JP6024689B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置において用いられる電子写真感光体に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置において用いられる電子写真感光体(以下、単に「感光体」ともいう。)としては、無機感光体および有機感光体が知られている。
ここにいう「電子写真方式」とは一般に、光導電性の感光体をまず暗所で、例えばコロナ放電によって帯電させ、次いで露光し、露光部のみの電荷を選択的に逸散させて静電潜像を得て、この潜像部を染料、顔料などの着色剤および樹脂材料などで構成されるトナーで現像し、可視化して画像を形成する画像形成プロセスである。
有機感光体は、無機感光体に比べ、感光波長域の自由度、成膜性、可撓性、膜の透明性、量産性、毒性やコスト面などにおいて利点を有するため、現在ではほとんどの感光体には有機感光体が用いられている。
近年、有機感光体には、高い耐久性および高画質化が求められている。
例えば、感光体の耐摩耗性の実現や高品質の画像を形成するために、特許文献1には、電子輸送機能を有する、酸化アルミ、二酸化チタンおよび酸化スズなどからなるN型半導体微粒子を架橋表面層に添加した感光体が提案されている。
しかしながら、このような感光体を繰り返し使用すると、露光後の残留電位が大きいものとなり、長期間にわたって安定して高品質な画像を形成することができないという問題がある。これは、上記のN型半導体微粒子がホール(正孔)輸送機能を有さないものであることから、電荷輸送層と表面層との界面、および、表面層内の粒子界面で電荷発生層由来のホール(正孔)がトラップされ、効果的に感光体表面の負電荷をキャンセルできないためと考えられる。
一方、ホール輸送機能を有する有機化合物を架橋表面層に添加した感光体が知られている。このような感光体においては、初期においては残留電位が低減されるものの、繰り返しの使用によっては有機化合物の劣化により機能が失われるため、その効果が発揮されない。また、ホール輸送機能を有する有機化合物は、一般に可塑化作用を有するため、表面層の膜硬度が低下する。
また、P型半導体微粒子を架橋表面層に添加した感光体が知られている。このような感光体においては、ホール輸送機能が電子輸送機能に比べ劣る(移動度が小さい)ため、残留電位を十分に小さいものとすることが難しい。
特開2010−164646号公報
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、高い耐久性を維持しながら、繰り返しの使用によっても露光後の残留電位が小さく抑制される電子写真感光体を提供することにある。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層が形成され、この感光層上に表面層が形成されてなる電子写真感光体において、
前記表面層は、架橋性の重合性化合物の重合反応物である樹脂、N型半導体微粒子およびP型半導体微粒子を含有し、
前記表面層において、前記N型半導体微粒子に対する前記P型半導体微粒子の割合が質量比(P型半導体微粒子の質量部数/N型半導体微粒子の質量部数)で、0.1以上0.8以下であることを特徴とする。
本発明の電子写真感光体においては、前記N型半導体微粒子がSnO2 であり、
前記P型半導体微粒子がCuMO2 (ただし、Mは、Al、GaまたはInを示す。)であることが好ましい。
本発明の電子写真感光体によれば、表面層中に、架橋性の重合性化合物を重合反応することによって得られる樹脂、N型半導体微粒子およびP型半導体微粒子が含有されていることにより、高い耐久性を維持しながら、繰り返しの使用によっても露光後の残留電位が小さく抑制される。
本発明の電子写真感光体が備えられる画像形成装置の一例における構成を示す説明用断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔電子写真感光体〕
本発明の感光体の層構成は、導電性支持体上に、感光層が形成され、この感光層上に表面層が形成されてなるものであれば特に限定されないが、具体的には下記(1)および(2)に示すように、感光層および表面層がこの順に積層されてなる層構成が挙げられる。
(1)導電性支持体上に、中間層、感光層として電荷発生層および電荷輸送層、並びに表面層がこの順に積層されてなる層構成。
(2)導電性支持体上に、中間層、感光層として電荷発生物質および電荷輸送物質を含む単層、並びに表面層がこの順に積層されてなる層構成。
本発明の感光体は、有機感光体であり、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能および電荷輸送機能の少なくとも一方の機能が有機化合物によって発現される電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質または有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能とを高分子錯体で構成した感光体などを含むものとする。
〔表面層〕
本発明の感光体を構成する表面層は、架橋性の重合性化合物を重合反応することによって得られる樹脂(以下、「表面層用バインダー樹脂」ともいう。)、N型半導体微粒子およびP型半導体微粒子を含有する。
本発明の感光体においては、表面層が架橋性の重合性化合物を重合反応することによって得られる樹脂により構成されていることにより、基本的に高い膜硬度が得られ、また、N型半導体微粒子およびP型半導体微粒子が含有されていることにより、フィラー効果が得られ、より一層高い膜硬度が得られる。そして、本発明においては、N型半導体微粒子およびP型半導体微粒子を併用していることにより、電子輸送機能およびホール輸送機能の両機能を有するため、繰り返しの使用によっても残留電位が小さく抑制される。
また、一般に、表面層中の金属酸化物微粒子の添加量が大きくなると、表面層の導電性が高くなるので負電荷が保持されにくく、良好なドット再現性が得られない。特に、高温高湿環境下においては、金属酸化物微粒子の導電性が高くなるのみならず、金属酸化物微粒子の表面に存在する水酸基に空気中の水分が吸着して抵抗が低下するため、ドット再現性がさらに悪化する。詳細は明らかになっていないが、P型半導体微粒子であるCuAlO2 を単独で使用した場合においては、高温高湿環境下において良好なドット再現性が得られない。しかしながら、本発明においては、P型半導体微粒子をN型半導体微粒子と組み合わせて用いることにより、良好なドット再現性が得られる。
(表面層用バインダー樹脂)
表面層を構成する表面層用バインダー樹脂は、架橋性の重合性化合物を重合反応することによって得られるものである。架橋性の重合性化合物としては、具体的には、2個以上のラジカル重合性官能基を有する重合性化合物(以下、「多官能ラジカル重合性化合物」ともいう。)が挙げられる。このような表面層用バインダー樹脂は、紫外線や電子線などの活性線の照射により、多官能ラジカル重合性化合物を重合反応し、硬化させることにより形成されるものである。
表面層用バインダー樹脂を形成するためのモノマーとしては、多官能ラジカル重合性化合物と共に、ラジカル重合性官能基を1個有する化合物(以下、「単官能ラジカル重合性化合物」ともいう。)を併用することもできる。単官能ラジカル重合性化合物を用いる場合においては、その割合は、表面層用バインダー樹脂を形成するためのモノマー全量に対して20質量%以下が好ましい。
