JP2008257147A - 電子写真感光体及びその製造方法、画像形成装置及び画像形成方法並びにプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性支持体上に感光層が設けられ、感光体の最表面層に少なくとも一種のアミン化合物と、電荷輸送物質とを含有し、該化合物のアミン部位の静電ポテンシャルV(単位は無次元)が−0.27以下であること、また、該化合物のアミン部位の静電ポテンシャルV(単位は無次元)と含有量X(重量%)の間には、下記(I)式の関係が成り立つことを特徴とする電子写真感光体。
式I
0.06≦−(V−(−0.27))×X≦0.2
【選択図】なし
Description
これらの各種の感光体の中でも、感度、耐久性に優れ、更に電荷発生物質、電荷輸送物質を個別に分子設計できる等の理由により機能分離型積層感光体が現在のOPCにおける主流の層構成となっている。
本発明の電子写真感光体においては、導電性支持体上に感光層が設けられ、該感光層の最表面層に少なくとも一種のアミン化合物と、電荷輸送物質とを含有し、該化合物のアミン部位の静電ポテンシャルが−0.27以下であることを特徴とする。
静電ポテンシャルの値が負の領域に大きいすなわち塩基性の強いアミン部位を有する化合物を、電子写真感光体の感光層の最表面層に含有させることで、アミン部位を有する化合物が酸化性物質を優先的に中和することで、画像ボケを抑制することができる。
また、この化合物のアミン部位の静電ポテンシャルVと含有量Xは、アミン化合物の含有量が少なすぎると、画像ボケ抑制の効果が小さくなり、アミン化合物の含有量が多すぎると、残留電位上昇につながるので、下記(I)式を満足することでアミン化合物の含有量を好適に決定することが可能である。
式(I)
0.06≦−(V−(−0.27))×X≦0.2
[1]導電性支持体上に感光層が設けられ、感光体の最表面層に少なくとも一種のアミン化合物と、電荷輸送物質とを含有し、該化合物のアミン部位の静電ポテンシャルV(単位は無次元)が−0.27以下であることを特徴とする電子写真感光体。
[2]該化合物のアミン部位の静電ポテンシャルV(単位は無次元)と含有量X(重量%)の間には、下記(I)式の関係が成り立つことを特徴とする[1]に記載の電子写真感光体。
式(I)
0.06≦−(V−(−0.27))×X≦0.2
[4]該保護層にフィラーを含有することを特徴とする[3]に記載の電子写真感光体。
[5]該フィラーが、金属酸化物であることを特徴とする[4]に記載の電子写真感光体。
[6]該フィラーの平均一次粒径が、0.01〜1.0(μm)であることを特徴とする[4]〜[5]のいずれかに記載の電子写真感光体。
[7]該フィラーの含有量が0.1〜50(重量%)であることを特徴とする[4]〜[6]のいずれかに記載の電子写真感光体。
[8]保護層に酸価が10〜700の有機化合物を含有することを特徴とする[4]〜[7]のいずれかに記載の電子写真感光体。
[10]該ポリカルボン酸が、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂のいずれか、あるいはそれらの構造を含む共重合体、もしくはそれらの混合物であることを特徴とする[9]に記載の電子写真感光体。
[11]該ポリカルボン酸に、少なくとも一種の有機脂肪酸が混合されていることを特徴とする[9]〜[10]のいずれかに記載の電子写真感光体。
[12][1]〜[11]のいずれかに記載の電子写真感光体を製造する際に、酸化防止剤を含有させた塗工液を用いて該感光体を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
[14]電子写真感光体と、電子写真感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、電子写真感光体が、[1]〜[11]のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
[15]画像形成装置が、感光体表面に当接し、該感光体表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段を有する[14]に記載の画像形成装置。
[16]画像形成装置が、画像露光の際にLDあるいはLEDによって感光体上に静電潜像の書き込みを行うことを特徴とするデジタル方式で[9]〜[15]のいずれかに記載の画像形成装置。
[18]画像形成装置が、少なくとも電子写真感光体、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段及び定着手段を有する画像形成要素を複数備えたタンデム型である事を特徴とする[14]〜[17]のいずれかに記載の画像形成装置。
[19]画像形成装置が、電子写真感光体上に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えてなり、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録媒体上に一括で二次転写する事を特徴とする[14]〜[18]のいずれかに記載の画像形成装置。
[20]電子写真感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記電子写真感光体が、[1]〜[11]のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成方法。
[21]静電潜像形成手段、露光手段、現像手段、転写手段、及びクリーニング手段の少なくとも1つと、[1]〜[11]のいずれかに記載の電子写真とを具備してなることを特徴とするプロセスカートリッジ。
を表し、同一でも異なっていても良い。R3とR4、R5とR6、もしくはAr1とAr2は共同で環を形成してもよい。〕
を表し、同一でも異なっていても良い。ただし、R3,R4は同時に水素原子となることはない。R3とR4、R5とR6、もしくはAr1とAr2は共同で環を形成してもよい。〕
ここで、R1、ないしR3で示されるアルキレン基としては、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。また、Ar1 ないしAr2で示される置換基を有していても良いアリール基としては、縮合環でも環集合でも、芳香族性を有する環を有するものであれば良い。具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、ペリレニル基等が挙げられる。また、Ar1、ないしAr2の有する置換基どうしが結合して環を形成していても良い。
