JP2017090608A - 電子写真感光体およびその製造方法、並びに画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い耐摩耗性、並びに、優れたドット再現性および像流れ耐性が得られ、さらに、優れた耐メモリ性などの電位安定性が得られる電子写真感光体およびその製造方法、並びに、当該電子写真感光体を備える画像形成装置を提供することにある。
【解決手段】 電子写真感光体の製造方法は、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層および保護層がこの順に積層されてなる電子写真感光体を製造する方法であって、保護層が、樹脂中にCuAlO2 微粒子が含有されてなり、当該CuAlO2 微粒子として、水熱合成法によって作製されたものを用いることを特徴とする。前記CuAlO2 微粒子として、さらにシランカップリング剤により表面処理されたものを用いることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成プロセスに用いられる電子写真感光体およびその製造方法、この電子写真感光体を備える画像形成装置に関する。
電子写真方式の複写機やプリンターなどの画像形成装置を構成する電子写真感光体(以下、単に「感光体」ともいう。)においては、長寿命であることや、形成される画像の画質安定性が求められている。感光体においては、感光体表面の摩耗に伴って感光体の寿命が決定される。
近年、耐摩耗性、耐傷性および環境安定性に優れて長寿命化が図られる感光体として、導電性支持体上に感光層が積層され、さらに当該感光層上に硬化樹脂による保護層が形成された感光体が開発されている。
このような感光体において、耐摩耗性および耐メモリ性などの画質安定性を向上させるために、例えば保護層にさらにホール輸送性を有する高強度微粒子としてP型半導体微粒子を含有させることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、更なる耐摩耗性や耐メモリ性の要求に対しては、十分に応えられていないのが実情である。
特開2015−141269号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、高い耐摩耗性、並びに、優れたドット再現性および像流れ耐性が得られ、さらに、優れた耐メモリ性などの電位安定性が得られる電子写真感光体およびその製造方法、並びに、当該電子写真感光体を備える画像形成装置を提供することにある。
本発明の電子写真感光体の製造方法は、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層および保護層がこの順に積層されてなる電子写真感光体を製造する方法であって、
保護層が、樹脂中にCuAlO2 微粒子が含有されてなり、
当該CuAlO2 微粒子として、水熱合成法によって作製されたものを用いることを特徴とする。
本発明の電子写真感光体の製造方法においては、前記CuAlO2 微粒子として、さらにシランカップリング剤により表面処理されたものを用いることが好ましい。
本発明の電子写真感光体の製造方法においては、前記保護層を構成する前記樹脂が、架橋性の重合性化合物を重合反応することによって得られる硬化樹脂であることが好ましい。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層および保護層がこの順に積層されてなる電子写真感光体であって、
保護層が、樹脂中にCuAlO2 微粒子が含有されてなり、
当該CuAlO2 微粒子が、水熱合成法によって作製されたものであることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、当該電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段と、前記帯電手段により帯電された電子写真感光体を露光する露光手段と、前記露光手段により露光された電子写真感光体にトナーを供給してトナー像を形成する現像手段と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を転写する転写手段と、前記電子写真感光体の表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段とを備える画像形成装置であって、
前記帯電手段が帯電ローラよりなり、
電子写真感光体が、上記の電子写真感光体の製造方法によって得られた電子写真感光体であることを特徴とする。
本発明の電子写真感光体の製造方法によれば、水熱合成法によって作製されたCuAlO2 微粒子が含有された保護層を有することにより、高い耐摩耗性、並びに、優れたドット再現性および像流れ耐性が得られ、さらに、優れた耐メモリ性などの電位安定性が得られる。
本発明の画像形成装置によれば、水熱合成法によって作成されたCuAlO2 微粒子を含有する保護層を備える感光体が搭載されているので、帯電ローラよりなる帯電手段を用いた場合にも、帯電安定性を確保することができて耐久後の濃度ムラを抑制することができる、という利点が得られる。
本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す部分断面図である。 本発明の画像形成装置の一例における構成を示す説明用断面図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
〔感光体〕
本発明の感光体は、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段を備える画像形成装置に搭載される感光体であって、導電性支持体上に感光層および保護層がこの順に積層されてなる有機感光体である。
本発明において、有機感光体とは、感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能および電荷輸送機能の少なくとも一方の機能が有機化合物により発揮されて構成されるものをいい、公知の有機電荷発生物質または有機電荷輸送物質から構成される有機感光層を有する感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能とが高分子錯体により構成される有機感光層を有するものなど公知の有機感光体全てを含むものをいう。
感光体は、例えば、図1に示されるように、導電性支持体1a上に、中間層1b、電荷発生層1c、電荷輸送層1dおよび保護層1eがこの順に積層されて感光体1が形成されてなるものであり、電荷発生層1cおよび電荷輸送層1dから感光層1fが構成されている。
〔保護層1e〕
本発明の感光体を構成する保護層は、バインダー樹脂(以下、「保護層用バインダー樹脂」ともいう。)中に水熱合成法によって作製されたCuAlO2 微粒子1eAが含有されてなる。
以上のような感光体によれば、水熱合成法によって作製されたCuAlO2 微粒子が含有された保護層を有することにより、高い耐摩耗性、並びに、優れたドット再現性および像流れ耐性が得られ、さらに、優れた耐メモリ性などの電位安定性が得られる。
このような保護層を有する感光体において高い耐摩耗性、並びに、優れたドット再現性、像流れ耐性および耐メモリ性を得ることができる理由としては、以下のように推測される。
水熱合成法は、塩を溶解させての反応、すなわち、ビルドアップ型の作製法である。そのため、水熱合成法によって作製するCuAlO2 微粒子は、小粒径化を図りやすく、また、形状の均一性が高いものとなる。このため、当該CuAlO2 微粒子は、感光体の保護層において高い分散性で分散させることができる。その結果、高い耐摩耗性が得られると共に優れたドット再現性および像流れ耐性が得られる。また、耐久末期における画像荒れの発生を極めて抑制することができる。さらに、水熱合成法においては、反応させる原料のモル比を制御し易いことによって、例えばプラズマ法などの気相法によって得られる微粒子に比べて副生成物が少ない。その結果、保護層におけるホール輸送のトラップサイトの発生を抑制することができ、従って、優れた耐メモリ性を得ることができる。