ラジカル重合性官能基としては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。
多官能ラジカル重合性化合物としては、少ない光量あるいは短い時間での硬化が可能であることから、ラジカル重合性官能基としてアクリロイル基(CH2 =CHCO−)またはメタクリロイル基(CH2 =CCH3 CO−)を2個以上有するアクリル系モノマーまたはこれらのオリゴマーであることが特に好ましい。従って、樹脂としてはアクリル系モノマーまたはそのオリゴマーにより形成されるアクリル系樹脂が好ましい。
本発明においては、多官能ラジカル重合性化合物は単独で用いても、混合して用いてもよい。また、これらの多官能ラジカル重合性化合物は、モノマーを用いてもよいが、オリゴマー化して用いてもよい。
以下、多官能ラジカル重合性化合物の具体例を示す。
Figure 0006024689
Figure 0006024689
ただし、上記の例示化合物(M1)〜(M14)を示す化学式において、Rはアクリロイル基(CH2 =CHCO−)を示し、R’はメタクリロイル基(CH2 =CCH3 CO−)を示す。
(N型半導体微粒子)
表面層を構成するN型半導体微粒子は、電荷を輸送するキャリアとして電子が用いられるものである。
本発明において用いられるN型半導体微粒子としては、例えば、SnO2 、TiO2 、Al2 3 などが挙げられ、得られる表面層の硬度、導電性、光透過性の観点から、SnO2 が好ましい。
N型半導体微粒子の数平均一次粒径は、1〜300nmが好ましく、特に好ましくは、5〜200nmである。
本発明において、N型半導体微粒子の数平均一次粒径は、以下のようにして測定される。
走査型電子顕微鏡(例えば日本電子製:JSM−7500F)により100000倍の拡大写真を撮影する。ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置「LUZEX AP(ソフトウエアバージョン Ver.1.32)」(ニレコ社製)を使用して数平均一次粒径を算出する。
N型半導体微粒子は、表面層用バインダー樹脂100質量部に対して30〜250質量部の割合で含有されることが好ましく、より好ましくは50〜200質量部である。
N型半導体微粒子としては、気相法、塩素法、硫酸法、プラズマ法、電解法などの一般的な方法で作製されたものを用いることができる。
(P型半導体微粒子)
表面層を構成するP型半導体微粒子は、電荷を輸送するキャリアとしてホール(正孔)が用いられるものである。
本発明において用いられるP型半導体微粒子としては、例えば、CuMO2 (ただし、MはAl、GaまたはInを示す。)などが挙げられる。
P型半導体微粒子の数平均一次粒径は、1〜300nmが好ましく、特に好ましくは、5〜200nmである。
本発明において、P型半導体微粒子の数平均一次粒径は、以下のようにして測定される。
走査型電子顕微鏡(例えば日本電子製:JSM−7500F)により100000倍の拡大写真を撮影する。ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置「LUZEX AP(ソフトウエアバージョン Ver.1.32)」(ニレコ社製)を使用して数平均一次粒径を算出する。
P型半導体微粒子は、表面層用バインダー樹脂100質量部に対して1〜250質量部の割合で含有されることが好ましく、より好ましくは5〜200質量部である。
P型半導体微粒子は、例えば焼結法により作製することができる。具体的には、P型半導体微粒子としてCuAlO2 を用いる場合、Al(純度99.9%)とCuO(99.9%)を1:1のモル比で混合し、Ar雰囲気中で1100℃の温度で4日間仮焼した後、ペレット状に成型し1100℃で2日間焼結することで焼結体を得る。その後、数100μmまで粗粉砕した後、得られた粗粒子と溶媒を用いて、湿式メディア分散型装置を使用して、微粉砕することにより所望の粒径のCuAlOを得ることができる。
また、P型半導体微粒子の他の作製方法としては、例えばプラズマ法が挙げられる。プラズマ法としては、直流プラズマアーク法、高周波プラズマ法、プラズマジェット法などの方法が挙げられる。
直流プラズマアーク法では、金属合金を消費アノード電極とする。そして、カソード電極からプラズマフレームを発生させる。そして、アノード側の金属合金を加熱、蒸発させ、金属合金の蒸気を酸化、冷却することにより、P型半導体微粒子を得ることができる。
高周波プラズマ法では、大気圧力のもとでガスを高周波誘導放電によって加熱したときに発生する熱プラズマを利用する。このうちプラズマ蒸発法では、不活性ガスプラズマ中心に固体粒子を注入し、プラズマ中を通過する間に蒸発させ、この高温蒸気を急冷凝縮することにより超微粒子を得ることができる。
プラズマ法は、不活性ガスのアルゴン、および2原子分子ガスである水素や窒素、酸素雰囲気中でアーク放電すると、アルゴンプラズマ、水素プラズマなどが得られるが、特に2原子分子ガスが解離して生じた水素(窒素、酸素)プラズマは分子状ガスに比べて極めて反応性に富んでいるので、不活性ガスのプラズマと区別して反応性アークプラズマとも呼ばれている。このうち、酸素プラズマ法は、P型半導体微粒子を生成する方法として効果的である。
表面層において、N型半導体微粒子に対するP型半導体微粒子の割合が質量比(P型半導体微粒子の質量部数/N型半導体微粒子の質量部数)で、0.1以上0.8以下であることが好ましく、より好ましくは0.2以上0.7以下である。
N型半導体微粒子に対するP型半導体微粒子の割合が上記範囲内であることにより、長期間にわたって良好な電位安定性とドット再現性が得られる。
本発明において、N型半導体微粒子およびP型半導体微粒子は、それぞれ、ラジカル重合性官能基を有する表面処理剤によって表面処理されたものであってもよい。具体的には、原料となる微粒子(以下、「未処理微粒子」ともいう。)がラジカル重合性官能基を有する表面処理剤によって表面処理されることにより、未処理微粒子表面にラジカル重合性官能基が導入されたものである。
このような表面処理剤としては、N型半導体微粒子およびP型半導体微粒子表面に存在する水酸基などと反応するものが好ましく、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などが挙げられる。
また、ラジカル重合性官能基を有する表面処理剤において、ラジカル重合性反応基としては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。このようなラジカル重合性反応基は、表面層用バインダー樹脂を形成するための重合性化合物(多官能ラジカル重合性化合物)とも反応して強固な表面層を形成することができる。
ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などのラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤が好ましい。
以下、表面処理剤の具体例を以下に示す。
S−1:CH2 =CHSi(CH3 )(OCH3 2
S−2:CH2 =CHSi(OCH3 3
S−3:CH2 =CHSiCl3
S−4:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OCH3 2
S−5:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(OCH3 3
