JP6197668B2 - 電子写真感光体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真感光体及びその製造方法に関し、更に詳しくは、高温高湿環境下においても画像ぼけの発生がなく、ドット再現性及び画像メモリーが改善された電子写真感光体及びその製造方法に関する。
近年、電子写真感光体は有機光導電性物質を含有する有機感光体が広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料を開発しやすいこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安いことなどが無機系の感光体に対して有利な点である。
一方、電子写真感光体(以下、「感光体」ともいう。)は帯電、露光、現像、転写、クリーニング等により、電気的あるいは機械的な外力を直接受けているため、画像形成が繰り返し行われても帯電安定性、電位保持性など安定して維持する耐久性が求められている。
特に近年デジタル化の流れの中で、高精細、高画質の画像への要求が高まり、溶解懸濁トナーや乳化重合凝集トナーなどの重合法による小粒径のトナーが主流になっている。これらの小粒径のトナーは感光体表面への付着力が大きく、感光体表面に付着した転写残トナーなどの残留トナーの除去が不十分となりやすい。ゴムブレードを用いたクリーニング方式では、トナーがブレードを通過する「トナーすり抜け」やブレードが反転する「ブレード捲れ」、あるいは感光体とブレードの擦過音の発生、いわゆる「ブレード鳴き」といった現象が発生しやすい。上記の「トナーすり抜け」を解決するためにはブレードの感光体への当接圧力を高くする必要があるが、繰り返し使用することにより、有機感光体の表面が摩耗し耐久性が不足するという問題が発生する。また帯電時に発生するオゾンや窒素酸化物による劣化に対しても十分な耐久性を有することが求められている。
このような経緯から感光体表面に保護層(以下、「表面層」ともいう。)を設けて機械的強度を向上させる技術が提案されている。
具体的には、感光体保護層に一般に硬化性化合物と呼ばれる重合性化合物を使用し、塗布した後硬化反応を行うことで、クリーニングブレード等の摩擦による表面の摩耗や傷の発生に対して耐久性の高い感光体を作製する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。また、シリカなどの無機微粒子を保護層に分散させ、機械的強度を向上させる技術が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、保護層の電荷輸送性能が劣るために、保護層を設けることによって、保護層の無い電子写真感光体に比べて、電子写真感光体としての感度特性が低下してしまうという問題があった。この問題を解決するため、保護層に電荷輸送物質を含有させることで電荷輸送性能を持たせることができるが、一般に有機化合物の電荷輸送物質は可塑化効果を有するため電荷輸送物質の添加によって、保護層の強度が低下してしまう。そこで、保護層に電荷輸送機能を持ち、かつ、耐摩耗性に優れた保護層を得る技術が開示されている。例えば、電荷輸送機能を有するラジカル重合性と電荷輸送機能を有さないラジカル重合性化合物と重合性官能基を有する表面処理剤で修飾されたフィラーとを硬化反応させた保護層の技術が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。しかし、この技術においても十分な電荷輸送性能が得られず耐摩耗性においても十分満足できるものではなかった。
また、ここでは、フィラーとして、二酸化ケイ素、酸化アルミ、二酸化チタンなどの金属酸化物粒子を添加しているが、これらの金属酸化物粒子は、耐摩耗性向上の効果はある程度期待できるものの正孔輸送性能が十分でなく、感光体周期による画像濃度差、いわゆる画像メモリーが発生するなど耐摩耗性と画像性能を両立させるには十分でなかった。
そこで、保護層の耐摩耗性と電荷輸送性能の両方を満足する技術として、保護層にp型半導体粒子を添加する技術が提案されている(例えば、特許文献5参照。)。
しかし、この技術においては、高温高湿環境下での画像メモリーの改善効果はあるものの、より厳しい条件下においては、必ずしも十分満足できるものではなく、さらに画像ぼけ及びドット再現性においても、更なる改善が望まれていた。
特開平11−288121号公報 特開2009−69241号公報 特開2002−333733号公報 特開2010−164646号公報 特開2013−130603号公報
本発明は上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、耐摩耗性に優れ、高温高湿環境下においても画像ぼけが発生せず、ドット再現性に優れ、かつ画像メモリーの発生がなく、耐摩耗性と画像特性の安定性に優れた電子写真感光体及びその製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、電子写真感光体の保護層に重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と重合性化合物とを重合して得られた成分及び重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)を含有させることによって、耐摩耗性に優れ、画像ぼけ、ドット再現性及び画像メモリーなどの画像特性が解決できることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.導電性支持体上に少なくとも感光層と保護層とを順次積層してなる電子写真感光体であって、
当該保護層が、少なくとも重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と重合性化合物とを重合して得られた成分、及び
重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)とを含有し、
当該重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)の数平均一次粒径が、10〜70nmの範囲内であり、
当該重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)の数平均一次粒径が、100〜300nmの範囲内であることを特徴とする電子写真感光体。
2.前記重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)及び前記重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)に用いられるp型半導体粒子が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする第1項に記載の電子写真感光体。
一般式(1):CuMO
(ただし、式中Mは周期律表第13属の元素を表す。)
3.前記重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)の添加量をA質量部、前記重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)の添加量をB質量部としたとき、添加量比(A/B)が、6/4〜9/1の範囲内であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の電子写真感光体。
4.前記重合性反応基を有していない表面処理剤が、フッ素原子を有する表面処理剤であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
5.前記重合性化合物が、分子中にアクリロイル基又はメタクリロイル基の少なくともいずれかを有する重合性単量体であることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
6.第1項から第5項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
少なくとも重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と、重合性化合物と、重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)とを溶媒中で混合・分散し保護層の塗布液を調製する工程と
当該塗布液を、少なくとも導電性支持体上に設けた感光層上に塗布して保護層を形成する工程と
当該保護層中の重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と、重合性化合物とを光又は熱により反応させる工程とを有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
本発明の上記手段により、耐摩耗性に優れ、高温高湿環境下においても画像ぼけが発生せず、ドット再現性に優れ、かつ画像メモリーの発生がなく、耐摩耗性と画像特性の安定性に優れた電子写真感光体及びその製造方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし、作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
一般的に電子写真感光体に使用されている電荷輸送物質は有機化合物であり、正孔輸送性に優れているが、可塑化効果も有しているため、有機化合物を用いた電子写真感光体の耐摩耗性が十分ではなかった。一方、耐摩耗性向上を目的に感光層の上に保護層を設け、その保護層中に酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンなどの金属酸化物粒子を添加し、金属酸化物粒子のフィラー効果による耐摩耗性の向上も試みられているが、これらの金属酸化物粒子は十分な正孔輸送能が得られず、また、保護層中で電荷(キャリア)がトラップされるため画像メモリーが発生するものと考えられる。
