JP2020042129A - 電子写真感光体 - Google Patents

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【課題】電位安定性を維持しつつ、画像メモリーおよびゴーストを抑制できる電子写真感光体を提供する。【解決手段】本発明の電子写真感光体は、90質量%以上のアルミニウムを含む導電性支持体と、下引き層と、感光層とを有する。20〜26℃の条件で、下引き層をアルミニウム電極で挟んで測定したV−I特性に基づく電界強度Eおよび電流密度Jは、J∝Enを満たし、両対数グラフで以下の式(1)を表したとき、n=1の部分の近似直線およびn=2の部分の近似直線の交点における電界強度Eは、5×103〜1×105V/cmである。【選択図】図4

Description

本発明は、電子写真感光体に関する。
一般に、画像形成装置、プリンター、ファクシミリなどで得られる電子写真画像は、カラー画像であり、それに伴いカラー画像の高画質化の要請も高くなっている。カラー画像では、色を重ね合わせることにより画像を形成するため、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの個々の色再現性が要求される。電子写真方式の画像形成装置においては、例えば、電子写真感光体上に形成された潜像をトナーにより現像し、得られたトナー像を無端ベルト状の中間転写体に一時的に保持させ、この中間転写体上のトナー像を紙などの記録媒体上に転写する。そして、トナー像が転写された記録媒体は定着装置に導入され、トナー像が加熱および加圧されて記録媒体に定着される(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された電子写真感光体を使用した電子写真方式の画像形成では、電子写真感光体が1回転する毎に一連の画像形成プロセスが行われる。一連の画像形成プロセスは、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程および除電工程を含む。このように、特許文献1に記載された画像形成では、1つの画像に対して複数回の画像形成プロセス行う。
特開2010−091910号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、画像形成時における感光体の露光部および非露光部の電荷の差によって、画像形成の履歴が次の回転の画像形成プロセスに移行してしまう場合がある。この場合、画像形成において、前履歴を伴った画像メモリー、ゴーストが発生することがある。
本発明は、電位安定性を維持しつつ、画像メモリーおよびゴーストを抑制できる電子写真感光体を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するための一態様として、電子写真感光体は、90質量%以上のアルミニウムを含む導電性支持体と、前記導電性支持体の上に配置された下引き層と、前記下引き層の上に配置された感光層とを有し、20〜26℃の条件で、前記下引き層をアルミニウム電極で挟んで測定したV−I特性に基づく電界強度Eおよび電流密度Jは、以下の式(1)を満たし、両対数グラフで以下の式(1)を表したとき、n=1の部分の近似直線およびn=2の部分の近似直線の交点における電界強度Eは、5×10〜1×10V/cmである。
J∝E (1)
本発明によれば、電位安定性を維持しつつ、画像メモリーおよびゴーストを抑制できる電子写真感光体を提供できる。
図1は、V−I特性を測定するための測定装置の模式図である。 図2は、電界強度Eおよび電流密度Jの関係を示すグラフである。 図3は、図2における電界強度Eが正の領域の一部を拡大したグラフである。 図4は、n=1の部分の近似直線と、n=2の部分の近似直線との交点Pにおける電界強度Eを示すグラフである。 図5は、実施例における電界強度Eおよび電流密度Jの関係を示すグラフである。 図6は、図5における電界強度Eが正の領域の一部を拡大したグラフである。 図7は、実施例におけるn=1の部分の近似直線と、n=2の部分の近似直線との交点Pにおける電界強度Eを示すグラフである。 図8は、比較例における電界強度Eおよび電流密度Jの関係を示すグラフである。 図9は、図8における電界強度Eが正の領域の一部を拡大したグラフである。 図10は、比較例におけるn=1の部分の近似直線と、n=2の部分の近似直線との交点Pにおける電界強度Eを示すグラフである。 図11A〜Cは、画像メモリーの評価を説明するための図である。
[感光体の構成]
本実施の形態に係る電子写真感光体(感光体)は、導電性支持体と、導電性支持体の上に配置された下引き層(中間層)と、下引き層の上に配置された感光層とを有する。なお、感光層の上に保護層が配置されていてもよい。
