JP2008122571A - 電子写真感光体及びその製造方法、画像形成装置及び画像形成方法並びにプロセスカートリッジ - Google Patents
電子写真感光体及びその製造方法、画像形成装置及び画像形成方法並びにプロセスカートリッジ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008122571A JP2008122571A JP2006305117A JP2006305117A JP2008122571A JP 2008122571 A JP2008122571 A JP 2008122571A JP 2006305117 A JP2006305117 A JP 2006305117A JP 2006305117 A JP2006305117 A JP 2006305117A JP 2008122571 A JP2008122571 A JP 2008122571A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- photosensitive member
- image
- electrophotographic photosensitive
- image forming
- filler
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
Abstract
【解決手段】導電性支持体上に少なくとも感光層と保護層が形成されていると共に、前記保護層がフィラーと、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、特定構造を有する電荷輸送物質から選ばれる少なくとも一種と、バインダー樹脂とを含有することを特徴とする電子写真感光体において、前記フィラーの平均1次粒径が1〜2μmであり、表面に露出している平均フィラー中心間距離が5〜8μmである電子写真感光体である。
【選択図】図1
Description
これらの電子写真方式のレーザープリンターやデジタル複写機等に使用される感光体としては、有機系の感光材料を用いたものが、コスト、生産性、無公害性等の理由から一般に広く応用されている。かかる有機系の電子写真感光体としては、ポリビニルカルバゾール(PVK)に代表される光導電性樹脂、PVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダーに代表される顔料分散型、そして電荷発生物質と電荷輸送物質とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られている。
これらの各種の感光体の中でも、感度、耐久性に優れ、更に電荷発生物質、電荷輸送物質を個別に分子設計できる等の理由により機能分離型積層感光体が現在のOPCにおける主流の層構成となっている。
機能分離型の感光体における静電潜像形成のメカニズムは、感光体を帯電した後、光照射すると、光は電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質により吸収され電荷を生成する。それによって発生した電荷が電荷発生層及び電荷輸送層の界面で電荷輸送層に注入され、さらに電界によって電荷輸送層中を移動し、感光体の表面電荷を中和することにより静電潜像を形成するというものである。
また、感光体の高耐久化を実現する方法としては、感光体の最表面に保護層を設け、その保護層に潤滑性を付与したり、保護層を硬化させたり、フィラーを含有させる方法が広く知られている。特に、保護層にフィラーを含有させる方法は、感光体の高耐久化に対して有効な方法の一つである(特許文献1参照)。しかし、電気絶縁性の高いフィラーを含有させた場合には、抵抗が高くなり、残留電位の上昇が顕著に見られる。これらの残留電位上昇は、フィラーが含有されていることによって引き起こされる抵抗の増加や電荷トラップサイトの増加による影響が大きい。
従来技術において残留電位上昇を抑制させる方法としては、保護層を光導電層とする方法(特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)が開示されている。しかし、保護層による光の吸収によって感光層へ到達する光量が減少するため、感光体の感度が低下する問題が生じ、その効果はわずかであった。
それに対して、フィラーとして含有される金属または金属酸化物の平均粒径を0.3μm以下にすることによって(特許文献5参照)、保護層が実質的に透明となり、残留電位蓄積を抑制する方法が開示されている。この方法は残留電位の増加を抑制する効果は認められるものの、その効果は不十分であり、課題を解決するには至っていないのが実状である。それは、フィラーを含有させた場合に引き起こされる残留電位の増加は、電荷発生効率よりもフィラーの存在による電荷トラップやフィラーの分散性に起因する可能性が高いことによる。フィラーの平均粒径が0.3μm以上であっても分散性を高めることによって透明性を得ることが可能であるし、平均粒径が0.3μm以下であってもフィラーがかなり凝集していれば膜の透明性は低下することになる。
残留電位上昇を抑制する別の手段としては、保護層中にルイス酸等を添加する方法(特許文献9参照)、保護層に有機プロトン酸を添加する方法(特許文献10参照)、電子受容性物質を含有させる方法(特許文献11参照)、酸価が5(mgKOH/g)以下のワックスを含有させる方法(特許文献12参照)等が開示されている。これらの方法は、保護層/電荷輸送層界面での電荷の注入性を向上させ、また保護層に低抵抗部分が形成されることにより、電荷が表面にまで到達しやすくなることに起因していると考えられている。この方法は、残留電位の低減効果が認められるが、それによって画像ボケを引き起こしやすくなり、画像への影響が顕著に現れる副作用を有する。また、有機酸を添加した場合にはフィラーの分散性の低下を引き起こしやすくなるため、その効果は十分ではなく、課題の解決に至っていないのが実状である。
以上のように、感光体の保護層にフィラーを含有することで感光体の耐摩耗性を向上することができ、残留電位や画像ボケに関しても抑制することが可能であることが確認されたが、トナー成分等によるフィルミングが発生する問題が解決しておらず、結局感光体を削りながら使用しなければならず、耐久性の要求を満足することができなかった。
本発明によれば、以下に示す電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、画像形成装置、画像形成方法、画像形成用プロセスカートリッジが提供される。
導電性支持体上に少なくとも感光層と保護層が形成されていると共に、前記保護層がフィラーと、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記(い)式で表される電荷輸送物質から選ばれる少なくとも一種と、バインダー樹脂とを含有することを特徴とする電子写真感光体において、前記フィラーの平均1次粒径が1〜2μmであり、表面に露出している平均フィラー中心間距離が5〜8μmであることを特徴とする電子写真感光体。
[(い)式中、R1、R2は、置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基を表し、同一でも異なっていてもよい。但し、R1、R2のいずれか1つは置換もしくは無置換のアリール基である。また、R1、R2は互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。Arは置換もしくは無置換のアリール基を表す。]
〔2〕
前記フィラー(無機顔料)が、金属酸化物であることを特徴とする〔1〕に記載の電子写真感光体。
〔3〕
前記金属酸化物が酸化アルミニウムであることを特徴とする〔2〕に記載の電子写真感光体。
〔4〕
前記保護層の膜厚が3〜10μmであることを特徴とする〔1〕に記載の電子写真感光体。
〔5〕
前記有機化合物が、ポリカルボン酸であることを特徴とする〔1〕に記載の電子写真感光体。
〔6〕
前記保護層が、前記(い)式の電荷輸送物質以外の電荷輸送物質の少なくとも一種を含むことを特徴とする〔1〕に記載の電子写真感光体。
〔7〕
前記保護層が、ポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする〔1〕に記載の電子写真感光体。
〔8〕
〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法であって、酸化防止剤を含有させた塗工液を用いて前記感光体の最表面層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
〔9〕
前記酸化防止剤が、ヒンダードフェノール系化合物であることを特徴とする〔8〕に記載の電子写真感光体の製造方法。
