JP2006064718A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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圭一 稲垣
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Abstract

【課題】 本発明の目的は有機感光体と形状係数や粒度分布を均一化した重合トナーを併用して電子写真画像を形成することにより、ダッシュマークの発生や黒筋や白筋の発生に伴う画像むらや、画像ボケの発生を防止した、鮮鋭性が良好な画像形成装置を提供することであり、該画像形成装置を用いた画像形成方法を提供することである。
【解決手段】 有機感光体上に静電潜像を形成するための帯電手段、露光手段及び該静電潜像をトナー像に顕像化する為の現像手段を有する画像形成装置において、有機感光体が、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子及びバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であり、接触角のばらつきが±2.0以下である表面層を有し、前記現像手段が、形状係数1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であるトナーを含有する画像形成装置。
【選択図】 図5

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いる画像形成装置及び画像形成方法に関し、更に詳しくは、複写機やプリンターの分野で用いられる電子写真方式の画像形成に用いる画像形成装置及び画像形成方法に関するものである。
近年、電子写真感光体には有機感光体(以下、単に感光体とも云う)が広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発しやすいこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安い事など他の感光体に対して有利な点があるが、欠点としては機械的強度が弱く異物が付着しやすいこと、化学的な耐久性が弱く、多数枚のプリント時に感光体の静電特性の劣化や、表面の擦過傷の発生等がある。
即ち、有機感光体は、該感光体上に形成されたトナー像を紙等の転写材に転写する時や感光体上の残留トナーをクリーニングする時等に加えられる機械的な外力で発生する表面の異物付着やキズに対する耐久性(耐摩耗性)が要求されている。
そこで、従来では感光体の異物付着や耐摩耗性を向上させるために、感光体の最表面層にポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)等の含フッ素樹脂微粒子を含有させる技術が知られている。特に、感光体表面の摩擦係数を効果的に低下させて耐摩耗性を向上させる手段として、結晶化度の小さい(X線回折パターンのピークの半値幅が0.28以上)、小粒径の含フッ素樹脂微粒子を使用する技術が報告されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、結晶化度が低くなると含フッ素樹脂微粒子の延展性が増大し、塗布分散液での含フッ素樹脂微粒子の分散安定性が低下し、粒子同士が凝集して、均一な特性を有する膜ができにくく、電子写真画像にダッシュマーク(彗星状の小さなすじ画像)や黒筋や白筋による画像むらや画像ボケが発生し、画質が著しく低下するという問題が生じた。特に、平均粒径0.20μmより小さく且つ低結晶性含フッ素樹脂微粒子は、含フッ素樹脂微粒子の塗布分散液の安定性が著しく低下し、該分散液を長時間滞留させる浸積塗布方法等で製膜すると、分散液中での凝集物の発生により、均一な表面エネルギーを有する表面層を形成することは困難であり、上記のようなダッシュマークや画像むらや画像ボケの発生が増加していた。
一方、近年の電子写真方式の画像形成装置では、コンピュータにより作製された画像情報をプリントアウトする情報機器として使用される傾向にあり、高画質のデジタル画像を形成するとが可能な複写機やプリンターが求められている。この為、前記有機感光体上に形成された静電潜像を忠実に顕像化する現像手段が求められ、その手段の1つとして、形状係数や粒度分布等を均一化した重合トナーを現像手段に用いることが提案されている(特許文献2)。しかしながら、このように静電潜像を忠実に再現できるトナーを用いても、前記したダッシュマーク、画像むら及び画像ボケの発生で表面が荒れている有機感光体上に静電潜像を形成すると、静電潜像の形成自体が乱れて、荒れがよりはっきりしたトナー画像として再現され、粒度分布で改良されたトナーの特性が十分に発揮できていないと云う課題が見出された。
又、有機感光体の表面層に平均粒径0.20μmより大きい含フッ素樹脂微粒子を含有させると、レーザ露光光の散乱を引き起こし鮮鋭性を劣化させたり、膜物性も劣化して機械的強度も低下しやすく、感光体表面に擦り傷が発生する等の問題を引き起こし、必ずしも良好な電子写真画像を提供し得ていない。
特開平8−328287号公報 特開2000−214629号公報
本発明は、前記した含フッ素樹脂微粒子を含有した表面層を有する有機感光体の問題点を解決し、均一な低表面エネルギーの表面層を有する有機感光体を開発し、該有機感光体と形状係数や粒度分布を均一化した重合トナーを併用して電子写真画像を形成することにより、ダッシュマークの発生や黒筋や白筋の発生に伴う画像むらや、画像ボケの発生を防止した、鮮鋭性が良好な画像形成装置を提供することであり、該画像形成装置を用いた画像形成方法を提供することである。
我々は上記問題点について検討を重ねた結果、本発明の課題は、低結晶性で且つ小径化した含フッ素樹脂微粒子の分散性を改善し、均一な低表面エネルギーを有する表面層を有する有機感光体を用い、該有機感光体に形成された静電潜像を形状係数や粒度分布を均一化したトナーを含有する現像手段をを用いて顕像化することにより解決できることを見出し本発明を完成した。即ち、本発明は以下の構成を有することにより達成される。
(請求項1)
有機感光体と該有機感光体上に静電潜像を形成するための帯電手段、露光手段及び該静電潜像をトナー像に顕像化する為の現像手段を有する画像形成装置において、該有機感光体が、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子及びバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であり、接触角のばらつきが±2.0以下である表面層を有し、前記現像手段が、形状係数1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であるトナーを含有することを特徴とする画像形成装置。
(請求項2)
有機感光体と該有機感光体上に静電潜像を形成するための帯電手段、露光手段及び該静電潜像をトナー像に顕像化する為の現像手段を有する画像形成装置において、該有機感光体が、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子及びバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であり、接触角のばらつきが±2.0以下である表面層を有し、前記現像手段が、角がないトナー粒子が50個数%以上であるトナーを含有することを特徴とする画像形成装置。
(請求項3)
有機感光体と該有機感光体上に静電潜像を形成するための帯電手段、露光手段及び該静電潜像をトナー像に顕像化する為の現像手段を有する画像形成装置において、該有機感光体が、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子及びバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であり、接触角のばらつきが±2.0以下である表面層を有し、前記現像手段が、トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおける最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーを含有することを特徴とする画像形成装置。
(請求項4)
有機感光体と該有機感光体上に静電潜像を形成するための帯電手段、露光手段及び該静電潜像をトナー像に顕像化する為の現像手段を有する画像形成装置において、該有機感光体が、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子及びバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であり、接触角のばらつきが±2.0以下である表面層を有し、前記現像手段が、トナー粒子の形状係数の変動係数が16%以下、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるトナーを含有することを特徴とする画像形成装置。
(請求項5)
前記バインダー樹脂の少なくとも1つがシロキサン変成ポリカーボネートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(請求項6)
前記表面層が酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(請求項7)
前記有機感光体が導電性支持体上に電荷発生層及び複数層の電荷輸送層を有し、該複数層の最上層が表面層であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(請求項8)
請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
本発明の画像形成装置及び画像形成方法を用いることにより、従来問題となっていたダッシュマークや画像むら、画像ボケを改善でき、鮮鋭性が良好な電子写真画像を形成することができる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の画像形成装置は、有機感光体と該有機感光体上に静電潜像を形成するための帯電手段、露光手段及び該静電潜像をトナー像に顕像化する為の現像手段を有する画像形成装置において、該有機感光体が、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子及びバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であり、接触角のばらつきが±2.0以下である表面層を有し、前記現像手段が、形状係数1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であるトナーを含有することを特徴とする。