(導電性支持体)
導電性支持体は、下引き層と、感光層と(、保護層と)を支持する。導電性支持体は、90質量%以上のアルミニウムを含む。アルミニウムの含有量は、95質量%以上が好ましく、98質量%以上がより好ましい。導電性支持体の例には、アルミニウム製のドラムまたはシートと、ラミネートされたアルミニウム箔を有するプラスチックフィルムと、蒸着されたアルミニウムの層を有するプラスチックフィルムと、アルミニウムまたはアルミニウムおよびバインダー樹脂からなる塗料を塗布してなるアルミニウム層を有する金属部材と、が含まれる。
(下引き層)
下引き層は、導電性支持体と感光層との間に配置されている。下引き層は、導電性支持体への電子輸送能、導電性支持体からの正孔注入抑制能、バリア機能および接着機能を有する層である。20〜26℃の条件で、下引き層をアルミニウム電極で挟んで測定したV−I特性に基づく電界強度Eおよび電流密度Jは、以下の式(1)満たす。また、両対数グラフで以下の式(1)を表したとき、n=1の部分の近似直線およびn=2の部分の近似直線の交点の電界強度Eは、5×10〜1×10V/cmであり、好ましくは1×10〜8×10V/cmである。
J∝E (1)
当該交点における電界強度Eが5×10V/cmより小さい場合、帯電工程や転写工程において下引き層での注入電荷の作用が重なり、次のサイクルの帯電性への影響がありポジメモリーが発生しやすくなる。一方、当該交点における電界強度Eが1×10V/cmより大きい場合、光導電性への影響があり、電荷蓄積を伴ってネガメモリーが発生しやすくなる。
当該交点における電界強度Eの調整方法は、特に限定されない。当該交点における電界強度Eは、導電性を高くすることにより、小さくなる傾向があり、逆に導電性を低くすることにより、大きくなる傾向がある。
下引き層は、例えば、下引き層用のバインダー樹脂と、下引き層用の導電性物質と、を含む。
下引き層用のバインダー樹脂の例には、ポリアミド樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂およびゼラチンが含まれる。下引き層用のバインダー樹脂は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
導電性物質は、下引き層に導電性を付与する物質である。導電性物質の例には、下引き層用の金属酸化物の粒子、電子受容性物質が含まれる。下引き層用の金属酸化物の粒子を構成する金属酸化物の例には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズおよび酸化アルミニウムが含まれる。下引き層の導電性を高めるとともに、下引き層への分散性を高める観点からは、金属酸化物は、酸化チタンまたは酸化亜鉛が好ましい。酸化チタンの結晶型は、アナタース型でもよいし、ルチル型でもよいし、アモルファス型でもよい。酸化チタンの結晶型は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。電子受容性物質の例には、キノン系化合物、フルオレノン系化合物、ピリリウム系化合物が含まれる。
下引き層用の金属酸化物は、下引き層における分散性の観点から、表面処理剤により表面処理されていてもよい。表面処理剤の例には、アルミナや、シリカ、ジルコニア、これらの水和物などの無機系表面処理剤;および有機ケイ素化合物や有機チタン化合物などの有機系表面処理剤が含まれる。表面処理剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。下引き層用の金属酸化物の表面が有機系表面処理剤により表面処理されている場合には、下引き層中の金属酸化物の表面には、有機系表面処理剤の反応後の成分が、担持されている。表面処理剤としては、シランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤の例には、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランが含まれる。下引き層用の金属酸化物の表面処理は、公知の方法により行われうる。
下引き層用の金属酸化物の数平均一次粒径は、例えば、0.005〜0.3μmが好ましく、0.01〜0.1μmがより好ましい。下引き層用の金属酸化物の粒径は、例えば、例えば、以下のようにして決定されうる。走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社)により撮影された10000倍の拡大写真をスキャナーに取り込み、得られた写真画像から、凝集粒子を除く300個の粒子像を、ランダムに自動画像処理解析システム「ルーゼックス AP」(株式会社ニレコ製、「LUZEX」は同社の登録商標、ソフトウエアVer.1.32)を使用して2値化処理して当該粒子像のそれぞれの水平方向フェレ径を算出し、その平均値を算出して数平均一次粒径とする。ここで、水平方向フェレ径とは、粒子像を2値化処理したときの外接長方形の、x軸に平行な辺の長さをいう。
