JP2003057855A - 画像形成装置及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ - Google Patents

画像形成装置及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ

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JP2003057855A
JP2003057855A JP2001243878A JP2001243878A JP2003057855A JP 2003057855 A JP2003057855 A JP 2003057855A JP 2001243878 A JP2001243878 A JP 2001243878A JP 2001243878 A JP2001243878 A JP 2001243878A JP 2003057855 A JP2003057855 A JP 2003057855A
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forming apparatus
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JP2001243878A
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English (en)
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Akihiro Sugino
顕洋 杉野
Yuji Sawai
雄次 澤井
Mitsuru Takahashi
充 高橋
Katsuya Kawagoe
克哉 川越
Mitsuteru Kato
光輝 加藤
Hiromi Ogiyama
宏美 荻山
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成手段を複数個備えた画像形成装置に
用いられる潜像担持体の反応性ガスによる劣化を抑える
ことで、該潜像担持体の耐久性を向上させ、該潜像担持
体の交換頻度を著しく低減し、長期間にわたって良好な
画像を出力できる画像形成装置及び該装置に用いられる
プロセスカートリッジを提供する。 【解決手段】 導電性支持体401上に少なくとも電荷
発生層402と電荷輸送層403とを順次積層して潜像
担持体を構成し、電荷輸送層402の水蒸気透過度が5
0g・m−2・day−1以下であることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンター等の画像形成装置及び該装置に用いら
れるプロセスカートリッジに係り、詳しくは、静電潜像
を担持するための潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯
電させるための帯電手段と、該潜像担持体上に静電潜像
を形成するための潜像形成手段と、該静電潜像を現像し
てトナー像化するための現像手段と、該潜像担持体上の
トナー像を被転写体上に転写するための転写手段とを有
する画像形成手段を複数個備え、且つ、該複数個の画像
形成手段の各潜像担持体の表面に順次対向するように該
被転写体表面を移動させる被転写体表面移動手段を備え
た画像形成装置及び該装置に用いられるプロセスカート
リッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式を用いた画像形成装
置の発展は目覚ましいものがある。特に情報をデジタル
信号に変換して光によって情報記録を行なう光プリンタ
ーは、そのプリント品質、信頼性において向上が著し
い。このデジタル記録技術はプリンターのみならず通常
の複写機にも応用され所謂デジタル複写機が開発されて
いる。また、従来からあるアナログ複写に上記デジタル
記録技術を搭載した複写機は、種々様々な情報処理機能
が付加され、今後その需要性が益々高まっていくと予想
される。
【0003】上記画像形成装置のカールソンプロセスお
よび類似プロセスにおいて繰り返し使用される電子写真
感光体の条件としては、感度、受容電位、電位保持性、
電位安定性、残留電位、分光特性に代表される静電特性
が優れていることが要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記電子写真感光体で
は、繰り返し使用による帯電性の低下と残留電位の上昇
とが、感光体寿命を決定する要因であることが経験的に
知られている。電子写真感光体において、繰り返し使用
により帯電性の低下と残留電位の上昇が生じる原因の一
つとして、感光体使用雰囲気中の反応性ガスの影響が考
えられる。この反応性ガスは、画像形成装置の設置され
た環境の雰囲気中に存在する場合もあるが、主に画像形
成動作により例えばスコロトロン等に代表される帯電に
関わる部位から発生するオゾン、NOx等である。
【0005】上記反応性ガスに対する対策として、例え
ば特開平2−37359号公報、特開平8−27212
6号公報に記載されたように、電子写真感光体の電荷輸
送層のガスバリア性を高めることも一つの手段である
が、必ずしも満足できない場合も存在する。
【0006】さらに、例えば特開平8−272126号
公報による電子写真感光体表面層の酸素ガス透過係数を
特定した技術や、特開平5−53357号公報による電
子写真感光体表面保護層の窒素ガス透過係数を特定した
技術などが開示されている。これらの公報で開示された
技術では、感光層のガス透過性として単位膜厚当たりの
透過度(すなわち、透過率)を特定したものであり、透
過するガスの絶対量である透過度そのものを特定したも
のではない。すなわち、透過率を判断の指標とした場
合、感光層を機能分離型構造とした場合や、表面(保
護)層膜厚が薄膜の場合には、ガス透過率が低い感光体
表面(保護)層は、表面層中へのガスの侵入度合いが低
く、劣化を抑制する効果をもつ。しかし、かかる表面層
が薄膜化した場合、ガスがこの層を透過し、例えば表面
層の下層に当たる電荷発生層または、表面保護層の下層
に当たる電荷輸送層もしくは感光層等の下層まで到達し
てしまう場合が生じてくる。これにより、下層が反応性
ガスに暴露され、帯電性低下や残留電位上昇といった感
光体の静電特性の劣化を引き起こし、不良画像が発生す
る原因となる。近年、電子写真プロセスは高解像性が要
求されるようになり、この要求を満たすために、表面層
を薄膜化する傾向にある。このような要請に対応し、且
つ、充分な高耐久性を付与させるためには、感光体表面
層のガス透過係数の特定のみでは不十分であり、透過す
るガスの絶対量であるガス透過度の特定が重要になる。
【0007】また、最近はプリンター、複写機のフルカ
ラー化、高速化の要望が高くなってきており、フルカラ
ーもモノクロ並のスピードで画像が出力できる、いわゆ
るタンデム型画像形成装置が注目されている。しかしな
がら、タンデム型画像形成装置は、複数の電子写真感光
体を有し、それぞれについて帯電手段が設けられている
ので、前述の反応性ガスの発生量が多くなってしまう。
そのため、帯電手段を1つだけ有する画像形成装置に比
べ、タンデム型画像形成装置に用いられる電子写真感光
体は、より高濃度の反応性ガスにさらされるため、感光
体劣化が大きく、出力画像枚数あたりの帯電性低下、残
留電位上昇が大きい。また、画像形成装置内で発生した
反応性ガスは、装置内において濃度が均一ではないた
め、複数具備されている電子写真感光体のそれぞれの反
応性ガスによる劣化の度合いはばらばらである。そのた
め、中には極端に劣化が進行してしまい、比較的短期間
で静電特性が維持できなくなってしまうことがしばしば
発生していた。
【0008】このように静電特性が劣化して、良好な画
像が形成できなくなった感光体は交換を余儀なくされ
る。タンデム型画像形成装置の場合、複数の感光体のう
ち、劣化した感光体だけを交換すると、それぞれの感光
体の状態を個別に管理する必要が生じたり、交換頻度が
増加したりすることになり、メンテナンス上非常に不利
である。一方、一つの感光体が劣化するたびに全ての感
光体を交換するとなると、感光体の状態管理は簡潔にな
るが、まだ十分利用可能な感光体まで交換することにな
り、廃棄物が増えてしまい、しかも感光体の交換頻度は
低減できず、ランニングコストが大きくなるなどのデメ
リットが非常に大きい。
【0009】また、最近の電子写真感光体は、耐摩耗性
の向上による高耐久化が図られるにもかかわらず、前記
反応性ガスによる劣化によって耐久性の限界が決まって
しまい、耐摩耗性向上の効果が十分に生かされていない
のが現状である。
【0010】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、画像形成手段を複数
個備えた画像形成装置に用いられる潜像担持体の反応性
ガスによる劣化を抑えることで、該潜像担持体の耐久性
を向上させ、該潜像担持体の交換頻度を著しく低減し、
長期間にわたって良好な画像を出力できる画像形成装置
及び該装置に用いられるプロセスカートリッジを提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、静電潜像を担持するための潜像
担持体と、該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手
段と、該潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像
形成手段と、該静電潜像を現像してトナー像化するため
の現像手段と、該潜像担持体上のトナー像を被転写体上
に転写するための転写手段とを有する画像形成手段を複
数個備え、且つ、該複数個の画像形成手段の各潜像担持
体の表面に順次対向するように該被転写体表面を移動さ
せる被転写体表面移動手段を備えた画像形成装置におい
て、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送
層とを順次積層して上記潜像担持体を構成し、該電荷輸
送層の水蒸気透過度が50g・m−2・day−1以下
であることを特徴とするものである。
【0012】実験によれば、使用材料・構成・膜厚など
に関係なく、電荷輸送層の水蒸気透過度を50g・m
−2・day−1以下とすることで、潜像担持体の耐ガ
ス性が向上することが判った。電荷輸送層の耐ガス性を
向上させることで、上記反応性ガスが該電荷輸送層を透
過し難くなり、該電荷輸送層及び該電荷輸送層よりも下
側の層(例えば、電荷発生層)の劣化を防ぐことができ
る。これにより、複数存在する帯電手段で発生する大量
の反応性ガスによる潜像担持体の劣化を低減させて、不
良画像の形成を抑え、長期間に渡って安定した画像が出
力できる。なお、水蒸気透過度の測定に関しては、市販
の測定装置、例えば、全自動水蒸気透過度テスター(D
R.GEORGESH.LYSSY:L80−4000
H)を使用することができる。
【0013】請求項2の発明は、上記潜像担持体の最表
層が、電荷輸送物質と結着樹脂とフィラーとを含有する
ことを特徴とするものである。
【0014】この画像形成装置では、潜像担持体の最表
層にフィラーを含有するので、該最表層の耐摩耗性を向
上させることができる。また、潜像担持体の最表層に電
荷輸送物質を含有するので、該最表層の表面にシャープ
な潜像を形成することが可能となる。
【0015】請求項3の発明は、請求項2の画像形成装
置において、上記潜像担持体の最表層のフィラー含有率
が、上記導電性支持体側よりも表面側で高く設定されて
いることを特徴とするものである。
【0016】従来提案されてきた技術では、潜像担持体
としての感光体の最表層のフィラー濃度が所定濃度を越
えて高濃度化すると(例えば5wt%以上)、激しい感
度劣化や残留電位上昇を招き、感光体としての機能を失
ってしまうケースが多かった。この画像形成装置では、
潜像担持体の最表層のフィラー含有率を導電性支持体側
よりも表面側で高くすることにより、静電特性上の不具
合を解消することが可能となり、同時に十分な高耐久化
が可能となる。
【0017】請求項4の発明は、請求項1,2又は3の
画像形成装置において、上記潜像担持体の最表層が、高
分子電荷輸送物質を含有することを特徴とするものであ
る。
【0018】潜像担持体の最表層は、低分子材料と高分
子材料の混合物として構成され、通常は低分子材料が高
分子材料に相溶した、いわゆる固溶体の形態で用いられ
る。このような構成の場合、固体状態の高分子材料に存
在する空隙(自由体積)を分子サイズの違いから低分子
材料が埋めるため、ガスバリア性を向上させることがで
きる。従って、分子分散高分子は有用な構成方法であ
る。しかしながら、分子分散高分子からなる最表層は一
般に柔らかく、カールソンプロセスにおいては繰り返し
使用による膜削れを生じやすいという欠点がある。上記
構成の最表層の摩耗性は低分子材料濃度に依存する。高
分子のみの層は、低分子を分散した層よりも耐摩耗性は
大きいが、単なる高分子では電荷輸送能を有さない。そ
こで、高分子でありながら電荷輸送能を有する物質を最
表層に用いることで、低分子電荷輸送物質を分散させ
ず、もしくはその量を低減することができるため、高い
耐摩耗性を持たせることができる。この画像形成装置で
は、潜像担持体最表層が、電荷輸送機能を有する高分子
電荷輸送物質を用いることで該最表層の耐摩耗性を向上
することができる。
【0019】請求項5の発明は、請求項4の画像形成装
置において、上記高分子電荷輸送物質が、トリアリール
アミン構造を、主鎖及び側鎖の少なくとも一方に含むポ
リカーボネートを含有することを特徴とするものであ
る。
【0020】潜像担持体の最表層の水蒸気透過度は、該
最表層に使用する材料・構成・膜厚に大きく依存する。
成膜性が良好で、ガスバリア性の高い材料が有用に使用
されるが、このような材料としては、ポリカーボネート
が挙げられる。また、電荷輸送物質としての機能とバイ
ンダー樹脂の機能とを持った高分子電荷輸送物質も有効
に使用され、中でも、トリアリールアミン構造を主鎖及
び側鎖のうち少なくとも一方に含むポリカーボネートは
非常に有用である。この理由について説明する。トリア
リールアミン構造を有する物質は、電荷輸送性が高く、
実用化されている電荷輸送物質にも多く用いられてい
る。また、ポリカーボネート樹脂も、その機械的特性
(耐摩耗性など)、透明性、可撓性、成膜性、耐溶剤性
などの多くの特性で非常に優れており、実用化されてい
るOPCのほとんどの電荷輸送層のバインダー樹脂とし
て用いられている。そのため、高分子電荷輸送物質の主
骨格にポリカーボネート構造を有し、電荷輸送能を付与
するために主鎖及び側鎖のうち少なくとも一方にトリア
リールアミン構造の置換基を有する物質は、これらの有
利な特性を併せ持つ、非常に有用な高分子電荷輸送物質
となる。
【0021】請求項6の発明は、請求項1,2,3,4
又は5の画像形成装置において、上記電荷輸送層の膜厚
が5μm以上、50μm以下であることを特徴とするも
のである。
【0022】同一の材料を用い、同一の構成で電荷輸送
層を作製した場合でも、水蒸気透過度は電荷輸送層の膜
厚によりそれに反比例する様な形で依存する。すなわ
ち、上記電荷輸送層では、膜厚が厚いほどガスバリア性
は向上する。しかしながら、電荷輸送層膜厚が50μm
よりも厚すぎると、感光体の応答速度が遅くなったり、
電荷のにじみが生じたりして、画像ボケや文字太りが発
生しやすくなるなどの副作用が生じる場合がある。一
方、電荷輸送層膜厚が5μmよりも薄すぎると、ガスバ
リア性が低下して感光体劣化がすすんでしまう。この画
像形成装置では、電荷輸送層の膜厚が5μm以上、50
μm以下であるので、水蒸気透過度を所定の大きさ以下
に抑えて感光体の劣化を防止しつつ、画像ボケや文字太
りの発生を防ぐことができる。
【0023】請求項7の発明は、請求項1,2,3,
4,5又は6の画像形成装置において、上記電荷輸送層
が、フィラーを含まない電荷輸送層と、フィラー補強電
荷輸送層の順に積層されたものであることを特徴とする
ものである。
【0024】この画像形成装置では、機能分離型の電荷
輸送層を形成することにより、静電特性上の不具合、例
えば厚膜化による感度劣化や残留電位上昇等の不具合を
防ぐことが可能となる。この理由としては、次のような
ことが考えられる。電荷輸送層とフィラー補強電荷輸送
層とに機能分離することで、表面付近のみにフィラーが
含有することになる。逆に、電荷輸送層全体にフィラー
が分散していると、レーザー光はフィラーによって遮ら
れたり、散乱されたりするため、レーザ光の膜透過率が
低下してしまう。すなわち、同じ光量においても、下層
の電荷発生層に到達する光エネルギーが小さくなり、発
生する電荷量も少なくなる。そのため表面電荷を十分に
打ち消すことが出来ず、結果として、光量あたりの表面
電位の低下が小さくなり、感度が低下したように見え
る。さらに、単純に電荷輸送能を持たないフィラーが電
荷移動を妨げることでも感度は低下することが考えられ
る。また、フィラーと電荷輸送物質の界面、もしくはフ
ィラー自身が電荷のトラップとなり、これは残留電位の
上昇を引き起こすことが考えられる。これらの理由か
ら、トータルのフィラー含有量は少ない方が好ましく、
かつ耐摩耗性を持たせるために、機能分離させた電荷輸
送層の表面部だけにフィラーを含有させるのが非常に有
用である。
【0025】請求項8の発明は、請求項7の画像形成装
置において、上記フィラー補強電荷輸送層中に含まれる
フィラーの含有率が、該フィラー補強電荷輸送層全重量
の5wt%以上、50wt%以下であることを特徴とす
るものである。
【0026】フィラー補強電荷輸送層のフィラー含有率
が5wt%未満であると、十分な耐摩耗性向上効果が得
られない。一方、フィラー含有率が50wt%を上回る
と表面平滑な膜形成が困難となる。この画像形成装置で
は、フィラー補強電荷輸送層中に含まれるフィラーの含
有率が、該フィラー補強電荷輸送層全重量の5wt%以
上、50wt%以下であるので、十分な耐摩耗性向上効
果を維持しつつ、表面平滑な膜形成が可能となる。
【0027】請求項9の発明は、請求項7又は8の画像
形成装置において、上記フィラー補強電荷輸送層の膜厚
が0.5μm以上、10μm以下であることを特徴とす
るものである。
【0028】フィラー補強電荷輸送層の膜厚が0.5μ
mより小さすぎると耐久性向上効果が小さくなり有用性
がなくなる。一方、フィラー補強電荷輸送層の膜厚が1
0μmより大きすぎると厚膜化は製造コストが上がるの
みで、耐久性向上の寄与も小さくなる。この画像形成装
置では、フィラー補強電荷輸送層の膜厚が0.5μm以
上、10μm以下であるので、耐久性を維持しつつ、製
造コストアップを抑えることができる。
【0029】請求項10の発明は、請求項2,3,4,
5,6,7,8又は9の画像形成装置において、上記フ
ィラーの平均一次粒径が、0.01μm以上、0.5μ
m以下であることを特徴とするものである。
【0030】フィラーの平均一次粒径が0.01μmよ
りも小さすぎると耐摩耗性が低下してしまう。一方、フ
ィラーの平均一次粒径が0.5μmよりも大きすぎると
感光体に照射される光書き込み光が該フィラーで散乱し
て透過率が低下し、画像ボケや文字太りが生じてしまう
場合がある。この画像形成装置では、フィラーの平均一
次粒径が、0.01μm以上、0.5μm以下であるの
で、感光体の劣化を抑制しつつ、画像ボケや文字太りの
発生を防ぐことができる。上記平均一次粒径とは、粒子
そのものの粒径の平均値のことである。実際の粒子は、
この一次粒子が少なからず凝集した二次粒子と呼ばれる
形で存在している。測定方法としては、粉砕、分散され
た状態の粒径を、例えば、(株)堀場製作所の遠心式粒
度分布測定装置などを用いて測定する。
【0031】請求項11の発明は、請求項2,3,4,
5,6,7,8,9又は10の画像形成装置において、
上記フィラーが無機材料からなることを特徴とするもの
である。
【0032】この画像形成装置では、無機材料からなる
フィラーは、他の材料、例えば有機材料からなるフィラ
ーに比べ硬度が高いため、潜像担持体の最表層の耐摩耗
性をより向上させることができる。
【0033】請求項12の発明は、請求項11の画像形
成装置において、上記フィラーがα−アルミナであるこ
とを特徴とするものである。
【0034】α−アルミナはダイヤモンドに次いで優れ
たモース硬度を示すとともに優れた透光性を有する。前
者の特性は感光体の耐摩耗性向上化に対して極めて有利
に作用する。また、後者は静電特性のパフォーマンス維
持に有利である。これらのことによって、フィラーの含
有量を増加させることが可能となり、その結果、潜像担
持体の耐摩耗性向上を図ることができる。
【0035】請求項13の発明は、請求項1,2,3,
4,5,6,7,8,9,10,11又は12の画像形
成装置において、上記導電性支持体と上記電荷発生層と
の間に下引き層を設けたことを特徴とするものである。
【0036】この画像形成装置では、導電性支持体と電
荷発生層との間に下引き層を設けたので、接着性の向
上、モアレなどの防止、上層の塗工性改良及び残留電位
の低減等を図ることができる。
【0037】請求項14の発明は、請求項1,2,3,
4,5,6,7,8,9,10,11,12又は13の
画像形成装置において、上記帯電手段が、上記潜像担持
体に接触もしくは近接配置した帯電部材であることを特
徴とするものである。
【0038】この画像形成装置では、帯電部材を潜像担
持体に接触もしくは近接配置することによって、チャー
