JP6405783B2 - 電子写真感光体、電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。より詳しくは、残留電位を低減でき、かつ、画像メモリー(画像濃度差)が発生せず、さらには、高温多湿環境下においても画像ボケの発生を良好に抑えることのできる電子写真感光体等に関する。
近年、電子写真感光体として、有機光導電性物質を含有する有機感光体が広く用いられている。この有機感光体が無機系の感光体に対して有利な点は、可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料を開発しやすいこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安いことなどである。
このような有機感光体(以下、単に「感光体」ともいう。)には、感光体の表面保護層に強度部材/電荷輸送材として電子輸送性であるn型半導体の、酸化アルミ、二酸化チタン、酸化スズなどの金属酸化物微粒子を使用した場合、残留電位が上昇するため、感光体周期による画像濃度差(いわゆる「画像メモリー」。)が発生し、この結果、安定した画像を形成できないという問題があった。この問題の原因は、表面保護層に使用した上述の金属酸化物微粒子がホール輸送機能を有さないために、電荷輸送層と表面保護層の界面及び表面保護層内の粒子界面で電荷発生層由来のホール(正孔)がトラップされ、この結果、効果的に感光体表面の負電荷をキャンセルできないためと考えられる。
そこで、この問題を解決するため表面保護層にホール輸送機能を付与することが考えられる。このホール輸送機能を付与する手段として、ホール輸送性有機化合物やp型半導体微粒子の添加が挙げられ、p型半導体微粒子の例としてCuAlOが適用されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、さらなる高速化のためには、感光体のホール輸送機能を向上させる必要があり、CuAlOの場合、表面保護層への添加部数を上げる施策がある。
しかしながら、p型半導体微粒子の添加部数を上げると、当該微粒子由来のヒドロキシ基も増えるために、高温多湿下において、画像ボケが生じるという問題が発生する。
特開平10−312139号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、残留電位を低減でき、かつ、画像メモリー(画像濃度差)が発生せず、さらには、高温多湿環境下においても画像ボケの発生を良好に抑えることのできる電子写真感光体、電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、表面保護層に含有させるp型半導体微粒子として、少なくともCuOを含む微粒子(以下、「CuO微粒子」ともいう。)を採用すれば、p型半導体微粒子の添加量を減らすことができるため、表面保護層が含有するp型半導体微粒子由来のヒドロキシ基の量を減らすことができ、ひいては、残留電位を低減でき、かつ、画像メモリー(画像濃度差)が発生せず、さらには、高温多湿環境下においても画像ボケの発生を良好に抑えることができることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.導電性支持体上に少なくとも有機感光層として電荷発生層と電荷輸送層と、及び表面保護層とを順に有する電子写真感光体であって、
当該表面保護層が、少なくとも、架橋性モノマーを重合することで得られる硬化樹脂と少なくともp型半導体としてのCuOを含む微粒子とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
.前記表面保護層を構成する架橋性モノマー100質量部に対する前記CuOの含有量(X1)が、下記一般式(1)を満たすことを特徴とする第1項に記載の電子写真感光体。
一般式(1):30≦X≦180 (単位:質量部)
.電子写真感光体を帯電する帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を少なくとも有する電子写真画像形成装置であって、当該電子写真感光体が、第1項又は第2項に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真画像形成装置。
.第4項に記載の電子写真画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジであって、当該プロセスカートリッジが、少なくとも第1項又は第2項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段又はクリーニング手段の少なくとも一つを一体として有しており、当該電子写真画像形成装置に出し入れ可能に構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明の上記手段により、残留電位を低減でき、かつ、画像メモリー(画像濃度差)が発生せず、さらには、高温多湿環境下においても画像ボケの発生を良好に抑えることのできる電子写真感光体を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明者は、CuO微粒子をp型半導体微粒子として採用し、表面保護層に添加すれば、少量であっても、例えば、CuAlO微粒子と同等以上の電気特性を発揮する(残留電位を低減する)ことができ、画像メモリーの発生を抑えられることを発見した。これは、CuOがCuAlOよりもホール輸送機能が高いためであると推察される。
また、p型半導体微粒子として使用される金属酸化物微粒子は、電気陰性度の大きい原子(例えば、酸素原子など。)を有し、当該電気陰性度の大きい原子の影響でp型半導体微粒子表面を覆う親水性基(例えば、ヒドロキシ基などの極性基。)がある一定数、存在していると考えられる。これら電気陰性度の大きい原子や親水性基には、水やオゾンが付着しやすいと考えられる。
さらに、p型半導体微粒子を表面保護層に添加すると、最表面において当該p型半導体微粒子周辺に空隙でき、この空隙に水やオゾンが侵入し、p型半導体微粒子表面に付着すると考えられる。
この水やオゾンがp型半導体微粒子表面に付着すると、感光体の表面が帯電し難くなり、特に高温多湿環境下において画像ボケが発生すると考えられる。
本発明では、CuO微粒子をp型半導体微粒子として採用するため、その添加量を減らすことができ、これにより、電気陰性度の大きい原子、親水性基及び空隙の量を減らすことができるため、感光体表面に付着する水やオゾンの量を減らすことができるものと考えられる。この結果、本発明は、水やオゾンの影響により感光体の表面が帯電し難くなることを回避でき、高温多湿環境下においても画像ボケの発生を良好に抑えることができたと推察する。
本発明に係る感光体の層構成の一例を示す模式図 本発明に係る感光体を用いる画像形成装置の一例を示す模式断面図
