JP5223616B2 - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、中間転写体を用いた電子写真方式の画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置は、オフィス向けの複写機、プリンタに加えて、最近では、軽印刷と呼ばれる印刷分野にまで普及し、版をおこさずに数千枚レベルのプリントを短時間で行えるというメリットから注目されるようになってきた。
電子写真方式の画像形成方法の1つに、感光体上に形成されたトナー画像を転写中間体上に転写し、転写中間体より記録媒体上に2次転写を行う工程を経て画像形成を行うものがある。そして、中間転写体の実施形態の1つに、樹脂製の無端ベルトを用いた中間転写ベルトがあり、良好な転写性能を発現させるために、中間転写ベルトの改良がこれまでも進められてきた。
例えば、高い撥水性を付与し、かつ、トナーと逆極性の摩擦帯電性を発現する材料を中間転写ベルトの表面に用いることにより、虫食い版画と呼ばれる局所的な転写不良の発生をなくして安定した転写を行えるようにした技術がある(例えば、特許文献1参照)。また、導電性フィラーを含有する層とシリコーン樹脂を含有する表面層を設けることにより、長期にわたりトナー離型性を維持させるとともに、引張強度を向上できるようにした技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、最近では、デジタル化の進展に対応して高精細なトナー画像を精度よく転写できるように、中間転写ベルト表面領域の性能を向上させる技術が検討されている。具体的には、表面層に導電剤を含有させた中間転写ベルト(例えば、特許文献3参照)や電子受容性あるいは電子供与性の原子団を有するカップリング剤を表面層に含有する中間転写ベルト(例えば、特許文献4参照)などが挙げられる。
中間転写体を用いる画像形成方法においては中間転写体と最終媒体(例えば紙)間のトナー像転写(2次転写)が良好に行われない場合、部分的な画像抜けや濃度低下、トナー消費量の増加等の問題が発生する。
前記した中間転写体の表面性の改良は、トナー像の最終媒体が一般的に紙であることから、中間転写体側の表面性を調整することで2次転写性の問題に対応したものである。
しかしながら、中間転写体が硬く、表面エネルギーが小さい場合には感光体上に現像剤中の無機外添剤が凝集付着し最終画像に彗星状の画像欠陥が発生する問題が生じている。
上記課題は感光体と中間転写体の表面エネルギーの大小とは関係なく発生しており、従来の中間転写体や感光体の表面エネルギーの調整ではこの画像欠陥に対応できないことがはっきりしてきた。
特開平9−230714号公報 特開平9−269676号公報 特開2001−242725号公報 特開2002−328535号公報
本発明は、電子写真方式で、中間転写体(以後、ベルト状の中間転写体は中間転写ベルトとも云う)を用いた画像形成方法において、前記した彗星状の画像欠陥(以後、ダッシュマークとも云う)の発生を防止し、良好な電子写真画像を作製できる画像形成方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本願発明者等は、上記課題は、彗星状の画像欠陥の原因となるトナーの外添剤を感光体の表面に付着しにくいような構成を見出すことが必要であると考え、このような構成を中間転写体を用いた画像形成方法全般について検討を行った結果、本願発明を完成した。
即ち、本発明の課題は、以下に記載の構成により達成される。
1.少なくとも、電子写真感光体を帯電する帯電工程、帯電された電子写真感光体上に静
電潜像を形成する露光工程、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を少なくとも結着
樹脂と着色剤からなる着色粒子に外添剤を加えてなるトナーを用いてトナー像に顕像化す
る現像工程、該電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体に転写する転写工程
、該電子写真感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング工程を有する画像形成方法
において、
前記中間転写体はSiO の表面層を有し、かつ、表面の自由エネルギーの分散力成分(γ )が40mN/m以下であり、
前記電子写真感光体の表面層が硬化性化合物を反応硬化させた構造成分と金属酸化物粒子としてシリカ、酸化チタン、酸化亜鉛のいずれかを含有することを特徴とする画像形成方法。
2.前記硬化性化合物が3官能以上の硬化性化合物を合有することを特徴とする前記1に
記載の画像形成方法。
3.前記硬化性化合物の反応点当量が1000以下であることを特徴とする前記1又は2
に記載の画像形成方法。
4.少なくとも、電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電する帯電手段、帯電された電
子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段、該電子写真感光体上に形成された静電潜
像を少なくとも結着樹脂と着色剤からなる着色粒子に外添剤を加えてなるトナーを用いて
トナー像に顕像化する現像手段、該電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体
に転写する転写手段、該電子写真感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段を
有する画像形成装置において、
前記中間転写体はSiO の表面層を有し、かつ、表面の自由エネルギーの分散力成分(γ )が40mN/m以下であり、
前記電子写真感光体の表面層が硬化性化合物を反応硬化させた構造成分と金属酸化物粒子としてシリカ、酸化チタン、酸化亜鉛のいずれかを含有することを特徴とする画像形成装置。
本願発明の画像形成方法を用いることにより、中間転写体を用いた画像形成方法でのトナーの転写特性の改善と共に、彗星状の画像欠陥の発生も防止でき、画像欠陥のない良好なトナー画像を安定して形成できるようになった。
以下、本願発明について、詳細に説明する。
本願発明の画像形成方法は、少なくとも、電子写真感光体を帯電する帯電工程、帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光工程、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を少なくとも結着樹脂と着色剤からなる着色粒子に外添剤を加えてなるトナーを用いてトナー像に顕像化する現像工程、該電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体に転写する転写工程、該電子写真感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング工程を有する画像形成方法であり、中間転写体表面の自由エネルギーの分散力成分(γ )が40mN/m以下であり、前記電子写真感光体の表面層が硬化性化合物を反応硬化させた構造成分を含有していることを特徴とする。
本願発明は上記構成を有することにより、中間転写体を用いた画像形成方法でのトナーの転写特性の改善と共に、彗星状の画像欠陥の発生も防止でき、画像欠陥のない良好なトナー画像を安定して形成できる。
以下、本願発明の中間転写体について、説明する。
本願発明に係わる中間転写体表面は、自由エネルギーの分散力成分(γ )が40mN/m以下である。
該中間転写体表面の自由エネルギーの分散力成分(γ )は、40mN/m以下であるが、好ましくは、30mN/m以下、19mN/m以上である。
すなわち、表面エネルギーが40mN/m以下の時、中間転写ベルトとトナーとの間に適度な付着性が得られ、2次転写性や中抜け、あるいは画質劣化を発生させる要因が解消されて良好な画像形成が行えるものと推測される。
又、本願発明に係わる中間転写体表面の自由エネルギーの分散力成分(γ )は以下のようにして算出される。
一般に、固体物質の表面エネルギーは、既知の表面エネルギーを有する液体を固体上に置いたときに形成される接触角より算出される。具体的には、表面エネルギーを知りたい固体上にこの液体を置いたときに形成される接触角により、接着仕事の関係式からFowkesの理論に基づいて算出される。
固体と液体の接着仕事は下記関係式で表される。
SL=γ(1+cosθSL
SL:固体試料/液体試料の接着仕事
γ :液体試料の表面自由エネルギー
θSL:固体試料/液体試料の接触角
ここで、接着仕事WSLを、分散力成分、双極子力成分、水素結合成分の3成分に分解して考えると接着仕事WSLは以下のように表される。すなわち、
SL=WSL +WSL +WSL
SL :分散力成分に対応する接着仕事
SL :双極子力成分に対応する接着仕事
SL :水素結合成分に対応する接着仕事
次に、固体試料の表面試料の表面自由エネルギーをγとし、これも上述の3成分に分解して考えると、以下のようになる。すなわち、
γ=γ +γ +γ
γ :固体試料の表面自由エネルギー
γ :分散力成分に対応する表面自由エネルギー
γ :双極子力成分に対応する表面自由エネルギー
γ :水素結合成分に対応する表面自由エネルギー
液体試料の表面自由エネルギーγ(=γ)も上述の3成分に分解すると、
