JP3847584B2 - 電子写真装置、電子写真装置用プロセスカートリッジ、電子写真感光体及びその製造方法 - Google Patents

電子写真装置、電子写真装置用プロセスカートリッジ、電子写真感光体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電の均一化を図り、画像欠陥の少ない電子写真方法、電子写真装置及び電子写真用プロセスカートリッジ、並びに電子写真感光体及びその製造方法に関する。詳しくは、帯電部材へのトナーフィルミングが少ない電子写真方法、電子写真装置及び電子写真用プロセスカートリッジ、並びに電子写真感光体及びその製造方法に関する。また、感光体と帯電部材の接触により生ずる両者の摩耗の少ない電子写真方法、電子写真装置及び電子写真用プロセスカートリッジ、並びに電子写真感光体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展は目覚ましいものがある。特に情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行なう光プリンターは、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。このデジタル記録技術はプリンターのみならず通常の複写機にも応用され、所謂デジタル複写機が開発されている。また、従来からあるアナログ複写にこのデジタル記録技術を搭載した複写機は、種々様々な情報処理機能が付加されるため今後その需要性が益々高まっていくと予想される。
【0003】
電子写真プロセス中のオゾン・NOx発生量の低減、および帯電時の省エネルギーの観点から、帯電ローラ方式が提案されている。例えば、特開平4−336556号公報には、帯電ローラを帯電部材とし、感光体に帯電ローラを接触させる接触帯電装置が開示されている。帯電ローラの表面は誘電体であり、帯電ローラの回転方向が感光体の回転方向と同じ(帯電ローラと感光体との最近接部での移動する向きが逆)である。帯電ローラの表面が誘電体であるため、感光体上にピンホールなどがあっても、対向する帯電部材のピンホール周辺の表面に電荷がなくなることはなく、これによる感光体上の未帯電部分が発生しない。さらに、帯電ローラを上記の方向に回転させることにより、感光体と誘電体のそれぞれが帯電されても、感光体は順次帯電電位が低い誘電体と接触するようになるため、低い印加電圧で感光体を所望の電位に帯電することが可能になる。このように、帯電用のローラが感光体に接触された状態で使用されるものである。確かに、スコロトロンに代表される非接触帯電機に比べ、帯電機に印加する電圧が小さくて済み、前記反応性ガスの発生量が少なくなる。
【0004】
ところが、接触帯電装置には(i)帯電ローラ跡、(ii)帯電音、(iii)感光体上のトナーなどが帯電部材に付着することによる帯電性能の低下、(iv)帯電部材を構成している物質の感光体への付着、(v)感光体を長期停止したときに生じる帯電部材の永久変形等の問題点がある。
【0005】
帯電ローラ跡は、帯電部材を構成している物質が帯電部材から滲みだし、被帯電体の停止期間中に被帯電体の表面に付着移行するために起こる。また帯電音は、帯電部材に交流電圧を印加したときに被帯電体に接触している帯電部材が振動するために起こる。このような問題を解決する方法として、帯電部材を非接触に感光体に近接させる近接帯電装置が考案されている。近接帯電装置は、帯電装置を、感光体との最近接部での距離が0.005〜0.3mmになるように対向させ、帯電部材に電圧を印加することにより感光体の帯電を行なう帯電装置である。近接帯電装置では、帯電装置と感光体とが接触していないために、接触帯電装置で問題となる「帯電部材を構成している物質の感光体への付着」、「感光体を長期停止したときに生じる永久変形」は問題とはならない。また、「感光体上のトナーなどが帯電部材に付着することによる帯電性能の低下」に関しても、帯電部材に付着するトナーが少なくなるため、近接帯電装置の方が優れている。
【0006】
このような近接帯電の例としては、特開平2−148059号公報、特開平5−127496号公報、特開平5−273837号公報、特開平5−307279号公報、特開平6−308807号公報、特開平8−202126号公報、特開平9−171282号公報、特開平10−288881号公報記載のもの等が挙げられる。
これらは近接帯電方法として記載されており、実験的に帯電部材と感光体をギャップを介して近接させ、その帯電状態を調べた例が記載されている。従って、帯電部材と感光体をどのように近接配置するかの具体例が述べられておらず、構成の概念が述べられているに過ぎない。実際、大きくても数百μm程度のギャップを確保し、安定した状態で維持することは容易ではない。このことから、所定ギャップをどのように確保するかということは、近接帯電にとっての大きな課題であった。
【0007】
これに対し、特開平5−107871号公報、特開平5−273837号公報、特開平7−168417号公報、特開平11−95523号公報には、おのおの近接帯電を帯電を行なうに当たり、帯電部材と感光体とをどのように近接配置するかの具体例が述べられている。
【0008】
特開平5−107871号公報及び特開平5−273837号公報では、両端をスプリング等で固定したギャップ保持部材としての絶縁テープを帯電部材と感光体の間に挟み、ギャップを確保する提案がなされている。この方法は、ギャップを確保する有効な手段であるが、電子写真装置中に実装するとなると、感光体が常に同じ方向に回転するため、ギャップ保持部材を固定するスプリングが常に同じ方向にテンションが掛かり、疲労しやすい状態である。また、機構的には単純でも、実際の電子写真装置に搭載する場合においては、その配置が複雑になり、メンテナンスが非常にしづらいものになり、感光体の交換等はほとんどギャップ保持機構と同時でなくてはならないなどの欠点がある。
【0009】
特開平7−168417号公報では、帯電ローラの軸受け部分に適当なスペーサーを設け、そのスペーサーが感光体表面と当接することにより、ギャップを確保する提案がなされている。この場合、帯電ローラの帯電部とスペーサー部で異なる材質で、大きさの異なる部品が必要になり、帯電ローラの構成が複雑になる。また、この構成においては、帯電ローラが絶縁性の部材で構成されているため、別途、給電ローラなる別の部材を必要とし、機構が複雑になると共にコストも高いものになる。
【0010】
特開平11−95523号公報では、ギャップ保持部材を帯電部材か感光体の少なくとも一方の表面に設けることにより、ギャップを確保する提案がなされている。確かにこの方法は比較的簡便な構成になっている。しかしながら、ギャップ保持部材の構成・設置方法の具体的な方法が明記されておらず、ギャップ保持部材の設置方法によってはギャップが安定して確保できない場合が存在したり、構成によっては帯電が安定しない場合が存在し、これらの点が大きな課題であった。
【0011】
特開平4−360167号公報では、両端部に間隙を保持するための凸部が形成された帯電部材を用いた近接帯電装置が開示されている。これを用い、凸部と感光体を当接することにより、帯電部材表面と感光体表面に間隙を有する近接帯電が形成される。しかしながら、同公報には感光体と帯電部材をどの様に保持するか、感光体の画像形成領域に対して帯電部材をどの様な配置を行なうかが記載されておらず、必ずしも安定したギャップを維持することができない。また、繰り返し使用時において、凸部内側端部近傍の帯電ムラに対する対策、凸部内側端部近傍にトナーが溜まりやすい現象に対する対策などが記載されておらず、長期間にわたる近接帯電装置における安定性に関する言及がなされていない。このため、実使用上には、信頼性が不充分なものであった。
【0012】
特開平7−121002号公報では、感光体軸方向の両端に環状のスペーサコロを設け、これを利用して帯電部材と感光体間のギャップを確保する方式の画像形成装置が開示されている。確かにギャップを確保するための1つの方法ではあるが、感光体には帯電部材の他に、現像、転写、クリーニングなどの部材が接触もしくは近接配置される。このように感光体両端にスペーサコロのような部材を円周方向に存在させた場合には、この部分に現像、転写、クリーニングなどの部材を配置することはできない。このため、最低限必要な画像形成領域を確保するため、必然的に感光体の長さが長くなり、画像形成装置が大きくなる。また、このような帯電方式では、ギャップ部周辺の帯電が不安定になりやすく、帯電性の低下を生じやすい。書き込み量の低減化が図れ、デジタル書き込みに適したネガ・ポジ現像においては、このような領域においては、地汚れを発生しやすくなる。また、ギャップそのもの、あるいは帯電部材が汚染されやすくなる。このため、帯電ギャップ周辺は確実に残留トナーをクリーニングしておく必要があるが、この方式では感光体上にギャップ保持機構が形成されているため、クリーニングを行なうことができない。このため、実使用上には、信頼性が不充分なものであった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、接触帯電装置の問題点を改良した非接触帯電装置の具体的な機構を提供することにある。詳しくは、帯電部材と感光体のギャップを形成するための安価で簡便な方法を提供することにある。また、電子写真装置内における繰り返し使用においても、安定なギャップを維持できる具体的な装置を提供することにある。具体的には繰り返し使用によっても帯電部材のトナーフィルミングを生じず、安定な画像を形成する電子写真方法、電子写真装置及び電子写真用プロセスカートリッジ、並びに、電子写真感光体及びその製造方法を提供することにある。また、非接触帯電装置特有の欠点である帯電ムラ、バンディング現象を低減させ、繰り返し使用においても安定した良好な画像を提供することを目的とする。また、感光体および帯電部材の摩耗を低下させ、両者の耐久性を向上させることで、高耐久な電子写真方法、電子写真装置ならびに電子写真用プロセスカートリッジ、並びに、電子写真感光体及びその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前述のように接触帯電方式を用いた電子写真装置においては、帯電部材へのトナーフィルミングによる帯電不良、帯電部材の変形等の問題が生じる。これらを改良するために、帯電部材を感光体表面に近接配置した非接触帯電方式が提案されている。しかしながら、安価で簡易的に両者を近接配置し、かつ電子写真装置の繰り返し使用においても安定して両者のギャップを一定に保つ方法が提案されていなかった。本発明者らは、上記の点に鑑み検討した結果、感光体両端の非画像形成領域に、帯電部材と当接するギャップ保持機構を設け、このギャップ保持機構の取り付け位置を画像形成領域とのギャップに関連した特定の関係に配置することにより、上記問題点を解決できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
本発明で言う画像形成領域とは、感光体表面のうち、帯電、画像露光、現像、転写がすべて行なわれる領域であり、本発明で使用する帯電部材が非接触配置される領域を指す。この際、図5、図40、図52に示すように帯電部材の帯電部分、すなわち感光体と接触しない部分の長手方向の長さは、感光体における画像形成領域の長手方向の長さより長いことが必要である。
ここで、感光体中心部から見た画像形成領域の外側端部と感光体表面の非画像形成領域に形成されるギャップ保持機構の内側端部との位置関係は、図5、図40、図52のような関係になる。即ち、感光体中心部から見て、ギャップ保持機構の内側端部は、画像形成領域外側端部から形成されたギャップ(感光体表面と帯電部材表面間の空隙の距離)の2倍以上離れた位置にセッティングされる。
【0016】
また、帯電部材が厚い膜厚の感光体非画像形成領域当接部を有する本発明においても、画像形成領域とは、感光体表面のうち、帯電、画像露光、現像、転写がすべて行なわれる領域であり、このような本発明で使用する帯電部材が非接触配置される領域を指す。この際、図24、図33に示すように帯電部材の帯電部分、すなわち感光体と接触しない部分の長手方向の長さは、感光体における画像形成領域の長手方向の長さより長いことが必要である。
ここで、感光体の非画像形成領域のみに当接するように帯電部材表面に形成され、感光体中央の画像形成領域に対応する帯電部材の部分の膜厚より厚い膜厚の感光体非画像形成領域当接部の内側端部との位置関係は、図24、図33のような関係になる。即ち、感光体中心部から見て、帯電部材の厚い膜厚の感光体当接部の内側端部は、画像形成領域外側端部から形成された膜厚差(感光体表面と帯電部材表面間の空隙の距離)の2倍以上離れた位置にセッティングされる。
【0017】
この理由としては、2つの理由が挙げられる。1つは帯電に関してであり、本願のような非接触帯電部材における感光体の帯電機構は、帯電部材と感光体間の微少ギャップにおける放電により感光体表面に帯電が行なわれる。この際、帯電部材表面から感光体表面に垂直方向に電荷が降り注げば、ギャップ保持機構内側端部ギリギリまで画像形成領域を広げることができる。しかしながら、実際にはすべての電荷が垂直方向に降り注ぐことはなく、ある割合で拡散してしまう。このため、ギャップ保持機構内側端部においては、感光体中心部に比べて帯電が不安定(主に帯電電位の低下)になる場合がある。この場合、現在電子写真装置の主流であるデジタル書き込み用の現像方式であるネガ・ポジ現像を行なった場合、黒ポチや地汚れといった致命的な画像欠陥を発現してしまう。また、多値の書き込みを行なうような中間電位を現像に使用するシステムにおいては、ハーフトーン調の画像出力の場合、異常画像の発生は顕著になる。本発明者らの検討によれば、この帯電不安定領域は帯電部材と感光体間の距離(即ちギャップ)に依存することが明らかとなった。ギャップを一定にし、画像形成領域外側端部とギャップ保持機構内側端部の距離を変えて画像出力を行なうと、ある距離から異常画像の発生は認められなくなる。また、ギャップを変えることで同様な実験を行ない、ギャップとの相関を確かめたところ、画像形成領域外側端部とギャップ保持機構内側端部の距離を、感光体と帯電部材間のギャップの2倍以上に設定することにより、感光体上の画像形成領域全面に対して安定な帯電を行なうことが可能であり、形成された画像も良好なものになることが分かった。
【0018】
もう1つの理由として、ギャップ保持機構近傍の感光体及び帯電部材のクリーニング性が挙げられる。本発明のような非接触帯電部材は、接触帯電の場合に比べて、帯電部材表面の汚染が少ないメリットが挙げられる。しかしながら、感光体上に形成された静電潜像に現像を行ない、更に転写、クリーニング等のプロセスを経た後に残留するごく僅かなトナーが、このギャップ保持機構内側端部に溜まりやすい事実が挙げられる。このため、上述したこの領域の帯電の不安定さは、繰り返し使用によりより顕著なものとして現れることになる。この点に関しても画像形成領域外側端部とギャップ保持機構内側端部の距離を、感光体と帯電部材間のギャップの2倍以上に設定することにより、実使用上問題のないことが分かり、本発明を完成するに至った。
【0019】
画像形成領域の外側端部と感光体表面の非画像形成領域に形成されるギャップ保持機構の内側端部の上限に関しては、他に帯電時の異音の発生と関係がある。本発明の帯電システムにおいては画像形成領域端部とギャップ端部の間にも帯電がされます。帯電の安定化のためにACを重畳する場合には、この長さが短いほど、異音の発生を押さえることが可能である。この制限によっても上限が決まってきて、その上限は前記ギャップの100倍または10mm以下が望ましい。
【0020】
なわち、本発明によれば、(1)「少なくともローラ形状の帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記電子写真感光体の画像形成表面領域とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるために、該感光体表面における両端の非画像形成領域の前記帯電部材と当接する部分にギャップ保持機構を有してなり、該ギャップ保持機構の内側端部が該感光体の画像形成領域外側端部よりもギャップの2倍以上離れた外側で、かつ前記ギャップの100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置」、(2)「少なくともローラ形状の帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記電子写真感光体の画像形成表面領域とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるために、該感光体両端の非画像形成表面領域における感光体全層の膜厚が感光体中央側の画像形成領域における感光体全層の膜厚よりも厚く、この膜厚差を利用して帯電部材を感光体非画像形成領域のみに当接させ、感光体の帯電部材当接部内側端部が該感光体の画像形成領域外側端部よりも前記膜厚差の2倍以上離れた外側で、かつ前記膜厚差の100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置」、(3)「少なくともローラ形状の帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記電子写真感光体の画像形成表面領域とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるために、該感光体における感光体両端の非画像形成領域における支持体の厚みが感光体中央の画像形成領域における支持体の厚みよりも厚く、画像形成領域と非画像形成領域の厚み差を利用して、帯電部材を感光体の非画像形成領域のみに当接させ、感光体の帯電部材当接部内側端部が該感光体の画像形成領域外側端部よりも前記膜厚差の2倍以上離れた外側で、かつ前記膜厚差の100倍もしくは10mmの短い方の内側存在することを特徴とする電子写真装置」、(4)「少なくともローラ形状の帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記電子写真感光体の画像形成表面領域とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるために、前記感光体が両端にフランジを具備してなり、該フランジが該感光体表面の非画像形成領域を覆う形状を有し、感光体の非画像形成領域に配置されたフランジ外周と画像形成領域における感光体外周とのギャップを利用し、帯電部材をフランジ外周面のみに当接させ、フランジの内側端面が該感光体の画像形成領域外側端部よりも前記ギャップの2倍以上離れた外側で、かつ前記ギャップの100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置」、(5)「少なくともローラ形状の帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してなり、該電子写真感光体がベルト形状で構成された該ベルト状電子写真感光体を支持し駆動もしくは従動を行うローラが感光体両端部より突出している電子写真装置であって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記ベルト状電子写真感光体の画像形成領域表面とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるため、前記駆動もしくは従動ローラ外周と画像形成領域における感光体外周とのギャップを利用し、帯電部材を駆動もしくは従動ローラ外周面のみに当接させ、駆動もしくは従動ローラの内側端面が該感光体の画像形成領域外側端部よりも前記ギャップの2倍以上離れた外側で、かつ前記ギャップの100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置」が提供される。
【0021】
また、本発明によれば、(6)「帯電部材と感光体の距離を制御するために、帯電部材と感光体の何れかの部材をスプリング等の機械的な力により圧力をかけ、他方の部材に対し押しつけることを特徴する前記第(1)項乃至第(4)項の何れか1に記載の電子写真装置」、(7)「帯電部材と感光体の距離を制御するために、帯電部材と、ベルト状感光体を駆動もしくは従動するローラの何れかの部材をスプリング等の機械的な力により圧力をかけ、他方の部材に対し押しつけることを特徴する前記第(5)項に記載の電子写真装置」、(8)「前記帯電ローラの回転軸と感光体の回転軸がリング状部材で固定されてなることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項、第(6)項の何れか1に記載の電子写真装置」、(9)「前記帯電ローラの回転軸とベルト状電子写真感光体を支持し駆動もしくは従動を行うローラの回転軸がリング状部材で固定されてなることを特徴とする前記第(5)項、第(7)項の何れか1に記載の電子写真装置」、(10)「帯電部材の回転軸と、感光体の回転軸に回転駆動用のギア、カップリング、ベルト等の駆動付与手段が設けられてなり、各々が独立に回転駆動力が同期又は非同期に与えられることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項、第(6)項、第(8)項のいずれか1に記載の電子写真装置」、(11)「帯電部材の回転軸と、ベルト状電子写真感光体を支持し、駆動もしくは従動を行なうローラの回転軸に回転駆動用のギア、カップリング、ベルト等の駆動付与手段が設けられてなり、各々が独立に回転駆動力が同期又は非同期に与えられることを特徴とする前記第(5)項、第(7)項、第(9)項の何れか1に記載の電子写真装置」、(12)「前記ギャップ保持機構が、感光体表面の非画像形成領域に形成された絶縁性ギャップ層であることを特徴とする前記第(1)項、第(6)項、第(8)項、第(10)項のいずれか1に記載の電子写真装置」、(13)「前記ギャップ保持機構が、感光体表面の非画像形成領域に配置された絶縁性部材より形成されるギャップ材であることを特徴とする前記第(1)項、第(6)項、第(8)項、第(10)項のいずれか1に記載の電子写真装置」、(14)「前記帯電部材と当接するフランジが絶縁性材料から構成されていることを特徴とする前記第(4)項、第(6)項、第(8)項、第(10)項の何れか1に記載の電子写真装置」、(15)「前記帯電部材と当接する駆動ローラもしくは従動ローラにおける少なくとも帯電部材との接触部分が絶縁性材料から形成されていることを特徴とする前記第(5)項、第(7)項、第(9)項、第(11)項の何れか1に記載の電子写真装置」、(16)「前記感光体表面の非画像形成領域に形成されたギャップ層の膜厚が10〜200μmであることを特徴とする前記第(1)項、第(6)項、第(8)項、第(10)項、第(12)項の何れか1に記載の電子写真装置」、(17)「前記感光体表面の非画像形成領域に形成されたギャップ材の厚みが10〜200μmであることを特徴とする前記第(1)項、第(6)項、第(8)項、第(10)項、第(13)項の何れか1に記載の電子写真装置」、(18)「前記感光体の非画像形成領域と画像形成領域の膜厚差が、10〜200μmであることを特徴とする前記第(2)項、第(6)項、第(8)項、第(10)項の何れか1に記載の電子写真装置」、(19)「前記感光体における支持体の非画像形成領域と画像形成領域の厚みの差が、10〜200μmであることを特徴とする前記第(3)項、第(6)項、第(8)項、第(10)項の何れか1に記載の電子写真装置」、(20)「前記感光体に近接配置された帯電部材表面と画像形成領域における感光体の最外層表面とのギャップが10〜200μmであることを特徴とする前記第(4)項、第(6)項、第(8)項、第(10)項、第(14)項の何れか1に記載の電子写真装置」、(21)「前記感光体に近接配置された帯電部材表面と画像形成領域における感光体の最外層表面とのギャップが10〜200μmであることを特徴とする前記第(5)項、第(7)項、第(9)項、第(11)項、第(15)項の何れか1に記載の電子写真装置」、(22)「前記感光体の支持体が、シームレスベルトであることを特徴とする前記第(5)項、第(7)項、第(9)項、第(11)項、第(15)項、第(19)項の何れか1に記載の電子写真装置」、(23)「前記電子写真感光体の感光層が電荷発生層と電荷輸送層の積層構成からなることを特徴とする前記第(1)項乃至第(22)項の何れか1に記載の電子写真装置」、(24)「前記電子写真感光体の電荷輸送 層に少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートを含有することを特徴とする前記第(23)項に記載の電子写真装置」、(25)「前記感光体の感光層上に、保護層を設けたことを特徴とする前記第(1)項乃至第(24)項の何れか1に記載の電子写真装置」、(26)「前記感光体の保護層にフィラーを含有することを特徴とする前記第(25)項に記載の電子写真装置」、(27)「前記感光体の保護層に電荷輸送物質を含有することを特徴とする前記第(25)項又は第(26)項に記載の電子写真装置」、(28)「前記感光体の保護層に含有される電荷輸送物質が高分子電荷輸送物質であることを特徴とする前記第(27)項に記載の電子写真装置」、(29)「前記感光体の保護層に含有される高分子電荷輸送物質が、少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートを含有する高分子電荷輸送物質であることを特徴とする前記第(28)項に記載の電子写真装置」、(30)「前記帯電部材に対して直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加することにより、感光体に帯電を与えることを特徴とする前記第(1)項乃至第(29)項の何れか1に記載の電子写真装置。」が提供される。
【0022】
また、本発明によれば、(31)「少なくともローラ形状の帯電手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置用プロセスカートリッジであって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記電子写真感光体の画像形成表面領域とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるために、該感光体表面における両端の非画像形成領域の前記帯電部材と当接する部分にギャップ保持機構を有してなり、該ギャップ保持機構の内側端部が該感光体の画像形成領域外側端部よりもギャップの2倍以上離れた外側で、かつ前記ギャップの100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(32)「少なくともローラ形状の帯電手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置用プロセスカートリッジであって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記電子写真感光体の画像形成表面領域とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるために、該感光体両端の非画像形成表面領域における感光体全層の膜厚が感光体中央側の画像形成領域における感光体全層の膜厚よりも厚く、この膜厚差を利用して帯電部材を感光体非画像形成領域のみに当接させ、感光体の帯電部材当接部内側端部が該感光体の画像形成領域外側端部よりも前記膜厚差の2倍以上離れた外側で、かつ前記膜厚差の100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(33)「少なくともローラ形状の帯電手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置用プロセスカートリッジであって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記電子写真感光体の画像形成表面領域とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるために、該感光体における感光体両端の非画像形成領域における支持体の厚みが感光体中央の画像形成領域における支持体の厚みよりも厚く、画像形成領域と非画像形成領域の厚み差を利用して、帯電部材を感光体の非画像形成領域のみに当接させ、感光体の帯電部材当接部内側端部が該感光体の画像形成領域外側端部よりも前記膜厚差の2倍以上離れた外側で、かつ前記膜厚差の100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(34)「少なくともローラ形状の帯電手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置用プロセスカートリッジであって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記電子写真感光体の画像形成表面領域とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるために、前記感光体が両端にフランジを具備してなり、該フランジが該感光体表面の非画像形成領域を覆う形状を有し、感光体の非画像形成領域に配置されたフランジ外周と画像形成領域における感光体外周とのギャップを利用し、帯電部材をフランジ外周面のみに当接させ、フランジの内側端面が該感光体の画像形成領域外側端部よりも前記ギャップの2倍以上離れた外側で、かつ前記ギャップの100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(35)「少なくともローラ形状の帯電手段および電子写真感光体を具備してなり、該電子写真感光体がベルト形状で構成された該ベルト状電子写真感光体を支持し駆動もしくは従動を行うローラが感光体両端部より突出している電子写真装置用プロセスカートリッジであって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記ベルト状電子写真感光体の画像形成領域表面とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるため、前記駆動もしくは従動ローラ外周と画像形成領域における感光体外周とのギャップを利用し、帯電部材を駆動もしくは従動ローラ外周面のみに当接させ、駆動もしくは従動ローラの内側端面が該感光体の画像形成領域外側端部よりも前記ギャップの2倍以上離れた外側で、かつ前記ギャップの100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ。」が提供される。
【0023】
