JP4368728B2 - プロピレンと共役ジエンとの共重合体の製造方法 - Google Patents

プロピレンと共役ジエンとの共重合体の製造方法 Download PDF

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本発明は、プロピレンと共役ジエンとの共重合体の製造方法に関し、更に詳しくは、側鎖に炭素・炭素二重結合を有する、プロピレンと共役ジエンとの共重合体の製造方法に関する。
ポリオレフィン、とりわけポリプロピレンは、安価であると共に、優れた耐薬品性及びバランスの取れた機械的強度を有することから種々の分野で使用されている。しかし、ポリプロピレンは無極性である故、極性を有する物質(例えば、ポリエステル樹脂等)との親和性に乏しく、塗装性、接着性等に劣ると言う欠点があった。従って、ポリプロピレン製品の表面を修飾する手段は限られていた。
上記問題を解決する方法として、ポリプロピレンに極性基を付与する方法が検討されている。ポリプロピレンに極性基を付与する方法としては、主として1) ポリプロピレンに化学的後処理を施す方法、2)リビング重合を利用してポリプロピレン末端に極性基を導入する方法、及び3)共重合を利用してポリプロピレンに極性基を導入する方法が挙げられる。
ポリプロピレンに化学的後処理を施す方法としては、塩素化、マイレン化が多く使用されている(特許文献1及び特許文献2参照)。これにより、ポリプロピレンに塩素又はカルボキシル基が導入されて、極性が付与される。しかし、該方法は、溶液又は溶融状態で実施するため、多くはポリプロピレンの劣化を伴う。また、極性基の導入箇所を制御し得ず、樹脂が不均一となり易い。
リビング重合を利用してポリプロピレン末端に極性基を導入する方法を使用することにより、分子量のそろったポリマー鎖の末端に極性基を導入することができる(特許文献3参照)。しかし、該方法は、一般的に重合温度を低温(例えば、−30℃以下)にする必要があり、かつ触媒1モル当りポリマー鎖1本を合成するため生産性が低く、製造コストが高い。また、得られたポリプロピレンは片末端に極性基を有するものである。
共重合を利用してポリプロピレンに極性基を導入する方法としては、プロピレンと極性モノマーとの共重合を行う方法、又はプロピレンと非共役ジエンとの共重合を使用してポリマー鎖の側鎖に二重結合を導入し、該二重結合を利用して極性基を付与する方法が挙げられる(特許文献4〜6参照)。プロピレンと極性モノマーとの共重合方法としては、極性基を保護基で覆い、次いで、重合反応を行わせる方法が一般的である。いずれの方法も、共重合比率を制御することで導入する極性基量を制御し得る。しかし、プロピレンと極性モノマーとの共重合においては、極性基含有量を上げるために、プロピレンと極性モノマーとの重合速度が、プロピレン分圧を下げることにより調節される故、生産性に劣ると言う欠点があった。また、非共役ジエンを使用する重合においては、非共役ジエンの導入量の増加と共に触媒の重合活性が低下し、かつ導入された非共役ジエンの持つ未反応の二重結合同士が反応して環状構造を形成するため、得られた共重合体の規則性が低下すると言う欠点があった。
ポリプロピレンの側鎖に二重結合を導入する方法は、ポリプロピレンと極性モノマーとの共重合のように極性基保護の必要性がなく、かつ得られた共重合体は、種々の方法、例えば、ラジカル重合を使用して、極性基を有するグラフト共重合体に容易に変えられ得るという利点がある。該方法において、非共役ジエンに代えて共役ジエンを使用すると、環状構造を形成することなく側鎖に二重結合を導入することが可能である故、非共役ジエンを使用したときに比べて得られる共重合体の規則性の低下を抑えることができる。しかし、共役ジエンでは、二重結合が側鎖に存在する1,2体ばかりでなく、二重結合が主鎖中に存在する1,4体をも形成する。従って、共重合体に極性基を付与するに際して、共重合体中の全ての二重結合を有効に利用することができないと言う欠点があった。
一方、ブタジエンの単独重合において、主鎖中に存在する二重結合の幾何異性体であるシス‐1,4体、トランス‐1,4体、1,2体を制御する方法として、種々の助触媒、第三成分を使用する方法が知られている(非特許文献1〜3参照)。しかし、プロピレンとブタジエンとの共重合反応において、これら成分を使用することにより共重合体に含まれる1,2体と1,4体との割合を制御して、1,2体を多く含む共重合体を選択的に製造することは報告されていない。
周期律表第IV族遷移金属化合物、並びに周期律表第I〜III族主元素金属の有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、上記遷移金属化合物と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成し得るイオン性化合物、及び上記遷移金属化合物と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成し得るルイス酸化合物から選択される少なくとも1種類の助触媒から得られる触媒によってオレフィンと共役ジエンを共重合する方法が開示されている(特許文献7参照)。上記の三種類の助触媒の一つである周期律表第I〜III族主元素金属の有機金属化合物の一例として水素化有機金属化合物、例えば、ジエチルアルミニウムハイドライドが挙げられている。しかし、上記遷移金属化合物は、シクロペンタジエニル基又は置換シクロペンタジエニル基が周期律表第IV族遷移金属とπ結合を形成しているものであり、かつ好ましくはアミド基を有するもので、例えば、(シクロペンタジエニル)(t‐ブチルアミド)ジメチルシリルチタニウムジクロライド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(t‐ブチルアミド)ジメチルシリルチタニウムジクロライド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(t‐ブチルアミド)メチルフェニルシリルチタニウムジクロライド等が挙げられている。また、該発明は、高い重合活性を有する触媒系に関するものであり、共重合体に含まれる1,2体と1,4体との割合を制御するものではない。
