JP5838625B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
特に、機能部材として、像担持体、いわゆる感光体の高寿命化は、CPPを低下させる上で有効な手段とされている。
感光体の高寿命化は、例えば感光体表面の高硬度化を図ることにより、達成することができる。
しかしながら、感光体の表面の硬度が高くなるに従って、当該表面を十分に削り取ることができず、その結果、フィルミング現象の発生を十分に抑制することができないという問題がある。
前記中間転写体は、前記像担持体と当接する表面が、ラジカル重合性モノマーと無機微粒子とを混合し、前記ラジカル重合性モノマーを重合することにより得られる有機−無機ハイブリッド材料により構成されており、当該表面のナノインデンテーション法による表面硬度が、前記像担持体の表面のナノインデンテーション法による表面硬度より大きく、
前記中間転写体の表面のナノインデンテーション法による表面硬度の値が、1.51〜1.61GPaであり、前記像担持体の表面のナノインデンテーション法による表面硬度の値が、0.64〜1.51GPaであり、
当該中間転写体の周速度が、前記像担持体の周速度より大きいことを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、回転する像担持体と、この像担持体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するトナー像形成手段と、トナー像形成手段により形成されたトナー像を、像担持体と当接される位置において当該像担持体と同方向に移動する中間転写体の表面に転写する1次転写手段と、中間転写体上のトナー像を記録材上に転写する2次転写手段とを有するものである。
より詳細には、回転する像担持体と、像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、一様な電位が付与された像担持体上に画像信号に基づいて露光を行って静電潜像を形成する露光手段と、像担持体上に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するトナー像形成手段と、トナー像形成手段により形成されたトナー像を、像担持体と当接される位置において当該像担持体と同方向に移動する中間転写体の表面に転写する1次転写手段と、中間転写体上のトナー像を記録材上に転写する2次転写手段と、記録材上に転写されたトナー像を定着する定着手段とを有するものである。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるものであって、4組の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bkと、中間転写体ユニット7と、2次転写手段としての2次転写ローラ5bと、給紙搬送手段21および定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
感光体1Yは回転過程で、帯電手段2Yにより所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで、露光手段3Yによりデジタル画像信号に対応して変調されたレーザビームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のイエロー画像の色成分像(色情報)に対応した静電潜像が形成される。
中間転写体70は、図1の矢印方向、すなわち感光体1Yと当接される位置において当該感光体1Yと同方向に移動する方向に所定の周速度により回動駆動されるものである。
2次転写ローラ5bは、記録材Pが通過して2次転写が行われる時にのみ、中間転写体70に当接する。
一方、2次転写ローラ5bにより記録材P上にカラートナー像を転写した後、画像支持体Pを曲率分離した中間転写体70は、クリーニング装置6Aにより残留トナーが除去される。
本発明の画像形成装置に用いられる中間転写体は、例えば樹脂などの基体上に特定の有機−無機ハイブリッド材料により形成される表面層が設けられた構成とされる。
基体の厚さは、例えば60〜100μmであることが好ましい。
中間転写体の表面、すなわち有機−無機ハイブリッド材料により構成される表面の表面硬度は、像担持体の表面の表面硬度より大きく、具体的には、像担持体の表面のナノインデンテーション法による表面硬度との差が、0.2〜0.4GPaであることがより好ましい。また、中間転写体の表面の表面硬度の値は、0.8〜2.0GPaであることが好ましい。
中間転写体の表面の表面硬度が、像担持体の表面の表面硬度より大きいことにより、中間転写体が像担持体の表面を擦過することによって削ることができる。
式(1):表面硬度=(試験荷重)/(接触表面積)
上記式(1)中、接触表面積は、試験荷重下での圧子の測定試料との接触表面積を示す。
中間転写体の表面、すなわち有機−無機ハイブリッド材料により構成される表面の表面抵抗率の値は、1010〜1013Ω/□であることが好ましく、より好ましくは1011〜1012Ω/□である。
中間転写体の表面の表面抵抗率の値が上記範囲であることにより、良好な転写性が得られ、飛び散りなどの画像欠陥を抑制することができる。
