JP6581487B2 - 電子写真感光体及び電子写真装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真感光体及び電子写真装置に関する。
近年、電子写真感光体には、アモルファスシリコンなどの無機感光体と比べて製造コストが抑えられることから、有機物質を用いた有機感光体が広く用いられている。
有機感光体の表面層には、帯電やトナー付着、並びに転写やクリーニング処理などによってさまざまな電気的及び機械的ストレスが加わる。有機感光体の表面層にそれらのストレスが加わると、画質の低下につながるため、耐久性に優れた感光体が要求されている。
感光体表面に付着した、トナーや紙粉、帯電工程によって生じる親水性物質を除去するため、感光体表面にウレタン系ゴムのクリーニングブレードを当接させるクリーニング方法が一般的に用いられる。
しかし、感光体表面の摩擦抵抗が大きいと、クリーニングブレードの反転や、ブレードの鳴きといった現象が起こってしまう。また、徐々にクリーニングブレードがダメージを受け、トナーがクリーニングブレードをすり抜けるなどして、クリーニング不良による画像欠陥等が発生することもある。このため、感光体表面の摩擦抵抗を抑え、クリーニング性を向上させることが、長期にわたって安定した画像を得るためには重要である。
一方、耐刷性という観点から感光体の機械的特性向上のため、感光体の表面に保護層を設け、その保護層に硬化性樹脂を含有させたり、フィラーを含有させたりする例がある。例えば、特許文献1は、感光体の表面に硬化性樹脂を含有させた保護層を設けている。また、特許文献2は、保護層に更にフィラーを含有させている。特許文献3では、フィラーに表面処理を施し、周りの樹脂と架橋構造をとるようにすることで、保護層の機械的強度を更に向上させる試みがなされている。
しかしながら、機械的強度を強くしただけでは十分なクリーニング性は得られず、耐刷性・クリーニング性・耐キズ性すべてを達成する感光体を得ることは困難であった。そこで、感光体表面の摩擦抵抗改善のため、保護層にフッ素樹脂粒子を添加し、表面の潤滑性を向上させる例がある。
特許文献4,5では、保護層にフッ素樹脂粒子を添加している。しかしながら、そのような保護層であっても、長期にわたって良好なクリーニング性を維持することは難しい。
また、保護層にシリコーンオイルなどの潤滑材を添加する試みもされている。特許文献6では、保護層にシリコーンオイルが添加されている。しかしながら、このような潤滑材は表面に偏析してしまう場合が多く、感光体の表面が削れるにつれてその効果が失われてしまう。
特許文献7には、潤滑材の表面偏析を抑えるため、官能基を持たせたシリコーンオイルを保護層に添加させている。しかし、この特許文献に書かれているような構造のシリコーンオイルを用いても、表面偏析を抑制するのは困難であり、長期にわたって良好なクリーニング性を維持するには不十分であった。
特許第3262488号公報 特開2008−261971号公報 特開平11−95473号公報 特開昭63−73267号公報 特開2006−38919号公報 特開2005−107490号公報 特開2011−170129号公報
本発明は、クリーニング性が長期にわたって良好である、耐久性に優れた電子写真感光体と、そのような電子写真感光体を用いた電子写真装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した目的を達成するために鋭意研究した結果、リンオキソ酸部位と光反応性部位と潤滑性部位を側鎖に有するリン含有化合物で金属酸化物を表面処理し、表面処理された金属酸化物を光硬化性樹脂と共に硬化して、その硬化膜を感光体の表面層に用いることにより、感光体の表面が削れていっても潤滑性が持続し、クリーニング性を維持できることを見出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、以下の構成を有する。
(構成1)
導電性支持体上に、感光層及び保護層をこの順に備えた電子写真感光体において、
前記保護層は、光硬化性樹脂と、リン含有化合物で表面処理されている金属酸化物とを含み、
前記金属酸化物は、酸化錫、酸化亜鉛、及び酸化チタンからなる群より選択される少なくとも1種類以上を含み、
前記リン含有化合物は、前記金属酸化物と反応可能なリンオキソ酸部位と、光反応性部位と、フッ素及びケイ素からなる群より選択される少なくとも1種類以上を含む潤滑性部位とを側鎖に有する重合体であることを特徴とする、電子写真感光体。
(構成2)
前記重合体は、グラフト重合体であることを特徴とする、構成1に記載の電子写真感光体。
(構成3)
前記リンオキソ酸部位は、一般式(1)で示される構造を含む、構成1又は2に記載の電子写真感光体。
Figure 0006581487
式中、Rはアルキル基、アリール基、及び水素原子からなる群より選択される少なくとも1種類以上であり、Aは酸素原子及びメチレン基からなる群より選択される少なくとも1種類以上である。
(構成4)
前記光反応性部位は、一般式(2)で示される構造を含む、構成1から3のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
Figure 0006581487

式中、Rはアルキレン基であり、Yは光反応性官能基である。
(構成5)
前記光反応性官能基は、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群より選択される少なくとも1種類以上である、構成4に記載の電子写真感光体。
(構成6)
前記潤滑性部位は、一般式(3)で示される構造を含む、構成1から5のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
Figure 0006581487
式中、Xはアルキル基であり、Xはアルキル基及びアリール基からなる群より選択される少なくとも1種類以上であり、Xはアルキル基及びアリール基からなる群より選択される少なくとも1種類以上であり、nは1以上、500以下の整数であり、nは1以上、500以下の整数である。
(構成7)
前記潤滑性部位は、一般式(4)で示される部位を含む、構成1から5のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
Figure 0006581487
式中、mは1以上、400以下の整数である。
(構成8)
前記リン含有化合物は、300以上、100000以下の重量平均分子量を有する、構成1から7のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
(構成9)
前記金属酸化物は、5nm以上、300nm以下の平均一次粒径を有する、構成1から8のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
(構成10)
前記金属酸化物は、3以上のアスペクト比を有する、構成1から9のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
(構成11)
前記光硬化性樹脂は、アクリル系のモノマー、オリゴマー、及びデンドリマーからなる群より選択される少なくとも1種類以上の出発物質から形成されるアクリル系樹脂である、構成1から10のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
(構成12)
前記感光層は、オキソチタニルフタロシアニン及びガリウムフタロシアニンからなる群より選択される少なくとも1種類以上を含む、構成1から11のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
(構成13)
構成1から12のいずれか1つに記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体に対して露光を行い前記電子写真感光体の上に静電潜像を形成する像露光手段と、前記電子写真感光体の上に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を転写材に転写した後の前記電子写真感光体の上に残るトナーを除去するクリーニング手段とを備えた、電子写真装置。
本願発明では、電子写真感光体の保護層に、金属酸化物と反応可能なリンオキソ酸部位、潤滑性部位、及び光反応性部位を側鎖に有するリン含有化合物で表面処理された金属酸化物と、光硬化性樹脂とを含むため、金属酸化物とリンオキソ酸部位を介して反応したリン含有化合物の光反応性部位が光硬化性樹脂と架橋することができる。このため、リン含有化合物で表面処理された金属酸化物が保護層内に均一に分散されやすく、結果として、リン含有化合物の潤滑性部位も保護層内に均一に分散されるため、電子写真感光体の使用中、徐々に保護層が削れていっても潤滑性が失われにくく、クリーニング性を維持できる。このようにして、本願発明によれば、クリーニング性が長期にわたって良好である、耐久性に優れた電子写真感光体と、そのような電子写真感光体を用いた電子写真装置を提供することができる。
