JP6175823B2 - 電子写真感光体、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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本発明は、電子写真感光体、並びに該電子写真感光体を用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
近年、オフィスの省スペース化、ビジネスオポチュニティの拡大等の観点から、画像形成装置に対して、高速化、小型化、カラー化、特に高画質化、易メンテナンス性などが望まれている。これらは、電子写真感光体の電気特性の向上、耐久性の向上等が関係しており、解決すべき問題として位置付けられている。
電子写真感光体における上記問題を解決するために、長期間使用時における電子写真感光体由来の画像欠陥を低減することが試みられており、電子写真感光体の長寿命化に関する開発が数多く報告されている。電子写真感光体の長寿命化を達成するためには、画像形成時に電子写真感光体が受ける種々のハザードに対する耐久性を向上させる必要がある。ここで、ハザードとは、機械的ハザード及び化学的ハザードの二種類に大別される。
前記機械的ハザードの一例として、電子写真感光体上に残留するトナーを除去するためのクリーニング手段に由来するハザードが知られている。クリーニング手段は、感光体上にクリーニングブレード等の弾性部材を当接させることにより、強制的に電子写真感光体上からトナーを除去する手段であり、省スペースで大きなトナー除去能力を有する。そのため、画像形成装置の小型化には有効な手段として知られているが、このようなクリーニング方式では、電子写真感光体に直接クリーニングブレード等の弾性部材を当接して摺擦させているため、電子写真感光体への機械的ストレスが非常に大きく、電子写真感光体の最表面が摩耗しやすいという問題がある。そこで、高硬度保護層を積層することにより電子写真感光体の摩耗を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
前記化学的ハザードの一例として、電子写真感光体の表面を帯電して電荷を付与する際に生じる酸性ガス、アルカリ性ガス等によるハザードなどが知られている。帯電器近傍では、オゾン、窒素酸化物等の酸性ガスが発生するため(例えば、非特許文献1参照)、これらの酸性ガスに電子写真感光体が曝されると、電子写真感光体中に含有される正孔輸送性材料、電子輸送性材料等の電荷輸送性材料が酸性ガスにより劣化して(例えば、非特許文献2参照)、電子写真感光体の特性が低下する。短寿命の電子写真感光体を用いる場合には、酸性ガスによる劣化が電子写真感光体の最表層のみとなることが多く、劣化成分も少量に留まるが、長寿命の電子写真感光体を用いる場合には、酸性ガスによる劣化が電子写真感光体内部まで至ることがあり、結果として画像濃度の低下や地汚れが発生し、長期間使用時では高画質な画像出力を維持できないという問題がある。
前記化学的ハザードの問題を解決するために、電荷輸送層や表面層に酸化防止剤を添加し、酸性ガスによる電荷輸送性材料の劣化を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献6参照)。また、電荷輸送層や表面層の内部に酸性ガスが浸透することを抑制するために、これらの層のガス透過性を低減する技術が提案されている(例えば、特許文献7、8参照)。また、帯電工程の際に放電生成物(酸性ガス)の発生を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献9、10参照)。
しかし、これらの提案の技術を用いても、電子写真感光体内部には酸化劣化している成分を比較的多量に有しているため、本質的な改善とはならず、長期間使用すると高品質な画像出力を維持できないという問題がある。
前記化学的ハザードの別の例として、電子写真感光体に静電ストレスが負荷されて生じる静電ハザードなどが知られている。前記静電ハザードは、通常の画像形成工程において露光により電子写真感光体表面に有する電荷を除去する際、電子写真感光体の各層(例えば、表面層、電荷発生層、電荷輸送層、中間層等)を電荷が通過することにより、電子写真感光体に静電ストレスが負荷されて生じるハザードである。現在、広く普及されている電子写真感光体は、有機材料からなるものが大部分を占めている。このような有機材料からなる電子写真感光体を用いて繰返し帯電及び除電を行うと、静電ハザードにより前記有機材料が徐々に変質し、層中に電荷トラップが発生したり、帯電性及び光減衰性が変化して電子写真感光体の電気的特性が低下するという問題がある。
前記化学的ハザードの問題を解決するために、表面層中に無機微粒子を分散させ、電界強度によって膜抵抗を変動させる技術が提案されている(例えば、特許文献11参照)。この提案の技術では、1×10V/cmの比較的高電界において抵抗値を1014Ω・cm以上に維持し、2×10V/cmの高電界において表面層が低抵抗化することにより、良好な電荷輸送性と鮮明な画像を得ることができることが提案されている。
しかし、1×10V/cmにおける抵抗値を1014Ω・cm以上では十分な電荷輸送性を得ることができず、電子写真感光体の残留電位が高くなるという不具合がある。加えて、この提案に記載の無機微粒子含有量(10質量%〜40質量%)において、上記抵抗値を得るためには、比較的高抵抗の無機微粒子を使用する必要があるが、無機微粒子のバルク伝導性が不足し、これにより制限電流の伝導が支配的となり、長期間画像形成を行うと電子写真感光体の残留電位上昇が顕著となり、電気的特性が低下するという問題がある。
また、画像形成装置における高画質が望まれており、そのために、電子写真感光体の長期間使用における画像安定性が重要となる。これらの画像安定性を達成されるために、トナー転写性の改善、クリーニング性の向上が望まれている。画像安定性向上のための技術として、電子写真感光体の表面層中にフッ素微粒子を含有させる技術が提案されている(例えば、特許文献12、13参照)。しかし単純にフッ素微粒子を表面に含有させるだけでは、長時間使用時の耐久性を含めた画質安定性が十分でないと言う問題も明確となっている。
したがって、長期間使用しても、電気的特性に優れ、かつ高画質な画像出力を維持できる耐久性に優れた電子写真感光体、並びに該電子写真感光体を用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジの開発が強く求められているのが現状である。
上述したとおり、電子写真感光体の長寿命化を達成するためには、前記機械的ハザード及び前記化学的ハザードに対して、電子写真感光体の耐久性を付与する必要がある。
本発明者らは、これらのハザードの中でも、特に化学的ハザードを解決することに着目し、電子写真感光体の表面層に含有される電荷輸送材料の量を極力低減することにより、劣化する電荷輸送性材料の量を低減し、化学的ハザードによる問題を根本的に解決することを試みた。
前記問題を解決する前提として、電子写真感光体の表面層における電荷輸送性材料の含有量を低減しつつ、電子写真感光体に必要とされる帯電性、電荷輸送性、潜像維持性等の性能を維持することが難しいという問題がある。前記帯電性に関しては、前記表面層の下層に設けた感光層に電荷輸送性材料を含有させることで維持できるが、前記電荷輸送性及び前記潜像維持性に関しては、共に前記表面層において必要とされる性能であるため、前記表面層における電荷輸送性材料の含有量を低減すると、前記電荷輸送性及び前記潜像維持性を維持できない。そのため、電子写真感光体の表面層における電荷輸送性材料の含有量を低減しつつ、電荷輸送性及び潜像維持性を維持できる技術の開発が急務である。
静電的劣化が少ない場合であっても、長期間に亘って電子写真感光体を使用する際には、電子写真作像プロセス内で電子写真感光体に負荷される機械的ハザードによる摩耗を低減すること、感光体表面の汚染を防止することが重要となる。汚染は、紙粉やトナー外添剤が感光体に付着する(刺さる)ことにより発生する。表面汚染が発生した部分は正しく帯電や露光が行われず、異常画像を発生することがある。機械的耐久性に劣る感光体であれば、最表面が摩耗して逐次新表面が現れるため、異常画像の発生を抑制することができるが、長寿命化の達成は困難である。
したがって、有機感光体の長寿命化のために表面汚染を防止することは、非常に重要である。摩耗を低減するには表面層の機械的耐久性を向上させることが有効であるが、それは表面汚染の危険を孕むものである。
前記電子写真感光体における表面層の機械的耐久性を向上させる方法としては、例えば、特許文献14等に開示されており、導電性支持体上に少なくとも感光層、及びフィラーを含有する保護層を順次形成してなる電子写真感光体が提案されている。
また、前記電子写真感光体の表面層の硬度を上げて機械的耐久性を向上する方法としては、例えば、特許文献15及び特許文献16等に開示されている。これらの文献では、帯電器として磁気ブラシ型を適用した場合、感光体上に不随意に磁性粒子の転写が生じ、その粒子が転写部やクリーニング部で感光体に強く押しつけられることで感光体に傷が付くため、これを防ぐために、感光体保護層の硬度を上げることが提案されている。
このように、前記電子写真感光体表面における機械的耐久性を向上させることは、感光体摩耗の低減に有効であるが、表面汚染に関しては必ずしも有効ではない。前記電子写真感光体における前記機械的耐久性を向上させても、長期間使用していると、感光体を汚染する付着物が蓄積してしまう。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、電子写真感光体の表面層における電荷輸送性材料が少量であっても、電荷輸送性及び潜像維持性を両立することができ、長期間使用しても、電気的特性に優れ、かつ高画質な画像出力を維持することができる耐久性に優れた電子写真感光体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下のとおりである。即ち、
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面層をこの順に有する電子写真感光体であって、前記表面層が、電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子とを少なくとも含有し、前記無機微粒子が、第13族元素をドープした酸化亜鉛であり、前記表面層における電界強度が1×10V/cmであるときの表面固有抵抗率Rが、1×1013Ω/cm以上であり、前記表面固有抵抗率Rと、前記表面層における電界強度が1.5×10V/cmであるときの表面固有抵抗率R15との比(R/R15)が、100〜5,000である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、電子写真感光体の表面層における電荷輸送性材料が少量であっても、電荷輸送性及び潜像維持性を両立することができ、長期間使用しても、電気的特性に優れ、かつ高画質な画像出力を維持することができる耐久性に優れた電子写真感光体を提供することができる。
図1は、本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す概略図である。 図3は、本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す概略図である。 図4は、本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す概略図である。 図5は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 図6は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
(電子写真感光体)
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面層をこの順に有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
<表面層>
前記表面層は、電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子とを少なくとも含有してなり、好ましくはフッ素系樹脂微粒子を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明者らは、前記目的を達成すべく、鋭意検討を行った結果、電子写真感光体が有する表面層に、酸性ガス、アルカリ性ガス等の酸化還元に対して堅牢である材料として、電荷輸送性を有しない樹脂及び第13族元素をドープした酸化亜鉛を用いた上で、電子写真感光体の駆動時よりも低い電界強度を有するときには、前記表面層における抵抗値が高くなり、電子写真感光体の駆動時と同程度の電界強度を有するときには、前記表面層における抵抗値が低くなる表面層とすることにより、電子写真感光体の表面層における電荷輸送性材料が少量であっても、電荷輸送性及び潜像維持性を両立することができ、長期間使用しても、電気的特性に優れ、かつ高画質な画像出力を維持することができる耐久性に優れた電子写真感光体となることを知見し、本発明の完成に至った。
前記表面層は、本発明で規定する表面固有抵抗率及び表面固有抵抗率の比(電界強度が1×10V/cmであるときの表面固有抵抗率Rが、1×1013Ω/cm以上であり、前記表面固有抵抗率Rと、前記表面層における電界強度が1.5×10V/cmであるときの表面固有抵抗率R15との比(R/R15)が、100〜5,000)を有している。
<<表面固有抵抗率>>
前記表面層の電荷輸送材料を極力低減した場合であっても、優れた電子写真感光体特性を有させるためには、一般の電子写真感光体と同様に、帯電性、電荷輸送性、潜像維持性を持たせることが重要である。この帯電性に関しては、感光層に代替機能として持たせることが可能であるため、特に、前記表面層に必要とされる機能としては、電荷輸送性、潜像維持性などが重要な要件と考えられる。本発明者は、前記表面層の電荷輸送性材料を極力低減した場合であっても、これらの機能を十分に有する電子写真感光体とするために、電子写真感光体の駆動時よりも低い電界強度(1×10V/cm〜3×10V/cm)のときには感光体の表面層が高い抵抗値を示し、電子写真感光体の駆動時と同程度の電界強度(1.5×10V/cm)の時には感光体の表面層が低い抵抗値を示すことが重要であることを突き止めた。
−表面固有抵抗率R
前記表面固有抵抗率Rは、前記表面層における電界強度が1×10V/cmであるときの表面固有抵抗率である。
前記表面固有抵抗率Rとしては、1×1013Ω/cm以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、優れた潜像維持性を有する点で、1×1014Ω/cm以上が好ましい。前記表面固有抵抗率Rが、1×1013Ω/cm未満であると、潜像維持性が十分ではなく、出力画像のドットの細りや画像ボケが発生することがある。また、前記表面層においては、潜像維持に対して寄与の大きな電界が前記電界強度近傍であることに由来すると考えられ、この電界強度範囲において比較的高抵抗とすることによって、電荷の移動を阻害し潜像維持性が高くすることが可能となる。
−表面固有抵抗率R
前記表面固有抵抗率Rは、前記表面層における電界強度が3×10V/cmであるときの表面固有抵抗率である。
前記表面固有抵抗率Rとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、優れた潜像維持性を有する点で、1×1014Ω/cm以上が好ましい。前記表面層においては、潜像維持に対して寄与の大きな電界が前記電界強度近傍であることに由来すると考えられ、この電界強度範囲において比較的高抵抗とすることによって、電荷の移動を阻害し潜像維持性が高くすることが可能となる。
−表面固有抵抗率R15
前記表面固有抵抗率R15は、前記表面層における電界強度が1.5×10V/cmであるときの表面固有抵抗率である。
前記表面固有抵抗率R15としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、駆動時の電子写真の露光部電位低減の点で、1×10Ω/cm〜1×1011Ω/cmが好ましい。
−表面固有抵抗率Rと表面固有抵抗率Rとの比−
前記表面固有抵抗率Rと前記表面固有抵抗率Rとの比(R/R)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、抵抗変動を小さくすることができる点で、0.1〜10が好ましく、0.1〜2がより好ましい。前記比(R/R)が、0.1未満であると、電荷輸送性が低下し、残留電位の上昇などが発生することがあり、10を超えると、潜像維持性が十分とはならず、出力画像のドットの細りが発生することがある。
−表面固有抵抗率Rと表面固有抵抗率R15との比−
前記表面固有抵抗率Rと前記表面固有抵抗率R15との比(R/R15)としては、100〜5,000であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100〜1,000が好ましい。前記比(R/R15)が、100未満であると、表面層の電荷輸送性が十分ではなく、残留電位上昇に伴う画像欠陥の発生などが生じることがあり、5,000を超えると、電子写真感光体の帯電性が不足し、地汚れの発生、階調性低下などの懸念が生じることがある。前記表面固有抵抗率Rと比較して前記表面固有抵抗率R15を十分小さくすることにより、優れた電荷輸送性を示すことが本発明により明らかとなった。本発明の表面層においては、電荷輸送機能に対して寄与の大きな電界強度が1.5×10V/cm以上の範囲であることがわかり、この電界強度範囲において比較的高抵抗である表面層とすることによりスムーズな電荷輸送を促すことができる。
−表面固有抵抗率の測定方法−
前記表面固有抵抗率の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、JIS−C2139:2008(固体電気絶縁材料−体積抵抗率及び表面抵抗率の測定方法)などに準拠して測定する方法などが挙げられる。一般に電子写真感光体はシリンダー形状を示すものが多く、JIS−C2139:2008に記載の方法で測定が困難な場合は、下記に示す方法を用いてもよい。
電圧印加時の試料通過電流を測定する際に用いる電流−電圧計としては、本発明に記載の電界強度(1×10V/cm)の測定ができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、微少電流計(Keithley社製、ソースメジャーユニット タイプ2410)により測定する方法、などが挙げられる。
前記表面固有抵抗率の測定に用いる電極の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電子写真感光体の構成成分の変質が生じにくい点で、真空蒸着法が好ましい。
前記電極を構成する金属としては、電子写真感光体表面に電極を形成することができる金属であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、プラチナ、クロム、亜鉛、炭素などが挙げられ、対抗電極としては、前記電極と互いに同種の金属により構成されることが好ましい。
前記電極の形状としては、特に制限はなく、測定に使用する直流電圧源の容量及び電流計の精度に基づき決定することができ、例えば、既知の長さ(10mm〜30mm)を有し、かつ既知の電極間隙(25μm〜100μm)を有する電極などが挙げられる。
電界印加電源としては、十分安定な直流電圧源であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
電圧印加極性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、負帯電用電子写真感光体を評価する場合は負電圧印加とし、正帯電用電子写真感光体を評価する場合は正電圧印加とすることが好ましい。
電圧印加時の試料通過電流の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60秒間以上の測定を実施し、60秒間後の電流値から表面抵抗率を算出することが好ましい。
前記表面固有抵抗率Rを測定する際、前記表面層における電界強度を1×10V/cmに設定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、被験サンプル上に作製した電極間の間隙にあわせて印加するバイアスを設定し、電界強度を1×10V/cmに設定する方法などが挙げられる。
前記表面固有抵抗率Rを測定する際の前記電子写真感光体の表面層の位置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
なお、前記表面固有抵抗率Rは、前記表面層のどの位置を測定しても同等の数値を示し、例えば、電子写真感光体の表面層における上端部から70mm、170mm、及び270mmの三箇所の位置で測定した値の平均値を用いてもよい。
前記表面固有抵抗率Rを測定する際、前記表面層における電界強度を3×10V/cmに設定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、被験サンプル上に作製した電極間の間隙にあわせて印加するバイアスを設定し、電界強度を3×10V/cmに設定する方法などが挙げられる。
前記表面固有抵抗率Rを測定する際の前記電子写真感光体の表面層の位置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
なお、前記表面固有抵抗率Rは、前記表面層のどの位置を測定しても同等の数値を示し、例えば、電子写真感光体の表面層における上端部から70mm、170mm、及び270mmの三箇所の位置で測定した値の平均値を用いてもよい。
前記表面固有抵抗率R15を測定する際、前記表面層における電界強度を1.5×10V/cmに設定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、被験サンプル上に作製した電極間の間隙にあわせて印加するバイアスを設定し、電界強度を1.5×10V/cmに設定する方法などが挙げられる。
前記表面固有抵抗率R15を測定する際の前記電子写真感光体の表面層の位置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
なお、前記表面固有抵抗率R15は、前記表面層のどの位置を測定しても同等の数値を示し、例えば、電子写真感光体の表面層における上端部から70mm、170mm、及び270mmの三箇所の位置で測定した値の平均値を用いてもよい。
<<その他の物性>>