γ=γ +γ +γ (i=1、2、3)
γ :液体試料の表面自由エネルギー
γ :分散力成分に対応する表面自由エネルギー
γ :双極子力成分に対応する表面自由エネルギー
γ :水素結合成分に対応する表面自由エネルギー
液体試料の表面自由エネルギーγの具体例としては、以下の表1のようになる。ここで、i=1をα−ブロモナフタレン、i=2をヨウ化メチレン、i=3を水とする。
Figure 0005223616
また、上述の接着仕事は下記の幾何平均の関係式が成立するものとする。
Figure 0005223616
これらの式から下記拡張Fowkesの式が成り立つ。
Figure 0005223616
式中、WS1は液体試料がα−ブロモナフタレンのときの接着仕事、WS2はヨウ化メチレンのとき、WS3は液体試料が水のときの接着仕事を表す。
なお、WS1、WS2、WS3は接触角測定により算出され、行列の中の数値は既知の数値であるので、上記関係式に基づいて逆行列計算によりγ 、γ 、γ を算出することができる。その結果より、固体試料の表面エネルギーγを算出することができる。
次に、本発明に係る中間転写ベルトが使用可能な画像形成装置について説明する。本発明に係る中間転写ベルトの使用が可能な画像形成装置は、例えば、複写機やレーザプリンタ等が挙げられるが、特に、500枚以上の連続プリントが可能な画像形成装置が好ましい。この様な装置では、短時間に大量のプリント作成を行う分、蓄積電荷の影響により中間転写ベルトと記録紙との間に白抜けなどの画質低下を招く電界が発生し易くなるが、本発明に係る中間転写ベルトにより画質低下が抑制されて安定した2次転写が行える。
本願発明では、中間転写体の自由エネルギーの分散力成分(γ )の特性が、40mN/m以下であることと、感光体の表面層が硬化性化合物を反応硬化させた構造成分を含有する表面層であることを同時に満たさないと、トナー像の一次転写性が低下し、又、彗星状の画像欠陥も発生しやすい。
上記のような中間転写体を構成するには、以下のような中間転写体を用いる。
本発明に係る中間転写ベルト2aの一例を図1に示す。図1において、2aは無端の中間転写ベルト、20aは中間転写ベルトの断面、21aは基材層、22aは中間層、23aは表面層を示す。
図1の(a)は、単層構成の中間転写ベルト
(b)は、基材層と表面層とを有する多層構成の中間転写ベルト
(c)は、基材層と中間層と表面層とを有する多層構成の中間転写ベルトを示す。
基材層23aは体積抵抗が10〜1012Ω・cmオーダーの無端ベルトが好ましく、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)ポリアミドイミド(PAI)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、エトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)等の樹脂材料やフッ素系樹脂、EPDM、NBR、CR、ポリウレタン等のゴム材料にカーボン等の導電性フィラーを分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりしたものが用いられ、その厚みは、樹脂材料の場合50〜200μm程度、ゴム材料の場合は300〜700μm程度に設定されている。又、表面層を形成する前に、プラズマ、火炎、紫外線照射等公知の表面処理方法により、基材表面を前処理しても良い。
中間層22aは、基材層21aと表面層23aの接着性を向上させるための層で、必要に応じ設けられる。
中間層の形成方法としては、樹脂を溶剤に溶解した塗布液を塗布して形成する方法、樹脂を直接製膜して形成する方法が挙げられるが、樹脂を溶剤に溶解した塗布液を塗布して形成する方法が好ましい。
中間層22aに使用可能な材料としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、マレイン酸の共重合体樹脂や、ポリアミド樹脂などが挙げられる。具体的なポリアミド樹脂の例としては、N−メトキシメチル化ナイロン(以下「ナイロン8」と略す)、ナイロン12、共重合ナイロン等が挙げられる。
表面層23aは、感光体上のトナー像を、中間転写ベルトへ、中間転写ベルトから記録媒体へ良好に転写するために設けられる。
次に、上記中間転写ベルトの表面層について説明する。
本発明の中間転写ベルトの表面を、自由エネルギーの分散力成分(γ )が40mN/m以下にするには、中間転写ベルトの表面層に無機酸化物層の表面層を形成することが好ましい。このような表面層を中間転写体に設ける事により、上記自由エネルギーの分散力成分の達成のみならず、単層の構成では得られない可撓性と剛性をバランスよく発現させることも可能である。なお、本発明では前述の基材層のことを基材ともいう。
前記無機酸化物層は厚さ5〜500nm、好ましくは10〜300nmで、SiO、Al、ZrO、TiOから選ばれる少なくとも1つの酸化物を含み特にSiOが好ましく、無機酸化物層は少なくとも放電ガスと無機酸化物層由来の原料ガスとの混合ガスをプラズマ化して原料ガスに応じた膜を堆積・形成するプラズマCVD、特に大気圧または大気圧近傍下において行われるプラズマCVDにより形成することが好ましい。
以下、無機酸化物層は珪素酸化物(SiO)を用いた場合について説明する。
大気圧またはその近傍の圧力とは20kPa〜110kPa程度であり、本発明に記載の良好な効果を得るためには、93kPa〜104kPaが好ましい。
以下に中間転写体の層を大気圧プラズマCVDにより形成する場合を例に取り、装置及び方法について説明する。
図2は、中間転写体の表面層を製造する製造装置の説明図である。
中間転写体の表面層の製造装置2(放電空間と薄膜堆積領域が略同一部で、プラズマを基材に晒して堆積・形成するダイレクト方式)は基材上に無機酸化物層を形成するもので、エンドレスベルト状の中間転写体の基材175を巻架して矢印方向に回転するロール電極20と従動ローラ201、及び、基材表面に無機酸化物層を形成する成膜装置である大気圧プラズマCVD装置3より構成されている。
大気圧プラズマCVD装置3は、ロール電極20の外周に沿って配列された少なくとも1式の固定電極21と、固定電極21とロール電極20との対向領域で且つ放電が行われる放電空間23と、少なくとも原料ガスと放電ガスとの混合ガスGを生成して放電空間23に混合ガスGを供給する混合ガス供給装置24と、放電空間23等に空気の流入することを軽減する放電容器29と、固定電極21に接続された第1の電源25と、ロール電極20に接続された第2の電源26と、使用済みの排ガスG’を排気する排気部28とを有している。
ここで、固定電極21に第2の電源26、ロール電極20に第1の電源25を接続しても良い。
混合ガス供給装置24は珪素酸化物を含む膜を形成する原料ガスと、窒素ガス或いはアルゴンガス等の希ガスを混合した混合ガスを放電空間23に供給する。
また、従動ローラ201は張力付勢手段202により矢印方向に付勢され、基材175に所定の張力を掛けている。張力付勢手段202は基材175の掛け替え時等は張力の付勢を解除し、容易に基材175の掛け替え等を可能としている。
第1の電源25は周波数ω1の電圧を出力し、第2の電源26は周波数ω1より高い周波数ω2の電圧を出力し、これらの電圧により放電空間23に周波数ω1とω2とが重畳された電界Vを発生する。そして、電界Vにより混合ガスGをプラズマ化して混合ガスGに含まれる原料ガスに応じた膜(無機酸化物層)が基材175の表面に堆積される。
ここで、他の形態として、ロール電極20と固定電極21との内、一方の電極をアースに接続して、他方の電極に電源を接続しても良い。この場合の電源は第2の電源を使用することが緻密な薄膜形成を行え好ましく、特に放電ガスにアルゴン等の希ガスを用いる場合に好ましく用いられる。
なお、複数の固定電極の内、ロール電極の回転方向下流側に位置する複数の固定電極と混合ガス供給装置で無機酸化物層を積み重ねるように堆積し、無機酸化物層の厚さを調整するようにしても良い。
また、複数の固定電極の内、ロール電極の回転方向最下流側に位置する固定電極と混合ガス供給装置で無機酸化物層を堆積し、より上流に位置する他の固定電極と混合ガス供給装置で、例えば無機酸化物層と基材との接着性を向上させる接着層等、他の層を形成しても良い。
また、無機酸化物層と基材との接着性を向上させるために、無機酸化物層を形成する固定電極と混合ガス供給装置の上流に、アルゴンや酸素或いは水素などのガスを供給するガス供給装置と固定電極を設けてプラズマ処理を行い、基材の表面171aを活性化させるようにしても良い。
以上説明したように、エンドレスベルトである中間転写ベルトを1対のローラに張架し、1対のローラの内一方を1対の電極の一方の電極とし、一方の電極としたローラの外周面の外側に沿って他方の電極である少なくとも1の固定電極を設け、これら1対の電極間(固定電極とローラ電極)に大気圧または大気圧近傍下で電界を発生させプラズマ放電を行わせ、中間転写体表面に薄膜を堆積・形成する構成を取ることにより、転写性が高く、クリーニング性及び耐久性が高い中間転写体を得ることを可能としている。
以下に基材上に無機酸化物層を形成する各種の大気圧プラズマCVD装置の形態について詳細に説明する。
なお、下記の図3は図2の破線部を主に抜き出したものである。
図3は、プラズマにより中間転写体の表面層を製造する第1の製造装置の説明図である。
