JP2006259301A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的はカウンター現像方式で発生しやすいカブリや先端部濃度低下に基づく画像ムラの発生を防止して、画像濃度が高く、色再現性が良好な電子写真画像を作製できる画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。
【解決手段】 円筒状の有機感光体上の静電潜像をトナー及びキャリアを含有する現像剤を担持した円筒状の現像スリーブに接触させて、トナー画像に顕像化させる画像形成方法において、前記有機感光体の表面層が無機粒子を含有し、前記キャリアの体積平均粒径が10〜60μm、飽和磁化値が20〜80emu/gであり、現像スリーブを有機感光体の回転方向に対し、カウンター方向に回転させながら静電潜像をトナー画像に顕像化させることを特徴とする画像形成方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いる画像形成方法及び画像形成装置に関し、更に詳しくは、複写機やプリンターの分野で用いられる電子写真方式の画像形成に用いる画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。
電子写真用の感光体はSe、ヒ素、ヒ素/Se合金、CdS、ZnO等の無機感光体から、公害や製造の容易性等の利点に優れる有機感光体に主体が移り、様々な材料を用いた有機感光体(以下、単に感光体とも云う)が開発されている。
近年では電荷発生と電荷輸送の機能を異なる材料に担当させた機能分離型の感光体が主流となっており、例えば、導電性支持体上に表面層に無機粒子を含有させた有機感光体が広く知られている(特許文献1)。
また、電子写真プロセスに目を向けると潜像画像形成方式は、ハロゲンランプを光源とするアナログ画像形成とLEDやレーザーを光源とするデジタル方式の画像形成に大別される。最近はパソコンのハードコピー用のプリンターとして、また通常の複写機においても画像処理の容易さや複合機への展開の容易さからデジタル方式の潜像画像形成方式が急激に主流となりつつある。
又、デジタル方式の画像形成方法では、オリジナルのプリント画像を作製する機会が増大し、高画質への要求が高まっいる。該電子写真画像の高画質化のために、有機感光体上にスポット径が小さい露光光源を用いて微細な潜像形成を行い、微細なドット画像をトナー画像に形成する技術が開発されている。
即ち、有機感光体上の潜像の現像方法としては、有機感光体に対設した現像スリーブを現像領域で、有機感光体の進行方向と平行に進行させる現像方式(以後、パラレル現像方式)と、カウンター方向に進行させる現像方式(以後、カウンター現像方式)が知られている(特許文献2)が、両者共、高密度のドット画像を形成するに際し、課題を十分に解決し得ていない。
前記、有機感光体に対設した現像スリーブを有機感光体の進行方向と平行に進行させる現像方式では、高濃度の画像の周辺の現像性が劣化し、濃度不足になりやすく、コントラストが高い写真画像等で、画質が劣化しやすい。
一方、カウンター方向に進行させる現像方式では、現像性が高く、高濃度のドット画像を形成できるが、しばしば、カブリが発生したり、先端部に濃度不足が発生しやすい。
上記のような現象は、単に現像剤の改善のみでは、十分に解決されず、有機感光体の特性によっても、これらの現象が強調されたり、改善されたりすることが見出されている。
即ち、有機感光体上に形成される静電潜像のコントラストや、有機感光体と現像剤の摩擦による逆帯電トナーの生成等にも関連していると推測される。
即ち、カウンター現像方式では、感光体とトナーの接触摩擦により、逆帯電性のトナーが生成しやすく、その結果、カブリやトナー飛散が発生したり、先端部濃度低下が発生したりしやすく、高精細の静電潜像をトナー画像として再現できない。
又、二成分現像剤を用いた現像方式で、低飽和磁化のキャリアを用い、感光体上の潜像の現像をソフトにするフェライトキャリアが提案されている(特許文献3)。しかしながら、これらのソフトな現像剤をカウンター現像方式に有効に適用する技術は、尚提案されていない。
特開平8−262752号公報 特開2001−125435号公報 特開平11−202559号公報
本発明は上述のような従来技術の問題点を解決して、即ち、カウンター現像方式で発生しやすい問題点を解決し、高精細のデジタル画像を安定して形成する画像形成方法に関するものであり、更に詳しくは、カウンター現像方式で発生しやすいカブリやトナー飛散を防止し、先端部濃度低下に基づく画像ムラの発生を防止して、画像濃度が高く、色再現性が良好な電子写真画像を作製できる画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。
本発明の上記のような課題、即ち、カウンター現像方式で発生しやすいカブリの発生やトナー飛散を防止し、部分的な濃度不足を解消し、均一で高精細の電子写真画像を得るために、現像剤の構成、有機感光体の構成及び現像方式との関連を検討した結果、現像性が優れたカウンター方式でのカブリの発生やトナー飛散を防止し、画像先端部の濃度不良を防止するためには、有機感光体の表面への個々のトナー粒子の接触摩擦を小さくし、即ち、有機感光体の表面を滑りがよい表面にすると同時に、現像剤をソフトな現像剤にして、現像剤と有機感光体の接触時に発生しやすい逆帯電性トナーの増加を防止することが有効であることを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は以下のような構成を有することにより達成される。
(請求項1)
円筒状の有機感光体上の静電潜像をトナー及びキャリアを含有する現像剤を担持した円筒状の現像スリーブに接触させて、トナー画像に顕像化させる画像形成方法において、前記有機感光体の表面層が無機粒子を含有し、前記キャリアの体積平均粒径が10〜60μm、飽和磁化値が20〜80emu/gであり、現像スリーブを有機感光体の回転方向に対し、カウンター方向に回転させながら静電潜像をトナー画像に顕像化させることを特徴とする画像形成方法。
(請求項2)
円筒状の有機感光体上の静電潜像をトナー及びキャリアを含有する現像剤を担持した円筒状の現像スリーブに接触させて、トナー画像に顕像化させる現像手段及び有機感光体に形成されたトナー画像を転写媒体に転写する転写手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて有機感光体上に各色トナー画像を形成し、該各色トナー画像を有機感光体から転写媒体に転写してカラー画像を形成する画像形成方法において、前記有機感光体の表面層が無機粒子を含有し、前記キャリアの体積平均粒径が10〜60μm、飽和磁化値が20〜80emu/gであり、現像スリーブを有機感光体の回転方向に対し、カウンター方向に回転させながら静電潜像をトナー画像に顕像化させることを特徴とする画像形成方法。
(請求項3)
前記キャリアがフェライトキャリアであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
(請求項4)
前記キャリアが樹脂被覆キャリアであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(請求項5)
前記表面層の無機粒子が数平均一次粒径が3〜150nmの周期律表第3又は第4周期の金属から選ばれる金属酸化物粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(請求項6)
前記金属酸化物粒子がシリカ、アルミナ又はチタニアのいずれか一種であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
(請求項7)
前記金属酸化物粒子が表面処理を施されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成方法。
(請求項8)
前記有機感光体の表面粗さRaが0.001〜0.050であり、十点表面粗さRzが0.02〜0.08μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(請求項9)
前記有機感光体の表面層が酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(請求項10)
前記有機感光体は導電性基体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を設けた積層型有機感光体であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(請求項11)
前記トナーは重合トナーであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(請求項12)
円筒状の有機感光体上の静電潜像をトナー及びキャリアを含有する現像剤を担持した円筒状の現像スリーブに接触させて、トナー画像に顕像化させる現像手段を有する画像形成装置において、前記有機感光体の表面層が無機粒子を含有し、前記キャリアの体積平均粒径が10〜60μm、飽和磁化値が20〜80emu/gであり、現像スリーブを有機感光体の回転方向に対し、カウンター方向に回転させながら静電潜像をトナー画像に顕像化させることを特徴とする画像形成装置。
(請求項13)
円筒状の有機感光体上の静電潜像をトナー及びキャリアを含有する現像剤を担持した円筒状の現像スリーブに接触させて、トナー画像に顕像化させる現像手段及び有機感光体に形成されたトナー画像を転写媒体に転写する転写手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて有機感光体上に各色トナー画像を形成し、該各色トナー画像を有機感光体から転写媒体に転写してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記有機感光体の表面層が無機粒子を含有し、前記キャリアの体積平均粒径が10〜60μm、飽和磁化値が20〜80emu/gであり、現像スリーブを有機感光体の回転方向に対し、カウンター方向に回転させながら静電潜像をトナー画像に顕像化させることを特徴とする画像形成装置。
本発明の画像形成方法及び画像形成装置を用いることにより、カウンター現像方式で発生しやすいカブリの発生、先端部の濃度不良、トナー飛散及びキャリア付着を防止でき、色再現性が良好な電子写真画像を提供することができる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の画像形成方法は、円筒状の有機感光体上の静電潜像をトナー及びキャリアを含有する現像剤を担持した円筒状の現像スリーブに接触させて、トナー画像に顕像化させる画像形成方法であり、前記有機感光体の表面層が無機粒子を含有し、前記キャリアの体積平均粒径が10〜60μm、飽和磁化値が20〜80emu/gであり、現像スリーブを有機感光体の回転方向に対し、カウンター方向に回転させながら静電潜像をトナー画像に顕像化させることを特徴とする。
又、本発明の画像形成方法は、円筒状の有機感光体上の静電潜像をトナー及びキャリアを含有する現像剤を担持した円筒状の現像スリーブに接触させて、トナー画像に顕像化させる現像手段及び有機感光体に形成されたトナー画像を転写媒体に転写する転写手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて有機感光体上に各色トナー画像を形成し、該各色トナー画像を有機感光体から転写媒体に転写してカラー画像を形成する画像形成方法であり、前記有機感光体の表面層が無機粒子を含有し、前記キャリアの体積平均粒径が10〜60μm、飽和磁化値が20〜80emu/gであり、現像スリーブを有機感光体の回転方向に対し、カウンター方向に回転させながら静電潜像をトナー画像に顕像化させることを特徴とする。
