JP2017194545A - 電子写真感光体およびその製造方法 - Google Patents

電子写真感光体およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017194545A
JP2017194545A JP2016084196A JP2016084196A JP2017194545A JP 2017194545 A JP2017194545 A JP 2017194545A JP 2016084196 A JP2016084196 A JP 2016084196A JP 2016084196 A JP2016084196 A JP 2016084196A JP 2017194545 A JP2017194545 A JP 2017194545A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
protective layer
fine particles
metal oxide
oxide fine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016084196A
Other languages
English (en)
Inventor
麻理 上田
Mari Ueda
麻理 上田
大典 小玉
Daisuke Kodama
大典 小玉
圭一 稲垣
Keiichi Inagaki
圭一 稲垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2016084196A priority Critical patent/JP2017194545A/ja
Publication of JP2017194545A publication Critical patent/JP2017194545A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】 高い耐摩耗性を有しながら、保護層の感光層に対する接着性が高く、従って、保護層の剥離やこれに起因する画像不良の発生を抑制することができ、かつ、高い耐メモリ性が得られる電子写真感光体の提供。また、上記の電子写真感光体を簡便に製造することができる電子写真感光体の製造方法の提供。【解決手段】 電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層および保護層がこの順に積層されてなる電子写真感光体であって、保護層が、硬化樹脂中に金属酸化物微粒子および電荷輸送物質が含有されてなり、厚み方向の断面における感光層と保護層との界面が凹凸を有し、厚み方向に直角な方向における長さ5μmの領域の凹凸の最大の高低差が平均0.1μm以上1.0μm以下であることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成プロセスに用いられる電子写真感光体およびその製造方法に関する。
電子写真方式の複写機やプリンターなどの画像形成装置を構成する電子写真感光体(以下、単に「感光体」ともいう。)においては、長寿命であることや、形成される画像の高画質化が求められている。
このような感光体として、例えば、耐摩耗性を向上させるために硬化樹脂中にN型の半導体微粒子を分散させた状態で固定し、さらに電荷輸送物質(CTM)を分散させた保護層を有する感光体や、硬化樹脂中に電荷輸送性を有する高強度微粒子としてP型の半導体微粒子を分散させた保護層を有する感光体などが提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
しかしながら、硬化樹脂による保護層は、比較的柔らかい材料で形成される感光層に対する接着性が低いため、長期間にわたって使用したときに保護層の剥離やそれによる画像不良が生じることがある、という問題がある。
保護層の感光層に対する接着性を向上させるために、従来、保護層と感光層との間に別の層を設けること(特許文献3参照。)や、感光層のうちの最上層に無機微粒子などを添加して当該最上層の表面に粗さを付与すること(特許文献4参照。)などが提案されている。
しかしながら、特許文献3に開示される感光体においては、保護層と感光層との間に別の層を設けることによってホールの注入障壁が新たに形成されてしまうために、感光体の電気特性が悪化し耐メモリ性が低くなるものと考えられる。また、別の層を形成するための工程が増すことにより製造工程が煩雑になることなどの工業上の不利益が生じるものと考えられる。さらに、特許文献4に開示される感光体においても、感光層の最上層を形成するための工程が増すことにより製造工程が煩雑になることなどの工業上の不利益が生じるものと考えられる。
特開2013−61625号公報 特開2013−130603号公報 特開平5−165245号公報 特開2013−190452号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、高い耐摩耗性を有しながら、保護層の感光層に対する接着性が高く、従って、保護層の剥離やこれに起因する画像不良の発生を抑制することができ、かつ、高い耐メモリ性が得られる電子写真感光体を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、上記の電子写真感光体を簡便に製造することができる電子写真感光体の製造方法を提供することにある。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層および保護層がこの順に積層されてなる電子写真感光体であって、
保護層が、硬化樹脂中に金属酸化物微粒子および電荷輸送物質が含有されてなり、
厚み方向の断面における感光層と保護層との界面が凹凸を有し、厚み方向に直角な方向における長さ5μmの領域の凹凸の最大の高低差が平均0.1μm以上1.0μm以下であることを特徴とする。
本発明の電子写真感光体においては、前記金属酸化物微粒子が、SiO2 、Al2 3 、SnO2 およびCuAlO2 の群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
本発明の電子写真感光体においては、前記金属酸化物微粒子が、数平均一次粒径が10〜100nmのものであることが好ましい。
本発明の電子写真感光体においては、前記金属酸化物微粒子が、反応性有機基を有するものであることが好ましい。
本発明の電子写真感光体の製造方法は、上記の電子写真感光体を製造する方法であって、
硬化樹脂を形成するための樹脂組成物、金属酸化物微粒子および電荷輸送物質を含有する保護層形成用塗布液を、導電性支持体上に感光層が積層されてなる基体の当該感光層上に塗布した状態で、感光層を形成する材料の軟化点以上で熱処理を行った後に硬化処理を行うことを特徴とする。
本発明の電子写真感光体によれば、感光層と保護層との界面が特定の凹凸を有することにより、保護層の感光層に対する接着性が高く、従って、高い耐摩耗性を有しながら保護層の剥離やこれに起因する画像不良の発生を抑制することができ、かつ、高い耐メモリ性が得られる。
本発明の電子写真感光体の製造方法によれば、上記の電子写真感光体を簡便に製造することができる。
本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す部分断面図である。 本発明の電子写真感光体が搭載される画像形成装置の一例における構成を示す説明用断面図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
〔感光体〕
本発明の感光体は、導電性支持体上に感光層および保護層がこの順に積層されてなる有機感光体である。
本発明において、有機感光体とは、感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能および電荷輸送機能の少なくとも一方の機能が有機化合物により発揮されて構成されるものをいい、公知の有機電荷発生物質または有機電荷輸送物質から構成される有機感光層を有する感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能とが高分子錯体により構成される有機感光層を有するものなど公知の有機感光体全てを含むものをいう。
感光体は、例えば、図1に示されるように、導電性支持体1a上に、中間層1b、電荷発生層1c、電荷輸送層1dおよび保護層1eがこの順に積層されて感光体が形成されてなるものであり、電荷発生層1cおよび電荷輸送層1dから感光層1fが構成されている。
〔導電性支持体1a〕
導電性支持体1aは、導電性を有するものであればよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛およびステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルムおよび紙などが挙げられる。
〔中間層1b〕
中間層1bは、導電性支持体1aと感光層1fとの間にバリアー機能と接着機能とを付与するものである。種々の故障防止などの観点から、このような中間層を設けることが好ましい。
このような中間層1bは、例えば、バインダー樹脂(以下、「中間層用バインダー樹脂」ともいう。)および必要に応じて導電性粒子や金属酸化物粒子が含有されてなるものである。
中間層用バインダー樹脂としては、例えば、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ゼラチンなどが挙げられる。これらのなかでもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