また、本発明によれば、(36)「帯電部材と感光体の距離を制御するために、帯電部材と感光体の何れかの部材をスプリング等の機械的な力により圧力をかけ、他方の部材に対し押しつけることを特徴する前記第(31)項乃至第(34)項の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(37)「帯電部材と感光体の距離を制御するために、帯電部材と、ベルト状感光体を駆動もしくは従動するローラの何れかの部材をスプリング等の機械的な力により圧力をかけ、他方の部材に対し押しつけることを特徴する前記第(35)項に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(38)「前記帯電ローラの回転軸と感光体の回転軸がリング状部材で固定されてなることを特徴とする前記第(31)項乃至第(34)項、第(36)項の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(39)「前記帯電ローラの回転軸とベルト状電子写真感光体を支持し駆動もしくは従動を行うローラの回転軸がリング状部材で固定されてなることを特徴とする前記第(35)項又は第(37)項に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(40)「帯電部材の回転軸と、感光体の回転軸に回転駆動用のギア、カップリング、ベルト等の駆動付与手段が設けられてなり、各々が独立に回転駆動力が同期又は非同期に与えられることを特徴とする前記第(31)項乃至第(34)項、第(36)項、第(38)項の何れか1に記載の電子写真用プロセスカートリッジ」、(41)「帯電部材の回転軸と、ベルト状感光体を支持し駆動もしくは従動を行うローラの回転軸に回転駆動用のギア、カップリング、ベルト等の駆動付与手段が設けられてなり、各々が独立に回転駆動力が同期又は非同期に与えられることを特徴とする前記第(35)、第(37)項、第(39)項の何れか1に記載の電子写真用プロセスカートリッジ」、(42)「前記ギャップ保持機構が、感光体表面の非画像形成領域に形成された絶縁性ギャップ層であることを特徴とする前記第(31)項、第(36)項、第(38)項、第(40)項の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(43)「前記ギャップ保持機構が、感光体表面の非画像形成領域に配置された絶縁性ギャップ材であることを特徴とする前記第(31)項、第(36)項、第(38)項、第(40)項の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(44)「前記帯電部材と当接するフランジが絶縁性材料から構成されていることを特徴とする前記第(34)項、第(36)項、第(38)項、第(40)項の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(45)「前記帯電部材と当接する駆動ローラもしくは従動ローラにおける少なくとも帯電部材との接触部分が絶縁性材料から形成されていることを特徴とする前記第(35)項、第(37)項、第(39)項、第(41)項、第(42)項の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(46)「前記感光体表面の非画像形成領域に形成されたギャップ層の膜厚が10〜200μmであることを特徴とする前記第(31)項、第(36)項、第(38)項、第(40)項、第(42)項の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(47)「前記感光体表面の非画像形成領域に形成されたギャップ材の厚みが10〜200μmであることを特徴とする前記第(31)項、第(36)項、第(38)項、第(40)項、第(43)項の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(48)「前記感光体の非画像形成領域と画像形成領域の膜厚差が、10〜200μmであることを特徴とする前記第(32)項、第(36)項、第(38)項、第(40)項の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(49)「前記感光体における支持体の非画像形成領域と画像形成領域の厚みの差が、10〜200μmであることを特徴とする前記第(33)項、第(36)項、第(38)項、第(40)項の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(50)「前記感光体に近接配置された帯電部材表面と画像形成領域における感光体の最外層表面とのギャップが10〜200μmであることを特徴とする前記第(34)項、第(36)項、第(38)項、第(40)項、第(44)項の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(51)「前記感光体に近接配置された帯電部材表面と画像形成領域における感光体の最外層表面とのギャップが10〜200μmであることを特徴とする前記第(35)項、第(37)項、第(39)項、第(41)項、第(45)項の何れか1に記載の電子写真 装置用プロセスカートリッジ」、(52)「前記感光体の支持体が、シームレスベルトであることを特徴とする前記第(35)項、第(37)項、第(39)項、第(41)項、第(45)項、第(49)項の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(53)「前記電子写真感光体の感光層が電荷発生層と電荷輸送層の積層構成からなることを特徴とする前記第(31)項乃至第(52)項の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(54)「前記電子写真感光体の電荷輸送層に少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートを含有することを特徴とする前記第(53)項に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(55)「前記感光体の感光層上に、保護層を設けたことを特徴とする前記第(31)項乃至第(54)項の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(56)「前記感光体の保護層にフィラーを含有することを特徴とする前記第(55)項に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(57)「前記感光体の保護層に電荷輸送物質を含有することを特徴とする前記第(55)項又は第(56)項に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(58)「前記感光体の保護層に含有される電荷輸送物質が高分子電荷輸送物質であることを特徴とする前記第(57)項に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(59)「前記感光体の保護層に含有される高分子電荷輸送物質が、少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートを含有する高分子電荷輸送物質であることを特徴とする前記第(58)項に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」、(60)「前記帯電部材に対して直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加することにより、感光体に帯電を与えることを特徴とする前記第(31)項乃至第(59)項の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ」が提供される。
【0024】
また、本発明によれば、(61)「導電性支持体上に少なくとも感光層を有し、該感光体における感光体両端の非画像形成領域における感光体全層の膜厚が感光体中央側の画像形成領域における感光体全層の膜厚より10〜200μm厚い感光体の製造方法であって、該感光体の最表層を形成した後、画像形成領域を機械的な手段により削ることにより、非画像形成領域との膜厚差を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法」が提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明は、便宜上、5つの群に区分けて考えることができ、この5つの区分は、本発明の理解のために役立つ。
[第1群の本発明]
(1)「少なくともローラ形状の帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記電子写真感光体の画像形成表面領域とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるために、該感光体表面における両端の非画像形成領域の前記帯電部材と当接する部分にギャップ保持機構を有してなり、該ギャップ保持機構の内側端部が該感光体の画像形成領域外側端部よりもギャップの2倍以上離れた外側で、かつ前記ギャップの100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置」
以下、第1の群の本発明を図面に基づいて詳細に説明する。先ず、第1の群の本発明に用いられる電子写真感光体を図面に沿って説明する。
前述のように、帯電部材表面の感光体両端の非画像形成領域にギャップ保持機構を設けたものが使用できるが、大きく分けて2つの方法が可能である。
1つは、一般的な構成の感光体両端の非画像形成領域に、絶縁性部材からなるギャップ層を設ける方法である。以下に構造の一例を示すが、これらに限定するものでなく、公知の構成の感光体に第1の群の本発明のギャップ層を設ければ、いかなる公知の構造・材料のものも使用することが可能である。
【0026】
図1は、第1の群の本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、電荷発生材料と電荷輸送材料を主成分とする単層感光層(33)が設けられている。更にその上に感光体非画像形成領域にギャップ層(41)が設けられている。
【0027】
図2は、第1の群の本発明に用いられる電子写真感光体の他の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(37)とが積層された構成をとっている。電荷発生層と電荷輸送層の積層順は、図2の逆の構成でも構わない。この積層感光層上にギャップ層(41)が積層されている。
【0028】
図3は、第1の群の本発明に用いられる電子写真感光体の更に他の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、感光層(33)が設けられ、その上に保護層(39)が設けられ、更にその上にギャップ層(41)が設けられている。この場合感光層(33)は単層構成でも積層構成でも構わない。
【0029】
図4は、第1の群の本発明に用いられる感光体と帯電部材との位置関係を示した図である。図のように、感光体表面の非画像形成領域にギャップ層が設けられ、帯電部材がこの部分とだけ接触することにより、画像形成領域とは空間的な隙間(ギャップ)を有し、感光体画像形成領域に非接触状態で帯電を施すものである。
【0030】
図5は、感光体の画像形成領域と、感光体の非画像形成領域に形成されたギャップ保持機構の位置関係を詳細に示した図である。本発明においては、両者の位置関係が重要である。すなわち、図5に示したように、感光体の画像形成領域の外側端部位置に対して、ギャップ保持機構の内側端部の位置が、ギャップ保持機構により形成されるギャップの2倍以上の距離だけ、感光体中心部からみて外側に配置されるものである。この距離が短い場合には、前述のような不具合点を生じることがあり、これを回避するため最低ギャップの2倍以上が必要である。一方、この距離を大きく取ることは、不具合回避の点からは有効であるが、あまりにも距離を大きくすることは感光体及び帯電部材の長さが長くなることになり、ひいてはマシン全体が大きくなってしまう。従って、ギャップの100倍以下あるいは10mm以下程度に設定することが好ましい。
【0031】
次に、第1の群の本発明のギャップ保持機構として、感光体両端の非画像形成領域にギャップ材を設ける場合について説明する。以下に構造の一例を示すが、これらに限定するものでなく、公知の構成の感光体に本発明のギャップ材を設ければ、いかなる公知の構造・材料のものも使用することが可能である。
【0032】
図6は、第1の群の本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、電荷発生材料と電荷輸送材料を主成分とする単層感光層(33)が設けられている。更にその上に感光体非画像形成領域にギャップ材(43)が設けられている。
【0033】
図7は、第1の群の本発明に用いられる電子写真感光体の他の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(37)とが積層された構成をとっている。電荷発生層と電荷輸送層の積層順は、図7の逆の構成でも構わない。この積層感光層上にギャップ材(43)が積層されている。
【0034】
図8は、第1の群の本発明に用いられる電子写真感光体の更に他の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、感光層(33)が設けられ、その上に保護層(39)が設けられ、更にその上にギャップ材(43)が設けられている。この場合感光層(33)は単層構成でも積層構成でも構わない。
【0035】
図9は、第1の群の感光体と帯電部材との位置関係を示した図である。図のように、感光体表面の非画像形成領域にギャップ材が配置され、帯電部材がこの部分とだけ接触することにより、画像形成領域とは空間的な隙間(ギャップ)を有し、感光体画像形成領域に非接触状態で帯電を施すものである。
【0036】
導電性支持体(31)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体(31)として用いることができる。
【0037】
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも、導電性支持体(31)として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
【0038】
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロンなどの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、導電性支持体(31)として良好に用いることができる。
【0039】
次に、感光層について説明する。感光層は単層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層(35)と電荷輸送層(37)で構成される場合から述べる。
電荷発生層(35)は、電荷発生物質を主成分とする層である。
電荷発生層(35)は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
【0040】
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
【0041】
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0042】
また、必要に応じて電荷発生層(35)に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
【0043】
電荷発生層(35)を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法が大きく挙げられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、電荷発生層(35)として、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層(35)の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0044】
電荷輸送層(37)は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0045】
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
【0046】
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
【0047】
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0048】
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜100μm程度とすることが好ましい。ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
【0049】
また、電荷輸送層には電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これら高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れたものである。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。中でも、下記一般式(I)〜(X)で表わされる高分子電荷輸送物質が良好に用いられ、これらを以下に例示し、具体例を示す。
【0050】
【化1】
Figure 0003847584
式中、R1,R2,R3はそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R5,R6は置換もしくは無置換のアリール基、o,p,qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k,jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表わされる2価基を表わす。
【0051】
【化2】
Figure 0003847584
式中、R101,R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表わす。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−,−S−,−SO−,−SO2−,−CO−,−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)または、
【0052】
【化3】
Figure 0003847584
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表わす。)を表わす。ここで、R101とR102,R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。
【0053】
【化4】
Figure 0003847584
式中、R7,R8は置換もしくは無置換のアリール基、Ar1,Ar2,Ar3は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0054】
【化5】
Figure 0003847584
式中、R9,R10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar4,Ar5,Ar6は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0055】
【化6】
Figure 0003847584
式中、R11,R12は置換もしくは無置換のアリール基、Ar7,Ar8,Ar9は同一又は異なるアリレン基、pは1〜5の整数を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0056】
【化7】
Figure 0003847584
式中、R13,R14は置換もしくは無置換のアリール基、Ar10,Ar11,Ar12は同一又は異なるアリレン基、X1,X2は置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0057】
【化8】
Figure 0003847584
式中、R15,R16,R17,R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13,Ar14,Ar15,Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y1,Y2,Y3は単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同一であっても異なってもよい。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0058】
【化9】
Figure 0003847584
式中、R19,R20は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表わし、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17,Ar18,Ar19は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0059】
【化10】
Figure 0003847584
式中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20,Ar21,Ar22,Ar23は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0060】
【化11】
Figure 0003847584
式中、R22,R23,R24,R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24,Ar25,Ar26,Ar27,Ar28は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0061】
【化12】
Figure 0003847584
式中、R26,R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29,Ar30,Ar31は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0062】
第1の群の本発明の感光体において電荷輸送層(37)中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいは、オリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
【0063】
次に、感光層(33)が単層構成の場合について述べる。上述した電荷発生物質を結着樹脂中に分散した感光体が使用できる。単層感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。さらに、この感光層には上述した電荷輸送材料を添加した機能分離タイプとしてもよく、良好に使用できる。また、必要により、可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0064】
結着樹脂としては、先に電荷輸送層(37)で挙げた結着樹脂をそのまま用いるほかに、電荷発生層(35)で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。単層感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を必要ならば電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコートなどで塗工して形成できる。単層感光層の膜厚は、5〜100μm程度が適当である。
【0065】
第1の群の本発明の感光体においては、導電性支持体(31)と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
【0066】
これらの下引き層は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に第1の群の本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0067】
第1の群の本発明の感光体においては、感光層保護の目的で、保護層(39)が感光層の上に設けられることもある。保護層に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、及びこれらの樹脂に酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、シリカ等の無機フィラー、また有機フィラーを分散したもの等を添加することができる。
また、保護層には電荷輸送物質を用いることができ、保護層を積層することによる残留電位の上昇を抑える等の点で、有効な手段である。電荷輸送物質としては、先の電荷輸送層の説明に挙げたような材料を使用することができる。正孔輸送物質と電子輸送物質との使い分けに関しては、帯電の極性と層構成により適当な選択をすることが好ましい。
また、保護層には、電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これら高分子電荷輸送物質から構成される保護層は、耐摩耗性および正孔輸送特性に優れたものである。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料を使用することができるが、電荷輸送層に使用される場合と同様の一般式(I)〜(X)で表わされる高分子電荷輸送物質が特に有効に使用される。
保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。なお保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。また、以上のほかに真空薄膜作成法にて形成したa−C、a−SiCなど公知の材料を保護層として用いることができる。また、保護層にも前述の各種添加剤を用いることができる。
【0068】
感光体が高耐摩耗性(高分子電荷輸送物質使用電荷輸送層、保護層)を有した場合のメリット
(i)感光体の機械的耐久性が向上し、安定したギャップが確保できる
本発明の構成の非接触近接配置した帯電機構では、帯電部材の表面と感光体表面の非画像形成領域に設けられたギャップ保持機構の当接によりギャップが形成される。この際、感光体表面のクリーニングは感光体中心部からみて画像形成領域外側端部の外側までカバーすることが有効である。これは前述のようにギャップ保持部材の内側端部に繰り返し使用により生じた残留トナーが溜まりやすい等の理由によるものである。また、画像形成領域のみをクリーニングしてしまうと、繰り返し使用により感光体表面が摩耗し、その結果、感光体と帯電部材のギャップが広がってしまうという現象が起こり得るからである。ここで、本発明のように感光体表面を耐摩耗性を有するような構成、例えば、電荷輸送層が表面に配置されるような構成では電荷輸送層に高分子電荷輸送物質を用いる、また、電荷輸送層よりも機械的耐久性の大きな保護層を用いることにより、クリーニング部材によるストレスに対して強くなり、ギャップの安定性を維持できる。この際、保護層にフィラーを用いる、高分子電荷輸送物質を用いることは、更なる機械的耐久性の向上が見込まれ有利である。また、フィラー等を保護層に用いる場合には保護層の電荷輸送能を低下させる場合があり、電荷輸送物質を添加することでこの不具合点を解消できる。
特に、本発明のような非接触近接配置した帯電機構では、帯電性安定化のためにAC成分の重畳が非常に有利である。しかしながら、感光体表面にAC成分が重畳された電荷が降り注ぐことにより、感光体へのハザードが増し、AC非重畳の場合に比べて感光体の摩耗量が著しく増大する。この結果、帯電の安定化は図られても、感光体の機械的寿命を結果的に縮めてしまうことにもなり得て、トレード・オフの設計になってしまう場合がある。上述した感光体の構成にし、感光体の機械的強度を向上させることにより、このトレード・オフの関係を解消することもできる。
【0069】
(ii)帯電部材の耐久性を向上させることができる
上述したように、ここまでの技術においては、感光体の寿命(主に機械的耐久性)が律速となり感光体径の小径化が限界を生み出していた。この結果、マシンのコンパクト化にも限界を生ずることのみならず、帯電部材径の比率も自ら大きいものとなっていた。帯電部材も様々な材料、構成より高耐久化の検討がなされているが、基本的には弾性ゴムのような材料から構成されている。本発明のように感光体表面と非接触にすることにより、接触帯電方式に比べ、繰り返し使用における表面の機械的な摩耗、感光体上の残留トナー等による汚染に関しては、飛躍的に向上し、少なくとも帯電部材の寿命となり得る要因ではなくなった。しかしながら、繰り返し使用における放電により、材料そのものの劣化現象は大きく改良されていない。この原因の1つとして、帯電部材径に対して感光体径が大きいことが挙げられる。例えば、現在小径感光体の主流である直径30mm程度の感光体に対して、マシンあるいはカートリッジのコンパクト化のために、直径10mm程度の帯電部材が使用されている。メンテナンスの効率化のため、この両者を同時に交換を行なうとすれば、帯電部材の耐久性は単純に感光体の3倍を要することになる。しかしながら、上述のように感光体の耐久性を向上させることができれば、同じ帯電部材を使用した場合にはその分だけ感光体径を小さくすることができる。この結果、帯電部材と感光体径の比率が小さくなり、帯電部材へのストレスが低減でき、感光体の耐久性との関係においては、実質的に帯電部材の耐久性の比率を向上することができ、帯電部材への信頼性が増すことになる。更には、よりコンパクトなマシン、カートリッジが設計可能にもなる。
また、本発明のような近接帯電においては、その帯電現象はパッシェンの法則に従う様な放電現象により感光体は帯電される。このとき、感光体と帯電部材との間で起こる放電に関しては、感光体と帯電部材がある距離に近づくか、あるいは離れた状態で放電が行なわれる。この放電が行なわれる範囲を、感光体もしくは帯電部材表面の面積として置き換えることができる。この面積は感光体及び帯電部材の曲率により依存し、いずれも曲率が大きいほど、言い換えれば、いずれの径が小さいほど面積は小さくなる。実験の結果、何れかの径を小さくしていった場合、印加電圧に対する感光体帯電電位には影響を与えず、同時に副作用的に発生する反応性ガス(オゾン、NOx等)の量を低減することができた。即ち、放電が行なわれる面積を小さくすることにより、感光体への帯電効率を落とすことなく、反応性ガスの発生が小さくなったということである。この結果から、上述のように感光体の耐摩耗性が向上することにより、感光体径を小さくすることができ、この結果帯電部材から発生する反応性ガスを低減することができるという図式が成立する。この際、反応性ガスにより損傷を受ける感光体表面あるいは帯電部材表面の劣化を低減させることができ、両者の耐久性が一段と向上することになる。
なお、感光体の小径化に関しては、感光体周りに配置される他の部材との関係も考慮される。例えば、非常に高速な電子写真システムに用いられる場合、現像・転写などのプロセスの追従性も考慮する必要がある。即ち、現像・転写では、感光体と接する最低の有効領域(ニップ幅)が必要になる。感光体の径が非常に小さくなると、曲率が大きくなり、ニップ幅が稼げなくなります。この点から、感光体径の下限値は帯電部材径の下限値と同程度の直径10mm程度が下限値として設定される。
また、感光体の組成を同一とした場合に、パッシェンの法則に従い、感光層の膜厚が薄いほど帯電がされやすい状態になる。前述のように、耐摩耗性が向上した感光体を用いる場合には、感光層の膜厚を薄くすることができるため、帯電部材に印加電圧を下げることが可能になる。このため、繰り返し使用においては、帯電部材へのストレスが低減され、帯電部材の化学的劣化が少なくなるため、帯電部材の耐久性が向上する。更に、このように帯電部材への印加電圧が下げられることにより、帯電部材より発生する反応性ガス(オゾン、NOx等)の量が低減化され、感光体及び帯電部材を構成する材料の劣化が抑制され、更に耐久性が連鎖的に向上することになる。
【0070】
(iii)高画質化が図れる
感光体の耐摩耗性が向上するため、感光層の膜厚を薄くすることができる。このため、感光層で生成した光キャリアが感光体表面まで横切る距離が短くなるため、キャリアの拡散する確率が低くなり、静電性像形成において書き込み光に対してより忠実なドットを再現するようになる。すなわち、解像度を高くすることができる。
また、前述のように帯電部材からの反応性ガスの発生量が少なくなるため、一般にボケ物質と呼ばれるような低抵抗物質の生成、及び感光体表面への吸着等が抑制され、画像ボケが著しく低減できる。このため使用環境下の制限が極めて少なくなり、またドラムヒータなども不要になり、低コスト、省スペース、省資源に貢献でき、オフィス環境に優しい装置の設計が可能になる。
【0071】
第1の群の本発明の感光体においては感光層と保護層との間に中間層を設けることも可能である。中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく通常の塗布法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
【0072】
また、第1の群の本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質およびレベリング剤を添加することができる。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
【0073】
各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、トコフェロール類など。
【0074】
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0075】
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0076】
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
【0077】
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0078】
