JP5874477B2 - 電子写真感光体、該感光体を用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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本発明は、電子写真感光体、該感光体を用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
近年、電子写真感光体(以下、単に感光体ともいう)には有機感光体が広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発しやすいこと、環境汚染の影響が少ない材料を選択できること、製造コストが安いことなどの理由により、無機感光体に対して有利な点が多い。
しかし、有機感光体は無機感光体に比し、機械的耐久性に劣るものであり、特許文献1の特開2001−125286号公報、及び、特許文献2の特開2001−324857号公報においては、帯電器として磁気ブラシ型を適用した場合に、感光体上に不随意に磁性粒子の転写が生じ、その粒子が転写部やクリーニング部で感光体に強く押しつけられることにより傷が付くことが開示され、また、特許文献3の特開2003−098708号公報では、ブレード型クリーニング方式を適用した場合に感光体表面が摩耗することが開示されている。
有機感光体の機械的耐久性向上のため、感光体最表面に保護層を設けると共に、保護層中に無機微粒子を分散させることで機械的耐久性(耐摩耗性)を向上させる技術が多く開示されている。
特許文献4の特開2002−139859号公報には、導電性支持体上に少なくとも感光層、フィラーを含有する保護層を順次形成してなる電子写真感光体が提案されている。
また、特許文献5の特開平05−181299号公報、特許文献6の特開2002−006526号公報、特許文献7の特開2002−082465号公報には、熱硬化型樹脂、UV硬化型樹脂などの架橋性材料を感光体保護層の構成成分とし、保護層の機械的耐久性、耐傷性を向上させることが提案されている。
また、特許文献8の特開2000−284514号公報、特許文献9の特開2000−284515号公報、特許文献10の特開2001−194813号公報などでは電荷輸送能付与基を結合させたシロキサン樹脂を保護層に含有させ、機械的耐久性、耐傷性を向上させる技術が開示されている。
さらに、特許文献11の特許第3194392号公報では、機械的耐久性、耐傷性を向上させるために、電荷輸送層を炭素−炭素の二重結合を有するモノマー、炭素−炭素二重結合を有する電荷輸送物質及びバインダー樹脂を用いて作製する手法が報告されている。
また、特許文献12の特開2004−302451号公報には電荷輸送構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより電荷輸送層を形成する方法が記載されている。
さらに、特許文献13の特開2005−099688号公報には電荷輸送構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと、電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物を硬化し、さらにフィラーを分散させた保護層を形成する方法が記載されている。
上記のような手段を用いることによって感光体の機械的耐久性は飛躍的に向上されている。特に、前記特許文献12や特許文献13に記載の硬化型樹脂を保護層に用いた感光体は機械的耐久性や耐傷性に優れる。
しかしながら、機械的耐久性(耐摩耗性)を高めても、紙粉やトナー外添剤が感光体に付着する(刺さる)表面汚染を防止できず、特にトナー粒子に外添される金属酸化物、それらの中でもシリカは硬度が高いために感光体最表面に突き刺さって蓄積し、感光体の長寿命化を達成することは困難である。
表面汚染が発生した箇所は正しく帯電や露光が行なわれず、異常画像を発生することがある。機械的耐久性がそれほど高くない感光体であれば、最表面が摩耗して逐次新表面が現れるため、表面汚染が除かれ、異常画像の発生が抑制可能であるが、最表面が摩耗しては、長寿命化を達成することは困難である。したがって、有機感光体の長寿命化のために表面汚染を防止することが非常に重要である。
表面汚染を防止する方法として、感光体の最表面に離型性を付与し、低表面自由エネルギー化する方法がある。
感光体表面に離型性を付与する方法としては、感光体に離型剤等を塗布したり、トナー粒子離型剤を含有させることで感光体に離型剤を付与したりする外添による方法と、感光体の表面層に離型性を有する材料を含有させる内添による方法とがある。
前記外添による方法としては、一般的にはステアリン酸亜鉛などを感光体表面に塗布する機構が知られている。この機構があることで、感光体表面に離型性を付与することができる。
しかしながら、感光体表面に付与された低表面エネルギー化材料が放電により劣化し、異常画像の原因となることがある。また塗布機構を設けることで、作像部が大きくなり、レイアウトの自由度が低下すると共に、作像部のコストが上昇する。
前記内添による方法としては、特許文献14の特開2007−178815号公報には、表面層にフッ素置換されたポリシロキサン樹脂を用いることで感光体表面に高離型性を付与した感光体が記載されている。
しかしながら、シロキサン結合は分極を生じ、水素結合することが知られている。そのため、高湿下ではトナー粒子との付着力が大きくなることがあり、高湿下で離型性が低下することがある。
さらに、低表面エネルギー化材料を常に表面に析出させるためには、感光体表面を常に摩耗させる必要があり、機械的耐久性が低下する。
また、上記特許文献6の特開2002−006526号公報には、保護層中に潤滑性微粒子を含有させた感光体が記載され、特許文献15の特開2008−139824号公報には、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートと光重合開始剤とを含有した含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層を有する感光体が記載され、特許文献16の特開2008−233893号公報には架橋型表面層にフッ素系UV硬化型ハードコート剤と1官能の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化し、さらに潤滑性微粒子を含有した保護層を有する感光体が記載されている。
フッ素系材料を使用することは、感光体最表層の表面自由エネルギーを低減し表面汚染を防止する有効な手段である。
