合
の場合に、エチレンに対して50重量パーセントまで、
好ましくは20重量パーセントまで、の上記オレフィン
との共重合を行なうことができ、プロピレンに対して3
0重量パーセントまでの上記オレフィン、特にエチレ
ン、との共重合を行なうことができる。その他の共重合
性モノマー(たとえば酢酸ビニル、ジオレフィン、環状
オレフィン等)との共重合を行なうこともできる。
【0026】
【実施例】<実施例1>成分(A)の製造 成分(A)としてビス(α−フェニル−α‐メチルエチ
ル−カルビルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリドを製造した。具体的には、6,6−ジメチルフル
ベン5グラム(47ミリモル)をテトラヒドロフラン4
0ミリリットルに溶解し、フェニルリチウム(1.17
モル/リットル)を40.2ミリリットを導入し、室温
下で4時間反応させた(反応液−(A))。次いで、−
50℃以下でテトラヒドロフラン100ミリリットルに
四塩化ジルコニウム2.7グラムを溶解したのち、1時
間かけて室温に戻した溶液中に、上記で得た反応液−
(A)を導入した後、室温下で8時間反応させた。反応
終了後、溶媒を減圧留去し、次いでトルエン200ミリ
リットルで抽出した後、再結晶により3.6グラムの目
的生成物を得た。
【0027】成分(B)の製造 充分に窒素置換した攪拌機および還流コンデンサー付の
500ミリリットルフラスコに、東ソーアクゾ社製イソ
ブチルアルモキサン(分子量1525)のヘキサン希釈
液を200ミリリットル(0.06M)および東ソーア
クゾ社製メチルアルモキサン(分子量1232)のトル
エン希釈液を50ミリリットル(0.06M)を室温下
で混合した。次いでこれを70℃に昇温して4時間反応
させた。反応終了後、溶媒を減圧留去して、18.1グ
ラムの白色固体を得た。この白色固体をトルエンに希釈
し、13C−NMRを測定した結果、図1のようなスペク
トルが得られた。メチル基とイソブチル基の数が1.1
6:1の比率であった。また、27Al−NMRを測定し
た結果、図2に示すように179ppm にケミカルシフト
をもつ半値巾6196Hzのピークをもつスペクトルが得
られた。
【0028】プロピレンの重合 撹拌および温度制御装置のついた内容積1.0リットル
のステンレス鋼製オートクレーブに充分に脱水および脱
酸素したトルエン400ミリリットル、本発明の触媒成
分をアルミニウム原子換算で4ミリモル、ビス(α−フ
ェニル−α−メチルエチルカルビルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリドを1.05ミリグラム
(0.002ミリモル)導入し、プロピレン圧力=7kg
/cm2 G、重合温度=50℃で2時間重合操作を行なっ
た。重合終了後、重合溶液にメタノールを100ミリリ
ットルおよび水を400ミリリットル加えた後、有機層
と水層とを分離し、有機層を減圧留去し乾燥させた結
果、45.6グラムのポリマーが得られた。
【0029】ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
の測定の結果、このポリマーは数平均分子量(Mn)
1.97×103 、分子量分布は重量平均分子量/数平
均分子量の比で1.73であった。また、JEOL F
X−200により13C−NMRを測定した結果、このポ
リマーは、トリアッドの〔mm〕分率が0.274〔m
r〕分率が0.522、〔rr〕分率が0.204であ
って、アタクチックな構造であった。
【0030】<実施例2>成分(A)の製造 ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドを下記の方
法で製造した。インデン5.8グラム(0.05モル)
およびテトラヒドロフラン50ミリリットルを充分窒素
置換した300ミリリットルフラスコに導入し、−50
℃以下に冷却した後、nブチルリチウム32ミリリット
ル(1.6M/Lヘキサン希釈液)を導入した後、ゆっ
くり1時間かけて室温まで昇温した後、室温下で3時間
反応させた(反応液(A))。充分窒素置換した500
ミリリットルの別のフラスコにテトラヒドロフラン20
0ミリリットを導入し、−50℃以下に冷却した後、四
塩化ジルコニウム5.8グラム(0.025モル)をゆ
っくり導入し、1時間かけて室温まで昇温した。次に、
反応液(A)の全量を一括で追加し、室温下で8時間反
応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去し、次いでトル
エン200ミリリットルで抽出した後、再結晶により
4.2グラムの目的物を得た。
【0031】プロピレンの重合 上記の成分(A)を0.392ミリグラム用いる以外は
全て実施例−1と同一条件でプロピレンを重合させた。
結果は、表1に示す通りであった。
【0032】<実施例3>成分(B)の製造 充分に窒素置換した攪拌機および還流コンデンサー付の
1000ミリリットルフラスコに、脱水および脱酸素し
たトルエン100ミリリットルを導入した。次いで、2
本の滴下ロートの一方に、トリメチルアルミニウム0.