中間層1bには、抵抗調整の目的で各種の導電性粒子や金属酸化物粒子を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマスなどの各種金属酸化物粒子を用いることができる。スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズおよび酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。
このような金属酸化物粒子の数平均一次粒径は、0.3μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以下である。
金属酸化物粒子は1種単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合した場合には、固溶体または融着の形をとってもよい。
導電性粒子または金属酸化物粒子の含有割合は、中間層用バインダー樹脂100質量部に対して20〜400質量部であることが好ましく、より好ましくは50〜200質量部である。
以上のような中間層1bは、例えば、中間層用バインダー樹脂を公知の溶媒に溶解し、必要に応じて導電性粒子または金属酸化物粒子を分散させて中間層形成用塗布液を調製し、この中間層形成用塗布液を導電性支持体の表面に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより形成することができる。
中間層形成用塗布液における中間層用バインダー樹脂の濃度は、中間層1bの層厚や塗布方法に応じて適宜選択することができる。
中間層1bの形成に用いられる溶媒としては、特に限定されず公知の種々の有機溶媒を用いることができるが、中間層用バインダー樹脂として好ましいとされるポリアミド樹脂に対して良好な溶解性と塗布性能を発現させることから、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノールなどの炭素数2〜4のアルコール類を用いることが好ましい。また、保存性や、導電性粒子または金属酸化物粒子の分散性を向上させるために、前記の溶媒に対して助溶剤を併用することができる。助溶媒としては、例えばメタノール、ベンジルアルコール、トルエン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフランなどが好ましく挙げられる。これらの溶媒および助溶媒は、それぞれ1種単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
導電性粒子や金属酸化物粒子の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダーおよびホモミキサーなどを用いることができる。
中間層形成用塗布液の塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、浸漬塗布法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、円形量規制型塗布法(円形スライドホッパー塗布法)などが挙げられる。
塗布膜の乾燥方法は、溶媒の種類や形成する中間層の膜厚に応じて公知の乾燥方法を適宜に選択することができ、特に熱乾燥することが好ましい。
中間層1bの層厚は、0.1〜15μmであることが好ましく、0.3〜10μmであることがより好ましい。
〔電荷発生層1c〕
電荷発生層1cは、電荷発生物質およびバインダー樹脂(以下、「電荷発生層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなるものである。
電荷発生物質としては、例えば、スーダンレッド、ダイアンブルーなどのアゾ原料、ピレンキノン、アントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ顔料、ピランスロン、ジフタロイルピレンなどの多環キノン顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのなかでも、多環キノン顔料、チタニルフタロシアニン顔料が好ましい。これらの電荷発生物質は1種単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
電荷発生層用バインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の内2個以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)、ポリ−ビニルカルバゾール樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのなかでも、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。
電荷発生層用バインダー樹脂と電荷発生物質との混合割合は、電荷発生層用バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が1〜600質量部とされることが好ましく、さらに好ましくは50〜500質量部である。電荷発生層用バインダー樹脂と電荷発生物質との混合割合が上記の範囲にあることにより、後述する電荷発生層形成用塗布液に高い分散安定性が得られ、かつ、形成された感光体において電気抵抗が低く抑制されて繰り返し使用に伴う残留電位の増加を極めて抑制することができる。
以上のような電荷発生層1cは、例えば、電荷発生物質を、公知の溶媒で溶解した電荷発生層用バインダー樹脂中に添加して分散させて電荷発生層形成用塗布液を調製し、この電荷発生層形成用塗布液を中間層の表面に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷発生層1cの形成に用いられる溶媒としては、電荷発生層用バインダー樹脂を溶解させることができるものを用いればよく、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソランなどのエーテル系溶媒、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸t−ブチルなどのエステル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香属溶媒などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらは1種単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
電荷発生物質の分散手段としては、中間層形成用塗布液における導電性粒子や金属酸化物粒子の分散手段と同じ方法を挙げることができる。
また、電荷発生層形成用塗布液の塗布方法としては、中間層形成用塗布液の塗布方法として挙げた方法と同じ方法を挙げることができる。
電荷発生層1cの層厚は、電荷発生物質の特性、電荷発生層用バインダー樹脂の特性や含有割合などによっても異なるが、好ましくは0.01〜5μm、より好ましくは0.05〜3μmである。
〔電荷輸送層1d〕
電荷輸送層1dは、電荷輸送物質およびバインダー樹脂(以下、「電荷輸送層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなるものである。
電荷輸送層1dの電荷輸送物質としては、電荷を輸送する物質として、例えば、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレンおよびポリ−9−ビニルアントラセンなどが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
電荷輸送層用バインダー樹脂は、公知の樹脂を用いることができ、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂などが挙げられるが、ポリカーボネート樹脂が好ましい。さらにはBPA(ビスフェノールA)型、BPZ(ビスフェノールZ)型、ジメチルBPA型、BPA−ジメチルBPA共重合体型のポリカーボネート樹脂などが耐クラック、耐磨耗性、帯電特性の点で好ましい。
電荷輸送層1d中の電荷輸送物質の含有割合は、電荷輸送層用バインダー樹脂100質量部に対して10〜500質量部であることが好ましく、より好ましくは20〜100質量部である。
電荷輸送層1d中には、酸化防止剤、電子導電剤、安定剤、シリコーンオイルなどが添加されていてもよい。酸化防止剤については特開2000−305291号公報、電子導電剤は特開昭50−137543号公報、同58−76483号公報などに開示されているものが好ましい。
電荷輸送層1dの層厚は、電荷輸送物質の特性、電荷輸送層用バインダー樹脂の特性および含有割合などによって異なるが、5〜40μmであることが好ましく、より好ましくは10〜30μmである。
以上のような電荷輸送層1dは、例えば、電荷輸送物質(CTM)を、公知の溶媒で溶解した電荷輸送層用バインダー樹脂中に添加して分散させて電荷輸送層形成用塗布液を調製し、この電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層1cの表面に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷輸送層1dの形成において用いられる溶媒としては、電荷発生層1cの形成に用いられる溶媒と同じものを挙げることができる。
また、電荷輸送層形成用塗布液の塗布方法としても、電荷発生層形成用塗布液の塗布方法として挙げた方法と同じ方法を挙げることができる。
〔保護層1e〕
