JP6056573B2 - 電子写真感光体、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ等に用いられる電子写真感光体、並びに該電子写真感光体を用いた画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
近年、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展には目覚ましいものがある。特に、情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行うレーザープリンタ、デジタル複写機は、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。更に、それらは高速化技術との融合によりフルカラー印刷が可能なレーザープリンタ又はデジタル複写機へと応用されてきている。
そのような背景から、要求される感光体の機能としては、高画質化と高耐久化を両立させることが、特に重要な課題となっている。
これらの電子写真方式のレーザープリンタ、デジタル複写機等に使用される電子写真感光体としては、有機系の電子写真感光体を用いたものがコスト、生産性及び無公害性等の理由から一般に広く応用されている。
OPC感光体の層構成は単層型と機能分離型積層構造に大別される。最初の実用化OPCであるPVK−TNF電荷移動錯体型感光体は前者の単層型であった。
一方、1968年、林とRegensburgerにより各々独立してPVK/a−Se積層感光体が発明され、後には1977年Melzらにより、また1978年Schlosserにより有機顔料分散層と有機低分子分散ポリマー層という感光層全てが有機材料からなる積層感光体が発表された。これらは光を吸収して電荷を発生する電荷発生層(CGL)と、CGLで生成した電荷を注入、輸送し、表面電荷を中和する電荷輸送層(CTL)からなるという概念から、機能分離型積層感光体とも呼ばれる。
しかし、有機系の電子写真感光体は、無機系の電子写真感光体に比べて、繰り返し使用によって感光層の削れが大きく、感光層の削れが進むと、感光体の帯電電位の低下、光感度の劣化、感光体表面のキズ等による地汚れ、画像濃度低下、又は画質劣化が促進される傾向が強くなる。従来から有機系の電子写真感光体は、耐摩耗性が大きな課題として挙げられている。また、近年では画像形成装置の高速化又は装置の小型化に伴う感光体の小径化によって、感光体の高耐久化がより一層重要な課題となっている。
感光体の耐摩耗性向上を実現する方法としては、感光層に潤滑性を付与したり、硬化させたり、フィラーを含有させる方法、又は低分子電荷輸送物質分散ポリマー層の代わりに高分子電荷輸送物質を用いる方法が広く知られている。しかし、これらの方法により感光層の削れを抑えると新たな問題が生じる。即ち、感光層表面に繰り返し使用、周辺環境により生じるオゾン、NOx、その他の酸化性ガスが吸着し、繰り返し使用や使用環境によっては、最表面の低抵抗化を招き、画像流れ(画像ボケ)等の問題を引き起こすことが知られている。
従来はこのボケ発生物質が感光層と共に少しずつ削り取られることにより、問題はある程度回避されてきた。しかし、最近の更なる高解像、高耐久化の要求に応えるには、新たな手法を付与しなければならなくなってきている。
それらの影響を軽減させる1つの方法として感光体にヒーターを搭載する方法があるが、装置の小型化や消費電力の低減に対して大きな障害となっている。
また、酸化防止剤等の添加剤も有効な手段ではあるが、単なる添加剤は光導電性を有しないものであるから、感光層への多量添加は、低感度化、残留電位上昇等の電子写真特性の問題を招いてしまう。
以上のように、高耐摩耗性を付与、又は感光体周りのプロセス設計によって感光層の削れ量が少なくなった有機系の電子写真感光体は、副作用として画像ボケの発生、解像度の低下等、画質への影響が避けられず、高耐久化と高画質化を両立させることは困難とされてきた。
これは、画像ボケの発生を抑制するには抵抗が高い方が、残留電位上昇を抑制するには抵抗が低い方が適していることから、双方でトレードオフの関係になっているためである。
実用化された電子写真感光体のほとんどは導電性基体上に電荷発生層と電荷輸送層とを積層した機能分離型の電子写真感光体であり、電荷輸送層に含まれる電荷輸送物質としては正孔輸送物質が用いられる。これらは専ら負帯電の電子写真プロセスに用いられている。
また、電子写真プロセスにおける信頼性の高い帯電方式はコロナ放電によるものであるが、周知の如く、正極性と比べて負極性のコロナ放電は不安定であり、このためスコロトロンによる帯電方式が採用され、コストアップの一要因となっている。負極性のコロナ放電は化学的損傷を引き起こす物質であるオゾンの発生量をより多く伴うため、長時間使用することで帯電時に発生するオゾンによるバインダー樹脂及び電荷輸送物質の酸化劣化、帯電時に生成するイオン性化合物、例えば、窒素酸化物イオン、イオウ酸化物イオン、アンモニウムイオン等が感光体表面に蓄積することによる、画質低下が発生し問題となる。このため、オゾンの外部排出を防ぐため、負帯電方式の複写機、プリンタにはオゾンフィルターが用いられている場合が多く、これも装置のコストアップの要因となっている。また、多量に発生するオゾンは環境汚染の問題ともなる。
これらを解消するため、従来から数多く実用化されている正孔輸送物質を用いて形成される電荷輸送層を表面側に配置した感光体に代わり、正帯電型の感光体の開発が進められている。正帯電方式であれば、オゾン、窒素酸化物イオン等の発生量が少なく抑えられる。更に現状では広く用いられている二成分系現像剤の使用では、感光体が正帯電の方が、環境変動が少なく安定な画像が得られ、この面からも正帯電型の感光体が好ましい。
しかし、正帯電型の感光体は、オゾン、窒素酸化物イオン等の酸化性ガスに対して非常に影響を受けやすい電荷発生物質が、表面近傍にあるため周りの環境ガス、例えば、ファンヒーター、車からの排気ガスによる特性変動が大きいという欠点を有している。
一方、高速複写プロセスの場合には正帯電型よりもむしろ負帯電型を用いることが好ましい。その理由は、高速複写プロセスなどにおいても支障の無い程度の高い電荷移動度を示す電荷輸送物質としては、現在のところほとんどが正孔輸送の性質のみを有する正孔輸送物質に限られており、正孔輸送物質を用いた電子写真感光体においては動作原理上、その帯電性は負帯電に限られるからである。
以上のように、帯電極性についていえば、有機系の電子写真感光体を正帯電及び負帯電の両方の極性で用いることができれば、電子写真感光体の応用範囲を更に広げることができ、感光体品種削減によるコスト低減、高速化対応などにおいて有利なものとなる。
このような状況から、電子輸送物質を感光層に含む両極性帯電可能な感光体が提案されている(特許文献1参照)。この提案で用いられている電子輸送物質のジフェノキノン誘導体は電荷移動度がやや低いため、複写機、プリンタの高速化、小型化を考えた場合、感光体感度特性は充分ではなく、更に繰り返し使用により画像ボケを起こすという欠点がある。
画像ボケを抑制するため、例えば、感光体へ酸掃去剤としてジアルキルアミノ基を有する芳香族系化合物を用いることが提案されている(特許文献2参照)。この提案の化合物は、繰り返し使用後の画像品質に対して有効なものであるが、電荷輸送能が低いため高感度、高速化要求には対応が難しく、添加量においても限界がある。
また、感光体へジアルキルアミノ基を有するスチルベン化合物を用いることが提案され(特許文献3及び4参照)、このスチルベン化合物も、酸化性ガスによる画像流れ(解像度低下)に対して効果があることが記載されている(非特許文献1参照)。
しかし、このスチルベン化合物は電荷輸送サイトであるトリアリールアミン構造の共鳴部位に強いメゾメリー効果(+M効果)の置換基であるジアルキルアミノ基を有しているため、全体のイオン化ポテンシャル値は異常に小さくなる。それ故、正孔輸送物質として単独使用した感光層の帯電保持能は、初期から、又は繰り返し使用により著しく悪くなる。このため、実用化は非常に難しいという致命的な欠点を有し、他の電荷輸送物質と混合併用しても、前記スチルベン化合物のイオン化ポテンシャル値はそれらよりもかなり小さいため、スチルベン化合物が移動電荷のホールトラップサイトとなり、感度が著しく低く、かつ残留電位が大きな感光体となってしまうという欠点を有している。
また、スチルベン化合物と特定のジアミン化合物とを含み、感度低下を招くことなく繰り返し使用及び酸性ガスなどに対する環境耐性を向上させた感光体が提案されている(特許文献5参照)。しかし、この提案においても、高速印刷、及び感光体の小径化に伴う装置の小型化を実現するには未だ充分ではなかった。
また、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体が、感光体用の電子輸送物質や有機TFT用材料として提案されている(特許文献6参照)。しかし、前記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は、有機系の電子写真感光体用の電子輸送物質として用いた場合、繰り返し使用において帯電性が著しく低下するため、実用化が非常に困難であるという課題があった。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、長期間の繰り返し使用に対して高耐久性を有し、かつ画像濃度低下、及び画像ボケの発生による画像劣化を抑制し、高画質画像が安定に得られ、両極性帯電可能な電子写真感光体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と、前記導電性支持体上に少なくとも感光層とを有する電子写真感光体であって、
前記感光層が、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする。
〔一般式(1)〕
ただし、前記一般式(1)中、Rは水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R及びRは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素族基を表し、R及びRは互いに結合して環を形成してもよい。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、長期間の繰り返し使用に対して高耐久性を有し、かつ画像濃度低下、及び画像ボケの発生による画像劣化を抑制し、高画質画像が安定に得られ、両極性帯電可能な電子写真感光体を提供することができる。
図1は、本発明の電子写真感光体の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の電子写真感光体の他の一例を示す概略図である。 図3は、本発明の電子写真感光体の他の一例を示す概略図である。 図4は、本発明の電子写真感光体の他の一例を示す概略図である。 図5は、本発明の電子写真感光体の他の一例を示す概略図である。 図6は、本発明の電子写真感光体の他の一例を示す概略図である。 図7は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 図8は、本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略図である。 図9は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 図10は、ジシアノジフェニルテトラアザナフタレンの赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)である。 図11は、ジフェニルテトラアザナフタレンジアミドの赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)である 図12は、ジフェニルテトラアザナフタレンジカルボン酸の赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)である。 図13は、ジフェニルテトラアザナフタレンジカルボン酸無水物の赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)である。 図14は、例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)である。 図15は、例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物のDSCチャートである。 図16は、実施例で用いたオキソチタニウムフタロシアニン粉末のX線回折図である。
(電子写真感光体)
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と、前記導電性支持体上に少なくとも感光層とを有してなり、更に必要に応じてその他の層を有する。
<感光層>
前記感光層は、下記一般式(1)で表される化合物を含有し、好ましくは電荷輸送物質を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−一般式(1)で表される化合物−
〔一般式(1)〕
ただし、前記一般式(1)中、Rは水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R及びRは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素族基を表し、R及びRは互いに結合して環を形成してもよい。
本発明者らは鋭意検討した結果、感光体において感光層に前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を少なくとも1種類含有させることで、酸化性ガス等のボケ発生物質による画像ボケ(画像流れ)等の問題を解決でき、両極性帯電に利用可能な感光体が得られることを見いだした。
本発明における、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物が繰り返し使用による画像品質維持に有効である理由は、現時点では明らかになっていないが、化学構造内に含まれるイミド基が塩基性の強い基であるので、画像ボケの原因物質と考えられている酸化性ガスに対しての電気的な中和効果が推測される。更に、チオフェンの硫黄原子は電子密度が高いため、イミド基の塩基性効果との相乗効果により優れた中和効果及び電荷輸送機能を発現していると推測される。また、本発明における前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物は、他の電荷輸送物質と併用することにより高感度、並びに繰り返し安定性等が更に増すものである。
また、本発明における前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物は電子輸送性物質のため、それを用いた感光体は層構成の種類及び正孔輸送物質との混合により両極性帯電に対応可能な単層型感光体を得ることもできる。
したがって、上記構成を満足することにより、長期間の繰り返し使用に対して高耐久性を有し、かつ画像濃度低下、及び画像ボケの発生による画像劣化を抑制し、高画質画像が安定に得られ、両極性帯電可能な電子写真方法、電子写真装置、並びに電子写真用プロセスカートリッジを提供するに至った。
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明の前記一般式(1)で表される新規なテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物は、有機トランジスタ、有機EL素子、有機太陽電池などの導電性素材として有用であり、とりわけ電子写真用感光体における光導電性素材として有用である。更に前記一般式(1)で表わされる化合物は、有機顔料乃至無機顔料を電荷発生物質とする、所謂機能分離型感光体における電荷輸送物質として極めて有用である。また本発明によれば、長期間の繰り返し使用に対しても高耐久性を有し、かつ画像濃度低下、あるいは画像ボケの発生による画像劣化を抑制し、高画質画像が安定に得られる電子写真感光体が提供され、また、両極性帯電に対応できうる感光体が得られ、それらの感光体を用いることにより、感光体の交換が不要で、かつ高速印刷あるいは感光体の小径化に伴う装置の小型化を実現し、更に繰り返し使用においても高画質画像が安定に得られる電子写真方法、電子写真装置、及び電子写真用プロセスカートリッジが提供されるという極めて優れた効果が発揮される。
前記一般式(1)のR、R及びRにおいて、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−ヘプチル基、ウンデカニル基などが挙げられる。
前記一般式(1)のR、R及びRにおいて、芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フルオレン及びピレン等の芳香族環の1価基;ピリジン、キノリン、チオフェン、フラン、オキサゾール、オキサジアゾール、カルバゾール等の芳香族複素環の1価基などが挙げられる。
前記一般式(1)のR及びRにおいて、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
前記一般式(1)のR及びRにおいて、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
前記アルキル基、前記芳香族炭化水素基、及び前記アルコキシ基の置換基としては、例えば、前記アルキル基の具体例で挙げたアルキル基;前記アルコキシ基の具体例で挙げたアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ジアルキルアミノ基、ジフェニルアミノ基等のアミノ基;前記芳香族炭化水素基;ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン等の複素環基などが挙げられる。
前記一般式(1)において、Rとしては、1−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、4−(tert−ブチル)フェニル基が好ましい。
前記一般式(1)において、R及びRとしては、メチル基、エチル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシルフェニル基、4−(tert−ブチル)フェニル基、ナフチル基、4−(N,N’−ジエチルアミノ)フェニル基が好ましい。
前記一般式(1)において、R及びRは、互いに結合して環を形成してもよく、前記環としては、下記構造式で表されるものが好ましい。
前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下のように、第1工程で;ジケトン誘導体とジシアノジアミノピラジンとを酸触媒存在下THFなどの溶媒中で反応させてジシアノテトラアザナフタレン誘導体を製造し、第2工程で;ジシアノテトラアザナフタレン誘導体を濃硫酸中で加水分解させることにより、テトラアザナフタレンジアミド誘導体を製造し、第3工程で;テトラアザナフタレンジアミド誘導体をトリフルオロ酢酸中、亜硝酸ナトリウムによりジアゾニウムを経て、テトラアザナフタレンジカルボン酸誘導体を製造し、第4工程で;テトラアザナフタレンジカルボン酸を無水酢酸中で反応させることにより、テトラアザナフタレンジカルボン酸無水物を製造し、第5工程で;1,4−ジオキサン中、塩化チオニル存在下で1級アミン誘導体と反応させることにより一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を製造する方法などが挙げられる。
〔第1工程〕
ただし、式中、R及びRは、前記一般式(1)と同じ意味を表す。
〔第2工程〕
ただし、式中、R及びRは、前記一般式(1)と同じ意味を表す。
〔第3工程〕
ただし、式中、R及びRは、前記一般式(1)と同じ意味を表す。
〔第4工程〕
ただし、式中、R及びRは、前記一般式(1)と同じ意味を表す。
〔第5工程〕
ただし、式中、R、R及びRは、前記一般式(1)と同じ意味を表す。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロナフタレン、酢酸、ピリジン、メチルピリジン、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタンなどが挙げられる。
前記第1工程での反応温度は50℃〜200℃が好ましく、前記第2工程での反応温度は50℃〜180℃が好ましい。
下記表1−1〜表1−4に、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の好ましい例を挙げる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
前記例示化合物No.1〜No.39の中でも、No.1、2、4、5、7、8、12、13、15、17、21、23、24、25、27がより好ましく、No.1、4、12、13が更に好ましい。
前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物が、電子写真感光体の感光層中に含まれていることは、例えば、赤外分光光度計、質量測定器(LC−MS、GC−MS等)、核磁気共鳴測定(NMR測定)、紫外−可視分光光度計により分析して確認することができる。
前記感光層としては、導電性支持体上に単一の層構成である感光層(以下、「単層型感光層」と称することもある)を有する態様、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層をこの順及び逆順のいずれかで積層した感光層(以下、「積層型感光層」と称することもある)を有する態様がある。