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも有機感光層として電荷発生層と電荷輸送層と、及び表面保護層とを順に有する電子写真感光体であって、当該表面保護層が、少なくとも、架橋性モノマーを重合することで得られる硬化樹脂と少なくともp型半導体としてのCuOを含む微粒子とを含有することを特徴とする。この特徴は請求項1から請求項までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記バインダー樹脂が、架橋性モノマーを重合することで得られる硬化樹脂を少なくとも含有することが、耐摩耗性が向上し、高耐久性の電子写真感光体が得られることから好ましい。
本発明においては、前記表面保護層を構成する架橋性モノマー100質量部に対する前記CuOの含有量(X)が、上記一般式(1)を満たすことで、より、残留電位を低減しつつ、高温多湿環境下においても画像ボケの発生を良好に抑えることができるため好ましい。
本発明の電子写真感光体は、電子写真感光体を帯電する帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を少なくとも有する電子写真画像形成装置及び当該電子写真画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジに好適に具備され得る。これにより、残留電位を低減でき、かつ、画像メモリー(画像濃度差)が発生せず、さらには、高温多湿環境下においても画像ボケの発生を良好に抑えることができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも有機感光層として電荷発生層と電荷輸送層と、及び表面保護層とを順に有する電子写真感光体であって、当該表面保護層が、少なくとも、架橋性モノマーを重合することで得られる硬化樹脂と少なくともp型半導体としてのCuOを含む微粒子とを含有することを特徴とする。
[表面保護層]
本発明に係る表面保護層は、少なくとも、架橋性モノマーを重合することで得られる硬化樹脂と少なくともp型半導体としてのCuOを含む微粒子とを含有する。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂としては、架橋性モノマーを重合することで得られる硬化樹脂を含有することが、耐摩耗性が向上し、高耐久性の電子写真感光体が得られることから好ましい。
また、本発明に係る表面保護層に使用可能なバインダー樹脂としては、硬化樹脂以外(非硬化樹脂)では、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の公知の樹脂を挙げることができる。また、硬化樹脂と非硬化樹脂を併用して用いることもできる。
(硬化樹脂)
本発明に係る表面保護層に使用可能な硬化樹脂としては、例えば、ラジカル重合性化合物のような架橋性モノマーの重合体が挙げられる。このラジカル重合性化合物としては、ラジカル重合性反応基として、アクリロイル基、メタクリロイル基の少なくともいずれかを有するラジカル重合性化合物(架橋性モノマー)が好ましい。
(架橋性モノマー)
架橋性モノマーとしては、例えば以下の化合物を例示することができるが、本発明に使用可能な架橋性モノマーはこれらに限定されるものではない。
Figure 0006405783
Figure 0006405783
上記のラジカル重合性化合物(架橋性モノマー)は公知であり、また市販品として入手できる。
ここで、Rは下記アクリロイル基、R′は下記メタクリロイル基を表す。
Figure 0006405783
(重合開始剤)
本発明に係る表面保護層に使用可能な架橋性モノマーを重合反応させる方法としては、電子線開裂反応を利用する方法やラジカル重合開始剤の存在下で光や熱を利用する方法等により重合反応を行うことができる。ラジカル重合開始剤を用いて重合反応を行う場合、重合開始剤として光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光、熱の両方の重合開始剤を併用することもできる。
本発明で使用できる重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルアゾビスバレロニリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ化合物、過酸化ベンゾイル(BPO)、ジ−tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物等の熱重合開始剤が挙げられる。
また、光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(イルガキュア369:BASFジャパン社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のアセトフェノン系又はケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(イルガキュア819:BASFジャパン社製)、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物が挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独又は上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
本発明に用いられる重合開始剤としては光重合開始剤が好ましく、アルキルフェノン系化合物、ホスフィンオキシド系化合物が好ましく、更に好ましくはα−ヒドロキシアセトフェノン構造、又はアシルホスフィンオキシド構造を有する重合開始剤が好ましい。
これらの重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、架橋性モノマー100質量部に対し0.1〜40質量部、好ましくは0.5〜20質量部である。
<CuO微粒子>
本発明の電子写真感光体は、表面保護層に、p型半導体微粒子として、少なくともCuOを含む微粒子(「CuO微粒子」ともいう。)を含有させることを特徴とする。なお、当該CuO微粒子には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、他種の金属又は金属酸化物等の無機物を含有させてもよい。
p型半導体粒子とは、電荷を輸送するキャリアとして正孔(ホール)が使われる半導体粒子である。すなわち、正孔が多数キャリアとなる半導体である。
CuO微粒子を電子写真感光体の表面保護層に添加することにより、残留電位を低減でき、かつ、画像メモリー(画像濃度差)が発生せず、さらには、高温多湿環境下においても画像ボケの発生を良好に抑えることのできる電子写真感光体とすることができる。
CuO微粒子の数平均一次粒径は1〜300nmの範囲が好ましい。特に好ましくは3〜100nmである。なお、CuO微粒子の数平均一次粒径が、1nm以上であることにより、凝集することもなく、分散性を確保することができる。また、CuO微粒子の数平均一次粒径が、300nm以下であることにより、露光を散乱することもなく、高感度で鮮鋭性に優れた画像を得ることができる。なお、後述する表面修飾を行ったCuO微粒子においても、数平均一次粒径は表面修飾をする前と変わらないものとする。
本発明に係るCuO微粒子は、例えばプラズマ法により生成することができる。プラズマ法としては、直流プラズマアーク法、高周波プラズマ法、プラズマジェット法などの方法が挙げられる。