前記その他の物性としては、例えば、ユニバーサル硬度と弾性仕事率などが挙げられる。
−ユニバーサル硬度−
前記電子写真感光体の機械的耐久性や耐汚染性は、表面のごく狭い領域での物性に左右される。そのため、前記ユニバーサル硬度は、前記電子写真感光体の表面層における機械的耐久性や耐汚染性の指標となる。
前記ユニバーサル硬度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、200N/mm以上が好ましく、250N/mm以上がより好ましい。前記ユニバーサル硬度が、200N/mm以上であると、トナー等に含有されるシリカ微粒子が表面層に刺さりにくくなり、耐汚染性及び機械的耐久性が飛躍的に向上する。なお、前記ユニバーサル硬度の上限値としては、特に規定はないが、表面層と下層との接着性を考慮すると、500N/mm以下が好ましい。
前記ユニバーサル硬度は、最大試験荷重Fで圧子を試料に接触させた際に生成した圧子と測定対象物との接触表面積をAとしたとき、F/Aと定義されるものであり、超微小硬度計により測定することができる。前記接触表面積Aは、押し込み深さhを基に算出する。前記圧子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、四角錐形のビッカース圧子、三角錐形のベルコビッチ(バーコビッチ)圧子などが挙げられる。前記超微小硬度計としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィッシャースコープ H−100(フィッシャー・インストルメンツ社製)などを用いることができる。
前記ユニバーサル硬度の測定は、例えば、電子写真感光体の状態で下記条件において5回測定することにより行い、それらの平均値を電子写真感光体のユニバーサル硬度とすることができる。
〔条件〕
装置:フィッシャースコープ H−100(フィッシャー・インストルメンツ社製)
ソフト:WIN−HCU(フィッシャー・インストルメンツ社製)
最大試験荷重:1mN
荷重アプリケーション時間:30秒間
荷重の増加:1mN/30秒間
最大試験荷重でのクリープ:5秒間
荷重の減少:荷重の増加と同条件
徐荷後のクリープ:5秒間
圧子:マイクロピッカーズ(フィッシャー・インストルメンツ社製)
−弾性仕事率−
前記弾性仕事率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50%以上が好ましく、55%以上がより好ましい。前記弾性仕事率の測定は、例えば、前記ユニバーサル硬度と同様の方法により測定することができる。前記弾性仕事率は、下記式1を用いて算出することができる。
弾性仕事率(%)=100×(最大仕事率−塑性仕事率)/最大仕事率 ・・・式1
前記電子写真感光体の表面層における、前記ユニバーサル硬度が200N/mm以上、好ましくは250N/mm以上であって、前記弾性仕事率が50%以上、好ましくは55%以上である場合、電子写真感光体の耐汚染性、及び機械的耐久性共に向上する。
<<電荷輸送性を有しない樹脂>>
電荷輸送性を有さないとは、正孔輸送性構造と電子輸送性構造を有さないことをいう。 前記正孔輸送性構造としては、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどがもつ構造が挙げられ、前記電子輸送性構造としては、例えば、縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基、ニトロ基等の電子吸引性芳香族環が挙げられる。
前記電荷輸送性を有しない樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電荷輸送性構造を有しない樹脂などが挙げられる。
前記電荷輸送性構造を有しない樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などが挙げられ、具体的には、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、フェノキシ樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、表面層における電荷輸送性及び潜像維持性に優れる点で、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が好ましい。ラジカル重合性官能基を有する化合物を光照射して架橋することにより得られる架橋構造を有する樹脂としては、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂が好ましく、前記架橋構造を有するアクリル樹脂がより好ましい。
−アクリル樹脂−
前記アクリル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレートなどが挙げられる。
前記アクリル樹脂としては、特に制限はなく、市販品を使用してもよく、適宜合成したものを使用してもよい。前記合成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知のアクリル重合性化合物と公知のラジカル重合開始剤とを混合し、加熱、光照射等のエネルギーを付与して架橋することにより合成する方法が好ましい。
前記アクリル重合性化合物における重合性官能基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、架橋反応性の点で、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基などが好ましい。
前記アクリル重合性化合物の重合性官能基数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、表面層強度及び製膜性の点で、2個以上が好ましい。
前記アクリル重合性化合物の重合性官能基数が2個である化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。
前記アクリル重合性化合物の重合性官能基数が3個以上である化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以後EO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性(以後PO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(ECH変性)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アクリル重合性化合物と組み合わせて使用するラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、過酸化物系開始剤、アゾ系開始剤等の熱重合開始剤;アセトフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物等の光重合開始剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、光重合開始剤が好ましい。
前記ラジカル重合開始剤は単独で使用してもよく、光重合促進剤と併用してもよい。前記光重合促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記ラジカル重合開始剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アクリル重合性化合物100質量部に対し、0.5質量部〜40質量部が好ましく、1質量部〜20質量部がより好ましい。
−−フェノール樹脂−−
前記フェノール樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ノボラック樹脂、レゾール樹脂などが挙げられる。これらの中でも、潜像維持性に優れ、酸触媒等の開始剤を必須とするノボラック樹脂と比較して前記開始剤を用いることなく架橋反応させることができる点で、レゾール樹脂が好ましい。
前記フェノール樹脂としては、特に制限はなく、市販品を使用してもよく、適宜合成したものを使用してもよい。前記合成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、メチロール基を単位構造中に1個乃至複数個有するフェノール誘導体を加熱して架橋することにより合成する方法が好ましい。
前記メチロール基を単位構造中に1個乃至複数個有するフェノール誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、表面層強度及び製膜性に優れる点で、メチロール基を単位構造中に2個以上含有するフェノール誘導体が好ましい。
前記メチロール基を単位構造中に2個以上含有するフェノール誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール類モノマーのジメチロール化合物、フェノール類モノマーのトリメチロール化合物、フェノール類ダイマー等の高分子体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記フェノール類モノマーのジメチロール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,6−ジヒドロキシメチル−4−メチルフェノール、2,4−ジヒドロキシメチル−6−メチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−3,4−ジメチルフェノール、4,6−ジヒドロキシメチル−2,3−ジメチルフェノール、4−t−ブチル−2,6−ジヒドロキシメチルフェノール、4−シクロヘキシル−2,6−ジヒドロキシメチルフェノール、2−シクロヘキシル−4,6−ジヒドロキシメチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−エチルフェノール、4,6−ジヒドロキシメチル−2−エチルフェノール、4,6−ジヒドロキシメチル−2−イソプロピルフェノール、6−シクロヘキシル−2,4−ジヒドロキシメチル−3−メチルフェノールなどが挙げられる。
前記フェノール類モノマーのトリメチロール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,4,6−トリヒドロキシメチルフェノールなどが挙げられる。
−−ウレタン樹脂−−
前記ウレタン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エステル系ウレタン樹脂、エーテル系ウレタン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ウレタン樹脂としては、特に制限はなく、市販品を使用してもよく、適宜合成したものを使用してもよい。前記合成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知のポリオール化合物と公知のイソシアネート化合物とを混合し、加熱、光照射等のエネルギーを付与して架橋することにより合成する方法が好ましい。
前記ポリオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、表面強度及び製膜性に優れる点で、2官能以上のポリオール化合物が好ましい。
前記2官能以上のポリオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキレングリコール、アルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等のジオール化合物;多価脂肪族アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等)、3価以上のフェノール類(例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)、3価以上のフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等の3価以上のポリオール化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記イソシアネート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、表面層強度及び製膜性に優れる点で、2官能以上のイソシアネート化合物が好ましい。
前記2官能以上のイソシアネート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、HDIイソシアネート体、HDIビウレット体、XDIトリメチロールプロパンアダクト体、IPDIトリメチロールプロパンアダクト体、IPDIイソシアヌレート体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記イソシアネート化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ポリオール化合物100質量部に対し、0.5質量部〜40質量部が好ましく、1質量部〜20質量部がより好ましく、OH価及びNCO価に基づき適量を配合することが好ましい。
−−エポキシ樹脂−−
前記エポキシ樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記エポキシ樹脂としては、特に制限はなく、市販品を使用してもよく、適宜合成したものを使用してもよい。前記合成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1分子中に2個以上のエポキシ環を有するエポキシ環含有化合物と硬化剤とを混合し、加熱、光照射等のエネルギーを付与して架橋することにより合成する方法が好ましい。
前記エポキシ環含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記硬化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱酸発生剤、光酸発生剤などが挙げられ、具体的には、脂肪族アミン化合物、脂環族アミン化合物、芳香族アミン化合物、変性アミン化合物、ポリアミドアミン、イミダゾール、ポリメルカプタン、酸無水物などが挙げられる。
前記硬化剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記エポキシ環含有化合物100質量部に対し、0.5質量部〜20質量部が好ましく、1質量部〜10質量部がより好ましい。
−−シリコーン樹脂−−
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ビニルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フロロアルキル変性シリコーンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、市販品を使用してもよく、適宜合成したものを使用してもよい。前記合成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、珪素原子に1つ以上の加水分解性基を有する反応性シリコーン化合物を単独又は縮合触媒と混合し、加熱等のエネルギーを付与して架橋することにより合成する方法が好ましい。
前記反応性シリコーン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面層強度に優れる点で、珪素原子に2つ以上の加水分解性基が結合している構造を有する反応性シリコーン化合物が好ましい。前記加水分解性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、プロペノキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基などが挙げられる。
前記縮合触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、縮合反応に接触的に作用する触媒、縮合反応の反応平衡を生成系に移動させる働きをする触媒などが挙げられ、具体的には、有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸、チオシアン酸等のアルカリ金属塩;水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムアセテート等の有機アミン塩;スタンナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート等のスズ有機酸塩などが挙げられる。
前記縮合触媒の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記反応性シリコーン化合物100質量部に対して、0.5質量部〜20質量部が好ましく、1質量部〜10質量部がより好ましい。
<<無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)>>
本発明において、表面層中の電荷輸送性材料含有量を低減した場合であっても、電子写真感光体の表面層に無機微粒子を分散させることにより、所望の表面抵抗率を制御し、電荷輸送性及び潜像維持性を有する電子写真感光体を得ることができることを突き止めた。
また、前記第13族元素をドープした酸化亜鉛を用いることにより、表面層の表面抵抗率を制御することができ、比較的導電性が高く、大気中で長期に亘って安定した電気特性を維持することができ、経時安定性に優れた表面層を形成することができる。
前記無機微粒子としては、第13族元素をドープした酸化亜鉛であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガリウム元素をドープした酸化亜鉛、ホウ素元素をドープした酸化亜鉛、アルミニウム元素をドープした酸化亜鉛、インジウム元素をドープした酸化亜鉛などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、電荷輸送性及び潜像維持性に優れ、表面層の電気的特性を維持できる点で、ガリウム元素をドープした酸化亜鉛が好ましい。
前記酸化亜鉛に前記第13族元素をドープする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、「バルク母体である酸化亜鉛」又は「焼成することにより酸化亜鉛となる前駆体」と「ドープ金属」とを固体状態で混合して混合物を調製し、この混合物を高温雰囲気で焼成することにより形成する焼成法などが挙げられる。
ここで、ドープするとは、前記第13族元素を制御された濃度だけ前記酸化亜鉛に添加することをいう。
前記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)において、前記第13族元素がドープされていることを確認する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、X線光電子分光法(XPS)、オージェ分光分析法(AES)、エネルギー分散型X線分光法(EDX)等の一般に知られる元素分析方法により確認する方法などが挙げられる。
前記第13族元素の前記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、酸化亜鉛1モルに対して、元素換算で、0.001モル〜0.2モルが好ましく、0.01モル〜0.1モルがより好ましく、0.02モル〜0.1モルが特に好ましい。前記含有量が、0.001モル未満であると、酸化亜鉛の電気特性安定性が低下することがある。また、前記含有量が、0.2モルを超えると、電気特性安定性や微粒子導電性向上効果が飽和することが多く、効果的な位置に拡散されない過剰の添加元素が粒界に化合物となって析出しやすくなるため、各種電子写真感光体特性が低下することがある。
前記第13族元素の前記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)における含有量の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、X線光電子分光法(XPS)、オージェ分光分析法(AES)、エネルギー分散型X線分光法(EDX)等の一般に知られる元素分析方法により測定する方法などが挙げられる。
前記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)の平均一次粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、表面層の光透過率及び耐摩耗性に優れる点で、10nm〜50nmが好ましい。前記平均一次粒径が、10nm未満であると、無機微粒子の凝集が生じやすく、本発明に記載した表面抵抗率の制御が安定して行うことができないなどの不具合を生じやすくなることがある。前記平均一次粒径が、50nmを超えると、前記表面層における電荷輸送機能が不均質となりやすく、所望の潜像形成が困難となることがある。また、前記表面層の表面粗さが大きくなり、後述するブレードクリーニング部材の摩耗が速やかに進行するため、早期にトナークリーニング不良などが発生することがある。また、前記無機微粒子の比重にもよるが、分散液中において前記無機微粒子の沈降性が促進されるなどの塗工液寿命に関わる問題を生じることがある。
使用する無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)として、無機微粒子表面に焼結防止効果を有する焼結防止成分を含有することがより好ましい。焼結防止成分を含有することにより、粒子製造時に極端な粒子成長の抑制が可能となり、一次粒子径のばらつきのすくない無機微粒子とすることができると共に、比較的高温での焼成が可能であることから、無機微粒子中におけるドーパント元素の拡散を容易均しめることができるとい特徴を有する。加えて焼結防止剤として無機微粒子の主構成元素よりも焼結温度が高いものを選択することにより、無機微粒子焼成時に無機微粒子同士の合一・凝集が生じにくくなり、本発明の用途に類するような液中分散液を使用して塗膜形成をする用途に適用する際には、無機微粒子の分散が良好な塗膜を得やすいという特徴を有する。
前記焼結防止成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、Si、Zr、Mg、Hf、Sn、Sr、Mo、W、Ge、Nb、V、Ca、Ta、及びBaから選択される少なくとも1種の元素の化合物であることが好ましく、焼結温度が酸化亜鉛よりも高い焼結防止剤としてはシリカであることがより好ましい。