本発明の電子写真感光体においては、単層型感光層及び積層型感光層のいずれも好適に用いることができる。
前記単層型感光層の場合には、該単層型感光層中に、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を含有し、後述する電荷輸送物質を含有することが好ましい。
前記積層型感光層の場合には、電荷輸送層中に、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を含有し、後述する電荷輸送物質を含有することが好ましい。
<<積層型感光層>>
前記積層型感光層は、上述したように、前記導電性支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順及び逆順のいずれかで積層してなる。
<<<電荷発生層>>>
前記電荷発生層は、電荷発生物質を含み、好ましくは結着樹脂を含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
−電荷発生物質−
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シーアイピグメントブルー25(カラーインデックスCI 21180)、シーアイピグメントレッド41(CI 21200)、シーアイアシッドレッド52(CI 45100)、シーアイベーシックレッド3(CI 45210);カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−95033号公報)、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−133445号公報)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−132347号公報)、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728号公報)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12742号公報)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号公報)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17733号公報)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2129号公報)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−14967号公報)、ベンズアントロン骨格を有するアゾ顔料等のアゾ顔料;シーアイピグメントブルー16(CI 74100)、Y型オキソチタニウムフタロシアニン(特開昭64−17066号公報)、A(β)型オキソチタニウムフタロシアニン、B(α)型オキソチタニウムフタロシアニン、I型オキソチタニウムフタロシアニン(特開平11−21466号公報)、II型クロロガリウムフタロシアニン(飯島他,日本化学会第67春季年会,1B4,04(1994))、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン(大門他,日本化学会第67春季年会,1B4,05(1994))、X型無金属フタロシアニン(米国特許第3,816,118号明細書)等のフタロシアニン系顔料;シーアイバットブラウン5(CI 73410)、シーアイバットダイ(CI 73030)等のインジコ系顔料;アルゴスカーレットB(バイエル社製)、インタンスレンスカーレットR(バイエル社製)等のペリレン顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷発生物質の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対して、1質量部〜100質量部が好ましく、5質量部〜50質量部がより好ましい。
−結着樹脂−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結着樹脂の含有量は、前記電荷発生物質100質量部に対して、0質量部〜500質量部が好ましく、10質量部〜300質量部がより好ましい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、酸化防止剤、可塑剤、レベリング剤、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等の添加剤などが挙げられる。
[電荷発生層の形成方法]
前記電荷発生層は、前記電荷発生物質、好ましくは前記結着樹脂、必要に応じてその他の成分を溶剤に溶解乃至分散した電荷発生層塗工液を調製する。この電荷発生層塗工液を支持体又は電荷輸送層上に塗布し、乾燥することにより、電荷発生層が形成される。なお、前記結着樹脂を添加する場合には、分散前及び分散後のどちらでも構わない。
前記分散する方法としては、例えば、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散する方法などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロインなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が特に好ましい。
前記電荷発生層塗工液の塗工法としては、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビートコート法、ノズルコート法、スピナーコート法、リングコート法などが挙げられる。
前記電荷発生層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm〜5μmが好ましく、0.1μm〜2μmがより好ましい。
<<<電荷輸送層>>>
前記電荷輸送層は、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を含有し、好ましくは電荷輸送物質及び結着樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−電荷輸送物質−
前記電荷輸送層において、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物は、電荷輸送物質と併用することが好ましい。これにより高感度、及び繰り返し安定性等が更に向上する。
前記電荷輸送物質としては、正孔輸送物質、電子輸送物質、又は高分子電荷輸送物質が挙げられる。
前記電荷輸送物質は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−正孔輸送物質−−
前記正孔輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ−N−カルバゾール又はその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート又はその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物又はその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、下記一般式(2)、(6)、(7)、(10)、(I)〜(VI)、(IX)〜(XVII)、及び(XIX)のいずれかで表される化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−一般式(2)で表される化合物−−−
〔一般式(2)〕
ただし、前記一般式(2)中、Xは単結合又はビニレン基を表し、R102は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar101は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R101は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar101とR101は互いに結合して環を形成してもよく、Aは下記一般式(3)で表される基、下記一般式(4)で表される基、9−アントリル基、又は置換若しくは無置換のカルバゾリル基を表す。
〔一般式(3)〕
ただし、前記一般式(3)中、R103は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は下記一般式(5)で表される基を表し、kは1〜3の整数を表し、kが2〜3のとき、R103は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
〔一般式(4)〕
ただし、前記一般式(4)中、R104は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は下記一般式(5)で表される基を表し、kは1〜3の整数を表し、kが2〜3のとき、R104は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
〔一般式(5)〕
ただし、前記一般式(5)中、R105及びR106は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R105及びR106は互いに結合して環を形成してもよい。
前記一般式(2)で表されるスチルベン化合物としては、例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−(β−フェニルスチリル)アニリン、4’−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベン、4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−α−フェニルスチルベンなどが挙げられる。
−−−一般式(6)で表される化合物−−−
〔一般式(6)〕
ただし、前記一般式(6)中、R108、R109及びR110は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換若しくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R107は水素原子、アルコキシ基、置換若しくは無置換のアルキル基、又はハロゲン原子を表し、r、s、t及びuは1〜4の整数であり、rが2〜4のとき、R108は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、sが2〜4のとき、R107は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、tが2〜4のとき、R110は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、uが2〜4のとき、R109は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記一般式(6)で表されるアミノビフェニル化合物としては、例えば、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−ビフェニル−4−アミンなどが挙げられる。
−−−一般式(7)で表される化合物−−−
〔一般式(7)〕
ただし、前記一般式(7)中、Yは単結合又はビニレン基を表し、R111は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar102は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R112は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar102及びR112は互いに結合して環を形成してもよく、R113は、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar103は下記一般式(8)で表される基又は下記一般式(9)で表される基を表す。
〔一般式(8)〕
ただし、前記一般式(8)中、R114は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表し、qは1〜3の整数を表し、qが2〜3のとき、R114は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
〔一般式(9)〕
ただし、前記一般式(9)中、R115は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表し、qは1〜3の整数を表し、qが2〜3のとき、R115は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記一般式(7)で表されるジスチルベン化合物としては、例えば、N,N−ビス{4−[2,2−ビス(4−メチルフェニル)エテニル]フェニル}−4−メチルアニリンなどが挙げられる。
−−−一般式(10)で表される化合物−−−
〔一般式(10)〕
ただし、前記一般式(10)中、Zは単結合又はビニレン基を表し、R116は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar104は置換若しくは無置換の2価の芳香族炭化水素基を表し、R117は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Bは下記一般式(11)で表される基、下記一般式(12)で表される基、9−アントリル基、又は置換若しくは無置換のカルバゾリル基を表す。
〔一般式(11)〕
ただし、前記一般式(11)中、R118は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は下記一般式(13)で表される基を表し、qは1〜3の整数を表し、qが2〜3のとき、R118は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
〔一般式(12)〕
ただし、前記一般式(12)中、R119は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は下記一般式(13)で表される基を表し、qは1〜3の整数を表し、qが2〜3のとき、R119は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
〔一般式(13)〕
ただし、前記一般式(13)中、R120及びR121は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R120及びR121は互いに結合して環を形成してもよい。
前記一般式(10)で表されるジスチルベン化合物としては、例えば、1,4−ビス(N−2,4−ジメチルフェニル−N−4−メチルフェニル−4−アミノスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(N−3,4−ジメチルフェニル−N−4−メチルフェニル−4−アミノスチリル)ベンゼンなどが挙げられる。
−−−一般式(I)で表される化合物−−−
〔一般式(I)〕
ただし、前記一般式(I)中、R1001はメチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基又は2−クロルエチル基を表し、R1002はメチル基、エチル基、ベンジル基又はフェニル基を表し、R1003は水素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基又はニトロ基を表す。
前記一般式(I)で表される化合物としては、例えば、9−エチルカルバゾール−3−カルボアルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−カルボアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−カルボアルデヒド−1、1−ジフェニルヒドラゾンなどが挙げられる。
−−−一般式(II)で表される化合物−−−
〔一般式(II)〕
ただし、前記一般式(II)中、Ar1000は置換若しくは無置換のナフタレン環、置換若しくは無置換のアントラセン環、置換若しくは無置換のピレン環、ピリジン環、フラン環、又はチオフェン環を表し、R1004はアルキル基、フェニル基又はベンジル基を表す。
前記一般式(II)で表される化合物としては、例えば、4−ジエチルアミノスチリル−β−カルボアルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、4−メトキシナフタレン−1−カルボアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾンなどが挙げられる。
−−−一般式(III)で表される化合物−−−
〔一般式(III)〕
ただし、前記一般式(III)中、R1005はアルキル基、ベンジル基、フェニル基又はナフチル基を表し、R1006は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ジアラルキルアミノ基又はジアリールアミノ基を表し、R1007は水素原子又はメトキシ基を表し、aは1〜4の整数を表し、aが2以上のとき、R1006は同じであってもよく、異なっていてもよい。
一般式(III)で表される化合物としては、例えば、4−メトキシベンズアルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、2、4−ジメトキシベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1、1−ジフェニルヒドラゾン、4−メトキシベンズアルデヒド−1−(4−メトキシ)フェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−1、1−ジフェニルヒドラゾンなどが挙げられる。
−−−一般式(IV)で表される化合物−−−
〔一般式(IV)〕
ただし、前記一般式(IV)中、R1008は炭素数1〜11のアルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基又は複素環基を表し、R1009及びR1010は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、クロルアルキル基、又は置換若しくは無置換のアラルキル基を表し、R1009及びR1010は互いに結合して窒素を含む複素環を形成していてもよく、R1011は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
前記一般式(IV)で表される化合物としては、例えば、1、1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、1、1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、2,2’−ジメチル−4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−トリフェニルメタンなどが挙げられる。
−−−一般式(V)で表される化合物−−−
〔一般式(V)〕
ただし、前記一般式(V)中、R1012は水素原子又はハロゲン原子を表し、Ar1001は置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基、置換若しくは無置換のアントリル基、又は置換若しくは無置換のカルバゾリル基を表す。
前記一般式(V)で表される化合物としては、例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、9−ブロム−10−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンなどが挙げられる。
−−−一般式(VI)で表される化合物−−−
〔一般式(VI)〕
ただし、前記一般式(VI)中、R1013は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Ar1002は下記一般式(VII)で表される基、又は下記一般式(VIII)で表される基を表す。
〔一般式(VII)〕
ただし、前記一般式(VII)中、R1014は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
〔一般式(VIII)〕
ただし、前記一般式(VIII)中、R1015は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はジアルキルアミノ基を表し、bは1又は2であって、bが2のとき、R1015は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、R1016及びR1017は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4の置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のベンジル基を表す。
前記一般式(VI)で表される化合物としては、例えば、9−(4−ジメチルアミノベンジリデン)フルオレン、3−(9−フルオレニリデン)−9−エチルカルバゾールなどが挙げられる。
−−−一般式(IX)で表される化合物−−−
〔一般式(IX)〕