ジワイヤーを用いたコロナ帯電方式に比べ、オゾンや窒
素酸化物などの生成を低減することができる。また、潜
像担持体の最表層にフィラーを含有した構成の場合に
は、該最表層の耐摩耗性が大きいので、上記帯電部材を
該潜像担持体に接触させて使用しても該潜像担持体表面
の摩耗を小さく抑えることができる。
【0039】請求項15の発明は、請求項14の画像形
成装置において、上記帯電部材に対し、直流成分に交流
成分を重畳した電圧を印加する電圧印加手段を有するこ
とを特徴とするものである。
【0040】この画像形成装置では、帯電部材により潜
像担持体に帯電を施す際、該帯電部材に直流成分に交流
成分を重畳した電界により該潜像担持体に帯電を与える
ことにより、帯電ムラを低減することが可能となる。
【0041】請求項16の発明は、請求項1,2,3,
4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,1
4又は15の画像形成装置において、上記被転写体が中
間転写体であり、且つ、上記転写手段が、上記複数の潜
像担持体上に現像されたトナー像を該中間転写体上に順
次重ね合わせて一次転写したのち、該中間転写体上に一
次転写された重ね合わせトナー像を記録材上に一括して
二次転写することを特徴とするものである。
【0042】この画像形成装置では、複数色のトナー画
像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成
し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写してカラ
ー画像を得るという、間接転写方式で画像を形成するこ
とができる。上記間接転写方式では、例えば、感光体か
ら記録材に画像を直接転写する直接転写方式に比べ、2
次転写位置を比較的自由に設定することができるので装
置の小型化が図れるといった利点がある。
【0043】請求項17の発明は、請求項16の画像形
成装置において、上記中間転写体が、シームレスベルト
状で、かつ、少なくとも外周面部を弾性部材で構成した
弾性ベルトであることを特徴とするものである。
【0044】カラー画像は通常4色の着色トナーで形成
される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのト
ナー層が形成されている。トナー層は1次転写(潜像担
持体から中間転写体への転写)や、2次転写(中間転写
体からシートへの転写)を通過することで圧力を受け、
トナー同士の凝集力が高くなる。トナー同士の凝集力が
高くなると文字の中抜けやベタ部画像のエッジ抜けの現
象が発生しやすくなる。特に、従来から用いられている
樹脂ベルトでは硬度が高くトナー層に応じて変形しない
ため、トナー層を圧縮させやすく文字の中抜け現象が発
生しやすくなる。また、最近はフルカラー画像を様々な
用紙、例えば和紙や意図的に凹凸を付けた用紙に形成し
たいという要求が高くなってきている。しかし、平滑性
の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやすく、転
写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるために2次
転写部の転写圧を高めると、トナー層の凝縮力を高める
ことになり、上述したような文字の中抜けを発生させる
ことになる。この画像形成装置では、中間転写体が弾性
ベルトであり、該弾性ベルトは樹脂ベルトに比べ硬度が
低いため、転写部でトナー層や平滑性の悪い用紙に対応
して変形する。つまり、上記弾性ベルトは局部的な凹凸
に追従して変形するため、過度にトナー層に対して転写
圧を高めることなく、良好な密着性が得られる。これに
より、文字の中抜けが無く、しかも平面性の悪い用紙に
対しても均一性の優れた転写画像を得ることができる。
【0045】請求項18の発明は、請求項16又は17
の画像形成装置において、上記中間転写体の硬度HS
(JIS−A)が、10[°]以上、65[°]以下である
ことを特徴とするものである。
【0046】中間転写体の硬度HSが10[°](JIS
−A)より小さいと、寸法精度良く成形することが非常
に困難となる。これは成形時に収縮・膨張を受け易いこ
とに起因する。また柔らかくする場合には基材へオイル
成分を含有させるのが一般的な方法であるが、加圧状態
で連続作動させるとオイル成分が滲みだしてくるという
欠点を有している。本発明者らの検討により、中間転写
体表面に直接接触する感光体に上記オイル成分が付着す
ると、横帯状ムラを発生させることが分かった。一般的
に離型性向上のために表層を設けているが、完全に滲み
出し防止効果を与えるためには表層は耐久性等要求品質
の高いものになり、材料の選定、特性等の確保が困難に
なってくる。一方、中間転写体の硬度HSが65[°]
(JIS−A)よりも大きいと、硬度が上がった分精度
良く成形でき、しかもオイル成分を含まず若しくは少な
く抑えることが可能となる。よって、感光体に対するオ
イル付着は低減可能となるが、文字中抜け等の転写性改
善の効果が得られなくなってしまう。また、硬度が大き
過ぎると張架ローラへの張架が困難となってしまう。こ
の画像形成装置では、中間転写体の硬度HS(JIS−
A)が、10[°]以上、65[°]以下であるので、該中
間転写体を加圧状態で連続作動させてもオイル成分が滲
み出すことがなく、該オイル成分が感光体に付着して横
帯状ムラを発生させることはない。また、文字中抜け等
の転写性改善の効果を十分に得ることができ、しかも中
間転写体を張架ローラで良好に張架することができる。
【0047】請求項19の発明は、請求項17又は18
の画像形成装置において、上記中間転写体は、周方向の
伸びを防止するための芯体層を有することを特徴とする
ものである。
【0048】中間転写体を弾性ベルトで構成すると、張
架ローラで張架したときにテンションで該弾性ベルトが
弾性変形し、特に周方向に伸び易い。中間転写体が周方
向に伸びると一次転写で各色の重ね合わせ位置のずれが
生じたり、画像が伸びて画像歪みが生じたりしてしま
う。この画像形成装置では、芯体層が中間転写体の伸び
を防ぐので、一次転写で該中間転写体上への各色トナー
像の重ね合わせ位置を正確に一致させることができる。
また、画像の歪みを防ぐことができる。
【0049】請求項20の発明は、潜像形成手段、現像
手段及び転写手段のうちの少なくとも1つと、潜像担持
体とを備えた画像形成装置用のプロセスカートリッジに
おいて、上記潜像担持体として、請求項1,2,3,
4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,1
4、15,16,17,18又は19に記載の潜像担持
体を用いたことを特徴とするものである。
【0050】この画像形成装置用のプロセスカートリッ
ジでは、潜像担持体を長期的に使用しても反応性ガスに
よる該潜像担持体の劣化が小さいため、画像流れや画像
ボケといった不良画像の発生を低減することができる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明をカラー電子写真複
写機に適用した実施形態の一例について説明する図1
は、この発明の実施形態の一例を示すもので、タンデム
型間接転写方式のカラー電子写真複写機の概略構成図で
ある。この電子写真複写機は、複写装置本体100、こ
の複写機本体を載せる給紙テーブル200、複写装置本
体上に取り付けるスキャナ300、さらにその上に取り
付ける原稿自動搬送装置(ADF)400から主に構成
されている。複写装置本体100には、中央に、無端ベ
ルト状の中間転写体10を設ける。中間転写体10は、
ベース層を、例えば伸びの少ないフッ素樹脂や伸びの大
きなゴム材料に帆布など伸びにくい材料で構成された基
層をつくり、その上に弾性層を設ける。この弾性層は、
例えばフッ素系ゴムやアクリロニトリル−ブタジエン共
重合ゴムなどでつくる。その弾性層の表面は、例えばフ
ッ素系樹脂をコーティングして平滑性のよいコート層で
被ってなる。
【0052】そして、図1の例では、中間転写体10
を、3つの支持ローラ14,15,16に掛け回して図
中時計回り方向に回転搬送可能とする。図示の例では、
3つの支持ローラのうち第2の支持ローラ15の左側
に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナ
ーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設け
る。また、第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ1
5との間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送
方向に沿って、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアン
の4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデ
ム画像形成装置20を構成する。そのタンデム画像形成
装置20の上方には、図1に示すように、露光装置21
を設ける。
【0053】一方、中間転写体10を挟んでタンデム画
像形成装置20と反対の側には、2次転写装置22を備
える。2次転写装置22は、図示の例では、2つのロー
ラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛
け渡して構成し、中間転写体10を介して第3の支持ロ
ーラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像
をシートに転写する。また、2次転写装置22の横に
は、シート上の転写画像を定着する定着装置25を設け
る。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26
に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
【0054】上述した2次転写装置22には、画像転写
後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送
機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置22とし
て、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよ
く、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備
えることは難しくなる。なお、図示の例では、このよう
な2次転写装置22および定着装置25の下側に、上述
したタンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面
に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置2
8を備える。
【0055】さて、いまこのカラー電子写真複写機を用
いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原
稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送
装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス
32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉
じてそれで押さえる。
【0056】そして、不図示のスタートスイッチを押す
と、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたとき
は、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動し
て後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットした
ときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体3
3および第2走行体34を走行する。そして、第1走行
体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反
射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行
体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取
りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0057】また、不図示のスタートスイッチを押す
と、不図示の駆動モータで支持ローラ14,15,16
の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転
し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画
像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体4
0上にそれぞれ、ブラック,イエロー,マゼンタ,シア
ンの単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬
送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写
体10上に合成カラー画像を形成する。
【0058】一方、不図示のスタートスイッチを押す
と、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択
回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセッ
ト44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で
1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で
搬送して複写装置本体100内の給紙路48に導き、レ
ジストローラ49に突き当てて止める。または、給紙ロ
ーラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り
出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路
53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止
める。
【0059】そして、中間転写体10上の合成カラー画
像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転
し、中間転写体10と2次転写装置22との間にシート
を送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカ
ラー画像を記録する。画像転写後のシートは、2次転写
装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装
置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切
換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙ト
レイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り
換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び
転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ロ
ーラ56で排紙トレイ57上に排出する。一方、画像転
写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置
17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留
トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度
の画像形成に備える。
【0060】ここで、レジストローラ49は一般的には
接地されて使用されることが多いが,シートの紙粉除去
のためにバイアスを印加することも可能である。例え
ば,導電性ゴムローラを用いバイアスを印加する。径φ
18で、表面を1mm厚みの導電性NBRゴムとする。
電気抵抗はゴム材の体積抵抗で10[Ωcm]程度であ
り、印加電圧はトナーを転写する側(表側)には−80
0V程度の電圧を印加し、また紙裏面側は+200V程
度の電圧を印加する。なお、一般的に中間転写方式は紙
粉が感光体にまで移動しづらいため、紙粉転写を考慮す
る必要が少なくアースになっていても良い。また、印加
電圧として、DCバイアスが印加されているが、これは
シートをより均一帯電させるためDCオフセット成分を
持ったAC電圧でも良い。このようにバイアスを印加し
たレジストローラ49を通過した後の紙表面は,若干マ
イナス側に帯電している。よって、中間転写体10から
シートへの転写では、レジストローラ49に電圧を印加
しなかった場合に比べて転写条件が変わり転写条件を変
更する場合がある。
【0061】さて、上述したタンデム画像形成装置20
において、個々の画像形成手段18は、詳しくは、例え
ば図3に示すように、ドラム状の感光体40のまわり
に、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62、
感光体クリーニング装置63、除電装置64などを備え
てなる。
【0062】また、タンデム型の電子写真装置には、図
7に示すように、各感光体1上の画像を転写装置2によ
り、シート搬送ベルト3で搬送するシートsに順次転写
する直接転写方式のものと、図6に示すように、各感光
体1上の画像を1次転写装置2によりいったん中間転写
体4に順次転写して後、その中間転写体4上の画像を2
次転写装置5によりシートsに一括転写する間接転写方
式のものとがある。この転写装置5は転写搬送ベルト方
式であるが、転写ローラ方式を用いることもできる。
【0063】直接転写方式のものと、間接転写方式のも
のとを比較すると、前者は、感光体1を並べたタンデム
型画像形成部Tの上流側に給紙装置6を、下流側に定着
装置7を配置しなければならず、シート搬送方向に大型
化する欠点がある。これに対し、後者は、2次転写位置
を比較的自由に設置することができ、給紙装置6,およ
び定着装置7をタンデム型画像形成部Tと重ねて配置す
ることができ、小型化が可能となる利点がある。
【0064】また、前者は、シート搬送方向に大型化し
ないためには,定着装置7をタンデム型画像形成部Tに
接近して配置することとなる。そのためシートsがたわ
むことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置す
ることができず、シートsの先端が定着装置7に進入す
るときの衝撃(特に厚いシートで顕著となる)や、定着
装置7を通過するときのシート搬送速度と、転写搬送ベ
ルトによるシート搬送速度との速度差により、定着装置
7が上流側の画像形成に影響を及ぼしやすい欠点があ
る。
【0065】これに対し、後者は、シートsがたわむこ
とができる十分な余裕をもって定着装置7を配置するこ
とができるから、定着装置7がほとんど画像形成に影響
を及ぼさないようにすることができる。
【0066】以上のようなことから、最近は、タンデム
型電子写真装置の中の、特に中間転写ベルトを用いた間
接転写方式のものが注目されてきている。中間転写ベル
トは、従来から弗素系樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポ
リイミド樹脂等が使用されてきていたが、近年ベルトの
全層やベルトの一部の層を弾性部材にした弾性ベルトが
使用されてきている。
【0067】なお、従来の樹脂ベルトを用いたカラー画
像の転写は以下の課題がある。カラー画像は通常4色の
着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層
から4層までのトナー層が形成されている。トナー層は
1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、2
次転写(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過す
ることで圧力を受け、トナー同士の凝集力が高くなる。
トナー同士の凝集力が高くなると文字の中抜けやベタ部
画像のエッジ抜けの現象が発生しやすくなる。樹脂ベル
トは硬度が高くトナー層に応じて変形しないため,トナ
ー層を圧縮させやすく文字の中抜け現象が発生しやすく
なる。
【0068】また、最近はフルカラー画像を様々な用
紙、例えば和紙や意図的に凹凸を付けや用紙に画像を形
成したいという要求が高くなってきている。しかし、平
滑性の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやす
く、転写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるため
に2次転写部の転写圧を高めると、トナー層の凝縮力を