各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
【0079】
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
【0080】
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
【0081】
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
【0082】
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
【0083】
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
【0084】
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
【0085】
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
【0086】
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
【0087】
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
【0088】
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
【0089】
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
【0090】
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
【0091】
各層に添加できる滑剤としては、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
【0092】
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
【0093】
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
【0094】
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
【0095】
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
【0096】
(f)金属石けん
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
【0097】
(g)天然ワックス
カルナウバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
【0098】
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
【0099】
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど。
【0100】
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど。
【0101】
(c)ベンゾトリアゾール系
(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−3’−ターシャリブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール。
【0102】
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシ)アクリレートなど。
【0103】
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル(2,2’−チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
【0104】
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
【0105】
次に、第1の群の本発明におけるギャップ層(41)は、帯電部材からの異常放電等をなくす必要があるため、絶縁部材から形成される。ここでいう絶縁部材とは、少なくとも感光体画像形成領域の表面より抵抗が高い材料を指し、1010Ω・cm程度以上の抵抗を有する材料である。また、電子写真装置中の使用時においては、感光体と摺擦されるため、耐摩耗性の高い材料が有効に使用される。具体的には、成膜性のよいエンジニアリングプラスチックのような材料が用いられる。例えば、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。また、ギャップ層の表面摩擦係数を小さくするため、これら樹脂をフッ素、珪素原子などにより変性したもの、フッ素樹脂、珪素樹脂などを分散したものなども良好に使用できる。さらに、耐摩耗性向上のため、各種フィラーを分散して使用することも有効な手段である。
【0106】
第1の群の本発明におけるギャップ層の形成法としては各種方法を用いることができるが、湿式法での作製が簡便的であり有用である。形成法としては大きく分けて、2つの方法に大別できる。1つは、感光体画像形成領域にマスキングを施し、スプレー法あるいはノズルコート法を用い非画像形成領域のみにギャップ層を形成する方法である。また、浸漬塗工法を用い、感光体の両端に片側ずつギャップ層を設ける方法も有効な手段である。もう1方の手段としては、ギャップ層を感光体表面全域にコーティングしてしまい、その後に感光体画像形成領域を切削等の方法により削り取ってしまう方法が挙げられる。いずれの方法を選択するかは任意であるが、エコロジー等の点からは、前者の方が有利な方法であるといえる。
【0107】
なお、ギャップ層の膜厚は10〜200μmが好ましい。より好ましくは、20〜100μmである。10μm以下の場合は、帯電部材と感光体が接触する可能性があり、また感光体上の未クリーニングトナーが帯電部材に固着する可能性があり、好ましくない。また、200μm以上の場合には、帯電部材に印加する電圧が高くなり余分な消費電力を必要とし、更に感光体上の帯電ムラが生じやすくなるという欠点も有しており好ましくない。
【0108】
また、第1の群の本発明におけるギャップ材(43)は、帯電部材からの異常放電等をなくす必要があるため、絶縁部材から形成される。ここでいう絶縁部材とは、少なくとも感光体画像形成領域の表面より抵抗が高い材料を指し、1010Ω・cm程度以上の抵抗を有する材料である。また、電子写真装置中の使用時においては、感光体と摺擦されるため、耐摩耗性の高い材料が有効に使用される。具体的には、成膜性のよいエンジニアリングプラスチックのような材料が用いられる。例えば、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。また、ギャップ層の表面摩擦係数を小さくするため、これら樹脂をフッ素、珪素原子などにより変性したもの、フッ素樹脂、珪素樹脂などを分散したものなども良好に使用できる。さらに、耐摩耗性向上のため、各種フィラーを分散して使用することも有効な手段である。これらがテープ状、シール状、チューブ状等の形態になっているものは有効に使用できる。
【0109】
第1の群の本発明におけるギャップ材の形態としてはギャップ保持機能を有するものであれば、いかなるものも使用できるが、大別すると2つの方式に分類される。1つは、シームレス状の形態である。これは帯電部材と感光体がギャップ材部分のみで当接させることを考慮すると、安定なギャップを確保するために有効な手段といえる。シームレス状の形態を形成するためには、例えば、熱収縮チューブ等を利用し、感光体両端にギャップ材を形成する方法、ギャップ材厚み相当の太さを持ったチューブを感光体長手方向垂直の向きに巻き付ける等の方法が挙げられる。一方の形態としては、継ぎ目を有する形態である。こちらの場合には、電子写真装置の稼働時にギャップが安定に維持されるための工夫が必要である。テープ状、シール状のギャップ材を感光体長手方向垂直の向きに継ぎ目を有し巻き付けるわけであるが、この際、継ぎ目に相当する部分を通常の部分より薄い構造にし重ねる方法、継ぎ目を膜厚方向に対し斜めに形成したものを重ねる方法などが挙げられる。また、図10のように回転方向に対し、ギャップ材幅に対し継ぎ目幅の割合が限りなく小さくなるように構成され、実質的にシームレスと同等に使用できるように工夫したものは、作り易さ、使用勝手等に優れており、特に有効に使用できる。
【0110】
なお、ギャップ材の厚みは10〜200μmが好ましい。より好ましくは、20〜100μmである。10μm以下の場合は、帯電部材と感光体が接触する可能性があり、また感光体上の未クリーニングトナーが帯電部材に固着する可能性があり、好ましくない。また、200μm以上の場合には、帯電部材に印加する電圧が高くなり余分な消費電力を必要とし、更に感光体上の帯電ムラが生じやすくなるという欠点も有しており好ましくない。
【0111】
本発明においては、帯電部材と感光体表面の空隙を制御することは極めて重要な点である。上述のギャップ層或いはギャップ材等で、帯電部材と感光体が所定の距離より近づきすぎないようにするには制御が可能であるが、離れすぎないようにするためには更なる工夫が必要である。
この機構としては、様々な形態が考えられるが、本発明においては、次の2つの方法が良好に用いられる。1つの方法は、帯電部材と感光体の距離を規制してしまう方法である。具体的には、帯電部材と感光体がギャップを介して当接した状態で固定してしまう方法である。より詳細には、帯電部材の回転軸と感光体の回転軸をリング状の部材で固定してしまう方法である。この方法の1例を図11、図12に示す。図のように帯電部材の回転軸と感光体の回転軸は、リング状部材により固定されてなり、所定のギャップ以上に両者の間隔が広がらないような制御が行われている。このようなリング状部材としては、可撓性のあるリング、或いはベルト状のリングが挙げられる。特にシームレスベルト状の金属、プラスチックフィルム等は有効に使用できる。
【0112】
リング状部材を使用することのメリット
(i)帯電部材と感光体の配置関係における自由度が増す
帯電部材と感光体間の距離を規制(離れすぎないようにする)ため、帯電部材を重力等により感光体に接するように配置する。このためマシン本体内の帯電部材の位置は、感光体に対して上方に必ず配置されることになる。このように、マシン設計上の制約として帯電部材と感光体の配置関係が決定されてしまうことになるが、本発明のようにリング状部材により感光体と帯電部材間の距離を規制してしまうことにより、レイアウト上の自由度が非常に大きくなるものである。これにより、機内スペースを効率的に使用した小型化設計に有利になる。
【0113】
(ii)異常画像が防止できる
感光体および帯電部材をより小径化した場合、ある程度高速システムで使用されるようになると、両者の回転速度は非常に高くなる。このような場合、帯電部材と感光体間の距離が所定のギャップより広がってしまう場合がある。この結果、帯電ムラが生じ、バンディングと呼ばれる様な濃度ムラを代表とする異常画像が発生する場合がある。本発明のようにリング状部材により感光体と帯電部材間の距離を規制してしまうことにより、ギャップを正確に規制することができ、これを防止することができる。この方法による異常画像の発生防止効果は、前記スプリング等の押しつけ機構よりも更なる効果が得られるものであり、また押しつけ機構との併用も可能である。
【0114】
(iii)異音を防止できる
本発明のような非接触帯電、あるいは接触帯電の様な形態により感光体に帯電を行う場合、DC成分にAC成分を重畳した電圧により行なわれることが多い。このような場合、AC成分の周波数に感光体等が共振して異音を発生してしまう場合がある。通常、この対策として感光体内部に詰め物等を入れて感光体の重量を変え、共振する周波数を変えてしまうようなことで対策が行なわれる。このような方法は非常に有効であるが、感光体そのものの重量が重くなり、感光体を駆動するモーターのトルクを大きくする必要があったり、詰め物の値段分だけコストが上昇するといった不具合点が生じる。これに対して、本発明のようにリング状部材により感光体と帯電部材間の距離を規制してしまうことにより、共振点を回避する(異音を防止する)ような設計が可能になる。この方法による異音の発生防止効果は、前記スプリング等の押しつけ機構よりも更なる効果が得られるものであり、また押しつけ機構との併用も可能である。
【0115】
(iv)駆動による振動の影響を低減できる
フルカラー用電子写真装置では、高速対応のため複数本の感光体を用いたタンデム型のシステムが使用される。このような場合、いろいろな出力モードが採用される。例えば、画質優先するか速度優先するかで感光体の線速を変えたり、フルカラー出力と白黒出力で感光体線速を変えたり、黒ステーションだけ動作させたりする。この様な場合、カラー4色の各ステーション(すくなくとも感光体と帯電部材が対になった構成)の動作は常に一定ではなく、逐次動作スピードが変更される。このような場合には、駆動モーターの振動、あるいは駆動を伝える部材の振動等を感光体が受けることになり、異常画像等が発生しやすくなる。特に、精密な駆動を意図したギヤ駆動を行なっている場合には、その影響が大きい。このような場合にも、本発明のようにリング状部材により感光体と帯電部材間の距離を規制してしまうことにより、ギャップを正確に規制することができ、この影響を低減することが可能になる。
【0116】
もう1つの方法は、帯電部材と感光体がギャップを介して当接するように、帯電部材に対してバネ等の機械的作用を持って感光体方向に圧力をかけ、帯電部材を感光体に押しつけてしまう方法である。この方法の1例を図13に示す。図では、帯電部材に圧力をかけるスプリングが、回転軸に対して当接されてなるが、ローラ表面を直接押すような構成であっても構わない。図13とは逆に、感光体に圧力をかけて帯電ローラに押しつける方法も可能であるが、感光体に当接する他の部材への影響も考慮すると、帯電部材を感光体に押しつける方法が望ましい。
また、この方法においては、帯電部材の回転軸と、感光体回転軸の両方にギア、カップリング、ベルト等を付けて、各々を独立に回転駆動力を与える方式にすることも有効な手段である(図14)。帯電部材もしくは感光体の片側に駆動ギアを付け、他方を接触する力により連れ回りさせることも可能であるが、その場合には帯電部材の感光体への当接圧を大きくする必要があり、機械的耐久性を考慮すると不利である。また、帯電部材表面と感光体表面の移動速度は任意に設定できるが、ギャップ部位での摺擦等を考慮すると、両者が等速で移動することが有利である。
【0117】
スプリング等の押しつけ部材を使用することのメリット
(i)帯電部材と感光体の配置関係における自由度が増す
帯電部材と感光体間の距離を規制(離れすぎないようにする)ため、帯電部材を重力等により感光体に接するように配置する。このためマシン本体内の帯電部材の位置は、感光体に対して上方に必ず配置されることになる。このように、マシン設計上の制約として帯電部材と感光体の配置関係が決定されてしまうことになるが、本願のように帯電部材と感光体のいずれかにスプリング等の機械的な力により圧力をかけ、他方の部材に押しつける構造にすることにより、レイアウト上の自由度が非常に大きくなるものである。これにより、機内スペースを効率的に使用した小型化設計に有利になる。
【0118】
(ii)異常画像が防止できる
感光体および帯電部材をより小径化した場合、ある程度高速システムで使用されるようになると、両者の回転速度は非常に高くなる。このような場合、帯電部材と感光体間の距離が所定のギャップより広がってしまう場合がある。この結果、帯電ムラが生じ、バンディングと呼ばれる様な濃度ムラを代表とする異常画像が発生する場合がある。本願のように帯電部材と感光体のいずれかにスプリング等の機械的な力により圧力をかけ、他方の部材に押しつける構造にすることにより、ギャップを正確に規制することができ、これを防止することができる。また、接触するスプリングの重量や弾性定数を適宜調整することにより、ジッタ(jitter)等の発生しやすいような共振点を回避することができ、前記現象を防止することができる。
【0119】
(iii)異音を防止できる
本発明のような非接触帯電、あるいは接触帯電の様な形態により感光体に帯電を行なう場合、DC成分にAC成分を重畳した電圧により行なわれることが多い。このような場合、AC成分の周波数に感光体等が共振して異音を発生してしまう場合がある。通常、この対策として感光体内部に詰め物等を入れて感光体の重量を変え、共振する周波数を変えてしまうようなことで対策が行なわれる。このような方法は非常に有効であるが、感光体そのものの重量が重くなり、感光体を駆動するモーターのトルクを大きくする必要があったり、詰め物の値段分だけコストが上昇するといった不具合点が生じる。これに対して、本発明のように帯電部材と感光体のいずれかにスプリング等の機械的な力により圧力をかけ、他方の部材に押しつける構造にし、接触するスプリングの重量や弾性定数を適宜調整することにより、共振点を回避する(異音を防止する)ような設計が可能になる。
【0120】
帯電部材と感光体を独立に同期させて駆動させることのメリット
(i)他部材の負荷変動による影響を低減することができる
一般には感光体もしくは帯電部材に駆動モータ等の駆動力を伝達し、その部材の少なくとも片側にギヤ等を設け、他方の部材にもギヤ等を設けることにより、モータの駆動力を受け取り一方の部材に連れ周りする形で回転するものである。しかしながら、繰り返し使用によって感光体もしくは帯電部材の駆動に関して負荷変動が生じた場合、他方の部材もこれにより影響されてしまうという欠点がある。これに対し、各々の部材を独立に駆動することにより片方の部材の負荷変動が生じてもこれに影響されることなく、駆動が正確に行なわれる。
また、感光体と帯電部材の径比率を整数倍に(片方を他方の整数倍の径に)設定することにより、両者を同期した形で駆動することが可能になる。この場合、感光体と帯電部材は繰り返し使用において常に同じ部分が当接することになり、安定したギャップが維持できる。また、一方の円周上にマークなどを設けることにより、当接するタイミングを正確に制御することが可能になる。
【0121】
帯電部材と感光体表面が等速で駆動することのメリット
(i)ギャップ保持部材への負荷を低減できる
例えば、感光体の静電容量が大きく、帯電部材から感光体表面へ降り注ぐ電荷量を増大させるため、帯電部材表面の線速を感光体表面の線速より早く回転させた場合、ギャップ保持部材への負荷が大きくなり、ギャップ保持部材の摩耗量が増大し、ギャップの安定性が低下する。このため、感光体と帯電部材を独立駆動させる場合、両者の表面の移動速度を等速にすることにより、ギャップ保持部材の耐久性が増し、ギャップの安定性が向上する。
【0122】
(ii)帯電ギャップ部の雰囲気が安定する
帯電部材表面の回転速度と感光体表面の回転速度が異なる場合、本発明のような非接触近接帯電においてはギャップ部の気流に乱れを生じる場合がある。このような場合、帯電が不安定になり、異常画像が発生する場合がある。ギャップ保持機構を挟み当接する両者を等速に駆動させることにより、帯電ギャップの雰囲気を安定させ、帯電を安定させることが可能になる。
【0123】
図11〜図14に示される回転駆動方式は、円筒状感光体の回転軸と帯電部材としての帯電ローラとの間に設けるものとして記載されているが、このような回転駆動方式は、勿論、ベルト状感光体の回転軸と帯電部材としての帯電ローラとの間に設けても差し支えない。
【0124】
以下、第1の群の本発明に用いられる帯電部材を図面にそって説明する。帯電部材は公知のものが使用でき、以下にその一例を示すが、これらに限定されるものではない。
図15は、第1の群の本発明に用いられる帯電部材を表わす断面図であり、回転軸(例えば金属シャフト)(51)上に、導電性弾性体(53)が設けられている。
図16は、第1の群の本発明に用いられる帯電部材の他の構成例を示す断面図であり、回転軸(51)上に、導電性弾性体(53)、その上に抵抗調整層(55)が設けられている。
【0125】
回転軸(51)としては、鉄、銅、真鍮、ステンレスなどの金属部材が用いられる。
導電性弾性体(53)としては、一般に合成ゴム中に導電性粉末や導電性繊維(カーボンブラック、金属粉末、カーボン繊維など)を混入した組成物により形成される。表面に抵抗調整層を用いる場合には、この層の抵抗は103〜108Ω・cm程度の半導電性領域が良好に用いられ、単独で用いられるような場合にはもう少し高め(104〜1010Ω・cm程度)で使用される。
【0126】
以上のように構成される帯電部材を形成する層は、非画像形成領域まで均一に成膜されることが好ましい。即ち、ギャップ保持機構と当接する帯電部材面には、導電性弾性体や抵抗調整層が形成していることが望ましい。
この理由は、帯電部材の回転軸(芯金)と感光体の間で電気的なリークを生じる可能性があり、電気的リークを生じるとその部分に多量のトナーが現像され、端部の異常な地汚れを生じてしまう。感光層を設けることにより、上記の欠点を解消することができるものである。
【0127】
抵抗調整層(55)は、通常の合成樹脂(ポリエチレン、ポリエステル、エポキシ樹脂)や合成ゴム(エチレン−プロピレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、塩素化ポリエチレンゴム等)等が用いられる。このほかに、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム、エピクロルヒドリンゴムとフッ素樹脂の混合物など様々なものが使用できる。
【0128】
また、以上のような帯電部材を用いて感光体上に帯電を施す場合には、直流成分に交流成分を重畳した交番電界で帯電を施した方が帯電ムラが減少でき良好である。
【0129】
次に図面を用いて第1の群の本発明の電子写真方法ならびに電子写真装置を詳しく説明する。
図17は、第1の群の本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図であり、この例の電子写真装置においては、帯電装置として図15、図16に示されるような帯電部材が用いられ、ギャップ保持機構により帯電用部材(8)が感光体に非接触近接配置されている。除電ランプ(7)、イレーサ(9)、画像露光部(10)、現像ユニット(11)が感光体に接触若しくは近接配置され、ファーブラシ(18)及びクリーニングブレード(19)を有するクリーニングユニットが感光体に接触若しくは近接配置されており、現像ユニット(11)で感光体上に形成されたトナー像は、レジストローラ(13)により供給された転写紙(14)に転写ベルト(15)の箇所で転写され、転写像を有する転写紙(14)は分離爪(16)により感光体(1)から分離される。必要に応じて、転写前チャージャ(12)、転写チャージャ(15a)、分離チャージャ(15b)、クリーニング前チャージャ(17)が配置され、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。帯電用部材により感光体に帯電を施す際、帯電部材に直流成分に交流成分を重畳した電界により感光体に帯電を与えることにより、帯電ムラを低減することが可能で効果的である。
【0130】
図17において、感光体(1)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。感光体両端の非画像形成領域には前述の如くギャップ保持機構を有してなるものである。帯電部材(8)、転写前チャージャ(12)、転写チャージャ(15a)、分離チャージャ(15b)、クリーニング前チャージャ(17)には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図に示されるように転写チャージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的である。
【0131】
また、画像露光部(10)、除電ランプ(7)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
かかる光源等は、図17に示される装置及び工程の他に、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光等の工程に用いることにより、感光体に光を照射することができる。
【0132】
さて、現像ユニット(11)により、感光体(1)上に現像されたトナーは、転写紙(14)に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体(1)上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーはファーブラシ(18)およびクリーニングブレード(19)により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。
これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法を適用することができ、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0133】
図18には、第1の群の本発明による電子写真装置、プロセスの更に別の例を示す。感光体(21)は導電性支持体上に少なくとも感光層が設けられ、非画像形成領域にはギャップ保持機構が設けてある。感光体(21)は駆動ローラ(22a)、(22b)により駆動され、帯電ローラ(23)による帯電、像露光源(24)による像露光、現像(図示せず)、転写チャージャ(25)を用いる転写、光源(26)によるクリーニング前露光、クリーニングブラシ(27)によるクリーニング、除電光源(28)による除電が繰り返し行なわれる。図18の装置においては、感光体(21)(勿論この場合は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
【0134】
以上の図示した電子写真装置及びプロセスは、第1の群の本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、図18において支持体側よりクリーニング前露光を行なっているが、これは感光層側から行なってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行なってもよい。
【0135】
一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
【0136】
以上に示すような本発明の画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図19に示すものが挙げられる。この例のプロセスカートリッジにおいて、感光体(73)の近隣周囲には接触帯電用の帯電部材(70)、画像露光部(71)、現像ローラ(75)、転写ローラ(74)、クリーニングブラシ(72)等が配置されており、感光体(73)は、導電性支持体上に少なくとも感光層を有し、非画像形成領域にギャップ保持機構を有してなるものである。
【0137】
[第2の群の本発明]
(2)「少なくともローラ形状の帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記電子写真感光体の画像形成表面領域とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるために、該感光体両端の非画像形成表面領域における感光体全層の膜厚が感光体中央側の画像形成領域における感光体全層の膜厚よりも厚く、この膜厚差を利用して帯電部材を感光体非画像形成領域のみに当接させ、感光体の帯電部材当接部内側端部が該感光体の画像形成領域外側端部よりも前記膜厚差の2倍以上離れた外側で、かつ前記膜厚差の100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置」
次に、第2の群の本発明を図面に基いて詳細に説明する。第2の群の本発明における電子写真感光体を製作するには、第1の群の本発明の電子写真感光体を製作する際に用いたものを同様に使用することができる。
【0138】
即ち、第2の群の本発明に用いられる電子写真感光体は、第1の群の本発明の場合と同様な材料を用いて製作することができ、例えば、単層感光層、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層と電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層とが積層された構成、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層と電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層とが積層され、更にその上に保護層が設けられた構成を採ることができ、さらに、後程の中央部の削り取り工程等を考慮して、予め保護層の厚さを加減しておくことができる。
【0139】
そして、作製した電子写真感光体は、感光体両端の非画像形成領域を除き、中央部分の画像形成領域における最表層を機械的手段により削られるものである。この手段により、画像形成領域と非画像形成領域の膜厚差を設けるものである。前記機械的手段としては、例えば、バイト等による切削、グラインダー、エメリーペーパー等による研磨、研磨剤等による表面研磨等が挙げられ、この他公知の方法を用いることができる。
【0140】
図20は、第2の群の本発明の電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(231)上に、電荷発生材料と電荷輸送材料を主成分とする単層感光層(233)が設けられている。その両端の非画像形成領域の膜厚が中央部の画像形成領域より厚くなっている。
【0141】
図21は、第2の群の本発明の電子写真感光体の他の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(231)上に、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層(235)と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(237)とが積層された構成をとっている。電荷発生層と電荷輸送層の積層順は、図21の逆の構成でも構わない。上層になる層の両端の非画像形成領域の膜厚が中央部の画像形成領域より厚くなっている。
【0142】
図22は、第2の群の本発明の電子写真感光体の更に他の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(231)上に、感光層(233)が設けられ、その上に保護層(239)が設けられている。この場合、感光層(233)は単層構成でも積層構成でも構わない。保護層の両端の非画像形成領域の膜厚が中央部の画像形成領域より厚くなっている。
【0143】
図23は、第2の群の本発明の感光体と帯電部材との位置関係を示した図である。図のように、感光体表面の非画像形成領域の膜厚が中央部の画像形成領域より厚くなっており、帯電部材がこの部分とだけ接触し、画像形成領域とは空間的な隙間(ギャップ)を有し、感光体画像形成領域に非接触状態で帯電を施すものである。
【0144】
図24は、感光体の画像形成領域と感光体非画像形成領域に形成された膜厚段差の位置関係を詳細に示した図である。本発明においては、両者の位置関係が重要である。すなわち、図24に示したように、感光体の画像形成領域の外側端部位置に対して、ギャップを形成するための膜厚段差即ち帯電部材当接部の内側端部の位置が、膜厚差により形成されるギャップの2倍以上の距離だけ、感光体中心部からみて外側に配置されるものである。この距離が短い場合には、前述のような不具合点を生じることがあり、これを回避するため最低ギャップの2倍以上が必要である。一方、この距離を大きく取ることは、不具合回避の点からは有効であるが、あまりにも距離を大きくすることは帯電部材の長さが長くなることになり、ひいてはマシン全体が大きくなってしまう。従って、ギャップの100倍以下あるいは10mm以下程度に設定することが好ましい。
【0145】
また、感光体と帯電部材が必要以上に離れすぎないようにするため、第1の群の本発明の場合と同様に、感光体と帯電部材がギャップを介して当接した状態で固定してしまうことができ、具体的には、図25、26に示すように、帯電部材の回転軸と感光体の回転軸をリング状の部材で固定することができ、また、感光体と帯電部材がギャップを介して当接するように、帯電部材に対してバネ等の機械的作用をもって感光体方向に圧力をかけ、帯電部材を感光体に押しつける(図27)ことができ、更に、図28に示すように、帯電部材の回転軸と、感光体回転軸の両方にギア、カップリング、ベルト等を付けて各々を独立に回転駆動力を与えることも有効である。