直流プラズマアーク法では、金属合金を消費アノード電極とする。そして、カソード電極からプラズマフレームを発生させる。そして、アノード側の金属合金を加熱、蒸発させ、金属合金の蒸気を酸化、冷却することにより、CuO微粒子を得ることができる。
高周波プラズマ法では、大気圧力のもとでガスを高周波誘導放電によって加熱したときに発生する熱プラズマを利用する。この熱プラズマを利用する方法のうち、プラズマ蒸発法では、不活性ガスプラズマ中心に固体粒子を注入し、プラズマ中を通過する間に蒸発させ、この高温蒸気を急冷凝縮することにより超微粒子を生成することができる。
プラズマ法は、不活性ガスのアルゴン、及び2原子分子ガスである水素や窒素、酸素雰囲気中でアーク放電すると、アルゴンプラズマ、水素プラズマなどが得られるが、特に2原子分子ガスが熱解離して生じた水素(窒素、酸素)プラズマは分子状ガスに比べて極めて反応性に富んでいるので、不活性ガスのプラズマと区別して反応性アークプラズマとも呼ばれている。このうち酸素プラズマ法はCuO微粒子を生成する方法として効果的である。
上記CuO微粒子の数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(例えば日本電子製:JSM−7500F)により100000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに100個のCuO微粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置(例えばニレコ社製「LUZEX AP」ソフトウェア Ver.1.32)を使用して写真画像上のCuO微粒子について2値化処理し、CuO微粒子の任意の100個についての水平方向フェレ径を算出し、その平均値を数平均一次粒径とする。ここで水平方向フェレ径とは、CuO微粒子の画像を2値化処理したときの外接長方形のx軸に平行な辺の長さをいう。
(架橋性モノマーに対するCuOの含有量)
本発明においては、表面保護層を構成する架橋性モノマー100質量部に対する前記CuOの含有量(X)が、下記一般式(1)を満たすことが好ましい。
一般式(1):30≦X≦180 (単位:質量部)
これにより、より、残留電位の低減しつつ、高温多湿環境下においても画像ボケの発生を良好に抑えることができる。
(表面修飾微粒子)
本発明に係る表面保護層に用いられるCuO微粒子は、表面修飾剤で処理された表面修飾微粒子であることが好ましく、更に反応性有機基を有する表面修飾剤で表面修飾されたものがより好ましい。
(表面修飾剤)
本発明に係る表面修飾剤としては、CuO微粒子の表面に存在するヒドロキシ基等と反応する表面修飾剤が好ましく、これらの表面修飾剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。また、本発明においては、表面保護層の硬度を更に高くする目的で、反応性有機基を有する表面修飾剤が好ましく、反応性有機基を有する表面修飾剤としては、ラジカル重合性反応基を有する表面修飾剤が好ましい。これらのラジカル重合性反応基は、本発明に係る硬化樹脂とも反応して強固な保護膜を形成することができる。ラジカル重合性反応基を有する表面修飾剤としては、ビニル基、アクリロイル基などのラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤が好ましく、このようなラジカル重合性反応基を有する表面修飾剤としては、下記に記すような公知の化合物が例示される。
S−1:CH=CHSi(CH)(OCH
S−2:CH=CHSi(OCH
S−3:CH=CHSiCl
S−4:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
S−5:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−6:CH=CHCOO(CHSi(OC)(OCH
S−7:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−8:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−9:CH=CHCOO(CHSiCl
S−10:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−11:CH=CHCOO(CHSiCl
S−12:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−13:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−14:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−15:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−16:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−17:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−18:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−19:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−20:CH=CHSi(C)(OCH
S−21:CH=C(CH)Si(OCH
S−22:CH=C(CH)Si(OC
S−23:CH=CHSi(OCH
S−24:CH=C(CH)Si(CH)(OCH
S−25:CH=CHSi(CH)Cl
S−26:CH=CHCOOSi(OCH
S−27:CH=CHCOOSi(OC
S−28:CH=C(CH)COOSi(OCH
S−29:CH=C(CH)COOSi(OC
S−30:CH=C(CH)COO(CHSi(OC
S−31:CH=CHCOO(CHSi(CH(OCH
S−32:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCOCH
S−33:CH=CHCOO(CHSi(CH)(ONHCH
S−34:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OC
S−35:CH=CHCOO(CHSi(C1021)(OCH
S−36:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
また、表面修飾剤としては、前記S−1からS−36以外でも、ラジカル重合可能な反応性有機基を有するシラン化合物を用いてもよい。これらの表面修飾剤は単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
(表面修飾微粒子の作製方法)
表面修飾するに際して、CuO微粒子100質量部に対し、表面修飾剤0.1〜100質量部、溶媒(例えば、メチルエチルケトン)50〜5000質量部を用いて湿式メディア分散型装置を使用して処理することが好ましい。また、乾式でも処理することができる。