前記焼結防止成分の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)に対して、0.5質量%〜20質量%が好ましい。
このような特徴を有する無機微粒子(第13属元素をドープした酸化亜鉛)を本発明に適用した場合に、比較的高い透明性を有する塗膜とすることが可能であると共に、高い電気的安定性を有する酸化亜鉛とすることができ、本発明の電子写真感光体の特徴の一つである静電安定性を更に高くする効果がある。
前記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)における前記焼結防止成分の含有量の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、X線光電子分光法(XPS)、オージェ分光分析法(AES)、エネルギー分散型X線分光法(EDX)等の一般に知られる元素分析方法により測定する方法などが挙げられる。
−無機微粒子の体積抵抗率−
前記無機微粒子の体積抵抗率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10Ω・cm以上10Ω・cm以下が好ましい。前記体積抵抗率が、10Ω・cm未満である無機微粒子を用いた表面層を有する電子写真感光体においては、本発明の表面層電気特性適性範囲であっても、細線又は小ドットの細り及び滲みが発生しやすくなることがある。一方、前記体積抵抗率が、10Ω・cmを超える無機微粒子を用いた場合には表面層内部における電荷輸送性の環境依存性が大きくなり、特に低温環境における電荷輸送性の低下による画像濃度低下などが生じやすくなることがある。
前記無機微粒子の体積抵抗率の測定方法としては、所定量の粉体の圧密体を所定の圧力を用いて作製した後に、圧密体の上下端に電極を設け、所定の電圧を印加した場合の電流値を測定する方法が挙げられる。本発明においては、圧密体作製時に二水準の圧力を適用して供試体を作製し、各圧密体の空隙率と各圧密体の体積抵抗率とを算出した後に、空隙率50vol%における体積抵抗率を指数関数近似から求めたものを無機微粒子の体積抵抗率とした。下記に測定条件を記載する。
・供試体に用いる無機微粒子量:1.0g
・供試体形状:円柱(直径20mm)
・供試体作製時の圧力:10MPa、20MPa
・供試体電極:W
・印加電圧:0.1V
前記焼結防止剤を含む無機微粒子の製造方法について説明する。
前記焼結防止剤を含む無機微粒子の製造方法としては、同種の無機微粒子が形成可能であれば後述する方法に特に限定されない。
前記焼結防止剤を含む無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)の製造方法としては、(1)酸化亜鉛又は焼成によって酸化亜鉛となる前駆化合物と第13族元素とが固体状態で混合された混合物を作製する工程、(2)工程(1)で作製した混合物と焼結防止成分とを混合する工程、(3)工程(2)によって得られた混合物を所定の温度によって焼成する工程とを含む。
前記焼成温度としては、第13族元素が無機微粒子中で拡散することを目的として比較的高温とすることが好ましく、また、焼結防止剤が有効に働く温度範囲内で焼成することが好ましい。具体的には、600℃以上850℃以下で焼成することによって、本発明に適した無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)を得ることができる。
前記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)の平均一次粒径の測定は、走査型電子顕微鏡により3,000倍〜10,000倍の観察像を得た後、ランダムに選択した200個の粒子を画像解析ソフトにより算出することにより測定することができる。
前記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)の前記表面層における含有量としては、本発明に記載の表面抵抗率を得ることができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、本発明に記載の表面抵抗率に制御することが容易であるとともに、前記表面層の製膜性や耐摩耗性の低下を小さくできる点で、7体積%〜40体積%が好ましい。前記含有量が、7体積%未満であると、本発明に記載の表面抵抗率とすることが困難となることがあり、40体積%を超えると、前記表面層の製膜性の低下や耐摩耗性の低下などを引き起こすことがある。
前記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)の前記表面層における含有量を定量する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、元素分析及びそのマッピングを用いて定量する方法などが挙げられる。
前記元素分析及びそのマッピング方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エネルギー分散型X線検出器/走査型電子顕微鏡(EDS−SEM)などを用いて測定する方法などが挙げられる。なお、前記EDS−SEMは、被観察体を細く絞られた電子線で走査し、放出される二次電子量を検出することによって被観察体表面像を詳細(一般に50倍〜30万倍)に観察すると同時に、電子線照射により発生する特性X線を検出することにより、表面の微小領域の元素比率の分析や、特定元素のマッピングなどを行う装置である。
前記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)の前記表面層における含有量の測定について具体的に説明する。
まず、電子写真感光体の断面構造をミクロトーム、FIB等の一般に用いられる方法で露出させた後に、前記記載の方法で電子写真感光体断面の無機微粒子の構成元素のマッピングを行い、無機微粒子構成元素検出面積を観察面積で除することによって、観察断面における有機無機複合微粒子の占める面積割合を得る。次いで、その面積比率を体積比率に換算(面積比率の3/2乗)することにより、該有機無機複合微粒子の表面層に占める割合を得ることができる。
前記無機微粒子の表面層中への分散方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する表面層用塗工液中で一般に用いられる分散方法などが挙げられる。前記分散方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボールミル、サンドミル、KDミル、3本ロールミル、圧力式ホモジナイザー、超音波分散などが挙げられる。
<<電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子との組合せ>>
前記電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子との組み合わせとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電気的特性に優れ、かつ高画質な画像出力を維持することができる点で、アクリル樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せ、ポリカーボネート樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せ、ポリアリレート樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せ、スチレン樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せ、フェノール樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せ、ウレタン樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せ、シリコーン樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せが好ましい。
<<フッ素系樹脂微粒子>>
本発明において、トナーの転写性、クリーニング性を向上させる手段として、前記表面層にフッ素系樹脂微粒子を含有させてもよい。
前記フッ素系樹脂微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE)、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン/エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)などが挙げられる。これらの中でも、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)が、感光体表面の低摩擦係数化と、フッ素系樹脂自体の延性が比較的高い点で好ましい。
前記フッ素系樹脂微粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、表面層用塗工液の固形分に対して、10質量%〜70質量%が好ましい。前記含有量が、10質量%未満であると、クリーニングブレードとの摩擦力低減効果が充分に発揮されないことがあり、70質量%を超えると、表面層の樹脂架橋密度が減少し、機械的耐久性が低い膜となることがある。
<<添加剤>>
前記添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属微粒子、反応性有機基を有する化合物、分散剤、界面活性剤、電荷輸送性化合物、可塑剤、レベリング剤などが挙げられる。
−金属微粒子−
前記金属微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化カルシウム、ITO、酸化シリコン、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化鉄、酸化マンガン、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化セレン、窒化硼素、窒化珪素、などが挙げられる。
−反応性有機基を有する化合物−
前記反応性有機基を有する化合物は、本発明で規定する表面抵抗率を有する表面層とするために、また、電子写真感光体の機能増強や分散性向上等を目的として、第13族元素をドープした酸化亜鉛を表面修飾するために添加される。
前記反応性有機基を有する化合物としては、無機微粒子表面の水酸基等と反応性を有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機金属カップリング剤などが挙げられ、具体的には、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤;イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート等のチタネートカップリング剤;アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウムカップリング剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記反応性有機基を有する化合物により前記第13族元素をドープした酸化亜鉛の表面を修飾する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第13族元素をドープした酸化亜鉛をヘンシェルミキサーなどの高速攪拌機にいれて攪拌しながら、前記有機金属カップリング剤を含有する水又はアルコール溶液を添加し、均一となるように攪拌した後に乾燥する乾式法;前記第13族元素をドープした酸化亜鉛を水又はアルコール溶液中に分散させたスラリーを準備し、攪拌しながら前記有機金属カップリング剤又は前記有機金属カップリング剤を含有する水やアルコール溶液に添加し、十分に攪拌した後に濾過、洗浄、乾燥する湿式法などが挙げられる。
前記反応性有機基を有する化合物の被覆量としては、特に制限はなく、増強したい機能や母体粒子の分散性等の目的に応じて適宜選択することができるが、前記無機微粒子の全量に対して、0.01質量%〜30質量%が好ましく、0.05質量%〜15質量%がより好ましい。前記被覆量が、0.01質量%未満であると、機能増強や分散性向上の効果が得にくくなることがあり、30質量%を超えると、有機金属カップリング剤が余剰に無機微粒子に付着した状態となり、これにより電子写真感光体の電気特性が低下することがある。
−分散剤−
前記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)を表面層中に良好に分散させる場合、分散剤を用いてもよい。前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記分散剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記無機微粒子の全量に対して、0.5質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、前記無機微粒子の分散効果が得られないことがあり、30質量%を超えると、残留電位の著しい上昇を引き起こす等の不具合を生じることがある。
−界面活性剤−
前記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)を表面層中に良好に分散させる場合、界面活性剤を用いてもよい。前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記無機微粒子の全量に対して、0.5質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、前記無機微粒子の分散効果が得られないことがあり、30質量%を超えると、残留電位の著しい上昇を引き起こす等の不具合を生じることがある。
−電荷輸送性化合物−
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾール等の正孔輸送性構造を有する公知の正孔輸送物質;電子吸引性芳香族環(縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基、ニトロ基等)などの電子輸送構造を有する公知の電子輸送物質などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記電荷輸送性を有しない樹脂として、前記架橋重合体を用いる場合には、前記架橋重合体に対して反応性を有する官能基、例えば、水酸基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等を有する電荷輸送物質を用いてもよい。
前記電荷輸送性化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電荷輸送性化合物の劣化による電子写真感光体特性の低下の影響を小さくすることができる点で、前記電荷輸送性を有しない樹脂100質量部に対して、20質量部以下が好ましい。
前記電荷輸送性化合物の表面層における含有量を測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、X線光電子分光法(XPS)、エネルギー分散型X線分光法(EDX)、波長分散型X線分析装置(WDX)等の元素分析により測定する方法、試薬により染色された染色量に基づき測定する方法、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR)により測定する方法などが挙げられる。これらの中でも、定量が簡便であり汎用性が高い点で、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR)により測定された各ピーク強度の比をもとに作成した検量線に基づき定量することが好ましい。
前記検量線としては、例えば、前記電荷輸送性化合物を既知量配合して前記表面層を作製し、前記電荷輸送性化合物に特徴的な振動ピークの強度(ピーク高さ又はピーク面積)を前記FT−IRにより測定し、得られた各振動ピーク強度の比に基づき作成する。前記検量線の精度を高めるために、2水準〜5水準の配合量で作製した表面層を作製し、前記FT−IRにより測定して得られた振動ピーク強度をもとに検量線を作成してもよい。前記振動ピーク強度としては、前記電荷輸送性化合物に特徴的な振動ピークの強度(ピーク高さ又はピーク面積)を用いることが好ましく、反応性に乏しく膜中の配合比が既知である、カルボニル由来の振動ピーク強度を用いることがより好ましい。
前記電荷輸送性化合物の表面層における含有量の測定方法を具体的に説明する。
まず、前記検量線の作成について説明する。
前記検量線は、前記電荷輸送性化合物未添加の表面層におけるカルボニル由来の振動ピーク強度から算出された面積をα0とし、前記電荷輸送性化合物添加の表面層におけるカルボニル由来の振動ピーク強度から算出された面積をβ0とし、前記表面層全量に対して電荷輸送性化合物を20質量%、40質量%、及び60質量%を添加した場合の各振動ピーク強度から算出される面積を、それぞれα20、α40、及びα60、並びにβ20、β40、β60とした場合、振動強度比(βx/αx)と電荷輸送性化合物の添加量とをプロットすることにより作成する。
次に、電荷輸送性化合物の含有量未知の表面層について、上述した方法と同様の方法により、前記FT−IRのATR法で測定を行い、前記振動強度比を算出し、検量線に基づいて電荷輸送性化合物の含有量を算出する。前記表面層における電荷輸送性化合物の含有量を求める場合は、一般に知られるエッチング法や表面層断面形成手段(ミクロトームなど)により電荷輸送性化合物の含有量を測定したい箇所を露出させ、上述した方法と同様の方法により電荷輸送性化合物の含有量を算出する。
−可塑剤−
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記可塑剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電荷輸送性を有しない樹脂100質量部に対して、0質量部〜30質量部が好ましい。
−レベリング剤−
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマーなどが挙げられる。前記レベリング剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電荷輸送性を有しない樹脂100質量部に対して、0質量部〜1質量部が好ましい。
<<表面層の形成方法>>
前記表面層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷輸送性を有しない樹脂、前記無機微粒子、及び前記添加剤を含む塗工液を、電子写真感光体における感光層の表面に塗工した後、加熱乾燥を行い、硬化することにより形成する方法などが挙げられる。
前記表面層溶塗工液の塗工方法としては、特に制限はなく、塗工液の粘性、所望とする表面層の膜厚等の目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法、リングコート法などが挙げられる。
前記表面層溶塗工液は、常温で固体又は比較的高粘性液体であることから、溶媒に溶解して作製することが好ましい。前記溶媒としては、前記表面層を構成する上述した成分を溶解乃至分散させることができる溶媒であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテル等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記表面層中に残留する前記溶媒を除去するために、前記方法で表面層を形成した後に加熱乾燥処理することが好ましい。
前記加熱する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、空気、窒素等の気体、蒸気、各種熱媒体、赤外線、電磁波等の熱エネルギーを塗工面側又は前記導電性支持体側から加熱する方法などが挙げられる。
前記加熱する際の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃〜170℃が好ましい。前記温度が、100℃未満であると、前記表面層中に残留する溶媒が多くなりやすく、電子写真感光体特性に影響を与えることがあり、170℃を超えると、前記表面層に隣接する感光層中の低分子量成分が、前記表面層に移行しやすくなり、本発明に記載した表面抵抗率の制御やその他特性の低下を引き起こす恐れがある。
前記表面層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、解像度及び応答性に優れる点で、10μm以下が好ましく、8μm以下がより好ましい。前記表面層の厚みの下限値については、使用するシステム(特に帯電電位等)により異なるが、帯電性及び摩耗耐久性の観点から、3μm以上が好ましい。
<感光層>
前記感光層としては、積層型感光層であってもよく、単層型感光層であってもよい。
<<単層型感光層>>
前記単層型感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能とを有する層である。
前記単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、及び結着樹脂を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−電荷発生物質−
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の物質などが挙げられる。前記電荷発生物質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対して、5質量部〜40質量部が好ましい。
−電荷輸送物質−
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の物質などが挙げられる。
前記電荷輸送物質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対し、190質量部以下が好ましく、50質量部〜150質量部がより好ましい。
−結着樹脂−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の結着樹脂などが挙げられる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の低分子電荷輸送物質、同様の溶媒、同様のレベリング剤、同様の酸化防止剤などが挙げられる。
−単層型感光層の形成方法−