S−6:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(OC2 5 )(OCH3 2
S−7:CH2 =CHCOO(CH2 3 Si(OCH3 3
S−8:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )Cl2
S−9:CH2 =CHCOO(CH2 2 SiCl3
S−10:CH2 =CHCOO(CH2 3 Si(CH3 )Cl2
S−11:CH2 =CHCOO(CH2 3 SiCl3
S−12:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(CH3 )(OCH3 2
S−13:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(OCH3 3
S−14:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(CH3 )(OCH3 2
S−15:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(OCH3 3
S−16:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(CH3 )Cl2
S−17:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 SiCl3
S−18:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(CH3 )Cl2
S−19:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 SiCl3
S−20:CH2 =CHSi(C2 5 )(OCH3 2
S−21:CH2 =C(CH3 )Si(OCH3 3
S−22:CH2 =C(CH3 )Si(OC2 5 3
S−23:CH2 =CHSi(OCH3 3
S−24:CH2 =C(CH3 )Si(CH3 )(OCH3 2
S−25:CH2 =CHSi(CH3 )Cl2
S−26:CH2 =CHCOOSi(OCH3 3
S−27:CH2 =CHCOOSi(OC2 5 3
S−28:CH2 =C(CH3 )COOSi(OCH3 3
S−29:CH2 =C(CH3 )COOSi(OC2 5 3
S−30:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(OC2 5 3
S−31:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 2 (OCH3
S−32:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OCOCH3 2
S−33:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(ONHCH3 2
S−34:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OC6 5 2
S−35:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(C1021)(OCH3 2
S−36:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH2 6 5 )(OCH3 2
また表面処理剤としては、上記例示化合物(S−1)〜(S−36)に示すもの以外でも、ラジカル重合官能基を有するシラン化合物を用いてもよい。
表面処理剤は1種単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
表面処理剤の使用量は、未処理微粒子100質量部に対して0.1〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは7〜70質量部である。
表面処理方法としては、例えば、未処理微粒子と表面処理剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式解砕する方法が挙げられる。この方法により、未処理微粒子の再凝集を防止すると同時に未処理微粒子の表面処理が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化する。
表面処理装置としては、例えば湿式メディア分散型装置が挙げられる。この湿式メディア分散型装置は、容器内にメディアとしてビーズを充填し、さらに回転軸と垂直に取り付けられた撹拌ディスクを高速回転させることにより、未処理微粒子の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置であり、その構成としては、未処理微粒子に表面処理を行う際に未処理微粒子を十分に分散させ、かつ表面処理できる形式であれば限定されず、例えば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式が採用できる。具体的には、サンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミルなどが使用できる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズなどの粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、せん断、ズリ応力などにより微粉砕、分散が行われる。
湿式メディア分散型装置で用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料としたボールが使用可能であるが、特にジルコニア製やジルコン製のものが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1〜2mm程度のものを使用するが、本発明においては0.1〜1.0mm程度のものを用いることが好ましい。
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものが使用できるが、本発明では特にジルコニアまたはシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁が好ましい。
本発明に係る表面層には、表面層用バインダー樹脂、N型半導体微粒子およびP型半導体微粒子の他に、他の成分が含有されていてもよく、例えば各種の酸化防止剤や、例えばフッ素原子含有樹脂粒子などの各種の滑剤粒子を加えることもできる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、およびこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択することが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
表面層の層厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜6μmである。
以下、表面層以外の感光体の構成につき、上記(1)の層構成である場合について説明する。
〔導電性支持体〕
