JP6056573B2 - 電子写真感光体、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
そのような背景から、要求される感光体の機能としては、高画質化と高耐久化を両立させることが、特に重要な課題となっている。
これらの電子写真方式のレーザープリンタ、デジタル複写機等に使用される電子写真感光体としては、有機系の電子写真感光体を用いたものがコスト、生産性及び無公害性等の理由から一般に広く応用されている。
一方、1968年、林とRegensburgerにより各々独立してPVK/a−Se積層感光体が発明され、後には1977年Melzらにより、また1978年Schlosserにより有機顔料分散層と有機低分子分散ポリマー層という感光層全てが有機材料からなる積層感光体が発表された。これらは光を吸収して電荷を発生する電荷発生層(CGL)と、CGLで生成した電荷を注入、輸送し、表面電荷を中和する電荷輸送層(CTL)からなるという概念から、機能分離型積層感光体とも呼ばれる。
それらの影響を軽減させる1つの方法として感光体にヒーターを搭載する方法があるが、装置の小型化や消費電力の低減に対して大きな障害となっている。
また、酸化防止剤等の添加剤も有効な手段ではあるが、単なる添加剤は光導電性を有しないものであるから、感光層への多量添加は、低感度化、残留電位上昇等の電子写真特性の問題を招いてしまう。
これは、画像ボケの発生を抑制するには抵抗が高い方が、残留電位上昇を抑制するには抵抗が低い方が適していることから、双方でトレードオフの関係になっているためである。
しかし、正帯電型の感光体は、オゾン、窒素酸化物イオン等の酸化性ガスに対して非常に影響を受けやすい電荷発生物質が、表面近傍にあるため周りの環境ガス、例えば、ファンヒーター、車からの排気ガスによる特性変動が大きいという欠点を有している。
画像ボケを抑制するため、例えば、感光体へ酸掃去剤としてジアルキルアミノ基を有する芳香族系化合物を用いることが提案されている(特許文献2参照)。この提案の化合物は、繰り返し使用後の画像品質に対して有効なものであるが、電荷輸送能が低いため高感度、高速化要求には対応が難しく、添加量においても限界がある。
また、感光体へジアルキルアミノ基を有するスチルベン化合物を用いることが提案され(特許文献3及び4参照)、このスチルベン化合物も、酸化性ガスによる画像流れ(解像度低下)に対して効果があることが記載されている(非特許文献1参照)。
しかし、このスチルベン化合物は電荷輸送サイトであるトリアリールアミン構造の共鳴部位に強いメゾメリー効果(+M効果)の置換基であるジアルキルアミノ基を有しているため、全体のイオン化ポテンシャル値は異常に小さくなる。それ故、正孔輸送物質として単独使用した感光層の帯電保持能は、初期から、又は繰り返し使用により著しく悪くなる。このため、実用化は非常に難しいという致命的な欠点を有し、他の電荷輸送物質と混合併用しても、前記スチルベン化合物のイオン化ポテンシャル値はそれらよりもかなり小さいため、スチルベン化合物が移動電荷のホールトラップサイトとなり、感度が著しく低く、かつ残留電位が大きな感光体となってしまうという欠点を有している。
また、スチルベン化合物と特定のジアミン化合物とを含み、感度低下を招くことなく繰り返し使用及び酸性ガスなどに対する環境耐性を向上させた感光体が提案されている(特許文献5参照)。しかし、この提案においても、高速印刷、及び感光体の小径化に伴う装置の小型化を実現するには未だ充分ではなかった。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と、前記導電性支持体上に少なくとも感光層とを有する電子写真感光体であって、
前記感光層が、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする。
〔一般式(1)〕
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と、前記導電性支持体上に少なくとも感光層とを有してなり、更に必要に応じてその他の層を有する。
前記感光層は、下記一般式(1)で表される化合物を含有し、好ましくは電荷輸送物質を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
〔一般式(1)〕
したがって、上記構成を満足することにより、長期間の繰り返し使用に対して高耐久性を有し、かつ画像濃度低下、及び画像ボケの発生による画像劣化を抑制し、高画質画像が安定に得られ、両極性帯電可能な電子写真方法、電子写真装置、並びに電子写真用プロセスカートリッジを提供するに至った。
前記一般式(1)のR1、R2及びR3において、芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フルオレン及びピレン等の芳香族環の1価基;ピリジン、キノリン、チオフェン、フラン、オキサゾール、オキサジアゾール、カルバゾール等の芳香族複素環の1価基などが挙げられる。
前記一般式(1)のR2及びR3において、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
前記一般式(1)のR2及びR3において、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
前記一般式(1)において、R2及びR3としては、メチル基、エチル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシルフェニル基、4−(tert−ブチル)フェニル基、ナフチル基、4−(N,N’−ジエチルアミノ)フェニル基が好ましい。
前記一般式(1)において、R2及びR3は、互いに結合して環を形成してもよく、前記環としては、下記構造式で表されるものが好ましい。
前記第1工程での反応温度は50℃〜200℃が好ましく、前記第2工程での反応温度は50℃〜180℃が好ましい。
本発明の電子写真感光体においては、単層型感光層及び積層型感光層のいずれも好適に用いることができる。
前記積層型感光層の場合には、電荷輸送層中に、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を含有し、後述する電荷輸送物質を含有することが好ましい。
前記積層型感光層は、上述したように、前記導電性支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順及び逆順のいずれかで積層してなる。
前記電荷発生層は、電荷発生物質を含み、好ましくは結着樹脂を含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シーアイピグメントブルー25(カラーインデックスCI 21180)、シーアイピグメントレッド41(CI 21200)、シーアイアシッドレッド52(CI 45100)、シーアイベーシックレッド3(CI 45210);カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−95033号公報)、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−133445号公報)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−132347号公報)、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728号公報)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12742号公報)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号公報)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17733号公報)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2129号公報)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−14967号公報)、ベンズアントロン骨格を有するアゾ顔料等のアゾ顔料;シーアイピグメントブルー16(CI 74100)、Y型オキソチタニウムフタロシアニン(特開昭64−17066号公報)、A(β)型オキソチタニウムフタロシアニン、B(α)型オキソチタニウムフタロシアニン、I型オキソチタニウムフタロシアニン(特開平11−21466号公報)、II型クロロガリウムフタロシアニン(飯島他,日本化学会第67春季年会,1B4,04(1994))、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン(大門他,日本化学会第67春季年会,1B4,05(1994))、X型無金属フタロシアニン(米国特許第3,816,118号明細書)等のフタロシアニン系顔料;シーアイバットブラウン5(CI 73410)、シーアイバットダイ(CI 73030)等のインジコ系顔料;アルゴスカーレットB(バイエル社製)、インタンスレンスカーレットR(バイエル社製)等のペリレン顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷発生物質の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対して、1質量部〜100質量部が好ましく、5質量部〜50質量部がより好ましい。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結着樹脂の含有量は、前記電荷発生物質100質量部に対して、0質量部〜500質量部が好ましく、10質量部〜300質量部がより好ましい。
前記その他の成分としては、酸化防止剤、可塑剤、レベリング剤、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等の添加剤などが挙げられる。
前記電荷発生層は、前記電荷発生物質、好ましくは前記結着樹脂、必要に応じてその他の成分を溶剤に溶解乃至分散した電荷発生層塗工液を調製する。この電荷発生層塗工液を支持体又は電荷輸送層上に塗布し、乾燥することにより、電荷発生層が形成される。なお、前記結着樹脂を添加する場合には、分散前及び分散後のどちらでも構わない。
前記分散する方法としては、例えば、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散する方法などが挙げられる。
前記電荷発生層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm〜5μmが好ましく、0.1μm〜2μmがより好ましい。
前記電荷輸送層は、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を含有し、好ましくは電荷輸送物質及び結着樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記電荷輸送層において、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物は、電荷輸送物質と併用することが好ましい。これにより高感度、及び繰り返し安定性等が更に向上する。