下引き層用の金属酸化物の含有量は、例えば、下引き層中のバインダー樹脂100体積部に対して50〜200体積部が好ましく、80〜120体積部がより好ましい。
下引き層の厚さは、0.5〜30μmが好ましく、5〜25μmがより好ましい。下引き層の厚さが0.5μm以上であることは、導電性支持体の表面を十分に被覆し、導電性支持体からの正孔の注入を適切に抑制する観点から好ましい。結果として、黒ポチやカブリなどの画像欠陥の発生がより抑制されうる。一方、下引き層の厚さが30μm以下であることは、下引き層の電気抵抗を適切にし、十分な電子輸送能を得る観点から好ましい。結果として、濃度ムラの発生がより抑制されうる。
感光層は、露光工程により、所期の画像に対応する静電潜像を感光体の表面に形成するための層である。感光層は、一層構造でもよいし、二層構造でもよい。本実施の形態では、感光層は、下引き層の上に配置された電荷発生層と、電荷発生層の上に配置された電荷輸送層とを有する二層構造である。
電荷発生層は、電荷発生層用のバインダー樹脂および電荷発生物質を有する。
電荷発生層用のバインダー樹脂としては、電荷発生層用のバインダー樹脂として用いられている公知の樹脂を使用できる。電荷発生層用のバインダー樹脂の例には、ホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂およびフェノキシ樹脂が含まれる。電荷発生層用のバインダー樹脂は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
電荷発生物質の例には、チタニルフタロシアニンまたはガリウムフタロシアニンが含まれる。電荷発生物質の含有量は、電荷発生層用のバインダー樹脂100質量部に対して20〜600質量部が好ましく、50〜500質量部がより好ましい。電荷発生物質の含有量が前述の範囲内であることは、電荷発生物質の分散性を高め、電荷発生層の電気抵抗を低減する観点から好ましい。結果として、感光体の使用に伴う残留電荷の増加がより抑制されうる。
電荷発生層の厚さは、例えば、0.01〜2μmであり、0.15〜1.5μmが好ましい。電荷発生層の厚さは、電荷発生層用のバインダー樹脂の種類、ならびに電荷発生物質の種類および含有量に応じて適宜調整されうる。
電荷輸送層は、電荷輸送層用のバインダー樹脂および電荷輸送物質を有する。
電荷輸送層用のバインダー樹脂としては、電荷輸送層用のバインダー樹脂として用いられている公知の樹脂を使用できる。電荷輸送層用のバインダー樹脂の例には、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、これらの樹脂の繰り返し単位のうち2以上を有する共重合樹脂などの絶縁性樹脂;およびポリ−N−ビニルカルバゾールなどの有機半導体が含まれる。電荷輸送層用のバインダー樹脂は、電荷発生物質の分散性を高め、かつ感光体の特性を高める観点からは、ポリカーボネート樹脂が好ましい。電荷輸送層用のバインダー樹脂は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
電荷輸送物質の例には、トリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物およびブタジエン化合物が含まれる。電荷輸送物質は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層用のバインダー樹脂100質量部に対して10〜200質量部が好ましい。
電荷輸送層の厚さは、例えば、10〜40μmである。電荷輸送層の厚さは、感光体の内部電場を強め、感光体の使用に伴う残留電荷の増加を抑制する観点から、10〜30μmが好ましい。電荷輸送層の厚さは、電荷輸送層用のバインダー樹脂の種類、ならびに電荷輸送物質の種類および含有量に応じて適宜調整されうる。
電荷輸送層は、必要に応じて他の成分を含有してもよい。当該他の成分の例には、酸化防止剤、電子導電剤、安定剤、シリコーンオイルが含まれる。
なお、感光層は、単層で構成されていてもよい。この場合、感光層は、例えば、感光層用のバインダー樹脂、電荷輸送物質および電荷発生物質を含む単層物により構成されうる。感光層の厚さは、例えば、10〜50μmであり、20〜40μmが好ましい。
