JP6384111B2 - 電子写真感光体及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体及び電子写真画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体及び電子写真画像形成装置に関し、更に詳しくは、耐久性が高く、高画質の画像が得られる電子写真感光体及び当該電子写真感光体を用いた電子写真画像形成装置に関する。
近年、電子写真画像形成装置においては、プリント出力の高速化とともに、装置の小型化、メンテナンスフリー化が要請されている。これらの要請に伴い、電子写真画像形成装置に用いられる電子写真感光体においても、ドラム状感光体の小径化(小型化)及び高耐久化への要請が高まっている。電子写真感光体として、一般に用いられている有機感光体(以下、「感光体」ともいう。)の感光層は、電荷輸送物質やバインダー樹脂等から構成されており、機械的付加によって摩耗しやすい特性を有している。
感光体は、繰り返し画像形成を行うことで、クリーニングブレードとの摩擦による摩耗の他、帯電、露光の繰り返しにより、帯電特性や光感度などの電気的特性も劣化していく。これらは、画像濃度の低下、あるいは地肌汚れなどの画像不良を発生させる。また、感光体表面の摩耗によって、局所的に発生した傷は、クリーニング不良によるスジ汚れ等の画像不良を発生させ、感光体の寿命を低下させる原因となっている。
感光体の高耐久化のためには、感光体の耐摩耗性を向上させる必要があり、感光層の表面に表面保護層を設ける技術が検討されている。耐摩耗性に優れた表面保護層として、表面保護層に硬化性のバインダー樹脂と無機微粒子を添加する技術などが提案されている。
一方、表面保護層を設けることによる電気的特性の低下を防止する目的で、表面保護層に電荷輸送物質を添加し、電荷輸送性能を付与する技術が提案されている。
しかし、従来提案されてきた表面保護層では、低分子の電荷輸送物質と硬化性のバインダー樹脂との相溶性が悪く、そのため表面保護層で電荷移動が阻害され、残留電位が上昇し、画像濃度低下などの画像不良が発生するという問題があった。また、低分子の電荷輸送物質の可塑化効果で表面保護層の耐摩耗性が低下してしまうという問題もあった。
このような問題を解決する技術として、正孔輸送性基を有する化合物で表面処理した無機微粒子を表面保護層に添加する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この技術では、正孔輸送性基を有するアルコキシシラン化合物で表面処理した無機微粒子を表面保護層に添加することで、無機微粒子が表面保護層中に均一に分散され、無機微粒子によるフィラー効果と硬化性バインダー樹脂とで耐摩耗性を向上し、オゾンや窒素酸化物等の放電生成物による高温高湿環境下での画像ボケを防止することができる。ここで、画像ボケとは、感光体表面が、オゾンや窒素酸化物等の放電生成物により親水性化されることにより、高温高湿環境下で静電潜像に乱れを生じ、トナー画像がぼける現象をいう。
また、表面処理剤が正孔輸送性基を有することで、表面保護層の電荷(正孔)移動が阻害されないため、感度特性も低下しない利点を有する。しかし、高温高湿条件下で画像メモリー(感光体周期による画像濃度差)が発生するという問題があった。
特開2010−134071号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、耐摩耗性に優れ、高温高湿環境下で発生する画像ボケを防止し、さらに画像メモリーが発生しない高画質の電子写真画像を形成できる電子写真感光体及び当該電子写真感光体を用いた電子写真画像形成装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、表面保護層にバインダー樹脂と、酸性基を有する正孔輸送性化合物で表面修飾したp型半導体微粒子を添加することによって上記課題が解決できることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.導電性支持体上に感光層及び表面保護層を順次積層した電子写真感光体であって、当該表面保護層が、バインダー樹脂と、下記一般式(1)で表される構造を有する正孔輸送性化合物で表面修飾したp型半導体微粒子とを含有していることを特徴とする電子写真感光体。
Figure 0006384111
(一般式(1)中、Aは正孔輸送性基を表す。Qは酸性基を表す。Rは置換若しくは無置換の、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基を表す。kは、1以上の正の整数を表す。kが2以上の整数を表す場合、R及びQは、それぞれ同じでも異なっていてもよい。)
2.前記一般式(1)で表される構造を有する正孔輸送性化合物が、下記一般式(2)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする第1項に記載の電子写真感光体。
Figure 0006384111
(一般式(2)中、Arは、置換又は無置換のアリール基を表す。Ar、Ar、Ar及びArは、同じでも異なっていてもよく、それぞれ置換又は無置換のアリーレン基を表す。R及びRは、同じでも異なっていてもよく、それぞれ置換若しくは無置換の、アルキレン基、アルケニレン、アルキニレン基又はアリーレン基を表す。Q及びQは、同じでも異なっていてもよく、それぞれ酸性基を表す。m、n、p及びqは、0又は1を表す。pが0のとき、Arは置換又は無置換のアリール基を表す。)
3.前記一般式(2)におけるQ及びQで表される酸性基が、カルボキシ基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基又はスルホン酸基であることを特徴とする第2項に記載の電子写真感光体。
4.前記p型半導体微粒子が、下記一般式(3)で表される化合物からなる粒子であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
一般式(3):CuMO
(ただし、式中Mは周期律表第13族の元素を表す。)
5.前記p型半導体微粒子が、前記一般式(1)で表される正孔輸送性化合物及び重合性反応基を有するカップリング剤で表面修飾したものであることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
6.前記重合性反応基を有するカップリング剤が、重合性反応基を有するシランカップリング剤であることを特徴とする第5項に記載の電子写真感光体。
7.前記バインダー樹脂が、架橋性の重合性化合物を重合して得られた樹脂を含有することを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
8.前記表面保護層が、前記一般式(1)で表される構造を有する正孔輸送性化合物及び重合性反応基を有するシランカップリング剤とで表面修飾されたp型半導体微粒子並びに前記バインダー樹脂の形成に用いられる架橋性の重合性化合物とを重合して得られた重合生成物を含有することを特徴とする第1項から第7項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
9.前記架橋性の重合性化合物が、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する重合性化合物であることを特徴とする第7項又は第8項に記載の電子写真感光体。
10.電子写真感光体を帯電する帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を少なくとも有する電子写真画像形成装置であって、当該電子写真感光体が、第1項から第9項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真画像形成装置。
本発明の上記手段により、耐摩耗性に優れ、高温高湿環境下で発生する画像ボケを防止し、さらに画像メモリーが発生しない高画質の電子写真画像を形成できる電子写真感光体を提供することができる。また、本発明の電子写真感光体を用いた電子写真画像形成装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用効果については、明確になっていないが、以下のように推察している。
本発明に係る表面保護層は、前記一般式(1)で表される構造を有する正孔輸送性化合物(以下、「酸性基を有する正孔輸送性化合物」又は単に「正孔輸送性化合物」ともいう。)で表面修飾したp型半導体微粒子を含有することによって、正孔輸送性化合物が表面保護層中に均一に分散される。この正孔輸送性化合物とp型半導体微粒子の正孔輸送能の効果で、表面保護層における正孔移動が阻害されず、帯電特性、感度特性などの電子写真感光体としての電気特性が損なわれることがない。またp型半導体微粒子が表面保護層に均一に分散されることによって、そのフィラー効果により強固な被膜を形成することができるので、表面保護層の耐摩耗性が向上し、感光体としての耐久性が向上する。
一方、アルコキシシラン化合物などのシランカップリング剤は、アルコキシ基が加水分解してシラノール基を形成し、このシラノール基が、金属酸化物微粒子などの無機微粒子表面のヒドロキシ基との水素結合を介して表面に移行した後、脱水縮合反応を経て無機微粒子表面と強固な共有結合を形成する。並行してシラノール基同士が縮合してシロキサン結合を形成する。したがって、一部のアルコキシシラン化合物は無機微粒子と反応せず、アルコキシシラン化合物同士でシロキサン結合を形成する。すなわち、自己縮合反応を起こしてしまう。このため、正孔輸送性基を有するアルコキシシラン化合物を用いた場合には、正孔輸送性化合物が無機微粒子の表面に一部しか吸着せず十分な正孔輸送能力が得られないために、表面保護層に組み込んだときに、画像メモリーが発生してしまう。
カルボキシ基などの酸性基は、無機微粒子の表面のヒドロキシ基とイオン結合を形成することが知られている。したがって、本発明に係る酸性基を有する正孔輸送性化合物は、同様にその酸性基がp型半導体微粒子表面のヒドロキシ基とイオン結合を形成する。イオン結合を介して、正孔輸送性化合物が結合したp型半導体微粒子は、表面保護層中に均一に分散されるので、正孔輸送性化合物とp型半導体微粒子の両方の効果で表面保護層の正孔輸送性能を損なわず、かつ強固な被膜を形成することができるので、画像メモリーを改善することができ、さらにオゾンや窒素酸化物などの放電生成物による画像ボケを防止することができる。また、本発明に係る正孔輸送性化合物は、アルコキシシラン化合物のような自己縮合性の置換基を有していないので自己縮合反応することがなく、自己縮合による不純物の生成がないので、画像メモリーも防止できるものと考えられる。
感光体の層構成の一例を示す模式図 本発明の実施形態の一例を示すフルカラーの電子写真画像形成装置の断面構成図