ただし、前記一般式(IX)中、R1018は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、カルバゾリル基、ピリジル基、チエニル基、インドリル基、フリル基、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のスチリル基、置換若しくは無置換のナフチル基、又は置換若しくは無置換のアントリル基を表し、R1018が置換基を有する場合、前記置換基がジアルキルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基又はそのエステル、ハロゲン原子、シアノ基、アラルキルアミノ基、N−アルキル−N−アラルキルアミノ基、アミノ基、ニトロ基及びアセチルアミノ基からなる群から選ばれた基を表す。
前記一般式(IX)で表される化合物としては、例えば、1、2−ビス(4−ジエチルアミノスチリル)ベンゼン、1、2−ビス(2、4−ジメトキシスチリル)ベンゼンなどが挙げられる。
−−−一般式(X)で表される化合物−−−
〔一般式(X)〕
ただし、前記一般式(X)中、R1019は低級アルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基、又はベンジル基を表し、R1020及びR1021は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、又は低級アルキル基若しくはベンジル基で置換されたアミノ基を表し、cは1〜2の整数を表す。
前記一般式(X)で表される化合物としては、例えば、3−スチリル−9−エチルカルバゾール、3−(4−メトキシスチリル)−9−エチルカルバゾールなどが挙げられる。
−−−一般式(XI)で表される化合物−−−
〔一般式(XI)〕
ただし、前記一般式(XI)中、R1022は水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、R1023及びR1024は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のアリール基を表し、R1025は水素原子、低級アルキル基又は置換若しくは無置換のフェニル基を表し、Ar1003は置換若しくは無置換のフェニル基又はナフチル基を表す。
前記一般式(XI)で表される化合物としては、例えば、4−ジフェニルアミノスチルベン、4−ジベンジルアミノスチルベン、4−ジトリルアミノスチルベン、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ナフタレン、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ナフタレンなどが挙げられる。
−−−一般式(XII)で表される化合物−−−
〔一般式(XII)〕
ただし、前記一般式(XII)中、R1032、R1033及びR1034は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子又はジアルキルアミノ基を表し、gは0〜1の整数を表す。
前記一般式(XII)で表される化合物としては、例えば、1−フェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリンなどが挙げられる。
−−−一般式(XIII)で表される化合物−−−
〔一般式(XIII)〕
ただし、前記一般式(XIII)中、R1036及びR1037は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、R1035は置換アミノ基、置換若しくは無置換のアリール基、又はアリル基を表す。
前記一般式(XIII)で表される化合物としては、例えば、2、5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−N、N−ジフェニルアミノ−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジメチルアミノフェニル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどが挙げられる。
−−−一般式(XIV)で表される化合物−−−
〔一般式(XIV)〕
ただし、前記一般式(XIV)中、R1040は水素原子、低級アルキル基又はハロゲン原子を表し、R1039は置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、R1038は置換アミノ基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。
前記一般式(XIV)で表される化合物としては、例えば、2−N、N−ジフェニルアミノ−5−(N−エチルカルバゾール−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジエチルアミノフェニル)−5−(N−エチルカルバゾール−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾールなどが挙げられる。
−−−一般式(XV)で表される化合物−−−
〔一般式(XV)〕
ただし、前記一般式(XV)中、R1401は互いに同じであってもよいし、異なっていてもよく、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、R1042及びR1043は互いに同じであってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、α、β及びγはそれぞれ0〜4の整数を表す。
前記一般式(XV)で表されるベンジジン化合物としては、例えば、N,N’−ジフェニル− N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、3,3’−ジメチル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどが挙げられる。
−−−一般式(XVI)で表される化合物−−−
〔一般式(XVI)〕
ただし、前記一般式(XVI)中、Ar1005は置換若しくは無置換の炭素数18個以下の縮合多環式炭化水素基を表し、R1048及びR1049は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、置換若しくは無置換のフェニル基を表し、θは1〜2の整数を表す。
前記一般式(XVI)で表されるトリアリールアミン化合物としては、例えば、N,N−ジフェニル−ピレン−1−アミン、N,N−ジ−p−トリル−ピレン−1−アミン、N,N−ジ−p−トリル−1−ナフチルアミン、N,N−ジ(p−トリル)−1−フェナントリルアミン、9,9−ジメチル−2−(ジ−p−トリルアミノ)フルオレン、N,N,N‘,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(3−メチルフェニル)−m−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
−−−一般式(XVII)で表される化合物−−−
〔一般式(XVII)〕
ただし、前記一般式(XVII)中、Ar1006は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R1050は下記一般式(XVIII)で表される基を表す。
〔一般式(XVIII)〕
ただし、前記一般式(XVIII)中、Ar1007は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R1051及びR1052は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。
前記一般式(XVII)で表されるジオレフィン芳香族化合物としては、例えば、1、4−ビス(4−ジフェニルアミノスチリル)ベンゼン、1、4−ビス[4−ジ(p−トリル)アミノスチリル]ベンゼンなどが挙げられる。
−−−一般式(XIX)で表される化合物−−−
〔一般式(XIX)〕
ただし、前記一般式(XIX)中、Ar1008は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R1053は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、κは0〜1の整数を表し、λは1〜2の整数を表し、κ=0、λ=1の場合、Ar1008とR1053は互いに結合して環を形成してもよい。
前記一般式(XIX)で表されるスチリルピレン化合物としては、例えば、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ピレン、1−(N,N−ジ−p−トリル−4−アミノスチリル)ピレンなどが挙げられる。
−−電子輸送物質−−
前記電子輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−インデノ4H−インデノ[1、2−b]チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゼン環チオフェン−5,5−ジオキサイド、下記一般式(14)、(15)、(17)、(18)、及び(XX)〜(XXI)のいずれかで表される化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
−−−一般式(14)で表される化合物−−−
〔一般式(14)〕
ただし、前記一般式(14)中、R122及びR123は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。
前記一般式(14)で表されるジフェノキノン化合物としては、例えば、3,5−ジメチル−3’,5’−ジ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノン、3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノンなどが挙げられる。
−−−一般式(15)で表される化合物−−−
〔一般式(15)〕
ただし、前記一般式(15)中、R124は置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R125は置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、又は下記一般式(16)で表される基を表す。
〔一般式(16)〕
ただし、前記一般式(16)中、R126は、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を示す。
前記一般式(15)で表されるナフトキノン化合物としては、例えば、2−オキシカルボニルベンジル−3−フェニル−1,4−ナフトキノンなどが挙げられる。
−−−一般式(17)で表される化合物−−−
〔一般式(17)〕
ただし、前記一般式(17)中、R127及びR128は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。
前記一般式(17)で表されるナフタレンテトラカルボン酸イミド化合物としては、例えば、N,N’−ビス(1,2−ジメチルプロピル)−1,4,5,8−ナフタレンジカルボキシイミドなどが挙げられる。
−−−一般式(18)で表される化合物−−−
〔一般式(18)〕
ただし、前記一般式(18)中、R129及びR130は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。
前記一般式(18)で表されるナフタレンテトラカルボン酸イミド化合物としては、例えば、下記構造式で表される化合物などが挙げられる。
−−−一般式(XX)で表される化合物−−−
〔一般式(XX)〕
ただし、前記一般式(XX)中、R1053、R1054及びR1055は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、置換若しくは無置換のフェニル基を表す。
−−−一般式(XXI)で表される化合物−−−
〔一般式(XXI)〕
ただし、前記一般式(XXI)中、R1058、R1059及びR1060は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、置換若しくは無置換のフェニル基を表す。
−−高分子電荷輸送物質−−
前記高分子電荷輸送物質は、電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂としての機能を有する。前記高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れている。
前記高分子電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トリアリールアミン構造を主鎖及び/又は側鎖に含むポリカーボネートが好適である。これらの中でも、下記一般式(A)及び(D)〜(M)で表される繰り返し単位を有する高分子電荷輸送物質が特に好ましい。
−−−一般式(A)で表される繰り返し単位を有する高分子電荷輸送物質−−−
〔一般式(A)〕
ただし、前記一般式(A)中、R2000、R2001及びR2002は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子を表し、R2003は水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基を表し、R2004及びR2005は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のアリール基を表し、a、b及びcはそれぞれ独立して0〜4の整数を表し、d1及びe1は組成を表し、0.1≦d1≦1、0≦e1≦0.9を満たし、f1は繰り返し単位数を表し、5〜5,000の整数を表し、Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、又は下記一般式(B)で表される2価基を表す。
〔一般式(B)〕
ただし、前記一般式(B)中、R2006及びR2007は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基又はハロゲン原子を表し、g1及びh1はそれぞれ0〜4の整数を表し、Δは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基、−O−,−S−,−SO−,−SO−,−CO−,−CO−O−Z−O−CO−(ただし、式中Zは脂肪族の2価基を表す。)、又は下記一般式(C)で表される基を表す。
〔一般式(C)〕
ただし、前記一般式(C)中、i1は1〜20の整数を表し、j1は1〜2,000の整数を表し、R2008及びR2009は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。
−−−一般式(D)で表される繰り返し単位を有する高分子電荷輸送物質−−−
〔一般式(D)〕
ただし、前記一般式(D)中、R2010及びR2011は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のアリール基を表し、Ar2000、Ar2001、Ar2002は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリレン基を表し、X、d1、e1及びf1は、前記一般式(A)の場合と同じである。
−−−一般式(E)で表される繰り返し単位を有する高分子電荷輸送物質−−−
〔一般式(E)〕
ただし、前記一般式(E)中、R2012及びR2013は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のアリール基を表し、Ar2003、Ar2004及びAr2005は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリレン基を表し、X、d1、e1及びf1は、前記一般式(A)の場合と同じである。
−−−一般式(F)で表される繰り返し単位を有する高分子電荷輸送物質−−−
〔一般式(F)〕
ただし、前記一般式(F)中、R2014及びR2015は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のアリール基を表し、Ar2006、Ar2007及びAr2008は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリレン基を表し、X、d1、e1及びf1は、前記一般式(A)の場合と同じである。
−−−一般式(G)で表される繰り返し単位を有する高分子電荷輸送物質−−−
〔一般式(G)〕
ただし、前記一般式(G)中、R2016及びR2017は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のアリール基を表し、Ar2009、Ar2010及びAr2011は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリレン基を表し、Σ及びΣは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のエチレン基、又は置換若しくは無置換のビニレン基を表し、X、d1、e1及びf1は、前記一般式(A)の場合と同じである。
−−−一般式(H)で表される繰り返し単位を有する高分子電荷輸送物質−−−
〔一般式(H)〕
ただし、前記一般式(G)中、R2018、R2019、R2020及びR2021は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のアリール基を表し、Ar2012、Ar2013、Ar2014及びAr2015は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリ−レン基を表し、Y、Y及びYは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、単結合、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、又はビニレン基を表し、X、d1、e1及びf1は、前記一般式(A)の場合と同じである。
−−−一般式(I)で表される繰り返し単位を有する高分子電荷輸送物質−−−
〔一般式(I)〕
ただし、前記一般式(I)中、R2022及びR2023は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、置換若しくは無置換のアリール基を表し、R2022及びR2023は互いに結合して環を形成していてもよく、Ar2016、Ar2017及びAr2018は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリレン基を表し、X、d1、e1及びf1は、前記一般式(A)の場合と同じである。
−−−一般式(J)で表される繰り返し単位を有する高分子電荷輸送物質−−−
〔一般式(J)〕
ただし、前記一般式(J)中、R2024は置換若しくは無置換のアリール基を表し、Ar2019、Ar2020、Ar2021及びAr2022は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリレン基を表し、X、d1、e1及びf1は、前記一般式(A)の場合と同じである。
−−−一般式(K)で表される繰り返し単位を有する高分子電荷輸送物質−−−
〔一般式(K)〕
ただし、前記一般式(K)中、R2025、R2026、R2027及びR2028は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のアリール基、Ar2023、Ar2024、Ar2025、Ar2026及びAr2027は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリレン基を表し、X、d1、e1及びf1は、前記一般式(A)の場合と同じである。
−−−一般式(L)で表される繰り返し単位を有する高分子電荷輸送物質−−−
〔一般式(L)〕
ただし、前記一般式(L)中、R2029及びR2030は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のアリール基、Ar2028、Ar2029及びAr2030は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリレン基を表し、X、d1、e1及びf1は、前記一般式(A)の場合と同じである。
−−−一般式(M)で表される繰り返し単位を有する高分子電荷輸送物質−−−
〔一般式(M)〕
ただし、前記一般式(M)中、Ar2031、Ar2032、Ar2033、Ar2034及びAr2035は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換の芳香環基を表し、Σは芳香環基、又はAr2036−Za−Ar2036−を表し、Ar2036は置換若しくは無置換の芳香環基を表し、ZaはO、S又はアルキレン基を表し、R2031及びR2032は直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表し、g1は0〜1の整数を表し、X、d1、e1及びf1は、前記一般式(A)の場合と同じである。
−結着樹脂−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷輸送層が、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、及び前記結着樹脂を含有し、前記電荷輸送物質を含まない場合には、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対して20質量部〜300質量部が好ましく、40質量部〜150質量部がより好ましい。前記含有量が、20質量部未満であると、酸化性ガスに対する耐性が不足することがあり、300質量部を超えると、繰り返し使用による残留電位の上昇が大きくなってしまうことがある。