感光層が、単層で構成されている場合、感光層用のバインダー樹脂の例には、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、これらの樹脂のうち二以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)、ポリ−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアクリレート樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、およびスチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、が含まれる。
(保護層)
任意に設けられる保護層は、感光層を保護するための層である。保護層は、感光層の上に配置されるとともに感光体の表面を構成する。保護層は、例えば、保護層用のバインダー樹脂と、保護層用の金属酸化物と、保護層用の電荷輸送物質とを含む。
保護層用のバインダー樹脂としては、保護層用のバインダー樹脂として用いられている公知の樹脂を使用できる。保護層用のバインダー樹脂の例には、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂および塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が含まれる。保護層用のバインダー樹脂は、一種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
保護層用のバインダー樹脂は、感光体の耐久性の観点からは、ラジカル重合性モノマーを含むラジカル重合性組成物の重合硬化物が好ましい。この場合、ラジカル重合性組成物は、保護層用の金属酸化物および保護層用の電荷輸送物質をさらに含んでいてもよい。
(下引き層の特性について)
ここで、下引き層の特徴について詳細に説明する。下引き層は、90質量%以上のアルミニウムを含む導電性支持体と下引き層との間での電荷の授受を考えたとき、帯電時には帯電の対向電荷をブロッキングする。一方、光放電時には電荷発生層から下引き層に移行した電子は、バルクを通って、90質量%以上のアルミニウムを含む導電性支持体側にすみやかに排出するのが望まれる。
下引き層のみでみると、定常状態における印加電圧V[V](を膜厚Lで除した電界強度E(V/cm)=V/L)と電流密度J(A/cm)との関係(E−J特性)を下記の式(1)とおき、n=1のとき、オームの法則が成り立つ。
J∝V(J∝E) (1)
E−J特性は、電極金属のワークファンクションとのバランスと下引き層バルク抵抗との関係で決まる。そこで本実施の形態では、電極として90質量%以上のアルミニウムを含む金属を用いた場合の関係を規定した。
印加電圧が高くなると、電極からの電荷注入が大きくなり、静電容量と通過電流とが等しくなって、電界がかかりにくくなる領域(空間電荷制限領域)が生じる。感光体では、光照射によって生成された電荷キャリアが伝導される場合、伝導する電荷量が小さくなって、感光体のコンデンサーとしての蓄積電荷量が伝導される電荷量を上回ると、電極界面で電界強度がかかりにくくなり、伝導に支障がでてくる(空間電荷制限電流)。これを逆にとらえ、高電界領域において電極からの電荷注入が多くなる場面での影響を空間電荷のEの2乗に相関づけて、nの切替わり点を指標とできる。
空間電荷制限領域では、オームの法則に従わず、下記の式(2)となる場合がある。「L」は、膜厚である。「V/L」は、電界強度Eである。そうすると、下記の式(2)は、下記の式(3)で表すことができる。
J∝V/L (2)
J∝E (3)
このように、電界強度Eおよび電流密度Jを上記の式(1)で表したとき、電界強度を高くすると、n=1のオームの法則が成り立つ領域から、n=2の空間電荷制限領域へ移行し、更にn>2の導電性が高くなる領域に移行する。本実施の形態では、下引き層のみをアルミニウム電極で挟んだときに、n=1とn=2の切り替りの電界強度が5×10〜1×10V/cmとなり、好ましくは1×10〜8×10V/cmとなる下引き層を使用する。これにより、帯電特性と光放電特性を維持しつつ、画像メモリーが抑制できるようにしている。
ここで、上記の式(1)において、n=1の部分の近似直線L1と、n=2の部分の近似直線L2との交点における電界強度Eの求め方について説明する。図1は、V−I特性を測定するための測定装置の模式図である。図2〜4は、n=1の部分の近似直線と、n=2の部分の近似直線との交点における電界強度の求め方を説明するための図である。図2は、電界強度Eおよび電流密度Jの関係を示す両対数グラフである。図3は、図2における電界強度Eが正の領域の一部を拡大したグラフである。図4は、n=1の部分の近似直線と、n=2の部分の近似直線との交点における電界強度を示すグラフである。