本発明の感光体を構成する保護層1eは、硬化樹脂中に、金属酸化物微粒子1eAおよび電荷輸送物質が含有されてなるものである。
〔金属酸化物微粒子1eA〕
金属酸化物微粒子1eAとしては、SiO2 、Al2 3 、SnO2 およびCuAlO2 などを用いることができる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
金属酸化物微粒子1eAとしては、数平均一次粒径が10〜100nmのものを用いることが好ましく、より好ましくは20〜50nmである。
金属酸化物微粒子1eAの数平均一次粒径が10nm未満である場合は、保護層1eを形成するための塗布液中において凝集してしまい、塗膜を形成することができないことがある。一方、金属酸化物微粒子1eAの数平均一次粒径が100nmを超える場合は、保護層1e内における分散の均一性が低くなって厚み方向の断面における感光層1fと保護層1eとの界面における凹凸のピーク間距離が過度に大きくなり、その結果、保護層1eの感光層1fに対する接着性が低いものとなる。また、当該凹凸の最大の高低差が過度に大きくなって保護層1eの膜厚のバラつきが大きくなり、長期間にわたって使用したときに膜厚の小さい部分が早期に摩耗して無くなってしまい、高い耐久性を維持することができないおそれがある。
本発明において、金属酸化物微粒子1eAの数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製)により10000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置「LUZEX AP(ソフトウエアバージョン Ver.1.32)」((株)ニレコ製)を使用して数平均一次粒径を算出した。
金属酸化物微粒子1eAは、反応性有機基を有するものであることが好ましい。
反応性有機基を有する金属酸化物微粒子1eAは、表面処理剤によって表面処理することによって得ることができる。
表面処理剤としては、金属酸化物微粒子1eAの表面に存在するヒドロキシ基などと反応するものが好ましく、このような表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などが挙げられる。
また、表面処理剤としては、ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤が好ましい。ラジカル重合性反応基としては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。このようなラジカル重合性反応基は、本発明に係る重合性化合物とも反応して強固な保護層を形成することができる。ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などのラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤が好ましい。
以下、表面処理剤の具体例を示す。
S−1:CH2 =CHSi(CH3 )(OCH3 2
S−2:CH2 =CHSi(OCH3 3
S−3:CH2 =CHSiCl3
S−4:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OCH3 2
S−5:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(OCH3 3
S−6:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(OC2 5 )(OCH3 2
S−7:CH2 =CHCOO(CH2 3 Si(OCH3 3
S−8:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )Cl2
S−9:CH2 =CHCOO(CH2 2 SiCl3
S−10:CH2 =CHCOO(CH2 3 Si(CH3 )Cl2
S−11:CH2 =CHCOO(CH2 3 SiCl3
S−12:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(CH3 )(OCH3 2
S−13:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(OCH3 3
S−14:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(CH3 )(OCH3 2
S−15:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(OCH3 3
S−16:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(CH3 )Cl2
S−17:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 SiCl3
S−18:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(CH3 )Cl2
S−19:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 SiCl3
S−20:CH2 =CHSi(C2 5 )(OCH3 2
S−21:CH2 =C(CH3 )Si(OCH3 3
S−22:CH2 =C(CH3 )Si(OC2 5 3
S−23:CH2 =CHSi(OCH3 3
S−24:CH2 =C(CH3 )Si(CH3 )(OCH3 2
S−25:CH2 =CHSi(CH3 )Cl2
S−26:CH2 =CHCOOSi(OCH3 3
S−27:CH2 =CHCOOSi(OC2 5 3
S−28:CH2 =C(CH3 )COOSi(OCH3 3
S−29:CH2 =C(CH3 )COOSi(OC2 5 3
S−30:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(OC2 5 3
S−31:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 2 (OCH3
S−32:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OCOCH3 2
S−33:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(ONHCH3 2
S−34:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OC6 5 2
S−35:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(C1021)(OCH3 2
S−36:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH2 6 5 )(OCH3 2
表面処理剤としては、上記S−1からS−36以外にも、ラジカル重合反応を行うことができる反応性有機基を有するシラン化合物を用いることができる。これらの表面処理剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
表面処理剤は1種を単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
表面処理剤の使用量は、未処理の金属酸化物微粒子1eA100質量部に対して0.1〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは7〜70質量部である。
表面処理剤の未処理の金属酸化物微粒子1eAに対する処理方法としては、例えば、未処理の金属酸化物微粒子1eAと表面処理剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式解砕する方法が挙げられる。この方法により、未処理の金属酸化物微粒子1eAの再凝集を防止すると同時に未処理の金属酸化物微粒子1eAの表面処理が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化する。
保護層1e中の金属酸化物微粒子1eAの含有割合は、硬化樹脂100質量部に対して20〜170質量部であることが好ましく、より好ましくは25〜150質量部である。
金属酸化物微粒子1eAの含有割合が上記範囲であることによって、保護層1eに適度な電荷輸送性が得られると共に保護層1eの硬度を適切に調整することができ、さらに感光層1fと保護層1eとの界面に特定の凹凸を形成することができる。
〔電荷輸送物質〕
保護層1eに含有される電荷輸送物質としては、公知の種々の電荷輸送物質を用いることができるが、保護層1eを形成するときの硬化処理に紫外線を用いる場合は、波長450nm以下の短波長領域の光の吸収がないあるいは小さい物質を用いることが好ましい。
波長450nm以下の短波長領域の光の吸収がないあるいは小さい電荷輸送物質としては、下記一般式(1)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2017194545
一般式(1)中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基または炭素数1〜7のアルコキシ基を表し、k、l、nは1〜5の整数、mは1〜4の整数を表す。k、l、m、nが2以上である場合は、複数の基は互いに同一のものであっても、異なるものであってもよい。
一般式(1)で表される電荷輸送物質としては、例えば以下の化合物(CTM−1)〜(CTM−22)を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2017194545