しかしながら、充分に付着力を低減するためには、相当量のフッ素材料を含有させる必要がある。これらフッ素系材料は、電気陰性度が高いため、大量に添加すると、明部電位が上昇することがある。これは、膜内部や電荷輸送層と保護層界面で電荷移動が妨げられることに起因していると考えられる。また、大量に添加すると、離型性により、膜強度が低下する傾向がある。このように、離型性付与では機械的耐久性向上と表面汚染防止の両立は困難である。
また、前記表面汚染は感光体の高硬度化によっても防止可能である。例えば特許文献17の特開2007−086734号公報および特許文献18の特開2008−176054号公報にはフィラー分散型の保護層を設け、ユニバーサル硬度で350N/mmを超える高硬度の電子写真感光体が記載されている。これらのように高硬度の電子写真感光体は耐汚染性向上に有効である。
しかしながら、硬化型の保護層ではないためにAC帯電プロセスでは帯電ハザードによって保護層樹脂の結合が切れ低分子量化しやすく、経時での機械的耐久性が充分でない。
硬化型の保護層としては、特許文献19の特開2003−207938号公報にユニバーサル硬度が415N/mmの硬度を有する保護層が記載されている。硬化型保護層を有し高硬度であれば機械的耐久性が向上し、表面汚染も軽減される可能性がある。
しかし、保護層はコロイダルシリカを原料に用いた熱硬化型であり、ガラス質の膜であり、ガラス質の膜は有機成分が少ないために樹脂膜と比べ可撓性が不足しており二成分現像に用いられるキャリアとの接触により、キャリア痕ができやすい。そのために感光体の長寿命化は達成が困難である。
また、特許文献20の特開2010−224529号公報には、重合性官能基を有する金属酸化物の反応生成物を含む保護層が開示されている。この保護層は高い硬度を有し機械的耐久性に優れるものであるが、トナークリーニング性が充分でない。
高硬度の保護層を有するものは、クリーニングブレードと保護層との接触面積が大きくなり、両者の摩擦力が大きくなる傾向にある。このような状態ではクリーニングブレードの引き込みが大きくなり、トナーがすり抜けやすくなる。
また、高硬度の保護層はクリーニングブレードを摩耗させやすいため、経時でさらにクリーニング性が悪化する傾向にある。
このように、トナークリーニング性に優れ、表面汚染の防止と機械的耐久性(耐摩耗性)を両立させ、感光体の長寿命化を達成する技術は確立されていない。
本発明は、機械的耐久性に優れ、長期間使用しても表面汚染が少なく、高画質を安定に出力可能な電子写真感光体、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、架橋構造中に結合して強固に固定され、均一かつ高度に分散された第1の無機フィラーと、架橋構造間に凝集した第2の無機フィラーとを、含有する硬化型保護層とすることで、ユニバーサル硬度が300N/mm以上で表面汚染を起こし難く、かつ、耐摩耗性が飛躍的に向上すると共に、クリーニング性を向上できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち上記課題は、本発明の「導電性支持体上に、感光層、硬化型保護層を有する電子写真感光体であって、
該硬化型保護層は、少なくともラジカル重合性の官能基を有する第1の無機フィラーとラジカル重合性化合物との硬化生成物、及び、ラジカル重合性の官能基を有さない第2の無機フィラーを有するものであり、前記該電子写真感光体のユニバーサル硬度が300N/mm以上であることを特徴とする電子写真感光体」によって解決される。
以下の詳細かつ具体的な説明から理解されるように、本発明によれば、機械的耐久性に優れ、長期間使用しても表面汚染が少なく、高画質を安定に出力可能な電子写真感光体、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することができる。
本発明における電子写真感光体の構成例を示す断面図である。 本発明における画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明におけるプロセスカートリッジの一例を示す図である。 実施例9における通紙試験後の電子写真感光体の表面を表す。図中の黒点は付着物である。 比較例4における通紙試験後の電子写真感光体の表面を表す。図中の黒点は付着物である。
本発明の態様として、以下の(1)〜(5)が挙げられる。但し、本発明はこれら(1)〜(5)の態様に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施することができる。
(1)「導電性支持体上に、感光層、硬化型保護層を有する電子写真感光体であって、
該硬化型保護層は、少なくともラジカル重合性の官能基を有する第1の無機フィラーとラジカル重合性化合物との硬化生成物、及び、ラジカル重合性の官能基を有さない第2の無機フィラーを有するものであり、前記該電子写真感光体のユニバーサル硬度が300N/mm以上であることを特徴とする電子写真感光体」、
(2)「前記第2の無機フィラーは、平均一次粒子径が10nm以上100nm以下であり、硬化型保護層中で凝集していることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体」、
(3)「前記硬化型保護層は、前記第2の無機フィラーを10wt%以上40wt%以下含有するものであることを特徴とする前記第(1)項または前記第(2)項に記載の電子写真感光体」、
(4)「少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体を具備してなる画像形成装置であって、該電子写真感光体が前記第(1)項乃至前記第(3)項のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置」
(5)「電子写真感光体と帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及びクリーニング手段から選ばれる少なくとも1つの手段が1体となった画像形成装置用プロセスカートリッジにであって、該電子写真感光体が前記第(1)項乃至前記第(3)項のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ」。
以下、本発明の態様について具体的に説明する。
本発明の電子写真感光体について詳細に説明する。
<電子写真感光体>
本発明の感光体の一例を図1に示す。図1の感光体は、導電性支持体(31)上に、電荷発生層(32)、電荷輸送層(33)、硬化型保護層(34)を順に積層型してなる。
<硬化型保護層>
硬化型保護層について説明する。
硬化型保護層は、少なくともラジカル重合性の官能基を有する第1の無機フィラーとラジカル重合性化合物が反応した硬化生成物、及び、ラジカル重合性の官能基を有さない第2無機フィラーを有する。
