JP2014178363A - 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置用プロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】長期に渡って高画質の画像が得られ、酸化性ガスなどのボケ発生物質による画像ボケも生じない、高耐久性と高画質を兼ね備えた電子写真感光体を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に感光層を有し、感光層が下記一般式(1)で表されるピペラジン化合物を含有する電子写真感光体。

一般式(1)中、R、Rは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R、Rは共同で環を形成してもよい。Arは置換もしくは無置換の芳香族基を表し、Xは単結合、又は炭素数1〜4のアルキレン基を表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体、及び該電子写真感光体を使用した画像形成方法、画像形成装置用プロセスカートリッジに関する。
近年、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展には目覚ましいものがある。特に、情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行うレーザープリンターやデジタル複写機は、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。更に、それらは高速化技術との融合によりフルカラー印刷が可能なレーザープリンターあるいはデジタル複写機へと応用されてきている。そのような背景から、感光体に要求される機能として、高画質化と高耐久化を両立させることが特に重要な課題となっている。
感光体としては、コスト、生産性、無公害性等の理由から有機系の感光材料(OPC)を用いたものが一般に広く応用されている。OPC感光体には単層型と機能分離型積層構造があるが、感度、耐久性の向上、電荷発生物質、電荷輸送物質の選択幅の増加などの理由から機能分離型積層感光体が主流となっている。
機能分離型感光体における静電潜像形成のメカニズムは、感光体を帯電させた後、光照射すると、光は電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質により吸収されて電荷を生成する。この生成した電荷が電荷発生層及び電荷輸送層の界面で電荷輸送層に注入され、更に電界によって電荷輸送層中を移動し、感光体の表面電荷を中和することにより静電潜像が形成されるというものである。
しかし、有機系の感光体は繰り返し使用による膜削れが大きく、感光層の膜削れが進むと、感光体の帯電電位の低下や光感度の劣化、感光体表面のキズなどによる地汚れ、画像濃度低下あるいは画質劣化が促進される傾向が強くなる。したがって、従来、有機感光体の耐摩耗性が大きな課題として挙げられていた。更に、近年では電子写真装置の高速化や装置の小型化に伴う感光体の小径化によって、感光体の高耐久化がより一層重要な課題となっている。
感光体の耐摩耗性向上を実現する方法としては、感光層に潤滑性を付与したり、硬化させたり、フィラーを含有させる方法、又は低分子電荷輸送物質(CTM)分子分散ポリマー層の代わりに高分子型電荷輸送物質を用いる方法が広く知られている。しかしながら、これらの方法は、繰り返し使用や周辺環境により生じるオゾン、NOx、その他の酸化性物質が感光層表面に吸着し、繰り返し使用や使用環境によっては、最表面の低抵抗化を招き、画像流れ(画像ボケ)等の新たな問題を引き起こす。従来はこのボケ発生物質が感光層と共に削り取られることにより、問題がある程度回避されてきた。しかし、最近の更なる高解像、高耐久化要求に応えるには、新たな手法を見出す必要がある。感光体にヒーターを搭載しボケ物質を蒸発させる公知の方法は、装置の小型化や消費電力の低減に問題がある。また、酸化防止剤等の添加剤は導電性を有しないため、多量に添加すると、低感度化、残留電位上昇等の電子写真特性の問題を招いてしまう。
以上のように、高耐摩耗性を付与したり、感光体周りのプロセス設計によって削れを少なくした電子写真感光体は、副作用として画像ボケの発生、解像度の低下等、画質への影響が避けられず、高耐久化と高画質化を両立させることは困難とされてきた。これは、画像ボケの発生を抑制するには抵抗が高い方がよく、残留電位上昇を抑制するには抵抗が低い方がよいことから、双方でトレードオフの関係になっているためである。
一方、特許文献1には感光体の酸掃去剤としてジアルキルアミノ基を有する芳香族系化合物が、特許文献2、3にはピペラジン化合物が開示されている。これらの化合物は感光体の繰り返し使用後の画像品質に対して有効で、前記酸化性ガス等のボケ発生物質による画像流れ(画像ボケ)等の問題を解決できると言われているが、電荷輸送能が低いため、高感度、高速化要求への対応が難しく、したがって、添加量にも限界がある。
更に、特許文献4、5等に開示されているジアルキルアミノ基を有するスチルベン化合物も耐酸化性ガスによる画像ボケに対して効果があることが非特許文献1に記載されている。しかしながら、該スチルベン化合物は電荷輸送サイトであるトリアリールアミン構造の共鳴部位に強いメゾメリー効果(+M効果)の置換基であるジアルキルアミノ基を有しているため、全体のイオン化ポテンシャル値は異常に小さくなる。そのため、電荷輸送物質として単独使用した感光層の帯電保持能は、初期から、又は繰り返し使用により著しく悪くなるため、実用化は非常に難しい。また、他の電荷輸送物質と併用しても、該スチルベン化合物のイオン化ポテンシャル値はそれらよりもかなり小さいため、スチルベン化合物が移動電荷のホールトラップサイトとなり、感度が著しく低く、かつ残留電位が大きな電子写真感光体となってしまうという欠点を有している。
更に、特許文献6にもNOxなどによる画像劣化抑制に対して効果のあるピペラジン化合物が開示されているが、感度低下は比較的小さいものの、繰り返し疲労による解像度低下の問題を有しており充分満足できるものではない。
本発明は、長期に渡って高画質の画像が得られ、酸化性ガスなどのボケ発生物質による画像ボケも生じない、高耐久性と高画質を兼ね備えた電子写真感光体の提供を目的とする。
本発明者らは鋭意検討を進めた結果、感光層に特定のピペラジン化合物を含有させることにより、前記、酸化性ガス等のボケ発生物質による画像ボケ(画像流れ)等の問題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
即ち、上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1) 導電性支持体上に感光層を有し、該感光層が下記一般式(1)で表されるピペラジン化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
一般式(1)中、R、Rは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R、Rは共同で環を形成してもよい。Arは置換もしくは無置換の芳香族基を表し、Xは単結合、又は炭素数1〜4のアルキレン基を表す。
本発明によれば、長期に渡って高画質の画像が得られ酸化性ガスなどのボケ発生物質による画像ボケも生じない、高耐久性と高画質を兼ね備えた電子写真感光体を提供できる。
即ち、本発明の電子写真感光体は、感度低下を招くことなく繰り返し使用できる上に、酸化性ガスなどに対する環境耐性が大幅に向上するため、長期にわたって高解像度の画質が安定に得られる。
本発明の電子写真感光体の一例を示す断面図。 本発明の電子写真感光体の他の一例を示す断面図。 本発明の電子写真感光体の他の一例を示す断面図。 本発明の電子写真感光体の他の一例を示す断面図。 本発明の電子写真感光体の他の一例を示す断面図。 電子写真プロセス及び電子写真装置の一例を示す概略図。 電子写真プロセス及び電子写真装置の他の一例を示す概略図。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図。 本発明で用いるピペラジン化合物の赤外線吸収スペクトルを示す図。 本発明で用いるピペラジン化合物の赤外線吸収スペクトルを示す図。 本発明で用いるピペラジン化合物の赤外線吸収スペクトルを示す図。 本発明で用いるオキソチタニウムフタロシアニンの粉末XDスペクトルを示す図。
以下、上記本発明1)について詳しく説明するが、本発明の実施の形態には、次の2)〜10)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2) 前記感光層が、電荷輸送物質を含有することを特徴とする1)に記載の電子写真感光体。
3) 前記電荷輸送物質が、下記一般式(3)で表されるスチルベン化合物であることを特徴とする2)に記載の電子写真感光体。
一般式(3)中、Rは水素原子、アルキル基、又は置換もしくは無置換のフェニル基を表し、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、ArとRは共同で環を形成しても良い。Aは9−アントリル基、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、下記一般式(4)又は一般式(5)の基を表す。aは0又は1の整数を表し、aが0のとき、AとRは共同で環を形成しても良い。
一般式(4)及び(5)中、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は下記一般式(6)の基を表し、bは1〜3の整数を表し、bが2以上のときRは同一でも異なっても良い。
一般式(6)中、R、Rは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R、Rは同じでも異なっていてもよく、環を形成していても良い。
4) 前記電荷輸送物質が、下記一般式(7)で表されるアミノビフェニル化合物であることを特徴とする2)に記載の電子写真感光体。
一般式(7)中、R10、R12、R13は水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子、又は置換もしくは無置換のアリール基を表し、R11は水素原子、アルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、又はハロゲン原子を表す。また、c、d、e、fは1〜4の整数であり、それぞれが2〜4の整数のとき、前記R10〜R13は同じでも異なっていても良い。
5) 前記電荷輸送物質が、下記一般式(8)で表されるジオレフィン芳香族化合物であることを特徴とする2)に記載の電子写真感光体。
一般式(8)中、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Aは下記一般式(9)を表す。
一般式(9)中、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R14、R15は置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。
6) 前記電荷輸送物質が、高分子型電荷輸送物質であることを特徴とする2)に記載の電子写真感光体。
7) 前記高分子型電荷輸送物質が、下記一般式(10)と(11)で表される繰り返し単位で構成される共重合体であることを特徴とする6)に記載の電子写真感光体。