前記電荷輸送物質としては、正孔輸送物質、電子輸送物質、又は高分子電荷輸送物質が挙げられる。
前記電荷輸送物質は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正孔輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ−N−カルバゾール又はその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート又はその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物又はその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、下記一般式(2)、(6)、(7)、(10)、(I)〜(VI)、(IX)〜(XVII)、及び(XIX)のいずれかで表される化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
〔一般式(2)〕
〔一般式(6)〕
〔一般式(7)〕
〔一般式(10)〕
〔一般式(I)〕
〔一般式(II)〕
〔一般式(III)〕
〔一般式(IV)〕
〔一般式(V)〕
〔一般式(VI)〕
〔一般式(IX)〕
〔一般式(X)〕
〔一般式(XI)〕
〔一般式(XII)〕
〔一般式(XIII)〕
〔一般式(XIV)〕
〔一般式(XV)〕
〔一般式(XVI)〕
〔一般式(XVII)〕
〔一般式(XIX)〕
前記電子輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−インデノ4H−インデノ[1、2−b]チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゼン環チオフェン−5,5−ジオキサイド、下記一般式(14)、(15)、(17)、(18)、及び(XX)〜(XXI)のいずれかで表される化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
〔一般式(14)〕
前記一般式(14)で表されるジフェノキノン化合物としては、例えば、3,5−ジメチル−3’,5’−ジ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノン、3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノンなどが挙げられる。
〔一般式(15)〕
前記一般式(15)で表されるナフトキノン化合物としては、例えば、2−オキシカルボニルベンジル−3−フェニル−1,4−ナフトキノンなどが挙げられる。
〔一般式(17)〕
〔一般式(18)〕
〔一般式(XX)〕
〔一般式(XXI)〕
前記高分子電荷輸送物質は、電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂としての機能を有する。前記高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れている。
前記高分子電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トリアリールアミン構造を主鎖及び/又は側鎖に含むポリカーボネートが好適である。これらの中でも、下記一般式(A)及び(D)〜(M)で表される繰り返し単位を有する高分子電荷輸送物質が特に好ましい。
〔一般式(A)〕
〔一般式(D)〕
〔一般式(E)〕
〔一般式(F)〕
〔一般式(G)〕
〔一般式(H)〕
〔一般式(I)〕
〔一般式(J)〕
〔一般式(K)〕
〔一般式(L)〕
〔一般式(M)〕
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
この場合、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の含有量は、前記電荷輸送物質100質量部に対して、0.01質量部〜150質量部が好ましく、10質量部〜100質量部がより好ましい。前記含有量が、0.01質量部未満であると、酸化性ガスに対する耐性が不足することがあり、150質量部を超えると、繰り返し使用による残留電位の上昇が大きくなってしまうことがある。
前記その他の成分としては、酸化防止剤、可塑剤、レベリング剤、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等の添加剤などが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、後述する酸化防止剤を用いることができる。これらの中でも、ハイドロキノン類、ヒンダードアミン類が特に好ましい。
前記電荷輸送層に添加する酸化防止剤は、後述の酸化防止剤とは添加する目的が異なり、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の変質保護のために添加される。
そのため、前記酸化防止剤は、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を含有させる前の工程で電荷輸送層塗工液に含有させておくことが好ましい。前記酸化防止剤の含有量は、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物100質量部に対して、0.1質量部〜200質量部が好ましく、1質量部〜100質量部がより好ましい。
前記電荷輸送層は、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、好ましくは前記電荷輸送物質及び前記結着樹脂、必要に応じて可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等のその他の成分を溶剤に溶解乃至分散した電荷輸送層塗工液を調製する。この電荷輸送層塗工液を電荷発生層又は支持体上に塗布し、乾燥することにより、電荷輸送層を形成できる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが挙げられる。
前記電荷輸送層塗工液の塗工法としては、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の従来の塗工方法を用いることができる。
前記単層型感光層は、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、前記電荷発生物質、好ましくは電荷輸送物質及び結着樹脂を含有し、更に必要に応じて可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等のその他の成分を含有してなる。
前記電荷発生物質としては、前記電荷発生層で挙げた電荷輸送物質の中から適宜選択して用いることができる。
前記電荷輸送物質としては、前記電荷輸送層で挙げた電荷輸送物質の中から適宜選択して用いることができる。
この場合、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の含有量は、前記電荷輸送物質100質量部に対して、0.01質量部〜150質量部が好ましく、10質量部〜100質量部がより好ましい。前記含有量が、0.01質量部未満であると、酸化性ガスに対する耐性が不足することがあり、150質量部を超えると、繰り返し使用による残留電位の上昇が大きくなってしまうことがある。
前記電荷発生物質の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対して、5質量部〜40質量部が好ましい。
前記電荷輸送物質の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対して、0質量部〜190質量部が好ましく、50質量部〜150質量部がより好ましい。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサンなどが挙げられる。
前記感光層塗工液の塗布方法としては、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコート、リングコートなどが挙げられる。
前記単層型感光層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm〜25μmが好ましい。
前記導電性支持体としては、体積抵抗値が1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスベルト(エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルト等)を用いてもよい。
前記導電性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性粉体及び結着樹脂を必要に応じて溶剤に分散乃至溶解して得られた塗工液を前記支持体上に塗布することにより形成する方法;ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)等の素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブを用いて形成する方法などが挙げられる。
前記導電性層に用いる溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどが挙げられる。
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下引き層、保護層、中間層などが挙げられる。
前記下引き層は、前記導電性支持体と前記感光層との間に設けることができる。
前記下引き層は、樹脂を含み、更に必要に応じて酸化防止剤、微粉末顔料、カップリング剤等のその他の成分を含む。
前記下引き層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜5μmが好ましい。
前記感光層の保護を目的として、保護層を感光層上に設けることができる。
前記保護層は、樹脂、フィラーを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、フィラーの分散性、残留電位、塗膜欠陥の点から、ポリカーボネート、ポリアリレートが好ましい。
前記有機フィラーとしては、例えばポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末、などが挙げられる。
前記無機フィラーとしては、例えば銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属粉末;シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物;チタン酸カリウムなどが挙げられる。
これらの中でも、フィラーの硬度の点から、無機材料を用いることが好ましく、シリカ、酸化チタン、アルミナが特に好ましい。
前記保護層の平均厚みは、0.05μm〜2μmが好ましい。
前記電荷輸送層と保護層の間、又は感光層と保護層の間に、中間層を設けることが可能である。
