JP6197668B2 - 電子写真感光体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
当該保護層が、少なくとも重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と重合性化合物とを重合して得られた成分、及び
重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)とを含有し、
当該重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)の数平均一次粒径が、10〜70nmの範囲内であり、
当該重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)の数平均一次粒径が、100〜300nmの範囲内であることを特徴とする電子写真感光体。
(ただし、式中Mは周期律表第13属の元素を表す。)
少なくとも重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と、重合性化合物と、重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)とを溶媒中で混合・分散し保護層の塗布液を調製する工程と
当該塗布液を、少なくとも導電性支持体上に設けた感光層上に塗布して保護層を形成する工程と
当該保護層中の重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と、重合性化合物とを光又は熱により反応させる工程とを有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
(ただし、式中Mは周期律表第13属の元素を表す。)
さらに、前記重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)の添加量をA質量部、前記重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)の添加量をB質量部としたとき、添加量比(A/B)が、6/4〜9/1の範囲内であることが好ましい。前記重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)の添加量をA質量部、前記重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)の添加量をB質量部としたとき、添加量比(A/B)が、上記範囲内であると保護層の膜強度を損なわず画像メモリーの改善及びドット再現性改善の効果が得られる。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも感光層と保護層とを順次積層してなる電子写真感光体であって、当該保護層が、少なくとも重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と重合性化合物とを重合して得られた成分、及び重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)とを含有し、当該重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)の数平均一次粒径が、10〜70nmの範囲内であり、当該重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)の数平均一次粒径が、100〜300nmの範囲内であることを特徴とする。
本発明に係る保護層は、「重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)」(以下、「表面修飾p型半導体粒子(A)」ともいう。)と重合性化合物とを重合して得られた成分及び「重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)」(以下、「表面修飾p型半導体粒子(B)」ともいう。)とを含有する。また、当該表面修飾p型半導体粒子(A)の数平均一次粒径が10〜70nmの範囲内であり、当該表面修飾p型半導体粒子(B)の数平均一次粒径が100〜300nmの範囲内であることを特徴としている。
本発明の電子写真感光体の保護層に用いられる表面修飾p型半導体粒子(A)及び表面修飾p型半導体粒子(B)に用いられるp型半導体粒子ついて説明する。
(ただし、式中Mは周期律表第13族の元素を表す。)
第13族の元素としては、具体的には、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)が挙げられる。本発明において好ましく用いられる第13族元素としては、アルミニウム、ガリウム、インジウムであり、一般式(1)で表される好ましいp型半導体粒子としては、例えば、CuAlO2、CuGaO2、CuInO2が挙げられる。これらのp型半導体粒子を電子写真感光体の保護層に添加することにより、耐摩耗性に優れ、画像メモリーの発生しない高画質の電子写真感光体とすることができる。
本発明に係るp型半導体粒子は、以下の方法により作製することができる。
Al2O3(純度99.9%)とCu2O(99.9%)を1:1のモル比で混合し、Ar雰囲気中で1100℃の温度で4日間仮焼した後、ペレット状に成型し1100℃で2日間焼結することで焼結体を得る。その後、数100μmまで粗粉砕した後、得られた粗粒子と溶媒を用いて、湿式メディア分散型装置を使用して、微粉砕することにより所望の粒径のCuAlO2を得ることができる。
その他の方法としては、例えばプラズマ法により生成することができる。プラズマ法としては、直流プラズマアーク法、高周波プラズマ法、プラズマジェット法などの方法が挙げられる。
本発明に係る表面修飾p型半導体粒子(A)は、上記p型半導体粒子を、重合性反応基を有する表面処理剤で表面修飾されたものである。