所定の構造を有する遷移金属錯体並びに、所定の有機アルミニウム化合物、環状のアルミノキサン及び線状のアルミノキサンから選ばれる一種以上のアルミニウム化合物を用いてなる触媒の存在下、α‐オレフィンと共役ポリエンを重合する共重合体の製造方法が開示されている(特許文献8参照)。ここで、有機アルミニウム化合物として、ジアルキルアルミニウムハイドライドが開示されている。しかし、該方法は、上記遷移金属化合物として、メチレン(シクロペンタジエニル)(3,5‐ジメチル‐2‐フェノキシ) チタニウムジクライド、ジメチルシリル(インデニル)(2‐フェノキシ)チタニウムジクライド、ジメチルシリル(インデニル)(3‐メチル‐2‐フェノキシ)チタニウムジクライド等の一つのシクロペンタジエニル基、インデニル基を有する化合物が使用されて、分子量分布の狭い共重合体を得るものである。該発明は、共重合体に含まれる1,2体と1,4体との割合を制御するものではなく、かつ二重結合が側鎖に存在する1,2体を主体とする高分子量の共重合体を製造するものでもない。
所定の構造を有する遷移金属錯体並びに、上記遷移金属化合物中の遷移金属と反応し、イオン性の錯体を形成する化合物、有機アルミニウム化合物及びアルモキサンのうちから選択された1種以上の化合物とから成る触媒の存在下に、α‐オレフィンと共役ジエン単量体とを重合する共重合体の製造方法が開示されている(特許文献9参照)。ここで、有機アルミニウム化合物として、(R1)mAl(O(R2))nHpXq(式中、R1及びR2は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が通常1〜15の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3を満たす数であって、しかも、m+n+p+q=3である)で表される化合物が挙げられており、実施例においてはトリイソブチルアルミニウム又はメチルアルモキサンが使用されている。該発明は、極性基含有樹脂との相溶性に優れた不飽和性共重合体を提供するものであり、二重結合が側鎖に存在する1,2体を主体とする高分子量の共重合体を製造し得る旨の記載はない。
特開平10‐168123号公報 特開平6‐293818号公報 特開平6‐122710号公報 特開2002‐201225号公報 特開平2‐145611号公報 特開平4‐25514号公報 特開平9‐316118号公報 特開2000‐128933号公報 特開平11‐80269号公報 G. Ricci, S. Italia, C. Comitani and L. Porri, Polym. Commum., 1991年、第32号、第514頁 M. Gippin, Ind. Eng. Chem., Prod. Res. Dev., 1962年、第1号、第32頁 E. Susa, J. Polym. Sci., Part C, 1963年、第4号、第399頁
本発明は、共役ジエンに由来する1,2‐付加体(3,4‐付加体を含む)が1,4‐付加体に比較して著しく多いところの、側鎖に炭素・炭素二重結合を有する、プロピレンと共役ジエンとの高分子量共重合体の製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、一般式(1)で表される架橋メタロセン化合物、少なくとも1種類のルイス酸と一般式(2)で表されるアルミニウムハイドライド化合物とを組み合わせて使用して、プロピレンと共役ジエンとを共重合すれば、驚くべきことに、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
( 1 )側鎖に炭素・炭素二重結合を有する、プロピレンと共役ジエンとの共重合体を製造する方法において、一般式( 1 )ないし(1’)で表される架橋メタロセン化合物と少なくとも1種類のルイス酸と一般式( 2 )で表されるアルミニウムハイドライド化合物との存在下に、プロピレンと共役ジエンとを共重合する方法(ここで、該ルイス酸は一般式(
2 )で表されるアルミニウムハイドライド化合物ではない)
Figure 0004368728
(ここで、インデン環は点線の位置で更にベンゼン環と縮合していてもよく、R 1 及びR 4 は、夫々独立して水素、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、R 2 及びR 3 は、夫々独立して炭素数1〜3のアルキル基を示し、Mは周期表の第4族の遷移金属を表し、2個のXは、夫々独立してハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、かつQは架橋結合基を表す。)
Figure 0004368728
(ここで、R1及びR4は、夫々独立して水素、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、R2及びR3は、夫々独立して炭素数1〜3のアルキル基を示し、Mは周期表の第4族の遷移金属を表し、2個のXは、夫々独立してハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、かつQは架橋結合基を表す。)
