JP2002278122A - 電子写真感光体及びその製造方法並びに電子写真装置 - Google Patents
電子写真感光体及びその製造方法並びに電子写真装置Info
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Abstract
こと。 【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも感光層を形
成した電子写真感光体の該感光層の表面に予め炭素原
子、フッ素原子、酸素原子からなる完全フッ素化油を含
浸又は塗布により保持させるか、電子写真装置内に、電
子写真感光体2の表面に前記完全フッ素化油22を潤滑
剤として塗布する塗布手段26を設ける。
Description
タ、ファクシミリ等の電子写真装置において使用する電
子写真感光体、電子写真感光体の製造方法に関する。ま
た、本発明は上記電子写真感光体を用いた電子写真装置
に関し、さらに詳しくは、電子写真感光体の像担持体表
面に潤滑剤を供給する機能を有する電子写真装置に関す
る。
ンプロセスやその種々の変形プロセスなどが知られてお
り、複写機、プリンター及びファクシミリ等に広く使用
されている。この様な電子写真方法に用いられる電子写
真感光体には有機系の感光材料を用いたものと無機系の
感光材料を用いたものとがある。
カルバゾール(PVK)に代表される光導電性樹脂、P
VK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)
に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−結着剤
に代表される顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物質
とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知ら
れており、安価、大量生産性、無公害性などをメリット
として、近年使用され始めている。
電性支持体上にセレンあるいはセレン合金を主体とする
光導電層を設けたもの、酸化亜鉛、酸化カドミウム等の
無機光導電材料をバインダー中に分散させたもの、非晶
質シリコンを用いたものなどが一般に知られている。こ
れらの感光体に対して、長時間高画質を保つ信頼性の要
求が年々高まっている。しかし光導電層が露出している
場合、帯電過程のコロナ放電による損傷と複写プロセス
で受ける他部材との接触による物理的あるいは化学的な
損傷が感光体の寿命を損ない長時間高画質を保つことが
困難であった。
いは化学的な損傷について述べると、複写機、プリン
タ、ファクシミリ等の電子写真装置では、感光体の周囲
に帯電ローラや露光ユニット等が配置されており、感光
体の回転に伴って、帯電、露光、現像、転写、クリーニ
ング、除電等の各作像プロセスが実行されるようになっ
ている。感光体の周囲に配置された作像ユニット又は部
材の中には、感光体に直接接触するものがあり、感光体
の感光層が接触摩擦によって一定量削られた場合、感光
特性が変化し、所定の作像プロセスが行えなくなる。す
なわち、感光層の磨耗は感光体の寿命低下につながる。
題となるのはクリーニングブレードであり、これ以外の
部材との接触による磨耗は、感光体の寿命低下に実質的
に影響を及ぼす程ではない。クリーニングブレードが問
題となる理由は、感光体上に残留するトナーを除去する
ために、力学的に、すなわち、掻き落とすように接触す
るからである。このクリーニングブレードによる磨耗
は、主に以下の二つの形態に分けられる。 a.感光体とクリーニングブレードとの間に発生する剪
断力による磨耗 b.トナーがクリーニングブレードと感光体との間に挟
まれて砥石のような働きをし、かかるアブレッシブ作用
によって生じる磨耗 このような磨耗の発生を決定する要因として、感光体の
機械的強度、感光体に対するクリーニングブレードの当
接圧、トナー粒子の組成、感光体の表面摩擦係数などが
ある。
は感光体表面に保護層を設ける方法が知られている。こ
の方法としては、感光層の表面に、有機フィルム層を設
ける方法(特公昭38−15446号公報)、無機酸化
物層を設ける方法(特公昭43−14517号公報)、
接着層を設けたのち絶縁層を積層する方法(特公昭43
−27591号公報)、あるいはプラズマCVD法や光
CVD法等によってa−Si層、a−Si:N:H層、
a−Si:O:H層等を積層する方法(特開昭57−1
79859号公報、特開昭59−58437号公報)な
どがそれぞれの公報に開示されている。しかしながら、
保護層が電子写真的に高抵抗(1×1014Ω・cm以
上)になると、残留電位の増大、繰り返し使用時の電荷
の蓄積等が問題となり、実用上好ましくない。
とする方法(特開昭48−38427号公報、特開昭4
9−10258号公報、特開昭43−16198号公
報、USP2901348)、保護層中に色素やルイス
酸に代表される移動剤を添加する方法(特開昭44−8
34号公報、特開昭53−133444号公報)、ある
いは金属や金属酸化物微粒子の添加により保護層の抵抗
を制御する方法(特開昭53−3338号公報)などが
提案されている。しかし、この様な場合には保護層によ
る光の吸収が生じ、光導電層へ到達する光量が減少する
ため、結果として電子写真感光体の感度が低下するとい
う問題がある。
6号公報に開示されているように平均粒径0.3μm以
下の金属酸化物粒子を抵抗制御剤として表面保護層中に
分散させることにより、可視光に対して実質的に透明に
する方法が提案されている。この表面保護層を持った電
子写真感光体は、感度低下も少なく表面保護層の機械的
強度も増し、耐久性が向上する。しかしながら、この感
光体を実際の複写機に組み込んだ場合、残留電位が生じ
画像上に地肌汚れ等の異常画像を発生させるという欠点
がある。この残留電位は、表面保護層上に蓄積した残留
電荷により発生し、特に低温低湿時に著しく増大する。
輸送物質および金属あるいは金属酸化物微粉末を添加す
る方法(特開平4−281461号公報)が提案されて
いる。 確かに、保護層中に低分子電荷輸送物質を添加
することにより、残留電位の低減化には著しい効果が認
められるものの、金属酸化物分散系保護層を有する感光
体が抱える繰り返し使用時における画像ボケの問題は完
全には回避できていない。
持させ、繰返特性、画像品質、耐フィルミング性等を改
善した発明もある。たとえば、特開平9−15891に
は感光体の表面にフッ素系界面活性剤を塗布し、接触帯
電方式の異常帯電を抑え、かぶり画像を防止する提案、
特開平03−155559には感光体表面に無機絶縁物
を分散した硬化性樹脂膜を設けパーフルオロポリオキシ
アルキル基またはパーフルオロオキシアルキレン基を含
有するフッ素系潤滑剤で被覆し、保護層を有する感光体
の耐湿性、耐コロナ性、耐摩耗性、クリーニング性等の
改善を図った提案、特開昭58−102949等には感
光体の表面層として熱可塑性樹脂中にポリテトラフロロ
エチレンを分散させた例等が提案されている。特開平0
1−177577には感光層の表面に末端にイソシアネ
ート基または水酸基を含有するパーフルオロアルキルポ
リエーテル誘導体を塗布乾燥して含フッ素潤滑層を形成
する方法が提案されている。
材料を保持させ、繰返特性、画像品質、耐フィルミング
性等を改善する試みはまだまだ完全とは言えず、特に、
保護層中に含有する無機絶縁物、或いはパーフルオロア
ルキルポリエーテル誘導体の末端の官能基が感光体の繰
返特性や経時の画像品質に対して不具合を与えるケース
が多く、今後も改善して行かねばならない課題となって
いる。
ードの接触による感光体表面の磨耗を抑制するために、
例えば、特開平6−324603号公報や、特開平6−
324604号公報に開示されるように、従来より、感
光体表面に潤滑剤を供給することが行われている。感光
体表面に潤滑剤が供給されることによってクリーニング
ブレードと感光体との間の摩擦力が小さくなり、感光層
の削れが抑制される。潤滑剤としては、ステアリン酸亜
鉛等の固体潤滑剤が用いられている。しかしながら、ス
テアリン酸亜鉛等の固体潤滑剤を用いても、その潤滑性
能は十分に満足できるものではなく、また、潤滑剤が容