なお、焼結粉砕法(固相法)によって得られるCuAlO2 微粒子は、副生成物は少ないものの形状や粒径の均一化を図ることが難しい。そのため、保護層に添加したときに所望の分散性が得られないおそれがある。また、このCuAlO2 微粒子をミルで粉砕すると、粉砕した表面に不純物が付着して電気特性が悪化するおそれがあり、また、粉砕粒子に表面処理を施しても不純物の影響のためか表面処理が適切になされず、所望の分散性が得られないおそれがある。
〔CuAlO2 微粒子1eA〕
CuAlO2 微粒子は、電荷を輸送するキャリアが正孔(ホール)であるP型半導体粒子であって、画質安定性に寄与するものである。
CuAlO2 微粒子の数平均一次粒径は、10〜70nmであることが好ましく、より好ましくは20〜50nmである。
CuAlO2 微粒子の数平均一次粒径が10nm未満である場合は、保護層を形成するための塗布液中における分散性が低くなるためにCuAlO2 微粒子が凝集し、従って均一な塗膜を形成することができないことがある。一方、CuAlO2 微粒子の数平均一次粒径が70nmを超える場合は、保護層の強度が低下してしまうおそれがある。
CuAlO2 微粒子の数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡「JSM−7500F」(日本電子社製)により10万倍の拡大写真を撮影し、当該写真をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)について、自動画像処理解析装置「LUZEX(登録商標) AP(ソフトウェアバージョン Ver.1.32)」(ニレコ社製)を使用してCuAlO2 微粒子について2値化処理し、CuAlO2 微粒子の任意の100個についての水平方向フェレ径を算出し、その平均値を数平均一次粒径とする。ここで水平方向フェレ径とは、CuAlO2 微粒子の画像を2値化処理したときの外接長方形のx軸に平行な辺の長さをいう。
〔CuAlO2 微粒子の作製方法〕
CuAlO2 微粒子は、水熱合成法により作製されたものである。水熱合成法とは、高温高圧の熱水の存在下で行われる結晶成長をいう。
具体的には、原料物質としてCu塩およびAl塩を用い、これらを水中に溶解させてCu2+およびAl3+を生成させ、調製した溶液を反応器に入れ、臨界点以上の超臨界条件の水素共存下でpHを制御し、反応器内の空気を不活性ガスで置換して、硝酸カリウムを溶解させたソルトバス内で加熱し、Cu2+をCu1+に変化させ、これによりCuAlO2 微粒子を作製することができる。
Cu塩としては、Cu(NO3 2 、Cu(HCOO)2 、Cu(CH3 COO)2 、CuSO4 などを挙げることができる。
Al塩としては、Al(NO3 3 、AlCl3 、Al(CH3 COO)3 、Al(HCOO)3 、Al2 (SO4 3 などを挙げることができる。
Cu塩およびAl塩の使用量比(Cu塩/Al塩)は、質量比で2.0>(Cu塩/Al塩)>0.5であることが好ましい。
(Cu塩/Al塩)の質量比が1である場合に原料間の過不足がなくなり、目的生成物であるCuAlO2 の結晶を単一相で製造することができる。
加熱温度は、300〜500℃とされる。
加熱時間は、5〜30分間とされる。
CuAlO2 微粒子は、保護層用バインダー樹脂100質量部に対して20〜300質量部の割合で含有されることが好ましく、より好ましくは50〜200質量部である。
CuAlO2 微粒子の含有割合が上記範囲であることによって、保護層に適度な電荷輸送性が得られると共に保護層の硬度を適切に調整することができる。
〔表面処理されたCuAlO2 微粒子〕
CuAlO2 微粒子は、保護層におけるCuAlO2 微粒子の分散性をより向上させて耐摩耗性をさらに向上させる観点から、シランカップリング剤で表面処理されたものであることが好ましく、保護層の硬度をさらに高める目的で、ラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤で表面処理されたものであることがより好ましい。
ラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤を用いることにより、保護層用バインダー樹脂が後述の重合性化合物による硬化樹脂である場合に当該重合性化合物とも反応するために強固な保護層を形成することができる。
ラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤としては、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するシランカップリング剤を用いることが好ましく、このようなラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤としては、下記に記すような公知の化合物が例示される。
S−1:CH2 =CHSi(CH3 )(OCH3 2
S−2:CH2 =CHSi(OCH3 3
S−3:CH2 =CHSiCl3
S−4:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OCH3 2
S−5:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(OCH3 3
S−6:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(OC2 5 )(OCH3 2
S−7:CH2 =CHCOO(CH2 3 Si(OCH3 3
S−8:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )Cl2
S−9:CH2 =CHCOO(CH2 2 SiCl3
S−10:CH2 =CHCOO(CH2 3 Si(CH3 )Cl2
S−11:CH2 =CHCOO(CH2 3 SiCl3
S−12:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(CH3 )(OCH3 2
S−13:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(OCH3 3
S−14:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(CH3 )(OCH3 2
S−15:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(OCH3 3
S−16:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(CH3 )Cl2
S−17:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 SiCl3
S−18:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(CH3 )Cl2
S−19:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 SiCl3
S−20:CH2 =CHSi(C2 5 )(OCH3 2
S−21:CH2 =C(CH3 )Si(OCH3 3
S−22:CH2 =C(CH3 )Si(OC2 5 3
S−23:CH2 =CHSi(OCH3 3
S−24:CH2 =C(CH3 )Si(CH3 )(OCH3 2
S−25:CH2 =CHSi(CH3 )Cl2
S−26:CH2 =CHCOOSi(OCH3 3
S−27:CH2 =CHCOOSi(OC2 5 3
S−28:CH2 =C(CH3 )COOSi(OCH3 3
S−29:CH2 =C(CH3 )COOSi(OC2 5 3
S−30:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(OC2 5 3
S−31:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 2 (OCH3
S−32:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OCOCH3 2