前記中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、例えば、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。前記中間層の形成方法としては、前述のごとく一般に用いられる塗布法が採用される。
前記中間層の平均厚みは、0.05μm〜2μmが好ましい。
前記酸化防止剤として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類などが挙げられる。
前記フェノール系化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類などが挙げられる。
前記パラフェニレンジアミン類としては、例えば、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
前記ハイドロキノン類としては、例えば、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなどが挙げられる。
前記有機硫黄化合物類としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
前記有機燐化合物類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなどが挙げられる。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
前記酸化防止剤の添加量は、添加する層の総質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましい。
前記可塑剤として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、芳香族カルボン酸エステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル誘導体、オキシ酸エステル系可塑剤、エポキシ可塑剤、二価アルコールエステル系可塑剤、含塩素可塑剤、ポリエステル系可塑剤、スルホン酸誘導体、クエン酸誘導体、その他の可塑剤などが挙げられる。
前記フタル酸エステル系可塑剤としては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなどが挙げられる。
前記芳香族カルボン酸エステル系可塑剤としては、例えば、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなどが挙げられる。
前記脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなどが挙げられる。
前記脂肪酸エステル誘導体としては、例えば、オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなどが挙げられる。
前記オキシ酸エステル系可塑剤としては、例えば、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなどが挙げられる。
前記エポキシ可塑剤としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなどが挙げられる。
前記二価アルコールエステル系可塑剤としては、例えば、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなどが挙げられる。
前記含塩素可塑剤としては、例えば、塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなどが挙げられる。
前記ポリエステル系可塑剤としては、例えば、ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど挙げられる。
前記スルホン酸誘導体としては、例えば、p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなどが挙げられる。
前記クエン酸誘導体としては、例えば、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなどが挙げられる。
前記その他の可塑剤としては、例えば、ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなどが挙げられる。
前記滑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭化水素系化合物、脂肪酸系化合物、脂肪酸アミド系化合物、エステル系化合物、アルコール系化合物、金属石けん、天然ワックス、その他の滑剤などが挙げられる。
前記脂肪酸系化合物としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸などが挙げられる。
前記脂肪酸アミド系化合物としては、例えば、ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなどが挙げられる。
前記エステル系化合物としては、例えば、脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなどが挙げられる。
前記アルコール系化合物としては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなどが挙げられる。
前記金属石けんとしては、例えば、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられる。
前記天然ワックスとしては、例えば、カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなどが挙げられる。
前記その他の滑剤としては、例えば、シリコーン化合物、フッ素化合物などが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サルシレート系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、クエンチャー(金属錯塩系)紫外線吸収剤、HALS(ヒンダードアミン)などが挙げられる。
前記サルシレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサルシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ3'−ターシャリブチル5'−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレートなどが挙げられる。
前記クエンチャー(金属錯塩系)紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケル(2,2'チオビス(4−t-オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなどが挙げられる。
前記HALS(ヒンダードアミン)としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。
図1は、支持体31上に、前記電荷発生物質、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、及び好ましくは前記電荷輸送物質を含有する感光層33が設けられた層構成を示す概略図である。
図2は、支持体31上に、電荷発生物質を含有する電荷発生層35と、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、及び好ましくは電荷輸送物質を含有する電荷輸送層37とが、積層された層構成を示す概略図である。
図3は、支持体31上に、前記電荷発生物質、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、及び好ましくは前記電荷輸送物質を含有する感光層33が設けられ、更に感光層表面に保護層39が設けられた層構成を示す概略図である。この場合、保護層39に前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物が含有されていても構わない。
図4は、支持体31上に、電荷発生物質を含有する電荷発生層35と、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、及び好ましくは前記電荷輸送物質を含有する電荷輸送層37とが積層され、更に前記電荷輸送層37上に保護層39が設けられた層構成を示す概略図である。この場合、保護層39に前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物が含有されていても構わない。
図5は、支持体31上に、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、及び好ましくは前記電荷輸送物質を含有する電荷輸送層37と、電荷発生物質を含有する電荷発生層35とが積層された層構成を示す概略図である。
図6は、支持体31上に、前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物、及び好ましくは前記電荷輸送物質を含有する電荷輸送層37と、電荷発生物質を含有する電荷発生層35とが積層され、更に前記電荷発生層35上に保護層39が設けられた層構成を示す概略図である。この場合、保護層39中に前記一般式(1)で表されるテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物が含有されていても構わない。
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段とを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記電子写真感光体が、本発明の前記電子写真感光体である。
本発明で用いられる画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程とを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、定着工程、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。
前記帯電工程は、電子写真感光体表面を帯電させる工程であり、前記帯電手段により好適に行われる。
前記帯電手段としては、前記電子写真感光体の表面に電圧を印加して一様に帯電させることができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電子写真感光体と非接触で帯電させる非接触方式の帯電手段が用いられる。
前記非接触の帯電手段としては、例えば、コロナ放電を利用した非接触帯電器及び針電極デバイス、固体放電素子;電子写真感光体に対して微小な間隙をもって配設された導電性又は半導電性の帯電ローラなどが挙げられる。これらの中でも、コロナ放電が特に好ましい。
前記コロトン帯電器は、放電ワイヤの周囲に半空間を占めるケーシング電極とそのほぼ中心に置かれた放電ワイヤとから構成される。