一般式(10)中、R16、R17は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar〜Arは同一又は異なる芳香族炭化水素基を表す。一般式(11)中、Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、又は下記一般式(12)で表される2価基を表す。
一般式(12)中、R101、R102はそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基、芳香族炭化水素基、又はハロゲン原子を表す。j、kは0〜4の整数を表す。Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)、又は下記一般式(13)を表す。
一般式(13)中、lは1〜20の整数、mは1〜2000の整数を表し、R103、R104は置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。R103とR104は同一でも異なっていてもよい。
8) 前記高分子型電荷輸送物質が、下記一般式(14)と(15)で表される繰り返し単位で構成される共重合体であることを特徴とする6)に記載の電子写真感光体。
一般式(14)中、Ar10〜Ar14はそれぞれ独立して置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Zは芳香族炭化水素基、又はAr15−Za−Ar15−を表し、Ar15は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、ZaはO、S、又はアルキレン基を表し、R105、R106は直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基を表す。nは0又は1を表す。Xは前述した一般式(11)の場合と同じである。
9) 1)〜8)のいずれかに記載の電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行うことを特徴とする画像形成方法。
10) 少なくとも1)〜8)のいずれかに記載の電子写真感光体を具備することを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
本発明の電子写真感光体(以下、感光体ということもある)は、導電性支持体上に設けられた感光層が前記一般式(1)で表されるピペラジン化合物〔以下、ピペラジン(1)と略称することもある〕を含有することを特徴とする。
ピペラジン(1)は、感光体を繰り返し使用する際の画像品質維持に有効である。その理由は、現時点では明らかになっていないが、化学構造内に含まれるアルキルアミノ基が塩基性の強い基であることから、画像ボケの原因物質と考えられている酸化性ガスに対する中和効果が推測される。また、芳香族炭化水素環基置換アミノ基は、電荷輸送能に優れた機能性基であることが知られており[高橋ら、電子写真学会誌、25巻、3号、16頁、1986年]、本発明で用いるピペラジン化合物はこの基を含むので電荷輸送能の高い化合物であることが分かる。更に、他の電荷輸送物質と併用することにより感度、繰り返し安定性等が更に増すことも見出した。
ピペラジン(1)は、下記式(16)で表されるピペラジンと、下記一般式(17)で表されるアミン化合物とを、有機溶媒中、有機金属触媒及び塩基性化合物の存在下において、−50℃〜250℃程度(好ましくは室温〜150℃程度)の温度で反応させることにより得られる。
一般式(17)中、R、Rは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R、Rは共同で環を形成してもよい。Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Xは単結合、又は炭素数1〜4のアルキレン基を表す。Yはハロゲン原子を表す。
前記反応溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、1,4−ジオキサン、トルエン、キシレン、アニソールなどが挙げられる。
前記有機金属触媒としては、Cu、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)Pd(0)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)Pd(II)ジクロライド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)Pd(0)などが挙げられる。
前記塩基性化合物としては、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムなどの無機塩基性化合物やトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基化合物などが挙げられる。
前記アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、及びウンデカニル基などが挙げられる。また、前記アラルキル基の例としては、ベンジル基、フェネチル基、クミル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。また、前記芳香族基の例としては、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、ピレンなどの芳香族環、ピリジン、キノリン、チオフェン、フラン、オキサゾール、オキサジアゾール、カルバゾールなどの芳香族複素環の基が挙げられる。また、前記炭素数1〜4のアルキレン基の例としては、前述のアルキル基のうち、炭素数1〜4のものから水素を1つ取り除いた2価の基が挙げられる。
また、これらの基の置換基としては、上記アルキル基の例として挙げたもの、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、ハロゲン原子、前記芳香族炭化水素基、及びピロリジン、ピペリジン、ピペラジンなどの複素環基などが挙げられる。
以下に、ピペラジン(1)の好ましい例を挙げる。但し、本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。
次に、本発明の感光体の層構成について、その一例の断面図である図1〜図5を参照しつつ説明する。
図1では、導電性支持体(31)上に電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層(33)が設けられている。
図2では、導電性支持体(31)上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)とが積層されている。
図3では、導電性支持体(31)上に電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層(33)が設けられ、更に感光層表面に保護層(39)が設けられている。この場合、保護層(39)に本発明のピペラジン化合物を含有させても構わない。
図4では、導電性支持体(31)上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)とが積層されており、更に電荷輸送層上に保護層(39)が設けられている。この場合、保護層(39)に本発明のピペラジン化合物を含有させても構わない。
図5では、導電性支持体(31)上に電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)と電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)とが積層されており、更に電荷発生層上に保護層(39)が設けられている。この場合、保護層(39)に本発明のピペラジン化合物を含有させても構わない。
本発明の感光体を構成する導電性支持体(31)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すものを使用する。その例としては、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属;酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの;アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも用いることができる。
この他に、上記各種支持体材料上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工し導電性層を形成したものも導電性支持体(31)として用いることができる。
導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック;アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉;導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。
このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
更に、適当な円筒基体上に、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けたものも、導電性支持体(31)として良好に用いることができる。
次に、本発明の感光体を構成する感光層について説明する。感光層は単層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層(35)と電荷輸送層(37)で構成される場合(図2、図4、図5の場合)から述べる。なお、感光層を電荷発生層(35)と電荷輸送層(37)で構成する場合、ピペラジン(1)は電荷輸送層(37)に含有させることが好ましい。
感光層を構成する電荷発生層(35)は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生層(35)には、公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、シーアイピグメントブルー25(カラーインデックスCI21180)、シーアイピグメントレッド41(CI21200)、シーアイアシッドレッド52(CI45100)、シーアイベーシックレッド3(CI45210)、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−95033号公報に記載)、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−133445号公報に記載)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−132347号公報に記載)、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728号公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12742号公報に記載)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号公報に記載)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17733号公報に記載)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2129号公報に記載)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−14967号公報に記載)、ベンズアントロン骨格を有するアゾ顔料などのアゾ顔料;例えば、シーアイピグメントブルー16(CI74100)、Y型オキソチタニウムフタロシアニン(特開昭64−17066号公報に記載)、A(β)型オキソチタニウムフタロシアニン、B(α)型オキソチタニウムフタロシアニン、I型オキソチタニウムフタロシアニン(特開平11−21466号公報に記載)、II型クロロガリウムフタロシアニン〔飯島他、日本化学会第67春季年回、1B4、04(1994)〕、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン〔大門他、日本化学会第67春季年回、1B4、05(1994)〕、X型無金属フタロシアニン(米国特許第3,816,118号)などのフタロシアニン系顔料;シーアイバットブラウン5(CI73410)、シーアイバットダイ(CI73030)などのインジコ系顔料;アルゴスカーレットB(バイエル社製)、インタンスレンスカーレットR(バイエル社製)などのペリレン顔料などが挙げられる。なお、これらの材料は単独で用いても2種類以上を併用しても良い。