S−33:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(ONHCH3 2
S−34:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OC6 5 2
S−35:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(C1021)(OCH3 2
S−36:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH2 6 5 )(OCH3 2
表面処理剤としては、上記S−1からS−36以外にも、ラジカル重合反応を行うことができる反応性有機基を有するシラン化合物を用いることができる。また、下記S−37〜S−65に示すような反応性有機基を有さないシランカップリング剤を用いることもできる。
これらの表面処理剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
S−37:CF3 (CF2 11CH2 CH2 Si(OC2 5 3
S−38:CF3 (CF2 7 CH2 CH2 Si(OC2 5 3
S−39:CF3 (CF2 5 CH2 CH2 Si(OC2 5 3
S−40:CF3 (CF2 7 CH2 CH2 Si(OCH3 3
S−41:CF3 (CF2 3 CH2 CH2 Si(OC2 5 3
S−42:CF3 (CF2 5 CH2 CH2 Si(OCH3 3
S−43:CF3 (CF2 3 CH2 CH2 Si(OCH3 3
S−44:CF3 (CF2 3 CH2 CH2 Si(CH3 2 Cl
S−45:CF3 (CF2 4 CH2 CH2 Si(CH3 2 Cl
S−46:CF3 (CF2 5 CH2 CH2 Si(CH3 2 Cl
S−47:CF3 (CF2 3 CH2 CH2 SiCl3
S−48:CF3 (CF2 5 CH2 CH2 SiCl3
S−49:CF3 CH2 CH2 SiCl2 CH3
S−50:CF3 CH2 CH2 SiCl3
S−51:CF3 CH2 CH2 Si(OCH3 3
S−52:CH3 CH2 CH2 Si(OCH3 3
S−53:CH3 CH2 CH2 Si(OC2 5 3
S−54:CH3 CH2 CH2 Si(OCH3 2 CH3
S−55:CH3 CH2 CH2 Si(CH3 2 OCH3
S−56:C5 11Si(OC2 5 3
S−57:CH3 (CH2 4 CH2 Si(OC2 5 3
S−58:CH3 (CH2 4 CH2 Si(OCH3 3
S−59:CH3 (CH2 6 CH2 Si(OC2 5 3
S−60:CH3 (CH2 6 CH2 Si(OCH3 3
S−61:CH3 (CH2 6 CH2 Si(CH3 2 OCH3
S−62:CH3 (CH2 16CH2 Si(OCH3 3
S−63:CH3 (CH2 16CH2 Si(OCH3 2 CH3
S−64:CH3 (CH2 16CH2 Si(CH3 2 OCH3
S−65:CH3 (CH2 16CH2 Si(OC2 5 2 CH3
また、表面処理剤の使用量は、特に制限されないが、処理前のCuAlO2 微粒子100質量部に対して0.1〜100質量部であることが好ましい。
〔CuAlO2 微粒子の表面処理方法〕
CuAlO2 微粒子の表面処理は、具体的には、処理前のCuAlO2 微粒子と表面処理剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式粉砕することにより、CuAlO2 微粒子を微細化すると同時に粒子の表面処理を進行させ、その後、溶媒を除去して粉体化することによって行うことができる。
スラリーは、処理前のCuAlO2 微粒子100質量部に対し、表面処理剤0.1〜100質量部、溶媒50〜5000質量部の割合で混合されたものであることが好ましい。
また、スラリーの湿式粉砕に用いる装置としては、湿式メディア分散型装置が挙げられる。
湿式メディア分散型装置とは、容器内にメディアとしてビーズを充填し、さらに回転軸と垂直に取り付けられた撹拌ディスクを高速回転させることにより、CuAlO2 微粒子の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置であり、その構成としては、CuAlO2 微粒子に表面処理を行う際にCuAlO2 微粒子を十分に分散させ、かつ表面処理できる形式であれば問題なく、例えば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式のものを用いることができる。具体的には、サンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミルなどを使用することができる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズなどの粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、剪断、ズリ応力などによって微粉砕および分散が行われる。
湿式メディア分散型装置で用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料としたボールを用いることができるが、特にジルコニア製やジルコン製のものを用いることが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1〜2mm程度のものを使用するが、本発明では0.1〜1.0mm程度のものを用いることが好ましい。
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものを使用することができるが、本発明では特にジルコニアまたはシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁であることが好ましい。
〔保護層用バインダー樹脂〕
保護層用バインダー樹脂は、熱可塑性樹脂または光硬化性樹脂であることが好ましく、特に、高い膜強度が得られることから、光硬化性樹脂であることがより好ましい。
保護層用バインダー樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂などを用いることができる。熱可塑性樹脂を用いる場合は、ポリカーボネート樹脂であることが好ましい。また、光硬化性樹脂を用いる場合は、架橋性の重合性化合物、具体的には2個以上のラジカル重合性官能基を有する化合物(以下、「多官能ラジカル重合性化合物」ともいう。)を、紫外線や電子線などの活性線の照射により重合反応することによって得られる硬化樹脂であることが好ましい。
保護層用バインダー樹脂として挙げた上記のものは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔多官能ラジカル重合性化合物〕
多官能ラジカル重合性化合物としては、少ない光量あるいは短い時間での硬化が可能であることから、ラジカル重合性官能基としてアクリロイル基(CH2 =CHCO−)またはメタクリロイル基(CH2 =CCH3 CO−)を2個以上有するアクリル系モノマーまたはこれらのオリゴマーであることが特に好ましい。従って、硬化樹脂としてはアクリル系モノマーまたはそのオリゴマーにより形成されるアクリル樹脂であることが好ましい。
これらの多官能ラジカル重合性化合物としては、例えば以下の化合物を例示することができる。
Figure 2017090608
Figure 2017090608
ただし、上記の例示化合物M1〜M15を示す化学式において、Rはアクリロイル基(CH2 =CHCO−)を示し、R’はメタクリロイル基(CH2 =CCH3 CO−)を示す。
保護層には、上述のような保護層用バインダー樹脂およびCuAlO2 微粒子の他に、必要に応じて滑剤粒子や各種の酸化防止剤などが含有されていてもよい。
〔滑剤粒子〕