本発明の感光体は、導電性支持体上に感光層及び表面保護層を順次積層した電子写真感光体であって、当該表面保護層が、バインダー樹脂と、前記一般式(1)で表される構造を有する正孔輸送性化合物で表面修飾したp型半導体微粒子とを含有していることを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項10までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記一般式(1)で表される構造を有する正孔輸送性化合物が、前記一般式(2)で表される構造を有する化合物であると、表面保護層の正孔輸送性能が優れることから好ましい。
また、前記一般式(2)におけるQ及びQで表される酸性基が、カルボキシ基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基又はスルホン酸基であることが、p型半導体微粒子表面のヒドロキシ基との反応性が良好であるので好ましい。
また、前記p型半導体微粒子が、前記一般式(3)で表される化合物からなる粒子であると正孔輸送性能に優れ、メモリー改善効果が優れるので好ましい。
また、前記p型半導体微粒子が、前記一般式(1)で表される正孔輸送性化合物及び重合性反応基を有するカップリング剤で表面修飾したものであると表面保護層の正孔輸送性能に優れ、メモリー改善効果が優れるとともに、表面保護層の硬度を高くすることができるので好ましい。
また、前記重合性反応基を有するカップリング剤が、重合性反応基を有するシランカップリング剤であることp型半導体微粒子との反応性に優れ、表面保護層の硬度を高くすることができるので好ましい。
また、前記バインダー樹脂が、架橋性の重合性化合物を重合して得られた樹脂を含有することが、硬度の高いバインダー樹脂とすることができ、さらに重合性反応基を有するカップリング剤とも反応し強固な表面保護層とすることができるので好ましい。
また、前記表面保護層が、前記一般式(1)で表される構造を有する正孔輸送性化合物
び重合性反応基を有するシランカップリング剤とで表面修飾されたp型半導体微粒子並びに前記バインダー樹脂の形成に用いられる架橋性の重合性化合物とを重合して得られた重合生成物を含有することが、表面保護層の硬度を高め、さらに高い正孔輸送性を維持することができるので、メモリー改善効果が得られるので好ましい。
また、前記架橋性の重合性化合物が、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する重合性化合物であると重合性化合物の反応性に優れ、光又は熱重合により、容易に強固な表面保護層を形成することができるので好ましい。
また、本発明の電子写真感光体は、電子写真感光体を帯電する帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を少なくとも有する電子写真画像形成装置に好適に用いられ得る。
以下本発明の構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で用いる。
≪電子写真感光体≫
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層及び表面保護層を順次積層した電子写真感光体であって、当該表面保護層が、バインダー樹脂と、前記一般式(1)で表される構造を有する正孔輸送性化合物で表面修飾したp型半導体微粒子とを含有していることを特徴とする。
感光層は、光を吸収して電荷を発生する機能と電荷を輸送する機能の両方を有し、感光層の層構成としては、電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する単層構成であってもよく、また電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層の積層構成であってもよい。また、必要に応じて導電性支持体と感光層の間に中間層を設けてもよい。感光層は、その層構成を特に制限するものではなく、表面保護層を含めた具体的な層構成として、例えば以下に示すものがある。
(1)導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層及び表面保護層を順次積層した層構成
(2)導電性支持体上に、電荷輸送物質と電荷発生物質とを含有する単層の感光層及び表面保護層を順次積層した層構成
(3)導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層及び表面保護層を順次積層した層構成
(4)導電性支持体上に、中間層、電荷輸送物質と電荷発生物質とを含有する単層の感光層、及び表面保護層を順次積層した層構成
本発明の感光体は、上記(1)〜(4)いずれの層構成のものでもよく、これらの中でも、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、表面保護層を順次設けて作製された層構成のものが特に好ましい。
図1は、本発明の感光体の層構成の一例を示す模式図である。図1において、1は導電性支持体、2は感光層、3は中間層、4は電荷発生層、5は電荷輸送層、6は表面保護層、7は表面修飾p型半導体微粒子を示す。
次に、本発明の感光体を構成する表面保護層、導電性支持体、中間層、感光層(電荷発生層及び電荷輸送層)の構成について順を追って説明する。
《表面保護層》
本発明に係る表面保護層は、酸性基を有する正孔輸送性化合物で表面修飾したp型半導体微粒子及びバインダー樹脂とを含有する。表面保護層を構成する材料について順次説明する。
<酸性基を有する正孔輸送性化合物>
本発明に係る表面保護層は、バインダー樹脂と、下記一般式(1)で表される構造を有する正孔輸送性化合物で表面修飾したp型半導体微粒子とを含有する。
Figure 0006384111
一般式(1)中、Aは正孔輸送性基を表す。Qは酸性基を表す。Rは、置換若しくは無置換の、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基を表す。kは1以上の正の整数を表し、kが2以上の整数を表す場合、R及びQは、それぞれ同じでも異なっていてもよい。
前記一般式(1)において、Aは正孔輸送性基を表す。正孔輸送性基としては、正孔輸送性を示すものであればいずれのものでもよく、一般式(1)中のRとの結合部位を水素原子に置き換えた水素付加化合物(正孔輸送性化合物)として示せば、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン誘導体、スチリルトリフェニルアミン誘導体、ジスチリルトリアリールアミン誘導体、トリスチリルトリアリールアミン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、スチリルピラゾリン誘導体、フェニルヒドラゾン類、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体及びN−フェニルカルバゾール誘導体等が挙げられる。これらの中では、トリアリールアミン誘導体、スチリルトリアリールアミン誘導体及びジスチリルトリアリールアミン誘導体等が好ましい。
はアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基を表す。アルキレン基としては、炭素原子数1〜4個のアルキレン基を表し、好ましくはメチレン基である。アルケニレン基としては、炭素原子数2〜4個のアルケニレン基を表し、好ましくはビニレン基又はプロペニレン基である。アルキニレン基としては、炭素原子数2〜4個のアルキニレン基を表し、好ましくは、エチニレン基、プロピニレン基又はブチニレン基である。アリーレン基としては、好ましくはフェニレン基又はナフチレン基を表す。アルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基の置換基としては、炭素原子数1〜4個のアルキル基、塩素原子、臭素原子、シアノ基又は置換若しくは無置換のアミノ基を表す。アリーレン基の置換基としては、炭素原子数1〜4個のアルキル基、塩素原子、臭素原子又は置換若しくは無置換のアミノ基を表す。
また、前記一般式(1)で表される構造を有する正孔輸送性化合物は、下記一般式(2)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 0006384111
一般式(2)中、Arは、置換又は無置換のアリール基を表す。好ましいアリール基としては、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。アリール基の置換基としては、炭素原子数1〜5個のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルケニレン基、塩素原子、臭素原子又は置換若しくは無置換のアミノ基を表す。これらの置換基としては、炭素原子数1〜5個のアルキル基並びに置換及び無置換のアリール基が挙げられる。
Ar、Ar、Ar及びArは、同じでも異なっていてもよく、それぞれ置換又は無置換のアリーレン基を表す。好ましいアリーレン基としては、フェニレン基及びナフチレン基が挙げられる。アリーレン基の置換基としては炭素原子数1〜5個のアルキル基、塩素原子、臭素原子又は置換若しくは無置換のアミノ基を表す。
及びRは、同じでも異なっていてもよく、それぞれ一般式(1)におけるRと同義の基を表す。
及びQは、同じでも異なっていてもよく、酸性基を表す。酸性基としては、カルボキシ基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基又はスルホン酸基を表す。m、n、p及びqは、0又は1を表す。pが0のとき、Arは置換若しくは無置換のアリール基を表す。Arの置換基としては、炭素原子数1〜5個のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基又は置換若しくは無置換のアルケニレン基を表す。アリール基及びアルケニレン基の置換基としては、炭素原子数1〜5個のアルキル基並びに置換及び無置換のアリール基が挙げられる。
本発明においては、前記Q及びQで表される酸性基が、カルボキシ基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基又はスルホン酸基であることが、p型半導体微粒子表面のヒドロキシ基との反応性が良好であるので好ましい。
上記一般式(1)で表される構造を有する正孔輸送性化合物の具体的な化合物としては、下記化合物が例示される。
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
上記一般式(1)で表される構造を有する正孔輸送性化合物は、公知の合成方法により合成することができる。以下に合成法を例示する。
<合成法>
(合成例(1):化合物例[HTM−1]の合成方法)
Figure 0006384111
