JP4073021B2 - 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、電子写真複写機、レーザープリンター、ファクシミリ等に広く適用できる電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置および画像形成装置用プロセスカートリッジに関する。
複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ等に応用されている電子写真感光体を用いた電子写真方式とは、例えばコロナ放電等によって電子写真感光体(以後、感光体ともいう)表面を暗所で帯電させ、次いで画像露光して感光体上に静電潜像を形成し、現像部において、その静電潜像を現像剤にて可視化させ、その可視像を転写材へ転写、定着して画像を形成する。そして、転写後に感光体上に残存した現像剤は、種々のクリーニング工程を経て感光体上から除去され、再び感光体上に静電潜像が形成されるというプロセスよりなるものである。
従来、電子写真方式に用いられる電子写真感光体の光導電体として、種々の無機及び有機光導電体が知られているが、一般に、有機の光導電体を用いた有機感光体はセレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電体に比べ、感光波長域の自由度、成膜性、可撓性、膜の透明性、量産性、毒性やコスト面等において利点を持つため、現在では有機感光体が主流となっている。
近年、電子写真感光体の高耐久化に対する期待が高まる中、適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気特性、光学特性を備えていることは勿論、耐久性に優れ、高品質な画像を長期にわたって維持することが重要な技術課題となっている。
電子写真感光体の耐久性は、感光体表面の摩耗や創傷などの機械的負荷に対する耐久性と繰り返し使用による残留電位の蓄積や帯電性低下などの静電特性上の耐久性に左右される(例えば、特許文献1,2参照。)。また、これらの耐久性以外に、感光体表面上の汚染による画像ボケの発生や感光体表面上のトナーのフィルミングなども感光体寿命を左右する因子となる。
これまで感光体の高耐久化に対し、特に感光体表層の特性を改善することを目的として、多くの提案がなされてきた。
電子写真方式における帯電方式は、コロナ放電によるものがほとんどであり、多くの複写機、プリンター等ではこの方式が採用されているため、繰り返し使用される電子写真感光体においては、このコロナ放電に起因する問題、すなわち帯電時に生ずるオゾン、窒素酸化物等によって引き起こされる化学的劣化の問題が伴う。これらは、長時間使用することでバインダー樹脂及び電荷移動物質の酸化劣化や、帯電時に生成するイオン性化合物、例えば硝酸イオン、硫酸イオン、アンモニウムイオン等が感光体表面に蓄積し、その結果、画像劣化を生ずる。この問題に対し、オゾンフィルター等を備えた装置も提案されているが、コストアップや画像形成装置の大型化の要因になり得る。さらに、感光体表面には、コピー用紙から生ずる紙粉等が付着蓄積することにより引き起こされる高湿環境下での画像流れ等の問題もある。そこで、従来これらの問題を解消すべく、バインダー樹脂について種々の検討が行なわれてきた。低分子量のバインダー樹脂を含有させることで適度な摩耗性を付与し、画像劣化の原因となる付着物等を感光体表面の摩耗によって除去する技術が開示されている(例えば、特許文献3〜7参照。)。
また、最近では、低分子電荷輸送物質に代わり、電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂の機能とを持った高分子電荷輸送物質を採用することで、感光体表層の耐摩耗性を向上させ、画像品質低下を抑制する技術が特に有効、かつ注目されている(例えば、特許文献8〜13参照。)。
一方、近年、高耐久、高画質、高速化に対するニーズに加え、省スペース化の観点から、さらなる画像形成装置の小型化への要求が強まりつつある中、小型化を実現するために種々の方式が開発・検討されている。
通常、電子写真感光体を用いた画像形成装置は、電子写真感光体の周囲に帯電手段、像露光手段、現像手段、定着手段、クリーニング手段などの画像形成手段が配置されている。このため、画像形成装置の大きさは使用される電子写真感光体の径に依存するところが大きく、画像形成装置の小型化には、電子写真感光体の占有容積を小さくする必要がある。すなわち、ドラム形状を有する電子写真感光体の場合、小径ドラムを使用することで装置内における感光体占有容積を縮小できる。また、有機感光体の特徴であるフレキシビリティーを利用したエンドレスベルト状感光体の場合、複数のローラーを用いて設計することで感光体の配置の自由度が増すことから画像形成装置の小型化が可能となる。
従来の有機感光体に用いられる電荷輸送物質においては、その多くが低分子化合物として開発されており、低分子化合物は単独で成膜性がないため、通常、不活性高分子に分散・混合して用いられる。機能分離型積層感光体の場合、このような低分子電荷輸送物質と不活性高分子から構成される電荷輸送層は一般に摩耗しやすく、電子写真プロセスにおいて繰り返し使用された場合に現像システムやクリーニングシステムによる機械的な感光体表面への負荷により膜削れが生じやすいという耐摩耗性の低さが欠点であった。
従って、前述した感光体表面の化学的劣化や付着物に起因する画像劣化の課題に対し、感光体表面を摩耗によって清浄に保つ技術は、感光体の更なる高耐久化を実現する上では、有効な手段とは言い難い。
一方、感光体の厚膜化により感光体長寿命化を図る技術も検討されている。しかしながら、一般に、電荷キャリアの移動度は電界強度依存性があるため、この厚膜化は電荷キャリアの移動度を低下させてしまう。更に、電荷キャリアの移動距離が長くなるために光応答性が悪くなり、露光から現像までのプロセス時間が短い画像形成装置への搭載は、充分な現像電位が得られず、画像品質を低下させてしまう問題を生ずる。
加えて、感光層が小径ドラム上に形成された場合、感光層の厚膜化により感光層中の内部応力が増大し、その結果、支持体と感光層との接着性が悪くなり剥離やクラックの発生をも引き起こす。
更に、小径ドラムの採用に伴う課題として次のことが挙げられる。
小径ドラムの場合、電子写真プロセスにおける静電潜像の形成周期が短くなるために、連続使用時には、電荷キャリアが感光層中に残ってしまう。その結果、残留電位の上昇や、帯電初期時における表面電位の立ち上がりに遅れを生じ、高速機への搭載を困難なものにしていた。
この問題に対し、低分子電荷移動物質の含有量を増すことで電荷移動度を上げることも可能ではあるが、このとき逆に成膜性や耐摩耗性がさらに劣化してしまう傾向にある。
また、近年、コロナ放電により発生するオゾンに対し、帯電部材を感光体に近接、または接触させて感光体表面を帯電させる接触帯電装置は、電源の低圧化が図れ、オゾン発生量が少ない等の長所を有する反面、従来用いられてきたコロナチャージャーよりも、感光体の摩耗性を非常に高めてしまうことが分かってきた。感光体に接触帯電部材を用いた場合、帯電ムラを防止するため、DC成分にAC成分を重畳する技術が有効であることが知られているが、この際、AC成分の周波数あるいはpeak to peak間の電圧差が大きいほど、感光体への帯電によるストレスが大きくなる。感光体の小径化が進むと、帯電におけるニップ幅が小さくなり、また、感光体線速が大きくなるほど、AC成分の周波数及び/又は上記電圧差を大きくする必要がある。この結果、帯電における感光体表面と帯電部材表面間での繰り返し行われる電子の授受により、例えば、バインダー樹脂の主鎖切断等、感光体表面の化学的劣化が促進され、摩耗量が大きくなってしまう。
このように、小径ドラムを採用した場合、高速プロセスを有する画像形成装置への適用は耐摩耗性及び電気的特性上、満足できるものではない。
一方、低分子分散型感光層の課題は上記の小径ドラムのみならず、ドラム状感光体よりもフレキシブルにレイアウトでき、装置の小型化及び耐久性の向上が期待できるベルト状感光体においても、種々の問題を抱えている。すなわち、ベルト状感光体は画像形成時においてクリーニング手段から受ける摩擦による負荷に加え、ベルト駆動ローラー等と当接する際に発生するローラー部の曲率による応力や駆動時・停止時のテンションによる応力等、ドラム状感光体よりも受ける機械的負荷が大きく、感光層の剥離やクラックの発生による画像欠陥を生じやすい。これらの課題を解決すべく可塑剤の添加によって感光層中の内部応力を緩和させる技術も有効ではあるが、感光層中にはすでに高濃度の低分子電荷輸送物質が含有されているために、これら可塑剤の添加量は極めて制限されたものとなり、その効果は期待できない。更には、この可塑剤の添加によってかえって感光層の摩耗を促進させてしまう。
これに対し、近年、低分子電荷輸送物質に代わり、高分子電荷輸送物質を用いる検討がなされてきた。係る技術は、感光層中に大量の低分子成分を含有させる必要がなくなり、感光層中の樹脂成分比を大きくすることが可能になるため、従来の低分子分散型と比較して、非常に耐摩耗性に優れた感光体を得ることが期待される。
