JP5454041B2 - 電子写真感光体、及び該電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、画像形成用プロセスカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真感光体、及び該電子写真感光体を使用した画像形成方法、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジに関する。
近年、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展には目覚ましいものがある。
特に、情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行なうレーザプリンタやデジタル複写機は、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。
さらに、それらは高速化技術との融合によりフルカラー印刷が可能なレーザプリンタ、あるいはデジタル複写機へと応用されてきている。
そのような背景から、感光体に要求される機能として、高画質化と高耐久化を両立させることが特に重要な課題となっている。
これらの電子写真方式のレーザプリンタや、デジタル複写機等に使用される感光体としては、有機系の感光材料(OPC)を用いたものが、コスト、生産性及び無公害性等の理由から一般に広く応用されている。
そして、OPC感光体の層構成は、単層型と機能分離型積層構造に大別される。
例えば、最初の実用化OPCであるPVK−TNF電荷移動錯体型感光体は、前者の単層型であった。
一方、1968年、林とRegensburgerにより、各々独立してPVK/a−Se積層感光体が発明され、後には1977年、Melzらにより、また1978年Schlosserにより、有機顔料分散層と有機低分子分散ポリマー層という感光層全てが有機材料からなる積層感光体が発表された。
これらは光を吸収して電荷を発生する電荷発生層(CGL)と、CGLで生成した電荷を注入、輸送し、表面電荷を中和する電荷輸送層(CTL)からなるという概念から、機能分離型積層感光体とも呼ばれる。
この機能分離型積層感光体の開発によって、単層感光体に比べ感度、耐久性が飛躍的に向上した。
また電荷発生物質(CGM)、電荷輸送物質(CTM)といわれる、それぞれ異なる機能を有する材料を個別に分子設計できるため、それら材料の選択幅が大きく増加した。
これらの理由により機能分離型積層感光体は現在のOPC感光体における主流の層構成となっている。
機能分離型の感光体における静電潜像形成のメカニズムは、感光体を帯電した後光照射すると、光は電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質により吸収され電荷を生成する。
それによって発生した電荷が、電荷発生層及び電荷輸送層の界面で電荷輸送層に注入され、さらに電界によって電荷輸送層中を移動し、感光体の表面電荷を中和することにより静電潜像を形成するというものである。
しかし、有機系の感光体は、繰り返し使用による膜削れが大きく、感光層の膜削れが進むと、感光体の帯電電位の低下や光感度の劣化、感光体表面のキズなどによる地汚れ、画像濃度低下、あるいは画質劣化が促進される傾向が強くなる。
したがって、従来から有機感光体の耐摩耗性が大きな課題として挙げられていた。
さらに、近年では電子写真装置の高速化、あるいは装置の小型化に伴う感光体の小径化によって、感光体の高耐久化がより一層重要な課題となっている。
感光体の耐摩耗性向上を実現する方法としては、感光層に潤滑性を付与したり、硬化させたり、フィラーを含有させる方法、もしくは低分子電荷輸送物質(CTM)分子分散ポリマー層のかわりに高分子型電荷輸送物質を用いる方法が広く知られている。
しかしながら、これらの方法により感光層の削れを抑えると、新たな問題がおこる。
すなわち、繰り返し使用や周辺環境により生じるオゾンやNOx、その他の酸化性物質が、感光層表面に吸着し、繰り返し使用や使用環境によっては、最表面の低抵抗化を招き、画像流れ(画像ボケ)等の問題を引き起こすことが知られている。
従来は、このボケ発生物質が感光層と共に削りとられることにより、問題はある程度回避されてきた。
しかしながら、上述のとおり、最近の更なる高解像、高耐久化要求に応えるには、新たな手法を付与しなければならなくなってきている。
それらの影響を軽減させる1つの方法として、感光体にヒーターを搭載し、ボケ物質を蒸発させる方法があるが、この方法は装置の小型化や消費電力の低減に対して大きな障害となっている。
また、酸化防止剤等の添加剤も有効な手段ではあるが、単なる添加剤は光導電性を有しないものであるから、感光層への多量添加は、低感度化、残留電位上昇等の電子写真特性の問題をまねいてしまう。
以上のように、高耐摩耗性を付与、もしくは感光体周りのプロセス設計によって削れが少なくなった電子写真感光体は、副作用として画像ボケの発生、解像度の低下等、画質への影響が避けられず、高耐久化と高画質化を両立させることは困難とされてきた。
これは、画像ボケの発生を抑制するには抵抗が高い方が、残留電位上昇を抑制するには抵抗が低い方が適していることから、双方でトレードオフの関係になっていることが問題の解決を困難にしている。
一方、特許文献1の特開2000−231204号公報には、感光体の酸掃去剤としてジアルキルアミノ基を有する芳香族系化合物が開示されている。
この化合物は、感光体の繰り返し使用後の画像品質に対して有効で、前記酸化性ガス等のボケ発生物質による画像流れ(画像ボケ)等の問題を解決できるとはいわれているものの、電荷輸送能が低いため高感度、高速化要求には対応が難しく、したがって、添加量においても限界がある。
更に、特許文献2の特開昭60−196768号公報、特許文献3の特許第2884353号公報等に開示されている、ジアルキルアミノ基を有するスチルベン化合物も、耐酸化性ガスによる画像ボケに対して効果があることが非特許文献1の[伊丹ら、コニカテクニカルレポート、13巻、37頁、2000年]に記載されている。
しかしながら、該スチルベン化合物は、電荷輸送サイトであるトリアリールアミン構造の共鳴部位に強いメゾメリー効果(+M効果)の置換基であるジアルキルアミノ基を有しているため、全体のイオン化ポテンシャル値は異常に小さくなる。
それ故、電荷輸送物質として単独使用した感光層の帯電保持能は、初期から、もしくは繰り返し使用により著しく悪くなるため、実用化は非常に難しいという致命的な欠点を有している。
また、本発明のように他の電荷輸送物質と混合併用しても、該スチルベン化合物のイオン化ポテンシャル値はそれらよりもかなり小さいため、スチルベン化合物が移動電荷のホールトラップサイトとなり、感度が著しく低く、かつ残留電位が大きな電子写真感光体となってしまうという欠点を有している。
本発明の目的は、長期間の繰り返し使用に対しても高耐久性を有し、かつ画像濃度低下、あるいは画像ボケの発生による画像劣化を抑制し、高画質画像が安定に得られる電子写真感光体を提供することにある。
また、それらの感光体を用いることにより、感光体の交換が不要で、かつ高速印刷あるいは感光体の小径化に伴う装置の小型化を実現し、さらに繰り返し使用においても高画質画像が安定に得られる画像形成方法、画像形成装置、画像形成用プロセスカートリッジを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を進めた結果、表面保護層にフィラー及び、酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、特定のジアミン化合物を含有させることで、前記、酸化性ガス等のボケ発生物質による画像ボケ(画像流れ)等の問題を解決できることを見いだし、本発明に到達した。
本発明によれば、以下の(1)〜(16)に示す電子写真感光体、及び該電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、画像形成用プロセスカートリッジが提供される。
(1)「導電性支持体上に少なくとも感光層、及び表面保護層が形成されていると共に、表面保護層がフィラー及び、酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(1)で表わされるジアミン化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
Figure 0005454041
〔(1)式中、R、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、芳香族炭化水素基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R、Rは互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表わす。〕」
(2)「該表面保護層が含有する酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物が、ポリカルボン酸であることを特徴とする前記(1)項に記載の電子写真感光体。」
(3)「該ポリカルボン酸が、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂のいずれか、あるいはそれらの構造を含む共重合体、もしくはそれらの混合物であることを特徴とする前記(2)項に記載の電子写真感光体。」
(4)「該表面保護層が含有するフィラーが、少なくとも一種の金属酸化物であることを特徴とする前記(1)項乃至(3)項のいずれかに記載の電子写真感光体。」
(5)「該表面保護層が、電荷輸送物質を含有することを特徴とする前記(1)項乃至(4)項のいずれかに記載の電子写真感光体。」
(6)「該電荷輸送物質が、下記一般式(2)で表わされる芳香族環集合化合物であることを特徴とする前記(5)項に記載の電子写真感光体。
Figure 0005454041
〔一般式(2)式中、nは0または1の整数、Rは水素原子、アルキル基または置換もしくは無置換のフェニル基を表わし、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表わし、Rは炭素数1〜4アルキル基、あるいは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表わし、ArとRは共同で環を形成してもよい。Aは9−アントリル基、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、下記一般式(3)又は一般式(4)を表わす。また、nが0のとき、AとRは共同で環を形成してもよい。〕
Figure 0005454041
Figure 0005454041
〔一般式(3)又は(4)式中、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子または下記一般式(5)を表わし、mは1〜3の整数を表わし、mが2以上のときRは同一でも異なってもよい。〕
Figure 0005454041
〔一般式(5)式中、RおよびRは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を示し、RおよびRは同じでも異なっていてもよく、環を形成してもよい。〕」
(7)「該電荷輸送物質が、下記一般式(6)で表わされるアミノビフェニル化合物であることを特徴とする前記(5)項に記載の電子写真感光体。
Figure 0005454041
〔(6)式中、R、RおよびRは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子または置換もしくは無置換のアリール基を、Rは水素原子、アルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基またはハロゲン原子を表わす。また、k、l、mおよびnは1、2、3または4の整数であり、それぞれが2、3または4の整数のときは、前記R、R、RおよびRは同じでも異なっていてもよい。〕」
(8)「該電荷輸送物質が、下記一般式(29)で表わされるジオレフィン芳香族化合物であることを特徴とする前記(5)項に記載の電子写真感光体。
Figure 0005454041
〔(29)式中、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表わし、Aは下記一般式(30)を表わす。〕
Figure 0005454041
〔(30)式中、Ar’は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表わし、RおよびRは置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。)〕」
(9)「該電荷輸送物質が、高分子型電荷輸送物質であることを特徴とする前記(5)項に記載の電子写真感光体。」
(10)「該高分子型電荷輸送物質が、下記一般式(7)で表わされる化合物であることを特徴とする前記(9)項に記載の電子写真感光体。
Figure 0005454041
〔(7)式中、R、Rは置換もしくは無置換の芳香環基、Ar、Ar、Arは同一あるいは異なる芳香環基を表わす。k、jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式(8)で表わされる2価基を表わす。〕
Figure 0005454041
〔(8)式中、R101、R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、芳香環基またはハロゲン原子を表わす。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)または、下記一般式(9)を表わす。ここで、R101とR102は、それぞれ同一でも異なってもよい。〕
Figure 0005454041