Figure 0004368728
(ここで、R5及びR6は、夫々独立して炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
である。
好ましい態様として、
(2)一般式(1)において、R1及びR4が、夫々独立して炭素数6〜20のアリール基を表すところの上記(1)記載の方法、
(3)一般式(1)において、R1及びR4のいずれもが炭素数6〜14のアリール基を表すところの上記(1)記載の方法、
(4)一般式(1)において、Mで示される周期表の第4族の遷移金属が、Zr、Ti又はHfであるところの上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の方法、
(5)一般式(1)で表される架橋メタロセン化合物が、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ハフニウムジクロリド又はジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ハフニウムジクロリドである上記(1)記載の方法、
(6)一般式(2)において、R5及びR6のいずれもが炭素数1〜8のアルキル基を表すところの上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の方法、
(7)一般式(2)で表される化合物が、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジヘキシルアルミニウムハイドライド、ジオクチルアルミニウムハイドライドであるところの上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の方法、
(8)一般式(2)で表される化合物が、ジイソブチルアルミニウムハイドライド又はジエチルアルミニウムハイドライドであるところの上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の方法、
(9)ルイス酸が、アルミニウム化合物、ホウ素化合物、亜鉛化合物、マグネシウム化合物、リチウム化合物又はシラン化合物である上記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の方法、
(10)ルイス酸がアルモキサンである上記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の方法、
(11)一般式(1)で表される架橋メタロセン化合物対一般式(2)で表される化合物のモル比が、1:10〜1:100,000であるところの上記(1)〜(10)のいずれか一つに記載の方法、
(12)一般式(1)で表される架橋メタロセン化合物対一般式(2)で表される化合物のモル比が、1:50〜1:50,000であるところの上記(1)〜(10)のいずれか一つに記載の方法、
(13)共役ジエン対一般式(2)で表される化合物のモル比が、100:1〜1:1,000であるところの上記(1)〜(12)のいずれか一つに記載の方法、
(14)共役ジエン対一般式(2)で表される化合物のモル比が、10:1〜1:100であるところの上記(1)〜(12)のいずれか一つに記載の方法、
(15)共役ジエンが1,3‐ブタジエンである上記(1)〜(14)のいずれか一つに記載の方法、
(16)側鎖における炭素・炭素二重結合がビニル基である上記(1)〜(15)のいずれか一つに記載の方法
を挙げることができる。
本発明は、共役ジエンに由来する1,2‐付加体(3,4‐付加体を含む)が1,4‐付加体に比較して著しく多いところの、側鎖に炭素・炭素二重結合を有する、プロピレンと共役ジエンとの共重合体の製造方法を提供する。該方法により得られた共重合体は高分子量である。得られた共重合体が、主鎖に比べて側鎖に炭素・炭素二重結合を著しく多く有する故に、側鎖に官能基を多量に付与することができる。従って、塗料による染色性及び極性ポリマー等との接着性及び相溶性を著しく高く保持し得る。また、該ポリマーから種々のグラフトコポリマーを容易に製造することができる。
本発明において使用する架橋メタロセン化合物は、下記一般式( 1 )ないし(1’)で表される。
Figure 0004368728
(ここで、点線はインデン環がこの位置で更にベンゼン環と縮合していてもよいことを表す。)
Figure 0004368728
上記の式中、R1及びR4は、夫々独立して水素、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基、好ましくは炭素数6〜20のアリール基、より好ましくは炭素数6〜14のアリール基を表す。更に好ましくは、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基又はアントリル基から選ばれる。R2及びR3は、夫々独立して炭素数1〜3のアルキル基を表す。Mは周期表の第4族の遷移金属を表し、好ましくはZr、Ti又はHfであり、特に好ましくはZrである。2個のXは、夫々独立してハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。ハロゲン原子としては、好ましくはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、アルキル基としては、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。これらのうち、Xとして特に塩素が好ましい。Qは架橋結合基を表す。架橋結合基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基、シクロヘキシレン基等の(シクロ)アルキレン基類、又はシリレン基、ジメチルシリレン基、フェニルメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基等のシリレン基類が挙げられる。このうち、メチレン基、エチレン基及びジメチルシリレン基が好ましい。