前記硬化とは、一般に複数の官能基を有する低分子化合物の分子間反応や高分子化合物が、熱、光、電子線等のエネルギーを与えることによって分子間で結合(例えば、共有結合)し、三次元網目構造を形成する反応である。
本発明の硬化型保護層には、樹脂成分としてラジカル重合性化合物の硬化物を含む。
まず、ユニバーサル硬度について説明する。
本発明におけるユニバーサル硬度とは超微小硬度計により測定した硬度である。これは最大試験荷重Fで圧子を試料に接触させた際に生成した圧子と測定対象物との接触表面積をAとしたとき、F/Aと定義され、N/mmで表される。接触表面積Aは、押し込み深さhから算出する。
圧子には四角錐形のビッカース圧子や三角錐形のベルコビッチ(バーコビッチ)圧子が用いられる。測定器としてはフィッシャースコープ H−100(フィッシャー・インストルメンツ社製)などを用いることができる。
本発明においては、電子写真感光体の状態で下記条件において5回測定を実施し、それらの平均値を電子写真感光体の硬度とした。電子写真感光体の機械的耐久性や耐汚染性は、表面のごく狭い領域での物性に左右される。そのため、電子写真感光体の機械的耐久性や耐汚染性の指標にはこのような超微小硬度計による測定結果を使用することが好ましい。

装置:フィッシャースコープ H−100(フィッシャー・インストルメンツ社製)
最大試験荷重:1mN
荷重アプリケーション時間:30秒
荷重の増加:1mN/30秒
最大試験荷重でのクリープ:5秒
荷重の減少:荷重の増加と同条件
徐荷後のクリープ:5秒
圧子:SMC117
なお、この測定において弾性率も同様に測定した。弾性率は次式にて算出した。硬度、弾性率の算出はフィッシャー・インストルメンツ社製のソフトであるWIN−HCUを用いた。

弾性率(%) = 100 ×(最大変位 − 塑性変位)/ 最大変位
本発明においては、ラジカル重合性の官能基を有する第1の無機フィラーのラジカル重合性官能基とラジカル重合性化合物とを反応させ、架橋硬化することで、硬化生成物の架橋構造中に第1の無機フィラーが一次粒子または一次粒子に近い状態で均一かつ強固に固定され、膜全体の硬度が高くかつ均一になり、耐汚染性が飛躍的に向上した。
前記感光体のユニバーサル硬度は、300N/mm以上であり、350N/mm以上であることが好ましく、400N/mm以上500N/mm以下であることがより好ましい。
ユニバーサル硬度が300N/mmが未満であると、シリカ等が硬化型保護層に刺さり易くなり、耐汚染性が低下する。
また、前記感光体の弾性率は、55%以上であることが好ましく、60%以上であることが好ましい。弾性率が55%以上であるとクリーニングブレード等で押しつけられたシリカ等を硬化型保護層が押し戻すため、耐汚染性が向上すると考えられる。
続いて、硬化型保護層材料について説明する。
<ラジカル重合性の官能基を有する第1の無機フィラー>
本発明で用いるラジカル重合性の官能基を有する無機フィラーとは、ラジカル重合性の官能基を有する化合物が表面に結合した無機フィラーを示す。
前記無機フィラーとしては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、酸化珪素、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、チタン酸カリウム、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナなどが挙げられる。
これらの中でもコロイダルシリカ、コロイダルアルミナが好ましい。さらに好ましくはコロイダルシリカである。詳細な理由は定かではないが、コロイダルシリカを用いた際には同等の硬度であっても耐汚染性が高い。
これら無機フィラーの一次粒子径としては1nm〜50nmが膜の高硬度化のためには好ましく、1nm〜20nmがより好ましい。一次粒子径が50nm以下であれば、膜中に比較的均一にフィラーが分散されるため、膜硬度が均一になり、硬度が上がる効果があると考えられる。
前記ラジカル反応性の官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1、1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
(1)1−置換エチレン官能基
1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の一般式(1)で表わされる官能基が挙げられる。
CH=CH−X−・・・・一般式(1)
(ただし、式中、Xは、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CONR78基(R78は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わす。)、または−S−基を表わす。)
これらの置換基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1、3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
(2)1、1−置換エチレン官能基
1、1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の一般式(2)で表わされる官能基が挙げられる。
CH=CY−X−・・・・一般式(2)
(ただし、式中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR79基(R79は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、または−CONR8081(R80及びR81は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わし、互いに同一または異なっていてもよい。)、また、Xは上記一般式(1)のXと同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表わす。ただし、Y、Xの少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。)
これらの置換基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
なお、これらX、X、Yについての置換基にさらに置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。