高めることになり、上述したような文字の中抜けを発生
させることになる。
【0069】弾性ベルトは樹脂ベルトの欠点を次の理由
により解決することができる。弾性ベルトは樹脂ベルト
より硬度が低いため、転写部でトナー層や、平滑性の悪
い用紙に対応して変形する。つまり局部的な凹凸に追従
して弾性ベルトは変形するため、過度にトナー層に対し
て転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ文字
の中抜けの無い、平面性の悪い用紙に対しても均一性の
優れた転写画像を得ることが出来る。
【0070】上記弾性ベルトを構成する樹脂としては、
ポリカーボネート,フッ素系樹脂(ETFE,PVD
F)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−
メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチ
レン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重
合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アク
リル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル
共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチ
レン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル
酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル
共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル
酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ア
クリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレ
ンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合
体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹
脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変
性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂,塩化ビ
ニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂
等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレ
イン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリ
デン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコー
ン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共
重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、
ポリアミド樹脂,変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等
からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使
用することができる。ただし、上記材料に限定されるも
のではないことは当然である
【0071】また、上記弾性ベルトを構成する弾性材ゴ
ムもしくはエラストマーとしては、ブチルゴム,フッ素
系ゴム,アクリルゴム,EPDM,NBR,アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレ
ンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、
エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンター
ポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエ
チレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオ
タクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリ
ン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポ
リノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エ
ラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン
系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド
系、ポリウレア,ポリエステル系、フッ素樹脂系)等か
らなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用
することができる。ただし、上記材料に限定されるもの
ではないことは当然である。
【0072】弾性ベルトに添加する抵抗値調節用導電剤
に特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、グラ
ファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化
錫,酸化チタン,酸化アンチモン,酸化インジウム,チ
タン酸カリウム,酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物
(ATO),酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(IT
O)等の導電性金属酸化物、導電性金属酸化物は、硫酸
バリウム,ケイ酸マグネシウム,炭酸カルシウム等の絶
縁性微粒子を被覆したものでもよい。上記導電剤に限定
されるものではないことは当然である。
【0073】表層材料に制限はないが、転写ベルト表面
へのトナーの付着力を小さくして2次転写性を高めるも
のが要求される。例えば、ポリウレタン,ポリエステ
ル,エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用
し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料,たと
えばフッ素樹脂,フッ素化合物,フッ化炭素,2酸化チ
タン,シリコンカーバイト等の粉体,粒子を1種類ある
いは2種類以上または粒径を異ならしたものを分散させ
使用することができる。また、フッ素系ゴム材料のよう
に熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成さ
せ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することも
できる。
【0074】弾性ベルトの製造方法は限定されるもので
はない。例えば、回転する円筒形の型に材料を流し込み
ベルトを形成する遠心成型法,表層の薄い膜を形成させ
るスプレイ塗工法,円筒形の型を材料の溶液の中に浸け
て引き上げるディッピング法,内型・外型の中に注入す
る注型法,円筒形の型にコンパウンドを巻き付け加硫研
磨を行う方法等があるがこれに限定されるものではなく
複数の製法を組み合わせてベルトを製造することができ
るのはもちろんである。
【0075】弾性ベルトの伸びを防止する方法として
は、例えば、伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を形成す
る方法,芯体層に伸びを防止する材料を入れる方法等が
あるが,特に製法に関わるものではない。
【0076】伸びを防止する芯体層を構成する材料は、
例えば、綿、絹、などの天然繊維、ポリエステル繊維、
ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポ
リビニルアルコール繊維,ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩
化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール
繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維などの
合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維などの無
機繊維、鉄繊維、銅繊維などの金属繊維からなる群より
選ばれる1種あるいは2種以上を用い織布状あるいは糸
状のものができる。もちろん上記材料に限定されるもの
ではない。
【0077】糸は1本または複数のフィラメントを撚っ
たもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方で
あってもよい。また、例えば上記材料群から選択された
材質の繊維を混紡してもよい。もちろん糸に適当な導電
処理を施して使用することもできる。一方織布は、メリ
ヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であ
り、もちろん交織した織布も使用可能であり当然導電処
理を施すこともできる。
【0078】芯体層を設ける製造方法は特に限定される
ものではない。例えば、筒状に織った織布を金型等に被
せその上に被覆層を設ける方法,筒状に織った織布を液
状ゴム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆層
を設ける方法,糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻
き付けその上に被覆層を設ける方法等を挙げることがで
きる。
【0079】弾性層の厚さは、弾性層の硬度にもよる
が、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂の発
生しやすくなる。また、伸縮量が大きくなることから画
像に伸びちじみが大きくなること等から厚すぎることは
好ましくない(およそ1mm以上)。
【0080】弾性層の硬度の適正範囲は10≦HS≦6
5゜(JIS−A)である。ベルトの層厚によって最適
硬度の調整は必要となる。硬度10゜(JIS−A)よ
り下のものは寸法精度良く成形することが非常に困難で
ある。これは成型時に収縮・膨張を受け易いことに起因
する。また柔らかくする場合には基材へオイル成分を含
有させるのが一般的な方法であるが、加圧状態で連続作
動させるとオイル成分が滲みだしてくるという欠点を有
している。これにより中間転写体表面に接触する感光体
に滲みだしたオイルが付着し横帯状ムラを発生させるこ
とが分かった。一般的に離型性向上のために表層を設け
ているが、完全に滲みだし防止効果を与えるためには表
層は耐久品質等要求品質の高いものになり、材料の選
定、特性等の確保が困難になってくる。これに対して、
硬度65゜(JIS−A)よりも大きいものは硬度が上
がった分精度良く成形できるのと、オイル含有量を含ま
ずもしくは少なく抑えることが可能となるので、感光体
に対するオイル付着性は低減可能であるが、文字の中抜
け等転写性改善の効果が得られなくなる。また、張架ロ
ーラへの張架が困難となる。
【0081】次に、本発明に用いられる感光体40を図
面に沿って説明する。図8は、本発明の電子写真感光体
を表わす断面図であり、導電性支持体401上に、電荷
発生物質を主成分とする電荷発生層402と、電荷輸送
物質を主成分とする電荷輸送層403とが積層された構
成で設けられている。図9は、導電性支持体401と電
荷発生物質を主成分とする電荷発生層402の間に、下
引き層404を設けた構成をとっている。図10は、導
電性支持体401上に、電荷発生層402と電荷輸送層
403を順次設け、その上に保護層405が積層された
構成をとっている。図11は、導電性支持体401上
に、下引き層404、電荷発生層402、電荷輸送層4
03、保護層405を順次積層した構成をとっている。
【0082】導電性支持体401としては、体積抵抗1
10Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アル
ミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、
白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属
酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム
状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、
あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケ
ル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引
き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩な
どの表面処理した管などを使用することができる。ま
た、特開昭52−36016号公報に開示されたエンド
レスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導
電性支持体401として用いることができる。
【0083】この他、上記支持体上に導電性粉体を適当
な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明
の導電性支持体401として用いることができる。この
導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブ
ラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、
銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、
ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。また、
同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエ
ステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリ
レート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸
セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエ
ン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シ
リコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン
樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑
性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。こ
のような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を
適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメ
タン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗
布することにより設けることができる。
【0084】さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニ
ル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン
(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた
熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、
本発明の導電性支持体401として良好に用いることが
できる。
【0085】次に感光層について説明する。感光層は電
荷発生層402と電荷輸送層403との積層より構成さ
れる。電荷発生層402は、電荷発生物質を主成分とす
る層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもあ
る。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を
用いることが出来る。
【0086】無機系材料には、結晶セレン、アモルファ
ス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲ
ン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコンな
どが挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、
ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミ
ネートしたものや、ホウ素原子、リン原子などをドープ
したものが良好に用いられる。
【0087】一方、有機系材料としては、公知の材料を
用いることが出来る。例えば、金属フタロシアニン、無
金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズ
レニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバ
ゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格
を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ
顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フル
オレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格
を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペ
リレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔
料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフ
ェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系
顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系
顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられ
る。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混
合物として用いることが出来る。
【0088】電荷発生層402に必要に応じて用いられ
るバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタ
ン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビ
ニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケ
トン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、
ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバイン
ダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いる
ことが出来る。
【0089】また、電荷発生層402のバインダー樹脂
として、高分子電荷輸送物質を用いることが出来る。更
に、必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよ
い。電荷発生層402に併用できる電荷輸送物質には電
子輸送物質と正孔輸送物質とがあり、これらは更に低分
子型の電荷輸送物質と高分子型の電荷輸送物質がある。
以下、本発明では高分子型の電荷輸送物質を高分子電荷
輸送物質と称する。
【0090】電子輸送物質としては、たとえばクロルア
ニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシ
アノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フル
オレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、
2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−
トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン
−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェ
ン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げ
られる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上
の混合物として用いることが出来る。
【0091】正孔輸送物質としては、以下に表される電
子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。たとえ
ば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イ
ミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−
(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1
−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、
スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニル
ヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾ
ール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、
アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダ
ゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。こ
れらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物と
して用いることが出来る。
【0092】また、以下に表される高分子電荷輸送物質
を用いることができる。たとえば、ポリ−N−ビニルカ
ルバゾール等のカルバゾール環を有する重合体、特開昭
57−78402号公報等に例示されるヒドラゾン構造
を有する重合体、特開昭63−285552号公報等に
例示されるポリシリレン重合体、特開平7−32540
9号公報に例示されるトリアリールアミン構造を有する
重合体等が挙げられる。これらの高分子電荷輸送物質
は、単独または2種以上の混合物として用いることが出
来る。
【0093】電荷発生層402は、電荷発生物質、溶媒
及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、
分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添
加剤が含まれていても良い。
【0094】電荷発生層402を形成する方法には、真
空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが
大きく挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロ
−放電分解法、イオンプレ−ティング法、スパッタリン
グ法、反応性スパッタリング法、CVD法などが用いら
れ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成出来
る。また、キャスティング法によって電荷発生層を設け
るには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を
必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、
シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタ
ノンなどの溶媒を用いてボ−ルミル、アトライタ−、サ
ンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗
布することにより、形成出来る。塗布は、浸漬塗工法や
スプレーコート法、ビードコート法などを用いて行なう
ことが出来る。以上のようにして設けられる電荷発生層
の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好まし
くは0.05〜2μmである。
【0095】電荷輸送層403は、電荷輸送物質および
結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷
発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。電荷
輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電荷輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムア
ニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタ
ン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−ト
リニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4
H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、
1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−
ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質
が挙げられる。
【0096】正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリ
ルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホル
ムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾ
ール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘
導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘
導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、
α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジ
アリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9
−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジ
ビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘
導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチル
ベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げ
られる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上
混合して用いられる。
【0097】結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジェン
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエ
ステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレ
ート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロ
ース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン
樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬
化性樹脂が挙げられる。電荷輸送物質の量は結着樹脂1
00重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは4
0〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜
厚は5〜100μm程度とすることが好ましい。ここで
用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼ
ン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチル
ケトン、アセトンなどが挙げられる。
【0098】また、電荷輸送層403には電荷輸送物質
としての機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電
荷輸送物質も良好に使用される。これら高分子電荷輸送
物質から構成される電荷輸送層は非常に耐摩耗性に優れ
たものである。高分子電荷輸送物質としては、公知の材
料が使用できるが、トリアリールアミン構造を主鎖およ
び/または側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いら
れる。中でも、下記の(化1)式,(化4)式〜(化1
2)式で表される高分子電荷輸送物質が良好に用いら
れ、これらを以下に例示し、具体例を示す。
【0099】
【化1】
【0100】上記(化1)式中、R,R,R
それぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又は
ハロゲン原子、Rは水素原子又は置換もしくは無置換
のアルキル基、R,Rは置換もしくは無置換のアリ
ール基、o,p,qはそれぞれ独立して0〜4の整数、
k,jは組成を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.
9、nは繰り返し単位数を表し5〜5000の整数であ
る。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または
下記一般式で表される2価基を表す。
【0101】
【化2】 上記(化2)式中、R101,R102は各々独立して
置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハ
ロゲン原子を表す。l、mは0〜4の整数、Yは単結
合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状
のアルキレン基、−O−,−S−,−SO−,−SO
−,−CO−,−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは
脂肪族の2価基を表す。)を表す。または、
【0102】
【化3】 上記(化3)式中、aは1〜20の整数、bは1〜20
00の整数、R103、R104は置換または無置換の
アルキル基又はアリール基を表す。)を表す。ここで、
101とR102,R103とR104は、それぞれ
同一でも異なってもよい。
【0103】
【化4】 上記(化4)式中、R,Rは置換もしくは無置換の
アリール基、Ar,Ar,Arは同一又は異なるア
リレン基を表す。X,k,jおよびnは、上記(化1)
式の場合と同じである。
【0104】
【化5】 上記(化5)式中、R,R10は置換もしくは無置換
のアリール基、Ar,Ar,Arは同一又は異な
るアリレン基を表す。X,k,jおよびnは、上記(化
1)式の場合と同じである。
【0105】
【化6】 上記(化6)式中、R11,R12は置換もしくは無置
換のアリール基、Ar ,Ar8,Ar9は同一又は異なる
アリレン基、pは1〜5の整数を表す。X,k,jおよ
びnは、上記(化1)式の場合と同じである。
【0106】
【化7】 上記(化7)式中、R13,R14は置換もしくは無置
換のアリール基、Ar 10,Ar11,Ar12は同一
又は異なるアリレン基、X,Xは置換もしくは無置
換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基
を表す。X,k,jおよびnは、上記(化1)式の場合
と同じである。
【0107】
【化8】 上記(化8)式中、R15,R16,R17,R18
置換もしくは無置換のアリール基、Ar13,A
14,Ar15,Ar16は同一又は異なるアリレン
基、Y,Y,Yは単結合、置換もしくは無置換の
アルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン
基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素
原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異な
ってもよい。X,k,jおよびnは、上記(化1)式の
場合と同じである。
【0108】
【化9】 上記(化9)式中、R19,R20は水素原子、置換も
しくは無置換のアリール基を表し,R19とR20は環
を形成していてもよい。Ar17,Ar18,Ar19
は同一又は異なるアリレン基を表す。X,k,jおよび
nは、上記(化1)式の場合と同じである。
【0109】
【化10】 上記(化10)式中、R21は置換もしくは無置換のア
リール基、Ar20,Ar21,Ar22,Ar23
は同一又は異なるアリレン基を表す。X,k,jおよび
nは、上記(化1)式の場合と同じである。
【0110】
【化11】 上記(化11)式中、R22,R23,R24,R25
は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24,Ar
25,Ar26,Ar27,Ar28は同一又は異なる
アリレン基を表す。X,k,jおよびnは、上記(化
1)式の場合と同じである。
【0111】
【化12】 上記(化12)式中、R26,R27は置換もしくは無
置換のアリール基、Ar29,Ar30,Ar31は同
一又は異なるアリレン基を表す。X,k,jおよびn
は、上記(化1)式の場合と同じである。
【0112】また、本発明において電荷輸送層403中
に必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添
加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、
ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使
用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、
結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レ
ベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチ
ルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類
や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあ
るいは、オリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂
に対して、0〜1重量%が適当である。
【0113】更に、電荷輸送層403が感光体の最表面
層になる場合には、耐摩耗性を向上させる目的で少なく
とも電荷輸送層の表面部位にフィラー材料を含有させて
もよい。フィラー材料としては、有機性フィラー材料と
無機性フィラー材料とがあり、有機性フィラー材料とし
ては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂
粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げ
られ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミ
ニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、
酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化インジウム、酸
化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチ
モンをド−プした酸化錫、錫をドープした酸化インジウ
ム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ
化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、
窒化硼素などの無機材料が挙げられる。これらのフィラ
ー材料は単独もしくは2種類以上を混合して用いられ
る。
【0114】これらのフィラー材料は、電荷輸送物質や
結着樹脂、溶媒等とともに適当な分散機を用いることに
より分散できる。また、フィラーの平均一次粒径は、
0.01〜1.0μm、好ましくは0.05〜0.5μ
mであることが電荷輸送層の透過率や耐摩耗性の点から
好ましい。また、これらのフィラーを電荷輸送層全体に
含有させることも可能であるが、露光部電位が高くなる
ような場合がある。このため、電荷輸送層403の最表
面側が最もフィラー含有率が高く、導電性支持体401
側が低くなるようにフィラー濃度傾斜を設けたり、電荷
輸送層403を複数層にして導電性支持体401側から
表面側に向かいフィラー濃度が順次高くしたりするよう
な構成にすることが好ましい。表面側に向かってフィラ
ー濃度を高くしていく方法としては、フィラー含有量が
異なる塗工液を用意しておき、フィラー含有量の小さい
ものから順次塗工していくなどの方法が用いられる。
【0115】上述したフィラーの中で、フィラーの硬度
の点から無機材料を用いることが耐摩耗性の向上に対し
有利である。特に、シリカ、酸化チタン、アルミナが有
効に使用できる。とりわけ、電子写真感光体の高耐久化
を図る手段として、無機フィラーにα−アルミナを選択
することが極めて有利となる。これはα−アルミナがダ
イヤモンド次いで優れたモース硬度を示すこと及び透光
性を有することに起因する。前者の特性は感光体の耐摩
耗性向上化に対して極めて有利に作用する。後者は静電
特性のパフォーマンス維持に有利であり、これにより、
フィラーの含有量を増加させることが可能となる。その
結果、感光体の耐摩耗性向上化に結び付けることができ
る。
【0116】とりわけ、以下の特徴を有するα−アルミ
ナは、膜中のフィラー充填性に優れるため、フィラーの
含有量を高くしても表面平滑な膜形成が可能となる。即
ち、フィラーとして用いるα−アルミナは、実質的に破
砕面を有さず、かつ、多面体粒子であり、且つ、α−ア
ルミナの六方格子面に平行な最大粒子径をD、六方稠密
格子面に垂直な粒子径をHとした場合に、D/H比が
0.5以上5.0以下であるα−アルミナ粒子からなる
ものが望ましい。さらに、この条件を満たすα−アルミ
ナについて、粒子の平均粒径が0.1μm以上0.7μ
m未満であり、且つ、累積粒度分布の微粒側からの累積
10%、累積90%の粒径をそれぞれDa、Dbとした
ときに、Db/Daの値が5以下の粒度分布を示すα−
アルミナが感光体の高耐久化に対して特に有用である。
ここで、DaとDbとは例えば、図12に示す粒径とし
て例示することができる。α−アルミナの破砕面は電荷
トラップとして作用することが多く、破砕面の面積が大
きいα−アルミナを用いることは静電特性上余り好まし
くない。また、ここで定義するD/H比が大きなα−ア
ルミナは、形状がいびつであり、所定濃度以上のα−ア
ルミナを含有させると、α−アルミナがバインダー樹脂
から頭出し、感光体表面の平滑性を損ねてしまうことが
多い。D/H比が0.5以上5.0以下ではこのような
事態を回避できるケースが多く、表面平滑な膜形成に対
して有利となる。また、α−アルミナの粒度分布はシャ
ープであることが好ましい。具体的には、セディグラフ
X線透過式粒度分布測定を行ったときの粒度分布が、先
に定義したDb/Daの値として5以下とすることによ
り、α−アルミナの粒径を均質化でき、感光体の表面平
滑化が容易となる。
【0117】これらの無機フィラーは、塗工液及び塗工
膜中の分散性向上を目的として表面処理剤により表面を
改質してもよい。一般的な表面処理剤としては、シラン
カップリング剤、シラザン、チタネート系カップリング
剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネー
トカップリング剤、有機ジルコニウム化合物、高級脂肪
酸等が挙げられる。また、無機物による表面処理とし
て、アルミナ、ジルコニア、酸化スズ、シリカによる処
理が知られており、これらの表面処理を適用してもよ
い。無機フィラーの粉砕(塊砕)及び分散は、ボールミ
ル、振動ミル、サンドミル、KDミル、3本ロールミ
ル、圧力式ホモジナイザー、超音波分散等により行うこ
とができる。大粒径の無機フィラーが多数存在すると、
この無機フィラーが表面に頭を出し、結果的にクリーニ
ングブレードを傷付けクリーニング不良を招いてしまう
ので、上記方法により、無機フィラーの平均粒径を0.