前記スコロトロン帯電器は、前記コロトロン帯電器にグリッド電極を追加したものであり、グリッド電極は電子写真感光体表面から1.0mm〜2.0mm離れた位置に設けられている。
前記露光工程は、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する工程であり、例えば、前記露光手段を用いて前記電子写真感光体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光手段は、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する手段である。
前記露光における光学系は、アナログ光学系とデジタル光学系とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により直接電子写真感光体上に投影する光学系であり、前記デジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して電子写真感光体を露光し作像する光学系である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により好適に行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により好適に行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
−定着工程及び定着手段−
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着させる工程であり、前記定着手段により好適に行うことができる。前記定着工程は、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、例えば、無端状ベルトとローラとの組合せ、ローラとローラとの組合せ、などが挙げられるが、ウォームアップ時間を短縮することができ、省エネルギー化の実現の点で、また、定着可能幅の拡大の点で、熱容量が小さい無端状ベルトとローラとの組合せであるのが好ましい。
前記除電工程は、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、前記除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、前記クリーニング手段により好適に行うことができる。なお、クリーニング手段を用いることなく、摺擦部材で残留トナーの電荷を揃え、現像ローラで回収する方法を採用することもできる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、前記リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段などが挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、前記制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図7は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図であり、下記のような例も本発明の範疇に属するものである。
電子写真感光体10は、図7中の矢印の方向に回転し、電子写真感光体10の周りには、帯電手段11、露光手段12、現像手段13、転写手段16、クリーニング手段17、除電手段18等が配置される。なお、クリーニング手段17、除電手段18が省略されることもある。
所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
光源等は、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、前露光などの工程を設けることにより、電子写真感光体10に光が照射される。ただし、除電工程における電子写真感光体10への露光は、電子写真感光体10に与える疲労の影響が大きく、特に帯電低下や残留電位の上昇を引き起こす場合がある。
したがって、露光による除電ではなく、帯電工程、クリーニング工程において逆バイアスを印加することによっても除電することが可能な場合もあり、電子写真感光体の高耐久化の面から有効な場合がある。
現像手段13としては、公知の方法が適用されるし、また、除電手段18にも公知の方法が用いられる。
このクリーニング手段は17、クリーニングブレード又はクリーニングブラシ等公知のものが用いられる。また、両者が併用されることもある。
図8において、電子写真感光体(10C(シアン))、(10M(マゼンタ))、(10Y(イエロー))、(10K(ブラック))は、ドラム状の電子写真感光体10であり、これらの電子写真感光体(10C,10M,10Y,10K)は、図8中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電手段(11C,11M,11Y,11K)、現像手段(13C,13M,13Y,13K)、クリーニング手段(17C,17M,17Y,17K)が配置されている。
そして、このような電子写真感光体(10C,10M,10Y,10K)を中心とした4つの画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)が、転写材搬送手段である転写搬送ベルト25に沿って並置されている。
転写搬送ベルト19は、各画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)の現像手段(13C,13M,13Y,13K)と、クリーニング手段(17C,17M,17Y,17K)との間で電子写真感光体(10C,10M,10Y,10K)に当接しており、転写搬送ベルト19の電子写真感光体10側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写手段(16C,16M,16Y,16K)が配置されている。各画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)は現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
転写紙15は給紙コロ21によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ22で一旦停止し、上記電子写真感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写手段23に送られる。転写ベルト19上に保持されたトナー像は転写手段23に印加された転写バイアスと転写ベルト19との電位差から形成される電界により、転写紙15上に転写される。転写紙上に転写されたトナー像は、搬送されて、定着手段24により転写紙上にトナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各電子写真感光体(10C,10M,10Y,10K)上に残った残留トナーは、それぞれのユニットに設けられたクリーニング手段(17C,17M,17Y,17K)で回収される。
中間転写体には、ドラム状、ベルト状等の種々の形状のものがあるが、本発明においては従来公知である中間転写体のいずれも使用することが可能であり、電子写真感光体の高耐久化あるいは高画質化に対し有効かつ有用である。
前記タンデム方式による画像形成装置は、複数のトナー像を一度に転写できるため高速フルカラー印刷が実現される。
しかし、電子写真感光体が少なくとも4本を必要とすることから、装置の大型化が避けられず、また使用されるトナー量によっては、各々の感光体の摩耗量に差が生じ、それによって色の再現性が低下したり、異常画像が発生したりするなど多くの課題を有していた。
これに対し、本発明の電子写真感光体は、高光感度及び高安定化が実現されたことにより小径感光体でも適用可能であり、かつ残留電位上昇や感度劣化等の影響が低減されたことから、4本の電子写真感光体の使用量が異なっていても、残留電位や感度の繰り返し使用経時における差が小さく、長期繰り返し使用しても色再現性に優れたフルカラー画像を得ることが可能となる。
本発明のプロセスカートリッジは、電子写真感光体と、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を、トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、前記トナーを収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容された現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置に着脱可能に備えさせることができ、後述する本発明で用いる画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
次に、図9に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、電子写真感光体10は、矢印方向に回転しながら、帯電手段11による帯電、露光手段(不図示)による露光12により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段13で現像され、得られた可視像は転写手段16により、記録媒体15に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の電子写真感光体表面は、クリーニング手段17によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
(製造例1)
−ジシアノジフェニルテトラアザナフタレンの製造−
ジアミノジシアノピラジン(6.0g、37.5mmol)、ジベンジル(7.88g、37.5mmol)、酢酸75mL、THF120mL、及びトリフルオロ酢酸4.5mLを混合し、5日間還流した。冷却後生成した沈殿をろ過し、下記構造式で表されるジシアノジフェニルテトラアザナフタレンの黄色粉末を得た(収量:8.9g、収率:71.0%)。
得られたジシアノジフェニルテトラアザナフタレンの赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)を図10に示す。
−ジフェニルテトラアザナフタレンジアミドの製造−
ジシアノジフェニルテトラアザナフタレン(8.0g、23.9mmol)及び濃硫酸250mLを混合し、室温で5時間撹拌した。反応溶液を氷水に添加した。生成した沈殿をろ過した。下記構造式で表されるジフェニルテトラアザナフタレンジアミドの黄色粉末を得た(収量:7.0g、収率:79.0%)。
得られたジフェニルテトラアザナフタレンジアミドの赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)を図11に示す。
−ジフェニルテトラアザナフタレンジカルボン酸の製造−
ジフェニルテトラアザナフタレンジアミド(0.3g、0.81mmol)にトリフルオロ酢酸5mLを加え氷冷下で撹拌した。そこに亜硝酸ナトリウム(170mg、2.43mmol)を少しずつ加え、1時間撹拌した。その後、酢酸を5mL加え、更に3時間撹拌した。反応溶液を氷水200mL加え、生成した沈殿物をろ過した。下記構造式で表されるジフェニルテトラアザナフタレンジカルボン酸の黄色粉末を得た(収量:280mg、収率:93.6%)。