100ml四頭フラスコに窒素導入管、温度計、冷却管、滴下ロートを装着し、これにメチルトリフェニルホスホニウムブロマイド(2)30.8g(0.086mol)とtert−ブトキシカリウム11.9g(0.106mol)とテトラヒドロフラン(THF)15mlを投入し窒素気流下室温にて1時間撹拌する。
その後、4−(ジフェニルアミノ)ベンズアルデヒド(1)20g(0.066mol)をTHF40mlに溶解し、滴下ロートに投入してゆっくり滴下する。滴下終了後、室温にて2時間反応した。これに、水70mlを添加し、酢酸エチルにて抽出した後、中性になるまで水洗を行った。有機層を乾燥後濃縮し、カラムクロマトグラフにて精製を行った。淡黄色結晶の4−(ジフェニルアミノ)スチレン(3)を16g(収率;89%)得た。
Figure 0006384111
100ml四頭フラスコに窒素導入管、温度計、冷却管、滴下ロートを装着し、4−(ジフェニルアミノ)スチレン(3)5g(0.18mol)のN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)25ml溶液に、4−ブロモベンズアルデヒド(4)3.7g(0.02mol)、酢酸パラジウム0.17g(0.74mmol)、トリフェニルホスフィン0.77g(2.95mmol)、炭酸ナトリウム3.12g(0.29mol)を添加し、窒素気流下110℃で12時間反応した。
室温まで冷却後、水70mlを添加し、酢酸エチルにて抽出し、中性になるまで水洗を行った。有機層を乾燥後濃縮し、カラムクロマトグラフにて精製を行い、黄色結晶の化合物(5)5.9g(89%)を得た。
Figure 0006384111
100ml四頭フラスコに窒素導入管、温度計、冷却管、滴下ロートを装着し、化合物(5)を5g(0.013mol)、マロン酸(6)1.7g(0.016mol)、ピペラジン0.57g(0.007mol)とジメチルホルムアミド(DMF)33mlを投入し、窒素気流下125℃で6時間反応した。反応液を100℃以下まで冷却した後、10%硫酸水溶液を30分掛けて滴下した後、30撹拌した。これを酢酸エチルにて抽出し、中性になるまで水洗を行った。有機層を乾燥後濃縮し、カラムクロマトグラフにて精製を行い、[HTM−1]の黄色結晶5.5g(98%)を得た。
上記化合物は、核磁気共鳴法(H−NMR)によって、[HTM−1]であることを確認した。
H−NMR(300MHz、DMSO)δ ppm:6.27(d、2H)、7.00−7.45(m、19H)、7.89(d、2H)12.05(d、1H)
(合成例(2):化合物例[HTM−39]の合成方法)
Figure 0006384111
100ml四頭フラスコに温度計、冷却管、滴下ロートを装着し、化合物(7)を5g(0.011mol)を投入し、亜リン酸トリエチル9.0g(0.055mol)をゆっくり滴下する。温度を徐々に上げて6時間還流した。反応終了後、余分な亜リン酸トリエチルを減圧留去し、得られた目的物をカラムクロマトグラフにて精製を行い、4.7g(83%)の化合物(8)を得た。この化合物(8)を濃塩酸10mlとともに24時間還流し、3.6g(86%)の[HTM−39]を得た。
上記化合物は、核磁気共鳴法(H−NMR)によって、[HTM−39]であることを確認した。
H−NMR(300MHz、DMSO)δ ppm:2.94(d、2H)、4.80(s、2H)、7.00−7.24(m、16H)、7.71(d、2H)、7.89(d、2H)
(合成例(3):化合物例[HTM−42]の合成方法)
Figure 0006384111
50ml四頭フラスコに温度計、冷却管を装着し、化合物(7)を5g(0.011mol)、亜硫酸ナトリウム1.9g(0.015mol)と水15mlを投入し、12時間還流した。反応終了後、得られた目的物をカラムクロマトグラフにて精製を行い、3.9g(81%)の[HTM−42]を得た。
上記化合物は、核磁気共鳴法(H−NMR)によって、[HTM−42]であることを確認した。
H−NMR(300MHz、DMSO)δ ppm:4.29(s、1H)、7.00−7.24(m、16H)、7.71(d、2H)、7.89(d、2H)、8.5(s、1H)
(化合物例(4):化合物例[HTM−52]の合成方法)
Figure 0006384111
100ml四頭フラスコに窒素導入管、温度計、冷却管を装着し、4−(ジ−p−トルイルアミノ)ベンズアルデヒド(8)5g(16.6mmol)、ジエチル(4−ヨードベンジル)ホスホネート(9)7.64g(21.6mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド15mlを投入し窒素気流下十分に溶解した。
これにtert−ブトキシカリウム2.98g(26.5mmol)を少しずつ投入した。添加終了後、45℃で1時間反応した。これに、水70mlを添加し、酢酸エチルにて抽出した後、中性になるまで水洗を行った。
有機層を乾燥後濃縮し、カラムクロマトグラフにて精製を行った。淡黄色結晶(E)−4−(4−ヨードスチリル)−N,N−ジ−p−トルイルアニリン(10)を8.0g(収率;96.2%)得た。
Figure 0006384111
100ml四頭フラスコに窒素導入管、温度計、冷却管を装着し、(E)−4−(4−ヨードスチリル)−N,N−ジ−p−トルイルアニリン(10)7.0g(14mmol)、Pd(PPhClを235.1mg(0.035mmol)、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン0.3g(0.07mmol)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)10.6g(0.07mol)、ジメチルスルホキシド(DMSO)30mlを投入した。これに、プロピオール酸(11)1g(0.9mol)を少しずつ加えた。添加終了後、50℃で5時間反応した。反応終了後、酢酸エチルを投入し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で目的物を抽出し、抽出した水溶液をpH2まで酸性にして祖結晶を得た。これをカラムクロマトグラフにて精製し、濃黄色結晶(E)−3−(4−(4−(ジ−p−トルイルアミノ)スチリル)フェニル)プロピオン酸[HTM−52]3.84g(収率;62%)を得た。
上記化合物は、核磁気共鳴法(H−NMR)によって、[HTM−52]であることを確認した。
H−NMR(300MHz、DMSO)δ ppm:2.32(s、6H)、6.90(s、2H)、7.15−7.18(m、10H)、7.43−7,51(m、4H)、7.89(d、2H)、12.09(s、1H)
<p型半導体微粒子>
本発明の電子写真感光体の表面保護層に用いられるp型半導体微粒子について説明する。
本発明に係る上記p型半導体微粒子とは、電荷を輸送するキャリアとして正孔(ホール)が使われる半導体微粒子である。すなわち、正孔が多数キャリアとなる半導体である。
本発明に用いられるp型半導体微粒子としては、下記一般式(3)で表される化合物からなる粒子が好ましい。
一般式(3):CuMO
(ただし、式中Mは周期律表第13族の元素を表す。)
第13族の元素としては、具体的には、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)が挙げられる。本発明において好ましく用いられる第13族元素としては、アルミニウム、ガリウム、インジウムであり、一般式(3)で表される好ましいp型半導体微粒子としては、例えば、CuAlO、CuGaO、CuInO等の微粒子が挙げられる。これらのp型半導体微粒子を電子写真感光体の表面保護層に添加することにより、耐摩耗性に優れ、画像ボケ及び画像メモリーの発生しない高画質の電子写真感光体とすることができる。
(p型半導体微粒子の作製法)
本発明に係るp型半導体微粒子は、以下の方法により作製することができる。
Al(純度99.9%)とCuO(99.9%)を1:1のモル比で混合し、Ar雰囲気中で1100℃の温度で4日間仮焼した後、ペレット状に成型し1100℃で2日間焼結することで焼結体を得る。その後、数100μmまで粗粉砕した後、得られた粗粒子と溶媒を用いて、湿式メディア分散型装置を使用して、微粉砕することにより所望の粒径のCuAlOを得ることができる。
その他の方法としては、例えばプラズマ法により生成することができる。プラズマ法としては、直流プラズマアーク法、高周波プラズマ法、プラズマジェット法などの方法が挙げられる。
直流プラズマアーク法では、金属合金を消費アノード電極とする。そして、カソード電極からプラズマフレームを発生させる。そして、アノード側の金属合金を加熱、蒸発させ、金属合金の蒸気を酸化、冷却することにより、p型半導体微粒子を得ることができる。
高周波プラズマ法では、大気圧力のもとでガスを高周波誘導放電によって加熱したときに発生する熱プラズマを利用する。このうちプラズマ蒸発法では、不活性ガスプラズマ中心に固体粒子を注入し、プラズマ中を通過する間に蒸発させ、この高温蒸気を急冷凝縮することにより超微粒子を生成することができる。
プラズマ法は、不活性ガスのアルゴン、及び2原子分子ガスである水素や窒素、酸素雰囲気中でアーク放電すると、アルゴンプラズマ、水素プラズマなどが得られるが、特に2原子分子ガスが熱解離して生じた水素(窒素、酸素)プラズマは分子状ガスに比べて極めて反応性に富んでいるので、不活性ガスのプラズマと区別して反応性アークプラズマとも呼ばれている。
上記p型半導体微粒子の個数平均一次粒径は、1〜300nmの範囲内であることが好ましい。特に好ましくは3〜100nmの範囲内である。
(p型半導体微粒子の個数平均一次粒径の測定法)
上記p型半導体微粒子の個数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製)により10000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置「ルーゼックス AP(LUZEX(登録商標)AP)」((株)ニレコ製)ソフトウエアVer.1.32を使用して、2値化処理し、それぞれ水平方向フェレ径を算出、その平均値を個数平均一次粒径としてを算出する。ここで水平方向フェレ径とは、p型半導体微粒子の画像を2値化処理したときの外接長方形の、x軸に平行な辺の長さをいう。
<正孔輸送性化合物で表面修飾したp型半導体微粒子>
次に、正孔輸送性化合物で表面修飾したp型半導体微粒子について説明する。
本発明に係るp型半導体微粒子は、前記一般式(1)で表される構造を有する正孔輸送性化合物で表面修飾したp型半導体微粒子(以下、単に「表面修飾p型半導体微粒子」ともいう。)である。
本発明に係る表面修飾p型半導体微粒子は、好ましくは、前記一般式(3)で表される化合物からなるp型半導体微粒子を、前記一般式(1)で表される構造を有する正孔輸送性化合物で表面修飾したものである。