本発明の画像形成方法は上記構成を有することにより、カウンター現像方式により発生しやすい、カブリの発生や先端部の濃度不良を防止でき、高画質のデジタル画像或いはカラー画像を提供することができる。
以下、本発明に係わる有機感光体の構成について記載する。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機感光体を全て含有する。
本発明に係わる有機感光体の表面層に用いられる無機粒子は、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化タングステン、酸化ビスマス等の金属酸化物が好ましく、炭化ケイ素、炭化チタン等の金属炭化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩、炭酸カルシウム等の炭酸塩、窒化アルミニウム等の金属窒化物、硫酸バリウム、硫酸銅、硫酸亜鉛等の硫酸塩等も用いられる。
これらの無機粒子の中でも、数平均一次粒径が3〜150nmの周期律表第3又は第4周期の金属から選ばれる金属酸化物粒子が特に好ましく用いられる。
周期律表第3又は第4周期の金属から選ばれる金属酸化物粒子としては、酸化マグネシウム、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化鉄等の金属酸化物(遷移金属酸化物も含む)及びこれらの複合金属酸化物粒子が挙げられるが、中でもシリカ、酸化チタン、アルミナが好ましく用いられる。
又、数平均一次粒子径とは、微粒子を透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。
このような無機粒子を有機感光体の表面層に含有させ、有機感光体の表面に小さな凹凸を形成し、トナーとの接触面積を小さくた感光体を用い、該感光体上に形成される静電潜像を体積平均粒径が10〜60μm、飽和磁化値が20〜80emu/gであるキャリアを用いた柔らかい穂立ちを形成する現像剤でトナー画像に顕像化させることにより、カウンター現像方式で発生しやすい感光体とトナーとの接触摩擦による逆帯電性のトナーの発生が防止され、カブリや先端濃度低下等による画像ムラを防止でき、トナー飛散等も防止でき、高濃度で且つ色再現性のよい電子写真画像を形成することができる。
本発明に係わる有機感光体は、数平均一次粒径が3〜150nmの周期律表第3又は第4周期の金属から選ばれる金属酸化物粒子を含有した表面層を有し、その上で、表面粗さRaが0.001〜0.050であり、十点表面粗さRzが0.02〜0.08μmであることが好ましい。特にRaが0.005〜0.035の範囲が好ましい。
表面粗さRa(以後,単にRaともいう)と十点表面粗さRz(以後,単にRzともいう)について説明する(JIS B 0601に同じ)。
本発明で、Raは粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、次の式によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
Figure 2006259301
L基準長さであり、本発明ではLが2.5mm、カットオフ値は0.08mmとする。
十点表面粗さRz
Rzは基準長2.5mmの距離間で上位から5つの山頂の平均高さと、下位から5つの谷底の平均低さとの差である。
測定機は表面粗さ計(東京精密社製 サーフコム1400D)で測定した。
表面粗さの測定条件
測定速度(Drive speed:0.15mm/秒)
測定針直径(2μm)
本発明に係わる表面層とは、層構成で形成されている有機感光体の空気界面と接触する層を意味し、該層が機能として保護層であっても、電荷輸送層であっても、又他の機能を有する層であってもよい。有機感光体の表面層は電子顕微鏡による断面構造の観察より確認でき、その膜厚は0.5〜10μmが好ましい。
本発明に係わる周期律表第3又は第4周期の金属から選ばれる金属酸化物粒子としては、酸化マグネシウム、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化鉄等の金属酸化物(遷移金属酸化物も含む)及びこれらの複合金属酸化物粒子が挙げられるが、中でもシリカ、酸化チタン、アルミナが好ましく用いられる。
本発明では、周期律表第3又は第4周期の金属から選ばれる金属酸化物粒子の数平均一次粒子径が3.0〜150nmの範囲の微粒子を用いる。特に、5nm〜100nmが好ましい。数平均一次粒子径とは、微粒子を透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。
数平均一次粒径が3.0nm未満の金属酸化物粒子は表面層中での均一な分散ができにくく、凝集粒子を形成しやすく、RaやRzが前記範囲より大きくなりやすく、感光体と現像剤の接触摩擦が増大し、逆帯電性トナーの発生を増大し、カウンター現像方式では、カブリを発生させたり、トナー飛散を増大させたり、先端部濃度低下を発生させやすい。一方、数平均一次粒径が150nmより大きい金属酸化物粒子は表面層の表面に大きな凹凸を作りやすく、RaやRzが前記範囲より大きくなりやすく、同様にカウンター現像方式では、カブリを発生させたり、トナー飛散を増大させたり、先端部濃度低下を発生させやすい。
又、表面粗さRaが0.001未満或いは十点表面粗さRzが0.02未満では、感光体の表面層に金属酸化物粒子を効果的な量で、含有させることが難しく、感光体の表面滑り性が不足し、カウンター現像方式では表面層に擦過傷を生じやすく、ハーフトーン画像で先端部濃度低下が発生しやすい。
又、Rzの値は、表面層の金属酸化物粒子の粒径や含有量以外に、有機感光体の導電性支持体の表面粗さにも影響される。前記Rzの範囲を達成する為には、前記した金属酸化物粒子を用いると共に、導電性支持体のRzを0.1から1.0μmにすることが好ましい。
更に、表面層に含有させる周期律表第3又は第4周期の金属から選ばれる金属酸化物粒子としては、表面処理を施し、下記で定義する疎水化度を50以上、及び疎水化度分布値を25以下にした金属酸化物粒子を用いることが好ましい。
即ち、これらの金属酸化物粒子は、表面に多数の水酸基を有しているので、これら水酸基を封鎖して疎水化度を高くすることが知られているが、本発明では、カウンター現像方式でのカブリや先端部濃度低下の発生を効果的に防止するには、この水酸基の平均的な封鎖レベルを示す疎水化度を50以上にすると共に、疎水化度分布値を25以下に制御した金属酸化物粒子を用いることが好ましいことを見出した。このような金属酸化物粒子を用いることにより、カブリや先端部濃度低下の発生を防止し、高耐久で、鮮鋭性が良好な電子写真画像を形成することができる。
金属酸化物粒子の疎水化度が50未満では、金属酸化物粒子の表面に存在する水酸基が多く、電位特性(帯電電位や残留電位等)の湿度依存性が大きく、カブリや先端部濃度低下を発生させやすい。金属酸化物粒子の疎水化度は55以上がより好ましい。又、シリカや酸化チタン等の表面に水酸基を多く有する金属酸化物粒子は疎水化度を95%以上にするには、これら水酸基を、表面処理によりほぼ100%封鎖することが必要であり、製造コストが高く、実用的ではない。製造コストと実用性の観点からは、疎水化度は90%以下がより好ましい。
又、疎水化度分布値が25より大きいと、表面に水酸基が多く残存する金属酸化物粒子が含まれ、カブリや先端部濃度低下が発生しやすい。
尚、前記疎水化度(メタノールウェッタビリティ)とはメタノールに対する濡れ性の尺度で示される。即ち、以下のように定義される。
疎水化度(メタノールウェッタビリティ)=(a/(a+50))×100
疎水化度の測定方法を以下に記す。
内容量200mlのビーカー中に入れた蒸留水50mlに、測定対象の金属酸化物粒子を0.2g秤量し添加する。メタノールを先端が液体中に浸せきされているビュレットから、ゆっくり撹拌した状態で金属酸化物粒子の全体が濡れるまで(全部が沈降するまで)ゆっくり滴下する。この金属酸化物粒子全体を濡らすために必要なメタノールの量をa(ml)とした場合に、上記式により疎水化度が算出される。
疎水化度分布値の測定方法
1)測定対象の金属酸化物粒子を0.2g秤量し、遠沈管に入れる。
(プロットしたい点数分+1本(全沈用)を用意する)
2)駒込ピペットにて濃度の異なるメタノール溶液を各7ml遠沈管に入れ、しっかりしめる(全沈用は上記疎水化度で決定されたメタノール濃度を用いる)。
3)ターブラーミキサー90rpmで30秒間分散する。
4)遠心分離器にかける(3500rpm、10分間)
5)沈降容積を読みとり、全沈降容積(全部が沈降した容積)を100%としたときの各沈降容積%を求める。
6)上記、各測定値を基に、横軸メタノール量(Vol%)、縦軸沈降容積(%)のグラフを作製する。
上記測定より、疎水化度分布値を算出する。
疎水化度分布値が25以下とは次のように定義される。
{(沈降容積が100%のメタノールVol.%)
−(沈降容積が10%のメタノールVol.%)}≦25
疎水化度分布曲線を図5に示す。図5の分布曲線では、a点のメタノール濃度が疎水化度を表し、a点のメタノール濃度とb点のメタノール濃度の差;Δ(a−b)が疎水化度分布値を表す。
前記範囲の疎水化度及び疎水化度分布値を有する金属酸化物粒子を作製するにはシリカ等の表面をトリメチルシリル化剤を用いた表面処理で作製することができる。特に、下記一般式(1)又は一般式(2)で表されるトリメチルシリル化剤を用いることが好ましい。
一般式(1)
((CH33Si)2NR
(一般式(1)中、Rは水素または炭素数1〜4の低級アルキル基である)
一般式(2)
(CH33SiY
〔一般式(2)中、Yはハロゲン原子、−OH、−OR’、または−NR’2、から選ばれる基(R’は一般式(1)のRと同じである)である〕。
ここで、上記化合物において、Rの低級アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜5、好適には炭素数1〜3のもの、特にメチル基が好ましい。また、Yのハロゲン原子は、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、特に塩素が好ましい。
一般式(1)で示されるトリメチルシリル化剤を例示すれば、ヘキサメチルジシラザン、N−メチル−ヘキサメチルジシラザン、N−エチル−ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチル−N−プロピルジシラザン等が挙げられ、反応性の良さからヘキサメチルジシラザンを用いるのが特に好適である。
他方、一般式(2)で示されるトリアルキルシリル化剤を例示すれば、トリメチルクロロシラン、トリメチルシラノール、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、プロポキシトリメチルシラン、ジメチルアミノトリメチルシラン、ジエチルアミノトリメチルシラン等が挙げられ、反応性の良さからトリメチルシラノールを用いるのが特に好適である。
表面処理方法としては、シリカとトリメチルシリル化剤とを、水蒸気の存在下で反応させることが好ましい。かかる反応に際して、該水蒸気の分圧を4〜20kPa、好適には5〜15kPaで表面処理を行うことが好ましい。