05〜3.0μm、好ましくは0.05〜1.0μmに
粉砕(塊砕)、分散することが好ましい。
【0118】電荷輸送層403のフィラー含有率は5〜
50wt(重量)%が好ましい。5wt%未満である
と、十分な耐摩耗性向上効果が得られない。一方、フィ
ラー含有率が50wt%を上回ると表面平滑な膜形成が
困難となるため、これを越さないことが好ましい。従来
提案されてきた手段では、感光層中の無機フィラーを5
wt%以上まで高濃度化させると激しい感度劣化や残留
電位上昇を招き、感光体としての機能を失ってしまうケ
ースが多かったが、本発明のように感光層中の無機フィ
ラーの含有率を導電性支持体側よりも表面側で高くする
ことにより、静電特性上の不具合を解消することが可能
となり、同時に十分な高耐久化が可能となる。電荷輸送
層403の表面側の無機フィラーを含む部分の膜厚(表
面からの深さ)は、0.5〜10μmであることが好ま
しい。無機フィラーを含む部分の膜厚を0.5μm未満
にすると、耐久性向上効果が小さくなり有用性がなくな
る。一方、この部分の膜厚を2μm以上にすれば、概ね
プロセスの寿命に匹敵する耐久性が得られるので、極め
て有用な手段となる。但し、必要以上の厚膜化は製造コ
ストが上がるのみで、耐久性向上の寄与も小さくなるた
め、厚膜化の最大値は概ね10μm程度が適当と判断さ
れる。このような無機フィラーを含む部分の厚膜化は、
従来技術では激しい感度劣化や残留電位上昇を招くこと
が多かったが、本発明によれば容易に静電特性上の不具
合を回避することが可能となる。
【0119】上記特徴を有する電荷輸送層403の塗工
は、フィラーを含まないか又はフィラー含有量の少ない
感光層塗工液を予め塗布し、必要な場合には乾燥し、次
いでフィラー含有量の多い感光層塗工液を塗布、乾燥す
ることにより容易に行うことができる。その具体例とし
ては、例えば、上利泰幸、島田雅之、古雅智裕、川崎吉
包、Polymer Preprints,Japa
n,46,No.11,2689,1997に記載の溶
液拡散法を用い、予め、無機フィラーを含まない電荷輸
送層塗工液を塗布し、次いで、感光体を塗工溶媒の沸点
より高い温度に加熱した状態にて無機フィラーを有する
電荷輸送層塗工液を塗布することにより感光体表面層に
無機フィラーの含有率が高い電化輸送層を形成すること
ができる。このような塗工方法は、2回以上に分けて塗
工液を塗布しても塗布後形成される電化輸送層の界面が
不明瞭であると共に、無機フィラーの含有率に濃度傾斜
を生じる場合が多いので、本構成の電荷輸送層403
は、後述の無機フィラーを含まない電荷輸送層の塗布と
乾燥工程を経た後にフィラー補強電荷輸送層を設ける場
合とは区別される。また、必要に応じて、電荷輸送層4
03中に適当な酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収
剤などの低分子化合物及びレベリング剤を添加すること
もできる。更に、これらの化合物は単独でも2種以上の
混合物として用いてもよい。低分子化合物の使用量は、
高分子化合物100重量部に対して0.1〜150重量
部、好ましくは、0.1〜30重量部、レベリング剤の
使用量は、高分子化合物100重量部に対して0.00
1〜5重量部程度が適当である。
【0120】次に、電荷輸送層403を、無機フィラー
を含まない電荷輸送層403aと無機フィラーを含むフ
ィラー補強電荷輸送層403bとを積層して構成した例
について説明する。図13は、この電荷輸送層403を
形成した電子写真感光体の断面図である。先ず、無機フ
ィラーを含まない電荷輸送層403aについて説明す
る。無機フィラーを含まない電荷輸送層403aは、前
記フィラー補強電荷輸送層403bを設けない場合の電
荷輸送層403と同様のバインダー成分を用い、同様の
方法で塗布、乾燥することにより形成できる。無機フィ
ラーを含まない電荷輸送層403aとフィラー補強電荷
輸送層403bとを合わせた電荷輸送層403の膜厚
は、前記フィラー補強電荷輸送層403bを設けない場
合の電荷輸送層403と同様5〜50μmが適当であ
り、好ましくは5〜35μm程度、解像力が要求される
場合には5〜28μm程度が適当である。電荷輸送物質
として用いることのできる材料も前述の低分子型の電子
輸送物質及び正孔輸送物質並びに高分子電荷輸送物質が
挙げられる。また、必要に応じて、適当な酸化防止剤、
可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などの低分子化合物及びレ
ベリング剤を添加することもできる。これらの化合物は
単独で用いても2種以上の混合物として用いてもよい。
低分子化合物の使用量は、高分子化合物100重量部に
対して0.1〜150重量部、好ましくは、0.1〜1
00重量部、レベリング剤の使用量は、高分子化合物1
00重量部に対して0.001〜5重量部程度が適当で
ある。
【0121】次に、フィラー補強電荷輸送層403bに
ついて説明する。本発明におけるフィラー補強電荷輸送
層403bとは、少なくとも電荷輸送成分とバインダー
樹脂成分と無機フィラーが含まれ、電荷輸送性と機械的
耐性を併せ持つ機能層を指す。フィラー補強電荷輸送層
403bは、従来型の電荷輸送層に匹敵する高い電荷移
動度を示す特徴を有し、表面保護層とは区別される。ま
た、フィラー補強電荷輸送層403bは、電荷輸送層を
2層以上に機能分離した積層型感光体における表面層と
して用いられる。即ち、この層は無機フィラーを含まな
い電荷輸送層403aとの積層で用いられ、単独で用い
られることはないので、無機フィラーが添加剤として電
荷輸送層中に分散された場合の電荷輸送層の単一層とは
区別される。フィラー補強電荷輸送層403bに用いら
れる無機フィラーとしては先の電荷輸送層403の説明
で挙げた無機フィラーを用いることができる。特に、結
晶構造が六方最密構造である無機フィラーに優れた耐久
性を示すものが多く、とりわけ、α−アルミナが有用で
ある。
【0122】また、先の電荷輸送層403と同様、これ
らの無機フィラーは塗工液及び塗工膜中の分散性向上を
目的として、表面処理による表面の改質が施されてもよ
い。フィラー補強電荷輸送層塗工液は、無機フィラーを
バインダー樹脂、低分子型の電荷輸送物質又は高分子電
荷輸送物質と共に粉砕(塊砕)及び分散を行って調整す
る。無機フィラー含有感光層塗工液を調整する際に使用
できるバインダー樹脂、低分子型の電荷輸送物質又は高
分子電荷輸送物質及びこれらの使用量は、先の電荷輸送
層403の説明で挙げた材料及び使用量と全く同様であ
る。特に、本発明において、フィラー補強電荷輸送層4
03b中に電荷輸送物質を含有することが極めて重要で
あり、これにより感度劣化及び残留電位の蓄積を防止す
ることが可能になる。
【0123】フィラー補強電荷輸送層塗工液を調整する
際に使用できる分散溶媒は、例えば、先の電荷輸送層4
03の説明で挙げたケトン類、エーテル類、芳香族化合
物類、ハロゲン化合物類、エステル類等である。無機フ
ィラーの粉砕(塊砕)及び分散は、ボールミル、振動ミ
ル、サンドミル、KDミル、3本ロールミル、圧力式ホ
モジナイザー、超音波分散等により行うことができる。
フィラー補強電荷輸送層403bに用いられる無機フィ
ラーの平均粒径及び粒径分布は先の電荷輸送層403の
説明で挙げた条件と全く同様とすることが好ましい。フ
ィラー補強電荷輸送層403bに用いられるバインダー
樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリカー
ボネート、ポリアリレート、ポリアミド、ポリウレタ
ン、ポリスチレン、エポキシ樹脂等が挙げられ、これら
の樹脂は単独でも2種以上混合して用いてもよい。
【0124】フィラー補強電荷輸送層403bの無機フ
ィラーの含有率は5〜50wt%が好ましく、より好ま
しくは10wt%以上である。5wt%未満であると十
分な耐摩耗性が得られない。一方、フィラー含有率が5
0wt%を上回ると、表面平滑な膜形成が困難となるた
め、これを超えないことが好ましい。従来提案されてき
た手段では、感光層中の無機フィラーを5wt%以上ま
で高濃度化させてしまうと激しい感度劣化や残留電位上
昇を招き、感光体としての機能を失ってしまうケースが
多かったが、フィラー補強電荷輸送層を設けることによ
り、静電特性上の不具合を解消することが可能となる。
フィラー補強電荷輸送層403bの塗工方法は、電荷輸
送層403の説明で挙げた方法が用いられる。フィラー
補強電荷輸送層403bの膜厚は0.5〜10μmであ
ることが好ましく、より好ましくは2μm以上である。
この膜厚を0.5μm未満にすると耐久性向上効果が小
さくなり有用性がなくなる。他方、この層の膜厚を2μ
m以上にすれば、概ねプロセスの寿命に匹敵する耐久性
が得られるので極めて有用である。但し、必要以上の厚
膜化は製造コストが上がるのみで、耐久性向上の寄与も
小さくなるため、厚膜化の最大値は概ね10μm程度が
適当と判断される。このようなフィラー補強電荷輸送層
403bの厚膜化は、従来技術では激しい感度劣化や残
留電位上昇を招くことが多かったが、本発明によれば電
荷輸送層の機能分離化により、容易に静電特性上の不具
合を回避することが可能となる。
【0125】本発明の感光体においては、導電性支持体
401と感光層との間に下引き層404を設けることが
できる。下引き層404は一般には樹脂を主成分とする
が、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布するこ
とを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い
樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、
ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナト
リウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチ
ル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタ
ン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラ
ミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する
硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ
防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、
アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウ
ム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよ
い。
【0126】これらの下引き層404は、前述の感光層
の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することがで
きる。更に本発明の下引き層404として、シランカッ
プリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリン
グ剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引
き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポ
リパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO
SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真
空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。この
ほかにも公知のものを用いることができる。下引き層4
04の膜厚は0〜20μmが適当であり、好ましくは1
〜10μmである。
【0127】本発明の電子写真感光体には、感光層保護
の目的で、保護層405が感光層の上に設けられること
もある。保護層405に使用される材料としてはABS
樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合
体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹
脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、
ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレ
ン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテ
レフタート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベ
ンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポ
リスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−ス
チレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
保護層405にはその他、耐摩耗性を向上する目的でポ
リテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコー
ン樹脂およびこれらの樹脂に酸化チタン、酸化錫、チタ
ン酸カリウム等の無機材料を分散したもの等を添加する
ことができる。保護層の形成法としては通常の塗布法が
採用される。なお保護層の厚さは0.1〜10μm程度
が適当である。また、以上のほかに真空薄膜作成法にて
形成したa−C、a−SiCなど公知の材料を保護層4
05として用いることができる。さらに、保護層405
に、電荷輸送層403の説明で挙げた高分子電荷輸送物
質を含有させることも、耐摩耗性向上に有効である。
【0128】本発明においては感光層と保護層との間に
中間層(不図示)を設けることも可能である。中間層に
は、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これ
ら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロ
ン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の
形成法としては、前述のごとく通常の塗布法が採用され
る。なお、中間層の厚さは、0.05〜2μm程度が適
当である。
【0129】本発明においては、耐環境性の改善のた
め、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目
的で、電荷発生層402、電荷輸送層403、下引き層
404、保護層405、中間層等の各層に酸化防止剤、
可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質およ
びレベリング剤を添加することが出来る。これらの化合
物の代表的な材料を以下に記す。
【0130】各層に添加できる酸化防止剤として、例え
ば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるもので
はない。 (a)フェノ−ル系化合物 2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒ
ドロキシアニソ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−エ
チルフェノ−ル、n-オクタデシル-3-(4'-ヒドロキシ
-3',5'-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'−メチレン
−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、
2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブ
チルフェノ−ル)、4,4'−チオビス−(3−メチル
−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4'−ブチリデン
ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−
5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メ
チレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン、ビス[3,
3'−ビス(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニ
ル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフ
ェロ−ル類など。
【0131】(b)パラフェニレンジアミン類 N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジ
アミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレ
ンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−
フェニレンジアミン、N,N'−ジ−イソプロピル−p
−フェニレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−
ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0132】(c)ハイドロキノン類 2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジ
ドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノ
ン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t
−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オ
クタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0133】(d)有機硫黄化合物類 ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネ−ト、ジステ
アリル−3,3'−チオジプロピオネ−ト、ジテトラデ
シル−3,3'−チオジプロピオネ−トなど。
【0134】(e)有機燐化合物類 トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホス
フィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリク
レジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキ
シ)ホスフィンなど。
【0135】各層に添加できる可塑剤として、例えば下
記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではな
い。 (a)リン酸エステル系可塑剤 リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリ
オクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロ
ルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチ
ル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェ
ニルなど。
【0136】(b)フタル酸エステル系可塑剤 フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソ
ブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタ
ル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチ
ル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フ
タル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸
ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシク
ロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチル
ラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチル
デシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
【0137】(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤 トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n
−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
【0138】(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤 アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、ア
ジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−
オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、ア
ジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼラ
イン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、
セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸
ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオ
クチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸
ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルな
ど。
【0139】(e)脂肪酸エステル誘導体 オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステ
ル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトー
ルエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、
トリアセチン、トリブチリンなど。
【0140】(f)オキシ酸エステル系可塑剤 アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブ
チル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルク
エン酸トリブチルなど。
【0141】(g)エポキシ可塑剤 エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステ
アリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキ
システアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジ
ル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキ
シヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
【0142】(h)二価アルコールエステル系可塑剤 ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレング
リコールジ−2−エチルブチラートなど。
【0143】(i)含塩素可塑剤 塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メ
チル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
【0144】(j)ポリエステル系可塑剤 ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケー
ト、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
【0145】(k)スルホン酸誘導体 p-トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミ
ド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエン
スルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチル
アミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルア
ミドなど。
【0146】(l)クエン酸誘導体 クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、ク
エン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセ
チルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエ
ン酸−n−オクチルデシルなど。
【0147】(m)その他 ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2
−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン
酸メチルなど。
【0148】各層に添加できる滑剤としては、例えば下
記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではな
い。 (a)炭化水素系化合物 流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワック
ス、低重合ポリエチレンなど。
【0149】(b)脂肪酸系化合物 ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン
酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
【0150】(c)脂肪酸アミド系化合物 ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミ
ド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステア
ロアミドなど。
【0151】(d)エステル系化合物 脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコ
ールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
【0152】(e)アルコール系化合物 セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロール
など。
【0153】(f)金属石けん ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン
酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
【0154】(g)天然ワックス カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボ
タロウ、モンタンロウなど。
【0155】(h)その他 シリコーン化合物、フッ素化合物など。
【0156】各層に添加できる紫外線吸収剤として、例
えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるもの
ではない。 (a)ベンゾフェノン系 2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、2,2',4−トリヒドロキシベンゾ
フェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾ
フェノン、2,2'−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾ
フェノンなど。
【0157】(b)サルシレート系 フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル
3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートな
ど。
【0158】(c)ベンゾトリアゾール系 (2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ3'−ターシャリブ
チル5'−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾ
ール
【0159】(d)シアノアクリレート系 エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレー
ト、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アク
リレートなど。
【0160】(e)クエンチャー(金属錯塩系) ニッケル(2,2'チオビス(4−t-オクチル)フェノ
レート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチ
オカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメー
ト、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートな
ど。
【0161】(f)HALS(ヒンダードアミン) ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、
8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オ
クチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデ
カン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
【0162】図示省略するが、少なくとも感光体40を
設け、画像形成手段18を構成する部分の全部または一
部でプロセスカートリッジを形成し、複写機本体100
に対して一括して着脱自在としてメンテナンス性を向上
するようにしてもよい。
【0163】画像形成手段18を構成する部分のうち、
帯電装置60は、図示例ではローラ状につくり、感光体
40に接触して電圧を印加することによりその感光体4
0の帯電を行う。勿論,非接触のスコロトロンチャージ
ャで帯電を行うことも出来る。
【0164】現像装置61は、一成分現像剤を使用して
もよいが、図示例では、磁性キャリアcと非磁性トナー
とよりなる二成分現像剤を使用する。そして、その二成
分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ65に二
成分現像剤を供給付着させる攪拌部66と、その現像ス
リーブ65に付着した二成分現像剤のうちのトナーを感
光体40に転移する現像部67とで構成し、その現像部
67より攪拌部66を低い位置とする。
【0165】攪拌部66には、平行な2本のスクリュ6
8を設ける。2本のスクリュ68の間は、両端部を除い
て仕切り板69で仕切る(図5参照)。また、現像ケー
ス70にトナー濃度センサ71を取り付ける。
【0166】一方、現像部67には、現像ケース70の
開口を通して感光体40と対向して現像スリーブ65を
設けるとともに、その現像スリーブ65内にマグネット
72を固定して設ける。また、その現像スリーブ65に
先端を接近してドクタブレード73を設ける。
【0167】そして、2成分現像剤を2本のスクリュ6
8で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給
する。現像スリーブ65に供給された現像剤は、マグネ
ット72により汲み上げて保持され、現像スリーブ65
上に磁気ブラシを形成する。磁気ブラシは、現像スリー
ブ65の回転とともに、ドクタブレード73によって適
正な量に穂切りされる。切り落とされた現像剤は、攪拌
部66に戻される。
【0168】他方、現像スリーブ65上の現像剤のうち
トナーは、現像スリーブ65に印加する現像バイアス電