本発明の一実施形態にかかる電子写真感光体の断面模式図である。 図1に示す電子写真感光体の保護層の断面模式図である。 本発明の一実施形態にかかるリン含有化合物の模式的な構造を示す図である。 ケイ素系リン含有化合物の一例であるリン酸エステル化合物の分子構造の一例を示す図である。 フッ素系リン含有化合物の一例であるリン酸エステル化合物の分子構造の一例を示す図である。 図4のケイ素系リン含有化合物の一例であるリン酸エステル化合物の調製における重合反応を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる電子写真装置の模式図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能・構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<電子写真感光体>
本発明の一実施形態にかかる電子写真感光体の断面模式図を図1に示す。電子写真感光体1は、導電性支持体2上に、感光層34、感光層34上に保護層5を備えている。
(導電性支持体)
導電性支持体は、導電性を有するものであればいかなるものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛、及びステンレス等の金属を、ドラム状、シート状、又はベルト状に成形したもの、アルミニウムや銅等の金属箔を、プラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム、及び酸化スズ等を、プラスチックフィルムに蒸着したもの、金属、プラスチックフィルム、及び紙等に導電性物質を単独又はバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けたもの等が挙げられる。
(感光層)
感光層は、当業者に公知の方法により製造される、負帯電積層型の感光層及び正帯電単層型の感光層のいずれを用いても良い。
なお、図1では、導電性支持体2上の感光層34として、電荷発生層3及び電荷発生層3上に電荷輸送層4を備える、負帯電積層型の感光層を示している。
(1)負帯電積層型の感光層
負帯電積層型の感光層は、電荷発生層の上に電荷輸送層が積層されて構成されている。
(1−1)電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂も含むことができる。電荷発生層には、公知の電荷発生物質を用いることが可能である。電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、非対称ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ペリレン顔料、及びフタロシアニン顔料等が挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。中でも良好な電気特性を得られることから、電荷発生層は、オキソチタニルフタロシアニン及びガリウムフタロシアニンからなる群より選択される少なくとも1種類以上を含むことが好ましい。
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生物質を必要に応じてバインダー樹脂と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、超音波等の公知の分散方法を用いて溶媒中に分散して、電荷発生層を導電性支持体に適用するための塗工液を得ることができる。
電荷発生層の膜厚は0.01μm以上、5μm以下が好ましく、0.05μm以上、3μm以下がより好ましい。
(1−2)電荷輸送層
電荷輸送層は、電荷輸送構造を有する層で、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を主成分とする層である。電荷輸送層には電荷輸送物質としてホール輸送物質が含有されるが、必要に応じて電子輸送物質を含有してもよい。
ホール輸送物質としては、ポリ(N−ビニルカルバゾール)及びその誘導体、ポリ(γ−カルバゾリルエチルグルタメート)及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、アミノビフェニル誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体、ビススチルベン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、エナミン誘導体等の材料が挙げられる。これらのホール輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
バインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
電子輸送物質としては、ベンゾキノン(benzoquinone)系、シアンエチレン系、シアノキノジメタン(cyanoquinodimethane)系、フルオレノン(fluorenone)系、フェナントラキノン(phenantraquinone)系、無水フタル酸系、チオピラン(thiopyrane)系、ナフタレン系、ジフェノキノン系、スチルベンキノン系の化合物が挙げられる。具体的には、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン,7−トリニトロ−9−フルオレノン等の電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
電荷輸送物質及びバインダー樹脂を溶媒に溶解して、電荷輸送層を導電性支持体に適用するための塗工液を得ることができる。
電荷輸送層の膜厚は5μm以上、40μm以下が好ましく、10μm以上、35μm以下がより好ましい。
(2)正帯電単層型の感光層
正帯電単層型の感光層は、上記のバインダー樹脂により形成される単一の層内に、少なくとも上記の電荷発生物質、ホール輸送物質、電子輸送物質が分散されて構成されている。それぞれの物質は、負帯電積層型の場合と同様に、単独又は2種類以上の混合物として用いることもできる。
また、正帯電単層型の感光層は、負帯電積層型の場合と同様の方法により、これらの物質を、上記のバインダー樹脂を含む溶媒に分散又は溶解することにより、塗工液を得、導電性支持体に塗布した後に、バインダー樹脂を固化することにより、形成することができる。
正帯電単層型の感光層の膜厚は、5μm以上、40μm以下が好ましく、10μm以上、35μm以下がより好ましい。
(保護層)
本発明の一実施形態にかかる保護層の断面模式図を図2に示す。保護層5は、少なくとも光硬化性樹脂51と、光硬化性樹脂51内に分散した、リン含有化合物で表面処理されている金属酸化物52とを含有する。
・光硬化性樹脂
光硬化性樹脂としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、オキセタン系樹脂等を挙げることができる。また、光硬化性の共重合樹脂も用いることができる。アクリル系樹脂は、アクリル系のモノマー、オリゴマー、及びデンドリマーからなる群より選択される少なくとも1種類以上の出発物質から形成することができる。通常、アクリル系樹脂を形成する際に、光官能基同士が光重合反応して架橋構造をとる場合、硬化前後における分子間距離に差が生じる。その結果、光硬化樹脂の全体として、比較的大きな硬化収縮を生じる。このような状態の光硬化樹脂を、感光体の保護層に用いると、その保護層は、非常に大きな内部応力を有し、硬いが脆いという欠点を有してしまう。よって、感光体表面に傷等の部分的欠陥が生じると、その欠陥部分を起点として感光体表面の傷・クラックが拡大してしまい、機械的な耐久性を損なうという問題点を生じる。電子写真感光体がこの問題点を有する可能性がある場合、本発明に用いる光硬化樹脂は、少なくともデンドリマーを出発物質として含むことが好ましい。デンドリマーは、デンドリマー同士の結合密度が、内側が密であり、外側が粗になる球状の構造を有する。よって、デンドリマーを出発物質に用いることにより、内部応力を低減し、光硬化性樹脂として、硬度を保ちながら柔軟性を保つことができる。これにより、保護層全体としての耐傷性などが向上し、膜の脆性を改善することができる。すなわち、アクリル系のモノマー及びオリゴマーからなる群より選択される1種類以上にデンドリマーを添加すると、高いマルテンス硬度が得られ、耐刷性を向上することができる。アクリル系のモノマー、オリゴマー、及びデンドリマーは各々、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群より選択される少なくとも1種類以上の基を3つ以上有する、すなわち3官能以上のラジカル重合性であることが好ましい。アクリル系のモノマーとしては、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等を挙げることができる。アクリル系のオリゴマーとしては数平均分子量が170以上、2000以下のものを用いることができ、例えば、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー等を挙げることができる。アクリル系のデンドリマーとしては、重量平均分子量1000以上、25000以下の範囲に単一的な分子量ピークを持つものを用いることができる。アクリル系のデンドリマーは、ポリエステルアクリレート及び共重合系ポリアクリレートからなる群より選択されるいずれかからなることが好ましい。共重合系ポリアクリレートは、好ましくは分子内にエポキシ基を反応基として2つ以上有する架橋性ポリマーである。例えば、グリシジルアクリレートを共重合したポリアクリレートが好ましい。エポキシ系樹脂は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロへキサンカルボキシレート、1,2,8,9−ジエポキシリモネン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等を含む出発物質から形成することができる。