図3を参照して、無機酸化物層の形成に好適に用いられる大気圧プラズマCVD装置の第1の形態の1例を説明する。
第1の大気圧プラズマCVD装置3は前述したように混合ガス供給装置24、固定電極21、第1の電源25、第1のフィルタ25a、ロール電極20、ロール電極を矢印方向に駆動回転させる駆動手段20a、第2の電源26、第2のフィルタ26aとを有しており、前述したように放電空間23でプラズマ放電を行わせて原料ガスと放電ガスを混合した混合ガスGを励起させ励起した混合ガスG1を基材表面175aに晒し、その表面に無機酸化物層を堆積・形成するものである。即ち放電空間は薄膜形成領域でもある。
そして、固定電極21に第1の電源25から周波数ωの第1の高周波電圧が印加され、ロール電極20に第2の電源26から周波数ωの高周波電圧が印加されるようになっており、それにより、固定電極21とロール電極20との間に電界強度Vで周波数ωと電界強度Vで周波数ωとが重畳された電界が発生し、固定電極21に電流Iが流れ、ロール電極20に電流Iが流れ、電極間にプラズマが発生する。
ここで、周波数ω1と周波数ω2の関係、及び、電界強度Vと電界強度Vおよび放電ガスの放電を開始する電界強強度IVとの関係が、ω<ωで、V≧IV>V、または、V>IV≧Vを満たし、前記第2の高周波電界の出力密度が1W/cm以上となっている。
窒素ガスの放電を開始する電界強強度IVは3.7kV/mmの為、少なくとも第1の電源25から印可する電界強度Vは3.7kV/mm、またはそれ以上とし、第2の高周波電源60から印可する電界強度Vは3.7kV/mm、またはそれ未満とすることが好ましい。
また、第1の大気圧プラズマCVD装置3に利用可能な第1の電源25(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
A1 神鋼電機 3kHz SPG3−4500
A2 神鋼電機 5kHz SPG5−4500
A3 春日電機 15kHz AGI−023
A4 神鋼電機 50kHz SPG50−4500
A5 ハイデン研究所 100kHz* PHF−6k
A6 パール工業 200kHz CF−2000−200k
A7 パール工業 400kHz CF−2000−400k
等の市販のものを挙げることが出来、何れも使用することが出来る。
また、第2の電源26(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
B1 パール工業 800kHz CF−2000−800k
B2 パール工業 2MHz CF−2000−2M
B3 パール工業 13.56MHz CF−5000−13M
B4 パール工業 27MHz CF−2000−27M
B5 パール工業 150MHz CF−2000−150M
等の市販のものを挙げることが出来、何れも使用することが出来る。
なお、上記電源のうち、*印はハイデン研究所インパルス高周波電源(連続モードで100kHz)である。それ以外は連続サイン波のみ印加可能な高周波電源である。
本発明において、第1及び第2の電源から対向する電極間に供給する電力は、固定電極21に1W/cm以上の電力(出力密度)を供給し、放電ガスを励起してプラズマを発生させ、薄膜を形成する。固定電極21に供給する電力の上限値としては、好ましくは50W/cm、より好ましくは20W/cmである。下限値は、好ましくは1.2W/cmである。なお、放電面積(cm)は、電極において放電が起こる範囲の面積のことを指す。
また、ロール電極20にも、1W/cm以上の電力(出力密度)を供給することにより、高周波電界の均一性を維持したまま、出力密度を向上させることが出来る。これにより、更なる均一高密度プラズマを生成出来、更なる製膜速度の向上と膜質の向上が両立出来る。好ましくは5W/cm以上である。ロール電極20に供給する電力の上限値は、好ましくは50W/cmである。
ここで高周波電界の波形としては、特に限定されない。連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードと、パルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モード等があり、そのどちらを採用してもよいが、少なくともロール電極20に供給する高周波は連続サイン波の方がより緻密で良質な膜が得られるので好ましい。
また、固定電極21と第1の電源25との間には、第1フィルタ25aが設置されており、第1の電源25から固定電極21への電流を通過しやすくし、第2の電源26からの電流をアースして、第2の電源26から第1の電源25への電流が通過しにくくなるようになっており、ロール電極20と第2の電源26との間には、第2フィルター26aが設置されており、第2の電源26からロール電極20への電流を通過しやすくし、第1の電源21からの電流をアースして、第1の電源25から第2の電源26への電流を通過しにくくするようになっている。
電極には前述したような強い電界を印加して、均一で安定な放電状態を保つことが出来る電極を採用することが好ましく、固定電極21とロール電極20には強い電界による放電に耐えるため少なくとも一方の電極表面には下記の誘電体が被覆されている。
以上の説明において、電極と電源の関係は、固定電極21に第2の電源26を接続して、ロール電極20に第1の電源25を接続しても良い。
更に他の形態として、一方の電極をアースに接続しても良く、他方の電極に接続する電源は第2の電源を使用することが緻密な薄膜形成を行え好ましく、とくに放電ガスにアルゴン等の希ガスを用いる場合に好ましい。
又、中間転写体の表面層23aは、導電性物質と反応性化合物を含有する表面層用塗布液を基材層上にスプレー塗布して塗膜を形成し、塗膜の流動性が無くなる程度まで一次乾燥した後、紫外線により反応性化合物に硬化処理を施し、更に塗膜中の揮発性物質の量を規定量にするため二次乾燥を行って作製することが好ましい。
表面層の樹脂としては、硬化性の官能基を有する化合物を反応硬化させた樹脂が好ましい。
硬化性の官能基を有する化合物とは、アクリル系、フェノール系、メラミン系、アルキッド系、シリコーン系、エポキシ系、ウレタン系及び不飽和ポリスチレン系などの熱硬化性化合物や、ビニルエーテル系、ビニル系、スチレン系及びアクリル系などの不飽和二重結合を有する連鎖重合化合物をさす。これらは、一種または二種以上混合して用いることもできる。
好ましい表面層用塗布液の材料の一例を下記に示すがこれに限定されるものではない。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA:日本化薬)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(Irgacure184:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ)
アンチモンドープ酸化スズ(T−1:三菱マテリアル)
シリカゾル(MEK シリカゾル:日産化学)
ポリテトラフルオロエチレン分散液(KD−500AS:喜多村化学)
ポリジメチルシロキサン
メチルエチルケトン:メチルイソブチルケトン=8:2
本発明で規定している中間転写ベルト中の揮発性物質の量は、表面層の形成に用いる溶剤の種類、紫外線の強度と積算光量、乾燥条件で制御する方法が好ましい。
本発明では、紫外線の積算光量(mJ/cm)は、水銀灯の強度(mW/cm)と照射時間で調整する。
〈導電性物質〉
本発明では、中間転写ベルトの電位特性をコントロールする目的で各層に導電性物質を添加することが好ましい。
本発明に用いる導電性物質としては、導電性フィラー、イオン導電剤を挙げることができる。
導電性フィラーとしては、数一次平均粒子径5μm以下のものが好ましく、0.01〜1μmのものがより好ましい。導電性フィラーの平均粒子径が5μm以下にすることにより、製膜時に導電性フィラーが偏在する可能性が無くなり、その結果中間転写ベルトの電気特性のバラツキが生じなくなる。
導電性フィラーとしては、具体的にカーボンブラック、導電性金属酸化物を挙げることができる。
カーボンブラックを用いると、少ない使用量で電気特性を達成することができ好ましい。
カーボンブラックとしては、導電性を有するものであれば種々の既存のカーボンブラックを用いることができ、ファーネストブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等を挙げることができる。
カーボンブラックの配合量としては、カーボンブラックの種類により異なるが中間転写ベルト全体に対して5〜40質量部が好ましく、要求される体積抵抗率に合うように適性に添加される。
また、導電性金属酸化物としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等を用いることができる。
また、導電性金属酸化物はシラン系カップリング剤で表面処理することが好ましい。この処理は、適当な溶媒に溶解したシラン系カップリング剤溶液中に金属酸化物を添加混合して、溶媒を蒸発し乾燥させることにより行われる。表面処理された金属酸化物(表面処理または非処理の導電性金属酸化物を以下に導電剤ということがある)は、ポリイミド樹脂との相溶性が向上するため、その分散が均一になり、表面抵抗率のバラツキがより一層抑制される。シラン系カップリング剤で表面処理された金属酸化物の配合量は、表面処理されてない金属酸化物と同様の理由により、金属酸化物の種類等によっても異なるので、一義的に定めることは困難であるが、樹脂100質量部に対して32〜40質量部の範囲にあり、好ましくは35〜38質量部である。シラン系カップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