〔一般式(9)式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表わす。ここで、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。〕」
(11)「該高分子型電荷輸送物質が、下記一般式(10)で表わされる化合物であることを特徴とする前記(9)項に記載の電子写真感光体。
Figure 0005454041
〔(10)式中、Ar、Ar、Ar、ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基、Zは芳香環基または−Ar−Za−Ar−を表わし、Arは置換もしくは無置換の芳香環基、ZaはO、Sまたはアルキレン基、RおよびR’は直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表わす。mは0または1を表わす。k、j、n及びXは前記一般式(7)と同じである。〕」
(12)「前記(1)項乃至(11)項のいずれかに記載の電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法。」
(13)「前記(1)項乃至(11)項のいずれかに記載の電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行ない、かつ画像露光の際にはLDあるいはLED等によって感光体上に静電潜像の書き込みを行なうことを特徴とするデジタル方式の画像形成方法。」
(14)「少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および前記(1)項乃至(11)項のいずれかに記載の電子写真感光体を具備してなることを特徴とする画像形成装置。」
(15)「少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および前記(1)項乃至(11)項のいずれかに記載の電子写真感光体を具備し、画像露光手段にLDあるいはLED等を使用することによって前記電子写真感光体上に静電潜像の書き込みが行なわれることを特徴とするデジタル方式の画像形成装置。」
(16)「少なくとも前記(1)項乃至(11)項のいずれかに記載の電子写真感光体を具備してなることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
本発明によれば、表面保護層がフィラー及び、酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物と、上記一般式(1)で表わされるジアミン化合物を含有することにより、感度低下を招くことなく、繰り返し使用、および酸化性ガスなどに対する環境耐性が大幅に向上するため、高耐久性を有し、長期にわたって高解像度の画質が得られる電子写真感光体を得ることが可能となった。
本発明によって、電子写真感光体の高耐久化と高画質化の両立が実現され、高画質画像が長期に渡って安定に得られる電子写真感光体、及びそれを用いた画像形成方法、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジが提供される。
本発明の電子写真感光体の一例を表わす断面図である。 本発明の電子写真感光体の他の一例を表わす断面図である。 本発明の電子写真感光体の他の一例を表わす断面図である。 本発明の電子写真プロセス及び電子写真装置の一例を示す概略図である。 本発明の電子写真プロセス及び電子写真装置の他の一例を示す概略図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 オキソチタニウムフタロシアニンの粉末XDスペクトルである。 ジアミン化合物の赤外線吸収スペクトルである。
以下、本発明の電子写真感光体、及び該電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、ならびに画像形成装置用プロセスカートリッジについて詳細に説明する。
本発明の電子写真感光体においては、導電性支持体上に感光層、表面保護層が設けられており、該表面保護層がフィラー及び、酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、上記一般式(1)で表わされるジアミン化合物を含有することが本発明の特徴的な構成要素である。
電子写真感光体の高耐久化を実現するために、感光体の最表面層にフィラーを含有させた保護層を形成することは有効であることが知られているが、感光体の保護層にフィラーが含有された高耐久性を有する感光体は、副作用として画像ボケの発生、残留電位上昇、解像度の低下等、画質への影響が避けられず、高耐久化と高画質化を両立させることは困難とされてきた。
これは、画像ボケの発生を抑制するには抵抗が高い方が、残留電位上昇を抑制するには抵抗が低い方が適していることから、双方でトレードオフの関係になっていることが問題の解決を困難にしている。
本発明者らの検討により、フィラーを含有させることによって生じる残留電位の上昇は、酸価10〜400(mgKOH/g)の有機化合物を含有させることにより、抑制できることを見い出したが、残留電位や画質に与える影響は、フィラーの物性だけでなく、フィラーの分散性に大きく起因していることが確認された。
すなわち、フィラーが脱凝集され、分散性が良好である場合には、保護層に注入された電荷が表面まで到達しやすくなるため、フィラーの分散性の向上は残留電位の上昇を抑制できるだけでなく、トナーにより形成されるドット再現性がより忠実となり高解像度で高画質の画像を得ることが可能となる。
一方、フィラーが極度な凝集状態にある場合には、電荷はフィラーによって進行が妨げられ、電荷移動の直進性が低下することによって解像度が低下するだけでなく、電荷がトラップされやすくなり、結果的に残留電位を増加させる。
フィラーの凝集は、有機溶媒やバインダー樹脂等との親和性が低い無機(親水性)フィラーの方が起こり易い。
本発明において見出された、酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物を添加することによって、無機フィラーと有機溶剤やバインダー樹脂等との親和性を高めることが可能となり、結果的にフィラーの分散性を高める効果を有する。また、このような酸性有機材料の添加によって、高くなりすぎた膜の抵抗を適度に低減させる効果をも有する。
これらの相乗効果によって、感光体の残留電位を低減できるだけでなく、フィラーの分散性が向上したことにより、トナーにより形成されたドットの散りが少なくなり、より忠実なドット再現が可能な高画質画像を得ることが可能となる。
さらに、フィラーの分散性の向上は、保護層等の導電性支持体から最も離れた層の光透過性の向上や画像濃度ムラの抑制等、高画質化に与える効果が非常に多い上に、耐摩耗性の向上や塗膜欠陥の抑制等の多くの利点を有する。
加えて、フィラーが経時で凝集することなく、高安定かつ長寿命な保護層等の層形成用塗工液を得ることができ、結果として高耐久化と高画質化を両立する感光体を長期に渡って安定に製造することが可能となる。
さらに、該有機化合物を用いた場合、その化学構造に由来して、使用条件により生じるオゾンやNOxなどの酸化性ガスが吸着しやすく、最表面の低抵抗化を招き、画像流れ等の問題を引き起こす。
本発明においては、前記一般式(1)で表わされるジアミン化合物を含有させることによってこのような問題を解決できる。
次に、本発明に用いられるフィラーについて説明する。
フィラーには、有機性フィラー材料と無機性フィラー材料がある。
有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。
これらのフィラーの中で、フィラーの硬度の点から無機材料を用いることが耐摩耗性の向上に対し有利であり、特に金属酸化物が好ましい。
上記フィラーを含有させると、感光体の高耐久化を実現することはできるが、残留電位の上昇や画像ボケの発生等、画質劣化を引き起こす副作用が発生する。
本発明者らは、表面保護層に絶縁性の高いフィラーを含有させることによって画像ボケを抑制し、酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種を含有させることによって残留電位上昇を抑制できることを見出した。
残留電位の低減が可能となった要因として、一つには特定の酸価を有する材料が添加されたことが挙げられるが、他の要因としてはそれによってフィラーの分散性が向上されたことが挙げられる。
また、フィラーの分散性の向上は、単に残留電位上昇を抑制する効果だけに留まらず、表面保護層の書き込み光の透過率低下や画像濃度ムラの発生を防止することによって一層の高画質化が実現でき、さらに耐摩耗性の向上や塗膜欠陥の発生を防止する等の多方面に渡る効果をも併せ持っている。
上記記載のように、電気絶縁性が高いフィラーが好ましく、該フィラーとしてはフィラーのpHが5以上を示すものやフィラーの誘電率が5以上を示すものが特に有効であり、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等が特に有効に使用できる。
また、pHが5以上のフィラーあるいは誘電率が5以上のフィラーを単独で使用することはもちろん、pHが5以下のフィラーとpHが5以上のフィラーとを2種類以上を混合したり、誘電率が5以下のフィラーと誘電率が5以上のフィラーとを2種類以上混合したりして、異なった2種以上のフィラーを併用して用いることも可能である。
また、これらのフィラーの中でも高い絶縁性を有し、熱安定性が高い上に、耐摩耗性が高い六方細密構造であるα型アルミナは、画像ボケの抑制や耐摩耗性の向上の点から特に有用である。
さらに、これらのフィラーは少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。
フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。
表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤を使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。
例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al、TiO、ZrO、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラーの分散性及び画像ボケの抑制の点からより好ましい。
シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。
表面処理量については、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、3〜30wt%が適しており、5〜20wt%がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないとフィラーの分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。
また、フィラーの平均一次粒径は、0.01〜0.5μmであることが表面保護層の光透過率や耐摩耗性の点から好ましい。フィラーの平均一次粒径が0.01μm未満の場合は、耐摩耗性の低下、分散性の低下等を引き起こし、0.5μmを越える場合には、フィラーの沈降性が促進されたり、トナーのフィルミングが発生したりする可能性がある。
また、フィラーの含有量としては、5〜50wt%が好ましく、より好ましくは10〜40wt%である。該含有量が5wt%未満であると耐摩耗性はあるものの充分ではなく、50wt%を越えると表面保護層の透明性が損なわれる。
次に、表面保護層に含有させる、酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物について説明する。
酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物を含有させると、フィラーの添加によって発生した、残留電位上昇を抑制することができる。酸価とは、1g中に含まれる遊離脂肪酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数で定義される。
これらの酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物としては、一般に知られている有機脂肪酸や高酸価樹脂等、酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物であればすべて使用することができる。
しかし、非常に低分子のマレイン酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸等の有機酸やアクセプター等はフィラーの分散性を大幅に低下させてしまう可能性があるため、残留電位低減効果が充分に発揮されなくなる場合がある。
従って、感光体の残留電位を低減させ、かつフィラーの分散性を高めるためには低分子量ポリマーや樹脂、共重合体等、さらにはそれらを混合させて使用することが好ましい。
それらの有機化合物の構造としては、立体障害が少ないリニアの構造を有することがより好ましい。
分散性を向上させるためには、フィラーと結着樹脂との双方に親和性を持たせることが必要であり、立体障害が大きな材料は、それらの親和性が低下することにより、分散性が低下し、前述のような多くの問題を発生させることにつながる。
かかる観点から、酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物としては、ポリカルボン酸が好ましい。
該ポリカルボン酸としては、カルボキシル基を2個以上有する有機化合物や、カルボン酸をポリマーあるいはコポリマー中に含む構造を有する化合物であって、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル酸やメタクリル酸を用いた共重合体、スチレン−アクリル共重合体等、カルボン酸を含む有機化合物あるいはその誘導体はすべて使用することが可能である。