前記電荷輸送層が、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、前記電荷輸送物質、及び前記結着樹脂を含有する場合には、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物及び前記電荷輸送物質の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対して、20質量部〜300質量部が好ましく、40質量部〜150質量部がより好ましい。前記含有量が、20質量部未満であると、酸化性ガスに対する耐性が不足することがあり、300質量部を超えると、繰り返し使用による残留電位の上昇が大きくなってしまうことがある。
この場合、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の含有量は、前記電荷輸送物質100質量部に対して、0.01質量部〜150質量部が好ましく、10質量部〜100質量部がより好ましい。前記含有量が、0.01質量部未満であると、酸化性ガスに対する耐性が不足することがあり、150質量部を超えると、繰り返し使用による残留電位の上昇が大きくなってしまうことがある。
前記電荷輸送層の平均厚みは、解像度及び応答性の観点から、25μm以下が好ましい。なお、下限値については、使用するシステム(特に帯電電位等)により異なるが、5μm以上が好ましい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、酸化防止剤、可塑剤、レベリング剤、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等の添加剤などが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、後述する酸化防止剤を用いることができる。これらの中でも、ハイドロキノン類、ヒンダードアミン類が特に好ましい。
前記電荷輸送層に添加する酸化防止剤は、後述の酸化防止剤とは添加する目的が異なり、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の変質保護のために添加される。
そのため、前記酸化防止剤は、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を含有させる前の工程で電荷輸送層塗工液に含有させておくことが好ましい。前記酸化防止剤の含有量は、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物100質量部に対して、0.1質量部〜200質量部が好ましく、1質量部〜100質量部がより好ましい。
[電荷輸送層の形成方法]
前記電荷輸送層は、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、好ましくは前記電荷輸送物質及び前記結着樹脂、必要に応じて可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等のその他の成分を溶剤に溶解乃至分散した電荷輸送層塗工液を調製する。この電荷輸送層塗工液を電荷発生層又は支持体上に塗布し、乾燥することにより、電荷輸送層を形成できる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが挙げられる。
前記電荷輸送層塗工液の塗工法としては、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の従来の塗工方法を用いることができる。
前記電荷輸送層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm〜40μmが好ましく、10μm〜30μmがより好ましい。
<単層型感光層>
前記単層型感光層は、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、前記電荷発生物質、好ましくは電荷輸送物質及び結着樹脂を含有し、更に必要に応じて可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等のその他の成分を含有してなる。
前記結着樹脂としては、前記電荷輸送層で挙げた結着樹脂の中から適宜選択して用いることができ、前記電荷発生層で挙げた結着樹脂を混合してもよく、前記高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。
前記電荷発生物質としては、前記電荷発生層で挙げた電荷輸送物質の中から適宜選択して用いることができる。
前記電荷輸送物質としては、前記電荷輸送層で挙げた電荷輸送物質の中から適宜選択して用いることができる。
前記単層型感光層が、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、及び前記結着樹脂を含有し、前記電荷輸送物質を含まない場合には、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対して20質量部〜300質量部が好ましく、40質量部〜150質量部がより好ましい。前記含有量が、20質量部未満であると、酸化性ガスに対する耐性が不足することがあり、300質量部を超えると、繰り返し使用による残留電位の上昇が大きくなってしまうことがある。
前記電荷輸送層が、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、前記電荷輸送物質、及び前記結着樹脂を含有する場合には、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物及び前記電荷輸送物質の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対して、20質量部〜300質量部が好ましく、40質量部〜150質量部がより好ましい。前記含有量が、20質量部未満であると、酸化性ガスに対する耐性が不足することがあり、300質量部を超えると、繰り返し使用による残留電位の上昇が大きくなってしまうことがある。
この場合、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の含有量は、前記電荷輸送物質100質量部に対して、0.01質量部〜150質量部が好ましく、10質量部〜100質量部がより好ましい。前記含有量が、0.01質量部未満であると、酸化性ガスに対する耐性が不足することがあり、150質量部を超えると、繰り返し使用による残留電位の上昇が大きくなってしまうことがある。
前記電荷発生物質の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対して、5質量部〜40質量部が好ましい。
前記電荷輸送物質の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対して、0質量部〜190質量部が好ましく、50質量部〜150質量部がより好ましい。
前記単層型感光層は、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、前記電荷発生物質、好ましくは前記電荷輸送物質及び前記結着樹脂を溶剤に溶解乃至分散した感光層塗工液を調製する。この感光層塗工液を支持体上に塗布し、乾燥することによって形成できる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサンなどが挙げられる。
前記感光層塗工液の塗布方法としては、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコート、リングコートなどが挙げられる。
前記単層型感光層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm〜25μmが好ましい。
<導電性支持体>
前記導電性支持体としては、体積抵抗値が1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスベルト(エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルト等)を用いてもよい。
前記導電性支持体の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属(アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等)又は金属酸化物(酸化スズ、酸化インジウム等)を蒸着又はスパッタリングして、支持体(フィルム状、円筒状等のプラスチック、紙等)に被覆することにより形成する方法;金属(アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等)の板を押出し、引抜き等を行い、表面処理(素管化後、切削、超仕上げ、研摩等)を施して形成する方法などが挙げられる。
前記導電性支持体は、前記支持体上に導電性層を有するものであってもよい。
前記導電性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性粉体及び結着樹脂を必要に応じて溶剤に分散乃至溶解して得られた塗工液を前記支持体上に塗布することにより形成する方法;ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)等の素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブを用いて形成する方法などが挙げられる。
前記導電性粉体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック;アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀等の金属粉;導電性酸化スズ、ITO等の金属酸化物粉体などが挙げられる。
前記導電性層に用いる結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記導電性層に用いる溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどが挙げられる。
<その他の層>
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下引き層、保護層、中間層などが挙げられる。
<<下引き層>>
前記下引き層は、前記導電性支持体と前記感光層との間に設けることができる。
前記下引き層は、樹脂を含み、更に必要に応じて酸化防止剤、微粉末顔料、カップリング剤等のその他の成分を含む。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂;共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂;ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記樹脂の上に感光層を溶剤で塗布する点から、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂が好ましい。
前記下引き層に含まれる微粉末顔料としては、モアレ防止、残留電位の低減等を図ることができる顔料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物などが挙げられる。
前記下引き層に含まれるカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤などが挙げられる。
前記下引き層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光層のような溶剤及び塗工法を用いた形成方法;Alを陽極酸化して形成する方法;ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物、SiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作製法にて形成する方法などが挙げられる。
前記下引き層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜5μmが好ましい。
<<保護層>>
前記感光層の保護を目的として、保護層を感光層上に設けることができる。
前記保護層は、樹脂、フィラーを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、フィラーの分散性、残留電位、塗膜欠陥の点から、ポリカーボネート、ポリアリレートが好ましい。
前記保護層には、耐摩耗性を向上する目的でフィラーが添加されてもよい。前記フィラーとしては、無機フィラー、又は有機フィラーを用いることができる。
前記有機フィラーとしては、例えばポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末、などが挙げられる。
前記無機フィラーとしては、例えば銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属粉末;シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物;チタン酸カリウムなどが挙げられる。
これらの中でも、フィラーの硬度の点から、無機材料を用いることが好ましく、シリカ、酸化チタン、アルミナが特に好ましい。
前記保護層は、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を含有してもよい。また、前記電荷輸送層で挙げた電荷輸送物質を添加することは、残留電位の低減及び画質向上に対して有効かつ有用である。
前記保護層の形成方法としては、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の従来方法を用いることができるが、特に塗膜の均一性の面からスプレーコートがより好ましい。
前記保護層の平均厚みは、0.05μm〜2μmが好ましい。
<<中間層>>
前記電荷輸送層と保護層の間、又は感光層と保護層の間に、中間層を設けることが可能である。
前記中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、例えば、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。前記中間層の形成方法としては、前述のごとく一般に用いられる塗布法が採用される。
前記中間層の平均厚みは、0.05μm〜2μmが好ましい。
本発明の電子写真感光体においては、耐環境性の改善のため、特に、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、単層型感光層等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などを添加することができる。
−酸化防止剤−
前記酸化防止剤として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類などが挙げられる。
前記フェノール系化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類などが挙げられる。
前記パラフェニレンジアミン類としては、例えば、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
前記ハイドロキノン類としては、例えば、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなどが挙げられる。
前記有機硫黄化合物類としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
前記有機燐化合物類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなどが挙げられる。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
前記酸化防止剤の添加量は、添加する層の総質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましい。
−可塑剤−
前記可塑剤として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、芳香族カルボン酸エステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル誘導体、オキシ酸エステル系可塑剤、エポキシ可塑剤、二価アルコールエステル系可塑剤、含塩素可塑剤、ポリエステル系可塑剤、スルホン酸誘導体、クエン酸誘導体、その他の可塑剤などが挙げられる。
前記リン酸エステル系可塑剤としては、例えば、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなどが挙げられる。
前記フタル酸エステル系可塑剤としては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなどが挙げられる。
前記芳香族カルボン酸エステル系可塑剤としては、例えば、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなどが挙げられる。
前記脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなどが挙げられる。
前記脂肪酸エステル誘導体としては、例えば、オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなどが挙げられる。
前記オキシ酸エステル系可塑剤としては、例えば、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなどが挙げられる。
前記エポキシ可塑剤としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなどが挙げられる。
前記二価アルコールエステル系可塑剤としては、例えば、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなどが挙げられる。
前記含塩素可塑剤としては、例えば、塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなどが挙げられる。
前記ポリエステル系可塑剤としては、例えば、ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど挙げられる。
前記スルホン酸誘導体としては、例えば、p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなどが挙げられる。
前記クエン酸誘導体としては、例えば、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなどが挙げられる。
前記その他の可塑剤としては、例えば、ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなどが挙げられる。
−滑剤−
前記滑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭化水素系化合物、脂肪酸系化合物、脂肪酸アミド系化合物、エステル系化合物、アルコール系化合物、金属石けん、天然ワックス、その他の滑剤などが挙げられる。
前記炭化水素系化合物としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなどが挙げられる。
前記脂肪酸系化合物としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸などが挙げられる。
前記脂肪酸アミド系化合物としては、例えば、ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなどが挙げられる。
前記エステル系化合物としては、例えば、脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなどが挙げられる。
前記アルコール系化合物としては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなどが挙げられる。
前記金属石けんとしては、例えば、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられる。
前記天然ワックスとしては、例えば、カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなどが挙げられる。
前記その他の滑剤としては、例えば、シリコーン化合物、フッ素化合物などが挙げられる。
−紫外線吸収剤−
前記紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サルシレート系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、クエンチャー(金属錯塩系)紫外線吸収剤、HALS(ヒンダードアミン)などが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記サルシレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサルシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ3'−ターシャリブチル5'−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレートなどが挙げられる。
