JP2010210863A - 電子写真感光体 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成装置に装着し画像形成初期から、ブレード両端部の捲れ発生がなく、画像品質が安定した画像が得られ、長期使用でもブレード鳴き、捲れ等を生じることを防止した感光体の提供。
【解決手段】円筒状の導電性基体の周面上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、前記感光層の平均表面粗さRzが軸方向で、両端部の平均表面粗さR1より中央部の平均表面粗さR2で大きくなっていること特徴とする電子写真感光体。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真感光体に関し、更に詳しくは複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリなどにおける電子写真画像形成装置に用いる電子写真感光体に関する。
近年、電子写真画像形成プロセスを用いた電子写真画像形成装置を使用した情報処理システム機の発展には目覚ましいものがある。電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成プロセスを用いて記録媒体(例えば、記録紙、OHPシート等)に画像を形成するものである。電子写真画像形成装置の例としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザープリンタ、LEDプリンタ等)、ファクミリ装置、ワードプロセッサ及びこれらの複合機(マルチファンクションプリンタ等)が含まれる。
これらの電子写真画像形成装置のレーザープリンタやデジタル複写機等に使用される感光体としては、かつてはセレン化合物等の無機化合物を用いた無機感光体が用いられていたが、近年では、各種波長光に対応可能な材料が開発し易く、環境への影響が少ない有機化合物を用いる有機感光体が広く使用される様になっている。
電子写真画像形成プロセスを用いた電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置とも言う)においては、帯電手段によって一様に帯電されたドラム形状の電子写真感光体(以下、感光体とも言う)の感光層の外周面に画像情報に応じた選択的な露光を行って静電潜像を形成する。そしてこの静電潜像を現像手段によってトナー(現像剤)により現像してトナー像を形成する。次いでそのトナー像を記録媒体に転写して画像を形成する。そしてトナー像転写後に感光体の感光層の外周面に残留した現像剤等がクリーニング手段によって除去される。クリーニング手段によって感光層の外周面がクリーニングされた感光体は次の画像形成に供される。即ち、画像形成装置で画像を形成する迄に使用される感光体の感光層の外周面では、帯電、露光、現像、転写、クリーニングといった一連の繰り返しの工程により画像形成が行われている。
電子写真画像形成プロセスを利用した画像形成装置においては、不要なトナーの付着を防止するとともに、転写後の残トナーの量を低減することを目的に、感光体の感光層の表面の摩擦係数を低下させる検討が行われている。これにより、転写されずに感光層の上に残留したトナーをブレードやブラシでクリーニングする際にクリーニング不良が発生し難いことなどが知られている。更に、転写後の残トナーの量を低減することが出来るので廃トナー量を低減出来たり、感光体を駆動するトルクを低減出来、画像形成装置の消費電力を低減出来たりするという環境面から見た効果も得られることが知られている。
一般的に感光層の上の転写残トナーのクリーニングには、ウレタンゴムなどによって形成されたブレードをカウンター方向に圧接させ、ブレードによってトナーを除去する方法が用いられている。
一方、近年、市場の高画質化要求に伴い、乳化重合法や、懸濁重合法等を用いて製造される重合トナーの開発が進められている。しかしながら、この様な重合トナーは、不定形トナーに比べてクリーニング不良などを引き起こし易く、トナーフィルミングや融着などに起因した画像劣化の要因となっており、クリーニングはますます高精度を要求されている。感光層の上及びブレードは何れも樹脂からなるため潤滑性に乏しく、感光層の上が平滑であるためブレードが反転し、クリーニング不良が発生し易い。
ブレードと感光層の表面との摩擦係数を低下させる方法として、感光層の表面に潤滑剤を添加する方法、ブレードに潤滑剤を添加する方法が知られている。潤滑剤としてはポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素原子含有樹脂(以下フッ素樹脂)、球状のアクリル樹脂、ポリエチレン樹脂などの粉末や、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの金属酸化物粉末、シリコーンオイルなどの潤滑性液体などが知られている。特にフッ素原子を多量に含むフッ素樹脂は、表面エネルギーが著しく小さいので潤滑剤としての効果が大きい。しかしながら、これらの方法で摩擦係数を低下させた場合、長時間ブレードが圧接触していることで徐々に摩擦係数が上昇し、ブレードとの摩擦が高くなり、ブレード鳴き、捲れ等を生じる、等の不具合が発生する場合がある。
別の方法として感光体の感光層の表面を研磨部材で研磨し、粗面化することでブレードとの接触面積を低減させる方法が知られている。例えば、未粗面化処理感光体の表面を、平均円形度が0.900以上の粒子を含む研磨粒子を衝突させることによって粗面化する方法が知られている(特許文献1参照。)。
電子写真感光体を保持し回転させ、研磨部材として研磨テープを使用し、加圧弾性ローラー(本発明に係わるバックアップロールに該当)に巻回させた研磨テープを感光体の感光層の表面を加圧当接させながら研磨テープを送ることによって、感光体の研磨を行う研磨方法が知られている(特許文献2参照。)。
特許文献1、特許文献2に記載の方法で、感光体の感光層の表面を粗面化することでブレードとの接触面積を低減させる方法は有効な方法であるが次の欠点を有していることが判った。
1.通常、感光体の最上層にはブレードとの接触摩擦を低減させ、ブレード鳴き、捲れ等を生じることを防止するために滑剤を含くんでいるが、粗面化することにより滑剤が減少し、ブレードとの接触摩擦抵抗が上がり、画像形成初期にブレードの両端部の捲れが発生することが判った。
2.画像形成初期のブレードの捲れに伴い画像欠陥となり画像品質が安定しないし、信頼性も低下することが判った。
この様な状況から、画像形成装置に装着し画像形成初期から、ブレード両端部の捲れ発生がなく、画像品質が安定した画像が得られ、長期使用でもブレード両端部の捲れ発生がなく、画像品質が安定した画像が得られる感光体の開発が望まれている。
特開2006−267858号公報 特開2008−216307号公報
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、その目的は、画像形成装置に装着し画像形成初期から、ブレード両端部の捲れ発生がなく、画像品質が安定した画像が得られ、長期使用でもブレード両端部の捲れ発生がなく、画像品質が安定した画像が得られる感光体を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
1.円筒状の導電性基体の周面上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、
前記感光層の平均表面粗さRzが軸方向で、両端部の平均表面粗さR1より中央部の平均表面粗さR2で大きくなっていることを特徴とする電子写真感光体。