一般式(1)で表される架橋メタロセン化合物としては、好ましくは、メチレンビス(2‐メチル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐インデニル) チタニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) チタニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) チタニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐インデニル) ハフニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) ハフニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) ハフニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐インデニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐インデニル) チタニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) チタニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)チタニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐インデニル) ハフニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) ハフニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) ハフニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐インデニル) チタニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) チタニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) チタニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐インデニル) ハフニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) ハフニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) ハフニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチル‐インデニル) チタニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) チタニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) チタニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチル‐インデニル) ハフニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) ハフニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐インデニル) チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐インデニル) ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐インデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐インデニル) チタニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) チタニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) チタニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐インデニル) ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) ハフニウムジメチルが使用される。
一般式(1)で表される架橋メタロセン化合物としては、より好ましくは、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐インデニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐インデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ハフニウムジクロリド又はジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ハフニウムジクロリドが使用される。
本発明においては、上記架橋メタロセン化合物と共に下記の一般式(2)で表される化合物が使用される。
Figure 0004368728
上記式中、R5 及びR6は、夫々独立して炭素数1〜10のアルキル基、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基を表す。上記のアルキル基としては、好ましくはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基が挙げられる。
一般式(2)で表される化合物としては、好ましくは、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジノルマルプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジヘキシルアルミニウムハイドライド、ジオクチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライドが挙げられる。このうち、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライドが特に好ましい。
本発明の方法において、上記の一般式(1)で表される架橋メタロセン化合物対一般式(2)で表される化合物のモル比は、好ましくは1:10〜1:100,000、より好ましくは1:50〜1:50,000である。該モル比が上記下限未満では、1,2体選択性の改善が顕著に見られず、一方、上記上限を超えては、重合活性が低下する。また、共役ジエン対一般式(2)で表される化合物のモル比は、好ましくは100:1〜1:1,000、より好ましくは10:1〜1:100である。
本発明においては、上記の一般式(1)で表される架橋メタロセン化合物と一般式(2)で表されるアルミニウムハイドライド化合物に加えて、下記に示すルイス酸を併用する。ルイス酸としては、好ましくは、アルミニウム化合物(一般式(2)で表されるアルミニウムハイドライド化合物を除く)、例えば、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルモキサン;ホウ素化合物;亜鉛化合物、例えば、アルキル亜鉛化合物;マグネシウム化合物、例えば、アルキルマグネシウム化合物;リチウム化合物、例えば、アルキルリチウム化合物又はシラン化合物等が挙げられる。これらのうちアルモキサン又はホウ素化合物が好ましく、とりわけ、アルモキサン、例えば、下記一般式(3)又は(4)で表されるメチルアルモキサンが使用される。
Figure 0004368728
Figure 0004368728
(式(3)及び(4)中、nは0〜40、好ましくは2〜30の整数である。)
一般式(3)及び(4)の化合物は、トリメチルアルミニウムと水との反応により得られる生成物である。メチルアルモキサンは、他のトリアルキルアルミニウムと水から得られるアルモキサン、例えば、エチルアルモキサン、プロピルアルモキサン、ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキサン、メチルエチルアルモキサン、メチルブチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサン等と複数種併用して用いることもできる。
メチルアルモキサンは、公知の方法で調製することができる。例えば、 (イ)トリメチルアルミニウムをトルエン、ベンゼン、エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させる方法、(ロ)トリメチルアルミニウムを、結晶水を有する塩水和物、例えば、硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物と反応させる方法、(ハ)トリメチルアルミニウムをシリカゲル等に含浸させた水分と反応させる方法、(ニ)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを混合し、該混合物を、トルエン、ベンゼン、エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させる方法、(ホ)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを混合し、該混合物を、結晶水を有する塩水和物、例えば、硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物と加熱反応させる方法、(ヘ)シリカゲル等に水分を含浸させ、トリイソブチルアルミニウムで処理した後、これをトリメチルアルミニウムで追加処理する方法、(ト)メチルアルモキサン及びイソブチルアルモキサンを公知の方法で合成し、これら2成分を所定量混合し、加熱反応させる方法、(チ)ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒に硫酸銅5水塩等の結晶水を有する塩を入れ、マイナス40〜40℃位の温度条件下にてトリメチルアルミニウムと反応させる方法(この場合、使用する水の量は、トリメチルアルミニウムに対して、モル比で通常0.5〜1.5である)が挙げられる。このようにして得られたメチルアルモキサンは、上記一般式(3)又は(4)に表すような、線状又は環状の有機アルミニウムの重合体である。