Ar3は置換基を有していても良く、ヘテロ原子を有していても良い縮合多環基である。ヘテロ原子としては理論的に入るものであればなんでもよいが、具体的にはO、S等の酸素族、N、P等の窒素族原子が挙げられる。具体的には、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、ペリレニル基、アセナフテニル基、カルバゾリル基、キノリニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、インドリル基、テトラヒドロナフチル基等が挙げられる。
R2は置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。)
を表す。)
一般式化3で表される化合物には、例えば、4−メトキシベンズアルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、2、4−ジメトキシベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1、1−ジフェニルヒドラゾン、4−メトキシベンズアルデヒド−1−(4−メトキシ)フェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−1、1−ジフェニルヒドラゾンなどがある。
一般式化5で表される化合物には、例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、9−ブロム−10−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンなどがある。
また、一般式化6で表される化合物には、例えば、9−(4−ジメチルアミノベンジリデン)フルオレン、3−(9−フルオレニリデン)−9−エチルカルバゾールなどがある。
また、一般式化9で表される化合物には、例えば、1、2−ビス(4−ジエチルアミノスチリル)ベンゼン、1、2−ビス(2、4−ジメトキシスチリル)ベンゼンなどがある。
一般式化10で表される化合物には、例えば、3−スチリル−9−エチルカルバゾール、3−(4−メトキシスチリル)−9−エチルカルバゾールなどがある。
一般式化12で表される化合物には、例えば、4’−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベン、4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−α−フェニルスチルベンなどがある。
一般式化15で表される化合物には、例えば、1−フェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリンなどがある。
一般式化16で表される化合物には、例えば、2、5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−N、N−ジフェニルアミノ−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジメチルアミノフェニル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどがある。
一般式化17で表される化合物には、例えば、2−N、N−ジフェニルアミノ−5−(N−エチルカルバゾール−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジエチルアミノフェニル)−5−(N−エチルカルバゾール−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾールなどがある。
一般式化18で表されるベンジジン化合物には、例えば、N、N’−ジフェニル− N、N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、3,3’−ジメチル−N、N、N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどがある。
また、電子輸送材料としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−インデノ4H−インデノ[1、2−b]チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどを挙げることができ、さらに下記化24、25、26式に挙げる電子輸送物質を好適に使用することができる。
これらの電荷輸送物質は単独または2種類以上混合して用いられる。
まず、本発明の電子写真感光体の層構成に関して、図1〜図5に基づいて説明する。
本発明の電子写真感光体においては、導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されており、感光体の耐酸化性ガスや耐摩耗性を向上させるため、感光体の表面層に保護層を設けることができる。
図2は、導電性支持体201上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層203と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層204とが、積層された構成をとっている。
図3は、導電性支持体201上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層202が設けられ、更に感光体表面に保護層205が設けられてなる。この場合、最表面層の保護層205に本発明のアミン化合物が含有されている。
図4は、導電性支持体201上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層203と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層204とが積層された構成をとっており、更に電荷輸送層上に保護層205が設けられてなる。この場合、最表面層の保護層205に本発明のアミン化合物が含有されている。
図5は、導電性支持体201上に、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層204と電荷発生物質を主成分とする電荷発生層203とが積層された構成をとっており、更に電荷発生層上に保護層205が設けられてなる。この場合、最表面層の保護層205に本発明のアミン化合物が含有されている。
<導電性支持体について>
前記導電性支持体(201)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特許文献1に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体(201)として用いることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
本発明の感光体においては、導電性支持体と感光層との間に図示しないが、下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