このため、耐摩耗性と画像特性を両立できる感光体とするために重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と重合性化合物とを重合して得られた成分を保護層に含有させることによって、p型半導体粒子の硬度が高いことの効果と重合性化合物と、p型半導体粒子が有する重合性反応基とが架橋構造を形成することにより、耐摩耗性を向上させることができる。さらにp型半導体粒子が正孔輸送能を有するため、保護層の正孔輸送能が向上し、また、電荷がトラップされることがないため、画像メモリーの改善効果も得ることができる。
本発明においては、さらに粒径の大きいp型半導体粒子を添加することによって、適度な表面粗さが付与され、感光体表面への滑剤の取り込みが均一となり、クリーニングブレードに掛かるトルクも小さくなるものと考えられる。滑剤が均一に取り込まれると、感光体表面に放電生成物が付着してもクリーニングしやすいため、高温高湿環境下での画像ぼけの改善効果が得られる。
一方、重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)は、重合性化合物と重合して架橋構造を形成して保護層に取り込まれるため、正孔輸送性能が低下するものと思われる。そこで、重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)を少量含有させることによって、保護層の強度を損なうことなく、正孔輸送性能を維持させることができ、画像ぼけ並びに画像メモリーの改善及びドット再現性の改善が可能になったものと考えられる。
本発明の感光体の層構成の一例を示す模式図 本発明の感光体を用いる画像形成装置の一例を示す断面の概略図
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも感光層と保護層とを順次積層してなる電子写真感光体であって、当該保護層が、少なくとも重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と重合性化合物とを重合して得られた成分、及び重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)とを含有し、当該重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)の数平均一次粒径が、10〜70nmの範囲内であり、当該重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)の数平均一次粒径が、100〜300nmの範囲内であることを特徴とする。この特徴は請求項1から請求項6までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
さらに、前記重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)及び前記重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)に用いられるp型半導体粒子が、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。前記重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)及び前記重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)に用いられるp型半導体粒子が、下記一般式(1)で表される化合物であると高い正孔輸送能が得られ画像メモリー改善効果を得ることができる。
一般式(1):CuMO
(ただし、式中Mは周期律表第13属の元素を表す。)
さらに、前記重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)の添加量をA質量部、前記重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)の添加量をB質量部としたとき、添加量比(A/B)が、6/4〜9/1の範囲内であることが好ましい。前記重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)の添加量をA質量部、前記重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)の添加量をB質量部としたとき、添加量比(A/B)が、上記範囲内であると保護層の膜強度を損なわず画像メモリーの改善及びドット再現性改善の効果が得られる。
また、前記重合性反応基を有していない表面処理剤が、フッ素原子を有する表面処理剤であることが好ましい。前記重合性反応基を有していない表面処理剤が、フッ素原子を有する表面処理剤であると保護層表面の離型性を高めることができ画像ぼけ改善の効果が得られる。
さらに、前記重合性化合物が、分子中にアクリロイル基又はメタクリロイル基の少なくともいずれかを有する重合性単量体であることが好ましい。前記重合性化合物が、分子中にアクリロイル基又はメタクリロイル基の少なくともいずれかを有する重合性単量体であると感光体の耐摩耗性が向上し高耐久性の感光体を得ることができる。
また、本発明の電子写真感光体の製造方法は、少なくとも重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と、重合性化合物と、重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)とを溶媒中で混合・分散し保護層の塗布液を調製する工程と当該塗布液を、少なくとも導電性支持体上に設けた感光層上に塗布して保護層を形成する工程と当該保護層中の重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と、重合性化合物とを光又は熱により反応させる工程とを有することを特徴とする。この製造方法により、耐摩耗性に優れ、高温高湿環境下においても画像ぼけが発生せず、ドット再現性に優れ、かつ画像メモリーの発生がなく、耐摩耗性と画像特性の安定性に優れた電子写真感光体を得ることができる。
以下本発明の構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で用いる。
≪本発明の電子写真感光体≫
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも感光層と保護層とを順次積層してなる電子写真感光体であって、当該保護層が、少なくとも重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と重合性化合物とを重合して得られた成分、及び重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)とを含有し、当該重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)の数平均一次粒径が、10〜70nmの範囲内であり、当該重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)の数平均一次粒径が、100〜300nmの範囲内であることを特徴とする。
以下、本発明に係る保護層の構成について詳細に説明し、感光体の構成については、後述する。
<保護層の構成>
本発明に係る保護層は、「重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)」(以下、「表面修飾p型半導体粒子(A)」ともいう。)と重合性化合物とを重合して得られた成分及び「重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)」(以下、「表面修飾p型半導体粒子(B)」ともいう。)とを含有する。また、当該表面修飾p型半導体粒子(A)の数平均一次粒径が10〜70nmの範囲内であり、当該表面修飾p型半導体粒子(B)の数平均一次粒径が100〜300nmの範囲内であることを特徴としている。
本発明に係る保護層は、「表面修飾p型半導体粒子(A)」、「重合性化合物」及び「表面修飾p型半導体粒子(B)」とを有機溶媒に混合、分散した塗布液を、感光層上に塗布し、次いで、光、又は熱により重合することによって保護層を形成する。
<p型半導体粒子>
本発明の電子写真感光体の保護層に用いられる表面修飾p型半導体粒子(A)及び表面修飾p型半導体粒子(B)に用いられるp型半導体粒子ついて説明する。
本発明に係る上記表面修飾p型半導体粒子(A)及び表面修飾p型半導体粒子(B)に用いられるp型半導体粒子とは、電荷を輸送するキャリアとして正孔(ホール)が使われる半導体粒子である。すなわち、正孔が多数キャリアとなる半導体である。
本発明に用いられるp型半導体粒子としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
一般式(1):CuMO
(ただし、式中Mは周期律表第13族の元素を表す。)
第13族の元素としては、具体的には、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)が挙げられる。本発明において好ましく用いられる第13族元素としては、アルミニウム、ガリウム、インジウムであり、一般式(1)で表される好ましいp型半導体粒子としては、例えば、CuAlO、CuGaO、CuInOが挙げられる。これらのp型半導体粒子を電子写真感光体の保護層に添加することにより、耐摩耗性に優れ、画像メモリーの発生しない高画質の電子写真感光体とすることができる。
(p型半導体粒子の作製法)