2.前記1に記載の電子写真感光体において、
前記感光層の両端部から軸方向に、前記感光層の全幅に対して10%までの平均表面粗さRzをR1とした時、R1が0.05μmから0.9μmであり、
前記感光層の軸方向の中央から、両端方向に、前記感光層の全幅に対して30%までの平均表面粗さRzをR2とした時、R2が0.055μmから3.0μmで、且つ、R2>R1で
1.1≦R2/R1≦60.0
であることを特徴とする電子写真感光体。
3.前記感光層は導電性基体の両端0.5mmから20mmの位置から軸方向に形成されていることを特徴とする前記2に記載の電子写真感光体。
4.前記感光層の表面が、電荷輸送層であることを特徴とする前記2又は3に記載の電子写真感光体。
5.前記感光層の表面が、保護層であることを特徴とする前記2から4の何れか1項に記載の電子写真感光体。
6.前記保護層は微粒子を含むことを特徴とする前記5に記載の電子写真感光体。
7.前記微粒子が、シリカ、アルミナ、酸化チタン及びチタン酸ストロンチウムから選択されてなる少なくとも1種の無機微粒子であることを特徴とする前記6に記載の電子写真感光体。
8.前記感光層の表面はシリコーンオイルを含むことを特徴とする前記1から7の何れか1項に記載の電子写真感光体。
画像形成装置に装着し画像形成初期から、ブレード両端部の捲れ発生がなく、画像品質が安定した画像が得られ、長期使用でもブレード両端部の捲れ発生がなく、画像品質が安定した画像が得られる感光体を提供することが出来た。
本発明の感光体を使用した電子写真画像形成装置の画像形成部の構成を示す概略図である。 図1(b)に示す感光体の感光層の軸方向の表面粗さの状態を示すグラフである。 感光体の感光層の表面を研磨テープを使用し粗面化する粗面化装置の一例を示す概略図である。 図3に示す粗面化装置を使用し、図1(b)に示す様に粗面化する方法を示すフロー図である。
本発明は、画像形成の初期段階からブレードと感光体の感光層の表面との摩擦係数の上昇を抑え、感光層の表面に残存するトナー及び付着した異物を長時間に渡り安定にブレードで除去出来る様にするため、感光体の感光層の表面を研磨部材により研磨した感光体に関するものである。尚、本発明で感光体の感光層の表面とは感光層の上に形成された保護層を含めて言う。
研磨部材として研磨テープ、微粒子を使用し、感光体の感光層の表面を研磨し粗面化する方法は特許文献1、特許文献2にも開示されているが、画像形成の初期において、粗面化した感光体表面の端部と中央部とでブレードと感光層の表面との接触摩擦係数が異なる様にした感光体は開示されていなかった。
本発明者は、画像形成の初期において、何故、感光層の表面を粗面した感光体を使用した時、画像形成の初期において、ブレードの端部が捲れが発生する原因を検討し以下のことが判明した。
1.感光層の表面には滑剤が含まれているが、感光層の表面を粗面化することで、画像形成前の段階では感光層の表面の滑剤の量が減少している状態となっている。
2.ブレードは感光層の表面に付着しているトナーを除去するために感光層の表面に押し付けられており、感光層の表面に押し付けられたブレードの押圧力はブレードの端部に行くに従って弱くなっている。
3.画像形成時、感光体の感光層の全幅にブレードが押圧状態で接触し回転しているため、表面に接しているブレードの接触面では粗面化に伴い滑剤の量が減少に伴い感光層の表面は滑り難くなって摩擦力が発生する。この時、中央部は摩擦力に耐える押圧力で感光層に押し付けられているため捲れは発生しないが、端部は押圧力が摩擦力に対して不足することで捲れが発生する。
本発明者は、感光体の感光層の幅の変化に影響されることなく、粗面化した感光体の感光層の軸方向の両端部と感光層の軸方向の中央部とで、画像形成初期のブレードと感光層の表面とで発生する接触摩擦に耐えられる感光体の開発を考えた。
本発明では、導電性基体の上に少なくとも感光層を有する感光体の感光層の表面を、研磨部材を使用して粗面化する時、次に示す構成で研磨を行った。
1.感光層の軸方向の端部と、感光層の中央部とで表面粗さを変える様に粗面化する。
2.感光層の軸方向の端部の表面粗さを、感光層の中央部の表面粗さよりも小さくする。
そして、この様な構成にすることで、従来の感光層の表面を粗面化した感光体の問題点を解決し、感光層の幅の変化に影響されず、画像形成時の初期に発生するブレードの両端部の捲れが発生することなく、長期的に安定した画像形成が可能な感光体を提供することを可能にしたのである。
以下、本発明について図1〜図4に従って詳細に説明する。
図1は本発明の感光体を使用した電子写真画像形成装置の画像形成部の構成を示す概略図である。図1(a)は本発明の感光体を使用した電子写真画像形成装置の画像形成部の構成を示す概略断面図である。図1(b)は図1(a)に示す本発明の感光体の概略平面図である。図1(c)は図1(a)に示すクリーニング装置の枠体に取り付けられたクリーニングブレードとシール部材との概略部分平面図である。
図1(a)に付き説明する。図中、1は画像形成部を示す。画像形成部1は、感光体2と、感光体2の周面に感光体2に電荷を付与する帯電器3と、像光を発生する露光装置4と、現像装置5と、感光体2の周面に形成されたトナー像を感光体2から記録紙に転写する転写手段としての帯電器6と、記録紙の電荷を除去して記録紙を感光体2から分離する除電器7と、クリーニング手段としてのクリーニング装置8が配置されている。
感光体2はアルミニウム等の導電性支持体で形成された円筒基体上に感光層を有し、画像形成装置に回動自在に設けられており、駆動源(不図示)により、矢印の時計方向に回転する様になっている。感光体2に関しては図1(b)で詳細に説明する。
現像装置5はトナーとキャリアからなる現像剤Dを収容し、矢印で示す方向の回転により現像剤を搬送する現像スリーブ501と、現像用の現像剤の穂を形成する固定磁石502と、搬送される現像剤の量を規制する規制部材503と、トナーとキャリアを混合しトナーを帯電する現像剤撹拌部材504とを有する。
感光体2の矢印の方向への回転に従って、帯電器3により感光体2に一様な電荷が付与され、露光装置4により像光が露光されて感光体2上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像装置5により現像されて感光体2上にトナー像T1が形成される。トナー像T1は帯電器6の帯電による静電気力で記録紙Pに転写される。除電器7により除電された記録紙Pは感光体2から分離して、定着器(不図示)に搬送されて定着処理される。
転写後の感光体2の上にはトナーT2が残留するが、残留トナーT2はクリーニング装置8により感光体2から除去される。
クリーニング装置8内には、感光体2の回転軸方向に長い支持部材としての支持枠体801が感光体2の回転軸に平行に配置され、支持枠体801の一端は、感光体2をクリーニングするウレタンゴムからなる弾性体の板で構成されたブレード803をその基部で接着して固定する。又、ブレード803の両端にはブレード803の両端からトナーの漏れを防止するシール部材804が支持枠体801に取り付けられている。更に、支持枠体801の他端には圧接手段としての錘805を設け、ブレード803の先端のエッジ803bを感光体2に対して一定の接触圧で常時圧接させている。
ブレード803の上流側(感光体2の回転方向に対して)には感光体2と軽く接触し、その接触面が感光体2と同一方向に移動する様に回転するトナー受けローラー806が配置されている。トナー受けローラー806は感光体2と同一の回転軸方向の長さを有する。更に、トナー受けローラー806には掻取板807が接触しており、トナー受けローラー806上のトナーを掻き取る様に設けられている。