電子写真感光体と、この電子写真感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、感光体表面に当接し、前記感光体表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段と、を少なくとも有する画像形成装置であって、電子写真感光体が、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
〔11〕
前記画像形成装置が、複数色のトナーを順次重ね合わせてカラー画像を形成するものであることを特徴とする〔10〕に記載の画像形成装置。
〔12〕
前記画像形成装置が、少なくとも電子写真感光体、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段及び定着手段を有する画像形成要素を複数備えたタンデム型の装置であることを特徴とする〔10〕または〔11〕に記載の画像形成装置。
〔13〕
前記画像形成装置が、電子写真感光体上に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体と、前記中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えてなり、複数色のトナー画像を前記中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を該記録媒体上に一括で二次転写するものであることを特徴とする〔11〕または〔12〕のいずれかに記載の画像形成装置。
電子写真感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、得られた静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、得られた可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、感光体表面に当接し、前記感光体表面に残留するトナーを除去するクリーニング工程と、を少なくとも有する画像形成方法であって、前記電子写真感光体として、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の電子写真感光体を適用することを特徴とする画像形成方法。
〔15〕
画像形成装置本体に対して着脱自在に形成されたプロセスカートリッジにおいて、静電潜像形成手段、露光手段、現像手段、転写手段、及びクリーニング手段の少なくとも1つと、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の電子写真感光体とを具備していることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明の電子写真感光体においては、導電性支持体上に少なくとも感光層と保護層が形成されていると共に、保護層は、少なくとも平均1次粒径が1〜2μmのフィラーと、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、特定の電荷輸送物質とバインダー樹脂とを含有する。
本発明においては、保護層に平均1次粒径が1〜2μmのフィラーを含有させることによって、理由は定かではないが、フィラー近傍にのみフィルミング生成物が生じる。フィルミング生成物により抵抗の低い部分が生じても、フィラー同士の距離が十分離れていれば、フィルミング生成物も離れて存在することとなり、フィルミングによる画像ボケが画像に表れなくなる。
図1は、導電性支持体201上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層202が設けられ、更に感光層表面に保護層205が設けられている。この場合、保護層205にはフィラーが含有されてなる。
図2は、導電性支持体201上に、電荷発生層を主成分とする電荷発生層203と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層204とが積層された構成をとっており、更に電荷輸送層上に保護層205が設けられてなる。この場合、保護層205にはフィラーが含有されてなる。
図3は、導電性支持体201上に、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層204と電荷発生物質を主成分とする電荷発生層203とが積層された構成をとっており、更に電荷輸送層上に保護層205が設けられてなる。この場合、保護層205にはフィラーが含有されてなる。
<導電性支持体について>
前記導電性支持体201としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体201として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体201として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)(R)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
本発明の感光体においては、導電性支持体と感光層との間に図示しないが、下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
次に感光層について説明する。感光層は積層構造でも単層構造でもよい。積層構造の場合には、感光層は電荷発生機能を有する電荷発生層203と電荷輸送機能を有する電荷輸送層204とから構成される。また、単層構造の場合には、感光層202は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である。
以下、積層構造の感光層及び単層構造の感光層のそれぞれについて述べる。
<感光層が積層のものについて>
i)電荷発生層について
電荷発生層203は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生層203には、公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。これら電荷発生物質は単独でも、2種以上混合してもかまわない。
電荷発生層203は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
必要に応じて電荷発生層203に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。結着樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。
電荷発生層203は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていても良い。
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層203の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
電荷輸送層204は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から、25μm以下とすることが好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)に異なるが、5μm以上が好ましい。
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。
以上のようにして得られた塗工液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等、従来の塗工方法を用いることができる。
次に感光層が単層構成図1の場合について述べる。上述した電荷発生物質を結着樹脂中に分散した感光体が使用できる。感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質としては、電荷輸送層で挙げた電荷輸送物質及びアミノ化合物をすべて使用することができる。結着樹脂としては、先に電荷輸送層204で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層203で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
次に感光体の表面層である保護層について説明する。感光体の表面層には、耐摩耗性を向上させる目的でフィラーを含有させることが重要である。また、分散剤として酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種を添加することができ、特定の電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有することができる。