中間転写体の周速度は、像担持体の周速度より大きく、具体的には、像担持体の周速度と中間転写体の周速度との差は、画像寸法精度や2色以上の色重ねによる位置精度などに影響を及ぼさない程度の0.1〜1.4%以内が好ましく、更に0.5〜0.9%以内であることがより好ましい。
中間転写体の周速度が、像担持体の周速度より大きいことにより、中間転写体が像担持体の表面を擦過することによって削ることができる。
中間転写体の表面を構成する有機−無機ハイブリッド材料は、ラジカル重合性モノマーと無機微粒子とを混合、分散し、ラジカル重合性モノマーを重合することにより得られる硬化樹脂よりなるものである。
有機−無機ハイブリッド材料に用いられるラジカル重合性モノマーとしては、紫外線や電子線などの活性線照射により重合(硬化)するものであれば特に限定されないが、例えば、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタアクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマーなどが挙げられる。
ラジカル重合性モノマーとして官能基(反応性基)が3以上のものを用いることにより、架橋密度を高め、高硬度化を達成することができる。
有機−無機ハイブリッド材料に用いられる無機微粒子としては、金属酸化物微粒子が挙げられ、例えば、シリカ(酸化ケイ素)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、アルミナ(酸化アルミニウム)、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化マンガン、酸化セレン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化錫、チタニア(酸化チタン)、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウムなどの金属酸化物の微粒子が例示されるが、中でも、酸化チタン、アルミナ、酸化錫の金属酸化物の微粒子が好ましい。
S−2:CH2 =CHSi(OCH3 )3
S−3:CH2 =CHSiCl3
S−4:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )(OCH3 )2
S−5:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(OCH3 )3
S−6:CH2 =CHCOO(CH2 )3 Si(CH3 )(OCH3 )2
S−7:CH2 =CHCOO(CH2 )3 Si(OCH3 )3
S−8:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )Cl2
S−9:CH2 =CHCOO(CH2 )2 SiCl3
S−10:CH2 =CHCOO(CH2 )3 Si(CH3 )Cl2
S−11:CH2 =CHCOO(CH2 )3 SiCl3
S−12:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 Si(CH3 )(OCH3 )2
S−13:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 Si(OCH3 )3
S−14:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(CH3 )(OCH3 )2
S−15:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(OCH3 )3
S−16:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 Si(CH3 )Cl2
S−17:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 SiCl3
S−18:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(CH3 )Cl2
S−19:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 SiCl3
S−20:CH2 =CHSi(C2 H5 )(OCH3 )2
S−21:CH2 =C(CH3 )Si(OCH3 )3
S−22:CH2 =C(CH3 )Si(OC2 H5 )3
S−23:CH2 =CHSi(OCH3 )3
S−24:CH2 =C(CH3 )Si(CH3 )(OCH3 )2
S−25:CH2 =CHSi(CH3 )Cl2
S−26:CH2 =CHCOOSi(OCH3 )3
S−27:CH2 =CHCOOSi(OC2 H5 )3
S−28:CH2 =C(CH3 )COOSi(OCH3 )3
S−29:CH2 =C(CH3 )COOSi(OC2 H5 )3
S−30:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(OC2 H5 )3
S−31:(SH)CH2 CH2 COOSi(OCH3 )3