ブレードとしてはゴム弾性体が用いられ、その材料としてはウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロピレンゴム、ブタジエンゴム等が知られているが、これらの内、ウレタンゴムは他のゴムに比して摩耗特性が優れている点で特に好ましい。
転写後に感光体2の上に残留しているトナーT2はブレード803により感光体2から除去され、トナー受けローラー806及び掻取板807によりクリーニング装置8の底部に搬送されて、トナー搬送手段(不図示)によりクリーニング装置8の外に搬送される。
図1(b)に付き説明する。感光体2は、円筒状の導電性基体201と、導電性基体201の周面に形成された感光層202と、導電性基体201の両端部に非感光層形成部203と、両端に電子写真画像形成装置(不図示)への取り付け軸204とを有する構成となっている。尚、感光層202の形成領域は、導電性基体201の全幅に亘り形成されていてもよいし、導電性基体201の両端に非感光層形成部203を残して形成されていてもよく、感光層202の形成方法により適宜変更することが可能である。本図は両端に非感光層形成部203を形成している状態を示している。非感光層形成部203の幅は0.5mmから20mmが好ましい。
Lは感光層202の幅を示し、現像装置(不図示)により現像されてトナー像が形成される画像形成領域を示す。画像形成領域にトナー像が形成され、記録紙に転写したのち残留トナーが存在する領域でもある。
M(M′)は感光層202の両端部から軸方向の幅を示す。本発明で端部とは幅M(M′)に示される領域を言う。幅M(M′)は感光層102の幅Lに対して10%である。
N(N′)は感光層の軸方向の中央部Gから両端方向の幅を示す。本発明で中央部とは幅N(N′)に示される領域を言う。幅N(N′)は感光層102の幅Lに対して30%である。
幅M(M′)の領域の感光層102の表面の10点平均表面粗さRzJISをR1とし、幅N(N′)の領域の感光層102の表面の10点平均表面粗さRzJISをR2とした時、R1は、0.05μmから0.9μmであり、R2は、0.055μmから3.0μmで、且つ、R2>R1で、1.1≦R2/R1≦60.0であることが好ましい。
R1は、感光体が平滑過ぎることによるトナーの離けい性が低下し、ブレード先端部を汚し、トナーフィルミングに起因する「画像流れ(画像部が後ろにずれる)」という画像欠陥を起こしたり、端部のブレードの感光体への密着性が低下し、クリーニング不良が発生することにより、感光体の周面へ異物が付着することで画像形成した時に白抜けの画像欠陥の発生等を考慮し0.05μmから0.9μmが好ましい。
R2はブレードめくれの発生や、感光体表面の平滑に伴う異物の付着、感光体の周面が粗くなることで画像形成した時にキズにより白抜けの画像欠陥の発生等を考慮し、0.055μmから3.0μmが好ましい。
R2とR1との関係は、R2に対するR1部の研磨量を考慮し、R2>R1が好ましい。
R2/R1は、中心部の異物の掻き取り性、感光体の周面へ異物が付着することで画像形成した時に白抜けの画像欠陥の発生、研磨キズが発生、研磨キズの発生に伴う画像不良等を考慮し、1.1≦R2/R1≦60.0が好ましい。
10点平均粗さRzJISは、(株)東京精密 サーフコム1400Dを使用して測定した値を示す。
尚、感光層が導電性基体201の全幅に亘り形成されている感光体の場合であっても、上記の幅M(M′)、幅N(N′)、10点平均表面粗さR1、10点平均表面粗さR2、R2/R1は本図と同じである。
本図に示す様に、感光層の端部と中央部とで表面の10点平均表面粗さが異なる様に粗面化する方法は、研磨テープによる研磨法、微粒子を感光層に衝突させるブラスト法等が挙げられ適宜選択することが可能である。尚、本発明で感光層の表面とは感光層を構成している最上層の表面を言う。図3に研磨テープを使用し、図1(b)に示す様な感光層の表面を粗面化する方法に付き説明する。
感光体2は、導電性基体の上に、少なくとも感光層を有するもので、その層構成は、特に制限されるものではなく、具体的には、以下に示すような層構成を挙げることが出来る。
1)導電性基体の上に、感光層として電荷発生層と電荷輸送層、及び保護層を順次積層した層構成、
2)導電性基体の上に、感光層として電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層、及び保護層を順次積層した層構成、
3)導電性基体の上に、中間層、感光層として電荷発生層と電荷輸送層、及び保護層を順次積層した層構成、
4)導電性基体の上に、中間層、感光層として電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層、及び保護層を順次積層した層構成。
本発明の感光体は、上記何れの層構成でもよいが、これらの中では、導電性基体の上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を設けて作製されるものが好ましい。
図1(c)に付き説明する。803aはブレード803の端部を示す。ブレード803はクリーニング装置8の支持枠体801に取り付けられており、ブレード803のエッジ803bが感光層202の全幅Lに圧接するようになっている。画像形成領域に存在する残存トナーの除去が可能となっている。端部803aが画像形成初期に感光体2の感光層202との摩擦により捲れが発生する部分である。
Oはブレード803の幅を示し、幅Oは感光体2の感光層202の幅Lと同じか僅かに広いことが好ましい。
シール部材804はブレード803と別体に支持枠体801に固定されており、先端部804aが感光体2の両端の非感光層形成部203に接触する様に固定されている。シール部材804の幅P(P′)は、シール部材804のブレード803側の側端部がブレード803の側端部に接触し、且つ感光体2の非感光層形成部203の幅と同じであることが好ましい。この様にブレード803の両端にシール部材804を設けることで、ブレード803により画像形成領域に存在する残存トナーを除去する時、ブレード803の両端から除去した残存トナー漏れを防止することが可能となっている。尚、感光体が非感光層形成部を有していない場合、シール部材804は使用しない。
シール部材としては特に限定はなく、例えば弾性基材(例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、リン青銅、ステンレス鋼等の弾性体の板)の上に多孔質弾性部材(例えば、モルトプレーン(商品名)、フェルト、起毛布等を接着した部材が挙げられる。
図2は図1(b)に示す感光体の感光層の軸方向の表面粗さの状態を示すグラフである。
縦軸は表面粗さを示し、横軸は感光層の軸方向の長さを示す。横軸上のHは感光層の端部(図1(b)に示す感光体の感光層202の左側の端部)の位置を示す。Iは感光層の軸方向の全幅に対して端部の位置Hから10%の位置を示す。Kは感光層の軸方向の中央部の位置を示す。Jは感光層の軸方向の全幅に対して、感光層の軸方向の中央部の位置Kから30%の位置(図1(b)に示す感光体の感光層202の左側)を示す。H′は感光層の端部(図1(b)に示す感光体の感光層202の右側の端部)の位置を示す。I′は感光層の軸方向の全幅に対して端部の位置H′から10%の位置を示す。J′は感光層の軸方向の全幅に対して、感光層の軸方向の中央部の位置Kから30%の位置(図1(b)に示す感光体の感光層202の右側)を示す。位置Hから位置Iの間が図1(b)に示すMに相当する。位置Jから位置Kの間が図1(b)に示すNに相当する。位置I′から位置H′の間が図1(b)に示すM′に相当する。