又、本発明の画像形成装置は、有機感光体と該有機感光体上に静電潜像を形成するための帯電手段、露光手段及び該静電潜像をトナー像に顕像化する為の現像手段を有する画像形成装置において、該有機感光体が、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子及びバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であり、接触角のばらつきが±2.0以下である表面層を有し、前記現像手段が、角がないトナー粒子が50個数%以上であるトナーを含有することを特徴とする。
又、本発明の画像形成装置は、有機感光体と該有機感光体上に静電潜像を形成するための帯電手段、露光手段及び該静電潜像をトナー像に顕像化する為の現像手段を有する画像形成装置において、該有機感光体が、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子及びバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であり、接触角のばらつきが±2.0以下である表面層を有し、前記現像手段が、トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおける最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーを含有することを特徴とする。
又、本発明の画像形成装置は、有機感光体と該有機感光体上に静電潜像を形成するための帯電手段、露光手段及び該静電潜像をトナー像に顕像化する為の現像手段を有する画像形成装置において、該有機感光体が、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子及びバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であり、接触角のばらつきが±2.0以下である表面層を有し、前記現像手段が、トナー粒子の形状係数の変動係数が16%以下、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるトナーを含有することを特徴とする。
本発明の画像形成装置は上記のような構造を有することにより、長期にわって、ダッシュマークや画像むらや画像ボケの発生を防止し、画質の良好な電子写真画像を形成することができる。
前記したように、含フッ素樹脂微粒子は分散均一性に乏しく、凝集物のない均一で平滑な表面層を有する有機感光体を作製することは困難であった。即ち、結晶化度が90%未満になり、延展性が高い含フッ素樹脂微粒子は分散液中での均一な分散粒子を維持することが難しく、分散粒子が凝集し、接触角が均一な表面層を形成することが困難であった。このような低結晶化度で且つ平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満の含フッ素樹脂微粒子の分散性を改善し、水に対する接触角が90°以上にし、接触角のばらつきを小さくした表面層を形成した有機感光体を用い、且つ前記した形状係数等の要件を満たしたトナーと併用することにより、長期にわって、ダッシュマークや画像むらや画像ボケの発生を防止し、微細なドット潜像を正確に形成することができる有機感光体を作製することができる。
上記のような特性を有する有機感光体はその表面層を以下のようにして作製することにより得ることができる。即ち、表面層の分散液をバインダー樹脂と平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で且つ結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子を含有した成分とし、該分散液を分散性が良好な低沸点溶媒、好ましくは、大気圧下で120℃以下の沸点を有する有機溶媒(例えば、THF、エタノール、トルエン、ジクロルエタン等)を用いて分散することにより、前記含フッ素樹脂微粒子相互の凝集性を抑えて安定した分散液を製造する。同時に、該分散液を塗布液として、塗布液供給型の塗布装置を用いて表面層を形成し、乾燥させることにより表面層中の含フッ素樹脂微粒子の凝集を防止し、水に対する接触角のばらつきを小さくした表面層を形成することができる。
上記塗布液供給型の塗布装置とは、層形成に必要な塗布液を導電性支持体上に供給して塗布する塗布装置を意味し、例えば、スライドホッパー型塗布ヘッドを有する塗布装置(以後、スライドホッパー型塗布装置とも云う)、押し出し型塗布ヘッドを有する塗布装置、スプレー方式の塗布装置等が挙げられる。このような塗布液供給型の塗布装置は、導電性支持体を塗布液に浸積して塗布する浸積塗布に比し、塗布装置内で分散液を滞留させず、ワンウエイで表面層を形成するので、含フッ素樹脂微粒子の分散粒子は、分散液中で凝集シェアを繰り返し受けることなく、含フッ素樹脂微粒子の凝集が少ない均一な表面層を形成することができる。しかも、感光体製造毎に分散液を作製できるので、分散液の経時による凝集を防止でき、且つ表面層形成時に、導電性支持体に既に形成されている下層を溶解せずに塗布できることから、塗布乾燥時も含フッ素樹脂微粒子の凝集が少なく、均一な分散性を有する表面層を形成することができる。
上記塗布液供給型の塗布装置の中でもスライドホッパー型塗布装置を用いた塗布加方法は、前記した低沸点溶媒を用いた分散液を塗布液として用いる場合に最も適しており、円筒状の感光体の場合は特開昭58−189061号公報等に詳細に記載されている円形スライドホッパー型塗布装置等を用いて塗布することが好ましい。又、該スライドホッパー型塗布装置は塗布液を連続して供給できるため、スプレー方式の塗布装置に比しても、接触角のばらつきが小さい均一な塗布膜を形成することができる。
以下に簡単に円形スライドホッパー型塗布装置について簡単に説明する。
本発明において、含フッ素樹脂微粒子を分散した塗布液は、円形スライドホッパー型塗布装置を用いて有利に塗布される。円形スライドホッパー型塗布装置の一例として、例えば図1に縦断面図で示されるように中心線XXに沿って垂直状に重ね合わせた円筒状基材251A,251Bを連続的に矢示方向に上昇移動させ、その周囲を取り囲み、基材251の外周面に対しスライドホッパー型塗布装置の塗布に直接係わる部分(塗布ヘッドと略称する)260により塗布液Lが塗布される。なお、基材としては中空ドラム例えばアルミニウムドラム、プラスチックドラムのほかシームレスベルト型の基材でも良い。図2に示す如く前記塗布ヘッド260には、基材251側に開口する塗布液流出口261を有する幅狭の塗布液分配スリット(スリットと略称する)262が水平方向に形成されている。このスリット262は環状の塗布液分配室263に連通し、この環状の塗布液分配室263には貯留タンク254内の塗布液Lを圧送ポンプ255により供給管264を介して供給するようになっている。他方、スリット262の塗布液流出口261の下側には、連続して下方に傾斜し基材の外寸よりやや大なる寸法で終端をなすように形成されたスライド面265が形成されている。更に、このスライド面265終端より下方に延びる唇状部266が形成されている。かかる塗布装置による塗布においては、基材251を引き上げる過程で、塗布液Lをスリット262から押し出し、スライド面265に沿って流下させると、スライド面終端に至った感光液は、そのスライド面終端と基材251の外周面との間にビードを形成した後、基材表面に塗布される。過剰の感光液は排出部267から排出される。
スライド面終端と基材は、ある間隙を持って配置されているため基材を傷つける事なく、また性質の異なる層を多層形成させる場合においても、既に塗布された層を損傷することなく塗布できる。
本発明の円形スライドホッパー型塗布装置を用いる塗布方法では、スライド面終端と基材は、ある間隙を持って配置されているため基材を傷つける事なく、また性質の異なる層を多層形成させる場合においても、既に塗布された層を損傷することなく塗布できる。更に性質が異なり同一溶媒に溶解する層を多層形成させる際にも、浸漬塗布方法と比べて溶媒中に存在する時間がはるかに短いので、下層成分が上層側へ殆ど溶出せず、塗布槽にも溶出することなく塗布できるので、含フッ素樹脂微粒子の分散性を劣化させずに塗布することができる。
本発明の含フッ素樹脂微粒子は、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満であるが、平均一次粒径が0.02μm未満では分散液の安定性が劣化し、含フッ素樹脂微粒子同士の凝集が発生し、均一に分散することができにくく、接触角のバラツキが大きくなりやすく、前記したダッシュマークが発生しやすい。また、平均一次粒径が0.20μmより大きいと、沈降による凝集粒子ができやすく、表面の接触角のバラツキも大きくなり、ダッシュマークが発生しやすいと同時にレーザ光等の像露光を散乱させ、鮮鋭性を劣化させる。
本明細書中、平均一次粒径は動的光散乱法を利用したDLS−6000(大塚電子社製
)によって測定された値を用いている。しかし、上記装置によって測定されなければならないというわけではなく、上記装置と同様の原理あるいはレーザ回折法、遠心沈降法によって測定可能であればいかなる装置によって測定されてもよい。又、前記装置と同様の測定が可能であれば、感光層の断面観察より測定してもよい
また、表面層の水に対する接触角が90°未満では、トナー中のシリカ等の無機外添剤の付着が多くなり、ダッシュマークが発生しやすい。又、クリーニングブレード等の感光体の接触部材との摩擦抵抗も大きく、擦過による摩耗が大きくなり、筋状の画像むらが発生し、鮮鋭性を劣化させやすい。より好ましい接触角は95°以上120°以下である。120°より接触角を大きくしようとすると、表面層中に含フッ素樹脂微粒子の含有量が高く成りすぎ、表面層が柔らくなり、擦り傷が発生しやすく、画像ボケも発生しやすい。又、表面層の接触角のばらつきが±2.0°より大きいと、表面層の含フッ素樹脂微粒子の分散性が不均一となっており、トナー中の或いは紙粉中の無機成分、例えばトナー中のシリカや酸化チタン等の無機外添剤や紙粉中のタルク成分等が表面層に埋め込まれて、ダッシュマークが発生しやすい。又、画像むらや画像ボケも発生しやすい。接触角のばらつきは±1.7°以下がより好ましい。
接触角及び接触角のバラツキ測定
本発明の接触角とは感光体表面への純水に対する接触角を云う。感光体の接触角は純水に対する接触角を接触角計(CA−DT・A型:協和界面科学社製)を用いて20℃50%RHの環境下で測定する。