上記フィラーには、有機性フィラー材料と無機性フィラー材料がある。有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化クロム、シリカ、酸化錫、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。これらのフィラーの中でも処理効率並びに硬度の点から金属酸化物を用いることが、耐摩耗性の向上に対して有利である。
さらに、画像ボケが発生しにくいフィラーとしては、電気絶縁性が高いフィラーが好ましく、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等が特に有効に使用できる。また、これらのフィラーを単独で使用することはもちろん、2種類以上を混合して用いることも可能である。また、これらのフィラーの中でも高い絶縁性を有し、熱安定性が高い上に、耐摩耗性が高い六方細密構造であるα型アルミナは、画像ボケの抑制や耐摩耗性の向上の点から特に有用である。
フィラーの含有量としては、表面に露出しているフィラー同士の距離が近づき過ぎない量が好ましい。平均フィラー中心間距離が5〜8μmであることが望ましい。フィラー間距離がこれより近いとフィラーが近づきすぎて、全面にフィルミングが広がってしまい画像ボケにつながってしまい、フィラー間距離がこれより遠いと耐摩耗性への効果が小さくなってしまう。
また、保護層の膜厚は、3〜10μmであることが望ましい。これより、少ないとフィラー粒の影響により、表面の塗膜品質が悪化し、これより大きいと残留電位が上昇してしまう。
さらに、これらのフィラーは少なくとも一種の分散剤で分散させて用いられる。これにより、分散性の向上、フィラー添加に起因する残留電位上昇の抑制に対し有効となる。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇に影響するだけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。
それらの有機化合物の構造としては、立体障害が少ないリニアの構造を有することがより好ましい。分散性を向上させるためにはフィラーと結着樹脂との双方に親和性を持たせることが必要であり、立体障害が大きな材料は、それらの親和性が低下することにより、分散性が低下し、前述のような多くの問題を発生させることにつながる。かかる観点から、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物としては、ポリカルボン酸が好ましい。該ポリカルボン酸は、カルボン酸をポリマーあるいはコポリマー中に含む構造を有する化合物であって、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル酸やメタクリル酸を用いた共重合体、スチレンアクリル共重合体等、カルボン酸を含む有機化合物あるいはその誘導体はすべて使用することが可能である。また、これらの材料は2種以上混合して用いることが可能であり、かつ有用である。場合によっては、これらの材料と有機脂肪酸とを混合させることによって、フィラーの分散性あるいはそれに伴う残留電位の低減効果が高まることがある。
保護層に含有させるフィラー材料は、少なくとも有機溶剤、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物等とともにボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などの従来方法を用いて分散することができる。この中でも、フィラーと酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物との接触効率を高くすることができ、外界からの不純物の混入が少ないボールミルによる分散が分散性の点からより好ましい。使用されるメディアの材質については、従来使用されているジルコニア、アルミナ、メノウ等すべてのメディアを使用することができるが、フィラーの分散性及び残留電位低減効果の点から特にアルミナを使用することがより好ましい。ジルコニアは分散時のメディアの摩耗量が大きく、それらの混入によって残留電位が著しく増加する。さらに、その摩耗粉の混入によって分散性が大きく低下し、フィラーの沈降性が促進される。一方、メディアにアルミナを使用した場合には、分散時にメディアは摩耗されるものの、摩耗量は低く抑えられる上に、混入した摩耗粉が残留電位に与える影響が非常に小さい。また、摩耗粉が混入しても分散性に対して悪影響が少ない。従って、分散に使用するメディアにはアルミナを使用することがより好ましい。
また、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物は、フィラーや有機溶剤とともに分散前より添加することによって、塗工液中のフィラーの凝集、さらにはフィラーの沈降性を抑制し、フィラーの分散性が著しく向上することから、分散前より添加することが好ましい。一方、結着樹脂や電荷輸送物質は、分散前に添加することも可能であるが、その場合分散性が若干低下する場合が見られる。従って、結着樹脂や電荷輸送物質は、有機溶剤に溶解された状態で分散後に添加することが好ましい。
保護層中に上記(い)式を満足する電荷輸送物質を含有することができる。
一般式としては以下のものが挙げられるが、本発明は、これらの(い)式に限定されるものではない。
(い)式の説明にある、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、及びウンデカニル基などが挙げられる。また、芳香族炭化水素基としてはベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フルオレン及びピレンなどの芳香族環、並びにピリジン、キノリン、チオフェン、フラン、オキサゾール、オキサジアゾール、カルバゾールなど芳香族複素環の基が挙げられる。また、これらの置換基としては、上記アルキル基の具体例で挙げたもの、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、またはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のハロゲン原子、前記芳香族炭化水素基、及びピロリジン、ピペリジン、ピペラジンなどの複素環の基などが挙げられる。更に、R1、R2が互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成する場合、その複素環基としてはピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基などに芳香族炭化水素基が縮合した縮合複素環基を挙げることができる。
前記(い)式で表される化合物と酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物とを含有する塗工液を保存する場合には、相互作用による塩の生成を抑制するために、酸化防止剤を含有させる必要がある。この塩が生成すると、塗工液の変色を引き起こすだけではなく、製造された電子写真感光体において、残留電位の上昇等の不具合を引き起こす。この塩の生成による塗工液の経時保存の不安定の原因は、(い)式で表される化合物の構造に由来するものであり、次に示す酸化防止剤を添加することで塗工経時の不安定さを改善することができる。
塗工液に含有させる酸化防止剤としては、後述する一般の酸化防止剤が使用できるが、ヒンダードフェノールの化合物が特に効果的である。但し、ここで用いられる酸化防止剤は、後述の目的と異なり、あくまでも(い)式で表される化合物の塗工液中での保護のために利用される。このため、これらの酸化防止剤は、(い)式で表される化合物を含有させる前の工程で塗工液に含有させておくことが好ましく、添加量としては、含有される酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物に対して、0.1〜200wt%で十分な塗工液経時保存安定性を発揮できる。
また、保護層には、電荷輸送層について上げた電荷輸送物質を添加することは、残留電位の低減及び画質向上に対して有効かつ有用である。
本発明の感光体においては、感光層と保護層との間に図示しないが中間層を設けることも可能である。中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗布法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質およびレベリング剤を添加することが出来る。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3′−ビス(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、トコフェロ−ル類など。
N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3′−チオジプロピオネートなど。
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