以下に、均一に表面修飾剤で表面修飾されたCuO微粒子を製造する表面修飾方法について説明する。
すなわち、CuO微粒子と表面修飾剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式粉砕することにより、CuO微粒子を微細化すると同時に粒子の表面修飾が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化することで均一に表面修飾剤により表面修飾されたCuO微粒子を得ることができる。
本発明において用いられる表面修飾装置である湿式メディア分散型装置とは、容器内にメディアとしてビーズを充填し、更に回転軸と垂直に取り付けられた撹拌ディスクを高速回転させることにより、p型半導体(CuO)の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置であり、その構成としては、CuO微粒子に表面修飾を行う際にCuO微粒子を十分に分散させ、かつ表面修飾できる形式であれば問題なく、例えば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式が採用できる。具体的にはサンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミル等が使用できる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズ等の粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、剪断、ズリ応力等により微粉砕、分散が行われる。
上記湿式メディア分散型装置で用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料としたボールが使用可能であるが、特にジルコニア製やジルコン製のものが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1〜2mm程度のものを使用するが、本発明では0.1〜1.0mm程度のものを用いるのが好ましい。
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものが使用できるが、本発明では特にジルコニア又はシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁が好ましい。
以上のような湿式処理により、表面修飾剤によって表面修飾されたCuO微粒子を得ることができる。
本発明に係る表面保護層には、バインダー樹脂とCuO微粒子との他に必要に応じて上述の重合開始剤、後述の滑剤粒子等を含有させて形成してもよい。
(滑剤粒子)
表面保護層に含有させることが可能な滑剤粒子としては、例えば、フッ素原子含有樹脂粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体の中から1種又は2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
(溶媒)
表面保護層の形成に使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、ベンジルアルコール、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、酢酸エチル、酢酸ブチル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(表面保護層の形成)
表面保護層は、例えば、ラジカル重合性の架橋性モノマー、表面修飾したCuO微粒子、必要に応じて公知の樹脂、重合開始剤、滑剤粒子、酸化防止剤等を添加して調製した塗布液を、公知の方法により感光層表面に塗布し、自然乾燥又は熱乾燥を行い、その後硬化処理して作製することができる。表面保護層の厚さは、0.2〜10μmが好ましく、0.5〜6μmがより好ましい。なお、表面保護層を構成する架橋性モノマー100質量部に対する前記CuOの含有量(X)は、上記塗布液を調製する際において、架橋性モノマー100質量部に対するCuO微粒子の添加量である。
本発明では、表面保護層の硬化は、塗布膜に活性線を照射することで行われることが好ましい。すなわち、塗布膜に活性線を照射することで、ラジカルを発生させて、架橋性モノマーを重合させ、かつ分子間及び分子内で架橋反応による架橋結合を形成させることで硬化させて、硬化樹脂を生成することが好ましい。活性線としては、紫外線、可視光などの光や電子線が好ましく、使いやすさ等の見地から紫外線が特に好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノン、紫外線LED等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常1〜20mJ/cm、好ましくは5〜15mJ/cmである。光源の出力電圧は、好ましくは0.1〜5kWであり、特に好ましくは、0.5〜3kWである。
電子線源としては、電子線照射装置に格別の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100〜300kVであることが好ましい。吸収線量としては0.005Gy〜100kGy(0.5〜10Mrad)であることが好ましい。
活性線の照射時間は、活性線の必要照射量が得られる時間であり、具体的には0.1秒〜10分が好ましく、硬化効率又は作業効率の観点から1秒〜5分がより好ましいとされる。
本発明では、活性線の照射前後、及び、活性線を照射中に表面保護層を乾燥処理することができ、乾燥を行うタイミングは活性線の照射条件と組み合わせて適宜選択することができる。表面保護層の乾燥条件は、塗布液に使用する溶媒の種類や表面保護層の厚さなどにより適宜選択することが可能である。また、乾燥温度は、室温〜180℃が好ましく、80〜140℃が特に好ましい。また、乾燥時間は、1〜200分が好ましく、5〜100分が特に好ましい。本発明においては、上記乾燥条件で表面保護層を乾燥することにより、表面保護層に含有される溶媒量を20〜75ppmの範囲に制御することができる。
≪感光体の構成≫
[感光体の層構成]
本発明の感光体は、導電性支持体の上に、有機感光層、表面保護層を形成してなるものである。有機感光層は、その層構成を特に制限するものではなく、表面保護層を含めた具体的な層構成として、例えば以下に示すものがある。
(1)導電性支持体上に、有機感光層として電荷発生層と電荷輸送層、及び、表面保護層を順次積層した層構成
(2)導電性支持体上に、有機感光層として電荷輸送物質と電荷発生材料とを含有する単層、及び、表面保護層を順次積層した層構成
(3)導電性支持体上に、中間層、有機感光層として電荷発生層と電荷輸送層、及び、表面保護層を順次積層した層構成
(4)導電性支持体上に、中間層、有機感光層として電荷輸送物質と電荷発生材料とを含有する単層、及び、表面保護層を順次積層した層構成
本発明の感光体は、上記(1)〜(4)いずれの層構成のものでもよく、これらの中でも、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層と電荷輸送層、表面保護層を順次設けて作製された上記層構成(3)が特に好ましい。