【0146】
さらに、第2の群の本発明に用いられる帯電部材には、第1の群の本発明の場合と同様のものを用いることができる。
【0147】
さらに、第2の群の本発明の電子写真方法ならびに電子写真装置として、第1の群の本発明について説明したと同様な電子写真方法ならびに電子写真装置を用いることができ、このような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。
【0148】
[第3の群の本発明]
(3)「少なくともローラ形状の帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記電子写真感光体の画像形成表面領域とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるために、該感光体における感光体両端の非画像形成領域における支持体の厚みが感光体中央の画像形成領域における支持体の厚みよりも厚く、画像形成領域と非画像形成領域の厚み差を利用して、帯電部材を感光体の非画像形成領域のみに当接させ、感光体の帯電部材当接部内側端部が該感光体の画像形成領域外側端部よりも前記膜厚差の2倍以上離れた外側で、かつ前記膜厚差の100倍もしくは10mmの短い方の内側存在することを特徴とする電子写真装置」
次に、第3の群の本発明を図面に基づいて詳細に説明する。第3の群の本発明における電子写真感光体を製作するには、第2の群の本発明の電子写真感光体の製作の際に用いたものと同様なものを用いることができ、第2の群の本発明の電子写真感光体の製作の場合と同様な手法を用いて製作することができる。
【0149】
即ち、第3の群の本発明に用いられる電子写真感光体は、第2の群の本発明の場合と同様な材料を用いて製作し、例えば、単層感光層、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層と電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層とが積層された構成、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層と電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層とが積層され、更にその上に保護層が設けられた構成を採ることができ、第2の群の本発明の場合と同様に、後程の中央部の削り取り工程等を考慮して、予め保護層の厚さを加減しておくことができる。
【0150】
図29は、第3の群の本発明の電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(331)上に、電荷発生材料と電荷輸送材料を主成分とする単層感光層(333)が設けられている。その両端の非画像形成領域の膜厚が中央部の画像形成領域より厚くなっている。
【0151】
図30は、第3の群の本発明の電子写真感光体の他の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(331)上に、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層(335)と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(337)とが積層された構成をとっている。電荷発生層と電荷輸送層の積層順は、図30の逆の構成でも構わない。上層になる層の両端の非画像形成領域の膜厚が中央部の画像形成領域より厚くなっている。
【0152】
図31は、第3の群の本発明の電子写真感光体の更に他の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(331)上に、感光層(333)が設けられ、その上に保護層(339)が設けられている。この場合、感光層(333)は単層構成でも積層構成でも構わない。保護層の両端の非画像形成領域の膜厚が中央部の画像形成領域より厚くなっている。
【0153】
図32は、第3の群の本発明の感光体と帯電部材との位置関係を示した図である。図のように、感光体表面の非画像形成領域の膜厚が中央部の画像形成領域より厚くなっており、帯電部材がこの部分とだけ接触し、画像形成領域とは空間的な隙間(ギャップ)を有し、感光体画像形成領域に非接触状態で帯電を施すものである。なお、支持体の厚みとして画像形成領域が少なくとも非画像形成領域に対して凹部を形成して、帯電部材と直接接触しなければ構わなく、製造上の余裕を考慮して、凹部は画像形成領域よりわずかに広くても構わない。その場合、電子写真プロセス上において、現像部が非画像形成領域とは接触しない等の工夫を用いることで、更に効果が高められるものである。
【0154】
図33は、感光体の画像形成領域と感光体非画像形成領域に形成されたギャップの位置関係を詳細に示した図である。本発明においては、両者の位置関係が重要である。すなわち、図33に示したように、感光体の画像形成領域の外側端部位置に対して、ギャップを形成するための支持体の厚みの差、即ち感光体当接部の内側端部の位置が、支持体の厚みの差により形成されるギャップの2倍以上の距離だけ、感光体中心部からみて外側に配置されるものである。この距離が短い場合には、前述のような不具合点を生じることがあり、これを回避するため最低ギャップの2倍以上が必要である。一方、この距離を大きく取ることは、不具合回避の点からは有効であるが、あまりにも距離を大きくすることは帯電部材の長さが長くなることになり、ひいてはマシン全体が大きくなってしまう。従って、ギャップの100倍以下あるいは10mm以下程度に設定することが好ましい。
【0155】
また、感光体と帯電部材が必要以上に離れすぎないようにするため、第1の群の本発明の場合と同様に、感光体と帯電部材がギャップを介して当接した状態で固定してしまうことができ、具体的には、図34、35に示すように、帯電部材の回転軸と感光体の回転軸をリング状の部材で固定することができ、また、感光体と帯電部材がギャップを介して当接するように、帯電部材に対してバネ等の機械的作用をもって感光体方向に圧力をかけ、帯電部材を感光体に押しつける(図36)ことができ、更に、図37に示すように、帯電部材の回転軸と、感光体回転軸の両方にギア、カップリング、ベルト等を付けて各々を独立に回転駆動力を与えることも有効である。
【0156】
すなわち、電荷発生層(335)を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法が大きく挙げられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、電荷発生層(335)として、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層(335)の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0157】
このようにして製作された原電子写真感光体から、図29〜31に示したような形状を作製する方法としては、上述のように、例えば押し出し、引き抜き等の工法で素管化後、感光体の中央よりの画像形成領域のみ、切削、超仕上げ、研磨等の処理を行なうことにより、非画像形成領域より肉厚を薄くすることにより、ギャップを確保するものである。
【0158】
さらに、第3の群の本発明に用いられる帯電部材は、第1、第2の群の本発明の場合と同様のものを用いることができる。
【0159】
さらに、第3の群の本発明の電子写真方法ならびに電子写真装置として、第1の群の本発明について説明したと同様な電子写真方法ならびに電子写真装置を用いることができ、このような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。
【0160】
[第4の群の本発明]
(4)「少なくともローラ形状の帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記電子写真感光体の画像形成表面領域とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるために、前記感光体が両端にフランジを具備してなり、該フランジが該感光体表面の非画像形成領域を覆う形状を有し、感光体の非画像形成領域に配置されたフランジ外周と画像形成領域における感光体外周とのギャップを利用し、帯電部材をフランジ外周面のみに当接させ、フランジの内側端面が該感光体の画像形成領域外側端部よりも前記ギャップの2倍以上離れた外側で、かつ前記ギャップの100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置」
次に、第4の群の本発明を図面に基づいて詳細に説明する。第4の群の本発明における電子写真感光体としては、第1、第2、第3の群の本発明の電子写真感光体を製作する際に用いたものを同様に使用することができる。
図38は、第4の群の本発明の電子写真感光体を示す側面図である。感光体両端にフランジが具備され、該フランジが感光体表面の非画像形成領域を覆う形状を有している。このフランジの形状に関しては、図39のような帯電部材表面と感光体表面が非接触状態になり、適度なギャップを有する位置関係になるものであれば、いかなる形状でも構わない。例えば、感光体の内側にフランジ部材が挿入されていてもいなくても構わない。
【0161】
図39は、第4の群の本発明の感光体と帯電部材との位置関係を示した図である。図のように、帯電部材は感光体の非画像形成領域表面を覆った形で具備され、帯電部材と接触し、感光体と帯電部材を所望の距離(ギャップ:10〜200μm)を保持した構成になっている。フランジの材質に関しては、任意のものが使用できるが、帯電部材と接触して回転するため、耐摩耗性の高い材料及び/又は摩擦係数の小さい材料を使用することが好ましい。フランジと帯電部材との接触方法に関しては、感光体と帯電部材を所望の距離を保持できる任意の方法・形状が使用できる。図39においては、フランジ外周のフラット部と帯電部材表面が接触しているが、この他に帯電部材両端にギア部を設け、フランジギア部と噛み合わせることで、前記感光体とのギャップを維持し、かつ帯電部材の駆動を確保するような方法も良好に使用できる。
【0162】
図40は、感光体の画像形成領域と、感光体両端に具備されたフランジにより形成されたギャップの位置関係を詳細に示した図である。本発明においては、両者の位置関係が重要である。すなわち、図40に示したように、感光体の画像形成領域の外側端部位置に対して、ギャップを形成するためのフランジの内側端部の位置が、形成されるギャップの2倍以上の距離だけ感光体中心部からみて外側に配置されるものである。この距離が短い場合には、前述のような不具合点を生じることがあり、これを回避するため最低ギャップの2倍以上が必要である。一方、この距離を大きく取ることは、不具合回避の点からは有効であるが、あまりにも距離を大きくすることは帯電部材の長さが長くなることになり、ひいてはマシン全体が大きくなってしまう。従って、ギャップの100倍以下あるいは10mm以下程度に設定することが好ましい。
【0163】
また、感光体と帯電部材が必要以上に離れすぎないようにするため、第1の群の本発明の場合と同様に、感光体と帯電部材がギャップを介して当接した状態で固定してしまうことができ、具体的には、図41、42に示すように、帯電部材の回転軸と感光体の回転軸をリング状の部材で固定することができ、また、感光体と帯電部材がギャップを介して当接するように、帯電部材に対してバネ等の機械的作用をもって感光体方向に圧力をかけ、帯電部材を感光体に押しつける(図43)ことができ、更に、図44に示すように、帯電部材の回転軸と、感光体回転軸の両方にギア、カップリング、ベルト等を付けて各々を独立に回転駆動力を与えることも有効である。
【0164】
以下、第4の群の本発明の電子写真感光体の支持体上に形成された塗膜部分の構成を図面に沿って説明する。ここで言う塗膜部分とは、感光層及びその機能をサポートする後述の下引き層、中間層、保護層等を含むものである。
【0165】
図45は、第4の群の本発明の電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(431)上に、電荷発生材料と電荷輸送材料を主成分とする単層感光層(433)が設けられている。
【0166】
図46、図47は、第4の群の本発明の電子写真感光体の他の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(431)上に、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層(435)と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(437)とが積層された構成をとっている。
【0167】
図48は、第4の群の本発明の電子写真感光体の更に他の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(431)上に、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層(435)と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(437)とが積層され、更にその上に保護層(439)が設けられている。
【0168】
また、第4の群の本発明に用いられる電子写真感光体は、第1、第2、第3の群の本発明の場合と同様な材料を用いて製作ことができ、例えば、単層感光層、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層と電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層とが積層された構成、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層と電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層とが積層され、更にその上に保護層が設けられた構成を採ることができ、このようにして製作された原電子写真感光体から、前述のような手法で、感光体両端にフランジを具備させることができる。
【0169】
さらに、第4の群の本発明に用いられる帯電部材は、第1、第2、第3の群の本発明の場合と同様のものを用いることができる。
【0170】
さらに、第4の群の本発明の電子写真方法ならびに電子写真装置として、第1の群の本発明について説明したと同様な電子写真方法ならびに電子写真装置を用いることができ、このような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。
【0171】
[第5の群の本発明]
(5)「少なくともローラ形状の帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してなり、該電子写真感光体がベルト形状で構成された該ベルト状電子写真感光体を支持し駆動もしくは従動を行うローラが感光体両端部より突出している電子写真装置であって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記ベルト状電子写真感光体の画像形成領域表面とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるため、前記駆動もしくは従動ローラ外周と画像形成領域における感光体外周とのギャップを利用し、帯電部材を駆動もしくは従動ローラ外周面のみに当接させ、駆動もしくは従動ローラの内側端面が該感光体の画像形成領域外側端部よりも前記ギャップの2倍以上離れた外側で、かつ前記ギャップの100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置
以下、第5の群の本発明に用いられる帯電部材を図面に沿って説明する。帯電部材は公知のものが使用でき、以下にその一例を示すが、これらに限定されるものではない。
図49は、第5の群の本発明に用いられる帯電部材を表わす断面図であり、回転軸(例えば金属シャフト)(551)上に、導電性弾性体(553)が設けられている。
図50は、第5の群の本発明に用いられる帯電部材の他の構成例を示す断面図であり、回転軸(551)上に、導電性弾性体(553)、その上に抵抗調整層(555)が設けられている。
【0172】
回転軸(551)としては、鉄、銅、真鍮、ステンレスなどの金属部材が用いられる。
導電性弾性体(553)としては、一般に合成ゴム中に導電性粉末や導電性繊維(カーボンブラック、金属粉末、カーボン繊維など)を混入した組成物により形成される。表面に抵抗調整層を用いる場合には、この層の抵抗は103〜108Ω・cm程度の半導電性領域が良好に用いられ、単独で用いられるような場合にはもう少し高め(104〜1010Ω・cm程度)で使用される。
【0173】
抵抗調整層(555)は、通常の合成樹脂(ポリエチレン、ポリエステル、エポキシ樹脂)や合成ゴム(エチレン−プロピレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、塩素化ポリエチレンゴム等)等が用いられる。このほかに、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム、エピクロルヒドリンゴムとフッ素樹脂の混合物など様々なものが使用できる。
【0174】
また、以上のような帯電部材を用いて感光体上に帯電を施す場合には、直流成分に交流成分を重畳した交番電界で帯電を施した方が帯電ムラが減少でき良好である。
【0175】
図51は、第5の群の本発明のベルト状感光体、駆動ローラ(従動ローラ)と帯電部材との位置関係を示す帯電部材部材の長手方向から見た図である。図のように、駆動ローラ(従動ローラ)の長さは感光体幅より長く、感光体端部より突出しており、その突出部(感光体に非当接部分)の外径が当接部分(感光体に当接する部分)の外径よりも太くなっている。この突出部の外周が、帯電部材と当接することにより、ベルト状感光体とは図に示すような空間的なギャップを有し、帯電部材が感光体に対し、非接触状態で帯電を施すものである。
【0176】
図52は、ベルト状感光体の画像形成領域と、ローラ突出部により形成されたギャップの位置関係を詳細に示した図である。本発明においては、両者の位置関係が重要である。すなわち、図に示したように、感光体の画像形成領域の外側端部位置に対して、ローラ突出部の内側端部の位置が、ギャップの2倍以上の距離だけ感光体中心部からみて外側に配置されるものである。この距離が短い場合には、前述のような不具合点を生じることがあり、これを回避するため最低ギャップの2倍以上が必要である。一方、この距離を大きく取ることは、不具合回避の点からは有効であるが、あまりにも距離を大きくすることは帯電部材の長さが長くなることになり、ひいてはマシン全体が大きくなってしまう。従って、ギャップの100倍以下あるいは10mm以下程度に設定することが好ましい。
【0177】
図53は、本発明のベルト状感光体、駆動ローラ(従動ローラ)と帯電部材との位置関係を示す側面図である。駆動(従動)ローラ突出部の材質に関しては、任意のものが使用できるが、帯電部材と接触して回転するため、耐摩耗性の高い材料及び/又は摩擦係数の小さい材料を使用することが好ましい。駆動(従動)ローラ突出部と帯電部材との接触方法に関しては、感光体と帯電部材を所望の距離を保持できる任意の方法・形状が使用できる。図51、52、53においては、駆動(従動)ローラ突出部外周のフラット部と帯電部材表面が接触しているが、この他に帯電部材両端にギア部を設け、駆動(従動)ローラ突出部ギア部と噛み合わせることで、前記感光体とのギャップを維持し、かつ帯電部材の駆動を確保するような方法も良好に使用できる。この場合、帯電部材の長さが感光体の画像形成領域の長さより長いことは必然である。
【0178】
なお、帯電部材上に形成されたギャップ層もしくはギャップ材と駆動(従動)ローラの当接により形成される感光体画像形成領域と帯電部材表面のギャップは、10〜200μmの範囲が好ましい。より好ましくは、20〜100μmである。10μm以下の場合は、帯電部材と感光体が接触する可能性があり、また、感光体上の未クリーニングトナーが帯電部材に固着する可能性があり、好ましくない。また、200μm以上の場合には、帯電部材に印加する電圧が高くなり、余分な消費電力を必要とし、更に感光体上の帯電ムラが生じやすくなるという欠点も有しており、好ましくない。
【0179】
第5の群の本発明においては、帯電部材とベルト状感光体表面の空隙を制御することは極めて重要な点である。ギャップを設け、帯電部材とベルト状感光体が所定の距離より近づきすぎないようにするには制御が可能であるが、離れすぎないようにするためには更なる工夫が必要である。
この機構としては、様々な形態が考えられるが、本発明においては、次の2つの方法が良好に用いられる。1つの方法は、帯電部材とベルト状感光体の距離を規制してしまう方法である。具体的には、帯電部材とベルト状感光体がギャップを介して当接した状態で固定してしまう方法である。より詳細には、帯電部材の回転軸と無端ベルト状感光体が支持される駆動ローラ(従動ローラ)の回転軸をリング状の部材で固定してしまう方法である。この方法の1例を図54、図55に示す。図のように帯電部材の回転軸と無端ベルト状感光体が支持される駆動ローラ(従動ローラ)の回転軸は、リング状部材により固定されてなり、所定のギャップ以上に両者の間隔が広がらないような制御が行われている。このようなリング状部材としては、可撓性のあるリング、或いはベルト状のリングが挙げられる。特にシームレスベルト状の金属、プラスチックフィルム等は有効に使用できる。
もう1つの方法は、帯電部材とベルト状感光体が支持される駆動ローラ(従動ローラ)がギャップを介して当接するように、帯電部材に対してバネ等の機械的作用を持って駆動ローラ(従動ローラ)方向に圧力をかけ、帯電部材を駆動ローラ(従動ローラ)に押しつけてしまう方法である。この方法の1例を図56に示す。図では、帯電部材に圧力をかけるスプリングが、回転軸に対して当接されてなるが、ローラ表面を直接押すような構成であっても構わない。図56とは逆に、駆動ローラ(従動ローラ)に圧力をかけて帯電ローラに押しつける方法も可能であるが、ベルト状感光体に当接する他の部材への影響も考慮すると、帯電部材を駆動ローラ(従動ローラ)に押しつける方法が望ましい。
また、この方法においては、帯電部材の回転軸と無端ベルト状感光体が支持される駆動ローラ(従動ローラ)の回転軸の両方にギア、カップリング、ベルト等を付けて、各々を独立に回転駆動力を与える方式にすることも有効な手段である(図57)。帯電部材の回転軸もしくは駆動ローラ(従動ローラ)の回転軸の片側に駆動ギアを付け、他方を接触する力により連れ回りさせることも可能であるが、その場合には帯電部材の回転軸の無端ベルト状感光体が支持される駆動ローラ(従動ローラ)の回転軸への当接圧を大きくする必要があり、機械的耐久性を考慮すると不利である。また、帯電部材表面と駆動ローラ(従動ローラ)表面の移動速度は任意に設定できるが、ギャップ部位での摺擦等を考慮すると、両者が等速で移動することが有利である。
【0180】
第5の群の本発明に用いられる駆動もしくは従動ローラは、本発明の構成を満足するものであれば、公知の材料のものが使用可能であり、材質等に特に制限はない。材質としては、金属製ローラ、プラスチック製ローラ等が使用される。帯電部材との当接において、駆動もしくは従動ローラ側絶縁性を持たせる必要がある場合には、金属製ローラ表面を絶縁材料で被覆したもの、当接部分のみプラスチック材料で構成されたもの等も有効に使用される。
【0181】
以下、第5の群の本発明に用いられる電子写真感光体を図面に沿って説明する。
図58は、第5の群の本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、ベルト状導電性支持体(531)上に、電荷発生材料と電荷輸送材料を主成分とする単層感光層(533)が設けられている。
【0182】
図59、60は、第5の群の本発明に用いられる電子写真感光体の他の構成例を示す断面図であり、ベルト状導電性支持体(531)上に、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層(535)と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(537)とが積層された構成をとっている。
【0183】
図61は、第5の群の本発明の電子写真感光体の更に他の構成例を示す断面図であり、ベルト状導電性支持体(531)上に、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層(535)と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(537)とが積層され、更にその上に保護層(539)が設けられている。
【0184】
導電性支持体(531)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したものを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも第5の群の本発明の導電性支持体(531)として用いることができる。。
【0185】
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも、第5の群の本発明の導電性支持体(531)として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
【0186】
さらに、適当なベルト状基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロンなどの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、第5の群の本発明の導電性支持体(531)として良好に用いることができる。
【0187】
次に、第5の群の本発明に用いられる感光層について説明する。感光層は単層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層(535)と電荷輸送層(537)で構成される場合から述べる。
電荷発生層(535)は、電荷発生物質を主成分とする層である。
電荷発生層(535)は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
【0188】
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
【0189】
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0190】
また、必要に応じて電荷発生層(535)に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
【0191】
電荷発生層(535)を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法が大きく挙げられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、電荷発生層(535)として、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層(535)の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0192】
電荷輸送層(537)は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0193】
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
【0194】
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
【0195】
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0196】
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜100μm程度とすることが好ましい。ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
【0197】
また、電荷輸送層には電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これら高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れたものである。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。中でも、下記一般式(I)〜(X)で表わされる高分子電荷輸送物質が良好に用いられ、これらを以下に例示し、具体例を示す。
【0198】
【化13】
Figure 0003847584
式中、R1,R2,R3はそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R5,R6は置換もしくは無置換のアリール基、o,p,qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k,jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表わされる2価基を表わす。
【0199】
【化14】
Figure 0003847584
式中、R101,R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表わす。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−,−S−,−SO−,−SO2−,−CO−,−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)または、
【0200】
【化15】
Figure 0003847584
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表わす。)を表わす。ここで、R101とR102,R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。
【0201】
【化16】
Figure 0003847584
式中、R7,R8は置換もしくは無置換のアリール基、Ar1,Ar2,Ar3は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0202】
【化17】
Figure 0003847584
式中、R9,R10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar4,Ar5,Ar6は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0203】
【化18】
Figure 0003847584
式中、R11,R12は置換もしくは無置換のアリール基、Ar7,Ar8,Ar9は同一又は異なるアリレン基、pは1〜5の整数を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0204】
【化19】
Figure 0003847584
式中、R13,R14は置換もしくは無置換のアリール基、Ar10,Ar11,Ar12は同一又は異なるアリレン基、X1,X2は置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0205】
【化20】
Figure 0003847584
式中、R15,R16,R17,R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13,Ar14,Ar15,Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y1,Y2,Y3は単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同一であっても異なってもよい。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0206】
【化21】
Figure 0003847584