S−32:(SH)CH(CH3 )CH2 COOSi(OCH3 )3
S−33:(SH)CH(CH3 )OCOO(CH2 )3 Si(OC2 H5 )3
すなわち、酸化チタン微粒子とシラン化合物の表面処理剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式粉砕することにより、酸化チタン微粒子を微細化すると同時に酸化チタン微粒子の表面処理が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化するので、均一で、しかもより微細なシラン化合物により表面処理された酸化チタン微粒子を得ることができる。
有機−無機ハイブリッド材料による表面層は、例えば、溶媒にラジカル重合性モノマーおよび無機微粒子を分散した分散液中に重合開始剤を添加して有機−無機ハイブリッド材料塗布液を調製し、この有機−無機ハイブリッド材料塗布液を塗布機で一定の層厚に基体上塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥し、活性線を照射してラジカル重合性モノマーを重合(硬化)することにより形成することができる。
本発明の画像形成装置に用いられる像担持体は、その表面のナノインデンテーション法による表面硬度が、中間転写体の表面の表面硬度より小さく、周速度が中間転写体の周速度より小さいものである。
像担持体の表面の表面硬度は、中間転写体の表面の表面硬度より小さく、具体的には、表面硬度の値は、0.4〜1.6GPaであることが好ましい。
像担持体の周速度は、中間転写体の周速度より小さく、具体的には、像担持体の周速度と中間転写体の周速度との差が0.1〜1.4%以内であり、更に0.5〜0.9%以内であることがより好ましい。
なお、像担持体の周速度は、ストロボスコープ(品番 M318S−3111R)により測定することができる。
このような像担持体は、特に限定されるものではないが、具体的には下記(1)および(2)の層構成が挙げられる。
(1)導電性支持体上に、中間層、有機感光層として電荷発生層および電荷輸送層、並びに表面層がこの順に積層されてなる層構成。
(2)導電性支持体上に、中間層、有機感光層として電荷発生物質および電荷輸送物質を含む単層、並びに表面層がこの順に積層されてなる層構成。
このようなラジカル重合性モノマーは、前述した中間転写体の表面を構成する有機−無機ハイブリッド材料に用いられるものと同様のものを用いることができる。
表面層において、無機微粒子が含有されていることにより、像担持体がより高い耐久性を有するものとなる。
このような無機微粒子は、前述した中間転写体を構成する有機−無機ハイブリッド材料に用いられるものと同様のものを用いることができる。また、無機微粒子を表面処理する際に用いられる表面処理剤についても、前述した中間転写体を構成する有機−無機ハイブリッド材料に用いられるものと同様のものを用いることができる。
本発明の画像形成装置に用いられるトナーは、安定した粒度分布を得られる観点から、重合法で作製できる重合トナーが好ましい。
具体的には、懸濁重合、乳化重合等の重合反応と、必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程を経て形成されるトナーをいう。
トナーの体積平均粒径が上記範囲であることにより、解像度を高くすることができる。
樹脂被覆型キャリアにおける被覆用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。
また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
酸化アルミニウムの無機材料に対して、表面処理剤として上記化合物(S−15)を用いて表面処理を行った。
具体的には、数平均一次粒子径が30nmの酸化アルミニウム微粒子100質量部、化合物(S−15)100質量部、トルエン/イソプロピルアルコール=1/1(質量比)の混合溶媒300質量部の混合液を、ジルコニアビーズとともにサンドミルに入れ約40℃で、回転速度1500rpmで撹拌し、さらに、ヘンシェルミキサーへ移動して回転速度1500rpmで15分間撹拌した後、120℃で3時間乾燥することによって、酸化アルミニウム微粒子に対して表面処理を行い、表面処理済みの無機微粒子〔1〕を得た。無機微粒子〔1〕は、上記表面処理により、微粒子表面が表面処理剤により被覆されていた。
無機微粒子の作製例1において、使用する無機材料を酸化チタンに変更したことの他は同様にして表面処理済みの無機微粒子〔2〕を得た。
無機微粒子の作製例1において、使用する無機材料を酸化スズに変更したことの他は同様にして表面処理済みの無機微粒子〔3〕を得た。
表面層の構成を有する中間転写体〔1〕を以下に示す方法で作製した。
なお、中間転写体の基体の材質は、導電性フィラーとしてカーボンを分散したポリイミド樹脂(PI)である。
