JP3091241B2 - 新規なメチルイソブチルアルモキサン - Google Patents

新規なメチルイソブチルアルモキサン

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JP3091241B2
JP3091241B2 JP03027585A JP2758591A JP3091241B2 JP 3091241 B2 JP3091241 B2 JP 3091241B2 JP 03027585 A JP03027585 A JP 03027585A JP 2758591 A JP2758591 A JP 2758591A JP 3091241 B2 JP3091241 B2 JP 3091241B2
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、新規なメチルイソブチ
ルアルモキサンに関する。さらに詳しくは、本発明は、
オレフィンを重合させるために、遷移金属化合物と組み
合わせて利用する有機アルミニウム化合物からなる触媒
成分に関する。さらに詳しくは、本発明は、特殊なアル
モキサン化合物からなる重合触媒成分ならびにその製造
法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルモキサンをオレフィン重合用チーグ
ラー型触媒の有機アルミニウム化合物成分として使用す
ることは良く知られている(特開昭58−45205
号、同58−19309号、同60−35007号、同
61−130314号各公報)。しかし、これらの技術
では、アルミニウム原子あたりの活性が低いため製造コ
ストが高く、また多量のアルミニウムがオレフィン重合
体中に残存してしまうために、工業上の問題があると思
われる。
【0003】これらの問題を解決する目的で、種々の提
案がなされている(特開昭61−211307号、同6
4−16803号、特開平2−78687号、同2−1
72991号各公報)。これらの提案により、アルミニ
ウムあたりの活性は多少改善されているが、しかし、こ
のようなアルモキサンは一般に溶解性が悪く、取り扱い
にくい上にアルミニウムの除去が難しいため、オレフィ
ン重合体の品質の低下や色相の悪化等の原因となってお
り、さらに改良が必要であると思われる。
【0004】別の提案として、メチルアルモキサンにそ
の他の有機アルミニウム化合物等を共存させる方法が開
示されている(特開昭60−260602号、同60−
130604号、同63−89506号、同63−17
8108号、同63−218707号、同64−920
6号、特開平1−315407号、同2−22306
号、同2−167310号各公報)。これらの提案によ
り、メチルアルモキサンの使用量は低下しているが、ア
ルミニウムあたりの活性は不充分であり、さらに改善が
望まれる。
【0005】一方、新たな試みとして、2種以上のアル
キル基を保有するアルモキサン化合物からなるオレフィ
ン重合用触媒成分が提案されている(特開平2−247
201号公報)。しかし活性の改良は不充分であり、よ
り一層の活性改良が望まれる。
【0006】〔発明の概要〕
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上記の従来の技術に見られた数々の問題点
を解決することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】<要旨>本発明は、上記
問題点を解決するために検討を行なった結果なされたも
のである。即ち、本発明による新規なメチルイソブチル
アルモキサンは、下記の(イ)、(ロ)および(ハ)の
条件を充足すること、を特徴とするものである。 (イ) メチル基とイソブチル基の数が4対1〜1対4
の比で存在すること、 (ロ) 27Al−NMRのケミカルシフトが160ppm
ないし250ppm に存在し、半値巾が3000Hz以上の
ピークを有すること、 (ハ) Al−Oの繰り返し単位が2〜100個存在す
ること。
【0008】また、本発明による下記の(イ)、(ロ)
および(ハ)の条件を充足するメチルイソブチルアルモ
キサンの製造法は、トリアルキルアルミニウムと水とを
反応させてアルキルアルモキサンを製造する方法におい
て、トリアルキルアルミニウムが、Al−メチル結合を
有するトリアルキルアルミニウムと、Al−イソブチル
結合を有するトリアルキルアルミニウムとを組合せたも
のであり、かつそのAl‐メチル結合基とAl‐イソブ
チル結合基の数の比が4対1ないし1対4で両者が共存
する状態で水と反応させること、を特徴とするものであ