また、これらの材料は2種以上混合して用いることが可能であり、かつ有用である。
場合によっては、これら(ポリエステル樹脂等)の材料と有機脂肪酸とを混合させることによって、フィラーの分散性あるいはそれに伴う残留電位の低減効果が高まることがある。
本発明においては、酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物を用いるが、有機化合物の酸価としては、さらに30〜400(mgKOH/g)が好ましく、より好ましくは30〜200(mgKOH/g)が適している。酸価が必要以上に高いと抵抗が下がりすぎて画像ボケの影響が大きくなり、酸価が低すぎると添加量を多くする必要が生じる上、残留電位の低減効果が不充分となる。
また、該有機化合物の酸価は、その添加量とのバランスにより決めることが必要である。同じ添加量でも酸価が高ければ残留電位低減効果が高いというわけではなく、その効果はこれら酸価が10〜400mgKOH/gの有機化合物のフィラーへの吸着性にも大きく関係している。ただし、該有機化合物の酸価は残留電位低減効果に直接影響するものではなく、用いる有機化合物の構造あるいは分子量、フィラーの分散性等によって大きく影響される。
これらの、酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物の含有量は、その酸価とフィラーの含有量によって決められる。
例えば、酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物を二種類用いる場合、酸価が10〜400(mgKOH/g)の一の有機化合物の含有量をA、酸価が10〜400(mgKOH/g)の他の有機化合物の酸価をB、前記フィラーの含有量をCとしたときに、A、B及びCとの間に下記の関係式(a)を満たすことが好ましいが、該式(a)を満たす範囲内で必要最小量に設定することがより好ましい。
0.1≦酸価当量(A×B/C)≦20 ・・・式(a)
酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物の含有量を必要以上に多くすると、逆に分散不良を引き起こしたり、画像ボケの影響が強く現れる場合があり、含有量が少なすぎると分散不良や残留電位低減効果が不充分となる場合がある。
これらの、酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物の添加量としては、通常、含有されるフィラーに対して0.01〜50wt%が好ましく、より好ましくは0.1〜20wt%であるが、必要最小量に設定することがより好ましい。
表面保護層に含有されるフィラー材料は、少なくとも有機溶剤、酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物等とともにボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などの従来方法を用いて分散することができる。
この中でも、フィラーと酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物との接触効率を高くすることができ、外界からの不純物の混入が少ないボールミルによる分散が分散性の点からより好ましい。
使用されるメディアの材質については、従来使用されているジルコニア、アルミナ、メノウ等すべてのメディアを使用することができるが、フィラーの分散性及び残留電位低減効果の点から特にアルミナを使用することがより好ましい。
ジルコニアは分散時のメディアの摩耗量が大きく、それらの混入によって残留電位が著しく増加する。さらに、その摩耗粉の混入によって分散性が大きく低下し、フィラーの沈降性が促進される。
一方、メディアにアルミナを使用した場合には、分散時にメディアは摩耗されるものの、摩耗量は低く抑えられる上に、混入した摩耗粉が残留電位に与える影響が非常に小さい。また、摩耗粉が混入しても分散性に対して悪影響が少ない。従って、分散に使用するメディアにはアルミナを使用することがより好ましい。
また、酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物は、フィラーや有機溶剤とともに分散前より添加することによって、塗工液中のフィラーの凝集、さらにはフィラーの沈降性を抑制し、フィラーの分散性が著しく向上することから、分散前より添加することが好ましい。
一方、結着樹脂や電荷輸送物質は、分散前に添加することも可能であるが、その場合分散性が若干低下する場合が見られる。従って、結着樹脂や電荷輸送物質は、有機溶剤に溶解された状態で分散後に添加することが好ましい。
次に、表面保護層に含有させる、下記一般式(1)で表わされるジアミン化合物について詳細に説明する。
Figure 0005454041
〔(1)式中、R、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、芳香族炭化水素基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R、Rは互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表わす。〕
一般式(1)で表わされるジアミン化合物は、非特許文献2のEdmond Elce and Allan S. Hay,Polymer,Vol.37,No.9,1745(1996)に記載されている。
該ジアミン化合物は、感光体を繰り返し使用する際の画像品質維持に有効である。
その理由は、現時点では明らかになっていないが、化学構造内に含まれるアルキルアミノ基が塩基性の強い基であるので、画像ボケの原因物質と考えられている酸化性ガスに対しての中和効果が推測される。
また、芳香族炭化水素環基置換アミノ基は、電荷輸送能が優れる感応基であることが知られており(非特許文献3の[高橋ら、電子写真学会誌、25巻、3号、16頁、1986年])、本発明に用いられるジアミン化合物はこの基を含むことから電荷輸送能の高い化合物であることがわかる。更には、他の電荷輸送物質と併用することにより高感度、並びに繰り返し安定性等がさらに増すことも見出されている。
前記一般式(1)で表わされるジアミン化合物は、前記非特許文献2(E.Elce and A.S.Hay,Polymer,Vol.37,No.9,1745(1996))に記載の方法によって容易に製造することができる。
すなわち、特許文献4の特許第4101676号公報で開示されている下記一般式(11)で表わされるジアミン化物と、下記一般式(12)で表わされるアニリン化合物とを塩基性物質の存在下、室温から100℃程度の温度において反応させることにより得ることができる。
Figure 0005454041
〔(11)式中、R、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、芳香族炭化水素基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R、Rは互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表わす。〕
Figure 0005454041
〔(12)式中、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表わす。〕
上記塩基性化合物の具体例としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、及びナトリウムメチラート、カリウム−t−ブトキシドなどを挙げることができる。
また反応溶媒としてはジオキサン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリルなどを挙げることができる。
前記一般式(1)、(12)の説明にある、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、及びウンデカニル基などを挙げることができる。
また、芳香族炭化水素基としてはベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フルオレン及びピレンなどの芳香族環、並びにピリジン、キノリン、チオフェン、フラン、オキサゾール、オキサジアゾール、カルバゾールなど芳香族複素環の基が挙げられる。
また、これらの置換基としては、上記アルキル基の具体例で挙げたもの、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、またはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のハロゲン原子、前記芳香族炭化水素基、及びピロリジン、ピペリジン、ピペラジンなどの複素環の基などが挙げられる。
更に、R、Rが互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成する場合、その複素環基としてはピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基などに芳香族炭化水素基が縮合した縮合複素環基を挙げることができる。
以下に、下記一般式(1)で表わされるジアミン化合物の好ましい例を挙げる。
但し、本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。
Figure 0005454041
Figure 0005454041
Figure 0005454041
Figure 0005454041
次に、本発明の電子写真感光体の層構成に関して、図1〜3に基づいて説明する。
尚、図1〜3は本発明の電子写真感光体を表わす断面図である。
図1の構成においては、導電性支持体(31)上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層(33)が設けられ、更に感光層表面に保護層(39)が設けられている。
図2の構成においては、導電性支持体(31)上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)とが積層されており、更に電荷輸送層上に保護層(39)が設けられている。
図3の構成においては、導電性支持体(31)上に、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)と電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)とが積層されており、更に電荷発生層上に保護層(39)が設けられている。
本発明の感光体を構成する導電性支持体(31)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体(31)として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体(31)として用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。
また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂、または光硬化性樹脂が挙げられる。
このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体(31)として良好に用いることができる。
次に、本発明の感光体を構成する感光層について説明する。
感光層は単層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層(35)と電荷輸送層(37)で構成される場合から述べる。
尚、感光層を電荷発生層(35)と電荷輸送層(37)で構成する場合、上記一般式(1)で表わされるジアミン化合物は電荷輸送層(37)に含有させることが好ましい。
感光層を構成する電荷発生層(35)は、電荷発生物質を主成分とする層である。
電荷発生層(35)には、公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、シーアイピグメントブルー25(カラーインデックスCI21180)、シーアイピグメントレッド41(CI21200)、シーアイアシッドレッド52(CI45100)、シーアイベーシックレッド3(CI45210)、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−95033号公報に記載)、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−133445号公報)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−132347号公報に記載)、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728号公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12742号公報に記載)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号公報に記載)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17733号公報に記載)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2129号公報に記載)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−14967号公報に記載)、ベンズアントロン骨格を有するアゾ顔料などのアゾ顔料。