本実施の形態における電界強度Eおよび電流密度Jの関係は、電界強度Eの増大に伴い、逐次nが変化する。そこで、n=1の部分の近似直線L1と、n=2の部分の近似直線L2を以下のように求める。
図1に示されるように、測定装置10は、ガラス基板11上にアルミニウム電極12を設け、その上に下引き層13を設置する。さらにその上にアルミニウム電極14を設け、下引き層13をアルミニウム電極12、14で挟む。このような装置を用いて、アルミニウム電極を使用した下引き層のV−I特性を測定し、測定結果を電界強度Eおよび電流密度Jの関係に換算した。
図2、3に示されるように、上記の式(1)を両対数グラフで表す。そして、当該両対数グラフで表された第1曲線C’における傾きnを求める。そして、連続した1≦n≦2の範囲のデータのみを使用する。
(近似直線L1と近似直線L2の交点の求め方)
図4に示されるように、第1曲線C’において、低電界強度E側から高電界強度E側へ向かって複数の点を任意に決定する。そして、これらの複数の点から、高電界強度側のポイントを順次除外し、近似直線の傾きが0.9≦n≦1.1となるように複数の点を選択する。選択する点の数は、複数であれば特に限定されない。選択する点の数は、2つでもよいし、3つ以上であってもよい。また、選択する複数の点は、決定された複数の点の中で互いに隣接していてもよいし、隣接していなくてもよい。このように選択した複数の点から求められる近似直線をn=1の部分の近似直線L1とする。近似直線の求め方は、特に限定されない。本実施の形態では、累乗近似により近似直線を求めている。
次いで、最初に決定した複数の点から、n=1の部分の近似直線L1を求めるために選択した複数の点を除外する。そして、残りの複数の点から、近似直線の傾きが1.9≦n≦2.1となるように、低電界強度E側の点と、高電界強度E側の点とを徐々に除外する。傾きが2.0に一番近いときの複数の点から求められる近似直線をn=2の部分の近似直線L2とする。近似直線の求め方は、特に限定されない。本実施の形態では、累乗近似により近似直線を求めている。
最後に、近似直線L1と近似直線L2の交点Pを求め、当該交点Pにおける電界強度Eを求める。なお、下引き層が2層ある場合には、電荷発生層との接合側に負極を印加したときのE−J特性の結果に基づいて、電界強度Eを評価するものとする。
このように、本実施の形態に係る感光体は、近似直線L1と近似直線L2の交点Pにおける電界強度Eが5×10〜1×10V/cmであるため、画像メモリーおよびゴーストを抑制できる。
[感光体1の作製]
(1)導電性支持体の準備
円筒状のアルミニウム基体(φ60mm×L362mm×t1mm)を導電性支持体として準備した。
(2)下引き層の形成
下記組成物を撹拌しつつ、混合した後、120℃1時間の熱処理を行い、表面修飾酸化亜鉛微粒子を得た。酸化亜鉛微粒子として、MZ300(テイカ株式会社)、FINEX−30(堺化学工業株式会社)、またはSF−20(堺化学工業株式会社)を使用した。同様に、酸化亜鉛微粒子を酸化チタン微粒子に変更して、表面修飾酸化チタン微粒子を得た。酸化チタン微粒子として、STM150MK、SMT500SAS、またはSATM600S(いずれも、テイカ株式会社)を使用した。
酸化亜鉛微粒子 500質量部
シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業株式会社) 5質量部
トルエン 3000質量部
下記組成物のバインダー樹脂を溶媒に溶解させた後、無機微粒子と共にサンドミルを用いて10時間分散を行った。その後、一夜放置後にリジメッシュ(登録商標)5μmフィルターにてろ過し、下引き層形成用塗液を調製した。下引き層形成用塗液を導電性支持体上に浸漬塗布法にて塗布し、120℃、30分乾燥後の厚さが6.8μm下引き層を形成した。
バインダー樹脂:ポリアミド樹脂(ダイアミドX4685:ダイセル・エポニック社)
100質量部
無機微粒子:表面修飾酸化チタン微粒子(STM150MK由来) 80質量部
無機微粒子:表面修飾酸化亜鉛微粒子(MZ300由来) 210質量部
溶媒:エタノール 1000質量部
溶媒:1−プロパノール 280質量部
溶媒:THF 280質量部
(3)電荷発生層の形成
下記組成物を分散機としてサンドミルを用いて10時間の分散を行い、電荷発生層形成用塗布液を調製した。電荷発生層形成用塗布液を下引き層の上に浸漬塗布法にて塗布し、30分風乾後の厚さが0.2μmの電荷発生層を形成した。
電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するもの) 20質量部
電荷発生層用バインダー樹脂:ポリビニルブチラール樹脂「#6000−C」(電気化学工業株式会社) 10質量部
溶媒1:酢酸t−ブチル 900質量部