イオン導電剤としては、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウニウム塩の過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、臭化ベンジル塩、塩化ベンジル塩等のハロゲン化ベンジル塩等の第四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤、各種ベタイン等の両性イオン界面活性剤、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤等の帯電防止剤、LiCFSO、NaCl、LiClO、LiAsF、LiBF、NaSCN、KSCN、NaCl等のLi、Na、K等の周期律表第1族の金属塩、あるいはNH4+の塩等の電解質、またCa(ClO等のCa2+、Ba2+等の周期律表第2族の金属塩及びこれらの帯電防止剤が、少なくとも1個の水酸基、カルボキシル基、一級ないし二級アミン基等のイソシアネートと反応する活性水素を有する基を持ったものが挙げられる。更に、それら等と1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコールとその誘導体等の錯体あるいはエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のモノオールとの錯体が挙げられ、これらの中から選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、その他公知のイオン導電性抵抗制御剤等、上記の材料に限定されるものではない。
本発明に係る中間転写ベルトの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、各層の形成材料およびその溶剤をそれぞれ適宜に配合し、ボールミル等で混練、攪拌して各コーティング液を調製する。このようにして調製したコーティング液の濃度は、層の厚みに応じて適宜に設定される。ついで、各コーティング液をそれぞれ槽に収容し、その一方でアルミニウム、ステンレス等の金属製の軸体を準備して、この軸体を基材層用のコーティング液が収容されている槽中に垂直に立てた状態で入れて浸漬させる。この時、浸漬を数回繰り返して所定の厚さの塗膜を形成させた後、コーティング液中から軸体を引き上げる。ついで、各層のコーティング液を用いて同様の操作を繰り返し、多層構造を形成する。次に、乾燥し溶剤を除去した後、加熱処理(例えば60〜150℃×60分間)を行い、軸体を抜き取って図1に示す無端状の中間転写ベルトを作製する。
この浸漬法による製法以外にも、押出成形法、スプレーコーティング法、インフレーション法、ブロー成形法等の方法により、中間転写ベルトを作製することが可能である。
また、特に、基材層にポリイミド樹脂を使用する場合は、例えば、全芳香族骨格を有するテトラカルボン酸二無水物とジアミン成分とを重合反応して得たポリアミド酸溶液を適宜な方式で展開し、その展開層を乾燥製膜してフィルム状に成形し、その成形物を加熱処理してポリアミド酸をイミドに転化する方法により基材層が得られる。そして、基材層上に他層を構成するコーティング液を順次浸漬、あるいは、スプレーコーティングして中間転写ベルトを作製する。
シームレスの中間転写ベルトを形成する場合、例えば、ポリアミド酸溶液を円筒状金型の外周面に浸漬する方式や、内周面に塗布する方式や更に遠心する方式、或いは注形型に充填する方式などの適宜な方式でリング状に展開し、その展開層を乾燥製膜してベル卜形に成形し、その成形物を加熱処理してポリアミド酸をイミドに転化して型より回収する方法などの従来に準じた適宜な方法により行うことができる(特開昭61−95361号公報、特開昭64−22514号公報、特開平3−180309号公報等)。シームレスベルトの形成に際しては、型の離型処理や脱泡処理などの適宜な処理を施すことができる。
本発明に係る中間転写ベルトは、ベルト表面の表面抵抗率が1×1010〜1×1014Ω/□であることが好ましい。表面抵抗率を上記範囲内にすることで、前述した導電性微粒子の作用によるポストニップ部(2次転写部で記録媒体と中間転写ベルトとが剥離する個所)での局所的な剥離放電の抑制を補助しているものと推測される。また、プレニップ部(2次転写部の記録媒体と中間転写体とが接触開始する個所)でも電界強度の均一化を補助しているものと推測され、従来技術でプレニップ部でのギャップ放電による影響として懸念されていた画質の粒状性に対する影響も改善されている。
本発明に係る中間転写ベルト表面における表面抵抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPの「HRプローブ」)を用い、JIS K6991に基づいて測定することができる。本発明に係る中間転写ベルトの表面抵抗率の測定方法は、例えば、特開2001−242725号公報の段落0047や図7の記載を参照することができる。
また、本発明に係る中間転写ベルトの体積抵抗率は、1×10〜1×1012Ω・cmであることが好ましい。体積抵抗率を上記範囲内にすることで、中間転写体より記録媒体に転写された未定着トナー像の電荷を適度に保持する様に作用する静電的な力により、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の影響が抑制されるものと推測される。その結果、記録媒体上に転写されたトナー画像は飛散せずに、静電的反発力などによるノイズの影響を受けることなく安定した画像形成が期待される。この様に、本発明に係る中間転写ベルトは、画像欠陥の発生防止に加えてトナー飛散の発生を懸念する必要がない。
体積抵抗率の測定は、前述の表面抵抗率と同様に円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ)を用い、JIS K6991に基づいて測定することが可能である。体積抵抗率の具体的な測定方法は、例えば、特開2001−242725号公報の段落0048や図8の記載を参照することができる。
次に、本願発明に係わる電子写真感光体について説明する。
本発明に係わる電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層及び表面層(保護層)を順次積層した構成が好ましく、前記表面層が硬化性官能基を有する化合物を反応硬化させた表面層であることを特徴とする。
本発明の電子写真感光体が上記の構成を有することにより、前記した構成の中間転写体と組み合わせることにより、トナー付着物による彗星状の画像欠陥(ダッシュマーク)の発生を防止し、中間転写体を用いた画像形成方法で、転写不良による中抜けの発生も抑制でき、良好な電子写真画像を得ることができる。
まず、本願発明に係わる表面層の説明を以下に記す。
硬化性官能基を有する化合物(以下、硬化性化合物とも云う)について記載する。
硬化性官能基を有する化合物とは、光重合開始剤あるいは重合開始剤の触媒機能により、ラジカル基を生成し、該ラジカル基の連鎖反応により重合反応を生成し、重合物、即ち、高分子化合物、或いは架橋樹脂を生成できる化合物をいう。
表面層が硬化性官能基を有する化合物を反応硬化させた表面層であるとは、上記ラジカル基の連鎖反応により重合反応を生成し、重合物、即ち、高分子化合物、或いは架橋樹脂を生成した表面層を意味する。
上記硬化性官能基としてはアクリロイルオキシ基(CH=CHCOO−)、あるいはメタクリロイルオキシ基(CH=C(CH)COO−)、エポキシ基等が挙げられる。
これらの硬化性化合物は、該化合物をそのまま表面層の塗布液成分として用いてもよいが、あらかじめ、オリゴマーに重合して、表面層の塗布液成分としてもよい。
以下に、硬化性化合物例を挙げるが、本願発明はこれら例示化合物のみには限定されない。
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上記例示化合物中のAc基数とは、硬化性化合物中の官能基数を示す。
上記の硬化性化合物は、市販されており、日本化薬(株)、東亞合成(株)、ダイセルサイテック(株)等から購入することができる。
硬化性化合物の官能基は2官能以上が好ましく、網目状の樹脂構造にするには、3官能以上の化合物を混在させることがこのましい。
前記硬化性化合物の反応点等量が1000以下であることが好ましい。ここで、反応点等量とは硬化性化合物の分子量を前記官能基数(Ac基数)で除した値である。該反応点等量を1000以下とすることにより、表面層の架橋密度を高くでき、トナーの外添剤の付着を防止でき、ダッシュマークの発生を効果的に防止できる。
硬化性化合物の重合開始剤、即ち、光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、チオキサントン、ベンゾブチルエーテル、アシロキシムエステル、ジベンゾスロベン、ビスアシルフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。