しかしながら、高分子電荷輸送物質を用いた場合においても、耐摩耗性に優れている一方、感光層中の内部応力が大きいために、支持体と感光層との剥離や感光層にクラックが生じやすく、特に小径ドラムやベルト状支持体上に感光層が形成された場合、その傾向が著しい。
特開平8−272126号公報 特開平8−292585号公報 特開昭62−160458号公報 特開平1−206348号公報 特開2000−284509号公報 特開2002−293440号公報 特開2002−296879号公報 特開昭51−73888号公報 特開昭56−150749号公報 特開昭63−285552号公報 特開昭64−1728号公報 特開昭64−13061号公報 特開昭64−19049号公報
従って、上記の従来技術の課題は、近年の複写機、レーザープリンター等の高速・小型化に対し、極めて重要な課題となっていることから、本発明の目的は、長期にわたり優れた耐摩耗性と高画質を維持し、更には、高速・小型化にも対応し得る電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置、及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成するべく検討を重ねた結果、導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質と高分子電荷輸送物質を含有する感光層を有する電子写真感光体において、該高分子電荷輸送物質として、分子量の異なる高分子電荷輸送物質を含有することで耐摩耗性に優れ、長期使用に対しても電位変動がなく、高画質を維持し、かつ、画像形成装置の高速・小型化にも対応し得る電子写真感光体の提供が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記課題は、本発明(1)「導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質と高分子電荷輸送物質を含有する感光層を形成した電子写真感光体において、該感光層が、1.0×10未満の重量平均分子量を有する高分子電荷輸送物質(I)と、1.0×10以上の重量平均分子量を有する高分子電荷輸送物質(II)を含有し、前記高分子電荷輸送物質(I)高分子電荷輸送物質(II)は同一の化学構造単位を有するランダム共重合体であり、且つ該ランダム共重合体が下記式(PD−1)〜(PD−6)で表される化合物から選ばれた1種であることを特徴とする電子写真感光体;
Figure 0004073021

」、
(2)「前記1.0×10未満の重量平均分子量を有する高分子電荷輸送物質(I)が、該高分子電荷輸送物質(I)と前記1.0×10以上の重量平均分子量を有する高分子電荷輸送物質(II)とからなる組成物100重量部に対して、20重量部から40重量部の割合で含有されていることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体」、
)「前記感光層が、直径30mm以下の導電性円筒状支持体上に形成されていることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の電子写真感光体」、
)「前記感光層が、エンドレスベルト上に設けられたことを特徴とする前記第(1)項乃至第()項の何れかに記載の電子写真感光体」、
)「前記感光体が、少なくともフィラーを含有する表面層を有することを特徴とする前記第(1)項乃至第()項の何れかに記載の電子写真感光体」により達成される。
また、上記課題は、本発明の()「少なくとも前記第(1)項乃至第()項の何れかに記載の電子写真感光体と帯電手段、画像露光手段、現像手段、および転写手段を用いることを特徴とする画像形成方法」により達成される。
また、上記課題は、本発明の()「少なくとも前記第(1)項乃至第()項の何れかに記載の電子写真感光体、帯電手段、画像露光手段、現像手段、および転写手段を有することを特徴とする画像形成装置」により達成される。
また、上記課題は、本発明の()「画像形成装置本体に対して、着脱自在に装着し得るプロセスカートリッジであって、前記第(1)項乃至第()項の何れかに記載の電子写真感光体と帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、クリーニング手段の中から選ばれた少なくとも1つの手段とをカートリッジ容器に組み込んで構成したものであることを特徴とするプロセスカートリッジ」により達成される。
また、上記課題は、本発明の()「前記第()項に記載のプロセスカートリッジを装着したことを特徴とする画像形成装置」により達成される。


本発明の電子写真感光体は、感光層に少なくとも電荷発生物質と重量平均分子量の異なる高分子電荷輸送物質を含有することを特徴とするものである。
本発明において、重量平均分子量(Mw):1.0×10未満とそれ以上の高分子輸送物質との混合物とした理由は、従来、感光体の寿命を決定する主な要因の一つに耐摩耗性の低さが挙げられ、高耐久化実現のために、表面層の樹脂に高分子量のものを採用することで耐摩耗性を上げる技術が一般的であった。しかしながら、約1.0×10以上の分子量を有する樹脂を用いたとしても、機械的強度が飽和していく傾向にあり、ある値からは耐摩耗性への効果は期待されないと思われ、逆に製造面における課題、例えば、液粘度が上昇するために塗膜性の不具合等が生じる可能性の方が高くなってしまう。
一般的な画像形成装置に搭載されているφ30感光体を含め、あるいはそれ以上のドラム径の感光体については、上述した重量平均分子量が約1.0×10の高分子電荷輸送物質を用いることで耐摩耗性を付与することが可能と思われるが、本発明は近年、画像形成装置の小型化・高速化が進む中で、小径ドラムまたは小型化に対して自由度の高いベルト状感光体の要求が高まる中、これらの感光体について、耐摩耗特性・支持体からの感光層剥離、クラック発生・電気特性を充分に満たすためには、分子量の高い高分子電荷輸送物質を単独で用いたのでは、不充分であり、機械的強度(耐摩耗性、硬度等)が分子量の増加に伴って増大する重量平均分子量(Mw):1.0×10未満の分子量を同時に含有させることで、電気特性、摩耗特性を大幅に犠牲にすることなく、小径・ベルト状ドラムの感光体が得られると考えられる。
本発明に用いられる高分子電荷輸送物質としては、以下のような公知の材料が使用できる。
(a)カルバゾール環を有する重合体
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の重合体等が例示される。
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体
例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の重合体等が例示される。
(c)ポリシリレン重合体
例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の重合体等が例示される。
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の重合体等が例示される。
(e)その他の重合体
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の重合体等が例示される。
本発明に使用される電子供与性基を有する重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、また、例えば特開平3−109406号公報に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体等を用いることも可能である。
本発明において、とりわけ有効に用いられるトリアリールアミン構造を有する高分子電荷輸送として、例えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−225014号公報、特開平4−230767号公報、特開平4−320420号公報、特開平5−232727号公報、特開平7−56374号公報、特開平9−127713号公報、特開平9−222740号公報、特開平9−265197号公報、特開平9−211877号公報、特開平9−304956号公報等に記載の化合物が例示される。
中でも、本発明に用いられる高分子電荷輸送物質として、トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートが特に有効に用いられ、その理由については次のように考えている。