本発明に係る表面修飾p型半導体粒子(A)に用いられる重合性反応基を有する表面処理剤としては、p型半導体粒子の表面に存在するヒドロキシ基等と反応する表面処理剤が好ましく、これらの表面処理剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等であり、さらに保護層の硬度を更に高くする目的で、重合性反応基を有する表面処理剤が用いられる。重合性反応基を有する表面処理剤としては、ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤が好ましい。これらのラジカル重合性反応基は、本発明に係る重合性化合物とも反応して強固な保護膜を形成することができる。ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤としては、ビニル基、アクリロイル基又はメタクリロイル基などのラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤が好ましく、このようなラジカル重合性反応基を有する表面処理剤としては、下記に記すような公知の化合物が例示される。
S−2:CH2=CHSi(OCH3)3
S−3:CH2=CHSiCl3
S−4:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
S−5:CH2=CHCOO(CH2)2Si(OCH3)3
S−6:CH2=CHCOO(CH2)2Si(OC2H5)(OCH3)2
S−7:CH2=CHCOO(CH2)3Si(OCH3)3
S−8:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)Cl2
S−9:CH2=CHCOO(CH2)2SiCl3
S−10:CH2=CHCOO(CH2)3Si(CH3)Cl2
S−11:CH2=CHCOO(CH2)3SiCl3
S−12:CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
S−13:CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(OCH3)3
S−14:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2
S−15:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OCH3)3
S−16:CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(CH3)Cl2
S−17:CH2=C(CH3)COO(CH2)2SiCl3
S−18:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)Cl2
S−19:CH2=C(CH3)COO(CH2)3SiCl3
S−20:CH2=CHSi(C2H5)(OCH3)2
S−21:CH2=C(CH3)Si(OCH3)3
S−22:CH2=C(CH3)Si(OC2H5)3
S−23:CH2=CHSi(OCH3)3
S−24:CH2=C(CH3)Si(CH3)(OCH3)2
S−25:CH2=CHSi(CH3)Cl2
S−26:CH2=CHCOOSi(OCH3)3
S−27:CH2=CHCOOSi(OC2H5)3
S−28:CH2=C(CH3)COOSi(OCH3)3
S−29:CH2=C(CH3)COOSi(OC2H5)3
S−30:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OC2H5)3
S−31:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)2(OCH3)
S−32:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OCOCH3)2
S−33:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(ONHCH3)2
S−34:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OC6H5)2
S−35:CH2=CHCOO(CH2)2Si(C10H21)(OCH3)2
S−36:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH2C6H5)(OCH3)2
また、表面処理剤としては、前記S−1からS−36以外でも、ラジカル重合可能な反応性有機基を有するシラン化合物を用いてもよい。これらの表面処理剤は単独で又は二種以上を混合して使用することができる。
本発明に係る保護層に用いられる表面修飾p型半導体粒子(B)は、p型半導体粒子を、重合性反応基を有していない表面処理剤で表面修飾されたものである。
本発明に係る表面修飾p型半導体粒子(B)に用いられる重合性反応基を有していない表面処理剤としては、同様にp型半導体粒子の表面に存在するヒドロキシ基等と反応する表面処理剤が好ましく、これらの表面処理剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が好ましい。このような表面処理剤としては、下記に記すような公知の化合物が例示される。
S−38:CF3(CF2)7CH2CH2Si(OC2H5)3
S−39:CF3(CF2)5CH2CH2Si(OC2H5)3
S−40:CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3
S−41:CF3(CF2)3CH2CH2Si(OC2H5)3
S−42:CF3(CF2)5CH2CH2Si(OCH3)3
S−43:CF3(CF2)3CH2CH2Si(OCH3)3
S−44:CF3(CF2)3CH2CH2Si(CH3)2Cl
S−45:CF3(CF2)4CH2CH2Si(CH3)2Cl
S−46:CF3(CF2)5CH2CH2Si(CH3)2Cl