接触角のバラツキの測定は20℃50%RHの環境下で測定する。測定は感光体が画像形成に十分なじんだ時点(少なくとも数枚のプリント画像形成後)に行う。測定個所は感光体が円筒状の場合は、中央部、左右端部から5cmの位置の3カ所について、それぞれ円周方向90°づつの4カ所、計12カ所を測定し、この平均値を本発明の接触角とし、この平均値から最も大きく正又は負にずれた値をバラツキの値とした。感光体がシートの場合は、同様に中央部、左右端部から5cmの位置の3カ所の位置で、それぞれ等間隔をあけて4カ所、計12ケ所を測定し、この平均値を本発明の接触角とし、この平均値から最も大きく正又は負にずれた値をバラツキの値とした。
含フッ素樹脂微粒子は平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で且つ結晶化度が90%未満である。結晶化度が90%以上では、含フッ素樹脂微粒子の分散性は向上するが、含フッ素樹脂微粒子自体の延展性が小さくなり、接触角のばらつきが大きくなりやすい。また前記結晶化度の下限値は本発明の目的が達成される限り特に制限されるものではないが、含フッ素樹脂微粒子の結晶化度が小さくなりすぎと延展性が過大になり、分散性が劣化しやすいことから、40%以上の結晶化度の含フッ素樹脂微粒子が好ましい。
含フッ素樹脂微粒子の結晶化度の測定は広角X線回折測定により、発生した回折ピークを結晶質と非晶質に分離し、ベースライン補正を行なった後、結晶質と非晶質の全X線積分強度(分母)に対する結晶質のX線積分強度(分子)の百分率(%)で表示する。
本発明では広角X線回折測定装置及び測定条件を下記のようにして測定したが、同じ結果が得られれば、他の測定装置等を用いてもよい。
X線発生装置:Rigaku RU−200B
出力:50kV,150mA
モノクロメータ:グラファイト
線源:CuKα(0.154184nm)
走査範囲:3°≦2θ≦60°
走査方法:θ−2θ
走査速度:2°/min
含フッ素樹脂微粒子の構成材料は含フッ素重合性モノマーの単独重合体または共重合体、または含フッ素重合性モノマーとフッ素フリー重合性モノマーとの共重合体である。含フッ素重合性モノマーは一般式;
Figure 2006064718
(式中、R4〜R7のうち少なくとも1つの基はフッ素原子であり、残りの基はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子、メチル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、またはトリフルオロメチル基である)で表されるモノマーである。好ましい含フッ素重合性モノマーとして、四フッ化エチレン、三フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、六フッ化プロピレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、二フッ化二塩化エチレン等が挙げられる。含フッ素重合性モノマーとして、2種類以上のモノマーが使用されてもよい。
フッ素フリー重合性モノマーとして、例えば、塩化ビニル等が挙げられる。フッ素フリー重合性モノマーとして、2種類以上のモノマーが使用されてもよい。
含フッ素樹脂微粒子はいずれも、上記構成材料の中で、含フッ素重合性モノマーの単独重合体または共重合体からなることが好ましく、より好ましくはポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリ三フッ化エチレン、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、特にポリ四フッ化エチレンである。
含フッ素樹脂微粒子を構成する重合体の平均分子量は本発明の目的を達成できる限り特に制限されないが、通常はいずれも1万から100万の範囲が好適である。
本発明の含フッ素樹脂微粒子の結晶化度は含フッ素樹脂微粒子の構成材料によっても変わるが、含フッ素樹脂微粒子を熱処理することによっても変えられる。例えば、平均一次粒径0.12μmおよび結晶化度91.3のPTFE微粒子(ポリエチレンテレフタレート微粒子)を250℃で65分間加熱処理すると、結晶化度を82.8に低下させることができる。熱処理手段は特に制限されず、公知の乾燥機または加熱炉を使用できる。
前記表面層中のバインダー樹脂としては、含フッ素樹脂微粒子の分散性を助ける界面活性基を樹脂の部分構造に有する樹脂を用いることが好ましく、例えば、シロキサン基を部分構造に有するポリカーボネートやポリアリレートが好ましい。特に、下記に示すシロキサン基を部分構造に有するシロキサン変成ポリカーボネートが好ましい。
Figure 2006064718
Figure 2006064718
分子量は10,000〜100,000が好ましい。
又、本発明の含フッ素樹脂微粒子を用いて水に対する接触角が90°以上であり且つ接触角のばらつきが±2.0以下の表面層を形成するためには、表面層中の含フッ素樹脂微粒子の比率を高くすることが好ましく、質量比でバインダー樹脂100質量部に対し、少なくとも20質量部以上200質量部以下の量で用いることが好ましい。20質量量部未満では接触角の90°以上と接触角のばらつきが±2.0以下を同時に満足させる表面層を形成するのが難しく、200質量部より多いと表面層が脆弱な膜となり、擦り傷等が発生しやすい。
本発明は上記したような表面層を有する有機感光体を用いるが、表面層以外の有機感光体の構成について以下に記載する。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機感光体を全て含有する。
本発明の感光体の構成は、感光体が平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、X線回折パターンのピークの結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子を含有し、水に対する接触角が90°以上であり、接触角のばらつきが±2.0以下の表面層を有する限り特に制限されるものではなく、例えば、以下に示すような構成が挙げられる;
1)導電性支持体上に感光層として電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した構成
2)導電性支持体上に感光層として電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層を順次積層した構成;
3)導電性支持体上に感光層として電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層を形成した構成;
4)導電性支持体上に感光層として電荷輸送層および電荷発生層を順次積層した構成;
5)上記1)〜5)の感光体の感光層上にさらに表面保護層を形成した構成。
感光体が上記いずれの構成を有する場合であってもよい。感光体の表面層とは、感光体が空気界面と接触する層であり、導電性支持体上に単層式の感光層のみが形成されている場合は当該感光層が表面層であり、導電性支持体上に単層式または積層式感光層と表面保護層とが積層されている場合は表面保護層が最表面層である。本発明では上記2)の構成が最も好ましく用いられる。尚、本発明の感光体はいずれの構成を有する場合であっても、導電性支持体上、感光層の形成に先だって、下引層が形成されていてもよい。
本発明の電荷輸送層とは、光露光により電荷発生層で発生した電荷キャリアを有機感光体の表面に輸送する機能を有する層を意味し、該電荷輸送機能の具体的な検出は、電荷発生層と電荷輸送層を導電性支持体上に積層し、光導伝性を検知することにより確認することができる。
以下に本発明に最も好ましく用いられる上記2)の層構成を例にして具体的な感光体の構成について記載する。
導電性支持体
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状或いは円筒状の導電性支持体が用いられる。
本発明の円筒状の導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、円筒度が5〜40μmが好ましく、7〜30μmがより好ましい。
この円筒度とは、JIS規格(B0621−1984)による。即ち、円筒基体を2つの同軸の幾何学的円筒で挟んだとき、同軸2円筒の間隔が最小となる位置の半径の差で表し、本発明では該半径の差をμmで表す。円筒度の測定方法は円筒状基体の両端10mmの2点、中心部、両端と中心部の間を3等分した点の4点、計7点の真円度を測定し求める。測定器は非接触万能ロール径測定機((株)ミツトヨ製)を用いて測定できる。
導電性支持体の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることもできる。
本発明においては導電性支持体と前記感光層のとの接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を防止するために、該支持体と前記感光層の間に中間層(下引層も含む)を設けることもできる。該中間層の材料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引き樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくできる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、これら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜0.5μmが好ましい。
又、本発明に好ましく用いられる中間層はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜厚は、0.1〜2μmが好ましい。
又、本発明に好ましく用いられる中間層は無機粒子をバインダー樹脂中に分散した中間層が挙げられる。無機粒子の平均粒径は0.01〜1μmが好ましい。特に、表面処理をしたN型半導性微粒子をバインダー中に分散した中間層が好ましい。例えばシリカ・アルミナ処理及びシラン化合物で表面処理した平均粒径が0.01〜1μmの酸化チタンをポリアミド樹脂中に分散した中間層が挙げられる。このような中間層の膜厚は、1〜20μmが好ましい。
N型半導性微粒子とは、導電性キャリアを電子とする性質をもつ微粒子を示す。すなわち、導電性キャリアを電子とする性質とは、該N型半導性微粒子を絶縁性バインダーに含有させることにより、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性を示さない性質を有するものをいう。
ここで、N型半導性粒子の判別方法について説明する。
導電性支持体上に膜厚5μmの中間層(中間層を構成するバインダー樹脂中に粒子を50質量%分散させた分散液を用いて中間層を形成する)を形成する。該中間層に負極性に帯電させて、光減衰特性を評価する。又、正極性に帯電させて同様に光減衰特性を評価する。