ここで、水蒸気分圧が4kPaより小さいと疎水化度が上がらず、かつ疎水化度の分布も広がる。一方、水蒸気分圧が20kPaより大きくなっても、疎水化度の分布が広がり、その均一性が損なわれやすい。
また、上記シリカとトリメチルシリル化剤との反応は、短い反応時間でより疎水化度の高いシリカを得る場合には、トリメチルシリル化剤の気相の分圧が50〜200kPa、好適には80〜150kPaになるような条件下で行うのが好ましい。
さらに、上記反応は、トリメチルシリル化剤と水蒸気のみからなる雰囲気で反応を実施しても良いが、通常は、これらを、窒素、ヘリウム等の不活性ガスにより希釈して反応に供するのが一般的である。その場合、反応雰囲気の全圧は、150〜500kPa、好適には150〜250kPaであるのが一般的である。
なお、シリカとトリメチルシリル化剤との反応性をより高めるため、必要に応じてアンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン等の塩基性ガス、好適にはアンモニアを反応雰囲気中に共存させても良い。こうした塩基性ガスの分圧は、1〜100kPaであるのが好適である。
シリカとトリメチルシリル化剤との反応温度は、疎水化反応の反応性の良好さやトリメチルシリル化剤の分解の危険性を勘案すると130〜300℃、好適には150〜250℃であるのが好ましい。一般には、上記範囲において反応温度が高いほど、得られるシリカの疎水性が高くなる傾向がある。
上記トリメチルシリル化剤以外の多官能シリル化剤や高炭素数のトリアルキルシリル化剤を用いた場合は、疎水化度が低くなったり、疎水化度分布値が大きくなりやすい。
又、前記金属酸化物粒子はメチルハイドロジェンシロキサン単位(−(HSi(CH3)O)−)を含む重合体で表面処理されたものが好ましい。該メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体の分子量は1000〜20000のものが表面処理効果が高く、その結果、金属酸化物粒子の疎水化度を高め、疎水化度分布値を小さくすることができる。
前記表面層中には金属酸化物粒子の分散性を助けるバインダー樹脂を含有する。該バインダー樹脂としては、ポリカーボネートやポリアリレートが好ましい。これらポリカーボネートやポリアリレートの分子量は10,000〜100,000が好ましい。
又、表面層中の金属酸化物粒子の比率は質量比でバインダー樹脂100質量部に対し、少なくとも5質量部以上50質量部以下の量で用いることが好ましい。5質量量部未満では表面層の摩耗が大きく、擦り傷等が発生してハーフトーン画像が荒れやすい。50質量部より多いと表面層が脆弱な膜となり、クラック等が発生しやすい。
本発明に係わる表面層は電荷輸送物質を含有することが好ましい。電荷輸送物質(CTM)としては公知の正孔輸送性(P型)の電荷輸送物質(CTM)を用いることが好ましい。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
表面層中のバインダー樹脂と電荷輸送物質の質量比はバインダー100質量部に対し、電荷輸送物質30〜200質量部が好ましく、50〜150質量部がより好ましい。
又、表面層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。表面層に酸化防止剤と本発明に係わる金属酸化物粒子を含有させることにより、繰り返し使用中の表面層の特性変動を防止し、カウンター現像方式でのカブリや先端部濃度低下の発生を防止し、良好な電子写真画像を提供することができる。該酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸化作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。
本発明に係わる酸化防止剤とは、感光体中ないしは感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。詳しくは下記の化合物群が挙げられる。
(1)ラジカル連鎖禁止剤
・フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系)
・アミン系酸化防止剤(ヒンダードアミン系、ジアリルジアミン系、ジアリルアミン系)
・ハイドロキノン系酸化防止剤
(2)過酸化物分解剤
・硫黄系酸化防止剤(チオエーテル類)
・燐酸系酸化防止剤(亜燐酸エステル類)
上記酸化防止剤のうちでは、(1)のラジカル連鎖禁止剤が良く、特にヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。又、2種以上のものを併用してもよく、例えば(1)のヒンダードフェノール系酸化防止剤と(2)のチオエーテル類の酸化防止剤との併用も良い。更に、分子中に上記構造単位、例えばヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造単位を含んでいるものでも良い。
前記酸化防止剤の中でも特にヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系酸化防止剤が高温高湿時のカブリの発生や画像ボケ防止に特に効果がある。
ヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤の表面層中の含有量は0.01〜20質量%が好ましい。0.01質量%未満だとポチが発生しやすく、20質量%より多い含有量では表面層中の電荷輸送能の低下がおこり、残留電位が増加しやすくなり、又膜強度の低下し、筋傷が発生しやすい。
ここでヒンダードフェノールとはフェノール化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を有する化合物類及びその誘導体を云う(但し、水酸基がアルコキシに変成されていても良い。)。
ヒンダードアミン系とはN原子近傍にかさ高い有機基を有する化合物である。かさ高い有機基としては分岐状アルキル基があり、例えばt−ブチル基が好ましい。例えば下記構造式で示される有機基を有する化合物類が好ましい。
Figure 2006259301
式中のR13は水素原子又は1価の有機基、R14、R15、R16、R17はアルキル基、R18は水素原子、水酸基又は1価の有機基を示す。
ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118137号(P7〜P14)記載の化合物が挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
有機リン化合物としては、例えば、一般式(3):RO−P(OR)−ORで表される化合物である。尚、ここにおいてRは水素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
有機硫黄系化合物としては、例えば、一般式(4):R−S−Rで表される化合物である。尚、ここにおいてRは水素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
以下に代表的な酸化防止剤の化合物例を挙げる。
Figure 2006259301
Figure 2006259301
Figure 2006259301
Figure 2006259301
又、製品化されている酸化防止剤としては以下のような化合物、例えばヒンダードフェノール系として「イルガノックス1076」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス1098」、「イルガノックス245」、「イルガノックス1330」、「イルガノックス3114」、「イルガノックス1076」、「3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシビフェニル」、ヒンダードアミン系として「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」が挙げられ、チオエーテル系として「スミライザーTPS」、「スミライザーTP−D」が挙げられ、ホスファイト系として「マーク2112」、「マークPEP−8」、「マークPEP−24G」、「マークPEP−36」、「マーク329K」、「マークHP−10」が挙げられる。
本発明に係わる表面層は電荷輸送物質を含有することが好ましい。電荷輸送物質(CTM)としては公知の正孔輸送性(P型)の電荷輸送物質(CTM)を用いることが好ましい。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
表面層中のバインダー樹脂と電荷輸送物質の質量比はバインダー100質量部に対し、電荷輸送物質30〜200質量部が好ましく、50〜150質量部がより好ましい。
本発明は上記したような表面層を有する有機感光体であるが、表面層以外の有機感光体の構成について以下に記載する。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機感光体を全て含有する。
本発明に係わる有機感光体の構成は、前記した請求項(1)又は(2)に記載の表面層を有する限り特に制限されるものではなく、例えば、以下に示すような構成が挙げられる;
1)導電性支持体上に感光層として電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した構成
2)導電性支持体上に感光層として電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層を順次積層した構成;
3)導電性支持体上に感光層として電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層を形成した構成;
4)導電性支持体上に感光層として電荷輸送層および電荷発生層を順次積層した構成;
5)上記1)〜5)の感光体の感光層上にさらに表面保護層を形成した構成。
感光体が上記いずれの構成を有する場合であってもよい。感光体の表面層とは、感光体が空気界面と接触する層であり、導電性支持体上に単層式の感光層のみが形成されている場合は当該感光層が表面層であり、導電性支持体上に単層式または積層式感光層と表面保護層とが積層されている場合は表面保護層が最表面層である。本発明では上記2)の構成が最も好ましく用いられる。尚、本発明に係わる感光体はいずれの構成を有する場合であっても、導電性支持体上、感光層の形成に先だって、下引層(中間層)が形成されていてもよい。
電荷輸送層とは、光露光により電荷発生層で発生した電荷キャリアを有機感光体の表面に輸送する機能を有する層を意味し、該電荷輸送機能の具体的な検出は、電荷発生層と電荷輸送層を導電性支持体上に積層し、光導伝性を検知することにより確認することができる。
次に、有機感光体の層構成を上記2)の構成を中心にして記載する。
導電性支持体
感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。本発明に係わる導電性支持体としては、アルミニウム支持体が最も好ましい。該アルミニウム支持体は、主成分のアルミニウム以外にマンガン、亜鉛、マグネシウム等の成分が混合したものも用いられる。
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、中間層を設けることが好ましい。
本発明に用いられる中間層にはN型半導性粒子を含有することが好ましい。該N型半導性粒子とは、主たる電荷キャリアが電子である粒子を意味する。すなわち、主たる電荷キャリアが電子であることから、該N型半導性粒子を絶縁性バインダーに含有させた中間層は、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性が少ない性質を有する。