ホウ素化合物としては、例えば、Ph3CB(C6F5)4、PhNMeHB(C6F5)4、B(C6F5)3等の化合物が挙げられる。トリアルキルアルミニウムとしては、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムが挙げられ、ジアルキルアルミニウムハライドとしては、例えば、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリドが挙げられ、アルキル亜鉛化合物としては、例えば、ジエチル亜鉛が挙げられ、アルキルマグネシウム化合物としては、例えば、ターシャリー‐ブチルマグネシウムクロリドが挙げられ、アルキルリチウム化合物としては、n‐ブチルリチウムが挙げられ、シラン化合物としては、例えば、シリカ担持アルミニウム化合物及びホウ素化合物が挙げられる。
上記の共重合反応において、共重合の温度は、上限が好ましくは100℃、より好ましくは80℃であり、下限が好ましくは−100℃、より好ましくは0℃である。上記上限を超えては、触媒が失活し、上記下限未満では、重合速度が低下する。また、共重合の時間は、上限が好ましくは500時間、より好ましくは50時間であり、下限が好ましくは0.1時間、より好ましくは0.5時間である。上記下限未満では、共重合反応が十分に進行しない。
該共重合反応は、気相又は液相のいずれでも実施することができる。プロピレン及び共役ジエンモノマーの量は、重合温度、重合圧力、重合方法等に依存して変化し、通常当業者に公知の量で使用され得る。得られるコポリマーの分子量の調節は触媒の種類、重合温度、モノマー比を変化させることにより行われる。プロピレン単独重合において見られる触媒の種類による分子量依存性は、共重合においても同様の傾向を示し、高分子量体の合成に向いている触媒[例えば、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド]を用いることにより高分子量体が得られる。同一の触媒であっても、重合温度を上げることにより低分子量化ができ、一方、重合温度を低下させることにより高分子量化ができる。また、プロピレン/共役ジエン比率を保ったまま、プロピレンモル濃度を上げることによっても高分子量化が可能である。一方、共重合体中の1,2体のモル分率は、共役ジエンのモル濃度を上げることによって増加させることができる。液相で実施する場合には、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素又は液状プロピレンモノマー中で行うことができる。また、該共重合反応は、反応容器内のモノマー組成比が実質的に変わらないよう制御し得る方法で実施することが好ましく、例えば、連続式、半回分式又はバッチ式で実施することができる。該共重合反応は一段でも二段以上で行ってもよい。
本発明の方法において、共重合を溶液重合により実施するに際して、架橋メタロセン化合物の濃度は、1×10-5〜1×10-2モル/リットルが好ましい。一般式(2)で表される化合物は上記の比率で使用され、その濃度は、好ましくは10マイクロモル〜10モル/リットル、より好ましくは50マイクロモル〜10モル/リットル、更に好ましくは0.1ミリモル〜5モル/リットルである。ルイス酸を使用する場合、その使用量は、架橋メタロセン化合物1モル当たり好ましくは50〜50000モル、より好ましくは100〜10000モルである。
プロピレンとの共重合に使用される共役ジエンは、好ましくは炭素数4〜20、より好ましくは炭素数4〜12である。例えば、1,3‐ブタジエン、イソプレン、2‐エチル‐1,3‐ブタジエン、2‐プロピル‐1,3‐ブタジエン、2‐イソプロピル‐1,3‐ブタジエン、2‐ヘキシル‐1,3‐ブタジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、2,3‐ジエチル‐1,3‐ブタジエン、2‐メチル‐1,3‐ブタジエン、2‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、2‐メチル‐1,3‐オクタジエン、2‐メチル‐1,3‐デカジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ペンタジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐オクタジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐デカジエン等を挙げることができる。このうち、好ましくは1,3‐ブタジエン又はイソプレンが使用され、特に好ましくは1,3‐ブタジエンが使用される。
上記本発明の方法により、共役ジエンに由来する1,2‐付加体(3,4‐付加体を含む)が1,4‐付加体に比較して著しく多く、かつ高分子量であるところの、側鎖に炭素・炭素二重結合を有する、プロピレンと共役ジエンとの共重合体が得られる。該共重合体中の1,2‐付加体(3,4‐付加体を含む)対1,4‐付加体のモル比は、好ましくは500:1〜4:1、より好ましくは500:1〜6:1である。該共重合体は、数平均分子量の上限が好ましくは1,000,000であり、より好ましくは500,000であり、下限が好ましくは1,000であり、より好ましくは2,000である。上記下限未満では、機械的強度が劣り、上記上限を超えては接着性、相溶性が劣る。炭素・炭素二重結合としては、好ましくはビニル基が挙げられる。
(実施例)
以下の実施例において、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