圧により感光体40に転移してその感光体40上の静電
潜像を可視像化する。可視像化後、現像スリーブ65上
に残った現像剤は、マグネット72の磁力がないところ
で現像スリーブ65から離れて攪拌部66に戻る。この
繰り返しにより、攪拌部66内のトナー濃度が薄くなる
と、それをトナー濃度センサ71で検知して攪拌部66
にトナーが補給される。
【0169】次に、1次転写装置62は、ローラ状と
し、中間転写体10を挟んで感光体40に押し当てて設
ける。別に、ローラ状に限らず、導電性のブラシ形状,
非接触のコロナチャージャなどであってもよい。
【0170】感光体クリーニング装置63は、先端を感
光体40に押し当てて、例えばポリウレタンゴム製のク
リーニングブレード75を備える。クリーニング性を高
めるために外周を感光体40に接触ブラシを併用する。
本説明図では外周を感光体40に接触導電性のファーブ
ラシ76を矢印方向に回転自在に備える。また、ファー
ブラシ76にバイアスを印加する金属製電界ローラ77
を矢示方向に回転自在に備え、その電界ローラ77にス
クレーパ78の先端を押し当てる。さらに、除去したト
ナーを回収する回収スクリュ79を設ける。
【0171】そして、感光体40に対してカウンタ方向
に回転するファーブラシ76で、感光体40上の残留ト
ナーを除去する。ファーブラシ76に付着したトナー
は、ファーブラシ76に対してカウンタ方向に接触して
回転するバイアスを印加された電界ローラ77に取り除
かれる。電界ローラ77に付着されたトナーは、スクレ
ーパ78でクリーニングされる。感光体クリーニング装
置63で回収したトナーは、回収スクリュ79で感光体
クリーニング装置63の片側に寄せ、詳しくは後述する
トナーリサイクル装置80で現像装置61へと戻して再
利用する。除電装置64は、例えばランプであり、光を
照射して感光体40の表面電位を初期化する。
【0172】そして、感光体40の回転とともに、まず
帯電装置60で感光体40の表面を一様に帯電し、次い
でスキャナ300の読取り内容に応じて上述した露光装
置21からレーザやLED等による書込み光Lを照射し
て感光体40上に静電潜像を形成する。
【0173】その後、現像装置61によりトナーが付着
され静電潜像を可視像化し、その可視像を1次転写装置
62で中間転写体10上に転写する。画像転写後の感光
体40の表面は、感光体クリーニング装置63で残留ト
ナーを除去して清掃し、除電装置64で除電して再度の
画像形成に備える。
【0174】図3は、図1に示すカラー複写機の要部拡
大図である。同図においては、タンデム画像形成装置2
0の各画像形成手段18、その画像形成手段18の各感
光体40、各現像装置61、各感光体クリーニング装置
63、および各画像形成手段18の感光体40にそれぞ
れ対向して設ける各1次転写装置62の各符号の後に、
それぞれブラックの場合はBKを、イエローの場合はY
を、マゼンタの場合はMを、シアンの場合はCを付して
示す。
【0175】なお、図3中符号74は、図1および図2
では図示省略するが、各1次転写装置62間において、
中間転写体10のベース層11側に接触して設ける導電
性ローラである。この導電性ローラ74は、転写時に各
1次転写装置62により印加するバイアスが、中抵抗の
ベース層11を介して隣接する各画像形成手段18に流
れ込むことを阻止するものである。
【0176】次に、図4および図5には、トナーリサイ
クル装置80を示す。図4に示すとおり、感光体クリー
ニング装置63の回収スクリュ79には、一端に、ピン
81を有するローラ部82を設ける。そして、そのロー
ラ部82に、トナーリサイクル装置80のベルト状回収
トナー搬送部材83の一側を掛け、その回収トナー搬送
部材83の長孔84にピン81を入れる。回収トナー搬
送部材83の外周には一定間隔置きに羽根85を設けて
なり、その他側は、回転軸86のローラ部87に掛け
る。
【0177】回収トナー搬送部材83は、回転軸86と
ともに、図5に示す搬送路ケース88内に入れる。搬送
路ケース88は、カートリッジケース89と一体につく
り、その現像装置61側の端部に、現像装置61の前述
した2本のスクリュ68の1本を入れてなる。
【0178】そして、外部から駆動力を伝達して回収ス
クリュ79を回転するとともに、回収トナー搬送部材8
3を回転搬送し、感光体クリーニング装置63で回収し
たトナーを搬送路ケース88内を通して現像装置61へ
と搬送し、スクリュ68の回転で現像装置61内に入れ
る。その後、上述したとおり、2本のスクリュ68です
でに現像装置61内にある現像剤とともに攪拌しながら
搬送循環し、現像スリーブ65に供給してドクタブレー
ド73により穂切りして後、感光体40に転移してその
感光体40上の潜像を現像する。
【0179】現像スリーブ65は、非磁性の回転可能な
スリーブ状の形状を持ち、内部には複数のマグネット7
2を配設している。マグネット72は、固定されている
ために現像剤が所定の場所を通過するときに磁力を作用
させられるようになっている。図示例では、現像スリー
ブ65の直径をφ18mmとし、表面はサンドブラスト
または1〜数mmの深さを有する複数の溝を形成する処
理を行いRzが10〜30μmの範囲に入るように形成
されている。
【0180】マグネット72は、例えば,ドクタブレー
ド73の箇所から現像スリーブ65の回転方向にN
、N、S、Sの5磁極を有する。現像剤は、
マグネット72により磁気ブラシを形成され、現像スリ
ーブ65上に担持される。現像スリーブ65は、現像剤
の磁気ブラシを形成した、マグネット72のS1側の領
域に、感光体40に対向して配設されている。
【0181】ところで、図示例では、図3に示すよう
に、クリーニング装置17に、クリーニング部材として
2つのファーブラシ90・91を設ける。それぞれのフ
ァーブラシ90・91には、不図示の電源から各々異な
る極性のバイアスを印加する。
【0182】そのようなファーブラシ90・91には、
それぞれ金属ローラ92・93を接触して順または逆方
向に回転するように設ける。そして、この例では、中間
転写体10の回転方向上流側の金属ローラ92に電源9
4から(−)電圧を印加し、下流側の金属ローラ93に
電源95から(+)電圧を印加する。それらの金属ロー
ラ92・93には、それぞれブレード96・97の先端
を押し当てる。
【0183】そして、中間転写体10の矢示方向への回
転とともに、はじめ上流側のファーブラシ90を用いて
例えば(−)のバイアスを印加して中間転写体10表面
のクリーニングを行う。仮に、金属ローラ92に−70
0V印加すると、ファーブラシ90は−400Vとな
り、中間転写体10上の(+)トナーをファーブラシ9
0側に転移する。除去したトナーをさらに電位差により
ファーブラシ90から金属ローラ92に転移し、ブレー
ド96により掻き落とす。
【0184】さて、ファーブラシ90で中間転写体10
上のトナーを除去するが、中間転写体10上にはまだ多
くのトナーが残っている。それらのトナーは、ファーブ
ラシ90に印加される(−)のバイアスにより、(−)
に帯電される。これは、電荷注入または放電により帯電
されるものと考えられる。
【0185】しかし、次いで下流側のファーブラシ91
を用いて今度は(+)のバイアスを印加してクリーニン
グを行うことにより、それらのトナーを除去することが
できる。除去したトナーは、電位差によりファーブラシ
91から金属ローラ93に転移し、ブレード97により
掻き落とす。ブレード96・97で掻き落としたトナー
は、不図示のタンクに回収する。
【0186】さて、ファーブラシ91でクリーニングさ
れた後は、ほとんどのトナーが除去されるが、中間転写
体10上にはまだ少しのトナーが残っている。それらの
中間転写体10上に残ったトナーは、上述したようにフ
ァーブラシ91に印加される(+)のバイアスにより、
(+)に帯電される。(+)に帯電されたトナーは,1
次転写位置で印加される転写電界により感光体40側に
転写され,感光体クリーニング装置63で回収すること
ができる。最初の1次転写部で最も感光体側へトナーは
転写される。なお、画像を形成する色の順番は限定され
るものではなく、画像形成装置の持つ狙いや特性によっ
て異なってくる。
【0187】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、
本発明が実施例により制約を受けるものではない。な
お、部はすべて重量部である。
【0188】〔実施例1〕アルキッド樹脂(ベッコライ
トM6401−50(大日本インキ化学工業社製))1
5重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−82
1−60(大日本インキ化学工業社製))10重量部を
メチルエチルケトン150重量部に溶解し、これにアル
ミナ、酸化ジルコニウムで表面処理された酸化チタン粉
末(タイペークCR−97(石原産業社製))90重量
部を加えボールミルで24時間分散し、下引層用塗工液
を作製した。これをφ30mm、長さ340mm、厚み
1mmのアルミニウム管に浸漬塗工法によって塗工し1
30℃20分間乾燥して、厚み3μmの下引き層404
を形成した。
【0189】次にポリビニールブチラール樹脂(エスレ
ックHL−S(積水化学工業社製))4重量部をシクロヘ
キサノン150重量部に溶解し、これを下記構造式(化
13)に示すトリスアゾ顔料10重量部に加え、ボール
ミルで48時間分散後、さらにシクロヘキサノン210
重量部を加えて3時間分散を行った。これを容器に取り
出し固形分が1.5重量%となるようにシクロヘキサノ
ンで稀釈した。こうして得られた電荷発生層用塗工液を
前記下引き層上に浸漬塗工法によって塗工し130℃2
0分間乾燥し厚み0.2μmの電荷発生層402を形成
した。
【0190】
【化13】
【0191】次に、テトラヒドロフラン100重量部
に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂10重量
部(粘度平均分子量5万、帝人化成社製)、シリコンオ
イル(KF−50(信越化学工業社製))0.002重
量部を溶解し、これに下記構造式(化14)の電荷輸送
物質7重量部を加えて電荷輸送層用塗工液を作製した。
こうして得られた電荷輸送層用塗工液を電荷発生層40
2上に浸漬塗工法によって塗工し、その後110℃20
分間乾燥し、厚み30μmの電荷輸送層403を形成
し、実施例1の電子写真感光体を作製した。
【0192】
【化14】
【0193】尚、電荷輸送層403の水蒸気透過度は、
全自動水蒸気透過度テスター(DR.GEORGES
H.LYSSY:L80−4000H)により測定し
た。その結果、電荷輸送層403の水蒸気透過度は、約
35g・m−2・day−1であった。
【0194】同様にして電子写真感光体を4本作成し、
図1の画像形成装置(中間転写体として、カーボンを分
散したPVDF樹脂ベルトを用いた)に搭載して初期フ
ルカラー画像を出力した。その後、感光体を取り外し、
オゾン濃度5ppm、温湿度25℃/55%RHの雰囲
気下に4日間放置し、再び蒸気画像形成装置に搭載し
て、連続1万枚のフルカラー画像出力後と5万枚のフル
カラー画像出力後の画像を評価した。
【0195】〔実施例2〕実施例1の電荷輸送層403
の、膜厚を23μmとした以外は、実施例1と全く同様
にして実施例2の電子写真感光体を作製した。この電荷
輸送層の水蒸気透過度は、約45g・m−2・day
−1であった。
【0196】〔比較例1〕実施例1の電荷輸送層用塗工
液中のZ型ポリカーボネートを、A型ポリカーボネート
(C1400(帝人化成社製))に変更した以外は、実
施例1と全く同様に感光体を作製した。この電荷輸送層
の水蒸気透過度は、約60g・m−2・day−1であ
った。
【0197】〔比較例2〕実施例2の電荷輸送層用塗工
液中のZ型ポリカーボネートを、A型ポリカーボネート
(C1400(帝人化成社製))に変更した以外は、実
施例1と全く同様に感光体を作製した。この電荷輸送層
の水蒸気透過度は、約95g・m−2・day−1であ
った。
【0198】これら実施例2、比較例1、2の電子写真
感光体をそれぞれ4本作成し、実施例1と同様の画像評
価を行った。これらの画像評価の結果を表1に示す。
【0199】
【表1】
【0200】表1から判るとおり、実施例1、2の画像
形成装置は5万枚のフルカラー画像出力後においても比
較的良好な画像が得られているのに対し、比較例1、2
の画像形成装置は、1万枚の画像出力の時点ですでに地
肌汚れが発生した。これらの結果より、電荷輸送層の水
蒸気透過度を50g・m−2・day−1以下とするこ
とが重要であると判断した。ここで、反応性ガスの影響
は電荷輸送層より下層側への作用が大きいため、使用材
料・構成・膜厚などに関係なく、50g・m ・da
−1以下であることが重要である。なお、このような
考え方からすると、水蒸気透過度は小さければ小さいほ
ど効果は大きいが、実際には、有機化合物からなる膜
は、若干水蒸気透過度を有するのが実情である。
【0201】〔実施例3〕実施例1の電荷輸送層塗工液
を下記の構成に変更した以外は実施例1と同様にして実
施例3の電子写真感光体を作製した。この電荷輸送層の
水蒸気透過度は、約43g・m−2・day−1であっ
た。 ・下記構造式(化15)の高分子電荷輸送物質 9.3部
【化15】 ・下記構造式(化16)の可塑剤 0.7部
【化16】 ・テトラヒドロフラン 100部 ・シリコンオイル(KF−50(信越化学工業社製)) 0.002重量部
【0202】〔実施例4〕テトラヒドロフラン80重量
部とシクロヘキサノン280重量部の混合溶媒に、ビス
フェノールZ型ポリカーボネート樹脂4重量部を溶解
し、α−アルミナ(スミコランダムAA−03:住友化
学工業社製)0.7重量部を加えて、ボールミルで2時
間分散し、保護層用塗工液を作製した。こうして得られ
た保護層用塗工液を実施例1と同様にして作成した電子
写真感光体の電荷輸送層上にスプレー塗工法によって塗
工し、その後110℃20分間乾燥し、厚み5μmの保
護層を形成し、実施例4の電子写真感光体を作製した。
この電荷輸送層と保護層との積層の水蒸気透過度は約3
1g・m−2・day−1であった。
【0203】〔比較例3〕実施例3における電荷輸送層
形成用塗工液を下記の組成にした以外は実施例3と同様
にして比較例2の電子写真感光体を作製した。この電荷
輸送層の水蒸気透過度は、約115g・m−2・day
−1である。 ・下記構造式(化17)の高分子電荷輸送物 9部
【化17】 ・テトラヒドロフラン 100部
【0204】これらの電子写真感光体をそれぞれ4本作
成し、実施例1と同様の画像評価を行った。ただし、オ
ゾン雰囲気放置後に、連続2万枚、8万枚のフルカラー
画像出力後の画像を評価した。結果を表2に示す。
【0205】
【表2】
【0206】表2からわかる通り、実施例3、4の画像
形成装置は8万枚のフルカラー画像出力後においても比
較的良好な画像が得られているのに対し、比較例3の画
像形成装置は、2万枚の画像出力の時点ですでに地肌汚
れが発生した。
【0207】〔実施例5〕実施例1の画像形成装置にお
いて、中間転写ベルトに下記製造方法によって作成した
弾性ベルトを用い、実施例1と同様にして画像評価を行
ったところ、フルカラー画像を連続5万枚出力した後も
虫食い画像が発生せず、良好な画像が出力された。
【0208】〔弾性中間転写ベルトの製造例〕PVDF
100重量部に対して、カーボンブラック18重量部、
分散剤3重量部、トルエン400重量部を均一に分散さ
せた分散液に円筒形の型を浸け10[mm/s]で静かに
引き上げ室温にて乾燥をさせ75[μm]のPVDFの均
一な膜を形成した。75[μm]の膜が形成されている型
を繰り返し上記条件で溶液に円筒形の型を浸け10[m
m/s]で静かに引き上げ室温乾燥させ150[μm]の
PVDFベルトを形成した。これに、ポリウレタンプレ
ポリマー100重量部、硬化剤(イソシアネート)3重
量部、カーボンブラック20重量部、分散剤3重量部、
MEK500重量部を均一分散させた分散液に上記15
0[μm]PVDFが形成されている円筒形型を浸け30
[mm/s]で引き上げを行い自然乾燥を行った。乾燥後
繰り返しを行い狙いの150[μm]のウレタンポリマー
層を形成させた。さらに表層用にポリウレタンプレポリ
マー100重量部、硬化剤(イソシアネート)3重量
部、PTFE微粉末粉体50重量部、分散剤4重量部、
MEK500重量部を均一分散させた。上記150[μ
m]のウレタンプレポリマーが形成されている円筒形型
を浸け30[mm/s]で引き上げを行い自然乾燥を行っ
た。乾燥後繰り返しを行い5[μm]のPTFEが均一に
分散されたウレタンポリマーの表層を形成させた。室温
で乾燥後130[℃]、2時間の架橋を行い樹脂層;15