本発明に係るp型半導体粒子は、以下の方法により作製することができる。
Al(純度99.9%)とCuO(99.9%)を1:1のモル比で混合し、Ar雰囲気中で1100℃の温度で4日間仮焼した後、ペレット状に成型し1100℃で2日間焼結することで焼結体を得る。その後、数100μmまで粗粉砕した後、得られた粗粒子と溶媒を用いて、湿式メディア分散型装置を使用して、微粉砕することにより所望の粒径のCuAlOを得ることができる。
その他の方法としては、例えばプラズマ法により生成することができる。プラズマ法としては、直流プラズマアーク法、高周波プラズマ法、プラズマジェット法などの方法が挙げられる。
直流プラズマアーク法では、金属合金を消費アノード電極とする。そして、カソード電極からプラズマフレームを発生させる。そして、アノード側の金属合金を加熱、蒸発させ、金属合金の蒸気を酸化、冷却することにより、p型半導体粒子を得ることができる。
高周波プラズマ法では、大気圧力のもとでガスを高周波誘導放電によって加熱したときに発生する熱プラズマを利用する。このうちプラズマ蒸発法では、不活性ガスプラズマ中心に固体粒子を注入し、プラズマ中を通過する間に蒸発させ、この高温蒸気を急冷凝縮することにより超微粒子を生成することができる。
プラズマ法は、不活性ガスのアルゴン、及び2原子分子ガスである水素や窒素、酸素雰囲気中でアーク放電すると、アルゴンプラズマ、水素プラズマなどが得られるが、特に2原子分子ガスが熱解離して生じた水素(窒素、酸素)プラズマは分子状ガスに比べて極めて反応性に富んでいるので、不活性ガスのプラズマと区別して反応性アークプラズマとも呼ばれている。
<表面修飾p型半導体粒子(A)>
本発明に係る表面修飾p型半導体粒子(A)は、上記p型半導体粒子を、重合性反応基を有する表面処理剤で表面修飾されたものである。
(重合性反応基を有する表面処理剤)
本発明に係る表面修飾p型半導体粒子(A)に用いられる重合性反応基を有する表面処理剤としては、p型半導体粒子の表面に存在するヒドロキシ基等と反応する表面処理剤が好ましく、これらの表面処理剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等であり、さらに保護層の硬度を更に高くする目的で、重合性反応基を有する表面処理剤が用いられる。重合性反応基を有する表面処理剤としては、ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤が好ましい。これらのラジカル重合性反応基は、本発明に係る重合性化合物とも反応して強固な保護膜を形成することができる。ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤としては、ビニル基、アクリロイル基又はメタクリロイル基などのラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤が好ましく、このようなラジカル重合性反応基を有する表面処理剤としては、下記に記すような公知の化合物が例示される。
S−1:CH=CHSi(CH)(OCH
S−2:CH=CHSi(OCH
S−3:CH=CHSiCl
S−4:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
S−5:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−6:CH=CHCOO(CHSi(OC)(OCH
S−7:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−8:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−9:CH=CHCOO(CHSiCl
S−10:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−11:CH=CHCOO(CHSiCl
S−12:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−13:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−14:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−15:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−16:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−17:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−18:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−19:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−20:CH=CHSi(C)(OCH
S−21:CH=C(CH)Si(OCH
S−22:CH=C(CH)Si(OC
S−23:CH=CHSi(OCH
S−24:CH=C(CH)Si(CH)(OCH
S−25:CH=CHSi(CH)Cl
S−26:CH=CHCOOSi(OCH
S−27:CH=CHCOOSi(OC
S−28:CH=C(CH)COOSi(OCH
S−29:CH=C(CH)COOSi(OC
S−30:CH=C(CH)COO(CHSi(OC
S−31:CH=CHCOO(CHSi(CH(OCH
S−32:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCOCH
S−33:CH=CHCOO(CHSi(CH)(ONHCH
S−34:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OC
S−35:CH=CHCOO(CHSi(C1021)(OCH
S−36:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
また、表面処理剤としては、前記S−1からS−36以外でも、ラジカル重合可能な反応性有機基を有するシラン化合物を用いてもよい。これらの表面処理剤は単独で又は二種以上を混合して使用することができる。
<表面修飾p型半導体粒子(B)>
本発明に係る保護層に用いられる表面修飾p型半導体粒子(B)は、p型半導体粒子を、重合性反応基を有していない表面処理剤で表面修飾されたものである。
(重合性反応基を有していない表面処理剤)
本発明に係る表面修飾p型半導体粒子(B)に用いられる重合性反応基を有していない表面処理剤としては、同様にp型半導体粒子の表面に存在するヒドロキシ基等と反応する表面処理剤が好ましく、これらの表面処理剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が好ましい。このような表面処理剤としては、下記に記すような公知の化合物が例示される。
S−37:CF(CF11CHCHSi(OC
S−38:CF(CFCHCHSi(OC
S−39:CF(CFCHCHSi(OC
S−40:CF(CFCHCHSi(OCH
S−41:CF(CFCHCHSi(OC
S−42:CF(CFCHCHSi(OCH
S−43:CF(CFCHCHSi(OCH
S−44:CF(CFCHCHSi(CHCl
S−45:CF(CFCHCHSi(CHCl
S−46:CF(CFCHCHSi(CHCl
S−47:CF(CFCHCHSiCl
S−48:CF(CFCHCHSiCl
S−49:CFCHCHSiClCH
S−50:CFCHCHSiCl
S−51:CFCHCHSi(OCH
S−52:CHCHCHSi(OCH
S−53:CHCHCHSi(OC
S−54:CHCHCHSi(OCHCH
S−55:CHCHCHSi(CHOCH
S−56:C11Si(OC
S−57:CH(CHCHSi(OC
S−58:CH(CHCHSi(OCH
S−59:CH(CHCHSi(OC
S−60:CH(CHCHSi(OCH
S−61:CH(CHCHSi(CHOCH
S−62:CH(CH16CHSi(OCH
S−63:CH(CH16CHSi(OCHCH
S−64:CH(CH16CHSi(CHOCH
S−65:CH(CH16CHSi(OCCH
また、上記の表面処理剤の中でも、フッ素原子を有する表面処理剤であることが好ましい。
(表面修飾p型半導体粒子(A)及び(B)の数平均一次粒径)
前記表面修飾p型半導体粒子(A)の数平均一次粒径は10〜70nmの範囲内であり、20〜50nmの範囲内であることが好ましい。表面修飾p型半導体粒子(A)の数平均一次粒径が10nm未満であると保護層塗布液中での分散性が悪いため表面修飾p型半導体粒子(A)が凝集し、均一な塗膜を形成することができない。また、70nmを超えると保護層の膜強度を低下させる要因となる。
また、前記表面修飾p型半導体粒子(B)の数平均一次粒径は、100〜300nmの範囲内であり、100〜200nmの範囲内であることが好ましい。100nm未満であると保護層表面の表面粗さの改善効果が得られず、300nmを超えると膜密度が低下し、保護層が脆くなり膜強度が低下してしまう。また、粒径が大きくなることで、正孔が拡散しドット再現性も悪化すると考えられる。
前記表面修飾p型半導体粒子(A)の添加量をA質量部、前記表面修飾p型半導体粒子(B)の添加量をB質量部としたとき、添加量比(A/B)が、6/4〜9/1の範囲内であることが好ましく、この範囲内であると、保護層の膜強度を損なわず画像ぼけ並びに画像メモリーの改善及びドット再現性改善の効果が得られる。
(表面修飾p型半導体粒子(A)及び(B)の数平均一次粒径の測定法)