例えば、シーアイピグメントブルー16(CI74100)、Y型オキソチタニウムフタロシアニン(特開昭64−17066号公報)、A(β)型オキソチタニウムフタロシアニン、B(α)型オキソチタニウムフタロシアニン、I型オキソチタニウムフタロシアニン(特開平11−21466号公報に記載)、II型クロロガリウムフタロシアニン(飯島他、日本化学会第67春季年回、1B4、04(1994))、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン(大門他、日本化学会第67春季年回、1B4、05(1994))、X型無金属フタロシアニン(米国特許第3,816,118号)などのフタロシアニン系顔料、シーアイバットブラウン5(CI73410)、シーアイバットダイ(CI73030)などのインジコ系顔料、アルゴスカーレットB(バイエル社製)、インタンスレンスカーレットR(バイエル社製)などのペリレン顔料などが挙げられる。なお、これらの材料は単独あるいは2種類以上が併用されてもよい。
感光層を構成する電荷発生層(35)は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
必要に応じて電荷発生層(35)に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンゾール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。結着樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。
電荷発生層(35)の形成に用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。これらは単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
電荷発生層(35)は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層(35)を形成する際の塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層(35)の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
感光層を構成する電荷輸送層(37)は、電荷輸送物質を主成分とする層である。
該電荷輸送層(37)は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
電荷輸送層(37)を構成する結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、通常20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。
また、電荷輸送層(37)の膜厚は解像度・応答性の点から、25μm以下とすることが好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)に異なるが、5μm以上が好ましい。
電荷輸送層(37)の形成に用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。
電荷輸送層(37)は、上記に示すような電荷輸送物質単独もしくは結着樹脂と適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。
また、必要により単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
以上のようにして得られた塗工液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等、従来の塗工方法を用いることができる。
保護層(39)には、耐摩耗性を向上する目的で前述に記載したフィラー及び、酸価10〜400(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、前記一般式(1)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種を含有させる。
また、結着樹脂としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。フィラーの分散性、残留電位、塗膜欠陥の点から、特にポリカーボネートあるいはポリアリレートが有効かつ有用である。
用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどの溶剤を使用することができる。
但し、分散時には粘度が高い溶剤が好ましいが、塗工時には揮発性が高い溶剤が好ましい。これらの条件を満たす溶剤がない場合には、各々の物性を有する溶剤を2種以上混合させて使用することが可能であり、フィラーの分散性や残留電位に対して大きな効果を有する場合がある。
保護層の形成法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の従来方法を用いることができるが、特に塗膜の均一性の面からスプレーコートがより好ましい。
さらに、保護層の必要膜厚を一度で塗工し、保護層を形成することも可能であるが、2回以上重ねて塗工し、保護層を多層にする方が膜中におけるフィラーの均一性の面からより好ましい。そうすることによって、残留電位の低減、解像度の向上、及び耐摩耗性の向上に対しより一層の効果が得られる。なお、保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。
また本発明の表面保護層中には、電荷輸送物質を含有させることでより残留電位を低減できる。
電荷輸送物質については、正孔輸送物質と電子輸送物質、及び高分子電荷輸送物質に分け、以下に説明する。
正孔輸送物質としては、例えば、ポリ−N−カルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、及び以下の一般式(2)〜(6)、(13)〜(31)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0005454041
〔(13)式中、Rはメチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基または2−クロルエチル基を表わし、Rはメチル基、エチル基、ベンジル基またはフェニル基を表わし、Rは水素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基またはニトロ基を表わす。〕
上記一般式(13)で表わされる化合物には、例えば、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾンなどがある。
Figure 0005454041
〔(14)式中、Arはナフタレン環、アントラセン環、ピレン環及びそれらの置換体あるいはピリジン環、フラン環、チオフェン環を表わし、Rはアルキル基、フェニル基またはベンジル基を表わす。〕
上記一般式(14)で表わされる化合物には、例えば、4−ジエチルアミノスチリル−β−アルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、4−メトキシナフタレン−1−アルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾンなどがある。
Figure 0005454041
〔(15)式中、Rはアルキル基、ベンジル基、フェニル基またはナフチル基を表わし、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ジアラルキルアミノ基、または置換もしくは無置換のジアリールアミノ基を表わし、nは1〜4の整数を表わし、nが2以上のときはRは同じでも異なっていてもよい。Rは水素原子またはメトキシ基を表わす。〕
上記一般式(15)で表わされる化合物には、例えば、4−メトキシベンズアルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、2,4−ジメトキシベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−メトキシベンズアルデヒド−1−(4−メトキシ)フェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾンなどがある。
Figure 0005454041
〔(16)式中、Rは炭素数1〜11のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基または複素環基を表わし、R、Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、クロルアルキル基または置換もしくは無置換のアラルキル基を表わし、また、RとRは互いに結合し窒素を含む複素環を形成していてもよい。Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表わす。〕
上記一般式(16)で表わされる化合物には、例えば、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、2,2’−ジメチル−4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−トリフェニルメタンなどがある。
Figure 0005454041
〔(17)式中、Rは水素原子またはハロゲン原子を表わし、Arは置換もしくは無置換のフェニル基、ナフチル基、アントリル基またはカルバゾリル基を表わす。〕
上記一般式(17)で表わされる化合物には、例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、9−ブロム−10−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンなどがある。
Figure 0005454041
〔(18)式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基または炭素数1〜4のアルキル基を表わし、Arは下記一般式(19)または一般式(20)を表わす。〕
Figure 0005454041
Figure 0005454041
〔(19)式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表わし、(20)式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはジアルキルアミノ基を表わし、nは1または2であって、nが2のときはRは同一でも異なっていてもよく、R、Rは水素原子、炭素数1〜4の置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のベンジル基を表わす。〕
上記一般式(18)で表わされる化合物には、例えば、9−(4−ジメチルアミノベンジリデン)フルオレン、3−(9−フルオレニリデン)−9−エチルカルバゾールなどがある。
Figure 0005454041
〔(21)式中、Rはカルバゾリル基、ピリジル基、チエニル基、インドリル基、フリル基あるいはそれぞれ置換もしくは非置換のフェニル基、スチリル基、ナフチル基、またはアントリル基であって、これらの置換基がジアルキルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基またはそのエステル、ハロゲン原子、シアノ基、アラルキルアミノ基、N−アルキル−N−アラルキルアミノ基、アミノ基、ニトロ基及びアセチルアミノ基からなる群から選ばれた基を表わす。〕
上記一般式(21)で表わされる化合物には、例えば、1,2−ビス(4−ジエチルアミノスチリル)ベンゼン、1,2−ビス(2,4−ジメトキシスチリル)ベンゼンなどがある。
Figure 0005454041
〔(22)式中、Rは低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、またはベンジル基を表わし、R、Rは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基あるいは低級アルキル基またはベンジル基で置換されたアミノ基を表わし、nは1または2の整数を表わす。〕
上記一般式(22)で表わされる化合物には、例えば、3−スチリル−9−エチルカルバゾール、3−(4−メトキシスチリル)−9−エチルカルバゾールなどがある。
Figure 0005454041
〔(23)式中、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表わし、RおよびRは置換もしくは無置換のアリール基を表わし、Rは水素原子、低級アルキル基または置換もしくは無置換のフェニル基を表わし、また、Arは置換もしくは無置換のフェニル基またはナフチル基を表わす。〕
上記一般式(23)で表わされる化合物には、例えば、4−ジフェニルアミノスチルベン、4−ジベンジルアミノスチルベン、4−ジトリルアミノスチルベン、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ナフタレンなどがある。
Figure 0005454041
〔(2)式中、nは0または1の整数、Rは水素原子、アルキル基または置換もしくは無置換のフェニル基を表わし、Arは置換もしくは無置換のアリール基を表わし、Rは炭素数1〜4アルキル基、あるいは置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。また、Aは下記一般式(3)、下記一般式(4)、9−アントリル基または置換もしくは無置換のカルバゾリル基を表わす。また、nが0のとき、AとRは共同で環を形成してもよい。〕
Figure 0005454041
Figure 0005454041
〔一般式(3)又は一般式(4)中、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子または下記一般式(5)を表わし、mは1〜3の整数を表わし、2以上のときRは同一でも異なってもよい。〕
Figure 0005454041