滑剤粒子としては、例えばフッ素原子含有樹脂粒子が挙げられる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂などが挙げられ、これらの共重合体を用いることもできる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では特に四フッ化エチレン樹脂およびフッ化ビニリデン樹脂を用いることが好ましい。
保護層の層厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜6μmである。
〔保護層の形成〕
保護層は、多官能ラジカル重合性化合物、CuAlO2 微粒子および必要に応じて公知の樹脂、重合開始剤、滑剤粒子、酸化防止剤などを溶媒に添加して調製した塗布液を、公知の方法により電荷輸送層の表面に塗布して塗布膜を形成し、硬化処理することにより、作製することができる。
〔重合開始剤〕
多官能ラジカル重合性化合物を重合反応させる方法としては、電子線開裂反応を利用する方法や、ラジカル重合開始剤の存在下で光や熱を利用する方法などを採用することができる。
多官能ラジカル重合性化合物の重合反応を開始させるラジカル重合開始剤としては、熱重合開始剤や光重合開始剤などが挙げられ、これらを併用することもできる。
熱重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルアゾビスバレロニリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ化合物;過酸化ベンゾイル(BPO)、ジ−tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物などが挙げられる。
光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(「イルガキュアー369」(BASFジャパン社製))、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系光重合開始剤;ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼンなどのベンゾフェノン系光重合開始剤;2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどのチオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(「イルガキュアー819」(BASFジャパン社製))、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物などが挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独で、または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。光重合促進効果を有するものとしては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
重合開始剤としては、光重合開始剤を用いることが好ましく、アルキルフェノン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物を用いることがより好ましく、α−ヒドロキシアセトフェノン構造、あるいはアシルフォスフィンオキサイド構造を有する光重合開始剤を用いることがさらに好ましい。
これらの重合開始剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
重合開始剤の使用割合は、多官能ラジカル重合性化合物100質量部に対して0.1〜40質量部であり、好ましくは0.5〜20質量部である。
〔溶媒〕
保護層の形成に使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、ベンジルアルコール、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、酢酸エチル、酢酸ブチル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジンおよびジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらは、1種単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
硬化処理においては、塗布膜に活性線を照射してラジカルを発生して重合し、かつ分子間および分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化し、保護層用バインダー樹脂を生成することが好ましい。活性線としては、紫外線、可視光などの光や電子線を用いることが好ましく、使い易さなどの観点から、紫外線を利用することが特に好ましい。
紫外線の光源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノン、紫外線LEDなどを用いることができる。照射条件は、それぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常1〜20mJ/cm2 、好ましくは5〜15mJ/cm2 である。光源の出力電圧は、好ましくは0.1〜5kWであり、特に好ましくは、0.5〜3kWである。
電子線源としては、例えばカーテンビーム方式の電子線照射装置を好ましく用いることができる。電子線を照射の際の加速電圧は、100〜300kVであることが好ましい。吸収線量としては0.005Gy〜100kGy(0.5〜10Mrad)であることが好ましい。
活性線の照射時間は、活性線の必要照射量が得られる時間であればよく、具体的には0.1秒間〜10分間が好ましく、硬化効率または作業効率の観点から1秒間〜5分間がより好ましい。
塗布膜は、活性線の照射前後および活性線の照射中に乾燥処理してもよい。乾燥処理を行うタイミングは、活性線の照射条件と組み合わせて適宜選択することができる。保護層の乾燥条件は、塗布液に使用する溶媒の種類や保護層の膜厚などにより適宜選択することができる。また、乾燥温度は、室温〜180℃が好ましく、80〜140℃が特に好ましい。また、乾燥時間は、1〜200分間が好ましく、5〜100分間が特に好ましい。このような乾燥条件で塗布膜を乾燥することにより、保護層に含有される溶媒量を20ppmから75ppmの範囲に制御することができる。
以下、保護層以外の感光体の構成について説明する。
〔導電性支持体1a〕
導電性支持体は、導電性を有するものであればよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛およびステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルムおよび紙などが挙げられる。
〔中間層1b〕
中間層は、導電性支持体と有機感光層との間にバリアー機能と接着機能とを付与するものである。種々の故障防止などの観点から、このような中間層を設けることが好ましい。
このような中間層は、例えば、バインダー樹脂(以下、「中間層用バインダー樹脂」ともいう。)および必要に応じて導電性粒子や金属酸化物粒子が含有されてなるものである。
中間層用バインダー樹脂としては、例えば、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ゼラチンなどが挙げられる。これらのなかでもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
中間層には、抵抗調整の目的で各種の導電性粒子や金属酸化物粒子を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマスなどの各種金属酸化物粒子を用いることができる。スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズおよび酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。
このような金属酸化物粒子の数平均一次粒径は、0.3μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以下である。