S−47:CF3(CF2)3CH2CH2SiCl3
S−48:CF3(CF2)5CH2CH2SiCl3
S−49:CF3CH2CH2SiCl2CH3
S−50:CF3CH2CH2SiCl3
S−51:CF3CH2CH2Si(OCH3)3
S−52:CH3CH2CH2Si(OCH3)3
S−53:CH3CH2CH2Si(OC2H5)3
S−54:CH3CH2CH2Si(OCH3)2CH3
S−55:CH3CH2CH2Si(CH3)2OCH3
S−56:C5H11Si(OC2H5)3
S−57:CH3(CH2)4CH2Si(OC2H5)3
S−58:CH3(CH2)4CH2Si(OCH3)3
S−59:CH3(CH2)6CH2Si(OC2H5)3
S−60:CH3(CH2)6CH2Si(OCH3)3
S−61:CH3(CH2)6CH2Si(CH3)2OCH3
S−62:CH3(CH2)16CH2Si(OCH3)3
S−63:CH3(CH2)16CH2Si(OCH3)2CH3
S−64:CH3(CH2)16CH2Si(CH3)2OCH3
S−65:CH3(CH2)16CH2Si(OC2H5)2CH3
また、上記の表面処理剤の中でも、フッ素原子を有する表面処理剤であることが好ましい。
前記表面修飾p型半導体粒子(A)の数平均一次粒径は10〜70nmの範囲内であり、20〜50nmの範囲内であることが好ましい。表面修飾p型半導体粒子(A)の数平均一次粒径が10nm未満であると保護層塗布液中での分散性が悪いため表面修飾p型半導体粒子(A)が凝集し、均一な塗膜を形成することができない。また、70nmを超えると保護層の膜強度を低下させる要因となる。
上記表面修飾p型半導体粒子(A)及び表面修飾p型半導体粒子(B)の数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製)により10万倍の拡大写真を撮影し、ランダムに100個の表面修飾p型半導体粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置「LUZEX(登録商標) AP」((株)ニレコ製)ソフトウェアバージョン Ver.1.32を使用して、写真画像上の表面修飾p型半導体粒子について2値化処理し、表面修飾p型半導体粒子の任意の100個についての水平方向フェレ径を算出し、その平均値を数平均一次粒径とする。ここで水平方向フェレ径とは、表面修飾p型半導体粒子の画像を2値化処理したときの外接長方形のx軸に平行な辺の長さをいう。
重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)及び重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)の作製方法を以下に説明するが、両者は用いる表面処理剤が異なるのみで、表面修飾方法は同じである。
保護層には、バインダー樹脂を含有し、バインダー樹脂としては、重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と重合性化合物とが反応して得られた成分、すなわち架橋構造を形成した重合生成物を含有する。また、この他に、重合性化合物のみが重合した重合生成物、さらに重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)同士が重合した重合生成物も含まれ、これらの重合生成物により強固な保護層を形成している。
本発明に係る保護層に使用可能な重合性化合物としては、ラジカル重合性の化合物が挙げられ、ラジカル重合性化合物としては、ラジカル重合性反応基として、アクリロイル基、メタクリロイル基の少なくともいずれかを有する重合性単量体が好ましい。
本発明に係る保護層に使用可能な重合性化合物を重合反応させる方法としては、電子線開裂反応を利用する方法やラジカル重合開始剤の存在下で光や熱を利用する方法等により硬化反応を行うことができる。ラジカル重合開始剤を用いて硬化反応を行う場合、重合開始剤として光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光、熱の両方の開始剤を併用することもできる。
また、保護層に各種の滑剤粒子を含有させることも可能である。例えば、フッ素原子含有樹脂粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体の中から一種あるいは二種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
保護層の形成に使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、ベンジルアルコール、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、酢酸エチル、酢酸ブチル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の電子写真感光体は、少なくとも導電性支持体上に設けた感光層上に保護層を設けることによって作製される。
<感光体の層構成>
本発明の感光体は、導電性支持体の上に、感光層、保護層を形成してなるものである。感光層は、その層構成を特に制限するものではなく、保護層を含めた本発明の感光体の具体的な層構成として、例えば以下に示すものがある。
(1)導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層、及び保護層を順次積層した層構成
(2)導電性支持体上に、電荷輸送物質と電荷発生材料とを含有する単層、及び保護層を順次積層した層構成
(3)導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、及び保護層を順次積層した層構成
(4)導電性支持体上に、中間層、電荷輸送物質と電荷発生材料とを含有する単層、及び保護層を順次積層した層構成