電荷発生層(35)は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中でボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散させ、これを導電性支持体上に塗布し乾燥することにより形成する。
前記結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンゾール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部である。結着樹脂の添加は、分散前と分散後のどちらでも構わない。
前記溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。これらは単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
電荷発生層(35)は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等の添加剤を含有させても良い。
電荷発生層(35)を形成する際の塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層(35)の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
感光層を構成する電荷輸送層(37)は、電荷輸送物質を主成分とする層であり、電荷輸送物質と共にピペラジン(1)を含有する。電荷輸送物質については、正孔輸送物質と電子輸送物質、及び高分子電荷輸送物質に分け、以下に説明する。
電荷輸送層(37)を構成する正孔輸送物質としては、例えば、ポリ−N−カルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、及び以下の一般式(3)、(7)、(8)、(18)〜(23)、(26)〜(34)で表される化合物が挙げられる。
一般式(18)中、R201はメチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基又は2−クロルエチル基を表し、R202はメチル基、エチル基、ベンジル基、又はフェニル基を表し、R203は水素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はニトロ基を表す。
一般式(18)で表される化合物には、例えば、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾンなどがある。
一般式(19)中、Ar201はナフタレン環、アントラセン環、ピレン環及びそれらの置換体、又はピリジン環、フラン環、チオフェン環を表し、R204はアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を表す。
一般式(19)で表される化合物には、例えば、4−ジエチルアミノスチリル−β−アルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、4−メトキシナフタレン−1−アルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾンなどがある。
一般式(20)中、R205はアルキル基、ベンジル基、フェニル基、又はナフチル基を表し、R206は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ジアラルキルアミノ基、又は置換もしくは無置換のジアリールアミノ基を表し、oは1〜4の整数を表し、oが2以上のとき、R206は同じでも異なっていても良い。R207は水素原子、又はメトキシ基を表す。
一般式(20)で表される化合物には、例えば、4−メトキシベンズアルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、2,4−ジメトキシベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−メトキシベンズアルデヒド−1−(4−メトキシ)フェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾンなどがある。
一般式(21)中、R208は炭素数1〜11のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換の複素環基を表し、R209、R210はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、クロルアルキル基、又は置換もしくは無置換のアラルキル基を表し、また、R209とR210は互いに結合し窒素を含む複素環を形成していても良い。R211は同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。
一般式(21)で表される化合物には、例えば、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、2,2′−ジメチル−4,4′−ビス(ジエチルアミノ)−トリフェニルメタンなどがある。
一般式(22)中、R212は水素原子、又はハロゲン原子を表し、Ar202は置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のアントリル基、又は置換もしくは無置換のカルバゾリル基を表す。
一般式(22)で表される化合物には、例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、9−ブロム−10−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンなどがある。
一般式(23)中、R213は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Ar203は下記一般式(24)又は一般式(25)の基を表す。
一般式(24)中、R214は炭素数1〜4のアルキル基を表し、一般式(25)中、R215は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又はジアルキルアミノ基を表し、pは1又は2であり、pが2のときR215は同一でも異なっていてもよい。また、R216、R217は水素原子、炭素数1〜4の置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のベンジル基を表す。
一般式(23)で表される化合物には、例えば、9−(4−ジメチルアミノベンジリデン)フルオレン、3−(9−フルオレニリデン)−9−エチルカルバゾールなどがある。
一般式(26)中、R218はカルバゾリル基、ピリジル基、チエニル基、インドリル基、フリル基、又はそれぞれ置換もしくは非置換のフェニル基、スチリル基、ナフチル基、アントリル基を表し、これらの置換基はジアルキルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基又はそのエステル、ハロゲン原子、シアノ基、アラルキルアミノ基、N−アルキル−N−アラルキルアミノ基、アミノ基、ニトロ基及びアセチルアミノ基からなる群から選ばれた基である。
一般式(26)で表される化合物には、例えば、1,2−ビス(4−ジエチルアミノスチリル)ベンゼン、1,2−ビス(2,4−ジメトキシスチリル)ベンゼンなどがある。
一般式(27)中、R219は低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のベンジル基を表し、R220、R221は水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、又は低級アルキル基もしくはベンジル基で置換されたアミノ基を表し、qは1又は2の整数を表す。
一般式(27)で表される化合物には、例えば、3−スチリル−9−エチルカルバゾール、3−(4−メトキシスチリル)−9−エチルカルバゾールなどがある。
一般式(28)中、R222は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表し、R223、R224は置換もしくは無置換のアリール基を表し、R225は水素原子、低級アルキル基、又は置換もしくは無置換のフェニル基を表し、Ar204は置換もしくは無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のナフチル基を表す。
一般式(28)で表される化合物には、例えば、4−ジフェニルアミノスチルベン、4−ジベンジルアミノスチルベン、4−ジトリルアミノスチルベン、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ナフタレンなどがある。
一般式(3)中、Rは水素原子、アルキル基、又は置換もしくは無置換のフェニル基を表し、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、ArとRは共同で環を形成しても良い。Aは9−アントリル基、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、下記一般式(4)又は一般式(5)の基を表す。aは0又は1の整数を表し、aが0のとき、AとRは共同で環を形成しても良い。
一般式(4)及び(5)中、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は下記一般式(6)の基を表し、bは1〜3の整数を表し、bが2以上のときRは同一でも異なっても良い。
一般式(6)中、R、Rは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R、Rは同じでも異なっていてもよく、環を形成していても良い。
一般式(3)で表される化合物には、例えば、4′−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベン、4′−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−α−フェニルスチルベンなどがある。