本図に示す様に本発明の感光体の感光層の表面は、両端部から軸方向にかけて表面粗さが勾配を有している状態となっている。
図1(b)、図2に示す様に感光体の感光層の表面を粗面化することで次の効果が挙げられる。
1.感光層の両端部(軸方向に感光層の全幅に対して10%の幅)に、感光層に添加された滑剤が、感光層の中央部よりも多く存在すると推定されるため、画像形成装置に装着し画像形成を行う時、画像形成初期においてもブレードの両端部の捲れの発生が防止され、画像形成初期の故障がなくなり安定した画像形成が可能となった。
2.感光層の表面が全幅に亘り粗面化されているため、ブレードとの接触による動摩擦抵抗が下がり長期に渡り安定したクリーニングが可能となり、安定した画像形成が可能となった。
3.粗面化によりトナーの離けい性がよくなり、クリーニング性が向上する。
図3は感光体の感光層の表面を研磨テープを使用し粗面化する粗面化装置の一例を示す概略図である。図3(a)は感光体の感光層の表面を図1(b)に示す様に、端部と中央部とで平均表面粗さが異なる様に研磨テープを使用し粗面化する粗面化装置の概略斜視図である。図3(b)は図3(a)のA−A′に沿った概略断面図である。
図中、9は研磨装置を示す。研磨装置9は、研磨テープ搬送装置9aと、感光体保持装置9bとを有している。研磨テープ搬送装置9aは、本体9a1と架台9a2と基台9a3とを有している。本体9a1は研磨テープ9a4の繰り出し装置(不図示)と、巻き取り装置(不図示)と研磨テープ9a4の張力調整装置(不図示)とを有している。尚、巻き取り装置(不図示)側に駆動部を持ち、繰り出し装置(不図示)側に張力調整装置を有している。
9a41は繰り出し装置(不図示)にセットされたロール状研磨テープを示す。9a42は巻き取り装置(不図示)によりロールに巻き取られた使用済みの研磨テープを示す。9a11から9a13はガイドロールを示す。ガイドロール9a11、9a13は研磨テープ9a4の張力を調整することが出来る様に本体9a1に配設することが好ましい。9a14はバックアップロールを示す。繰り出し装置(不図示)から繰り出された研磨テープ9a4はバックアップロール9a14を介して巻き取り装置(不図示)によりロールに巻き取られる様になっている。尚、研磨テープ9a4は感光体2の表面を研磨する時に同じ位置では研磨テープ9a4の研磨面の磨耗、研磨面の詰まり等により安定した研磨が出来なくなる場合があるため、必要に応じて巻き取り装置(不図示)により巻き取り研磨面を新しくすることが好ましい。
本体9a1は移動手段(例えば、ステッピングモーター)に繋がっている移動用軸9a21を有する架台9a2に固定されており、架台9a2は基台9a3に付けられた移動溝9a31に沿って移動(図中の矢印方向 Y軸方向)が可能となっている。
架台9a2の移動は巻回ロール上の研磨材9a4の面と感光体2の感光層表面とが平行に当接するように移動手段を調節し、研磨する時の押圧は使用する研磨テープの種類、感光体2の感光層表面の硬度、研磨量等により適宜調整することが可能となっている。
保持装置9bは架台9b1と基台9b2とを有している。架台9b1は感光体2を保持する保持手段9b13を配設した保持部材9b11と保持手段(不図示)を配設した保持部材9b12とを有している。保持手段9b13としては感光体2を固定、取り外しが出来れば特に限定はなく、例えば三爪チャツクが挙げられる。保持部材9b12に配設する保持手段も保持手段9b13と同じであってもよい。保持部材9b11と保持部材9b12とにより感光体2は水平に保持することが可能となっている。
9b14は架台9b1に配設されたモーターを示し、モーター9b14の回転軸は保持部材9b11の保持手段9b13に繋がっており、モーター9b14を稼動させることで保持部材に保持された感光体2を回転させることが可能となっている。
回転数は使用する研磨テープ9a4の種類、研磨テープ材9a4の感光体2への押圧、研磨量等により適宜設定することが可能となっている。
9b15は移動手段(例えば、ステッピングモーター)に繋がっている移動用軸を示し、モーター9b14が配設された架台4b1の反対側に配設されている。架台9b1は移動手段(例えば、ステッピングモーター)の稼動によって、基台9b2に付けられた移動溝に沿って移動(図中の矢印方向 X軸方向)が可能となっている。架台9b1の移動速度は使用する研磨テープ9a4の種類、研磨テープ9a4の感光体2への押圧、研磨量等により適宜設定することが可能となっている。又、移動量は感光体2の感光層の研磨領域の幅により適宜調整することが可能となっている。
本図に示す粗面化装置9は、研磨テープ搬送装置9aがY軸方向、感光体保持装置9bがX軸方向へ直交移動する場合を示しているが、研磨テープ搬送装置9aがX軸方向、感光体保持装置9bがY軸方向へ直交移動する様にしても構わない。
本図に示す研磨部材の研磨テープの幅は、図1(b)に示す感光層202の両端部から軸方向の幅M(M′)により適宜設定することが好ましい。
使用する研磨テープは特に限定はなく、粗面化装置に合わせ適宜選択することが可能である。本発明では帯状基材に砥粒を付けた帯状研磨材を使用した場合を示している。使用する砥粒としては、SiC、Al、Fe、ダイアモンド等が用いられる。砥粒の大きさ、形状は研磨した後の表面粗さに応じて適宜選択することが可能である。
又、研磨する時に発生する研磨クズの研磨面への再付着を防止するため、研磨する面に空気の吹き付け及び吸引を行うことが好ましい。更に、研磨終了後に研磨面の清掃(例えば、空気の吹き付け、ブラシング等)を行うことが好ましい。
図4は図3に示す粗面化装置を使用し、図1(b)に示す様に粗面化する方法を示すフロー図である。図4(a)は感光層の幅に対して幅が狭い研磨テープを使用し、図1(b)に示す様に粗面化する方法を示すフロー図である。図4(b)は感光層の幅と同じ幅の研磨テープを使用し、図1(b)に示す様に粗面化する方法を示すフロー図である。
図4(a)に示す方法に付き説明する。
S・1は粗面化開始前の状態を示す。バックアップロールに巻回された研磨テープ9a4の側端部9a41(図面上の左側)を感光層202の端部202a(図面上の左側)に合わせ圧接する。研磨テープ9a4の幅は図1(b)に示す感光層202の両端部から軸方向の幅M(M′)により適宜設定することが必要である。
S・2は粗面化開始の状態を示す。研磨テープ9a4を感光層202の表面に圧接した後、感光体202を回転させながら矢印方向への移動が行われる。尚、本図では研磨テープ9a4を固定し、感光体202を移動した場合を示したが、感光体202を固定し研磨テープ9a4を移動する方式であっても構わない。図1(b)に示す感光層202の両端部から軸方向の幅M(M′)の10点平均表面粗さR1及び感光層202の軸方向の中央部から両端方向の幅N(N′)の10点平均表面粗さR2は、感光体の回転速度、移動速度、研磨テープの研磨面の表面粗さを必要に応じて適宜設定することで変更することが可能である。
例えば、粗面化開始は感光体202の回転数は一定にして、研磨テープ9a4の幅に相当する距離は感光体の移動速度を早くし、その後は移動速度を遅くし、粗面化終了時は研磨テープ9a4の幅に相当する距離は感光体の移動速度を早くし終了する。
S・3は粗面化終了の状態を示す。感光体202を移動させ、バックアップロールに巻回された研磨テープ9a4の側端部9a42(図面上の右側)が感光層202の端部202b(図面上の右側)と一致した時に粗面化を終了する。