上記表面修飾p型半導体粒子(A)及び表面修飾p型半導体粒子(B)の数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製)により10万倍の拡大写真を撮影し、ランダムに100個の表面修飾p型半導体粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置「LUZEX(登録商標) AP」((株)ニレコ製)ソフトウェアバージョン Ver.1.32を使用して、写真画像上の表面修飾p型半導体粒子について2値化処理し、表面修飾p型半導体粒子の任意の100個についての水平方向フェレ径を算出し、その平均値を数平均一次粒径とする。ここで水平方向フェレ径とは、表面修飾p型半導体粒子の画像を2値化処理したときの外接長方形のx軸に平行な辺の長さをいう。
(表面修飾p型半導体粒子(A)及び表面修飾p型半導体粒子(B)の作製方法)
重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)及び重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)の作製方法を以下に説明するが、両者は用いる表面処理剤が異なるのみで、表面修飾方法は同じである。
表面修飾するに際して、p型半導体粒子100質量部に対し、表面処理剤0.1〜100質量部、溶媒50〜5000質量部を用いて湿式メディア分散型装置を使用して処理することが好ましい。また、乾式でも処理することができる。
以下に、均一に表面処理剤で表面修飾された金属酸化物粒子を製造する表面修飾方法について説明する。
すなわち、p型半導体粒子と表面処理剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式粉砕することにより、p型半導体粒子を微細化すると同時に粒子の表面修飾が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化することで均一に表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子を得ることができる。
本発明において用いられる表面処理装置である湿式メディア分散型装置とは、容器内にメディアとしてビーズを充填し、更に回転軸と垂直に取り付けられた撹拌ディスクを高速回転させることにより、p型半導体の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置であり、その構成としては、p型半導体粒子に表面修飾を行う際にp型半導体粒子を十分に分散させ、かつ表面修飾できる形式であれば問題なく、例えば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式が採用できる。具体的にはサンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミル等が使用できる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズ等の粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、剪断、ズリ応力等により微粉砕、分散が行われる。
上記湿式メディア分散型装置で用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料としたボールが使用可能であるが、特にジルコニア製やジルコン製のものが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1〜2mm程度のものを使用するが、本発明では0.1〜1.0mm程度のものを用いるのが好ましい。
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものが使用できるが、本発明では特にジルコニア又はシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁が好ましい。
以上のような湿式処理により、表面処理剤によって修飾されたp型半導体粒子を得ることができる。
本発明に係る保護層には、これらの他に必要に応じて重合開始剤、滑剤粒子等を含有させて形成してもよい。
表面修飾p型半導体粒子(A)と(B)の合計添加量は、後述する重合性化合物100質量部に対して、50〜300質量部の範囲内であることが好ましい。
≪保護層を構成するバインダー樹脂≫
保護層には、バインダー樹脂を含有し、バインダー樹脂としては、重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と重合性化合物とが反応して得られた成分、すなわち架橋構造を形成した重合生成物を含有する。また、この他に、重合性化合物のみが重合した重合生成物、さらに重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)同士が重合した重合生成物も含まれ、これらの重合生成物により強固な保護層を形成している。
本発明に係る保護層に使用可能なバインダー樹脂としては、重合性化合物を重合させて得られる生成物の他にバインダー樹脂としてポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の公知の樹脂を併用することもできる。
(重合性化合物)
本発明に係る保護層に使用可能な重合性化合物としては、ラジカル重合性の化合物が挙げられ、ラジカル重合性化合物としては、ラジカル重合性反応基として、アクリロイル基、メタクリロイル基の少なくともいずれかを有する重合性単量体が好ましい。
これらの重合性単量体としては、例えば以下の化合物を例示することができるが、本発明に使用可能な重合性単量体はこれらに限定されるものではない。
Figure 0006197668
Figure 0006197668
上記のラジカル重合性化合物は公知であり、また市販品として入手できる。
ここで、Rは下記アクリロイル基、R′は下記メタクリロイル基を表す。
Figure 0006197668
(重合開始剤)
本発明に係る保護層に使用可能な重合性化合物を重合反応させる方法としては、電子線開裂反応を利用する方法やラジカル重合開始剤の存在下で光や熱を利用する方法等により硬化反応を行うことができる。ラジカル重合開始剤を用いて硬化反応を行う場合、重合開始剤として光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光、熱の両方の開始剤を併用することもできる。
本発明で使用できる重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルアゾビスバレロニリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ化合物、過酸化ベンゾイル(BPO)、ジ−tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物等の熱重合開始剤が挙げられる。
また、光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(イルガキュアー369:BASFジャパン社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のアセトフェノン系又はケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(イルガキュアー819:BASFジャパン社製)、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物が挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独又は上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
本発明に用いられる重合開始剤としては光重合開始剤が好ましく、アルキルフェノン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物が好ましく、更に好ましくはα−ヒドロキシアセトフェノン構造、あるいはアシルフォスフィンオキサイド構造を有する開始剤が好ましい。
これらの重合開始剤は一種又は二種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、重合性化合物100質量部に対し0.1〜40質量部、好ましくは0.5〜20質量部である。
(滑剤粒子)
また、保護層に各種の滑剤粒子を含有させることも可能である。例えば、フッ素原子含有樹脂粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体の中から一種あるいは二種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
(溶媒)
保護層の形成に使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、ベンジルアルコール、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、酢酸エチル、酢酸ブチル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<保護層の形成方法>
本発明の電子写真感光体は、少なくとも導電性支持体上に設けた感光層上に保護層を設けることによって作製される。
本発明に係る保護層は、少なくとも重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と、重合性化合物と、重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)とを溶媒中で混合・分散し保護層の塗布液を調製する工程と当該塗布液を、少なくとも導電性支持体上に設けた感光層上に塗布して保護層を形成する工程と当該保護層を光又は熱により重合する工程とを有している。