一般式(29)中、R226、R227、R228は水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子又はジアルキルアミノ基を表し、rは0又は1を表す。
一般式(29)で表される化合物には、例えば、1−フェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリンなどがある。
一般式(30)中、R229、R230は置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表し、Aは置換アミノ基、置換もしくは無置換のアリール基又は置換もしくは無置換のアリル基を表す。
一般式(30)で表される化合物には、例えば、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−N,N−ジフェニルアミノ−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジメチルアミノフェニル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどがある。
一般式(31)中、R231は水素原子、低級アルキル基、又はハロゲン原子を表し、R232は置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表し、Aは置換アミノ基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。
一般式(31)で表される化合物には、例えば、2−N,N−ジフェニルアミノ−5−(N−エチルカルバゾール−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジエチルアミノフェニル)−5−(N−エチルカルバゾール−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾールなどがある。
一般式(32)中、R233は低級アルキル基、低級アルコキシ基、又はハロゲン原子を表し、R234、R235は同じでも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、又はハロゲン原子を表し、s、t、uは0〜4の整数を表す。
一般式(32)で表されるベンジジン化合物には、例えば、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ピペラジン、3,3′−ジメチル−N,N,N′,N′−テトラキス(4−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ピペラジンなどがある。
一般式(7)中、R10、R12、R13は水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子、又は置換もしくは無置換のアリール基を表し、R11は水素原子、アルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、又はハロゲン原子を表す。また、c、d、e、fは1〜4の整数であり、それぞれが2〜4の整数のとき、前記R10〜R13は同じでも異なっていても良い。
一般式(7)で表されるビフェニリルアミン化合物には、例えば、4′−メトキシ−N,N−ジフェニル−[1,1′−ビフェニル]−4−アミン、4′−メチル−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4−アミン、4′−メトキシ−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4−アミン、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4−アミンなどがある。
一般式(33)中、Ar205は置換基を有していてもよい炭素数18個以下の縮合多環式炭化水素基を表し、R236、R237は水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、又は置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同じでも異なっていても良い。vは1又は2である。
一般式(33)で表されるトリアリールアミン化合物には、例えば、N,N−ジフェニル−ピレン−1−アミン、N,N−ジ−p−トリルピレン−1−アミン、N,N−ジ−p−トリル−1−ナフチルアミン、N,N−ジ(p−トリル)−1−フェナントリルアミン、9,9−ジメチル−2−(ジ−p−トリルアミノ)フルオレン、N,N,N′,N′−テトラキス(4−メチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ピペラジン、N,N,N′,N′−テトラキス(3−メチルフェニル)−m−フェニレンピペラジンなどがある。
一般式(8)中、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Aは下記一般式(9)を表す。
一般式(9)中、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R14、R15は置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。
一般式(8)で表されるジオレフィン芳香族化合物には、例えば、1,4−ビス(4−ジフェニルアミノスチリル)ベンゼン、1,4−ビス[4−ジ(p−トリル)アミノスチリル]ベンゼンなどがある。
一般式(34)中、Ar206は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R238は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。xは0又は1、wは1又は2であって、x=0、w=1の場合、Ar206とR238は共同で環を形成しても良い。〕
一般式(34)で表されるスチリルピレン化合物には、例えば、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ピレン、1−(N,N−ジ−p−トリル−4−アミノスチリル)ピレンなどがある。
本発明においては、上記電荷輸送物質の中でも、一般式(3)、(7)で表されるものが好ましい。これらは低分子電荷輸送物質の中でも特に移動度特性、電荷発生材料からの電荷注入特性、並びに繰り返し静電疲労特性が優れており、感光層中に用いることにより高感度かつ安定な感光体が得られる。
電荷輸送層(37)を構成する電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−インデノ4H−インデノ[1,2−b]チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどが挙げられるが、更に下記一般式(35)〜(38)で表される電子輸送物質も好適に使用することができる。
これらの電子輸送物質は単独で又は2種類以上混合して用いられる。

一般式(35)中、R239、R240、R241は水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、又は置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同じでも異なっていても良い。
一般式(36)中、R242、R243は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同じでも異なっていても良い。
一般式(37)中、R244、R245、R246は水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、又は置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同じでも異なっていても良い。
一般式(38)中、R247は置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、R248は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は下記一般式(39)の基を表す。
一般式(39)中、R249は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。
電荷輸送層(37)には電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂としての機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。これらの高分子電荷輸送物質で構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れる。高分子電荷輸送物質としては公知の材料が使用できるが、特に、主鎖及び/又は側鎖にトリアリールアミン構造を有するポリカーボネートが好ましく、中でも、以下に示すものが好ましい。
下記一般式(10)と(11)で表される繰り返し単位で構成される共重合体

一般式(10)中、R16、R17は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar〜Arは同一又は異なる芳香族炭化水素基を表す。一般式(11)中、Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、又は下記一般式(12)で表される2価基を表す。また、これらの繰り返し単位の組成比は、一般式(10):一般式(11)=1:9〜1:0.01である。
一般式(12)中、R101、R102はそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基、芳香族炭化水素基、又はハロゲン原子を表す。j、kは0〜4の整数を表す。Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)、又は下記一般式(13)を表す。
一般式(13)中、lは1〜20の整数、mは1〜2000の整数を表し、R103、R104は置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。R103とR104は同一でも異なっていてもよい。
下記一般式(14)と(15)で表される繰り返し単位で構成される共重合体
一般式(14)中、Ar10〜Ar14はそれぞれ独立して置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Zは芳香族炭化水素基、又はAr15−Za−Ar15−を表し、Ar15は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、ZaはO、S、又はアルキレン基を表し、R105、R106は直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基を表す。nは0又は1を表す。これらの繰り返し単位の組成比は、一般式(14):一般式(15)=1:9〜1:0.01である。Xは前述した一般式(11)の場合と同じである。
下記一般式(40)と(41)で表される繰り返し単位で構成される共重合体
一般式(40)中、R249、R250、R251はそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基、又はハロゲン原子を表し、R252は水素原子、又は置換もしくは無置換のアルキル基を表し、R253、R254は置換もしくは無置換のアリール基を表し、y、z、αはそれぞれ独立して0〜4の整数を表す。一般式(41)中のXは前述した一般式(11)の場合と同じである。