・リン含有化合物
本発明に用いるリン含有化合物は、リンオキソ酸部位を有する。リンオキソ酸部位は、リン原子に直接結合したオキソ基と、2つの水酸基若しくはこの水酸基のうちの一方の水素原子が有機基で置換された構造をもつ。よって、オキソ酸部位のリン原子が、上記のオキソ基及び水酸基に含まれる酸素原子とは異なる酸素原子を介して有機基と結合している場合、本発明に用いるリン含有化合物は、リン酸エステル化合物である。また、オキソ酸部位のリン原子が、炭素原子を介して他の有機基と結合している場合、本発明に用いるリン含有化合物は、有機リン化合物である。
本発明の一実施形態にかかるリン含有化合物6の模式的な構造を図3に示す。リン含有化合物6は、リンオキソ酸部位61と、光反応性部位62と、潤滑性部位63とを有する。リンオキソ酸部位61が金属酸化物7と反応し、光反応性部位62が光硬化性樹脂51と複合体を形成することができる。より詳細には、本発明のリン含有化合物は、側鎖に、金属酸化物と反応するリンオキソ酸部位と、光反応性部位と、フッ素及びケイ素からなる群より選択される少なくとも1種類以上を含む潤滑性部位とを有する重合体である。リンオキソ酸部位が、共有結合、配位縮合、水素結合、静電気的な結合等の態様により、金属酸化物と反応することにより、金属酸化物と潤滑性部位とを一体として含む、複合体が形成される。
このようなリン含有化合物は、チオール系化合物、シラン系化合物、アミン系化合物に比べて、金属酸化物に対して特異的ではあるが、安定的に反応するため、本発明に好適に用いることができる。また、リン含有化合物は、金属酸化物の表面において、高密度に反応させることができる利点がある。
一方、金属酸化物の化学的修飾に用いられるシランカップリング剤等のシラン系化合物は、水酸基に対する反応性が非常に高い。よって、水分が存在すれば、シランカップリング剤どうしが反応してしまう。また、所望の反応を終了した後に、未反応のシランカップリング剤が残存する場合には、水酸基を有する他の材料と反応してしまう。このような反応が起きると、一定の性能を有する電子写真感光体を安定的に製造することが困難になる。
本発明に用いるリン含有化合物の重合体は、アクリル系、エポキシ系、オキセタン系等の主鎖を有することができる。光硬化性樹脂としてアクリル系樹脂を用いる場合には、アクリル系の主鎖を有する重合体が好ましく、光硬化性樹脂としてエポキシ系樹脂を用いる場合には、エポキシ系の主鎖を有する重合体が好ましい。本明細書中、アクリル系の主鎖とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基同士が重合した骨格構造を示す。エポキシ系の主鎖とは、エポキシ基同士が重合した骨格構造を示す。
本発明に用いるリン含有化合物は、これらの中でも、アクリル系の主鎖を有する重合体であることが好ましい。
また、本発明に用いるリン含有化合物の重合体は、グラフト重合体であることが好ましい。グラフト重合体では、潤滑性部位が効果を発揮しやすくなるためである。光硬化性部位と潤滑性部位とを別の側鎖として設計することにより、光硬化性部位と光硬化性樹脂との重合の後に、潤滑性部位が効果を発揮するのに必要な配置が、立体的な障害を受けることを回避することができる。
リンオキソ酸部位は、一般式(1)で示される部位を含むことができる。
Figure 0006581487
式中、Rはアルキル基、アリール基、及び水素原子からなる群より選択される少なくとも1種類以上であり、Aは、酸素原子及びメチレン基からなる群より選択される少なくとも1種類以上である。
アルキル基としては、炭素数が1以上、5以下のものを挙げることができ、より具体的には、炭素数が1のメチル基及び炭素数が2のエチル基を挙げることができる。炭素数が1のメチル基である場合、一般式(1)のORは、アルコキシ基の1つであるメトキシ基である。
アリール基としては、フェニル基のほか、フェニル基の水素原子が任意に置換されたトリル基若しくはキシリル基、ナフチル基、或いはベンジル基等を挙げることができる。
一般式(1)中、特に、Aが酸素原子である場合、本発明に用いるリン含有化合物は、Rによらず、リン酸エステル化合物である。また、Aがメチレン基である場合、本発明に用いるリン含有化合物は有機リン化合物である。
一般式(1)中、特に、Rを水素原子とすることにより、リン含有化合物を、金属酸化物の表面において、高密度に反応させることができる利点がある。
例えば、一般式(1)中のAが酸素原子であり、Rが水素原子であるとき、本発明のリンオキソ酸部位は、リン酸エステル部位でもあるリン酸基を含む。
また、このリン酸基は、炭化水素基、例えば、飽和炭化水素基の1つであるアルキレン基を介してアクリル系の主鎖に結合することができ、そのようなアルキレン基は炭素数1以上、5以下とすることができる。後述する図4、5では、そのようなアルキレン基として、主鎖の−COO基とリン酸基との間に位置するプロピレン基が例示されている。
一般式(1)で示される部位は、Aがメチレン基ある場合にも、そのメチレン基が、さらになる炭化水素基、例えば、飽和炭化水素基の1つであるアルキレン基を介して、アクリル系の主鎖に結合することができる。そのようなアルキレン基は炭素数1以上、20以下とすることができる。なお、炭化水素基がアルキレン基である場合、リンオキソ酸部位を構成するリン原子は、結果的に、さらなるアルキレン基にメチレン基を加えることにより、炭素数が1つ増加したアルキレン基と結合している。
光反応性部位は、光反応性官能基を有するものであり、特には一般式(2)で示される部位を含むことができる。光反応性部位が、一般式(2)であることにより、グラフト重合体の生成が容易になる。
Figure 0006581487

式中、Rはアルキレン基であり、Yは光反応性官能基である。Rのアルキレン基としては、炭素数が1以上、5以下のもの、具体的にはエチレン基を挙げることができる。一般式(2)で示される部位は、アルキレン基を介してアクリル系の主鎖に結合することができ、そのようなアルキレン基は炭素数1以上、5以下とすることができる。後述する図4、5では、そのようなアルキレン基として、主鎖の−COO基と、NH基に隣接する−COO基との間に位置するエチレン基が例示されている。
光反応性官能基としては、アクリル系の官能基、エポキシ基、オキセタン基等を挙げることができる。光硬化性樹脂としてアクリル系樹脂を用いる場合には、アクリル系の光反応性官能基が好ましく、光硬化性樹脂としてエポキシ系樹脂を用いる場合には、光反応性官能基がエポキシ基であることが好ましい。このように組み合わせることにより、光反応性官能基が光硬化性樹脂と架橋しやすくなる。アクリル系の光反応性官能基としては、アクリロイル基(CHCHCOO−)及びメタクリロイル基(CHC(CH)COO−)を挙げることができる。
潤滑性部位は、ケイ素及びフッ素からなる群より選択される少なくとも1種類以上を含む。ケイ素を含むものである場合、潤滑性部位は一般式(3)で示される部位を含むことができる。
Figure 0006581487
式中、Xはアルキル基であり、Xはアルキル基及びアリール基からなる群より選択される少なくとも1種類以上であり、Xはアルキル基及びアリール基からなる群より選択される少なくとも1種類以上である。nは1以上、500以下の整数であり、例えば、1以上、300以下の範囲、より具体的には10以上、200以下の範囲とすることができる。nは1以上、500以下の整数であり、例えば、1以上、300以下の範囲、より具体的には10以上、200以下の範囲とすることができる。Xのアルキル基は、例えば、炭素数が1以上、3以下のものである。Xのアルキル基は、例えば、炭素数が1以上、3以下のものであり、また、アリール基としては、フェニル基、ベンジル基等を挙げることができる。また、Xのアルキル基は、例えば、炭素数が1以上、3以下のものであり、また、アリール基としては、フェニル基、ベンジル基等を挙げることができる。潤滑性に優れることから、X、X、Xともにメチル基であるか、又はXがメチル基で、X及びXがフェニル基であるか、又はX及びXがメチル基で、Xがフェニル基であることが好ましい。これらは感光体の電気特性を損なわない点でも好ましい。X、X、Xともにメチル基であるものを、ジメチルシリコーンタイプと称することができる。Xがメチル基で、X及びXがフェニル基であるか、又はX及びXがメチル基で、Xがフェニル基であるものを、メチルフェニルシリコーンタイプと称することができる。一般式(3)で示される部位は、アルキレン基を介してアクリル系の主鎖に結合することができ、そのようなアルキレン基は、後述する図4ではRで示されており、炭素数を1以上、5以下とすることができる。また、ケイ素を含む潤滑性部位の末端基としては、メチル基、tert−ブチル基等を挙げることができる。ケイ素を含む潤滑性部位の末端基は図4ではRで示されている。