現在、トリアリールアミン構造を有する物質は、その優れた電荷輸送能から電荷輸送物質として数多く実用化されているものである。また、ポリカーボネート樹脂についても、その機械的特性、可撓性、透明性、成膜性、耐溶剤性等、非常に優れた特性を有していることから感光層を構成するバインダー樹脂として多くの有機感光体に用いられている。したがって、これらの特性を併せ持つトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートは優れた高分子電荷輸送物質であり、本発明の電子写真感光体に用いられる電荷輸送物質として極めて有用である。
しかしながら、単に低分子電荷輸送物質をこれらの高分子電荷輸送物質に変更するだけでは、本発明の画像形成装置に用いられる感光体特性を充分に付与することはできない。
低分子電荷輸送物質をバインダー樹脂中に分散させた電荷輸送層は勿論、前述したように耐摩耗性に対して良好な効果が期待される高分子電荷輸送物質を電荷輸送物質として用いた有機感光体においても、感光体作製時に感光層内部に発生するひずみ応力のために、感光層にクラック等が発生しやすいという欠点を有していた。この傾向は小径化ドラムを使用した場合や、感光体駆動時や画像形成装置の停止時に局部的に強い張力がかかるベルト状感光体を使用した場合に極めて顕著にあらわれる。
すなわち、耐摩耗性に優れ、かつ小径感光体やベルト状感光体において満足し得る感光体特性を実現するためには、感光層を形成する高分子電荷輸送物質の分子量の制御が非常に重要な因子となる。本発明の電子写真感光体においては、異なる重量平均分子量を有する高分子電荷輸送物質を含有する感光層を形成することを発明の特徴とするものである。本発明において用いられる高分子電荷輸送物質は、同一構造を有するものでも、異なる構造を有するものであってもよい。通常、重量平均分子量で2万〜50万が適当であり、好ましくは、5万〜30万の範囲のものが好適に用いられるが、成膜条件等にもよるので、これに限定されるものではない。
このような構成が極めて有効である理由について説明する。
一般的に高分子膜の機械的強度は重合度(分子量)、繰返し構造単位、モルホロジー等と関係するといわれている。含まれる高分子の重量平均分子量が増加するに伴ない、感光層の耐摩耗性や硬度等の機械的強度は向上する傾向にあるが、ある値を超えると大概飽和する。例えば、特開平11−344820号公報には、機械的強度は重量平均分子量10万以上でほぼ一定値となり、飽和することが示されている。又、重量平均分子量の増加は、塗布液の粘度上昇を引き起こし、分子量が50万を超えると均一な塗膜形成が困難になることが示されている。
更に、重量平均分子量が2万未満では、低すぎる塗布液粘度のために必要とする膜厚の制御が困難となる。しかしながら、この重量平均分子量の低下は、耐摩耗性等の機械的強度の低下を引き起こす一方、曲げ弾性や曲げ強度は逆に上昇する傾向にある。
従って、高分子量の高分子電荷輸送物質と、曲げ弾性や曲げ強度に優れた特性を有する比較的分子量の低い高分子電荷輸送物質とを含有させることで、小径ドラムやベルト状支持体上に形成された感光層中の内部応力を緩和させ、クラックや剥離等の問題を解消する。即ち、本発明の構成を採用することで、小径ドラムやベルト状感光体を搭載した高速・小型画像形成装置への実用化が可能となる。
本発明の電子写真感光体を形成する高分子電荷輸送物質は、適用される画像形成装置のプロセス、感光層の膜厚や溶剤等の成膜条件、更に耐摩耗性等の機械的特性に応じて適時選択されるが、1.0×10未満の重量平均分子量を有する高分子電荷輸送物質(I)の少なくとも1種と、1.0×10以上の重量平均分子量を有する高分子電荷輸送物質(II)の少なくとも1種とを特定の比率で含有するものである。その含有比率は、高分子電荷輸送物質(I)が高分子電荷輸送物質(I)と(II)とからなる組成物100重量部に対して、5〜90重量部が適当であり、更に好ましくは10〜50重量部の範囲のものが好適に用いられる。
また、本発明のように、特定範囲の重量平均分子量を有する高分子電荷輸送物質を特定の比率で含有することにより、溶解性がよく、塗布液の粘度調整が容易に行なえ、均一な塗膜形成が可能となることで良好なクリーニング性が付与される。
このように、耐摩耗性に対して優れた特性を示し、更には、小径ドラム感光体やベルト状感光体が有する感光層の剥離やクラックによる画像欠陥の課題をも解決し得る電子写真感光体が提供できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明における分子量の測定は、光散乱法、X線小角散乱法、中性子小角散乱法、沈降平衡法、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法などがあるが、中でもGPCを用いたポリスチレン換算の相対的分子量が簡便な測定法として有用に用いられる。
次に、本発明に用いられる高分子電荷輸送物質について述べる。
高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、上記に述べたように特に、トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートが好ましい。中でも、下記一般式(1)〜(10)式で表される高分子電荷輸送物質が有効に用いられ、これらを以下に例示し、具体例を示す。
Figure 0004073021
[式中、R、R、Rはそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、Rは水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R、Rは置換もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表される2価基を表す。
Figure 0004073021
{式中、R101、R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)または、
Figure 0004073021
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表す。)を表す。ここで、R101とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。}]
Figure 0004073021
(式中、R、Rは置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一または異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
Figure 0004073021
(式中、R、R10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
Figure 0004073021
(式中、R11、R12は置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基、pは1〜5の整数を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
Figure 0004073021
(式中、R13、R14は置換もしくは無置換のアリール基、Ar10、Ar11、Ar12は同一又は異なるアリレン基、X、Xは置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
Figure 0004073021
(式中、R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y、Y、Yは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異なってもよい。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
Figure 0004073021
(式中、R19、R20は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17、Ar18、Ar19は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
Figure 0004073021
(式中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
Figure 0004073021
(式中、R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
Figure 0004073021
(式中、R26、R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29、Ar30、Ar31は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
本発明の電子写真感光体において、感光層に重量平均分子量の異なる高分子電荷輸送物質を用いることにより、極めて高い耐摩耗性を有し、長期にわたって高画質を維持できる。更に、本発明によれば、特に小径ドラム及びベルト状電子写真感光体において優れた効果が得られることから、高速プリント、および省スペース化を実現し得る小型化画像形成装置の提供を可能とする。