これらの重合開始剤も市販品を用いることができる。例えば、下記のような化合物がCiba(株)より市販されている。
Figure 0005223616
表面層の塗布液溶媒としては、前記硬化性化合物や重合開始剤を溶解するものであれば特に限定されず、具体的にはn−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等を挙げることができる。
表面層を形成するには、表面層の塗布液(上記組成物)を感光層上に塗布した後、塗膜の流動性が無くなる程度まで1次乾燥した後、紫外線を照射して表面層を硬化し、更に塗膜中の揮発性物質の量を規定量にするため2次乾燥を行って作製する方法が好ましい。
紫外線を照射する装置としては、紫外線硬化樹脂を硬化させるのに用いられている公知の装置を用いることができる。
樹脂を紫外線硬化させる紫外線の量(mJ/cm)は、紫外線照射強度と照射時間で制御することが好ましい。
本願発明に係わる表面層の膜厚は、0.5〜15μm、好ましくは1〜10μmである。
又、表面層には、酸化防止剤を含有させてもよい。酸化防止剤の含有量は前記光硬化性化合物100質量%にたいして、0.5〜20質量%が好ましい。
又、表面層には金属酸化物を含有させることが好ましい。金属酸化物を含有させることにより、表面層の硬度を更に高めることができ、感光体の摩耗を小さくできる。
このような金属酸化物(金属酸化物粒子)には、遷移金属のケイ素酸化物等も包含し、例えば、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ、酸化ジルコニウム等の微粒子を好ましく用いることができが、これらの中でも特に、コスト、粒径の調整や表面処理の容易さ等からシリカ、酸化チタン、アルミナ(酸化アルミニウム)等が好ましい。
又、これら金属酸化物粒子の大きさは、数平均一次粒径で5〜100nmが好ましい。
金属酸化物粒子の数平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに300個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によりフェレ径の数平均径として測定値を算出する。
又、金属酸化物粒子の吸水率を0.1〜10%の範囲に調整するには、これら金属酸化物粒子の表面を疎水化処理することが好ましい。
疎水化処理剤としては、公知の化合物を用いることが出来、具体例を下記に挙げる。又、これらの化合物は組み合わせて使用しても良い。
チタンカップリング剤としてはテトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート及びビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネート等が挙げられる。
シランカップリング剤としてはγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−ビニルベンジルアミノエチル−N−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン及びp−メチルフェニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シリコーンオイルとしてはジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル及びアミノ変性シリコーンオイル等が挙げられる。
又、上記表面疎水化剤としてハイドロジェンポリシロキサン化合物を用いてもよい。該ハイドロジェンポリシロキサン化合物の分子量は1000〜20000のものが一般に入手しやすい。特にメチルハイドロジェンポリシロキサンを最後の表面処理に用いると良好な効果が得られる。
これらの疎水化処理剤は、金属酸化物粒子に対して1〜40質量%添加して被覆することが好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
金属酸化物粒子の疎水化処理は、金属酸化物粒子を撹拌等によりクラウド状に分散させたものに、アルコール等で溶解した疎水化処理剤溶液を噴霧するか或いは気化した疎水化処理剤を接触させて付着させる乾式処理、又は、金属酸化物粒子を溶液中に分散させ、その中に疎水化処理剤を滴下して付着させる湿式処理等の従来公知の方法で行うことが出来る。
又、表面層中の金属酸化物粒子の含有量は表面層に用いる光硬化性官能基を有する化合物100質量%に対して5〜200質量%、好ましくは30〜150質量%、最も好ましくは50〜120質量%で使用されるのがよい。5〜200質量%の範囲内で本願発明の効果、2次転写性の改良効果、ダッシュマークや中抜けの改善効果が良好であり、残留電位が上昇や、画像濃度の低下、或いは、画像流れを防止して、良好な電子写真画像を得ることができる。
以下、表面層以外の本発明に適用される電子写真感光体の構成について記載する。
本発明に係わる電子写真感光体は有機感光体が好ましい。有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機感光体を全て含有する。
本発明の有機感光体の層構成は、基本的には導電性支持体上に、中間層、電荷発生層及び電荷輸送層の感光層から構成される。電荷輸送層は複数の電荷輸送層で構成してもよい。最上層は、前記した表面層で構成する。
以下に本発明に用いられる具体的な感光体の構成について記載する。
導電性支持体
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状或いは円筒状の導電性支持体が用いられる。
本発明の円筒状の導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性支持体の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗10Ωcm以下が好ましい。
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた前記した中間層を設けることが好ましい。
本発明の中間層には前記した吸水率が小さいバインダー樹脂中に酸化チタンを含有させることが好ましい。該酸化チタン粒子の平均粒径は、数平均一次粒径で10nm以上400nm以下の範囲が良く、15nm〜200nmが好ましい。10nm未満では中間層によるモアレ発生の防止効果が小さい。一方、400nmより大きいと、中間層塗布液の酸化チタン粒子の沈降が発生しやすく、その結果中間層中の酸化チタン粒子の均一分散性が悪く、又黒ポチ(黒点状の画像欠陥)も増加しやすい。数平均一次粒径が前記範囲の酸化チタン粒子を用いた中間層塗布液は分散安定性が良好で、且つこのような塗布液から形成された中間層は黒ポチ発生防止機能の他、環境特性が良好で、且つ耐クラッキング性を有する。
本発明に用いられる酸化チタン粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状の酸化チタン粒子は、例えば酸化チタン粒子では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でもルチル型で且つ粒状のものが最も良い。
本発明の酸化チタン粒子は表面処理されていることが好ましく、表面処理の1つは、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理を行い、最後に反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うことが好ましい。
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とは酸化チタン粒子表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
この様に、酸化チタン粒子の様な酸化チタン粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、酸化チタン粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理された酸化チタン粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子等の酸化チタン粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
上記反応性有機ケイ素化合物としては下記一般式(1)で表される化合物が挙げられるが、酸化チタン表面の水酸基等の反応性基と縮合反応をする化合物であれば、下記化合物に限定されない。
一般式(1)
(R)−Si−(X)4−n
(式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
また、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
また、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
又、表面処理に用いる好ましい反応性有機ケイ素化合物としてはポリシロキサン化合物が挙げられる。該ポリシロキサン化合物の分子量は1000〜20000のものが一般に入手しやすく、又、黒ポチ発生防止機能も良好である。
特にメチルハイドロジェンポリシロキサンを最後の表面処理に用いると良好な効果が得られる。
感光層
電荷発生層