前記クエンチャー(金属錯塩系)紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケル(2,2'チオビス(4−t-オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなどが挙げられる。
前記HALS(ヒンダードアミン)としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。
ここで、前記電子写真感光体について、図面に基づいて説明する。図1〜図6は、本発明の電子写真感光体の一例を示す概略図である。
図1は、支持体31上に、前記電荷発生物質、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、及び好ましくは前記電荷輸送物質を含有する感光層33が設けられた層構成を示す概略図である。
図2は、支持体31上に、電荷発生物質を含有する電荷発生層35と、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、及び好ましくは電荷輸送物質を含有する電荷輸送層37とが、積層された層構成を示す概略図である。
図3は、支持体31上に、前記電荷発生物質、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、及び好ましくは前記電荷輸送物質を含有する感光層33が設けられ、更に感光層表面に保護層39が設けられた層構成を示す概略図である。この場合、保護層39に前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物が含有されていても構わない。
図4は、支持体31上に、電荷発生物質を含有する電荷発生層35と、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、及び好ましくは前記電荷輸送物質を含有する電荷輸送層37とが積層され、更に前記電荷輸送層37上に保護層39が設けられた層構成を示す概略図である。この場合、保護層39に前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物が含有されていても構わない。
図5は、支持体31上に、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、及び好ましくは前記電荷輸送物質を含有する電荷輸送層37と、電荷発生物質を含有する電荷発生層35とが積層された層構成を示す概略図である。
図6は、支持体31上に、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、及び好ましくは前記電荷輸送物質を含有する電荷輸送層37と、電荷発生物質を含有する電荷発生層35とが積層され、更に前記電荷発生層35上に保護層39が設けられた層構成を示す概略図である。この場合、保護層39中に前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物が含有されていても構わない。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段とを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記電子写真感光体が、本発明の前記電子写真感光体である。
本発明で用いられる画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程とを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、定着工程、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。
本発明で用いられる画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記帯電工程は前記帯電手段により好適に行うことができ、前記露光工程は前記露光手段により好適に行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により好適に行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により好適に行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により好適に行うことができる。
<帯電工程及び帯電手段>
前記帯電工程は、電子写真感光体表面を帯電させる工程であり、前記帯電手段により好適に行われる。
前記帯電手段としては、前記電子写真感光体の表面に電圧を印加して一様に帯電させることができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電子写真感光体と非接触で帯電させる非接触方式の帯電手段が用いられる。
前記非接触の帯電手段としては、例えば、コロナ放電を利用した非接触帯電器及び針電極デバイス、固体放電素子;電子写真感光体に対して微小な間隙をもって配設された導電性又は半導電性の帯電ローラなどが挙げられる。これらの中でも、コロナ放電が特に好ましい。
前記コロナ放電は、空気中のコロナ放電によって発生した正又は負のイオンを電子写真感光体の表面に与える非接触な帯電方法であり、電子写真感光体に一定の電荷量を与える特性を持つコロトン帯電器と、一定の電位を与える特性を持つスコロトロン帯電器とがある。
前記コロトン帯電器は、放電ワイヤの周囲に半空間を占めるケーシング電極とそのほぼ中心に置かれた放電ワイヤとから構成される。
前記スコロトロン帯電器は、前記コロトロン帯電器にグリッド電極を追加したものであり、グリッド電極は電子写真感光体表面から1.0mm〜2.0mm離れた位置に設けられている。
<露光工程及び露光手段>
前記露光工程は、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する工程であり、例えば、前記露光手段を用いて前記電子写真感光体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光手段は、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する手段である。
前記露光における光学系は、アナログ光学系とデジタル光学系とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により直接電子写真感光体上に投影する光学系であり、前記デジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して電子写真感光体を露光し作像する光学系である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像工程及び現像手段>
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により好適に行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるものなどが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記電子写真感光体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該電子写真感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該電子写真感光体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
<転写工程及び転写手段>
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により好適に行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記電子写真感光体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。前記転写器としては、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
<その他の工程及びその他の手段>
−定着工程及び定着手段−
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着させる工程であり、前記定着手段により好適に行うことができる。前記定着工程は、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着手段と該定着手段を加熱する熱源とを有するものが用いられる。
前記定着手段としては、例えば、無端状ベルトとローラとの組合せ、ローラとローラとの組合せ、などが挙げられるが、ウォームアップ時間を短縮することができ、省エネルギー化の実現の点で、また、定着可能幅の拡大の点で、熱容量が小さい無端状ベルトとローラとの組合せであるのが好ましい。
−除電工程及び除電手段−
前記除電工程は、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、前記除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
−クリーニング工程及びクリーニング手段−
前記クリーニング工程は、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、前記クリーニング手段により好適に行うことができる。なお、クリーニング手段を用いることなく、摺擦部材で残留トナーの電荷を揃え、現像ローラで回収する方法を採用することもできる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
−リサイクル工程及びリサイクル手段−
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、前記リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段などが挙げられる。
−制御工程及び制御手段−
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、前記制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
次に、図面を用いて本発明の画像形成方法、及び画像形成装置について詳しく説明する。
図7は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図であり、下記のような例も本発明の範疇に属するものである。
電子写真感光体10は、図7中の矢印の方向に回転し、電子写真感光体10の周りには、帯電手段11、露光手段12、現像手段13、転写手段16、クリーニング手段17、除電手段18等が配置される。なお、クリーニング手段17、除電手段18が省略されることもある。
画像形成装置の動作は基本的に以下のようになる。帯電手段11により、電子写真感光体10表面に対してほぼ均一に帯電が施される。続いて、露光手段12により、入力信号に対応した画像光書き込みが行われ、静電潜像が形成される。次に、現像手段13により、この静電潜像に現像が行われ、電子写真感光体10表面にトナー像が形成される。形成されたトナー像は、搬送ローラ14により転写部位に送られた転写紙15に、転写手段16により、トナー像が転写される。このトナー像は、図示しない定着装置により転写紙15上に定着される。転写紙に転写されなかった一部のトナーは、クリーニング手段17によりクリーニングされる。次いで、電子写真感光体10上に残存する電荷は、除電手段18により除電が行われ、次のサイクルに移行する。
図7に示すように、電子写真感光体10はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。帯電手段11及び転写手段16としては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)のほか、ローラ状の帯電手段又はブラシ状の帯電手段等が用いられ、公知の手段がすべて使用可能である。
露光手段12、除電手段18等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。これらの中でも、半導体レーザー(LD)、発光ダイオード(LED)が特に好ましい。
所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
光源等は、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、前露光などの工程を設けることにより、電子写真感光体10に光が照射される。ただし、除電工程における電子写真感光体10への露光は、電子写真感光体10に与える疲労の影響が大きく、特に帯電低下や残留電位の上昇を引き起こす場合がある。
したがって、露光による除電ではなく、帯電工程、クリーニング工程において逆バイアスを印加することによっても除電することが可能な場合もあり、電子写真感光体の高耐久化の面から有効な場合がある。
電子写真感光体10に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
現像手段13としては、公知の方法が適用されるし、また、除電手段18にも公知の方法が用いられる。
電子写真感光体表面に付着する汚染物質の中でも帯電によって生成する放電物質やトナー中に含まれる外添剤等は、湿度の影響を拾いやすく異常画像の原因となっている。このような異常画像の原因物質には、紙粉もその一つであり、それらが感光体に付着することによって、異常画像が発生しやすくなるだけでなく、耐摩耗性を低下させたり、偏摩耗を引き起こしたりする傾向が見られる。したがって、上記の理由により電子写真感光体と紙とが直接接触しない構成であることが高画質化の点からより好ましい。
現像手段13により、電子写真感光体10上に現像されたトナーは、転写紙15に転写されるが、すべてが転写されるわけではなく、電子写真感光体10上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニング手段17により、電子写真感光体10から除去される。
このクリーニング手段は17、クリーニングブレード又はクリーニングブラシ等公知のものが用いられる。また、両者が併用されることもある。
本発明の電子写真感光体は、高光感度及び高安定化を実現したことから小径感光体に適用できる。したがって、前記電子写真感光体がより有効に用いられる画像形成装置あるいはその方式としては、複数色のトナーに対応した各々の現像部に対して、対応した複数の感光体を具備し、それによって並列処理を行う、いわゆるタンデム方式の画像形成装置に極めて有効に使用される。前記タンデム方式の画像形成装置は、フルカラー印刷に必要とされるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の少なくとも4色のトナー及びそれらを保持する現像部を配置し、更にそれらに対応した少なくとも4本の感光体を具備することによって、従来のフルカラー印刷が可能な画像形成装置に比べ極めて高速なフルカラー印刷を可能としている。
図8は、本発明のタンデム方式のフルカラー電子写真方式の画像形成装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図8において、電子写真感光体(10C(シアン))、(10M(マゼンタ))、(10Y(イエロー))、(10K(ブラック))は、ドラム状の電子写真感光体10であり、これらの電子写真感光体(10C,10M,10Y,10K)は、図8中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電手段(11C,11M,11Y,11K)、現像手段(13C,13M,13Y,13K)、クリーニング手段(17C,17M,17Y,17K)が配置されている。
この帯電手段(11C,11M,11Y,11K)と、現像手段(13C,13M,13Y,13K)との間の電子写真感光体10の裏面側より、図示しない露光手段からのレーザー光(12C,12M,12Y,12K)が照射され、電子写真感光体(10C,10M,10Y,10K)に静電潜像が形成されるようになっている。
そして、このような電子写真感光体(10C,10M,10Y,10K)を中心とした4つの画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)が、転写材搬送手段である転写搬送ベルト25に沿って並置されている。
転写搬送ベルト19は、各画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)の現像手段(13C,13M,13Y,13K)と、クリーニング手段(17C,17M,17Y,17K)との間で電子写真感光体(10C,10M,10Y,10K)に当接しており、転写搬送ベルト19の電子写真感光体10側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写手段(16C,16M,16Y,16K)が配置されている。各画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)は現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
図8に示す構成の画像形成装置において、画像形成動作は次のようにして行われる。まず、各画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)において、電子写真感光体(10C,10M,10Y,10K)が、電子写真感光体10と連れ周り方向に回転する帯電手段(11C,11M,11Y,11K)により帯電される。次に、電子写真感光体10の外側に配置された露光部(不図示)でレーザー光(12C,12M,12Y,12K)により、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。
次に、現像手段(13C,13M,13Y,13K)により潜像を現像してトナー像が形成される。現像手段(13C,13M,13Y,13K)は、それぞれC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)のトナーで現像を行う現像手段で、4つの電子写真感光体(10C,10M,10Y,10K)上で作られた各色のトナー像は転写ベルト19上で重ねられる。
転写紙15は給紙コロ21によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ22で一旦停止し、上記電子写真感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写手段23に送られる。転写ベルト19上に保持されたトナー像は転写手段23に印加された転写バイアスと転写ベルト19との電位差から形成される電界により、転写紙15上に転写される。転写紙上に転写されたトナー像は、搬送されて、定着手段24により転写紙上にトナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各電子写真感光体(10C,10M,10Y,10K)上に残った残留トナーは、それぞれのユニットに設けられたクリーニング手段(17C,17M,17Y,17K)で回収される。
図8に示したような、中間転写方式は、フルカラー印刷が可能な画像形成装置に特に有効であり、複数のトナー像を一度中間転写体上に形成した後に紙に一度に転写することによって、色ズレの防止の制御もしやすく高画質化に対しても有効である。
中間転写体には、ドラム状、ベルト状等の種々の形状のものがあるが、本発明においては従来公知である中間転写体のいずれも使用することが可能であり、電子写真感光体の高耐久化あるいは高画質化に対し有効かつ有用である。
なお、図8の例では画像形成要素は、転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものでは無く、色順は任意に設定されるものである。また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素(20C,20M,20Y)が停止するような機構を設けることは本発明に特に有効に利用できる。
前記タンデム方式による画像形成装置は、複数のトナー像を一度に転写できるため高速フルカラー印刷が実現される。
しかし、電子写真感光体が少なくとも4本を必要とすることから、装置の大型化が避けられず、また使用されるトナー量によっては、各々の感光体の摩耗量に差が生じ、それによって色の再現性が低下したり、異常画像が発生したりするなど多くの課題を有していた。
これに対し、本発明の電子写真感光体は、高光感度及び高安定化が実現されたことにより小径感光体でも適用可能であり、かつ残留電位上昇や感度劣化等の影響が低減されたことから、4本の電子写真感光体の使用量が異なっていても、残留電位や感度の繰り返し使用経時における差が小さく、長期繰り返し使用しても色再現性に優れたフルカラー画像を得ることが可能となる。