潤滑性部位は、フッ素を含むものである場合、一般式(4)で示される部位を含むことができる。
Figure 0006581487
式中、mは1以上、400以下の整数であり、例えば1以上、100以下の範囲、より具体的に1以上、20以下の範囲とすることができる。一般式(4)で示される部位を潤滑性部位に含むものは、感光体の電気特性を損なわないと考えられる。潤滑性部位が繰り返し単位として−CF−CF−を含むものを、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)タイプと称することができる。一般式(4)で示される部位は、アルキレン基を介してアクリル系の主鎖に結合することができ、そのようなアルキレン基は、後述する図5ではRで示されており、炭素数を1以上、5以下とすることができる。また、フッ素を含む潤滑性部位の末端基としては、F−(フルオロ基)、H−等を挙げることができる。フッ素を含む潤滑性部位の末端基は図5ではRで示されている。フッ素を含む潤滑性部位としては、前述したものの他にも、パーフルオロポリエーテル構造、ポリクロロトリフルオロエチレン構造等を含むものを挙げることもできる。
リン含有化合物は、重量平均分子量を300以上、120000未満とすることができ、好ましくは300以上、100000以下、より好ましくは5000以上、20000以下とすることができる。重量平均分子量が大き過ぎると、粘度が高くなり、塗工の際に悪影響が出る恐れがある。また、光硬化性樹脂の硬化を阻害する恐れもある。重量平均分子量が小さ過ぎると、潤滑性部位が短くなる傾向があるため、潤滑性の効果を発現しにくくなる。また、光硬化性樹脂との絡み合いが不十分となり、感光体表面へのブリードが生じる恐れもある。リン含有化合物の多分散度は、1以上、5以下とすることができる。
潤滑性部位にケイ素を含むリン含有化合物がリン酸エステル化合物である場合の分子構造の一例を図4に示し、潤滑性部位にフッ素を含むリン含有化合物がリン酸エステル化合物である場合の分子構造の一例を図5に示す。図4に示すリン酸エステル化合物は、アクリル系の主鎖に、ジメチルシリコーンタイプの潤滑性部位、アクリル系の光反応性官能基を含む光反応性部位、及びリン酸エステル部位でもあるリン酸基を含むリンオキソ酸部位がそれぞれ側鎖として延びるグラフト重合体である。図4中、nはn+nの値を示す。図5に示すリン酸エステル化合物は、アクリル系の主鎖に、PTFEタイプの潤滑性部位、アクリル系の光反応性官能基を含む光反応性部位、及びリン酸エステル部位でもあるリン酸基を含むリンオキソ酸部位がそれぞれ側鎖として延びるグラフト重合体である。図5中、rは1以上、400以下の整数を示す。なお、図4、5では、リンオキソ酸部位と、光反応性部位と、潤滑性部位とがこの順に並んでいるが、これに限定されるものではなく、並び順は変わってもよいし、或いは、リンオキソ酸部位、光反応性部位、潤滑性部位がランダムにつながってもよい。また、リンオキソ酸部位、光反応性部位、潤滑性部位の各々が連続する場合もある。
電子写真感光体の保護層において、本発明のリン含有化合物は、金属酸化物と反応して複合体の状態にあるため、金属酸化物と共に、均一に分散される。さらに、本発明のリン含有化合物は、光硬化性樹脂と架橋することできる光反応性部位を有するため、保護層内に均一に固定(架橋)される。よって、リン含有化合物が有する潤滑性部位が、保護層内に均一に固定されているため、感光体の表面が削れていっても、潤滑性が持続し、クリーニング性を維持できる。また、光硬化樹脂と架橋されているため、表面に偏析しにくい。
さらに、光硬化性樹脂との架橋により、機械的強度が保たれるだけでなく、保護層の下層を酸性ガスや湿度から守るパッキング性を保つことができる。加えて、本発明のリン含有化合物は、光反応性部位やリンオキソ酸部位を側鎖に有し、1分子当たりの各部位の数を多くすることができ、光硬化性樹脂と、より強固に架橋させたり、金属酸化物により強く反応させたりすることができる。
・金属酸化物
金属酸化物は、耐摩耗性の向上の観点から、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、ジルコニア、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、リンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等を含有することができる。保護層の中には、ある金属酸化物とそれとは別の金属酸化物とが含まれてもよい。ホール輸送に適した抵抗値を有し、残留電位上昇の抑制にも効果があることから、金属酸化物が酸化錫、酸化亜鉛、及び酸化チタンからなる群より選択される少なくとも1種類以上を含むことが好ましい。
本発明の好ましい実施態様において、金属酸化物は、リンをドープした酸化錫を含む。リン含有化合物のリンオキソ酸部位が、リンドープ酸化錫の表面全体に均一かつ高密度に反応することにより、潤滑性部位の効果が好適に得られるためである。
金属酸化物は、5nm以上、300nm以下の平均一次粒径を有することが好ましい。この平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡を用いて観察して得られた像から、金属酸化物粒子の長軸と短軸の平均値を算出し、前記平均値の粒子100個の平均値を導出することで求めることができる。金属酸化物の粒径が大き過ぎると、画質劣化を引き起こす恐れがある。また、金属酸化物の粒径が小さ過ぎると、凝集性が高くなり、耐摩耗性の低下を引き起こす恐れがある。
金属酸化物の平均一次粒径は、10nm以上、100nm以下であることが、より好ましい。
金属酸化物は、3以上のアスペクト比を有することができる。3以上のアスペクト比を有する金属酸化物は、針状の形態をとることができる。アスペクト比が大き過ぎると分散性の低下や、塗工性の劣化が生じる恐れがあることからアスペクト比は50以下とすることができる。
リン含有化合物で表面処理された金属酸化物と光硬化性樹脂との重量比[リン含有化合物で表面処理された金属酸化物]:[光硬化性樹脂]は、1:100から100:100の範囲とすることができ、より具体的には、5:100から80:100の範囲とすることができる。光硬化性樹脂に対する金属酸化物の量が多すぎると、帯電性の低下や黒ポチなどの画像欠陥、像流れが生じる恐れがある。一方、光硬化性樹脂に対する金属酸化物の量が少なすぎると、良好な感度特性が得られない恐れがある。
以下、図6を参照しながら、一実施形態にかかるリン含有化合物の一例であるリン酸エステル化合物の調製方法及び金属酸化物の表面処理方法を説明する。
初めに、金属酸化物に表面処理を施すための表面処理剤を調製する。リン酸エステル部位でもあるリン酸基を含むリンオキソ酸部位を有する、アクリレート及びメタクリレートからなる群より選択される少なくとも1種類以上と、光反応性部位を有するイソシアネートとウレタン結合可能な官能基を有する、アクリレート及びメタクリレートからなる群より選択される少なくとも1種類以上と、潤滑性部位を有する、アクリレート及びメタクリレートからなる群より選択される少なくとも1種類以上と、必要に応じて重合開始剤とを、溶媒の存在下、不活性ガス雰囲気中で重合反応させる(図6中、重合反応1段階目)。その後、光反応性部位を有するイソシアネートを添加し、触媒の存在下、重合反応させる(図6中、重合反応2段階目)。これにより、アクリル系の主鎖を有するリン酸エステル化合物を含む表面処理剤が得られる。重合反応1段階目の反応条件は、40℃以上、120℃以下で、1時間以上、12時間以下とすることができる。
リンオキソ酸部位を有する、アクリレート又はメタクリレートとしては、アシッドホスホオキオシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシエチレングリコールモノメタクリレート等を挙げることができる。光反応性部位を有する、イソシアネートとウレタン結合可能な官能基を有するアクリレート又はメタクリレートとしては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート等を挙げることができる。潤滑性部位を有する、アクリレート又はメタクリレートとしては、潤滑性部位がケイ素を含むものである場合には、アクリル変性又はメタクリル変性された、反応性シリコーンオイル等を挙げることができ、潤滑性部位がフッ素を含むものである場合には、オクタフルオロペンチルアクリレートや、構造式(5)で表される2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート等を挙げることができる。