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液(「ユーワニスS」(宇部興産社製、固形分18質量%))に、乾燥した酸化処理カーボンブラック(「SPECIAL BLACK4」(Degussa社製、pH3.0、揮発分:14.0%))をポリイミド系樹脂固形分100質量部に対して、23質量部になるよう添加した。この組成物を2分割後、衝突型分散機「GeanusPY」(シーナス製)を用い、圧力200MPa、最小面積が1.4mm2 で衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、カーボンブラック入りポリアミド酸溶液を得た。
カーボンブラック入りポリアミド酸溶液を円筒状金型内面に、ディスペンサーを介して0.5mmに塗布し、1500rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する展開層とした。さらに250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間当てた後、150℃にて60分間加熱した。その後、360℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に360℃で30分加熱して溶媒の除去、脱水閉環水の除去、及びイミド転化反応の完結を図った。その後室温に戻し、金型から剥離し、総厚0.1mmの無端ベルト状基体〔1〕を作製した。
下記ラジカル重合性モノマー、溶媒および無機微粒子を分散機としてサンドミルを用いて、10時間分散した後、下記重合開始剤を加え、遮光下で混合、撹拌して溶解し有機−無機ハイブリッド材料塗布液〔1〕を調製した。なお、この工程中においては、遮光状態を保った。
・ラジカル重合性モノマー:上記例示化合物(Ac−1) 100質量部
・溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 600質量部
・無機微粒子〔3〕 100質量部
・重合開始剤:「イルガキュアー379」(BASFジャパン社製) 5質量部
この有機−無機ハイブリッド材料塗布液〔1〕を基体〔1〕上に浸漬塗布法により、下記塗布条件により塗布して塗膜を形成した。その後、100℃で5分間乾燥し、塗膜に紫外線を下記照射条件により基体〔1〕を回転速度60mm/sで回転させながら照射して、中間転写体〔1〕を作製した。中間転写体〔1〕の表面のナノインデンテーション法による表面硬度の値および表面抵抗率の値を下記表1に示す。
−塗布条件−
・塗布液供給量:1L/min
・引き上げ速度:4.5mm/min
−照射条件−
・光源:高圧水銀ランプ(「H04−L41」(アイグラフィック社製)
・照射口から塗膜表面までの距離:100mm
・照射光量:1J/cm2
・照射時間:240秒
中間転写体の作製例1において、(2)有機−無機ハイブリッド材料塗布液の調製において用いたラジカル重合性モノマーおよび無機微粒子の種類、含有量を下記表1に従って変更したことの他は同様にして中間転写体〔2〕〜〔4〕を作製した。中間転写体〔2〕〜〔4〕の表面のナノインデンテーション法による表面硬度の値および表面抵抗率の値を下記表1に示す。
(1)導電性支持体の作製
ドラム状のアルミニウム支持体の表面を切削加工し、表面粗さRz=1.5(μm)の導電性支持体〔1〕を作製した。
下記原料を分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式により10時間の分散を行い、中間層塗布液〔1〕を調製した。
・バインダー樹脂:ポリアミド樹脂「X1010」(ダイセルデグサ社製) 1質量部
・金属酸化物微粒子:酸化チタン「SMT500SAS」(テイカ社製)(数平均一次粒径:0.035μm) 1.1質量部
・溶媒:エタノール 20質量部
上記導電性支持体〔1〕上に、この中間層塗布液〔1〕を浸漬塗布法により塗布し、110℃で20分間乾燥し、層厚2μmの中間層〔1〕を形成した。
(電荷発生層の形成)
下記原料を分散機としてサンドミルを用いて、10時間の分散を行い、電荷発生層塗布液〔1〕を調製した。
・電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で5少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するもの) 20質量部
・バインダー樹脂:ポリビニルブチラール樹脂「#6000−C」(電気化学工業社製)
10質量部
・溶媒:酢酸t−ブチル 700質量部
・溶媒:4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300質量部
上記中間層〔1〕の上に、この電荷発生層塗布液〔1〕を浸漬塗布法によりで塗布し、層厚0.3μmの電荷発生層〔1〕を形成した。
下記原料を混合して溶解し、電荷輸送層塗布液〔1〕を調製した。
・電荷輸送物質:4−メトキシ−4’−(4−メチル−α−フェニルスチリル)トリフェニルアミン 150質量部
・バインダー樹脂:ポリカーボネート樹脂「Z300」(三菱ガス化学社製)300質量部
・酸化防止剤:「Irganox1010」(日本チバガイギー社製) 6質量部
・溶媒:トルエン/テトラヒドロフラン=1/9体積% 2000質量部
・レベリング剤:シリコーンオイル「KF−54」(信越化学社製) 1質量部
上記電荷発生層〔1〕上に、この電荷輸送層塗布液〔1〕を浸漬塗布法により塗布し、120℃で70分間乾燥し、層厚20μmの電荷輸送層〔1〕を形成した。