易に削れにくいために感光体等の像担持体の表面に直接
接触させることによる供給機構の簡易化を図ることがで
きず、装置の小型化に寄与することができないという課
題がある。
係数を低減した電子写真感光体及びその製造方法を提供
することを目的としている。また、本発明は、感光体表
面に充分な潤滑性能を付与することができ、装置の小型
化が可能な電子写真装置を提供することを目的としてい
る。
結果、感光層の表面に炭素原子、フッ素原子、酸素原子
からなる完全フッ素化油を保持させることによって、
(1)感光体表面の摩擦係数を著しく低減出来、耐摩耗
性の向上した電子写真感光体が得られること、(2)ト
ナーその他異物の離型性が向上し、耐汚染性が優れた電
子写真感光体が得られること、(3)感光層中を透過で
きるガス量を低減でき、耐ガス性が向上した電子写真感
光体が得られること、(4)感光体に当接するクリーニ
ングブレード、接触帯電器等との共鳴音の発生を低減し
た電子写真感光体が得られること、(5)可撓性ベルト
状感光体の耐クラック性を飛躍的に向上できること、
(6)中間転写体を利用した電子写真装置内での虫食い
画像を低減出来ること等についての新たな知見を得て本
発明に到達した。
る。 (1)導電性支持体上に少なくとも感光層を形成した電
子写真感光体であって、感光層の表面に炭素原子、フッ
素原子、酸素原子からなる完全フッ素化油を保持したこ
とを特徴とする電子写真感光体。 (2)導電性支持体上に少なくとも感光層と保護層とを
順次積層した電子写真感光体であって、該保護層中に炭
素原子、フッ素原子、酸素原子からなる完全フッ素化油
を含有したことを特徴とする電子写真感光体。 (3)前記完全フッ素化油が下記一般式(I)で表され
る完全フッ素化油である上記(1)または(2)に記載
の電子写真感光体。
(II)で表される完全フッ素化油である上記(1)また
は(2)に記載の電子写真感光体。
ト状導電性支持体である上記(1)〜(4)のいずれか
に記載の電子写真感光体。 (6) 少なくとも電子写真感光体と中間転写体とを有
する電子写真装置であって、電子写真感光体が上記
(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真感光体であ
る電子写真装置。 (7) 導電性支持体上に少なくとも感光層を形成した
電子写真感光体の製造方法であって、電子写真感光体の
最表面に、炭素原子、フッ素原子、酸素原子からなる完
全フッ素化油を塗布した後に、乾拭きを施すことを特徴
とする電子写真感光体の製造方法。 (8) 導電性支持体上に少なくとも感光層を形成した
電子写真感光体の製造方法であって、電子写真感光体の
最表面に、炭素原子、フッ素原子、酸素原子からなる完
全フッ素化油を、少なくとも真空ポンプを具備した容器
内で含浸させることを特徴とする電子写真感光体の製造
方法。 (9) 電子写真装置内で繰り返し使用された電子写真
感光体の表面に完全フッ素化油を塗布、乾燥後、乾拭き
を施す電子写真感光体のメンテナンス方法。 (10) 電子写真感光体の表面に潤滑剤を供給する手
段を有する電子写真装置において、上記潤滑剤は、炭素
原子、フッ素原子、酸素原子からなる完全フッ素化油で
あることを特徴とする電子写真装置。 (11) 電子写真感光体がベルト状であることを特徴
とする上記(10)記載の電子写真装置。 (12) 少なくとも電子写真感光体と中間転写体とを
有し、該中間転写体の表面に潤滑剤を供給する手段を有
する電子写真装置において、上記潤滑剤が、炭素原子、
フッ素原子、酸素原子からなる完全フッ素化油であるこ
とを特徴とする電子写真装置。 (13) 前記完全フッ素化油が前記一般式(I)で表
される完全フッ素化油であることを特徴とする上記(1
0)〜(12)のいずれかに記載の電子写真装置。 (14) 前記完全フッ素化油が前記一般式(II)で表
される完全フッ素化油であることを特徴とする上記(1
0)〜(12)のいずれかに記載の電子写真装置。 以下に本発明について更に詳しく説明する。まず、本発
明の電子写真感光体について説明する。本発明の電子写
真感光体は感光層の表面に炭素原子、フッ素原子、酸素
原子のみからなる完全フッ素化油を保持させた事を特徴
としている。本発明に係わる完全フッ素化油とは末端が
全てフッ素原子で置換された炭素原子、フッ素原子、酸
素原子のみからなり、安定な炭素−フッ素結合を多数有
するため電子写真プロセス内での使用に際しても優れた
耐久性を示す。本発明に好適な完全フッ素化油としては
下記一般式(I)及び(II)で表されるものが例示でき
る。
上100までの整数であり、より好適には5〜50の範
囲である。5以下ではその潤滑能力に問題があり、50
以上では粘度が高すぎて電子写真プロセス内での使用に
は不向きであり、また、ガス透過性大きくなり感光体の
耐ガス性にとって不利である。従って、分子量は100
0〜10000が好適である。
150までの整数で、より好適には20〜90の範囲で
ある。20以下ではその潤滑能力に問題があり、90以
上では粘度が高すぎて電子写真プロセス内での使用には
不向きであり、また、ガス透過性大きくなり感光体の耐
ガス性にとって不利である。従って、分子量は4000
〜15000が好適である。
性支持体上に公知の感光層を形成し、感光層の表面に前
述の完全フッ素化油を真空含浸法、加圧含浸法等で感光
体表面から含浸させるか、完全フッ素化油またはそのエ
マルジョンを浸漬塗布、スプレー塗布、ロール塗布等の
方法で塗布し、過剰の完全フッ素化油成分を乾拭きすれ
ばよい。
下の範囲で任意に設定できるが、静電的電子写真特性、
画像の均質性の観点から0.5μm以下の膜厚が好まし
い。本発明の電子写真感光体においては感光層の表面処
理或いは保護層以外の材料、構成は従来と同じものが使
用できる。また、電子写真装置に完全フッ素化油を潤滑
剤として感光体表面に塗布する潤滑剤供給機構を設ける
ことによっても感光層の表面に完全フッ素化油を保持さ
せることができる。
3Ωcm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウ
ム、ニッケル、クロム、銅、銀、金、白金などの金属、
酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着ま
たはスパッタリングによりフィルム状もしくは円筒状の
プラスチックまたは紙などに被覆したもの、あるいはア
ルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス
などの板およびそれらをD.I.、I.I.、押し出し、引き
抜き等の工法で素管化したのち切削、超仕上げ、研磨等
で表面処理した管などを使用することができる。
的にはAl蒸着PETフィルム或いはNi電鋳ベルト等を用
いた場合、時として感光層にクラックが入ることがあ
る。これは感光層表面へのコンタミ物質の付着、屈曲に
よる機械的疲労、繰り返し帯電による電気的疲労等が原
因である。しかしながら、本発明に係わる感光層表面に
完全フッ素化油を保持させた場合には耐クラック性が飛
躍的に向上し、ベルト感光体の耐久性を著しく向上させ
ることが出来る。感光層は、単層型の感光層、あるいは
電荷発生物質を含有する電荷発生層および電荷輸送物質
を含有する電荷輸送層を積層した積層型の感光層のいず
れでもよい。以下に、先ず積層型の感光層について説明
する。
る層であり、必要に応じてバインダー樹脂が用いられ
る。電荷発生物質としては、無機系材料あるいは有機系
材料のいずれも用いることができる。無機系材料として
は、結晶セレン、アモルファスセレン、セレン−テル
ル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素等のセレ
ン化合物やアモルファスシリコンなどが挙げられる。ア
モルファスシリコンにおいては、ダングリングボンドを
水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホ
ウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に使用さ
れる。
用いることが出来る。例えば、金属フタロシアニン、無
金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズ
レニウム塩顔料、スクエアリツク酸メチン顔料、カルバ
ゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格
を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ
顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フル
オレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格
を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペ
リレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔
料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフ
ェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系
顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系
顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられ
る。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混
合物として用いることができる。
しては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポ
リケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマー
ル、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられ
る。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の
混合物として用いることができる。
輸送物質を添加してもよい。電荷発生層を形成する方法
としては、大別すると、真空薄膜作製法と溶液分散系か
らのキャスティング法とが挙げられる。真空薄膜作製法
としては、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレ
ーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリン
グ法、CVD法などが挙げられ、上述した無機系材料あ
るいは有機系材料を用いて電荷発生層が良好に形成でき
る。また、キャスティング法によって電荷発生層を形成
するには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質
を必要に応じてバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラ
ン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、
ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、
サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して
塗布し乾燥させればよい。塗布方法としては、浸漬塗工
法、スプレーコート法、ビードコート法などを用いるこ
とができる。このようにして形成される電荷発生層の膜
厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、特に0.0
5〜2μmが好ましい。
なる層であり、電荷輸送物質および必要に応じてバイン
ダー樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、トルエン、モノクロルベンゼン、ジクロル
エタン、塩化メチレン、シクロヘキサノンなどに溶解あ
るいは分散し、その溶液あるいは分散液を塗布し乾燥さ
せることにより形成することができる。また、電荷輸送
層には、必要により、可塑剤、レベリング剤などを添加
することもできる。
送物質とがあり、電子輸送物質としては、例えば、クロ
ルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テト
ラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−
フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサント
ン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,
8−トリニトロ−4H−インデノ[1,2−b]チオフ
ェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオ
フェン−5,5−ジオキサイド、3,5−ジメチル−
3′,5′−ジターシヤリーブチル−4,4′−ジフェ
ノキノンなどの公知の電子受容性物質が挙げられる。こ
れらの電子輸送物質は単独または2種以上の混合物とし
て用いることができる。
ル誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導
体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルア
ミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジ
ベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラ
セン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α
−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリ
アゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導
体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、
チオフェン誘導体などが挙げられ、これらの正孔輸送物
質は単独または2種以上の混合物として用いることがで
きる。
しては、ポリカーボネート(ビスフェノ−ルAタイプ、
ビスフェノ−ルZタイプ、その他)、ポリエステル、メ
タクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノ−ル樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキ
ッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール、
ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリア
クリレート、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂など
が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、単独または
2種以上の混合物として用いることが出来る。
ー樹脂としての機能および電荷輸送物質としての機能を
有する高分子電荷輸送物質を用いることもできる。この
ような高分子電荷輸送物質としては、次のものが例示で
きる。 (a)主鎖および/または側鎖にカルバゾール環を有す
る重合体(例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特
開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号
公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−18
3719号公報に記載の化合物など) (b)主鎖および/または側鎖にヒドラゾン構造を有す
る重合体(例えば、特開昭57−78402号公報、特