式中、R19,R20は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表わし、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17,Ar18,Ar19は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0207】
【化22】
Figure 0003847584
式中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20,Ar21,Ar22,Ar23は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0208】
【化23】
Figure 0003847584
式中、R22,R23,R24,R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24,Ar25,Ar26,Ar27,Ar28は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0209】
【化24】
Figure 0003847584
式中、R26,R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29,Ar30,Ar31は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0210】
第5の群の本発明の感光体において電荷輸送層(537)中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいは、オリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
【0211】
次に感光層(533)が単層構成の場合について述べる。上述した電荷発生物質を結着樹脂中に分散した感光体が使用できる。単層感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。さらに、この感光層には上述した電荷輸送材料を添加した機能分離タイプとしてもよく、良好に使用できる。また、必要により、可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0212】
結着樹脂としては、先に電荷輸送層(537)で挙げた結着樹脂をそのまま用いるほかに、電荷発生層(535)で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。単層感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を必要ならば電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコートなどで塗工して形成できる。単層感光層の膜厚は、5〜100μm程度が適当である。
【0213】
第5の群の本発明の感光体においては、導電性支持体(531)と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
【0214】
これらの下引き層は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に第5の群の本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0215】
第5の群の本発明の感光体においても、感光層保護の目的で、保護層(539)が感光層の上に設けられることもある。保護層に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、及びこれらの樹脂に酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、シリカ等の無機フィラー、また有機フィラーを分散したもの等を添加することができる。
また、保護層には電荷輸送物質を用いることができ、保護層を積層することによる残留電位の上昇を抑える等の点で、有効な手段である。電荷輸送物質としては、先の電荷輸送層の説明に挙げたような材料を使用することができる。正孔輸送物質と電子輸送物質との使い分けに関しては、帯電の極性と層構成により適当な選択をすることが好ましい。
また、保護層には、電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これら高分子電荷輸送物質から構成される保護層は、耐摩耗性および正孔輸送特性に優れたものである。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料を使用することができるが、電荷輸送層に使用される場合と同様の一般式(I)〜(X)で表わされる高分子電荷輸送物質が特に有効に使用される。
保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。なお保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。また、以上のほかに真空薄膜作成法にて形成したa−C、a−SiCなど公知の材料を保護層として用いることができる。また、保護層にも前述の各種添加剤を用いることができる。
【0216】
感光体が高耐摩耗性(高分子電荷輸送物質使用電荷輸送層、保護層)を有した場合のメリット
(i)感光体の機械的耐久性が向上し、安定したギャップが確保できる
本発明の構成の非接触近接配置した帯電機構では、感光体非画像部の表面と帯電部材表面に設けられたギャップ保持機構の当接によりギャップが形成される。この際、感光体表面のクリーニングは感光体中心部からみて画像形成領域外側端部の外側までカバーすることが有効である。これは前述のようにギャップ保持部材の内側端部に繰り返し使用により生じた残留トナーが溜まりやすい等の理由によるものである。また、画像形成領域のみをクリーニングしてしまうと、繰り返し使用により感光体表面が摩耗し、その結果、感光体と帯電部材のギャップが広がってしまうという現象が起こり得るからである。ここで、本発明のように感光体表面を耐摩耗性を有するような構成、例えば、電荷輸送層が表面に配置されるような構成では電荷輸送層に高分子電荷輸送物質を用いる、また、電荷輸送層よりも機械的耐久性の大きな保護層を用いることにより、クリーニング部材によるストレスに対して強くなり、ギャップの安定性を維持できる。この際、保護層にフィラーを用いる、高分子電荷輸送物質を用いることは、更なる機械的耐久性の向上が見込まれ有利である。また、フィラー等を保護層に用いる場合には保護層の電荷輸送能を低下させる場合があり、電荷輸送物質を添加することでこの不具合点を解消できる。
特に、本発明のような非接触近接配置した帯電機構では、帯電性安定化のためにAC成分の重畳が非常に有利である。しかしながら、感光体表面にAC成分が重畳された電荷が降り注ぐことにより、感光体へのハザードが増し、AC非重畳の場合に比べて感光体の摩耗量が著しく増大する。この結果、帯電の安定化は図られても、感光体の機械的寿命を結果的に縮めてしまうことにもなり得て、トレード・オフの設計になってしまう場合がある。上述した感光体の構成にし、感光体の機械的強度を向上させることにより、このトレード・オフの関係を解消することもできる。
【0217】
(ii)感光体と帯電ローラ径の比率を低減できる
上述したようにここまでの技術においては、感光体の寿命(主に機械的耐久性)が律速となり感光体径の小径化が限界を生み出していた。この結果、マシンのコンパクト化にも限界を生ずることのみならず、帯電部材径の比率も自ずから大きいものとなっていた。帯電部材も様々な材料、構成より高耐久化の検討がなされているが、基本的には弾性ゴムのような材料から構成されている。本発明のように感光体表面と非接触にすることにより、接触帯電方式に比べ、繰り返し使用における表面の機械的な摩耗、感光体上の残留トナー等による汚染に関しては、飛躍的に向上し、少なくとも帯電部材の寿命となり得る要因ではなくなった。しかしながら、繰り返し使用における放電により、材料そのものの劣化現象は大きく改良されていない。この原因の1つとして、帯電部材径に対して感光体径が大きすぎることが挙げられる。例えば、直径100mm程度のベルト状感光体に対して、マシンあるいはカートリッジのコンパクト化のために、直径10〜20mm程度の帯電部材が使用されている。メンテナンスの効率化のため、この両者を同時に交換を行なうとすれば、帯電部材の耐久性は単純に感光体の5〜10倍を要することになる。しかしながら、上述のように感光体の耐久性を向上させることができれば、同じ帯電部材を使用した場合にはその分だけ感光体径を小さくすることができる。この結果、帯電部材と感光体径の比率が小さくなり、帯電部材へのストレスが低減でき、感光体の耐久性との関係においては、実質的に帯電部材の耐久性の比率を向上することができ、帯電部材への信頼性が増すことになる。更には、よりコンパクトなマシン、カートリッジが設計可能にもなる。
また本発明のような近接帯電においては、その帯電現象はパッシェンの法則に従う様な放電現象により感光体は帯電される。このとき、感光体と帯電部材との間で起こる放電に関しては、感光体と帯電部材がある距離に近づくか、あるいは離れた状態で放電が行なわれる。この放電が行なわれる範囲を、感光体もしくは帯電部材表面の面積として置き換えることができる。この面積は感光体及び帯電部材の曲率により依存し、いずれも曲率が大きいほど、言い換えればいずれの径が小さいほど面積は小さくなる。実験の結果、何れかの径を小さくしていった場合、印加電圧に対する感光体帯電電位には影響を与えず、同時に副作用的に発生する反応性ガス(オゾン、NOx等)の量を低減することができた。即ち、放電が行なわれる面積を小さくすることにより、感光体への帯電効率を落とすことなく、反応性ガスの発生が小さくなったということである。上述したような強靱な感光層(保護層を含む)感光体を用いた場合には、駆動ローラもしくは従動ローラ径をより小さくすることが可能になり、この結果帯電部材から発生する反応性ガスを低減することができるという図式が成立する。この際、反応性ガスにより損傷を受ける感光体表面あるいは帯電部材表面の劣化を低減させることができ、両者の耐久性が一段と向上することになる。
また、感光体の組成を同一とした場合に、パッシェンの法則に従い、感光層の膜厚が薄いほど帯電がされやすい状態になる。前述のように、耐摩耗性が向上した感光体を用いる場合には、感光層の膜厚を薄くすることができるため、帯電部材に印加電圧を下げることが可能になる。このため、繰り返し使用においては、帯電部材へのストレスが低減され、帯電部材の化学的劣化が少なくなるため、帯電部材の耐久性が向上する。更に、このように帯電部材への印加電圧が下げられることにより、帯電部材より発生する反応性ガス(オゾン、NOx等)の量が低減化され、感光体及び帯電部材を構成する材料の劣化が抑制され、更に耐久性が連鎖的に向上することになる。
【0218】
(iii)高画質化が図れる
感光体の耐摩耗性が向上するため、感光層の膜厚を薄くすることができる。このため、感光層で生成した光キャリアが感光体表面まで横切る距離が短くなるため、キャリアの拡散する確率が低くなり、静電性像形成において書き込み光に対してより忠実なドットを再現するようになる。すなわち、解像度を高くすることができる。
また、前述のように帯電部材からの反応性ガスの発生量が少なくなるため、一般にボケ物質と呼ばれるような低抵抗物質の生成、及び感光体表面への吸着等が抑制され、画像ボケが著しく低減できる。このため使用環境下の制限が極めて少なくなり、またドラムヒータなども不要になり、低コスト、省スペース、省資源に貢献でき、オフィス環境に優しい装置の設計が可能になる。
【0219】
また、第5の群の本発明の感光体においても、感光層と保護層との間に中間層を設けることも可能である。中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく通常の塗布法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
【0220】
また、第5の群の本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質およびレベリング剤を添加することができる。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
【0221】
各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、トコフェロール類など。
【0222】
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0223】
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0224】
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
【0225】
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0226】
各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
【0227】
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
【0228】
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
【0229】
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
【0230】
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
【0231】
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
【0232】
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
【0233】
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
【0234】
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
【0235】
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
【0236】
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
【0237】
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
【0238】
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
【0239】
各層に添加できる滑剤としては、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
【0240】
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
【0241】
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
【0242】
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
【0243】
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
【0244】
(f)金属石けん
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
【0245】
(g)天然ワックス
カルナウバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
【0246】
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
【0247】
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど。
【0248】
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど。
【0249】
(c)ベンゾトリアゾール系
(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−3’−ターシャリブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール。
【0250】
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシ)アクリレートなど。
【0251】
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル(2,2’−チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
【0252】
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
【0253】
次に図面を用いて第5の群の本発明の電子写真装置を詳しく説明する。
図62には、第5の群の本発明による電子写真装置、プロセスの例を示す。感光体(521)はベルト状導電性支持体上に少なくとも感光層が設けられてなり、第5の群の本発明の特定の形状をした駆動ローラ(522)により駆動され、帯電ローラ(523)による帯電、像露光源(524)による像露光、現像ユニット(529)による現像、転写チャージャ(525)を用いる転写、光源(526)によるクリーニング前露光、クリーニングブラシ(527)によるクリーニング、除電光源(528)による除電が繰り返し行なわれる。図62の装置においては、感光体(521)(勿論この場合は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。帯電装置として図49、図50に示されるような帯電部材が用いられ、特定の駆動ローラにより帯電用部材(523)が感光体に非接触近接配置されている。帯電用部材により感光体に帯電を施す際、帯電部材に直流成分に交流成分を重畳した電界により感光体に帯電を与えることにより、帯電ムラを低減することが可能で効果的である。必要に応じて、転写チャージャ(525)には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、転写ベルト方式を使用する手段を用いてもよい。
【0254】
また、画像露光部(524)、除電ランプ(528)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
かかる光源等は、図62に示される装置及び工程の他に、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光等の工程に用いることにより、感光体に光を照射することができる。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。
これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法を適用することができ、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0255】
以上の図示した電子写真装置及びプロセスは、第5の群の本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、図62において支持体側よりクリーニング前露光を行なっているが、これは感光層側から行なってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行なってもよい。
【0256】
一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
【0257】
以上に示すような本発明の画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図63に示すものが挙げられる。この例のプロセスカートリッジにおいて、感光体(573)の近隣周囲には接触帯電用の帯電部材(570)、画像露光部(571)、現像ローラ(575)、転写ローラ(574)、クリーニングブラシ(572)等が配置されており、感光体(573)は、ベルト状導電性支持体上に少なくとも感光層を有してなるものである。また、帯電部材(570)、駆動ローラ(576)は前述のものが使用される。
【0258】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明が実施例により制約を受けるものではない。なお、部はすべて重量部である。
【0259】
[第1の群の本発明の実施例]
実施例1
(帯電部材の作製)
ステンレス製芯金上に、抵抗率が2×108Ω・cmであるエピクロルヒドリンゴムを3mmに積層した導電性弾性体と、その上に抵抗率が8×108Ω・cmであるエピクロルヒドリンゴムとフッ素系樹脂の混合物からなる抵抗調整層(厚さ50μm)を設けた帯電ローラを作製した。
【0260】
(感光体の作製)
アルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルム上に、下記組成の電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を順次塗布乾燥し、0.3μmの電荷発生層、25μmの電荷輸送層を形成し、感光体を作製した。更に、感光体両端部にノズルコート法により下記組成のギャップ層塗工液を用い、厚さ50μmのギャップ層を設け、本発明の電子写真感光体を作製した。
【0261】
<電荷発生層塗工液>
チタニルフタロシアニン 3部
ポリビニルブチラール 2部
酢酸n−ブチル 100部
<電荷輸送層塗工液>
A型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 8部
【0262】
【化25】
Figure 0003847584
塩化メチレン 80部
【0263】
<ギャップ層塗工液>
Z型ポリカーボネート 10部
トルエン 90部
【0264】
実施例2
実施例1のギャップ層の厚みを100μmとした以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
【0265】
実施例3
実施例1のギャップ層の厚みを150μmとした以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
【0266】
実施例4
実施例1のギャップ層の厚みを250μmとした以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
【0267】
実施例5
実施例1におけるギャップ層の組成を、導電性カーボンを分散したZ型ポリカーボネート樹脂層(抵抗率:2×103Ω・cm)とした以外は実施例1と同様に感光体を作製した。
【0268】
比較例1
実施例1のギャップ層を設けない以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
【0269】
実施例1〜5、比較例1の感光体は、端部をベルト接合し、実装用の感光体とした。次いで、図11、12に示されるように、ベルト状感光体駆動ローラの回転軸と帯電部材としての帯電ローラの回転軸をリング状部材で固定した。感光体と帯電部材は図4に示されるように感光体表面に形成されたギャップ層のみが帯電部材と当接している。この際、図5に示されるようにギャップ層内側端部の位置は、感光体画像形成領域外側端部から1mm離した位置にセットした。このような構成の感光体と帯電部材を図19に示されるような電子写真装置に装着した。帯電は以下の条件で行ない、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)として、連続して30000枚の印刷を行ない、画像評価を行なった。結果を表1に示す。
帯電条件:
DCバイアス:−900V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数1.8kHz
【0270】
実施例6
実施例1において、図11、図12に示される電子写真装置の代わりに、リング状部材による固定をしない図17に示される電子写真装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行なった。結果を表1に示す。
【0271】
比較例2
実施例2において、ギャップ層内側端部の位置を感光体画像形成領域外側端部の位置と同じになるように形成した以外は、実施例2と同様に評価を行なった。
【0272】
実施例7
実施例2において、ギャップ層内側端部の位置を、感光体画像形成領域外側端部から0.3mm離した位置に形成した以外は、実施例2と同様に評価を行なった。
【0273】
実施例8
実施例2において、ギャップ層内側端部の位置を、感光体画像形成領域外側端部から0.5mm離した位置に形成した以外は、実施例2と同様に評価を行なった。
【0274】
実施例9〜13、比較例3
実施例1〜5および比較例1で使用した感光体を次のものに変更した。まず支持体をシームレスニッケルベルトに変更し、下記組成の下引き層用塗工液を塗布乾燥することにより、3.5μmの下引き層を形成した。次いで、実施例1の感光体と同じ電荷発生層、及び電荷輸送層を下引き層上に形成して、感光体を作製した。
◎下引き層塗工液
二酸化チタン粉末 400部
メラミン樹脂 65部
アルキッド樹脂 120部
2−ブタノン 400部
以上のように作製した感光体を実施例9〜13および比較例3の感光体とし、感光体が支持される駆動ローラの回転軸と、帯電部材としての帯電ローラの回転軸がリング状部材で固定された電子写真装置に装着し、帯電は以下の条件で行ない、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)として、連続して30000枚の印刷を行ない、画像評価を行なった。結果を表1に示す。
帯電条件:
DCバイアス:−900V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、
周波数1.8kHz
【0275】
実施例14
実施例9において、リング状部材による固定をしない電子写真装置を用いた以外は実施例9と同様にして画像評価を行なった。結果を表1に示す。
【0276】
【表1】
Figure 0003847584
【0277】
実施例15
実施例1で作製した感光体を用い、図17に示す装置の帯電条件をACバイアスを印加しない条件に変え、実施例1と同様に連続30000枚の印刷を行なった。
その結果、初期および30000枚後でも画像は良好であった。但し、30000枚後の画像において、ハーフトーン画像を出力した際、問題にならないレベルではあるが、帯電ムラに起因する画像濃度ムラがわずかに発生した。
【0278】
実施例16
(帯電部材の作製)
特許第2632578号公報の実施例に記載の方法で、導電性ロールを作製した。
【0279】
(感光体の作製)
アルミニウムシリンダー上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、4.0μmの中間層、0.2μmの電荷発生層、27μmの電荷輸送層からなる電子写真感光体を形成した。更に、感光体表面の画像形成領域をマスキングし、感光体両端を下記組成のギャップ層塗工液を用い、感光体画像形成領域の外側両端+1mmより外側の部分に、スプレー塗工法により厚さ80μmのギャップ層を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
【0280】
<下引き層塗工液>
二酸化チタン粉末 400部
メラミン樹脂 65部
アルキッド樹脂 120部
2−ブタノン 400部
【0281】
<電荷発生層塗工液>
下記構造のトリスアゾ顔料 10部
【0282】
【化26】
Figure 0003847584
ポリビニルブチラール 4部
2−ブタノン 200部
シクロヘキサノン 400部
【0283】
<電荷輸送層塗工液>
ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 8部
【0284】
【化27】
Figure 0003847584
塩化メチレン 80部
【0285】
実施例17
実施例16の電子写真感光体の電荷輸送層塗工液を以下のものに変更した以外は、実施例16と全く同様に電子写真感光体を作製した。
<電荷輸送層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 8部
【0286】
【化28】
Figure 0003847584
塩化メチレン 80部
【0287】
実施例18
実施例16の電子写真感光体の電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を用い、2μmの保護層を積層した以外は、実施例16と同様に電子写真感光体を作製した。
<保護層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 4部
【0288】
【化29】
Figure 0003847584
Z型ポリカーボネート 4部
塩化メチレン 80部
【0289】
実施例19
実施例16の電子写真感光体の電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を用い、2μmの保護層を積層した以外は、実施例16と同様に電子写真感光体を作製した。
<保護層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 4部
【0290】
【化30】
Figure 0003847584
Z型ポリカーボネート 4部
酸化チタン 1部
塩化メチレン 80部
【0291】
比較例4
実施例16において、使用する感光体にギャップ層を設けない以外は実施例16と同様に実験を行なった。
【0292】
比較例5
実施例17において、使用する感光体にギャップ層を設けない以外は実施例17と同様に実験を行なった。
【0293】
比較例6
実施例18において、使用する感光体にギャップ層を設けない以外は実施例18と同様に実験を行なった。
【0294】
比較例7
実施例19において、使用する感光体にギャップ層を設けない以外は実施例19と同様に実験を行なった。
【0295】
実施例16〜19および比較例4〜7の電子写真感光体を、ドラム状感光体と帯電部材の回転軸にギアを有し、かつ帯電部材の回転軸にスプリングを有し、圧力を感光体に与える構造の図13、図14に示される配置にして、図17に示されるような電子写真装置に搭載したものを用い、帯電は以下の条件で行ない、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)として、連続50000枚の画像出力を行なった。初期及び50000枚後の画像評価及び感光体表面の摩耗量の測定を行なった。結果を表2に示す。
帯電条件:
DCバイアス:−850V
ACバイアス:1.8kV(peak to peak)、周波数2.2kHz
【0296】
実施例20
実施例16において、帯電部材に圧力を加えるためのスプリングを用いない以外は実施例16と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表2に示す。
【0297】
実施例21
実施例16において、図13に示すように、駆動力を与えるためのギアを用いないで、帯電部材の回転を感光体の連れ回り駆動にする以外は実施例16と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表2に示す。
【0298】
実施例22
実施例16において、帯電部材表面と感光体表面を等速でなく、帯電部材が早く回るような電子写真装置を用いた以外は実施例16と同様にして画像評価を行なった。結果を表2に示す。
【0299】
実施例23〜26、比較例8〜11
実施例16〜19および比較例4〜7の感光体用支持体をアルミニウムシリンダーからニッケルシームレスベルトに変更した以外は感光体を同様に作製した。これを実施例23〜26、比較例8〜11とし、感光体が支持される駆動ローラの回転軸と、帯電部材としての帯電ローラの回転軸がギアを有し、かつ帯電部材としての帯電ローラの回転軸にスプリングを有し、圧力を感光体に与える構造の電子写真装置に搭載した。この際、感光体の画像形成領域とギャップ層との位置関係は、実施例16と同じになるようにした。帯電は以下の条件で行ない、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)として、連続50000枚の画像出力を行なった。初期及び50000枚後の画像評価及び感光体表面の摩耗量の測定を行なった。結果を表2に示す。