得られたプロピレン‐ブタジエン共重合体の構造解析は、1H‐NMRを使用して実施した。
1H‐NMR:日本電子社製JNM‐LA600、フーリエ変換型NMRスペクトロメーターを用い、600MHz、パルス角45゜、パルス間隔8秒、120℃、積算回数256回の条件で測定した。試料は、共重合体10ミリグラムを重テトラクロロエタン0.5ミリリットルに溶解して用いた。
得られたプロピレン‐ブタジエン共重合体の側鎖中に存在する1,3‐ブタジエン由来の二重結合(以下、1,2‐BDと言うことがある)及び主鎖中に存在する1,3‐ブタジエン由来の二重結合(以下、1,4‐BDと言うことがある)の含有量(モル%)は、1H‐NMRスペクトルにおいて、5.4〜5.6ppmに存在する1,2‐BD 由来のピーク及び4.9〜5.1ppmに存在する1,4‐BD由来のピークの夫々と1〜2ppmに存在するプロピレン由来のピークとから算出したモノマー比率から求めた。
得られたプロピレン‐ブタジエン共重合体の数平均分子量はGPCにより測定した。
GPC:ポリマーラボラトリー社製PL‐GPC210を用い、オルトジクロロベンゼンを溶媒として140℃で測定した。試料は0.05〜0.1重量%濃度に調製し、ポリスチレン標準試料を使用して解析した。
(実施例1)
予め窒素置換した内容積100ミリリットルのオートクレーブに、予め溶媒としての少量のトルエンに溶解した変性メチルアルモキサン(MMAO:東ソーファインケム製)4ミリモル及びジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド(ボルダー社製)2ミクロモルを入れ、次いで、最終的な総溶媒量が40ミリリットルとなるようトルエンを加えた後に、1,3‐ブタジエン0.2グラム、プロピレン3グラム及びジイソブチルアルミニウムハイドライド0.01モルを投入した。次いで、該オートクレーブを0℃のバス中で3時間反応させた。反応終了後、塩酸酸性メタノールに反応溶液を注ぎ、共重合体を回収した。回収した共重合体を真空下、60℃にて4時間乾燥した。0.19グラムの共重合体が得られた。該共重合体の数平均分子量はポリスチレン換算で94,000であった。更に精製した後、該共重合体中のブタジエン部分の量を、1H-NMRを使用して定量した。その結果、ブタジエン部分由来の構造は0.37モル%であり、1,2‐BDの量は0.34モル%であり、一方、1,4‐BDの量は0.03モル%であることが分かった。1,2‐BD対1,4‐BDのモル比は、約11.3:1である。
(実施例2)
ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリドに代えて、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐インデニル)ジルコニウムジクロリドを使用し、反応時間を2時間にした以外は、実施例1と同一にしてプロピレン‐ブタジエン共重合体を製造した。0.42グラムの共重合体が得られた。該共重合体の数平均分子量はポリスチレン換算で254,000であった。また、ブタジエン部分由来の構造は0.08モル%であり、1,2‐BDの量は0.07モル%であり、一方、1,4‐BDの量は0.01モル%であることが分かった。1,2‐BD対1,4‐BDのモル比は、7:1である。
(実施例3)
ジイソブチルアルミニウムハイドライドを0.006モル投入したこと以外は、実施例1と同一にしてプロピレン‐ブタジエン共重合体を製造した。0.21グラムの共重合体が得られた。該共重合体の数平均分子量はポリスチレン換算で75,000であった。また、ブタジエン部分由来の構造は0.49モル%であり、1,2‐BDの量は0.47モル%であり、一方、1,4‐BDの量は0.02モル%であることが分かった。1,2‐BD対1,4‐BDのモル比は、23.5:1である。
(実施例4)
ジイソブチルアルミニウムハイドライドに代えて、ジエチルアルミニウムハイドライドを使用した以外は、実施例1と同一にしてプロピレン‐ブタジエン共重合体を製造した。0.25グラムの共重合体が得られた。該共重合体の数平均分子量はポリスチレン換算で48,800であった。また、ブタジエン部分由来の構造は0.45モル%であり、1,2‐BDの量は0.466モル%であり、一方、1,4‐BDの量は0.004モル%であることが分かった。1,2‐BD対1,4‐BDのモル比は、99:1である。
(比較例1)
ジイソブチルアルミニウムハイドライドを添加しなかった以外は、実施例1と同一にして実施した。0.07グラムの共重合体が得られた。該共重合体の数平均分子量はポリスチレン換算で25,000であった。また、ブタジエン部分由来の構造は0.57モル%であり、1,2‐BDの量は0.44モル%であり、一方、1,4‐BDの量は0.13モル%であることが分かった。1,2‐BD対1,4‐BDのモル比は、約3.4:1である。
(比較例2)
ジイソブチルアルミニウムハイドライドを添加しなかった以外は、実施例2と同一にして実施した。0.44グラムの共重合体が得られた。該共重合体の数平均分子量はポリスチレン換算で272,000であった。また、ブタジエン部分由来の構造は0.17モル%であり、1,2‐BDの量は0.08モル%であり、一方、1,4‐BDの量は0.09モル%であることが分かった。1,2‐BD対1,4‐BDのモル比は、約0.9:1である。
(比較例3)
ジイソブチルアルミニウムハイドライドに代えてトリイソブチルアルミニウムを使用した以外は、実施例1と同一にして実施した。0.12グラムの共重合体が得られた。該共重合体の数平均分子量はポリスチレン換算で27,500であった。また、ブタジエン部分由来の構造は0.52モル%であり、1,2‐BDの量は0.38モル%であり、一方、1,4‐BDの量は0.14モル%であることが分かった。1,2‐BD対1,4‐BDのモル比は、約2.7:1である。