ラジカル重合性の官能基を無機フィラーに結合する表面処理方法としては、特に限定されるものではないが、カップリング剤による表面処理が好適である。例えばラジカル重合性官能基を有するシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などによる処理が挙げられる。これらの中でも、本発明においてはラジカル重合性官能基を有するシランカップリング剤が好適に用いられる。ラジカル重合性官能基を有するシランカップリング剤とは、1つの分子中に無機フィラーと化学結合するアルコキシ基とラジカル重合性官能基を有する化合物である。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。表面処理の段階では、シランカップリング剤中のアルコキシ基が加水分解し、ヒドロキシル基(シラノール)となり、無機フィラー表面のヒドロキシル基と脱水縮合する。これにより無機フィラー表面にラジカル重合性の官能基を結合することができる。
表面処理方法としては、乾式と湿式がある。乾式では、高速攪拌しているフィラーにシランカップリング剤の溶液を滴下あるいは噴霧することにより表面処理を行う。この際、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させることによって均一な処理が可能となる。添加、噴霧の際は溶剤の沸点以下の温度で行われることが好ましい。
湿式ではシランカップリング剤と水、あるいは水とアルコールの混合溶媒に溶解させ作製した溶液を用いることにより表面処理を行う。溶液中のシランカップリング剤の濃度としては、0.1〜2.0%が好ましい。水に溶解しにくい場合は、pHを弱酸性にする必要がある。その際には例えば0.1〜2.0%の酢酸水溶液にするとシランカップリング剤の加水分解の促進および生成したシラノールの溶液中での安定化に寄与する。溶液の作製方法としては十分に分散させるため、液を攪拌しながらシランカップリング剤を滴下する。滴下後30〜60分攪拌し、液が透明になれば加水分解は終了したとみなせる。この際、不溶物が目立つようであればろ過を行う。
このように作製した溶液とフィラーの分散液を混合することで、フィラーの表面処理を行う。フィラーは溶剤中で攪拌、ボールミル、振動ミル、超音波等で分散された状態が好ましい。溶剤はろ過や蒸留により留去される。溶剤除去後にはさらに焼き付けを行うことができる。湿式はフィラー表面に均一処理可能であることから、本発明においては湿式が好ましい。
ラジカル重合性官能基を有する第1の無機フィラーの含有量は、硬化型保護層の全量の40wt%以上80wt%以下が好ましい。40wt%未満では架橋構造の剛直性が低下し、硬化型保護層の硬度が低下することがある。また、80wt%を超えると樹脂成分が少なくなり、感光層との接着性が悪化し、長期間使用すると膜剥がれが発生しやすくなることがある。
本発明の硬化型保護層には、バインダー樹脂としてラジカル重合性化合物を含む。
ラジカル重合性化合物は、前記第1の無機フィラーの表面に存在する官能基と同様の官能基を有する化合物であり、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を有する化合物が有用である。ラジカル重合性化合物の官能基数はより多官能、具体的には3官能以上が機械的耐久性、フィラー保持性の観点から好ましい。
3官能以上のラジカル重合性化合物を硬化した場合、3次元の網目構造が発達し、架橋密度が非常に高い高硬度且つ高弾性な層が得られ、かつ均一で平滑性も高く、高い耐摩耗性、耐キズ性が達成される。
しかし、硬化条件や用いる材料によっては硬化反応において瞬時に多数の結合を形成させるため、体積収縮による内部応力が発生し、クラックや膜剥がれが発生しやすくなる場合がある。その場合には1官能あるいは2官能のラジカル重合性化合物を用いたり、あるいはそれらを混合して用いたりすることで改善できる場合がある。
アクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば水酸基がその分子中にある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、メタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を複数有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なってもよい。
また、本発明に用いられる3官能以上のラジカル重合性化合物としては、硬化型保護層中に緻密な架橋結合を形成するために、該モノマー中の官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)は250以下が望ましい。この割合が250より大きい場合、硬化型保護層は柔らかく耐摩耗性が幾分低下することがある。
3官能以上のラジカル重合性化合物としては、以下のものが例示されるが、これらの化合物に限定されるものではない。
トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以後EO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性(以後PO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(以後ECH変性)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは、単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
ラジカル重合性化合物の硬化型保護層中の含有量は、10wt%以上50wt%以下であることが好ましい。50wt%を超えると樹脂成分が多くなり、特にAC帯電を使用する作像プロセスでは高エネルギーの電子によって硬化型保護層に含まれる樹脂の結合が切れ、摩耗量が若干増加しやすくなることがある。10wt%未満では感光層との接着性が悪化し、長期間使用すると膜剥がれが発生しやすくなることがある。
<第2の無機フィラー>
本発明の硬化型保護層には、ラジカル重合性の官能基を有さない第2の無機フィラーを含む。第2の無機フィラーは凝集した状態で、硬化樹脂の架橋マトリックスに捕えられる。
第2の無機フィラーを凝集した状態で含有することで、膜表面において無機フィラー密度が高い領域と低密度な領域が混在する。無機フィラー密度が異なる領域ではクリーニングブレードエッジ部の摩擦力も異なる。そのため、ブレードエッジの細かなスティックスリップが促されてトナークリーニング性が向上したと考えられる。ラジカル重合性官能基を有する無機フィラーは、架橋構造中に結合させるため分散性を向上させる必要があるため、ラジカル重合性官能基を有する無機フィラーを含有させるのみでは、前記表面形状を有する硬化型保護層の作製は困難である。
また、前記スティックスリップは汚染物質を除去する効果もあると考えられる。