開平3−50555号公報に記載の化合物など) (c)ポリシリレン重合体(例えば、特開昭63−28
5552号公報、特開5−19497号公報、特開平5
−70595号公報に記載の化合物など) (d)主鎖および/または側鎖に第3級アミン構造を有
する重合体(例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニ
ル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−13061
号公報、特開平1−19049号公報、特開平1−17
28号公報、特開平1−105260号公報、特開平2
−167335号公報、特開平5−66598号公報、
特開平5−40350号公報に記載の化合物など) (e)その他の重合体(例えば、ニトロピレンのホルム
アルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、
特開昭56−150749号公報に記載の化合物など) さらに、上記重合体だけでなく、公知の単量体の共重合
体、ブロック重合体、グラフト重合体、またはスターポ
リマー、あるいは、例えば特開平3−109406号公
報に開示されているような電子供与性基を有する架橋重
合体などを用いることも可能である。バインダー樹脂の
使用量は、電荷輸送物質100重量部に対して0〜15
0重量部が適当である。
ては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど
一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのま
ま使用でき、その使用量はバインダー樹脂に対して0〜
30重量%程度が適当である。 また、レベリング剤と
しては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシ
リコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパ
ーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴ
マーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂に対し
て0〜1重量%程度が適当である。電荷輸送層の厚さ
は、5〜100μm程度が適当である。また、積層型の
感光層としては、無機光導電性物質層を2層以上積層し
たものでもよい。
単層型の無機感光層は、前記したアモルファスセレン、
セレン合金、アモルファスシリコンなどを、真空蒸着
法、グロー放電分解法、イオンプレーテイング法、スパ
ッタリング法、反応性スパツタリング法、CVD法等の
真空薄膜形成法で形成することができる。
場合、多くは電荷発生物質と電荷輸送物質よりなるもの
が挙げられる。電荷発生物質および電荷輸送物質として
は、前記の材料を用いることができる。このような単層
型の感光層を形成するには、電荷発生物質、電荷輸送物
質およびバインダー樹脂を適当な溶剤、例えばテトラヒ
ドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロ
エタン、ブタノンなどの溶剤にボールミル、アトライタ
ー、サンドミルなどにより溶解ないし分散させ、これを
適度に希釈して塗布し乾燥させればよい。
ードコート法などを用いて行なうことができる。バイン
ダー樹脂としては、電荷輸送層のバインダー樹脂として
例示したバインダー樹脂をそのまま用いることができ、
また電荷発生層のバインダー樹脂として例示したバイン
ダー樹脂と混合して用いてもよい。単層型の感光層に
は、必要により可塑剤やレべリング剤などを添加するこ
ともできる。また、ピリリウム系染料およびビスフェノ
ールA系ポリカーボネートから形成される共晶錯体に、
電荷輸送物質を添加した単層型の感光層も、適当な溶媒
を用い上記と同様な塗工法により形成することができ
る。単層型の感光層の膜厚は、5〜100μm程度が適
当である。
性支持体と電荷発生層との間に中間層を設けることがで
きる。中間層は、接着性を向上させる目的などで設けら
れ、その材料としてはSiO2、A12O3、シランカップ
リング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング
剤などの無機材料やポリアミド樹脂、アルコール可溶性
ポリアミド樹脂、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルブチラール、PVAなどの接着性のよいバインダー
樹脂などが使用される。その他、上記接着性のよいバイ
ンダー樹脂に、ZnO、TiO2、ZnSなどを分散し
たものも使用することができる。中間層の形成法として
は、無機材料単独の場合はスパッタリング、蒸着などの
方法が、また有機材料を用いた場合は、通常の塗布法が
採用される。なお、中間層の厚さは5μm以下が適当で
ある。
は、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度の低下、残
留電位の上昇を防止する目的で酸化防止剤を添加するこ
とができる。酸化防止剤は有機物を含む層ならばいずれ
の層に添加してもよいが、電荷輸送物質を含む層に添加
することにより特に良好な効果を得ることができる。
−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシア
ニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノ
ール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのモノフェ
ノール系化合物、2,2′−メチレン−ビス−(4−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレ
ン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス−(3−
メチル−6−t−ブチルフェノール)などのビスフェノ
ール系化合物、1,1,3−トリス−(2−メチル−4
−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テ
トラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブ
チル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メ
タン、ビス[3,3′−ビス(4′−ヒドロキシ−3′
−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコー
ルエステル、トコフェロール類などの高分子フェノール
系化合物、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フ
ェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p
−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブ
チル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−イソプ
ロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジメチル
−N,N′−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン
などのパラフェニレンジアミン類、2,5−ジ−t−オ
クチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキ
ノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5
−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチ
ルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−
メチルハイドロキノンなどのハイドロキノン類、ジラウ