Figure 2017194545
Figure 2017194545
Figure 2017194545
Figure 2017194545
〔硬化樹脂〕
硬化樹脂としては、架橋性の重合性化合物、具体的には2個以上のラジカル重合性官能基を有する化合物(以下、「多官能ラジカル重合性化合物」ともいう。)を、紫外線や電子線などの活性線の照射により重合反応することによって得られる硬化樹脂であることが好ましい。
〔多官能ラジカル重合性化合物〕
多官能ラジカル重合性化合物としては、少ない光量あるいは短い時間での硬化が可能であることから、ラジカル重合性官能基としてアクリロイル基(CH2 =CHCO−)またはメタクリロイル基(CH2 =CCH3 CO−)を2個以上有するアクリル系モノマーまたはこれらのオリゴマーであることが特に好ましい。従って、硬化樹脂としてはアクリル系モノマーまたはそのオリゴマーにより形成されるアクリル樹脂であることが好ましい。
これらの多官能ラジカル重合性化合物としては、例えば以下の化合物を例示することができる。
Figure 2017194545
Figure 2017194545
ただし、上記の例示化合物M1〜M15を示す化学式において、Rはアクリロイル基(CH2 =CHCO−)を示し、R’はメタクリロイル基(CH2 =CCH3 CO−)を示す。
保護層1eには、上述のような硬化樹脂、金属酸化物微粒子1eAおよび電荷輸送物質の他に、必要に応じて滑剤粒子や各種の酸化防止剤などが含有されていてもよい。
〔滑剤粒子〕
滑剤粒子としては、例えばフッ素原子含有樹脂粒子が挙げられる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂などが挙げられ、これらの共重合体を用いることもできる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では特に四フッ化エチレン樹脂およびフッ化ビニリデン樹脂を用いることが好ましい。
保護層1eの層厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜6μmである。
そして、本発明の感光体は、厚み方向の断面における感光層1fと保護層1eとの界面が凹凸を有し、厚み方向に直角な方向における長さ5μmの領域(以下、「5μm領域」ともいう。)S内において最大の高低差hが平均0.1μm以上1.0μm以下とされる。本発明において、このような凹凸を「特定の凹凸」という。
特定の凹凸は、感光層1fと保護層1eとの界面の全面に高い均一性で存在する。
本発明の感光体は、保護層1eが硬化樹脂および金属酸化物微粒子1eAを含有することにより高い耐摩耗性を有する。しかも、感光層1fと保護層1eとの界面にこのような特定の凹凸が存在することにより、当該感光層1fと保護層1eとの間に高い接着性が得られて保護層1eの剥離やこれに起因する画像不良の発生を抑制することができ、かつ、高い耐メモリ性が得られる。
これは、特定の凹凸の存在によって感光層1fと保護層1eとの接触面積が増大するために当該感光層1fと保護層1eとの間に高い接着性が得られ、さらに、感光層1fと保護層1eとの接触面積の増大によってホールの注入性が向上され、従って、感光体に高い耐メモリ性が得られるものと推測される。
厚み方向の断面における感光層1fと保護層1eとの界面における、平均の凹凸の最大の高低差hの算出は、以下の通りに行われるものである。
(1)切片の作成
感光体から剥離した感光体膜(中間層、感光層および保護層)を、常温硬化性の樹脂「アロニックス LCR D−800」(東亜合成社製)によって包埋して硬化させてブロックを作製し、このブロックを、感光体膜の厚みに垂直な断面が見えるようにミクロトーム「ウルトラミクロトームUC7」(Leica社製)を用いてトリミングナイフおよびガラスナイフによって荒削りした後、ダイヤモンドナイフを用いて、厚さ100nmの薄膜状の切片を作製する。
(2)切片の観察
走査透過電子顕微鏡「JSM 7401F」(STEM:JEOL社製)を用い、加速電圧30kVにて上記の感光体膜の切片を倍率15,000倍で写真撮影する。
(3)凹凸の最大の高低差hの算出
上記の写真において、感光体膜の断面の厚み方向に直角な方向の任意の5μm領域において、厚み方向に直角な方向に伸びる2本のラインで凹凸の最大のピークと最深のピークを挟んだときにその2本のライン間の距離である凹凸の最大の高低差を測定する。これを任意の10箇所の5μm領域について行い、その平均値が平均の凹凸の最大の高低差hとされる。
平均の凹凸の最大の高低差hが1μmより大きい場合は、保護層1eの膜厚のバラつきが大きくなり、長期間にわたって使用したときに膜厚の小さい部分が早期に摩耗して無くなってしまい、高い耐久性を維持することができない。
また、凹凸の最大の高低差hが0.1μm未満である場合は、後述する保護層1eの形成時に、硬化樹脂の硬化収縮時の残留応力を小さく抑制することができずに感光層1fと保護層1eとの間に高い接着性が得られない。また、保護層1eの形成時の熱処理において硬化樹脂と感光層1fを構成する材料との相溶性が小さいために、感光層1fと保護層1eとの界面におけるホールの注入障壁が大きくなり耐メモリ性が低くなる。
なお、最大の高低差hが0.1μm以上である凹凸が、厚み方向に直角な方向における長さ5μm以下の領域にはないが長さ5μmより大きい領域にはある場合も、後述する保護層1eの形成時に、硬化樹脂の硬化収縮時の残留応力を小さく抑制することができずに感光層1fと保護層1eとの間に高い接着性が得られない。
〔保護層の形成〕
保護層1eは、硬化樹脂を形成するための樹脂組成物である多官能ラジカル重合性化合物、金属酸化物微粒子1eA、電荷輸送物質および必要に応じて公知の樹脂、重合開始剤、滑剤粒子、酸化防止剤などを溶媒に添加して調製した保護層形成用塗布液を、公知の方法により電荷輸送層1dの表面に塗布して塗布膜を形成し、感光層1fの最上層である電荷輸送層1dを形成する材料の軟化点以上で熱処理を行った後に硬化処理することにより、作製することができる。
〔熱処理〕
熱処理においては、従来公知の種々の加熱装置を用いることができ、例えば恒温槽を用いることができる。
熱処理の温度は、感光層1fの最上層である電荷輸送層1dを形成する材料の軟化点以上であり、好ましくは(軟化点+10℃)以上(軟化点+30℃)以下である。熱処理の温度の上限は、保護層1eの硬化樹脂を形成すべきモノマー種によっても異なるが、例えば120℃程度である。
熱処理の時間は、例えば5分間以上1時間以下であることが好ましく、より好ましくは20分間以上40分間以下である。
熱処理の温度が過度に低い場合や熱処理の時間が過度に短い場合は、電荷輸送層1dを形成する材料を十分に軟化させることができずに感光層1fと保護層1eとの界面に所期の凹凸を形成することができないおそれがある。一方、熱処理の温度が過度に高い場合や熱処理の時間が過度に長い場合は、硬化前の多官能ラジカル重合性化合物などの保護層形成用塗布液に含有される成分が蒸発してしまうおそれがある。
感光層1fの最上層である電荷輸送層1dを形成する材料の軟化点は、以下のように測定されるものである。
すなわち、アルミ素管上に浸漬塗布法で電荷輸送層塗布液を塗布し、乾燥させた後、得られた電荷輸送層をアルミ素管から剥離してはさみで細かく裁断し、その後、「DTG−60A」(島津製作所社製)を用いて下記の測定条件にて測定される。
・雰囲気ガス:窒素
・ガス流量:100mL/min
・温度プログラム
・・加熱速度:20℃/min
・・ホールド温度:600℃
・・ホールド時間:10min
本発明の感光体の製造方法においては、感光層1fの最上層である電荷輸送層1d上に形成した保護層形成用塗布液による塗布膜を、当該電荷輸送層1dを形成する材料の軟化点以上で熱処理を行った後に硬化処理することにより、感光層1fと保護層1eとの間に特定の凹凸を形成させることができる。
このように感光層1fと保護層1eとの界面に特定の凹凸を形成させることができる理由としては、以下のように推測される。すなわち、硬化処理前に電荷輸送層1dを形成する材料の軟化点以上で熱処理を行うことによって、電荷輸送層1dの電荷輸送層用バインダー樹脂を含む材料が軟化し、緩んだ当該電荷輸送層用バインダー樹脂などの高分子体の網目に保護層形成用塗布液に含有される金属酸化物微粒子1eAが自重などによって沈み込むと同時に、保護層形成用塗布液に含有される多官能ラジカル重合性化合物および電荷輸送物質が浸透して分子レベルでの絡み合いが生じるが、多官能ラジカル重合性化合物と電荷輸送層用バインダー樹脂との相溶状態は金属酸化物微粒子1eAの存在によってある程度小さく抑制され、これにより特定の凹凸が形成される。そして、この状態で硬化処理が行われることにより、この特定の凹凸が固定化される。この硬化時に、感光層1fと保護層形成用塗布液による塗布膜との接触面積が特定の凹凸により増大しているので、重合性成分の硬化時の硬化収縮による界面の残留応力を低減させることができるため、感光層1fと保護層1eとの間に高い接着性が付与されるものと推測される。
なお、保護層形成用塗布液に金属酸化物微粒子が含有されていない場合は、電荷輸送層1dを形成する材料の軟化点以上で熱処理を行った後に硬化処理したとしても、保護層形成用塗布液に含有される多官能ラジカル重合性化合物と電荷輸送層用バインダー樹脂との相溶の程度が大きく、分子レベルで混ざり合ってしまい、これにより、特定の凹凸を形成することは困難である。
〔硬化処理〕