次に感光層について説明する。感光層は積層構造でも単層構造でもよい。積層構造の場合には、感光層は電荷発生機能を有する電荷発生層(203)と電荷輸送機能を有する電荷輸送層(204)とから構成される。また、単層構造の場合には、感光層(202)は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である。
<感光層が積層のものについて>
i)電荷発生層について
電荷発生層(203)は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生層(203)には、公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。これら電荷発生物質は単独でも、2種以上混合してもかまわない。
電荷発生層(203)は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
必要に応じて電荷発生層(203)に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。結着樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。
電荷発生層(203)は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていても良い。
電荷発生層(203)の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
(ii)電荷輸送層について
電荷輸送層(204)は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層(203)上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
結着樹脂としては、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルぺンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、フェノキシ樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。
以上のようにして得られた塗工液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等、従来の塗工方法を用いることができる。
次に感光層が単層構成である図1の場合について述べる。上述した電荷発生物質及び電荷輸送物質を結着樹脂中に分散した感光体が使用できる。
感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質としては、電荷輸送層で挙げた電荷輸送物質を使用することができる。結着樹脂としては、先に電荷輸送層(204)で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層(203)で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
次に感光体の表面層が保護層である場合について説明する。感光体の表面層は、アミン化合物を含有する。また、耐摩耗性を向上させる目的でフィラーを含有させることができる。また、分散剤として酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種を添加することができる。
上記フィラーには、有機性フィラー材料と無機性フィラー材料がある。有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化クロム、シリカ、酸化錫、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。これらのフィラーの中でも処理効率並びに硬度の点から金属酸化物を用いることが、耐摩耗性の向上に対して有利である。
フィラーの平均一次粒径は、0.01〜1.0、好ましくは0.1〜0.5μmであることが表面層の光透過率や耐摩耗性の点から好ましく、さらに望ましくは0.3〜0.5μmである。フィラーの平均一次粒径が0.01μm未満の場合は、耐摩耗性の低下、分散性の低下等を引き起こし、1.0μmより大きい場合には、分散液中においてフィラーの沈降性が促進されたり、トナーのフィルミングが発生したりする可能性がある。
フィラーの含有量としては、好ましくは0.1〜50重量%で、より好ましくは5〜30重量%である。0.1重量%未満であると耐摩耗性はあるものの十分ではなく、50重量%を越えると、透明性が損なわれる恐れがある。
本発明の感光体においては、感光層と保護層との間に図示しないが中間層を設けることも可能である。中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗布法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下防止、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質およびレベリング剤を添加することができる。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3′−ビス(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、トコフェロ−ル類など。
N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3′−チオジプロピオネートなど。
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
(f)金属石けん
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど。
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど。
(c)ベンゾトリアゾール系
(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−3′−ターシャリブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなど。
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシ)アクリレートなど。
ニッケル[2,2′−チオビス(4−t−オクチル)フェノレート]ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
次に図面を用いて本発明の電子写真方法ならびに電子写真装置を詳しく説明する。