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、電子写真感光体と、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を、トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、前記トナーを収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容された現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置に着脱可能に備えさせることができ、後述する本発明で用いる画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図9に示すように、電子写真感光体10を内蔵し、帯電手段11、現像手段13、転写手段16、クリーニング手段17を有し、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。図9中、12は露光手段による露光、15は記録媒体をそれぞれ示す。
次に、図9に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、電子写真感光体10は、矢印方向に回転しながら、帯電手段11による帯電、露光手段(不図示)による露光12により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段13で現像され、得られた可視像は転写手段16により、記録媒体15に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の電子写真感光体表面は、クリーニング手段17によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。実施例中の「部」及び「%」は、特に記載がなければ「質量部」及び「質量%」を表す。
以下に、テトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の製造例を示す。
(製造例1)
−ジシアノジフェニルテトラアザナフタレンの製造−
ジアミノジシアノピラジン(6.0g、37.5mmol)、ジベンジル(7.88g、37.5mmol)、酢酸75mL、THF120mL、及びトリフルオロ酢酸4.5mLを混合し、5日間還流した。冷却後生成した沈殿をろ過し、下記構造式で表されるジシアノジフェニルテトラアザナフタレンの黄色粉末を得た(収量:8.9g、収率:71.0%)。
得られたジシアノジフェニルテトラアザナフタレンの赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)を図10に示す。
(製造例2)
−ジフェニルテトラアザナフタレンジアミドの製造−
ジシアノジフェニルテトラアザナフタレン(8.0g、23.9mmol)及び濃硫酸250mLを混合し、室温で5時間撹拌した。反応溶液を氷水に添加した。生成した沈殿をろ過した。下記構造式で表されるジフェニルテトラアザナフタレンジアミドの黄色粉末を得た(収量:7.0g、収率:79.0%)。
得られたジフェニルテトラアザナフタレンジアミドの赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)を図11に示す。
(製造例3)
−ジフェニルテトラアザナフタレンジカルボン酸の製造−
ジフェニルテトラアザナフタレンジアミド(0.3g、0.81mmol)にトリフルオロ酢酸5mLを加え氷冷下で撹拌した。そこに亜硝酸ナトリウム(170mg、2.43mmol)を少しずつ加え、1時間撹拌した。その後、酢酸を5mL加え、更に3時間撹拌した。反応溶液を氷水200mL加え、生成した沈殿物をろ過した。下記構造式で表されるジフェニルテトラアザナフタレンジカルボン酸の黄色粉末を得た(収量:280mg、収率:93.6%)。
得られたジフェニルテトラアザナフタレンジカルボン酸の赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)を図12に示す。
(製造例4)
−ジフェニルテトラアザナフタレンジカルボン酸無水物の製造−
ジフェニルテトラアザナフタレンジカルボン酸(2.5g、6.72mmol)及び無水酢酸100mLを混合し、アルゴン雰囲気下で3時間還流した。室温で放置して冷却させた後、無水酢酸を留去し、下記構造式で表されるジフェニルテトラアザナフタレンジカルボン酸無水物の茶色粉末を得た(収量:2.0g、収率:84.1%)。
得られたジフェニルテトラアザナフタレンジカルボン酸無水物の赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)を図13に示す。
(製造例5)
−例示化合物No.1の製造−
ジフェニルテトラアザナフタレンジカルボン酸無水物(1.0g、2.82mmol)、1,4−ジオキサン50mL、塩化チオニル、及び2−ヘプチルアミン(0.4g、3.56mmol)を混合し、アルゴン雰囲気下で1時間還流した。室温で放置して冷却させた後、溶媒を留去した。シリカゲルカラム(溶媒:ジクロロメタン)で精製し、例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を得た(収量:500mg、収率:39.3%)。
得られた例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)及びDSCチャートをそれぞれ図14及び図15に示す。
(実施例1)
<電子写真感光体の作製>
直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、及び電荷輸送層塗工液を、浸漬塗工によって順次塗布、乾燥し、平均厚み3.5μmの下引き層、平均厚み0.2μmの電荷発生層、及び平均厚み23μmの電荷輸送層を形成した。以上により、電子写真感光体No.1を作製した。
−下引き層塗工液−
・二酸化チタン粉末(石原産業株式会社製、タイベークCR−EL) 400部
・メラミン樹脂(DIC株式会社製、スーパーベッカミンG821−60) 65部
・アルキッド樹脂(DIC株式会社製、ベッコライトM6401−50) 120部
・2−ブタノン 400部
−電荷発生層塗工液−
・下記構造のフルオレノン系ビスアゾ顔料 12部
・ポリビニルブチラール(ユニオンカーバイド製、XYHL) 5部
・2−ブタノン 200部
・シクロヘキサノン 400部
−電荷輸送層塗工液−
・ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、Zポリカ) 10部
・例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物 10部
・テトラヒドロフラン 100部
<評価>
作製した電子写真感光体を、電子写真プロセス用カートリッジに装着し、帯電方式を正帯電コロナ帯電方式、画像露光光源を655nmの半導体レーザー(LD)に改造した株式会社リコー製imagio MF2200改造機にて暗部電位800(V)に設定した後、連続してトータル10万枚印刷相当の繰り返し試験を行った。
その際、以下のようにして、初期の明部電位、ドット解像度(画像ボケ)、及び繰り返し試験後の明部電位、ドット解像度(画像ボケ)の評価を行った。結果を表2に示す。
<<明部電位の測定>>
初期及び繰り返し試験後の明部電位をトレック・ジャパン株式会社製 MODEL344により測定した。
<<ドット画像評価基準>>
600dpi×600dpiの画素密度で画像濃度が5%のドット画像を連続10枚プリントアウトし、そのドット形状を実体顕微鏡で観察して、輪郭のシャープネスを以下の基準で5段階(5が優れ1が劣る)に分けて評価した。
−評価基準−
5:輪郭が明瞭で、良好。
4:5と比較して画像濃度の低下(小)が見られるが、良好。
3:5と比較して画像濃度の低下(中)が見られるが実質的に良好。
2:5と比較して画像濃度の低下(大)が見られる。
1:5と比較して画像濃度の低下(大)が見られ、さらに画像を判別できない。
(実施例2)
<電子写真感光体の作製>
実施例1おいて、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.2のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.2を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(実施例3)
<電子写真感光体の作製>
実施例1おいて、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.4のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.3を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(実施例4)
<電子写真感光体の作製>
実施例1おいて、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.5のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.4を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(実施例5)
<電子写真感光体の作製>
実施例1おいて、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.7のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.5を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(実施例6)
<電子写真感光体の作製>
実施例1おいて、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.8のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.6を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(実施例7)
<電子写真感光体の作製>
実施例1おいて、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.12のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.7を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(実施例8)
<電子写真感光体の作製>
実施例1おいて、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.13のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.8を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(実施例9)
<電子写真感光体の作製>
実施例1おいて、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.15のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.9を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(実施例10)
<電子写真感光体の作製>
実施例1おいて、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.17のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.10を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(実施例11)
<電子写真感光体の作製>
実施例1おいて、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.21のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.11を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(実施例12)
<電子写真感光体の作製>
実施例1において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.23のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.12を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(実施例13)
<電子写真感光体の作製>
実施例1において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.24のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.13を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(実施例14)
<電子写真感光体の作製>
実施例1において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.25のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.14を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(実施例15)
<電子写真感光体の作製>
実施例1において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.27のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.15を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(実施例16)
<電子写真感光体の作製>
実施例1における電荷輸送層塗工液を、下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.16を作製した。
また評価は、実施例1において帯電方式を負帯電型コロナ放電(スコロトロン方式)に代えた以外は、実施例1と同様に操作して行った。結果を表3に示す。
−電荷輸送層塗工液−
・ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、Zポリカ) 10部
・例示化合物1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物 1部
・下記構造式で表される電荷輸送物質No.1 9部
[電荷輸送物質No.1]
・テトラヒドロフラン 100部
(実施例17)
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.2のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.17を作製し、評価した。結果を表3に示す。
(実施例18)
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.4のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.18を作製し、評価した。結果を表3に示す。
(実施例19)
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.5のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.19を作製し、評価した。結果を表3に示す。
(実施例20)
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.7のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.20を作製し、評価した。結果を表3に示す。
(実施例21)
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.8のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.21を作製し、評価した。結果を表3に示す。
(実施例22)
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.12のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.22を作製し、評価した。結果を表3に示す。
(実施例23)
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.13のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.23を作製し、評価した。結果を表3に示す。
(実施例24)
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.15のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.24を作製し、評価した。結果を表3に示す。
(実施例25)
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.17のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.25を作製し、評価した。結果を表3に示す。
(実施例26)
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.21のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.26を作製し、評価した。結果を表3に示す。
(実施例27)
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.23のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.27を作製し、評価した。結果を表3に示す。
(実施例28)
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.24のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.28を作製し、評価した。結果を表3に示す。
(実施例29)
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.25のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.29を作製し、評価した。結果を表3に示す。
(実施例30)
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.27のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.30を作製し、評価した。結果を表3に示す。
(実施例31)
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の量を10部から1部に変え、電荷輸送物質の量を9部から7部に変えた以外は、実施例16と同様にして感光体No.31を作製し、評価した。結果を表4に示す。
(実施例32)
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物10部の代わりに、例示化合物No.4のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物1部を用い、電荷輸送物質の量を9部から8部に変えた以外は、実施例16と同様にして感光体No.32を作製し、評価した。結果を表4に示す。
(実施例33)
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物10部の代わりに、例示化合物No.12のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物1部を用い、電荷輸送物質の量を9部から8部に変えた以外は、実施例16と同様にして感光体No.33を作製し、評価した。結果を表4に示す。
(実施例34)
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物10部の代わりに、例示化合物No.13のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物1部を用い、電荷輸送物質の量を9部から8部に変えた以外は、実施例16と同様にして感光体No.34を作製し、評価した。結果を表4に示す。
(実施例35)
<電子写真感光体の作製>
実施例31において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、下記構造式で表される電荷輸送物質No.2を用いた以外は、実施例31と同様にして電子写真感光体No.35を作製し、評価した。結果を表5に示す。
[電荷輸送物質No.2]
(実施例36)
<電子写真感光体の作製>
実施例32において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、電荷輸送物質No.2を用いた以外は、実施例32と同様にして電子写真感光体No.36を作製し、評価した。結果を表5に示す。
(実施例37)
<電子写真感光体の作製>