72グラム(10ミリモル)、トリイソブチルアルミニ
ウム1.96グラム(10ミリモル)をトルエン50ミ
リリットルに希釈して導入し、他の一方に飽和水含有の
トルエンを導入し、30℃の条件下で混合アルミニウム
溶液および飽和水含有トルエンをAlおよびH2 Oを等
モルずつ3時間かけてフィードした。フィード終了後、
50℃に昇温して、2時間反応させた。反応終了後、溶
媒を減圧留去して、1.9グラムの白色固体を得た。こ
の白色固体をトルエンに希釈し、13C−NMRを測定し
た結果、メチル基とイソブチル基の数が1:1.35の
比率であった。また、27Al−NMRを測定した結果、
図3に示すようなケミカルシフト174ppm 、半値巾5
844Hzのピークをもつスペクトルが得られた。
【0033】プロピレンの重合 上記で製造した成分(B)を用いる以外は全て実施例1
と同一条件で重合を行なった。結果は表1に示す通りで
あった。
【0034】<比較例1>東ソーアクゾ社製ポリメチル
アルモキサン(分子量1232)を用いる以外は全て実
施例1と同一条件で重合を行なった。結果は、表1に示
す通りであった。尚、27Al−NMRの結果は、図4に
示す通りであった。
【0035】<比較例2>特開平2−247201号公
報の製造例−1と同様の方法でメチルイソブチルアルモ
キサンを製造した。すなわち、充分に窒素置換した50
0ミリリットルフラスコに、東ソーアクゾ社製イソブチ
ルアルモキサン(分子量1525)18.0グラムとト
リメチルアルミニウム3.3グラムとトルエン150ミ
リリットルとを入れ、−10℃に冷却後、脱気処理済の
水0.83グラムを90分かけて滴下した。次いで、−
10℃で30分間反応後、2時間かけて室温まで昇温し
た。得られた反応液の溶媒を留去して白色固体19.1
グラムを得た。このメチルイソブチルアルモキサンは図
5に示すように、ケミカルシフトの位置は154ppm の
ままであった。このメチルアルモキサンを用い、実施例
1と同一条件で重合を行なった。結果を表1に示す。
【0036】<比較例3、4>成分(A)のかわりにビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを
0.292ミリグラム(0.001ミリモル)用いる以
外は全て実施例1および比較例1に従って重合操作を行
なった。結果を表1に示す。
【表1】
【0037】<実施例4>撹拌および温度制御装置付き
の内容積1.5リットルのステンレス鋼製オートクレー
ブをエチレンで充分置換した後、充分に脱水および脱酸
素したn−ヘプタンを500ミリリットル導入し、次い
で実施例1で得た成分(B)を5ミリモル、実施例3で
得た成分(A)を0.46ミリグラム(0.001ミリ
モル)、水素を300cc導入した後、エチレン圧力7kg
/cm2 G、75℃下で2時間重合を行なった。その結
果、108.4グラムのポリマーが回収された。得られ
たポリマーの分子量はMn=22600、Mw/Mn=
2.15であった。結果を表2に示す。
【0038】<実施例5>成分(A)の製造 成分(A)として(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)ビス(トリメチルシリル)アミノジルコニウムジク
ロリドを合成した。具体的には、テトラヒドロフラン5
0ミリリットルを−50℃以下に冷却した後、四塩化ジ
ルコニウムを1.5グラム溶解した後、徐々に室温まで
戻した。次いで、ペンタメチルシクロペンタジエンとn
ブチルリチウムの反応により得られたペンタメチルシク
ロペンタジエニルリチウム6.5ミリモルを、室温下一
括フィードし2時間反応させた。反応終了後、さらに、
ビス(トリメチルシリル)アミノリチウム6.5ミリモ
ルを一括フィードし、室温下4時間反応させた。反応終
了後、溶媒を留去した後、トルエンを200ミリリット
ル導入し抽出した後、再結晶することにより、目的生成
物を0.6グラム得た。
【0039】エチレンの重合 実施例4の条件で、成分(A)として上記で得た(ペン
タメチルシクロペンタジエニル)ビス(トリメチルシリ
ル)アミノジルコニウムジクロリドを0.46ミリグラ
ム用いる以外は全て実施例4と同一条件で重合した。結
果を表2に実施例4の結果と併せて示す。
【0040】<比較例5>実施例5の成分(A)を用
い、成分(B)のかわりに比較例1で用いた東ソーアク