下記一般式(42)と(43)で表される繰り返し単位で構成される共重合体
一般式(42)中、R255、R256は置換もしくは無置換のアリール基を表し、Ar207、Ar208、Ar209は同一又は異なるアリーレン基を表す。一般式(43)中のXは前述した一般式(11)の場合と同じである。
下記一般式(44)と(45)で表される繰り返し単位で構成される共重合体
一般式(44)中、R257、R258は置換もしくは無置換のアリール基を表し、Ar210、Ar211、Ar212は同一又は異なるアリーレン基を表す。一般式(45)中のXは前述した一般式(11)の場合と同じである。
下記一般式(46)と(47)で表される繰り返し単位で構成される共重合体
一般式(46)中、R259、R260は置換もしくは無置換のアリール基を表し、Ar213、Ar214、Ar215は同一又は異なるアリーレン基を表し、X、Xは置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表す。一般式(47)中のXは前述した一般式(11)の場合と同じである。
下記一般式(48)と(49)で表される繰り返し単位で構成される共重合体
一般式(48)中、R261、R262、R263、R264は置換もしくは無置換のアリール基を表し、Ar216、Ar217、Ar218、Ar219は同一又は異なるアリーレン基を表し、Y、Y、Yは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、又はビニレン基を表し、同一でも異なっていてもよい。一般式(49)中のXは前述した一般式(11)の場合と同じである。
下記一般式(50)と(51)で表される繰り返し単位で構成される共重合体
一般式(50)中、R265、R266は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R265とR266は環を形成していてもよい。Ar220、Ar221、Ar222は同一又は異なるアリーレン基を表す。一般式(51)式中のXは前述した一般式(11)の場合と同じである。
下記一般式(52)と(53)で表される繰り返し単位で構成される共重合体
一般式(52)中、R267は置換もしくは無置換のアリール基を表し、Ar223、Ar224、Ar225、Ar226は同一又は異なるアリーレン基を表す。一般式(53)中のXは前述した一般式(11)の場合と同じである。
下記一般式(54)と(55)で表される繰り返し単位で構成される共重合体
一般式(54)中、R268、R269、R270、R271は置換もしくは無置換のアリール基を表し、Ar227、Ar228、Ar229、Ar230、Ar231は同一又は異なるアリーレン基を表す。一般式(54)式中のXは前述した一般式(11)の場合と同じである。
下記一般式(56)と(57)で表される繰り返し単位で構成される共重合体
一般式(56)中、R272、R273は置換もしくは無置換のアリール基を表し、Ar232、Ar233、Ar234は同一又は異なるアリーレン基を表す。一般式(57)中のXは前述した一般式(11)の場合と同じである。
下記一般式(58)と(59)で表される繰り返し単位で構成される共重合体
一般式(58)中、Ar10、Ar11、Ar12、Ar13、Ar14は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Zは芳香族炭化水素基、又はAr15−Za−Ar15−を表し、Ar15は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、ZaはO、S、又はアルキレン基を表し、R105、R106は直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。nは0又は1を表す。Xは前述した一般式(11)の場合と同じである。
本発明では、上記高分子型電荷輸送物質の中でも、一般式(10)と(11)の組み合わせ、一般式(50)と(51)の組み合わせで構成される共重合体が好ましい。これらは高分子型電荷輸送物質の中でも耐摩耗性に優れ、かつ高移動度特性を示すので、感光層に用いることにより高耐久かつ高感度な感光体が得られる。
電荷輸送物質とピペラジン(1)を電荷輸送層内に混合して含有させる場合、その合計量は、結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部が好ましく、40〜150重量部がより好ましい。また、電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から、25μm以下が好ましい。膜厚の下限は、使用するシステム(特に帯電電位等)により異なるが、5μm以上が好ましい。
また、ピペラジン(1)の含有量は、電荷輸送物質に対して0.01〜150重量%が好ましい。ピペラジン(1)が少ないと酸化性ガスに対する耐性が不足し、多すぎると、繰り返し使用による残留電位の上昇が大きくなる。
電荷輸送層には必要に応じて酸化防止剤、可塑剤、レベリング剤等を添加してもよい。酸化防止剤としては後述する一般の酸化防止剤を使用できるが、(c)ハイドロキノン系の化合物が特に効果的である。但し、この酸化防止剤は、ピペラジン(1)の変質保護のために用いるものであるから、ピペラジン(1)を含有させる前の工程で塗工液に含有させておくことが好ましい。添加量は、ピペラジン(1)に対して0.1〜200重量%で十分な効果を発揮する。
電荷輸送層は、電荷輸送物質を単独で又は結着樹脂と共に適当な溶剤に溶解ないし分散させて塗工液とし、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することによって形成できる。
前記溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
塗工液の塗工には、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等、従来の塗工法を用いることができる。
次に、感光層が単層の場合(図1、図3の場合)について述べる。
感光層(33)は、電荷発生物質、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散させて塗工液とし、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要に応じて酸化防止剤、可塑剤、レベリング剤等を添加してもよい。電荷発生物質、酸化防止剤などは、前述した、複層の場合の電荷発生層(35)の場合と同様のものを用いることができる。
感光層を単層で構成する場合の結着樹脂としては、先に電荷輸送層(37)で挙げた結着樹脂の他に、電荷発生層(35)で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。
結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、更に好ましくは50〜150重量部である。感光層(33)は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散して塗工液とし、浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成する。
感光層(33)の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
本発明の感光体は、導電性支持体(31)と感光層(33)との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層(33)を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層(33)の場合と同様に、適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。また、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等の種々の公知の材料を使用してもよいし、Alを陽極酸化により設けたり、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物、SiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法により設けてもよい。
下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
本発明の感光体は、感光層保護の目的で感光層の上に保護層(39)を設けてもよい。保護層(39)に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
また、保護層(39)には耐摩耗性向上の目的でフィラーを添加することが好ましい。
フィラーの分散性、残留電位、塗膜欠陥の点を考慮すると、前記樹脂の中でも特にポリカーボネートとポリアリレートが有効かつ有用である。
保護層の形成法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の従来方法を用いることができるが、特に塗膜の均一性の面からスプレーコートがより好ましい。
用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなど、電荷輸送層(37)の場合と同様のものを使用することができる。但し、分散時には粘度が高い溶剤が好ましいが、塗工時には揮発性が高い溶剤が好ましい。
これらの条件を満たす溶剤がない場合には、各々の物性を有する溶剤を2種以上混合して用いてもよく、フィラーの分散性や残留電位に対して大きな効果を奏する場合がある。
また、保護層(39)にピペラジン(1)を含有させてもよい。更に電荷輸送層(37)で挙げた低分子電荷輸送物質や高分子電荷輸送物質を添加すると、残留電位の低減及び画質向上に対して有効かつ有用である。
本発明の感光体は、感光層と保護層の間に中間層を設けることもできる。
中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。バインダー樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
中間層の形成には、前述した他の層と同様に、一般に用いられる塗布法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
本発明の感光体は、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、レベリング剤等を添加することが出来る。これらに関する代表的な材料を以下に示す。
<酸化防止剤>
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3′−ビス(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、トコフェロ−ル類など。
(b)パラフェニレンピペラジン類
N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンピペラジン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンピペラジン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンピペラジン、N,N′−ジイソプロピル−p−フェニレンピペラジン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジ−t−ブチル−p−フェニレンピペラジンなど。