〔(5)式中、RおよびRは置換もしくは無置換の芳香環基を示し、RおよびRは同じでも異なっていてもよく、環を形成してもよい。〕
上記一般式(2)で表わされる化合物には、例えば、4’−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベン、4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−α−フェニルスチルベンなどがある。
Figure 0005454041
〔(24)式中、R、RおよびRは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子またはジアルキルアミノ基を表わし、nは0または1を表わす。〕
上記一般式(24)で表わされる化合物には、例えば、1−フェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリンなどがある。
Figure 0005454041
〔(25)式中、RおよびRは置換アルキル基を含むアルキル基、または置換もしくは未置換のアリール基を表わし、Aは置換アミノ基、置換もしくは未置換のアリール基またはアリル基を表わす。〕
上記一般式(25)で表わされる化合物には、例えば、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−N,N−ジフェニルアミノ−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジメチルアミノフェニル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどがある。
Figure 0005454041
〔(26)式中、Xは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン原子を表わし、Rは置換アルキル基を含むアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表わし、Aは置換アミノ基または置換もしくは無置換のアリール基を表わす。〕
上記一般式(26)で表わされる化合物には、例えば、2−N,N−ジフェニルアミノ−5−(N−エチルカルバゾール−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジエチルアミノフェニル)−5−(N−エチルカルバゾール−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾールなどがある。
Figure 0005454041
〔(27)式中、Rは低級アルキル基、低級アルコキシ基またはハロゲン原子を表わし、R、Rは同じでも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基またはハロゲン原子を表わし、l、m、nは0〜4の整数を表わす。〕
上記一般式(27)で表わされるベンジジン化合物には、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、3,3’−ジメチル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどがある。
Figure 0005454041
〔(6)式中、R、RおよびRは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子または置換もしくは無置換のアリール基を、Rは水素原子、アルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基またはハロゲン原子を表わす。ただし、R、R、RおよびRはすべて水素原子である場合は除く。また、k、l、mおよびnは1、2、3または4の整数であり、それぞれが2、3または4の整数のときは、前記R、R、RおよびRは同じでも異なっていてもよい。〕
また、上記一般式(6)で表わされるビフェニリルアミン化合物には、例えば、4’−メトキシ−N,N−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、4’−メチル−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、4’−メトキシ−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミンなどがある。
Figure 0005454041
〔(28)式中、Arは置換基を有してもよい炭素数18個以下の縮合多環式炭化水素基を表わし、また、RおよびRは水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、置換もしくは無置換のフェニル基を表わし、それぞれ同じでも異なっていてもよい。nは1もしくは2の整数を表わす。〕
上記一般式(28)で表わされるトリアリールアミン化合物には、例えば、N,N−ジフェニル−ピレン−1−アミン、N,N−ジ−p−トリル−ピレン−1−アミン、N,N−ジ−p−トリル−1−ナフチルアミン、N,N−ジ(p−トリル)−1−フェナントリルアミン、9,9−ジメチル−2−(ジ−p−トリルアミノ)フルオレン、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(3−メチルフェニル)−m−フェニレンジアミンなどがある。
Figure 0005454041
〔(29)式中、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表わし、Aは下記一般式(30)を表わす。〕
Figure 0005454041
〔(30)式中、Ar’は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表わし、RおよびRは置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。〕
上記一般式(29)で表わされるジオレフィン芳香族化合物には、例えば、1,4−ビス(4−ジフェニルアミノスチリル)ベンゼン、1,4−ビス[4−ジ(p−トリル)アミノスチリル]ベンゼンなどがある。
Figure 0005454041
〔(31)式中、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を、Rは水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表わす。nは0または1、mは1または2であって、n=0、m=1の場合、ArとRは共同で環を形成してもよい。〕
上記一般式(31)で表わされるスチリルピレン化合物には、例えば、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ピレン、1−(N,N−ジ−p−トリル−4−アミノスチリル)ピレンなどがある。
本発明においては、以上説明した電荷輸送物質の中でも、上記一般式(2)、(6)で表わされるものが好ましい。
これらは低分子電荷輸送物質の中でも特に移動度特性、電荷発生材料からの電荷注入特性、並びに繰り返し静電疲労特性が優れるものであるため、感光層中に用いることにより高感度かつ安定な電子写真感光体が得られるものである。
また、電荷輸送層(37)を構成する電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−インデノ4H−インデノ[1,2−b]チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどを挙げることができ、さらに下記一般式(32)〜(35)で表わされる電子輸送物質を好適に使用することができる。これらの電荷輸送物質は単独または2種類以上混合して用いられる。
Figure 0005454041
〔(32)式中R、RおよびRは水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、置換もしくは無置換のフェニル基を表わし、それぞれ同じでも異なっていてもよい。〕
Figure 0005454041
〔(33)式中R、Rは水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基を表わし、それぞれ同じでも異なっていてもよい。〕
Figure 0005454041
〔(34)式中R、RおよびRは水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、置換もしくは無置換のフェニル基を表わし、それぞれ同じでも異なっていてもよい。〕
Figure 0005454041
〔(35)式中、Rは置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を示し、Rは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または下記一般式(36)で表わされる基を示す。〕
−O−R ・・・一般式(36)
〔(36)式中、Rは、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を示す。〕
表面保護層(39)を形成する際に用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。電荷輸送物質は単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。
表面保護層(39)に添加される酸化防止剤としては、後述される一般の酸化防止剤が使用できるが、(c)ハイドロキノン系、及び(f)ヒンダードアミン系の化合物が特に効果的である。
但し、ここで用いられる酸化防止剤は、後述の目的と異なり、あくまでも本発明に用いられるジアミン化合物の変質保護のために利用される。このため、これらの酸化防止剤は、ジアミン化合物を含有させる前の工程で塗工液に含有させておくことが好ましく、添加量としては、ジアミン化合物に対して0.1〜200wt%で充分な効果を発揮できる。
表面保護層(39)に用いる電荷輸送物質としては、電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂としての機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これらの高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れたものである。
高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。
中でも、以下の一般式(7)〜(10)、(37)〜(45)で表わされる化合物が良好に用いられる。
Figure 0005454041
〔(7)式中、R、Rは置換もしくは無置換の芳香環基、Ar、Ar、Arは同一あるいは異なる芳香環基を表わす。k、jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式(8)で表わされる2価基を表わす。〕
Figure 0005454041
〔(8)式中、R101、R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、芳香環基またはハロゲン原子を表わす。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)または、下記一般式(9)を表わす。ここで、R101とR102は、それぞれ同一でも異なってもよい。〕
Figure 0005454041
〔(9)式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表わす。ここで、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。〕
Figure 0005454041
〔(37)式中、R、R、Rはそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、Rは水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R、Rは置換もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数である。X、k、jおよびnは、上記(7)式の場合と同じである。〕
Figure 0005454041
〔(38)式中、R、R10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一あるいは異なるアリレン基を表わす。X、k、jおよびnは、上記(7)式の場合と同じである。〕
Figure 0005454041
〔(39)式中、R11、R12は置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一あるいは異なるアリレン基、pは1〜5の整数を表わす。X、k、jおよびnは、上記(7)式の場合と同じである。〕
Figure 0005454041
〔(40)式中、R13、R14は置換もしくは無置換のアリール基、Ar10、Ar11、Ar12は同一あるいは異なるアリレン基、X、Xは置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表わす。X、k、jおよびnは、上記(7)式の場合と同じである。〕
Figure 0005454041
〔(41)式中、R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一あるいは異なるアリレン基、Y、Y、Yは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同一であっても異なってもよい。X、k、jおよびnは、上記(7)式の場合と同じである。〕
Figure 0005454041