金属酸化物粒子は1種単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合した場合には、固溶体または融着の形をとってもよい。
導電性粒子または金属酸化物粒子の含有割合は、中間層用バインダー樹脂100質量部に対して20〜400質量部であることが好ましく、より好ましくは50〜200質量部である。
以上のような中間層は、例えば、中間層用バインダー樹脂を公知の溶媒に溶解し、必要に応じて導電性粒子または金属酸化物粒子を分散させて中間層形成用塗布液を調製し、この中間層形成用塗布液を導電性支持体の表面に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより形成することができる。
中間層形成用塗布液における中間層用バインダー樹脂の濃度は、中間層の層厚や塗布方法に応じて適宜選択することができる。
中間層の形成に用いられる溶媒としては、特に限定されず公知の種々の有機溶媒を用いることができるが、中間層用バインダー樹脂として好ましいとされるポリアミド樹脂に対して良好な溶解性と塗布性能を発現させることから、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノールなどの炭素数2〜4のアルコール類を用いることが好ましい。また、保存性や、導電性粒子または金属酸化物粒子の分散性を向上させるために、前記の溶媒に対して助溶剤を併用することができる。助溶媒としては、例えばメタノール、ベンジルアルコール、トルエン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフランなどが好ましく挙げられる。これらの溶媒および助溶媒は、それぞれ1種単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
導電性粒子や金属酸化物粒子の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダーおよびホモミキサーなどを用いることができる。
中間層形成用塗布液の塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、浸漬塗布法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、円形量規制型塗布法(円形スライドホッパー塗布法)などが挙げられる。
塗布膜の乾燥方法は、溶媒の種類や形成する中間層の膜厚に応じて公知の乾燥方法を適宜に選択することができ、特に熱乾燥することが好ましい。
中間層の層厚は、0.1〜15μmであることが好ましく、0.3〜10μmであることがより好ましい。
〔電荷発生層1c〕
電荷発生層は、電荷発生物質およびバインダー樹脂(以下、「電荷発生層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなるものである。
電荷発生物質としては、例えば、スーダンレッド、ダイアンブルーなどのアゾ原料、ピレンキノン、アントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ顔料、ピランスロン、ジフタロイルピレンなどの多環キノン顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのなかでも、多環キノン顔料、チタニルフタロシアニン顔料が好ましい。これらの電荷発生物質は1種単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
電荷発生層用バインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の内2個以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)、ポリ−ビニルカルバゾール樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのなかでも、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。
電荷発生層用バインダー樹脂と電荷発生物質との混合割合は、電荷発生層用バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が1〜600質量部とされることが好ましく、さらに好ましくは50〜500質量部である。電荷発生層用バインダー樹脂と電荷発生物質との混合割合が上記の範囲にあることにより、後述する電荷発生層形成用塗布液に高い分散安定性が得られ、かつ、形成された感光体において電気抵抗が低く抑制されて繰り返し使用に伴う残留電位の増加を極めて抑制することができる。
以上のような電荷発生層は、例えば、電荷発生物質を、公知の溶媒で溶解した電荷発生層用バインダー樹脂中に添加して分散させて電荷発生層形成用塗布液を調製し、この電荷発生層形成用塗布液を中間層の表面に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷発生層の形成に用いられる溶媒としては、電荷発生層用バインダー樹脂を溶解させることができるものを用いればよく、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソランなどのエーテル系溶媒、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸t−ブチルなどのエステル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香属溶媒などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらは1種単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
電荷発生物質の分散手段としては、中間層形成用塗布液における導電性粒子や金属酸化物粒子の分散手段と同じ方法を挙げることができる。
また、電荷発生層形成用塗布液の塗布方法としては、中間層形成用塗布液の塗布方法として挙げた方法と同じ方法を挙げることができる。
電荷発生層の層厚は、電荷発生物質の特性、電荷発生層用バインダー樹脂の特性や含有割合などによっても異なるが、好ましくは0.01〜5μm、より好ましくは0.05〜3μmである。
〔電荷輸送層1d〕
電荷輸送層は、電荷輸送物質およびバインダー樹脂(以下、「電荷輸送層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなるものである。
電荷輸送層の電荷輸送物質としては、電荷を輸送する物質として、例えば、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレンおよびポリ−9−ビニルアントラセンなどが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
電荷輸送層用バインダー樹脂は、公知の樹脂を用いることができ、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂などが挙げられるが、ポリカーボネート樹脂が好ましい。さらにはBPA(ビスフェノールA)型、BPZ(ビスフェノールZ)型、ジメチルBPA型、BPA−ジメチルBPA共重合体型のポリカーボネート樹脂などが耐クラック、耐磨耗性、帯電特性の点で好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有割合は、電荷輸送層用バインダー樹脂100質量部に対して10〜500質量部であることが好ましく、より好ましくは20〜100質量部である。
電荷輸送層中には、酸化防止剤、電子導電剤、安定剤、シリコーンオイルなどが添加されていてもよい。酸化防止剤については特開2000−305291号公報、電子導電剤は特開昭50−137543号公報、同58−76483号公報などに開示されているものが好ましい。
電荷輸送層の層厚は、電荷輸送物質の特性、電荷輸送層用バインダー樹脂の特性および含有割合などによって異なるが、5〜40μmであることが好ましく、より好ましくは10〜30μmである。