本発明の感光体は、上記(1)〜(4)いずれの層構成のものでもよく、これらの中でも、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順次設けて作製された層構成のものが特に好ましい。
本発明で用いられる支持体は、導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラム又はシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又はバインダー樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
本発明では、導電性支持体と感光層の中間にバリア機能と接着機能を有する中間層を設けることができる。中間層は、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチン等のバインダー樹脂を公知の溶媒に溶解させて浸漬塗布等により形成させることができる。前記バインダー樹脂の中でもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
前述したように、本発明の感光体を構成する感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能を一つの層に付与した単層構造の他に、電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に感光層の機能を分離させた層構成のものがより好ましい。このように、機能分離型の層構成とすることにより、繰り返し使用に伴う残留電位の上昇を小さく制御できる他、各種の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすいメリットがある。負帯電性感光体は中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)を設ける構成をとり、正帯電性感光体は中間層の上に電荷輸送層(CTL)、その上に電荷発生層(CGL)を設ける構成をとる。好ましい感光層の層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体である。
本発明で形成される電荷発生層は、電荷発生物質とバインダー樹脂を含有するもので、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散させてなる塗布液を塗布して形成されたものが好ましい。
本発明で形成される電荷輸送層は、少なくとも層内に電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有するものであり、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解、塗布して形成される。
本発明の感光体を構成する中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層等の各層は公知の塗布方法により形成することができる。具体的には、浸漬コーティング法(浸漬塗布法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、円形量規制型塗布法(円形スライドホッパー塗布法)等が挙げられる。なお、円形量規制型塗布方法については、例えば、特開昭58−189061号公報、特開2005−275373号公報に記載されている。
本発明に用いられる画像形成装置について説明する。
以下のようにして、本発明に係る「表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)及び(B)」並びに比較用の「表面処理金属酸化物粒子」(以下、簡単に「表面修飾粒子」という。)を作製した。
(表面修飾粒子A−1の作製)
p型半導体粒子として数平均一次粒径20nmの「CuAlO2」100質量部、表面処理剤として「3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(S−15:Gelest社製)」10質量部、メチルエチルケトン1000質量部を湿式サンドミル(径0.5mmのアルミナビーズ)に入れ、30℃にて6時間混合、その後、メチルエチルケトンとアルミナビーズを濾別し、60℃にて乾燥し「表面修飾粒子A−1」を調製した。
表面修飾粒子A−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径10nmの「CuAlO2」を用いた他は、表面修飾粒子A−1と同様にして「表面修飾粒子A−2」を作製した。
表面修飾粒子A−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径70nmの「CuAlO2」を用いた他は表面修飾粒子A−1と同様にして「表面修飾粒子A−3」を作製した。
表面修飾粒子A−1の作製において、表面処理剤としてS−14を用いた他は、表面修飾粒子A−1同様にして「表面修飾粒子A−4」を作製した。
表面修飾粒子A−1の作製において、表面処理剤としてS−31を用いた他は、表面修飾粒子A−1同様にして「表面修飾粒子A−5」を作製した。
表面修飾粒子A−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径50nmの「CuAlO2」を用いた他は、表面修飾粒子A−1同様にして「表面修飾粒子A−6」を作製した。
表面修飾粒子A−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径20nmの「CuGaO2」を用いた他は、表面修飾粒子A−1同様にして「表面修飾粒子A−7」を作製した。
表面修飾粒子A−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径20nmの「CuInO2」を用いた他は、表面修飾粒子A−1同様にして「表面修飾粒子A−8」を作製した。