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行なうことができ、前記現像工程は前記現像手段により行なうことができ、前記転写工程は前記転写手段により行なうことができ、前記定着工程は前記定着手段により行なうことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行なうことができる。
前記静電潜像形成工程は、電子写真感光体上に静電潜像を形成する工程である。
前記電子写真感光体としては、本発明の前記電子写真感光体を用いる。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記電子写真感光体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行なうことができ、前記静電潜像形成手段により行なうことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記電子写真感光体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記電子写真感光体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記電子写真感光体の表面に電圧を印加することにより行なうことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記帯電部材の形状としてはローラの他にも、磁気ブラシ、ファーブラシ等、どのような形態をとってもよく、電子写真装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシを用いる場合、磁気ブラシは例えばZn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。又はブラシを用いる場合、例えば、ファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりすることで帯電器とする。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行なうことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行なう光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記トナーないし前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナーないし前記現像剤を用いて現像することにより行なうことができ、前記現像手段により行なうことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナーないし前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナーないし現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナーないし該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナーないし前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器に収容させる現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行なうことができ、前記転写手段により行なうことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記中間転写体の体積抵抗は数Ωcm以上103Ωcm以下であることが好ましい。体積抵抗を数Ωcm以上103Ωcm以下とすることにより、中間転写体自身の帯電を防ぐとともに、電荷付与手段により付与された電荷が該中間転写体上に残留しにくくなるので、二次転写時の転写ムラを防止できる。また、二次転写時の転写バイアス印加を容易にできる。
前記中間転写体の材質は、特に制限はなく、公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)ヤング率(引張弾性率)の高い材料を単層ベルトとして用いたものであり、PC(ポリカーボネート)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PAT(ポリアルキレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)/PAT(ポリアルキレンテレフタレート)のブレンド材料、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)/PCのブレンド材料、ETFE/PATのブレンド材料、PC/PATのブレンド材料、カーボンブラック分散の熱硬化性ポリイミドなどが挙げられる。これらヤング率の高い単層ベルトは画像形成時の応力に対する変形量が少なく、特にカラー画像形成時にレジズレを生じにくいとの利点を有している。(2)上記のヤング率の高いベルトを基層とし、その外周上に表面層又は中間層を付与した2〜3層構成のベルトであり、これら2〜3層構成のベルトは単層ベルトの硬さに起因し発生するライン画像の中抜けを防止しうる性能を有している。(3)ゴム及びエラストマーを用いたヤング率の比較的低いベルトであり、これらのベルトは、その柔らかさによりライン画像の中抜けが殆ど生じない利点を有している。また、ベルトの幅を駆動ロール及び張架ロールより大きくし、ロールより突出したベルト耳部の弾力性を利用して蛇行を防止するので、リブや蛇行防止装置を必要とせず低コストを実現できる。
カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのトナー層が形成されている。トナー層は1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、二次転写(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過することで圧力を受け、トナー同士の凝集力が高くなる。トナー同士の凝集力が高くなると文字の中抜けやベタ部画像のエッジ抜けの現象が発生しやすくなる。樹脂ベルトは硬度が高くトナー層に応じて変形しないため、トナー層を圧縮させやすく文字の中抜け現象が発生しやすくなる。
前記弾性ベルトは、次の目的で使用される。弾性ベルトは、転写部でトナー層、平滑性の悪い用紙に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形するため、過度にトナー層に対して転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ文字の中抜けの無い、平面性の悪い用紙に対しても均一性の優れた転写画像を得ることができる。
前記弾性ベルトとして伸びを防止する方法として、伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を形成する方法、芯体層に伸びを防止する材料を入れる方法等があるが、特定の製法に限定されるものではない。