(f)金属石けん
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど。
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど。
(c)ベンゾトリアゾール系
(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−3′−ターシャリブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなど。
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシ)アクリレートなど。
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル[2,2′−チオビス(4−t−オクチル)フェノレート]ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
前記静電潜像形成工程は、電子写真感光体上に静電潜像を形成する工程である。
前記電子写真感光体としては、本発明の前記電子写真感光体を用いる。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記電子写真感光体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記電子写真感光体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記電子写真感光体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記電子写真感光体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電部材の形状としてはローラの他にも、磁気ブラシ、ファーブラシ等、どのような形態をとってもよく、電子写真装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシを用いる場合、磁気ブラシは例えばZn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。又はブラシを用いる場合、例えば、ファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりすることで帯電器とする。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記トナーないし前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナーないし前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナーないし前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナーないし現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナーないし該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナーないし前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記電子写真感光体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該電子写真感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該電子写真感光体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記中間転写体の静止摩擦係数は、0.1〜0.6が好ましく、0.3〜0.5がより好ましい。
前記中間転写体の体積抵抗は数Ωcm以上103Ωcm以下であることが好ましい。体積抵抗を数Ωcm以上103Ωcm以下とすることにより、中間転写体自身の帯電を防ぐとともに、電荷付与手段により付与された電荷が該中間転写体上に残留しにくくなるので、二次転写時の転写ムラを防止できる。また、二次転写時の転写バイアス印加を容易にできる。
カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのトナー層が形成されている。トナー層は1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、二次転写(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過することで圧力を受け、トナー同士の凝集力が高くなる。トナー同士の凝集力が高くなると文字の中抜けやベタ部画像のエッジ抜けの現象が発生しやすくなる。樹脂ベルトは硬度が高くトナー層に応じて変形しないため、トナー層を圧縮させやすく文字の中抜け現象が発生しやすくなる。
また、最近はフルカラー画像を様々な用紙、例えば和紙や意図的に凹凸を付けや用紙に画像を形成したいという要求が高くなってきている。しかし、平滑性の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやすく、転写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるために二次転写部の転写圧を高めると、トナー層の凝縮力を高めることになり、上述したような文字の中抜けを発生させることになる。
前記弾性ベルトは、次の目的で使用される。弾性ベルトは、転写部でトナー層、平滑性の悪い用紙に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形するため、過度にトナー層に対して転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ文字の中抜けの無い、平面性の悪い用紙に対しても均一性の優れた転写画像を得ることができる。
表層材料、表層は弾性材料による感光体への汚染防止と、転写ベルト表面への表面摩擦抵抗を低減させてトナーの付着力を小さくしてクリーニング性、二次転写性を高めるものが要求される。例えばポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上の組み合わせを使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、例えばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上又は粒径が異なるものの組み合わせを分散させ使用することができる。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
前記弾性ベルトとして伸びを防止する方法として、伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を形成する方法、芯体層に伸びを防止する材料を入れる方法等があるが、特定の製法に限定されるものではない。
伸びを防止する芯体層を構成する材料は、例えば、綿、絹、等の天然繊維;ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維,ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維等の合成繊維;炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維等の無機繊維;鉄繊維、銅繊維等の金属繊維、などが挙げられる。これらは1種あるいは2種以上の組み合わせを用いて、織布状又は糸状としたものも用いられる。
糸は1本又は複数のフィラメントを撚ったもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方であってもよい。また、例えば上記材料群から選択された材質の繊維を混紡してもよい。もちろん糸に適当な導電処理を施して使用することもできる。一方織布は、メリヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であり、もちろん交織した織布も使用可能であり当然導電処理を施すこともできる。
弾性層の厚さは、弾性層の硬度にもよるが、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂が発生しやすくなる。又、伸縮量が大きくなることから画像に伸び縮みが大きくなること等から厚すぎる(およそ1mm以上)ことは好ましくない。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記電子写真感光体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