(比較例4)
ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリドに代えてジメチルシリレンビス(1‐インデニル)ジルコニウムジクロリド(一般式(1)のR2及びR3がいずれも水素である)を使用した以外は、実施例1と同一にして実施した。0.16グラムの共重合体が得られた。該共重合体の数平均分子量はポリスチレン換算で44,100であった。また、ブタジエン部分由来の構造は0.4モル%であり、1,2‐BDの量は0.09モル%であり、一方、1,4‐BDの量は0.31モル%であることが分かった。1,2‐BD対1,4‐BDのモル比は、約0.29:1である。
図1には、実施例1及び比較例1で得られた共重合体についての1H‐NMR測定結果を示した。該1H‐NMR測定結果から、実施例1で得られた共重合体では、該共重合体の側鎖中に存在する1,3‐ブタジエン由来の二重結合(1,2‐BD)が著しく多く、かつ該共重合体の主鎖中に存在する1,3‐ブタジエン由来の二重結合(1,4‐BD)が著しく少ないことが分かる。一方、比較例1で得られた共重合体では、1,4‐BDの量が実施例1と比較して非常に多いことが分かる。
本発明は、共役ジエンに由来する1,2‐付加体(3,4‐付加体を含む)が1,4‐付加体に比較して著しく多いところの、側鎖に炭素・炭素二重結合を有する、プロピレンと共役ジエンとの共重合体の製造方法を提供する。得られた共重合体は、高分子量であると共に、炭素・炭素二重結合を共重合体の側鎖に著しく多く有する高機能化ポリマーであり、多くの用途が見込まれ、塗料用添加剤、自動車外装・内装部材等の工業的用途に有用である。
図1は、実施例1及び比較例1で得られた共重合体についての1H‐NMR測定結果を示す。
符号の説明
1,4‐BD:プロピレン‐ブタジエン共重合体の主鎖中に存在する1,3‐ブタジエン(1,4‐付加体)由来の二重結合
1,2‐BD:プロピレン‐ブタジエン共重合体の側鎖中に存在する1,3‐ブタジエン(1,2‐付加体)由来の二重結合

Claims (5)

  1. 側鎖に炭素・炭素二重結合を有する、プロピレンと共役ジエンとの共重合体を製造する方法において、一般式(1)で表される架橋メタロセン化合物とアルモキサンと一般式(2)で表されるアルミニウムハイドライド化合物との存在下に、プロピレンと共役ジエンとを共重合する方法
    Figure 0004368728
    (ここで、インデン環は点線の位置で更にベンゼン環と縮合していてもよく、R1及びR4は、夫々独立して水素、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、R2及びR3は、夫々独立して炭素数1〜3のアルキル基を示し、Mは周期表の第4族の遷移金属を表し、2個のXは、夫々独立してハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、かつQは架橋結合基を表す。)
    Figure 0004368728
    (ここで、R5及びR6は、夫々独立して炭素数1〜10のアルキル基を表す。)。
  2. 側鎖に炭素・炭素二重結合を有する、プロピレンと共役ジエンとの共重合体を製造する方法において、一般式(1’)で表される架橋メタロセン化合物とアルモキサンと一般式(2)で表されるアルミニウムハイドライド化合物との存在下に、プロピレンと共役ジエンとを共重合する、請求項1記載の方法
    Figure 0004368728
    (ここで、R1及びR4は、夫々独立して水素、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、R2及びR3は、夫々独立して炭素数1〜3のアルキル基を示し、Mは周期表の第4族の遷移金属を表し、2個のXは、夫々独立してハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、かつQは架橋結合基を表す。)
    Figure 0004368728
    (ここで、R5及びR6は、夫々独立して炭素数1〜10のアルキル基を表す。)。
  3. 側鎖に炭素・炭素二重結合を有する、プロピレンと共役ジエンとの共重合体を製造する方法において、ジメチルシリレンビス(2−メチル−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリドとアルモキサンと一般式(2)で表されるアルミニウムハイドライド化合物との存在下に、プロピレンと共役ジエンとを共重合する、請求項1記載の方法
    Figure 0004368728
    (ここで、R5及びR6は、夫々独立して炭素数1〜10のアルキル基を表す。)。
  4. 一般式(2)で表される化合物が、ジイソブチルアルミニウムハイドライド又はジエチルアルミニウムハイドライドであるところの請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 一般式(1)ないし(1’)で表される架橋メタロセン化合物対一般式(2)で表される化合物のモル比が、1:10〜1:100,000であるところの請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
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