硬化処理においては、熱処理後の塗布膜に活性線を照射してラジカルを発生して重合し、かつ分子間および分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化し、硬化樹脂を生成することが好ましい。活性線としては、紫外線、可視光などの光や電子線を用いることが好ましく、使い易さなどの観点から、紫外線を利用することが特に好ましい。
〔重合開始剤〕
多官能ラジカル重合性化合物を重合反応させる方法としては、電子線開裂反応を利用する方法や、ラジカル重合開始剤の存在下で光を利用する方法などを採用することができ、特にラジカル重合開始剤として光重合開始剤を用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(「イルガキュアー369」(BASFジャパン社製))、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系光重合開始剤;ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼンなどのベンゾフェノン系光重合開始剤;2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどのチオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(「イルガキュアー819」(BASFジャパン社製))、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物などが挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独で、または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。光重合促進効果を有するものとしては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
光重合開始剤としては、アルキルフェノン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物を用いることがより好ましく、α−ヒドロキシアセトフェノン構造、あるいはアシルフォスフィンオキサイド構造を有する光重合開始剤を用いることがさらに好ましい。
これらの重合開始剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
重合開始剤の使用割合は、多官能ラジカル重合性化合物100質量部に対して0.1〜40質量部であり、好ましくは0.5〜20質量部である。
〔溶媒〕
保護層1eの形成に使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、ベンジルアルコール、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、酢酸エチル、酢酸ブチル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジンおよびジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらは、1種単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
紫外線の光源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノン、紫外線LEDなどを用いることができる。照射条件は、それぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常1〜20mJ/cm2 、好ましくは5〜15mJ/cm2 である。光源の出力電圧は、好ましくは0.1〜5kWであり、特に好ましくは、0.5〜3kWである。
電子線源としては、例えばカーテンビーム方式の電子線照射装置を好ましく用いることができる。電子線を照射の際の加速電圧は、100〜300kVであることが好ましい。吸収線量としては0.005Gy〜100kGy(0.5〜10Mrad)であることが好ましい。
活性線の照射時間は、活性線の必要照射量が得られる時間であればよく、具体的には0.1秒間〜10分間が好ましく、硬化効率または作業効率の観点から1秒間〜5分間がより好ましい。
塗布膜は、熱処理後の活性線の照射前後および活性線の照射中に乾燥処理してもよい。乾燥処理を行うタイミングは、活性線の照射条件と組み合わせて適宜選択することができる。保護層1eの乾燥条件は、塗布液に使用する溶媒の種類や保護層1eの膜厚などにより適宜選択することができる。また、乾燥温度は、室温〜180℃が好ましく、80〜140℃が特に好ましい。また、乾燥時間は、1〜200分間が好ましく、5〜100分間が特に好ましい。このような乾燥条件で塗布膜を乾燥することにより、保護層1eに含有される溶媒量を20ppmから75ppmの範囲に制御することができる。
〔画像形成装置〕
上記の本発明の感光体は、例えば当該感光体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電手段により帯電された感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、感光体にトナーを供給して静電潜像をトナーによって現像してトナー像を形成する現像手段と、感光体上に形成されたトナー像を転写する転写手段と、感光体の表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段とを備える画像形成装置に搭載される。
図2は、本発明に係る画像形成装置の一例における構成を示す説明用断面図である。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y,10M,10C,10Bkと、中間転写体ユニット70と、給紙手段21および定着手段24とからなる。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
4組の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bkは、感光体1Y,1M,1C,1Bkを中心に、帯電手段2Y,2M,2C,2Bkと、露光手段3Y,3M,3C,3Bkと、回転する現像手段4Y,4M,4C,4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y,5M,5C,5Bk、および、感光体1Y,1M,1C,1Bkをクリーニングするクリーニング手段6Y,6M,6C,6Bkより構成されている。
本発明に係る画像形成装置は、感光体1Y,1M,1C,1Bkとして、各々上記の本発明の感光体を用いる。
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bkは、感光体1Y,1M,1C,1Bkに形成するトナー像の色がそれぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色と異なるだけで同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体1Yの周囲に、帯電手段2Y,露光手段3Y,現像手段4Y,クリーニング手段6Yを配置し、感光体1Y上にイエロー(Y)のトナー像を形成するものである。
帯電手段2Yは、感光体1Y表面の表面を一様に負極性に帯電させる手段である。帯電手段2Yとしては、例えばコロナ放電型の帯電器が用いられる。
露光手段3Yは、帯電手段2Yによって一様な電位を与えられた感光体1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子とから構成されるもの、あるいは、レーザー光学系などが用いられる。
現像手段4Yは、例えばマグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブおよび感光体とこの現像スリーブとの間に直流および/または交流バイアス電圧を印加する電圧印加装置よりなるものである。
クリーニング手段6Yは、感光体1Y表面に残存したトナーを除去する手段である。この例のクリーニング手段6Yは、クリーニングブレードと、当該クリーニングブレードの上流側に設けられたブラシローラとにより構成される。
この図2の画像形成装置においては、画像形成ユニット10Yのうち、感光体1Y、帯電手段2Y、現像手段4Yおよびクリーニング手段6Yが一体に支持されてプロセスカートリッジとして備えられており、このプロセスカートリッジはレールなどの案内手段を介して画像形成装置の本体Aに対して着脱自在に構成されていてもよい。
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bkは、垂直方向に縦列配置されており、感光体1Y,1M,1C,1Bkの図示左側方には中間転写体ユニット70が配置されている。中間転写体ユニット70は、複数のローラ71,72,73,74によって巻回され、回動可能に支持された半導電性の無端ベルト状の中間転写体77と、二次転写手段としての二次転写ローラ5bと、クリーニング手段6bとからなる。
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bkと、中間転写体ユニット70とは、筐体80に収納されており、筐体80は、支持レール82L、82Rを介して画像形成装置の本体Aから引き出し可能に構成されている。
定着手段24は、例えば、内部に加熱源を備えた加熱ローラと、この加熱ローラに定着ニップ部が形成されるよう圧接された状態で設けられた加圧ローラとにより構成されてなる熱ローラ定着方式のものが挙げられる。