以下、本発明の電子写真感光体を図面に沿って詳細に説明する。
説明の都合上、主に積層型感光体について説明するが、本発明は積層型感光体に限定されるものではない。
図1は、本発明において用いられる電子写真感光体の一例を示す断面図であり、導電性支持体(21)上に少なくとも電荷発生物質と高分子電荷輸送物質を含有する感光層(24)が形成されているものである。
図2は、本発明の異なる実施形態を示しており、導電性支持体上(21)上に、電荷発生層(22)と、少なくとも電荷輸送層(23)からなる感光層(24)が形成されたものである。
図3は、別の構成を示す断面図であり、導電性支持体(21)と感光層(24)の間に下引き層(25)が形成されているものである。
図4は、更に別の構成を示す断面図であり、導電性支持体(21)と感光層(24)の間に下引き層(25)が形成され、感光層(24)の上に保護層(26)が形成されているものである。
本発明の構成は、導電性支持体上に、少なくとも電荷発生物質と高分子電荷輸送物質を含有する感光層を有していれば、上記に示す層等が任意に組み合わされていても構わない。
以下、更に詳細に説明する。
導電性支持体(21)としては、体積抵抗1×1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、または、上記金属の電鋳法等の方法で作成されたシームレス状エンドレスベルト、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。エンドレスベルト状感光体の支持体としては、上記の導電性処理をしたフィルムや上記金属の電鋳法等の方法で、作成されたシームレス状エンドレスベルトを導電性支持体(21)として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体(21)として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂とを適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体(21)として良好に用いることができる。
次に、感光層(24)について説明する。本発明における感光層(24)は積層構成でも単層構成でもよいが、ここでは、説明の都合上、まず、積層構成について述べる。
はじめに電荷発生層(22)について説明する。
電荷発生層(22)は、画像露光により潜像電荷を発生分離させることを目的とし、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファスセレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファスシリコン等が挙げられる。アモルファスシリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系染料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾ−ル系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層(22)に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
また、電荷発生層(22)のバインダー樹脂として、上述の高分子電荷輸送物質を用いることができる。
更に、必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよい。電荷発生層に併用できる低分子電荷輸送物質には、電子輸送物質と正孔輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層(22)を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とに大別できる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法などが用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート法、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層22の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
次に、電荷輸送層(23)について説明する。
電荷輸送層(23)は、異なる重量平均分子量を有する高分子電荷輸送物質を主成分とする層であり、高分子電荷輸送物質を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。高分子電荷輸送物質は、公知の材料が使用できるが、本発明の目的を達成するために、トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に有するポリカーボネートが好ましく、中でも前述した(1)〜(10)式の高分子電荷輸送物質が特に良好に使用される。また、必要により本発明の高分子電荷輸送物質以外に適当なバインダー樹脂、低分子電荷輸送物質、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤等の低分子化合物、及びレベリング剤を適量添加することもできる。
電荷輸送層(23)に併用できるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ)、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹脂、シリコ−ン樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらのバインダーは、単独又は2種以上の混合物として用いることができ、その使用量は、高分子電荷輸送物質100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層(23)に併用できる低分子電荷輸送物質は、電荷発生層(22)の説明に記載したものと同じものを用いることができ、その使用量は、高分子電荷輸送物質100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
また、本発明において電荷輸送層(23)中への酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤等の低分子化合物の添加量は、本発明の高分子電荷輸送物質100重量部に対して、0〜150重量部、好ましくは、0〜30重量部程度が適当であり、レベリング剤の添加量は、本発明の高分子電荷輸送物質100重量部に対して、0〜5重量部程度が適当である。
更に、電荷輸送層(23)が感光体の最表層となる場合、フィラーを含有させることが好ましい。
一般に、有機感光体は、耐久性が低いことが大きな欠点となっている。
感光体表面の摩耗や傷などの機械的負荷に対する耐久性と繰り返し使用による残留電位の蓄積や帯電性低下などの静電特性上の耐久性に大別されるが、特に機械的耐久性に劣ることが感光体の寿命を決定する要因となっている。また、これらの耐久性以外に、感光体表層は、コロナ帯電時に生ずるオゾンによって生成する低抵抗物質の付着、あるいはトナーのクリーニング不良によるフィルミング、融着といった画像劣化を引き起こす要因を持っている。そのため、上記耐久性、特に機械的耐久性とともに感光体寿命を左右する感光体表面への各種付着物に対する離型性も求められる。
これらの要求を満たすために、感光体の最表層へのフィラー含有はきわめて有効である。フィラーには、有機性フィラーと無機性フィラーがある。有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などが挙げられる。また、これらの材料の他に、公知の材料の使用も可能であり、上述したフィラーは単独もしくは2種類以上を混合して用いることも可能である。
更にこれらのフィラーは、分散性向上、表面性改質等の理由から少なくとも1種の無機物、有機物で表面処理させることが好ましい。
フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤すべてを使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al、TiO、ZrO、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラーの分散性で好ましい。シランカップリング剤による処理は、やや抵抗が下がるものの、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。表面処理量については、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、3〜30重量%が適しており、5〜20重量%がより好ましい。