本発明の感光体を構成する導電性支持体は、導電性を有するものであればよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛およびステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルムおよび紙などが挙げられる。
〔中間層〕
本発明の感光体においては、導電性支持体と感光層の間にバリアー機能と接着機能を有する中間層を設けることもできる。種々の故障防止などを考慮すると、中間層を設けることが好ましい。
このような中間層は、例えば、バインダー樹脂(以下、「中間層用バインダー樹脂」ともいう。)および必要に応じて導電性粒子や金属酸化物粒子が含有されてなるものである。
中間層用バインダー樹脂としては、例えば、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ゼラチンなどが挙げられる。これらのなかでもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
中間層には、抵抗調整の目的で各種の導電性粒子や金属酸化物粒子を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマスなどの各種金属酸化物粒子を用いることができる。スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズおよび酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。
このような金属酸化物粒子の数平均一次粒径は、0.3μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以下である。
これら金属酸化物粒子は1種単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合した場合には、固溶体または融着の形をとってもよい。
導電性粒子または金属酸化物粒子の含有割合は、中間層用バインダー樹脂100質量部に対して20〜400質量部であることが好ましく、より好ましくは50〜350質量部である。
中間層の層厚は、0.1〜15μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜10μmである。
〔電荷発生層〕
本発明の感光体を構成する感光層における電荷発生層は、電荷発生物質およびバインダー樹脂(以下、「電荷発生層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなるものである。
電荷発生物質としては、例えば、スーダンレッド、ダイアンブルーなどのアゾ原料、ピレンキノン、アントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ顔料、ピランスロン、ジフタロイルピレンなどの多環キノン顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのなかでも、多環キノン顔料、チタニルフタロシアニン顔料が好ましい。これらの電荷発生物質は1種単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
電荷発生層用バインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の内2つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)、ポリ−ビニルカルバゾール樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのなかでも、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有割合は、電荷発生層用バインダー樹脂100質量部に対して1〜600質量部であることが好ましく、より好ましくは50〜500質量部である。
電荷発生層の層厚は、電荷発生物質の特性、電荷発生層用バインダー樹脂の特性、含有割合などにより異なるが、0.01〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜3μmである。
〔電荷輸送層〕
本発明の感光体を構成する感光層における電荷輸送層は、電荷輸送物質およびバインダー樹脂(以下、「電荷輸送層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなるものである。
電荷輸送層の電荷輸送物質としては、電荷を輸送する物質として、例えば、トリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などが挙げられる。
電荷輸送層用バインダー樹脂は、公知の樹脂を用いることができ、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂などが挙げられるが、ポリカーボネート樹脂が好ましい。さらにはBPA(ビスフェノールA)型、BPZ(ビスフェノールZ)型、ジメチルBPA型、BPA−ジメチルBPA共重合体型のポリカーボネート樹脂などが耐クラック、耐磨耗性、帯電特性の点で好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有割合は、電荷輸送層用バインダー樹脂100質量部に対して10〜500質量部であることが好ましく、より好ましくは20〜250質量部である。
電荷輸送層の層厚は、電荷輸送物質の特性、電荷輸送層用バインダー樹脂の特性および含有割合などによって異なるが、5〜40μmであることが好ましく、よりに好ましくは10〜30μmである。
電荷輸送層中には、酸化防止剤、電子導電剤、安定剤、シリコーンオイルなどを添加してもよい。酸化防止剤については特開2000−305291号公報、電子導電剤は特開昭50−137543号公報、同58−76483号公報などに開示されているものが好ましい。
〔感光体の製造方法〕
本発明の感光体の製造方法としては、例えば、下記工程を経ることにより製造することができる。
工程(1):導電性支持体の外周面に中間層形成用の塗布液を塗布し、乾燥することにより、中間層を形成する工程。
工程(2):導電性支持体上に形成された中間層の外周面に電荷発生層形成用の塗布液を塗布し、乾燥することにより電荷発生層を形成する工程。
工程(3):中間層上に形成された電荷発生層の外周面に電荷輸送層形成用の塗布液を塗布し、乾燥することにより電荷輸送層を形成する工程。
工程(4):電荷発生層上に形成された電荷輸送層の外周面に、表面層形成用の塗布液を塗布して塗膜を形成し、この塗膜を重合処理することにより、表面層を形成する工程。
〔工程(1):中間層の形成〕
中間層は、溶媒中に中間層用バインダー樹脂を溶解させて塗布液(以下、「中間層形成用塗布液」ともいう。)を調製し、必要に応じて導電性粒子や金属酸化物粒子を分散させた後、当該塗布液を導電性支持体上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
中間層形成用塗布液中に導電性粒子や金属酸化物粒子を分散する手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ホモミキサーなどを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