得られたジフェニルテトラアザナフタレンジカルボン酸の赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)を図12に示す。
−ジフェニルテトラアザナフタレンジカルボン酸無水物の製造−
ジフェニルテトラアザナフタレンジカルボン酸(2.5g、6.72mmol)及び無水酢酸100mLを混合し、アルゴン雰囲気下で3時間還流した。室温で放置して冷却させた後、無水酢酸を留去し、下記構造式で表されるジフェニルテトラアザナフタレンジカルボン酸無水物の茶色粉末を得た(収量:2.0g、収率:84.1%)。
得られたジフェニルテトラアザナフタレンジカルボン酸無水物の赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)を図13に示す。
−例示化合物No.1の製造−
ジフェニルテトラアザナフタレンジカルボン酸無水物(1.0g、2.82mmol)、1,4−ジオキサン50mL、塩化チオニル、及び2−ヘプチルアミン(0.4g、3.56mmol)を混合し、アルゴン雰囲気下で1時間還流した。室温で放置して冷却させた後、溶媒を留去した。シリカゲルカラム(溶媒:ジクロロメタン)で精製し、例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を得た(収量:500mg、収率:39.3%)。
得られた例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)及びDSCチャートをそれぞれ図14及び図15に示す。
<電子写真感光体の作製>
直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、及び電荷輸送層塗工液を、浸漬塗工によって順次塗布、乾燥し、平均厚み3.5μmの下引き層、平均厚み0.2μmの電荷発生層、及び平均厚み23μmの電荷輸送層を形成した。以上により、電子写真感光体No.1を作製した。
・二酸化チタン粉末(石原産業株式会社製、タイベークCR−EL) 400部
・メラミン樹脂(DIC株式会社製、スーパーベッカミンG821−60) 65部
・アルキッド樹脂(DIC株式会社製、ベッコライトM6401−50) 120部
・2−ブタノン 400部
・下記構造のフルオレノン系ビスアゾ顔料 12部
・2−ブタノン 200部
・シクロヘキサノン 400部
・ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、Zポリカ) 10部
・例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物 10部
・テトラヒドロフラン 100部
作製した電子写真感光体を、電子写真プロセス用カートリッジに装着し、帯電方式を正帯電コロナ帯電方式、画像露光光源を655nmの半導体レーザー(LD)に改造した株式会社リコー製imagio MF2200改造機にて暗部電位800(V)に設定した後、連続してトータル10万枚印刷相当の繰り返し試験を行った。
その際、以下のようにして、初期の明部電位、ドット解像度(画像ボケ)、及び繰り返し試験後の明部電位、ドット解像度(画像ボケ)の評価を行った。結果を表2に示す。
初期及び繰り返し試験後の明部電位をトレック・ジャパン株式会社製 MODEL344により測定した。
600dpi×600dpiの画素密度で画像濃度が5%のドット画像を連続10枚プリントアウトし、そのドット形状を実体顕微鏡で観察して、輪郭のシャープネスを以下の基準で5段階(5が優れ1が劣る)に分けて評価した。
−評価基準−
5:輪郭が明瞭で、良好。
4:5と比較して画像濃度の低下(小)が見られるが、良好。
3:5と比較して画像濃度の低下(中)が見られるが実質的に良好。
2:5と比較して画像濃度の低下(大)が見られる。
1:5と比較して画像濃度の低下(大)が見られ、さらに画像を判別できない。
<電子写真感光体の作製>
実施例1おいて、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.2のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.2を作製し、評価した。結果を表2に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例1おいて、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.4のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.3を作製し、評価した。結果を表2に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例1おいて、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.5のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.4を作製し、評価した。結果を表2に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例1おいて、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.7のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.5を作製し、評価した。結果を表2に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例1おいて、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.8のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.6を作製し、評価した。結果を表2に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例1おいて、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.12のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.7を作製し、評価した。結果を表2に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例1おいて、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.13のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.8を作製し、評価した。結果を表2に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例1おいて、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.15のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.9を作製し、評価した。結果を表2に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例1おいて、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.17のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.10を作製し、評価した。結果を表2に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例1おいて、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.21のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.11を作製し、評価した。結果を表2に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例1において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.23のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.12を作製し、評価した。結果を表2に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例1において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.24のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.13を作製し、評価した。結果を表2に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例1において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.25のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.14を作製し、評価した。結果を表2に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例1において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.27のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.15を作製し、評価した。結果を表2に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例1における電荷輸送層塗工液を、下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.16を作製した。
また評価は、実施例1において帯電方式を負帯電型コロナ放電(スコロトロン方式)に代えた以外は、実施例1と同様に操作して行った。結果を表3に示す。
−電荷輸送層塗工液−
・ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、Zポリカ) 10部
・例示化合物1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物 1部
・下記構造式で表される電荷輸送物質No.1 9部
[電荷輸送物質No.1]