保護層は、重合性化合物、表面修飾p型半導体粒子(A)、表面修飾p型半導体粒子(B)、及び必要に応じて公知の樹脂、重合開始剤、滑剤粒子並びに酸化防止剤等を添加して調製した保護層の塗布液を、公知の方法により感光層表面に塗布し、活性線又は熱により反応させて作製することができる。保護層の膜厚は、0.2〜10μmが好ましく、0.5〜6μmがより好ましい。
本発明では、保護層の重合反応は、塗布膜に活性線を照射してラジカルを発生して重合し、かつ分子間及び分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化し、硬化樹脂を生成することが好ましい。活性線としては、紫外線、可視光などの光や電子線が好ましく、使い易さ等の見地から紫外線が特に好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノン、紫外線LED等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常1〜20mJ/cm、好ましくは5〜15mJ/cmである。光源の出力電圧は、好ましくは0.1〜5kWであり、特に好ましくは、0.5〜3kWである。
電子線源としては、電子線照射装置に格別の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100〜300kVの範囲内であることが好ましい。吸収線量としては0.005Gy〜100kGy(0.5rad〜10Mrad)であることが好ましい。
活性線の照射時間は、活性線の必要照射量が得られる時間であり、具体的には0.1秒〜10分が好ましく、硬化効率又は作業効率の観点から1秒〜5分がより好ましいとされる。
本発明では、活性線の照射前後、及び、活性線を照射中に保護層を乾燥処理することができ、乾燥を行うタイミングは活性線の照射条件と組み合わせて適宜選択することができる。保護層の乾燥条件は、塗布液に使用する溶媒の種類や保護層の膜厚などにより適宜選択することが可能である。また、乾燥温度は、室温〜180℃が好ましく、80〜140℃が特に好ましい。また、乾燥時間は、1〜200分が好ましく、5〜100分が特に好ましい。本発明においては、上記乾燥条件で保護層を乾燥することにより、保護層に含有される溶媒量を20ppmから75ppmの範囲に制御することができる。
≪感光体の構成≫
<感光体の層構成>
本発明の感光体は、導電性支持体の上に、感光層、保護層を形成してなるものである。感光層は、その層構成を特に制限するものではなく、保護層を含めた本発明の感光体の具体的な層構成として、例えば以下に示すものがある。
(1)導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層、及び保護層を順次積層した層構成
(2)導電性支持体上に、電荷輸送物質と電荷発生材料とを含有する単層、及び保護層を順次積層した層構成
(3)導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、及び保護層を順次積層した層構成
(4)導電性支持体上に、中間層、電荷輸送物質と電荷発生材料とを含有する単層、及び保護層を順次積層した層構成
本発明の感光体は、上記(1)〜(4)いずれの層構成のものでもよく、これらの中でも、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順次設けて作製された層構成のものが特に好ましい。
図1は、本発明の感光体の層構成の一例を示す模式図である。図1において、1は導電性支持体、2は感光層、3は中間層、4は電荷発生層、5は電荷輸送層、6は保護層、7aは表面修飾p型半導体粒子(A)、7bは表面修飾p型半導体粒子(B)を示す。
次に、本発明の感光体を構成する導電性支持体、中間層、感光層(電荷発生層、電荷輸送層)、及び感光層を構成する部材について説明する。
<導電性支持体>
本発明で用いられる支持体は、導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラム又はシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又はバインダー樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
<中間層>
本発明では、導電性支持体と感光層の中間にバリア機能と接着機能を有する中間層を設けることができる。中間層は、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチン等のバインダー樹脂を公知の溶媒に溶解させて浸漬塗布等により形成させることができる。前記バインダー樹脂の中でもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
また、中間層には抵抗調整の目的で各種導電性微粒子や金属酸化物粒子を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物粒子。スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。これら金属酸化物粒子を一種類若しくは二種類以上混合して用いることができる。二種類以上混合して用いる場合には、固溶体又は融着の形態をとってもよい。このような金属酸化物粒子は、数平均一次粒径が0.3μm以下のものが好ましく、0.1μm以下のものがより好ましい。
中間層の形成に使用可能な溶媒としては、前述した導電性微粒子や金属酸化物粒子等の無機微粒子を良好に分散させ、ポリアミド樹脂をはじめとするバインダー樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が、バインダー樹脂として好ましいとされるポリアミド樹脂に対して良好な溶解性と塗布性能を発現させることから好ましい。また、保存性や無機微粒子の分散性を向上させるために、前記溶媒に対して以下のような助溶剤を併用することができる。好ましい効果が得られる助溶媒としては、例えば、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
塗布液形成時のバインダー樹脂濃度は、中間層の膜厚や塗布方式に合わせて適宜選択することができる。また、無機微粒子等を分散させたとき、バインダー樹脂に対する無機微粒子の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して無機微粒子を20〜400質量部とすることが好ましく、50〜300質量部とすることがより好ましい。
無機微粒子の分散手段は、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー、及びホモミキサー等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
また、中間層の乾燥方法は、溶媒の種類や形成する膜厚に応じて公知の乾燥方法を適宜選択することができ、特に熱乾燥が好ましい。
中間層の膜厚は、0.1〜15μmが好ましく、0.3〜10μmがより好ましい。
<感光層>
前述したように、本発明の感光体を構成する感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能を一つの層に付与した単層構造の他に、電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に感光層の機能を分離させた層構成のものがより好ましい。このように、機能分離型の層構成とすることにより、繰り返し使用に伴う残留電位の上昇を小さく制御できる他、各種の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすいメリットがある。負帯電性感光体は中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)を設ける構成をとり、正帯電性感光体は中間層の上に電荷輸送層(CTL)、その上に電荷発生層(CGL)を設ける構成をとる。好ましい感光層の層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体である。
以下に、感光層の具体例として機能分離型の負帯電感光体の感光層の各層について説明する。
(電荷発生層)
本発明で形成される電荷発生層は、電荷発生物質とバインダー樹脂を含有するもので、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散させてなる塗布液を塗布して形成されたものが好ましい。
電荷発生物質は、スーダンレッドやダイアンブルー等のアゾ原料、ピレンキノンやアントアントロン等のキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴ等のインジゴ顔料、フタロシアニン顔料等があり、これらに限定されるものではない。これらの電荷発生物質は単独若しくは公知のバインダー樹脂中に分散させる形態で使用することができる。
電荷発生層を形成するバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の内二つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)及びポリ−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生層の形成は、バインダー樹脂を溶媒で溶解した溶液中に分散機を用いて電荷発生物質を分散して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ましい。