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
本発明の有機感光体には、電荷発生物質として、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを単独で或いは併用して用いることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.1μm〜2μmが好ましい。
電荷輸送層
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMとのイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性を有するものであり、好ましくは0.30(eV)以下である。
CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し50〜200質量部が好ましい。
又、電荷輸送層(1層以上、好ましくは1〜3層)の膜厚の合計は5〜25μmが好ましい。膜厚が5μm未満だと帯電電位が不十分になりやすく、25μmを超えると、鮮鋭性が劣化しやすい。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
次に有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパー型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお表面層は前記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが最も好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
本発明で用いられるトナー
次に、本発明で用いられるトナーについて説明する。
トナーの母粒子である着色粒子(以下トナー粒子とも云う)の作製方法は、特に限定はないが、液中からトナー粒子を固液分離して作製されたものが好ましい。懸濁重合法、乳化会合法、溶解懸濁法等のいずれの方法で作製したトナー粒子分散液からでも製造できるが、粒度分布がシャープで、画像が優れ、高い現像剤寿命が得られる乳化重合会合法で製造したものが特に好ましい。
以下、乳化重合会合法によるトナー粒子分散液の製造方法について説明する。
乳化重合によるトナー粒子分散液の製造方法は、水系媒体中でトナー粒子を形成させる方法で、例えば特開2002−351142号公報等に開示されている。
また、特開平5−265252号公報、特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に開示される樹脂粒子を水系媒体中で塩析/融着させてトナー粒子分散液を製造する方法を挙げることができる。
具体的には、水中で樹脂粒子を乳化剤を用いて分散させた後、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加えて塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒子径を成長させ、目的の粒子径となったところで水を多量に加えて粒子径成長を停止し、さらに加熱、撹拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、トナー粒子分散液調製するものである。なお、ここにおいて凝集剤と同時にアルコールなど水に対して無限溶解する溶媒を加えてもよい。
水系媒体としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、またはこれらを混合したものを挙げることができるが特に限定されるものではない。トナーの製造にはこれらの中から適したものを選ぶことができる。
有機溶媒としては、トルエン、キシレン、またはこれらを混合したものを挙げることができるが特に限定されるものではない。
本発明に係るトナーは、流動性の改良やクリーニング性の向上等の目的で、いわゆる外添剤をトナー粒子に添加して使用する。これら外添剤としては特に限定されるものでは無いが、少なくとも無機粒子を使用する。
無機粒子
トナー外添剤として使用できる無機粒子としては、従来公知のものを挙げることができる。
具体的には、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛の微粒子を好ましく用いることができる。これら無機粒子は疎水性であることが好ましい。
シリカ粉体の具体例としては、日本アエロジル株式会社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト株式会社製のHVK−2150、H−200、キャボット株式会社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
酸化チタン微粒子の具体例としては、例えば、日本アエロジル株式会社製の市販品T−805、T−604、テイカ株式会社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン株式会社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産株式会社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子の具体例としては、例えば、日本アエロジル株式会社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業株式会社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
無機粒子の数平均粒子径は、1〜100nm、好ましくは3〜30nmがよい。
外添剤の添加量としては、トナー質量に対して0.2〜5.0質量%程度であることが好ましい。
外添剤をトナー粒子中に添加混合する装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機等の種々の公知の混合装置を挙げることができる。
本発明に係るトナーの粒径は、3.0〜8.0μmのものが好ましい。トナーの粒径をこの範囲にすることにより、高濃度で高鮮鋭度の無いトナー画像が得られる。
尚、本発明においては、トナーの粒径とは体積基準メディアン径(体積D50%径)のことである。
トナーの体積基準メディアン径(体積D50%径)の測定
コールターマルチサイザーIII(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出する。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。尚、アパーチャー径は50μmのものを使用した。
現像剤
現像工程で用いる現像剤は、1成分現像剤でも2成分現像剤でも良い。
1成分現像剤場合は、非磁性1成分現像剤、或いはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性1成分現像剤としたものが挙げられ、何れも使用することができる。
又、2成分現像剤は、キャリア100質量部にトナー3〜20質量部を混合して調製したものである。キャリアの磁性粒子としては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものが良い。
本発明に係る中間転写ベルトが使用可能な画像形成装置は、特に限定されず、単色のトナーで画像形成を行うモノクロ画像形成装置や、像担持体上のトナー像を中間転写ベルトに順次転写するカラー画像形成装置、各色毎の複数像担持体を中間転写体上に直列配置させたタンデム型カラー画像形成装置等が挙げられる。
図4は、本発明の画像形成装置の実施の形態としてのカラー画像形成装置を示す断面構成図である。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、転写部としての無端ベルト状中間転写ベルトユニット7と、記録部材Pを搬送する無端ベルト状の給紙搬送手段21及び定着手段としてのベルト式定着装置24とを有する。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
各感光体に形成される異なる色のトナー像の1つとして、イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Y、該感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、1次転写手段としての1次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。また、別の異なる色のトナー像の1つとして、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、該感光体1Mの周囲に配置された帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、1次転写手段としての1次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。また、更に別の異なる色のトナー像の1つとして、シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、該感光体1Cの周囲に配置された帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、1次転写手段としての1次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。また、更に他の異なる色のトナー像の1つとして、黒色画像を形成する画像形成部10Kは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1K、該感光体1Kの周囲に配置された帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K、1次転写手段としての1次転写ローラ5K、クリーニング手段6Kを有する。