なお、図2においては、本発明に係る画像形成装置をカラーのレーザプリンタとして示したが、モノクロのレーザプリンタやコピーとして構成されていてもよい。また、本発明に係る画像形成装置においては、露光光源として、レーザー以外の光源、例えばLED光源を用いることもできる。
上記のような画像形成装置においては、以下のように画像形成が行われる。すなわち、まず、帯電手段2Y,2M,2C,2Bkにより感光体1Y,1M,1C,1Bkの表面に放電して負に帯電させる(帯電工程)。次いで、露光手段3Y,3M,3C,3Bkで、感光体1Y,1M,1C,1Bkの表面を画像信号に基づいて露光し、静電潜像を形成する(露光工程)。次いで、現像手段4Y,4M,4C,4Bkで、感光体1Y,1M,1C,1Bkの表面にトナーを付与して現像し、トナー像を形成する(現像工程)。
次いで、一次転写ローラ5Y,5M,5C,5Bkを、回動する中間転写体77と当接させる。それにより、感光体1Y,1M,1C,1Bk上にそれぞれ形成した各色のトナー像を、回動する中間転写体77上に逐次転写させて、カラートナー像を形成する(一次転写工程)。画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは、常時、感光体1Bkに当接する。一方、他の一次転写ローラ5Y,5M,5Cは、カラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y,1M,1Cに当接する。
そして、一次転写ローラ5Y,5M,5C,5Bkと中間転写体77とを分離させた後、感光体1Y,1M,1C,1Bkの表面に残存したトナーを、クリーニング手段6Y,6M,6C,6Bkで除去する(クリーニング工程)。その後、次の画像形成プロセスに備えて、必要に応じて感光体1Y,1M,1C,1Bkの表面を除電手段(不図示)によって除電する。
一方、給紙カセット20内に収容された転写材P(例えば普通紙、透明シートなどの最終画像を担持する支持体)が給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A,22B,22C,22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、二次転写ローラ5bが中間転写体77に当接されることによって当該転写材P上にカラートナー像が一括転写される。カラートナー像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。二次転写ローラ5bは、二次転写が行われるときのみ中間転写体77に当接される。
二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラートナー像を転写した後、転写材Pを曲率分離した中間転写体77は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
〔トナーおよび現像剤〕
本発明に係る画像形成装置に用いられるトナーは、特に限定されないが、結着樹脂および着色剤が含有されるトナー粒子よりなり、当該トナー粒子には、所望により離型剤などの他の成分が含有されていてもよい。
トナーとしては、粉砕トナーおよび重合トナーのいずれを用いることもできるが、本発明に係る画像形成装置においては、高い画質の画像が得られる観点から、重合トナーを用いることが好ましい。
トナーの平均粒径は、体積基準のメジアン径で2〜8μmであることが好ましい。この範囲とすることにより、解像度を高くすることができる。
また、トナー粒子には、外添剤として、平均粒径10〜300nm程度のシリカおよびチタニアなどの無機微粒子、0.2〜3μm程度の研磨剤を適宜量、外部添加することができる。
トナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。
トナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄などの強磁性金属、強磁性金属とアルミニウムおよび鉛などの合金、フェライトおよびマグネタイトなどの強磁性金属の化合物などの従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライトが好ましい。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明の実施形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔金属酸化物微粒子〔A〕の作製例〕
未処理の金属酸化物微粒子(CIKナノテック社製の数平均一次粒径が10nmの酸化錫(SnO2 )微粒子)100質量部、上記例示化合物(S−15)30質量部、トルエン/イソプロピルアルコール=1/1(質量比)の混合溶媒300質量部の混合液を、ジルコニアビーズと共にサンドミルに入れ、約40℃で、回転速度1500rpmで撹拌し、ラジカル重合性官能基よりなる反応性有機基を有する化合物による表面処理を行った。さらに、上記の処理混合物を取り出し、ヘンシェルミキサーに投入して回転速度1500rpmで15分間撹拌した後、120℃で3時間乾燥することによって、反応性有機基を有する酸化錫よりなる表面処理済み金属酸化物微粒子〔A〕を作製した。
〔金属酸化物微粒子〔B〕〜〔D〕の作製例〕
金属酸化物微粒子の作製例1において、未処理の金属酸化物微粒子として、数平均一次粒径が10nmのSnO2 微粒子の代わりに、それぞれ数平均一次粒径が20nm、50nm、100nmのSnO2 微粒子を用いたこと以外は同様にして、表面処理済み金属酸化物微粒子〔B〕〜〔D〕を作製した。
〔金属酸化物微粒子〔E〕の作製例〕
(1)焼結体の作製
粉末状のAl2 3 (純度99.9%)と粉末状のCu2 O(純度99.9%)とを、1:1のモル比で混合し、アルゴンガス雰囲気中において1100℃で4日間仮焼した後、さらに、1100℃で2日間焼結することにより、CuAlO2 よりなる粉末状の焼結体〔E〕を得た。
(2)湿式粉砕処理
焼結体〔E〕を数100μmまで粗粉砕した後、得られた粗粒子と溶媒とを湿式メディア分散型装置に入れて数平均一次粒径が20nmになるよう湿式粉砕処理を行うことにより、CuAlO2 よりなる数平均一次粒径20nmの金属酸化物微粒子の粉体〔E〕を得た。
(3)表面処理
上記の金属酸化物微粒子の粉体〔E〕100質量部、表面処理剤:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン「KBM−503」(信越化学社製)7質量部およびメチルエチルケトン1000質量部を、湿式サンドミル(径0.5mmのジルコニアビーズ)に入れ、30℃で6時間混合し、その後、メチルエチルケトンおよびジルコニアビーズを濾別し、60℃で乾燥することにより、表面処理済み金属酸化物微粒子〔E〕を得た。
〔金属酸化物微粒子〔F〕の作製例〕
金属酸化物微粒子〔E〕の作製例の湿式粉砕処理において、数平均一次粒径が100nmになるよう湿式粉砕処理を行ったこと以外は同様にして、表面処理済み金属酸化物微粒子〔F〕を作製した。
〔金属酸化物微粒子〔G〕〜〔J〕の作製例〕
金属酸化物微粒子〔G〕として、日本アエロジル社製の数平均一次粒径50nmのシリカ(SiO2 )微粒子、金属酸化物微粒子〔H〕として、CIKナノテック社製の数平均一次粒径30nmのアルミナ(Al2 3 )微粒子、金属酸化物微粒子〔I〕として、CIKナノテック社製の数平均一次粒径20nmの酸化チタン(TiO2 )微粒子、金属酸化物微粒子〔J〕として、CIKナノテック社製の数平均一次粒径20nmの酸化亜鉛(ZnO)微粒子を用いた。
〔金属酸化物微粒子〔K〕の作製例〕
金属酸化物微粒子〔A〕の作製例において、未処理の金属酸化物微粒子として、数平均一次粒径が10nmのSnO2 微粒子の代わりに、数平均一次粒径が150nmのSnO2 微粒子を用いたこと以外は同様にして、表面処理済み金属酸化物微粒子〔K〕を作製した。
〔実施例1:感光体の作製例1〕
(1)導電性支持体の作製
円筒状のアルミニウム支持体(外径60mm)の表面を切削加工して導電性支持体〔1〕を得た。
(2)中間層の形成
下記組成物を分散機としてサンドミルを用いてバッチ式で5時間分散して分散液を得た。
・中間層用バインダー樹脂:ポリアミド樹脂「CM8000」(東レ社製)100質量部
・金属酸化物粒子:酸化チタン「SMT500SAS」(テイカ社製) 120質量部
・金属酸化物粒子:酸化チタン「SMT150MK」(テイカ社製) 155質量部
・溶媒:エタノール/n−プロピルアルコール/テトロヒドロフラン(体積比60/20/20) 1290質量部
この分散液を同じ混合溶媒にて1.5倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター使用)し、中間層形成用塗布液を調製した。この中間層形成用塗布液を、洗浄した導電性支持体〔1〕の外周面に浸漬塗布法で塗布し、乾燥することにより、乾燥膜厚2μmの中間層〔1〕を形成した。
(3)電荷発生層の形成
下記原料を分散機としてサンドミルを用いて10時間の分散を行い、電荷発生層形成用塗布液〔1〕を調製した。
・電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するもの) 20質量部
・電荷発生層用バインダー樹脂:ポリビニルブチラール樹脂「#6000−C」(電気化
学工業社製) 10質量部
・溶媒:酢酸t−ブチル 700質量部
・溶媒:4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300質量部