Figure 0006581487
重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(AMBN)、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル(ADVN)等を挙げることができる。溶媒としては、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジメチルスルホキシド、トルエン等を挙げることができる。光反応性部位を有するイソシアネートとしては、2−イソシアナトエチルメタクリレート、2−イソシアナトエチルアクリラート等を挙げることができる。触媒としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、トリフェニルホスフィン等を挙げることができる。
得られた表面処理剤と金属酸化物を分散溶媒にサンドミル等を用いて分散させることにより、表面処理された金属酸化物を含む溶液が得られる。分散溶媒としては、メタノール、n−プロパノール、及びこれらの混合物等を挙げることができる。得られた表面処理された金属酸化物を含む溶液は、光硬化性樹脂の出発物質及びその他の材料、例えば重合開始剤、溶媒等と合わせて保護層塗布液を構成することができる。このときの重合開始剤としては、α-アミノアルキルフェノン系、α-ヒドロキシアルキルフェノン系、オキシムエステル系等の各種ラジカル型光重合開始剤を用いることができ、溶媒としては、前述した分散溶媒と同様のものを用いることができる。
上記の保護層塗布液では、リン含有化合物により処理された金属酸化物は、均一に分散する。また、本発明に用いるリン含有化合物は、金属酸化物と反応して複合体を形成しているため、金属酸化物と同様に均一に分散することができる。これは、リン含有化合物が有する潤滑性部位が均一に分散されていることでもある。本発明の特徴の1つは、リン含有化合物により処理された金属酸化物の均一な分散性を利用したものである。
図6は、リン酸エステル部位でもあるリン酸基を含むリンオキソ酸部位を有するメタクリレートとしてアシッドホスホオキシエチルメタクリレートを用い、光反応性部位を有するイソシアネートとウレタン結合可能な官能基を有するメタクリレートにHEMAを用い、潤滑性部位を有するメタクリレートにメタクリル変性された片末端反応性シリコーンオイルを用い、光反応性部位を有するイソシアネートとして2−イソシアナトエチルメタクリレートを用いたときの重合反応を示す。重合反応2段階目では、HEMAのヒドロキシル基とイソシアネートのイソシアネート基がウレタン結合を形成する。
なお、ここではアクリル系の主鎖を有するリン含有化合物の調製方法を説明したが、エポキシ系の主鎖を有するリン含有化合物は、例えば、リンオキソ酸部位、光反応性部位、潤滑性部位をそれぞれ有する出発原料に反応性のエポキシ基を有するものを用い、エポキシ基を開環重合させることで調製することができる。
保護層にはさらに電荷輸送物質を含有させることも可能である。保護層に電荷輸送物質を含有させることによって残留電位の低減や感度劣化の抑制が可能となる。保護層に用いられる電荷輸送物質は、前述の電荷輸送層に記述されたすべての電荷輸送物質を使用することが可能である。
保護層の膜厚は0.1μm以上、10μm以下が好ましく、1μm以上、7μm以下がより好ましい。
保護層塗布液を硬化することで、保護層を得ることができる。保護層塗布液は、活性線を照射することでラジカル重合を生じさせ、分子間に架橋結合を形成して硬化することが好ましい。活性線の種類としては、電子線、紫外線があるが、量産性などを考えると、紫外線が好ましい。照射装置としては、メタルハライドランプ、水銀ランプ、紫外線LED等を用いることができる。
(中間層)
導電性支持体と感光層との間に中間層を設けてもよい。中間層は、界面での電荷注入を制御するバリヤー層や接着層として機能する。中間層は主にバインダー樹脂から成るが、金属や合金、若しくはそれらの酸化物、塩類及び界面活性剤等を含んでもよい。中間層を形成するバインダー樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、及びブチラール樹脂等が挙げられる。中間層の膜厚は、好ましくは0.05μm以上、7μm以下であり、より好ましくは0.1μm以上、2μm以下である。
感光層及び保護層、並びに必要に応じて中間層は、公知の塗布方法により導電性支持体に適用することができる。具体的には、ブレード塗布法、浸漬塗布法、スプレー塗布法などが挙げられる。
以上説明したように、本実施形態にかかる電子写真感光体1は保護層5内に、金属酸化物と反応可能なリンオキソ酸部位61、光反応性部位62、及び潤滑性部位63を側鎖に有する重合体であるリン含有化合物6で表面処理された金属酸化物52と、光硬化性樹脂51とを含む。よって、リン含有化合物で表面された金属酸化物の光反応性部位と、光硬化性樹脂とを架橋することができる。これは、リン含有化合物が有する潤滑性部位が、金属酸化物と共に、保護層内で均一に分散した状態で固定されることでもある。よって、従来用いられてきた潤滑材のシリコーンオイルのように、表面に偏析することがない。また、電子写真感光体の使用中、徐々に保護層が削れていっても潤滑性が短期的に失われることがなく、優れたクリーニング性を長期にわたって発揮できる。さらに、光反応性部位と光硬化性樹脂との架橋構造により、保護層の強度を向上することもできる。このようにして耐久性に優れた電子写真感光体を実現できる。
<電子写真装置>
本発明の電子写真装置は、本発明の電子写真感光体と、電子写真感光体の周面を帯電させる帯電手段と、像露光手段と、現像手段と、クリーニング手段と、を備えて構成される。以下、図7を参照して説明する。
図7は、本発明の一実施形態にかかる電子写真装置10の模式図である。電子写真装置10は、像露光手段として半導体レーザ(像露光装置)11を備える。制御回路20により画像情報によって信号変調されたレーザ光は、放出後に補正光学系12を介して平行化され、回転多面鏡13により反射されて走査運動を行う。レーザ光は、f−θレンズ14により、電子写真感光体1の表面上に集光されて画像情報の露光を行う。電子写真感光体1は、あらかじめ帯電手段である帯電装置15により帯電されているので、この露光によって表面に静電潜像が形成される。次いで、現像手段である現像装置16により、電子写真感光体1上に形成された静電潜をトナーで現像してトナー像を形成することで可視画像化が行われる。この可視画像は、転写手段である転写装置17により紙のような画像受容体21に転写され、定着手段である定着装置19で定着されてプリント物として提供される。電子写真感光体1は、表面に残存するトナーやトナーの成分をクリーニング手段であるクリーニング装置18により除去して反復して使われうる。
図7に示すドラム状の電子写真感光体1は、軸を中心に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体は、回転過程において、帯電手段によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受ける。印加される電圧としては、例えば直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧である。ここではドラム状の電子写真感光体を説明したが、シート状又はベルト状の電子写真感光体を用いることもできる。
帯電装置15は、帯電ローラ、帯電ブラシなどの帯電部材を感光体に接触させて電荷を与える接触帯電装置が使用される。また、図7に示したような帯電装置15だけでなく、非接触方式の帯電ローラ、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等を帯電手段として用いることもできる。
なお、電子写真装置における電子写真感光体、帯電手段、現像手段等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成することも可能である。
以上説明したように、本実施形態にかかる電子写真装置10は、前述したような耐久性に優れた電子写真感光体1を備えるため、使用中に感光体の表面が徐々に削れていってもその表面の潤滑性が失われにくく、感光体のクリーニング性が長期にわたって良好である。したがって、クリーニング手段が損傷を受けにくく、感光体のみならずクリーニング手段をもより長期にわたって使用可能となることから、電子写真装置の長寿命化を実現できる。
別の実施形態において、本発明は、クリーニング性が長期にわたって良好である、耐久性に優れた電子写真感光体の製造方法に関する。
本発明の電子写真感光体の製造方法は、導電性支持体上に感光層を形成する工程、前記感光層上に保護層を形成する工程を包含し、前記保護層は、リン含有化合物で表面処理されている金属酸化物と光硬化性樹脂とを硬化させることにより形成され、前記表面処理は、前記リン含有化合物と前記金属酸化物とを混合することにより行われ、前記リン含有化合物は、前記金属酸化物と反応可能なリンオキソ酸部位と、光反応性部位と、フッ素及びケイ素からなる群より選択される少なくとも1種類以上を含む潤滑性部位とを側鎖に有する重合体であり、前記金属酸化物は、酸化錫、酸化亜鉛、及び酸化チタンからなる群より選択される少なくとも1種類以上を含む、製造方法である。