分散溶媒としてはメチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロルメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類が使用される。分散手段としてはボールミル、サンドミル、振動ミルなど公知の分散手段が使用可能である。
電荷輸送層(23)が最表層の場合、フィラーの含有量は全固形分に対して0〜40重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜30重量%である。フィラー量が0.1重量%以下であると、耐摩耗性の点で好ましくない。また、40重量%以上であると膜の不透明化による解像度の低下、感度低下による画像濃度低下など画像劣化が発生する。また、フィラーの体積平均粒径は0.05〜1.0μm、好ましくは0.05〜0.8μmに粉砕、分散するのが好ましい。粒径が0.05μmより小さいと均一な分散が行ないにくく、粒径が1.0μmより大きいとフィラーが感光体表面に頭出し、クリーニングブレードを傷つけクリーニング不良が発生する場合がある。
塗工方法としては浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採用される。塗工の際に、塗工液が下層の感光層を溶解してしまうような場合は、下層と塗工液の接触時間、下層と塗工液中の溶媒との接触量を制御し易い、スプレー塗工法、リングコート法などを用いるのが良い。
電荷輸送層(23)の膜厚は、5〜100μm程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。
次に、感光層(24)が単層構成の場合について述べる。
単層構成の感光層(24)は、少なくとも電荷発生物質および高分子電荷輸送物質を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。この単層構成の場合にも、該感光層は、本発明の構成、即ち、前述した特定の範囲の重量平均分子量を有する高分子電荷輸送物質を特定の比率で含有するものである。
電荷発生物質ならびに高分子電荷輸送物質には前述の材料を用いることができる。
さらに、先の電荷輸送層(23)の説明に記載したフィラーも良好に使用できる。
また、必要により電荷輸送層(23)で挙げたバインダー樹脂、低分子電荷輸送物質、可塑剤を添加することもできる。単層感光体の膜厚は、5〜100μm程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。
本発明に用いられる電子写真感光体には、導電性支持体(21)と感光層(24)(積層構成の場合には、電荷発生層(22))との間に下引き層(25)を設けることができる。下引き層(25)は、接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。下引き層(25)は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤でもって塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層(25)は、前述の感光層の場合と同様、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
さらに、下引き層(25)として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。この他に、本発明の下引き層にはAl23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SiO、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。下引き層(25)の膜厚は0〜5μmが適当である。
本発明の電子写真感光体には、感光層保護の目的で、保護層(26)が感光層(24)(積層構成の場合には、電荷輸送層(23))の上に設けられることもある。
これに使用される材料としては、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン/ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、AS樹脂、AB樹脂、BS樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
保護層(26)にはその他、耐摩耗性を向上する目的で、電荷輸送層(23)の説明に記載したフィラーを添加することができる。保護層(26)の形成法としては、通常の塗布法が採用される。なお、保護層(26)の厚さは、0.5〜10μm程度が適当である。また、以上のほかに真空薄膜作製法にて形成したi−C、a−SiCなど公知の材料も保護層として用いることができる。また、必要により、前述の電荷輸送物質、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤やレベリング剤を添加することもできる。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤は、有機物を含む層ならばいずれに添加してもよいが、電荷輸送物質を含む層に添加すると良好な結果が得られる。本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
(フェノール系化合物)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3'−ビス(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコールエステル、トコフェロール類など。
(パラフェニレンジアミン類)
N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(ハイドロキノン類)
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(有機硫黄化合物類)
ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3'−チオジプロピオネートなど。
(有機燐化合物類)
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(リン酸エステル系可塑剤)
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
(フタル酸エステル系可塑剤)
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
(芳香族カルボン酸エステル系可塑剤)
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
(脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤)
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
(脂肪酸エステル誘導体)
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
(オキシ酸エステル系可塑剤)
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
(エポキシ可塑剤)
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
(二価アルコールエステル系可塑剤)
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
(含塩素可塑剤)
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
(ポリエステル系可塑剤)
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
(スルホン酸誘導体)
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
(クエン酸誘導体)
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
(その他)
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
各層に添加できる滑剤としては、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(炭化水素系化合物)
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
(脂肪酸系化合物)
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
(脂肪酸アミド系化合物)
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