前記単層型感光層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂、その他の成分等を分散機を用いて適当な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等)に溶解乃至分散して得られた塗工液を、塗布乃至乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。
前記塗工液を塗工する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコート、リングコートなどが挙げられる。また、必要に応じて、可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加してもよい。
前記単層型感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm〜25μmが好ましい。
<<積層型感光層>>
前記積層型感光層は、電荷発生機能及び電荷輸送機能をそれぞれ独立した層が担うため、少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層とをこの順に有する。なお、前記電荷発生層、及び前記電荷輸送層は、従来公知のものを使用することができる。
前記積層型感光層において、前記電荷発生層と前記電荷輸送層との積層順としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、多くの電荷発生材料は化学的安定性に乏しく、電子写真作像プロセスにおける帯電器周辺での放電生成物のような酸性ガスに曝されると電荷発生効率の低下などを引き起こす。このため、前記電荷発生層の上に前記電荷輸送層を積層することが好ましい。
−電荷発生層−
前記電荷発生層は、電荷発生物質を含み、結着樹脂を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含む。
−−電荷発生物質−−
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機系材料、有機系材料などが挙げられる。
−−−無機系材料−−−
無機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶セレン、アモルファス−セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、アモルファス−シリコン(例えば、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子等でターミネートしたもの;ホウ素原子、リン原子等をドープしたものなどが好適)などが挙げられる。
−−−有機系材料−−−
前記有機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−結着樹脂−−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結着樹脂としては、上述の結着樹脂の他に、電荷輸送機能を有する電荷輸送性高分子材料を含んでもよく、例えば、アリールアミン骨格、ベンジジン骨格、ヒドラゾン骨格、カルバゾール骨格、スチルベン骨格、ピラゾリン骨格等を有する、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料、ポリシラン骨格を有する高分子材料などを用いることができる。
−−その他の成分−−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低分子電荷輸送物質、溶媒、レベリング剤、酸化防止剤などが挙げられる。
前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、添加する層の総質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましい。
−−−低分子電荷輸送物質−−−
前記低分子電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送物質、正孔輸送物質などが挙げられる。
前記電子輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正孔輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−溶媒−−−
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−レベリング剤−−−
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−酸化防止剤−
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、例えば、フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類、ヒンダードアミン類などが挙げられる。前記酸化防止剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電荷輸送性を有さない樹脂100質量部に対して、0質量部〜5質量部が好ましい。
−−電荷発生層の形成方法−−
前記電荷発生層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷発生物質及び前記結着樹脂を前記溶媒等の前記その他の成分に溶解乃至分散して得られた塗工液を、前記導電性支持体上に塗布して乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。なお、前記塗工液は、前述のキャスティング法により塗布することができる。
前記電荷発生層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm〜5μmが好ましく、0.05μm〜2μmがより好ましい。
−電荷輸送層−
前記電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性がよいことが要求される。
前記電荷輸送層は、電荷輸送物質を含み、結着樹脂を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含む。
−−電荷輸送性物質−−
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送物質、正孔輸送物質、高分子電荷輸送物質などが挙げられる。
前記電荷輸送物質の電荷輸送層全量における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましい。前記含有量が、20質量%未満であると、電荷輸送層の電荷輸送性が小さくなることにより所望の光減衰特性が得られないことがあり、80質量%を超えると、画像形成工程から感光体が受ける各種ハザードによって必要以上に摩耗することがある。一方、前記電荷輸送物質の電荷輸送層における含有量が、前記より好ましい範囲内であると、所望の光減衰性が得られるとともに、使用によっても摩耗量が少ない電子写真感光体を得ることができる点で有利である。
−−−電子輸送物質−−−
前記電子輸送物質(電子受容性物質)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−−正孔輸送物質−−−
前記正孔輸送物質(電子供与性物質)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−−高分子電荷輸送物質−−−
前記高分子電荷輸送物質は、後述する結着樹脂の機能と電荷輸送物質の機能を併せ持つ材料である。
前記高分子電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルバゾール環を有する重合体、ヒドラゾン構造を有する重合体、ポリシリレン重合体、トリアリールアミン構造を有する重合体(例えば、特許第3852812号公報、特許第3990499号公報等に記載のトリアリールアミン構造を有する重合体等)、電子供与性基を有する重合体、その他の重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよく、摩耗耐久性や製膜性の点で、後述する結着樹脂と併用してもよい。
前記高分子電荷輸送物質の電荷輸送層全質量における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電荷輸送性の両立の観点から、前記高分子電荷輸送物質と前記結着樹脂とを併用する場合、40質量%〜90質量%が好ましく、50質量%〜80質量%がより好ましい。
−−結着樹脂−−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、前記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含むこともできる。
−−その他の成分−−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶媒、可塑剤、レベリング剤、及び上述した酸化防止剤などが挙げられる。
前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、添加する層の総質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましい。
−−−溶媒−−−
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、前記電荷輸送物質及び前記結着樹脂を良好に溶解する溶媒が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
−−−可塑剤−−−
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般樹脂の可塑剤などが挙げられる。
−−−レベリング剤−−−
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー乃至オリゴマーなどが挙げられる。
−−電荷輸送層の形成方法−−
前記電荷輸送層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷輸送物質及び前記結着樹脂を前記溶媒等の前記その他の成分に溶解乃至分散して得られた塗工液を、前記電荷発生層上に塗布して加熱乃至乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。
前記電荷輸送層形成の際に用いる前記塗工液の塗工方法としては、特に制限はなく、塗工液の粘性、所望とする電荷輸送層の厚み等の目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法、リングコート法などが挙げられる。
前記電荷輸送層は、電子写真特性や膜粘性の観点から、何らかの手段を用いて加熱を行い、前記溶媒を前記電荷輸送層中から取り除く必要がある。
前記加熱する方法としては、例えば、空気、窒素等の気体、蒸気、各種熱媒体、赤外線、電磁波等の熱エネルギーを塗工面側又は支持体側から加熱する方法などが挙げられる。
前記加熱する際の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃〜170℃が好ましい。前記温度が、100℃未満であると、膜中の有機溶媒を十分取り除くことができず、電子写真特性の低下や摩耗耐久性低下が生じることがあり、170℃を超えると、表面にゆず肌状の欠陥や亀裂の発生、隣接層との界面で剥離の発生などが生じるだけでなく、感光層中の揮発性成分が外部に霧散した場合、所望の電気特性が得られなくなることがある。
前記電荷輸送層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、解像度乃至応答性の点から、50μm以下が好ましく、45μm以下がより好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)により異なるが、5μm以上が好ましい。
<その他の層>
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下引き層、中間層などが挙げられる。
<<下引き層>>
前記下引き層は、前記導電性支持体と前記感光層との間に設けることができる。
前記下引き層は、樹脂を含み、更に必要に応じて上述の酸化防止剤、微粉末顔料、カップリング剤等のその他の成分を含む。
前記下引き層に含まれる樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、前記樹脂の上に感光層を溶媒で塗布する点で、一般の有機溶媒に対して耐溶媒性の高い樹脂が好ましい。
前記下引き層に含まれる微粉末顔料としては、モアレ防止、残留電位の低減等を図ることができる顔料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物などが挙げられる。
前記下引き層に含まれるカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤などが挙げられる。
前記下引き層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単層であってもよく、上記種類の組合せで2層以上の積層であってもよい。
前記下引き層の形成方法としては、特に制限はなく、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができ、例えば、Alを陽極酸化して形成する方法、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物;SiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作製法にて形成する方法などが挙げられる。
前記下引き層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜5μmが好ましい。
<<中間層>>
前記中間層は、前記電荷輸送層と前記架橋型電荷輸送層との間に、前記架橋型電荷輸送層への電荷輸送層成分の混入を抑える又は両層間の接着性を改善することを目的として設けることができる。
前記中間層は、架橋型電荷輸送層塗工液に対し不溶性又は難溶性であるものが適しており、結着樹脂を含み、更に必要に応じて酸化防止剤等のその他の成分を含む。
前記中間層に含まれる結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
前記中間層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光層と同様の適当な溶媒及び塗工法を用いて形成する方法などが挙げられる。
前記中間層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05μm〜2μmが好ましい。
<導電性支持体>
前記導電性支持体としては、体積抵抗値が1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスベルト(エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルト等)を用いてもよい。
前記導電性支持体の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属(アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等)又は金属酸化物(酸化スズ、酸化インジウム等)を蒸着又はスパッタリングして、支持体(フィルム状、円筒状等のプラスチック、紙等)に被覆することにより形成する方法;金属(アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等)の板を押出し、引抜き等を行い、表面処理(素管化後、切削、超仕上げ、研摩等)を施して形成する方法などが挙げられる。
前記導電性支持体は、前記導電性支持体上に導電性層を設けてもよい。
前記導電性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性粉体及び結着樹脂を、必要に応じて溶媒に分散乃至溶解して得られた塗工液を前記導電性支持体上に塗布することにより形成する方法、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)等の素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブを用いて形成する方法などが挙げられる。
前記導電性粉体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素微粒子;アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀等の金属粉;導電性酸化スズ、ITO等の金属酸化物粉体などが挙げられる。
前記導電性層に用いる結着樹脂として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などが挙げられ、具体的には、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
前記導電性層に用いる溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどが挙げられる。
[電子写真感光体の実施形態]
以下、図面を参照して本発明の電子写真感光体の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図1を用いて説明する。
図1は、単層型感光層を有する構成であり、導電性支持体21上に、単層型感光層26及び表面層25を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図2を用いて説明する。
図2は、積層型感光層を有する構成であり、導電性支持体21上に、電荷発生層23、電荷輸送層24、及び表面層25を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。なお、電荷発生層23及び電荷輸送層24が感光層に該当する。
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図3を用いて説明する。
図3は、図2の構成を有する電子写真感光体に、更に中間層を設けた構成を有する。
図3は、導電性支持体21上に、中間層22、電荷発生層23、電荷輸送層24、及び表面層25を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。なお、電荷発生層23及び電荷輸送層24が感光層に該当する。
<第4の実施形態>
第4の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図4を用いて説明する。
図4は、積層型感光層を有する構成であり、導電性支持体21上に、電荷輸送層24、電荷発生層23、及び表面層25を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。なお、電荷発生層23及び電荷輸送層24が感光層に該当する。
(画像形成方法及び画像形成装置)
前記画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程とを少なくとも含み、好ましくは潤滑剤付与工程を含むことが好ましく、更に必要に応じて、その他の工程を含む。前記画像形成方法において使用する電子写真感光体が、上述の本発明の電子写真感光体である。なお、帯電工程と、露光工程とを合わせて静電潜像形成工程と称することもある。
前記画像形成装置は、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段とを少なくとも含み、好ましくは潤滑剤付与手段を有することが好ましく、更に必要に応じて、その他の工程を含む。前記画像形成装置において使用する電子写真感光体が、上述の本発明の電子写真感光体である。なお、帯電手段と、露光手段とを合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
前記画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記帯電工程は前記帯電手段により行うことができ、前記露光工程は前記露光手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記潤滑剤付与工程は前記潤滑剤付与手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
<帯電工程及び帯電手段>
前記帯電工程は、前記帯電手段により実施することができ、前記電子写真感光体表面を帯電させる工程である。
前記帯電手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器(電子写真感光体表面と帯電器との間に100μm以下の空隙を有する近接方式の非接触帯電器を含む)などが挙げられる。
<露光工程及び露光手段>
前記露光工程は、前記露光手段により実施することができ、前記帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する工程である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系などの各種露光器が挙げられ、前記露光器における光源としては、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの高輝度が確保できる光源などが挙げられる。なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像工程及び現像手段>
前記現像工程は、前記現像手段により実施することができ、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記現像手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好ましい。前記現像器としては、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有するものなどが好適に挙げられる。前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。前記マグネットローラは、前記電子写真感光体近傍に配置されているため、前記マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該電子写真感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該電子写真感光体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