画像形成装置は、電子写真感光体表面に潤滑性付与剤を塗布する潤滑性付与剤塗布手段を有することが好ましい。前記潤滑性付与剤としては、金属石鹸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム及びステアリン酸カルシウムから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図4は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。この図4の画像形成装置は、本発明の前記電子写真感光体を用いた画像形成装置であり、ドラム状の感光体10と、帯電チャージャ3と、転写前チャージャ7と、転写チャージャ111と、分離チャージャ112と、クリーニング前チャージャ113と、から構成されている。
前記感光体10の形状は、ドラム状の形状に限定されるものではなく、例えば、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。また、各種チャージャとしては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド ステート チャージャ)、接触配置又はギャップテープを介して連れ回るように近接配置された帯電ローラを始めとする公知の手段を用いることができる。
近接配置された帯電ローラは、接触配置された帯電ローラと比較して、帯電ムラが低減されたり、帯電ローラの汚れに起因する帯電不良などに対する余裕度が大きく、メンテナンスフリーで用いることができるという大きなメリットがある反面、印可電圧を高くしなければならないなど、電子写真感光体表面に対するハザードが大きく、従来の高分子バインダーを用いる最表面層(電荷輸送層又は保護層)に対して、著しい摩耗を引き起こしていた。また、近接配置された帯電ローラは、直流電圧の印可だけでは放電が不安定になり、画像濃度ムラなどにつながるため、直流電圧に交流電圧を重畳印可することが望ましい。
その結果、電子写真感光体表面へハザードは非常に高くなるため、電子写真感光体寿命が短くなり、コストアップやメンテナンス頻度の増加などの不具合が発生していたが、本発明の電子写真感光体は、該帯電手段においても、ほとんど摩耗することがなく、安定して帯電が行われる。その上、露光部の残留電位低減、画像ボケ抑制も達成されているため、長期間の繰り返し使用時においても、安定して良好な画像を出力することができる。
転写手段としては、一般には上記の帯電器が使用できるが、図示するような転写チャージャと分離チャージャとを併用したものが効果的である。
かかる光源等は、図4に示される工程の他に、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光を照射することができる。
クリーニングブレード115は、摩擦係数の低い弾性体としては、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ウレタンエラストマー、シリコーンエラストマー、フッ素エラストマー、などが挙げられる。このクリーニングブレード115としては、熱硬化性のウレタン樹脂が好ましく、特に、ウレタンエラストマーが、耐摩耗性、耐オゾン性、耐汚染性の観点から好ましい。エラストマーには、ゴムも含まれる。クリーニングブレード115は、硬度(JIS−A)が、65〜85度の範囲が好ましい。また、クリーニングブレード115は、厚さが0.8〜3.0mmで、突き出し量が3〜15mmの範囲にあることが好ましい。更に、その他の条件として当接圧、当接角度、食い込み量等は適宜決定することができる。
このような電子写真感光体(電子写真感光体)に当接するクリーニング手段は、トナー除去性能は高いが、当然のことながら、電子写真感光体に機械的ハザードを与え、電子写真感光体表面層の摩耗を引き起こす。
本発明の電子写真感光体は、保護層の耐摩耗性が著しく高いため、表面に当接するクリーニング手段を有する画像形成装置においても、安定して良好な画像を出力することができる。
これらの方法はブレードが当接する電子写真感光体表面に対するハザードが大きくなる傾向であり、実際、球形トナーを用いると、電子写真感光体の表面摩耗量は増加する傾向にあることが分かってきている。本発明の電子写真感光体は、耐摩耗性が非常に高いため、上記のようなハザードが大きい条件においても、保護層が摩耗することはほとんどないが、対クリーニングブレードの摩擦係数が高いことに起因すると考えられるブレード鳴き、ブレードエッジの摩耗などの不具合を発生させることがあった。
そこで、本発明の画像形成装置においては、電子写真感光体表面に潤滑性付与剤を塗布する潤滑性付与剤塗布手段を備えることによって、クリーニングブレードに対する電子写真感光体表面の摩擦係数を長期間にわたって低減することができ、上記不具合を解消することができる、画像形成装置、及び画像形成方法を得ることができる。
図5に示す潤滑性付与剤塗布手段をクリーニングユニット117に備えることで、ドラム周りのレイアウト設計が容易になったり、装置を簡略化することができるなどのメリットがある反面、クリーニングされたトナーに潤滑性付与剤が多量に混入するためトナーリサイクルが困難になったり、ブラシのクリーニング効率が低下するなどの不具合が発生する場合もある。また、図示を省略しているが、潤滑性付与剤塗布手段を有した塗布ユニットをクリーニングユニットと別に独立して設けることで、上記不具合を解消することもできる。その場合、塗布ユニットは、クリーニングユニットの下流に設けることが好ましい。更に、塗布ユニットを複数箇所に設け、それらを同時、又は順次働かせることで、潤滑性付与剤の塗布効率を高めたり、消費量をコントロールするなどの効果を持たせることができる。
感光体ドラム156の図7中左側には、リボルバ現像ユニット250が配設されている。これは、回転するドラム状の筺体の中にイエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器、ブラック現像器を有しており、回転によって各現像器を感光体ドラム156に対向する現像位置に順次移動させる。なお、イエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器、ブラック現像器は、それぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーを付着せしめて静電潜像を現像するものである。感光体ドラム156上には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用の静電潜像が順次形成され、これらはリボルバ現像ユニット250の各現像器によって順次現像されてイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像となる。
転写残トナーがクリーニングされた感光体ドラム156表面は、除電ランプ154によって除電せしめられる。除電ランプ154には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などが用いられている。また、上記レーザ光学装置の光源には半導体レーザが用いられている。これら発せられる光については、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターにより、所望の波長域だけを用いるようにしてもよい。
中間転写ユニットの図7中下側には、転写ベルトと転写バイアスローラ、駆動ローラ等各種ローラからなる転写ユニットが配設されており、これの図7中左側には、搬送ベルト164、定着ユニット165が配設されている。転写ユニットは、無端移動する転写ベルトは、図示しない移動手段によって、図7中上下方向に移動するようになっていてもよく、少なくとも、中間転写ベルト158上の1色トナー像(イエロートナー像)や、2色又は3色重ね合わせトナー像が紙転写バイアスローラ163との対向位置を通過する際には、中間転写ベルト158に接触しない位置まで待避移動する。そして、中間転写ベルト158上の4色重ね合わせトナー像の先端が紙転写バイアスローラ163との対向位置に進入してくる前に、中間転写ベルト158との接触位置まで移動して二次転写ニップを形成する。
そして、フルカラー画像が形成された記録媒体160は、転写ベルト162によって紙搬送ベルト164に送られる。
搬送ベルト164は、転写ユニットから受け取った記録媒体160を定着装置165内に送り込む。
記録媒体160上のフルカラー画像は、加熱ローラからの加熱や、定着ニップ内での加圧力の影響を受けて記録媒体160上に定着せしめられる。