(エステル系化合物)
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
(アルコール系化合物)
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
(金属石けん)
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
(天然ワックス)
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(ベンゾフェノン系)
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなど。
(サルシレート系)
フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど。
(ベンゾトリアゾール系)
(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ−3'−ターシャリブチル−5'−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾールなど。
(シアノアクリレート系)
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ−3(パラメトキシ)アクリレートなど。
(クエンチャー(金属錯塩系))
ニッケル(2,2'−チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
(HALS(ヒンダードアミン))
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
本発明は、上記電子写真感光体を提供すると共に、本発明の電子写真感光体、帯電手段、画像露光手段、現像手段、および転写手段を用いることを特徴とする画像形成方法、本発明の電子写真感光体、帯電手段、画像露光手段、現像手段、および転写手段を有することを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
以下に、本発明の画像形成方法及び画像形成装置を、図面に基づいて説明する。
図5は、本発明の画像形成方法及び画像形成装置を示す概略図である。
感光体(11)には、上記本発明の電子写真感光体が用いられている。
図6においては、感光体(11)は、ドラム状の形状を示しているが、シート状であってもよく、図6に示すようにエンドレスベルト状のものであってもよい。
帯電手段(12)は、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。帯電手段(12)は、オゾン発生の低減や消費電力の低減の観点から、感光体に対し接触もしくは近接配置したものが良好に用いられる。中でも、帯電手段への汚染を防止するため、感光体と帯電手段表面の間に適度な空隙を有する感光体近傍に近接配置された帯電機構が有効に使用される。転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、転写チャージャと分離チャージャを併用したものが効果的である。
また、露光手段(13)、除電手段(1A)等に用いられる光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を挙げることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
現像手段(14)により感光体上に現像されたトナー(15)は、受像媒体(18)に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニング手段(17)により、感光体より除去される。クリーニング手段は、ゴム製のクリーニングブレードやファーブラシ、マグファーブラシ等のブラシ等を用いることができる。
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現像手段には、公知の方法が適用され、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
図6は、本発明の別の画像形成方法及び画像形成装置を示す概略図である。感光体(11)には、上記本発明の電子写真感光体が用いられている。感光体(11)は、駆動手段(1C)により駆動され、帯電手段(12)による帯電、露光手段(13)による像露光、現像(図示せず)、転写手段(16)による転写、クリーニング前露光手段(1B)によるクリーニング前露光、クリーニング手段(17)によるクリーニング、除電手段(1A)による除電が繰返し行なわれる。図6においては、感光体(この場合は支持体が透光性である)の支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
以上の電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、図6において支持体側よりクリーニング前露光を行なっているが、これは感光層側から行なってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行なってもよい。一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
本発明は、さらに、上記電子写真感光体を有すると共に、帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、転写手段、およびクリーニング手段の中から選ばれた少なくとも一つの手段を有し、電子写真感光体とこの手段とを画像形成装置本体に一体的に着脱自在としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ、並びに画像形成装置用プロセスカートリッジを装着した画像形成装置を提供するものである。
これまでに説明した画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でこれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、転写手段、およびクリーニング手段のうち、少なくとも一つの手段を含んだ一つの装置(部品)である。
図7は、本発明の画像形成装置用プロセスカートリッジの一例を示す概略図である。感光体(11)には、上記本発明の電子写真感光体が用いられている。プロセスカートリッジの形態等には、多数のものが挙げられるが、図7に示すものは、一般的な形態のプロセスカートリッジの例である。
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中使用する部は、すべて重量部を表す。
また、Mwはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法にて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を表す。
また、合成については、PD−1:特開平11−2909号公報、特開平11−5836号公報、PD−2:特開2001−247525号公報、PD−3:特開2002−249472号公報、PD−4:特開平9−297419号公報、PD−5:特開平11−2909号公報、特開平11−5836号公報、PD−6:特開2002−249472号公報に記載された方法に準じて行なった。
(感光体作製例1)
導電性円筒状支持体として、直径30mmのアルミニウムシリンダーを用意した。このアルミニウムシリンダー上に、下記組成の中間層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、25μmの電荷輸送層を形成して本発明の感光体1を得た。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂 6重量部
(ベッコゾール 1307−60−EL、大日本インキ化学工業社製)
メラミン樹脂 4重量部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業社製)
酸化チタン(CR−EL、石原産業社製) 40重量部
メチルエチルケトン 200重量部
〔電荷発生層用塗工液〕
下記構造式で表されるビスアゾ顔料 2.5部
Figure 0004073021
ポリビニルブチラール
(エスレックBM−1:積水化学工業(株)製) 2.0部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
〔電荷輸送層用塗工液〕
テトラヒドロフラン 70部
下記構造式で表されるランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−1)
Mw=51000/Mw=125000 3部/7部
Figure 0004073021
(感光体作製例2)