また、前記一般式(1)で表される構造を有する正孔輸送性化合物に加えて更に重合性反応基を有するシランカップリング剤で表面修飾してもよい。重合性反応基を有するシランカップリング剤でp型半導体微粒子の表面を修飾すると、さらに強度の高い表面保護層とすることができるので、耐摩耗性を向上させることができる。
(重合性反応基を有するカップリング剤)
本発明に係るp型半導体微粒子に用いられる重合性反応基を有するカップリング剤としては、p型半導体微粒子の表面に存在するヒドロキシ基等と反応するカップリング剤が好ましい。さらに表面保護層の硬度を更に高くする目的で、重合性反応基を有するシランカップリング剤が好ましい。重合性反応基を有するシランカップリング剤としては、ラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤が好ましい。これらのラジカル重合性反応基は、本発明に係る架橋性の重合性化合物とも反応して強固な保護膜を形成することができる。ラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤としては、ビニル基、アクリロイル基又はメタクリロイル基などのラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤が好ましく、このようなラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤としては、下記に記すような公知の化合物が例示される。
S−1:CH=CHSi(CH)(OCH
S−2:CH=CHSi(OCH
S−3:CH=CHSiCl
S−4:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
S−5:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−6:CH=CHCOO(CHSi(OC)(OCH
S−7:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−8:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−9:CH=CHCOO(CHSiCl
S−10:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−11:CH=CHCOO(CHSiCl
S−12:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−13:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−14:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−15:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−16:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−17:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−18:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−19:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−20:CH=CHSi(C)(OCH
S−21:CH=C(CH)Si(OCH
S−22:CH=C(CH)Si(OC
S−23:CH=CHSi(OCH
S−24:CH=C(CH)Si(CH)(OCH
S−25:CH=CHSi(CH)Cl
S−26:CH=CHCOOSi(OCH
S−27:CH=CHCOOSi(OC
S−28:CH=C(CH)COOSi(OCH
S−29:CH=C(CH)COOSi(OC
S−30:CH=C(CH)COO(CHSi(OC
S−31:CH=CHCOO(CHSi(CH(OCH
S−32:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCOCH
S−33:CH=CHCOO(CHSi(CH)(ONHCH
S−34:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OC
S−35:CH=CHCOO(CHSi(C1021)(OCH
S−36:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
また、シランカップリング剤としては、前記S−1からS−36以外でも、ラジカル重合可能な反応性有機基を有するシラン化合物を用いてもよい。これらのシランカップリング剤は単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
(p型半導体微粒子の表面修飾方法)
p型半導体微粒子の表面修飾においては、湿式メディア分散型装置を用いて、p型半導体微粒子100質量部に対して、酸性基を有する正孔輸送性化合物0.1〜100質量部を添加し分散処理することが好ましい。この範囲内であると表面保護層を設けることによる電気特性の低下がなく、また画像メモリー改善の効果が得られる。また、p型半導体微粒子100質量部に対して、溶媒50〜5000質量部を用いて処理することが好ましい。
また、酸性基を有する正孔輸送性化合物に加えて、重合性反応基を有するシランカップリング剤を用いる場合は、同時に添加してp型半導体微粒子を表面修飾してもよいし、2段階に分けて表面修飾してもよい。好ましくは、最初に酸性基を有する正孔輸送性化合物で表面修飾した後に、残った未反応のヒドロキシ基を重合性反応基を有するシランカップリング剤で表面修飾することが、酸性基を有する正孔輸送性化合物をp型半導体微粒子表面に十分に結合させることができるので、表面保護層の正孔輸送能を高くすることができる。
重合性反応基を有するシランカップリング剤の添加割合は、酸性基を有する正孔輸送性化合物100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましい。重合性反応基を有するシランカップリング剤の添加量が上記範囲内であるとシランカップリング剤の自己縮合によって生成する不純物の影響を無視できる程度に小さく抑えることができ、かつ表面保護層の耐摩耗性を向上させる効果を発揮させることができる。
表面修飾に用いる溶媒としては、p型半導体微粒子を良好に分散し、酸性基を有する正孔輸送性化合物を溶解する溶媒であればよく、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等が挙げられる。
本発明において用いられる表面修飾を行う装置である湿式メディア分散型装置とは、容器内にメディアとしてビーズを充填し、さらに回転軸と垂直に取り付けられた撹拌ディスクを高速回転させることにより、p型半導体微粒子の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置であり、その構成としては、p型半導体微粒子に表面修飾を行う際にp型半導体微粒子を十分に分散させ、かつ表面修飾できる形式であれば問題なく、例えば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式が採用できる。
具体的にはサンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル及びダイナミックミル等が使用できる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズ等の粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、剪断、ズリ応力等により微粉砕、分散が行われる。
上記サンドグラインダーミルで用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール又はフリント石などを原材料としたボールが使用可能であるが、特にジルコニア製やジルコン製のものが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1〜2mm程度のものを使用するが、本発明では0.1〜1.0mm程度のものを用いるのが好ましい。
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製及びセラミック製など種々の素材のものが使用できるが、本発明では特にジルコニア又はシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁が好ましい。
以下に、酸性基を有する正孔輸送性化合物で表面修飾した均一で微細なp型半導体微粒子を製造する表面修飾方法について詳しく述べる。
すなわち、p型半導体微粒子と酸性基を有する正孔輸送性化合物及び必要に応じて重合性反応基を有するシランカップリング剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式粉砕することにより、p型半導体微粒子を微細化すると同時にp型半導体微粒子の表面修飾が進行する。このスラリーを湿式粉砕する際に、40〜80℃の温度で粉砕を行ってもかまわない。
これは、温度をかけて表面修飾を行っても酸性基を有する正孔輸送性化合物同士の反応が起こらないため、p型半導体微粒子との反応を促進するために加熱することも可能となる。
この表面修飾処理の終了後、溶媒を除去し、熱処理した後、粉体化するので、酸性基を有する正孔輸送性化合物により表面修飾した均一で微細なp型半導体微粒子を得ることができる。ここでは、正孔輸送性化合物が有しているカルボキシ基などの酸性基が、p型半導体微粒子表面のヒドロキシ基とイオン結合を形成するものと考えられる。
<バインダー樹脂>
表面保護層のバインダー樹脂は、ポリカーボネートやポリアリレート等の硬度の高いポリマーを用いてもよいが、より好ましくは、架橋性の重合性化合物を用いて硬化形成された樹脂が好ましい。
<架橋性の重合性化合物>
架橋性の重合性化合物は、紫外線や電子線等の活性線照射により重合(硬化)して、ポリスチレン、ポリアクリレート等、一般に感光体のバインダー樹脂として用いられる樹脂となるモノマーが好適であり、特に、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタアクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマーが好ましい。これらの中でも、少ない光量あるいは短い時間での硬化が可能であることからアクリロイル基(CH=CHCO−)又はメタクリロイル基(CH=CCHCO−)を有するラジカル重合性化合物が特に好ましい。
本発明においては、これら架橋性の重合性化合物は単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
以下に架橋性の重合性化合物の例を示す。以下にいうAc基数又はMc基数とは、一分子中のアクリロイル基又はメタクリロイル基の数を表す。