中間層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
中間層の形成工程において使用する溶媒としては、導電性粒子や金属酸化物粒子を良好に分散し、中間層用バインダー樹脂を溶解するものであればよい。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノールなどの炭素数1〜4のアルコール類が、バインダー樹脂の溶解性と塗布性能に優れ好ましい。また、保存性、粒子の分散性を向上するために、前記溶媒と併用でき、好ましい効果を得られる助溶媒としては、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
中間層形成用塗布液中の中間層用バインダー樹脂の濃度は、中間層の層厚や生産速度に合わせて適宜選択される。
〔工程(2):電荷発生層の形成〕
電荷発生層は、溶媒中に電荷発生層用バインダー樹脂を溶解させた溶液中に、電荷発生物質を分散して塗布液(以下、「電荷発生層形成用塗布液」ともいう。)を調製し、当該塗布液を中間層上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷発生層形成用塗布液中に電荷発生物質を分散する手段としては、例えば、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ホモミキサーなどが使用できるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
電荷発生層の形成に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸t−ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
〔工程(3):電荷輸送層の形成〕
電荷輸送層は、溶媒中に電荷輸送層用バインダー樹脂および電荷輸送物質を溶解させた塗布液(以下、「電荷輸送層形成用塗布液」ともいう。)を調製し、当該塗布液を電荷発生層上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷輸送層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
電荷輸送層の形成に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
〔工程(4):表面層の形成〕
表面層は、重合性化合物、N型半導体微粒子、P型半導体微粒子、重合開始剤および必要に応じて他の成分を公知の溶媒に添加して塗布液(以下、「表面層形成用塗布液」ともいう。)を調製し、この表面層形成用塗布液を工程(3)により形成された電荷輸送層の外周面に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥し、紫外線や電子線などの活性線を照射することによって塗膜中の重合性化合物成分を重合処理することにより表面層を形成することができる。
表面層の重合処理において、塗膜中の重合性化合物に活性線を照射してラジカルを発生させて重合反応し、かつ、分子間および分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化されることにより、当該重合性化合物が架橋型硬化樹脂として形成されることが好ましい。
表面層形成用塗布液においては、N型半導体微粒子は、表面層用バインダー樹脂を形成するための全モノマー(多官能ラジカル重合性化合物や単官能ラジカル重合性化合物)100質量部に対して30〜250質量部の割合で含有されることが好ましく、より好ましくは50〜200質量部である。また、P型半導体微粒子は、表面層用バインダー樹脂を形成するための全モノマー(多官能ラジカル重合性化合物や単官能ラジカル重合性化合物)100質量部に対して1〜250質量部の割合で含有されることが好ましく、より好ましくは5〜200質量部である。
なお、本発明においては、表面層用バインダー樹脂を形成するためのモノマーは全て重合反応されて、表面層用バインダー樹脂を構成するものとする。
表面層形成用塗布液中にN型半導体微粒子およびP型半導体微粒子を分散する手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ホモミキサーなどを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
表面層の形成に用いられる溶媒としては、重合性化合物、N型半導体微粒子およびP型半導体微粒子を溶解または分散させることができればいずれのものも使用でき、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジンおよびジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜は、乾燥しないで硬化処理を行ってもよいが、自然乾燥または熱乾燥を行った後、硬化処理を行うことが好ましい。
乾燥の条件は、溶媒の種類、膜厚などによって適宜選択できる。乾燥温度は、好ましくは室温〜180℃であり、特に好ましくは80〜140℃である。乾燥時間は、好ましくは1分間〜200分間であり、特に好ましくは5分間〜100分間である。
重合性化合物を重合反応させる方法としては、電子線開裂で反応する方法、ラジカル重合開始剤を添加して、光、熱で反応する方法などが挙げられる。ラジカル重合開始剤は光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光重合開始剤および熱重合開始剤を併用することもできる。
ラジカル重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、中でも、アルキルフェノン系化合物、またはフォスフィンオキサイド系化合物が好ましい。特に、α−ヒドロキシアセトフェノン構造、または、アシルフォスフィンオキサイド構造を有する化合物が好ましい。
以下、光重合開始剤としてアシルフォスフィンオキサイド系化合物の具体例を示す。
Figure 0006024689
重合開始剤は1種単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
重合開始剤の添加割合は、重合性化合物100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量部である。
重合処理として塗膜に活性線を照射し、ラジカルを発生させて重合反応し、かつ分子間および分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化することにより、硬化樹脂が生成される。活性線としては紫外線や電子線がより好ましく、紫外線が使用しやすく特に好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノンなどを用いることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cm2 、好ましくは5〜100mJ/cm2 である。
ランプの電力は、好ましくは0.1kW〜5kWであり、特に好ましくは、0.5kW〜3kWである。
電子線源としては、電子線照射装置に格別の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100〜300kVであることが好ましい。吸収線量は、0.5〜10Mradであることが好ましい。