なお、感光層が負帯電積層型である場合、前記感光層を形成する工程は、前記導電性支持体上に、電荷発生層を形成する工程と、前記電荷発生層上に電荷輸送層を形成する工程とを含む。
また、別の実施形態において、本発明は、クリーニング性が長期にわたって良好である、耐久性に優れた電子写真装置の製造方法に関する。本発明の電子写真装置の製造方法は、本発明の電子写真感光体を用いることにより、達成される。
すなわち、本発明の電子写真装置の製造方法は、本発明の電子写真感光体に、上記帯電手段として機能する帯電装置、像露光手段として機能する露光装置、現像手段として機能する現像装置、クリーニング手段として機能するクリーニング装置を組み合わせることによる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。
〔製造例1〕
感光体を以下の手順で作製した。
(導電性支持体)
導電性支持体として、外径30mmのアルミニウム素管を用いた。
(中間層)
下記の材料を、ビーズミルを使用して5時間分散した。ポリアミド樹脂にはCM8000(東レ株式会社製)を用い、酸化チタンにはMT−500SA(テイカ株式会社製)を用いた。
ポリアミド樹脂 5重量部
酸化チタン 5重量部
メタノール 50重量部
n−プロパノール 10重量部
分散した液を導電性支持体に浸漬塗布し、膜厚1μmの中間層を形成した。
(電荷発生層)
下記の材料を、ビーズミルを使用して3時間分散した。ブチラール樹脂にはBX−5(積水化学株式会社製)を用いた。
オキソチタニルフタロシアニン顔料(Y型) 10重量部
ブチラール樹脂 10重量部
1,2−ジメトキシエタン 900重量部
シクロヘキサノン 100重量部
分散した液を、中間層を形成した導電性支持体に浸漬塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層)
下記の材料をTHF100重量部に混合し、溶解した。ポリカーボネートには、PCZ−500(三菱ガス化学株式会社社製)を用いた。
電荷輸送物質:1,1−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン 10重量部
バインダー樹脂:ポリカーボネート 10重量部
酸化防止剤:BHT 0.1重量部
溶解した液を、前述のとおり電荷発生層を形成した導電性支持体に浸漬塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。その後、135℃で30分乾燥を行った。これにより、電荷発生層の上に電荷輸送層を積層して構成した感光層を形成した。
(保護層)
成分Aとして、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート[ホスマーM(ユニケミカル株式会社製)]を用い、成分Bとして、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)[東京化成工業製]を用い、成分Cとして、片末端反応性シリコーンオイル[X−22−174DX(信越シリコーン製)]を用いた。これらの成分を、成分A:成分B:成分Cのモル比が30:40:30となるように用意した。3つの成分の合計100重量部に対して、開始剤としてAIBNを5重量部加えた。固形分、すなわち3つの成分AからCとAIBNを合わせたものが15重量%となるようにジエチレングリコールエチルメチルエーテルを加え、窒素置換下で撹拌しながら70℃で4時間、重合反応を行い、反応液1を得た。
このようにして得られた100重量部の反応液1に、HEMAの仕込み量と同じモル数の2−イソシアナトエチルメタクリレート[カレンズMOI(昭和電工株式会社製)]を添加し、さらに触媒として10重量部のジブチルスズジラウレートを添加した。これを撹拌しながら65℃で反応させた。この間、HEMAのヒドロキシル基と2−イソシアナトエチルメタクリレートのイソシアネート基との反応を確認するため、FT−IRを用いて、イソシアネートのピーク減少を確認しながら行った。6時間後、イソシアネートのピークが無くなった反応液2(本発明に用いるリン含有化合物を含む溶液)を得た。この反応液2をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)にかけることにより、得られたリン含有化合物の重量平均分子量を測定した。この結果を表1に示す。また、得られたリン含有化合物の光反応性部位及びリンオキソ酸部位における官能基と、潤滑性部位の構造タイプを併せて表1に示す。
下記のとおり、金属酸化物の表面処理を行った。
金属酸化物として、リンドープ酸化錫(以下、PTOと表記)[SP−2(三菱電子マテリアル化成株式会社製)]を用いた。用いた金属酸化物の平均一次粒径を表1に示す。分散溶媒として、メタノールとn−プロパノールを重量比で7:3の割合で混合したものを用いた。これら材料と反応液2を下記の割合で混合し、サンドミルを用いて6時間分散した。
反応液2 0.1重量部
金属酸化物 10重量部
分散溶媒 40重量部
このようにして得られた溶液は固形分として表面処理されたPTOを20重量%含んでおり、この溶液を以下、PTO液(リン含有化合物で表面処理された金属酸化物の溶液)として用いた。
なお、平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製)により粒子の拡大写真を投影し、スキャナーで取り込んだ写真画像を、画像解析することによって算出した。
〔製造例1〕
下記のとおり、保護層を形成した。
重合開始剤として、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン[Irgacure907(チバ・ジャパン株式会社製)]を用い、光硬化性樹脂として、ウレタンアクリレートオリゴマー[UV−7605B(日本合成株式会社製)](重量平均分子量:1100、数平均分子量:800)を用い、分散溶媒として、メタノールとn−プロパノールを重量比で7:3の割合で混合したものを用いた。これらの材料を上記のようにして得られた10重量部のPTO液に対して下記の割合で加え、遮光下で混合撹拌し、保護層塗布液を調製した。
重合開始剤 0.6重量部
光硬化性樹脂 10重量部
分散溶媒 42.4重量部
前述のとおり感光層を形成した後で乾燥した導電性支持体に保護層塗布液を浸漬塗布した。塗布後、80℃で10分、溶媒の乾燥を行った。乾燥後、160W/cmのメタルハライドランプを用いて、ランプからの距離が100mmの位置で導電性支持体を回転させながら1分間照射し、膜厚5μmの保護層を形成することで感光体を作製した。
〔製造例2〕
反応液2を調製する際、2−イソシアナトエチルメタクリレート[カレンズMOI(昭和電工株式会社製)]に代えて、2−イソシアナトエチルアクリラート[カレンズAOI(昭和電工株式会社製)]を用いたこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。
〔製造例3〕
反応液1を調製する際、片末端反応性シリコーンオイル[X−22−174DX(信越シリコーン製)]に代えて、オクタフルオロペンチルアクリレート[ビスコート8F(大阪有機化学工業株式会社製)]を用いたこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。
〔製造例4〕
反応液1を調製する際、反応時間を短くし、リン含有化合物の重量平均分子量を5000に小さく調整したこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。
〔製造例5〕
表面処理する金属酸化物として、PTOに代えてアンチモンドープ酸化錫(以下、ATOと表記)[T−1(三菱電子マテリアル化成株式会社製)]を用いたこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。
〔製造例6〕
表面処理する金属酸化物であるPTO[SP−2(三菱電子マテリアル化成株式会社製)]を、ゾル状のPTO[CX−S204IP(日産化学工業製)(固形分20%IPAゾル溶液)]に代え、分散溶媒を加えずに、反応液2及び金属酸化物を下記の割合で混合して6時間撹拌したこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。
反応液2 0.1重量部
金属酸化物 50重量部(固形分 10重量部)
〔製造例7〕
表面処理する金属酸化物としてPTO[SP−2(三菱電子マテリアル化成株式会社製)]に代えて、針状ATO[FS−10P(石原産業製)]を用いたこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。用いた金属酸化物は、長軸の長さが0.2μm以上、2.0μm以下、短軸の長さが0.01μm以上、0.02μm以下であり、アスペクト比が20以上、30以下であった(表1には、平均一次粒径の欄に「不定形」と表記している)。なお、長さの測定には、走査型電子顕微鏡を用いた。