表面修飾粒子A−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径5nmの「CuAlO2」を用いた他は、表面修飾粒子A−1同様にして「表面修飾粒子A−9」を作製した。
表面修飾粒子A−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径100nmの「CuAlO2」を用いた他は、表面修飾粒子A−1同様にして「表面修飾粒子A−10」を作製した。
表面修飾粒子A−1の作製において、表面処理剤として重合性反応基を有していないS−52を用いた他は、表面修飾粒子A−1同様にして「表面修飾粒子A−11」を作製した。
表面修飾粒子A−1の作製において、比較用としてp型半導体粒子の代わりに金属酸化物粒子として数平均一次粒径20nmの「SnO2」を用いた他は、表面修飾粒子A−1同様にして「表面修飾粒子A−12」を作製した。
(表面修飾粒子B−1の作製)
表面修飾粒子A−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径100nmの「CuAlO2」を用い、表面処理剤としてS−51を用いた他は、表面修飾粒子A−1同様にして「表面修飾粒子B−1」を作製した。
表面修飾粒子B−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径300nmの「CuAlO2」を用いた他は、表面修飾粒子B−1と同様にして「表面修飾粒子B−2」を作製した。
表面修飾粒子B−1の作製において、表面処理剤としてS−43を用いた他は、表面修飾粒子B−1同様にして「表面修飾粒子B−3」を作製した。
表面修飾粒子B−1の作製において、表面処理剤としてS−52を用いた他は、表面修飾粒子B−1同様にして「表面修飾粒子B−4」を作製した。
表面修飾粒子B−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径200nmの「CuAlO2」を用いた他は、表面修飾粒子B−1同様にして「表面修飾粒子B−5」を作製した。
表面修飾粒子B−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径100nmの「CuGaO2」を用いた他は、表面修飾粒子B−1同様にして「表面修飾粒子B−6」を作製した。
表面修飾粒子B−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径100nmの「CuInO2」を用いた他は、表面修飾粒子B−1同様にして「表面修飾粒子B−7」を作製した。
表面修飾粒子B−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径70nmの「CuAlO2」を用いた他は、表面修飾粒子B−1同様にして「表面修飾粒子B−8」を作製した。
表面修飾粒子B−1の作製において、p型半導体粒子として数平均一次粒径350nmの「CuAlO2」を用いた他は、表面修飾粒子B−1同様にして「表面修飾粒子B−9」を作製した。
表面修飾粒子B−1の作製において、比較用としてp型半導体粒子の代わりに金属酸化物粒子として数平均一次粒径100nmの「SiO2」を用いた他は、表面修飾粒子B−1同様にして「表面修飾粒子B−10」を作製した。
表面修飾粒子B−1の作製において、表面処理剤として重合性反応基を有するS−15を用いた他は、表面修飾粒子B−1同様にして「表面修飾粒子B−11」を作製した。
下記のようにして感光体1を作製した。
下記組成の分散液を同じ混合溶媒にて1.5倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター使用)し、中間層塗布液を作製した。
100質量部
金属酸化物粒子:酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製)
120質量部
金属酸化物粒子:酸化チタンSMT150MK (テイカ社製)
155質量部
溶媒:エタノール/n−PrOH/THF(体積比60/20/20)
1290質量部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で5時間の分散を行った。
電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料) 20質量部
バインダー:ポリビニルブチラール樹脂#6000−C(電気化学工業社製)
10質量部
溶媒:酢酸t−ブチル 700質量部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300質量部
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送物質:4,4′−ジメチル−4″−(β−フェニルスチリル)トリフェニルアミン 225質量部
バインダー:ポリカーボネートZ300(三菱ガス化学社製) 300質量部
酸化防止剤:Irganox1010(BASFジャパン社製) 6質量部
溶媒:THF 1600質量部
トルエン 400質量部
シリコーンオイル:KF−54(信越化学社製) 1質量部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
表面修飾粒子A−1 96質量部
表面修飾粒子B−1 24質量部
バインダー:重合性化合物「例示化合物M1」 100質量部
重合開始剤:イルガキュアー819(BASFジャパン社製) 6質量部
溶媒:2−ブタノール 466質量部
テトラヒドロフラン 57質量部
上記成分を混合撹拌し、十分に溶解・分散し、保護層塗布液を作製した。該塗布液を先に電荷輸送層まで作製した感光体上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、保護層を塗布した。塗布後、キセノンランプを用いて紫外線を1分間照射後、80℃70分間乾燥を行い、乾燥膜厚3.0μmの保護層を得た。このようにして「感光体1」を作製した。