る。 (イ) メチル基とイソブチル基の数が4対1〜1対4
の比で存在すること、 (ロ) 27Al−NMRのケミカルシフトが160ppm
ないし250ppm に存在し、半値巾が3000Hz以上の
ピークを有すること、 (ハ) Al−Oの繰り返し単位が2〜100個存在す
ること。
【0009】更に、本発明による下記の(イ)、(ロ)
および(ハ)の条件を充足するメチルイソブチルアルモ
キサンの製造法は、トリアルキルアルミニウムと水とを
反応させてアルキルアルモキサンを製造する方法におい
て、Al‐メチル結合を有するトリアルキルアルミニウ
ムと水とを反応させて得られたAl‐メチル結合基含有
アルキルアルモキサンとAl‐イソブチル結合を有する
トリアルキルアルミニウムと水とを反応させて得られた
Al‐イソブチル結合基含有アルキルアルモキサンと
を、Al‐メチル基とAl‐イソブチル基の数の比が4
/1〜1/4の範囲で、40℃ないし100℃の加熱条
件におくこと、を特徴とするものである。 (イ) メチル基とイソブチル基の数が4対1〜1対4
の比で存在すること、 (ロ) 27Al−NMRのケミカルシフトが160ppm
ないし250ppm に存在し、半値巾が3000Hz以上の
ピークを有すること、 (ハ) Al−Oの繰り返し単位が2〜100個存在す
ること。
【0010】<効 果>本発明によるメチルイソブチル
アルモキサンを、重合用触媒成分として用いることによ
り、高分子量のオレフィン重合体を高収率で得ることが
可能となる。また、このようなメチルイソブチルアルモ
キサンは、その使用量を削減しても充分な触媒活性を維
持することが可能である。さらに、本発明のこのメチル
イソブチルアルモキサンは、炭化水素溶媒への溶解性も
すぐれているため、被覆材料の中間体、速乾性ワニスの
成分、エポキシ樹脂等として、あるいは添加剤としても
使用しやすい。
【0011】〔発明の具体的説明〕 <メチルイソブチルアルモキサン> 本発明によるメチルイソブチルアルモキサンは、一般式
(I)または一般式(II)であらわされる特殊な化合物
である。
【化1】
【化2】 ここで、RおよびRはメチル基とイソブチル基のい
ずれかを示す。メチル基およびイソブチル基の配列はブ
ロック的でもよくランダム的でもよい。mおよびnは各
々1以上の整数を示し、m+nは一般的には2から10
0、好ましくは4〜50、さらに好ましくは8〜20、
である。RとRとの比は、4対1から1対4の間で
ある。この範囲以外では、この化合物の性質がメチルア
ルモキサンあるいはイソブチルアルモキサンの性質に近
づいてしまうため本発明の特異的効果はあらわれない。
なお、一般式(I)および(II)での構成単位
【化3】 および
【化4】 の数を表わす添字は、それが2以上のときは当該単位が
2つ以上存在するということを示すのであって、当該構
成単位が直結して当該個数存在することを意味するもの
ではない。
【0012】メチル基およびイソブチル基の定量は、13
C−NMRあるいはH−NMRを測定したり、水と反
応させて発生する加水分解生成物をガスクロマトグラフ
を用いて分析する方法等により知ることが出来る。アル
モキサン化合物の重合度あるいは分子量は、例えばベン
ゼンの凝固点降下法により知ることが出来る。
【0013】本発明のアルモキサンは、27Al−NMR
の測定により特徴のあるスペクトルを示すものである。
すなわち、通常のアルキルアルミニウムでは、ケミカル
シフトは4配位を示す150〜155ppm に存在し、半
値巾が2000Hz以下のピークを示すのに対し、本発明
のアルモキサンはケミカルシフトが160ppm ないし2
50ppm に存在し、半値巾が3000Hz以上のピークを
持つスペクトルを示すという特徴を有する。本発明では
ケミカルシフトが160ppm 〜200ppm 、特に165
ppm 〜180ppm 、の範囲に存在するものが好ましい。
また、半値巾が3000Hz以上、特に3500Hz以上、
さらには4000Hz〜10,000Hz、であるものが好
ましい。
【0014】尚、NMRスペクトルの測定(13C:6
7.9MHz 、27Al:70.4MHz )は、アルミニウム
原子換算で6〜7重量%のトルエン溶液2.5ミリリッ
トルと重ベンゼン0.5ミリリットルとを混合した後、
日本電子(株)製GSX−270型NMR測定装置を用
いて27℃で測定したときのものである。27Al−NM
Rスペクトルの測定条件は、パルス幅90゜、パルス間
隔0.06秒、積算回数10000回、非デカップリン
グモードで測定し、27Alケミカルシフトは硫酸アルミ
ニウム水溶液中の〔Al(HO)3+イオンを外部
基準(0ppm )とした。スペクトルの半値巾は、ピーク