<転写工程及び転写手段>
前記転写工程は、前記転写手段により実施することができ、前記可視像を記録媒体に転写する工程である。
前記転写手段は、前記可視像を記録媒体に転写する手段であるが、前記電子写真感光体表面から記録媒体に可視像を直接転写する方法と、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する方法がある。いずれの態様も良好に使用することができるが、高画質化に際して転写による悪影響が大きいような場合には、転写回数が少ない前者(直接転写)の方法が好ましい。前記転写は、例えば、前記可視像を、転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
<潤滑剤付与工程及び潤滑剤付与手段>
前記潤滑剤付与工程は、前記電子写真感光体上に潤滑剤を付与する工程であり、潤滑剤付与手段により行われる。
前記電子写真感光体上への潤滑剤の付与方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固化した潤滑剤にブラシ又はブレードを用いて供給する方法、粉体状の潤滑剤をトナーと混合して供給する方法、などが挙げられる。
前記潤滑剤に用いられる材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ワックス、高級脂肪酸金属塩、などが挙げられる。
前記ワックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハゼろう、ウルシろう、パームろう、カルナウバろう等の植物系ワックス;蜜ろう、鯨ろう、イボタろう、羊毛ろう等の動物系ワックス;モンタンワックス、パラフィンワックス等の鉱物系ワックス;窒化ホウ素、などが挙げられる。
前記高級脂肪酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、及びオレイン酸から選択される少なくとも1種の脂肪酸を含有し、かつ亜鉛、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、及びリチウムから選択される少なくとも1種の金属を含有する高級脂肪酸金属塩が好ましい。
これらの中でも、工業的規模で生産され、かつ多方面での使用実績があり、コスト、品質、安定性、及び信頼性の点から、ステアリン酸亜鉛が特に好ましい。また、ステアリン酸亜鉛は、潤滑剤の効率的な塗布方法として蓄積してきた豊富な塗布技術を応用しやすい点で有利である。
<その他の工程及びその他の手段>
前記その他の工程及びその他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、定着工程及び定着手段、除電工程及び除電手段、クリーニング工程及びクリーニング手段、リサイクル工程及びリサイクル手段、制御工程及び制御手段などが挙げられる。
−定着工程及び定着手段−
前記定着工程は、前記定着手段により実施することができ、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる工程である。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好ましく、前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせなどが挙げられ、前記加熱加圧手段における加熱としては、通常80℃〜200℃が好ましい。前記定着としては、例えば、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
−除電工程及び除電手段−
前記除電工程は、前記除電手段により実施することができ、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程である。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
−クリーニング工程及びクリーニング手段−
前記クリーニング工程は、前記クリーニング手段により実施することができ、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去する工程である。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
−リサイクル工程及びリサイクル手段−
前記リサイクル工程は、前記リサイクル手段により実施することができ、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程である。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
−制御工程及び制御手段−
前記制御工程は、前記制御手段により実施することができ、前記各工程を制御する工程である。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
[画像形成装置の実施形態]
以下、本発明の画像形成装置の実施形態について説明する。
図5は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、電子写真感光体1の周りに、帯電手段3、露光手段5、現像手段6、転写手段10などが配置される。
まず、図5に示す帯電手段3により、電子写真感光体1が平均的に帯電される。帯電手段3としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラ帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
次に、図5に示す露光手段5により、均一に帯電された電子写真感光体1上に静電潜像が形成される。前記露光手段における光源としては、例えば、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。
次に、図5に示す現像手段6により、電子写真感光体1上に形成された静電潜像を可視化される。この現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法などが挙げられる。電子写真感光体1に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、図5に示す転写手段10により、電子写真感光体1上で可視化されたトナー像が記録媒体9上に転写される。また、転写をより良好に行うために転写前チャージャ7を用いてもよい。転写手段10としては、転写チャージャ、バイアスローラ等を用いる静電転写方式;粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式;磁気転写方式などが利用可能である。
更に必要に応じて、図5に示す記録媒体9を電子写真感光体1より分離する手段として分離チャージャ11、分離爪12が用いてもよい。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等が用いられる。分離チャージャ11としては、前記帯電手段が利用可能である。また、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするために、ファーブラシ14、クリーニングブレード15等のクリーニング手段が用いられ、クリーニングをより効率的に行うためにクリーニング前チャージャ13を用いてもよい。その他のクリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。また、電子写真感光体1上の潜像が取り除くために除電手段2を用いてもよい。除電手段2としては、除電ランプ、除電チャージャなどが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
本発明は、このような画像形成手段に本発明に係る電子写真感光体を用いる画像形成方法及び画像形成装置である。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段の少なくともいずれかの手段を有し、更に必要に応じてその他の手段を有してもよい。
前記電子写真感光体は、上述した本発明の電子写真感光体である。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置、ファクシミリ、プリンターに着脱可能に備えさせることができ、本発明の前記画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが特に好ましい。
前記プロセスカートリッジとは、図6に示すように、電子写真感光体101を内蔵し、他に帯電手段102、現像手段104、転写手段106、クリーニング手段107、除電手段(不図示)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。図6のプロセスカートリッジによる画像形成工程について示すと、感光体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段103による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像は、現像手段104でトナー現像され、該トナー現像は転写手段106により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び以上の操作を繰り返すものである。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。「部」は、特に明示しない限り「質量部」を表す。「%」は、特に明示しない限り「質量%」を表す。なお、実施例1から34、54、及び55を参考例と読み替える。
(実施例1)
直径40mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、及び電荷輸送層用塗工液を順次、塗布し、乾燥することにより、厚み3.5μmの下引き層、厚み0.2μmの電荷発生層、及び厚み20μmの電荷輸送層を形成した。
〔下引き層用塗工液〕
・アルキッド樹脂・・・12部
(ベッコゾール1307−60−EL、DIC株式会社製)
・メラミン樹脂・・・8部
(スーパーベッカミン G−821−60、DIC株式会社製)
・酸化チタン・・・80部
(CR−EL、石原産業株式会社製)
・メチルエチルケトン・・・250部
〔電荷発生層用塗工液〕
・下記構造式(1)で表されるビスアゾ顔料・・・2.5部
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製)・・・0.5部
・シクロヘキサノン・・・200部
・メチルエチルケトン・・・80部
〔電荷輸送層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・10部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・下記構造式(2)で表される電荷輸送性化合物・・・7部
・テトラヒドロフラン・・・100部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液・・・1部
(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)
次いで、前記導電性支持体、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順で有する積層体上に下記表面層用塗工液を用いてスプレー塗工法にて、厚み4.5μmの表面層を成膜し、150℃で30分間の条件で加熱して電子写真感光体を得た。
なお、前記表面層用塗工液は、下記のようにして調製した。まず、ジルコニア製ビーズ(平均粒子径:0.1mm)を110g投入した50mL容器に、アルミニウム(Al)ドープ酸化亜鉛、界面活性剤、及びシクロヘキサノンを入れ、1,500rpmの振動条件で2時間の振動分散を行い、Alドープ酸化亜鉛を分散させた分散液を調製した。次に、前記分散液を、シルコニア製ビーズ(平均粒子径:5mm)を60g投入した50mL容器に移し替え、200rpmの回転速度で24時間の分散を行い、ミルベースを調製した。そして、ビスフェノールZポリカーボネートを溶解したテトラヒドロフラン溶液に、前記ミルベースを添加して、下記組成の表面層用塗工液を調製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・Alドープ酸化亜鉛・・・33.3部
(Pazet CK、平均粒径34nm、ハクスイテック株式会社製)
・界面活性剤(低分子量不飽和ポリカルボン酸のポリマー)・・・1.7部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・2,667部
・シクロヘキサノン・・・667部
(実施例2)
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・Alドープ酸化亜鉛・・・53.8部
(Pazet CK、平均粒径34nm、ハクスイテック株式会社製)
・界面活性剤・・・2.7部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・3,077部
・シクロヘキサノン・・・709部
(実施例3)
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・Alドープ酸化亜鉛・・・100部
(Pazet CK、平均粒径34nm、ハクスイテック株式会社製)
・界面活性剤・・・5.0部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・4,000部
・シクロヘキサノン・・・1,000部
(実施例4)
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・Alドープ酸化亜鉛・・・150部
(Pazet CK、平均粒径34nm、ハクスイテック株式会社製)
・界面活性剤・・・7.5部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・5,000部
・シクロヘキサノン・・・1,250部
(実施例5)
実施例1のAlドープ酸化亜鉛をGaドープ酸化亜鉛(Pazet GK−40、平均粒径32nm、ハクスイテック株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例6)
実施例2のAlドープ酸化亜鉛をGaドープ酸化亜鉛(Pazet GK−40、平均粒径32nm、ハクスイテック株式会社製)に変更した以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例7)
実施例3のAlドープ酸化亜鉛をGaドープ酸化亜鉛(Pazet GK−40、平均粒径32nm、ハクスイテック株式会社製)に変更した以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例8)
実施例4のAlドープ酸化亜鉛をGaドープ酸化亜鉛(Pazet GK−40、平均粒径32nm、ハクスイテック株式会社製)に変更した以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例9)
実施例1で用いた表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・前記構造式(2)で表される電荷輸送性化合物・・・10部
・Gaドープ酸化亜鉛・・・110部
(Pazet GK−40、平均粒径32nm、ハクスイテック株式会社製)
・界面活性剤・・・5.5部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・1,173部
・シクロヘキサノン・・・293部
(実施例10)
実施例1で用いた表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・前記構造式(2)で表される電荷輸送性化合物・・・20部
・Gaドープ酸化亜鉛・・・120部
(Pazet GK−40、平均粒径32nm、ハクスイテック株式会社製)
・界面活性剤・・・6.0部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・4,800部
・シクロヘキサノン・・・1,200部
(実施例11)
実施例1で用いた表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・前記構造式(2)で表される電荷輸送性化合物・・・45部
・Gaドープ酸化亜鉛・・・ 145部
(Pazet GK−40、平均粒径32nm、ハクスイテック社製)
・界面活性剤・・・7.3部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・5,800部
・シクロヘキサノン・・・1,450部
(実施例12)
実施例1で用いた表面層用塗工液において、ビスフェノールZポリカーボネートの代わりに、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成株式会社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)5部とを混合したもの用いたこと、及び150℃で30分間加熱する代わりに、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層からなる積層体上に上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900mW/cm、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130℃で30分間、乾燥を行った。
(実施例13)
実施例2で用いた表面層用塗工液において、ビスフェノールZポリカーボネートの代わりに、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成株式会社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)5部とを混合したもの用いたこと、及び150℃で30分間加熱する代わりに、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施した以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層からなる積層体上に上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900mW/cm、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130℃で30分間、乾燥を行った。
(実施例14)
実施例3で用いた表面層用塗工液において、ビスフェノールZポリカーボネートの代わりに、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成株式会社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)5部とを混合したもの用いたこと、及び150℃で30分間加熱する代わりに、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施した以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層からなる積層体上に上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900mW/cm、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130℃で30分間、乾燥を行った。
(実施例15)
実施例4で用いた表面層用塗工液において、ビスフェノールZポリカーボネートの代わりに、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成株式会社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)5部とを混合したもの用いたこと、及び150℃で30分間加熱する代わりに、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施した以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層からなる積層体上に上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900mW/cm、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130℃で30分間、乾燥を行った。
(実施例16)
実施例5で用いた表面層用塗工液において、ビスフェノールZポリカーボネートの代わりに、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成株式会社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミ カルズ株式会社製)5部とを混合したもの用いたこと、及び150℃で30分間加熱する代わりに、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施した以外は、実施例5と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層からなる積層体上に、上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900mW/cm、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130℃で30分間、乾燥を行った。
(実施例17)