N型半導性粒子とは、上記評価で、負極性に帯電させた時の光減衰が正極性に帯電させた時の光減衰よりも大きい場合に、中間層に分散された粒子をN型半導性粒子という。
前記N型半導性微粒子は、具体的には酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)等の微粒子が挙げられるが、本発明では、特に酸化チタンが好ましく用いられる。
本発明に用いられるN型半導性微粒子の平均粒径は、数平均一次粒径において10nm以上500nm以下の範囲のものが好ましく、より好ましくは10nm〜200nm、特に好ましくは、15nm〜50nmである。
数平均一次粒径の値が前記範囲内にあるN型半導性微粒子を用いた中間層は層内での分散を緻密なものとすることができ、十分な電位安定性、及び黒ポチ発生防止機能を有する。
前記N型半導性微粒子の数平均一次粒径は、例えば酸化チタンの場合、透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によりフェレ径の数平均径として測定される。
本発明に用いられるN型半導性微粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状のN型半導性微粒子は、例えば酸化チタン粒子では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でもルチル型のものが最も良い。
N型半導性微粒子に行われる疎水化表面処理の1つは、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理であり、最後に反応性有機ケイ素化合物の表面処理を行うことが好ましい。
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とはN型半導性微粒子表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
この様に、酸化チタン粒子の様なN型半導性微粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、N型半導性微粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理されたN型半導性微粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子等のN型半導性微粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
感光層
電荷発生層
本発明の有機感光体には、電荷発生物質として前述のチタニルフタロシアニン付加体顔料を使用するが、他のフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを併用して用いることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.3μm〜2μmが好ましい。
電荷輸送層
前記したように、本発明では電荷輸送層を複数の電荷輸送層から構成し、且つ最上層の電荷輸送層にフッ素系樹脂粒子を含有させた構成が好ましい。
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により前記したフッ素系樹脂粒子の他に酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては公知の正孔輸送性(P型)の電荷輸送物質(CTM)を用いることが好ましい。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し50〜200質量部が好ましい。
又、本発明の含フッ素樹脂微粒子を含有する表面層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。含フッ素樹脂微粒子を含有する表面層は感光体の帯電時の活性ガス、例えばNOxやオゾン等で酸化されやすく、画像ボケが発生しやすいが、酸化防止剤を共存させることにより、画像ボケの発生を防止することが出来る。該酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。代表的には下記の化合物群が挙げられる。
Figure 2006064718
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中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
又、本発明は前記有機感光体と以下に記すような均一な形状係数やシャープな粒度分布を有するトナーを併用した画像形成装置を採用することにより、ダッシュマークや擦り傷による画像むらや画像ボケの発生を防止し、良好な電子写真画像を作製することが出来る。
(1)形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子を65個数%以上含有するトナー
このような特性のトナーはトナー粒子(トナー粒子とは個々の粒子を意味する)の形状が類似性を有しているので、トナーの帯電特性が均一化し、感光体上の潜像を忠実に顕像化する性質を有している。その為、感光体上に発生した擦り傷等を忠実に再現し、画像ムラや画像ボケを発生する傾向が大きいが、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子を65個数%以上含有するトナーを本発明の前記した有機感光体と併用することにより、ダッシュマークや画像ムラや画像ボケの発生を防止でき、良好な電子写真画像を作製することが出来る。
一方、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子を65個数%未満の場合はトナーの帯電量分布が大きくなり、その結果、過剰帯電のトナー粒子が発生したりしやすく、これらが感光体表面に強固に付着し、カブリや画像ムラが発生しやすい。
(2)角がないトナー粒子を50個数%以上含有するトナー
角がないトナー粒子とは、電荷の集中するような突部またはストレスにより破砕しやすいような突部を実質的に有しないトナー粒子を言い、角がないトナー粒子の割合が50個数%以上、更に好ましくは70個数%以上であることにより、現像剤搬送部材などとのストレスにより微細な粒子の発生などがおこりにくくなり、微細なトナーの感光体への付着によるカブリや画像ムラの発生を防止できる。即ち、本発明の感光体と併用することにより、長期に亘り、ダッシュマークや画像ムラや画像ボケが発生しにくく、良好な電子写真画像の形成を可能にする。そのためには角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であることが好ましく、更に、好ましくは70個数%以上である
(3)トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上含有するトナー
相対度数(m1)と、相対度数(m2)の和(M)が70%以上のトナーであることにより、該トナーを構成するトナー粒子の粒度分布がシャープとなり、帯電性が安定したトナー画像の形成が可能となり、その結果、本発明の感光体と併用することにより、擦り傷もダッシュマークも画像ムラや画像ボケも防止でき、良好な電子写真画像を作製することが出来る。
(4)トナー粒子の個数粒度分布における個数変動係数が27%以下且つトナー粒子の形状係数の変動係数が16%以下であるトナー
トナーの形状係数の変動係数が16%以下であり、且つトナーの個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるトナーを使用することにより、トナーに安定した帯電特性を付与することができる。このようなトナーと前記した本発明の感光体を併用することにより、擦り傷もダッシュマークも画像ムラや画像ボケも防止でき、良好な電子写真画像を作製することが出来る。
トナーの個数変動係数は27%以下であるが、好ましくは25%以下である。
トナー粒子の形状係数の変動係数が16%以下、より好ましくは14%以下である。
即ち、本発明では、前記した本発明の感光体と上記のような均一な形状係数やシャープな粒度分布を有するトナーを含有した現像手段を併用することにより、ダッシュマークや擦り傷による画像むらや画像ボケの発生を同時に改善でき、且つ良好な電子写真画像を作製できる画像形成装置を提供することができる。
本発明に用いられるトナーとしては、上記トナーの(1)〜(4)の要件の1つを満たすトナーでも好ましい改良効果が得られるが、少なくとも2つ以上の要件を満たすトナーがより好ましく、全ての要件を満たすトナーが最も好ましい。
トナーの粒径は、個数平均一次粒径で3〜8μmのものが好ましい。この粒径は、重合法によりトナー粒子を形成させる場合には、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体の組成によって制御することができる。
個数平均粒径が3〜8μmであることにより、定着工程において、現像剤搬送部材に対する付着性の過度なトナーや付着力の低いトナー等の存在を少なくすることができ、現像性を長期に亘って安定化することができるとともに、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
トナーの形状係数は、下記式により示されるものであり、トナー粒子の丸さの度合いを示す。
形状係数=((最大径/2)2×π)/投影面積
ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。また、投影面積とは、トナー粒子の平面上への投影像の面積をいう。
この形状係数は、走査型電子顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。この際、100個のトナー粒子を使用して本発明の形状係数を上記算出式にて測定したものである。
本発明のトナーは、この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上、好ましくは70個数%以上である。
この形状係数を制御する方法は特に限定されるものではない。例えばトナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはトナーを溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与する方法等があるが、本発明では重合法により作製した重合トナーを用いて形状係数等を本発明の範囲内に作製することが好ましい。
トナーの形状係数の変動係数は下記式から算出される。