ここで、N型半導性粒子の判別方法について説明する。
導電性支持体上に膜厚5μmの中間層(中間層を構成するバインダー樹脂中に粒子を50質量%分散させた分散液を用いて中間層を形成する)を形成する。該中間層に負極性に帯電させて、光減衰特性を評価する。又、正極性に帯電させて同様に光減衰特性を評価する。
N型半導性粒子とは、上記評価で、負極性に帯電させた時の光減衰が正極性に帯電させた時の光減衰よりも大きい場合に、中間層に分散された粒子をN型半導性粒子という。
N型半導性粒子としては、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)が好ましく、特に酸化チタンが特に好ましく用いられる。
N型半導性粒子は数平均一次粒子径が3.0〜200nmの範囲の微粒子を用いる。特に、5nm〜100nmが好ましい。数平均一次粒子径とは、微粒子を透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。数平均一次粒径が3.0nm未満のN型半導性粒子は中間層バインダー中での均一な分散ができにくく、凝集粒子を形成しやすく、該凝集粒子が電荷トラップとなって残電上昇が発生しやすい。一方、数平均一次粒径が200nmより大きいN型半導性粒子は中間層の表面に大きな凹凸を作りやすく、これらの大きな凹凸を通してドット画像の再現性が劣化しやすい。又、数平均一次粒径が200nmより大きいN型半導性粒子は分散液中で沈澱しやすく、凝集物が発生しやすく、その結果、ドット画像の再現性が劣化しやすい。
前記酸化チタン粒子は、結晶形としては、アナターゼ形、ルチル形、ブルッカイト形及びアモルファス形等があるが、中でもルチル形酸化チタン顔料又はアナターゼ形酸化チタン顔料は、中間層を通過する電荷の整流性を高め、即ち、電子の移動性を高め、帯電電位を安定させ、残留電位の増大を防止すると共に、ドット画像の劣化を防止することができ、N型半導性粒子として最も好ましい。
N型半導性粒子はメチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理されたものが好ましい。該メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体の分子量は1000〜20000のものが表面処理効果が高く、その結果、N型半導性粒子の整流性を高め、このN型半導性粒子を含有する中間層を用いることにより、黒ポチ発生が防止され、又、良好なドット画像の再現性に効果がある。
メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体とは−(HSi(CH3)O)−の構造単位とこれ以外の構造単位(他のシロキサン単位のこと)の共重合体が好ましい。他のシロキサン単位としては、ジメチルシロキサン単位、メチルエチルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位及びジエチルシロキサン単位等が好ましく、特にジメチルシロキサンが好ましい。共重合体中のメチルハイドロジェンシロキサン単位の割合は10〜99モル%、好ましくは20〜90モル%である。
メチルハイドロジェンシロキサン共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよいがランダム共重合体及びブロック共重合体が好ましい。又、共重合成分としてはメチルハイドロジェンシロキサン以外に、一成分でも二成分以上でもよい。
本発明に用いられる中間層を形成するために作製する中間層塗布液は前記表面処理酸化チタン等のN型半導性粒子の他にバインダー樹脂、分散溶媒等から構成される。
N型半導性粒子の中間層中での比率は、中間層のバインダー樹脂との体積比(バインダー樹脂の体積を1とすると)で1.0〜2.0倍が好ましい。中間層中でこのような高密度でN型半導性粒子を用いることにより、中間層の整流性が高まり、膜厚を厚くしても残留電位の上昇やドット画像の劣化を効果的に防止でき、良好な有機感光体を形成することができる。又、このような中間層はバインダー樹脂100体積部に対し、N型半導性粒子を100〜200体積部を用いることが好ましい。
一方、これらの粒子を分散し、中間層の層構造を形成するバインダー樹脂としては、粒子の良好な分散性を得る為にポリアミド樹脂が好ましいが、特に以下に示すポリアミド樹脂が好ましい。
即ち、中間層にはバインダー樹脂に融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下のポリアミド樹脂が好ましい。該融解熱は0〜30J/gがより好ましく、0〜20J/gが最も好ましい。一方、前記吸水率が5質量%を超えると、中間層中の含水率が上昇し、中間層の整流性が低下し、黒ポチが発生しやすく、ドット画像の再現性が劣化しやすい。該吸水率は4質量%以下がより好ましい。
上記樹脂の融解熱はDSC(示差走査熱量測定:Differential Scanning Calorimetory)にて測定する。但し、DSCの測定値と同じ測定値が得られれば、DSC測定法にこだわらない。該融解熱はDSC昇温時の吸熱ピーク面積から求める。
一方、樹脂の吸水率は水中浸漬法による質量変化又はカールフィッシャー法により求める。
中間層のバインダー樹脂としてはアルコール可溶性ポリアミド樹脂が好ましい。有機感光体の中間層のバインダー樹脂としては、中間層を均一な膜厚で形成するために、溶媒溶解性の優れた樹脂が必要とされている。このようなアルコール可溶性のポリアミド樹脂としては、前記した6−ナイロン等のアミド結合間の炭素鎖の少ない化学構造から構成される共重合ポリアミド樹脂やメトキシメチル化ポリアミド樹脂が知られているが、これらのポリアミド樹脂の他に、アルコール可溶性で、且つ吸水率が低い、下記に示す構造のポリアミド樹脂も好ましく用いることができる。
Figure 2006259301
Figure 2006259301
Figure 2006259301
又、上記ポリアミド樹脂の分子量は数平均分子量で5,000〜80,000が好ましく、10,000〜60,000がより好ましい。数平均分子量が5,000以下だと中間層の膜厚の均一性が劣化し、本発明の効果が十分に発揮されにくい。一方、80,000より大きいと、樹脂の溶媒溶解性が低下しやすく、中間層中に凝集樹脂が発生しやすく、カブリの発生を起こしやすい。
上記ポリアミド樹脂はその一部が既に市販されており、例えばダイセル・デグサ(株)社製のベスタメルトX1010、X4685等の商品名で販売されて、一般的なポリアミドの合成法で作製することができる。
上記ポリアミド樹脂を溶解し、塗布液を作製する溶媒としては、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が好ましく、ポリアミドの溶解性と作製された塗布液の塗布性の点で優れている。これらの溶媒は全溶媒中に30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、更には50〜100質量%が好ましい。前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
中間層の膜厚は0.3〜10μmが好ましい。中間層の膜厚が0.5μm未満では、黒ポチラが発生しやすく、ドット画像の劣化を起こしやすい。10μmを超えると、残留電位の上昇が発生しやすく、ドット画像の再現性が劣化しやすい。中間層の膜厚は0.5〜5μmがより好ましい。
又、上記中間層は実質的に絶縁層であることが好ましい。ここで絶縁層とは、体積抵抗が1×108以上である。中間層及び保護層の体積抵抗は1×108〜1015Ω・cmが好ましく、1×109〜1014Ω・cmがより好ましく、更に好ましくは、2×109〜1×1013Ω・cmである。体積抵抗は下記のようにして測定できる。
測定条件;JIS:C2318−1975に準ずる。
測定器:三菱油化社製Hiresta IP
測定条件:測定プローブ HRS
印加電圧:500V
測定環境:30±2℃、80±5RH%
体積抵抗が1×108未満では中間層の電荷ブロッキング性が低下し、黒ポチの発生が増大し、有機感光体の電位保持性も劣化し、良好な画質が得られない。一方1015Ω・cmより大きいと繰り返し画像形成で残留電位が増大しやすく、良好な画質が得られない。
感光層
本発明に係わる感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層
本発明に係わる有機感光体には、電荷発生物質として前述のチタニルフタロシアニン付加体顔料を使用するが、他のフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを併用して用いることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.3μm〜2μmが好ましい。
電荷輸送層
前記したように、本発明では電荷輸送層を複数の電荷輸送層から構成し、且つ最上層の電荷輸送層に潤滑性物質等を含有させ接触角を90°〜130°に構成する。
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。
電荷輸送物質(CTM)としては公知の正孔輸送性(P型)の電荷輸送物質(CTM)を用いることが好ましい。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し50〜200質量部が好ましい。
電荷輸送層の合計膜厚は、10〜40μmが好ましい。該合計膜厚が10μm未満では、先端部濃度低下が発生しやすく、40μmを超えると残電上昇が起こりやすく、鮮鋭性も劣化しやすい。また、表面層となる電荷輸送層の膜厚は0.5〜10μmが好ましい。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
又、これらの各層の塗布溶液は塗布工程に入る前に、塗布溶液中の異物や凝集物を除去するために、金属フィルター、メンブランフィルター等で濾過することが好ましい。例えば、日本ポール社製のプリーツタイプ(HDC)、デプスタイプ(プロファイル)、セミデプスタイプ(プロファイルスター)等を塗布液の特性に応じて選択し、濾過をすることが好ましい。
次に有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、ライドホッパー型塗布装置の他に、浸漬塗布、スプレー塗布等の塗布加工法が用いられる。本発明に係わる表面層の形成には円形スライドホッパー型塗布装置を用いるのが最も好ましい。
上記塗布液供給型の塗布装置の中でもスライドホッパー型塗布装置を用いた塗布加方法は、前記した低沸点溶媒を用いた分散液を塗布液として用いる場合に最も適しており、円筒状の感光体の場合は特開昭58−189061号公報等に詳細に記載されている円形スライドホッパー型塗布装置等を用いて塗布することが好ましい。
次に、本発明に係わる現像剤について記載する。
〈キャリア〉
本発明に係わるキャリアは、の体積平均粒径が10〜60μm、飽和磁化値が20〜80emu/gである。このようにキャリアの粒径が小さく、飽和磁化値も低いキャリアを用いることにより、現像スリーブ上の磁気ブラシが柔らかくなり、カウンター現像方式で、ソフトタッチの現像が可能となり、カブリや先端部濃度低下を防止できる。
本発明に用いられるキャリアの磁性体粒子としては、鉄粉、マグネタイト及び各種フェライト等が使用出来るが、好ましくはマグネタイトや各種フェライトである。