図1は、本発明の感光体の層構成の一例を示す模式図である。図1の電子写真感光体100において、1は導電性支持体、2は有機感光層、3は中間層、4は電荷発生層、5は電荷輸送層、6は表面保護層、7は少なくともCuOを含む微粒子(CuO微粒子)を示す。
次に、本発明の感光体を構成する導電性支持体、中間層及び有機感光層(電荷発生層、電荷輸送層)を構成する部材について説明する。
<導電性支持体>
本発明で用いられる導電性支持体は、導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラム(円筒形)又はシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又はバインダー樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
<中間層>
本発明では、導電性支持体と有機感光層の中間にバリアー機能と接着機能を有する中間層を設けることができる。中間層は、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチン等のバインダー樹脂を公知の溶媒に溶解させて浸漬塗布等により形成させることができる。前記バインダー樹脂の中でもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
また、中間層には抵抗調整の目的で各種導電性微粒子や金属酸化物粒子を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物粒子の他、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。これら金属酸化物粒子を1種類若しくは2種類以上混合して用いることができる。2種類以上混合して用いる場合には、固溶体又は融着の形態をとってもよい。このような金属酸化物粒子は、数平均一次粒径が0.3μm以下のものが好ましく、0.1μm以下のものがより好ましい。
中間層の形成に使用可能な溶媒としては、前述した導電性微粒子や金属酸化物粒子等の無機微粒子を良好に分散させ、ポリアミド樹脂をはじめとするバインダー樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が、バインダー樹脂として好ましいとされるポリアミド樹脂に対して良好な溶解性と塗布性能を発現させることから好ましい。また、保存性や無機微粒子の分散性を向上させるために、前記溶媒に対して以下のような助溶剤を併用することができる。好ましい効果が得られる助溶媒としては、例えば、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
塗布液形成時のバインダー樹脂濃度は、中間層の厚さや塗布方式に合わせて適宜選択することができる。また、無機微粒子等を分散させたとき、バインダー樹脂に対する無機微粒子の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して無機微粒子を20〜400質量部とすることが好ましく、50〜200質量部とすることがより好ましい。
無機微粒子の分散手段は、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー(サンドミル)、及び、ホモミキサー等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
また、中間層の乾燥方法は、溶媒の種類や形成する厚さに応じて公知の乾燥方法を適宜選択することができ、特に熱乾燥が好ましい。
中間層の厚さは、0.1〜15μmが好ましく、0.3〜10μmがより好ましい。
<有機感光層>
前述したように、本発明の感光体を構成する有機感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能を一つの層に付与した単層構造のものであってもよいが、電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に有機感光層の機能を分離させた層構成(機能分離構造)のものがより好ましい。このように、機能分離型の層構成とすることにより、繰り返し使用に伴う残留電位の上昇を小さく制御できる他、各種の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすいメリットがある。負帯電性感光体は中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)を設ける構成をとり、正帯電性感光体は中間層の上に電荷輸送層(CTL)、その上に電荷発生層(CGL)を設ける構成をとる。好ましい有機感光層の層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体である。
以下に、有機感光層の具体例として機能分離型の負帯電感光体の有機感光層の各層について説明する。
(電荷発生層)
本発明で形成される電荷発生層は、電荷発生物質とバインダー樹脂を含有するもので、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散させてなる塗布液を塗布して形成されたものが好ましい。
電荷発生物質は、スーダンレッドやダイアンブルー等のアゾ原料、ピレンキノンやアントアントロン等のキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴ等のインジゴ顔料、フタロシアニン顔料等があり、これらに限定されるものではない。これらの電荷発生物質は単独若しくは公知のバインダー樹脂中に分散させる形態で使用することができる。
電荷発生層を形成するバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の内二つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)及びポリ−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生層の形成は、バインダー樹脂を溶媒で溶解した溶液中に分散機を用いて電荷発生物質を分散して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ましい。
電荷発生層に使用するバインダー樹脂を溶解し塗布するための溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸t−ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミン及び4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生物質の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー(サンドミル)及びホモミキサー等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