変動係数=〔S/K〕×100(%)
〔式中、Sは100個のトナー粒子の形状係数の標準偏差を示し、Kは形状係数の平均値を示す。〕
このトナーの形状係数および形状係数の変動係数を、極めてロットのバラツキなく均一に制御するために、重合トナーの製造過程、即ち樹脂粒子(重合体粒子)を重合、融着、形状制御させる工程において、形成されつつあるトナー粒子(着色粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工程終了時期を決めてもよい。
モニタリングするとは、インラインに測定装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件の制御をするという意味である。すなわち、形状などの測定をインラインに組み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させることで形成する重合法トナーでは、融着などの工程で逐次サンプリングを実施しながら形状や粒径を測定し、所望の形状になった時点で反応を停止する。
モニタリング方法としては、特に限定されるものではないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子社製)を使用することができる。本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像処理を行うことで形状をモニタリングできるため好適である。すなわち、反応場よりポンプなどを使用し、常時モニターし、形状などを測定することを行い、所望の形状などになった時点で反応を停止するものである。
トナーの個数粒度分布および個数変動係数はコールターカウンターTA−IIあるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)で測定されるものである。本発明においてはコールターマルチサイザーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。前記コールターマルチサイザーにおいて使用するアパーチャーとしては100μmのものを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して粒度分布および平均粒径を算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対するトナー粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径とは、個数粒度分布におけるメジアン径を表すものである。
トナーの個数粒度分布における個数変動係数は下記式から算出される。
個数変動係数=〔S/Dn〕×100(%)
〔式中、Sは個数粒度分布における標準偏差を示し、Dnは個数平均粒径(μm)を示す。〕
個数変動係数を制御する方法は特に限定されるものではない。例えば、トナー粒子を風力により分級する方法も使用できるが、個数変動係数をより小さくするためには液中での分級が効果的である。この液中で分級する方法としては、遠心分離機を用い、回転数を制御してトナー粒子径の違いにより生じる沈降速度差に応じてトナー粒子を分別回収し調製する方法がある。
特に懸濁重合法によりトナーを製造する場合、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下とするためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させることが必要である。すなわち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサーやホモジナイザーなどによる機械的な剪断を繰り返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすることとなるが、このような機械的な剪断による方法では、得られる油滴の個数粒度分布は広いものとなり、従って、これを重合してなるトナーの粒度分布も広いものとなる。このために分級操作が必須となる。
角がないトナー粒子とは、電荷の集中するような突部またはストレスにより摩耗しやすいような突部を実質的に有しないトナー粒子を言い、すなわち、図5(a)に示すように、トナー粒子Tの長径をLとするときに、半径(L/10)の円Cで、トナー粒子Tの周囲線に対し1点で内側に接しつつ内側をころがした場合に、当該円CがトナーTの外側に実質的にはみださない場合を「角がないトナー粒子」という。「実質的にはみ出さない場合」とは、はみ出す円が存在する突起が1箇所以下である場合をいう。また、「トナー粒子の長径」とは、当該トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。なお、図5(b)および(c)は、それぞれ角のあるトナー粒子の投影像を示している。
角がないトナーの測定は次のようにして行った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大した写真を撮影し、さらに拡大して15,000倍の写真像を得る。次いでこの写真像について前記の角の有無を測定する。この測定を100個のトナー粒子について行った。
角がないトナーを得る方法は特に限定されるものではない。例えば、形状係数を制御する方法として前述したように、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはトナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与することによって得ることができる。しかしながら、製造コストやエネルギーコストを考慮すると、重合法による重合トナーが好ましい。
例えば、樹脂粒子を会合あるいは融着させることで形成する重合法トナーにおいては、融着停止段階では融着粒子表面には多くの凹凸があり、表面は平滑でないが、形状制御工程での温度、攪拌翼の回転数および攪拌時間等の条件を適当なものとすることによって、角がないトナーが得られる。これらの条件は、樹脂粒子の物性により変わるものであるが、例えば、樹脂粒子のガラス転移点温度以上で、より高回転数とすることにより、表面は滑らかとなり、角がないトナーが形成できる。
本発明のトナーの粒径は、個数平均粒径で3〜8μmのものが好ましい。この粒径は、重合法によりトナー粒子を形成させる場合には、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体の組成によって制御することができる。
本発明に好ましく用いられる重合トナーとしては、トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーであることが好ましい。
相対度数(m1)と相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることにより、トナー粒子の粒度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを画像形成工程に用いることにより選択現像の発生を確実に抑制することができる。
本発明において、前記の個数基準の粒度分布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々のトナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュータにおいて、粒度分布分析プログラムにより作製されたものである。
〔測定条件〕
(1)アパーチャー:100μm
(2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−11(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加えて攪拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。この系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより調製する。
本発明の形状係数等を制御する方法としては、重合トナーが製造方法として簡便である点と、粉砕トナーに比較して特性を制御しやすい点等で好ましい。
重合トナーとはトナー用バインダーの樹脂の生成とトナー形状がバインダー樹脂の原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理により形成されるトナーを意味する。より具体的には懸濁重合、乳化重合等の重合反応と、必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程を経て形成されるトナーを意味する。
重合トナーは、懸濁重合法や、必要な添加剤の乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合し、微粒の重合粒子を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して会合する方法で製造することができる。会合の際にトナーの構成に必要な離型剤や着色剤などの分散液と混合して会合させて調製する方法や、単量体中に離型剤や着色剤などのトナー構成成分を分散した上で乳化重合する方法などがあげられる。ここで会合とは樹脂粒子および着色剤粒子が複数個融着することを示す。
即ち、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料が溶解あるいは分散された重合性単量体を分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーなどを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、攪拌機構が後述の攪拌翼である反応装置へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することでトナーを調製する。
また、本発明のトナーを製造する方法として樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させて調製する方法も挙げることができる。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。すなわち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、あるいは樹脂および着色剤等より構成される微粒子を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、トナーを形成することができる。なお、ここにおいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよい。