実施例6で用いた表面層用塗工液において、ビスフェノールZポリカーボネートの代わりに、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成株式会社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)5部とを混合したもの用いたこと、及び150℃で30分間加熱する代わりに、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施した以外は、実施例6と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層からなる積層体上に、上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900mW/cm、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130℃で30分間、乾燥を行った。
(実施例18)
実施例7で用いた表面層用塗工液において、ビスフェノールZポリカーボネートの代わりに、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成株式会社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)5部とを混合したもの用いたこと、及び150℃で30分間加熱する代わりに、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施した以外は、実施例7と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層からなる積層体上に、上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900mW/cm、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130℃で30分間、乾燥を行った。
(実施例19)
実施例8で用いた表面層用塗工液において、ビスフェノールZポリカーボネートの代わりに、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成株式会社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)5部とを混合したもの用いたこと、及び150℃で30分間加熱する代わりに、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施した以外は、実施例8と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層からなる積層体上に、上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900mW/cm、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130℃で30分間、乾燥を行った。
(実施例20)
実施例9で用いた表面層用塗工液において、前記構造式(2)で表される電荷輸送性化合物10部を下記構造式(3)で表される電荷輸送性化合物10部に変え、ビスフェノールZポリカーボネートの代わりに、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成株式会社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)5部とを混合したもの用いたこと、及び150℃で30分間加熱する代わりに、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施した以外は、実施例9と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層からなる積層体上に、上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900mW/cm、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130℃で30分間、乾燥を行った。
(実施例21)
実施例10で用いた表面層用塗工液において、前記構造式(2)で表される電荷輸送性化合物20部を前記構造式(3)で表される電荷輸送性化合物20部に変え、ビスフェノールZポリカーボネートの代わりに、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成株式会社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)5部とを混合したものを用いたこと、及び150℃、30分間加熱する代わりに、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施した以外は、実施例10と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層からなる積層体上に、上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900mW/cm、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130℃で30分間、乾燥を行った。
(実施例22)
実施例11で用いた表面層用塗工液において、前記構造式(2)で表される電荷輸送性化合物45部を前記構造式(3)で表される電荷輸送性化合物45部に変え、電荷輸送性を有しない樹脂を、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成株式会社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)5部とを混合して、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施して得られた樹脂に変更した以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層からなる積層体上に上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900mW/cm、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130℃で30分間、乾燥を行った。
(実施例23)
実施例12のAlドープ酸化亜鉛(Pazet CK、平均粒径34nm、ハクスイテック株式会社製)をAlドープ酸化亜鉛(23−K、平均粒径152nm、ハクスイテック株式会社製)に変更した以外は、実施例12と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例24)
実施例13のAlドープ酸化亜鉛(Pazet CK、平均粒径34nm、ハクスイテック株式会社製)をAlドープ酸化亜鉛(23−K、平均粒径152nm、ハクスイテック株式会社製)に変更した以外は、実施例13と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例25)
実施例17の表面層用塗工液で用いたトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成株式会社製)100部を、下記樹脂に変更した以外は、実施例17と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔樹脂〕
[1]及び[2]の化合物を混合して得られた樹脂
[1]トリメチロールプロパントリアクリレート・・・40部
(TMPTA、東京化成株式会社製)
[2]下記構造式(4)で表される化合物・・・60部
(ビスフェノールA型アクリレートモノマー、サートマー社製)
(実施例26)
実施例18の表面層用塗工液で用いたトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成株式会社製)100部を、下記樹脂に変更した以外は、実施例18と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔樹脂〕
[1]及び[2]の化合物を混合して得られた樹脂
[1]トリメチロールプロパントリアクリレート・・・80部
(TMPTA、東京化成株式会社製)
[2]下記構造式(5)で表される化合物・・・20部
(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、日本化薬株式会社製)
(実施例27)
実施例3の電荷輸送性を有しない樹脂をポリアリレート樹脂(U−100、ユニチカ株式会社製)に変更した以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例28)
実施例3の電荷輸送性を有しない樹脂をスチレン樹脂(製品名:セプトン2043、株式会社クラレ製)に変更した以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例29)
実施例3の電荷輸送性を有しない樹脂をフェノール樹脂(製品名:PR9480、住友ベークライト株式会社製)に変更した以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例30)
実施例17の電荷輸送性を有しない樹脂を下記樹脂に変更した以外は、実施例17と同様にして、電子写真感光体を作製した。
・下記[1]及び[2]の化合物をOH価/NCO価=1.0となるように反応させて得られた樹脂
[1]下記構造式(6)で表されるポリオール化合物
[2]イソシアネート化合物(タケネートD140N、三井化学株式会社製)
(実施例31)
実施例17の電荷輸送性を有しない樹脂を下記の方法により調製した化合物に変更した以外は、実施例17と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔化合物の調製〕
下記処方の液を60℃の温度条件で2時間攪拌を行った後、錫有機酸塩(nBu・Sn(OAc))を0.016部添加して、40℃の温度条件で3時間攪拌することにより化合物を得た。
・メチルトリメトキシシラン・・・10部
・1質量%酢酸水溶液・・・5部
・n−ブタノール・・・15部
(実施例32)
実施例1の表面層用塗工液を、下記の表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・Alドープ酸化亜鉛・・・43.8部
(Pazet CK、平均粒径34nm、ハクスイテック株式会社製)
・フッ素系樹脂微粒子・・・10部
(MPE−056、三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)
・界面活性剤・・・2.7部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・3,284部
・シクロヘキサノン・・・820部
(実施例33)
実施例1の表面層塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・Gaドープ酸化亜鉛・・・43.8部
(Pazet GK−40、平均粒径32nm、ハクスイテック株式会社製)
・フッ素系樹脂微粒子・・・10部
(MPE−056、三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)
・界面活性剤・・・2.7部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・3,284部
・シクロヘキサノン・・・820部
(実施例34)
実施例32で用いた表面層用塗工液において、ビスフェノールZポリカーボネートの代わりに、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成株式会社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)5部とを混合したもの用いたこと、及び150℃で30分間加熱する代わりに、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施したこと以外は、実施例32と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層からなる積層体上に上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900mW/cm、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130℃で30分間、乾燥を行った。
(比較例1)
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・テトラヒドロフラン・・・2,132部
・シクロヘキサノン・・・532部
(比較例2)
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・前記構造式(2)で表される電荷輸送性化合物・・・10部
・テトラヒドロフラン・・・2,348部
・シクロヘキサノン・・・588部
(比較例3)
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・前記構造式(2)で表される電荷輸送性化合物・・・20部
・テトラヒドロフラン・・・2,560部
・シクロヘキサノン・・・640部
(比較例4)
実施例11の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・トリメチロールプロパントリアクリレート・・・100部
(TMPTA、東京化成株式会社製)
・光重合開始剤・・・5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
・テトラヒドロフラン・・・533部
・シクロヘキサノン・・・133部
(比較例5)
実施例11の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・トリメチロールプロパントリアクリレート・・・100部
(TMPTA、東京化成株式会社製)
・光重合開始剤・・・5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
・前記構造式(3)で表される電荷輸送性化合物・・・10部
・テトラヒドロフラン・・・587部
・シクロヘキサノン・・・147部
(比較例6)
実施例11の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・トリメチロールプロパントリアクリレート・・・100部
(TMPTA、東京化成株式会社製)
・光重合開始剤・・・5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
・前記構造式(3)で表される電荷輸送性化合物・・・20部
・テトラヒドロフラン・・・640部
・シクロヘキサノン・・・160部
(比較例7)
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・Gaドープ酸化亜鉛・・・5.3部
(Pazet GK−40、平均粒径32nm、ハクスイテック株式会社製)
・界面活性剤・・・0.3部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・2,105部
・シクロヘキサノン・・・526部
(比較例8)
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・Gaドープ酸化亜鉛・・・11.1部
(Pazet GK−40、平均粒径32nm、ハクスイテック株式会社製)
・界面活性剤・・・0.6部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・2,222部
・シクロヘキサノン・・・556部
(比較例9)
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・Gaドープ酸化亜鉛・・・233.3部
(Pazet GK−40、平均粒径32nm、ハクスイテック株式会社製)
・界面活性剤・・・11.7部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・4,400部
・シクロヘキサノン・・・1,100部
(比較例10)
実施例12の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例12と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・トリメチロールプロパントリアクリレート・・・100部
(TMPTA、東京化成株式会社製)
・光重合開始剤・・・5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
・Gaドープ酸化亜鉛・・・5.3部
(Pazet GK−40、平均粒径32nm、ハクスイテック株式会社製)
・界面活性剤・・・0.3部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・561部
・シクロヘキサノン・・・140部
(比較例11)
実施例12の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例12と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・トリメチロールプロパントリアクリレート・・・100部
(TMPTA、東京化成株式会社製)
・Gaドープ酸化亜鉛・・・11.1部
(Pazet GK−40、平均粒径32nm、ハクスイテック株式会社製)
・光重合開始剤・・・5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
・界面活性剤・・・0.6部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・593部
・シクロヘキサノン・・・148部
(比較例12)
実施例12の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例12と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・トリメチロールプロパントリアクリレート・・・100部
(TMPTA、東京化成株式会社製)
・Gaドープ酸化亜鉛・・・233.3部
(Pazet GK−40、平均粒径32nm、ハクスイテック株式会社製)
・光重合開始剤・・・5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
・界面活性剤・・・11.7部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・1,779部
・シクロヘキサノン・・・444部
(比較例13)
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・前記構造式(2)で表される電荷輸送性化合物・・・55部
・Gaドープ酸化亜鉛・・・155部
(Pazet GK−40、平均粒径32nm、ハクスイテック社製)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・界面活性剤・・・7.8部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・6,200部
・シクロヘキサノン・・・1,550部
(比較例14)
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・前記構造式(2)で表される電荷輸送性化合物・・・65部
・ Gaドープ酸化亜鉛・・・165部
(Pazet GK−40、平均粒径32nm、ハクスイテック社製)
・界面活性剤・・・8.3部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・6,600部
・シクロヘキサノン・・・1,650部
(比較例15)
実施例12の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例12と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・トリメチロールプロパントリアクリレート・・・100部
(TMPTA、東京化成株式会社製)
・前記構造式(3)で表される電荷輸送性化合物・・・55部
・光重合開始剤・・・5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・Gaドープ酸化亜鉛・・・155部
(Pazet GK−40、平均粒径32nm、ハクスイテック社製)
・界面活性剤・・・7.8部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・1,653部
・シクロヘキサノン・・・413部
(比較例16)
実施例12の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例12と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・トリメチロールプロパントリアクリレート・・・100部
(TMPTA、東京化成株式会社製)
・前記構造式(3)で表される電荷輸送性化合物・・・55部
・光重合開始剤・・・5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・Gaドープ酸化亜鉛・・・155部
(Pazet GK−40、平均粒径32nm、ハクスイテック社製)
・界面活性剤・・・8.3部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・1,760部
・シクロヘキサノン・・・440部
(比較例17)
実施例1の表面層用塗工液に用いたAlドープ酸化亜鉛を酸化亜鉛(Nanotek ZnO、平均粒径34nm、シーアイ化成株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例18)
実施例2の表面層用塗工液に用いたAlドープ酸化亜鉛を酸化亜鉛(Nanotek ZnO、平均粒径34nm、シーアイ化成株式会社製)に変更した以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例19)
実施例3の表面層用塗工液に用いたAlドープ酸化亜鉛を酸化亜鉛(Nanotek ZnO、平均粒径34nm、シーアイ化成株式会社製)に変更した以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例20)