バインダー樹脂に対する電荷発生物質の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質1〜600質量部が好ましく、50〜500質量部がより好ましい。電荷発生層の厚さは、電荷発生物質の特性、バインダー樹脂の特性及び混合割合等により異なるが0.01〜5μmが好ましく、0.05〜3μmがより好ましい。なお、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。前記顔料を真空蒸着することによって形成することもできる。
(電荷輸送層)
本発明で形成される電荷輸送層は、少なくとも層内に電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有するものであり、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解、塗布して形成される。
電荷輸送物質は、公知の化合物を用いることが可能で、例えば、以下のものが挙げられる。すなわち、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体(例えば、4,4′−ジメチル−4″−(β−フェニルスチリル)トリフェニルアミン。)、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン及びポリ−9−ビニルアントラセン等が挙げられる。これらの化合物を単独又は2種類以上混合して使用することができる。
また、電荷輸送層用のバインダー樹脂は公知の樹脂を用いることが可能で、例えば、以下のものが挙げられる。すなわち、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が挙げられる。これらの中でもポリカーボネート樹脂が好ましく、更に、ビスフェノールA(BPA)、ビスフェノールZ(BPZ)、ジメチルBPA、BPA−ジメチルBPA共重合体等のタイプのポリカーボネート樹脂が耐クラック性、耐磨耗性、帯電特性の観点から好ましいものである。
電荷輸送層は塗布法に代表される公知の方法で形成することが可能であり、例えば、塗布法では、バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解して塗布液を調製し、塗布液を一定の膜厚で塗布後、乾燥処理することにより所望の電荷輸送層を形成することができる。
上記バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解する溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等が挙げられる。なお、電荷輸送層形成用の塗布液を作製する際に使用する溶媒は上記のものに限定されるものではない。
バインダー樹脂と電荷輸送物質の混合比率は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質を10〜500質量部とすることが好ましく、20〜100質量部とすることがより好ましい。
電荷輸送層の厚さは、電荷輸送物質やバインダー樹脂の特性、及び、これらの混合比等により異なるが、5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
電荷輸送層中には、公知の酸化防止剤を添加することが可能で、例えば、イルガノックス1010(Irganox1010)など特開2000−305291号公報記載の酸化防止剤が使用できる。
(感光体の塗布方法)
本発明の感光体を構成する中間層、電荷発生層、電荷輸送層、表面保護層等の各層は公知の塗布方法により形成することができる。具体的には、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、円形量規制型塗布法等が挙げられる。なお、円形量規制型塗布方法については、例えば、特開昭58−189061号公報、特開2005−275373号公報に記載されている。
≪電子写真画像形成装置≫
本発明の電子写真感光体は、電子写真感光体を帯電する帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段(一次転写手段)を少なくとも有する電子写真画像形成装置に好適に用いられる。
以下に、本発明の電子写真感光体を用いた電子写真画像形成装置について説明する。図2は、本発明の実施形態の一例を示すフルカラーの電子写真画像形成装置の断面構成図である。なお、以下の説明において、感光体1Y、1M、1C及び1Bkに本発明の電子写真感光体が用いられているものとする。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成ユニッ10Y、10M、10C及び10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7aと、給紙手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成ユニット10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラー5Y及びクリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラー5M及びクリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラー5C及びクリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成ユニット10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラー5Bk及びクリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Bkは、感光体1Y、1M、1C又は1Bkを中心に、帯電手段2Y、2M、2C又は2Bkと、露光手段3Y、3M、3C又は3Bkと、現像手段4Y、4M、4C又は4Bk及び感光体1Y、1M、1C又は1Bkをクリーニングするクリーニング手段6Y、6M、6C又は6Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Bkは、感光体1Y、1M、1C又は1Bkに、それぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、「帯電器2Y」ともいう。)、露光手段3Y、現像手段4Y及びクリーニング手段6Yを配置し、感光体1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y及びクリーニング手段6Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名:セルフォック(登録商標)レンズ)とから構成されるもの、又は、レーザー光学系などが用いられる。
現像手段4Yは、例えば、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ及び有機感光体と、この現像スリーブとの間に直流及び交流バイアス電圧又は直流若しくは交流バイアス電圧を印加する電圧印加装置よりなるものである。