溶媒2:MMP(4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン) 100質量部
(4)電荷輸送層の形成
下記組成物を混合溶解し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の上に浸漬塗布法にて塗布し、120℃、70分乾燥後の厚さが25μmの電荷輸送層を形成した。
バインダー:ポリカーボネート樹脂(FPC6550:三菱ガス化学株式会社)
100質量部
下記化学式で示されるCTM 60質量部
酸化防止剤:ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT) 6質量部
溶媒:テトラヒドロフラン 808質量部
溶媒:トルエン 197質量部
添加剤:シリコーンオイル(KF−96:信越化学工業株式会社)0.12質量部
Figure 2020042129
[感光体2の作製]
下引き層形成用塗液を以下に示した組成物に変更し、乾燥膜厚が6.0μmの下引き層を形成した以外は、感光体1と同様にして、感光体2を作製した。
バインダー:ポリアミド樹脂(ダイアミドX4685:ダイセル・エポニック社)
100質量部
無機微粒子:表面修飾酸化チタン微粒子(STM150MK由来) 80質量部
無機微粒子:表面修飾酸化亜鉛微粒子(MZ300由来) 360質量部
溶媒:エタノール 1000質量部
溶媒:1−プロパノール 280質量部
溶媒:THF 280質量部
[感光体3の作製]
下引き層形成用塗液を以下に示した組成物に変更し、乾燥膜厚が6.9μmの下引き層を形成した以外は、感光体1と同様にして、感光体3を作製した。
バインダー:ポリアミド樹脂(ダイアミドX4685:ダイセル・エポニック社)
100質量部
無機微粒子:表面修飾酸化チタン微粒子(STM150MK由来) 40質量部
無機微粒子:表面修飾酸化亜鉛微粒子(MZ300由来) 460質量部
溶媒:エタノール 1120質量部
溶媒:1−プロパノール 280質量部
溶媒:THF 280質量部
[感光体4の作製]
下引き層形成用塗液を以下に示した組成物に変更し、乾燥膜厚が9.9μmの下引き層を形成した以外は、感光体1と同様にして、感光体4を作製した。
バインダー:ポリアミド樹脂(ダイアミドX4685:ダイセル・エポニック社)
100質量部
無機微粒子:表面修飾酸化亜鉛微粒子(FINEX−30由来) 250質量部
無機微粒子:表面修飾酸化亜鉛微粒子(MZ300由来) 200質量部
溶媒:エタノール 1120質量部
溶媒:1−プロパノール 280質量部
溶媒:THF 280質量部
[感光体5の作製]
下引き層形成用塗液を以下に示した組成物に変更し、乾燥膜厚が15.9μmの下引き層を形成した以外は、感光体1と同様にして、感光体5を作製した。
バインダー:ポリアミド樹脂(ダイアミドX4685:ダイセル・エポニック社)
100質量部
無機微粒子:表面修飾酸化亜鉛微粒子(SF−20由来) 250質量部
無機微粒子:表面修飾酸化亜鉛微粒子(MZ300由来) 200質量部
溶媒:エタノール 1120質量部
溶媒:1−プロパノール 280質量部
溶媒:THF 280質量部
[感光体6の作製]
下引き層形成用塗液を以下に示した組成物に変更し、乾燥膜厚が18.1μmの下引き層を形成した以外は、感光体1と同様にして、感光体6を作製した。
バインダー:ポリアミド樹脂(ダイアミドX4685:ダイセル・エポニック社)
100質量部
無機微粒子:表面修飾酸化亜鉛微粒子(SF−20由来) 250質量部
無機微粒子:表面修飾酸化チタン微粒子 200質量部
溶媒:エタノール 1120質量部
溶媒:1−プロパノール 280質量部
溶媒:THF 280質量部
[感光体7の作製]
下引き層形成用塗液を以下に示した第1組成物150質量部と、第2組成物500質量部とを、ジルコニアビーズ(平均粒径φ0.5mm)とともにサンドミルに入れ、1時間追加分散処理を行った混合液に変更し、160℃、1時間の乾燥後、乾燥膜厚が6.5μmの下引き層を形成した以外は、感光体1と同様にして、感光体7を作製した。
(第1組成物)
バインダー樹脂:ポリアミド樹脂(CM8000:東レ株式会社) 100質量部
無機微粒子:表面修飾酸化チタン微粒子(SMT500SAS由来) 120質量部
無機微粒子:表面修飾酸化チタン微粒子(SMT150MK由来) 160質量部
溶媒:メタノール 1360質量部
溶媒:1−プロパノール 340質量部
下記組成物を40℃10時間の加熱をしつつ、撹拌及び混合をした後、ろ別し、乾燥することで、染料処理酸化亜鉛微粒子を得た。
表面修飾酸化亜鉛微粒子(MZ300由来) 500質量部
アリザリン 10質量部
テトラヒドロフラン(THF) 3000質量部
