JP2003084474A - 電子写真感光体及びその製造方法、並びに該電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、及び画像形成用プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体及びその製造方法、並びに該電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、及び画像形成用プロセスカートリッジ

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JP2003084474A
JP2003084474A JP2002182660A JP2002182660A JP2003084474A JP 2003084474 A JP2003084474 A JP 2003084474A JP 2002182660 A JP2002182660 A JP 2002182660A JP 2002182660 A JP2002182660 A JP 2002182660A JP 2003084474 A JP2003084474 A JP 2003084474A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期的に安定した画像形成を行なうことがで
きる高耐久な電子写真感光体を提供すること。また、か
かる電子写真感光体の保護層形成用塗工液と、かかる電
子写真感光体を製造する製造方法を提供すること。ま
た、かかる電子写真感光体を用いた画像形成方法を提供
すること。また、かかる電子写真感光体を用いた画像形
成装置を提供すること。さらに、かかる電子写真感光体
を用いたプロセスカートリッジを提供すること。 【解決手段】 導電性支持体上に感光層及び保護層を有
する電子写真感光体において、前記保護層が少なくとも
金属酸化物微粒子と有機酸と結着樹脂とからなり、該結
着樹脂が熱硬化性樹脂であり、かつ該有機酸の含有量が
硬化性樹脂に対して0.05〜5重量%の範囲であるこ
とを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、静電印
刷、プリンタ、静電記録などに用いられる電子写真感光
体及びその製造方法、詳しくは、繰り返し使用に対して
も高画質な画像を高速に、かつ長期間にわたって安定し
て形成できる電子写真感光体及びその製造方法、並びに
該電子写真感光体を用いた画像形成装置、画像形成方法
及びプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真における帯電方法としては、コ
ロナ帯電方法や接触帯電方法が使用されてきた。コロナ
帯電方法には、コロトロン方式とグリッドを有するスコ
ロトロン方式があり、金属板で遮蔽されたハウジングの
中央に帳架されたタングステンやニッケルのチャージワ
イヤーに、直流もしくは交流を重畳した直流電圧を印加
することによりコロナ放電を起こし、感光体を帯電する
方法である。しかし、この方法では、チャージワイヤー
に高電圧を印加するために、オゾンや窒素酸化物などが
生成される。この生成物は、環境的側面ばかりでなく、
感光体に対しても、耐久性や画像特性に対しても、悪影
響を及ぼすことが知られている。
【0003】近年、この方法に代わり、低オゾン、低電
力を目的として、接触帯電方法が、実用化されてきてい
る。接触帯電方法は、感光体に102〜1010Ω・cm
程度の抵抗を持つ帯電部材に、直流もしくは交流を重畳
した直流電圧を印加し、感光体に加圧当接させ、電荷を
付与する方法である。この帯電方法は、パッシェンの法
則に従い、帯電部材から被帯電体への放電によって行な
われるため、あるしきい値電圧以上の電圧を印加するこ
とによって帯電が開始される。この接触帯電方法は、コ
ロナ帯電方法と比較すると、帯電部材への印加電圧は、
低くなるが、放電が伴うために、少量のオゾン及び窒素
酸化物が発生する。しかしながら、この接触帯電方法
は、帯電部材が感光体の表面に接触しているため、コロ
ナ放電方式に比べて、感光体の表面の摩耗が大きくなる
という問題がある。
【0004】近年、電子写真装置においては、市場から
の高画質化、高耐久化、低コスト化、フルカラー化等の
要求が高まっている。特に、最近は、カラープリンタ
ー、カラー複写機の普及によりオフィスのフルカラー化
が進み、フルカラーをモノクロ並のスピードで出力する
装置の要求が高まっている。この要求を満足するため
に、いわゆるタンデム型のフルカラー画像形成装置が注
目されている。タンデム型画像形成装置とは、複数の感
光体が並べて備えられており、それぞれ個別に現像装置
を備え、各感光体上にそれぞれ単色トナー画像を形成
し、それらの単色トナー画像を順次重ね合わせて転写し
て記録材上に合成カラー画像を記録するものである。こ
のタンデム型画像形成装置では、1つの感光体を用いて
複数回(通常4回)画像形成を繰り返してフルカラー画
像を形成する、いわゆる1ドラム型の画像形成装置に比
べて、プリントスピードの大幅な時間短縮が可能であ
る。しかし、このようなタンデム型画像形成装置は、複
数の画像形成部を有するため、装置が大型化し、コスト
高になり易い。