実施例4の表面層用塗工液に用いたAlドープ酸化亜鉛を酸化亜鉛(Nanotek ZnO、平均粒径34nm、シーアイ化成株式会社製)に変更した以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例21)
実施例12の表面層用塗工液に用いたAlドープ酸化亜鉛を酸化亜鉛(Nanotek ZnO、平均粒径34nm、シーアイ化成株式会社製)に変更した以外は、実施例12と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例22)
実施例13の表面層用塗工液に用いたAlドープ酸化亜鉛を酸化亜鉛(Nanotek ZnO、平均粒径34nm、シーアイ化成株式会社製)に変更した以外は、実施例13と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例23)
実施例14の表面層用塗工液に用いたAlドープ酸化亜鉛を酸化亜鉛(Nanotek ZnO、平均粒径34nm、シーアイ化成株式会社製)に変更した以外は、実施例14と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例24)
実施例15の表面層用塗工液に用いたAlドープ酸化亜鉛を酸化亜鉛(Nanotek ZnO、平均粒径34nm、シーアイ化成株式会社製)に変更した以外は、実施例15と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例25)
実施例12で用いた表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例12と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・トリメチロールプロパントリアクリレート・・・100部
(TMPTA、東京化成株式会社製)
・光重合開始剤・・・5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
・酸化チタン微粒子・・・53.8部
(Nanotek TiO、平均粒径36nm、シーアイ化成株式会社製)
・界面活性剤・・・2.7部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・821部
・シクロヘキサノン・・・205部
(比較例26)
実施例12で用いた表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例12と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・トリメチロールプロパントリアクリレート・・・100部
(TMPTA、東京化成株式会社製)
・光重合開始剤・・・5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
・酸化チタン微粒子・・・100部
(Nanotek TiO、平均粒径36nm、シーアイ化成株式会社製)
・界面活性剤・・・5.0部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・1,067部
・シクロヘキサノン・・・267部
(比較例27)
比較例25の表面層用塗工液に用いた酸化チタン微粒子を酸化アルミニウム微粒子(Nanotek Al、平均粒径31nm、シーアイ化成株式会社製)に変更した以外は、比較例25と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例28)
比較例26の表面層用塗工液に用いた酸化チタン微粒子を酸化アルミニウム微粒子(Nanotek Al、平均粒径31nm、シーアイ化成株式会社製)に変更した以外は、比較例26と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例29)
比較例25の表面層用塗工液に用いた酸化チタン微粒子を酸化錫微粒子(Nanotek SnO、平均粒径21nm、シーアイ化成株式会社製)に変更した以外は、比較例25と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例30)
比較例26の表面層用塗工液に用いた酸化チタン微粒子を酸化錫微粒子(Nanotek SnO、平均粒径21nm、シーアイ化成株式会社製)に変更した以外は、比較例26と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例35)
実施例5のGaドープ酸化亜鉛を下記方法で作製したGaドープ酸化亜鉛(無機微粒子A、平均粒径31nm、体積抵抗率3.2×10Ω・cm、Si含有比2.6質量%)に変更した以外は、実施例5と同様にして、電子写真感光体を作製した。
<<無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)の作製方法>>
酸化亜鉛100gを、35質量%塩酸250gと純水350gからなる塩酸水溶液中へ添加し、酸化亜鉛を溶解させることで、塩化亜鉛水溶液を作製した。次に、作製した塩化亜鉛水溶液中に硝酸ガリウム八水和物14.7gを添加した。これとは別に、重炭酸アンモニウム(特級試薬)230gを精製水1,500gに溶解して、重炭酸アンモニウム水溶液を別途調製した。前記硝酸ガリウムを溶解させた塩化亜鉛水溶液を、重炭酸アンモニウム水溶液にゆっくり添加し、沈殿物を生成させた。次いで、メタケイ酸ナトリウム9水和物23.5gを含む水溶液150mLと10質量%硫酸を、pHを7〜9の範囲になるように流量を調整しながら添加し、90分間かけて同時に添加した。その後、沈殿物を充分洗浄した後、液相より分別し、130℃で5時間乾燥した。最後に、乾燥粉をメノウ乳鉢で解砕して、焼成前駆体とし、該前駆体を、アルミナ製ボートへ入れ、管状炉を用いて、窒素ガス0.2リットル/分、水素ガス0.1リットル/分の混合気体を流通しながら200℃/時で700℃まで昇温した。そのまま2時間保持してから室温まで放冷することによって、平均粒径31nmの無機微粒子Aを得た。
得られた無機微粒子Aを、下記手法を用いてSi含有率を求めたところ、Si含有率は2.6質量%であった。
〔Si含有率定量分析方法〕
・分析装置:ICP−AES(日立ハイテクサイエンス株式会社製、SPS−3520UV)
・分析条件:高周波出力 1.2kW、予備噴霧時間 35秒間
・試料前処理:試料約50mgに酸を加えて溶解させ、この溶解液に超純水を加えて25mLに定容し、適宜希釈後分析を実施した。
(実施例36)
実施例6のGaドープ酸化亜鉛を前記方法で作製したGaドープ酸化亜鉛(無機微粒子A、平均粒径31nm、体積抵抗率3.2×10Ω・cm、Si含有比2.6質量%)に変更した以外は、実施例6と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例37)
実施例7のGaドープ酸化亜鉛を前記方法で作製したGaドープ酸化亜鉛(無機微粒子A、平均粒径31nm、体積抵抗率3.2×10Ω・cm、Si含有比2.6質量%)に変更した以外は、実施例7と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例38)
実施例8のGaドープ酸化亜鉛を前記方法で作製したGaドープ酸化亜鉛(無機微粒子A、平均粒径31nm、体積抵抗率3.2×10Ω・cm、Si含有比2.6質量%)に変更した以外は、実施例8と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例39)
実施例9のGaドープ酸化亜鉛を前記方法で作製したGaドープ酸化亜鉛(無機微粒子A、平均粒径31nm、体積抵抗率3.2×10Ω・cm、Si含有比2.6質量%)に変更した以外は、実施例9と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例40)
実施例10のGaドープ酸化亜鉛を前記方法で作製したGaドープ酸化亜鉛(無機微粒子A、平均粒径31nm、体積抵抗率3.2×10Ω・cm、Si含有比2.6質量%)に変更した以外は、実施例10と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例41)
実施例12のGaドープ酸化亜鉛を前記方法で作製したGaドープ酸化亜鉛(無機微粒子A、平均粒径31nm、体積抵抗率3.2×10Ω・cm、Si含有比2.6質量%)に変更した以外は、実施例12と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例42)
実施例17のGaドープ酸化亜鉛を前記方法で作製したGaドープ酸化亜鉛(無機微粒子A、平均粒径31nm、体積抵抗率3.2×10Ω・cm、Si含有比2.6質量%)に変更した以外は、実施例17と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例43)
実施例18のGaドープ酸化亜鉛を前記方法で作製したGaドープ酸化亜鉛(無機微粒子A、平均粒径31nm、体積抵抗率3.2×10Ω・cm、Si含有比2.6質量%)に変更した以外は、実施例18と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例44)
実施例19のGaドープ酸化亜鉛を前記方法で作製したGaドープ酸化亜鉛(無機微粒子A、平均粒径31nm、体積抵抗率3.2×10Ω・cm、Si含有比2.6質量%)に変更した以外は、実施例19と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例45)
実施例20のGaドープ酸化亜鉛を前記方法で作製したGaドープ酸化亜鉛(無機微粒子A、平均粒径31nm、体積抵抗率3.2×10Ω・cm、Si含有比2.6質量%)に変更した以外は、実施例20と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例46)
実施例21のGaドープ酸化亜鉛を前記方法で作製したGaドープ酸化亜鉛(無機微粒子A、平均粒径31nm、体積抵抗率3.2×10Ω・cm、Si含有比2.6質量%)に変更した以外は、実施例21と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例47)
実施例22のGaドープ酸化亜鉛を前記方法で作製したGaドープ酸化亜鉛(無機微粒子A、平均粒径31nm、体積抵抗率3.2×10Ω・cm、Si含有比2.6質量%)に変更した以外は、実施例22と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例48)
実施例24のGaドープ酸化亜鉛を前記方法で作製したGaドープ酸化亜鉛(無機微粒子A、平均粒径31nm、体積抵抗率3.2×10Ω・cm、Si含有比2.6質量%)に変更した以外は、実施例24と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例49)
実施例27のGaドープ酸化亜鉛を前記方法で作製したGaドープ酸化亜鉛(無機微粒子A、平均粒径31nm、体積抵抗率3.2×10Ω・cm、Si含有比2.6質量%)に変更した以外は、実施例27と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例50)
実施例28のGaドープ酸化亜鉛を前記方法で作製したGaドープ酸化亜鉛(無機微粒子A、平均粒径31nm、体積抵抗率3.2×10Ω・cm、Si含有比2.6質量%)に変更した以外は、実施例28と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例51)
実施例29のGaドープ酸化亜鉛を前記方法で作製したGaドープ酸化亜鉛(無機微粒子A、平均粒径31nm、体積抵抗率3.2×10Ω・cm、Si含有比2.6質量%)に変更した以外は、実施例29と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例52)
実施例30のGaドープ酸化亜鉛を前記方法で作製したGaドープ酸化亜鉛(無機微粒子A、平均粒径31nm、体積抵抗率3.2×10Ω・cm、Si含有比2.6質量%)に変更した以外は、実施例30と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例53)
実施例31のGaドープ酸化亜鉛を前記方法で作製したGaドープ酸化亜鉛(無機微粒子A、平均粒径31nm、体積抵抗率3.2×10Ω・cm、Si含有比2.6質量%)に変更した以外は、実施例31と同様にして、電子写真感光体を作製した。
<電子写真感光体の特性>
実施例1〜34及び比較例1〜30で作製した電子写真感光体を表1に示す。
<表面抵抗率の測定>
各電界強度における電子写真感光体の表面抵抗率を測定した。
前記表面固有抵抗率Rは、前記表面層における電界強度が1×10V/cmであるときの表面固有抵抗率を測定した。前記電界強度(1×10V/cm)の設定は、電極(長さ:10mm、電極間隙:25μm)を電子写真感光体表面に形成し、前記電極間隙から算出される適性バイアスを電極に印加することにより行った。前記表面固有抵抗率Rは、電子写真感光体の表面層における上端部から70mm、170mm、及び270mmの三箇所の位置で測定した値の平均値とした。
前記表面固有抵抗率Rは、前記表面層における電界強度が3×10V/cmであるときの表面固有抵抗率を測定した。前記電界強度(3×10V/cm)の設定は、電極(長さ:10mm、電極間隙:25μm)を電子写真感光体表面に形成し、前記電極間隙から算出される適性バイアスを電極に印加することにより行った。なお、前記表面固有抵抗率Rは、電子写真感光体の表面層における上端部から70mm、170mm、及び270mmの三箇所の位置で測定した値の平均値とした。
前記表面固有抵抗率R15は、前記表面層における電界強度が1.5×10V/cmであるときの表面固有抵抗率を測定した。前記電界強度(1.5×10V/cm)の設定は、電極(長さ:10mm、電極間隙:25μm)を電子写真感光体表面に形成し、前記電極間隙から算出される適性バイアスを電極に印加することにより行った。なお、前記表面固有抵抗率R15は、電子写真感光体の表面層における上端部から70mm、170mm、及び270mmの三箇所の位置で測定した値の平均値とした。
各表面抵抗率の測定は、下記条件にて行った。結果を表2に示す。
・電流−電圧計:Keithley社製 ソースメジャーユニット タイプ2410
・電極金属 :金
・電極長さ :10mm
・電極間隙 :25μm
・測定雰囲気 :25℃/50%RH
・測定時間 :70秒間(電圧印加後60秒間後の電流値から表面抵抗を算出)
−低電界における表面抵抗率−
表1の結果から、実施例1〜34の電子写真感光体は、低電界(1×10V/cm)において表面抵抗率が1013Ω/cm以上を示し、低電界(1×10V/cm)においては高抵抗を示すことがわかった。また、実施例1〜34の電子写真感光体における表面固有抵抗率Rと表面固有抵抗率Rとの比(R/R)については、10以下を示す結果となっており、低電界強度領域での表面抵抗率が極めて安定していることがわかった。
一方、比較例1〜8及び10〜11の電子写真感光体は、前記同様に低電界(1×10V/cm)において表面固有抵抗率が比較的高い(1013Ω/cm)状態を維持していたが、比較例9及び12〜16の電子写真感光体は、低電界において表面固有抵抗率が低いことがわかった。これは、無機微粒子や電荷輸送性化合物の含有量に由来した現象であることが示唆された。但し、表面固有抵抗率Rと表面固有抵抗率Rとの比(R/R)については、比較例9、12、20、及び24の電子写真感光体を除き、実施例同等の低い数値を示しており、低電界における表面固有抵抗率は安定であることが示された。比較例9、12、20、及び24の電子写真感光体における表面固有抵抗率Rと表面固有抵抗率Rとの比(R/R)は10を上回っており、低電界における表面固有抵抗率が不安定であることがわかった。
比較例17〜30の電子写真感光体は、第13族元素がドープされた酸化亜鉛を用いておらず、低電界(1×10V/cm)において表面固有抵抗率が比較的高い(1013Ω/cm)状態を維持し、表面固有抵抗率Rと表面固有抵抗率Rとの比(R/R)が実施例と同等の低い数値を示す結果となった。
−高電界における表面抵抗率−
また、実施例1〜34の電子写真感光体は、低電界強度と比較して高電界強度の表面抵抗率は2〜4桁小さくなる傾向であった。特に無機微粒子の含有量が多い場合、低電界強度の表面抵抗率と高電界強度の表面抵抗率との比は大きくなり、約4,000程度に達することがわかった。この挙動は表面層に少量の電荷輸送性化合物が含有される場合(電荷輸送性を有しない樹脂100質量部に対して電荷輸送性化合物が20質量部以下、含有される場合)も同様の傾向が見られ、本発明に記載の電荷輸送性化合物の含有量であれば、表面抵抗率への影響は小さく抑えることができ、電荷輸送機能を増強することが示唆された。
一方、比較例1〜6の電子写真感光体は、無機微粒子を含有しないものであり、実施例の電子写真感光体と比較して低電界強度の表面抵抗率と高電界強度の表面抵抗率との比(R/R15)が小さく、電荷輸送性化合物が含有されていた場合であっても、その比はそれほど大きくなることはなかった。
比較例7、8、10、及び11の電子写真感光体は、無機微粒子の含有量が少なく高電界強度においても、低電界強度の表面抵抗率と高電界強度の表面抵抗率との比(R/R15)が大きくならず、高電界における電荷輸送性が乏しいことが示唆された。
比較例9、12の電子写真感光体のように、無機微粒子の含有量が多い場合には、低電界強度の表面抵抗率と高電界強度の表面抵抗率との比(R/R15)は大きくなり、5,000以上の値を示すことがわかった。これは無機微粒子の含有量が多く、粒子同士の接触による導電パスが多い状態となり、電界が高い場合、膜抵抗が小さくなり易いからである。
比較例13〜16の電子写真感光体は、無機微粒子及び電荷輸送性化合物を併用し、電荷輸送性化合物の含有量が多いものであり、低電界強度での表面抵抗率が低いため、高電界強度での表面抵抗率も低くなるが、その比はそれほど大きくならないことがわかった。
(評価)
実施例及び比較例で作製した電子写真感光体について、下記評価を実施した。
<長期使用前後における電子写真感光体の電気特性及び画像出力の評価>
画像形成装置(Imagio MP C5000、株式会社リコー製)の感光体ユニットから帯電ユニットを除く部材(クリーニングブレード等)を取り除いた改造感光体ユニットを用いてランニング試験に用いた。実施例及び比較例で作製した電子写真感光体を取り付けた改造感光体ユニットを画像形成装置(Imagio MP C5000)の改造機にセットし、通紙を行わず帯電、現像のみを繰り返し実施できるようにした。帯電条件としては、帯電ローラを用い、直流電圧に交流電圧を重畳させた交番電圧を印加し、交流電圧のピークツーピーク電圧Vppを約1.9kV、周波数fを約900Hz、直流電圧を−650V、電子写真感光体の回転速度を230mm/secに設定した。現像条件としては、655nmのLDを用い、書き込みパターンを100%書き込みパターン(全ベタ)とした。本条件で10万枚のランニング(5%テストパターン/帯電−露光電位差550V/電子写真感光体静電容量110pF/cm)と同等の静電疲労を電子写真感光体に負荷するためには、約2.5時間のランニングによって達成できることが通過電荷量計算からわかっており、電気特性の評価では、ランニング10万枚相当の静電疲労試験を上述の改造機を用いて実施した。また、画像出力の評価では、画像出力時の初期空転プロセスをなくすように改造したIPSiO MP C5000改造機を用いて実施した。
電気特性及び画像出力の評価では、トナーとして、Imagioトナータイプ27(株式会社リコー製)を用い、用紙としてはNBS MyPaper(A4サイズ、株式会社NBSリコー製)を用いた。
−電気特性の評価−
電気特性の評価は、スタート時の感光体表面電位を−650Vとして、前記静電疲労前後における機内電位(帯電後電位及び露光部電位)を測定することにより評価した。結果を表3に示す。
−画像出力の評価−
画像出力の評価は、出力画像として、ハーフトーン出力を3枚連続で行い、出力画像のドット再現状態を目視及び顕微鏡にて確認することにより評価した。結果を表3に示す。
表3−1〜表3−3の結果から、比較例1〜6についてはランニング中に異音が発生したためランニングを中止した。原因を調べた結果、明部電位の上昇が大きく、ランニング途中でトナーの供給量が低下したために、現像ユニット部において異音が発生したものと考えられる。
実施例1〜53の電子写真感光体は、ランニング前後での暗部電位及び明部電位の変化が極めて小さく、良好な電子写真感光体であることがわかった。これらの電子写真感光体の中でもアルミドープの酸化亜鉛、ガリウムドープの酸化亜鉛を用いた場合、明部電位の安定性が高くなり、特にガリウムドープの酸化亜鉛を用いた場合に非常に高い明部電位の安定性を示し、暗部電位及び明部電位とも変動が極めて少ないことがわかった。これは、酸化亜鉛自身が、その粒子バルクにより表面に酸素欠損を多く含み、大気中で酸化して抵抗値が変動しやすいが、酸素欠損を補填する形で第13族元素をドープすることにより、大気中での安定性が高くなるためことに起因することが示唆された。加えてガリウム元素自身が大気中で酸化されにくく、非常に安定な特性を示すことに由来すると考えられた。
比較例1〜6の電子写真感光体は、ランニング中に異音が発生したためランニングを中止した。原因を調べた結果、明部電位の上昇が大きく、ランニングの途中でトナーの供給量が低下したために現像ユニット部において異音が発生したことが示唆された。
比較例7、8、10、及び11の電子写真感光体は、帯電性の変化はそれほど大きくないが、明部電位が初期時から高く、また明部電位の上昇も比較的大きいことがわかった。これは高電界強度における表面抵抗率が比較的高く、電荷輸送性が十分でなく、使用するうちに電荷輸送性が大きく低下したためと考えられた。特に高電界(1.5×10V/cm)においても1014Ω/cmを上回る比較例10の電子写真感光体は、明部電位が非常に大きく、画像濃度の低下が顕著に現れるとともに、ランニング前後での暗部電位及び明部電位が大きく、十分な安定性が得られなかった。
比較例9及び12の電子写真感光体は、暗部電位及び明部電位ともに初期時から低かったが、ランニング後には変動が比較的大きく、いずれの電位も増加する傾向を示した。これは、表面層に占める無機微粒子の含有量が非常に高くなるため、前述の通り無機微粒子同士の接触箇所が多くなり、何らかの電荷トラップが形成された状態になったためと考えられた。これらの電子写真感光体は低電界における表面抵抗率が低く、初期状態でもドット再現性が良くない結果を示し、ランニング後においてこの傾向が顕著となった。