の最大値の半分の高さにおけるピーク幅をHzで換算し
た。13C−NMRスペクトルの測定条件は、パルス幅4
5゜、パルス間隔5秒、積算回数1000回、プロトン
デカップリングモードで、テトラメチルシランを外部基
準(0ppm )として測定した。
【0015】本発明の条件(イ)〜(ハ)を充足するメ
チルイソブチルアルモキサンは、トリアルキルアルミニ
ウムがAl−メチル結合を有するトリアルキルアルミニ
ウムと、Al−イソブチル結合を有するトリアルキルア
ルミニウムとを用い、Al‐メチル結合基とAl‐イソ
ブチル結合基の数の比が4対1ないし1対4で混合し、
両者が共存する状態で水と反応させることによって製造
することができる。この場合の「水」は各種のものがあ
り得る。「水」としては、通常の水の他に以下の様なも
のが用いられる。 飽和水を含有した不活性溶媒。例
えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプ
タン、デカン、等の炭化水素溶媒、等の不活性溶媒に水
が飽和水として含まれているもの。 結晶水を有する
塩水和物。例えば硫酸銅、硫酸アルミニウム、等の水和
物。 吸着水を有する又は水を含浸させた無機粉体を
不活性炭化水素溶媒中に懸濁させたもの。無機粉体とし
ては、例えば、シリカゲル、ゼオライト等。
【0016】具体的製造方法は、このような特徴を有す
るアルモキサンが得られる限り任意であるが、その代表
的なものとしては以下のようなものがある。 (イ) トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアル
ミニウムとをモル比で4対1から1対4で混合し、これ
と飽和水を含有したトルエン、ベンゼン、ヘキサン、エ
ーテル等の不活性溶媒とを、アルミニウムと含有水が2
対1から1対2のモル比を保ちながら、−78℃〜10
0℃の温度範囲で少量ずつ接触させる方法 、(ロ) トリメチルアルミニウムとトリイソブチルア
ルミニウムとをモル比で4対1から1対4で混合し、こ
れと結晶水を有する塩水和物、例えば硫酸銅、硫酸アル
ミニウムの水和物、とを、アルミニウムと水のモル比が
2対1から1対2のモル比で40〜100℃で加熱反応
させる方法、 (ハ) シリカゲル等に水分を含浸させ、これをトリイ
ソブチルアルミニウムで処理した後、モル比が4対1か
ら1対4の範囲のトリメチルアルミニウムを追加導入
し、40〜100℃で加熱反応させる方法、 (ニ) メチルアルモキサンおよびイソブチルアルモキ
サンを公知の方法で合成し、これらの2成分を、各々の
メチル基とイソブチル基のモル比が4対1から1対4の
範囲で混合し、40〜100℃で加熱反応させる方法。
【0017】<遷移金属成分>上記のようなメチルイソ
ブチルアルモキサンは、遷移金属化合物と組み合わされ
てα‐オレフィン重合用触媒を形成する。なお、このよ
うなα‐オレフィン重合用触媒は、メチルイソブチルア
ルモキサンおよび遷移金属化合物のみの組み合わせ物の
外に、これら二成分とこれら二成分以外の他の成分との
組み合わせ物をも包含する。
【0018】本発明のメチルイソブチルアルモキサンと
組み合わせてα‐オレフィン重合用触媒を形成する遷移
金属化合物は、三塩化チタン組成物や、マグネシウム‐
チタン‐ハロゲン含有化合物等に代表される一般的なチ
ーグラーナッタ触媒成分、あるいはπ電子共役配位子を
少くとも1個含有する周期律表IVB〜VIB族の遷移金属
の化合物等(たとえばメタロセン化合物)が例示され
る。このうち本発明で好ましいものは、π電子共役配位
子を少くとも1個含有する周期律表IVB〜VIB族の遷移
金属の化合物、さらに好ましいものはπ電子共役配位子
を少くとも1個含有するIVB族の遷移金属の化合物、で
ある。
【0019】ここで、π電子共役配位子とは、具体的に
は、例えば(イ)シクロペンタジエニル基、置換シクロ
ペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基等の
シクロペンタジエニル誘導体、(ロ)フェニル基、トル
イル基、ナフチル基等のフェニル誘導体等であり、ま
た、周期律表IVB〜VIB族の遷移金属とは、具体的には
例えば、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウ
ム、ニオブ、タングステン、クロムおよびモリブデン等
である。これらIVB〜VIB族の遷移金属の、上記のよう
なπ電子共役配位子に満たされない残りの原子価は、ハ
ロゲン、水素等により満たされるのが普通である。
【0020】アルモキサン化合物と遷移金属化合物の使
用量は、遷移金属の種類により多少異なるが、一般的に