無端ベルト状中間転写体ユニット7aは、複数のローラーにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラー5Y、5M、5C及び5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラー22A、22B、22C、22D及びレジストローラー23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラー5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラー25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体という。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラー5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラー5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラー5Y、5M及び5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M又は1Cに当接する。
二次転写ローラー5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L及び82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7aとから成る。
画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C及び1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7aが配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7aは、ローラー71、72、76、73及び74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラー5Y、5M、5C、5Bk及びクリーニング手段6bとから成る。
≪プロセスカートリッジ≫
本発明の電子写真画像形成装置としては、本発明の電子写真感光体と、上述の帯電手段(帯電器)、露光手段(露光器)、現像手段(現像器)又はクリーニング手段(クリーニング器)の少なくとも一つとを一体として有したプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として構成し、この画像形成ユニットを電子写真画像形成装置本体に対して出し入れ可能(着脱自在)に構成されていることが好ましい。また、帯電手段、露光手段、現像手段の他、転写手段(転写器)、分離手段(分離器)の少なくとも一つを感光体とともに一体として有したプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
本発明の電子写真画像形成装置は電子写真複写機、レーザープリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真画像形成装置一般に適応するが、さらに、電子写真技術を応用したディスプレイ、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
≪感光体の作製≫
<感光体1の作製>
下記のようにして感光体1を作製した。
(表面修飾微粒子の作製)
表面修飾するCuO微粒子として数平均一次粒径(表1の「粒径」)20nmの「CuO」100質量部、重合性表面修飾剤として前記S−15(信越化学工業社製、KBM−503)30質量部、メチルエチルケトン1000質量部を湿式サンドミル(径0.5mmのアルミナビーズ)に入れ、30℃にて6時間混合、その後、メチルエチルケトンとアルミナビーズとを濾別し、60℃にて乾燥して表面修飾微粒子を作製した。
(導電性支持体)
直径60mmの円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、表面粗さRz=1.5(μm)の導電性支持体を用意した。
(中間層の形成)
下記組成の分散液を同じ溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルターを使用)し、中間層塗布液を調製した。
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 1質量部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製) 3質量部
メタノール 10質量部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
上記塗布液を用いて前記支持体上に、乾燥後の厚さが2μmとなるようにして浸漬塗布法で塗布した。
(電荷発生層の形成)
電荷発生物質:Y−TiPh(チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料) 20質量部
ポリビニルブチラール樹脂(#6000−C:電気化学工業社製) 10質量部
酢酸t−ブチル 700質量部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300質量部
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥後の厚さが0.3μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層の形成)
電荷輸送物質:4,4′−ジメチル−4″−(β−フェニルスチリル)トリフェニルアミン 225質量部
バインダー樹脂:ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製)
300質量部
酸化防止剤(Irganox1010:BASFジャパン社製) 6質量部
テトラヒドロフラン 1600質量部
トルエン 400質量部
レベリング剤:シリコーンオイル(KF−54:信越化学工業社製)
1質量部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥後の厚さが20μmの電荷輸送層を形成した。
(表面保護層の形成)
表面修飾微粒子:CuO(数平均一次粒径20nm) 10質量部
バインダー樹脂:架橋性モノマーM1(Sartomer社製、SR−350)
100質量部
重合開始剤(イルガキュア819:BASFジャパン社製) 15質量部
2−ブタノール 500質量部
上記成分を混合撹拌し、十分に溶解・分散し、表面保護層塗布液を調製した。この塗布液を先に電荷輸送層まで作製した感光体上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、表面保護層を塗布した。塗布後、キセノンランプを用いて紫外線を1分間照射して、乾燥後の厚さが2.0μmの表面保護層を得た。このようにして「感光体1」を作製した。
<感光体2〜7及び9〜12の作製>