下記ラジカル重合性モノマー、溶媒および無機微粒子を分散機としてサンドミルを用いて、10時間分散した後、下記重合開始剤を加え、遮光下で混合、撹拌して溶解し表面層塗布液〔1〕を調製した。なお、この工程中においては、遮光状態を保った。
・ラジカル重合性モノマー:上記例示化合物(Mc−1) 100質量部
・溶媒:2−ブタノール 700質量部
・無機微粒子〔3〕 100質量部
・重合開始剤:「イルガキュアー819」(BASFジャパン社製) 5質量部
この表面層塗布液〔1〕を上記電荷輸送層〔1〕上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、塗布して塗膜を形成した。その後、室温で20分間乾燥し、メタルハライドランプ(500W)を用いて100mmの位置で回転させながら1分間照射して、層厚3μmの表面層を形成し、像担持体〔1〕を作製した。像担持体〔1〕の表面のナノインデンテーション法による表面硬度の値を下記表2に示す。
像担持体の作製例1において、(4)表面層の形成におけるラジカル重合性モノマーおよび無機微粒子の種類および含有量を下記表2に従って変更したことの他は同様にして像担持体〔2〕〜〔4〕を作製した。像担持体〔2〕〜〔4〕の表面のナノインデンテーション法による表面硬度の値を下記表2に示す。
画像形成装置「bizhub PRO C6501」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に、下記表3に示す組み合わせに従って中間転写体および像担持体を搭載し、温度23℃、湿度50%RHの環境下で、画像比率6%の文字画像をA4横送りで各300,000枚両面連続プリントを行う耐久試験を実施し、下記評価を行った。
なお、画像形成装置において、中間転写体は、像担持体と当接される位置において当該像担持体と同方向に移動する方向に周速度300mm/secで回転駆動するように設定し、像担持体は、周速度297mm/secで回転駆動するように設定した。
耐久試験終了後にA3サイズのベタ黒画像をプリントし、白抜けの画像欠陥として表れる現象を下記評価基準により評価した。結果を下記表3に示す。
−評価基準−
A:白抜けの画像欠陥無し
B:一部に白抜けの画像欠陥発生
C:全面に白抜けの画像欠陥発生
耐久試験終了後に、低温低湿(温度10℃、湿度15%RH)でプリントした文字画像を、ルーペで拡大観察し、文字部周辺のトナー散りの状態を目視で下記評価基準により評価した。結果を下記表3に示す。
−評価基準−
A:10000枚のプリント終了まで、トナー散りが少ない
B:5000枚のプリント終了まで、トナー散りが少ない
C:1000枚未満のプリントでトナー散りが増加し、実用上問題となるレベル。
2Y,2M,2C,2Bk 帯電手段
3Y,3M,3C,3Bk 露光手段
4Y,4M,4C,4Bk トナー像形成手段
5Y,5M,5C,5Bk 1次転写手段
5b 2次転写ローラ
6A クリーニング装置
6Y,6M,6C,6Bk クリーニング手段
7 中間転写体ユニット
8 筐体
10Y,10M,10C,10Bk 画像形成ユニット
20 給紙カセット
21 給紙搬送手段
22A,22B,22C,22D 中間ローラ
23 レジストローラ
24 定着手段
25 排紙ローラ
26 排紙トレイ
70 中間転写体
71,72,73,74 ローラ
82L,82R 支持レール
A 本体
SC 原稿画像読み取り装置
P 記録材
Claims (3)
- 回転する像担持体と、この像担持体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するトナー像形成手段と、トナー像形成手段により形成されたトナー像を、前記像担持体と当接される位置において当該像担持体と同方向に移動する中間転写体の表面に転写する1次転写手段と、前記中間転写体上のトナー像を記録材上に転写する2次転写手段とを有する画像形成装置において、
前記中間転写体は、前記像担持体と当接する表面が、ラジカル重合性モノマーと無機微粒子とを混合し、前記ラジカル重合性モノマーを重合することにより得られる有機−無機ハイブリッド材料により構成されており、当該表面のナノインデンテーション法による表面硬度が、前記像担持体の表面のナノインデンテーション法による表面硬度より大きく、
前記中間転写体の表面のナノインデンテーション法による表面硬度の値が、1.51〜1.61GPaであり、前記像担持体の表面のナノインデンテーション法による表面硬度の値が、0.64〜1.51GPaであり、
当該中間転写体の周速度が、前記像担持体の周速度より大きいことを特徴とする画像形成装置。 - 前記中間転写体の表面の表面抵抗率の値が、1010〜1013Ω/□であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記中間転写体の表面を構成する有機−無機ハイブリッド材料に含有される前記無機微粒子は、表面処理によりその表面が不飽和結合を持つ反応性基が付与されたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
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