前記第2の無機フィラーとしては、公知の無機フィラーを使用できるが、シリカ、アルミナ、酸化チタンのいずれかであることが好ましく、適度に凝集するものであれば構わないが、疎水化処理等の表面処理がなされていないものであることが好ましい。
第2の無機フィラーの平均一次粒径は、架橋型電荷輸送層の光透過率や耐摩耗性の点から0.01μm以上0.1μm以下であることが好ましく、0.01μm以上0.05μm以下であることがより好ましい。また、クリーニング性を向上させるため、架橋型電荷輸送層中での凝集した分散粒径は0.1μm以上1.0μm以下であることが好ましく、0.3μm以上0.5μm以下であることがより好ましい。
凝集した分散粒径が0.1μm未満であると、クリーニング性が向上しないことがあり、1.0μmを超えると膜の不均一化や残留電位の上昇が起こることがある。
なお、無機フィラーの平均一次粒径及び分散粒径は、例えば、走査型電子顕微鏡(日本電子製等)により10000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像を自動画像処理解析装置LUZEX AP((株)ニレコ)ソフトウェアバージョン Ver.1.32を使用することで算出できる。
第2の無機フィラーの架橋型電荷輸送層中の含有量は、10wt%以上40wt%以下であることが好ましい。
10wt%未満ではクリーニング性が向上しないことがあり、40wt%を超えると凝集により膜の不均一化や残留電位の上昇が起こることがある。
前記第1の無機フィラー及び第2の無機フィラーは、硬化型保護層塗工液に分散された状態で塗布されることが好ましい。フィラーの分散方法としてはボールミル、ビーズミルなどの公知の方法が使用可能である。
本発明の硬化型保護層は膜形成時に、硬化剤や触媒、重合開始剤等を予め混合することで、硬化度をさらに高めることが可能である。これにより、硬化型保護層の耐摩耗性が一段と向上し、さらに未反応官能基も残存しにくくなるため、耐摩耗性の向上や静電特性劣化の抑制に有効である。また、反応が均一であるためにクラックや歪みが生じにくくなる。
前記硬化型保護層の膜厚は、0.5μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
<導電性支持体>
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。
また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当なバインダー樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。
また、同時に用いられるバインダー樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱架橋性樹脂または光架橋性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体とバインダー樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
<感光層>
次に本発明の感光層について説明する。本発明の感光層は単層型、積層型のいずれであってもよく、積層型感光層は、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層が積層されることによって構成されている。
<電荷発生層>
電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生層には、公知の電荷発生物質を用いることが可能である。例えば、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、非対称ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−95033号公報に記載)、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−133445号公報)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−132347号公報に記載)、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728号公報に記載)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12742号公報に記載)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17733号公報に記載)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2129号公報に記載)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−14967号公報に記載)等のアゾ系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、また、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料等が挙げられる。なお、これらの電荷発生物質は、単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。バインダー樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部が好ましく、より好ましくは10〜300重量部が適当である。
バインダー樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。
また、用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等の一般に用いられる有機溶剤が挙げられるが、中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒を使用することが好ましい。これらは、単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
電荷発生層は、電荷発生物質を必要に応じてバインダー樹脂と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、超音波等の公知の分散方法を用いて溶剤中に分散して、塗工液を得ることができる。
なお、バインダー樹脂の添加は、電荷発生物質の分散前及び分散後のどちらでも構わない。
電荷発生層の塗工液は、電荷発生物質、溶媒及びバインダー樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等の添加剤が含まれていてもよい。場合によっては、電荷発生層に後述の電荷輸送物質を添加することも可能である。