リル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル
−3,3′−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−
3,3′−チオジプロピオネートなどの有機硫黄化合物
類、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)
ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、ト
リクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノ
キシ)ホスフインなどの有機燐化合物類が挙げられる。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸
化防止剤として知られており、市販品として容易に入手
できる。酸化防止剤の添加量としては、電荷輸送物質1
00重量部に対して0.1〜100重量部が好ましく、
特に2〜30重量部が好ましい。
る。本発明に係わる電子写真装置は従来公知の電子写真
装置が適用できるが、中でも電子写真感光体上のトナー
像を一度中間転写体へ一次転写し、ついで、紙等の転写
体に二次転写する方式が好適である。この場合、4角形
黒ベタ画像の四隅が転写されない異常画像(=虫食い画
像)を著しく良好に低減できる。
構造の一例を示す。複写機本体101 のほぼ中央部に配置
された像担持体としての直径(φ)60mmの有機感光体
(OPC)ドラム102 の周囲には、該感光体ドラム102
の表面を帯電する帯電チャージャー103 、一様に帯電さ
れた感光体ドラム102 の表面上に半導体レーザ光を照射
して静電潜像を形成するレーザ光学系104 、静電潜像に
各色トナーを供給して現像し、各色毎にトナー像を得る
黒現像装置105 及びイエロー(Y),マゼンダ(M),
シアン(C)の3つのカラー現像装置106,107,108 、
感光体ドラム102 上に形成された各色毎のトナー像を順
次転写する中間転写ベルト109 、上記中間転写ベルト10
9に転写電圧を印加するバイアスローラ110、転写後の感
光体ドラム102 の表面に残留するトナーを除去するクリ
ーニング装置111 、転写後の感光体ドラム102 の表面に
残留する電荷を除去する除電部112などが順次配列され
ている。また、上記中間転写ベルト109 には、転写され
たトナー像を転写材に転写する電圧を印加するための転
写バイアスローラ113 及び転写材に転写後に残留したト
ナー像をクリーニングするためのベルトクリーニング装
置114 が配設されている。
転写材を搬送する搬送ベルト115 の出口側端部には、ト
ナー像を加熱及び加圧して定着させる定着装置116 が配
置されていると共に、この定着装置116 の出口部には、
排紙トレイ117 が取り付けられている。更に上記レーザ
光学系104 の上部には、複写機本体101 の上部に配置さ
れた原稿載置台としてのコンタクトガラス118 、このコ
ンタクトガラス118 上の原稿に走査光を照射する露光ラ
ンプ119 、原稿からの反射光を反射ミラー121によって
結像レンズ122 に導き、光電変換素子であるCCD(Ch
arge Coupled Device)からなるイメージセンサアレイ12
3 に入光させ電気信号に変換するる読取光学系等が配設
されている。そして、CCDからなるイメージセンサア
レイ123で電気信号に変換された画像信号は、図示しな
い画像処理装置を経て、前記レーザ光学系104 中の半導
体レーザのレーザ発振を制御する。
用した電子写真装置の要部を示す図である。図2を参照
して説明すると、帯電工程(A)では、暗中において、
(−)のコロナ放電により、OPCベルト11は(−)
に帯電される。またグリッドによりOPCベルト上の電
位は一定に保たれる。露光工程(B)では、画像部(黒
部)に対応してレーザダイオードが発光し、(−)電位
を消去する。現像工程(C)では、摩擦宿電により−に
帯電したトナーに(−)バイアスを加え、OPCベルト
上の−電荷のない部分(画像部)にトナーを押し込むこ
とにより可視像を形成する。転写・分離工程(D)で
は、OPCベルトと密着したペーパーの裏面から(+)
電荷を与えることにより、画像部の(−)に帯電したト
ナーをペーパーに転写し、また、加圧ローラ(φ16)
の曲率によりペーパーが分離される。分離されたペーパ
ーは、搬送ガイド板により除電される。クリーニング工
程(E)では、OPCベルト上に残ったトナーを、クリ
ーニングブレード14で掻き落す。除電工程(F)で
は、クリーニング後、OPCベルトの残留電位を消去す
るため、全面露光を行い次のコピーに備える。
に完全フッ素化油を含浸又は塗布によって保持させた電
子写真感光体を使用することによって、感光体表面の摩
擦係数が著しく低減することができる。
素化油を潤滑剤として感光体表面に塗布する潤滑剤供給
機構を設けることによって感光層の表面に完全フッ素化
油を保持させるようにした電子写真装置を図に基づいて
説明する。
部を示したものである。同図に示すように、像担持体と
しての感光体2の周りには、帯電ローラ4、露光ユニッ
ト6、現像ユニット8、転写ユニット10、潤滑剤供給
機構12、クリーニングブレード14、除電器16等が
配置されており、感光体2の矢印方向の回転に伴って、
帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電等の各作
像プロセスが実行されるようになっている。露光ユニッ
ト6による露光によって、感光体2上には目的画像の静
電潜像が形勢され、この静電潜像は現像ユニット8によ
ってトナー像に可視像化される。その後、トナー像は、
レジストローラ対18,18によって所定のタイミング
で送られる用紙Pに転写ユニット10により転写され
る。トナー像を転写された用紙Pは、図示しない定着装
置に送られ、ここでトナー像は熱と圧力により用紙Pに
永久画像として定着される。感光体2上に残留したトナ
ーはクリーニングブレード14によって掻き落とされ、
残留電荷は除電器16によって除去される。
れたケース20と、このケース20内に収容された潤滑
剤22と、潤滑剤22に接触して潤滑剤22を受け取る
供給ローラ24と、供給ローラ24に付着した潤滑剤2
2を奪い取って感光体2の表面に供給する供給ブラシ2
6とから主に構成されている。図では潤滑剤22は直方
体状に保持されており、供給ローラ24及び供給ブラシ
26は感光体2の軸方向に延びる形状を有している。潤
滑剤22は、そのほぼ全てを使い切れるように、スポン
ジ材等に含浸させて供給ローラ24に対してバネ28で
付勢されていてもかまわない。この場合、潤滑剤22は
消耗品であるため経時的にその厚みが減少するが、バネ
28で加圧されているために常時供給ローラ24に当接
する。
らず、図4に示すように、供給ローラ24を省いた構成
としてももちろん構わない。また、潤滑剤供給対象部材
である像担持体としては、感光体2に限らず、中間転写
ベルトであってもよい。この例を図5に示す。
る。感光体30の周りには色の異なる4つの現像ユニッ
ト32,34,36,38が設けられており、各色のト
ナー像はそれぞれ像担持体としての中間転写ベルト40
上に重ね合わせられて転写され、レジストローラ対4
2,42によって所定のタイミングで送られる用紙Pに
転写ベルト44により一括転写される。図示しないが、
中間転写ベルト40上に残留したトナーをクリーニング
するクリーニングブレードが設けられており、かかる構
成においても磨耗による同様の問題が生じる。これに対
処すべく、潤滑剤供給機構が設けられている。
光体2)の静止摩擦係数のレベルを、オイラーベルト方
式にて測定されたデータをもって説明する。この場合、
ベルトとして中厚の上質紙を紙すきが長手方向になるよ
うにして感光体2のドラム円周1/4に張架し、ベルト
の一方に例えば100gの荷重を掛け、他方にフォース
ゲージを設置してフォースゲージを引っ張り、ベルトが
移動した時点での荷重を読み取って以下の式にて算出す
る。 μs=2/π×ln(F/w) 但し、μs:静止摩擦係数、F:測定値、w:荷重
耗に関しての観点から、オイラーベルト方式にて、0.