フェライトキャリアは、下記一般式(5)を有する。
(MnO)x(MgO)y(Fe23)z
上記一般式(5)においてx+y+z=100mol%であり、飽和磁化値が20〜80emu/gのフェライトキャリアを得るには、基本組成としてx、y及びzはそれぞれ5〜35mol%、10〜45mol%及び45〜55mol%の範囲が好ましく、特に好ましくは7.5〜12.5mol%、35〜45mol%及び45〜55mol%の範囲である。
また、MnO、MgO及びFe23の一部をSnO2で置換する。このSnO2の置換量は0.5〜5.0mol%が好ましく、特には0.5〜3.0mol%が好ましい。SnO2の置換量が0.5mol%未満では、充分なキャリア表面性の均一化が得られず、一方、SnO2の置換量が5.0mol%超では、飽和磁化が低下しやすい。このように、SnO2の置換量が0.5〜5.0mol%の範囲内にあれば、安定して低飽和磁化キャリアが得られることにより、磁気ブラシ上の穂が柔らかくなるためソフトな現像が可能となり、かつ表面性が均一であるキャリアが得られることにより、樹脂被覆後の特性の安定化が可能になり、さらには画質及び耐久性に優れ、環境に優しく、長寿命で、かつ環境安定性に優れたフェライトキャリアが得られる。
本発明に係わるキャリアの粒径は、好ましくは平均粒径10〜60μm程度のものであり、さらに好ましくは平均粒径15〜55μmである。
平均粒径が10未満では、キャリアが飛散しやすく、感光体へのキャリア付着が発生しやすい。60μm超では、磁気ブラシ上の穂が租になりやすく、ソフト現像方式への対応が難しくなる。
体積平均粒径は、湿式分散器を備えたレーザー回折式粒度分析装置「HELOS」(シンパテック株式会社製)により測定される体積基準の平均粒径である。
キャリアの磁性体粒子自体が有する磁化特性としては、飽和磁化で20〜80emu/gが好ましい。飽和磁化が20emu/g未満である場合は、現像スリーブへの磁気束縛力が小さいため像形成体へのキャリア付着が発生したり、磁気ブラシが小さくなるため高濃度の画像が得られない。又、80emu/gを越える場合は、磁気ブラシが堅くなり、カウンター現像方式では先端部濃度低下を発生させやすい。
飽和磁化は、「直流磁化特性自動記録装置3257−35」(横河電気株式会社製)により測定される。
〈キャリアの樹脂被覆〉
本発明に係わるキャリアは磁性体粒子を芯材(コア)とし、その表面を樹脂で被覆することが好ましい。上記キャリア芯材の被覆に用いられる樹脂としては、特に制限はなく、各種の樹脂を用いることが可能である。正帯電性トナーに対しては、例えばフッ素系樹脂、フッ素−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂等を用いることができ、好ましくは縮合型のシリコーン系樹脂が良い。また、逆に、負帯電性トナーに対しては、例えばアクリル−スチレン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂及びその硬化樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等が挙げられ、好ましくはアクリル−スチレン系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂及びその硬化樹脂、並びに縮合型のシリコーン系樹脂である。また必要に応じ、荷電制御剤、密着性向上剤、プライマー処理剤あるいは抵抗制御剤等を添加しても良い。
コーティング樹脂としては、シロキサン系樹脂を用いることが好ましく、樹脂中に架橋構造を有するものが好ましい。シロキサン系樹脂としては、シリコーン樹脂を挙げることが出来る。このシリコーン樹脂の構造としては、下記一般式(6)、(7)で示されるものが好ましい。
Figure 2006259301
一般式(6)、(7)中、R5〜R8は各々メチル基、エチル基、フェニル基、ビニル基、水酸基等より選択される置換基を示している。特にR5とR6の組み合わせでは、水酸基とメチル基の組み合わせとメチル基とメチル基の組み合わせの混合物が接着性の観点から好ましい。さらに、この構成の樹脂を使用することにより、以下に述べる硬化剤を使用することで架橋被膜を形成することができ好ましい。また、アルキル変性、フェノール変性、ウレタン変性などの変性タイプを使用してもよい。上記一般式(6)と(7)の比率に関しては、
(6):(7)=1:99〜70:30
が好ましい。より好ましくは、
(6):(7)=5:95〜50:50
である。
又、シリコーン樹脂に対してシランカップリング剤を添加することで、帯電量などを調整することが出来る。この帯電量を調整するためには、シリコーン樹脂100質量部に対してシランカップリング剤を5〜50質量部、好ましくは7〜45質量部添加することである。添加量が過多になると樹脂の硬度が低下する問題があり、添加量が過小であると、帯電性付与能力が低下し、目的を達成することができない。
シランカップリング剤としては、末端にアミノ基あるいはアミンを有するアルコキシシランであり、下記構造のものを挙げることが出来る。
Figure 2006259301
上記シランカップリング剤のなかで好適なものとしては、例示化合物(1)、(2)、(3)、(5)及び(6)の構造にあるような、末端にアミン基を持つものを挙げることが出来る。この理由として明確ではないが、末端に存在するアミンの活性水素の影響により、より容易に樹脂中に取り込むことができ、帯電性を安定化することができるためと推定される。さらに、この末端にアミン基を持つものを使用することで、架橋点を増大することができ、より緻密な架橋構造を持たせることが出来る。
又、樹脂を架橋構造化するために硬化剤を使用することが好ましい。硬化剤としては下記一般式(8)で示す構造のオキシムタイプの硬化剤を挙げることが出来る。
Figure 2006259301
一般式(8)中、R9はメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基及びそれらの誘導体よりなるグループから選択された置換基を示し、R10及びR11は各々メチル基、エチル基、プロピル基及びそれらの誘導体よりなるグループから選択された置換基を示す。
具体的には、下記構造のものを挙げることが出来る。
Figure 2006259301
本発明において、上記オキシムタイプの硬化剤の添加量は、樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜8質量部添加することがよい。この添加量の範囲であると緻密な架橋構造を形成することができ、従って、緻密な被膜を形成することが出来る。添加量が過多な場合には、かえって反応残さが残ったりするために架橋度が低下し、膜の緻密さが低減してしまうことで耐久性が低下する問題が発生しやすい。
〈キャリアの製造方法〉
キャリアは、シリコーン樹脂等を磁性体粒子に複数回のコーティングと加熱処理を行い製造することが出来る。
コーティング方法としては特に限定されず、浸漬法或いはスプレードライ法等の被覆方法が用いられる。又、加熱処理方法も特に限定されず、例えばバケット内にコーティングしたキャリアを入れ加熱して乾燥する乾燥機等を用いることが出来る。
複数回のコーティングと加熱処理とは、磁性体粒子にシリコーン樹脂をコーティングし、加熱処理を行った後、さらにシリコーン樹脂をコーティングし、加熱処理の工程を繰り返し行うことを云う。加熱処理は各回毎に十分に行い、架橋反応させることが好ましい。加熱温度としては180℃≦1回目加熱温度≦n回目加熱温度≦300℃であることが好ましい。180℃未満では十分な架橋反応が進まないため膜摩耗が発生し十分な耐久性が得られず、300℃を越えると膜が熱劣化し好ましくない。又、1回目加熱温度≦n回目加熱温度とすることで低架橋成分を無くすことが出来好ましい。
1回目のコーティングの樹脂被覆量は樹脂被覆量全体の40〜95質量%とすることが好ましい。さらに好ましくは45〜90質量%である。一方、2回目以降の最終被覆コーティングでの樹脂被覆量は、樹脂被覆量全体の5質量〜60質量%が好ましく、さらに好ましくは10〜55質量%である。すなわち、樹脂被覆量が5質量%未満となると、最終被覆が均一化できず、表面の樹脂層にムラが発生し好ましくない。
コーティングの回数は、多数回行っても特性上問題は無いが、2回行えば本特性を満足出来るので、生産性の観点からコーティング回数は2回が好ましい。
キャリアに機械的ストレスを加える装置としては特に限定されず、例えばナウターミキサー、ターブラーミキサー、V型混合機及びWコーン型混合機等の撹拌混合機等を用いることが出来る。ナウターミキサー等の単位時間当たりの衝撃エネルギーが小さい装置は、性能を満足するキャリアを得のに長時間を要するため、単位時間当たり衝撃力の高いターブラーミキサー、V型混合機及びWコーン型混合機等の撹拌混合機を用いるのが好ましい。
磁性体粒子へのシリコーン樹脂のコーティング樹脂膜厚は、0.2〜2.0μmが好ましく、より好ましくは0.3〜1.5μmである。
コーティング樹脂膜厚が、2.0μmより厚い場合は画像濃度が低く良好な画像が得られず好ましくなく、0.2μmより薄い場合は十分な耐久性が得られず、更に現像スリーブから電荷が注入され像形成体表面にキャリアが付着し易くなり好ましくない。
コーティング樹脂の膜厚は、キャリア粒子の中心を切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡で観察して測定し、無作為に数カ所抽出しその平均値をコーティング樹脂膜厚とした。
磁性体粒子へのシリコーン樹脂のコーティング樹脂量は、磁性体粒子に対して0.3〜15質量%が好ましく、0.4〜10質量%がより好ましい。コーティング樹脂量が0.3質量%未満であると磁性体粒子表面に均一な被覆層を形成することが出来ず、又、15質量%を越えると被覆層が厚くなりすぎ磁性体粒子同士の造粒が発生し、不均一で流動性が悪いキャリア粒子となり好ましくない。又、好ましい範囲外のコーティング樹脂量では十分な帯電性及び帯電立ち上がり特性が得られず好ましくない。
コーティング樹脂量は、量炭素分析装置「EMAIA−500」(堀場製作所製)で測定した。
〈トナー〉
トナーは結着樹脂、着色剤及びその他の添加剤を含有する着色粒子に無機微粒子を混合したものが好ましい。トナーの体積平均粒径は3〜20μmが好ましく、5〜12μmがより好ましい。着色粒子の製造法は特に限定されず、粉砕法或いは重合法で作製されたものを用いることが出来るが、本発明では粒度分布が均一な特性が得られる重合法で作製された重合トナーがより好ましい。ここで、重合トナーとは、トナー用バインダーの樹脂の生成とトナー形状がバインダー樹脂の原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理により形成されるトナーを意味する。より具体的には懸濁重合、乳化重合等の重合反応と、必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程を経て形成されるトナーを意味する。重合トナーは原料モノマーを水系で均一に分散した後に重合させトナーを製造することから、トナーの粒度分布、及び形状が均一なトナーが得られる。