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3′−チオジプロピオネートなど。
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
<可塑剤>
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
<滑剤>
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
(f)金属石けん
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
<紫外線吸収剤>
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど。
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど。
(c)ベンゾトリアゾール系
(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシ)アクリレートなど。
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル〔2,2′−チオビス(4−t−オクチル)フェノレート〕ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
次に、図面を参照しつつ電子写真方法、電子写真装置、及び本発明の電子写真装置用プロセスカートリッジについて説明する。
図6は、電子写真プロセス及び画像形成装置を説明するための概略図である。
感光体(10)は図6中の矢印の方向に回転し、感光体(10)の周りには、帯電部材(11)、画像露光部材(12)、現像部材(13)、転写部材(16)、クリーニング部材(17)、除電部材(18)等が配置される。クリーニング部材(17)や除電部材(18)は省略されることもある。
画像形成装置の動作は基本的に以下のようになる。
帯電部材(11)により、感光体(10)の表面に対してほぼ均一に帯電が施される。続いて、画像露光部材(12)により入力信号に対応した画像光書き込みが行われ、静電潜像が形成される。次に、この静電潜像が現像部材(13)により現像され、感光体表面にトナー像が形成される。このトナー像は、転写部材により、搬送ローラ(14)で転写部位に送られた転写紙(15)に転写される。次いで、転写されたトナー像は、定着装置により転写紙上に定着される。転写紙に転写されなかった一部のトナーは、クリーニング部材(17)によりクリーニングされる。次いで、感光体上に残存する電荷は、除電部材(18)により除電され、次のサイクルに移行する。
図6では、感光体(10)はドラム状であるが、シート状やエンドレスベルト状でもよい。帯電部材(11)、転写部材(16)には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)のほか、ローラ状の帯電部材、ブラシ状の帯電部材等が用いられ、公知の手段を適宜使用可能である。
画像露光部材(12)、除電部材(18)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。これらの中でも半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が主に用いられる。
所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体(10)に光が照射される。但し、除電工程における感光体(10)への露光は、感光体(10)に与える疲労の影響が大きく、特に帯電低下や残留電位の上昇を引き起こす場合がある。
したがって、露光による除電ではなく、帯電工程やクリーニング工程において逆バイアスを印加することによって除電することが可能な場合もあり、感光体の高耐久化の面から有効な場合がある。
電子写真感光体(10)に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。これらの現像手段や除電手段には公知の方法が用いられる。
感光体表面に付着する汚染物質の中で、帯電によって生成する放電物質やトナー中に含まれる外添剤等は、湿度の影響を拾いやすく異常画像の原因となっている。しかし、紙粉も異常画像の原因物質の一つであり、それらが感光体に付着すると、異常画像が発生しやすくなるだけでなく、耐摩耗性を低下させたり、偏摩耗を引き起こしたりする傾向が見られる。したがって、高画質化の点から感光体と紙が直接接触しない構成であることがより好ましい。
現像部材(13)により、感光体(10)上に現像されたトナーは、転写紙(15)に転写されるが、全てが転写されるわけではなく、感光体(10)上に残存するトナーもある。このようなトナーは、クリーニング部材(17)により、感光体(10)から除去される。クリーニング部材(17)としては、クリーニングブレード、クリーニングブラシ等の公知のものを用いる。また、両者を併用してもよい。
本発明の感光体は、高光感度と高安定化を実現したことから小径感光体に適用できる。したがって、この感光体がより有効に用いられるのは、複数色のトナーに対応した各々の現像部に対して、対応した複数の感光体を具備し、それによって並列処理を行なう、いわゆるタンデム方式の画像形成装置である。この画像形成装置は、フルカラー印刷に必要とされるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の少なくとも4色のトナー及びそれらを保持する現像部を配置し、更にそれらに対応した少なくとも4本の感光体を具備することによって、従来のフルカラー印刷が可能な画像形成装置に比べて極めて高速なフルカラー印刷が可能である。
図7は、タンデム方式のフルカラー電子写真装置を説明するための概略図である。
図7において、感光体(10C:シアン)(10M:マゼンタ)(10Y:イエロー))(10K:ブラック)は、ドラム状の感光体(10)であり、これらの感光体(10C、10M、10Y、10K)は、図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電部材(11C、11M、11Y、11K)、現像部材(13C、13M、13Y、13K)、クリーニング部材(17C、17M、17Y、17K)が配置されている。
この帯電部材(11C、11M、11Y、11K)と、現像部材(13C、13M、13Y、13K)との間の感光体(10)の裏面側から、露光部材によるレーザー光(12C、12M、12Y、12K)が照射され、感光体(10C、10M、10Y、10K)に静電潜像が形成されるようになっている。
そして、感光体(10C、10M、10Y、10K)を中心とした4つの画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)が、転写材搬送手段である転写搬送ベルト(25)に沿って並置されている。
転写搬送ベルト(19)は、各画像形成ユニット(20C、20M、20Y、20K)の現像部材(13C、13M、13Y、13K)と、クリーニング部材(17C、17M、17Y、17K)との間で感光体(10C、10M、10Y、10K)に当接しており、転写搬送ベルト(19)の感光体(10)側の裏側に当たる面(裏面)には、転写バイアスを印加するための転写部材(16C、16M、16Y、16K)が配置されている。各画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)は現像装置内部のトナーの色が異なるだけで、その他は全て同様の構成となっている。
図7のフルカラー電子写真装置において、画像形成動作は次のようにして行なわれる。まず、各画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)において、感光体(10C、10M、10Y、10K)が、感光体(10)と連れ周り方向に回転する帯電部材(11C、11M、11Y、11K)により帯電され、次に、感光体(10)の外側に配置された露光部でレーザー光(12C、12M、12Y、12K)により、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。
次に、現像部材(13C、13M、13Y、13K)により潜像が現像されてトナー像が形成される。現像部材(13C、13M、13Y、13K)は、それぞれC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のトナーで現像を行なう現像部材で、4つの感光体(10C、10M、10Y、10K)上で作られた各色のトナー像は転写ベルト(19)上で重ねられる。
転写紙(15)は給紙コロ(21)によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ(22)で一旦停止し、各感光体(10C、10M、10Y、10K)上への画像形成とタイミングを合わせて転写部材(23)に送られる。転写ベルト(19)上に保持されたトナー像は、転写部材(23)に印加された転写バイアスと転写ベルト(19)との電位差で形成される電界により、転写紙(15)上に転写される。転写紙上に転写されたトナー像は、搬送されて、定着部材(24)により転写紙上にトナーが定着され、排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各感光体(10C、10M、10Y、10K)上に残った残留トナーは、それぞれのユニットに設けられたクリーニング部材(17C、17M、17Y、17K)で回収される。
図7に示したような中間転写方式は、フルカラー印刷が可能な画像形成装置に特に有効であり、複数のトナー像を一度中間転写体上に形成した後、紙に一度に転写することによって、色ズレ防止の制御もし易く高画質化に対しても有効である。中間転写体にはドラム状、ベルト状など種々の形状や材質のものがあるが、本発明では従来公知の中間転写体のいずれも使用可能であり、感光体の高耐久化や高画質化に対して有効かつ有用である。
なお、図7では、画像形成要素が転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の色の順で並んでいるが、色順は任意に設定可能である。また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素(20C、20M、20Y)が停止するような機構を設けることが好ましい。
上記のような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込んでもよいが、プロセスカートリッジの形でそれらの装置内に組み込んでもよい。
前記プロセスカートリッジとは、図8に示すように、感光体(10)を内蔵し、他に帯電部材(11)、画像露光部材(12)、現像部材(13)、転写部材(16)、クリーニング部材(17)、及び除電部材を含んだ1つの装置(部品)である。
上記タンデム方式の画像形成装置は、複数のトナー像を一度に転写できるので高速フルカラー印刷を実現できる。しかし、感光体が少なくとも4本必要なため装置が大型になる。また使用されるトナー量によって各々の感光体の摩耗量に差が生じ、それによって色の再現性が低下したり、異常画像が発生したりするなど多くの課題を有していた。