感光体1の保護層を表2のように変更し、同様に塗布した。塗布後、同様に紫外線を1分間照射後、80℃70分間乾燥を行い、乾燥膜厚3.0μmの保護層を得た。このようにして「感光体2〜15」を作製した。
感光体1の保護層を表2のように変更した以外は同様にして感光体16〜25を作製した。また、感光体22の保護層には、大径粒子として表面修飾p型半導体粒子(B)ではなく、金属酸化物のSiO2を表面修飾した粒子(表面修飾粒子B−10)を添加した。
上記のようにして作製した感光体1〜感光体25について、以下のようにして評価した。
前記耐久試験前後における感光層の膜厚を測定し、膜厚減耗量を算出し評価した。
前記耐久試験後に、べた黒とべた白の混在した画像を10枚連続して印刷し、続いて均一なハーフトーン画像を印刷し、該ハーフトーン画像中に前記べた黒とべた白の履歴が現れている(メモリー発生)か否(メモリー発生なし)かで判定した。
◎:メモリー発生なし(良好)
○:軽微なメモリーが視認できる(実用上問題なし)
△:メモリーが視認できる(実用上問題あり)
×:はっきりしたメモリーが発生(実用上問題あり)
[画像ぼけの評価]
前記耐久試験後、さらに50万枚片面連続でプリントを行う耐久試験(環境条件30℃・80%RH、画像面積比率6%の文字画像をA4横送り)を追加した。追加の耐久試験後、直ぐに実機の主電源を停止した。停止12時間後に電源を入れ画出し可能状態になった後、直ちにA3中性紙全面にハーフトーン画像(マクベス濃度計で相対反射濃度0.4)とA3全面の6dot格子画像を印字した。印字画像の状態を観察し以下の評価を行った。
◎:ハーフトーン、格子画像とも画像ぼけ発生なし(良好)
○:ハーフトーン画像のみに感光体長軸方向の薄い帯状濃度低下が認められる(実用上問題なし)
△:画像ぼけによる格子画像の欠損若しくは線幅の細りが一部に発生(実用上問題あり)
×:画像ぼけによる格子画像の欠損若しくは線幅の細りが全面的に発生(実用上問題あり)
[ドット再現性]
前記耐久試験後に、30℃・80%RH環境において、内部搭載パターンNo.53/Dot1(規則性を有するドット状に形成された露光パターンの代表的なもの)をA3/PODグロスコート紙(100g/m2)王子製紙社製にて濃度指示値100で印刷し、ドットの形成状態を拡大観察して目視判定した。
2 感光層
3 中間層
4 電荷発生層
5 電荷輸送層
6 保護層
7a 表面修飾p型半導体粒子(A)
7b 表面修飾p型半導体粒子(B)
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
6Y、6M、6C、6Bk クリーニング手段
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成部
Claims (6)
- 導電性支持体上に少なくとも感光層と保護層とを順次積層してなる電子写真感光体であって、
当該保護層が、少なくとも重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と重合性化合物とを重合して得られた成分、及び
重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)とを含有し、
当該重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)の数平均一次粒径が、10〜70nmの範囲内であり、
当該重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)の数平均一次粒径が、100〜300nmの範囲内であることを特徴とする電子写真感光体。 - 前記重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)及び前記重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)に用いられるp型半導体粒子が、下記一般式(1)で表される化合物をであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
一般式(1):CuMO2
(ただし、式中Mは周期律表第13属の元素を表す。) - 前記重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)の添加量をA質量部、前記重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)の添加量をB質量部としたとき、添加量比(A/B)が、6/4〜9/1の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記重合性反応基を有していない表面処理剤が、フッ素原子を有する表面処理剤であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記重合性化合物が、分子中にアクリロイル基又はメタクリロイル基の少なくともいずれかを有する重合性単量体であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
少なくとも重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と、重合性化合物と、重合性反応基を有していない表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(B)とを溶媒中で混合・分散し保護層の塗布液を調製する工程と
当該塗布液を、少なくとも導電性支持体上に設けた感光層上に塗布して保護層を形成する工程と
当該保護層中の重合性反応基を有する表面処理剤で修飾されたp型半導体粒子(A)と、重合性化合物とを光又は熱により反応させる工程とを有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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