帯電条件:
DCバイアス:−850V
ACバイアス:1.8kV(peak to peak)、周波数2.2kHz
【0300】
実施例27
実施例23において、帯電部材に圧力を加えるためのスプリングを用いない以外は実施例23と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表2に示す。
【0301】
実施例28
実施例23において、駆動力を与えるためのギアを用いないで、帯電部材の回転を感光体の連れ回り駆動にする以外は実施例23と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表2に示す。
【0302】
実施例29
実施例23において、帯電部材表面と感光体表面を等速でなく、帯電部材が早く回るような電子写真装置を用いた以外は実施例23と同様にして画像評価を行なった。結果を表2に示す。
【0303】
【表2−1】
Figure 0003847584
【0304】
【表2−2】
Figure 0003847584
【0305】
実施例30
実施例16で作製した感光体を用い、図17に示す装置の帯電条件をACバイアスを印加しない条件に変え、実施例16と同様に連続50000枚の印刷を行なった。
その結果、初期および50000枚後でも画像は良好であった。但し、50000枚後の画像において、ハーフトーン画像を出力した際、問題にならないレベルではあるが、帯電ムラに起因する画像濃度ムラがわずかに発生した。
【0306】
実施例31
<帯電部材の作製>
特開平5−341627号公報の実施例4に記載の方法で、導電性ロールを作製した。
【0307】
<感光体の作製>
アルミニウムシリンダー表面を陽極酸化処理した後封孔処理を行なった。この上に、電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥して各々0.2μmの電荷発生層、23μmの電荷輸送層を形成した。更に、感光体非画像形成領域にギャップ材として60μmの膜厚の高密度ポリエチレンフィルムを接着剤により接着して、本発明の感光体を作製した。ギャップ材は、ギャップ材の内側端部と感光体画像形成領域外側端部の間隔が2mmになるようにセットされた。なお、超高分子量ポリエチレンフィルムの膜厚をつき合わせ部に向かい薄くなるように形成したものを使用した。
【0308】
<電荷発生層塗工液>
下記組成の電荷発生物質 1部
【0309】
【化31】
Figure 0003847584
下記組成の電荷発生物質 1部
【0310】
【化32】
Figure 0003847584
ポリビニルブチラール 1部
シクロヘキサノン 70部
シクロヘキサン 30部
【0311】
<電荷輸送層塗工液>
下記組成の電荷輸送物質 7部
【0312】
【化33】
Figure 0003847584
ポリカーボネート 10部
テトラヒドロフラン 100部
【0313】
実施例32
実施例31において、ギャップ材に用いた超高分子量ポリエチレンフィルムを突き合わせ部に向かい膜厚が薄くなるような構造にせず(膜厚全面一定)、突き合わせ部の形状を図10に示すような斜めカットした継ぎ目にした以外は、実施例31と同様に感光体を作製し、実験を行なった。
【0314】
実施例33
実施例31において用いたギャップ材の代わりに、直径100μmのフッ素樹脂含有ナイロンてぐすを用い、感光体表面に交差しないように巻き付け接着剤で固定した以外は、実施例31と同様に感光体を作製し、実験を行なった。
【0315】
実施例34
実施例31において、ギャップ材としてシームレスニッケルベルトを用いた以外は実施例31と同様に実験を行なった。
【0316】
比較例12
実施例31において、使用する感光体にギャップ材を設けない以外は実施例31と同様に実験を行なった。
【0317】
実施例31〜34と比較例12の電子写真感光体を、感光体と帯電部材の回転軸にギアを有し、かつ帯電部材の回転軸にスプリングを有し、圧力を与えられる構造を有する感光体を装着した図14に示されるような配置にし、図19に示されるようなプロセスカートリッジに装着した後、画像形成装置に搭載した。ただし、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)として、現像直前の感光体の表面電位が測定できるように表面電位計のプローブを挿入した。帯電条件は以下の通りである。連続して20000枚の印刷を行ない、そのときの画像非露光部の表面電位を初期と20000枚後に測定した。更に、20000枚後にハーフトーン画像を出力し、画像評価も行なった。結果を表3に示す。
帯電条件:
DCバイアス:−850V
ACバイアス:1.8kV(peak to peak)、周波数2.2kHz
【0318】
実施例35
実施例31において、帯電部材に圧力を加えるためのスプリングを用いない以外は実施例31と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表3に示す。
【0319】
実施例36
実施例31において、駆動力を与えるためのギアを用いないで、帯電部材の回転を感光体の連れ回り駆動にする以外は実施例31と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表3に示す。
【0320】
実施例37
実施例31において、帯電部材表面と感光体表面を等速でなく、帯電部材が早く回るようにした以外は実施例31と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表3に示す。
【0321】
【表3】
Figure 0003847584
【0322】
実施例38
実施例31で作製した感光体を用い、図19に示す装置の帯電条件をACバイアスを印加しない条件に変え、実施例31と同様に連続20000枚の印刷を行なった。
その結果、初期および20000枚後でも画像は良好であった。但し、20000枚後の画像において、ハーフトーン画像を出力した際、問題にならないレベルではあるが、帯電ムラに起因する画像濃度ムラがわずかに発生した。
【0323】
[第2の群の本発明の実施例]
実施例39
アルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルム上に、下記組成の電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を順次塗布乾燥し、0.3μmの電荷発生層、50μmの電荷輸送層を形成し、感光体を作製した。更に、感光体の画像形成領域及びその両端+1mmの範囲の表面を25μmだけグラインダーにより研磨し、本発明の電子写真感光体を作製した。
【0324】
<電荷発生層塗工液>
チタニルフタロシアニン 3部
ポリビニルブチラール 2部
酢酸n−ブチル 100部
<電荷輸送層塗工液>
A型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 8部
【0325】
【化34】
Figure 0003847584
塩化メチレン 80部
【0326】
実施例40
実施例39の電荷輸送層の膜厚を75μmとし、感光体の画像形成領域を50μmだけグラインダーにより研磨した以外は、実施例39と同様に感光体を作製した。
【0327】
実施例41
実施例39の電荷輸送層の膜厚を100μmとし、感光体の画像形成領域を75μmだけグラインダーにより研磨した以外は、実施例39と同様に感光体を作製した。
【0328】
実施例42
実施例39の電荷輸送層の膜厚を125μmとし、感光体の画像形成領域を100μmだけグラインダーにより研磨した以外は、実施例39と同様に感光体を作製した。
【0329】
比較例13
実施例39の電荷輸送層の膜厚を25μmとし、グラインダーによる研磨を行なわない以外は、実施例39と同様に感光体を作製した。
【0330】
実施例39〜42および比較例13の感光体を、ドラム状感光体の回転軸と、帯電部材としての帯電ローラの回転軸がリング状部材で固定された図25、図26に示される電子写真装置に装着し、帯電は以下の条件で行ない、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)として、連続して30000枚の印刷を行ない、画像評価を行なった。結果を表4に示す。
帯電条件:
DCバイアス:−900V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数1.8kHz
【0331】
実施例43
実施例39において、図25、図26に示される電子写真装置の代わりに、リング状部材による固定をしない図17に示される電子写真装置を用いた以外は実施例39と同様にして画像評価を行なった。結果を表4に示す。
【0332】
比較例14
実施例39において、ギャップ部位内側端部の位置と感光体画像形成領域外側端部の位置が同じになるようにセットした以外は、実施例39と同様に評価を行なった。
【0333】
実施例44
実施例39において、ギャップ部位内側端部の位置を、感光体画像形成領域外側端部から0.3mm離した位置にセットした以外は、実施例39と同様に評価を行なった。
【0334】
実施例45
実施例39において、ギャップ部位内側端部の位置を、感光体画像形成領域外側端部から0.5mm離した位置にセットした以外は、実施例39と同様に評価を行なった。
【0335】
【表4】
Figure 0003847584
表4から明らかなように、実施例39〜42及び実施例44、45の電子写真感光体を用いた場合には、繰り返し使用後にも良好な画像を与えることが判る。
【0336】
実施例46
実施例39で作製した感光体を用い、図17に示す装置の帯電条件をACバイアスを印加しない条件に変え、実施例39と同様に連続30000枚の印刷を行なった。
その結果、初期および30000枚後でも画像は良好であった。但し、30000枚後の画像において、ハーフトーン画像を出力した際、問題にならないレベルではあるが、帯電ムラに起因する画像濃度ムラがわずかに発生した。
【0337】
実施例47
アルミニウムシリンダー上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、4.0μmの中間層、0.2μmの電荷発生層、107μmの電荷輸送層からなる電子写真感光体を形成した。更に、感光体表面の画像形成領域及びその両端+2mmの範囲を80μmだけバイトにより切削し、本発明の電子写真感光体を作製した。
【0338】
<下引き層塗工液>
二酸化チタン粉末 400部
メラミン樹脂 65部
アルキッド樹脂 120部
2−ブタノン 400部
【0339】
<電荷発生層塗工液>
下記構造のトリスアゾ顔料 10部
【0340】
【化35】
Figure 0003847584
ポリビニルブチラール 4部
2−ブタノン 200部
シクロヘキサノン 400部
【0341】
<電荷輸送層塗工液>
ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 8部
【0342】
【化36】
Figure 0003847584
塩化メチレン 70部
【0343】
実施例48
実施例47の電子写真感光体の電荷輸送層塗工液を以下のものに変更した以外は、実施例47と全く同様に電子写真感光体を作製した。
<電荷輸送層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 8部
【0344】
【化37】
Figure 0003847584
塩化メチレン 70部
【0345】
実施例49
実施例47の電子写真感光体の電荷輸送層を27μmとし、更にその上に下記組成の保護層塗工液を用い、82μmの保護層を積層し、感光体表面の画像形成領域及びその両端+2mmの範囲を80μmだけバイトにより切削した以外は、実施例47と同様に電子写真感光体を作製した。
<保護層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 4部
【0346】
【化38】
Figure 0003847584
Z型ポリカーボネート 4部
塩化メチレン 70部
【0347】
実施例50
実施例47の電子写真感光体の電荷輸送層を27μmとし、更にその上に下記組成の保護層塗工液を用い、82μmの保護層を積層し、感光体表面の画像形成領域及びその両端+2mmの範囲を80μmだけバイトにより切削した以外は、実施例47と同様に電子写真感光体を作製した。
<保護層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 4部
【0348】
【化39】
Figure 0003847584
Z型ポリカーボネート 4部
酸化チタン 1部
塩化メチレン 80部
【0349】
比較例15
実施例47の電子写真感光体において、電荷輸送層の膜厚を27μmとし、感光体表面の切削を行なわない以外は、実施例47と同様に電子写真感光体を作製した。
【0350】
比較例16
実施例48の電子写真感光体において、電荷輸送層の膜厚を27μmとし、感光体表面の切削を行なわない以外は、実施例48と同様に電子写真感光体を作製した。
【0351】
比較例17
実施例49の電子写真感光体において、保護層の膜厚を2μmとし、感光体表面の切削を行なわない以外は、実施例49と同様に電子写真感光体を作製した。
【0352】
比較例18
実施例50の電子写真感光体において、保護層の膜厚を2μmとし、感光体表面の切削を行なわない以外は、実施例50と同様に電子写真感光体を作製した。
【0353】
実施例47〜50および比較例15〜18の電子写真感光体を、ドラム状感光体と帯電部材の回転軸にギアを有し、かつ帯電部材の回転軸にスプリングを有し、圧力を感光体に与える構造の図28に示される電子写真装置に搭載したものを用い、帯電は以下の条件で行ない、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)として、連続50000枚の画像出力を行なった。初期及び50000枚後の画像評価及び感光体表面の摩耗量の測定を行なった。結果を表5に示す。
帯電条件:
DCバイアス:−850V
ACバイアス:1.8kV(peak to peak)、周波数2.2kHz
【0354】
実施例51
実施例47において、帯電部材に圧力を加えるためのスプリングを用いない以外は実施例47と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表5に示す。
【0355】
実施例52
実施例47において、図27に示すように、駆動力を与えるためのギアを用いないで、帯電部材の回転を感光体の連れ回り駆動にする以外は実施例47と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表5に示す。
【0356】
実施例53
実施例47において、帯電部材表面と感光体表面を等速でなく、帯電部材が早く回るような電子写真装置を用いた以外は実施例47と同様にして画像評価を行なった。結果を表5に示す。
【0357】
【表5】
Figure 0003847584
【0358】
実施例54
実施例47で作製した感光体を用い、図17に示す装置の帯電条件をACバイアスを印加しない条件に変え、実施例47と同様に連続50000枚の印刷を行なった。
その結果、初期および50000枚後でも画像は良好であった。但し、50000枚後の画像において、ハーフトーン画像を出力した際、問題にならないレベルではあるが、帯電ムラに起因する画像濃度ムラがわずかに発生した。
【0359】
実施例55
アルミニウムシリンダー表面を陽極酸化処理した後封孔処理を行なった。この上に、電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥して各々0.2μmの電荷発生層、83μmの電荷輸送層を形成した。更に、感光体表面の画像形成領域及びその両端+1mmの範囲を60μmだけバイトにより切削し、本発明の電子写真感光体を作製した。
【0360】
<電荷発生層塗工液>
下記組成の電荷発生物質 1部
【0361】
【化40】
Figure 0003847584
下記組成の電荷発生物質 1部
【0362】
【化41】
Figure 0003847584
ポリビニルブチラール 1部
シクロヘキサノン 70部
シクロヘキサン 30部
【0363】
<電荷輸送層塗工液>
下記組成の電荷輸送物質 7部
【0364】
【化42】
Figure 0003847584
ポリカーボネート 10部
テトラヒドロフラン 100部
【0365】
実施例56
実施例55の電子写真感光体の電荷輸送層塗工液を以下のものに変更した以外は、実施例55と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0366】
<電荷輸送層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 8部
【0367】
【化43】
Figure 0003847584
塩化メチレン 70部
【0368】
実施例57
実施例55の電子写真感光体の電荷輸送層を21μmとし、更にその上に下記組成の保護層塗工液を用い、62μmの保護層を積層し、感光体表面の画像形成領域及びその両端+1mmの範囲を60μmだけバイトにより切削した以外は、実施例55と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0369】
<保護層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 4部
【0370】
【化44】
Figure 0003847584
Z型ポリカーボネート 4部
塩化メチレン 70部
【0371】
実施例58
実施例55の電子写真感光体の電荷輸送層を21μmとし、更にその上に下記組成の保護層塗工液を用い、62μmの保護層を積層し、感光体表面の画像形成領域及びその両端+1mmの範囲を60μmだけバイトにより切削した以外は、実施例55と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0372】
<保護層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 4部
【0373】
【化45】
Figure 0003847584
Z型ポリカーボネート 4部
酸化チタン 1部
塩化メチレン 80部
【0374】
比較例19
実施例55の電子写真感光体において、電荷輸送層を23μmとし、グラインダーによる研磨を行なわない以外は、実施例55と同様に電子写真感光体を作製した。
【0375】
実施例55〜58と比較例19の電子写真感光体を、感光体と帯電部材の回転軸にギアを有し、かつ帯電部材の回転軸にスプリングを有し、圧力を与えられる構造を有する感光体を装着した図19に示されるプロセスカートリッジに装着した後、画像形成装置に搭載した。ただし、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)として、現像直前の感光体の表面電位が測定できるように表面電位計のプローブを挿入した。帯電条件は以下の通りである。連続して20000枚の印刷を行ない、そのときの画像非露光部の表面電位を初期と20000枚後に測定した。更に、20000枚後にハーフトーン画像を出力し、画像評価も行なった。結果を表6に示す。
帯電条件:
DCバイアス:−850V
ACバイアス:1.8kV(peak to peak)、周波数2.2kHz
【0376】
実施例59
実施例55において、帯電部材に圧力を加えるためのスプリングを用いない以外は実施例55と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表6に示す。
【0377】
実施例60
実施例55において、駆動力を与えるためのギアを用いないで、帯電部材の回転を感光体の連れ回り駆動にする以外は実施例55と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表6に示す。
【0378】
実施例61
実施例55において、帯電部材表面と感光体表面を等速でなく、帯電部材が早く回るようにした以外は実施例55と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表6に示す。
【0379】
【表6】
Figure 0003847584
【0380】
実施例62
実施例55で作製した感光体を用い、図19に示す装置の帯電条件をACバイアスを印加しない条件に変え、実施例55と同様に連続20000枚の印刷を行なった。
その結果、初期および20000枚後でも画像は良好であった。但し、20000枚後の画像において、ハーフトーン画像を出力した際、問題にならないレベルではあるが、帯電ムラに起因する画像濃度ムラがわずかに発生した。
【0381】
[第3の群の本発明の実施例]
実施例63
両端の非画像形成領域が画像形成領域より30μm厚くなるように形成したポリエチレンテレフタレートフィルム上に、アルミニウムを蒸着し、更に、下記組成の電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液をスプレー法にて順次塗布乾燥し、0.3μmの電荷発生層、25μmの電荷輸送層を形成し、本発明の感光体を作製した。
【0382】
<電荷発生層塗工液>
チタニルフタロシアニン 3部
ポリビニルブチラール 2部
酢酸n−ブチル 200部
<電荷輸送層塗工液>
C型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 8部
【0383】
【化46】
Figure 0003847584
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0384】
実施例64
実施例63の支持体(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の両端のギャップを30μmから50μmに変更した以外は、実施例63と同様に感光体を作製した。
【0385】
実施例65
実施例63の支持体の両端のギャップを30μmから80μmに変更した以外は、実施例63と同様に感光体を作製した。
【0386】
実施例66
実施例63の支持体の両端のギャップを30μmから100μmに変更した以外は、実施例63と同様に感光体を作製した。
【0387】
比較例20
実施例63の支持体を端部処理を行なわない(両端のギャップがない)ものに変更した以外は、実施例63と同様に感光体を作製した。
【0388】
実施例63〜66および比較例20の感光体の両端をベルト接合し、実装用の感光体とした。この際、ギャップ内側端部が画像形成領域の外側両端から1mm離れた位置にくるようにセットし、ベルト状感光体を駆動するローラの回転軸と、帯電部材としての帯電ローラの回転軸がリング状部材で固定された図34、図35に示される電子写真装置に装着し、帯電は以下の条件で行ない、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)として、連続して30000枚の印刷を行ない、画像評価を行なった。結果を表1に示す。
帯電条件:
DCバイアス:−900V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数2.0kHz
【0389】
実施例67
実施例63において、図34、図35に示される電子写真装置の代わりに、リング状部材による固定をしない図17に示される電子写真装置を用いた以外は実施例63と同様にして画像評価を行なった。結果を表7に示す。
【0390】
比較例21
実施例55において、ギャップ内側端部の位置と感光体画像形成領域外側端部の位置が同じになるようにセットした以外は、実施例55と同様に評価を行なった。
【0391】
実施例68
実施例55において、ギャップ内側端部の位置を、感光体画像形成領域外側端部から0.3mm離した位置にセットした以外は、実施例55と同様に評価を行なった。
【0392】
実施例69
実施例55において、ギャップ内側端部の位置を、感光体画像形成領域外側端部から0.5mm離した位置にセットした以外は、実施例55と同様に評価を行なった。
【0393】
【表7】
Figure 0003847584
表7から明らかなように、実施例63〜66、実施例68、69の電子写真感光体を用いた場合には、繰り返し使用後にも良好な画像を与えることが判る。
【0394】
実施例70
実施例63で作製した感光体を用い、図17に示す装置の帯電条件をACバイアスを印加しない条件に変え、実施例63と同様に連続30000枚の印刷を行なった。
その結果、初期および30000枚後でも画像は良好であった。但し、30000枚後の画像において、ハーフトーン画像を出力した際、問題にならないレベルではあるが、帯電ムラに起因する画像濃度ムラがわずかに発生した。
【0395】
実施例71
両端の非画像形成領域を除く中央部画像形成領域をバイトにより切削し、50μmのギャップを有するアルミニウムシリンダー上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、スプレー法により順次塗布・乾燥し、4.0μmの中間層、0.2μmの電荷発生層、27μmの電荷輸送層からなる本発明の電子写真感光体を作製した。
【0396】
<下引き層塗工液>
二酸化チタン粉末 400部
メラミン樹脂 65部
アルキッド樹脂 120部
2−ブタノン 1200部
【0397】
<電荷発生層塗工液>
下記構造のトリスアゾ顔料 5部
【0398】
【化47】
Figure 0003847584
ポリビニルブチラール 2部
2−ブタノン 200部
シクロヘキサノン 400部
【0399】
<電荷輸送層塗工液>
ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 8部
【0400】
【化48】
Figure 0003847584
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0401】
実施例72
実施例71の電子写真感光体の電荷輸送層塗工液を以下のものに変更した以外は、実施例71と全く同様に電子写真感光体を作製した。
<電荷輸送層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 8部
【0402】
【化49】
Figure 0003847584
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0403】
実施例73
実施例71の電子写真感光体の電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を用い、2μmの保護層を積層した以外は、実施例71と同様に電子写真感光体を作製した。
<保護層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 4部
【0404】
【化50】
Figure 0003847584
Z型ポリカーボネート 4部
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0405】
実施例74
実施例71の電子写真感光体の電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を用い、2μmの保護層を積層した以外は、実施例71と同様に電子写真感光体を作製した。
<保護層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 4部
【0406】
【化51】
Figure 0003847584
Z型ポリカーボネート 4部
酸化チタン 1部
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0407】
比較例22
実施例71の電子写真感光体において、支持体両端にギャップを形成しない以外は、実施例71と同様に電子写真感光体を作製した。
【0408】
比較例23
実施例72の電子写真感光体において、支持体両端にギャップを形成しない以外は、実施例72と同様に電子写真感光体を作製した。
【0409】
比較例24
実施例73の電子写真感光体において、支持体両端にギャップを形成しない以外は、実施例73と同様に電子写真感光体を作製した。
【0410】
比較例25
実施例74の電子写真感光体において、支持体両端にギャップを形成しない以外は、実施例74と同様に電子写真感光体を作製した。
【0411】
実施例71〜74および比較例22〜25の電子写真感光体を、ギャップ内側端部が画像形成領域の外側両端から1mm離れた位置にくるようにセットし、ドラム状感光体と帯電部材の回転軸にギアを有し、かつ帯電部材の回転軸にスプリングを有し、圧力を感光体に与える構造の図37に示される電子写真装置に搭載したものを用い、帯電は以下の条件で行ない、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)として、連続50000枚の画像出力を行なった。初期及び50000枚後の画像評価及び感光体表面の摩耗量の測定を行なった。結果を表8に示す。
帯電条件:
DCバイアス:−880V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数2.2kHz
【0412】
実施例75
実施例71において、帯電部材に圧力を加えるためのスプリングを用いない以外は実施例71と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表8に示す。
【0413】
実施例76
実施例71において、図36に示すように、駆動力を与えるためのギアを用いないで、帯電部材の回転を感光体の連れ回り駆動にする以外は実施例71と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表8に示す。
【0414】
実施例77
実施例71において、帯電部材表面と感光体表面を等速でなく、帯電部材が早く回るような電子写真装置を用いた以外は実施例71と同様にして画像評価を行なった。結果を表8に示す。
【0415】
【表8】
Figure 0003847584
【0416】
実施例78
実施例71で作製した感光体を用い、図17に示す装置の帯電条件をACバイアスを印加しない条件に変え、実施例71と同様に連続50000枚の印刷を行なった。
その結果、初期および50000枚後でも画像は良好であった。但し、50000枚後の画像において、ハーフトーン画像を出力した際、問題にならないレベルではあるが、帯電ムラに起因する画像濃度ムラがわずかに発生した。
【0417】
実施例79
実施例71と同様の加工を施したアルミニウムシリンダー表面に陽極酸化処理した後封孔処理を行なった。この上に、下記組成の電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を、スプレー法にて順次塗布・乾燥して各々0.2μmの電荷発生層、28μmの電荷輸送層を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
【0418】
<電荷発生層塗工液>
下記組成の電荷発生物質 1部
【0419】
【化52】
Figure 0003847584
下記組成の電荷発生物質 1部
【0420】
【化53】
Figure 0003847584
ポリビニルブチラール 1部
シクロヘキサノン 100部
シクロヘキサン 40部
【0421】
<電荷輸送層塗工液>
下記組成の電荷輸送物質 7部
【0422】
【化54】
Figure 0003847584
ポリカーボネート 10部
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0423】
実施例80
実施例79の電子写真感光体の電荷輸送層塗工液を以下のものに変更した以外は、実施例79と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0424】
<電荷輸送層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 8部
【0425】
【化55】
Figure 0003847584
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0426】
実施例81
実施例79の電子写真感光体の電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を用い、2μmの保護層を積層した以外は、実施例79と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0427】