糸は1本又は複数のフィラメントを撚ったもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方であってもよい。また、例えば上記材料群から選択された材質の繊維を混紡してもよい。もちろん糸に適当な導電処理を施して使用することもできる。一方織布は、メリヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であり、もちろん交織した織布も使用可能であり当然導電処理を施すこともできる。
弾性層の厚さは、弾性層の硬度にもよるが、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂が発生しやすくなる。又、伸縮量が大きくなることから画像に伸び縮みが大きくなること等から厚すぎる(およそ1mm以上)ことは好ましくない。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行なってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行なってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせなどが挙げられる。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行なう工程であり、除電手段により好適に行なうことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真用カラートナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行なうことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行なうことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図6は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。
この図6の画像形成装置は、本発明の前記静電潜像担持体(電子写真感光体)を用いた画像形成装置である。 前記感光体(1)の形状は、ドラム状の形状に限定されるものではなく、例えば、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。また、各種チャージャとしては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッドステートチャージャ)、接触配置又はギャップテープを介して連れ回るように近接配置された帯電ローラを始めとする公知の手段を用いることができる。
その結果、電子写真感光体表面へハザードは非常に高くなるため、電子写真感光体寿命が短くなり、コストアップやメンテナンス頻度の増加などの不具合が発生していたが、本発明の電子写真感光体は、該帯電手段においても、ほとんど摩耗することがなく、安定して帯電が行なわれる。その上、露光部の残留電位低減、画像ボケ抑制も達成されているため、長期間の繰り返し使用時においても、安定して良好な画像を出力することができる。
また、画像露光部(5)、除電ランプ(2)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
現像ユニット(6)により感光体(1)上に現像されたトナーは、転写紙(9)に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体(1)上にトナーが残存する。このような残存トナーがクリーニングされずに、次の複写プロセスが行なわれる場合、帯電不良や露光による潜像形成時の不具合が発生してしまう。そのため、一般的にはクリーニング手段を用いて残留トナーを除去する必要がある。クリーニング手段としては、クリーニングブラシ(14)又はブレード(116)単独又は組み合わせて行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
クリーニングブレード(116)は、摩擦係数の低い弾性体としては、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ウレタンエラストマー、シリコーンエラストマー、フッ素エラストマー、などが挙げられる。このクリーニングブレード(15)としては、熱硬化性のウレタン樹脂が好ましく、特に、ウレタンエラストマーが、耐摩耗性、耐オゾン性、耐汚染性の観点から好ましい。エラストマーには、ゴムも含まれる。クリーニングブレード(116)は、硬度(JIS−A)が、65〜85度の範囲が好ましい。また、クリーニングブレード(116)は、厚さが0.8〜3.0mmで、突き出し量が3〜15mmの範囲にあることが好ましい。更に、その他の条件として当接圧、当接角度、食い込み量等は適宜決定することができる。
本発明の電子写真感光体は、保護層の耐摩耗性が著しく高いため、表面に当接するクリーニング手段を有する画像形成装置においても、安定して良好な画像を出力することができる。
図示を省略しているが、本発明の画像形成装置には、電子写真感光体表面に潤滑性付与剤を塗布する機構を備えていてもよい。特に、近年、電子写真の高画質化に有利とされている球形トナーの実用化が進んでいるが、球形トナーは、従来の粉砕型のトナーと比較して、ブレードクリーニングが困難であることが知られている。そのため、クリーニングブレードの当接圧を強めたり、硬度の高いウレタンゴムブレードを用いるなどの対策が行なわれている。
そこで、本発明の画像形成装置においては、電子写真感光体表面に潤滑性付与剤を塗布する潤滑性付与剤塗布手段を備えることによって、クリーニングブレードに対する電子写真感光体表面の摩擦係数を長期間にわたって低減することができ、上記不具合を解消することができる、画像形成装置、及び画像形成方法を得ることができる。
前記潤滑性付与剤は固形である必要はなく、液体や粉体、半練り状でも、感光体表面に塗布することができ、電子写真特性を満たすものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記潤滑性付与剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸;カルナウバ、ラノリン、木ろう等のワックス類;シリコーンオイル等の潤滑性オイル;などが挙げられる。これらの中でも、棒状に加工することが比較的容易で、潤滑性付与効果が高い点から、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウムが特に好ましい。