はアルモキサン化合物中のアルミニウム原子と遷移金属
の原子比で定まるが、本発明では0.01〜100,0
00、好ましくは0.1〜30,000、である。接触
方法は、重合時に別々に導入して重合時に接触させても
よいし、予め接触させたものを使用してもよい。
【0021】<オレフィンの重合>本発明のメチルイソ
ブチルアルモキサン化合物と遷移金属化合物を用いてα
‐オレフィンを重合させる方法は、通常のスラリー重合
に適用されるのはもちろんであるが、実質的に溶媒を用
いない液相無溶媒重合、溶液重合または気相重合法にも
適用される。また連続重合、回分式重合または予備重合
を行なう方式にも適用される。
【0022】スラリー重合の場合の重合溶媒としては、
ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベン
ゼン、トルエン等の飽和脂肪族または芳香族の炭化水素
の単独あるいは混合物が用いられる。重合温度は−78
℃から200℃程度、好ましくは0℃〜150℃、であ
り、そのとき分子量調節剤として補助的に水素を用いる
ことができる。
【0023】本発明による触媒系で重合するオレフィン
類、言い換えれば、本発明による触媒に接触させるオレ
フィン類は、一般式R−CH=CH(ここでRは水素
原子または炭素数1〜10の炭化水素残基であり、分枝
基を有してもよい。)で表わされるものである。具体的
には、エチレン、プロピレン、ブテン‐1、ペンテン‐
1、ヘキセン‐1、4‐メチルペンテン‐1、スチレ
ン、ジビニルベンゼンなどのオレフィン類がある。好ま
しくはエチレンおよびプロピレンである。これらの重合
の場合に、エチレンに対して50重量パーセントまで、
好ましくは20重量パーセントまで、の上記オレフィン
との共重合を行なうことができ、プロピレンに対して3
0重量パーセントまでの上記オレフィン、特にエチレ
ン、との共重合を行なうことができる。その他の共重合
性モノマー(たとえば酢酸ビニル、ジオレフィン、環状
オレフィン等)との共重合を行なうこともできる。
【0024】
【実施例】<実施例1>メチルイソブチルアルモキサンの製造 充分に窒素置換した撹拌機および還流コンデンサー付の
500ミリリットルフラスコに、東ソーアクゾ社製イソ
ブチルアルモキサン(分子量1525)のヘキサン希釈
液を200ミリリットル(0.06M)および東ソーア
クゾ社製メチルアルモキサン(分子量1232)のトル
エン希釈液を50ミリリットル(0.06M)を室温下
で混合した。次いで70℃に昇温し、4時間反応させ
た。反応終了後、溶媒を減圧留去して18.1グラムの
白色固体(メチルイソブチルアルモキサン)を得た。こ
の白色固体をトルエンに希釈し、13C−NMRを測定し
た結果、図1のようなスペクトルが得られ、メチル基と
イソブチル基の数が1.16:1の比率であった。ま
た、27Al−NMRを測定した結果、図2に示すように
179ppm にケミカルシフトをもつ半値巾6196Hzの
ピークをもつスペクトルが得られた。
【0025】遷移金属化合物の製造 エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド
を、J. Orgmet. Chem.(288)63〜67 1985の文献に従っ
て合成した。
【0026】α‐オレフィンの重合 攪拌および温度制御装置のついた内容積1.0リットル
のステンレス鋼製オートクレーブに、充分に脱水および
脱酸素したトルエン400ミリリットル、上記で得た本
発明のメチルイソブチルアルモキサンをアルミニウム原
子換算で4ミリモルおよびエチレンビス(インデニル)
ジルコニウムジクロリド(遷移金属成分)を0.418
ミリグラム(0.001ミリモル)導入し、プロピレン
圧力=7kg/cm2 G、重合温度=50℃で2時間重合さ
せた。重合終了後、重合溶液を3リットルのメタノール
中に抜き出し、重合体を槇別し乾燥させたところ、13
6グラムのポリマーが回収された。ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーの測定の結果、このものは数平均
分子量(Mn)22.6×103 、分子量分布は重量平
均分子量/数平均分子量の比で1.88であった。JE
OL.FX−200により13C−NMRを測定した結
果、トリアッドの〔mm〕分率は、0.854であった。
【0027】<実施例2>メチルイソブチルアルモキサンの製造 充分に窒素置換した撹拌機および還流コンデンサー付の
1000ミリリットルフラスコに、脱水および脱酸素し
たトルエン100ミリリットルを導入した。次いで、2
本の滴下ロートの一方に、トリメチルアルミニウム0.