<保護層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 4部
【0428】
【化56】
Figure 0003847584
Z型ポリカーボネート 4部
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0429】
実施例82
実施例79の電子写真感光体の電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を用い、2μmの保護層を積層した以外は、実施例79と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0430】
<保護層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 4部
【0431】
【化57】
Figure 0003847584
Z型ポリカーボネート 4部
酸化チタン 1部
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 200部
【0432】
比較例26
実施例79の電子写真感光体において、支持体両端のギャップを設けない以外は、実施例79と同様に電子写真感光体を作製した。
【0433】
実施例79〜82と比較例26の電子写真感光体を、ギャップ内側端部が画像形成領域の外側両端から2mm離れた位置にくるようにセットし、感光体と帯電部材の回転軸にギアを有し、かつ帯電部材の回転軸にスプリングを有し、圧力を与えられる構造を有する感光体を装着した図19に示されるプロセスカートリッジに装着した後、画像形成装置に搭載した。ただし、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)として、現像直前の感光体の表面電位が測定できるように表面電位計のプローブを挿入した。帯電条件は以下の通りである。連続して20000枚の印刷を行ない、そのときの画像非露光部の表面電位を初期と20000枚後に測定した。更に、20000枚後にハーフトーン画像を出力し、画像評価も行なった。結果を表9に示す。
帯電条件:
DCバイアス:−800V
ACバイアス:1.7kV(peak to peak)、周波数2.2kHz
【0434】
実施例83
実施例79において、帯電部材に圧力を加えるためのスプリングを用いない以外は実施例79と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表9に示す。
【0435】
実施例84
実施例79において、駆動力を与えるためのギアを用いないで、帯電部材の回転を感光体の連れ回り駆動にする以外は実施例79と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表9に示す。
【0436】
実施例85
実施例79において、帯電部材表面と感光体表面を等速でなく、帯電部材が早く回るようにした以外は実施例79と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表9に示す。
【0437】
【表9】
Figure 0003847584
【0438】
実施例86
実施例79で作製した感光体を用い、図19に示す装置の帯電条件をACバイアスを印加しない条件に変え、実施例79と同様に連続20000枚の印刷を行なった。
その結果、初期および20000枚後でも画像は良好であった。但し、20000枚後の画像において、ハーフトーン画像を出力した際、問題にならないレベルではあるが、帯電ムラに起因する画像濃度ムラがわずかに発生した。
【0439】
[第4の群の本発明の実施例]
実施例87
アルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液及び電荷輸送層塗工液を、順次塗布乾燥し、3.5μmの中間層、0.2μmの電荷発生層、28μmの電荷輸送層からなる本発明の電子写真感光体を作製した。
【0440】
<下引き層塗工液>
二酸化チタン粉末 400部
メラミン樹脂 65部
アルキッド樹脂 120部
2−ブタノン 400部
【0441】
<電荷発生層塗工液>
チタニルフタロシアニン 3部
ポリビニルブチラール 2部
酢酸n−ブチル 200部
【0442】
<電荷輸送層塗工液>
C型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 8部
【0443】
【化58】
Figure 0003847584
塩化メチレン 100部
【0444】
上記のように作製した電子写真感光体に、図38に示すような形状のフランジを取り付けて実装用の感光体とした。なお、感光体表面と帯電部材表面のギャップ部の間隔は30μmである。フランジ内側端部と画像形成領域外側端部の間隔を1mmになるようにフランジをセットした。
【0445】
実施例88
実施例87で使用したフランジを変更し、感光体表面と帯電部材表面のギャップを30μmから50μmに変更した以外は、実施例87と同様に感光体を作製した。フランジは、フランジ内側端部と画像形成領域外側端部の間隔を1mmになるようにセットした。
【0446】
実施例89
実施例87で使用したフランジを変更し、感光体表面と帯電部材表面のギャップを30μmから80μmに変更した以外は、実施例87と同様に感光体を作製した。フランジは、フランジ内側端部と画像形成領域外側端部の間隔を1mmになるようにセットした。
【0447】
実施例90
実施例87で使用したフランジを変更し、感光体表面と帯電部材表面のギャップを30μmから100μmに変更した以外は、実施例87と同様に感光体を作製した。フランジは、フランジ内側端部と画像形成領域外側端部の間隔を1mmになるようにセットした。
【0448】
参考例1
実施例87で使用したフランジを変更し、感光体表面と帯電部材表面のギャップを30μmから250μmに変更した以外は、実施例87と同様に感光体を作製した。フランジは、フランジ内側端部と画像形成領域外側端部の間隔を1mmになるようにセットした。
【0449】
比較例27
実施例87で使用したフランジを従来形状のものに変更し、感光体表面と帯電部材表面のギャップを30μmから0μmに変更した(感光体表面と帯電部材表面が接触している)以外は、実施例87と同様に感光体を作製した。フランジは、フランジ内側端部と画像形成領域外側端部の間隔を1mmになるようにセットした。
【0450】
実施例87〜90、参考例1および比較例27の感光体を、ドラム状感光体の回転軸と、帯電部材としての帯電ローラの回転軸がリング状部材で固定された図41、図42に示される電子写真装置に装着し、帯電は以下の条件で行ない、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)として、連続して30000枚の印刷を行ない、画像評価を行なった。結果を表10に示す。
帯電条件:
DCバイアス:−930V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、
周波数2.0kHz
【0451】
実施例91
実施例87において、図41、図42に示される電子写真装置の代わりに、リング状部材による固定をしない図17に示される電子写真装置を用いた以外は実施例87と同様にして画像評価を行なった。結果を表10に示す。
【0452】
比較例28
実施例87において、フランジ内側端部の位置と感光体画像形成領域外側端部の位置が同じになるようにセットした以外は、実施例87と同様に評価を行なった。
【0453】
実施例92
実施例87において、フランジ内側端部の位置を、感光体画像形成領域外側端部から0.5mm離した位置にセットした以外は、実施例87と同様に評価を行なった。
【0454】
実施例93
実施例87において、フランジ内側端部の位置を、感光体画像形成領域外側端部から2mm離した位置にセットした以外は、実施例87と同様に評価を行なった。
【0455】
【表10】
Figure 0003847584
【0456】
実施例94
実施例87で作製した感光体を用い、図17に示す装置の帯電条件をACバイアスを印加しない条件に変え、実施例87と同様に連続30000枚の印刷を行なった。
その結果、初期および30000枚後でも画像は良好であった。但し、30000枚後の画像において、ハーフトーン画像を出力した際、問題にならないレベルではあるが、帯電ムラに起因する画像濃度ムラがわずかに発生した。
【0457】
実施例95
実施例87の電子写真感光体の電荷輸送層塗工液を以下のものに変更した以外は、実施例87と全く同様に電子写真感光体を作製した。
<電荷輸送層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 8部
【0458】
【化59】
Figure 0003847584
塩化メチレン 100部
【0459】
実施例96
実施例87の電子写真感光体の電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を用い、2μmの保護層を積層した以外は、実施例87と全く同様に電子写真感光体を作製した。
<保護層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 4部
【0460】
【化60】
Figure 0003847584
Z型ポリカーボネート 4部
塩化メチレン 100部
【0461】
実施例97
実施例87の電子写真感光体の電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を用い、2μmの保護層を積層した以外は、実施例87と同様に電子写真感光体を作製した。
<保護層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 4部
【0462】
【化61】
Figure 0003847584
Z型ポリカーボネート 4部
酸化チタン 1部
塩化メチレン 100部
【0463】
上記のように作製した電子写真感光体に、図38に示されるような形状のフランジを取り付けて実装用の感光体とした。なお、感光体表面と帯電部材表面のギャップ部の間隔は50μmである。フランジ内側端部と画像形成領域外側端部の間隔を1mmになるようにフランジをセットした。
【0464】
比較例29
実施例95の電子写真感光体において、使用したフランジを従来形状のものに変更し、感光体表面と帯電部材表面を接触させ、ギャップを形成しない以外は、実施例95と同様に電子写真感光体を作製した。
【0465】
比較例30
実施例96の電子写真感光体において、使用したフランジを従来形状のものに変更し、感光体表面と帯電部材表面を接触させ、ギャップを形成しない以外は、実施例96と同様に電子写真感光体を作製した。
【0466】
比較例31
実施例97の電子写真感光体において、使用したフランジを従来形状のものに変更し、感光体表面と帯電部材表面を接触させ、ギャップを形成しない以外は、実施例97と同様に電子写真感光体を作製した。
【0467】
実施例87、実施例95〜97および比較例27、比較例29〜31の電子写真感光体を、ドラム状感光体と帯電部材の回転軸にギアを有し、かつ帯電部材の回転軸にスプリングを有し、圧力を感光体に与える構造の図44に示される電子写真装置に搭載したものを用い、先の試験と同様のプロセス条件にて、連続50000枚の画像出力を行なった。初期及び50000枚後の画像評価及び感光体表面の摩耗量の測定を行なった。結果を表11に示す。
【0468】
実施例98
実施例87において、帯電部材に圧力を加えるためのスプリングを用いない以外は実施例87と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表11に示す。
【0469】
実施例99
実施例87において、図43に示すように、駆動力を与えるためのギアを用いないで、帯電部材の回転を感光体の連れ回り駆動にする以外は実施例87と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表11に示す。
【0470】
実施例100
実施例87において、帯電部材表面と感光体表面を等速でなく、帯電部材が早く回るような電子写真装置を用いた以外は実施例87と同様にして画像評価を行なった。結果を表11に示す。
【0471】
【表11】
Figure 0003847584
【0472】
実施例101
アルミニウムシリンダー表面に陽極酸化処理した後封孔処理を行なった。この上に、下記組成の電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥して各々0.2μmの電荷発生層、28μmの電荷輸送層を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
【0473】
<電荷発生層塗工液>
下記組成の電荷発生物質 1部
【0474】
【化62】
Figure 0003847584
下記組成の電荷発生物質 1部
【0475】
【化63】
Figure 0003847584
ポリビニルブチラール 1部
シクロヘキサノン 100部
シクロヘキサン 40部
【0476】
<電荷輸送層塗工液>
下記組成の電荷輸送物質 7部
【0477】
【化64】
Figure 0003847584
ポリカーボネート 10部
塩化メチレン 100部
【0478】
実施例102
実施例101の電子写真感光体の電荷輸送層塗工液を以下のものに変更した以外は、実施例101と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0479】
<電荷輸送層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 8部
【0480】
【化65】
Figure 0003847584
塩化メチレン 100部
【0481】
実施例103
実施例101の電子写真感光体の電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を用い、2μmの保護層を積層した以外は、実施例101と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0482】
<保護層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 4部
【0483】
【化66】
Figure 0003847584
Z型ポリカーボネート 4部
塩化メチレン 100部
【0484】
実施例104
実施例101の電子写真感光体の電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を用い、2μmの保護層を積層した以外は、実施例101と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0485】
<保護層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 4部
【0486】
【化67】
Figure 0003847584
Z型ポリカーボネート 4部
酸化チタン 1部
塩化メチレン 100部
【0487】
上記のように作製した電子写真感光体に、図38に示すような形状のフランジを取り付けて実装用の感光体とした。なお、感光体表面と帯電部材表面のギャップ部の間隔は70μmである。フランジ内側端部と画像形成領域外側端部の間隔を2mmになるようにフランジをセットした。
【0488】
比較例32
実施例101の電子写真感光体において、使用したフランジを従来形状のものに変更し、感光体と帯電部材表面を接触させ、ギャップを形成しない以外は、実施例101と同様に電子写真感光体を作製した。
【0489】
実施例101〜104と比較例32の電子写真感光体を、感光体と帯電部材の回転軸にギアを有し、かつ帯電部材の回転軸にスプリングを有し、圧力を与えられる構造を有する感光体を装着した図19に示されるプロセスカートリッジに装着した後、画像形成装置に搭載した。ただし、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)として、現像直前の感光体の表面電位が測定できるように表面電位計のプローブを挿入した。帯電条件は以下の通りである。連続して20000枚の印刷を行ない、そのときの画像非露光部の表面電位を初期と20000枚後に測定した。更に、20000枚後にハーフトーン画像を出力し、画像評価も行なった。結果を表12に示す。
帯電条件:
DCバイアス:−830V
ACバイアス:1.7kV(peak to peak)、
周波数2.2kHz
【0490】
実施例105
実施例101において、帯電部材に圧力を加えるためのスプリングを用いない以外は実施例101と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表12に示す。
【0491】
実施例106
実施例101において、駆動力を与えるためのギアを用いないで、帯電部材の回転を感光体の連れ回り駆動にする以外は実施例101と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表12に示す。
【0492】
実施例107
実施例101において、帯電部材表面と感光体表面を等速でなく、帯電部材が早く回るようにした以外は実施例101と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表12に示す。
【0493】
【表12】
Figure 0003847584
【0494】
実施例108
実施例101で作製した感光体を用い、図19に示す装置の帯電条件をACバイアスを印加しない条件に変え、実施例101と同様に連続20000枚の印刷を行なった。
その結果、初期および20000枚後でも画像は良好であった。但し、20000枚後の画像において、ハーフトーン画像を出力した際、問題にならないレベルではあるが、帯電ムラに起因する画像濃度ムラがわずかに発生した。
【0495】
[第5の群の本発明の実施例]
実施例109
(帯電部材の作製)
ステンレス製芯金上に、抵抗率が2×108Ω・cmであるエピクロルヒドリンゴムを3mmに積層した導電性弾性体と、その上に抵抗率が8×108Ω・cmであるエピクロルヒドリンゴムとフッ素系樹脂の混合物からなる抵抗調整層(厚さ50μm)を設けた帯電ローラを作製した。
【0496】
(感光体の作製)
Niシームレスベルト上に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液及び電荷輸送層塗工液を、順次塗布乾燥し、3.5μmの中間層、0.2μmの電荷発生層、28μmの電荷輸送層からなる本発明の電子写真感光体を作製した。
【0497】
<下引き層塗工液>
二酸化チタン粉末 400部
メラミン樹脂 65部
アルキッド樹脂 120部
2−ブタノン 400部
【0498】
<電荷発生層塗工液>
チタニルフタロシアニン 3部
ポリビニルブチラール 2部
2−ブタノン 200部
【0499】
<電荷輸送層塗工液>
A型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 8部
【0500】
【化68】
Figure 0003847584
塩化メチレン 100部
【0501】
上記のように作製した電子写真感光体を、図54、図55に示されるような感光体が支持される駆動ローラの回転軸と、帯電部材としての帯電ローラの回転軸がリング状部材で固定された電子写真装置に装着した。この際、駆動ローラの内側端部が感光体画像形成領域の外側端部より2mm離れた外側になるようにセットした。帯電は以下の条件で行ない、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)として、連続して30000枚の印刷を行ない、画像評価を行なった。駆動ローラは図51の形状のABS樹脂からなるものを使用し、感光体表面と帯電部材表面のギャップ部の間隔は50μmになるように設定した。結果を表13に示す。
帯電条件:
DCバイアス:−900V
ACバイアス:1.8kV(peak to peak)、周波数1.5kHz
【0502】
実施例110
実施例109で使用した電子写真装置における駆動ローラを変更し、感光体表面と帯電部材表面のギャップを50μmから80μmに変更した以外は、実施例109と同様のプロセス条件にて30000枚の印刷及び画像評価を行なった。結果を表13に示す。
【0503】
実施例111
実施例109で使用した電子写真装置における駆動ローラを変更し、感光体表面と帯電部材表面のギャップを50μmから100μmに変更した以外は、実施例109と同様のプロセス条件にて30000枚の印刷及び画像評価を行なった。結果を表13に示す。
【0504】
実施例112
実施例109で使用した電子写真装置における駆動ローラを変更し、感光体表面と帯電部材表面のギャップを50μmから150μmに変更した以外は、実施例109と同様のプロセス条件にて30000枚の印刷及び画像評価を行なった。結果を表13に示す。
【0505】
参考例2
実施例109で使用した電子写真装置における駆動ローラを変更し、感光体表面と帯電部材表面のギャップを50μmから250μmに変更した以外は、実施例109と同様のプロセス条件にて30000枚の印刷及び画像評価を行なった。結果を表13に示す。
【0506】
比較例33
実施例109で使用した電子写真装置における駆動ローラを従来形状のものに変更し、感光体表面と帯電部材表面のギャップを50μmから0μmに変更した(感光体表面と帯電部材表面が接触している)以外は、実施例109と同様のプロセス条件にて30000枚の印刷及び画像評価を行なった。結果を表13に示す。
【0507】
実施例113
実施例109において、図54、図55に示される電子写真装置の代わりに、リング状部材による固定をしない図62に示される電子写真装置を用いた以外は実施例109と同様にして画像評価を行なった。結果を表13に示す。
【0508】
比較例34
実施例111において、フランジ内側端部の位置と感光体画像形成領域外側端部の位置が同じになるようにセットした以外は、実施例111と同様に評価を行なった。
【0509】
実施例114
実施例111において、フランジ内側端部の位置を、感光体画像形成領域外側端部から0.5mm離した位置にセットした以外は、実施例111と同様に評価を行なった。
【0510】
実施例115
実施例111において、フランジ内側端部の位置を、感光体画像形成領域外側端部から2mm離した位置にセットした以外は、実施例111と同様に評価を行なった。
【0511】
【表13】
Figure 0003847584
【0512】
実施例116
実施例109で使用した駆動ローラの形状は変更せずに、ステンレス製のものに変更した以外は、実施例109と同様に評価を行なった。
その結果、初期及び30000枚後でも画像は良好であった。但し、30000枚後の画像において、わずかではあるが、帯電異常に起因する異常画像が発生した。
【0513】
実施例117
実施例109で作製した感光体を用い、帯電条件をACバイアスを印加しない条件に変え、実施例109と同様に連続30000枚の印刷を行なった。
その結果、初期および30000枚後でも画像は良好であった。但し、30000枚後の画像において、ハーフトーン画像を出力した際、問題にならないレベルではあるが、帯電ムラに起因する画像濃度ムラがわずかに発生した。
【0514】
実施例118
実施例109の電子写真感光体の電荷輸送層塗工液を以下のものに変更した以外は、実施例109と全く同様に電子写真感光体を作製した。
<電荷輸送層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 8部
【0515】
【化69】
Figure 0003847584
塩化メチレン 100部
【0516】
実施例119
実施例109の電子写真感光体の電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を用い、2μmの保護層を積層した以外は、実施例109と全く同様に電子写真感光体を作製した。
<保護層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 4部
【0517】
【化70】
Figure 0003847584
A型ポリカーボネート 4部
塩化メチレン 100部
【0518】
実施例120
実施例109の電子写真感光体の電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を用い、2μmの保護層を積層した以外は、実施例109と同様に電子写真感光体を作製した。
<保護層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 4部
【0519】
【化71】
Figure 0003847584
A型ポリカーボネート 4部
酸化チタン 1部
塩化メチレン 100部
【0520】
上記のように作製した実施例118〜120の電子写真感光体を、図57に示されるような感光体が支持される駆動ローラの回転軸と、帯電部材としての帯電ローラの回転軸がギアを有し、かつ帯電部材としての帯電ローラの回転軸にスプリングを有し、圧力を感光体に与える構造の電子写真装置に装着した。この際、駆動ローラの内側端部が感光体画像形成領域の外側端部より1mm離れた外側になるようにセットした。実施例109と同様のプロセス条件にて50000枚の印刷及び画像評価を行なった。結果を表14に示す。なお、感光体表面と帯電部材表面のギャップ部の間隔は50μmである。
【0521】
実施例121
実施例118において、帯電部材に圧力を加えるためのスプリングを用いない以外は実施例118と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表14に示す。
【0522】
実施例122
実施例118において、駆動力を与えるためのギアを用いないで、帯電部材の回転を感光体の連れ回り駆動にする以外は実施例118と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表14に示す。
【0523】
実施例123
実施例118において、帯電部材表面と感光体表面を等速でなく、帯電部材が早く回るような電子写真装置を用いた以外は実施例118と同様にして画像評価を行なった。結果を表14に示す。
【0524】
比較例34
実施例118で作製した感光体を用い、実施例118で使用した電子写真装置における駆動ローラを変更し、感光体表面と帯電部材表面のギャップを50μmから0μmに変更した(感光体表面と帯電部材表面が接触している)以外は、実施例118と同様のプロセス条件にて50000枚の印刷及び画像評価を行なった。結果を表14に示す。
【0525】
比較例35
実施例119で作製した感光体を用い、実施例119で使用した電子写真装置における駆動ローラを変更し、感光体表面と帯電部材表面のギャップを50μmから0μmに変更した(感光体表面と帯電部材表面が接触している)以外は、実施例119と同様のプロセス条件にて50000枚の印刷及び画像評価を行なった。結果を表14に示す。
【0526】
比較例36
実施例120で作製した感光体を用い、実施例120で使用した電子写真装置における駆動ローラを変更し、感光体表面と帯電部材表面のギャップを50μmから0μmに変更した(感光体表面と帯電部材表面が接触している)以外は、実施例120と同様のプロセス条件にて50000枚の印刷及び画像評価を行なった。結果を表14に示す。
【0527】
また、実施例109及び比較例33の電子写真感光体を先に30000枚の画像評価を行なった装置に搭載し、更に20000枚の印刷(合計50000枚)を行ない、50000枚目の画像評価を行なった。また、実施例109、実施例118〜123及び比較例33〜36の感光体の50000枚印刷における感光体表面の摩耗量の測定を行なった。結果を表14に示す。
【0528】
【表14】
Figure 0003847584
【0529】
実施例124
ポリエチレンテレフタレートシームレスベルト表面にアルミニウムを蒸着し、導電化処理を行なった。この上に、下記組成の電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥して各々0.2μmの電荷発生層、28μmの電荷輸送層を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
【0530】
<電荷発生層塗工液>
下記組成の電荷発生物質 1.5部
【0531】
【化72】
Figure 0003847584
下記組成の電荷発生物質 1部
【0532】
【化73】
Figure 0003847584
ポリビニルブチラール 1部
シクロヘキサノン 100部
シクロヘキサン 40部
【0533】
<電荷輸送層塗工液>
下記組成の電荷輸送物質 7部
【0534】
【化74】
Figure 0003847584
A型ポリカーボネート 10部
塩化メチレン 100部
【0535】
実施例125
実施例124の電子写真感光体の電荷輸送層塗工液を以下のものに変更した以外は、実施例124と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0536】
<電荷輸送層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 8部
【0537】
【化75】
Figure 0003847584
塩化メチレン 100部
【0538】
実施例126
実施例124の電子写真感光体の電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を用い、2μmの保護層を積層した以外は、実施例124と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0539】
<保護層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 4部
【0540】
【化76】
Figure 0003847584
A型ポリカーボネート 4部
塩化メチレン 100部
【0541】
実施例127
実施例124の電子写真感光体の電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を用い、2μmの保護層を積層した以外は、実施例124と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0542】
<保護層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 4部
【0543】
【化77】
Figure 0003847584
A型ポリカーボネート 4部
酸化チタン 1部
塩化メチレン 100部
【0544】
実施例124〜127の電子写真感光体を、感光体が支持される駆動ローラの回転軸と、帯電部材としての帯電ローラの回転軸がギアを有し、かつ帯電部材としての帯電ローラの回転軸にスプリングを有し、圧力を感光体に与える構造の図63に示される電子写真装置用プロセスカートリッジに搭載した。この際、駆動ローラの内側端部が感光体画像形成領域の外側端部より2mm離れた外側になるようにセットした。ただし、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)として、現像直前の感光体の表面電位が測定できるように表面電位計のプローブを挿入した。帯電条件は以下の通りである。連続して20000枚の印刷を行ない、そのときの画像非露光部の表面電位を初期と20000枚後に測定した。更に、20000枚後にハーフトーン画像を出力し、画像評価も行なった。結果を表15に示す。なお、駆動ローラは図51に示される形状のものを使用し、感光体表面と帯電部材表面のギャップ部の間隔は70μmになるように設定した。
帯電条件:
DCバイアス:−950V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、
周波数2.0kHz
【0545】
実施例128
実施例124において、帯電部材に圧力を加えるためのスプリングを用いない以外は実施例124と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表15に示す。
【0546】
実施例129
実施例124において、駆動力を与えるためのギアを用いないで、帯電部材の回転を感光体の連れ回り駆動にする以外は実施例124と同様な電子写真装置を用いて画像評価を行なった。結果を表15に示す。
【0547】
実施例130