必要な活性線の照射量を得るための照射時間としては、0.1秒間〜10分間が好ましく、作業効率の観点から0.1秒間〜5分間がより好ましい。
表面層の形成の工程においては、活性線を照射する前後、および活性線を照射中に乾燥を行うことができ、乾燥を行うタイミングはこれらを組み合わせて適宜選択できる。
以上のような感光体によれば、架橋性の重合性化合物を重合反応することによって得られる樹脂、N型半導体微粒子およびP型半導体微粒子が含有されていることにより、高い耐久性を維持しながら、繰り返しの使用によっても露光後の残留電位が小さく抑制される。
〔画像形成装置〕
本発明の感光体は、一般的な電子写真方式の画像形成装置に備えることができる。このような画像形成装置としては、例えば、感光体と、感光体の表面を帯電させる帯電手段と、当該感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を転写材に転写する転写手段と、転写材に転写されたトナー像を定着させる定着手段と、感光体上の残留トナーを除去するクリーニング手段とを備えてなるものなどが挙げられる。
図1は、本発明の感光体が備えられる画像形成装置の一例における構成を示す説明用断面図である。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙手段21および定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、ドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、ドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、ドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、ドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。本発明の画像形成装置は、感光体1Y、1M、1C、1Bkとして、上記の本発明の感光体を用いる。
4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkを中心に、帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、および、感光体1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段6Y、6M、6C、6Bkより構成されている。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体1Yの周囲に、帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段6Yを配置し、感光体1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段6Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体1Yに対して一様な電位を与える手段である。本発明においては、帯電手段としては、接触または非接触のローラ帯電方式のものなどが挙げられる。
露光手段3Yは、帯電手段2Yによって一様な電位を与えられた感光体1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子とから構成されるもの、あるいは、レーザー光学系などが用いられる。
現像手段4Yは、例えばマグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブおよび感光体とこの現像スリーブとの間に直流および/または交流バイアス電圧を印加する電圧印加装置よりなるものである。
定着手段24は、例えば、内部に加熱源を備えた加熱ローラと、この加熱ローラに定着ニップ部が形成されるよう圧接された状態で設けられた加圧ローラとにより構成されてなる熱ローラ定着方式のものが挙げられる。
クリーニング手段6Yは、クリーニングブレードと、このクリーニングブレードより上流側に設けられたブラシローラーとにより構成される。
画像形成装置としては、感光体と、現像手段、クリーニング手段などの構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。また、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、およびクリーニング手段の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する画像支持体:例えば普通紙、透明シートなど)Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材などの感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、およびクリーニング手段6bとから成る。
なお、図1に示す画像形成装置では、カラーのレーザプリンタを示したが、モノクローのレーザプリンタやコピーにも同様に適用可能である。また、露光光源もレーザー以外の光源、例えばLED光源を用いてもよい。
以上のような画像形成装置において使用されるトナーとしては、特に限定されないが、真球を100とする形状係数SFが140未満のトナーが好ましい。この形状係数SFが140未満であれば、良好な転写性等が得られ、得られる画像の画質が向上する。トナーを構成するトナー粒子は、高画質化を企図する観点からすれば、その体積平均粒径が2〜8μmであることが好ましい。
トナー粒子は、通常、結着樹脂および着色剤が含有され、所望により離型剤が含有される。この結着樹脂、着色剤および離型剤はいずれも、従来トナーに用いられている材料を用いることができ、特に制限されない。
上記のトナー粒子を製造する方法としては、特に制約されないが、例えば、通常の粉砕法や、分散媒中で作成する湿式溶融球形化法や、懸濁重合、分散重合、乳化重合凝集法等の既知の重合法などが挙げられる。
また、上記トナー粒子に、外添剤として、平均粒径10〜300nm程度のシリカおよびチタニア等の無機微粒子、0.2〜3μm程度の研磨剤を適宜量外添することができる。また、上記トナー粒子と、平均粒径25〜45μmのフェライトビーズ等からなるキャリアを混合して二成分現像剤として用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、下記中「部」とは「質量部」を示す。
〔N型半導体微粒子の作製1〕
数平均一次粒径20nmの「酸化スズ(SnO2 )」100部、表面処理剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン「KBM−503」(信越化学工業社製)30部、メチルエチルケトン1000部を湿式サンドミル(径0.5mmのアルミナビーズ)に入れ、30℃にて6時間混合、その後、メチルエチルケトンとアルミナビーズを濾別し、60℃にて乾燥し、N型半導体微粒子〔1〕を作製した。
〔N型半導体微粒子の作製2〕
数平均一次粒径20nmの「酸化アルミニウム(Al2 3 )」100部、表面処理剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン「KBM−503」(信越化学工業社製)30部、メチルエチルケトン1000部を湿式サンドミル(径0.5mmのアルミナビーズ)に入れ、30℃にて6時間混合、その後、メチルエチルケトンとアルミナビーズを濾別し、60℃にて乾燥し、N型半導体微粒子〔2〕を作製した。