比較例13及び15の電子写真感光体は、電荷輸送性化合物を多く含有するものであるが、初期時のドット再現性が良好であった。しかし、ランニング後の暗部電位及び明部電位共に大きな変化を示し、出力画像の画像濃度低下が確認された。これは、使用した電荷輸送性化合物のランニングによる劣化が原因と考えられた。
比較例14及び16の電子写真感光体は、比較例13及び15よりも多くの電荷輸送性化合物を含有するものであり、初期時からドット再現性が悪く、ランニング後には暗部電位及び明部電位共に大きな変動を有し、ドットがほとんど再現されない状態となった。これは表面層に含まれる電荷輸送性化合物がランニングにより劣化し、表面層の抵抗低下及び電荷トラップの形成が生じた結果であることが示唆された。
比較例17〜19、21〜23、及び25〜30の電子写真感光体は、第13族元素を含有しない酸化亜鉛並びにその他金属酸化物を用いたものであり、表面層の表面抵抗率は良好であったが(表1参照)、ランニング前後での暗部電位及び明部電位の変動は、実施例と比較して非常に大きくなる傾向を示した。また、ランニング後の出力画像の濃度低下も生じていたが、ランニング後に明部電位が上昇したことに起因することが示唆された。
比較例20及び24の電子写真感光体は、初期時から画像濃度が低く、ランニング後のドット再現性が悪くなることが示された。これは低電界での表面抵抗安定性(R/Rに代表される特性値)が初期時から悪く、ランニングにより表面層の低抵抗化が生じて解像度が低下したことが主要因であると考えられた。
以上の結果から、本発明の電子写真感光体は、長期に亘るランニングを実施した場合であっても極めて高い電荷輸送性及び潜像保持性を示し、本発明の電子写真感光体を用いることにより、長期に亘り画像品質に優れることがわかった。
<摩耗耐久評価>
前記摩耗耐久試験は、画像形成装置として、Imagio MP C5000(株式会社リコー製)を改造したものを使用した。画像形成装置の改造は、以下のように行った。
プロセスカートリッジから予め滑剤バーを取り除き、電子写真感光体外部から滑剤供給をしないように予め改造した装置を用いた。トナーとしてが、Imagioトナータイプ27(株式会社リコー製)を用い、用紙としてはNBS MyPaper(A4サイズ、株式会社NBSリコー製)を用いた。ランニング条件としてはスタート時に感光体表面電位を−650Vとなるように帯電条件を調整し、5%テストチャートを用いて10万枚のランニングを実施し、ランニング前後の膜厚測定結果をもとに感光体摩耗量を評価した。
ランニングに供した電子写真感光体は、前記電子写真感光体の表面層に含有される電荷輸送性を有しない樹脂として架橋構造を有する樹脂を使用したものであって、上記試験により長期間使用しても暗部電位及び明部電位の変動が比較的少なかった実施例12〜21、23〜26で作製した電子写真感光体を使用した。結果を表4に示す。
−ユニバーサル硬度の測定−
前記ユニバーサル硬度の測定は、電子写真感光体の状態で下記条件において5回測定することにより行い、それらの平均値を電子写真感光体のユニバーサル硬度とした。
〔条件〕
装置:フィッシャースコープ H−100(フィッシャー・インストルメンツ社製)
ソフト:WIN−HCU(フィッシャー・インストルメンツ社製)
最大試験荷重:1mN
荷重アプリケーション時間:30秒間
荷重の増加:1mN/30秒間
最大試験荷重でのクリープ:5秒間
荷重の減少:荷重の増加と同条件
徐荷後のクリープ:5秒間
圧子:マイクロピッカーズ(フィッシャー・インストルメンツ社製)
−弾性仕事率の測定−
前記弾性仕事率の測定は、前記ユニバーサル硬度と同様の方法により測定した。
前記弾性仕事率は、下記式1を用いて算出した。
<<式1>>
弾性仕事率(%)=100×(最大仕事率−塑性仕事率)/最大仕事率
実施例12〜19、23、及び24は、通紙ランニングによっても摩耗耐久性が高く、電子写真感光体表面の付着物が少なく、別途実施した電気特性評価の結果を踏まえると優れた耐久性を示す電子写真感光体であることが示された。一方で、実施例20についても高い摩耗耐久性を示すものの電子写真感光体表面には僅かに白色付着物が観察された。実施例21は実施例20と比較して摩耗耐久性が低下し、表面付着物が多く観察される結果となった。これは電荷輸送性構造を有する化合物を表面層中に含有していることによる表面層の架橋密度低下に付随した硬度、弾性仕事率の低下に由来することが示唆された。実施例25〜26に関しても同様に摩耗耐久性の低下と表面付着物の増加が見られており、実施例20〜21の結果と同様に表面層の架橋密度低下に付随した硬度及び弾性仕事率低下に由来することが示唆された。特に実施例24は表面層がすべて摩耗するといった結果となった。
本結果から、前記表面層における電荷輸送性を有しない樹脂が架橋性構造を有し、前記表面層のユニバーサル硬度が250N/mm以上であると、表面付着が少ない表面層となることがわかった。また、本発明において優れた摩耗耐久性を示す表面層としては、前記表面層の弾性仕事率が50%以上であればよく、55%以上の場合には摩耗耐久性が極めて高くなることがわかった。
<クリーニングブレード形状、帯電ローラ汚染状況評価試験>
画像形成装置(Imagio MP C5000、株式会社リコー製)において、その感光体ユニットの代わりに、実施例2、6、13、32、33及び34で作製した電子写真感光体を取り付けた改造感光体ユニットを用いて、5万枚の通紙試験を実施した。出力画像は、画像面積率7%の格子画像を用い、用紙としては、NBS MyPaper(A4サイズ、株式会社NBSリコー製)を使用した。
−クリーニングブレード形状、帯電ローラ汚染状況評価−
通紙試験後、改造感光体ユニットを取り出し、クリーニングブレード端部の状態及び帯電ローラの汚染状況の評価を行った。結果を表5に示す。
実施例32〜34の電子写真感光体は、フッ素系樹脂微粒子を含有することにより、クリーニングブレードが受ける機械的ストレスが軽減され、ブレード摩耗や欠けなどの問題が起こりにくくなり、長期的に安定な画像形成を実現できることが分かった。
次に、実施例5〜11、実施例16〜21、23、実施例27〜31、実施例35〜53に関して、本評価を繰り返し実施し、計20万枚のランニング相当の静電疲労試験を実施した。機内電位の測定結果及び、画像評価結果を表6に示す。
表6の結果から、実施例5〜11、実施例16〜21、23、実施例27〜31、実施例35〜53については、20万枚までの静電疲労試験の実施により暗部電位・露光部電位ともに10万枚までの変化と比べて大きくなる傾向を示す。特に粒子含有率の比較的少ない実施例においてはその傾向が僅かではあるが強くなっていると考えられる。一方で、実施例35〜53については暗部電位・露光部電位ともに変動量が若干大きくなるものの、前記実施例と比較してその変化量は小さく、高い静電安定性を示すことが分かる。この現象の詳細な原因は不明であるが、同様のガリウムドープの酸化亜鉛微粒子を用いた場合であっても焼結防止剤を多く含む場合には静電疲労に伴う酸化還元の繰り返し負荷や、電子写真プロセスにおける熱負荷・酸性ガス負荷に対して耐久性が高いことに由来するものと考えられる。
また、実施例5〜11、実施例16〜21、23、実施例27〜31については、20万枚までの静電疲労試験後の出力画像に於いて僅かではあるが画像濃度の低下が見られた。これら実施例においては比較的低抵抗の微粒子を多く含有していること、静電疲労試験によって無機微粒子の特性変化が比較的大きい試験結果(暗部電位・露光部電位の変動量)から、静電疲労による電子写真感光体の表面抵抗率低下に由来した画像流れに起因する画像濃度低下現象と考えられる。しかし、画像濃度低下は見られるものの、画像や画像を形成するドットは比較的明瞭に形成されており、実使用においては大きな問題とならないと思われる。一方で、実施例35〜53については20万枚までの静電疲労試験後の出力画像において、異常は見られず良好な画像が得られた。これら実施例で得られた電子写真感光体は非常に高い静電疲労に対する耐久性を有すると共に、長期に亘って安定な出力画像を得ることができるといった非常に優れた電子写真感光体であるといえる。
以上の結果から、本発明の電子写真感光体は優れた電荷輸送性ならびに潜像保持性を有し、長期に亘るランニングを実施した場合であっても極めて高い電荷輸送性及び潜像保持性を示し、長期に亘って画像品質に関わる欠陥の少ない電子写真感光体であることがわかった。
(実施例54)
実施例1で用いた表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・前記構造式(2)で表される電荷輸送性化合物・・・150部
・Gaドープ酸化亜鉛・・・250部
(Pazet GK−40、平均粒径32nm、ハクスイテック社製)
・界面活性剤・・・12.5部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・2,665部
・シクロヘキサノン・・・800部
(実施例55)
実施例30で用いた表面層用塗工液において、電荷輸送性化合物を前記構造式(3)で表される電荷輸送性化合物に変更し、電荷輸送性を有しない樹脂を、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成株式会社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)5部とを混合して、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施して得られた樹脂に変更した以外は、実施例30と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層からなる積層体上に上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900mW/cm、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130℃で30分間、乾燥を行った。
(比較例31)
実施例1で用いた表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・前記構造式(2)で表される電荷輸送性化合物・・・233部
・Gaドープ酸化亜鉛・・・333部
(Pazet GK−40、平均粒径32nm、ハクスイテック株式会社製)
・界面活性剤・・・12.5部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・テトラヒドロフラン・・・3,550部
・シクロヘキサノン・・・886部
(比較例32)
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・前記構造式(2)で表される電荷輸送性化合物・・・43部
・テトラヒドロフラン・・・762部
・シクロヘキサノン・・・190部
(比較例33)
実施例11の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・トリメチロールプロパントリアクリレート・・・100部
(TMPTA、東京化成株式会社製)
・前記構造式(3)で表される電荷輸送性化合物・・・43部
・光重合開始剤・・・5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・テトラヒドロフラン・・・762部
・シクロヘキサノン・・・190部
(比較例34)
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・100部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・前記構造式(2)で表される電荷輸送性化合物・・・54部
・テトラヒドロフラン・・・821部
・シクロヘキサノン・・・205部
(比較例35)
実施例12の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例12と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・トリメチロールプロパントリアクリレート・・・100部
(TMPTA、東京化成株式会社製)
・前記構造式(3)で表される電荷輸送性化合物・・・54部
・光重合開始剤・・・5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・テトラヒドロフラン・・・821部
・シクロヘキサノン・・・205部
<摩耗耐久評価及び画像評価>
実施例7、18、54、55、及び比較例31、32、33、34、35に記載の感光体を、潤滑剤塗布機構を有するImagio MP C5000感光体ユニット(株式会社リコー製)に装着し、23℃で55%RH環境下にて10万枚の白画像通紙試験を行った。トナーとしては、Imagioトナータイプ27(株式会社リコー製)を用い、用紙としてはNBS MyPaper(A4サイズ、株式会社リコー製)を用いた。
通紙試験前後にて感光体厚み測定及び評価画像の出力を行い、摩耗耐久性、画像評価を行った。
感光体厚みの測定には、渦電流式膜厚計(フィッシャースコープMMS、フィッシャー社製)を、画像評価は、出力画像として、ハーフトーン出力を3枚連続で行い、出力画像のドット再現状態を目視、及び顕微鏡にて確認することにより評価した。結果を表7に示す。
表7の結果から、実施例7、18、54、及び55においては潤滑剤塗布により非常に高い機械的耐久性と画像安定性が得られることがわかった。
一方、比較例32、33については、通紙前より画像濃度が低くいという異常が見られた。これは電荷輸送性化合物の添加量が少なく、十分に電荷輸送できていないことに起因すると考えられる。
比較例31、34、35については、通紙前の画像は良好であったが、通紙後には画像流れが見られた。通紙後の比較例31、34、35の感光体表面を共焦点レーザー顕微鏡(H1200、レーザーテック株式会社製)にて観察したところ潤滑剤の凝集物が見られた。これら比較例において潤滑剤凝集物が生じた詳細なメカニズムは不明であるが、十分な電荷輸送機能を付与するために電荷輸送性化合物を多量に添加していることに起因する不具合であると予想できた。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面層をこの順に有する電子写真感光体であって、前記表面層が、電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子とを少なくとも含有し、前記無機微粒子が、第13族元素をドープした酸化亜鉛であり、前記表面層における電界強度が1×10V/cmであるときの表面固有抵抗率Rが、1×1013Ω/cm以上であり、前記表面固有抵抗率Rと、前記表面層における電界強度が1.5×10V/cmであるときの表面固有抵抗率R15との比(R/R15)が、100〜5,000であることを特徴とする電子写真感光体である。
<2> 表面固有抵抗率Rと、表面層における電界強度が3×10V/cmであるときの表面固有抵抗率Rとの比(R/R)が、0.1〜10である前記<1>に記載の電子写真感光体である。
<3> 第13族元素をドープした酸化亜鉛が、ガリウム元素をドープした酸化亜鉛である前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<4> 第13族元素をドープした酸化亜鉛の体積抵抗率が1×10Ω・cm以上である前記<1>から<3>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<5> 第13族元素をドープした酸化亜鉛がSiを含有し、前記Siの含有量がSiO換算で1.0質量%〜10質量%である前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<6> 第13族元素をドープした酸化亜鉛の表面層における含有量が、7体積%〜40体積%である前記<1>から<5>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<7> 電荷輸送性を有しない樹脂が、架橋構造を有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<8> 表面層におけるユニバーサル硬度が、200N/mm以上である前記<1>から<7>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<9> 電荷輸送性を有しない樹脂が、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂の少なくともいずれかである前記<1>から<8>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<10> 電荷輸送性化合物を更に含有し、前記電荷輸送性化合物の含有量が、電荷輸送性を有しない樹脂100質量部に対して20質量部以下である前記<1>から<9>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<11> 表面層がフッ素系樹脂微粒子を含有する前記<1>から<10>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<12> 電子写真感光体、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段とを有する画像形成装置であって、
前記電子写真感光体が、前記<1>から<11>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置である。
<13> 更に、電子写真感光体上に潤滑剤を付与する潤滑剤付与手段を有する前記<12>に記載の画像形成装置である。
<14> 電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段の少なくともいずれかの手段を有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
前記電子写真感光体が、前記<1>から<11>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
1 電子写真感光体
3 帯電手段
5 露光手段
6 現像手段
10 転写手段
21 導電性支持体
23 電荷発生層
24 電荷輸送層
25 表面層
26 単層型感光層
101 電子写真感光体
102 帯電手段
104 現像手段
106 転写手段
特開平05−181299号公報 特開2002−06526号公報 特開2002−82465号公報 特開2000−284514号公報 特開2001−194813号公報 特開2006−99028号公報 特開平03−45962号公報 特開平07−281463号公報 特開平09−26685号公報 特開2002−229241号公報 特許第2795566号公報 特開2009‐288402号公報 特開2008‐090214号公報 特開2002−139859号公報 特開2001−125286号公報 特開2001−324857号公報
KONICA Technology Report Vol.13(2000) Journal of Imaging Science 32:205−210(1988)

Claims (10)

  1. 導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面層をこの順に有する電子写真感光体であって、前記表面層が、電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子とを少なくとも含有し、前記無機微粒子が、第13族元素をドープした酸化亜鉛であり、前記表面層における電界強度が1×10V/cmであるときの表面固有抵抗率Rが、1×1013Ω/cm以上であり、前記表面固有抵抗率Rと、前記表面層における電界強度が1.5×10V/cmであるときの表面固有抵抗率R15との比(R/R15)が、100〜5,000であり、
    前記第13族元素をドープした酸化亜鉛が、ガリウム元素をドープした酸化亜鉛であり、
    前記第13族元素をドープした酸化亜鉛の体積抵抗率が、1×10 Ω・cm以上であり、
    前記第13族元素をドープした酸化亜鉛がSiを含有し、前記Siの含有量がSiO 換算で1.0質量%〜10質量%であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 表面固有抵抗率Rと、表面層における電界強度が3×10V/cmであるときの表面固有抵抗率Rとの比(R/R)が、0.1〜10である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記第13族元素をドープした酸化亜鉛の表面層における含有量が、7体積%〜40体積%である請求項1から2のいずれかに記載の電子写真感光体
  4. 前記電荷輸送性を有しない樹脂が、架橋構造を有する請求項1から3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 表面層におけるユニバーサル硬度が、200N/mm 以上である請求項1から4のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 前記電荷輸送性を有しない樹脂が、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂の少なくともいずれかである請求項1から5のいずれかに記載の電子写真感光体。
  7. 表面層がフッ素系樹脂微粒子を含有する請求項1から6のいずれかに記載の電子写真感光体。
  8. 電子写真感光体、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段とを有する画像形成装置であって、
    前記電子写真感光体が、請求項1から7のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
  9. 更に、電子写真感光体上に潤滑剤を付与する潤滑剤付与手段を有する請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段の少なくともいずれかの手段を有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
    前記電子写真感光体が、請求項1から7のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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