以上のような電荷輸送層は、例えば、電荷輸送物質(CTM)を、公知の溶媒で溶解した電荷輸送層用バインダー樹脂中に添加して分散させて電荷輸送層形成用塗布液を調製し、この電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の表面に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷輸送層の形成において用いられる溶媒としては、電荷発生層の形成に用いられる溶媒と同じものを挙げることができる。
また、電荷輸送層形成用塗布液の塗布方法としても、電荷発生層形成用塗布液の塗布方法として挙げた方法と同じ方法を挙げることができる。
〔画像形成装置〕
本発明の画像形成装置は、感光体と、当該感光体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電手段により帯電された感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、感光体にトナーを供給して静電潜像をトナーによって現像してトナー像を形成する現像手段と、感光体上に形成されたトナー像を転写する転写手段と、感光体の表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段とを備えるものであって、感光体として、上記の本発明の感光体を用いたものである。
図2は、本発明の画像形成装置の一例における構成を示す説明用断面図である。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y,10M,10C,10Bkと、中間転写体ユニット70と、給紙手段21および定着手段24とからなる。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
4組の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bkは、感光体1Y,1M,1C,1Bkを中心に、帯電手段2Y,2M,2C,2Bkと、露光手段3Y,3M,3C,3Bkと、回転する現像手段4Y,4M,4C,4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y,5M,5C,5Bk、および、感光体1Y,1M,1C,1Bkをクリーニングするクリーニング手段6Y,6M,6C,6Bkより構成されている。
本発明の画像形成装置は、感光体1Y,1M,1C,1Bkとして、各々上記の本発明の感光体を用いる。
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bkは、感光体1Y,1M,1C,1Bkに形成するトナー像の色がそれぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色と異なるだけで同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体1Yの周囲に、帯電手段2Y,露光手段3Y,現像手段4Y,クリーニング手段6Yを配置し、感光体1Y上にイエロー(Y)のトナー像を形成するものである。
帯電手段2Yは、感光体1Y表面の表面を一様に負極性に帯電させる手段である。帯電手段2Yとしては、例えば感光体1Y表面に対して近接帯電方式による帯電を行うものとすることができ、具体的には帯電ローラからなるものとすることができる。
ここで、近接帯電方式とは、感光体の表面近傍の微小な空隙で発生する近接放電を利用した帯電方式を指す。近接帯電方式には、具体的には、接触ローラ帯電方式、非接触ローラ帯電方式、ブラシ帯電方式などが含まれる。
この例の帯電手段2Yは、感光体1Yの表面に接触して配設された帯電ローラと、帯電ローラに電圧を印加する電源とからなる。
帯電ローラは、例えば、導電性支持体上に抵抗調整層が形成されてなるものである。
露光手段3Yは、帯電手段2Yによって一様な電位を与えられた感光体1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子とから構成されるもの、あるいは、レーザー光学系などが用いられる。
現像手段4Yは、例えばマグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブおよび感光体とこの現像スリーブとの間に直流および/または交流バイアス電圧を印加する電圧印加装置よりなるものである。
クリーニング手段6Yは、感光体1Y表面に残存したトナーを除去する手段である。この例のクリーニング手段6Yは、クリーニングブレードと、当該クリーニングブレードの上流側に設けられたブラシローラとにより構成される。
この図2の画像形成装置においては、画像形成ユニット10Yのうち、感光体1Y、帯電手段2Y、現像手段4Yおよびクリーニング手段6Yが一体に支持されてプロセスカートリッジとして備えられており、このプロセスカートリッジはレールなどの案内手段を介して画像形成装置の本体Aに対して着脱自在に構成されていてもよい。
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bkは、垂直方向に縦列配置されており、感光体1Y,1M,1C,1Bkの図示左側方には中間転写体ユニット70が配置されている。中間転写体ユニット70は、複数のローラ71,72,73,74によって巻回され、回動可能に支持された半導電性の無端ベルト状の中間転写体77と、二次転写手段としての二次転写ローラ5bと、クリーニング手段6bとからなる。
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bkと、中間転写体ユニット70とは、筐体80に収納されており、筐体80は、支持レール82L、82Rを介して画像形成装置の本体Aから引き出し可能に構成されている。
定着手段24は、例えば、内部に加熱源を備えた加熱ローラと、この加熱ローラに定着ニップ部が形成されるよう圧接された状態で設けられた加圧ローラとにより構成されてなる熱ローラ定着方式のものが挙げられる。
なお、図2においては、本発明の画像形成装置をカラーのレーザプリンタとして示したが、本発明の画像形成装置は、モノクロのレーザプリンタやコピーとして構成されていてもよい。また、本発明の画像形成装置においては、露光光源として、レーザー以外の光源、例えばLED光源を用いることもできる。
上記のような画像形成装置においては、以下のように画像形成が行われる。すなわち、まず、帯電手段2Y,2M,2C,2Bkにより感光体1Y,1M,1C,1Bkの表面に放電して負に帯電させる(帯電工程)。次いで、露光手段3Y,3M,3C,3Bkで、感光体1Y,1M,1C,1Bkの表面を画像信号に基づいて露光し、静電潜像を形成する(露光工程)。次いで、現像手段4Y,4M,4C,4Bkで、感光体1Y,1M,1C,1Bkの表面にトナーを付与して現像し、トナー像を形成する(現像工程)。
次いで、一次転写ローラ5Y,5M,5C,5Bkを、回動する中間転写体77と当接させる。それにより、感光体1Y,1M,1C,1Bk上にそれぞれ形成した各色のトナー像を、回動する中間転写体77上に逐次転写させて、カラートナー像を形成する(一次転写工程)。画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは、常時、感光体1Bkに当接する。一方、他の一次転写ローラ5Y,5M,5Cは、カラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y,1M,1Cに当接する。
そして、一次転写ローラ5Y,5M,5C,5Bkと中間転写体77とを分離させた後、感光体1Y,1M,1C,1Bkの表面に残存したトナーを、クリーニング手段6Y,6M,6C,6Bkで除去する(クリーニング工程)。その後、次の画像形成プロセスに備えて、必要に応じて感光体1Y,1M,1C,1Bkの表面を除電手段(不図示)によって除電する。
このように、この画像形成装置においては画像形成プロセス毎に、感光体1Y,1M,1C,1Bkの表面に滑剤が供給されるように構成されている。