バインダー樹脂の添加量は、電荷発生物質100重量部に対して、通常、0〜500重量部であり、10〜300重量部が好ましい。
電荷発生層は上記塗工液を用いて導電性支持体上あるいは下引き層等の上に塗工し、乾燥することにより形成される。塗工方法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の公知の方法を用いることができる。
電荷発生層の膜厚は、通常、0.01〜5μm程度であり、0.1〜2μmが好ましい。
また塗工後の乾燥はオーブン等を用いて加熱乾燥される。電荷発生層の乾燥温度は、50〜160℃であることが好ましく、80〜140℃がさらに好ましい。
<電荷輸送層>
電荷輸送層は、電荷輸送構造を有する層で、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を主成分とする層である。
本発明の電荷輸送層には電荷輸送物質として正孔輸送物質は含有されるが、必要に応じて電子輸送物質を含有してもよい。各々の例を以下に示す。なお、電荷輸送物質とは電子輸送物質および正孔輸送物質を意味する。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2、4、7−トリニトロ−9−フルオレノン、2、4、5、7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2、4、5、7−テトラニトロキサントン、2、4、8−トリニトロチオキサントン、2、6、8−トリニトロ−4H−インデノ〔1、2−b〕チオフェン−4−オン、1、3、7−トリニトロジベンゾチオフェン−5、5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ジスチリル誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独又は2種以上混合して用いられる。電荷輸送層に含まれる電荷輸送物質の中でもトリアリールアミン構造を有するものは電荷移動に有利である。
バインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量はバインダー樹脂100重量部に対し、20〜300重量部が好ましく、より好ましくは40〜150重量部が適当である。
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。電荷輸送層に用いられる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。電荷輸送層に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から、30μm以下とすることが好ましく、25μm以下がより好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)により異なるが、5μm以上が好ましい。
<画像形成装置>
次に、図面を用いて本発明の電子写真方法、並びに、画像形成装置を詳しく説明する。
図2は、本発明の電子写真プロセス、及び画像形成装置を説明するための概略図であり、下記のような例も本発明の範疇に属するものである。
感光体(10)は図2中の矢印の方向に回転し、感光体(10)の周りには、帯電部材(11)、画像露光部材(12)、現像部材(13)、転写部材(16)、クリーニング部材(17)、除電部材(18)等が配置される。クリーニング部材(17)や除電部材(18)が省略されることもある。
画像形成装置の動作は基本的に以下のようになる。帯電部材(11)により、感光体(10)表面に対してほぼ均一に帯電が施される。続いて、画像露光部材(12)により、入力信号に対応した画像光書き込みが行われ、静電潜像が形成される。次に、現像部材(13)により、この静電潜像に現像が行われ、感光体表面にトナー像が形成される。形成されたトナー像は、搬送ローラ(14)により転写部位に送られた転写紙(15)に、転写部材により、トナー像が転写される。このトナー像は、図示しない定着装置により転写紙上に定着される。転写紙に転写されなかった一部のトナーは、クリーニング部材(17)によりクリーニングされる。ついで、感光体上に残存する電荷は、除電部材(18)により除電が行われ、次のサイクルに移行する。
図2に示すように、感光体(10)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。帯電部材(11)、転写部材(16)には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)のほか、ローラ状の帯電部材あるいはブラシ状の帯電部材等が用いられ、公知の手段がすべて使用可能である。
一方、画像露光部材(12)、除電部材(18)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。これらの中でも半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が主に用いられる。
所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
光源等は、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体(10)に光が照射される。但し、除電工程における感光体(10)への露光は、感光体(10)に与える疲労の影響が大きく、特に帯電低下や残留電位の上昇を引き起こす場合がある。
したがって、露光による除電ではなく、帯電工程やクリーニング工程において逆バイアスを印加することによっても除電することが可能な場合もあり、感光体の高耐久化の面から有効な場合がある。
電子写真感光体(10)に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
現像部材(13)により、感光体(10)上に現像されたトナーは、転写紙(15)に転写されるが、すべてが転写されるわけではなく、感光体(10)上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニング部材(17)により、感光体(10)から除去される。
このクリーニング部材は、クリーニングブレードあるいはクリーニングブラシ等公知のものが用いられる。また、両者が併用されることもある。
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。
<プロセスカートリッジ>
前記プロセスカートリッジとは、図3に示すように、感光体(10)を内蔵し、他に帯電部材(11)、画像露光部材(12)、現像部材(13)、転写部材(16)、クリーニング部材(17)、及び除電部材を含んだ1つの装置(部品)である。