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
ただし、上記においてRは下記で示される。
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
Figure 0006384111
ただし、上記においてR′は下記で示される。
Figure 0006384111
本発明においては、架橋性の重合性化合物は官能基(反応性基のこと)が3以上の化合物を用いることが好ましい。また、重合性化合物は、2種以上の化合物を併用してもよいが、この場合でも、重合性化合物は官能基が3以上の化合物を50質量%以上用いることが好ましい。
また、酸性基を有する正孔輸送性化合物で表面修飾したp型半導体微粒子は、バインダー樹脂又は架橋性の重合性化合物100質量部に対して、50〜200質量部添加されることが好ましく、より好ましくは、100〜150質量部である。この範囲内であると、耐摩耗性の高い強固な表面保護層の効果が得られる。また、十分な正孔輸送性能が得られるので、電子写真特性が損なわれることがない。
(その他の添加剤)
また、本発明に係る表面保護層には、さらに各種の電荷輸送物質や酸化防止剤を含有させることもできる。また、各種の滑剤粒子を加えることができる。滑剤粒子としては、例えば、フッ素原子含有樹脂粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。表面保護層中の滑剤粒子の割合は、バインダー樹脂100質量部に対して、好ましくは5〜70質量部、より好ましくは10〜60質量%である。滑剤粒子の粒径は、個数平均一次粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。特に好ましくは、0.05〜0.5μmのものである。樹脂の分子量は適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
<表面保護層の形成>
表面保護層は、架橋性の重合性化合物、酸性基を有する正孔輸送性化合物で表面修飾したp型半導体微粒子、必要に応じて、その他のバインダー樹脂、重合開始剤、滑剤粒子等を添加して調製した塗布液を、公知の方法により感光層表面に塗布し、自然乾燥又は熱乾燥を行い、硬化処理して作製することができる。表面保護層の膜厚は、0.2〜10μmが好ましく、0.5〜6μmがより好ましい。
(溶媒)
表面保護層の形成に使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、ベンジルアルコール、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、酢酸エチル、酢酸ブチル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(重合開始剤)
本発明に係る表面保護層に使用可能な架橋性の重合性化合物を重合反応させる方法としては、電子線開裂反応を利用する方法やラジカル重合開始剤の存在下で光や熱を利用する方法等により重合反応を行うことができる。ラジカル重合開始剤を用いて重合反応を行う場合、重合開始剤として光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光、熱の両方の開始剤を併用することもできる。
本発明に係る表面保護層に使用できる重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルアゾビスバレロニリル)及び2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ化合物、過酸化ベンゾイル(BPO)、ジ−tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル及び過酸化ラウロイルなどの過酸化物等の熱重合開始剤が挙げられる。
また、光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1(イルガキュア369:BASFジャパン社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン及び1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のアセトフェノン系又はケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニルエーテル、アクリル化ベンゾフェノン及び1,4−ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン及び2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(イルガキュア819:BASFジャパン社製)、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物及びイミダゾール系化合物が挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独又は上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル及び4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
本発明に係る表面保護層に用いられる重合開始剤としては光重合開始剤が好ましく、アルキルフェノン系化合物、及びホスフィンオキシド系化合物が好ましく、更に好ましくは、α−ヒドロキシアセトフェノン構造、あるいはアシルホスフィンオキシド構造を有する開始剤が好ましい。
これらの重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、架橋性の重合性化合物100質量部に対し、0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。
(表面保護層の硬化方法)
本発明では、表面保護層の重合反応は、塗布膜に活性線を照射してラジカルを発生して重合し、かつ分子間及び分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化し、硬化樹脂を生成することが好ましい。活性線としては、紫外線、可視光などの光や電子線が好ましく、使いやすさ等の見地から紫外線が特に好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノン又は紫外線LED等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常1〜20mJ/cm、好ましくは5〜15mJ/cmである。光源の出力電圧は、好ましくは、0.1〜5kWであり、更に好ましくは、0.5〜3kWである。
電子線源としては、電子線照射装置に格別の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100〜300kVであることが好ましい。吸収線量としては0.005Gy〜100kGy(0.5rad〜10Mrad)であることが好ましい。
活性線の照射時間は、活性線の必要照射量が得られる時間であり、具体的には0.1秒〜10分が好ましく、重合効率又は作業効率の観点から1秒〜5分がより好ましいとされる。
本発明では、活性線の照射前後、及び活性線を照射中に表面保護層を乾燥処理することができ、乾燥を行うタイミングは活性線の照射条件と組み合わせて適宜選択することができる。表面保護層の乾燥条件は、塗布液に使用する溶媒の種類や表面保護層の膜厚などにより適宜選択することが可能である。また、乾燥温度は、室温〜180℃が好ましく、80〜140℃が特に好ましい。また、乾燥時間は、1〜200分が好ましく、5〜100分が特に好ましい。本発明においては、上記乾燥条件で表面保護層を乾燥することにより、表面保護層に含有される溶媒量を20ppmから75ppmの範囲に制御することができる。
以上のようにして感光層上に表面保護層を設けることにより、感光体表面の硬度を上げ、耐摩耗性を向上させ耐久性を向上させることができる。
次に本発明の感光体を構成する表面保護層以外の構成材料について説明する。
《導電性支持体》
本発明で用いる支持体は導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラム又はシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又はバインダー樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
《中間層》
本発明においては、導電性支持体と感光層の中間にバリアー機能と接着機能をもつ中間層を設けることもできる。
中間層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチンなどのバインダー樹脂を公知の溶媒に溶解し、浸漬塗布などによって形成できる。中でもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
また、中間層の抵抗調整の目的で各種金属酸化物微粒子等の無機微粒子を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物微粒子、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。
これら無機微粒子を1種類若しくは2種類以上混合して用いてもよい。2種類以上混合した場合には、固溶体又は融着の形をとってもよい。このような無機微粒子の平均粒径は好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。
中間層に使用する溶媒としては、金属酸化物微粒子等の無機微粒子を良好に分散し、ポリアミド樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が、ポリアミド樹脂の溶解性と塗布性能に優れ好ましい。また、保存性、微粒子の分散性を向上するために、前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
バインダー樹脂溶液の濃度は、中間層の膜厚や生産速度に合わせて適宜選択される。
無機微粒子などを分散したときのバインダー樹脂に対する無機微粒子の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して無機微粒子20〜400質量部が好ましく、さらに好ましくは50〜200質量部である。
無機微粒子の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキサー等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