〔製造例8〕
表面処理する金属酸化物としてPTO[SP−2(三菱電子マテリアル化成株式会社製)]に代えて、酸化錫[S−2000(三菱電子マテリアル化成株式会社製)]を用いたこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。
〔製造例9〕
表面処理する金属酸化物としてPTO[SP−2(三菱電子マテリアル化成株式会社製)]に代えて、酸化チタン[MT500B(テイカ株式会社製)]を用いたこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。
〔製造例10〕
表面処理する金属酸化物としてPTO[SP−2(三菱電子マテリアル化成株式会社製)]に代えて、アンチモンドープ酸化亜鉛(以下、AZOと表記)[CX−Z210IP(日産化学工業製)(固形分20%IPAゾル溶液)]を用い、分散溶媒を加えずに、反応液2及び金属酸化物を下記の割合で混合して6時間撹拌したこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。
反応液2 0.1重量部
金属酸化物 50重量部(固形分 10重量部)
〔製造例11〕
光硬化性樹脂として、ウレタンアクリレートオリゴマー[UV−7605B(日本合成株式会社製)]に代えて、4官能アクリルモノマーであるジトリメチロールプロパンテトラアクリレートモノマー[SR355(サートマー社製)]を用いたこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。
〔製造例12〕
光硬化性樹脂として、10重量部のウレタンアクリレートオリゴマー[UV−7605B(日本合成株式会社製)]に代えて、5重量部のウレタンアクリレートオリゴマー[UV−7605B(日本合成株式会社製)]と5重量部のポリアクリレートデンドリマー[SIRIUS−501(大阪有機化学工業株式会社製)]とを合わせたものを用いたこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。
〔製造例13〕
光硬化性樹脂として、10重量部のウレタンアクリレートオリゴマー[UV−7605B(日本合成株式会社製)]に代えて、4重量部のウレタンアクリレートオリゴマー[UV−7605B(日本合成株式会社製)]、1重量部のウレタンアクリレートオリゴマー[UT−5670(日本合成株式会社製)]、及び5重量部のポリアクリレートデンドリマー[SIRIUS−501(大阪有機化学工業株式会社製)]を合わせたものを用いたこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。
〔製造例14〕
電荷発生層の顔料として、オキソチタニルフタロシアニン顔料(Y型)に代えて、ガリウムフタロシアニン顔料(V型)を用いたこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。
〔製造例15〕
電荷発生層の顔料として、10重量部のオキソチタニルフタロシアニン顔料(Y型)に代えて、5重量部のオキソチタニルフタロシアニン顔料(Y型)、及び5重量部のガリウムフタロシアニン顔料(V型)を合わせたものを用いたこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。
〔製造例16〕
金属酸化物に表面処理を施さない、すなわち、保護層塗布液を調製する際、PTO液に代えて、固形分20重量%となるようにPTO[SP−2(三菱電子マテリアル化成株式会社製)]のみを含む溶液を用いたこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。
〔製造例17〕
金属酸化物の表面処理を行う際、0.1重量部の反応液2に代えて、1重量部のアシッドホスホオキシエチルメタクリレート[ホスマーM(ユニケミカル株式会社製)]のみを同じ分散溶媒に含む溶液を用いたこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。
〔製造例18〕
製造例16と同様に金属酸化物に表面処理を施さず、製造例1と同じ保護層塗布液にPTO液を用いずに、0.1重量部の両末端変性シリコーン[X−22−2445(信越シリコーン製)]を添加したこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。
〔製造例19〕
表面処理する金属酸化物として、PTO[SP−2(三菱電子マテリアル化成株式会社製)]に代えて、アルミナ[スミコランダムAA−03(住友化学工業株式会社製)]を用いたこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。
〔製造例20〕
表面処理する金属酸化物として、PTO[T−1(三菱電子マテリアル化成株式会社製)]に代えて、シリカ[KMPX−100(信越化学株式会社製)]を用いたこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。
〔製造例21〕
反応液1を調製する際、反応時間を長くし、リン含有化合物の重量平均分子量を120000に大きく調整したこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。
〔製造例22〕
電荷発生層の顔料として、オキソチタニルフタロシアニン顔料(Y型)に代えて、無金属フタロシアニン(X型)を用いたこと以外は、製造例1と同様にして感光体を作製した。
Figure 0006581487
作製した感光体について、以下のように測定及び評価を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0006581487
<初期特性>
マルテンス硬度を微小硬度計[フィッシャー・インストルメンツ社製ピコデンターHM500]にて測定した。また、同じ硬度計を用いて1mNの加重で押し込んだときの弾性仕事率を測定した。
さらに、純水接触角については、滴下式の接触角計(協和界面化学(株)社製)により測定した。これらの初期特性を表2に示す。
<電位測定>
作製した感光体を10℃、湿度10%の条件下、露光後の電位を、初期の電位VLとして表面電位計[トレック・ジャパン株式会社製、型番:MODEL344]の測定プローブで測定した。
また、後述のクリーニング不良の評価後、初期の電位VLと同様にして、露光後の電位をVLendとして同じ測定プローブで測定した。
<ブレード鳴き>
初期の電位VLを測定した後、感光体を電子写真装置[三星株式会社製CLX−8650ND]に装着した。次いで、30℃、湿度80%の条件下、A4サイズの中性紙上にYMCBk各色の印字率5%のA4画像を60万枚印刷している間に、ブレードの鳴きを確認した。その結果を表2に示す。なお、評価基準は下記の通りである。
◎:60万枚終了するまでブレードの鳴き無し
○:感光体の起動時・停止時に軽微な鳴きあり(実使用上問題無し)
×:連続的にブレードの鳴きあり
<画像ボケ>
ブレード鳴きを評価した後、1晩放置し、翌朝、ハーフトーン画像と、テキスト5%チャートを印字し、画像ボケ及び画像流れの有無を判定した。その結果を表2に示す。なお、評価基準は下記の通りである。
◎:画像ボケ・流れ発生無し
○:軽微な画像ボケ・流れ発生(実使用上問題無し)
×:画像ボケ・流れ発生
<クリーニング不良>
画像ボケの評価後、10℃、湿度10%の条件下、印字率5%のA4画像を30万枚印刷した。この後に、ハーフトーン(HT)画像を形成し、クリーニング性能について下記の評価基準で目視判断した。その結果を表2に示す。
◎:クリーニング不良による画像欠陥無し
○:帯電ローラ及び帯電クリーニングローラ上のうち、少なくとも一方以上にトナーがすり抜けた痕あり
×:クリーニング不良による画像欠陥あり
<傷>
VLendを測定した後、目視で感光体表面の傷を確認した。その結果を表2に示す。なお、評価基準は下記の通りである。
◎:目立った傷無し
○:1箇所以上、5箇所以下の傷あり(実使用上問題無し)
×:6箇所以上傷あり
<膜減耗率>
感光体の初期の膜厚と、VLendの測定及び感光体の表面の傷を確認した後の膜厚を、渦電流式膜厚計[株式会社フィッシャー・インストルメンツ製フィッシャースコープMMS]で測定した。初期の膜厚と、VLendを測定した後の膜厚との差を、キロ単位で表した感光体の回転数で割った値を膜減耗率とした。結果を表2に示す。表2中の「k OPC cycle」は、キロ単位で表した感光体の回転数である。例えば、10k OPC cycleは、感光体が1万回、回転したことを示す。よって、膜減耗率は、この1万回の回転により、摩耗した膜厚(nm)を10で割った数値である。
製造例1から15の感光体は、90万枚印刷後の電位の変化量が少なく、電気特性が良好であった。また、印刷中のブレード鳴き、60万枚印刷後の画像ボケ、これにさらに30万枚印刷した場合のクリーニング不良、これらの90万枚の印刷後における傷の評価結果も良好であった。さらに、膜減耗率も少なく、良好な結果であった。このように、長期にわたって、感光体に必要な特性を満足する結果となった。これらの結果から、長期の繰り返し使用によっても、感光体表面の摩耗が少なく、クリーニング性を維持でき、耐キズ性も良好で、フィルミングや画像ボケの発生が少ない、耐久性の高い感光体を得られたことが確認できた。