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.2のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.17を作製し、評価した。結果を表3に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.4のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.18を作製し、評価した。結果を表3に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.5のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.19を作製し、評価した。結果を表3に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.7のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.20を作製し、評価した。結果を表3に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.8のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.21を作製し、評価した。結果を表3に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.12のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.22を作製し、評価した。結果を表3に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.13のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.23を作製し、評価した。結果を表3に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.15のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.24を作製し、評価した。結果を表3に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.17のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.25を作製し、評価した。結果を表3に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.21のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.26を作製し、評価した。結果を表3に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.23のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.27を作製し、評価した。結果を表3に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.24のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.28を作製し、評価した。結果を表3に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.25のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.29を作製し、評価した。結果を表3に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.27のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.30を作製し、評価した。結果を表3に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の量を10部から1部に変え、電荷輸送物質の量を9部から7部に変えた以外は、実施例16と同様にして感光体No.31を作製し、評価した。結果を表4に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物10部の代わりに、例示化合物No.4のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物1部を用い、電荷輸送物質の量を9部から8部に変えた以外は、実施例16と同様にして感光体No.32を作製し、評価した。結果を表4に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物10部の代わりに、例示化合物No.12のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物1部を用い、電荷輸送物質の量を9部から8部に変えた以外は、実施例16と同様にして感光体No.33を作製し、評価した。結果を表4に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物10部の代わりに、例示化合物No.13のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物1部を用い、電荷輸送物質の量を9部から8部に変えた以外は、実施例16と同様にして感光体No.34を作製し、評価した。結果を表4に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例31において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、下記構造式で表される電荷輸送物質No.2を用いた以外は、実施例31と同様にして電子写真感光体No.35を作製し、評価した。結果を表5に示す。
[電荷輸送物質No.2]
<電子写真感光体の作製>
実施例32において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、電荷輸送物質No.2を用いた以外は、実施例32と同様にして電子写真感光体No.36を作製し、評価した。結果を表5に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例33において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、電荷輸送物質No.2を用いた以外は、実施例33と同様にして電子写真感光体No.37を作製し、評価した。結果を表5に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例34において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、電荷輸送物質No.2を用いた以外は、実施例34と同様にして電子写真感光体No.38を作製し、評価した。結果を表5に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例31において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、下記構造式で表される電荷輸送物質No.3を用いた以外は、実施例31と同様にして電子写真感光体No.39を作製し、評価した。結果を表6に示す。
[電荷輸送物質No.3]
<電子写真感光体の作製>
実施例32において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、電荷輸送物質No.3を用いた以外は、実施例32と同様にして電子写真感光体No.40を作製し、評価した。結果を表6に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例33において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、電荷輸送物質No.3を用いた以外は、実施例33と同様にして電子写真感光体No.41を作製し、評価した。結果を表6に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例34において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、電荷輸送物質No.3を用いた以外は、実施例34と同様にして電子写真感光体No.42を作製し、評価した。結果を表6に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例31において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、下記構造式で表される電荷輸送物質No.4を用いた以外は、実施例31と同様にして電子写真感光体No.43を作製し、評価した。結果を表7に示す。
[電荷輸送物質No.4]
<電子写真感光体の作製>
実施例32において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、電荷輸送物質No.4を用いた以外は、実施例32と同様にして電子写真感光体No.44を作製し、評価した。結果を表7に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例33において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、電荷輸送物質No.4を用いた以外は、実施例33と同様にして電子写真感光体No.45を作製し、評価した。結果を表7に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例34において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.1の代わりに、電荷輸送物質No.4を用いた以外は、実施例34と同様にして電子写真感光体No.46を作製し、評価した。結果を表7に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷発生層塗工液、及び電荷輸送層塗工液を下記のものに変更した以外は、実施例16と同様にして電子写真感光体No.47を作製し、評価した。結果を表8に示す。
特開2001−019871号公報に記載の合成例4と同様に、1,3−ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラン200mLを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下した。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温して、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、次いでメタノールで数回洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過、次いで洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返し、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキを得た。このケーキの乾燥品のX線回析スペクトルを図16に示した。得られたウェットケーキ2gを二硫化炭素20gに投入し、4時間撹拌を行った。これにメタノール100gを追加して、1時間撹拌を行った後、濾過を行い、乾燥して、オキソチタニウムフタロシアニン結晶粉末を得た。