これに対し本発明の感光体は、高光感度と高安定化を実現したので小径感光体にも適用可能であり、かつ残留電位上昇や感度劣化等の影響が低減されたことから、4本の感光体の使用量が異なっていても、残留電位や感度の繰り返し使用の経時における差が小さく、長期繰り返し使用しても色再現性に優れたフルカラー画像を得ることが可能となる。
以下、本発明について実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例により制約を受けるものではない。なお、例中の「部」は全て「重量部」である。
前述した表1−1〜表1〜5の化合物の代表的な合成例として、No.2、No.3、No.6の合成手順を示す。その他の化合物は、これらの合成例に準じて合成できる。

[合成例1(化合物No.2の合成)]
N−(4−ブロモベンジル)−N,N−ジベンジルアミン3.00g(8.19mmol)、ピペラジン0.32g(3.72mmol)、ナトリウム−t−ブトキサイド1.07g(11.16mmol)、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)Pd(0)(38.0mg,0.074mmol)、トルエン20mLを、アルゴン気流下で3時間還流撹拌した。次いで室温まで冷却した後、沈殿物をろ過し、ろ液を回収して濃縮した。次いで濃縮物から、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル=9/1)により目的物を回収して濃縮し、再結晶(トルエン/エタノール=7/3)して、白色粉末を1.78g得た。(収率33.0%)
得られた白色粉末を質量分析(イオン化:APCI法)で分析したところ、目的とする化合物No.2のピペラジン化合物(分子量計算値:656.8)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]に相当する657.8のピークが観測された。
上記白色粉末の赤外線吸収スペクトル(KBr法)を図9に示す。
[合成例2(化合物No.3の合成)]
N−(4−ブロモベンジル)−N,N−ジベンジルアミンを、N−(4−ブロモベンジル)−N−ベンジル−N−エチルアミンに代えた点以外は合成例1と同様に操作し、白色粉末を1.76g得た。(収率55.5%)
得られた粉末を質量分析(イオン化:APCI法)で分析したところ、目的とする化合物No.3のピペラジン化合物(分子量計算値:532.7)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]に相当する533.7のピークが観測された。
上記白色粉末の赤外線吸収スペクトル(KBr法)を図10に示す。
[合成例3(化合物No.6の合成)]
N−(4−ブロモベンジル)−N,N−ジベンジルアミンを、N−(4−ブロモベンジル)−N−エチル−トルイジンに代えた点以外は、合成例1と同様に操作し、白色粉末を6.83g得た。(収率42.7%)
得られた粉末を質量分析(イオン化:APCI法)で分析したところ、目的とする化合物No.6のピペラジン化合物(分子量計算値:532.8)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]に相当する533.8のピークが観測された。
上記白色粉末の赤外線吸収スペクトル(KBr法)を図11に示す。
[実施例1]
アルミニウムシリンダー上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、及び電荷輸送層塗工液を、浸漬塗工によって順次塗布、乾燥し、膜厚3.5μmの下引き層、膜厚0.2μmの電荷発生層、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した感光体1を得た。

(下引き層塗工液)
・二酸化チタン粉末: 400部
・メラミン樹脂:ベッコライトM6401−50 65部
(大日本インキ化学工業社製;固形分50重量%)
・アルキッド樹脂:スーパーベッカミンL−121−60 120部
(大日本インキ化学工業社製;固形分60重量%)
・2−ブタノン: 400部

(電荷発生層塗工液)
・下記構造式(60)のフルオレノン系ビスアゾ顔料: 12部
・ポリビニルブチラール: 5部
・2−ブタノン: 200部
・シクロヘキサノン: 400部
(電荷輸送層塗工液)
・ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成社製): 10部
・表1−1の例示化合物No.1のピペラジン化合物: 10部
・テトラヒドロフラン: 100部
上記感光体1を、電子写真プロセス用カートリッジに装着し、コロナ帯電方式(スコロトロン型)で、画像露光光源として655nmの半導体レーザー(LD)を用いたリコー社製Imagio MP 2550改造機を使用し、暗部電位800(−V)に設定した後、連続してトータル10万枚印刷相当の繰り返し試験を行った。その際、初期及び繰り返し試験後の画像と明部電位について評価を行った。また、600dpi×600dpiの画素密度で画像濃度が5%のドット画像を連続10枚プリントアウトし、そのドット形状を顕微鏡で観察して、画像品質を下記の基準で5段階評価した(5が優れ1が劣る)。結果を表2に示す。
〔評価基準〕
5:輪郭が明瞭で、良好。
4:5と比較して画像濃度の低下(小)が見られる。
3:5と比較して画像濃度の低下(中)が見られる。
2:5と比較して画像濃度の低下(大)が見られる。
1:5と比較して画像濃度の低下(大)が見られ、更に画像を判別できない。
[実施例2]〜[実施例15]
実施例1の電荷輸送層塗工液における例示化合物No.1のピペラジン化合物に代えて、表2の実施例2〜15の各欄に示す例示化合物No.のピペラジン化合物を用いた点以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体2〜15を作製し、評価した。結果を表2に示す。
[実施例16]
実施例1における電荷輸送層塗工液を、下記組成のものに変えた点以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体16を作製し、評価した。結果を表3に示す。
(電荷輸送層塗工液)
・ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成製): 10部
・表1−1の例示化合物No.1のピペラジン化合物: 1部
・下記構造式(61)の電荷輸送物質: 9部
・テトラヒドロフラン: 100部
[実施例17〜30]
実施例16の電荷輸送層塗工液における例示化合物No.1のピペラジン化合物に代えて、表3の実施例17〜30の各欄に示す例示化合物No.のピペラジン化合物を用いた点以外は、実施例16と同様にして電子写真感光体17〜30を作製し評価した。結果を表3に示す。
[実施例31〜34]
実施例16の電荷輸送層塗工液における例示化合物No.1のピペラジン化合物に代えて、表4の実施例31〜34の各欄に示す例示化合物No.のピペラジン化合物を用い、ピペラジン化合物と電荷輸送物質の量を下記のように変えた点以外は、実施例16と同様にして電子写真感光体31〜34を作製し評価した。結果を纏めて表4に示す。
・ピペラジン化合物: 1部
・電荷輸送物質: 7部
[実施例35〜38]
実施例16の電荷輸送層塗工液における例示化合物No.1のピペラジン化合物に代えて、表5の実施例31〜34の各欄に示す例示化合物No.のピペラジン化合物を用い、ピペラジン化合物と電荷輸送物質の量を下記のように変えた点以外は、実施例16と同様にして電子写真感光体35〜38を作製し評価した。結果を表5に示す。
・ピペラジン化合物: 5部
・電荷輸送物質: 5部
[実施例39〜42]
実施例16の電荷輸送層塗工液における例示化合物No.1のピペラジン化合物に代えて、表6の実施例39〜42の各欄に示す例示化合物No.のピペラジン化合物を用い、構造式(61)の電荷輸送物質に代えて下記構造式(62)の電荷輸送物質を用いた点以外は、実施例16と同様にして電子写真感光体39〜42を作製し評価した。結果を表6に示す。
[実施例43〜46]
実施例16の電荷輸送層塗工液における例示化合物No.1のピペラジン化合物に代えて、表7の実施例43〜46の各欄に示す例示化合物No.のピペラジン化合物を用い、構造式(61)の電荷輸送物質に代えて下記構造式(63)の電荷輸送物質を用いた点以外は、実施例16と同様にして電子写真感光体43〜46を作製し評価した。結果を表7に示す。
[実施例47〜49]
実施例16の電荷輸送層塗工液における例示化合物No.1のピペラジン化合物に代えて、表8の実施例47〜49の各欄に示す例示化合物No.のピペラジン化合物を用い、ポリカーボネート樹脂(バインダー樹脂)10部、及び電荷輸送物質9部を、下記高分子電荷輸送物質に変えた点以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体47〜49を作製し評価した。結果を表8に示す。
・下記構造式(64)と(65)の繰り返し単位で構成される高分子電荷輸送物質
〔モル比:(64)/(65)=0.4/0.6〕: 19部
[実施例50〜51]
実施例16の電荷輸送層塗工液における例示化合物No.1のピペラジン化合物に代えて、表9の実施例50〜51の各欄に示す例示化合物No.のピペラジン化合物を用い、ポリカーボネート樹脂(バインダー樹脂)10部、及び電荷輸送物質9部を、下記高分子電荷輸送物質に変えた点以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体50〜51を作製し評価した。結果を表9に示す。
・下記構造式(66)と(67)の繰り返し単位で構成される高分子電荷輸送物質
〔モル比:(66)/(67)=0.42/0.58〕: 19部
[実施例52〜53]
実施例16の電荷輸送層塗工液における例示化合物No.1のピペラジン化合物に代えて、表10の実施例52〜53の各欄に示す例示化合物No.のピペラジン化合物を用い、ポリカーボネート樹脂(バインダー樹脂)10部、及び電荷輸送物質9部を、下記高分子電荷輸送物質に変えた点以外は、実施例16と同様にして電子写真感光体52〜53を作製し評価した。結果を表10に示す。
・下記構造式(68)と(69)の繰り返し単位で構成される高分子電荷輸送物質
〔モル比:(68)/(69)=0.79/0.21〕: 19部
[実施例54〜57]
実施例16の電荷輸送層塗工液における例示化合物No.1のピペラジン化合物に代えて、表11の実施例54〜57の各欄に示す例示化合物No.のピペラジン化合物を用い、ポリカーボネート樹脂(バインダー樹脂)を下記の樹脂に変えた点以外は、実施例16と同様にして電子写真感光体54〜57を作製し評価した。結果を表11に示す。
・ポリアリレート樹脂(Uポリマー、ユニチカ製): 10部
[実施例58〜59]
実施例1における電荷発生層塗工液と電荷輸送層塗工液を下記のものに変更し、電荷輸送層塗工液のピペラジン化合物として、表12の実施例58〜59の各欄に示す例示化合物No.のものを用いた点以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体58〜59を作製し評価した。結果を表12に示す。

(電荷発生層塗工液)
・図12に示す粉末XDスペクトルを有するオキソチタニウムフタロシアニン:8部
・ポリビニルブチラール(BX−1): 5部
・2−ブタノン: 400部

(電荷輸送層塗工液)
・ポリカーボネート樹脂(Zポリカ): 10部