この図8において、感光体(122)は、本発明の前記電子写真感光体であり、駆動ローラ(123)により駆動され、帯電チャージャ(220)による帯電、像露光光源(121)による像露光、現像(図示せず)、転写チャージャ帯電器(125)を用いる転写、クリーニングブラシ(126)によるクリーニング、除電光源(127)による除電が繰返し行なわれる。
図9において、感光体(156)は、図中反時計回りに回転駆動されながら、その表面がコロトロンやスコロトロンなどを用いる帯電チャージャ(153)によって一様帯電せしめられた後、図示しないレーザ光学装置から発せられるレーザ光Lの走査を受けて静電潜像を担持する。この走査はフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報に基づいてなされるため、感光体ドラム(156)上にはイエロー、マゼンタ、シアン又はブラックという単色用の静電潜像が形成される。
図9中、感光体ドラム(156)の左側には、リボルバ現像ユニット(250)が配設されている。これは、回転するドラム状の筺体の中にイエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器、ブラック現像器を有しており、回転によって各現像器を感光体ドラム(156)に対向する現像位置に順次移動させる。なお、イエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器、ブラック現像器は、それぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーを付着せしめて静電潜像を現像するものである。感光体ドラム(156)上には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用の静電潜像が順次形成され、これらはリボルバ現像ユニット(250)の各現像器によって順次現像されてイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像となる。
転写残トナーがクリーニングされた感光体ドラム(156)表面は、除電ランプ(154)によって除電せしめられる。除電ランプ(154)には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などが用いられている。また、上記レーザ光学装置の光源には半導体レーザが用いられている。これら発せられる光については、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターにより、所望の波長域だけを用いるようにしてもよい。
なお、図示を省略しているが、転写ベルト(162)や搬送ベルト(164)には、記録媒体(160)を吸着させるためのバイアスが印加されている。また、記録媒体(160)を除電する紙除電チャージャや、各ベルト(中間転写ベルト(158)、転写ベルト(162)、搬送ベルト(164))を除電する3つのベルト除電チャージャが配設されている。また、中間転写ユニットは、ドラムクリーニングユニット(155)と同様の構成のベルトクリーニングユニットも備えており、これによって中間転写ベルト(158)上の転写残トナーをクリーニングする。
タンデム画像形成装置は、複写装置本体(150)と、給紙テーブル(200)と、スキャナ(300)と、原稿自動搬送装置(ADF)(400)とを備えている。
複写装置本体(150)には、無端ベルト状の中間転写体(50)が中央部に設けられている。そして、中間転写体(50)は、支持ローラ(14)、(15)及び(16)に張架され、図10中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ(15)の近傍には、中間転写体(50)上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置(17)が配置されている。支持ローラ(14)と支持ローラ(15)とにより張架された中間転写体(50)には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段(18)が対向して並置されたタンデム型現像器(120)が配置されている。タンデム型現像器(120)の近傍には、露光装置(21)が配置されている。中間転写体(50)における、タンデム型現像器(120)が配置された側とは反対側には、二次転写装置(22)が配置されている。二次転写装置(22)においては、無端ベルトである二次転写ベルト(24)が一対のローラ(23)に張架されており、二次転写ベルト(24)上を搬送される記録媒体と中間転写体(50)とは互いに接触可能である。二次転写装置(22)の近傍には定着装置(25)が配置されている。
なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置(22)及び定着装置(25)の近傍に、記録媒体の両面に画像形成を行なうために該記録媒体を反転させるためのシート反転装置(28)が配置されている。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置(400)に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス(32)上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス(32)上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ(300)が駆動し、第1走行体(33)及び第2走行体(34)が走行する。このとき、第1走行体(33)により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体(34)におけるミラーで反射し、結像レンズ(35)を通して読取りセンサ(36)で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置(22)により搬送されて、定着装置(25)へと送出され、定着装置(25)において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪(55)で切り換えて排出ローラ(56)により排出され、排紙トレイ(57)上にスタックされ、あるいは、切換爪(55)で切り換えてシート反転装置(28)により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ(56)により排出され、排紙トレイ(57)上にスタックされる。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像形成手段、露光手段、現像手段、転写手段、及びクリーニング手段の少なくとも1つと、本発明の前記電子写真感光体とを有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、その他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記トナーあるいは前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナーあるいは現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