2以下で効果が得られることが判った。よって本発明に
おいては、感光体2の静止摩擦係数を0.2以下に低下
させることを目標としており、その実現策の一例が上記
潤滑剤供給機構2の構成である。但し、常に0.2以下
を維持するだけでなく、ある程度の摩耗量をコントロー
ルする場合には、任意の時間一過性的に0.2を超える
ことがあってもよい。また摩耗に関してさらに効果の高
い領域として0.1近傍にもコントロールすることがで
きる。この場合摩耗量に関してはさらに少なくなること
が実験的に確認されている。
2とクリーニングブレード14間の摩擦による磨耗が主
原因である。そこで、感光体2の表面に潤滑剤22を供
給する訳であるが、潤滑剤供給機構12を簡便化するに
は潤滑剤22を感光体2に直接接触させることが望まし
い。その場合、潤滑剤が感光体2に移着し易いかどうか
が問題となる。完全フッ素化油はその特性上、摺動する
相手部材への移着が起こり易いため、感光体2などの回
転・駆動部材への潤滑剤として適している。
ラ24及び供給ブラシ26を介した間接方式としたが、
感光体2に直接接触させる構成とすることもできる。ま
た、完全フッ素化油が感光体に移行した後、余剰の完全
フッ素化油を乾拭きローラ(図示せず)等でふき取って
も構わない。この場合でも感光体表面は極薄層の完全フ
ッ素化油で被覆されており、表面摩擦係数の低減、耐摩
耗性の向上、耐汚染性の向上、耐ガス性の向上、感光体
摺擦時(クリーニング時)異音の低減等の効果は確保で
きる。さらに、図ではクリーニング工程の前に完全フッ
素化油の塗布機構が設けられているが、クリーニング工
程の後に供給機構が設けられていても、完全フッ素化油
は簡単には除去されないため、十分な効果が有られる。
動作例であり、ユニット構成、動作機構等はこれに限定
されない。たとえば、図6のような例で、完全フッ素化
油供給ローラ51がまず電子写真感光体に当接して完全
フッ素化油を連続的に塗布し、所定の時間の後、余剰フ
ッ素化油除去ローラ52が電子写真感光体に当接して過
剰の完全フッ素化油を除去してもかまわない。この場
合、完全フッ素化油の電子写真感光体内部への拡散及び
自然乾燥が進行し、本発明の目的からは好ましい。
ンテナンス方法について説明する。本発明のメンテナン
ス方法は電子写真装置内で繰り返し使用され、表面状態
が劣化した電子写真感光体のリフレッシュを目的として
おり、繰り返し使用した電子写真感光体の表面に完全フ
ッ素化油と界面活性剤とを塗布、乾燥、乾拭きを施す事
により目的は達成される。完全フッ素化油の供給方法と
しては電子写真装置内から電子写真感光体もしくは感光
体を含むユニットを取り外し、電子写真感光体の表面全
面に布等を用いて完全フッ素化油を塗布または擦り付け
ればよい。塗布した完全フッ素化油の乾燥方法としては
ドライヤー等を利用して加熱乾燥を施してもかまわない
が、通常は自然乾燥のみで問題ない。完全フッ素化油の
乾拭きは布等を利用して、塗布した過剰な完全フッ素化
油を拭き取る事で達成できる。
発明はこれにより限定されるものではない。なお、ここ
での「部」は重量基準である。
40mmのアルミニウムドラム上に、下記組成の下引き
層塗工液、電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を順
次、浸漬塗工、乾燥してそれぞれ2.0μm厚の下引き
層、0.2μm厚の電荷発生層、30μm厚の電荷輸送
層を形成し、アルミドラム上に光導電層までが形成され
た電子写真感光体を10本作成した。
器内に密閉し、0.01Torrまで真空引きした後、
容器内のボートを70#Cに加熱し、ボート上へ一般式
(I)で表される完全フッ素化油(平均分子量400
0)を流し込み、20分間保持した後、窒素ガスを用い
て9Kg/cm2で1時間の加圧含浸を行った。このと
きの含浸率は感光層全重量に対して2wt%であった。以
上のように感光層表面から完全フッ素化油が含浸した電
子写真感光体を得た。
形成された電子写真感光体1本を準備した。次に、一般
式(I)で表される完全フッ素化油(平均分子量200
0)をn−ヘプタン、水でエマルジョン化した溶液を電
子写真感光体の感光層表面から塗布し、自然乾燥後余剰
成分を乾いた布で拭き取り、表面に完全フッ素化油が保
持された電子写真感光体を得た。このときの処理層厚み
は300Åであった。
を8000とした他は実施例2と同様にして電子写真感
光体を得た。
電鋳ベルトに替えた他は実施例2と全く同様にして電子
写真感光体を得た。
形成された電子写真感光体1本を準備した。この感光層
の表面には何ら処理を施さず、比較例1のサンプルとし
た。
形成された電子写真感光体1本を準備した。次に、末端
にイソシアネート基を有するパーフロロポリエーテル
(モンテフルオス社製フォンブリンZ−DISOC分子量3
000の0.5重量フレオン溶液を浸漬塗布によって塗
布し、乾燥して電子写真感光体を得た。このときの処理
層厚みは200Åであった。
形成された電子写真感光体1本を準備した。次に下記組
成の保護層形成液を調合し感光層上に浸漬塗布して、1
00#C1時間の前段熱処理、200#Cの後段熱処理を施
して保護層を有する電子写真感光体を得た。保護層形成液処方 メチルエチルケトン 1260 部 エポキシ樹脂 91.5部 P−ビニルフェノール重合体 148.5部 トリエチルアンモニウムカリボール塩 0.92部 シランカップリング剤処理αアルミナ 240部 下記構造式(IV)のフッ素系潤滑剤
電鋳ベルトに替えた他は比較例1と全く同様にして、感
光層表面に何ら処理を施さない電子写真感光体を得た。
電鋳ベルトに替えた他は比較例3全く同様にして、電子
写真感光体を得た。
mのアルミニウムドラム上に、下記組成の下引き層塗工
液、電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を順次、浸漬
塗工、乾燥してそれぞれ3.0μm厚の下引き層、0.