なお、本発明で用いられる形状係数等の均一なトナーを作製するための材料や製造方法、重合トナーの反応装置等については特開2000−214629に詳細に記載されている。
《現像剤》
本発明に用いられるトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤でもよいが、好ましくは二成分現像剤である。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤として前記トナーをそのまま用いる方法もあるが、通常はトナー粒子中に0.1〜5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤として用いる。その含有方法としては、着色剤と同様にして非球形粒子中に含有させるのが普通である。
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いる。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜60μmのものがよい。
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
次に、本発明の有機感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図3に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルタ処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段(帯電工程)22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像工程)23、転写手段(転写工程)である転写搬送ベルト装置45、前記感光体21のクリーニング装置(クリーニング工程)26及び光除電手段(光所電荷発生工程)としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明の有機感光体を使用し、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段(像露光工程)30としての露光光学系により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段30としての露光光学系は図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い静電潜像を形成する。
本発明の画像形成方法においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、像露光をスポット面積が2×10-92以下の露光ビームを用いて行うことが好ましい。このような小径のビーム露光を行っても、本発明の有機感光体は、該スポット面積に対応した画像を忠実に形成することができる。より好ましいスポット面積は、0.01×10-9〜1×10-92である。その結果400dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上で、256階調を実現するところのきわめて優れた画像品質を達成することができる。
前記露光ビームのスポット面積とは該ビーム光の強度がピーク強度の1/e2以上の光強度に対応する面積で表される。
用いられる露光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系、及びLEDや液晶シャッター等の固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2までの部分をスポット面積とする。
感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。本発明の画像形成方法では、該現像手段に用いられる現像剤には重合トナーを用いることが好ましい。形状や粒度分布が均一な重合トナーを本発明の有機感光体と併用することにより、より鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写紙Pの傾きと偏りの修正を行う対の給紙レジストローラ44によって転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25によって転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送されながら転写紙Pに転写され、該転写紙Pは感光体21面より分離し、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は転写紙の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写紙案内部177が開放され、転写紙Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により転写紙Pは下方に搬送され、転写紙反転部179によりスイッチバックさせられ、転写紙Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写紙Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写紙Pを再給紙し、転写紙Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に転写紙Pを搬送し、転写紙Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、排紙トレイ64に排紙する。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
次に図4は本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置(少なくとも有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段及び中間転写体を有する複写機あるいはレーザービームプリンタ)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体10は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
21は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
感光体21は回転過程で、帯電手段22により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段30により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段(イエロー色現像器)23Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)23M、23C、23Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体21には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体21と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体21上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、1次転写ローラ24aから中間転写体70に印加される1次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体21の表面は、クリーニング装置26により清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
2次転写ローラ24bで、2次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体21から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体21から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2次転写ローラ24b及び中間転写体クリーニング手段26Aは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、2次転写ローラ24bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ44から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに2次転写ローラ24bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送される。2次転写バイアスがバイアス電源から2次転写ローラ24bに印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写材Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着手段50へ導入され加熱定着される。
本発明の有機感光体は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
感光体1の作製
下記の様に感光体1を作製した。
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、十点表面粗さRz=1.5(μm)の導電性支持体を用意した。
〈中間層〉
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター)し、中間層塗布液を作製した。
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 1部
無機粒子:酸化チタン(数平均一次粒径35nm:シリカ・アルミナ処理及びメチルハイドロジェンポリシロキサン処理の酸化チタン) 3部
メタノール 10部
を混合し、分散機としてサンドミルを用い、バッチ式で10時間の分散を行い、中間層分散液を作製した。
上記塗布液を用いて前記支持体上に、乾燥膜厚1.0μmとなるよう塗布した。
〈電荷発生層:CGL〉
電荷発生物質(CGM):オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折のスペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシン顔料) 24部
ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−1」(積水化学社製) 12部