・図16に示す粉末XDスペクトルを有するオキソチタニウムフタロシアニン 8部
・ポリビニルブチラール(積水化学工業株式会社製、エスレックBX−1) 5部
・2−ブタノン 400部
・ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、Zポリカ) 10部
・例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物 1部
・電荷輸送物質No.1 7部
・トルエン 70部
<電子写真感光体の作製>
実施例47において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.13のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例47と同様にして電子写真感光体No.48を作製し、評価した。結果を表8に示す。
<電子写真感光体の作製>
直径100mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の感光層用塗工液を塗布、乾燥することにより、平均厚み30μmの単層感光層を形成した。以上により、電子写真感光体No.49を作製した。
−感光層用塗工液−
・X型無金属フタロシアニン
(DIC株式会社製、Fastogen Blue 8120B) 2部
・下記構造式で表される電荷輸送物質No.5 20部
[電荷輸送物質No.5]
・ビスフェノールZポリカーボネート
(帝人化成株式会社製、パンライトTS−2050) 50部
・テトラヒドロフラン 500部
作製した電子写真感光体を、電子写真プロセス用カートリッジに装着し、帯電方式をコロナ帯電方式(スコロトロン型)、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(LD)に改造した株式会社リコー製imagio Neo 752改造機にてプラス帯電を行い、暗部表面電位+700(V)に設定した後、連続してトータル10万枚印刷相当の繰り返し試験を行った。
その際、実施例1と同様にして、初期の明部電位、ドット解像度(画像ボケ)、及び繰り返し試験後の明部電位、ドット解像度(画像ボケ)の評価を行った。結果を表9に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例49において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.4のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例49と同様にして電子写真感光体No.50を作製し、評価した。結果を表9に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例49において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.12のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例49と同様にして電子写真感光体No.51を作製し、評価した。結果を表9に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例49において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.13のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例49と同様にして電子写真感光体No.52を作製し、評価した。結果を表9に示す。
<電子写真感光体の作製>
直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、実施例49において用いた感光層用塗工液を塗布、乾燥することにより、平均厚み30μmの単層感光層を形成した。以上により、電子写真感光体No.53を作製した。
また、実施例1と同様にして、作製した電子写真感光体の評価をした。結果を表10に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例53において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.4のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例53と同様にして電子写真感光体No.54を作製し、評価した。結果を表10に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例53において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.12のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例53と同様にして電子写真感光体No.55を作製し、評価した。結果を表10に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例53において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.13のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例53と同様にして電子写真感光体No.56を作製し、評価した。結果を表10に示す。
<電子写真感光体の作製>
直径100mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の電荷輸送層用塗工液、及び電荷発生層用塗工液を順次塗布し、乾燥することにより平均厚み20μmの電荷輸送層、平均厚み0.1μmの電荷発生層を形成し、電子写真感光体No.57を作製した。
また、実施例1と同様にして、作製した電子写真感光体の評価をした。結果を表11に示す。
・ビスフェノールAポリカーボネート
(帝人化成株式会社製、パンライトC−1400) 10部
・トルエン 100部
・例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物 10部
−電荷発生層用塗工液−
・ポリビニルブチラール(ユニオンカーバイド製、XYHL) 0.5部
・シクロヘキサノン 200部
・メチルエチルケトン 80部
・X型無金属フタロシアニン
(DIC株式会社製、Fastogen Blue 8120B) 2部
<電子写真感光体の作製>
実施例57において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.4のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例57と同様にして電子写真感光体No.58を作製し、評価した。結果を表11に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例57において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.12のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例57と同様にして電子写真感光体No.59を作製し、評価した。結果を表11に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例57において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、例示化合物No.13のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を用いた以外は、実施例57と同様にして電子写真感光体No.60を作製し、評価した。結果を表11に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例47において、電荷輸送層塗工液を、下記組成のものに変更した以外は、実施例47と同様にして、電子写真感光体No.61を作製した。
また、実施例47において、帯電方式を正帯電型コロナ放電(スコロトロン方式)に代えた以外は実施例47と同様にして評価を行った。結果を表12に示す。
−電荷輸送層塗工液−
・ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、Zポリカ) 10部
・例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物 1部
・電荷輸送物質No.5 9部
・テトラヒドロフラン 100部
<電子写真感光体の作製>
実施例61において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.5の代わりに、下記構造式で表される電荷輸送物質No.6を用いた以外は、実施例61と同様にして電子写真感光体No.62を作製し、評価した。結果を表12に示す。
[電荷輸送物質No.6]
<電子写真感光体の作製>
実施例61において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.5の代わりに、下記構造式で表される電荷輸送物質No.7を用いた以外は、実施例61と同様にして電子写真感光体No.63を作製し、評価した。結果を表12に示す。
[電荷輸送物質No.7]
<電子写真感光体の作製>
実施例61において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質No.5の代わりに、下記構造式で表される電荷輸送物質No.8を用いた以外は、実施例61と同様にして電子写真感光体No.64を作製し、評価した。結果を表12に示す。
[電荷輸送物質No.8]
<電子写真感光体の作製>
実施例1において、例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物に代えて、電荷輸送物質No.5を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較電子写真感光体No.1を作製し、評価した。結果を表13に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例16において、電荷輸送層塗工液に例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を加えず、電荷輸送物質No.1の質量を9部から10部に変えた以外は、実施例16と同様にして、比較電子写真感光体No.2を作製し、評価した。結果を表13に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例35において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、下記構造で表されるテトラフェニルメタン化合物(特開2000−231204号公報記載)を用いた以外は、実施例35と同様にして、比較電子写真感光体No.3を作製し、評価した。結果を表13に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例47において、電荷輸送層塗工液中の例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物の代わりに、下記構造で表されるヒンダードアミン系酸化防止剤を用いた以外は、実施例11と同様にして、比較電子写真感光体No.4を作製し、評価した。結果を表13に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例49において、例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物30部を、電荷輸送物質No.6を18部及び下記構造式で表される電荷輸送物質No.9を2部に変えた以外は、実施例49と同様にして、比較電子写真感光体No.5を作製し、評価した。結果を表13に示す。