上記中間層〔1〕の上に、この電荷発生層形成用塗布液〔1〕を浸漬塗布法により塗布して塗布膜を形成し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層〔1〕を形成した。
(4)電荷輸送層の形成
下記原料を混合して溶解し、電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を調製した。
・電荷輸送物質:4,4′−ジメチル−4″−(β−フェニルスチリル)トリフェニルアミン) 225質量部
・電荷輸送層用バインダー樹脂:ポリカーボネート樹脂「Z300」(三菱ガス化学社製
) 300質量部
・酸化防止剤:「Irganox1010」(BASFジャパン社製) 6質量部
・溶媒:テトラヒドロフラン 1600質量部
・溶媒:トルエン 400質量部
・レベリング剤:シリコーンオイル「KF−54」(信越化学社製) 1質量部
上記電荷発生層〔1〕上に、この電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を浸漬塗布法により塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥し、層厚20μmの電荷輸送層〔1〕を形成した。
(5)保護層の形成
・表面処理済み金属酸化物微粒子〔A〕 146質量部
・重合性化合物(例示化合物(M1)) 100質量部
・電荷輸送剤(CTM−13) 23質量部
・重合開始剤「イルガキュアー819」(BASFジャパン社製) 8.4質量部
・溶媒:2−ブタノール 313質量部
・溶媒:テトラヒドロフラン 35質量部
からなる塗布液組成物を混合撹拌して十分に溶解・分散し、保護層形成用塗布液〔1〕を調製した。
この保護層形成用塗布液〔1〕を、円形スライドホッパー塗布機を用いて電荷輸送層〔1〕上に塗布した後、80℃の恒温槽に20分間入れる熱処理を行った。その後、キセノンランプを用いて紫外線を1分間照射した後、80℃で70分間乾燥することにより、層厚3.0μmの保護層〔1〕を形成し、これにより、感光体〔1〕を作製した。
なお、上述の通りに電荷輸送層の軟化点を測定したところ、60℃程度であった。
〔実施例2,3,6:感光体の作製例2,3,6〕
感光体の作製例1における保護層の形成工程において、表面処理済み金属酸化物微粒子〔A〕の代わりに、それぞれ、表面処理済み金属酸化物微粒子〔B〕〜〔D〕を用いたこと以外は同様にして、感光体〔2〕,〔3〕,〔6〕を作製した。
〔実施例4,5:感光体の作製例4,5〕
感光体の作製例1における保護層の形成工程において、熱処理の温度および時間(恒温槽の温度および当該恒温槽に入れる時間)を、それぞれ、表1に示されるように変更したこと以外は同様にして、感光体〔4〕,〔5〕を作製した。
〔実施例7:感光体の作製例7〕
感光体の作製例1における保護層の形成工程において、表面処理済み金属酸化物微粒子〔A〕146質量部の代わりに以下の表面処理済み金属酸化物微粒子〔E〕106質量部を用いたこと以外は同様にして、感光体〔7〕を作製した。
〔実施例8:感光体の作製例8〕
感光体の作製例7における保護層の形成工程において、表面処理済み金属酸化物微粒子〔E〕の代わりに表面処理済み金属酸化物微粒子〔F〕を用い、かつ、熱処理の温度および時間(恒温槽の温度および当該恒温槽に入れる時間)を、それぞれ、表1に示されるように変更したこと以外は同様にして、感光体〔8〕を作製した。
〔実施例9〜12:感光体の作製例9〜12〕
感光体の作製例1における保護層の形成工程において、表面処理済み金属酸化物微粒子〔A〕146質量部の代わりに、それぞれ金属酸化物微粒子〔G〕46質量部、金属酸化物微粒子〔H〕84質量部、金属酸化物微粒子〔I〕86質量部、および、金属酸化物微粒子〔J〕118質量部を用いたこと以外は同様にして、感光体〔9〕〜〔12〕を作製した。
〔比較例1:感光体の作製例13〕
感光体の作製例3における保護層の形成工程において、表面処理済み金属酸化物微粒子〔C〕の添加量を105質量部に変更し、かつ、熱処理を行わなかったこと以外は同様にして、感光体〔13〕を作製した。
〔比較例2,3:感光体の作製例14,15〕
感光体の作製例3における保護層の形成工程において、表面処理済み金属酸化物微粒子〔C〕の添加量を105質量部に変更し、かつ、熱処理の温度および時間(恒温槽の温度および当該恒温槽に入れる時間)を、それぞれ、表1に示されるように変更したこと以外は同様にして、感光体〔14〕,〔15〕を作製した。
〔比較例4:感光体の作製例16〕
感光体の作製例3における保護層の形成工程において、表面処理済み金属酸化物微粒子〔C〕の添加量を105質量部に変更し、かつ、電荷輸送剤(CTM−13)を用いなかったこと以外は同様にして、感光体〔16〕を作製した。
〔比較例5:感光体の作製例17〕
感光体の作製例3において、電荷輸送層の形成工程を以下のように行って二層型の電荷輸送層を形成し、保護層の形成工程において表面処理済み金属酸化物微粒子〔C〕の添加量を105質量部に変更し、かつ、熱処理を行わなかったこと以外は同様にして、感光体〔17〕を作製した。
<電荷輸送層の形成>
(1)第一電荷輸送層の形成
下記原料を混合して溶解し、無機微粒子および有機微粒子を含まない、第一電荷輸送層形成用塗布液〔2〕を調製した。
・電荷輸送物質:4,4′−ジメチル−4″−(β−フェニルスチリル)トリフェニルアミン) 225質量部
・電荷輸送層用バインダー樹脂:ポリカーボネート樹脂「Z300」(三菱ガス化学社製
) 300質量部
・酸化防止剤:「Irganox1010」(BASFジャパン社製) 6質量部
・溶媒:テトラヒドロフラン 1600質量部
・溶媒:トルエン 400質量部
・レベリング剤:シリコーンオイル「KF−54」(信越化学社製) 1質量部
上記電荷発生層〔1〕上に、この第一電荷輸送層形成用塗布液〔2〕を円形量規制型塗布装置によって塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥し、層厚16μmの第一電荷輸送層〔2〕を形成した。
(2)第二電荷輸送層の形成
ヘキサメチルジシラザンで処理した平均数一次粒径が30nmのシリカ微粒子5質量部、テトラヒドロフラン(THF)100質量部およびトルエン20質量部を、この順で超音波タイプの分散機「US−600型」(日本精機製造社製)に仕込み、4時間1次分散を行い、1次分散液を調製した。
次いで、ポリカーボネート樹脂「ユーピロン−Z300」(三菱ガス化学社製)20質量部をテトラヒドロフラン(THF)100質量部およびトルエン20質量部の混合溶剤に溶解した樹脂溶液を分散機に投入し、1時間2次分散を行い、2次分散液を調製した。
この2次分散液を、分散機から100質量部取り出し、これに電荷輸送物質(4−メトキシ−4’−(4−メチル−α−フェニルスチリル)トリフェニルアミン)4質量部と酸化防止剤「スミライザー(Sumilizer)BHT」(住友化学社製)0.4質量部 を混合溶解して第二電荷輸送層形成用塗布液〔2〕を調製した。
得られた第二電荷輸送層形成用塗布液〔2〕を上記第一電荷輸送層〔2〕上に円形量規制型塗布装置によって塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥し、層厚4μmの第二電荷輸送層〔2〕を形成し、これにより二層型の電荷輸送層を形成した。
〔比較例6:感光体の作製例18〕
感光体の作製例1における保護層の形成工程において、表面処理済み金属酸化物微粒子〔A〕146質量部の代わりに、表面処理済み金属酸化物微粒子〔K〕105質量部を用いたこと以外は同様にして、感光体〔18〕を作製した。
以上の感光体〔1〕〜〔18〕について、感光層(電荷輸送層)と保護層との界面における、平均の凹凸の最大の高低差を上述の通りに測定した。結果を表1に示す。
なお、表1において「測定不可」は、高低差が0.01μm以下の凹凸しか存在しないことをいう。
〔評価〕
基本的に図2の構成を有する、市販のフルカラー複合機「bizhub PRESS C1070」(コニカミノルタ社製)に、感光体〔1〕〜〔18〕をそれぞれ搭載して評価を行った。
まず、温度23℃、湿度50%RHの環境下で、画像面積比率6%の文字画像をA4横送りで各30万枚両面連続プリントを行う耐久試験を実施し、この耐久試験前後に、耐メモリ性、接着性および耐摩耗性について下記のように評価を行った。結果を表1に示す。
(1)耐メモリ性(画像メモリ)
上記の耐久試験後に、ベタ黒画像部およびベタ白画像部が混在したテスト画像を10枚連続で印刷し、続いて、均一なハーフトーン画像を印刷し、ハーフトーン画像中に前記のベタ黒画像部およびベタ白画像部の履歴が現れている(メモリ発生)か否(メモリ発生なし)かを目視で観察し、下記の評価基準に従って評価した。
−評価基準−
A:メモリ発生なし(合格)
B:軽微なメモリが視認されるが、事実上問題ない(合格)
C:メモリが視認され、事実上問題がある(不合格)
D:はっきりしたメモリが発生し、事実上問題がある(不合格)
(2)接着性
上記の耐久試験後に、50℃で2時間静置する工程と、20℃で2時間静置する工程とのヒートサイクルを5回行った後、感光体の長手方向に離間した3箇所(上、中、下)において、JIS K5400に準拠して、粘着テープを貼り、これを剥がしたときに感光層(電荷輸送層)と保護層との界面で剥離が生じた碁盤目の数を測定する碁盤目試験を行い、各箇所の残存率を下記式(R)に従って得、さらに3箇所の平均値を算出し、下記の評価基準に従って評価した。
式(R):残存率(%)=剥れなかった数(マス)/全体の数(100マス)
−評価基準−
A:80%<残存率(%)≦100%(合格)
B:50%<残存率(%)≦80%(合格)
C:残存率(%)≦50%以下(不合格)
(3)耐摩耗性