塗布後の中間層の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
中間層の膜厚は、0.1〜15μmが好ましく、0.3〜10μmがより好ましい。
《電荷発生層》
本発明に用いられる電荷発生層は、電荷発生物質とバインダー樹脂を含有し、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散、塗布して形成したものが好ましい。
電荷発生物質としては、公知の電荷発生物質を使用することができ、スーダンレッド及びダイアンブルーなどのアゾ原料、ピレンキノン及びアントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ並びにチオインジゴなどのインジゴ顔料及びフタロシアニン顔料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの電荷発生物質は単独、若しくは公知の樹脂中に分散する形態で使用することができる。
電荷発生層のバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の内二つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)及びポリ−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生層の形成は、バインダー樹脂を溶媒で溶解した溶液中に分散機を用いて電荷発生物質を分散して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ましい。
電荷発生層に使用するバインダー樹脂を溶解し塗布するための溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生物質の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキサー等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
バインダー樹脂に対する電荷発生物質の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質1〜600質量部が好ましく、さらに好ましくは50〜500質量部である。電荷発生層の膜厚は、電荷発生物質の特性、バインダー樹脂の特性及び混合割合等により異なるが好ましくは0.01〜5μm、より好ましくは0.05〜3μmである。なお、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。前記顔料を真空蒸着することによって形成することもできる。
《電荷輸送層》
本発明の感光体に用いられる電荷輸送層は、電荷輸送物質(CTM)とバインダー樹脂を含有し、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解、塗布して形成される。
電荷輸送物質としては、公知の電荷輸送物質を使用することができ、例えば、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン及びトリフェニルアミン誘導体等を挙げることができる。これらは2種以上混合して使用してもよい。
電荷輸送層用のバインダー樹脂は、公知の樹脂を用いることができ、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂及びスチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が挙げられるが、ポリカーボネートが好ましい。更にはBPA、BPZ、ジメチルBPA、BPA−ジメチルBPA共重合体等が耐クラック、耐摩耗性、帯電特性の点で好ましい。
電荷輸送層の形成は、バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ましい。
上記バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解するための溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
バインダー樹脂に対する電荷輸送物質の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質10〜500質量部が好ましく、更に好ましくは20〜100質量部である。
電荷輸送層の膜厚は、電荷輸送物質の特性、バインダー樹脂の特性及び混合割合等により異なるが好ましくは5〜40μmで、更に好ましくは10〜30μmである。
電荷輸送層中には酸化防止剤、電子導電剤、安定剤等を添加してもよい。酸化防止剤については特願平11−200135号公報、電子導電剤は特開昭50−137543号公報、同58−76483号公報等に記載のものがよい。
《感光体の塗布方法》
本発明の感光体を構成する中間層、電荷発生層、電荷輸送層及び表面保護層等の各層は公知の塗布方法により形成することができる。具体的には、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法及び円形量規制型塗布法(円形スライドホッパー塗布方法)等が挙げられる。なお、円形量規制型塗布方法については、例えば、特開昭58−189061号公報及び特開2005−275373号公報に記載されている。
≪感光体表面硬度の評価≫
電子写真感光体の表面保護層の強度(硬さ)はユニバーサル硬さ(HU)で評価することができる。
<ユニバーサル硬さ(HU)(押込み試験)>
本発明の感光体の表面保護層の硬度は、ユニバーサル硬さ(HU)で評価することができる。ユニバーサル硬さ(HU)は、200N/mm以上、350N/mm以下であることが、耐摩耗性向上の観点から好ましい。
ユニバーサル硬さ(HU)をこの範囲にすることにより、キャリア粒子による傷が付くことなく、また、クリーニングブレードの擦過による感光体表面の摩耗が抑制されると同時に、効果的に感光体の表面に吸着したNOxやオゾンなどの活性物質を除去する効果の持続性が高くなる。
有機感光体のユニバーサル硬さ(HU)は、次の式(1)によって規定される。
Figure 0006384111
前記式(1)において、Fは試験荷重(N)、A(h)は圧子が被測定物と接触している表面積(mm)、hは試験荷重作用時の押込み深さ(mm)である。A(h)は、圧子の形状と押込み深さから計算され、圧子がビッカース圧子の場合、角錐形の貫入体の向かい合う面の角度a(136°)より26.43×hと計算される。
(ユニバーサル硬さの測定)
このユニバーサル硬さの測定は、市販の硬度測定装置を用いて行うことができ、例えば、超微小硬度計「H−100V」(フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて測定することができる。
(測定条件)
測定機:超微小硬度計「H−100V」(フィッシャー・インストルメンツ社製)
圧子形状:ビッカース圧子(a=136°)
測定環境:20℃・60%RH
最大試験荷重:2mN
荷重速度:2mN/10sec
最大荷重クリープ時間:5sec
除荷速度:2mN/10sec
なお、測定は各試料とも感光体の軸方向に均等間隔で5点、周方向に均等角度で3点の合計15点測定し、その平均値を本発明で定義するユニバーサル硬さ(HU)とする。
<弾性変形率>
本発明の感光体は、当該感光体の表面保護層の弾性変形率が、40〜70%の範囲内であることが好ましい。より好ましくは55〜65%の範囲内とされる。表面保護層の弾性変形率が上記範囲内であることにより、表面保護層に優れた耐傷性が得られ、画像ノイズなどの画像不良の発生を抑制することができる。
表面保護層の弾性変形率が過小である場合においては、表面保護層に優れた耐傷性が得られず、画像ノイズなどの画像不良の発生を十分に抑制することができないおそれがある。一方、表面保護層の弾性変形率が過大である場合においては、表面保護層を構成する樹脂を容易に削り取ることができなくなり、紙粉ボケなどの画像不良の発生を十分に抑制することができないおそれがあるとともに、感光体の表面に残留した未転写トナーを除去するクリーニング手段を有する場合においては、クリーニング手段との滑り性が悪化し、クリーニング不良を誘発し、また、クリーニング手段としてブレードを用いる場合には、ブレードめくれを誘発するおそれがある。
表面保護層の弾性変形率は、下記式(3)により算出される値である。
式(3):
弾性変形率(%)=(We/Wtot)×100
上記式(3)中、「We」は弾性エネルギーを示し、「Wtot」は弾性エネルギーと塑性エネルギーの和を示す。なお、「We」及び「Wtot」は、上記ユニバーサル硬さの測定条件に従って微小硬度計「H−100V」(フィッシャー・インストルメンツ社製)により測定されるものである。
なお、測定は各試料とも感光体の軸方向に均等間隔で5点、周方向に均等角度で3点の合計15点測定し、その平均値を弾性変形率とする。
≪電子写真画像形成装置≫
次に、本発明の有機感光体を用いた電子写真画像形成装置について説明する。図2は、本発明の実施形態の一例を示すフルカラーの電子写真画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニットともいう。)10Y、10M、10C、及び10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7aと、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成ユニット10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラー5Y及びクリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラー5M及びクリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラー5C及びクリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成ユニット10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラー5Bk及びクリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Bkは、感光体1Y、1M、1C又は1Bkを中心に、帯電手段2Y、2M、2C又は2Bkと、露光手段3Y、3M、3C又は3Bkと、現像手段4Y、4M、4C又は4Bk、及び感光体1Y、1M、1C又は1Bkをクリーニングするクリーニング手段6Y、6M、6C又は6Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Bkは、感光体1Y、1M、1C又は1Bkに、それぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、帯電器2Yともいう。)、露光手段3Y、現像手段4Y及びクリーニング手段6Yを配置し、感光体1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y及びクリーニング手段6Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名:セルフォック(登録商標)レンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザー光学系などが用いられる。