S・1からS・3の過程を経ることで感光層202の両端部から軸方向の幅M(M′)の10点平均表面粗さR1、及び感光層202の軸方向の中央部から両端方向の幅N(N′)の10点平均表面粗さR2が異なった図1(b)に示される感光体が作製される。
図4(b)に示す方法に付き説明する。尚、使用する感光体は導電性基体の全幅に感光層が形成されている感光体2′を使用した場合を示す。
S・1は粗面化開始前の状態を示す。バックアップロールに巻回された研磨テープ9a′4の全幅を感光層202′の全幅に合わせ圧接する。
S・2は粗面化開始の状態を示す。研磨テープ9a′4を感光層202′の表面に圧接した後、感光体202′を設定した回転数、時間で研磨した後、回転させながら矢印方向への移動が行われる(仮に移動するタイミングを研磨開始から5秒後とする)。尚、移動する距離は、図1(b)に示す感光層202の両端部から軸方向の幅Mに相当する距離である。この状態で設定した回転数、時間で研磨(仮に研磨時間は10秒間とする)行われる。
S・3は粗面化終了の状態を示す。S・2の状態での研磨が終了した後、感光体2′を矢印方向に移動する。尚、移動する距離は、図1(b)に示す感光層202の両端部から軸方向の幅M′に相当する距離である。この状態で幅Mの表面粗さが、幅M′の表面粗さと同じになるように設定した回転数、時間(仮に5秒間)で研磨が行われる。
この様にすることで感光層202の両端部から軸方向の幅M(幅M′)は10秒間研磨された状態で、中央部は15秒間研磨した状態となる。
本図では研磨テープ9a′4を固定し、感光体202′を移動した場合を示したが、感光体202′を固定し研磨テープ9a4′を移動する方式であっても構わない。
図1(b)に示す感光層202の両端部から軸方向の幅M(M′)の10点平均表面粗さR1及び感光層202の軸方向の中央部から両端方向の幅N(N′)の10点平均表面粗さR2は、感光体の回転速度、移動速度、研磨テープの研磨面の表面粗さを必要に応じて適宜設定することで変更することが可能である。
S・1からS・3の過程を経ることで感光層202の両端部から軸方向の幅M(M′)の10点平均表面粗さR1、及び感光層202の軸方向の中央部から両端方向の幅N(N′)の10点平均表面粗さR2が異なった図1(b)に示される感光体が作製される。
図3は研磨テープを使用した場合を示したが、微粒子を感光層の表面に衝突させるブラスト法の場合でも、感光層202の両端部から軸方向の幅M(M′)及び感光層202の軸方向の中央部から両端方向の幅N(N′)に対して、微粒子の衝突量、衝突させている時間、感光体の回転速度を適宜調整することで光層202の両端部から軸方向の幅M(M′)の10点平均表面粗さR1及び感光層202の軸方向の中央部から両端方向の幅N(N′)に対しての10点平均表面粗さR2が異なった感光体を作製することが可能である。
導電性基体の上に少なくとも感光層を有する感光体の感光層の表面を、図1(b)、図2に示す様な平均表面粗さにすることで次の効果が挙げられる。
1.画像形成装置に装着し、画像形成を開始する際、初期においてもブレードの両端部の捲れがなくなり、画像形成初期の故障がなくなり安定した画像形成の開始が可能なった。
2.長期間、ブレード鳴き、ブレード捲れがなくなり安定した画像形成が可能となった。
3.画像形成開始初期、長期間で画像形成が安定したことに伴い画像品質の向上、生産効率の向上が可能となった。
4.クリーニング性が向上し、ブレード荷重が下がり、感光体寿命が伸びた。
以下に本発明に好ましく用いられる具体的な感光体の構成について説明する。
〈導電性基体〉
本発明で用いる導電性基体としては円筒状基体が用いられる。円筒状導電性基体とは回転することによりエンドレスに画像を形成出来るに必要な円筒状の導電性基体を意味し、円筒度が5μmから40μmが好ましく、7μmから30μmがより好ましい。
導電性基体の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することが出来る。導電性基体としては常温で比抵抗10Ωcm以下が好ましい。
〈中間層〉
中間層は、バインダー、分散溶媒等から構成される中間層形成用塗布液を導電性基体上に塗布、乾燥して形成される。中間層のバインダーとしては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位の内の2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら樹脂の中ではポリアミド樹脂が、繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく出来好ましい。又、電位特性向上や黒ポチ欠陥の低減、モアレの低減等の目的で、必要に応じて、中間層に酸化チタンや酸化亜鉛等のフィラーや酸化防止剤等の添加剤を添加することも出来る。
中間層形成用塗布液を作製する溶媒としては、必要に応じ添加する無機粒子を良好に分散し、ポリアミド樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が、ポリアミド樹脂の溶解性と塗布性能に優れ好ましい。これらの溶媒は全溶媒中に30質量%から100質量%、好ましくは40質量%から100質量%、更には50質量%から100質量%が好ましい。前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。中間層の膜厚は、0.2μmから40μmが好ましく、0.3μmから20μmがより好ましい。
(感光層)
感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造でもよいが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した層構成をとるのがより好ましい。機能を分離した構成をとることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御出来、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御し易い。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成をとる。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆の構成をとる。好ましい感光層の層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体である。
以下に機能分離負帯電感光体の感光層の各層について説明する。
〈電荷発生層(CGL)〉
電荷発生層(CGL)には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有してもよい。電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)であるCuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)27.2°に最大回折ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン、同2θが12.4°に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加を小さくすることが出来る。