〔N型半導体微粒子の作製3〕
数平均一次粒径20nmの「酸化チタン(TiO2 )」100部、表面処理剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン「KBM−503」(信越化学工業社製)30部、メチルエチルケトン1000部を湿式サンドミル(径0.5mmのアルミナビーズ)に入れ、30℃にて6時間混合、その後、メチルエチルケトンとアルミナビーズを濾別し、60℃にて乾燥し、N型半導体微粒子〔3〕を作製した。
〔P型半導体微粒子の作製1〕
Al2 3 (純度99.9%)とCu2 O(純度99.9%)を1:1のモル比で混合し、Ar雰囲気中で1100℃の温度で4日間仮焼した後、ペレット状に成型し1100℃で2日間焼結することで焼結体を得た。その後、数100μmまで粗粉砕した後、得られた粗粒子と溶媒を用いて、湿式メディア分散型装置を使用して、数平均一次粒径が20nmのCuAlO2 からなる微粒子〔1〕を得た。
得られた微粒子〔1〕100部、表面処理剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン「KBM−503」(信越化学工業社製)30部、メチルエチルケトン1000部を湿式サンドミル(径0.5mmのアルミナビーズ)に入れ、30℃にて6時間混合、その後、メチルエチルケトンとアルミナビーズを濾別し、60℃にて乾燥し、P型半導体微粒子〔1〕を作製した。
〔P型半導体微粒子の作製2〕
Ga2 3 (純度99.9%)とCu2 O(純度99.9%)を1:1のモル比で混合し、Ar雰囲気中で1100℃の温度で4日間仮焼した後、ペレット状に成型し1100℃で2日間焼結することで焼結体を得た。その後、数100μmまで粗粉砕した後、得られた粗粒子と溶媒を用いて、湿式メディア分散型装置を使用して、数平均一次粒径が20nmのCuGaO2 からなる微粒子〔2〕を得た。
得られた微粒子〔2〕100部、表面処理剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン「KBM−503」(信越化学工業社製)30部、メチルエチルケトン1000部を湿式サンドミル(径0.5mmのアルミナビーズ)に入れ、30℃にて6時間混合、その後、メチルエチルケトンとアルミナビーズを濾別し、60℃にて乾燥し、P型半導体微粒子〔2〕を作製した。
〔P型半導体微粒子の作製3〕
In2 3 (純度99.9%)とCu2 O(純度99.9%)を1:1のモル比で混合し、Ar雰囲気中で1100℃の温度で4日間仮焼した後、ペレット状に成型し1100℃で2日間焼結することで焼結体を得た。その後、数100μmまで粗粉砕した後、得られた粗粒子と溶媒を用いて、湿式メディア分散型装置を使用して、数平均一次粒径20nmのCuInO2 からなる微粒子〔3〕を得た。
得られた微粒子〔3〕100部、表面処理剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン「KBM−503」(信越化学工業社製)30部、メチルエチルケトン1000質量部を湿式サンドミル(径0.5mmのアルミナビーズ)に入れ、30℃にて6時間混合、その後、メチルエチルケトンとアルミナビーズを濾別し、60℃にて乾燥し、P型半導体微粒子〔3〕を作製した。
<感光体の作製1>
直径60mmのアルミニウム製の円筒体の表面を切削加工し、表面を細かく粗面にした導電性支持体〔1〕を用意した。
(中間層の形成)
下記組成の分散液を下記溶媒と同じ溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター使用)し、中間層形成用塗布液〔1〕を調製した。
バインダー樹脂:ポリアミド樹脂「CM8000」(東レ社製) 1部
金属酸化物粒子:酸化チタン「SMT500SAS」(テイカ社製) 3部
溶媒:メタノール 10部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
中間層形成用塗布液〔1〕を用いて導電性支持体〔1〕上に、浸漬コーティング法で塗布し、乾燥膜厚2μmの中間層〔1〕を形成した。
(電荷発生層の形成)
電荷発生物質:Y−TiPh(チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料)20部、バインダー樹脂:ポリビニルブチラール樹脂「#6000−C」(電気化学工業社製)10部、溶媒:酢酸t−ブチル700部、溶媒:4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン300部を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層形成用塗布液〔1〕を調製した。この電荷発生層形成塗布液〔1〕を中間層〔1〕上に浸漬コーティング法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層〔1〕を形成した。
(電荷輸送層の形成)
電荷輸送物質:4,4′−ジメチル−4″−(β−フェニルスチリル)トリフェニルアミン225部、バインダー樹脂:ポリカーボネート樹脂「Z300」(三菱ガス化学社製)300部、酸化防止剤:「Irganox1010」(日本チバガイギー社製)6部、溶媒:THF(テトラヒドロフラン)1600部、溶媒:トルエン400部、シリコーンオイル「KF−50」(信越化学工業社製)1部を混合し、溶解して電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を調製した。この電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を電荷発生層〔1〕の上に浸漬コーティング法で塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層〔1〕を形成した。
(表面層の形成)
N型半導体微粒子〔1〕120部、P型半導体微粒子〔1〕5部、重合性化合物:上記例示化合物「M1」100部、溶媒:2−ブタノール600部、溶媒:THF(テトラヒドロフラン)1000部を遮光下で混合し、分散機としてサンドミルを用いて5時間分散した後、重合開始剤:「イルガキュアー819」(BASFジャパン社製)6部を加え、遮光下で撹拌して溶解させ、表面層形成用塗布液〔1〕を調製した。この表面層形成用塗布液〔1〕を電荷輸送層〔1〕上に円形スライドホッパー塗布装置を用いて塗布して塗膜を形成し、メタルハライドランプを用いて紫外線を1分間照射して、乾燥膜厚2.0μmの表面層〔1〕を形成し、感光体〔1〕を作製した。
<感光体の作製2>
感光体の作製1の表面層の形成において、P型半導体微粒子〔1〕の添加量を15部に変更したことの他は同様にして感光体〔2〕を作製した。
<感光体の作製3>
感光体の作製1の表面層の形成において、P型半導体微粒子〔1〕の添加量を30部に変更したことの他は同様にして感光体〔3〕を作製した。
<感光体の作製4>
感光体の作製1の表面層の形成において、P型半導体微粒子〔1〕の添加量を45部に変更したことの他は同様にして感光体〔4〕を作製した。
<感光体の作製5>
感光体の作製4の表面層の形成において、N型半導体微粒子〔1〕をN型半導体微粒子〔3〕に変更したことの他は同様にして感光体〔5〕を作製した。