〔(42)式中、R19、R20は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表わし、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17、Ar18、Ar19は同一あるいは異なるアリレン基を表わす。X、k、jおよびnは、上記(7)式の場合と同じである。〕
Figure 0005454041
〔(43)式中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23は同一あるいは異なるアリレン基を表わす。X、k、jおよびnは、上記(7)式の場合と同じである。〕
Figure 0005454041
〔(44)式中、R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一あるいは又は異なるアリレン基を表わす。X、k、jおよびnは、上記(7)式の場合と同じである。〕
Figure 0005454041
〔(45)式中、R26、R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29、Ar30、Ar31は同一あるいは異なるアリレン基を表わす。X、k、jおよびnは、上記(7)式の場合と同じである。〕
Figure 0005454041
〔(10)式中、Ar、Ar、Ar、ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基、Zは芳香環基または−Ar−Za−Ar−を表わし、Arは置換もしくは無置換の芳香環基、ZaはO、Sまたはアルキレン基、RおよびR’は直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表わす。mは0または1を表わす。X、k、jおよびnは、上記(3)式の場合と同じである。〕
本発明においては、以上説明した高分子型電荷輸送物質の中でも、上記一般式(7)、(10)で表わされるものが好ましい。これらは高分子型電荷輸送物質の中でも耐摩耗性に優れ、かつ高移動度特性を示すものであるので、感光層に用いることにより高耐久かつ高感度な感光体が得られるものである。
次に、感光層が単層(図1参照)の場合について述べる。
該感光層(33)は、電荷発生物質および電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。
また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。電荷発生物質としては、前述した、複層の場合の電荷発生層(35)に用いたものと同じものが挙げられる。
感光層を単層で構成する場合の結着樹脂としては、先に電荷輸送層(37)で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層(35)で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。
もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。
結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
本発明の感光体においては、導電性支持体(31)と感光層との間に下引き層を設けることができる。
下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。
このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。
更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。
この他、本発明の下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤およびレベリング剤を添加することができる。
これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
本発明の感光体を構成する各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられる。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、トコフェロ−ル類など。
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
本発明の感光体を構成する各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられる。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
本発明の感光体を構成する各層に添加できる滑剤として、例えば下記のものが挙げられる。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
(f)金属石けん
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
本発明の感光体を構成する各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられる。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなど。
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど。
(c)ベンゾトリアゾール系
(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ3’−ターシャリブチル5’−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾールなど。
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレートなど。
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル(2,2’チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
次に、図面を用いて本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置について詳しく説明する。尚、画像形成方法についてはその代表として電子写真方法について説明し、画像形成装置についてはその代表として電子写真装置について説明する。
図4は、本発明の電子写真プロセス及び電子写真装置を説明するための概略図であり、下記のような例も本発明の範疇に属するものである。
図4において、感光体(1)は少なくとも感光層が設けられ、最表面層にフィラーを含有してなる。
感光体(1)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。帯電チャージャ(3)、転写前チャージャ(7)、転写チャージャ(10)、分離チャージャ(11)、クリーニング前チャージャ(13)には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)、帯電ローラ等が用いられ、公知の手段がすべて使用可能である。
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図に示されるように転写チャージャと分離チャージャを併用したものが効果的である。
また、画像露光部(5)、除電ランプ(2)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルタ、バンドパスフィルタ、近赤外カットフィルタ、ダイクロイックフィルタ、干渉フィルタ、色温度変換フィルタなどの各種フィルタを用いることもできる。
光源等は、図4に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
さて、現像ユニット(6)により感光体(1)上に現像されたトナーは、転写紙(9)に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体(1)上に残存するトナーも生ずる。
このようなトナーは、ファーブラシ(14)およびクリーニングブレード(15)により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
図5には、本発明による電子写真プロセスの別の例を示す。
感光体(21)は少なくとも感光層を有し、さらに最表面層にフィラーを含有しており、駆動ローラ(22a)、(22b)により駆動され、帯電器(23)による帯電、光源(24)による像露光、現像(図示せず)、帯電器(25)を用いる転写、光源(26)によるクリーニング前露光、ブラシ(27)によるクリーニング、光源(28)による除電が繰返し行なわれる。
第5図においては、感光体(21)(勿論この場合は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
以上の図示した電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。
例えば、第5図において支持体側よりクリーニング前露光を行なっているが、これは感光層側から行なってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行なってもよい。
一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。
プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。
プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図6に示すものが挙げられる。感光体(16)は、導電性支持体上に、少なくとも感光層を有し、かつ最表面層にフィラーを含有してなる。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明が実施例により制約を受けるものではない。なお、部はすべて重量部である。
<合成例1(化合物No.23の合成)>
下記式で表わされるジアミン化合物8.08g(18.0mmol)、ベンジリデンアニリン7.18g(39.6mmol)、カリウム tert−ブトキシド20.2g(180mmol)と、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)75mlをアルゴン気流下、75℃の内温にて2時間加熱撹拌をおこなった。
Figure 0005454041
室温まで放冷後、内容物を300mlの水に注ぎ、30分間撹拌をおこなった後、析出した黄色粉末を濾取した。さらに得られた黄色粉末を水洗2回、メタノール洗浄2回おこない、減圧下加熱乾燥して淡黄色粉末の以下の構造式で表わされる化合物No.23のジアミン化合物を9.15g(収率81.4%)得た。
Figure 0005454041
このものの融点は149.5〜153.0℃であった。
得られた結晶をLC−MSで分析したところ、目的とする化合物No.23のジアミン化合物(分子量計算値:624.35)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]に相当する625.30のピークが観測された。
赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図8に示す。
アルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、浸漬塗工によって順次塗布、乾燥し、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成した。さらに、下記組成の表面保護層をスプレー塗工によって約4μmの保護層を形成した(感光体1)。
◎下引き層塗工液
・二酸化チタン粉末: 400部
・メラミン樹脂: 65部
・アルキッド樹脂: 120部
・2−ブタノン: 400部
◎電荷発生層塗工液
・下記構造式(46)のフルオレノン系ビスアゾ顔料: 12部
・ポリビニルブチラール: 5部
・2−ブタノン: 200部
・シクロヘキサノン: 400部
Figure 0005454041
◎電荷輸送層塗工液
・ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成社製): 10部
・下記構造式(47)の電荷輸送物質: 10部
・テトラヒドロフラン: 100部
Figure 0005454041
◎表面保護層塗工液
・アルミナフィラー(平均一次粒径:0.3μm、スミコランダムAA−03 住友化学工業製): 2部
・例示化合物7で表わされる化合物: 4部
・不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液(酸価180mgKOH/g、固形分50%、BYK−P104 BYKケミー社製): 0.02部
・ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成社製): 6部
・テトラヒドロフラン: 220部
・シクロヘキサノン: 80部
実施例1において、例示化合物No.7のジアミン化合物の代わりに、例示化合物No.2のジアミン化合物を用いた以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体2を作製した。
実施例1において、例示化合物No.7のジアミン化合物の代わりに、例示化合物No.3のジアミン化合物を用いた以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体3を作製した。
実施例1において、例示化合物No.7のジアミン化合物の代わりに、例示化合物No.4のジアミン化合物を用いた以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体4を作製した。