実施例124において、帯電部材表面と感光体表面を等速でなく、帯電部材が早く回るような電子写真装置を用いた以外は実施例124と同様にして画像評価を行なった。結果を表15に示す。
【0548】
比較例37
実施例124で作製した感光体を用い、実施例124で使用した電子写真装置用プロセスカートリッジにおける駆動ローラを従来の形状のものに変更し、感光体表面と帯電部材表面のギャップを70μmから0μmに変更した(感光体表面と帯電部材表面が接触している)以外は、実施例124と同様のプロセス条件にて20000枚の印刷及び画像評価を行なった。結果を表15に示す。
【0549】
【表15】
Figure 0003847584
【0550】
実施例131
実施例124で作製した感光体を用い、図63に示す装置の帯電条件をACバイアスを印加しない条件に変え、実施例124と同様に連続20000枚の印刷を行なった。
その結果、初期および20000枚後でも画像は良好であった。但し、20000枚後の画像において、ハーフトーン画像を出力した際、問題にならないレベルではあるが、帯電ムラに起因する画像濃度ムラがわずかに発生した。
【0551】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明によれば、繰り返し使用によっても帯電部材のトナーフィルミングを生じず、安定な画像を形成する電子写真感光体およびそれを用いた電子写真方法、電子写真装置ならびに電子写真用プロセスカートリッジが提供される。また、感光体および帯電部材の摩耗を低下させ、両者の耐久性を向上させることで、高耐久な電子写真方法、電子写真装置ならびに電子写真用プロセスカートリッジが提供され、また、前記電子写真装置、プロセスカートリッジ用に適した電子写真感光体及びその製造方法が提供され、さらにまた、本発明の感光体は、感光体両端部にギャップ層を設けることにより、或いは非画像形成領域と画像形成領域の厚み差を利用することにより、或いはギャップをフランジ形状にすることによって、感光体の画像形成領域に対し帯電部材を被接触配置するための特別な部品、機構を必要とせず、安価で、効果の高い非接触帯電機構を実施することが可能であり、また、感光体端部の剥離の問題も解決が可能であるという極めて優れた効果を奏するものである。また、本発明によれば、非接触帯電装置特有の欠点である帯電ムラ、バンディング現象を低減させ、繰り返し使用においても安定した良好な画像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を表わす断面図である。
【図2】本発明に用いられる電子写真感光体の他の構成例を示す断面図である。
【図3】本発明に用いられる電子写真感光体の更に他の構成例を示す断面図である。
【図4】本発明に用いられる感光体と帯電部材との位置関係を示した図である。
【図5】本発明に用いられる感光体の画像形成領域と、感光体の非画像形成領域に形成されたギャップ保持機構の位置関係を詳細に示した図である。
【図6】本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を表わす断面図である。
【図7】本発明に用いられる電子写真感光体の他の構成例を示す断面図である。
【図8】本発明に用いられる電子写真感光体の更に他の構成例を示す断面図である。
【図9】本発明に用いられる感光体と帯電部材との位置関係を示した図である。
【図10】本発明におけるギャップ材の継ぎ目形態の一例を示した図である。
【図11】本発明に用いられる感光体と帯電部材との他の位置関係を示した図である。
【図12】図11に示される装置の側面図である。
【図13】本発明に用いられる感光体と帯電部材との更に他の位置関係を示した図である。
【図14】本発明に用いられる感光体と帯電部材との更に他の位置関係を示した図である。
【図15】本発明に用いられる帯電部材の構成例を表わす断面図である。
【図16】本発明に用いられる帯電部材の他の構成例を示す断面図である。
【図17】本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図である。
【図18】本発明による電子写真プロセスの他の例を示した図である。
【図19】本発明のプロセスカートリッジを示す別の図である。
【図20】本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を表わす断面図である。
【図21】本発明に用いられる電子写真感光体の他の構成例を示す断面図である。
【図22】本発明に用いられる電子写真感光体の更に他の構成例を示す断面図である。
【図23】本発明に用いられる感光体と帯電部材との位置関係を示した図である。
【図24】本発明に用いられる感光体の画像形成領域と感光体非画像形成領域に形成された膜厚段差の位置関係を詳細に示した図である。
【図25】本発明に用いられる感光体と帯電部材との他の位置関係を示した図である。
【図26】図25に示される装置の側面図である。
【図27】本発明に用いられる感光体と帯電部材との更に他の位置関係を示した図である。
【図28】本発明に用いられる感光体と帯電部材との更に他の位置関係を示した図である。
【図29】本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を表わす断面図である。
【図30】本発明に用いられる電子写真感光体の他の構成例を示す断面図である。
【図31】本発明に用いられる電子写真感光体の更に他の構成例を示す断面図である。
【図32】本発明に用いられる感光体と帯電部材との位置関係を示した図である。
【図33】本発明に用いられる感光体の画像形成領域と感光体非画像形成領域に形成されたギャップの位置関係を詳細に示した図である。
【図34】本発明に用いられる感光体と帯電部材との他の位置関係を示した図である。
【図35】図34に示される装置の側面図である。
【図36】本発明に用いられる感光体と帯電部材との更に他の位置関係を示した図である。
【図37】本発明に用いられる感光体と帯電部材との更に他の位置関係を示した図である。
【図38】本発明に用いられる電子写真感光体の側面図を示した図である。
【図39】本発明に用いられる感光体と帯電部材との位置関係を示した図である。
【図40】本発明に用いられる感光体の画像形成領域と、感光体両端に具備されたフランジにより形成されたギャップの位置関係を詳細に示した図である。
【図41】本発明に用いられる感光体と帯電部材との他の位置関係を示した図である。
【図42】図41に示される装置の側面図である。
【図43】本発明に用いられる感光体と帯電部材との更に他の位置関係を示した図である。
【図44】本発明に用いられる感光体と帯電部材との更に他の位置関係を示した図である。
【図45】本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を示す断面図である。
【図46】本発明に用いられる電子写真感光体の他の構成例を示す断面図である。
【図47】本発明に用いられる電子写真感光体の更に他の構成例を示す断面図である。
【図48】本発明に用いられる電子写真感光体のまた更に他の構成例を示す断面図である。
【図49】本発明に用いられる帯電部材の構成例を表わす断面図である。
【図50】本発明に用いられる帯電部材の他の構成例を示す断面図である。
【図51】本発明に用いられるベルト状感光体、駆動ローラと帯電部材との位置関係を帯電部材の長手方向から見た図である。
【図52】本発明に用いられるベルト状感光体の画像形成領域と、ローラ突出部により形成されたギャップの位置関係を詳細に示した図である。
【図53】図51に示される装置の側面図である。
【図54】本発明に用いられる感光体と帯電部材との他の位置関係を示した図である。
【図55】図54に示される装置の側面図である。
【図56】本発明に用いられる感光体と帯電部材との更に他の位置関係を示した図である。
【図57】本発明に用いられる感光体と帯電部材との更に他の位置関係を示した図である。
【図58】本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を示す断面図である。
【図59】本発明に用いられる電子写真感光体の他の構成例を示す断面図である。
【図60】本発明に用いられる電子写真感光体の更に他の構成例を示す断面図である。
【図61】本発明に用いられる電子写真感光体のまた更に他の構成例を示す断面図である。
【図62】本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図である。
【図63】本発明のプロセスカートリッジを示す別の図である。
【符号の説明】
1 感光体
7 除電ランプ
8 帯電部材
9 イレーサ
10 画像露光部
11 現像ユニット
12 転写前チャージャ
13 レジストローラ
14 転写紙
15 転写ベルト
15a 転写チャージャ
15b 分離チャージャ
16 分離爪
17 クリーニング前チャージャ
18 ファーブラシ
19 クリーニングブレード
21 感光体
22a 駆動ローラ
22b 駆動ローラ
23 帯電ローラ
24 像露光源
25 転写チャージャ
26 クリーニング前露光
27 クリーニングブラシ
28 除電光源
29 現像ユニット
31 導電性支持体
33 感光層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 保護層
41 ギャップ層
43 ギャップ材
51 回転軸
53 導電性弾性体
55 抵抗調整層
70 帯電部材
71 画像露光部
72 クリーニングブラシ
73 感光体
74 転写ローラ
75 現像ローラ
231 導電性支持体
233 感光層
235 電荷発生層
237 電荷輸送層
239 保護層
331 導電性支持体
333 感光層
335 電荷発生層
337 電荷輸送層
339 保護層
431 導電性支持体
433 感光層
435 電荷発生層
437 電荷輸送層
439 保護層
521 感光体
522 駆動ローラ
523 帯電ローラ
524 像露光源
525 転写チャージャ
526 クリーニング前露光
527 クリーニングブラシ
528 除電光源
529 現像ユニット
531 導電性支持体
533 感光層
535 電荷発生層
537 電荷輸送層
539 保護層
551 回転軸
553 導電性弾性体
555 抵抗調整層
570 帯電部材
571 画像露光部
572 クリーニングブラシ
573 感光体
574 転写ローラ
575 現像ローラ
576 駆動ローラ

Claims (61)

  1. 少なくともローラ形状の帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記電子写真感光体の画像形成表面領域とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるために、該感光体表面における両端の非画像形成領域の前記帯電部材と当接する部分にギャップ保持機構を有してなり、該ギャップ保持機構の内側端部が該感光体の画像形成領域外側端部よりもギャップの2倍以上離れた外側で、かつ前記ギャップの100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置。
  2. 少なくともローラ形状の帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記電子写真感光体の画像形成表面領域とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるために、該感光体両端の非画像形成表面領域における感光体全層の膜厚が感光体中央側の画像形成領域における感光体全層の膜厚よりも厚く、この膜厚差を利用して帯電部材を感光体非画像形成領域のみに当接させ、感光体の帯電部材当接部内側端部が該感光体の画像形成領域外側端部よりも前記膜厚差の2倍以上離れた外側で、かつ前記膜厚差の100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置。
  3. 少なくともローラ形状の帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記電子写真感光体の画像形成表面領域とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるために、該感光体における感光体両端の非画像形成領域における支持体の厚みが感光体中央の画像形成領域における支持体の厚みよりも厚く、画像形成領域と非画像形成領域の厚み差を利用して、帯電部材を感光体の非画像形成領域のみに当接させ、感光体の帯電部材当接部内側端部が該感光体の画像形成領域外側端部よりも前記膜厚差の2倍以上離れた外側で、かつ前記膜厚差の100倍もしくは10mmの短い方の内側存在することを特徴とする電子写真装置。
  4. 少なくともローラ形状の帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記電子写真感光体の画像形成表面領域とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるために、前記感光体が両端にフランジを具備してなり、該フランジが該感光体表面の非画像形成領域を覆う形状を有し、感光体の非画像形成領域に配置されたフランジ外周と画像形成領域における感光体外周とのギャップを利用し、帯電部材をフランジ外周面のみに当接させ、フランジの内側端面が該感光体の画像形成領域外側端部よりも前記ギャップの2倍以上離れた外側で、かつ前記ギャップの100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置。
  5. 少なくともローラ形状の帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してなり、該電子写真感光体がベルト形状で構成された該ベルト状電子写真感光体を支持し駆動もしくは従動を行うローラが感光体両端部より突出している電子写真装置であって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記ベルト状電子写真感光体の画像形成領域表面とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるため、前記駆動もしくは従動ローラ外周と画像形成領域における感光体外周とのギャップを利用し、帯電部材を駆動もしくは従動ローラ外周面のみに当接させ、駆動もしくは従動ローラの内側端面が該感光体の画像形成領域外側端部よりも前記ギャップの2倍以上離れた外側で、かつ前記ギャップの100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置。
  6. 帯電部材と感光体の距離を制御するために、帯電部材と感光体の何れかの部材をスプリング等の機械的な力により圧力をかけ、他方の部材に対し押しつけることを特徴する請求項1乃至4の何れか1に記載の電子写真装置。
  7. 帯電部材と感光体の距離を制御するために、帯電部材と、ベルト状感光体を駆動もしくは従動するローラの何れかの部材をスプリング等の機械的な力により圧力をかけ、他方の部材に対し押しつけることを特徴する請求項5に記載の電子写真装置。
  8. 前記帯電ローラの回転軸と感光体の回転軸がリング状部材で固定されてなることを特徴とする請求項1乃至4、6の何れか1に記載の電子写真装置。
  9. 前記帯電ローラの回転軸とベルト状電子写真感光体を支持し駆動もしくは従動を行うローラの回転軸がリング状部材で固定されてなることを特徴とする請求項5、7の何れか1に記載の電子写真装置。
  10. 帯電部材の回転軸と、感光体の回転軸に回転駆動用のギア、カップリング、ベルト等の駆動付与手段が設けられてなり、各々が独立に回転駆動力が同期又は非同期に与えられることを特徴とする請求項1乃至4、6、8のいずれか1に記載の電子写真装置。
  11. 帯電部材の回転軸と、ベルト状電子写真感光体を支持し、駆動もしくは従動を行なうローラの回転軸に回転駆動用のギア、カップリング、ベルト等の駆動付与手段が設けられてなり、各々が独立に回転駆動力が同期又は非同期に与えられることを特徴とする請求項5、7、9の何れか1に記載の電子写真装置。
  12. 前記ギャップ保持機構が、感光体表面の非画像形成領域に形成された絶縁性ギャップ層であることを特徴とする請求項1、6、8、10のいずれか1に記載の電子写真装置。
  13. 前記ギャップ保持機構が、感光体表面の非画像形成領域に配置された絶縁性部材より形成されるギャップ材であることを特徴とする請求項1、6、8、10のいずれか1に記載の電子写真装置。
  14. 前記帯電部材と当接するフランジが絶縁性材料から構成されていることを特徴とする請求項4、6、8、10の何れか1に記載の電子写真装置。
  15. 前記帯電部材と当接する駆動ローラもしくは従動ローラにおける少なくとも帯電部材との接触部分が絶縁性材料から形成されていることを特徴とする請求項5、7、9、11の何れか1に記載の電子写真装置。
  16. 前記感光体表面の非画像形成領域に形成されたギャップ層の膜厚が10〜200μmであることを特徴とする請求項1、6、8、10、12の何れか1に記載の電子写真装置。
  17. 前記感光体表面の非画像形成領域に形成されたギャップ材の厚みが10〜200μmであることを特徴とする請求項1、6、8、10、13の何れか1に記載の電子写真装置。
  18. 前記感光体の非画像形成領域と画像形成領域の膜厚差が、10〜200μmであることを特徴とする請求項2、6、8、10の何れか1に記載の電子写真装置。
  19. 前記感光体における支持体の非画像形成領域と画像形成領域の厚みの差が、10〜200μmであることを特徴とする請求項3、6、8、10の何れか1に記載の電子写真装置。
  20. 前記感光体に近接配置された帯電部材表面と画像形成領域における感光体の最外層表面とのギャップが10〜200μmであることを特徴とする請求項4、6、8、10、14の何れか1に記載の電子写真装置。
  21. 前記感光体に近接配置された帯電部材表面と画像形成領域における感光体の最外層表面とのギャップが10〜200μmであることを特徴とする請求項5、7、9、11、15の何れか1に記載の電子写真装置。
  22. 前記感光体の支持体が、シームレスベルトであることを特徴とする請求項5、7、9、11、15、19の何れか1に記載の電子写真装置。
  23. 前記電子写真感光体の感光層が電荷発生層と電荷輸送層の積層構成からなることを特徴とする請求項1乃至22の何れか1に記載の電子写真装置。
  24. 前記電子写真感光体の電荷輸送層に少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートを含有することを特徴とする請求項23に記載の電子写真装置。
  25. 前記感光体の感光層上に、保護層を設けたことを特徴とする請求項1乃至24の何れか1に記載の電子写真装置。
  26. 前記感光体の保護層にフィラーを含有することを特徴とする請求項25に記載の電子写真装置。
  27. 前記感光体の保護層に電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項25又は26に記載の電子写真装置。
  28. 前記感光体の保護層に含有される電荷輸送物質が高分子電荷輸送物質であることを特徴とする請求項27に記載の電子写真装置。
  29. 前記感光体の保護層に含有される高分子電荷輸送物質が、少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートを含有する高分子電荷輸送物質であることを特徴とする請求項28に記載の電子写真装置。
  30. 前記帯電部材に対して直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加することにより、感光体に帯電を与えることを特徴とする請求項1乃至29の何れか1に記載の電子写真装置。
  31. 少なくともローラ形状の帯電手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置用プロセスカートリッジであって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記電子写真感光体の画像形成表面領域とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるために、該感光体表面における両端の非画像形成領域の前記帯電部材と当接する部分にギャップ保持機構を有してなり、該ギャップ保持機構の内側端部が該感光体の画像形成領域外側端部よりもギャップの2倍以上離れた外側で、かつ前記ギャップの100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  32. 少なくともローラ形状の帯電手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置用プロセスカートリッジであって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記電子写真感光体の画像形成表面領域とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるために、該感光体両端の非画像形成表面領域における感光体全層の膜厚が感光体中央側の画像形成領域における感光体全層の膜厚よりも厚く、この膜厚差を利用して帯電部材を感光体非画像形成領域のみに当接させ、感光体の帯電部材当接部内側端部が該感光体の画像形成領域外側端部よりも前記膜厚差の2倍以上離れた外側で、かつ前記膜厚差の100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  33. 少なくともローラ形状の帯電手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置用プロセスカートリッジであって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記電子写真感光体の画像形成表面領域とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるために、該感光体における感光体両端の非画像形成領域における支持体の厚みが感光体中央の画像形成領域における支持体の厚みよりも厚く、画像形成領域と非画像形成領域の厚み差を利用して、帯電部材を感光体の非画像形成領域のみに当接させ、感光体の帯電部材当接部内側端部が該感光体の画像形成領域外側端部よりも前記膜厚差の2倍以上離れた外側で、かつ前記膜厚差の100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  34. 少なくともローラ形状の帯電手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置用プロセスカートリッジであって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記電子写真感光体の画像形成表面領域とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるために、前記感光体が両端にフランジを具備してなり、該フランジが該感光体表面の非画像形成領域を覆う形状を有し、感光体の非画像形成領域に配置されたフランジ外周と画像形成領域における感光体外周とのギャップを利用し、帯電部材をフランジ外周面のみに当接させ、フランジの内側端面が該感光体の画像形成領域外側端部よりも前記ギャップの2倍以上離れた外側で、かつ前記ギャップの100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  35. 少なくともローラ形状の帯電手段および電子写真感光体を具備してなり、該電子写真感光体がベルト形状で構成された該ベルト状電子写真感光体を支持し駆動もしくは従動を行うローラが感光体両端部より突出している電子写真装置用プロセスカートリッジであって、前記帯電手段中の帯電部材表面の移動速度と前記感光体表面の移動速度が等速であり、前記ベルト状電子写真感光体の画像形成領域表面とこれに対応した前記帯電手段中の帯電部材表面とを10〜200μmのギャップを介して非接触配置させるため、前記駆動もしくは従動ローラ外周と画像形成領域における感光体外周とのギャップを利用し、帯電部材を駆動もしくは従動ローラ外周面のみに当接させ、駆動もしくは従動ローラの内側端面が該感光体の画像形成領域外側端部よりも前記ギャップの2倍以上離れた外側で、かつ前記ギャップの100倍もしくは10mmの短い方の内側に存在することを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  36. 帯電部材と感光体の距離を制御するために、帯電部材と感光体の何れかの部材をスプリング等の機械的な力により圧力をかけ、他方の部材に対し押しつけることを特徴する請求項31乃至34の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  37. 帯電部材と感光体の距離を制御するために、帯電部材と、ベルト状感光体を駆動もしくは従動するローラの何れかの部材をスプリング等の機械的な力により圧力をかけ、他方の部材に対し押しつけることを特徴する請求項35に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  38. 前記帯電ローラの回転軸と感光体の回転軸がリング状部材で固定されてなることを特徴とする請求項31乃至34、36の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  39. 前記帯電ローラの回転軸とベルト状電子写真感光体を支持し駆動もしくは従動を行うローラの回転軸がリング状部材で固定されてなることを特徴とする請求項35又は37に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  40. 帯電部材の回転軸と、感光体の回転軸に回転駆動用のギア、カップリング、ベルト等の駆動付与手段が設けられてなり、各々が独立に回転駆動力が同期又は非同期に与えられることを特徴とする請求項31乃至34、36、38の何れか1に記載の電子写真用プロセスカートリッジ。
  41. 帯電部材の回転軸と、ベルト状感光体を支持し駆動もしくは従動を行うローラの回転軸に回転駆動用のギア、カップリング、ベルト等の駆動付与手段が設けられてなり、各々が独立に回転駆動力が同期又は非同期に与えられることを特徴とする請求項35、37、39の何れか1に記載の電子写真用プロセスカートリッジ。
  42. 前記ギャップ保持機構が、感光体表面の非画像形成領域に形成された絶縁性ギャップ層であることを特徴とする請求項31、36、38、40の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  43. 前記ギャップ保持機構が、感光体表面の非画像形成領域に配置された絶縁性ギャップ材であることを特徴とする請求項31、36、38、40の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  44. 前記帯電部材と当接するフランジが絶縁性材料から構成されていることを特徴とする請求項34、36、38、40の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  45. 前記帯電部材と当接する駆動ローラもしくは従動ローラにおける少なくとも帯電部材との接触部分が絶縁性材料から形成されていることを特徴とする請求項35、37、39、41、42の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  46. 前記感光体表面の非画像形成領域に形成されたギャップ層の膜厚が10〜200μmであることを特徴とする請求項31、36、38、40、42の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  47. 前記感光体表面の非画像形成領域に形成されたギャップ材の厚みが10〜200μmであることを特徴とする請求項31、36、38、40、43の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  48. 前記感光体の非画像形成領域と画像形成領域の膜厚差が、10〜200μmであることを特徴とする請求項32、36、38、40の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  49. 前記感光体における支持体の非画像形成領域と画像形成領域の厚みの差が、10〜200μmであることを特徴とする請求項33、36、38、40の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  50. 前記感光体に近接配置された帯電部材表面と画像形成領域における感光体の最外層表面とのギャップが10〜200μmであることを特徴とする請求項34、36、38、40、44の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  51. 前記感光体に近接配置された帯電部材表面と画像形成領域における感光体の最外層表面とのギャップが10〜200μmであることを特徴とする請求項35、37、39、41、45の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  52. 前記感光体の支持体が、シームレスベルトであることを特徴とする請求項35、37、39、41、45、49の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  53. 前記電子写真感光体の感光層が電荷発生層と電荷輸送層の積層構成からなることを特徴とする請求項31乃至52の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  54. 前記電子写真感光体の電荷輸送層に少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートを含有することを特徴とする請求項53に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  55. 前記感光体の感光層上に、保護層を設けたことを特徴とする請求項31乃至54の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  56. 前記感光体の保護層にフィラーを含有することを特徴とする請求項55に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  57. 前記感光体の保護層に電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項55又は56に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  58. 前記感光体の保護層に含有される電荷輸送物質が高分子電荷輸送物質であることを特徴とする請求項57に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  59. 前記感光体の保護層に含有される高分子電荷輸送物質が、少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートを含有する高分子電荷輸送物質であることを特徴とする請求項58に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  60. 前記帯電部材に対して直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加することにより、感光体に帯電を与えることを特徴とする請求項31乃至59の何れか1に記載の電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  61. 導電性支持体上に少なくとも感光層を有し、該感光体における感光体両端の非画像形成領域における感光体全層の膜厚が感光体中央側の画像形成領域における感光体全層の膜厚より10〜200μm厚い感光体の製造方法であって、該感光体の最表層を形成した後、画像形成領域を機械的な手段により削ることにより、非画像形成領域との膜厚差を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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