上記の耐久試験前後における感光体の総膜厚(中間層、感光層および保護層の合計の膜厚)を測定し、膜厚減耗量を算出した。
感光体の膜厚は、両端部の膜厚変動部分を除いた均一膜厚部分について、ランダムに10ケ所測定し、その平均値を感光層の膜厚とする。
膜厚測定器は、渦電流方式の膜厚測定器「EDDY560C」(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行った。
表1においては、感光体の10万回転当たりの減耗量をα値として記載した。このα値が0.2μm以内であれば、本発明において十分な耐摩耗性が得られると言える。

Figure 2017194545
1a 導電性支持体
1b 中間層
1c 電荷発生層
1d 電荷輸送層
1e 保護層
1eA 金属酸化物微粒子
1f 感光層
1,1Y,1M,1C,1Bk 感光体
2Y,2M,2C,2Bk 帯電手段
3Y,3M,3C,3Bk 露光手段
4Y,4M,4C,4Bk 現像手段
5Y,5M,5C,5Bk 一次転写ローラ
5b 二次転写ローラ
6Y,6M,6C,6Bk,6b クリーニング手段
10Y,10M,10C,10Bk 画像形成ユニット
20 給紙カセット
21 給紙手段
22A,22B,22C,22D 中間ローラ
23 レジストローラ
24 定着手段
25 排紙ローラ
26 排紙トレイ
70 中間転写体ユニット
71,72,73,74 ローラ
77 中間転写体
80 筐体
82L,82R 支持レール
A 本体
SC 原稿画像読み取り装置
P 転写材

Claims (5)

  1. 導電性支持体上に感光層および保護層がこの順に積層されてなる電子写真感光体であって、
    保護層が、硬化樹脂中に金属酸化物微粒子および電荷輸送物質が含有されてなり、
    厚み方向の断面における感光層と保護層との界面が凹凸を有し、厚み方向に直角な方向における長さ5μmの領域の凹凸の最大の高低差が平均0.1μm以上1.0μm以下であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記金属酸化物微粒子が、SiO2 、Al2 3 、SnO2 およびCuAlO2 の群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記金属酸化物微粒子が、数平均一次粒径が10〜100nmのものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記金属酸化物微粒子が、反応性有機基を有するものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子写真感光体を製造する方法であって、
    硬化樹脂を形成するための樹脂組成物、金属酸化物微粒子および電荷輸送物質を含有する保護層形成用塗布液を、導電性支持体上に感光層が積層されてなる基体の当該感光層上に塗布した状態で、感光層を形成する材料の軟化点以上で熱処理を行った後に硬化処理を行うことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。

JP2016084196A 2016-04-20 2016-04-20 電子写真感光体およびその製造方法 Pending JP2017194545A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016084196A JP2017194545A (ja) 2016-04-20 2016-04-20 電子写真感光体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016084196A JP2017194545A (ja) 2016-04-20 2016-04-20 電子写真感光体およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017194545A true JP2017194545A (ja) 2017-10-26

Family

ID=60154917

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016084196A Pending JP2017194545A (ja) 2016-04-20 2016-04-20 電子写真感光体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017194545A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019069923A1 (ja) 2017-10-04 2019-04-11 三菱マテリアル株式会社 シリカ系絶縁被覆軟磁性粉末およびその製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013061625A (ja) * 2011-08-24 2013-04-04 Konica Minolta Business Technologies Inc 有機感光体及び画像形成装置、画像形成方法
JP2013190452A (ja) * 2012-02-16 2013-09-26 Konica Minolta Inc 電子写真感光体および画像形成装置
JP2013254135A (ja) * 2012-06-08 2013-12-19 Konica Minolta Inc 電子写真感光体、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013061625A (ja) * 2011-08-24 2013-04-04 Konica Minolta Business Technologies Inc 有機感光体及び画像形成装置、画像形成方法
JP2013190452A (ja) * 2012-02-16 2013-09-26 Konica Minolta Inc 電子写真感光体および画像形成装置
JP2013254135A (ja) * 2012-06-08 2013-12-19 Konica Minolta Inc 電子写真感光体、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019069923A1 (ja) 2017-10-04 2019-04-11 三菱マテリアル株式会社 シリカ系絶縁被覆軟磁性粉末およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5664538B2 (ja) 電子写真感光体
JP6024247B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置
JP6048461B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置
JP6642134B2 (ja) 電子写真感光体、画像形成方法および画像形成装置
JP5915396B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置
JP6398688B2 (ja) 有機感光体
JP5968585B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法
JP6197668B2 (ja) 電子写真感光体及びその製造方法
JP2012198278A (ja) 有機感光体及び画像形成装置、画像形成方法
JP2017090608A (ja) 電子写真感光体およびその製造方法、並びに画像形成装置
US9904234B2 (en) Electrophotographic image forming method
JP6447254B2 (ja) 電子写真感光体及び電子写真画像形成装置
JP6060706B2 (ja) 有機感光体および画像形成装置
JP2016188950A (ja) 電子写真感光体、画像形成装置および画像形成方法
JP6056306B2 (ja) 電子写真感光体ならびにこれを用いた画像形成装置および画像形成方法
JP2012078620A (ja) 電子写真感光体
JP2017194545A (ja) 電子写真感光体およびその製造方法
JP2012173511A (ja) 電子写真感光体
JP5772217B2 (ja) 電子写真感光体
JP6405783B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2017111273A (ja) 電子写真感光体およびその製造方法
JP7302266B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置及び電子写真感光体の製造方法
JP2017090609A (ja) 電子写真感光体およびその製造方法
JP2018097278A (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP6446977B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジ

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190124

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190125

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191217

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200623