なお、図示を省略しているが、転写ベルト162や搬送ベルト164には、記録媒体Pを吸着させるためのバイアスが印加されている。また、記録媒体160を除電する紙除電チャージャや、各ベルト(中間転写ベルト158、転写ベルト162、搬送ベルト164)を除電する3つのベルト除電チャージャが配設されている。また、中間転写ユニットは、ドラムクリーニングユニット155と同様の構成のベルトクリーニングユニットも備えており、これによって中間転写ベルト158上の転写残トナーをクリーニングする。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図8中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される記録媒体と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。
なお、タンデム画像形成装置100においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、記録媒体の両面に画像形成を行うために該記録媒体を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図9に示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M及びシアン用感光体10C)と、該感光体を一様に帯電させる帯電器60と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記感光体を露光(図9中、L)し、該感光体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する現像器61と、該トナー画像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、感光体クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像形成手段、露光手段、現像手段、転写手段、及びクリーニング手段の少なくとも1つと、本発明の前記電子写真感光体とを有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、その他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記トナーあるいは前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナーあるいは現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図10に示すように、感光体101を内蔵し、帯電器102、露光器103、現像手段104、クリーニング手段107を含み、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。105は記録媒体、108は搬送ローラである。
前記感光体101としては、上述した本発明の前記電子写真感光体を用いる。
露光器103には、高解像度で書き込みを行うことのできる光源が用いられる。
帯電器102には、任意の帯電部材が用いられる。
これにより、電子写真感光体やその他プロセス部材の交換を短時間に、容易に行うことができるようになるので、メンテナンスに要する時間が短縮でき、コストダウンにつながる。また、プロセス部材と電子写真感光体が一体となっているので、相対的な位置の精度向上などの利点もある。
実施例1
アルミニウムシリンダー上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を浸漬塗工によって順次塗布、乾燥し、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、22μmの電荷輸送層を形成した。
下引き層塗工液
二酸化チタン粉末: 400部
メラミン樹脂: 65部
アルキッド樹脂: 120部
2−ブタノン: 400部
電荷発生層塗工液
下記構造式(ろ)で表されるビスアゾ顔料: 12部
ポリビニルブチラール: 5部
2−ブタノン: 200部
シクロヘキサノン: 400部
ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製): 10部
下記構造式(は)で表される電荷輸送物質: 10部
テトラヒドロフラン: 100部
保護層塗工液
アルミナフィラー(平均一次粒径:1.5μm、
スミコランダムAA−15住友化学工業製): 1部
不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液(酸価180mgKOH/g、
固形分50%、BYK−P104BYKケミー製): 0.0025部
例示化合物17の電荷輸送物質: 0.6部
上記構造式(は)で表される電荷輸送物質: 3部
ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製): 5部
テトラヒドロフラン: 250部
シクロヘキサノン: 70部
実施例1において、保護層に含有されるアルミナフィラー、不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液、及びポリカーボネートの含有量を下記に記す通りに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体2を作製した。
アルミナフィラー(平均一次粒径:1.5μm、
スミコランダムAA−15住友化学工業製): 3部
不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液(酸価180mgKOH/g、
固形分50%、BYK−P104BYKケミー製): 0.0075部
ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製): 3部
実施例1において、保護層形成用塗工液に下記の材料を添加した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体3を作製した。
下記構造式(に)で表されるヒンダードフェノール化合物 0.12部
実施例1において、保護層に含有されるアルミナフィラー及び不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液を下記に記す通りに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体4を作製した。
アルミナフィラー(平均一次粒径:0.3μm、
スミコランダムAA−03住友化学工業製): 1部
不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液(酸価180mgKOH/g、
固形分50%、BYK−P104BYKケミー製): 0.0125部
実施例1において、保護層に含有されるアルミナフィラー、不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液及びポリカーボネートを下記に記す通りに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体5を作製した。
アルミナフィラー(平均一次粒径:3.0μm、
スミコランダムAA−3住友化学工業製): 3部
不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液(酸価180mgKOH/g、
固形分50%、BYK−P104BYKケミー製): 0.00125部
ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製): 3部
実施例1において、保護層に含有されるアルミナフィラー、不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液及びポリカーボネートを下記に記す通りに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体6を作製した。
アルミナフィラー(平均一次粒径:1.5μm、
スミコランダムAA−3住友化学工業製): 5部
不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液(酸価180mgKOH/g、
固形分50%、BYK−P104BYKケミー製): 0.0125部
ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製): 1部
実施例1において、保護層に含有されるアルミナフィラー、不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液及びポリカーボネートを下記に記す通りに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体7を作製した。
アルミナフィラー(平均一次粒径:1.5μm、
スミコランダムAA−3住友化学工業製): 0.5部
不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液(酸価180mgKOH/g、
固形分50%、BYK−P104BYKケミー製): 0.00125部
ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製): 5.5部
実施例1において、保護層に含有される例示化合物17の電荷輸送物質を取り除いた以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体8を作製した。
次に、得られた各電子写真感光体を用い、以下のようにして、感光体の摩耗量、画質評価、及び感光体表面電位を測定した。結果を表2に示す。また、それぞれの電子写真感光体の平均フィラー中心間距離も示す。
得られた各電子写真感光体、電子写真プロセス用カートリッジに搭載し、フルカラープリンター(IPSiO CX8100、株式会社リコー製)を用いて、ローラ帯電方式、波長660nmのレーザ露光によって、暗部電位700(−V)に設定した後、600dpi相当、A4サイズ、画像面積率5%となるテスト画像を出力するランニング試験を5万枚行い、該ランニング試験前後の感光層の厚みを渦電流式膜厚計(フィッシャースコープMMS、フィッシャー社製)を用いて、測定し、両者の差から摩耗量を測定した。
また、ランニング試験が終わった後に、30℃、90%の環境下で画像出しを行い、フィルミングによる画像劣化を評価した。
黒ベタ画像を出力し、黒ベタに相当する全面露光部の露光後の感光体表面電位(VL)を表面電位計(トレック型番344)により測定した。
<画像品質>
前記ランニング試験後の画像品質と、得られた各電子写真感光体を50ppmの窒素酸化物ガス濃度に調整されたデシケータ中に4日間放置した後の、画像ボケの評価を行った。この条件は通常のコロナ方式を使用したときに排出される酸化ガス濃度よりも強い条件である。
フルカラープリンター(IPSiO CX8200、株式会社リコー製)の改造機の変わりに、図10に示すようなタンデム中間転写方式のフルカラー複写機を用い、実施例1で作製した電子写真感光体を搭載し、実施例1〜3及び比較例1〜5と同様のランニング評価を実施したところ、色ズレの少ない非常にシャープな画像を出力することができた。
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 定電流源
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 記録媒体
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電器
103 露光器
104 現像手段
107 クリーニング手段
110 ベルト式画像定着装置
120 タンデム型現像器
121 加熱ローラ
122 定着ローラ
123 定着ベルト
124 加圧ローラ
125 加熱源
126 クリーニングローラ
127 温度センサ
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
201 支持体
202 感光層
203 電荷発生層
204 電荷輸送層
205 保護層
210 画像定着装置
220 加熱ローラ
230 加圧ローラ
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (15)
- 導電性支持体上に少なくとも感光層と保護層が形成されていると共に、前記保護層がフィラーと、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記(い)式で表される電荷輸送物質から選ばれる少なくとも一種と、バインダー樹脂とを含有する電子写真感光体において、前記フィラーの平均1次粒径が1〜2μmであり、表面に露出している平均フィラー中心間距離が5〜8μmであることを特徴とする電子写真感光体。
[(い)式中、R1、R2は、置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基を表し、同一でも異なっていてもよい。但し、R1、R2のいずれか1つは置換もしくは無置換のアリール基である。また、R1、R2は互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。Arは置換もしくは無置換のアリール基を表す。] - 前記フィラーが、金属酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記金属酸化物が酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記保護層の膜厚が3〜10μmであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記有機化合物が、ポリカルボン酸であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記保護層が、前記(い)式の電荷輸送物質以外の電荷輸送物質の少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記保護層が、ポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法であって、酸化防止剤を含有させた塗工液を用いて前記感光体の最表面層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
- 前記酸化防止剤が、ヒンダードフェノール系化合物であることを特徴とする請求項8に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 電子写真感光体と、この電子写真感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、感光体表面に当接し、前記感光体表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段と、を少なくとも有する画像形成装置であって、前記電子写真感光体が、請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
- 前記画像形成装置が、複数色のトナーを順次重ね合わせてカラー画像を形成するものであることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置が、少なくとも電子写真感光体、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段及び定着手段を有する画像形成要素を複数備えたタンデム型の装置であることを特徴とする請求項10または11に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置が、電子写真感光体上に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体と、前記中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えており、複数色のトナー画像を前記中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、このカラー画像を前記記録媒体上に一括で二次転写するものであることを特徴とする請求項11または12に記載の画像形成装置。
- 電子写真感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、得られた静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、得られた可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、感光体表面に当接し、前記感光体表面に残留するトナーを除去するクリーニング工程と、を少なくとも有する画像形成方法であって、前記電子写真感光体として、請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体を適用することを特徴とする画像形成方法。
- 画像形成装置本体に対して着脱自在に形成されたプロセスカートリッジにおいて、
静電潜像形成手段、露光手段、現像手段、転写手段、及びクリーニング手段の少なくとも1つと、請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体とを具備していることを特徴とするプロセスカートリッジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006305117A JP2008122571A (ja) | 2006-11-10 | 2006-11-10 | 電子写真感光体及びその製造方法、画像形成装置及び画像形成方法並びにプロセスカートリッジ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006305117A JP2008122571A (ja) | 2006-11-10 | 2006-11-10 | 電子写真感光体及びその製造方法、画像形成装置及び画像形成方法並びにプロセスカートリッジ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008122571A true JP2008122571A (ja) | 2008-05-29 |