トナーに用いられる結着樹脂としては、特に限定されず従来公知の種々の樹脂が用いられる。具体的にはスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂等が挙げられる。着色剤も特に限定されず従来公知の材料が用いられる。具体的にはカーボンブラック、ニグロシン染料、アニリンブルー、カルコインブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオクサレート及びローズベンガル等が挙げられる。その他の添加剤としては、サリチル酸誘導体及びアゾ系金属錯体等の荷電制御剤、低分子量ポリオレフィン及びカルナウバワックス等の定着性改良剤等が挙げられる。
又、磁性トナーは、着色剤として磁性体微粒子を用いることにより得ることが出来る。磁性体微粒子としては、平均一次粒子径が0.1〜2.0μmのフェライト、マグネタイト等の粒子が用いられる。磁性体微粒子の添加量はトナー中の20〜70質量%が好ましい。
又、流動性付与の観点から、無機微粒子を着色粒子に混合することが好ましい。無機微粒子としては、シリカ、チタニア及びアルミナ等の無機酸化物粒子が好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤、或いはチタンカップリング剤等によって疎水化処理されていることがより好ましい。
〈現像剤〉
現像剤は、トナー及びキャリアを混合して作製することが出来る。トナーのキャリアに対する混合量は、2〜10質量%が好ましい。
混合する装置としては特に限定されず、ナウターミキサー、Wコーン及びV型混合機等を用いることが出来る。
カウンター方向現像方式の現像装置を図1により説明する。現像装置102は、二成分現像剤を収容した現像容器110の開口部に、円筒状の磁石121を非回転に配置した現像スリーブ120が有機感光体101に対向して配設され、この現像スリーブ120は、矢印方向に回転する有機感光体101に対しカウンター方向に回転して、その表面上に吸着保持された現像剤を有機感光体101と対向した現像部に搬送する。磁石121は、有機感光体101側に現像磁極N1を有し、この現像磁極N1から現像スリーブ120の回転方向に、第1搬送磁極S3、第2搬送磁極N2、第3搬送磁極S2、及び第3搬送磁極と離間磁極を構成する汲み上げ磁極S1を有している。
現像容器110内の現像剤は、磁石121の汲み上げ磁極S1に対応する現像スリーブ120の表面上の位置(汲み上げ位置)Q1で、汲み上げ極S1の作用により現像スリーブ120上に吸着保持され、現像ブレード122によって層厚が規制されたのち現像部に至り、現像部で現像磁極N1の作用により磁気ブラシを形成して、有機感光体101上の潜像を現像する。
現像によってトナー濃度が低下した現像剤は、第1、第2搬送磁極S3、N2の作用によって、現像容器110内まで現像スリーブ120上に保持されて戻され、第3搬送磁極S2と汲み上げ磁極S1の中間の磁束密度が最も小さい現像スリーブ120表面上の位置(現像剤落下位置)P1で、現像スリーブ120上から剥離して落下する。現像剤が剥離された現像スリーブ120は、上記のように、汲み上げ位置Q1で新たな現像剤が吸着保持される。
現像容器110内の現像スリーブ120の下方には、第1の攪拌搬送部材123が設置され、隔壁140を介して更に第2の攪拌搬送部材124が設置されている。これら第1、第2の攪拌搬送部材123、124は、スクリュータイプとされ、らせん状のスクリュー羽根128及びその羽根の鍔間の板状突起130を有してなっている。
現像スリーブ120上から剥離したトナー濃度が低い現像剤は、第1攪拌搬送部材123上に落下して、第1攪拌搬送部材123により近傍の現像剤と軸方向に攪拌搬送され、隔壁140の一端部の図示しない開口を通って、第2攪拌搬送部材124に受け渡される。第2攪拌搬送部材124は、受け渡された現像剤、及び現像容器110の補給口118から補給されたトナーを攪拌しながら上記と逆回転に搬送し、隔壁140の他端部の図示しない開口を通って、第1攪拌搬送部材123側に戻す。
次に、本発明に係わるプロセスカートリッジならびに電子写真装置について説明する。
図2に有機感光体を含むプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
図2において、1はドラム状の有機感光体(感光体)であり、軸Cを中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。有機感光体1は、回転過程において、帯電手段2によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強調変調された露光光3(露光手段)を受ける。こうして有機感光体1の周面に対し、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
形成された静電潜像は、次いで現像手段4によりトナー現像され、不図示の給紙部から有機感光体1と転写手段5との間に有機感光体1の回転と同期して取り出されて給紙された転写材Pに、有機感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が転写手段5により順次転写されていく。
トナー画像の転写を受けた転写材Pは、有機感光体面から分離されて像定着手段24へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
像転写後の有機感光体1の表面は、クリーニング手段6によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光Pexにより除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段2が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の有機感光体1、帯電手段2、現像手段4及びクリーニング手段6等の構成要素のうち、複数のものを容器PCに納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、帯電手段2、現像手段4及びクリーニング手段6の少なくとも一つを有機感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール等の案内手段ANを用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジとすることができる。
さらに、本発明を適用したフルカラー画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
図3は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Kと、像露光手段3Y、3M、3C、3Kと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4K、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Kより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系などが用いられる。
本発明の画像形成方法においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、像露光をスポット面積が2000μm2以下の露光ビームを用いて行うことが好ましい。このような小径のビーム露光を行っても、本発明の有機感光体は、該スポット面積に対応した画像を忠実に形成することができる。より好ましいスポット面積は、100〜1000μm2である。その結果800dpi(dpiとは2.54cm当たりのドット数)以上で、階調性が豊かな電子写真画像を達成することができる。
前記露光ビームのスポット面積とは、該露光ビームを該ビームと垂直な面で切断したとき、該切断面に現れる光強度分布面で、光強度が最大ピーク強度の1/e2以上の領域に相当する面積を意味する。
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系、及びLEDや液晶シャッター等の固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2までの部分をスポット面積とする。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70(転写媒体)を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、転写媒体とは中間転写体や転写材等の感光体上のトナー画像の転写支持体を云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに圧接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に圧接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
次に図4は本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置(少なくとも有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段及び中間転写体を有する複写機あるいはレーザービームプリンタ)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
感光体1は回転過程で、帯電手段2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段3により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段(イエロー色現像器)4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)4M、4C、4Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体1には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、1次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される1次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6aにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
2次転写ローラ5bで、2次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2次転写ローラ5b及び中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、2次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに2次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送される。2次転写バイアスがバイアス電源から2次転写ローラ5bに印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写材Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着手段24へ導入され加熱定着される。
本発明の有機感光体は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
感光体1の作製
下記の様に感光体1を作製した。
中間層1
洗浄済み円筒状アルミニウム基体(切削加工により十点表面粗さRz:0.45μmに加工した)上に、下記中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、120℃30分で乾燥し、乾燥膜厚5μmの中間層1を形成した。