・ピペラジン化合物: 1部
・下記構造式(61)の電荷輸送物質: 7部
・トルエン: 70部
[実施例60〜61]
実施例58の電荷輸送層塗工液における電荷輸送物質を、下記構造式(62)の化合物に代え、ピペラジン化合物を、表13の実施例60〜61の各欄に示す例示化合物No.のピペラジン化合物に代えた点以外は、実施例58と同様にして、電子写真感光体60〜61を作製し評価した。結果を表13に示す。
[比較例1]
実施例16の電荷輸送層塗工液における例示化合物No.1のピペラジン化合物を下記構造式(71)のスチルベン化合物(特開昭60−196768号公報記載)に代えた点以外は、実施例16と同様にして比較電子写真感光体1を作製し評価した。結果を表14に示す。
[比較例2]
実施例16において、電荷輸送層塗工液にピペラジン化合物を加えず、電荷輸送物質の重量を10部とした点以外は、実施例16と同様にして比較電子写真感光体2を作製し、評価した。結果を表14に示す。
[比較例3]
実施例35におけるピペラジン化合物を、下記構造式(72)のテトラフェニルメタン化合物(特許第4226749号公報記載)に代えた点以外は、実施例35と同様にして比較電子写真感光体3を作製し評価した。結果を表14に示す。
[比較例4]
実施例16における例示化合物No.1のピペラジン化合物を、下記構造式(73)のヒンダードアミン系酸化防止剤に代えた点以外は、実施例16と同様にして比較電子写真感光体4を作製し評価した。結果を表14に示す。
[比較例5]
実施例16における例示化合物No.1のピペラジン化合物を、下記構造式(74)のジアミン化合物(特許第4101676号公報記載)に代えた点以外は、実施例16と同様にして比較電子写真感光体5を作製し評価した。結果を表14に示す。
[比較例6]
実施例16における例示化合物No.1のピペラジン化合物を、下記構造式(75)のジアミン化合物(特開平5−158258号公報記載)に代えた点以外は、実施例16と同様にして比較電子写真感光体6を作製し評価した。結果を表14に示す。
以上の評価結果から分かるように、本発明の感光体は、10万枚印刷相当後においても明部電位上昇は少なく、高画質画像が安定に得られることが確認された。
一方、比較感光体1、3、4、6は、明部電位が初期から非常に高く、画像濃度の低下や解像度の低下を引き起こしており、特に比較感光体1、4は、10万枚印刷相当後では階調性が著しく低下したため、画像の判別が不可能であった。また、比較感光体2、5は明部電位の上昇は比較的小さいものの、本発明の感光体と比べて、繰り返し使用による解像度低下が大きかった。
[実施例62〜72、比較例7]
表15の各実施例の欄に示す本発明の感光体と比較感光体2を、50ppmの窒素酸化物(NOx)ガス濃度に調整されたデシケータ中に4日間放置し、以下のようにして放置前後の画像品質評価を行った。
初期及び放置後の各感光体を、電子写真プロセス用カートリッジに装着し、帯電方式を正帯電コロナ帯電方式、画像露光光源を655nmの半導体レーザー(LD)に改造したリコー社製imagio MF2200改造機を使用し、暗部電位を800(V)に設定した後、下記表15に示すように8ptの文字、2by2、及び1by1を画像出力し、その画像を虫眼鏡で観察し、下記表15に示す判定基準(ランク1〜5)に基づいて判定した。結果を表16に示す。
表16の結果から、感光体にピペラジン(1)を含有させることによって、酸化性ガスに対する耐性、即ち解像度低下抑止が大幅に向上することが分かる。
一方、比較感光体2の場合、初期画像品質は良好であるが、酸化性ガスにより著しい解像度の低下が生じることが分かる。
10 感光体
10C シアン感光体
10M マゼンタ感光体
10Y イエロー感光体
10K ブラック感光体
11 帯電部材
11C シアン帯電部材
11M マゼンタ帯電部材
11Y イエロー帯電部材
11K ブラック帯電部材
12 画像露光部材
12C シアン画像露光部材
12M マゼンタ画像露光部材
12Y イエロー画像露光部材
12K ブラック画像露光部材
13 現像部材
13C シアン現像部材
13M マゼンタ現像部材
13Y イエロー現像部材
13K ブラック現像部材
14 搬送ローラ
15 転写紙
16 転写部材
16C シアン転写部材
16M マゼンタ転写部材
16Y イエロー転写部材
16K ブラック転写部材
17 クリーニング部材
17C シアンクリーニング部材
17M マゼンタクリーニング部材
17Y イエロークリーニング部材
17K ブラッククリーニング部材
18 除電部材
19 転写搬送ベルト
20C シアン画像形成要素
20M マゼンタ画像形成要素
20Y イエロー画像形成要素
20K ブラック画像形成要素
21 給紙コロ
22 レジストローラ
23 転写部材
24 定着部材
25 転写材搬送手段
31 導電性支持体
33 感光層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 保護層
特許第4226749号公報 特開平5−158258号公報 特開2009−14851号公報 特開昭60−196768号公報 特許第2884353号公報 特許第4101676号公報
伊丹ら、コニカテクニカルレポート、13巻、37頁、2000年

Claims (10)

  1. 導電性支持体上に感光層を有し、該感光層が下記一般式(1)で表されるピペラジン化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    一般式(1)中、R、Rは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R、Rは共同で環を形成してもよい。Arは置換もしくは無置換の芳香族基を表し、Xは単結合、又は炭素数1〜4のアルキレン基を表す。
  2. 前記感光層が、電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記電荷輸送物質が、下記一般式(3)で表されるスチルベン化合物であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
    一般式(3)中、Rは水素原子、アルキル基、又は置換もしくは無置換のフェニル基を表し、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、ArとRは共同で環を形成しても良い。Aは9−アントリル基、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、下記一般式(4)又は一般式(5)の基を表す。aは0又は1の整数を表し、aが0のとき、AとRは共同で環を形成しても良い。
    一般式(4)及び(5)中、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は下記一般式(6)の基を表し、bは1〜3の整数を表し、bが2以上のときRは同一でも異なっても良い。
    一般式(6)中、R、Rは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R、Rは同じでも異なっていてもよく、環を形成していても良い。
  4. 前記電荷輸送物質が、下記一般式(7)で表されるアミノビフェニル化合物であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
    一般式(7)中、R10、R12、R13は水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子、又は置換もしくは無置換のアリール基を表し、R11は水素原子、アルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、又はハロゲン原子を表す。また、c、d、e、fは1〜4の整数であり、それぞれが2〜4の整数のとき、前記R10〜R13は同じでも異なっていても良い。
  5. 前記電荷輸送物質が、下記一般式(8)で表されるジオレフィン芳香族化合物であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
    一般式(8)中、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Aは下記一般式(9)を表す。
    一般式(9)中、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R14、R15は置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。
  6. 前記電荷輸送物質が、高分子型電荷輸送物質であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
  7. 前記高分子型電荷輸送物質が、下記一般式(10)と(11)で表される繰り返し単位で構成される共重合体であることを特徴とする請求項6に記載の電子写真感光体。
    一般式(10)中、R16、R17は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar〜Arは同一又は異なる芳香族炭化水素基を表す。一般式(11)中、Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、又は下記一般式(12)で表される2価基を表す。
    一般式(12)中、R101、R102はそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基、芳香族炭化水素基、又はハロゲン原子を表す。j、kは0〜4の整数を表す。Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)、又は下記一般式(13)を表す。
    一般式(13)中、lは1〜20の整数、mは1〜2000の整数を表し、R103、R104は置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。R103とR104は同一でも異なっていてもよい。
  8. 前記高分子型電荷輸送物質が、下記一般式(14)と(15)で表される繰り返し単位で構成される共重合体であることを特徴とする請求項6に記載の電子写真感光体。
    一般式(14)中、Ar10〜Ar14はそれぞれ独立して置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Zは芳香族炭化水素基、又はAr15−Za−Ar15−を表し、Ar15は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、ZaはO、S、又はアルキレン基を表し、R105、R106は直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基を表す。nは0又は1を表す。Xは前述した一般式(11)の場合と同じである。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行うことを特徴とする画像形成方法。
  10. 少なくとも請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真感光体を具備することを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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