2μm厚の電荷発生層、30μm厚の電荷輸送層を形成
し、アルミドラム上に光導電層までが形成された電子写
真感光体を10本作成した。下引層塗工液 アルキッド樹脂 6部 メラミン樹脂 6 部 酸化チタン 13.5部 メチルエチルケトン 180部電荷発生層塗工液 下記構造式(V)の電荷発生材料 3部 ポリビニルホルマール樹脂 1部 シクロヘキサノン 250部 シクロヘキサン 50部
子写真感光体1本を準備した。この感光体を含浸装置の
容器内に密閉し、0.01Torrまで真空引きした
後、容器内のボートを70#Cに加熱し、ボート上へ一般
式(I)で表される完全フッ素化油(平均分子量800
0)を流し込み、30分間保持した後、窒素ガスを用い
て9Kg/cm2で1時間の加圧含浸を行った。このと
きの含浸率は感光層全重量に対して2wt%であった。以
上のように感光層表面から完全フッ素化油が含浸した電
子写真感光体を得た。
形成された電子写真感光体1本を準備した。次に、一般
式(I)で表される完全フッ素化油(平均分子量450
0)をn−ヘプタン、水でエマルジョン化した溶液を電
子写真感光体の感光層表面から塗布し、自然乾燥後余剰
成分を乾いた布で拭き取り、表面に完全フッ素化油が保
持された電子写真感光体を得た。このときの処理層厚み
は400Åであった。
を8000とした他は実施例6と同様にして電子写真感
光体を得た。
電鋳ベルトに替えた他は実施例6と全く同様にして電子
写真感光体を得た。
形成された電子写真感光体1本を準備した。この感光層
の表面には何ら処理を施さず、比較例1のサンプルとし
た。
形成された電子写真感光体1本を準備した。次に、末端
にイソシアネート基を有するパーフロロポリエーテル
(モンテフルオス社製フォンブリンZ−DISOC分子量3
000の0.5重量フレオン溶液を浸漬塗布によって塗
布し、乾燥して電子写真感光体を得た。このときの処理
層厚みは200Åであった。
形成された電子写真感光体1本を準備した。次に下記組
成の保護層形成液を調合し感光層上に浸漬塗布して、1
00#C1時間の前段熱処理、200#Cの後段熱処理を施
して保護層を有する電子写真感光体を得た。 保護層形成液処方 メチルエチルケトン 1260 部 エポキシ樹脂 91.5部 P−ビニルフェノール重合体 148.5部 トリエチルアンモニウムカリボール塩 0.92部 シランカップリング剤処理αアルミナ 240 部 比較例3で使用した構造式(IV)のフッ素系潤滑剤
電鋳ベルトに替えた他は比較例6と全く同様にして、感
光層表面に何ら処理を施さない電子写真感光体を得た。
i電鋳ベルトに替えた他は比較例8全く同様にして、電
子写真感光体を得た。
比較例1〜10の電子写真感光体に対して、以下のよう
な評価項目、評価方法にて試験を行った。
の電子写真装置に組み込み、フルカラーで20000枚
の複写テストを実施し、テスト前後の感光層膜厚を測定
し、摩耗膜厚を得た。
タ画像を印刷し、4角頂点近傍の虫食い白抜け画像の有
無を評価した。
環境に調湿し、画像のシャープ性、を確認した。
生の有無を調査した。 耐汚染性評価 上記試験に次いで、電子写真感光体を取り出し、感光体
の表面10カ所にメンディングテープの粘着剤をφ5程
度の大きさで付着させ、再び、図−1の電子写真装置内
に組み込み、白黒画像で100枚のの複写テストを実施
し、100枚複写後に、感光体表面上の粘着剤残存数を
調べた。
ニアガス30ppm中に5日間保存した。再度、図−1
の電子写真装置内に感光体を組み込み、アンモニアガス
暴露前後の感光体表面電位の変化量(帯電電位変化量:
△Vd、露光後電位変化量:△Vl)を測定した。
を付着させ図−10の作像プロセスを有する電子写真装
置に組み込み、10K回転の感光体ベルト駆動試験を実
施し、駆動試験後に、感光体上のクラック発生の有無を
評価した。
αアルミナを熱硬化性樹脂に含有させた保護層を有する
電子写真感光体に匹敵する耐摩耗性を有し、フルカラー
2万枚程度の作像試験では全く摩耗しないことが分かっ
た。
は、画像品質とりわけベタ画像端部に発生する虫食い画
像の防止効果に優れることがわかる。
プルは20000枚複写後の高温高湿化の作像試験では解像
度低下、画像流れを発生するが、本発明に係わる電子写
真感光体は20000枚複写後の高温高湿化の作像試験でも
初期と全く変わらず非常に良好な解像力を示し、画像流
れに対しても有利であることが分かる。
はクリーニング特性が良好で、クリーニング不良、トナ
ーフィルミングが発生しにくい感光体であることが分か
る。
ア等のコンタミガスに対する耐ガス性が向上し、実際の
市場においても信頼性が高い電子写真感光体であること
が分かる。
性支持体を有する電子写真感光体に適用した場合、耐ク
ラック性において著しい効果を発揮することが分かる。
帯電器を接触帯電ローラ方式のものに変更し、帯電ロー
ラに、直流電圧1Kvolt、交流電圧のピーク間電圧2K
voltが印加されるように改造して、実施例1及び実施例
5で得られた電子写真感光体を組み込み50000枚の複写
試験を行ったが、交流電圧重畳に起因する感光体の異音
の発生は全くなかった。
22を、一般式(I)の完全フッ素化油(平均分子量3
000)として電子写真装置を形成し、50000枚の
複写試験を行った。その結果、感光層の摩耗はほとんど
なく、画像は初期から50000枚後まで非常に良好で
あった。