電荷発生層に使用するバインダー樹脂を溶解し塗布するための溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生物質の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキサー等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
バインダー樹脂に対する電荷発生物質の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質1〜600質量部が好ましく、50〜500質量部がより好ましい。電荷発生層の膜厚は、電荷発生物質の特性、バインダー樹脂の特性及び混合割合等により異なるが0.01〜5μmが好ましく、0.05〜3μmがより好ましい。なお、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。前記顔料を真空蒸着することによって形成することもできる。
(電荷輸送層)
本発明で形成される電荷輸送層は、少なくとも層内に電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有するものであり、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解、塗布して形成される。
電荷輸送物質は、公知の化合物を用いることが可能で、例えば、以下のものが挙げられる。すなわち、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン及びポリ−9−ビニルアントラセン等。これらの化合物を単独あるいは二種類以上混合して使用することができる。
また、電荷輸送層用のバインダー樹脂は公知の樹脂を用いることが可能で、例えば、以下のものが挙げられる。すなわち、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が挙げられる。これらの中でもポリカーボネート樹脂が好ましく、更に、ビスフェノールA(BPA)、ビスフェノールZ(BPZ)、ジメチルBPA、BPA−ジメチルBPA共重合体等のタイプのポリカーボネート樹脂が耐クラック性、耐磨耗性、帯電特性の観点から好ましいものである。
電荷輸送層は塗布法に代表される公知の方法で形成することが可能であり、例えば、塗布法では、バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解して塗布液を調製し、塗布液を一定の膜厚で塗布後、乾燥処理することにより所望の電荷輸送層を形成することができる。
上記バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解する溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等が挙げられる。なお、電荷輸送層形成用の塗布液を作製する際に使用する溶媒は上記のものに限定されるものではない。
バインダー樹脂と電荷輸送物質の混合比率は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質を10〜500質量部とすることが好ましく、20〜100質量部とすることがより好ましい。
電荷輸送層の厚さは、電荷輸送物質やバインダー樹脂の特性、及び、これらの混合比等により異なるが、5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
電荷輸送層中には、公知の酸化防止剤を添加することが可能で、例えば特開2000−305291号公報記載の酸化防止剤が使用できる。
<感光体各層の塗布方法>
本発明の感光体を構成する中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層等の各層は公知の塗布方法により形成することができる。具体的には、浸漬コーティング法(浸漬塗布法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、円形量規制型塗布法(円形スライドホッパー塗布法)等が挙げられる。なお、円形量規制型塗布方法については、例えば、特開昭58−189061号公報、特開2005−275373号公報に記載されている。
≪画像形成装置≫
本発明に用いられる画像形成装置について説明する。
本発明に用いられる電子写真画像形成装置は、本発明の感光体を使用した画像形成装置であって、少なくとも、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有する。さらに転写ベルト等に転写されたトナー画像は、コピー用紙上に転写され、コピー用紙上に転写されたトナー画像を接触加熱方式等の定着手段によって用紙に定着させることにより、可視画像を得ることができる。
なお、電子写真感光体を帯電させる帯電手段では非接触帯電装置を用いることが好ましい。非接触帯電装置としては、コロナ帯電装置、コロトロン帯電装置及びスコロトロン帯電装置を挙げることができる。
図2は、本発明の実施形態の一つを示すカラー画像形成装置の一例を説明する断面の概略図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部10Y、10M、10C及び10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラー5Y及びクリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラー5M及びクリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラー5C、及びクリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラー5Bk及びクリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成部10Y、10M、10C及び10Bkは、感光体1Y、1M、1C又は1Bkを中心に、帯電手段2Y、2M、2C又は2Bkと、露光手段3Y、3M、3C又は3Bkと、現像手段4Y、4M、4C又は4Bk、及び感光体1Y、1M、1C又は1Bkをクリーニングするクリーニング手段6Y、6M、6C又は6Bkより構成されている。
前記画像形成部10Y、10M、10C及び10Bkは、感光体1Y、1M、1C又は1Bkに、それぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成部10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成部10Yは、像形成体である感光体1Yの周囲に、帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y及びクリーニング手段6Yを配置し、感光体1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施形態においては、この画像形成部10Yのうち、少なくとも感光体1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y及びクリーニング手段6Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体1Yにコロナ放電型の帯電手段2Yが用いられている。
露光手段3Yは、帯電手段2Yによって一様な電位を与えられた感光体1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォック(登録商標)レンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザー光学系などが用いられる。
現像手段4Yは、例えばマグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ及び有機感光体とこの現像スリーブとの間に直流及び交流バイアス電圧又は直流若しくは交流バイアス電圧を印加する電圧印加装置よりなるものである。
クリーニング手段6Yは、クリーニングブレードと、このクリーニングブレードより上流側に設けられたブラシローラーとにより構成される。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像手段、クリーニング手段等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。また、帯電手段、露光手段、現像手段、転写又は分離手段、及びクリーニング手段の少なくとも一つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラーにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
定着手段24は、例えば、内部に加熱源を備えた加熱ローラーと、この加熱ローラーに定着ニップ部が形成されるよう圧接された状態で設けられた加圧ローラーとにより構成されてなる熱ローラー定着方式のものが挙げられる。
画像形成部10Y、10M、10C及び10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラー5Y、5M、5C及び5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラー22A、22B、22C、22D及びレジストローラー23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラー5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラー25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体という。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラー5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラー5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラー5Y、5M及び5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M又は1Cに当接する。