Family
ID=39507401
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006305117A Pending JP2008122571A (ja) | 2006-11-10 | 2006-11-10 | 電子写真感光体及びその製造方法、画像形成装置及び画像形成方法並びにプロセスカートリッジ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008122571A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003091083A (ja) * | 2001-09-19 | 2003-03-28 | Ricoh Co Ltd | 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスユニット |
JP2003167367A (ja) * | 2001-12-04 | 2003-06-13 | Ricoh Co Ltd | フルカラー画像形成装置およびプロセスカートリッジ |
JP2004264788A (ja) * | 2003-03-04 | 2004-09-24 | Ricoh Co Ltd | 電子写真感光体、及び画像形成方法、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジ、電子写真感光体製造方法 |
JP2006234932A (ja) * | 2005-02-22 | 2006-09-07 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像形成方法、画像形成装置及び該画像形成方法に用いる有機感光体 |
-
2006
- 2006-11-10 JP JP2006305117A patent/JP2008122571A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003091083A (ja) * | 2001-09-19 | 2003-03-28 | Ricoh Co Ltd | 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスユニット |
JP2003167367A (ja) * | 2001-12-04 | 2003-06-13 | Ricoh Co Ltd | フルカラー画像形成装置およびプロセスカートリッジ |
JP2004264788A (ja) * | 2003-03-04 | 2004-09-24 | Ricoh Co Ltd | 電子写真感光体、及び画像形成方法、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジ、電子写真感光体製造方法 |
JP2006234932A (ja) * | 2005-02-22 | 2006-09-07 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像形成方法、画像形成装置及び該画像形成方法に用いる有機感光体 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4917409B2 (ja) | 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ | |
US7964327B2 (en) | Electrophotographic photoreceptor and method of preparing the photoreceptor, and image forming apparatus, image forming method and process cartridge using the photoreceptor | |
JP4928230B2 (ja) | 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ | |
JP3847583B2 (ja) | 電子写真装置および電子写真装置用プロセスカートリッジ | |
JP2008224729A (ja) | 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ | |
JP5621586B2 (ja) | 電子写真感光体、並びに画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ | |
JP2008310311A (ja) | 画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ | |
JP4387869B2 (ja) | 感光体及びプロセスカートリッジ並びに画像形成装置及び画像形成方法 | |
JP3568518B2 (ja) | 電子写真感光体、及びそれを用いた電子写真方法、電子写真装置、電子写真装置用プロセスカートリッジ、電子写真感光体製造方法 | |
JP2003084474A (ja) | 電子写真感光体及びその製造方法、並びに該電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、及び画像形成用プロセスカートリッジ | |
JP2008257147A (ja) | 電子写真感光体及びその製造方法、画像形成装置及び画像形成方法並びにプロセスカートリッジ | |
JP2009053400A (ja) | 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ | |
JP3786628B2 (ja) | 画像形成装置及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ | |
JP2001330976A (ja) | フルカラー電子写真装置 | |
JP4094491B2 (ja) | 電子写真感光体、それを用いる画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ | |
JP3945803B2 (ja) | 電子写真感光体、電子写真方法、電子写真装置、及び電子写真装置用プロセスカートリッジ | |
JP2008122571A (ja) | 電子写真感光体及びその製造方法、画像形成装置及び画像形成方法並びにプロセスカートリッジ | |
JP4206207B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP3936517B2 (ja) | フルカラー電子写真装置 | |
JP3883454B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP5047696B2 (ja) | 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ | |
JP4673685B2 (ja) | 静電潜像担持体、並びに画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ | |
JP3777503B2 (ja) | 電子写真感光体、その製造方法、それを用いた画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ | |
JP2003057855A (ja) | 画像形成装置及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ | |
JP5545469B2 (ja) | 電子写真感光体、それを用いた電子写真方法、電子写真装置及びプロセスカートリッジ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090730 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110506 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110517 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110711 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120410 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120710 |