電荷発生層(CGL)に電荷発生物質(CGM)の分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることが出来るが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質(CGM)との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し電荷発生物質(CGM)20質量部から600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さく出来る。電荷発生層(CGL)の膜厚は0.01μmから2μmが好ましい。
〈電荷輸送層(CTL)〉
電荷輸送層(CTL)には、電荷輸送物質(CTM)とバインダー樹脂とを含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を添加して形成してもよい。
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることが出来る。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物等を用いることが出来る。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位の内の2つ以上を含む共重合体樹脂。又、これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
これら電荷輸送層(CTL)のバインダーとして最も好ましいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂は電荷輸送物質(CTM)の分散性、電子写真特性を良好にすることにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質(CTM)との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し電荷輸送物質(CTM)10質量部から200質量部が好ましい。
〔酸化防止剤〕
感光体の構成層には、酸化防止剤を適用すると、NOx等活性ガスの攻撃による影響を低減出来るため、高温高湿環境での画像流れの発生を抑制出来る。
本発明に用いられる酸化防止剤とは、その代表的なものは感光体中ないしは感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。詳しくは下記の化合物群が挙げられる。
(1)ラジカル連鎖禁止剤
フェノール系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ジアリルジアミン系酸化防止剤、ジアリルアミン系酸化防止剤、ハイドロキノン系酸化防止剤等が挙げられる。
(2)過酸化物分解剤
硫黄系酸化防止剤、チオエーテル類、燐酸系酸化防止剤、亜燐酸エステル類等が挙げられる。
尚、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール構造を有する酸化防止剤)とは、フェノール性OH基ないしはフェノール性OHのアルコキシ化基のオルト位に嵩高い有機基を有する化合物であり、ヒンダードアミン系酸化防止剤(ヒンダードアミン構造を有する酸化防止剤)とはN原子近傍に嵩高い有機基を有する化合物である。嵩高い有機基としては分岐状アルキル基があり、例えばt−ブチル基が好ましい。
上記酸化防止剤の内では、(1)のラジカル連鎖禁止剤がよく、中でも、ヒンダードフェノール構造やヒンダードアミン構造を有する酸化防止剤は、重合開始剤からの発生ラジカル活性種と酸素との反応を防ぐため、発生ラジカル活性種を効果的に反応に寄与させることが出来、好ましい。
又、2種以上のものを併用してもよく、例えば(1)のヒンダードフェノール系酸化防止剤と(2)のチオエーテル類の酸化防止剤との併用もよい。
本発明に使用する酸化防止剤において、更に好ましいものとしては、分子中に上記ヒンダードアミン構造を有するものが画像ボケ防止や黒ポチ対策等の画質改善によく、別の態様として、ヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造単位を分子内に含んでいるものも同様に好ましい。
〈保護層〉
保護層は、バインダー樹脂に少なくとも無機微粒子を添加して調製した塗布液を電荷輸送層の上に塗布して形成したものである。尚、保護層には酸化防止剤、滑剤性物質等を含有させることが好ましい。
無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ、酸化ジルコニウム等の微粒子を好ましく用いることが出来る。特にシリカやアルミナ、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム等が好ましい。
無機微粒子の数平均一次粒径は、1nmから300nmのものが好ましく、5nmから100nmが特に好ましい。無機微粒子の数平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに300個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によりフェレ径の数平均径として測定値を算出して得られた値である。
保護層に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂何れの樹脂かを問わない。例えばポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂等を挙げることが出来る。
保護層に用いられる潤滑性物質としては、樹脂微粉末(例えば、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂等)、金属酸化物微粉末(例えば、酸化チタン、酸化アルミ、酸化スズ等)、固体潤滑剤(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ボリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム等)、シリコーンオイル(例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル等)、フッ素系樹脂粉体(例えば、四フッ化エチレン樹脂粉体、三フッ化塩化エチレン樹脂粉体、六フッ化エチレンプロピレン樹脂粉体、フッ化ビニル樹脂粉体、フッ化ビニリデン樹脂粉体、フッ化二塩化エチレン樹脂粉体及びそれらの共重合体等)、ポリオレフィン系樹脂粉体(例えば、ポリエチレン樹脂粉体、ポリプロピレン樹脂粉体、ポリブテン樹脂粉体、ポリヘキセン樹脂粉体などのホモポリマー樹脂粉体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体などのコポリマー樹脂粉体、これらとヘキセンなどの三元共重合体、更にこれらの熱変成物の如きポリオレフィン系樹脂粉体等)等が挙げられる。特に、シリコーンオイルが摩擦係数低減効果が大きいため好ましい。
上記の潤滑剤に用いる各樹脂の分子量や粉体の粒径は適宜選択することが出来る。又、粒子状物質の場合、その粒径に関しては、特には0.1μmから10μmが好ましい。これらの潤滑剤を均一に分散するため分散剤をバインダー樹脂に添加してもさしつかえない。又、上記潤滑性物質は、電荷輸送層が最表面である場合は、電荷輸送層に添加することも出来る。
(感光体の作製)