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、部及び%は重量基準である。
<ラジカル重合性の官能基を有する無機フィラーの合成>
(合成例1)
・コロイダルアルミナ(アルミナゾル520 日産化学工業社製 平均粒子径10〜20nm 固形分濃度20%)
ラジカル重合性の官能基を有するシランカップリング剤(KBM−5103 信越化学工業社製)
KBM−5103 0.1gを水/メタノールの等量混合物10gに溶解させ、シランカップリング剤溶液とした。フラスコにアルミナゾル520を50g加え、シランカップリング溶液を徐々に滴下し、滴下終了後60分攪拌した。その後ろ過を行い、風乾し、ラジカル重合性の官能基を有する無機フィラーを得た。
これをF−1とする。
(合成例2)
・コロイダルシリカ(スノーテックス OXS 日産化学工業社製 平均粒子径4〜6nm 固形分濃度10%)
・ラジカル重合性の官能基を有するシランカップリング剤(KBM−5103 信越化学工業社製)
KBM−5103 0.1gを水/メタノールの等量混合物10gに溶解させ、シランカップリング剤溶液とした。フラスコにスノーテックス OXSを100g加え、シランカップリング溶液を徐々に滴下し、滴下終了後60分攪拌した。その後ろ過を行い、風乾し、ラジカル重合性の官能基を有する無機フィラーを得た。
これをF−2とする。
[実施例1]
(下引き層用塗工液)
酸化チタン 50部
(CR−EL、平均一次粒径:約0.25μm、石原産業社製)
アルキッド樹脂 14部
(ベッコライトM6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業社製
メラミン樹脂 8部
(L−145−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業株式会社製)
2−ブタノン: 70部
(電荷発生層塗工液)
市販のビーズミル分散機に直径0.5mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラールを溶解した2−ブタノン溶液及びチタニルフタロシアニン結晶を投入し、ローター回転数1200r.p.m.にて30分間分散を行ない、電荷発生層用塗工液を作製した。
チタニルフタロシアニン結晶 15部
ポリビニルブチラール(積水化学社製 BX−1) 10部
2−ブタノン 280部
(電荷輸送層塗工液)
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 10部
(パンライト TS2050、帝人化成社製
下記構造の電荷輸送物質 7部
Figure 0005874477
テトラヒドロフラン 68部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−1CS、信越化学工業製)
(硬化型保護層塗工液)
ラジカル重合性の官能基を有する無機フィラー(F−2) 65部
ラジカル重合性化合物 15部
(トリメチロールプロパントリアクリレート 官能基数:3官能 分子量/官能基:99
KAYARAD TMPTA、日本化薬社製)
第二の無機フィラー 20部
(アルミナフィラー NanoTek Powder Al 平均一次粒子径0.031μm、CIKナノテック社製)
重合開始剤 0.75部(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン:イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
テトラヒドロフラン 1007.5部
導電性支持体としての直径40mmのアルミニウムシリンダーに、上記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、約3.5μmの下引き層、約0.2umの電荷発生層、約23μmの電荷輸送層を形成し、積層感光体を作製した。
なお、各層の塗工後に指触乾燥を行なった後、下引き層は130℃、電荷発生層は95℃、電荷輸送層は120℃で各々20分乾燥を行ない、導電性支持体/下引き層/電荷発生層/電荷輸送層からなる電子写真感光体を作製した。
硬化型保護層は、硬化型保護層塗工液を前記導電性支持体/下引き層/電荷発生層/電荷輸送層からなる積層感光体上に塗布した後にUVランプ(バルブ種 Hバルブ)(FusionUVシステムズ社製)を用いて、ランプ出力200W/cm、照度:450mW/cm、照射時間:30秒の条件で光照射を行なうことで架橋させた。
この後、130℃で20分の乾燥を行なうことにより、導電性支持体/下引き層/電荷発生層/電荷輸送層/硬化型保護層からなる電子写真感光体を得た。なお、硬化型保護層の膜厚は約1.5μmとした。
[実施例2〜10、比較例1,2,4]
硬化型保護層を表1に記載の処方に代える他は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
なお、重合開始剤は各々ラジカル重合性化合物添加量に対し5%添加した。また、硬化型保護層塗工液の固形分濃度は10%となるようテトラヒドロフランで調整した。
Figure 0005874477
表1中の略号は以下の材料を表す。
<ラジカル重合性化合物>
TMPTA
(トリメチロールプロパントリアクリレートKAYARAD TMPTA、日本化薬社製)
分子量/官能基:99
PETTA
(ペンタエリスリトールテトラアクリレート M−450、東亞合成社製)
分子量/官能基:88
DPHA
(ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレート M−402 東亜合成社製)
分子量/官能基:96
<第二の無機フィラー>
アルミナ1
(NanoTek Powder Al 平均一次粒子径0.031μm、CIKナノテック社製)
チタニア1
(NanoTek Powder TiO 平均一次粒子径0.036μm、CIKナノテック社製)
シリカ
(NanoTek Powder SiO 平均一次粒子径0.025μm、CIKナノテック社製)
・アルミナ2
(アドバンストアルミナ AA03 平均一次粒子径0.3μm、住友化学工業社製)
・チタニア2
(CR−EL 平均一次粒子径0.25μm、石原産業株社製)
[比較例3]
硬化型保護層を下記のように作製する他は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
メチルシロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン単位20モル%からなるポリシロキサン樹脂(1%のシラノール基を含む)10部をトルエン8部に溶解し、これにメチルトリシロキサン12.0部とジブチル錫ジアセテート0.2部を更に添加して溶液を得た。