次に、450質量部の2−ブタノンに対し、ポリビニルブチラール(BL−S 積水化学工業株式会社)を45質量部混合溶解させた。
上記混合溶解液に、下記組成物を混合し、ジルコニアビーズ(平均粒径:0.5mm)とともにサンドミルに入れ、10時間分散し、分散液を調製した。
染料処理酸化亜鉛微粒子 450質量部
アクリルポリオール(固形分50%、アクリディックA814:大日本インキ株式会社)
50質量部
イソシアネート (コロネート2507:東ソー株式会社)80%液
100質量部
2−プロパノール 55質量部
当該分散液に、ジオクチルウラレートを0.002質量部添加し、下引き層形成用塗液を調製した。
[感光体8の作製]
下引き層形成用塗液を以下に示した組成物に変更し、120℃、30分乾燥させて、乾燥膜厚が6.0μmの下引き層を形成した以外は、感光体1と同様にして、感光体8を作製した。
バインダー:ポリアミド樹脂(ダイアミドX4685:ダイセル・エポニック社)
100質量部
無機微粒子:表面修飾酸化チタン微粒子(STM500SAS由来) 300質量部
溶媒:エタノール 1080質量部
溶媒:1−プロパノール 360質量部
溶媒:THF 360質量部
[感光体9の作製]
下引き層形成用塗液を上記の第1組成物に変更した以外は、感光体1と同様にして、感光体9を作製した。
[感光体10の作製]
無機微粒子を表面修飾酸化チタン微粒子(SMT150MK由来)280質量部のみに変更した以外は、感光体9と同様にして、感光体10を作製した。
[感光体11の作製]
下引き層形成用塗液を以下に示した組成物に変更し、120℃、30分乾燥させて、乾燥膜厚が17.6μmの下引き層を形成した以外は、感光体8と同様にして、感光体11を作製した。
バインダー:ポリアミド樹脂(ダイアミドX4685:ダイセル・エポニック社)
100質量部
無機微粒子:表面修飾酸化チタン微粒子(SATM600S由来) 540質量部
溶媒:エタノール 1250質量部
溶媒:1−プロパノール 560質量部
溶媒:THF 970質量部
[感光体12の作製]
下引き層形成用塗液を上記の第2組成物に変更した以外は、感光体1と同様にして、感光体12を作製した。
[評価]
(電界強度Eおよび電流密度Jの測定)
スライドガラス基板上に、2×10−5torr以下の真空度でアルミニウムを真空蒸着し、測定面積2cmの電極を形成した。このとき配線用の電極シロをとった。この電極基板上に下引き層を形成させるため、電極基板と下引き層塗布液をいずれも50℃加温して浸漬塗布により5〜25μmの各種下引き層を先の感光体サンプル作製時の下引き層膜厚と同一になるように形成した。個々の下引き層に応じた温度で熱処理後、当該下引き層上に先の基板側電極2cm面積と対向するように、アルミニウムを真空蒸着により形成した。基板側電極シロ部と下引き層上の電極非対向部とに、それぞれ超音波はんだにてガラス基板上にはんだをつけ、銅線と結線した。直流電源を搭載した微小電流計(Model6487:Kiethlay社)を用いて各感光体の下引き層のV−I特性を特定した。電極間に微小電流計の内臓電源から電圧を順次印加し、それぞれの電圧印加後10秒後の電流を測定した。なお、微小電流計を保護するため、サンプルの抵抗より充分に小さい保護抵抗(10kΩ〜1MΩ:印加電圧で調整)で吊ったサンプル間に電圧を印加した。測定した電圧を下引き層の膜厚で除して、電界強度E(V/cm)を求めた。測定した電流を有効電極面積で除して、電流密度J(A/cm)を求めた。なお、サンプルを表面電位計(インピーダンス>>1GΩ)で計測し、保護抵抗と定サンプル間に分圧がある場合には、サンプルにかかる電圧を有効電圧とした。
(近似直線L1および近似直線L2の交点における電界強度Eの算出)
図5〜7は、実施例の感光体1〜7において、n=1の部分の近似直線およびn=2の部分の近似直線の交点おける電界強度Eの算出方法を説明するためのグラフである。図8〜10は、比較例の感光体8〜12において、n=1の部分の近似直線およびn=2の部分の近似直線の交点おける電界強度Eの算出方法を説明するためのグラフである。
図5〜7における黒丸のシンボルは、感光体1(実施例)の結果を示しており、白丸のシンボルは、感光体2(実施例)の結果を示しており、黒三角のシンボルは、感光体3(実施例)の結果を示しており、白三角のシンボルは、感光体4(実施例)の結果を示しており、黒四角のシンボルは、感光体5(実施例)の結果を示しており、白四角のシンボルは、感光体6(実施例)の結果を示しており、バツのシンボルは、感光体7(実施例)の結果を示している。図8〜10における黒丸のシンボルは、感光体8(比較例)の結果を示しており、白丸のシンボルは、感光体9(比較例)の結果を示しており、黒四角のシンボルは、感光体10(比較例)の結果を示しており、白四角のシンボルは、感光体11(比較例)の結果を示しており、黒三角のシンボルは、感光体12(比較例)の結果を示している。