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;50kPa)し、中間層塗布液を作製した。
(中間層分散液の作製)
バインダー樹脂:(例示ポリアミドN−1) 1部
ルチル形酸化チタン(一次粒径35nm;末端に水酸基を有するジメチルポリシロキサンで表面処理を行ない、疎水化度を33に調製した酸化チタン顔料) 5.6部
エタノール/n−プロピルアルコール/THF(=45/20/30質量比)10部
上記成分を混合し、サンドミル分散機を用い、10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液を作製した。
〈電荷発生層:CGL〉
電荷発生物質(CGM):オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折のスペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシン顔料) 24部
ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−1」(積水化学社製) 12部
2−ブタノン/シクロヘキサノン=4/1(v/v) 300部
上記組成物を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷輸送層1(CTL1)〉
電荷輸送物質(4,4′−ジメチル−4″−(α−フェニルスチリル)
トリフェニルアミン) 225部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 6部
ジクロロメタン 2000部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液1を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚18.0μmの電荷輸送層1を形成した。
〈電荷輸送層2(CTL2)〉
金属酸化物粒子:シリカ粒子(ヘキサメチルジシラザンで表面処理された平均一次粒径35nmのシリカ:疎水化度72、疎水化度分布値20) 60部
電荷輸送物質(4,4′−ジメチル−4″−(α−フェニルスチリル)
トリフェニルアミン) 150部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 12部
THF:テトラヒドロフラン 2800部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 4部
を混合し、分散・溶解して電荷輸送層塗布液2を調製した。この塗布液を前記電荷輸送層1の上に円形スライドホッパ型塗布機で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚2.0μmの電荷輸送層2を形成し、感光体1を作製した。
感光体2〜7の作製
感光体1の作製において、導電性支持体のRz、電荷輸送層2(CTL2)の金属酸化物粒子の種類及び量を表1のように変化させた以外は感光体1と同様にして感光体2〜7を作製した。
感光体8の作製
感光体1の作製において、導電性支持体のRzを0.11μmにし、電荷輸送層2(CTL2)の金属酸化物粒子を除いた他は感光体1と同様にして感光体8を作製した。
Figure 2006259301
表1中、金属酸化物粒子1はシリカ、金属酸化物粒子2はアルミナ、金属酸化物粒子3は酸化チタンを表す。又、金属酸化物粒子の表面処理1、2については下記の表面処理剤を用いた表面処理を示す。
表面処理1;ヘキサメチルジシラザン
表面処理2;メチルハイドロジェンシロキサン(分子量:1万)
尚、感光体1〜13に用いた金属酸化物粒子の疎水化度及び疎水化度分布値は、金属酸化物粒子の表面処理剤と共に、表面処理の条件(水蒸気の分圧や表面処理剤の分圧、全圧、反応温度等の条件を変更して調整した)
又、表1には電荷輸送層2を形成した後、各感光体のRa及びRzを測定し、その測定結果を記載した。
キャリアの作製
キャリア1〜5の作製
MnO:10mol%、MgO:39mol%、Fe23:50mol%及びSnO2:1mol%を用い、これを湿式ボールミルで5時間粉砕、混合し、乾燥させた後、850℃で1時間保持し、仮焼成を行った。これを湿式ボールミルで7時間粉砕し、3μm以下とした。このスラリーに分散剤及びバインダーを適量添加し、スプレードライヤーにより造粒、乾燥し、造粒物を得た。
この造粒物を大気雰囲気の電気炉にて、1200℃で4時間保持し、本焼成を行った。その後、解砕し、さらに分級条件を変更して分級し、平均粒径8μm、12μm、35μm、58μm、65μmのフェライトキャリアを得た。これらを芯材とし、一般式(6)でR5とR6の組み合わせがメチル基と水酸基であるシリコーン樹脂と一般式(7)で置換基がいずれもメチル基のものの混合物(質量比=(6):(7)=40:60)100部とシランカップリング剤(例示化合物(1))10部、オキシムタイプ硬化剤(例示化合物(15))5部とを混合し、固形分濃度が15質量%のトルエン溶液を調製した。ついで、1磁性体粒子に対して1回目のコーティングを被覆量が1.5質量%となるように、噴霧乾燥法で行い、加熱温度200℃にて3時間硬化処理を行った。2回目のコーティングは被覆量が0.8質量%となるように、噴霧乾燥法で行い、加熱温度250℃にて3時間硬化処理を行いシリコーン樹脂で被覆し、平均粒径8μm、12μm、35μm、58μm及び65μmに対応した樹脂被覆されたフェライトキャリアを得た1〜5を得た。
キャリア6〜9の作製
表2に示すように、MnO、MgO、Fe23及びSnO2の組成を変えた以外は、実施例1と同様にして平均粒径35μmのMn−Mg−Sn系フェライトキャリア6〜9を得た。
フェライトキャリア1〜9について、飽和磁化の測定を行った。
Figure 2006259301
トナーの作製
*トナーBk、トナーY、トナーM、トナーCの作製
n−ドデシル硫酸ナトリウム=0.90kgと純水10.0Lを入れ撹拌溶解する。この液に、撹拌下、リーガル330R(キャボット社製カーボンブラック)1.20kgを徐々に加え、ついで、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散した。分散後、大塚電子社製・電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて、上記分散液の粒径を測定した結果、重量平均粒径で122nmであった。また、静置乾燥による質量法で測定した上記分散液の固形分濃度は16.6質量%であった。この分散液を「着色剤分散液1」とする。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgをイオン交換水4.0Lに混合し、室温下撹拌溶解する。これを、アニオン界面活性剤溶液Aとする。
ノニルフェニルアルキルエーテル0.014kgをイオン交換水4.0Lに混合し、室温下撹拌溶解する。これを、ノニオン界面活性剤溶液Aとする。
過硫酸カリウム=223.8gをイオン交換水12.0Lに混合し、室温下撹拌溶解する。これを、開始剤溶液Aと呼ぶ。
温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた100Lの反応釜に、数平均分子量(Mn)が3500のポリプロピレンエマルジョン3.41kgとアニオン界面活性剤溶液Aとノニオン界面活性剤溶液Aとを入れ、撹拌を開始する。次いで、イオン交換水44.0Lを加える。
加熱を開始し、液温度が75℃になったところで、開始剤溶液Aを全量添加する。その後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン14.3kgとアクリル酸n−ブチル2.88kgとメタクリル酸0.8kgとt−ドデシルメルカプタン548gとを投入する。
さらに、液温度を80℃±1℃に上げて、6時間加熱撹拌を行った。液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止する。ポールフィルターで濾過し、これをラテックスA1とした。
なお、ラテックスA1中の樹脂粒子のガラス転移温度は59℃、軟化点は116℃、分子量分布は、重量平均分子量=1.34万、重量平均粒径は125nmであった。
過硫酸カリウム=200.7gをイオン交換水12.0Lに混合し、室温下撹拌溶解する。これを、開始剤溶液Bとする。
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100Lの反応釜に、ノニオン界面活性剤溶液Aを入れ、撹拌を開始する。次いで、イオン交換水44.0Lを投入する。
加熱を開始し、液温度が70℃になったところで、開始剤溶液Bを添加する。この時、スチレン11.0kgとアクリル酸n−ブチル4.00kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン9.02gとをあらかじめ混合した溶液を投入する。
その後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加熱撹拌を行った。さらに、液温度を80℃±2℃に上げて、12時間加熱撹拌を行った。
液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止する。ポールフィルターで濾過し、この濾液をラテックスB1とした。
なお、ラテックスB1中の樹脂粒子のガラス転移温度は58℃、軟化点は132℃、分子量分布は、重量平均分子量=24.5万、重量平均粒径は110nmであった。
塩析剤としての塩化ナトリウム=5.36kgとイオン交換水20.0Lを入れ、撹拌溶解する。これを、塩化ナトリウム溶液Aとする。
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100LのSUS反応釜(撹拌翼はアンカー翼)に、上記で作製したラテックスA1=20.0kgとラテックスB1=5.2kgと着色剤分散液1=0.4kgとイオン交換水20.0kgとを入れ撹拌する。ついで、35℃に加温し、塩化ナトリウム溶液Aを添加する。その後、5分間放置した後に、昇温を開始し、液温度85℃まで5分で昇温する(昇温速度=10℃/分)。液温度85℃±2℃にて、6時間加熱撹拌し、塩析/融着させる。その後、30℃以下に冷却し撹拌を停止する。目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を会合液とする。ついで、遠心分離機を使用し、会合液よりウェットケーキ状の非球形状粒子を濾取した。その後、イオン交換水により洗浄した。
上記で洗浄を完了したウェットケーキ状の着色粒子を、40℃の温風で乾燥し、着色粒子を得た。更に風力分級機により念入りな分級をして50%体積粒径(Dv50)が4.2μmの着色粒子を得た。さらに、この着色粒子に疎水性シリカ(疎水化度=70、数平均一次粒子径=12nm)を1.0質量%添加し、「トナーBk」を得た。
トナーBkの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントイエロー185を8部使用した以外同様にして「トナーY」を得た。
トナーBkの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントレッド122を10部使用した以外同様にして「トナーM」を得た。