【0005】また、最近カラープリンター、カラー複写
機における高画質化の要求から、感光体上により細かな
ドットの書き込みが可能となるように、より小さいビー
ム径が形成できる高出力のLDあるはLEDに移行する
傾向が高くなっている。ところが、電荷輸送層の膜厚が
大きいと電荷輸送層に注入された電荷が表面に到達し表
面電荷を中和するまでの電荷移動の直進性が低下し、画
像のにじみ等を引き起こすため、電荷輸送層の膜厚はよ
り小さくする必要がある。
【0006】一般にカールソンプロセスにおいては、繰
り返し使用によって電荷輸送層は摩耗して膜厚が減少
し、感光体の帯電電位の低下や光感度の低下などによる
地汚れ、画像濃度低下等の不良画像の発生を回避するた
めには、電荷輸送層の膜厚を小さくすることが考えられ
るが、これは感光体の高耐久化の面で不利であった。
【0007】そして、電子写真装置の高速化に伴って感
光体の感度および応答性が、装置の小型化に伴って感光
体の小径化、それに伴う感光体の高耐久化が要求される
傾向にある。このような要求に対し、特許第28388
91号公報では、感光体における量子効率の電界依存性
に着目し、量子効率の電界依存性が小さい電荷発生層と
25〜60μmの比較的大きな膜厚を有する電荷輸送層
との組み合わせにより、耐久性の向上と高感度化を両立
させた感光体が開示されている。しかし、この感光体は
繰り返し使用による膜削れによって電荷輸送層の膜厚が
減少するに従い、感度低下を引き起こすという欠点があ
った。
【0008】そこで、感光層上に保護層を設けて耐摩耗
性を向上させた電子写真感光体が考案され、実用化され
てきている。例えば、特開昭63−91666号公報に
は感光層上にケイ素質保護層を設けることが記載され、
特開平3−155558号公報には硬化性シリコン樹脂
の保護層を設けることが記載され、特開昭60−363
9号公報には硬化性樹脂とアクリル樹脂の配合物を保護
層とすることが記載され、特開昭57−176057号
公報には感光層上に絶縁性保護膜として硬質微粉末を分
散したフッ素樹脂の被覆層を設けることが記載され、特
開昭63−18354号公報には酸化防止剤を含む保護
層を設けることが記載され、特開平1−205171号
公報には、有機感光体の最上層を構成する塗工層に無機
フィラーを含有させてその耐久性向上を計ることが記載
されている。しかしながら、このように耐摩耗性を向上
させた電子写真感光体は、帯電行程において発生する放
電生成物が感光体表面に付着し、感光体表面が低抵抗化
するが、その耐摩耗性のために、低抵抗化した感光体表
面が摩耗除去されず、やがて静電荷が保持されなくな
り、画像流れ、画像ボケといった現象を起こしてしまう
ことが知られている。
【0009】そのため、従来のフィラーを含有した保護
層によって耐摩耗性を付与させた電子写真感光体におい
ては、フィラーの含有量を調整し、微小に摩耗させて画
像ボケを抑制するということが行なわれていた。このよ
うな構成のものは、わずかとはいえ、保護層を摩耗させ
るため、ある程度の膜厚をもって保護層を形成させなけ
ればならないが、保護層の膜厚を大きくすると、露光部
電位の上昇などの副作用が発生していた。
【0010】また、実際に販売されている複写機におい
て、感光層上に保護層を設け1000kという長寿命化
を達成した感光体が搭載されたものがある。この複写機
では、画像ボケ防止のため感光体内部にドラムヒータが
入っており、かなり高価な感光体となっている。また、
このような感光体は、装置が複雑かつ大型化し、コスト
も高くなってしまう。さらに、ヒータを搭載しているた
め、その分エネルギーを多く消費してしまう。このよう
な理由から、表面に保護層を有し内部にヒータを設けた
感光体をタンデム型画像形成装置に用いることは難し
く、実用化には至っていない。
【0011】表面保護層を有する電子写真感光体を長期
間使用すると、電荷の蓄積による露光部電位の上昇など
の副作用が起こるため、表面保護層は比較的小さい膜厚
が望ましい。当然のことながら、長時間使用しても表面
保護層が摩耗しにくいように耐摩耗性が必要となる。一
方で、このように耐摩耗性を向上させた電子写真感光体
は、帯電行程において発生する放電生成物が感光体表面
に付着し、感光体表面が低抵抗化するが、その耐摩耗性
のために、摩耗除去されず、やがて静電荷が保持されな
くなり、画像流れ、画像ボケといった現象を起こしてし
まう。このため、保護層がほとんど摩耗せず、かつ、ド
ラムヒータ等の付属装置がなくとも画像ボケが生じない
ような感光体は実用化が難しかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、長期的に安
定した画像形成を行なうことができる高耐久な電子写真
感光体を提供することをその課題とする。また、本発明
は、かかる電子写真感光体の保護層形成用塗工液と、か
かる電子写真感光体を製造する製造方法を提供すること
を別の課題とする。また、本発明は、かかる電子写真感
光体を用いた画像形成方法を提供することをさらに別の
課題とする。また、本発明は、かかる電子写真感光体を
用いた画像形成装置を提供することをさらに別の課題と
する。さらに、本発明は、かかる電子写真感光体を用い
たプロセスカートリッジを提供することをさらに別の課