そして、この溶液10部に、トルエン20部、及び、4−[N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)アミノ]−[2−(トリエトキシシリル)エチル]ベンゼン4部を添加して保護層形成用塗工液を得た。
この塗工液を上記電荷輸送層上にスプレー塗布法により塗布し、110℃で10分乾燥した。
その後、170℃で2時間加熱処理して硬化し、膜厚約2.8μmの保護層を形成し、導電性支持体上に下引き層/電荷発生層/電荷輸送層/硬化型保護層からなる電子写真感光体を得た。
<実機試験>
上記電子写真感光体を使用し、リコー製imagio MP C5000改造機を用いて評価を行った。実施した評価は通紙試験後の膜摩耗量、感光体観察およびトナークリーニング性評価である。通紙試験およびトナークリーニング性評価は、プロセスカートリッジから潤滑剤および潤滑剤塗布機構を取り除いて実施した。
(通紙試験)
電子写真用プロセスカートリッジに電子写真感光体を装着し、リコー製imagio MP C5000改造機の黒色を用いて、画像面積率5%チャートにて10万枚の実機通紙試験(A4、NBSリコー製 MyPaper)を実施した。
(摩耗量測定)
通紙終了後に電子写真感光体を取り出し、通紙試験前後の電子写真感光体の膜厚の差から、摩耗量を測定した。膜厚測定は、渦電流式膜厚計 フィッシャースコープMMS(フィッシャー社製)を用いた。
(トナークリーニング性評価)
電子写真感光体をimagio MP C5000の黒色プロセスカートリッジに装着し、画像面積率5%チャートにて100枚の通紙を行った。通紙後にベタチャートを出力し、X−Rite938(エックスライト社製)にて測定した画像濃度(ID Image Density)が約1.4になるよう濃度の調整を行った。その後クリーニングブレードの下流にポリエチレン繊維で作製したトナーキャッチャー(東洋紡績製ダイニーマND−200)を装着し、クリーニング部をすり抜けたトナーをキャッチする機構を設けた。
続いてベタ画像を10枚出力し、トナーキャッチャーにキャッチされたトナーを、クリーニング部をすり抜けたトナーとし、このトナー量を定量化しクリーニング性の評価を行った。
クリーニング部をすり抜けたトナー量は以下の画像処理にて定量化した。トナーキャッチャーをスキャナー(EPSON ES−8500)を用い、24bit カラー 600dpiの条件で取り込んだ。取り込んだ画像をLMeye(レーザーテック社製)にて画像処理を行い、トナーの輝度データおよびトナーキャッチャー中のトナー面積を算出した。これらのデータからトナーキャッチャー中のトナー量を、トナーすり抜け量として定量化した。この値が小さいほどトナークリーニング性は良好である。
(電子写真感光体の耐汚染性評価)
通紙試験後の電子写真感光体を観察し、耐汚染性の評価を行った。
観察はコンフォーカル顕微鏡OPTELICS H1200(レーザーテック社製)を用い、以下の条件にて観察を行った。
・測定モード : MAX Peak
・レンズ倍率 : 対物5倍
・カラー : MIX
上記観察結果から、電子写真感光体の耐汚染性をランク評価した。ランク3以上は実使用上問題のないレベルである。
5:汚染なし
4:わずかに汚染あり
3:若干の汚染あり
2:汚染が広範囲に広がっている
1:全面的に汚染されている
上記試験の結果を表2に示す。実施例9、比較例4における通紙試験後の電子写真感光体観察結果を図4,5に示す。
Figure 0005874477
*比較例3では保護層上にキャリア痕が多数見られ、画像上にキャリア痕に対応した白抜けが発生。
上記結果から、本発明により、機械的耐久性に優れ、長期間使用しても表面汚染が少なく、高画質を安定に出力可能な電子写真感光体、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することができる。
31 導電性支持体
32 電荷発生層
33 電荷輸送層
34 硬化型保護層
10 感光体
11 帯電部材
12 画像露光部材
13 現像部材
14 搬送ローラ
15 転写紙
16 転写部材
17 クリーニング部材
18 除電部材
特開2001−125286号公報 特開2001−324857号公報 特開2003−098708号公報 特開2002−139859号公報 特開平5−181299号公報 特開2002−006526号公報 特開2002−082465号公報 特開2000−284514号公報 特開2000−284515号公報 特開2001−194813号公報 特許第3194392号公報 特開2004−302451号公報 特開2005−099688号公報 特開2007−178815号公報 特開2008−139824号公報 特開2008−233893号公報 特開2007−086734号公報 特開2008−176054号公報 特開2003−207938号公報 特開2010−224529号公報

Claims (5)

  1. 導電性支持体上に、感光層、硬化型保護層を有する電子写真感光体であって、
    該硬化型保護層は、少なくともラジカル重合性の官能基を有する第1の無機フィラーとラジカル重合性化合物との硬化生成物、及び、ラジカル重合性の官能基を有さない第2の無機フィラーを有するものであり、前記該電子写真感光体のユニバーサル硬度が300N/mm以上であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記第2の無機フィラーは、平均一次粒子径が10nm以上100nm以下であり、硬化型保護層中で凝集していることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記硬化型保護層は、前記第2の無機フィラーを10wt%以上40wt%以下含有するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体を具備してなる画像形成装置であって、該電子写真感光体が請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 電子写真感光体と帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及びクリーニング手段から選ばれる少なくとも1つの手段が1体となった画像形成装置用プロセスカートリッジにであって、該電子写真感光体が請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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