一方、給紙カセット20内に収容された転写材P(例えば普通紙、透明シートなどの最終画像を担持する支持体)が給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A,22B,22C,22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、二次転写ローラ5bが中間転写体77に当接されることによって当該転写材P上にカラートナー像が一括転写される。カラートナー像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。二次転写ローラ5bは、二次転写が行われるときのみ中間転写体77に当接される。
二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラートナー像を転写した後、転写材Pを曲率分離した中間転写体77は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
上記のような画像形成装置によれば、水熱合成法によって作成されたCuAlO2 微粒子を含有する保護層を備える感光体が搭載されているので、帯電ローラよりなる帯電手段を用いた場合にも、帯電安定性を確保することができて耐久後の濃度ムラを抑制することができる、という利点が得られる。
〔トナーおよび現像剤〕
本発明の画像形成装置に用いられるトナーは、特に限定されないが、結着樹脂および着色剤が含有されるトナー粒子よりなり、当該トナー粒子には、所望により離型剤などの他の成分が含有されていてもよい。
トナーとしては、粉砕トナーおよび重合トナーのいずれを用いることもできるが、本発明の画像形成装置においては、高い画質の画像が得られる観点から、重合トナーを用いることが好ましい。
トナーの平均粒径は、体積基準のメジアン径で2〜8μmであることが好ましい。この範囲とすることにより、解像度を高くすることができる。
また、トナー粒子には、外添剤として、平均粒径10〜300nm程度のシリカおよびチタニアなどの無機微粒子、0.2〜3μm程度の研磨剤を適宜量、外部添加することができる。
トナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。
トナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄などの強磁性金属、強磁性金属とアルミニウムおよび鉛などの合金、フェライトおよびマグネタイトなどの強磁性金属の化合物などの従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライトが好ましい。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明の実施形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔CuAlO2 微粒子の作製例1〕
原料物質として、Cu(HCOO)2 48g、Al(NO3 3 16g、HCOOH50gおよびNaOH4gを、水中に均一に溶解させ、調製した溶液を反応器に入れ、容器内の空気を窒素置換し、硝酸カリウムを溶融させたソルトバス中で400℃まで加熱し、所定時間(20分間)経過後、水浴中で冷却し、固液分離することにより、CuAlO2 微粒子〔1〕を回収した。回収したCuAlO2 微粒子〔1〕についてX線回折分析(XRD)により結晶相を同定したところ、CuAlO2 の単一相であることが確認された。
〔CuAlO2 微粒子の作製例2〕
原料物質として、Cu(HCOO)2 48g、Al(NO3 3 16g、HCOOH50gおよびNaOH4gを、水中に均一に溶解させ、調製した溶液を反応器に入れ、容器内の空気を窒素置換し、硝酸カリウムを溶融させたソルトバス中で400℃まで加熱し、所定時間(40分間)経過後、水浴中で冷却し、固液分離することにより、CuAlO2 微粒子〔2〕を回収した。回収したCuAlO2 微粒子〔2〕についてX線回折分析(XRD)により結晶相を同定したところ、CuAlO2 の単一相であることが確認された。
〔感光体の作製例1〕
(1)導電性支持体の作製
ドラム状のアルミニウム支持体(外径60mm)の導電性支持体〔1〕を用意した。
(2)中間層の形成
中間層用バインダー樹脂:ポリアミド樹脂100質量部を、エタノール/n−プロピルアルコール/テトラヒドロフラン(体積比45/20/35)の混合溶媒1700質量部に加えて、20℃で撹拌混合した。この溶液に、酸化チタン粒子「SMT500SAS」(テイカ社製)160質量部および酸化チタン粒子「SMT150MK」(テイカ社製)120質量部を添加し、ビーズミルにより、ミル滞留時間5時間として分散させた。そして、この溶液を一昼夜静置した後、ろ過することにより、中間層形成用塗布液を得た。ろ過は、ろ過フィルターとして、公称濾過精度が5μmのリジメッシュフィルタ(日本ポール社製)を用いて、50kPaの圧力下で行った。このようにして得られた中間層形成用塗布液を、洗浄した導電性支持体〔1〕の外周面に浸漬塗布法で塗布し、120℃で30分間乾燥することにより、乾燥膜厚2μmの中間層〔1〕を形成した。
(3)電荷発生層の形成
下記原料を分散機としてサンドミルを用いて10時間の分散を行い、電荷発生層形成用塗布液〔1〕を調製した。
・電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するもの) 20質量部
・電荷発生層用バインダー樹脂:ポリビニルブチラール樹脂「#6000−C」(電気化
学工業社製) 10質量部
・溶媒:酢酸t−ブチル 700質量部
・溶媒:4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300質量部
上記中間層〔1〕の上に、この電荷発生層形成用塗布液〔1〕を浸漬塗布法により塗布して塗布膜を形成し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層〔1〕を形成した。
(4)電荷輸送層の形成
下記原料を混合して溶解し、電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を調製した。
・電荷輸送物質:4,4′−ジメチル−4″−(β−フェニルスチリル)トリフェニルアミン) 225質量部
・電荷輸送層用バインダー樹脂:ポリカーボネート樹脂「Z300」(三菱ガス化学社製
) 300質量部
・溶媒:THF 1600質量部
・溶媒:トルエン 400質量部
・酸化防止剤(BHT) 6質量部
・シリコーンオイル「KF−96」(信越化学社製) 1質量部
上記電荷発生層〔1〕上に、この電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を浸漬塗布法により塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を120℃で70分間乾燥し、層厚20μmの電荷輸送層〔1〕を形成した。
(5)保護層の形成
・重合性化合物(例示化合物(M1)) 100質量部
・水熱合成法で作製したCuAlO2 微粒子〔1〕(数平均一次粒径=20nm)をシランカップリング剤:S−15によって表面処理した微粒子 150質量部
・重合開始剤「イルガキュアー819」(BASFジャパン社製) 5質量部
・溶媒:2−ブタノール 230質量部
・溶媒:テトラヒドロフラン 12質量部
からなる塗布液組成物を混合撹拌して十分に溶解・分散し、保護層形成用塗布液〔1〕を調製した。
この保護層形成用塗布液〔1〕を、円形スライドホッパー塗布機を用いて電荷輸送層〔1〕上に塗布し、キセノンランプを用いて紫外線を1分間照射した後、120℃で70分間乾燥することにより、保護層〔1〕を形成し、これにより、感光体〔1〕を作製した。
なお、上記の水熱合成法で作製したCuAlO2 微粒子〔1〕のシランカップリング剤による表面処理は、CuAlO2 微粒子〔1〕100質量部を1−プロパノール中にてφ0.5mmのジルコニアビーズにて湿式メディア分散を行い、そこに上記式S−15で示されるシランカップリング剤7質量部を加えてさらに分散し、得られたスラリーから粉体をろ取し、120℃で乾燥することによって行った。