トナーBkの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を5部使用した以外同様にして「トナーC」を得た。
トナーBk、トナーY、トナーM、トナーCの体積平均粒径は各々4.5μm、4.3μm、4.6μm、4.7μmであった。作製
現像剤群1〜9の作製
前記「キャリア1〜9」100質量部と前記「トナーBk、トナーY、トナーM、トナーC」4質量部(キャリアとトナーを各一種類毎に)をV型攪拌機で混合し「現像剤群1(1Bk、1Y、1M、1C)〜現像剤群9(9Bk、9Y、9M、9C)」を製造した。
評価1(カウンター現像方式での評価)
得られた感光体を市販のフルカラー複合機8050(中間転写体を用いたタンデム方式のフルカラー複合機8050(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)社製)をカウンター現像方式に改造)に搭載し、Y、M、C、Brの各色トナーを用いたカラーの画像評価を行った。白地部、べた部のソリット画像部、ハーフトーン画像部、文字画像部を有するオリジナル画像を用いて、A4紙に連続複写し評価した。詳しくは、スタート時及び5000枚毎に、評価画像を取り出し、計10万枚印刷して評価した。評価項目と評価基準を以下に示す。
評価条件
感光体の線速:220mm/sec
現像スリーブの線速:400mm/sec
現像:カウンター現像方式、反転現像法
(1)画像評価
画像濃度
スタート時、及び5000毎毎に計10万枚目迄測定した。測定は濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用し、プリンター用紙の濃度を0.0とした相対濃度で測定した。
◎:1.3以上/良好
○:1.0以上〜1.3未満/実用上問題ないレベル
×:1.0未満/実用上問題あり
カブリ
スタート時、及び5000毎毎に計10万枚目迄測定した。測定は濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用し、カブリ濃度についてはA4紙の反射濃度を0.000とした相対濃度で測定した。
◎:0.010未満(非常に良好)
○:0.010以上0.020未満(実用上問題ないレベル)
×:0.020以上(実用上問題あり)
先端部濃度低下
スタート時、及び5000毎毎に計10万枚目迄測定した。ハーフトーン画像を作製して評価した。
◎:先端部濃度低下の発生が見られず、ハーフトーン画像が明瞭に再現されている(非常に良好)。
○:ハーフトーン画像が明瞭に再現されているが、反射濃度で0.04未満の先端部濃度低下有り(実用的に問題なし)。
×:ハーフトーン画像に反射濃度で0.04以上の先端部濃度低下有り(実用的に問題あり)。
トナー飛散
スタート時、及び5000毎毎に計10万枚目迄、目視観察で判定した。
◎:トナー飛散が非常に少なく、文字画像の鮮鋭性が良好である(良好)
○:微かにトナー飛散があるが、3ポイントの文字画像まで判定できる(実用可)
×:トナー飛散が多く、3ポイントの文字画像の一部が判定できない。(実用不可)
キャリア付着
10万枚目の印刷終了後、目視観察で判定した。
◎:有機感光体へのキャリア付着がほとんどなく、キャリア付着による感光体の傷の発生や画像欠陥の発生も見られない。(良好)
○:微かにキャリア付着が見られるが、キャリア付着による感光体の傷の発生や画像欠陥の発生は見られない。(実用可)
×:キャリア付着が多く、キャリア付着による感光体の傷の発生や画像欠陥の発生が見られる。(実用不可)
色再現性
1枚目の画像および100枚目の画像のY、M、C各トナーにおける二次色(レッド、ブルー、グリーン)のソリッド画像部の色を「MacbethColor−Eye7000」により測定し、CMC(2:1)色差式を用いて各ソリッド画像の1枚目と100枚目の色差を算出した。
◎:色差が3以下(良好)
×:色差が3より大の(実用上問題あり実用不可)
結果を表3に示す。
Figure 2006259301
表3から明らかなように、カウンター現像方式で作製した画像評価では、表面層に無機粒子を含有した有機感光体を用い、現像剤のキャリアに体積平均粒径が10〜60μm、飽和磁化値が20〜80emu/gの範囲のキャリアを用いた組み合わせNo.2〜4、7、8、10〜15は、画像濃度、カブリ、先端部濃度低下、トナー飛散、キャリア付着、色再現性等の全ての評価項目で良好な特性を示しているのに対し、キャリアの体積平均粒径が8μmの組み合わせNo.1では、カブリ、トナー飛散、キャリア付着が発生し、色再現性が劣化している。又、キャリアの体積平均粒径が65μmの組み合わせNo.5では、先端部濃度低下ガ発生し、色再現性が劣化している。又、キャリアの飽和磁化値が15emu/gのキャリアを用いた組み合わせNo.6は、カブリ、トナー飛散、キャリア付着が発生し、色再現性が劣化している。又、キャリアの飽和磁化値が85emu/gのキャリアを用いた組み合わせNo.9では、先端部濃度低下が発生し、色再現性が劣化している。又、表面層に無機粒子が含まれない有機感光体を用いた組み合わせNo.16もカブリ、先端部濃度低下ガ発生し、トナー飛散も発生し、色再現性を劣化させている。
評価2(パラレル現像方式での評価)
評価1で行なった評価を感光体と現像スリーブの進行方向を平行に進行させるパラレル現像方式で評価した。
評価条件
感光体の線速:220mm/sec
現像スリーブの線速:400mm/sec
現像:パラレル現像方式、反転現像法
その結果、評価1の本発明と比較例の差が明瞭に現れず、且つ本発明及び比較例の全組み合わせで、先端部濃度低下やカブリの発生は見られなかったが、カウンター現像方式に比し、画像濃度が低下し、濃度不足の電子写真画像が得られた。
カウンター方向現像方法の現像装置の断面を示す図である。 有機感光体を含むプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。 本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。 本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置の構成断面図である。 疎水化度分布曲線の図である。
符号の説明
1 有機感光体
C 軸
2 帯電手段
3 露光光
4 現像手段
5 転写手段
P 転写材
24 定着手段
6 クリーニング手段
Pex 前露光手段
PC プロセスカートリッジ容器
AN 案内手段
101 有機感光体
102 現像装置
110 現像容器
118 補給口
120 現像スリーブ
121 磁石
122 現像ブレード
123 第一搬送部材
124 第二搬送部材
128 スクリュー羽根
130 板状突起
140 隔壁
N1 現像磁極
N2 第二現像磁極
S1 汲み上げ磁極
S2 第三搬送磁極
S3 第一搬送磁極
P1 現像剤落下位置
Q1 汲み上げ位置

Claims (13)

  1. 円筒状の有機感光体上の静電潜像をトナー及びキャリアを含有する現像剤を担持した円筒状の現像スリーブに接触させて、トナー画像に顕像化させる画像形成方法において、前記有機感光体の表面層が無機粒子を含有し、前記キャリアの体積平均粒径が10〜60μm、飽和磁化値が20〜80emu/gであり、現像スリーブを有機感光体の回転方向に対し、カウンター方向に回転させながら静電潜像をトナー画像に顕像化させることを特徴とする画像形成方法。
  2. 円筒状の有機感光体上の静電潜像をトナー及びキャリアを含有する現像剤を担持した円筒状の現像スリーブに接触させて、トナー画像に顕像化させる現像手段及び有機感光体に形成されたトナー画像を転写媒体に転写する転写手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて有機感光体上に各色トナー画像を形成し、該各色トナー画像を有機感光体から転写媒体に転写してカラー画像を形成する画像形成方法において、前記有機感光体の表面層が無機粒子を含有し、前記キャリアの体積平均粒径が10〜60μm、飽和磁化値が20〜80emu/gであり、現像スリーブを有機感光体の回転方向に対し、カウンター方向に回転させながら静電潜像をトナー画像に顕像化させることを特徴とする画像形成方法。
  3. 前記キャリアがフェライトキャリアであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 前記キャリアが樹脂被覆キャリアであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 前記表面層の無機粒子が数平均一次粒径が3〜150nmの周期律表第3又は第4周期の金属から選ばれる金属酸化物粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6. 前記金属酸化物粒子がシリカ、アルミナ又はチタニアのいずれか一種であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
  7. 前記金属酸化物粒子が表面処理を施されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成方法。
  8. 前記有機感光体の表面粗さRaが0.001〜0.050であり、十点表面粗さRzが0.02〜0.08μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  9. 前記有機感光体の表面層が酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  10. 前記有機感光体は導電性基体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を設けた積層型有機感光体であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  11. 前記トナーは重合トナーであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  12. 円筒状の有機感光体上の静電潜像をトナー及びキャリアを含有する現像剤を担持した円筒状の現像スリーブに接触させて、トナー画像に顕像化させる現像手段を有する画像形成装置において、前記有機感光体の表面層が無機粒子を含有し、前記キャリアの体積平均粒径が10〜60μm、飽和磁化値が20〜80emu/gであり、現像スリーブを有機感光体の回転方向に対し、カウンター方向に回転させながら静電潜像をトナー画像に顕像化させることを特徴とする画像形成装置。
  13. 円筒状の有機感光体上の静電潜像をトナー及びキャリアを含有する現像剤を担持した円筒状の現像スリーブに接触させて、トナー画像に顕像化させる現像手段及び有機感光体に形成されたトナー画像を転写媒体に転写する転写手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて有機感光体上に各色トナー画像を形成し、該各色トナー画像を有機感光体から転写媒体に転写してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記有機感光体の表面層が無機粒子を含有し、前記キャリアの体積平均粒径が10〜60μm、飽和磁化値が20〜80emu/gであり、現像スリーブを有機感光体の回転方向に対し、カウンター方向に回転させながら静電潜像をトナー画像に顕像化させることを特徴とする画像形成装置。
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