2−ブタノン/シクロヘキサノン=4/1(v/v) 300部
上記組成物を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷輸送層1(CTL1)〉
電荷輸送物質(4,4′−ジメチル−4″−(α−フェニルスチリル)
トリフェニルアミン) 225部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 6部
ジクロロメタン 2000部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液1を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚18.0μmの電荷輸送層1を形成した。
〈ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子(PTFE粒子)分散液の調製〉
PTFE粒子(平均一次粒径0.12μmおよび結晶化度91.3のPTFE粒子)を250℃で40分間加熱処理し、結晶化度を82.8にしたPTFE粒子を用い、下記のPTFE粒子分散液を調製した。
PTFE粒子(PT1:平均一次粒径0.12μm、結晶化度を82.8)200部
トルエン 600部
フッ素系クシ型グラフトポリマー(商品名GF300、東亜合成化学(株)製)15部を混合した後ガラスビーズを用いたサンドグラインダー((株)アメックス製)にて分散し、PTFE粒子分散液を調製した。
〈電荷輸送層2(CTL2)〉
PTFE粒子分散液 815部
電荷輸送物質(4,4′−ジメチル−4″−(α−フェニルスチリル)
トリフェニルアミン) 150部
シロキサン変性ポリカーボネート樹脂(PC−1) 150部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 150部
酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 12部
THF:テトラヒドロフラン 2800部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 4部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液2を調製した。この塗布液を前記電荷輸送層1の上に円形スライドホッパ型塗布機で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚2.0μmの電荷輸送層2を形成し、感光体1を作製した。
感光体2〜12の作製
感光体1の作製において、電荷輸送層2(CTL2)のフッ素系樹脂粒子の種類と添加量を表1のように変化させた以外は感光体1と同様にして感光体2〜12を作製した。
Figure 2006064718
表1中、
PTFE、Hは下記のフッ素系樹脂微粒子を示す。
PTFE:ポリエチレンテレフタレート樹脂粒子
H:三フッ化エチレン−四フッ化エチレンの共重合樹脂粒子
又、表1中の接触角及び接触角のバラツキは前記した方法で測定し、絶対値で表示した。
本発明に用いるトナー及び該トナーを用いた現像剤を作製した。
(トナー製造例1:乳化重合会合法の例)
n−ドデシル硫酸ナトリウム0.90kgと純水10.0リットルを入れ攪拌溶解した。この溶液に、リーガル330R(キャボット社製カーボンブラック)1.20kgを徐々に加え、1時間よく攪拌した後に、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散した。このものを「着色剤分散液1」とする。
また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgとイオン交換水4.0リットルとからなる溶液を「アニオン界面活性剤溶液A」とする。
ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0リットルとからなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」とする。
過硫酸カリウム223.8gをイオン交換水12.0リットルに溶解した溶液を「開始剤溶液C」とする。
温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた容積100リットルのGL(グラスライニング)反応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固形分濃度=29.9%)3.41kgと「アニオン界面活性剤溶液A」全量と「ノニオン界面活性剤溶液B」全量とを入れ、攪拌を開始した。次いで、イオン交換水44.0リットルを加えた。
加熱を開始し、液温度が75℃になったところで、「開始剤溶液C」全量を滴下して加えた。その後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン12.1kgとアクリル酸n−ブチル2.88kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン548gとを滴下しながら投入した。滴下終了後、液温度を80℃±1℃に上げて、6時間加熱攪拌を行った。ついで、液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停止し、ポールフィルターで濾過してラテックスを得た。これを「ラテックス−A」とする。
なお、ラテックス−A中の樹脂粒子のガラス転移温度は57℃、軟化点は121℃、分子量分布は、重量平均分子量=1.27万、重量平均粒径は120nmであった。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgをイオン交換純水4.0リットルに溶解した溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とする。
また、ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.014kgをイオン交換水4.0リットルに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液E」とする。
過硫酸カリウム(関東化学社製)200.7gをイオン交換水12.0リットルに溶解した溶液を「開始剤溶液F」とする。
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100リットルのGL反応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固形分濃度 29.9%)3.41kgと「アニオン界面活性剤溶液D」全量と「ノニオン界面活性剤溶液E」全量とを入れ、攪拌を開始した。
次いで、イオン交換水44.0リットルを投入した。加熱を開始し、液温度が70℃になったところで、「開始剤溶液F」を添加した。ついで、スチレン11.0kgとアクリル酸n−ブチル4.00kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン9.02gとをあらかじめ混合した溶液を滴下した。滴下終了後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加熱攪拌を行った。さらに、液温度を80℃±2℃に上げて、12時間加熱攪拌を行った。液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停止した。ポールフィルターで濾過し、この濾液を「ラテックス−B」とする。
なお、ラテックス−B中の樹脂粒子のガラス転移温度は58℃、軟化点は132℃、分子量分布は、重量平均分子量=24.5万、重量平均粒径は110nmであった。
塩析剤としての塩化ナトリウム5.36kgをイオン交換水20.0リットルに溶解した溶液を「塩化ナトリウム溶液G」とする。
フッ素系ノニオン界面活性剤1.00gをイオン交換水1.00リットルに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液H」とする。
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒径および形状のモニタリング装置を付けた100リットルのSUS反応釜に、上記で作製したラテックス−A=20.0kgとラテックス−B=5.2kgと着色剤分散液1=0.4kgとイオン交換水20.0kgとを入れ攪拌した。ついで、40℃に加温し、塩化ナトリウム溶液G、イソプロパノール(関東化学社製)6.00kg、ノニオン界面活性剤溶液Hをこの順に添加した。その後、10分間放置した後に、昇温を開始し、液温度85℃まで60分で昇温し、85±2℃にて0.5〜3時間加熱攪拌して塩析/融着させながら粒径成長させた。次に純水2.1リットルを添加して粒径成長を停止させ、融着粒子分散液を作製した。
温度センサー、冷却管、粒径および形状のモニタリング装置を付けた5リットルの反応容器に、上記で作製した融着粒子分散液5.0kgを入れ、液温度85℃±2℃にて、0.5〜15時間加熱攪拌して形状制御した。その後、40℃以下に冷却し攪拌を停止した。次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分級を行い、目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を会合液とする。ついで、ヌッチェを用いて、会合液よりウェットケーキ状の非球形状粒子を濾取した。その後、イオン交換水により洗浄した。この非球形状粒子をフラッシュジェットドライヤーを用いて吸気温度60℃にて乾燥させ、ついで流動層乾燥機を用いて60℃の温度で乾燥させた。得られた着色粒子の100質量部に、0.3μmのチタン酸ストロンチウム0.5質量部及び15nmの疎水性シリカ1.0質量部をヘンシェルミキサーにて外添混合して乳化重合会合法によるトナーを得た。
前記塩析/融着段階および形状制御工程のモニタリングにおいて、攪拌回転数、および加熱時間を制御することにより、形状および形状係数の変動係数を制御し、さらに液中分級により、粒径および粒度分布の変動係数を任意に調製して、表2に示す形状特性および粒度分布特性を有するトナー粒子からなるトナー1〜16を得た。
Figure 2006064718
〔現像剤の製造〕
トナー1〜16の各々10質量部と、スチレン−メタクリレート共重合体で被覆した45μmフェライトキャリア100質量部とを混合することにより、評価用の現像剤1〜16を製造した。
《評価》