本発明の感光体に係る各層(中間層、感光層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層)の作製は、浸漬塗布、或いは円形量規制型塗布、或いは浸漬塗布と円形量規制型塗布を組合せて塗膜を設けて作製することが出来るがこれに限定されるものではない。尚、円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
バックアップロール
ネオプレンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ニトリル、バイトン等が挙げられ、これらの中でウレタンゴムが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
実施例1
(感光体の準備)
以下に示す方法で導電性基体の上に、中間層/電荷発生層/電荷輸送層/保護層を有し両端に非感光層形成部を有する感光体を準備した。
(導電性基体の準備)
直径30mm、長さ360mmのアルミニウム製の導電部性基体を準備し、10点表面粗さRzJIS=1.5(μm)になるように導電性基体の表面を切削加工した導電性基体を準備した。尚、10点表面粗さRzJISはJIS B 0601−2001に準じて測定した値を示す。
(中間層の形成)
下記組成の分散液を同じ混合溶媒にて2倍に希釈し、1夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター使用)し、中間層塗布液を作製した。
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 1部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製) 3部
メタノール 8部
1−ブタノール 2部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。上記塗布液を用いて前記支持体上に、乾燥膜厚2μmとなるよう浸漬塗布法で塗布した。
(電荷発生層の形成)
電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3±0.2°の位置に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料) 20部
ポリビニルブチラール樹脂(#6000−C:電気化学工業社製) 10部
酢酸t−ブチル 700部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300部
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層の形成)
電荷輸送物質(4,4′−ジメチル−4′′−(β−フェニルスチリル)トリフェニルアミン) 25部
バインダー:ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 6部
THF 1600部
トルエン 400部
シリコーンオイル(KF−50:信越化学社製) 0.001部を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
(保護層の形成)
酸化チタン粒子(SMT100SAS:テイカ社製) 0.6部
2−プロパノール 5部
シリコーンオイル(X−22−160AS:信越化学社製) 0.002部
を混合しUSホモジナイザにて1時間分散処理を行う。その後、下記構造式を有するアクリル系化合物AとB(質量比1/1)からなるラジカル重合化合物1.5部と重合開始剤「Irgacure184(チバ・ジャパン(株)製)」0.07部を上記分散液中に溶解させて保護層用塗布液を作製する。
Figure 2010210863
前記保護層塗布液を電荷輸送層の上全面に硬化反応後の膜厚が2.0μmになる様に浸漬塗布法で塗布する。塗布後、水銀ランプ照射装置「ECS−401GX(アイグラフィックス社製)」を用い、紫外線積算照度計「UVPF−A1(PD−365)(アイグラフィックス社製)」にて積算光量が25J/cm相当になる様に紫外線照射を行う。紫外線照射処理した後、120℃で60分間熱乾燥処理することにより保護層が形成される。この後、両端部に形成して感光層を切削し、幅2mmの非感光層形成部を形成した。
以上の手順により、酸化チタン粒子を含有する保護層を有する電子写真感光体を作製した。
(感光層の表面の粗面化処理)
(研磨テープ1の準備)
研磨テープとして、幅100mm、長さ10mの住友スリーエム(株)製0.5μm粒子入りの研磨テープ1を準備した。
(研磨テープ2の準備)
研磨テープとして、幅を感光層の幅と同じにした、長さ10mの住友スリーエム(株)製0.5μm粒子入りの研磨テープ2を準備した。
(粗面化処理1)
図3に示す粗面化装置の研磨テープ搬送装置に、準備した研磨テープ1を装着し、感光体保持装置に準備した感光体を装着した後、以下に示す条件で条件で図4(a)のフローに従って感光層の両端部から軸方向の感光層の全幅に対する幅10%までの10点平均表面粗さRzをR1とし、感光層の軸方向の中央から、両端方向の感光層の全幅に対する幅30%までの10点平均表面粗さRzをR2とし、表1に示す様にR1とR2と及びR2/R1を変えた感光体を作製し試料No.101から134とした。
R1とR2との変更は感光体の押し込み量及び移動速度を変えることにより行った。
感光体の回転速度:400rpm
研磨テープの繰り出し量:3cm/min
押し込み量:目標とするR1とR2にするため0.2mmから0.7mmの範囲で適宜変えた。
感光体の移動速度:目標とするR1とR2にするため5cm/minから50cm/minの範囲で適宜変えた。
尚、感光体の回転速度(周速度)は、小野計器(株)製 回転計で測定した値を示す。
研磨テープの繰り出し量は、1分間動作させた時の長さを、C型JIS1級鋼製スケールで測定した値を示す。
押し込み量は、ミツトヨ(株)製マイクロメータで測定した値を示す。
感光体の移動速度は、10秒間の移動距離をC型JIS1級鋼製スケールで測定し1分間に換算した値を示す。
(粗面化処理2)
図3に示す粗面化装置の研磨テープ搬送装置を改造し、準備した研磨テープ2を装着し、感光体保持装置に準備した感光体を装着した後、研磨テープの移動を行わない他は粗面化処理1と全て同じ条件粗面化処理を行い感光体を作製し比較試料No.135とした。
Figure 2010210863
(評価)
準備した各試料No.101から135に付き、画像形成時のブレードの捲れ、画像流れ、プリント開始してからの初期と後期での画質の代用特性として、感光体周面に付着する異物による白抜け、感光体の研磨に伴う白抜けを以下に示す方法で評価し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。尚、後期の評価は耐久性の評価も兼ねている。
ブレードの捲れの評価方法
コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製複合機bizhubC352改造機に搭載し、常温常湿環境(20℃、50%RH)下でA4判で1万枚の連続の画像濃度0.4のハーフトーン画像と、画素率5%線画と、画素率25%の画像形成(以下、プリントと言う)を10010枚行い、この間に発生するブレードの捲れの発生有り無しを目視で観察し、結果を表2に示す。
画像流れの評価方法
コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製複合機bizhubC352改造機に搭載し、常温常湿環境(20℃、50%RH)下で、A4判で画像流れ評価用画像(走行方向に垂直に、1mm間隔でトナー色と同じ色の幅1mm長さ150mmの細線100本並べた画像)の印字を10010枚行い、この間に発生する細線間の白色部の潰れ(細線同士が繋がって見える)、即ち画像流れの発生する回数を目視で観察し、結果を表2に示す。尚、画像流れが発生した後は、感光体表面をメタノールで清掃し復帰させ、評価を続けた。