無端ベルト状中間転写ベルトユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kより形成された各色の画像は、1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kにより、回動する無端ベルト状中間転写ベルト70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された記録媒体として用紙等の記録部材Pは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、2次転写手段としての2次転写ローラ5Aに搬送され、記録部材P上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された記録部材Pは、ベルト式定着装置24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、2次転写ローラ5Aにより記録部材Pにカラー画像を転写した後、記録部材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写ベルト70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、1次転写ローラ5Kは常時、感光体1Kに圧接している。他の1次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
2次転写ローラ5Aは、ここを記録部材Pが通過して2次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写ベルト70に圧接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、無端ベルト状中間転写ベルトユニット7とを有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Kの図示左側方には無端ベルト状中間転写ベルトユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写ベルトユニット7は、ローラ71、72、73、74、76を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写ベルト70、1次転写ローラ5Y、5M、5C、5K及びクリーニング手段6Aとからなる。
筐体8の引き出し操作により、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、無端ベルト状中間転写ベルトユニット7とは、一体となって、本体Aから引き出される。
このように感光体1Y、1M、1C、1K上に帯電、露光、現像によりトナー像を形成し、無端ベルト状中間転写ベルト70上で各色のトナー像を重ね合わせ、一括して記録部材Pに転写し、ベルト式定着装置24で加圧及び加熱により固定して定着する。トナー像を記録部材Pに転移させた後の感光体1Y、1M、1C、1Kは、クリーニング装置6Aで転写時に感光体に残されたトナーを清掃した後、上記の帯電、露光、現像のサイクルに入り、次の像形成が行われる。
本発明に使用される記録部材Pは、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、転写材あるいは転写紙と呼ばれるものである。具体的には、薄紙から厚紙までの普通紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種記録部材が挙げられる。
以下に、本発明に係る実施例を記載するが、以下の実施例に限定されるものではない。尚、下記文中の質量部は、通常の質量部の他に、単量体換算或いは固形分換算の質量部を表す。
《中間転写ベルトの作製》
(基材層1(中間転写ベルト1)の作製)
ポリフェニレンサルファイド樹脂(E2180:東レ社製) 100質量部
カーボンブラック(ファーネス#3030B:三菱化学社製) 16質量部
エチレン/グリシジルメタクリレートコポリマーのポリアクリロニトリル/スチレングラファイト物(Mn>10000)(モディパーA4400:日本油脂社製)
1質量部
モンタン酸カルシウム 0.2質量部
上記材料を単軸押出機に投入し、溶融混練させて樹脂混合物とした。単軸押出機の先端にはスリット状でシームレスベルト形状の吐出口を有する環状ダイスが取り付けてあり、混練された上記樹脂混合物を、シームレスベルト形状に押し出した。押し出されたシームレスベルト形状の樹脂混合物を、吐出先に設けた円筒状の冷却筒に外挿させて冷却し、固化することによりシームレス円筒状の「基材層1(中間転写ベルト1)」を得た。この基材層1の厚みは105μmで、ヤング率は1000MPaであった。
(基材層2(中間転写ベルト2)の作製)
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニス(固形分18質量%))に酸化処理カーボンブラック(SPECIALBLACK4(Degussa社製、pH3.0、揮発分.14.0%))をポリイミド系樹脂固形分100質量部に対し23質量部になるよう添加して、衝突型分散機(シーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mmで2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、基材層用のカーボンブラック入りのポリアミド酸溶液を調製した。
カーボンブラック入りのポリアミド酸溶液を円筒状金型内面に、ディスペンサーを介して0.5mmに塗布し、1500rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する展開層とした後、250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱した。その後、360℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、さらに360℃で30分加熱して溶媒の除去、脱水閉環水の除去、及びイミド転化反応の完結を行った。その後室温に戻し、金型から剥離し、目的とする無端ベルト状の「基材層2(中間転写ベルト2)」を得た。この基材層の厚みは100μmで、ヤング率は3000MPaであった。
〈中間転写ベルト3の作製〉
中間転写ベルト2の基材上に下記の表面層3を形成し中間転写ベルト3を作製した。
大気圧下で図3(ダイレクト方式)に示すプラズマCVD装置で基材上にテトラエトキシシランを原料ガスとして、SiO層の表面層3を成膜した。膜厚=20nm
〈中間転写ベルト4の作製〉
中間転写ベルト2の基材上に下記の表面層4を形成し中間転写ベルト4を作製した。
大気圧下で図3(ダイレクト方式)に示す大気圧プラズマCVD装置で基材上にテトラエトキシシランを原料ガスとして、SiO層の表面層4を成膜した。膜厚=150nm
〈中間転写ベルト5の作製〉
(中間転写ベルト1に下記の表面層5を形成)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA:日本化薬) 100質量部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(Irgacure184:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ) 1質量部
アンチモンドープ酸化スズ(T−1:三菱マテリアル) 50質量部
シリカゾル(MEK シリカゾル:日産化学) 20質量部
ポリテトラフルオロエチレン分散液(KD−500AS:喜多村化学) 30質量部
ポリジメチルシロキサン 1質量部
メチルイソブチルケトン:メチルエチルケトン=8:2 1500質量部
上記表面層用塗膜組成物を、混合・溶解して表面層用塗布液を調製した。この塗布液を上記の基材層1上に、スプレー塗布を行い、その後30℃の乾燥装置中で30分一次乾燥を行った後、紫外線強度100mW/cmの水銀灯で2000mJ/cmの積算光量を照射し硬化を行い、さらに80℃の乾燥装置中で60分間二次乾燥を行い表面層6を形成し、「中間転写ベルト5」を作製した。
〈中間転写ベルト6の作製〉
中間転写ベルト5の表面層用塗膜組成物からポリジメチルシロキサンを除いた他は同様にして中間転写ベルト6を作製した。
〈中間転写ベルト7の作製〉
中間転写ベルト5の表面層用塗膜組成物のジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを例示化合物(33)に変更した以外は、同様にして中間転写ベルト7を作製した。