実施例33において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、電荷輸送物質No.2を用いた以外は、実施例33と同様にして電子写真感光体No.37を作製し、評価した。結果を表5に示す。
(実施例38)
<電子写真感光体の作製>
実施例34において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、電荷輸送物質No.2を用いた以外は、実施例34と同様にして電子写真感光体No.38を作製し、評価した。結果を表5に示す。
(実施例39)
<電子写真感光体の作製>
実施例31において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、下記構造式で表される電荷輸送物質No.3を用いた以外は、実施例31と同様にして電子写真感光体No.39を作製し、評価した。結果を表6に示す。
[電荷輸送物質No.3]
(実施例40)
<電子写真感光体の作製>
実施例32において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、電荷輸送物質No.3を用いた以外は、実施例32と同様にして電子写真感光体No.40を作製し、評価した。結果を表6に示す。
(実施例41)
<電子写真感光体の作製>
実施例33において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、電荷輸送物質No.3を用いた以外は、実施例33と同様にして電子写真感光体No.41を作製し、評価した。結果を表6に示す。
(実施例42)
<電子写真感光体の作製>
実施例34において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、電荷輸送物質No.3を用いた以外は、実施例34と同様にして電子写真感光体No.42を作製し、評価した。結果を表6に示す。
(実施例43)
<電子写真感光体の作製>
実施例31において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、下記構造式で表される電荷輸送物質No.4を用いた以外は、実施例31と同様にして電子写真感光体No.43を作製し、評価した。結果を表7に示す。
[電荷輸送物質No.4]
(実施例44)
<電子写真感光体の作製>
実施例32において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、電荷輸送物質No.4を用いた以外は、実施例32と同様にして電子写真感光体No.44を作製し、評価した。結果を表7に示す。
(実施例45)
<電子写真感光体の作製>
実施例33において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、電荷輸送物質No.4を用いた以外は、実施例33と同様にして電子写真感光体No.45を作製し、評価した。結果を表7に示す。
(実施例46)
<電子写真感光体の作製>
実施例34において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、電荷輸送物質No.4を用いた以外は、実施例34と同様にして電子写真感光体No.46を作製し、評価した。結果を表7に示す。
(実施例47)
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷発生層塗工液、及び電荷輸送層塗工液を下記のものに変更した以外は、実施例16と同様にして電子写真感光体No.47を作製し、評価した。結果を表8に示す。
−オキソチタニウムフタロシアニンの製造−
特開2001−019871号公報に記載の合成例4と同様に、1,3−ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラン200mLを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下した。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温して、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、次いでメタノールで数回洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過、次いで洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返し、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキを得た。このケーキの乾燥品のX線回析スペクトルを図16に示した。得られたウェットケーキ2gを二硫化炭素20gに投入し、4時間撹拌を行った。これにメタノール100gを追加して、1時間撹拌を行った後、濾過を行い、乾燥して、オキソチタニウムフタロシアニン結晶粉末を得た。
−電荷発生層塗工液−
・図16に示す粉末XDスペクトルを有するオキソチタニウムフタロシアニン 8部
・ポリビニルブチラール(積水化学工業株式会社製、エスレックBX−1) 5部
・2−ブタノン 400部
−電荷輸送層塗工液−
・ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、Zポリカ) 10部
・例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物 1部
・電荷輸送物質No.1 7部
・トルエン 70部
(実施例48)
<電子写真感光体の作製>
実施例47において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.13のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例47と同様にして電子写真感光体No.48を作製し、評価した。結果を表8に示す。
(実施例49)
<電子写真感光体の作製>
直径100mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の感光層用塗工液を塗布、乾燥することにより、平均厚み30μmの単層感光層を形成した。以上により、電子写真感光体No.49を作製した。
−感光層用塗工液−
・X型無金属フタロシアニン
(DIC株式会社製、Fastogen Blue 8120B) 2部
・下記構造式で表される電荷輸送物質No.5 20部
[電荷輸送物質No.5]
・例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物 30部
・ビスフェノールZポリカーボネート
(帝人化成株式会社製、パンライトTS−2050) 50部
・テトラヒドロフラン 500部
<評価>
作製した電子写真感光体を、電子写真プロセス用カートリッジに装着し、帯電方式をコロナ帯電方式(スコロトロン型)、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(LD)に改造した株式会社リコー製imagio Neo 752改造機にてプラス帯電を行い、暗部表面電位+700(V)に設定した後、連続してトータル10万枚印刷相当の繰り返し試験を行った。
その際、実施例1と同様にして、初期の明部電位、ドット解像度(画像ボケ)、及び繰り返し試験後の明部電位、ドット解像度(画像ボケ)の評価を行った。結果を表9に示す。
(実施例50)
<電子写真感光体の作製>
実施例49において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.4のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例49と同様にして電子写真感光体No.50を作製し、評価した。結果を表9に示す。
(実施例51)
<電子写真感光体の作製>
実施例49において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.12のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例49と同様にして電子写真感光体No.51を作製し、評価した。結果を表9に示す。
(実施例52)
<電子写真感光体の作製>
実施例49において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.13のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例49と同様にして電子写真感光体No.52を作製し、評価した。結果を表9に示す。
(実施例53)
<電子写真感光体の作製>
直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、実施例49において用いた感光層用塗工液を塗布、乾燥することにより、平均厚み30μmの単層感光層を形成した。以上により、電子写真感光体No.53を作製した。
また、実施例1と同様にして、作製した電子写真感光体の評価をした。結果を表10に示す。
(実施例54)
<電子写真感光体の作製>
実施例53において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.4のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例53と同様にして電子写真感光体No.54を作製し、評価した。結果を表10に示す。
(実施例55)
<電子写真感光体の作製>
実施例53において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.12のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例53と同様にして電子写真感光体No.55を作製し、評価した。結果を表10に示す。
(実施例56)
<電子写真感光体の作製>
実施例53において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.13のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例53と同様にして電子写真感光体No.56を作製し、評価した。結果を表10に示す。
(実施例57)
<電子写真感光体の作製>
直径100mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の電荷輸送層用塗工液、及び電荷発生層用塗工液を順次塗布し、乾燥することにより平均厚み20μmの電荷輸送層、平均厚み0.1μmの電荷発生層を形成し、電子写真感光体No.57を作製した。
また、実施例1と同様にして、作製した電子写真感光体の評価をした。結果を表11に示す。
−電荷輸送層用塗工液−
・ビスフェノールAポリカーボネート
(帝人化成株式会社製、パンライトC−1400) 10部
・トルエン 100部
・例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物 10部
−電荷発生層用塗工液−
・ポリビニルブチラール(ユニオンカーバイド製、XYHL) 0.5部
・シクロヘキサノン 200部
・メチルエチルケトン 80部
・X型無金属フタロシアニン
(DIC株式会社製、Fastogen Blue 8120B) 2部
(実施例58)
<電子写真感光体の作製>
実施例57において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.4のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例57と同様にして電子写真感光体No.58を作製し、評価した。結果を表11に示す。
(実施例59)
<電子写真感光体の作製>
実施例57において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.12のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例57と同様にして電子写真感光体No.59を作製し、評価した。結果を表11に示す。
(実施例60)
<電子写真感光体の作製>
実施例57において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.13のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例57と同様にして電子写真感光体No.60を作製し、評価した。結果を表11に示す。
(実施例61)
<電子写真感光体の作製>
実施例47において、電荷輸送層塗工液を、下記組成のものに変更した以外は、実施例47と同様にして、電子写真感光体No.61を作製した。
また、実施例47において、帯電方式を正帯電型コロナ放電(スコロトロン方式)に代えた以外は実施例47と同様にして評価を行った。結果を表12に示す。
−電荷輸送層塗工液−
・ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、Zポリカ) 10部
・例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物 1部
・電荷輸送物質No.5 9部
・テトラヒドロフラン 100部
(実施例62)
<電子写真感光体の作製>
実施例61において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.5の代わりに、下記構造式で表される電荷輸送物質No.6を用いた以外は、実施例61と同様にして電子写真感光体No.62を作製し、評価した。結果を表12に示す。
[電荷輸送物質No.6]
(実施例63)
<電子写真感光体の作製>
実施例61において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.5の代わりに、下記構造式で表される電荷輸送物質No.7を用いた以外は、実施例61と同様にして電子写真感光体No.63を作製し、評価した。結果を表12に示す。
[電荷輸送物質No.7]
(実施例64)
<電子写真感光体の作製>
実施例61において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.5の代わりに、下記構造式で表される電荷輸送物質No.8を用いた以外は、実施例61と同様にして電子写真感光体No.64を作製し、評価した。結果を表12に示す。
[電荷輸送物質No.8]
(比較例1)
<電子写真感光体の作製>
実施例1において、例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物に代えて、電荷輸送物質No.5を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較電子写真感光体No.1を作製し、評価した。結果を表13に示す。
(比較例2)
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液に例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を加えず、電荷輸送物質No.1の質量を9部から10部に変えた以外は、実施例16と同様にして、比較電子写真感光体No.2を作製し、評価した。結果を表13に示す。
(比較例3)
<電子写真感光体の作製>
実施例35において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、下記構造で表されるテトラフェニルメタン化合物(特開2000−231204号公報記載)を用いた以外は、実施例35と同様にして、比較電子写真感光体No.3を作製し、評価した。結果を表13に示す。
(比較例4)
<電子写真感光体の作製>
実施例47において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、下記構造で表されるヒンダードアミン系酸化防止剤を用いた以外は、実施例11と同様にして、比較電子写真感光体No.4を作製し、評価した。結果を表13に示す。
(比較例5)
<電子写真感光体の作製>
実施例49において、例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物30部を、電荷輸送物質No.6を18部及び下記構造式で表される電荷輸送物質No.9を2部に変えた以外は、実施例49と同様にして、比較電子写真感光体No.5を作製し、評価した。結果を表13に示す。
[電荷輸送物質No.9]
(比較例6)
<電子写真感光体の作製>
実施例49において、例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物30部を、電荷輸送物質No.7を20部に変えた以外は、実施例49と同様にして、比較電子写真感光体No.6を作製し、評価した。結果を表13に示す。
(比較例7)
<電子写真感光体の作製>
実施例57において、例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物10部を、電荷輸送物質No.6を9部及び電荷輸送物質No.9を1部に変えた以外は、実施例57と同様にして、比較電子写真感光体No.7を作製し、評価した。結果を表13に示す。
(比較例8)
<電子写真感光体の作製>
実施例1において、例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を、下記構造式で表される3,4−チオフェンジカルボン酸イミド化合物に変えた以外は、実施例1と同様にして、比較電子写真感光体No.8を作製し、評価した。結果を表13に示す。
−3,4−チオフェンジカルボン酸イミド化合物の製造−
3,4−チオフェンジカルボン酸イミド化合物の合成方法としては、J.Am.Chem.Soc,2010,132,5330−5331に記載の方法に従い、下記構造式で表されるN−(1−メチルヘキシル)−3,4−チオフェンジカルボン酸イミド(3,4−チオフェンイミド化合物)を合成した。製造例を以下に示す。
3,4−チオフェンジカルボン酸(2.5g、14.5mmol)、無水酢酸70mLを混合し、2時間還流した。室温に冷却後溶媒を留去し、反応粗生成物2.1gを得、このまま次の反応に用いた。次に上記反応粗生成物(1.5g、9.7mmol)、2−ヘプチルアミン(1.18g、10.2mmol)、トルエン50mLを混合して大気下で1時間撹拌、還流した。反応溶液を減圧下で濃縮した。反応粗生成物にジオキサン100mL、塩化チオニル10mLを加え、アルゴン雰囲気下で2時間撹拌及び還流した。反応溶液を減圧下で濃縮した。反応粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)により精製し、メタノールで再結晶した。無色粉末状の下記構造式で表されるN−(1−メチルヘキシル)−3,4−チオフェンジカルボン酸イミド(収量:1.5g、収率:61.6%)を得た。
以上の評価結果から、感光体No.1〜64は、10万枚印刷後においても明部電位上昇は少なく、したがって、本発明のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を含有した感光体では高画質画像が安定に得られることが確認された。
一方、比較感光体No.1、3、4、8は、明部電位が初期から非常に高く、画像濃度の低下や解像度の低下を引き起こしており、10万枚印刷後では階調性が著しく低下したことによって画像の判別が不可能であった。更には、表2、10の評価結果から、本発明の感光体は正帯電方式においても良好な画像が得られ、10万枚印刷後においても画像品質は良好で画像ボケ(ドット解像度)評価結果も良好であることがわかった。また、比較感光体No.2、5、6及び7は明部電位の上昇は比較的小さいものの、本発明の感光体と比べ、繰り返し使用による解像度低下が大きいことがわかった。
<<耐久試験:実施例65〜75、比較例9>>
また、本発明の電子写真感光体No.1、No.17、No.33、No.37、No.48、No.49、No.59と、比較感光体No.2について、50ppmの窒素酸化物(NOx)ガス濃度に調整されたデシケータ中に4日間放置し、初期(放置なし)及び放置後における画像品質評価を行った。結果を表14に示す。
なお、画像品質評価としては、初期及び放置後の電子写真感光体を、電子写真プロセス用カートリッジに装着し、帯電方式を正帯電コロナ帯電方式、画像露光光源を655nmの半導体レーザー(LD)に改造した株式会社リコー製imagio MF2200改造機にて暗部電位800(V)に設定した後、下記表15に示す通り、8ptの文字、400dpiにて縦方向2ドット分、横方向2ドット分で構成されるドットを2ドット間隔で配置した密集ドット(表15中、「2by2」と記載した)、及び400dpiにて1ドットを1ドット間隔で配置した密集ドット(表15中、「1by1」と記載した)を画像出力し、その画像を虫眼鏡等のレンズで観察し、下記表15に示す判定基準に基づいて判定した。
表14の評価結果より、感光体に本発明のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を含有させることによって、酸化性ガスに対する耐性、即ち解像度低下抑止が大幅に向上することがわかった。一方、比較例感光体2は、初期画像品質は良好であるが、酸化性ガスにより著しい解像度の低下が起こることがわかった。
本発明の態様としては、例えば、以下の通りである。
<1> 導電性支持体と、前記導電性支持体上に少なくとも感光層とを有する電子写真感光体であって、