無端ベルト状中間転写体ユニット7aは、複数のローラーにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラー5Y、5M、5C及び5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラー22A、22B、22C、22D及びレジストローラー23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラー5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラー25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体という。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラー5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラー5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラー5Y、5M及び5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、又は1Cに当接する。
二次転写ローラー5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L及び82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7aとから成る。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、及び10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C及び1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7aが配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7aは、ローラー71、72、76、73及び74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラー5Y、5M、5C、5Bk及びクリーニング手段6bとから成る。
≪プロセスカートリッジ≫
本発明の電子写真画像形成装置としては、本発明の感光体と、帯電手段(帯電器)、露光手段(露光器)又は現像手段(現像器)の少なくとも一つとを一体として有したプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として構成し、この画像形成ユニットを電子写真画像形成装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。また、帯電手段、露光手段、現像手段の他、転写手段(転写器)、分離手段(分離器)又はクリーニング手段(クリーニング器)の少なくとも一つを感光体とともに一体として有したプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
本発明の電子写真画像形成装置は電子写真複写機、レーザープリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真画像形成装置一般に適応するが、さらに、電子写真技術を応用したディスプレイ、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
≪感光体の作製≫
<表面修飾p型半導体微粒子〔1〕の作製>
p型半導体微粒子として個数平均一次粒径20nmの「CuAlO」100質量部、酸性基を有する正孔輸送性化合物[HTM−2]10質量部、メチルエチルケトン1000質量部を湿式サンドミル(粒径0.5mmのアルミナビーズ)に入れ、30℃にて回転速度1000rpmで1時間撹拌混合し、その後、メチルエチルケトンとアルミナビーズを濾別し、遠心分離機にてメチルエチルケトンとCuAlO微粒子を分離し、80℃にて乾燥し、p型半導体微粒子「CuAlO」を酸性基を有する正孔輸送性化合物[HTM−2]で表面修飾した表面修飾p型半導体微粒子〔1〕を作製した。
<表面修飾p型半導体微粒子〔3〕の作製>
p型半導体微粒子として個数平均一次粒径20nmの「CuAlO」100質量部、酸性基を有する正孔輸送性化合物[HTM−24]10質量部、メチルエチルケトン1000質量部を湿式サンドミル(粒径0.5mmのアルミナビーズ)に入れ、30℃にて回転速度1000rpmで1時間撹拌混合し、その後、メチルエチルケトンとアルミナビーズを濾別し、遠心分離機にてメチルエチルケトンと正孔輸送性化合物[HTM−24]で処理したCuAlO微粒子を分離し、80℃にて乾燥した。次に、シランカップリング剤として「3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン「KBM−503:信越シリコーン(株)製」(例示化合物:S−15)5質量部、メチルエチルケトン1000質量部を湿式サンドミル(径0.5mmのアルミナビーズ)に入れ、30℃にて6時間混合、その後、メチルエチルケトンとアルミナビーズを濾別し、60℃にて乾燥し、p型半導体微粒子「CuAlO」を酸性基を有する正孔輸送性化合物[HTM−24]と重合性反応基を有するシランカップリング剤(S−15)で表面修飾した表面修飾p型半導体微粒子〔3〕を作製した。
<表面修飾p型半導体微粒子〔2〕、〔4〕〜〔13〕の作製>
表面修飾p型半導体微粒子〔1〕の作製において、p型半導体微粒子、酸性基を有する正孔輸送性化合物及び重合性反応基を有するシランカップリング剤の種類と添加量を表1のようにして、表面修飾p型半導体微粒子〔2〕、〔4〕〜〔13〕を作製した。
Figure 0006384111
<感光体1の作製>
下記のようにして感光体1を作製した。
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工した導電性支持体を用意した。
〈中間層〉
下記組成の中間層塗布液を調製した。
バインダー樹脂:ポリアミド樹脂「X1010」(ダイセル・エボニック(株)製)
1.0質量部
金属酸化物微粒子:二酸化チタン「SMT500SAS」(テイカ社製)
1.1質量部
溶媒:エタノール 20質量部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
上記塗布液を用いて前記支持体上に、110℃で20分乾燥後の膜厚2μmとなるようにして浸漬塗布法で塗布した。
〈電荷発生層〉
電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料
) 20質量部
バインダー樹脂:ポリビニルブチラール樹脂「#6000−C」(電気化学工業社製)
10質量部
溶媒:酢酸t−ブチル 700質量部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300質量部
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷輸送層〉
電荷輸送物質:下記「CTM−A」 150質量部
バインダー:ポリカーボネート「Z300」(三菱ガス化学社製)
300質量部
酸化防止剤:「Irganox(登録商標)1010」(BASFジャパン社製)
6質量部
溶媒:トルエン/テトラヒドロフラン=1/9体積% 2000質量部
添加剤:シリコンオイル「KF−54」(信越化学社製) 1質量部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法を用いて、110℃で60分乾燥後膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 0006384111
〈表面保護層〉
酸性基を有する正孔輸送性化合物で表面修飾したp型半導体微粒子:表面修飾p型半導体微粒子〔1〕 100質量部
重合性化合物:例示化合物「Mc−1」 100質量部
溶媒:イソプロピルアルコール 500質量部
上記成分をサンドミルを用いて10時間分散した後、重合開始剤〔1〕、(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド:「イルガキュア819」(BASFジャパン社製))8.0質量部を加え、遮光下で混合撹拌して溶解し表面保護層塗布液を調製した(保存中は遮光)。該塗布液を先に電荷輸送層まで作製した感光体上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、表面保護層を塗布した。塗布後、室温で20分乾燥後(溶媒乾燥工程)、メタルハライドランプ(500W)を用いて100mmの位置で感光体を回転させながら1分間照射して(紫外線硬化工程)、膜厚3μmの表面保護層を得た。
表面保護層の作製に用いた重合開始剤を以下に示した。
重合開始剤〔1〕:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド
重合開始剤〔2〕:1−(4−モルホリノフェニル)−2−(ジメチルアミノ)−2−(4−メチルベンジル)−1−ブタノン
重合開始剤〔3〕:2−エチルペルオキシヘキサン酸tert−ブチル
重合開始剤〔4〕:N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ノルボルナ−5−エン−2,3−ジカルボキシミド
重合開始剤〔5〕:1−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−3,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オン
Figure 0006384111
<感光体2〜13の作製>
感光体1の表面保護層に使用する材料、重合条件を表2のように変更した以外は、同様にして感光体2〜13を作製した。
<感光体14の作製>
感光体1の作製において、表面保護層に含有される表面修飾p型半導体微粒子〔1〕の添加量を180質量部とし、バインダー樹脂として、架橋性の重合性化合物の代わりにポリカーボネート「Z300」(三菱ガス化学社製)100質量部を用い、重合開始剤を添加しなかったほかは同様にして感光体14を作製した。