感光体1の作製において、表面修飾微粒子の添加量(含有量)及び数平均一次粒径を、表1に記載のように変更した以外は、感光体1の作製と同様の方法で感光体2〜7及び9〜12を作製した。
<感光体8の作製>
感光体5の作製において、表面保護層塗布液に架橋性モノマー(SR−350)を添加せず、代わりにポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製)をバインダー樹脂として100質量部添加し、塗布後120℃、70分条件で乾燥することで、乾燥後の厚さが2.0μmの表面保護層を形成したほかは、感光体5の作製と同様の方法で感光体8を作製した。
<感光体13の作製>
感光体5の作製において、CuO微粒子の代わりに、数平均一次粒径30nmのCuAlO微粒子を用いた以外は、感光体5の作製と同様の方法で感光体13を作製した。
<感光体14の作製>
感光体5の作製において、CuO微粒子の代わりに、数平均一次粒径30nmのCuO微粒子を用いた以外は、感光体5の作製と同様の方法で感光体14を作製した。
<感光体15の作製>
感光体5の作製において、CuO微粒子の代わりにSnO微粒子を用い、表面修飾微粒子の添加量を150質量部にした以外は、感光体5の作製と同様の方法で感光体15を作製した。
(微粒子の数平均一次粒径の測定)
なお、上記感光体1〜15において使用した微粒子(CuO微粒子、CuAlO微粒子、CuO微粒子及びSnO微粒子)の数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製:JSM−7500F)により100000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに100個の微粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置(ニレコ社製「LUZEX AP」ソフトウェア Ver.1.32)を使用して写真画像上の上記微粒子について2値化処理し、微粒子の任意の100個についての水平方向フェレ径を算出し、その平均値を数平均一次粒径とした。ここで水平方向フェレ径とは、上記微粒子の画像を2値化処理したときの外接長方形のx軸に平行な辺の長さをいう。
[評価方法]
23℃・50%RH環境で、画像比率6%の文字画像をA4横送りで各300000枚両面連続してプリントを行う耐久試験を実施し、耐久試験後に、感光体の残留電位、高温多湿環境下における画像ボケ(以下、「HHボケ」ともいう。)、画像メモリーの評価を行った。なお、評価は、以下に示した指標に従い実施し、結果は表1に示した。
<残留電位>
感光体の電位特性の指標として露光後の電位を測定した。評価はジェンテック社製「CYNTHIA59」を用いて、20℃・65%RHの条件下、暗所でスコロトロン帯電器により感光体を表面電位が−500Vになるように帯電させ、33msec後に強度148μW/cmの白色露光を行い、感光体表面上の露光後の電位(残留電位)を測定した。
<画像メモリー>
前記耐久試験後に、べた黒とべた白の混在した画像を10枚連続して印刷し、続いて均一なハーフトーン画像を印刷し、該ハーフトーン画像中に前記べた黒とべた白の履歴が現れている(メモリー発生)か否(メモリー発生なし)かを目視で判定した。
(判定基準)
◎:メモリー発生なし(良好)
○:軽微なメモリーが視認できる(実用上問題なし)
×:はっきりしたメモリーが視認できる(実用上問題あり)
<HHボケ>
前記耐久試験後、更に50万枚片面連続でプリントを行う耐久試験(環境条件30℃・80%RH、画像面積比率6%の文字画像をA4横送り)を追加した。追加の耐久試験後、直ぐに実機の主電源を停止した。停止12時間後に電源を入れ画出し可能状態になった後、直ちにA3中性紙全面にハーフトーン画像(マクベス濃度計で相対反射濃度0.4)とA3全面の6dot格子画像を印字した。印字画像の状態を観察し以下の評価を行った。
(判定基準)
◎:ハーフトーン、格子画像とも画像ボケ発生なし(良好)
○:ハーフトーン画像のみに感光体長軸方向の薄い帯状濃度低下が認められる(実用上問題なし)
△:画像ボケによる格子画像の欠損若しくは線幅の細りが一部に発生(実用上問題なし)
×:画像ボケによる格子画像の欠損若しくは線幅の細りが全面的に発生(実用上問題あり)
Figure 0006405783
(まとめ)
以上の結果から明らかなように、本発明の感光体1〜12は、比較例である感光体13〜15に比べて、残留電位が低減し、かつ、画像メモリー(画像濃度差)が発生せず、さらには、高温多湿環境下においても画像ボケの発生が良好に抑えられた感光体であることが分かる。
特に、本発明の感光体1と感光体13とを比較すると、CuO微粒子の場合は、CuAlOよりもホール輸送機能が高いために、粒子の添加量が少なくても同等以上の電気特性を発揮することができ、表面保護層に添加するp型半導体微粒子由来のヒドロキシ基量が減らせることにより、高温多湿下での画像ボケが改善していることが推察される。
1 導電性支持体
2 有機感光層
3 中間層
4 電荷発生層
5 電荷輸送層
6 表面保護層
7 少なくともCuOを含む微粒子(CuO微粒子)
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
6Y、6M、6C、6Bk クリーニング手段
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
100 電子写真感光体

Claims (4)

  1. 導電性支持体上に少なくとも有機感光層として電荷発生層と電荷輸送層と、及び表面保護層とを順に有する電子写真感光体であって、
    当該表面保護層が、少なくとも、架橋性モノマーを重合することで得られる硬化樹脂と少なくともp型半導体としてのCuOを含む微粒子とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記表面保護層を構成する架橋性モノマー100質量部に対する前記CuOの含有量(X1)が、下記一般式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
    一般式(1):30≦X1≦180 (単位:質量部)
  3. 電子写真感光体を帯電する帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を少なくとも有する電子写真画像形成装置であって、当該電子写真感光体が、請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真画像形成装置。
  4. 請求項に記載の電子写真画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジであって、当該プロセスカートリッジが、少なくとも請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段又はクリーニング手段の少なくとも一つを一体として有しており、当該電子写真画像形成装置に出し入れ可能に構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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