ゾ社製ポリメチルアルモキサンを用いる以外は全て実施
例5と同一条件でエチレンを重合した。結果を表2に示
す。
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、高分子量のα−オレフ
ィン重合体を高収率で得ることが可能であること、およ
びアルミニウム成分の使用量を削減しても充分な活性を
維持することが可能であること、ならびに本発明に用い
る新規なメチルイソブチルアルモキサンは炭化水素溶媒
への溶解性が高いために重合体からの除去が容易であっ
て、重合体中に残存するアルミ量を大巾に削減出来るた
めにポリマーの品質の改良が可能であることは、「課題
を解決するための手段」の項において前記した通りであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1において製造した成分(B)
13C−NMRスペクトル図。
【図2】図2は、実施例1において製造した成分(B)
27Al−NMRスペクトル図。
【図3】図3は、実施例3において製造した成分(B)
27Al−NMRスペクトル図。
【図4】図4は、東ソーアクゾ社製ポリメチルアルモキ
サンの27Al−NMRスペクトル図。
【図5】図5は、比較例2において製造したメチルイソ
ブチルアルモキサンの27Al−NMRスペクトル図。
【図6】図6は、チーグラー触媒に関する本発明の理解
を助けるためのフロチャート図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−103407(JP,A) 特開 平4−266891(JP,A) 特開 平4−264110(JP,A) 特開 平4−46906(JP,A) 特開 平2−250886(JP,A) 特開 平2−247201(JP,A) 特開 平5−17519(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/60 - 4/70

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分(A)および成分(B)よりな
    ることを特徴とする、α−オレフィン重合用触媒。成分(A) シクロペンタジエニル基を少くとも1個有し、該シクロ
    ペンタジエニル基の一部が炭化水素基(ただし、この炭
    化水素基は、一価の基としてシクロペンタジエニル基に
    結合していても、二価の基として同一のシクロペンタジ
    エニル基に結合して環を形成していてもよい)で置換さ
    れている、周期律表IVB族遷移金属化合物(ただし、
    シクロペンタジエニル基を2つ有しかつその2つのシク
    ロペンタジエニル基が橋かけ構造を有するものは除
    く)、成分(B) 下記の(イ)および(ロ)の条件を充足するメチルイソ
    ブチルアルモキサン。 (イ) メチル基とイソブチル基の数が4対1〜1対4
    の比で存在すること、 (ロ) 27Al−NMRのケミカルシフトが160〜2
    00ppm に存在し、半値巾が3000Hz以上のピークを
    有すること。
  2. 【請求項2】下記の成分(A)および成分(B)よりな
    るα−オレフィン重合用触媒にα−オレフィンを接触さ
    せて重合させることを特徴とする、α−オレフィンの重
    合方法。成分(A) シクロペンタジエニル基を少くとも1個有し、該シクロ
    ペンタジエニル基の一部が炭化水素基(ただし、この炭
    化水素基は、一価の基としてシクロペンタジエニル基に
    結合していても、二価の基として同一のシクロペンタジ
    エニル基に結合して環を形成していてもよい)で置換さ
    れている、周期律表IVB族遷移金属化合物(ただし、
    シクロペンタジエニル基を2つ有しかつその2つのシク
    ロペンタジエニル基が橋かけ構造を有するものは除
    く)、成分(B) 下記の(イ)および(ロ)の条件を充足するメチルイソ
    ブチルアルモキサン。 (イ) メチル基とイソブチル基の数が4対1〜1対4
    の比で存在すること、 (ロ) 27Al−NMRのケミカルシフトが160〜2
    00ppm に存在し、半値巾が3000Hz以上のピークを
    有すること。
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