[電荷輸送物質No.9]
<電子写真感光体の作製>
実施例49において、例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物30部を、電荷輸送物質No.7を20部に変えた以外は、実施例49と同様にして、比較電子写真感光体No.6を作製し、評価した。結果を表13に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例57において、例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物10部を、電荷輸送物質No.6を9部及び電荷輸送物質No.9を1部に変えた以外は、実施例57と同様にして、比較電子写真感光体No.7を作製し、評価した。結果を表13に示す。
<電子写真感光体の作製>
実施例1において、例示化合物No.1のテトラアザナフタレンジカルボン酸イミド化合物を、下記構造式で表される3,4−チオフェンジカルボン酸イミド化合物に変えた以外は、実施例1と同様にして、比較電子写真感光体No.8を作製し、評価した。結果を表13に示す。
3,4−チオフェンジカルボン酸イミド化合物の合成方法としては、J.Am.Chem.Soc,2010,132,5330−5331に記載の方法に従い、下記構造式で表されるN−(1−メチルヘキシル)−3,4−チオフェンジカルボン酸イミド(3,4−チオフェンイミド化合物)を合成した。製造例を以下に示す。
3,4−チオフェンジカルボン酸(2.5g、14.5mmol)、無水酢酸70mLを混合し、2時間還流した。室温に冷却後溶媒を留去し、反応粗生成物2.1gを得、このまま次の反応に用いた。次に上記反応粗生成物(1.5g、9.7mmol)、2−ヘプチルアミン(1.18g、10.2mmol)、トルエン50mLを混合して大気下で1時間撹拌、還流した。反応溶液を減圧下で濃縮した。反応粗生成物にジオキサン100mL、塩化チオニル10mLを加え、アルゴン雰囲気下で2時間撹拌及び還流した。反応溶液を減圧下で濃縮した。反応粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)により精製し、メタノールで再結晶した。無色粉末状の下記構造式で表されるN−(1−メチルヘキシル)−3,4−チオフェンジカルボン酸イミド(収量:1.5g、収率:61.6%)を得た。
一方、比較感光体No.1、3、4、8は、明部電位が初期から非常に高く、画像濃度の低下や解像度の低下を引き起こしており、10万枚印刷後では階調性が著しく低下したことによって画像の判別が不可能であった。更には、表2、10の評価結果から、本発明の感光体は正帯電方式においても良好な画像が得られ、10万枚印刷後においても画像品質は良好で画像ボケ(ドット解像度)評価結果も良好であることがわかった。また、比較感光体No.2、5、6及び7は明部電位の上昇は比較的小さいものの、本発明の感光体と比べ、繰り返し使用による解像度低下が大きいことがわかった。
また、本発明の電子写真感光体No.1、No.17、No.33、No.37、No.48、No.49、No.59と、比較感光体No.2について、50ppmの窒素酸化物(NOx)ガス濃度に調整されたデシケータ中に4日間放置し、初期(放置なし)及び放置後における画像品質評価を行った。結果を表14に示す。
<1> 導電性支持体と、前記導電性支持体上に少なくとも感光層とを有する電子写真感光体であって、
前記感光層が、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
〔一般式(1)〕
<2> 感光層が、電荷輸送物質を更に含有する前記<1>に記載の電子写真感光体である。
<3> 電荷輸送物質が、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(6)で表される化合物、下記一般式(7)で表される化合物、及び下記一般式(10)で表される化合物の少なくともいずれかである前記<2>に記載の電子写真感光体である。
〔一般式(2)〕
〔一般式(3)〕
〔一般式(4)〕
〔一般式(5)〕
〔一般式(6)〕
〔一般式(7)〕
〔一般式(8)〕
〔一般式(9)〕
〔一般式(10)〕
〔一般式(11)〕
〔一般式(12)〕
〔一般式(13)〕
<4> 電荷輸送物質が、下記一般式(14)で表される化合物、及び下記一般式(15)で表される化合物の少なくともいずれかである前記<2>に記載の電子写真感光体である。
〔一般式(14)〕
〔一般式(15)〕
〔一般式(16)〕
<5> 電荷輸送物質が、下記一般式(17)で表される化合物、及び下記一般式(18)で表される化合物の少なくともいずれかである前記<2>に記載の電子写真感光体である。
〔一般式(17)〕
〔一般式(18)〕
<6> 感光層が、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層をこの順及び逆順のいずれかで有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<7> 感光層が、単層型の感光層である前記<1>から<5>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<8> 正及び負のいずれの極性でも帯電可能である前記<1>から<7>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<9> 電子写真感光体と、前記電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記電子写真感光体が、前記<1>から<8>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置である。
<10> 電子写真感光体と、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を、トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを有し、画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、
前記電子写真感光体が、前記<1>から<8>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
11、11Y、11M、11C、11K 帯電部材
12、12Y、12M、12C、13K 画像露光部材
13、13Y、13M、13C、13K 現像部材
14 搬送ローラ
15 転写紙
16、16Y、16M、16C、16K 転写部材
17、17Y、17M、17C、17K クリーニング部材
18 除電部材
19 転写搬送ベルト
20Y、20M、20C、20K 画像形成要素
21 給紙コロ
22 レジストローラ
23 転写部材(二次転写部材)
24 定着部材
31 導電性支持体
33 感光層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 保護層
Claims (10)
- 導電性支持体と、前記導電性支持体上に少なくとも感光層とを有する電子写真感光体であって、
前記感光層が、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
〔一般式(1)〕
- 感光層が、電荷輸送物質を更に含有する請求項1に記載の電子写真感光体。
- 電荷輸送物質が、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(6)で表される化合物、下記一般式(7)で表される化合物、及び下記一般式(10)で表される化合物の少なくともいずれかである請求項2に記載の電子写真感光体。
〔一般式(2)〕
〔一般式(3)〕
〔一般式(4)〕
〔一般式(5)〕
〔一般式(6)〕
〔一般式(7)〕
〔一般式(8)〕
〔一般式(9)〕
〔一般式(10)〕
〔一般式(11)〕
〔一般式(12)〕
〔一般式(13)〕
- 電荷輸送物質が、下記一般式(14)で表される化合物、及び下記一般式(15)で表される化合物の少なくともいずれかである請求項2に記載の電子写真感光体。
〔一般式(14)〕
〔一般式(15)〕
〔一般式(16)〕
- 電荷輸送物質が、下記一般式(17)で表される化合物、及び下記一般式(18)で表される化合物の少なくともいずれかである請求項2に記載の電子写真感光体。
〔一般式(17)〕
〔一般式(18)〕
- 感光層が、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層をこの順及び逆順のいずれかで有する請求項1から5のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 感光層が、単層型の感光層である請求項1から5のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 正及び負のいずれの極性でも帯電可能である請求項1から7のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 電子写真感光体と、前記電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記電子写真感光体が、請求項1から8のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。 - 電子写真感光体と、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を、トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを有し、画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、
前記電子写真感光体が、請求項1から8のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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