感光体作製例1における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体2を作製した。
テトラヒドロフラン 75部
ランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−1)
Mw=125000 10部
(感光体作製例3)
感光体作製例1における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作成例1と同様に感光体3を作製した。
テトラヒドロフラン 40部
ランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−1)
Mw=51000 10部
(感光体作製例4)
感光体作製例1における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体4を作製した。
テトラヒドロフラン 70部
下記構造式で表されるランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−2)
Mw=69000/Mw=137000 2部/8部
Figure 0004073021
(感光体作製例5)
感光体作製例4における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例4と同様に感光体5を作製した。
テトラヒドロフラン 75部
ランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−2)
Mw=137000 10部
(感光体作製例6)
感光体作製例4における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例4と同様に感光体6を作製した。
テトラヒドロフラン 40部
ランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−2)
Mw=69000 10部
(感光体作製例7)
感光体作製例1における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体7を作製した。
テトラヒドロフラン 70部
ランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−1)
Mw=51000/Mw=125000 3部/7部
シリコーン樹脂粒子
(トスパール105、東芝シリコーン(株)製) 1部
(感光体作製例8)
感光体作製例1における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体8を作製した。
テトラヒドロフラン 70部
ランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−1)
Mw=51000/Mw=125000 3部/7部
ポリテトラフルオロエチレン粒子
(ルブルンL−2、ダイキン工業(株)製) 1部
クシ型フッ素系グラフトポリマー
(GF300、東亜合成化学工業社製) 0.1部
(感光体作製例9)
感光体作製例1における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体9を作製した。
テトラヒドロフラン 70部
ランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−1)
Mw=51000/Mw=125000 3部/7部
疎水化シリカパウダー
(KMP−X100、信越化学工業社製) 0.5部
(感光体作製例10)
感光体作製例1における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体10を作製した。
テトラヒドロフラン 100部
ビスフェノールZポリカーボネート
(パンライトTS−2050:帝人化成 10部
下記構造式で表される低分子電荷輸送物質(D−1) 10部
Figure 0004073021
(感光体作製例11)
感光体作製例1における導電性円筒状支持体を、直径24mmのアルミニウムシリンダーに変更し、電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体11を作製した。
テトラヒドロフラン 70部
下記構造式で表されるランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−3)
Mw=72000/Mw=165000 4部/6部
Figure 0004073021
(感光体作製例12)
感光体作製例11における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例11と同様に感光体12を作製した。
テトラヒドロフラン 80部
ランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−3)
Mw=165000 10部
(感光体作製例13)
感光体作製例11における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例11と同様に感光体13を作製した。
テトラヒドロフラン 45部
ランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−3)
Mw=72000 10部
(感光体作製例14)
感光体作製例11における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例11と同様に感光体14を作製した。
テトラヒドロフラン 70部
ランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−3)
Mw=72000/Mw=165000 4部/6部
シリコーン樹脂粒子
(トスパール105、東芝シリコーン(株)製) 1部
(感光体作製例15)
感光体作製例11における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例11と同様に感光体15を作製した。
テトラヒドロフラン 65部
下記構造式で表されるランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−4)
Mw=76000/Mw=153000 3部/7部
Figure 0004073021
(感光体作製例16)
感光体作製例11における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例11と同様に感光体16を作製した。
テトラヒドロフラン 65部
ランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−4)
Mw=76000/Mw=153000 3部/7部
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子
(ルブルンL−2、ダイキン工業(株)製) 1部
クシ型フッ素系グラフトポリマー
(GF300、東亜合成化学工業社製) 0.1部
(感光体作製例17)
感光体作製例11における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例11と同様に感光体17を作製した。
テトラヒドロフラン 100部
ビスフェノールZポリカーボネート
(パンライトTS−2050:帝人化成製) 10部
低分子電荷輸送物質(D−1) 10部
(感光体作製例18)
感光体作製例1における導電性円筒状支持体を、ニッケルシームレスベルトに変更し、電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体18を作製した。
テトラヒドロフラン 65部
下記構造式で表されるランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−5)
Mw=75000/Mw=128000 3部/7部
Figure 0004073021
(感光体作製例19)
感光体作製例18における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例18と同様に感光体19を作製した。
テトラヒドロフラン 70部
ランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−5)
Mw=128000 10部
(感光体作製例20)
感光体作製例18における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例18と同様に感光体20を作製した。
テトラヒドロフラン 45部
ランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−5)
Mw=75000 10部
(感光体作製例21)
感光体作製例18における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例18と同様に感光体21を作製した。