実施例1において、例示化合物No.7のジアミン化合物の代わりに、例示化合物No.6のジアミン化合物を用いた以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体5を作製した。
実施例1において、例示化合物No.7のジアミン化合物の代わりに、例示化合物No.11のジアミン化合物を用いた以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体6を作製した。
実施例1において、例示化合物No.7のジアミン化合物の代わりに、例示化合物No.14のジアミン化合物を用いた以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体7を作製した。
実施例1において、例示化合物No.7のジアミン化合物の代わりに、例示化合物No.16のジアミン化合物を用いた以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体8を作製した。
実施例1において、例示化合物No.7のジアミン化合物の代わりに、例示化合物No.17のジアミン化合物を用いた以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体9を作製した。
実施例1において、例示化合物No.7のジアミン化合物の代わりに、例示化合物No.21のジアミン化合物を用いた以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体10を作製した。
実施例1において、例示化合物No.7のジアミン化合物の代わりに、例示化合物No.23のジアミン化合物を用いた以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体11を作製した。
実施例1において、例示化合物No.7のジアミン化合物の代わりに、例示化合物No.26のジアミン化合物を用いた以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体12を作製した。
実施例1において、例示化合物No.7のジアミン化合物の代わりに、例示化合物No.29のジアミン化合物を用いた以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体13を作製した。
実施例1において、例示化合物No.7のジアミン化合物の代わりに、例示化合物No.31のジアミン化合物を用いた以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体14を作製した。
実施例1において、例示化合物No.7のジアミン化合物の代わりに、例示化合物No.41のジアミン化合物を用いた以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体15を作製した。
実施例1において、保護層に含有されるポリカルボン酸を下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体16を作製した。
・不飽和ポリカルボン酸ポリマー(酸価365mgKOH/g、BYK−P105 BYKケミー社製): 0.02部
実施例1において、保護層に含有されるポリカルボン酸を下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体17を作製した。
・ポリエステル樹脂(酸価35mgKOH/g): 0.2部
実施例1において、保護層に含有されるポリカルボン酸を下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体18を作製した。
・ポリエステル樹脂(酸価50mgKOH/g): 0.2部
実施例1において、保護層に含有されるポリカルボン酸を下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体19を作製した。
・アクリル樹脂(酸価65mgKOH/g、ダイヤナールBR−605 三菱レイヨン社製): 0.1部
実施例1において、保護層に含有されるポリカルボン酸を下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体20を作製した。
・アクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体(酸価50mgKOH/g)
: 0.1部
実施例1において、保護層に含有されるポリカルボン酸を下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体21を作製した。
・マレイン酸モノアルキル/スチレン/ブチルアクリレート(酸価50mgKOH/g): 0.1部
実施例1において、保護層に含有されるポリカルボン酸を下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体22を作製した。
・スチレン/アクリル共重合体(酸価200mgKOH/g、FB−1522 三菱レイヨン社製): 0.1部
実施例1において、保護層に含有されるポリカルボン酸を下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体23を作製した。
・ポリエステル樹脂(酸価15mgKOH/g): 0.2部
実施例1において、保護層に含有されるフィラーを下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体24を作製した。
・酸化チタン(平均一次粒径0.3μm、CR−97 石原産業社製): 2部
実施例1において、保護層に含有されるフィラーを下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体25を作製した。
・シランカップリング処理酸化チタン(平均一次粒径0.015μm、処理量20%、MT100SA テイカ社製): 2部
実施例1において、保護層に含有されるフィラーを下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体26を作製した。
・シリカ(平均粒径0.1μm、KMPX100 信越シリコーン社製): 2部
以上のように作製した電子写真感光体を、電子写真プロセス用カートリッジに装着し、帯電方式をコロナ帯電方式(スコロトロン型)、画像露光光源を655nmの半導体レーザー(LD)を用いたリコー製imagio MP 2550改造機にて暗部電位800(−V)に設定した後、連続してトータル10万枚印刷相当の繰り返し試験をおこなった。
その際、初期画像及び繰り返し試験後の画像について評価を行なった。
また、初期及び繰り返し試験後の明部電位も測定した。結果を表2に示す。
Figure 0005454041
実施例1における表面保護層塗工液を、下記組成のものに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体27を作製した。
◎表面保護層塗工液
・アルミナフィラー(平均一次粒径:0.3μm、スミコランダムAA−03 住友化学工業社製): 2部
・例示化合物7で表わされる化合物: 0.5部
・不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液(酸価180mgKOH/g、固形分50%、BYK−P104 BYKケミー社製): 0.02部
・下記構造式(48)の電荷輸送物質: 3.5部
・ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成社製): 6部
・テトラヒドロフラン: 220部
・シクロヘキサノン: 80部
Figure 0005454041
実施例1における電荷輸送層塗工液、及び表面保護層塗工液を、下記組成のものに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体28を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
・ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成社製): 10部
・下記構造式(49)の電荷輸送物質: 10部
・テトラヒドロフラン: 100部
◎表面保護層塗工液
・アルミナフィラー(平均一次粒径:0.3μm、スミコランダムAA−03 住友化学工業社製): 2部
・例示化合物7で表わされる化合物: 0.5部
・不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液(酸価180mgKOH/g、固形分50%、BYK−P104 BYKケミー製): 0.02部
・下記構造式(49)の電荷輸送物質: 3.5部
・ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成社製): 6部
・テトラヒドロフラン: 220部
・シクロヘキサノン: 80部
Figure 0005454041
実施例1における電荷輸送層塗工液、及び表面保護層塗工液を、下記組成のものに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体29を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
・ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成社製): 10部
・下記構造式(50)の電荷輸送物質: 10部
・テトラヒドロフラン: 100部
◎表面保護層塗工液
・アルミナフィラー(平均一次粒径:0.3μm、スミコランダムAA−03 住友化学工業社製): 2部
・例示化合物7で表わされる化合物: 0.5部
・不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液(酸価180mgKOH/g、固形分50%、BYK−P104 BYKケミー社製): 0.02部
・下記構造式(50)の電荷輸送物質: 3.5部
・ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成社製): 6部
・テトラヒドロフラン: 220部
・シクロヘキサノン: 80部
Figure 0005454041
実施例1における表面保護層塗工液を、下記組成のものに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体30を作製した。
◎表面保護層塗工液
・アルミナフィラー(平均一次粒径:0.3μm、スミコランダムAA−03 住友化学工業社製): 2部
・例示化合物7で表わされる化合物: 0.5部
・不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液(酸価180mgKOH/g、固形分50%、BYK−P104 BYKケミー製): 0.02部
・下記構造式(51)の高分子電荷輸送物質: 7部
・テトラヒドロフラン: 220部
・シクロヘキサノン: 80部
Figure 0005454041
実施例1における表面保護層塗工液を、下記組成のものに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体31を作製した。
◎表面保護層塗工液
・アルミナフィラー(平均一次粒径:0.3μm、スミコランダムAA−03 住友化学工業社製): 2部
・例示化合物7で表わされる化合物: 0.5部
・不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液(酸価180mgKOH/g、固形分50%、BYK−P104 BYKケミー製): 0.02部
・下記構造式(52)の高分子電荷輸送物質: 7部
・テトラヒドロフラン: 220部
・シクロヘキサノン: 80部
Figure 0005454041
実施例1における表面保護層塗工液を、下記組成のものに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体32を作製した。
◎表面保護層塗工液
・アルミナフィラー(平均一次粒径:0.3μm、スミコランダムAA−03 住友化学工業社製): 2部
・例示化合物7で表わされる化合物: 0.5部
・不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液(酸価180mgKOH/g、固形分50%、BYK−P104 BYKケミー社製): 0.02部
・下記構造式(53)の高分子電荷輸送物質: 7部
・テトラヒドロフラン: 220部
・シクロヘキサノン: 80部
Figure 0005454041
以上のように作製した電子写真感光体27〜32を、前記と同様に評価した。
結果を表3に示す。
Figure 0005454041
実施例1における電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液、表面保護層を下記のものに変更した以外は、同様に操作して、電子写真感光体33を作製した。
◎電荷発生層塗工液
・図9に示す粉末XDスペクトルを有するオキソチタニウムフタロシアニン: 8部
・ポリビニルブチラール(BX−1): 5部
・2−ブタノン: 400部
◎電荷輸送層塗工液
・ポリカーボネート樹脂(Zポリカ): 10部
・下記構造式(54)の電荷輸送物質: 7部
・トルエン: 70部
◎表面保護層塗工液
・アルミナフィラー(平均一次粒径:0.3μm、スミコランダムAA−03 住友化学工業社製): 2部
・例示化合物17で表わされる化合物: 0.5部
・不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液(酸価180mgKOH/g、固形分50%、BYK−P104 BYKケミー製): 0.02部
・下記構造式(54)の電荷輸送物質: 3.5部
・ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成社製): 6部