二次転写ローラー5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われるときにのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L及び82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C及び10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C及び10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラー71、72、73及び74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラー5Y、5M、5C、5Bk及びクリーニング手段6bとから成る。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<表面修飾粒子の作製>
以下のようにして、本発明に係る「表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)及び(B)」並びに比較用の「表面処理金属酸化物粒子」(以下、簡単に「表面修飾粒子」という。)を作製した。
<表面修飾粒子Aの作製>
(表面修飾粒子A−1の作製)
p型半導体粒子として数平均一次粒径20nmの「CuAlO」100質量部、表面処理剤として「3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(S−15:Gelest社製)」10質量部、メチルエチルケトン1000質量部を湿式サンドミル(径0.5mmのアルミナビーズ)に入れ、30℃にて6時間混合、その後、メチルエチルケトンとアルミナビーズを濾別し、60℃にて乾燥し「表面修飾粒子A−1」を調製した。
(表面修飾粒子A−2の作製)
表面修飾粒子A−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径10nmの「CuAlO」を用いた他は、表面修飾粒子A−1と同様にして「表面修飾粒子A−2」を作製した。
(表面修飾粒子A−3の作製)
表面修飾粒子A−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径70nmの「CuAlO」を用いた他は表面修飾粒子A−1と同様にして「表面修飾粒子A−3」を作製した。
(表面修飾粒子A−4の作製)
表面修飾粒子A−1の作製において、表面処理剤としてS−14を用いた他は、表面修飾粒子A−1同様にして「表面修飾粒子A−4」を作製した。
(表面修飾粒子A−5の作製)
表面修飾粒子A−1の作製において、表面処理剤としてS−31を用いた他は、表面修飾粒子A−1同様にして「表面修飾粒子A−5」を作製した。
(表面修飾粒子A−6の作製)
表面修飾粒子A−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径50nmの「CuAlO」を用いた他は、表面修飾粒子A−1同様にして「表面修飾粒子A−6」を作製した。
(表面修飾粒子A−7の作製)
表面修飾粒子A−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径20nmの「CuGaO」を用いた他は、表面修飾粒子A−1同様にして「表面修飾粒子A−7」を作製した。
(表面修飾粒子A−8の作製)
表面修飾粒子A−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径20nmの「CuInO」を用いた他は、表面修飾粒子A−1同様にして「表面修飾粒子A−8」を作製した。
(表面修飾粒子A−9の作製)
表面修飾粒子A−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径5nmの「CuAlO」を用いた他は、表面修飾粒子A−1同様にして「表面修飾粒子A−9」を作製した。
(表面修飾粒子A−10の作製)
表面修飾粒子A−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径100nmの「CuAlO」を用いた他は、表面修飾粒子A−1同様にして「表面修飾粒子A−10」を作製した。
(表面修飾粒子A−11の作製)
表面修飾粒子A−1の作製において、表面処理剤として重合性反応基を有していないS−52を用いた他は、表面修飾粒子A−1同様にして「表面修飾粒子A−11」を作製した。
(表面修飾粒子A−12の作製)
表面修飾粒子A−1の作製において、比較用としてp型半導体粒子の代わりに金属酸化物粒子として数平均一次粒径20nmの「SnO」を用いた他は、表面修飾粒子A−1同様にして「表面修飾粒子A−12」を作製した。
<表面修飾粒子Bの作製>
(表面修飾粒子B−1の作製)
表面修飾粒子A−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径100nmの「CuAlO」を用い、表面処理剤としてS−51を用いた他は、表面修飾粒子A−1同様にして「表面修飾粒子B−1」を作製した。
(表面修飾粒子B−2の作製)
表面修飾粒子B−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径300nmの「CuAlO」を用いた他は、表面修飾粒子B−1と同様にして「表面修飾粒子B−2」を作製した。
(表面修飾粒子B−3の作製)
表面修飾粒子B−1の作製において、表面処理剤としてS−43を用いた他は、表面修飾粒子B−1同様にして「表面修飾粒子B−3」を作製した。
(表面修飾粒子B−4の作製)
表面修飾粒子B−1の作製において、表面処理剤としてS−52を用いた他は、表面修飾粒子B−1同様にして「表面修飾粒子B−4」を作製した。
(表面修飾粒子B−5の作製)
表面修飾粒子B−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径200nmの「CuAlO」を用いた他は、表面修飾粒子B−1同様にして「表面修飾粒子B−5」を作製した。
(表面修飾粒子B−6の作製)
表面修飾粒子B−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径100nmの「CuGaO」を用いた他は、表面修飾粒子B−1同様にして「表面修飾粒子B−6」を作製した。
(表面修飾粒子B−7の作製)
表面修飾粒子B−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径100nmの「CuInO」を用いた他は、表面修飾粒子B−1同様にして「表面修飾粒子B−7」を作製した。
(表面修飾粒子B−8の作製)
表面修飾粒子B−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径70nmの「CuAlO」を用いた他は、表面修飾粒子B−1同様にして「表面修飾粒子B−8」を作製した。
(表面修飾粒子B−9の作製)
表面修飾粒子B−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径350nmの「CuAlO」を用いた他は、表面修飾粒子B−1同様にして「表面修飾粒子B−9」を作製した。
(表面修飾粒子B−10の作製)
表面修飾粒子B−1の作製において、比較用としてp型半導体粒子の代わりに金属酸化物粒子として数平均一次粒径100nmの「SiO」を用いた他は、表面修飾粒子B−1同様にして「表面修飾粒子B−10」を作製した。
(表面修飾粒子B−11の作製)
表面修飾粒子B−1の作製において、表面処理剤として重合性反応基を有するS−15を用いた他は、表面修飾粒子B−1同様にして「表面修飾粒子B−11」を作製した。
以上のようにして作製した表面修飾粒子の構成を表1に示した。
Figure 0006197668
<感光体1の作製>
下記のようにして感光体1を作製した。
直径60mmの円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し導電性支持体を用意した。
〈中間層〉
下記組成の分散液を同じ混合溶媒にて1.5倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター使用)し、中間層塗布液を作製した。
バインダー:ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製)
100質量部
金属酸化物粒子:酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製)
120質量部
金属酸化物粒子:酸化チタンSMT150MK (テイカ社製)
155質量部
溶媒:エタノール/n−PrOH/THF(体積比60/20/20)
1290質量部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で5時間の分散を行った。
上記塗布液を用いて前記支持体上に、乾燥膜厚2μmとなるようにして浸漬塗布法で塗布し中間層を形成した。
〈電荷発生層〉
電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料) 20質量部
バインダー:ポリビニルブチラール樹脂#6000−C(電気化学工業社製)
10質量部