前記感光体(101)としては、上述した本発明の前記電子写真感光体を用いる。露光器(103)には、高解像度で書き込みを行なうことのできる光源が用いられる。帯電器(102)には、任意の帯電部材が用いられる。
本発明の画像形成装置としては、前記電子写真感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを電子写真感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としてもよい。
これにより、電子写真感光体やその他プロセス部材の交換を短時間に、容易に行なうことができるようになるので、メンテナンスに要する時間が短縮でき、コストダウンにつながる。また、プロセス部材と電子写真感光体が一体となっているので、相対的な位置の精度向上などの利点もある。
<画像評価>
電子写真プロセス用カートリッジに搭載し、フルカラープリンター(IPSiO CX8100、株式会社リコー製)を用いて、ローラ帯電方式、波長660nmのレーザ露光によって、暗部電位700(−V)に設定した後、像面照度 0.45(μJ/cm2)に調整した。また、600dpi相当、A4サイズ、画像面積率5%となるテスト画像を出力するランニング試験を5万枚行い、その後、露光部電位(VL)を表面電位計(トレック型番344)により測定した。また、ランニング試験後、下記の通りの画像ボケ評価を行った。
得られた各電子写真感光体に一部テフロン(登録商標)テープを貼り、50ppmの窒素酸化物ガス濃度に調整されたデシケータ中に4日間放置した後に中間調濃度の画像をフルカラープリンター(IPSiO CX8100、株式会社リコー製)にて出力した。このテープ貼部とテープ非貼部の画像濃度差を画像ボケの指標として評価した。画像濃度は、一般的な測色計で測定することが可能である。
実施例1〜17
アルミニウムシリンダー上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、浸漬塗工によって順次塗布、乾燥し、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、23μmの電荷輸送層を形成した(感光体1〜17)。
◎下引き層塗工液
二酸化チタン粉末:400部
メラミン樹脂:65部
アルキッド樹脂:120部
2−ブタノン:400部
ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成製):10部
アミン部位を有する化合物:表2に記載された化合物NOと重量部
下記構造式の電荷輸送物質:10部からアミン部位を有する化合物の重量部を引いた重量部
実施例1において電荷輸送層塗工液のアミン部位を有する化合物を下記の化合物NO11と下記表の通りに変更した以外は全て実施例1と同様にして、電子写真感光体18〜20を作製した。
(化合物NO11)
実施例1において電荷輸送層塗工液のアミン部位を有する化合物を加えない以外は全て実施例1と同様にして、電子写真感光体21を作製した。
実施例1〜17、比較例1〜4において電荷発生層塗工液を以下の通りに変更した以外は全て実施例1と同様にして、電子写真感光体22〜42を作製した。
電荷発生層塗工液
下記粉末XDスペクトルを有するオキソチタニウムフタロシアニン:8部
ポリビニルブチラール:5部
2−ブタノン:400部
実施例30において電荷輸送層塗工液を以下の通りに変更した以外は全て実施例30と同様にして、電子写真感光体43〜63を作製した。
電荷輸送層塗工液
C型ポリカーボネート:10部
アミン部位を有する化合物:表3に記載された化合物NOと重量部
下記構造式の電荷輸送物質:8部からアミン部位を有する化合物の重量部を引いた重量部
実施例35〜51、比較例6〜9において電荷輸送層塗工液の電荷輸送物質を下記化合物に変更した以外は全て実施例21〜30、比較例23〜33と同様にして、電子写真感光体64〜84を作製した。
アルミニウムシリンダー上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、浸漬塗工によって順次塗布、乾燥し、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、23μmの電荷輸送層を形成した。
◎下引き層塗工液
二酸化チタン粉末:400部
メラミン樹脂:65部
アルキッド樹脂:120部
2−ブタノン:400部
電荷発生層塗工液
下記構造のフルオレノン系ビスアゾ顔料:12部
2−ブタノン:200部
シクロヘキサノン:400部
ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製):10部
下記構造式の電荷輸送物質:10部
電荷輸送層上にさらに、下記組成の保護層をスプレー塗工によって約5μmの保護層を形成し、電子写真感光体85〜105を作製した。
アルミナフィラー(平均一次粒径:0.3μm、
スミコランダムAA−03住友化学工業製):1部
不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液(酸価180mgKOH/g、
固形分50%、BYK−P104BYKケミー製):0.0125部
アミン部位を有する化合物:表5に記載された化合物NOと重量部
下記構造式の電荷輸送物質:3.5部からアミン部位を有する化合物の重量部を引いた重量部
テトラヒドロフラン:250部
シクロヘキサノン:70部
実施例81において、保護層形成用塗工液中の不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液を下記の材料に変更した以外はすべて実施例81と同様にして、電子写真感光体106を作製した。
不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液(酸価650mgKOH/g、藤沢薬品製):0.02部
実施例87
実施例81において、保護層形成用塗工液中の不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液を下記の材料に変更した以外はすべて実施例81と同様にして、電子写真感光体107を作製した。
アクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体(酸価50mgKOH/g):0.1部
実施例81において、保護層形成用塗工液中の不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液を下記の材料に変更した以外はすべて実施例81と同様にして、電子写真感光体108を作製した。