72グラム(10ミリモル)、トリイソブチルアルミニ
ウム1.96グラム(10ミリモル)をトルエン50ミ
リリットルに希釈し、他の一方に飽和水含有のトルエン
を導入し、30℃の条件下で混合アルミニウム溶液およ
び飽和水含有トルエンをAlおよびHOを等モルずつ
3時間かけてフィードした。フィード終了後、50℃に
昇温し2時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去
して1.9グラムの白色固体(メチルイソブチルアルモ
キサン)を得た。この白色固体をトルエンに希釈し、13
C−NMRを測定した結果、メチル基とイソブチル基の
数が1:1.35の比率であった。また27Al−NMR
を測定した結果、図3に示されるようにケミカルシフト
174ppm 、半値巾5844Hzのピークをもつスペクト
ルが得られた。
【0028】α‐オレフィンの重合 上記で製造したメチルイソブチルアルモキサンを用いる
以外は全て実施例1と同一条件で重合を行なった。その
結果、145グラムのポリマーが回収された。数平均分
子量(Mn)21.4×103 、分子量分布は1.97
であった。立体規則性はトリアッドの〔mm〕分率で0.
89であった。
【0029】<比較例1、2>東ソーアクゾ社製ポリメ
チルアルモキサン(分子量1232)あるいはシェリン
グ社製のポリメチルアルモキサン(分子量不明)を用い
た。27Al−NMRを測定した結果、図4ならびに図5
に示されるように各々152ppm 、1690Hz、154
ppm 、1549Hzであった。α‐オレフィンの重合は、
実施例1と同様にして行なった。結果を表1に示す。
【0030】<比較例3>東ソーアクゾ社製ポリイソブ
チルアルモキサン(分子量1525)の27Al−NMR
および重合結果を図6及び表1に示す。
【0031】<比較例4>特開平2−247201号公
報の製造例1と同様の製法でオレフィン重合用触媒成分
を製造した。すなわち、充分に窒素置換した500ミリ
リットルフラスコ6、東ソーアクゾ社製イソブチルアル
モキサン(分子量1525)18.0グラムとトリメチ
ルアルミニウム3.3グラムとトルエン150ミリリッ
トルを入れ、−10℃に冷却後、脱気処理済の水0.8
3グラムを90分かけて滴下した。次いで−10℃で3
0分間反応後、2時間かけて室温まで昇温した。得られ
た反応液の溶媒を留去して白色固体19.1グラムを得
た。次いで、このオレフィン重合用触媒成分を有機金属
成分として使用した以外は実施例1と同様にα‐オレフ
ィンの重合を行った。このアルモキサンの27Al−NM
Rスペクトルを図7に、重合評価の結果を表1に示す。
【0032】<比較例5>特開平2−247201号公
報の製造例2と同様の製法でオレフィン重合用触媒成分
を製造した。すなわち、充分に窒素置換した撹拌機付き
500ミリリットルフラスコに、東ソーアクゾ社製イソ
ブチルアルモキサン(分子量1525)26.0グラ
ム、東ソーアクゾ社製メチルアルモキサン(分子量12
32)11.4グラムおよびトルエン350ミリリット
ルを入れ、−10℃に冷却後、脱気処理済の水0.53
グラムを1時間かけて滴下した。−10℃で30分反応
後、2時間かけて室温まで昇温した。この反応液を溶媒
留去した結果、30.6グラムのアルモキサンが得られ
た。次いで、このアルモキサンを使用した以外は、実施
例1と同様にα‐オレフィン重合を行った。このアルモ
キサンの27Al−NMRスペクトルは図8に、重合評価
の結果は表1に示される通りである。
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明による新規なメチルイソブチルア
ルモキサンを、重合用触媒成分として用いることによ
り、高分子量のオレフィン重合体を高収率で得ることが
可能となる。また、このようなメチルイソブチルアルモ
キサンは、その使用量を削減しても充分な触媒活性を維
持することが可能である。さらに、本発明のアルモキサ
ンは炭化水素溶媒への溶解性もすぐれているため、被覆
材料の中間体、速乾性ワニスの成分、エポキシ樹脂等と
して、あるいは添加剤としても使用しやすいことは、
「課題を解決するための手段」の項において前記したと