Figure 0005223616
以下、感光体の作製例をあげる。尚、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
感光体1の作製
下記の様に感光体1を作製した。
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、表面粗さRz=1.5(μm)の導電性支持体を用意した。
〈中間層〉
下記組成の分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター)し、中間層塗布液を作製した。
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 1部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製) 3部
メタノール 10部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
上記塗布液を用いて前記支持体上に、乾燥膜厚2μmとなるよう浸漬塗布法で塗布した。
〈電荷発生層〉
電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°±0.2の位置に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料) 20部
ポリビニルブチラール樹脂(#6000−C:電気化学工業社製) 10部
酢酸t−ブチル 700部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300部
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷輸送層〉
電荷輸送物質(4,4′−ジメチル−4″−(β−フェニルスチリル)
トリフェニルアミン) 225部
バインダー:ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 6部
ジクロロメタン 2000部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
〈表面層〉
金属酸化物粒子(数平均粒径10nm、疎水化処理されたシリカ粒子) 5部
硬化性官能基を有する化合物(例示化合物No.17) 20部
重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシル(フェニル)メタノン) 1部
イソプロピルアルコール 40部
上記成分を混合撹拌し、十分に溶解・分散し、表面層塗布液を作製した。該塗布液を先に電荷輸送層まで作製した感光体上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、表面層を塗布した。塗布後、110℃で20分乾燥後(溶媒乾燥工程S3)、高圧水銀灯を用いて紫外線を1分間照射して(紫外線硬化工程S4)、乾燥膜厚3.0μmの表面層を得た。
感光体2〜7の作製
感光体1の表面層の金属酸化物粒子(疎水化処理されたものを使用)と光硬化性官能基を有する化合物を下記表3のように変更した以外は、同様にして感光体2〜7を作製した。
感光体8の作製
感光体1の作製において、表面層を除いた他は同様にして感光体8を作製した。
Figure 0005223616
〔感光体の評価〕
作製した「中間転写ベルト1〜7及び感光体1〜8」を下記表3のように組み合わせ、下記のように評価した。
各中間転写ベルト及び感光体の組み合わせを、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhubC250(レーザー露光・反転現像・中間転写体のタンデムカラー複合機)を評価機とし、該評価機に搭載し、初期帯電電位を−450Vに設定し、高温、高湿環境(30℃、80%RH)でA4フルカラー画像(カラフルな遊園地を背景にした人物画像)を1000枚印刷出力前後に、印字率50%のシアン色のハーフトーン画像印刷し、下記基準でハーフトーン画像にて評価した。
「転写率」
下記式により中間転写体の転写率(%)を求めた。
中間転写体の転写率(%)={1−(中間転写体の残留トナーの質量/中間転写体に付着したトナーの質量)}×100
尚、上記転写率は、実用上90%以上が合格、90%未満は不合格である。
「ダッシュマーク」
上記評価条件で、高温、高湿環境(30℃、80%RH)を低温低湿(10℃、20%RH)に代えた以外は同様にして、ダッシュマークの評価を下記の基準で行った。
◎;感光体上にダッシュマークの発生核がみられず、ハーフトーン画像にもダッシュマークの発生なし(良好)
○;感光体上にダッシュマークの発生核がみられるが、ハーフトーン画像にはダッシュマークの発生なし(実用上問題なし)
×;感光体上にダッシュマークの発生核がみられ、ハーフトーン画像にもダッシュマークが発生している(実用上問題有り)
「中抜け性の評価」
前記1000枚のフルカラー画像の印刷出力前後に、シアン色の格子パターン画像にて評価した。
評価基準は
◎:中抜けが全く見られない。
○:中抜けの発生は軽微であり、肉眼では僅かに視認できる。
×:中抜けが発生し、肉眼で明確に視認できる。
評価結果を表4に示す。
Figure 0005223616
表4より、本発明の中間転写ベルトと感光体の組み合わせは、各評価項目で良好な結果を得ているのに対し、比較例の中間転写ベルトと感光体の組み合わせは、いずれかの評価項目で、実用性が十分でない評価を示していることが見いだされる。
本発明に係る中間転写ベルトの層構造の例を示す模式図である。 中間転写体の表面層を製造する製造装置の説明図である。 プラズマにより中間転写体の表面層を製造する第1の製造装置の説明図である。 本発明に係る中間転写ベルトの使用が可能な画像形成装置の一例を示す図である。
符号の説明
2a 無端の中間転写ベルト
20a 中間転写ベルト
21a 表面層
22a 中間層
23a 基材層
2 中間転写体の製造装置
3 大気圧プラズマCVD装置
4 大気圧プラズマ装置
20 ロール電極
21 固定電極
23 放電空間
24 混合ガス供給装置
25 第1の電源
26 第2の電源
41 薄膜形成領域
117 2次転写ローラ
170 中間転写ベルト
175 基材
176 無機酸化物層
201 従動ローラ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
1Y、1M、1C、1K 感光体
2Y、2M、2C、2K 帯電手段
3Y、3M、3C、3K 露光手段
4Y、4M、4C、4K 現像手段

Claims (4)

  1. 少なくとも、電子写真感光体を帯電する帯電工程、帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光工程、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を少なくとも結着樹脂と着色剤からなる着色粒子に外添剤を加えてなるトナーを用いてトナー像に顕像化する現像工程、該電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体に転写する転写工程、該電子写真感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング工程を有する画像形成方法において、
    前記中間転写体はSiO の表面層を有し、かつ、表面の自由エネルギーの分散力成分(γ )が40mN/m以下であり、
    前記電子写真感光体の表面層が硬化性化合物を反応硬化させた構造成分と金属酸化物粒子としてシリカ、酸化チタン、酸化亜鉛のいずれかを含有することを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記硬化性化合物が3官能以上の硬化性化合物を合有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記硬化性化合物の反応点当量が1000以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 少なくとも、電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電する帯電手段、帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を少なくとも結着樹脂と着色剤からなる着色粒子に外添剤を加えてなるトナーを用いてトナー像に顕像化する現像手段、該電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体に転写する転写手段、該電子写真感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段を有する画像形成装置において、
    前記中間転写体はSiO の表面層を有し、かつ、表面の自由エネルギーの分散力成分(γ )が40mN/m以下であり、
    前記電子写真感光体の表面層が硬化性化合物を反応硬化させた構造成分と金属酸化物粒子としてシリカ、酸化チタン、酸化亜鉛のいずれかを含有することを特徴とする画像形成装置。
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