剤22を一般式(II)の完全フッ素化油(平均分子量5
000)として、電子写真装置を形成し、50000枚
の複写試験を実施した。その結果、中間転写体の摩耗は
全くなく、初期から50000枚作像後まで、非常に良
好な画像品質を示した。また、5×5cmのベタ画像の
角部分に通常発生する虫食い画像も全く見られず、50
000枚の作像後も中間転写ベルト上にはクラックの発
生は全くなく、完全フッ素化油を塗布することの効果が
確認できた。
フッ素化油供給ローラ51に一般式(I)で表される完
全フッ素化油(分子量2000)を供給し、電子写真装
置とした。この装置で50000枚の作像試験を実施
し、試験前後の感光体の帯電電位、露光後電位を調査し
た。通常、感光体の表面に完全フッ素化油を供給しない
ものは試験の前後で50Volt程度の電位変化を示すが、
本試験においては、帯電電位、露光後電位共に、試験の
前後で殆ど電位変化がなかった。これは感光体の表面が
常に完全フッ素化油で被覆されているため、感光体の耐
ガス特性が著しく向上しためと考えられる。
ッ素原子、酸素原子からなる完全フッ素化油を保持させ
ることにより、次の効果を奏する。 (1)感光体表面の摩擦係数を著しく低減出来、耐摩耗
性の向上した電子写真感光体が得られる。 (2)トナーその他異物の離型性が向上し、また、耐汚
染性が優れた電子写真感光体が得られる。 (3)電子写真感光体のポーラスな表面層中に完全フッ
素化油が進入するため、オゾン、NOx、アンモニア等の
ガスが感光層中へ進入できなくなり電子写真感光体内部
へのガス透過量を低減することができ、耐ガス性が向上
し、電気特性の安定化が図れる。 (4)感光体に当接するクリーニングブレード、接触帯
電器等との共鳴音の発生を低減した電子写真感光体が得
られる。 (5)可撓性ベルト状感光体の耐クラック性を飛躍的に
向上できる。 (6)中間転写体を利用した電子写真装置内での虫食い
画像を低減出来る
面図である。
写真装置の一例を示す概略図である。
概略図である。
素化油塗布手段を適用した一例を示す電子写真装置の概
略図である。
写真装置の他の例を示す概略図である。
Claims (14)
- 【請求項1】導電性支持体上に少なくとも感光層を形成
した電子写真感光体であって、感光層の表面に炭素原
子、フッ素原子、酸素原子からなる完全フッ素化油を保
持したことを特徴とする電子写真感光体。 - 【請求項2】 導電性支持体上に少なくとも感光層と保
護層とを順次積層した電子写真感光体であって、該保護
層中に炭素原子、フッ素原子、酸素原子からなる完全フ
ッ素化油を含有したことを特徴とする電子写真感光体。 - 【請求項3】 前記完全フッ素化油が下記一般式(I)
で表される完全フッ素化油である請求項1または2に記
載の電子写真感光体。 【化1】 - 【請求項4】 前記完全フッ素化油が下記一般式(II)
で表される完全フッ素化油である請求項1または2に記
載の電子写真感光体。 【化2】 - 【請求項5】 前記導電性支持体が可撓性のベルト状導
電性支持体である請求項1〜4項のいずれかに記載の電
子写真感光体。 - 【請求項6】 少なくとも電子写真感光体と中間転写体
とを有する電子写真装置であって、電子写真感光体が請
求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体である電
子写真装置。 - 【請求項7】 導電性支持体上に少なくとも感光層を形
成した電子写真感光体の製造方法であって、電子写真感
光体の最表面に、炭素原子、フッ素原子、酸素原子から
なる完全フッ素化油を塗布した後に、乾拭きを施すこと
を特徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 【請求項8】 導電性支持体上に少なくとも感光層を形
成した電子写真感光体の製造方法であって、電子写真感
光体の最表面に、炭素原子、フッ素原子、酸素原子から
なる完全フッ素化油を、少なくとも真空ポンプを具備し
た容器内で含浸させることを特徴とする電子写真感光体
の製造方法。 - 【請求項9】 電子写真装置内でくり返し使用された電
子写真感光体の表面に完全フッ素化油を塗布、乾燥後、
乾拭きを施す電子写真感光体のメンテナンス方法。 - 【請求項10】 電子写真感光体の表面に潤滑剤を供給
する手段を有する電子写真装置において、上記潤滑剤
は、炭素原子、フッ素原子、酸素原子からなる完全フッ
素化油であることを特徴とする電子写真装置。 - 【請求項11】 電子写真感光体がベルト状であること
を特徴とする請求項10記載の電子写真装置。 - 【請求項12】 少なくとも電子写真感光体と中間転写
体とを有し、該中間転写体の表面に潤滑剤を供給する手
段を有する電子写真装置において、上記潤滑剤が、炭素
原子、フッ素原子、酸素原子からなる完全フッ素化油で
あることを特徴とする電子写真装置。 - 【請求項13】 前記完全フッ素化油が下記一般式
(I)で表される完全フッ素化油であることを特徴とす
る請求項10〜12のいずれかに記載の電子写真装置。 【化3】 - 【請求項14】 前記完全フッ素化油が下記一般式(I
I)で表される完全フッ素化油であることを特徴とする
請求項10〜12のいずれかに記載の電子写真装置。 【化4】
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