前記感光層が、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
〔一般式(1)〕
ただし、前記一般式(1)中、Rは水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R及びRは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素族基を表し、R及びRは互いに結合して環を形成してもよい。
<2> 感光層が、電荷輸送物質を更に含有する前記<1>に記載の電子写真感光体である。
<3> 電荷輸送物質が、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(6)で表される化合物、下記一般式(7)で表される化合物、及び下記一般式(10)で表される化合物の少なくともいずれかである前記<2>に記載の電子写真感光体である。
〔一般式(2)〕
ただし、前記一般式(2)中、Xは単結合又はビニレン基を表し、R102は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar101は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R101は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar101とR101は互いに結合して環を形成してもよく、Aは下記一般式(3)で表される基、下記一般式(4)で表される基、9−アントリル基、又は置換若しくは無置換のカルバゾリル基を表す。
〔一般式(3)〕
ただし、前記一般式(3)中、R103は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は下記一般式(5)で表される基を表し、kは1〜3の整数を表し、kが2〜3のとき、R103は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
〔一般式(4)〕
ただし、前記一般式(4)中、R104は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は下記一般式(5)で表される基を表し、kは1〜3の整数を表し、kが2〜3のとき、R104は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
〔一般式(5)〕
ただし、前記一般式(5)中、R105及びR106は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R105及びR106は互いに結合して環を形成してもよい。
〔一般式(6)〕
ただし、前記一般式(6)中、R108、R109及びR110は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換若しくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R107は水素原子、アルコキシ基、置換若しくは無置換のアルキル基、又はハロゲン原子を表し、r、s、t及びuは1〜4の整数であり、rが2〜4のとき、R108は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、sが2〜4のとき、R107は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、tが2〜4のとき、R110は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、uが2〜4のとき、R109は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
〔一般式(7)〕
ただし、前記一般式(7)中、Yは単結合又はビニレン基を表し、R111は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar102は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R112は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar102及びR112は互いに結合して環を形成してもよく、R113は、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar103は下記一般式(8)で表される基又は下記一般式(9)で表される基を表す。
〔一般式(8)〕
ただし、前記一般式(8)中、R114は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表し、qは1〜3の整数を表し、qが2〜3のとき、R114は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
〔一般式(9)〕
ただし、前記一般式(9)中、R115は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表し、qは1〜3の整数を表し、qが2〜3のとき、R115は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
〔一般式(10)〕
ただし、前記一般式(10)中、Zは単結合又はビニレン基を表し、R116は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar104は置換若しくは無置換の2価の芳香族炭化水素基を表し、R117は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Bは下記一般式(11)で表される基、下記一般式(12)で表される基、9−アントリル基、又は置換若しくは無置換のカルバゾリル基を表す。
〔一般式(11)〕
ただし、前記一般式(11)中、R118は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は下記一般式(13)で表される基を表し、qは1〜3の整数を表し、qが2〜3のとき、R118は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
〔一般式(12)〕
ただし、前記一般式(12)中、R119は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は下記一般式(13)で表される基を表し、qは1〜3の整数を表し、qが2〜3のとき、R119は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
〔一般式(13)〕
ただし、前記一般式(13)中、R120及びR121は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R120及びR121は互いに結合して環を形成してもよい。
<4> 電荷輸送物質が、下記一般式(14)で表される化合物、及び下記一般式(15)で表される化合物の少なくともいずれかである前記<2>に記載の電子写真感光体である。
〔一般式(14)〕
ただし、前記一般式(14)中、R122及びR123は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。
〔一般式(15)〕
ただし、前記一般式(15)中、R124は置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R125は置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、又は下記一般式(16)で表される基を表す。
〔一般式(16)〕
ただし、前記一般式(16)中、R126は、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を示す。
<5> 電荷輸送物質が、下記一般式(17)で表される化合物、及び下記一般式(18)で表される化合物の少なくともいずれかである前記<2>に記載の電子写真感光体である。
〔一般式(17)〕
ただし、前記一般式(17)中、R127及びR128は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。
〔一般式(18)〕
ただし、前記一般式(18)中、R129及びR130は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。
<6> 感光層が、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層をこの順及び逆順のいずれかで有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<7> 感光層が、単層型の感光層である前記<1>から<5>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<8> 正及び負のいずれの極性でも帯電可能である前記<1>から<7>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<9> 電子写真感光体と、前記電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記電子写真感光体が、前記<1>から<8>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置である。
<10> 電子写真感光体と、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を、トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを有し、画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、
前記電子写真感光体が、前記<1>から<8>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
10、10Y、10M、10C、10K 感光体
11、11Y、11M、11C、11K 帯電部材
12、12Y、12M、12C、13K 画像露光部材
13、13Y、13M、13C、13K 現像部材
14 搬送ローラ
15 転写紙
16、16Y、16M、16C、16K 転写部材
17、17Y、17M、17C、17K クリーニング部材
18 除電部材
19 転写搬送ベルト
20Y、20M、20C、20K 画像形成要素
21 給紙コロ
22 レジストローラ
23 転写部材(二次転写部材)
24 定着部材
31 導電性支持体
33 感光層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 保護層
特許第2732697号公報 特開2000−231204号公報 特開昭60−196768号公報 特許第2884353号公報 特開2004−258253号公報 国際公開第2005/092901号パンフレット
伊丹ら、コニカテクニカルレポート、13巻、37頁、2000年

Claims (10)

  1. 導電性支持体と、前記導電性支持体上に少なくとも感光層とを有する電子写真感光体であって、
    前記感光層が、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    〔一般式(1)〕
    ただし、前記一般式(1)中、Rは水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R及びRは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素族基を表し、R及びRは互いに結合して環を形成してもよい。
  2. 感光層が、電荷輸送物質を更に含有する請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 電荷輸送物質が、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(6)で表される化合物、下記一般式(7)で表される化合物、及び下記一般式(10)で表される化合物の少なくともいずれかである請求項2に記載の電子写真感光体。
    〔一般式(2)〕
    ただし、前記一般式(2)中、Xは単結合又はビニレン基を表し、R102は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar101は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R101は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar101とR101は互いに結合して環を形成してもよく、Aは下記一般式(3)で表される基、下記一般式(4)で表される基、9−アントリル基、又は置換若しくは無置換のカルバゾリル基を表す。
    〔一般式(3)〕
    ただし、前記一般式(3)中、R103は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は下記一般式(5)で表される基を表し、kは1〜3の整数を表し、kが2〜3のとき、R103は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
    〔一般式(4)〕
    ただし、前記一般式(4)中、R104は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は下記一般式(5)で表される基を表し、kは1〜3の整数を表し、kが2〜3のとき、R104は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
    〔一般式(5)〕
    ただし、前記一般式(5)中、R105及びR106は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R105及びR106は互いに結合して環を形成してもよい。
    〔一般式(6)〕
    ただし、前記一般式(6)中、R108、R109及びR110は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換若しくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R107は水素原子、アルコキシ基、置換若しくは無置換のアルキル基、又はハロゲン原子を表し、r、s、t及びuは1〜4の整数であり、rが2〜4のとき、R108は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、sが2〜4のとき、R107は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、tが2〜4のとき、R110は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、uが2〜4のとき、R109は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
    〔一般式(7)〕
    ただし、前記一般式(7)中、Yは単結合又はビニレン基を表し、R111は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar102は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R112は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar102及びR112は互いに結合して環を形成してもよく、R113は、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar103は下記一般式(8)で表される基又は下記一般式(9)で表される基を表す。
    〔一般式(8)〕
    ただし、前記一般式(8)中、R114は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表し、qは1〜3の整数を表し、qが2〜3のとき、R114は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
    〔一般式(9)〕
    ただし、前記一般式(9)中、R115は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表し、qは1〜3の整数を表し、qが2〜3のとき、R115は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
    〔一般式(10)〕
    ただし、前記一般式(10)中、Zは単結合又はビニレン基を表し、R116は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Ar104は置換若しくは無置換の2価の芳香族炭化水素基を表し、R117は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Bは下記一般式(11)で表される基、下記一般式(12)で表される基、9−アントリル基、又は置換若しくは無置換のカルバゾリル基を表す。
    〔一般式(11)〕
    ただし、前記一般式(11)中、R118は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は下記一般式(13)で表される基を表し、qは1〜3の整数を表し、qが2〜3のとき、R118は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
    〔一般式(12)〕
    ただし、前記一般式(12)中、R119は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は下記一般式(13)で表される基を表し、qは1〜3の整数を表し、qが2〜3のとき、R119は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
    〔一般式(13)〕
    ただし、前記一般式(13)中、R120及びR121は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R120及びR121は互いに結合して環を形成してもよい。
  4. 電荷輸送物質が、下記一般式(14)で表される化合物、及び下記一般式(15)で表される化合物の少なくともいずれかである請求項2に記載の電子写真感光体。
    〔一般式(14)〕
    ただし、前記一般式(14)中、R122及びR123は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。
    〔一般式(15)〕
    ただし、前記一般式(15)中、R124は置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R125は置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、又は下記一般式(16)で表される基を表す。
    〔一般式(16)〕
    ただし、前記一般式(16)中、R126は、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を示す。
  5. 電荷輸送物質が、下記一般式(17)で表される化合物、及び下記一般式(18)で表される化合物の少なくともいずれかである請求項2に記載の電子写真感光体。
    〔一般式(17)〕
    ただし、前記一般式(17)中、R127及びR128は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。
    〔一般式(18)〕
    ただし、前記一般式(18)中、R129及びR130は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。
  6. 感光層が、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層をこの順及び逆順のいずれかで有する請求項1から5のいずれかに記載の電子写真感光体。
  7. 感光層が、単層型の感光層である請求項1から5のいずれかに記載の電子写真感光体。
  8. 正及び負のいずれの極性でも帯電可能である請求項1から7のいずれかに記載の電子写真感光体。
  9. 電子写真感光体と、前記電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
    前記電子写真感光体が、請求項1から8のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
  10. 電子写真感光体と、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を、トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを有し、画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、
    前記電子写真感光体が、請求項1から8のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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