<感光体の作製6>
感光体の作製4の表面層の形成において、N型半導体微粒子〔1〕をN型半導体微粒子〔2〕に変更したことの他は同様にして感光体〔6〕を作製した。
<感光体の作製7>
感光体の作製4の表面層の形成において、P型半導体微粒子〔1〕をP型半導体微粒子〔3〕に変更したことの他は同様にして感光体〔7〕を作製した。
<感光体の作製8>
感光体の作製1の表面層の形成において、P型半導体微粒子〔1〕の添加量を70部に変更したことの他は同様にして感光体〔8〕を作製した。
<感光体の作製9>
感光体の作製1の表面層の形成において、P型半導体微粒子〔1〕の添加量を90部に変更したことの他は同様にして感光体〔9〕を作製した。
<感光体の作製10>
感光体の作製1の表面層の形成において、P型半導体微粒子〔1〕の添加量を120部に変更したことの他は同様にして感光体〔10〕を作製した。
<感光体の作製11>
感光体の作製1の表面層の形成において、P型半導体微粒子〔1〕を添加しなかったことの他は同様にして感光体〔11〕を作製した。
<感光体の作製12>
感光体の作製11の表面層の形成において、有機化合物によるホール輸送剤:下記化合物(CTM−1)15部を添加したことの他は同様にして感光体〔12〕を作製した。
Figure 0006024689
<感光体の作製13>
感光体の作製10の表面層の形成において、N型半導体微粒子〔1〕を添加しなかったことの他は同様にして感光体〔13〕を作製した。
<感光体の作製14>
感光体の作製3の表面層の形成において、有機化合物によるホール輸送剤:上記化合物(CTM−1)15部をさらに添加したことの他は同様にして感光体〔14〕を作製した。
<感光体の作製15>
感光体の作製4の表面層の形成において、P型半導体微粒子〔1〕をP型半導体微粒子〔2〕に変更したことの他は同様にして感光体〔15〕を作製した。
〔評価:実施例1〜10、参考例1,2、比較例1〜3〕
得られた感光体〔1〕〜〔15〕につき、表面硬度、露光後の残留電位およびドット再現性の評価をそれぞれ行った。
露光後の残留電位およびドット再現性については、基本的に図1に示す画像形成装置の構成と同様の評価機「bizhub PRO C6501」(コニカミノルタ株式会社製)に、感光体〔1〕〜〔15〕をそれぞれ搭載して評価を行った。評価機「bizhub PRO C6501」の露光光源としては、波長780nmの半導体レーザーを用いた。また、温度23℃、湿度50%の環境下で、画像比率5%の文字画像をA4横送りで各300,000枚両面連続プリントを行う耐久試験を実施し、耐久試験前後において評価を行った。結果を表2に示す。
ここで、感光体〔〕〜〔〕、〔14〕および〔15〕を用いたものを実施例1〜10、感光体〔11〕〜〔13〕を用いたものを比較例1〜3とした。
(1)表面硬度の評価
「超微小硬度計HM−2000」(フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて表面硬度(ユニバーサル硬さ値)を測定した。測定条件は2mN、および10秒間感光体表面へ荷重をかけ、5秒のクリープ時間後に2mN、および10秒間かけて初期状態に戻した。膜硬度の値が150N/mm2 以上であれば、感光体の耐久性として問題はない。
(2)残留電位の評価
内部搭載パターンNo.53/Dot1(規則性を有するドット状に形成された露光パターンの代表的なもの)をA3/PODグロスコート紙(100g/m2 、王子製紙社製)にて濃度指示値255を100枚連続印字した際の1枚目の露光後電位と100枚目の露光後電位の差(ΔV)を測定した。この電位差(ΔV)の測定を、低温低湿環境(温度10℃、湿度20%RH)の環境下において、耐久試験前後(初期と、画像比率5%の文字画像をA4紙に横送りで各300,000枚両面連続印字した後と)で行った。ΔVが50未満であれば実用上問題ない。
(3)ドット再現性の評価
内部搭載パターンNo.53/Dot1(規則性を有するドット状に形成された露光パターンの代表的なもの)をA3/PODグロスコート紙(100g/m2 、王子製紙社製)にて濃度指示値100で印字し、ドットの形成状態を目視にて拡大観察した。下記評価基準に従って評価した。この拡大観察を、高温高湿環境(温度30℃、湿度80%RH)の環境下において、耐久試験前後(初期と、画像比率5%の文字画像をA4紙に横送りで各300,000枚両面連続印字した後と)で行った。
−評価基準−
◎:正常にドットが形成されている(良好)
○:ドットが多少細っている(実用上問題なし)
△:ドットが細っている(実用上問題なし)
×:ドットが形成されていない(実用上問題あり)
Figure 0006024689
表1の結果より、本発明に係る実施例1〜10によれば、表面層中に、架橋性の重合性化合物を重合反応することによって得られる樹脂、N型半導体微粒子およびP型半導体微粒子が含有されていることにより、高い膜硬度を維持しながら、繰り返しの使用によっても露光後の残留電位が小さく抑制されることが確認された。また、ドット再現性についても良好な結果が得られた。
一方、比較例1においては、N型半導体微粒子のみが含有されているため、電子輸送機能が優勢となり、表面層中に負電荷が残留し、残留電位が上昇することが確認された。
また、比較例2においては、N型半導体微粒子およびホール輸送機能を有する有機化合物が含有されているため、初期においては、残留電位の上昇を抑制するものの、繰り返しの使用によっては残留電位の上昇を抑制することができないことが確認された。また、高い膜硬度が得られないことも確認された。
さらに、比較例3においては、P型半導体微粒子のみが含有されているため、ホール輸送機能が発揮されるものの効果は小さく、また、ドット再現性が得られないことが確認された。
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
5Y、5M、5C、5Bk 一次転写ローラ
5b 二次転写ローラ
6Y、6M、6C、6Bk、6b クリーニング手段
7 無端ベルト状中間転写体ユニット
8 筐体
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
21 給紙手段
20 給紙カセット
22A、22B、22C、22D 中間ローラ
23 レジストローラ
24 定着手段
25 排紙ローラ
26 排紙トレイ
70 無端ベルト状中間転写体
71、72、73、74 ローラ
82L、82R 支持レール
P 転写材

Claims (2)

  1. 導電性支持体上に感光層が形成され、この感光層上に表面層が形成されてなる電子写真感光体において、
    前記表面層は、架橋性の重合性化合物の重合反応物である樹脂、N型半導体微粒子およびP型半導体微粒子を含有し、
    前記表面層において、前記N型半導体微粒子に対する前記P型半導体微粒子の割合が質量比(P型半導体微粒子の質量部数/N型半導体微粒子の質量部数)で、0.1以上0.8以下であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記N型半導体微粒子がSnO 2 であり、
    前記P型半導体微粒子がCuMO 2 (ただし、Mは、Al、GaまたはInを示す。)であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
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