図5および図8に示されるように、測定したV−I特性を電界強度E(V/cm)および電流密度J(A/cm)に変換し、両対数グラフにプロットした。そして、図6および図9に示されるように、連続した1≦n≦2の範囲のデータのみを抽出した。次に、図7および図10に示されるように、前述した方法に基づいてn=1の部分の近似直線と、n=2の部分の近似直線をそれぞれ求めた。
感光体1〜12におけるn=1の部分の近似直線と、n=2の部分の近似直線と、2直線の交点を表1に示す。
Figure 2020042129
(電位の測定)
感光体1〜12のそれぞれを、現像器部に表面電位計を改造して取付けたフルカラー複写機(bizhub PRESS C1070:コニカミノルタ株式会社、「bizhub」は同社の登録商標)に搭載した。そして、初期と10万枚印刷後それぞれについて、帯電電位および露光電位を測定した。
(画像メモリーの評価)
図11A〜Cは、画像メモリーの評価を説明するための図である。図11Aは、画像メモリーおよびゴーストがない場合の印刷物の模式図であり、図11Bは、ゴーストが生じた場合の印刷物の模式図であり、図11Cは、画像メモリーが生じた場合の印刷物の模式図である。感光体1〜12のそれぞれを、フルカラー複写機(bizhub PRESS C1070)に搭載した。転写条件を70μAにしたメモリー発現に厳しい条件で、前履歴ソリッド画像が次周回に発生するかを調べた。図11Aに示されるように、感光体1周目の前半部の半分を黒ベタとし、他の半分には何も印刷しなかった。また、1周目の後半部がハーフトーンとなるように印刷した。次に、感光体2周目において、1周目のB1に対応するB2と、1周目のW1に対応するW2との画像濃度を、マクベス反射濃度計(RD−918:マクベス社)を用いて測定した。そして、これらの画像濃度の差ΔDを算出し、下記基準で評価した。
◎:ΔDが0.01未満(非常に良好)
○:ΔDが0.01以上0.02未満(良好)
△:ΔDが0.02以上0.03未満(実用上若干問題あり)
×:ΔDが0.03以上(実用上問題あり)
電位の測定結果と、画像メモリーの評価とを表2に示す。表2における「ネガ」とは、ゴースト(図11B)を示しており、「ポジ」とは、画像メモリー(図11C)を示している。
Figure 2020042129
表2に示されるように、感光体1〜12(実施例および比較例)のいずれも、電位安定性は十分であった。しかしながら、実施例に係る感光体1〜7と、比較例に係る感光体8〜12とでは、画像メモリーに差が見られた。具体的には、n=1の部分の近似直線とn=2の部分の近似直線との交点における電界強度Eが5×10〜1×10V/cmであれば、画像メモリーが良好であった。特にn=1の部分の近似直線とn=2の部分の近似直線との交点における電界強度Eが1×10〜8×10V/cmの感光体2〜5は、画像メモリーがさらに良好であった。
10 測定装置
11 ガラス基板
12、14 アルミニウム電極
13 下引き層

Claims (3)

  1. 90質量%以上のアルミニウムを含む導電性支持体と、
    前記導電性支持体の上に配置された下引き層と、
    前記下引き層の上に配置された感光層とを有し、
    20〜26℃の条件で、前記下引き層をアルミニウム電極で挟んで測定したV−I特性に基づく電界強度Eおよび電流密度Jは、以下の式(1)を満たし、
    両対数グラフで以下の式(1)を表したとき、n=1の部分の近似直線およびn=2の部分の近似直線の交点における電界強度Eは、5×10〜1×10V/cmである、
    電子写真感光体。
    J∝E (1)
  2. 前記下引き層は、金属酸化物の粒子を含み、
    前記金属酸化物は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズおよび酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の酸化物であり、
    前記交点における電界強度Eは、1×10〜8×10V/cmである、
    請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記感光層は、前記下引き層の上に配置された電荷発生層と、前記電荷発生層の上に配置された電荷輸送層とを有し、
    前記電荷発生層は、チタニルフタロシアニンまたはガリウムフタロシアニン化合物を含む、
    請求項1または請求項2に記載の電子写真感光体。
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