得られた感光体及び現像剤を表4に記載の組み合わせで、市販のカラープリンターmagicolor2200DeskLaser(ミノルタキューエムエス社製)に搭載し、耐久試験を行った。詳しくは、スタート時及び5000枚毎に、べた画像、文字画像及びハーフトーン画像が混在するオリジナル画像を計2万枚印刷して評価した。評価項目と評価基準を以下に示す。
尚、上記カラープリンターのプロセス条件は下記の条件で実施した。
帯電器:鋸歯電極
露光器:半導体レーザ
現像:反転現像法
転写:中間転写ベルト使用
クリーニング:クリーニングブレード
定着:加熱定着
プロセススピード:100mm/sec
(画像濃度)
マクベス社製RD−918を使用して測定。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。多数枚のコピーで残留電位が増加すると、画像濃度が低下する。2万枚コピー後のべた黒画像部で測定した。
◎:黒ベタ画像が1.2より高い(良好)
○:黒ベタ画像が1.0以上、1.2以下(実用上問題なし)
×:黒ベタ画像が1.0未満(実用上問題あり)
(カブリ)
カブリ濃度はべた白画像をマクベス社製RD−918を使用し反射濃度で測定した。該反射濃度は相対濃度(印刷していないA4紙の濃度を0.000とする)で評価した。2万枚コピー後のべた白画像部で測定した。
◎;濃度が0.010未満(良好)
○;濃度が0.010以上、0.020以下(実用上問題ないレベル)
×;濃度が0.020より高い(実用上問題となるレベル)
(画像むら)
◎:2万枚の印刷を通して、感光体表面の傷と一致したハーフ画像のいずれにおいてもスジ状のムラが全く見られなかった;
○:2万枚の印刷を通して、感光体表面の一部に軽微なスジ状のムラが見られたものの、ハーフ画像においてはスジ状のムラが全く見られなかった;
×:2万枚の印刷中に、感光体表面の傷と一致したハーフ画像の全面にはっきりとしたスジ状のムラが見れた。
(画像ボケ)
◎:5千枚の印刷を通して、画像ボケの発生は全くなし(良好)
○:5千枚の印刷を通して、部分的な画像ボケが数枚(10枚未満)発生したが、実用的に問題なし(実用上問題なし)
×:5千枚の印刷中に、部分的な画像ボケが10枚以上又は広範囲の画像ボケが1枚以上発生した(実用上問題あり)
(ダッシュマーク)
ハーフトーン画像上のダッシュマークの発生状況を下記の基準で判定した。
◎;感光体上にダッシュマークの発生核がみられず、ハーフトーン画像にもダッシュマークの発生なし(良好)
○;感光体上にダッシュマークの発生核がみられるが、ハーフトーン画像にはダッシュマークの発生なし(実用上問題なし)
×;感光体上にダッシュマークの発生核がみられ、ハーフトーン画像にもダッシュマークが発生している(実用上問題有り)
(鮮鋭性)
画像の鮮鋭性は、文字潰れで評価した。文字サイズ(ポイント)が異なる文字画像を形成し、下記の判断基準で評価した。
◎:4ポイント以下の文字が明瞭であり、容易に判読可能(良好)
○:6ポイント以下の文字が明瞭であり、容易に判読可能(実用上問題なし)
△:8ポイント以下の文字が明瞭であり、容易に判読可能(再評価が必要)
×:8ポイントの文字の一部又は全部が判読不能(実用上問題あり)
Figure 2006064718
表3の結果より、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で且つ結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子及びバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であり且つ接触角のばらつきが±2.0以下の表面層(=電荷輸送層2)を有する有機感光体(No.1)を用い、トナーの形状係数、形状係数の変動係数等の少なくとも1つが本発明のトナーを用いた現像剤(No.1〜14)の組み合わせは(組み合わせNo.1〜14)は、いずれの感光体も画像むら、画像ボケ、ダッシュマーク及び鮮鋭性が改善されていて、良好な電子写真画像を獲得している。又、トナーが本発明の条件を満たしたトナーを用いた現像剤1と平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で且つ結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子及びバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であり且つ接触角のばらつきが±2.0以下の表面層(=電荷輸送層2)を有する有機感光体との組み合わせ(組み合わせNo.17、18、21、23、25〜27)も、画像むら、画像ボケ、ダッシュマーク及び鮮鋭性が改善されていて、良好な電子写真画像を獲得している。
一方、本発明の条件を有していないトナーを用いた現像剤(No.15、16)では、本発明の条件を満たした感光体1と組み合わせても(組み合わせNo.15,16)、組み合わせNo.15では、カブリや画像ムラが発生し、鮮鋭性が劣化しており、組み合わせNo.16でもカブリや画像ムラの発生による画像劣化が発生している。
又、平均一次粒径が0.01μmの含フッ素樹脂粒子を用いた感光体4(含フッ素樹脂粒子の分散性が悪く接触角のバラツキが2.2と大きい)を用いた組み合わせNo.19はダッシュマークが発生し、平均一次粒径が0.22μmの含フッ素樹脂粒子を用いた感光体5(接触角のバラツキが2.3と大きい)を用いた組み合わせNo.20もダッシュマークが発生し、鮮鋭性が劣化している。又、結晶化度が91.3%の含フッ素粒子を用いた感光体7(含フッ素粒子の延展性が小さく、接触角のバラツキが2.2と大きい)を用いた組み合わせNo.22もダッシュマーク及び画像むらが発生している。又、含フッ素樹脂粒子の含有量を少なくした感光体9(接触角が88°で低く、接触角のバラツキが2.4と大きい)を用いた組み合わせNo.24でもダッシュマークや画像むらが発生している。
本発明に係わる円形スライドホッパー型塗布装置例の断面図である。 本発明に係わる円形スライドホッパー型塗布装置例の斜視図である。 本発明の画像形成装置の機能が組み込まれた概略図である。 本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置の構成断面図である。 角がないトナー粒子を説明するための図である。
符号の説明
1 画像形成装置
21 感光体
22 帯電手段
23 現像手段
24 転写極
25 分離極
26 クリーニング装置
30 露光光学系
45 転写搬送ベルト装置
50 定着手段
250 分離爪ユニット

Claims (8)

  1. 有機感光体と該有機感光体上に静電潜像を形成するための帯電手段、露光手段及び該静電潜像をトナー像に顕像化する為の現像手段を有する画像形成装置において、該有機感光体が、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子及びバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であり、接触角のばらつきが±2.0以下である表面層を有し、前記現像手段が、形状係数1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であるトナーを含有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 有機感光体と該有機感光体上に静電潜像を形成するための帯電手段、露光手段及び該静電潜像をトナー像に顕像化する為の現像手段を有する画像形成装置において、該有機感光体が、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子及びバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であり、接触角のばらつきが±2.0以下である表面層を有し、前記現像手段が、角がないトナー粒子が50個数%以上であるトナーを含有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 有機感光体と該有機感光体上に静電潜像を形成するための帯電手段、露光手段及び該静電潜像をトナー像に顕像化する為の現像手段を有する画像形成装置において、該有機感光体が、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子及びバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であり、接触角のばらつきが±2.0以下である表面層を有し、前記現像手段が、トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおける最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーを含有することを特徴とする画像形成装置。
  4. 有機感光体と該有機感光体上に静電潜像を形成するための帯電手段、露光手段及び該静電潜像をトナー像に顕像化する為の現像手段を有する画像形成装置において、該有機感光体が、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子及びバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であり、接触角のばらつきが±2.0以下である表面層を有し、前記現像手段が、トナー粒子の形状係数の変動係数が16%以下、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるトナーを含有することを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記バインダー樹脂の少なくとも1つがシロキサン変成ポリカーボネートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記表面層が酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記有機感光体が導電性支持体上に電荷発生層及び複数層の電荷輸送層を有し、該複数層の最上層が表面層であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009151291A (ja) * 2007-11-28 2009-07-09 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成方法及び画像形成装置
JP2011203693A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

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