画像流れの評価ランク
◎:画像ながれの発生回数が0回
○:画像ながれの発生回数が1回
△:画像ながれの発生回数が2から5回
×:画像ながれの発生回数が6回以上
感光体周面に付着する異物による白抜けの評価方法
コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製複合機bizhubC352改造機に搭載し、常温常湿環境(20℃、50%RH)下でA4判で1万枚の連続の画像濃度0.4のハーフトーン画像と、画素率5%線画と、画素率25%の画像形成(以下、プリントと言う)を行い、プリント開始してから、501枚から510枚迄、10001枚から10010枚迄のプリントを各10枚サンプリングし、作製したプリントの画質を目視で観察し評価し、発生した直径1.0mm以上の白抜けの画像欠陥の数を測定した結果(平均値)を表2に示す。尚、501枚から510枚までの評価を初期、10001枚から10010枚迄の評価を後期とした。
感光体周面に付着する異物による画像の白抜けの評価ランク
◎:画像に白抜けがない
○:画像に白抜けが1個から3個
△:画像に白抜けが4個から9個
×:画像に白抜けが10個以上
感光体の研磨に伴う白抜けの評価方法
コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製複合機bizhubC352改造機に搭載し、常温常湿環境(20℃、50%RH)下でA4判で1万枚の連続の画像濃度0.4のハーフトーン画像と、画素率5%線画と、画素率25%の画像形成(以下、プリントと言う)を行い、プリント開始してから、501枚から510枚迄、10001枚から10010枚迄のプリントを各10枚サンプリングし、作製したプリントの画質を目視で観察し評価し、発生した長さ0.5mm以上の白抜けの画像欠陥の数を測定した結果(平均値)を表2に示す。尚、501枚から510枚までの評価を初期、10001枚から10010枚迄の評価を後期とした。
感光体研磨に伴う画像の白抜けの評価ランク
◎:画像に白抜けなし
○:画像に白抜けが1個から3個
△:画像に白抜けが4個から9個
×:画像に白抜けが10個以上
Figure 2010210863
本発明の電子写真感光体を使用することで、画像形成時のブレードの捲れ、画像ながれ、プリント開始してからの初期と後期での画質の代用特性として、感光体周面に付着する異物による白抜け、感光体の研磨に伴う白抜け、共に優れた性能を有することを確認した。
実施例2
(感光体の準備)
以下に示す方法で導電性基体の上に、中間層/電荷発生層/電荷輸送層/保護層を有し両端に非感光層形成部を形成しない他は全て実施例1と感光体を準備した。
(感光層の表面の粗面化処理)
(研磨テープの準備)
実施例1で準備した研磨テープ2と同じ研磨テープを準備した。
(粗面化処理1)
図2に示す粗面化装置の研磨テープ搬送装置を改造し、準備した研磨テープを装着し、感光体保持装置に準備した感光体を装着した後、以下に示す条件で図4(b)のフローに従って異感光層の両端部から軸方向の感光層の全幅に対する幅10%までの平均表面粗さRzをR1とし、感光層の軸方向の中央から、両端方向の感光層の全幅に対する幅30%までの平均表面粗さRzをR2とし、表3に示す様にR1とR2と及びR2/R1を変えた感光体を作製し試料No.201から234とした。
R1とR2との変更は研磨する時、感光体の移動速度を変えることにより行った。
感光体の回転速度:400rpm
研磨テープの送り量:3cm/min
押し込み量:目標とするR1とR2にするため0.2mmから0.7mmの範囲で適宜変えた。
感光体の移動速度:目標とするR1とR2にするため5cm/minから50cm/minの範囲で適宜変えた。
尚、感光体の回転速度、研磨テープの送り量、押し込み量、感光体の移動速度は実施例1と同じ方法で測定した値を示す。
(粗面化処理2)
図3に示す粗面化装置の研磨テープ搬送装置を改造し、準備した研磨テープ2を装着し、感光体保持装置に準備した感光体を装着した後、研磨テープの移動を行わない他は粗面化処理1と全て同じ条件粗面化処理を行い感光体を作製し比較試料No.235とした。
Figure 2010210863
(評価)
準備した各試料No.201から235に付き、画像形成時のブレードの捲れ、画像流れ、プリント開始してからの初期と後期での画質の代用特性として、感光体周面に付着する異物による白抜け、感光体の研磨に伴う白抜けを実施例1と同じ方法で評価した結果を表4に示す。
Figure 2010210863
(コメント)
本発明の電子写真感光体を使用することで、画像形成時のブレードの捲れ、画像流れ、プリント開始してからの初期と後期での画質の代用特性として、感光体周面に付着する異物による白抜け、感光体の研磨に伴う白抜け、共に優れた性能を有することを確認した。
1 画像形成部
2、2′ 感光体
201 導電性基体
202、202′ 感光層
203 非感光層形成部
803 ブレード
803a 端部
803b エッジ
9 研磨装置
9a 研磨テープ搬送装置
9a2 架台
9a21 移動用軸
9a4 研磨テープ
9a41、9a42 側端部
9b 感光体保持装置
9b1 架台
9b2 基台
9b13 保持手段

Claims (8)

  1. 円筒状の導電性基体の周面上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、
    前記感光層の平均表面粗さRzが軸方向で、両端部の平均表面粗さR1より中央部の平均表面粗さR2で大きくなっていることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 請求項1に記載の電子写真感光体において、
    前記感光層の両端部から軸方向に、前記感光層の全幅に対して10%までの平均表面粗さRzをR1とした時、R1が0.05μmから0.9μmであり、
    前記感光層の軸方向の中央から、両端方向に、前記感光層の全幅に対して30%までの平均表面粗さRzをR2とした時、R2が0.055μmから3.0μmで、且つ、R2>R1で
    1.1≦R2/R1≦60.0
    であることを特徴とする電子写真感光体。
  3. 前記感光層は導電性基体の両端0.5mmから20mmの位置から軸方向に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記感光層の表面が、電荷輸送層であることを特徴とする請求項2又は3に記載の電子写真感光体。
  5. 前記感光層の表面が、保護層であることを特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記保護層は微粒子を含むことを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
  7. 前記微粒子が、シリカ、アルミナ、酸化チタン及びチタン酸ストロンチウムから選択されてなる少なくとも1種の無機微粒子であることを特徴とする請求項6に記載の電子写真感光体。
  8. 前記感光層の表面はシリコーンオイルを含むことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の電子写真感光体。
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