・テトラヒドロフラン: 220部
・シクロヘキサノン: 80部
Figure 0005454041
実施例33における表面保護層を下記のものに変更した以外は、同様に電子写真感光体34を作製した。
◎表面保護層塗工液
・アルミナフィラー(平均一次粒径:0.3μm、スミコランダムAA−03 住友化学工業製): 2部
・例示化合物36で表わされる化合物: 0.5部
・不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液(酸価180mgKOH/g、固形分50%、BYK−P104 BYKケミー製): 0.02部
・前記構造式(54)の電荷輸送物質: 3.5部
・ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成社製): 6部
・テトラヒドロフラン: 220部
・シクロヘキサノン: 80部
以上のように作製した電子写真感光体33〜34を、前記と同様に評価した。結果を表4に示す。
Figure 0005454041
[比較例1]
実施例28において、保護層形成用塗工液に含まれるフィラーを添加しなかった以外はすべて実施例28と同様にして、比較の電子写真感光体1を作製した。
[比較例2]
実施例28において、保護層形成用塗工液に含まれる酸価が180(mgKOH/g)の有機化合物を添加しなかった以外はすべて実施例28と同様にして、比較の電子写真感光体2を作製した。
[比較例3]
実施例28において、保護層形成用塗工液に含まれる酸価が180(mgKOH/g)の有機化合物を、酸価が7(mgKOH/g)のポリエステル樹脂に変更した以外は、すべて実施例28と同様にして、比較の電子写真感光体3を作製した。
[比較例4]
実施例28において、保護層形成用塗工液に含まれる酸価が180(mgKOH/g)の有機化合物を、酸価が500(mgKOH/g)のジトリメチロールプロパンテトラアクリレートに変更した以外は、すべて実施例28と同様にして、比較の電子写真感光体4を作製した。
[比較例5]
実施例28において、保護層形成用塗工液に含まれる例示化合物7で表わされるジアミン化合物を添加しなかった以外はすべて実施例28と同様にして、比較の電子写真感光体5を作製した。
[比較例6]
実施例28において、保護層形成用塗工液に含まれるジアミン化合物を、下記構造式(55)のスチルベン化合物(特開昭60−196768号公報記載)にした以外は、すべて実施例28と同様にして、比較の電子写真感光体6を作製した。
Figure 0005454041
[比較例7]
実施例28において、保護層形成用塗工液に含まれるジアミン化合物を、下記構造式(56)のテトラフェニルメタン化合物(特開2000−231204号公報記載)にした以外は、すべて実施例28と同様にして、比較の電子写真感光体7を作製した。
Figure 0005454041
[比較例8]
実施例28において、保護層形成用塗工液に含まれるジアミン化合物を、下記構造式(57)のヒンダードアミン系酸化防止剤にした以外は、すべて実施例28と同様にして、比較の電子写真感光体8を作製した。
Figure 0005454041
[比較例9]
実施例28において、保護層形成用塗工液に含まれるジアミン化合物を、下記構造式(58)のジアミン化合物(特許第4101676号公報記載)にした以外は、すべて実施例28と同様にして、比較の電子写真感光体9を作製した。
Figure 0005454041
以上のように作製した比較の電子写真感光体1〜9を、前記と同様に評価した。結果を表5に示す。
Figure 0005454041
以上の評価結果から、表面保護層がフィラー及び、酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物と、本発明のジアミン化合物を含有しない感光体を用いた場合、特に10万枚印刷後における画像品質の低下が見られることが確認された。
実施例28の電子写真感光体について50ppmの窒素酸化物(NOx)ガス濃度に調整されたデシケータ中に4日間放置し、前後における画像評価を行なった。
結果を表6に示す。
[比較例10〜14]
比較感光体5〜9の電子写真感光体について50ppmの窒素酸化物(NOx)ガス濃度に調整されたデシケータ中に4日間放置し、前後における画像評価を行なった。
結果を表6に示す。
Figure 0005454041
表6の評価結果より、感光体に本発明のジアミン化合物を含有させることによって、酸化性ガスに対する耐性、すなわち解像度低下抑止が大幅に向上することがわかる。
31 導電性支持体
33 感光層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 保護層
特開2000−231204号公報 特開昭60−196768号公報 特許第2884353号公報 特許第4101676号公報
伊丹ら、コニカテクニカルレポート、13巻、37頁、2000年 Edmond Elce and Allan S. Hay,Polymer,Vol.37,No.9,1745(1996) [高橋ら、電子写真学会誌、25巻、3号、16頁、1986年]

Claims (16)

  1. 導電性支持体上に少なくとも感光層、及び表面保護層が形成されていると共に、表面保護層がフィラー及び、酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(1)で表わされるジアミン化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0005454041
    〔(1)式中、R、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、芳香族炭化水素基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R、Rは互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表わす。〕
  2. 該表面保護層が含有する酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物が、ポリカルボン酸であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 該ポリカルボン酸が、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂のいずれか、あるいはそれらの構造を含む共重合体、もしくはそれらの混合物であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 該表面保護層が含有するフィラーが、少なくとも一種の金属酸化物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 該表面保護層が、電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 該電荷輸送物質が、下記一般式(2)で表わされる芳香族環集合化合物であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
    Figure 0005454041
    〔(2)式中、nは0または1の整数、Rは水素原子、アルキル基または置換もしくは無置換のフェニル基を表わし、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表わし、Rは炭素数1〜4アルキル基、あるいは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表わし、ArとRは共同で環を形成してもよい。Aは9−アントリル基、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、下記一般式(3)又は一般式(4)を表わす。また、nが0のとき、AとRは共同で環を形成してもよい。〕
    Figure 0005454041
    Figure 0005454041
    〔(3)又は(4)式中、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子または下記一般式(5)を表わし、mは1〜3の整数を表わし、mが2以上のときRは同一でも異なってもよい。〕
    Figure 0005454041
    〔(5)式中、RおよびRは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を示し、RおよびRは同じでも異なっていてもよく、環を形成してもよい。〕
  7. 該電荷輸送物質が、下記一般式(6)で表わされるアミノビフェニル化合物であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
    Figure 0005454041
    〔(6)式中、R、RおよびRは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子または置換もしくは無置換のアリール基を、Rは水素原子、アルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基またはハロゲン原子を表わす。また、k、l、mおよびnは1、2、3または4の整数であり、それぞれが2、3または4の整数のときは、前記R、R、RおよびRは同じでも異なっていてもよい。〕
  8. 該電荷輸送物質が、下記一般式(29)で表わされるジオレフィン芳香族化合物であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
    Figure 0005454041
    〔(29)式中、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表わし、Aは下記一般式(30)を表わす。〕
    Figure 0005454041
    〔(30)式中、Ar’は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表わし、RおよびRは置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。)〕
  9. 該電荷輸送物質が、高分子型電荷輸送物質であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
  10. 該高分子型電荷輸送物質が、下記一般式(7)で表わされる化合物であることを特徴とする請求項9に記載の電子写真感光体。
    Figure 0005454041
    〔(7)式中、R、Rは置換もしくは無置換の芳香環基、Ar、Ar、Arは同一あるいは異なる芳香環基を表わす。k、jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式(8)で表わされる2価基を表わす。〕
    Figure 0005454041
    〔(8)式中、R101、R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、芳香環基またはハロゲン原子を表わす。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)または、下記一般式(9)を表わす。ここで、R101とR102は、それぞれ同一でも異なってもよい。〕
    Figure 0005454041
    〔(9)式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表わす。ここで、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。〕
  11. 該高分子型電荷輸送物質が、下記一般式(10)で表わされる化合物であることを特徴とする請求項9に記載の電子写真感光体。
    Figure 0005454041
    〔(10)式中、Ar、Ar、Ar、ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基、Zは芳香環基または−Ar−Za−Ar−を表わし、Arは置換もしくは無置換の芳香環基、ZaはO、Sまたはアルキレン基、RおよびR’は直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表わす。mは0または1を表わす。k、j、n及びXは前記一般式(7)と同じである。〕
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法。
  13. 請求項1乃至11のいずれかに記載の電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行ない、かつ画像露光の際にはLDあるいはLED等によって感光体上に静電潜像の書き込みを行なうことを特徴とするデジタル方式の画像形成方法。
  14. 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および請求項1乃至11のいずれかに記載の電子写真感光体を具備してなることを特徴とする画像形成装置。
  15. 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および請求項1乃至11のいずれかに記載の電子写真感光体を具備し、画像露光手段にLDあるいはLED等を使用することによって前記電子写真感光体上に静電潜像の書き込みが行なわれることを特徴とするデジタル方式の画像形成装置。
  16. 少なくとも請求項1乃至11のいずれかに記載の電子写真感光体を具備してなることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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