0[μm]、弾性層;150[μm]、表層;5[μm]の3
層構成転写ベルトを得た。
【0209】〔実施例6〕実施例4の画像形成装置にお
いて、中間転写ベルトに実施例5で用いた弾性ベルトを
用い、実施例4と同様にして画像評価を行ったところ、
フルカラー画像を連続8万枚出力した後も虫食い画像が
発生せず、良好な画像が出力された。
【0210】
【発明の効果】請求項1乃至20の発明においては、電
荷輸送層の水蒸気透過度を50g・m −2・day−1
以下とすることによって、耐ガス性を向上させることが
でき、より反応性ガス濃度が高く電子写真感光体が劣化
しやすい、いわゆるタンデム型画像形成装置において
も、長期間安定して、良好な画像が出力されるというす
ぐれた効果がある。また、電子写真感光体の交換頻度を
低減させることができるので、ランニングコストを低減
することができるという優れた効果もある。
【0211】特に、請求項2の発明においては、耐摩耗
性を向上させた潜像担持体を用いた場合においても、反
応性ガスによる劣化が抑えられているため、該戦争担持
体としての耐久性を高くすることが出来、さらに該潜像
担持体の交換頻度を低減させることができ、長期間に渡
って、良好な画像を出力できるという優れた効果があ
る。
【0212】特に、請求項3の発明においては、潜像担
持体の最表層中のフィラー含有率を導電性支持体側より
も表面側で高くすることにより、静電特性上の不具合を
解消することが可能となり、同時に十分な高耐久化が可
能となるという優れた効果がある。
【0213】特に、請求項4の発明においては、潜像担
持体の最表層が、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送
物質を用いることで該表面層の耐摩耗性を向上すること
ができるという優れた効果がある。
【0214】特に、請求項5の発明においては、潜像担
持体の最表層がポリカーボネートを含有することで、成
膜性とガスバリア性とを向上させることができるという
優れた効果がある。中でも、トリアリールアミン構造を
主鎖及び側鎖の少なくとも一方に含むポリカーボネート
は非常に有用である。
【0215】特に、請求項6の発明においては、電荷輸
送層の膜厚が5μm以上、50μm以下であるので、潜
像担持体の劣化を抑制しつつ、画像ボケや文字太りの発
生を防ぐことができるという優れた効果がある。
【0216】特に、請求項7の発明においては、機能分
離型の電荷輸送層を形成することにより、静電特性上の
不具合、例えば厚膜化による感度劣化や残留電位上昇等
の不具合を防ぐことが可能となるという優れた効果があ
る。
【0217】特に、請求項8の発明においては、フィラ
ー補強電荷輸送層中に含まれるフィラーの含有率が、該
フィラー補強電荷輸送層全重量の5wt%以上、50w
t%以下であるので、十分な耐摩耗性向上効果を維持し
つつ、表面平滑な膜形成が可能となるという優れた効果
がある。の発明においては、
【0218】特に、請求項9の発明においては、フィラ
ー補強電荷輸送層の膜厚が0.5μm以上、10μm以
下であるので、耐久性を維持しつつ、製造コストアップ
を抑えることができるという優れた効果がある。
【0219】特に、請求項10の発明においては、フィ
ラーの平均一次粒径が、0.01μm以上、0.5μm
以下であるので、潜像担持体の劣化を抑制しつつ、画像
ボケや文字太りの発生を防ぐことができるという優れた
効果がある。
【0220】特に、請求項11の発明においては、無機
材料からなるフィラーは、他の材料、例えば有機材料か
らなるフィラーに比べ硬度が高いため、潜像担持体の最
表層の耐摩耗性をより向上させることができるという優
れた効果がある。
【0221】特に、請求項12の発明においては、フィ
ラーの含有量を増加させることが可能となり、その結
果、潜像担持体の耐摩耗性向上を図ることができるとい
う優れた効果がある。
【0222】特に、請求項13の発明においては、導電
性支持体と電荷発生層との間に下引き層を設けたので、
接着性の向上、モアレなどの防止、上層の塗工性改良及
び残留電位の低減等を図ることができるという優れた効
果がある。
【0223】特に、請求項14の発明においては、チャ
ージワイヤーを用いたコロナ帯電方式に比べ、オゾンや
窒素酸化物などの生成を低減することができるという優
れた効果がある。
【0224】特に、請求項15の発明においては、帯電
部材に直流成分に交流成分を重畳した電界により潜像担
持体に帯電を与えることにより、帯電ムラを低減するこ
とが可能となるという優れた効果がある。
【0225】特に、請求項16の発明においては、直接
転写方式に比べ、2次転写位置を比較的自由に設定する
ことができるので装置の小型化が図れるという優れた効
果がある。
【0226】特に、請求項17の発明においては、文字
の中抜けが無く、しかも平面性の悪い用紙に対しても均
一性の優れた転写画像を得ることができるという優れた
効果がある。
【0227】特に、請求項18の発明においては、文字
中抜け等の転写性改善の効果を十分に得ることができ、
しかも中間転写体を張架ローラで良好に張架することが
できるという優れた効果がある。
【0228】特に、請求項19の発明においては、一次
転写で中間転写体上への各色トナー像の重ね合わせ位置
を正確に一致させることができるので色ずれを防ぐこと
ができるという優れた効果がある。また、画像の歪みを
防ぐことができるという優れた効果もある。
【0229】特に、請求項20の発明においては、潜像
担持体を長期的に使用しても反応性ガスによる該潜像担
持体の劣化が小さいため、画像流れや画像ボケといった
不良画像の発生を低減することができるという優れた効
果がある。また、潜像担持体、即ちプロセスカートリッ
ジの交換頻度を低減させることができるので、ランニン
グコストを低減することができるという優れた効果もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係るタンデム型画像形成装置の
概略構成図。
【図2】 図1の感光体周辺の拡大図。
【図3】 図1の画像形成装置の要部拡大図。
【図4】 トナーリサイクル装置の一例の概略斜視図。
【図5】 現像装置の一例の概略斜視図。
【図6】 中間転写タンデムプロセスを例示する概略図
(間接転写方式)。
【図7】 中間転写タンデムプロセスを例示する概略図
(直接転写方式)。
【図8】 電子写真感光体の層構成の一例の断面図。
【図9】 電子写真感光体の層構成の他の一例の断面
図。
【図10】 電子写真感光体の層構成のさらに他の一例
の断面図。
【図11】 電子写真感光体の層構成のさらに他の一例
の断面図。
【図12】 フィラーの粒度分布測定と、累積粒度分布
の微粒側からの累積10%、累積90%の粒径をそれぞ
れDa、Dbとした代表図。
【図13】 電子写真感光体の層構成のさらに他の一例
の断面図。
【符号の説明】
10 中間転写ベルト 17 ベルトクリーニング装置 18Bk、18Y、18M、18C 画像形成ユニ
ット 20 タンデム画像形成装置 22 2次転写装置 24 2次転写ベルト 25 定着装置 40Bk、40Y、40M、40C 感光体ドラム 42 給紙ローラ 61Bk、61Y、61M、61C 現像ユニット 62 一次転写装置(転写ローラ) 63Bk、63Y、63M、63C 感光体クリー
ニング装置 64 除電装置 65 現像スリーブ 66 攪拌部 67 現像部 68 スクリュ 70 現像ケース 71 トナー濃度センサ 76 ファーブラシ 77 金属製電界ローラ 100 複写装置本体 200 給紙テーブル 300 スキャナ 400 原稿自動搬送装置 401 導電性支持体 402 電荷発生層 403 電荷輸送層 404 下引き層 405 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/01 114 G03G 15/01 114A 15/02 101 15/02 101 15/16 15/16 (72)発明者 高橋 充 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 川越 克哉 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 加藤 光輝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 荻山 宏美 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H030 AB02 BB42 BB46 BB63 2H068 AA14 AA28 AA37 BB49 CA33 FA27 2H200 GA07 GA47 GB25 HA03 HB12 HB22 HB48 JA02 JA23 JA25 JA28 JB07 JB43 JB48 JC04 JC12 JC13 JC15 JC17 MA03 MA13 MA14 MA20 MC02 NA06

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静電潜像を担持するための潜像担持体と、
    該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、該潜
    像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段
    と、該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手
    段と、該潜像担持体上のトナー像を被転写体上に転写す
    るための転写手段とを有する画像形成手段を複数個備
    え、且つ、該複数個の画像形成手段の各潜像担持体の表
    面に順次対向するように該被転写体表面を移動させる被
    転写体表面移動手段を備えた画像形成装置において、導
    電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを
    順次積層して上記潜像担持体を構成し、該電荷輸送層の
    水蒸気透過度が50g・m−2・day−1以下である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】請求項1の画像形成装置において、上記潜
    像担持体の最表層が、電荷輸送物質と結着樹脂とフィラ
    ーとを含有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】請求項2の画像形成装置において、上記潜
    像担持体の最表層のフィラー含有率が、上記導電性支持
    体側よりも表面側で高く設定されていることを特徴とす
    る画像形成装置。
  4. 【請求項4】請求項1,2又は3の画像形成装置におい
    て、上記潜像担持体の最表層が、高分子電荷輸送物質を
    含有することを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】請求項4の画像形成装置において、上記高
    分子電荷輸送物質が、トリアリールアミン構造を、主鎖
    及び側鎖の少なくとも一方に含むポリカーボネートを含
    有することを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3,4又は5の画像形成装
    置において、上記電荷輸送層の膜厚が5μm以上、50
    μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】請求項1,2,3,4,5又は6の画像形
    成装置において、上記電荷輸送層が、フィラーを含まな
    い電荷輸送層と、フィラー補強電荷輸送層の順に積層さ
    れたものであることを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】請求項7の画像形成装置において、上記フ
    ィラー補強電荷輸送層中に含まれるフィラーの含有率
    が、該フィラー補強電荷輸送層全重量の5wt%以上、
    50wt%以下であることを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】請求項7又は8の画像形成装置において、
    上記フィラー補強電荷輸送層の膜厚が0.5μm以上、
    10μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
  10. 【請求項10】請求項2,3,4,5,6,7,8又は
    9の画像形成装置において、上記フィラーの平均一次粒
    径が、0.01μm以上、0.5μm以下であることを
    特徴とする画像形成装置。
  11. 【請求項11】請求項2,3,4,5,6,7,8,9
    又は10の画像形成装置において、上記フィラーが無機
    材料からなることを特徴とする画像形成装置。
  12. 【請求項12】請求項11の画像形成装置において、上
    記フィラーがα−アルミナであることを特徴とする画像
    形成装置。
  13. 【請求項13】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11又は12の画像形成装置において、
    上記導電性支持体と上記電荷発生層との間に下引き層を
    設けたことを特徴とする画像形成装置。
  14. 【請求項14】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12又は13の画像形成装置にお
    いて、上記帯電手段が、上記潜像担持体に接触もしくは
    近接配置した帯電部材であることを特徴とする画像形成
    装置。
  15. 【請求項15】請求項14の画像形成装置において、上
    記帯電部材に対し、直流成分に交流成分を重畳した電圧
    を印加する電圧印加手段を有することを特徴とする画像
    形成装置。
  16. 【請求項16】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13,14又は15の画像
    形成装置において、上記被転写体が中間転写体であり、
    且つ、上記転写手段が、上記複数の潜像担持体上に現像
    されたトナー像を該中間転写体上に順次重ね合わせて一
    次転写したのち、該中間転写体上に一次転写された重ね
    合わせトナー像を記録材上に一括して二次転写すること
    を特徴とする画像形成装置。
  17. 【請求項17】請求項16の画像形成装置において、上
    記中間転写体が、シームレスベルト状で、かつ、少なく
    とも外周面部を弾性部材で構成した弾性ベルトであるこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  18. 【請求項18】請求項16又は17の画像形成装置にお
    いて、上記中間転写体の硬度HS(JIS−A)が、1
    0[°]以上、65[°]以下であることを特徴とする画像
    形成装置。
  19. 【請求項19】請求項17又は18の画像形成装置にお
    いて、上記中間転写体は、周方向の伸びを防止するため
    の芯体層を有することを特徴とする画像形成装置。
  20. 【請求項20】潜像形成手段、現像手段及び転写手段の
    うちの少なくとも1つと、潜像担持体とを備えた画像形
    成装置用のプロセスカートリッジにおいて、上記潜像担
    持体として、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,
    9,10,11,12,13,14、15,16,1
    7,18又は19に記載の潜像担持体を用いたことを特
    徴とするプロセスカートリッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008020688A (ja) * 2006-07-13 2008-01-31 Konica Minolta Business Technologies Inc カラー画像形成装置及びカラー画像形成方法
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US8559844B2 (en) 2010-01-18 2013-10-15 Canon Kabushiki Kaisha Electrostatic image forming apparatus utilizing dual chargers to clean transfer belt

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