製造例16では、30℃、湿度80%の条件下、印刷の途中でクリーニングブレードの反転が起こった。これは、水の接触角が製造例1と比較して小さかったことからも分かるように、表面処理を施さなかった金属酸化物では十分な摺動性が得られなかったためである。また、初期の電位VLの低下の原因は、金属酸化物が、リン含有化合物によって表面処理されていないため、保護層中における分散性が悪いことによる。
なお、評価の途中にクリーニングブレードの反転が起った製造例には、欄外の横に「※1」を並べて表記している。
製造例17では、30℃、湿度80%の条件下、印刷の途中でクリーニングブレードの反転が起こった。これは、水の接触角が製造例1と比較して小さかったことからも分かるように、側鎖に潤滑性部位を持たないリン含有化合物では十分な摺動性が得られなかったためである。
製造例18では、保護層に摺動性改質剤として両末端変性シリコーンを添加したため、水の接触角が大きく初期の摺動性は十分であったものの、60万枚の印刷の間に摺動性が失われてしまい、連続的なブレード鳴きを発生した。また、軽微ではあったが、画像ボケと画像流れを発生した。さらに、この後の30万枚の印刷では、クリーニング不良、感光体表面の摩耗も観察された。これは、両末端変性シリコーンが表面に偏析してしまう現象が起こり、摩耗によって印刷の途中でその効果が失われてしまったためである。これに対して、製造例1では、潤滑性部位を有するリン含有化合物が膜内に均一に分散して固定(硬化)されているため、偏析が起こり難く、効果が持続された。
金属酸化物としてアルミナを用いた製造例19、及びシリカを用いた製造例20では、十分な感度が得られず、印刷後の評価ができなかった。これは、初期の電位VLが測定不能であったことから、金属酸化物の抵抗値が関係していると考えられた。なお、初期の電位VLが測定不能であった製造例には、欄外の横に「※2」を並べて表記している。
これに対して、酸化錫、酸化亜鉛、又は酸化チタンを含有する金属酸化物を用いた例(例えば、製造例1、製造例5から10)では、良好な電気特性が得られた。
製造例1、4、及び21の結果より、リン含有化合物の分子量が100000を超えると、100000以下のものに比較して感光体表面の硬度が低くなり、膜減耗率が大きくなる傾向が見られた。これは、詳細は不明であるが、リン含有化合物の分子構造が大きくなることによって、光硬化性樹脂の反応を阻害してしまうためだと考えられる。また、製造例21では、製造例1及び4に比較して90万枚印刷後の電位が大きくなり、リン含有化合物の分子量が電気特性にも影響を及ぼすことを示唆していた。これは、未反応の官能基が電荷のトラップになることがあるためだと考えられる。なお、印刷時にクリーニングブレードが反転して、その後の評価ができなかった製造例16から17、及び初期の電気特性が評価できなかった製造例19から20と比べると製造例21における電子写真感光体は、本評価において、使用可能なものであった。
電荷発生層の顔料として無金属フタロシアニンを用いた製造例22では、オキソチタニルフタロシアニン及びガリウムフタロシアニンからなる群より選択される少なくとも1種類以上を用いた例(例えば、製造例1、14から15)と比較して、電位及びその変化量が大きくなった。この結果から、電荷発生層の顔料はその種類によって感光体の感度特性に影響を与えるものと考えられる。なお、製造例22における電子写真感光体は、本評価において、使用可能なものであった。
以上のように、本発明を実施の形態及び実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されない。該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白である。本発明の単純な変形ないし変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は他の実施の態様も含む。
1…電子写真感光体、
2…導電性支持体、
34…感光層、
3…電荷発生層、
4…電荷輸送層、
5…保護層、
51…光硬化性樹脂、
52…金属酸化物、
6…リン含有化合物、
61…リンオキソ酸部位、
62…光反応性部位、
63…潤滑性部位、
7…金属酸化物、
10…電子写真装置、
11…半導体レーザ(露光手段)、
12…補正光学系、
13…回転多面鏡、
14…f−θレンズ、
15…帯電装置(帯電手段)
16…現像装置(現像手段)、
17…転写装置(転写手段)、
18…クリーニング装置(クリーニング手段)、
19…定着装置(定着手段)、
20…制御回路、
21…画像受容体。

Claims (13)

  1. 導電性支持体上に、感光層及び保護層をこの順に備えた電子写真感光体において、
    前記保護層は、光硬化性樹脂と、リン含有化合物で表面処理されている金属酸化物とを含み、
    前記金属酸化物は、酸化錫、酸化亜鉛、及び酸化チタンからなる群より選択される少なくとも1種類以上を含み、
    前記リン含有化合物は、前記金属酸化物と反応可能なリンオキソ酸部位と、光反応性部位と、フッ素及びケイ素からなる群より選択される少なくとも1種類以上を含む潤滑性部位とを側鎖に有する重合体であることを特徴とする、電子写真感光体。
  2. 前記重合体は、グラフト重合体であることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記リンオキソ酸部位は、一般式(1)で示される構造を含む、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006581487

    式中、Rはアルキル基、アリール基、及び水素原子からなる群より選択される少なくとも1種類以上であり、Aは酸素原子及びメチレン基からなる群より選択される少なくとも1種類以上である。
  4. 前記光反応性部位は、一般式(2)で示される構造を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006581487

    式中、Rはアルキレン基であり、Yは光反応性官能基である。
  5. 前記光反応性官能基は、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群より選択される少なくとも1種類以上である、請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 前記潤滑性部位は、一般式(3)で示される構造を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006581487

    式中、Xはアルキル基であり、Xはアルキル基及びアリール基からなる群より選択される少なくとも1種類以上であり、Xはアルキル基及びアリール基からなる群より選択される少なくとも1種類以上であり、nは1以上、500以下の整数であり、nは1以上、500以下の整数である。
  7. 前記潤滑性部位は、一般式(4)で示される部位を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006581487

    式中、mは1以上、400以下の整数である。
  8. 前記リン含有化合物は、300以上、100000以下の重量平均分子量を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  9. 前記金属酸化物は、5nm以上、300nm以下の平均一次粒径を有する、請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  10. 前記金属酸化物は、3以上のアスペクト比を有する、請求項1から9のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  11. 前記光硬化性樹脂は、アクリル系のモノマー、オリゴマー、及びデンドリマーからなる群より選択される少なくとも1種類以上の出発物質から形成されるアクリル系樹脂である、請求項1から10のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  12. 前記感光層は、オキソチタニルフタロシアニン及びガリウムフタロシアニンからなる群より選択される少なくとも1種類以上を含む、請求項1から11のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体に対して露光を行い前記電子写真感光体の上に静電潜像を形成する像露光手段と、前記電子写真感光体の上に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を転写材に転写した後の前記電子写真感光体の上に残るトナーを除去するクリーニング手段とを備えた、電子写真装置。
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