ポリエステル樹脂(酸価7mgKOH/g):0.2部
実施例89
実施例81において、保護層形成用塗工液に下記の材料を添加した以外は、すべて実施例81と同様にして、電子写真感光体109を作製した。
下記構造式で表されるヒンダードフェノール化合物 0.12部
除電ランプ
帯電チャージャ
イレーサ
画像露光部
現像ユニット
転写前チャージャ
レジストローラ
転写紙
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 定電流源
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 記録媒体
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電器
103 露光器
104 現像手段
105 潤滑剤塗布ブレード
106 潤滑剤塗布ブラシ
107 潤滑剤
110 ベルト式画像定着装置
111 転写チャージャ
112 分離チャージャ
113 分離爪
114 クリーニング前チャージャ
115 ファーブラシ
116 クリーニングブレード
120 タンデム型現像器
121 加熱ローラ
122 定着ローラ
123 定着ベルト
124 加圧ローラ
125 加熱源
126 クリーニングローラ
127 温度センサ
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
201 導電性支持体
202 感光層
203 電荷発生層
204 電荷輸送層
205 保護層
210 画像定着装置
220 加熱ローラ
230 加圧ローラ
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (21)
- 導電性支持体上に感光層が設けられ、感光体の最表面層に少なくとも一種のアミン化合物と、電荷輸送物質とを含有し、該化合物のアミン部位の静電ポテンシャルV(単位は無次元)が−0.27以下であることを特徴とする電子写真感光体。
- 該化合物のアミン部位の静電ポテンシャルV(単位は無次元)と含有量X(重量%)の間には、下記(I)式の関係が成り立つことを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
式I
0.06≦−(V−(−0.27))×X≦0.2 - 該感光体の最表面層に保護層を設けていることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 該保護層にフィラーを含有することを特徴とする請求項3に記載の電子写真感光体。
- 該フィラーが、金属酸化物であることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体。
- 該フィラーの平均一次粒径が、0.01〜1.0(μm)であることを特徴とする請求項4〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 該フィラーの含有量が0.1〜50(重量%)であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 保護層に酸価が10〜700の有機化合物を含有することを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 該有機化合物が、ポリカルボン酸であることを特徴とする請求項8に記載の電子写真感光体。
- 該ポリカルボン酸が、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂のいずれか、あるいはそれらの構造を含む共重合体、もしくはそれらの混合物であることを特徴とする請求項9に記載の電子写真感光体。
- 該ポリカルボン酸に、少なくとも一種の有機脂肪酸が混合されていることを特徴とする請求項9〜10のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の電子写真感光体を製造する際に、酸化防止剤を含有させた塗工液を用いて該感光体を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
- 該酸化防止剤が、ヒンダードフェノール系化合物であることを特徴とする請求項12に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 電子写真感光体と、電子写真感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、電子写真感光体が、請求項1〜11のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
- 画像形成装置が、感光体表面に当接し、該感光体表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段を有する請求項14に記載の画像形成装置。
- 画像形成装置が、画像露光の際にLDあるいはLEDによって感光体上に静電潜像の書き込みを行うことを特徴とするデジタル方式で請求項9〜15のいずれかに記載の画像形成装置。
- 画像形成装置が、複数色のトナーを順次重ね合わせてカラー画像を形成する事を特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の画像形成装置。
- 画像形成装置が、少なくとも電子写真感光体、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段及び定着手段を有する画像形成要素を複数備えたタンデム型である事を特徴とする請求項14〜17のいずれかに記載の画像形成装置。
- 画像形成装置が、電子写真感光体上に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えてなり、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録媒体上に一括で二次転写する事を特徴とする請求項14〜18のいずれかに記載の画像形成装置。
- 電子写真感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記電子写真感光体が、請求項1〜11のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成方法。
- 静電潜像形成手段、露光手段、現像手段、転写手段、及びクリーニング手段の少なくとも1つと、請求項1〜11のいずれかに記載の電子写真とを具備してなることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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