〔感光体の作製例2〕
感光体の作製例1における保護層の形成工程において、CuAlO2 微粒子〔1〕の代わりにCuAlO2 微粒子〔2〕を用いたこと以外は同様にして、感光体〔2〕を作製した。
〔感光体の作製例3〕
感光体の作製例1における保護層の形成工程において、CuAlO2 微粒子〔1〕をシランカップリング剤で表面処理せずに用いたこと以外は同様にして、感光体〔3〕を作製した。
〔感光体の作製例4〕
感光体の作製例1において、下記のように保護層を形成したことの他は同様にして、感光体〔4〕を作製した
(5)保護層の形成
・保護層用バインダー樹脂:ポリカーボネート樹脂「Z−300」(東レ社製)
100質量部
・水熱合成法で作製したCuAlO2 微粒子〔1〕(数平均一次粒径=20nm)をシランカップリング剤:S−15によって表面処理した微粒子 150質量部
・溶媒:2−ブタノール 230質量部
・溶媒:テトラヒドロフラン 12質量部
からなる塗布液組成物を混合撹拌して十分に溶解・分散し、保護層形成用塗布液〔4〕を調製した。
この保護層形成用塗布液〔4〕を、円形スライドホッパー塗布機を用いて電荷輸送層〔1〕上に塗布した後、120℃で70分間乾燥することにより、保護層〔4〕を形成し、これにより、感光体〔4〕を作製した。
なお、上記の水熱合成法で作製したCuAlO2 微粒子〔1〕のシランカップリング剤による表面処理は、感光体の作製例1と同様にして行った。
〔感光体の作製例5,6〕
感光体の作製例1における保護層の形成工程において、水熱合成法で作製したCuAlO2 微粒子〔1〕の代わりに、それぞれ、プラズマ法(気相法)で作製したCuAlO2 微粒子〔3〕、または、焼結粉砕法(固相法)で作製したCuAlO2 微粒子〔4〕を用いたこと以外は同様にして、感光体〔5〕,〔6〕を作製した。
Figure 2017090608
〔実施例1〜4、比較例1,2〕
市販のフルカラー複合機「bizhub C1070」(コニカミノルタ社製)に、感光体〔1〕〜〔6〕をそれぞれ搭載して評価を行った。
まず、温度23℃、湿度50%RHの環境下で、画像面積比率5%の帯画像をA4横送りで各100万枚両面連続プリントを行う耐刷試験を実施し、この耐刷試験前後に、感光体の耐摩耗性(表面粗さ)、分散性(ドット再現性)、電位安定性(耐メモリ性)および像流れ耐性(画像ボケ)についての下記のように評価を行った。結果を表2に示す。
(1)耐摩耗性(表面粗さ)
上記の耐刷試験の前後に、表面粗さ測定機「サーフコム1400D」(東京精密社製)を用いて、基準長さλc=0.08mm、評価長さL=8mm、測定速度=0.15mm/secの条件で表面粗さRzを測定した。
本発明においては、耐刷試験の前後(初期および耐久後)における差(ΔRz)が0.1以下である場合を合格と判断する。
(2)分散性(ドット再現性)
上記の耐刷試験後に、温度30℃、湿度80%RHの環境において、内部搭載パターンNo.53/Dot1(規則性を有するドット状に形成された露光パターンの代表的なもの)をA3/PODグロスコート紙(100g/m2 )(王子製紙社製)上に濃度指示値100で印刷し、ドットの形成状態を拡大観察し、下記の評価基準に従って評価した。
−評価基準−
A:正常にドットが形成されている(合格)
B:一部ドットが細っているが、実用上問題なし(合格)
C:全体的にドットが細っており、実用上問題がある(不合格)
(3)電位安定性(耐メモリ性)
上記の耐刷試験後に、ベタ黒の画像部とベタ白の画像部とが混在した画像を10枚連続して印刷し、続いて均一なハーフトーン画像を印刷し、当該ハーフトーン画像中に前記ベタ黒の画像部およびベタ白の画像部の履歴が現れている(メモリ発生)か否(メモリ発生なし)かを目視で確認し、下記の評価基準に従って評価した。
−評価基準−
A:メモリの発生なし(合格)
B:軽微なメモリが視認されるが、実用上問題なし(合格)
C:はっきりしたメモリが発生し、実用上問題がある(不合格)
(4)像流れ耐性(画像ボケ)
上記の耐刷試験後に、さらに温度30℃、湿度80%RHの環境下で、画像面積比率6%の文字像をA4横送りで10万枚片面連続プリントを行う耐刷試験を追加して実施し、この耐刷試験後すぐに画像形成装置の主電源を停止し、12時間後に主電源を再び入れ、出力が可能になったら直ちにA3中性紙の全面に相対反射濃度0.4のハーフトーン画像を出力し、さらに、A3中性紙の全面に、6dot格子画像を出力した。これらの画像を目視で観察して、画像ボケについて評価した。
−評価基準−
A:ハーフトーン画像および格子画像のいずれにも画像ボケは観察されず、良好(合格)
B:ハーフトーン画像のみに感光体の軸方向に伸びる薄い帯状濃度低下部分が観察されるが、実用上問題ない(合格)
C:格子画像に画像ボケによる欠損もしくは線幅の細りが観察される(不合格)
Figure 2017090608
1a 導電性支持体
1b 中間層
1c 電荷発生層
1d 電荷輸送層
1e 保護層
1eA CuAlO2 微粒子
1f 感光層
1,1Y,1M,1C,1Bk 感光体
2Y,2M,2C,2Bk 帯電手段
3Y,3M,3C,3Bk 露光手段
4Y,4M,4C,4Bk 現像手段
5Y,5M,5C,5Bk 一次転写ローラ
5b 二次転写ローラ
6Y,6M,6C,6Bk,6b クリーニング手段
10Y,10M,10C,10Bk 画像形成ユニット
20 給紙カセット
21 給紙手段
22A,22B,22C,22D 中間ローラ
23 レジストローラ
24 定着手段
25 排紙ローラ
26 排紙トレイ
70 中間転写体ユニット
71,72,73,74 ローラ
77 中間転写体
80 筐体
82L,82R 支持レール
A 本体
SC 原稿画像読み取り装置
P 転写材

Claims (5)

  1. 導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層および保護層がこの順に積層されてなる電子写真感光体を製造する方法であって、
    保護層が、樹脂中にCuAlO2 微粒子が含有されてなり、
    当該CuAlO2 微粒子として、水熱合成法によって作製されたものを用いることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 前記CuAlO2 微粒子として、さらにシランカップリング剤により表面処理されたものを用いることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 前記保護層を構成する前記樹脂が、架橋性の重合性化合物を重合反応することによって得られる硬化樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層および保護層がこの順に積層されてなる電子写真感光体であって、
    保護層が、樹脂中にCuAlO2 微粒子が含有されてなり、
    当該CuAlO2 微粒子が、水熱合成法によって作製されたものであることを特徴とする電子写真感光体。
  5. 電子写真感光体と、当該電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段と、前記帯電手段により帯電された電子写真感光体を露光する露光手段と、前記露光手段により露光された電子写真感光体にトナーを供給してトナー像を形成する現像手段と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を転写する転写手段と、前記電子写真感光体の表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段とを備える画像形成装置であって、
    前記帯電手段が帯電ローラよりなり、
    電子写真感光体が、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法によって得られた電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。

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