テトラヒドロフラン 65部
ランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−5)
Mw=75000/Mw=128000 3部/7部
シリコーン樹脂粒子
(トスパール105、東芝シリコーン(株)製) 1部
(感光体作製例22)
感光体作製例18における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例18と同様に感光体22を作製した。
テトラヒドロフラン 70部
下記構造式で表されるランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−6)
Mw=81000/Mw=127000 2部/8部
Figure 0004073021
(感光体作製例23)
感光体作製例18における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例18と同様に感光体23を作製した。
テトラヒドロフラン 70部
ランダム共重合体の高分子電荷輸送物質(PD−6)
Mw=81000/Mw=127000 2部/8部
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子
(ルブルンL−2、ダイキン工業(株)製) 1部
クシ型フッ素系グラフトポリマー
(GF300、東亜合成化学工業社製) 0.1部
(感光体作製例24)
感光体作製例18における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例18と同様に感光体24を作製した。
テトラヒドロフラン 100部
ビスフェノールZポリカーボネート
(パンライトTS−2050:帝人化成製) 10部
低分子電荷輸送物質(D−1) 10部
以上のように作製した感光体を表1に示す。
Figure 0004073021
(実施例1〜5、および比較例1〜5)
通紙試験
上記のように作製した感光体作製例1〜10の感光体を図7に示した構造のプロセスカートリッジに組み込んだ。このプロセスカートリッジを画像露光光源:655nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる書き込み)に改造したイマジオMF200にて、5万枚(A4)の通紙試験を行なった。
通紙試験中、及び通紙試験後に感光体の摩耗量、画像特性の評価を適時行なった。
摩耗量は、初期時における感光層の膜厚と5万枚通紙後の膜厚との差により求めた。
画像特性は、ハーフトーン、解像度、異常画像等を総合的に評価した。
接着性試験
JIS G0202記載の碁盤目試験(クロスカット法)により電荷輸送層・電荷発生層・中間層全体とした感光層の接着性を評価した。(感光層塗膜に10×10の碁盤目をカッターにより作成し、テープを接着、剥離した後に残存した塗膜数を評価した。
結果を表2に示す。
Figure 0004073021
(実施例6〜9、および比較例6〜8)
上記のように作製した感光体作製例11〜17の感光体を図7に示した構造のプロセスカートリッジに組み込んだ。このプロセスカートリッジを複写機(リコー製:FAX1160L)に装着し、5万枚の通紙試験を行なった。
通紙試験中、及び通紙試験後に感光体の電位特性、感光層の表面観察、画像特性の評価を行なった。
明部電位については、図5の装置の現像部に電位計プローブを装着し、帯電、画像露光後、現像部位まで移動した際の感光体表面電位を測定した。なお、帯電電位(暗部電位:VD)は−800V、明部電位は、−100(V)になるように初期設定を行なった。ΔVD、及びΔVLは、それぞれ、初期時と5万枚通紙試験後の暗部電位、明部電位の電位変化量を表わす。
ΔVD=(初期時における暗部電位:−800V)−(5万枚通紙後における暗部電位)
ΔVL=(初期時における明部電位:−100V)−(5万枚通紙後における明部電位)
画像特性は上記と同様、ハーフトーン、解像度、異常画像等を総合的に評価した。
評価結果を表3に示す。
Figure 0004073021
(実施例8〜11、および比較例9〜11)
上記のように作製した感光体作製例18〜24の感光体を画像露光光源:655nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる書き込み)に改造したリコー製 RiFAX2500)に装着し、5万枚の通紙試験を行なった。
通紙試験中、及び通紙試験後に感光層の表面観察と、画像特性の評価を適時行なった。
画像特性は上記と同様、ハーフトーン、解像度、異常画像等を総合的に評価した。
結果を表4に示す。
Figure 0004073021
本発明に係る電子写真感光体の1例を示す模式断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の別の例を示す模式断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の更に別の例を示す模式断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の更に別の構成を示す断面図である。 本発明に係る電子写真装置の1例を示す模式断面図である。 本発明に係る電子写真装置の別の例を示す模式断面図である。 本発明に係るプロセスカートリッジの一例を示す。
符号の説明
11 電子写真感光体
12 帯電手段
13 露光手段
14 現像手段
15 トナー
16 転写手段
17 クリーニング手段
18 受像媒体
19 定着手段
21 導電性支持体
22 電荷発生層
23 電荷輸送層
24 感光層
25 下引き層
26 保護層
1A 除電手段
1B クリーニング前露光手段
1C 駆動手段


Claims (9)

  1. 導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質と高分子電荷輸送物質を含有する感光層を形成した電子写真感光体において、該感光層が、1.0×10未満の重量平均分子量を有する高分子電荷輸送物質(I)と、1.0×10以上の重量平均分子量を有する高分子電荷輸送物質(II)を含有し、前記高分子電荷輸送物質(I)高分子電荷輸送物質(II)は同一の化学構造単位を有するランダム共重合体であり、且つ該ランダム共重合体が下記式(PD−1)〜(PD−6)で表される化合物から選ばれた1種であることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004073021
    Figure 0004073021
    Figure 0004073021

    Figure 0004073021
    Figure 0004073021
    Figure 0004073021
  2. 前記1.0×10未満の重量平均分子量を有する高分子電荷輸送物質(I)が、該高分子電荷輸送物質(I)と前記1.0×10以上の重量平均分子量を有する高分子電荷輸送物質(II)とからなる組成物100重量部に対して、20重量部から40重量部の割合で含有されていることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記感光層が、直径30mm以下の導電性円筒状支持体上に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記感光層が、エンドレスベルト上に設けられたことを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の電子写真感光体。
  5. 前記感光体が、少なくともフィラーを含有する表面層を有することを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の電子写真感光体。
  6. 少なくとも請求項1乃至の何れかに記載の電子写真感光体と帯電手段、画像露光手段、現像手段、および転写手段を用いることを特徴とする画像形成方法。
  7. 少なくとも請求項1乃至の何れかに記載の電子写真感光体、帯電手段、画像露光手段、現像手段、および転写手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  8. 画像形成装置本体に対して、着脱自在に装着し得るプロセスカートリッジであって、請求項1乃至の何れかに記載の電子写真感光体と帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、クリーニング手段の中から選ばれた少なくとも1つの手段とをカートリッジ容器に組み込んで構成したものであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  9. 請求項に記載のプロセスカートリッジを装着したことを特徴とする画像形成装置。
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