溶媒:酢酸t−ブチル 700質量部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300質量部
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷輸送層〉
電荷輸送物質:4,4′−ジメチル−4″−(β−フェニルスチリル)トリフェニルアミン 225質量部
バインダー:ポリカーボネートZ300(三菱ガス化学社製) 300質量部
酸化防止剤:Irganox1010(BASFジャパン社製) 6質量部
溶媒:THF 1600質量部
トルエン 400質量部
シリコーンオイル:KF−54(信越化学社製) 1質量部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
〈保護層〉
表面修飾粒子A−1 96質量部
表面修飾粒子B−1 24質量部
バインダー:重合性化合物「例示化合物M1」 100質量部
重合開始剤:イルガキュアー819(BASFジャパン社製) 6質量部
溶媒:2−ブタノール 466質量部
テトラヒドロフラン 57質量部
上記成分を混合撹拌し、十分に溶解・分散し、保護層塗布液を作製した。該塗布液を先に電荷輸送層まで作製した感光体上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、保護層を塗布した。塗布後、キセノンランプを用いて紫外線を1分間照射後、80℃70分間乾燥を行い、乾燥膜厚3.0μmの保護層を得た。このようにして「感光体1」を作製した。
<感光体2〜15の作製>
感光体1の保護層を表2のように変更し、同様に塗布した。塗布後、同様に紫外線を1分間照射後、80℃70分間乾燥を行い、乾燥膜厚3.0μmの保護層を得た。このようにして「感光体2〜15」を作製した。
<感光体16〜25の作製>
感光体1の保護層を表2のように変更した以外は同様にして感光体16〜25を作製した。また、感光体22の保護層には、大径粒子として表面修飾p型半導体粒子(B)ではなく、金属酸化物のSiOを表面修飾した粒子(表面修飾粒子B−10)を添加した。
感光体25においては、表面修飾p型半導体粒子(A)及び(B)とも表面処理剤として、重合性反応基を有する表面処理剤で修飾したp型半導体粒子を用いた。
ここで、感光体1〜15は本発明の感光体であり、感光体16〜25は比較例の感光体である。
Figure 0006197668
〔感光体の評価〕
上記のようにして作製した感光体1〜感光体25について、以下のようにして評価した。
評価機として、基本的に図2の構成を有するコニカミノルタ(株)製「bizhub PRO C6501」を用い、該評価機に各感光体を搭載して評価を行った。
23℃・50%RH環境で、画像面積比率6%の文字画像をA4横送りで各30万枚両面連続で合計60万枚プリントを行う耐久試験を実施し、耐久試験中あるいは耐久試験後に、感光体の耐摩耗特性、画像メモリー、画像ぼけ及びドット再現性の評価を行った。なお、評価は、以下に示した指標に従い実施した。
[耐摩耗特性の評価]
前記耐久試験前後における感光層の膜厚を測定し、膜厚減耗量を算出し評価した。
感光層の膜厚は均一膜厚部分(塗布の先端部及び後端部の膜厚変動部分を膜厚プロフィールを作製して除く)をランダムに10か所測定し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GmbH CO社製)を用いて行い、実写試験前後の感光層膜厚の差を膜厚減耗量とする。100krot(10万回転)あたりの減耗量をα値として表3に記載した。α値が、0.2μm以内であれば、本発明においては基準を満たすレベルといえる。
[画像メモリーの評価]
前記耐久試験後に、べた黒とべた白の混在した画像を10枚連続して印刷し、続いて均一なハーフトーン画像を印刷し、該ハーフトーン画像中に前記べた黒とべた白の履歴が現れている(メモリー発生)か否(メモリー発生なし)かで判定した。
(判定基準)
◎:メモリー発生なし(良好)
○:軽微なメモリーが視認できる(実用上問題なし)
△:メモリーが視認できる(実用上問題あり)
×:はっきりしたメモリーが発生(実用上問題あり)
[画像ぼけの評価]
前記耐久試験後、さらに50万枚片面連続でプリントを行う耐久試験(環境条件30℃・80%RH、画像面積比率6%の文字画像をA4横送り)を追加した。追加の耐久試験後、直ぐに実機の主電源を停止した。停止12時間後に電源を入れ画出し可能状態になった後、直ちにA3中性紙全面にハーフトーン画像(マクベス濃度計で相対反射濃度0.4)とA3全面の6dot格子画像を印字した。印字画像の状態を観察し以下の評価を行った。
(判定基準)
◎:ハーフトーン、格子画像とも画像ぼけ発生なし(良好)
○:ハーフトーン画像のみに感光体長軸方向の薄い帯状濃度低下が認められる(実用上問題なし)
△:画像ぼけによる格子画像の欠損若しくは線幅の細りが一部に発生(実用上問題あり)
×:画像ぼけによる格子画像の欠損若しくは線幅の細りが全面的に発生(実用上問題あり)
[ドット再現性]
前記耐久試験後に、30℃・80%RH環境において、内部搭載パターンNo.53/Dot1(規則性を有するドット状に形成された露光パターンの代表的なもの)をA3/PODグロスコート紙(100g/m)王子製紙社製にて濃度指示値100で印刷し、ドットの形成状態を拡大観察して目視判定した。
(判定基準)
◎:正常にドットが形成されている(良好)
○:一部ドットが細っている(実用上問題なし)
△:全体的にドットが細っている(実用上問題あり)
×:ドットが形成されていない(実用上問題あり)
Figure 0006197668
以上の結果から明らかなように、本発明の感光体1〜15は、比較例の感光体16〜25に比べて、画像メモリー、画像ぼけ、及びドット再現性において優れた特性を有している。それに対して、比較例の感光体16〜25はいずれかの特性において劣るものであった。
また、比較例の感光体16は、表面修飾p型半導体粒子の分散性が悪く、均一な保護層を形成することができず、感光体として使用できるものではなかった。
1 導電性支持体
2 感光層
3 中間層
4 電荷発生層
5 電荷輸送層
6 保護層
7a 表面修飾p型半導体粒子(A)
7b 表面修飾p型半導体粒子(B)
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
6Y、6M、6C、6Bk クリーニング手段
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成部

Claims (6)

  1. 導電性支持体上に少なくとも感光層と保護層とを順次積層してなる電子写真感光体であって、
    当該保護層が、少なくとも重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と重合性化合物とを重合して得られた成分、及び
    重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)とを含有し、
    当該重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)の数平均一次粒径が、10〜70nmの範囲内であり、
    当該重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)の数平均一次粒径が、100〜300nmの範囲内であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)及び前記重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)に用いられるp型半導体粒子が、下記一般式(1)で表される化合物をであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
    一般式(1):CuMO
    (ただし、式中Mは周期律表第13属の元素を表す。)
  3. 前記重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)の添加量をA質量部、前記重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)の添加量をB質量部としたとき、添加量比(A/B)が、6/4〜9/1の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記重合性反応基を有していない表面処理剤が、フッ素原子を有する表面処理剤であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記重合性化合物が、分子中にアクリロイル基又はメタクリロイル基の少なくともいずれかを有する重合性単量体であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
    少なくとも重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と、重合性化合物と、重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)とを溶媒中で混合・分散し保護層の塗布液を調製する工程と
    当該塗布液を、少なくとも導電性支持体上に設けた感光層上に塗布して保護層を形成する工程と
    当該保護層中の重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と、重合性化合物とを光又は熱により反応させる工程とを有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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