ころである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において製造したメチルイソブチルア
ルモキサンの13C−NMRスペクトル図。
【図2】実施例1において製造したメチルイソブチルア
ルモキサンの27Al−NMRスペクトル図。
【図3】実施例2において製造したメチルイソブチルア
ルモキサンの27Al−NMRスペクトル図。
【図4】東ソーアクゾ社製ポリメチルアルモキサンの27
Al−NMRスペクトル図。
【図5】シェリング社製ポリメチルアルモキサンの27
l−NMRスペクトル図。
【図6】東ソーアクゾ社製ポリイソブチルアルモキサン
27Al‐NMRスペクトル図。
【図7】比較例4のアルモキサンの27Al−NMRスペ
クトル図。
【図8】比較例5のアルモキサンの27Al−NMRスペ
クトル図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−17519(JP,A) 特開 平4−266910(JP,A) 特開 平4−264110(JP,A) 特開 平4−46906(JP,A) 特開 平3−103407(JP,A) 特開 平2−250886(JP,A) 特開 平2−247201(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 79/00 - 79/14 C08F 4/60 - 4/70

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(イ)、(ロ)および(ハ)の条件
    を充足することを特徴とする、メチルイソブチルアルモ
    キサン。 (イ) メチル基とイソブチル基の数が4対1〜1対4
    の比で存在すること、 (ロ) 27Al−NMRのケミカルシフトが160ppm
    ないし250ppm に存在し、半値巾が3000Hz以上の
    ピークを有すること、 (ハ) Al−Oの繰り返し単位が2〜100個存在す
    ること。
  2. 【請求項2】トリアルキルアルミニウムと水とを反応さ
    せてアルキルアルモキサンを製造する方法において、ト
    リアルキルアルミニウムが、Al−メチル結合を有する
    トリアルキルアルミニウムと、Al‐イソブチル結合を
    有するトリアルキルアルミニウムとを組合せたものであ
    り、かつそのAl‐メチル結合基とAl‐イソブチル結
    合基の数の比が4対1ないし1対4で両者が共存する状
    態で水と反応させることを特徴とする、下記の(イ)、
    (ロ)および(ハ)の条件を充足するメチルイソブチル
    アルモキサンの製造法。 (イ) メチル基とイソブチル基の数が4対1〜1対4
    の比で存在すること、 (ロ) 27Al−NMRのケミカルシフトが160ppm
    ないし250ppm に存在し、半値巾が3000Hz以上の
    ピークを有すること、 (ハ) Al−Oの繰り返し単位が2〜100個存在す
    ること。
  3. 【請求項3】トリアルキルアルミニウムと水とを反応さ
    せてアルキルアルモキサンを製造する方法において、A
    l‐メチル結合を有するトリアルキルアルミニウムと水
    とを反応させて得られたAl‐メチル結合基含有アルキ
    ルアルモキサンとAl‐イソブチル結合を有するトリア
    ルキルアルミニウムと水とを反応させて得られたAl‐
    イソブチル結合基含有アルキルアルモキサンとを、Al
    ‐メチル基とAl‐イソブチル基の数の比が4/1〜1
    /4の範囲で、40℃ないし100℃の加熱条件におく
    ことを特徴とする、下記の(イ)、(ロ)および(ハ)
    の条件を充足するメチルイソブチルアルモキサンの製造
    法。 (イ) メチル基とイソブチル基の数が4対1〜1対4
    の比で存在すること、 (ロ) 27Al‐NMRのケミカルシフトが160ppm
    ないし250ppm に存在し、半値巾が3000Hz以上の
    ピークを有すること、 (ハ) Al‐Oの繰り返し単位が2〜100個存在す
    ること。
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