<感光体15の作製(比較例の感光体)>
感光体1の作製において、表面保護層の表面修飾p型半導体微粒子〔1〕を、表面修飾していないCuAlOに換え、重合開始剤の種類と添加量を表2のように変更したほかは同様にして感光体15を作製した。
<感光体16の作製(比較例の感光体)>
感光体1の作製において、表面保護層の表面修飾p型半導体微粒子〔1〕を、表面修飾していないCuAlOに換え、電荷輸送物質(正孔輸送性化合物ともいう。)として下記構造を有するCTM−Bを10質量部を用い、重合開始剤を表2のように変更したほかは同様にして感光体16を作製した。
Figure 0006384111
<感光体17の作製(比較例の感光体)>
感光体1の作製において、表面保護層に表面修飾p型半導体微粒子〔1〕を添加しなかったほかは表2のようにして感光体17を作製した。
Figure 0006384111
≪感光体の評価≫
以上のようにして得た感光体を、図2に示す画像形成装置の構成と同様の評価機であるデジタルフルカラー複合機「bizhub PRO C6501」(コニカミノルタ(株)製)に搭載した。光源としては、780nmの半導体レーザーの露光光を使用した。高温高湿環境下(30℃・85%RH)で、Y、M、C、Bk各色印字率2.5%のフルカラーA4画像をA4サイズの中性紙に70万枚の画像出し耐刷試験を行い、その後、画像メモリー、画像ボケ、減耗量及び表面耐傷性について評価した。
<1.画像メモリー>
高温高湿環境下(30℃・85%RH)で70万枚の画像出し耐刷試験後に、通紙方向に対して左半分がベタ黒画像部、右半分がベタ白画像部の画像をA4サイズの上質紙上に、横送りで10枚連続してプリントし、続いて、均一なハーフトーン画像をプリントし、このプリントされたハーフトーン画像中にベタ黒画像部とベタ白画像部の履歴が現れているか否かを、当該ハーフトーン画像中のベタ黒画像部に対応する領域の反射濃度と、当該ハーフトーン画像中のベタ白画像部に対応する領域の反射濃度との差(ΔID)を算出し、下記の評価基準に従って評価した。
反射濃度は、マクベス反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて測定した。
(評価基準)
◎:ΔIDが、0.05以下(良好)
○:ΔIDが、0.05より大きく0.10以下(実用上問題なし)
×:ΔIDが、0.10より大きい(実用上問題あり)
<2.画像ボケ>
高温高湿環境下(30℃・85%RH)で70万枚の画像出し耐刷試験後に、直ぐに実機の主電源を停止した。停止12時間後に電源を入れ画像出し可能状態になった後、直ちにA3中性紙全面にハーフトーン画像(マクベス濃度計で相対反射濃度0.4)とA3全面の6dot格子画像を印字した。
印字画像の状態を観察し以下の評価を行った。
(評価基準)
◎:ハーフトーン、格子画像とも画像ボケ発生なし(良好)
○:ハーフトーン画像のみに感光体長軸方向の薄い帯状濃度低下が認められる(実用上問題なし)
×:画像ボケによる格子画像の欠損若しくは線幅の細りが発生(実用上問題あり)
<3.感光体の減耗量>
高温高湿環境下(30℃・85%RH)で70万枚の画像出し耐刷試験の前後の膜厚差で評価した。感光体の膜厚は均一膜厚部分(感光体の両端は膜厚が不均一になりやすいので、少なくとも両端3cmは除く)をランダムに10か所測定し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦電流方式の膜厚測定器「EDDY560C」(HELMUT FISCHER GmbH社製)を用いて行い、耐刷試験前後の感光体膜厚の差を膜厚減耗量とする。
(評価基準)
◎:減耗量が、0.7μm以下(極めて良好)
○:減耗量が、0.7μmより大きく、1.6μm以下(良好)
△:減耗量が、1.6μmより大きく、2.0μm以下(実用上問題なし)
×:減耗量が、2.0μmより大きい(実用上問題あり)
<4.表面耐傷性の評価>
高温高湿環境下(30℃・85%RH)で70万枚の画像出し耐刷試験の前後に評価した。以下のように、感光体の表面状態を観察し傷の状態を評価した。評価した感光体はシアン位置に設置された感光体である。
(評価基準)
◎:70万枚印字後に表面傷なし(極めて良好)
○:70万枚印字後に表面傷1〜3か所発生(良好)
△:70万枚印字後に表面傷4〜5か所発生(実用上問題なし)
×:70万枚印字後に表面傷6か所以上発生(実用上問題あり)
≪感光体表面硬度の評価≫
<5.ユニバーサル硬さ>
前記のようにして作製された感光体の表面保護層の硬さを微小硬度計「H−100V」(フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて、前述の方法で以下の条件で測定した。
(測定条件)
測定機:超微小硬度計「H−100V」(フィッシャー・インストルメンツ社製)
圧子形状:ビッカース圧子(a=136°)
測定環境:20℃・60%RH
最大試験荷重:2mN
荷重速度:2mN/10sec
最大荷重クリープ時間:5sec
除荷速度:2mN/10sec
なお、測定は各試料とも感光体の軸方向に均等間隔で5点、周方向に均等角度で3点の合計15点測定し、その平均値を本発明で定義するユニバーサル硬さ(HU)とした。
<6.弾性変形率>
同様に弾性変形率について、微小硬度計「H−100V」(フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて、前述の方法で上記ユニバーサル硬さ測定条件で測定した。
なお、測定は各試料とも感光体の軸方向に均等間隔で5点、周方向に均等角度で3点の合計15点測定し、その平均値を弾性変形率とした。
評価結果を下記表3にまとめた。
Figure 0006384111
以上の結果から明らかなように本発明の感光体1〜14は、いずれの評価項目においても優れたものであるのに対して、比較例の感光体15〜17は、いずれかの評価項目において劣るものであった。感光体15は、減耗、耐傷性には優れているが表面修飾されていないため、画像メモリー、画像ボケが×であった。また、感光体16は、CTMを添加しているため画像メモリー、画像ボケは問題ないが、可塑剤となる非結合性のCTM−Bが添加されているため、表面硬度が劣っていた。感光体17は、表面保護層にp型半導体微粒子を含まないため、画像メモリー、感光体の減耗量及び表面耐傷性において劣るものであった。
1 導電性支持体
2 感光層
3 中間層
4 電荷発生層
5 電荷輸送層
6 表面保護層
7 表面修飾p型半導体微粒子
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
6Y、6M、6C、6Bk クリーニング手段
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成部(画像形成ユニット)

Claims (10)

  1. 導電性支持体上に感光層及び表面保護層を順次積層した電子写真感光体であって、当該表面保護層が、バインダー樹脂と、下記一般式(1)で表される構造を有する正孔輸送性化合物で表面修飾したp型半導体微粒子とを含有していることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0006384111
    (一般式(1)中、Aは正孔輸送性基を表す。Qは酸性基を表す。Rは置換若しくは無置換の、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基を表す。kは、1以上の正の整数を表す。kが2以上の整数を表す場合、R及びQは、それぞれ同じでも異なっていてもよい。)
  2. 前記一般式(1)で表される構造を有する正孔輸送性化合物が、下記一般式(2)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006384111
    (一般式(2)中、Arは、置換又は無置換のアリール基を表す。Ar、Ar、Ar及びArは、同じでも異なっていてもよく、それぞれ置換又は無置換のアリーレン基を表す。R及びRは、同じでも異なっていてもよく、それぞれ置換若しくは無置換の、アルキレン基、アルケニレン、アルキニレン基又はアリーレン基を表す。Q及びQは、同じでも異なっていてもよく、それぞれ酸性基を表す。m、n、p及びqは、0又は1を表す。pが0のとき、Arは置換又は無置換のアリール基を表す。)
  3. 前記一般式(2)におけるQ及びQで表される酸性基が、カルボキシ基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基又はスルホン酸基であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記p型半導体微粒子が、下記一般式(3)で表される化合物からなる粒子であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
    一般式(3):CuMO
    (ただし、式中Mは周期律表第13族の元素を表す。)
  5. 前記p型半導体微粒子が、前記一般式(1)で表される正孔輸送性化合物及び重合性反応基を有するカップリング剤で表面修飾したものであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記重合性反応基を有するカップリング剤が、重合性反応基を有するシランカップリング剤であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
  7. 前記バインダー樹脂が、架橋性の重合性化合物を重合して得られた樹脂を含有することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記表面保護層が、前記一般式(1)で表される構造を有する正孔輸送性化合物及び重合性反応基を有するシランカップリング剤とで表面修飾されたp型半導体微粒子並びに前記バインダー樹脂の形成に用いられる架橋性の重合性化合物とを重合して得られた重合生成物を含有することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  9. 前記架橋性の重合性化合物が、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する重合性化合物であることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の電子写真感光体。
  10. 電子写真感光体を帯電する帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を少なくとも有する電子写真画像形成装置であって、当該電子写真感光体が、請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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