題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は上
記課題を達成するために、耐摩耗性が高く、繰り返し使
用しても画像ボケが発生しない保護層について鋭意検討
した結果、導電性支持体上に感光層及び保護層を有する
電子写真感光体において、前記保護層が少なくとも金属
酸化物微粒子と有機酸と結着樹脂とからなり、該結着樹
脂が熱硬化性樹脂であり、かつ該有機酸の含有量が硬化
性樹脂に対して0.05〜5重量%の範囲となる構成の
電子写真感光体は、耐摩耗性を著しく向上させることが
でき、かつ長期間繰り返し使用しても、画像ボケがほと
んど発生することなく良好な画像が出力できることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0014】例えば、熱可塑性樹脂のうちでも比較的硬
度が高いポリカーボネートを保護層の結着樹脂として用
いた場合、耐摩耗性を高くしてほとんど摩耗しないよう
にすると、画像ボケが発生することが知られている。こ
れは、ポリカーボネート樹脂はカーボネート結合部位が
数多く存在しているため、ここに放電生成物が吸着し、
それが蓄積されることで表面抵抗が低下して電荷が保持
されなくなるのではないかと考えられる。これに対し
て、本発明におけるような構成の保護層を有する電子写
真感光体は、感光体表面の摩耗が非常に小さいにもかか
わらず繰り返し使用しても画像ボケをほとんど発生しな
い。その理由については、明確にはわかっていないが、
以下のようなことが考えられる。
【0015】紙などの記録材やカウンターブレードなど
のクリーニング部材等の感光体との接触部剤によって感
光体表面が摺擦される場合に、本発明に用いられる電子
写真感光体は、表面に金属酸化物微粒子を含有している
ため、前記接触部材は、保護層の樹脂とともに、金属酸
化物微粒子に接触する。ここで、金属酸化物微粒子は、
分子間相互の結合を主に支配しているフアンデルワール
ス結合に因る分子凝集力でなる前記接触部材とくらべて
充分硬く、摩耗することがないので、保護層の樹脂部分
が摩耗することを抑制することができ、耐摩耗性が向上
すると考えられる。また、本発明の保護層の結着樹脂
は、硬化性樹脂を加熱硬化させるため、樹脂どうしが架
橋反応によって結合することになる。ところが、本発明
の電子写真感光体は表面に官能基が少ないため、前記放
電生成物の付着が起こりにくく、その結果、放電生成物
の付着が抑えられ、また、付着してもその吸着力が小さ
いため、容易に除去され、感光体表面の低抵抗化が起こ
りにくいのではないかと考えられる。一般的に、硬化性
樹脂の架橋反応は、反応性官能基どうしの不可逆反応で
あり、結合によって官能基の数が減少する。帯電工程に
おいて発生する放電生成物が電子写真感光体表面に付着
する場合、官能基が存在すると、前記放電生成物が該官
能基と静電的作用により表面に吸着しやすく、また除去
されにくくなると考えられる。また、残存している未架
橋の反応性官能基は経時に伴って変性し禁制帯エネルギ
ーレベル内での電荷のトラップに変化することがあり、
繰返し使用時に残留電位が蓄積し、露光部電位の上昇を
引き起こす原因となることが懸念されたためであって、
したがってこれは通常、常識的措置と云える。
【0016】また、本発明においては、保護層中に有機
酸を含有させている。これは、樹脂が硬化反応を行なう
際に触媒として働く効果があり、これによって有機酸が
存在しない系に比べて、比較的低温、短時間で樹脂の硬
化が充分に進行し、反応性官能基の残存を抑えることが
できる。電子写真感光体に用いる硬化性樹脂材料の硬化
剤として有機酸を用いること自体は従来から知られてい
る。例えば、特開平6−266142号公報にはエポキ
シ樹脂の保護層を硬化させる際の硬化剤としてプレニト
酸無水物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水
物のような有機酸を用いることが記載され、特公平6−
90539号公報には硬化性シリコン樹脂とアクリル系
樹脂との混合被覆物に10〜20nm粒径の酸化スズ、
酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン等の微粉
末を含む保護層塗工膜を硬化させるための硬化用触媒と
して無機酸、有機酸、アミンを用いることが記載されて
いる。しかしながら、従来、保護層中に用いる硬化用触
媒として無機酸、有機酸、アミンの添加量は、触媒量に
すぎない。過剰に用いた結果、硬化用触媒が残存してい
る場合も、やはりそこが前記放電生成物の吸着部位とな
る可能性があり、感光体表面の低抵抗化が起こりやすく
なり、画像ボケなどの異常画像を引き起こすことが懸念
され、したがって、このような過剰の硬化触媒添加を避
けることが通常、常識的措置と云える。また、残存して
いる硬化触媒も経時に伴って変性し禁制帯エネルギーレ
ベル内での電荷のトラップに変化することがあり、繰返
し使用時に残留電位が蓄積し、露光部電位の上昇を引き
起こす原因となることが懸念されたためであって、通
常、常識的措置と云える。露光部電位の上昇は画像濃度
低下などの異常画像の原因となるため、反応性官能基が
残存するような硬化条件は好ましくないと考えられてき
た。しかしながら、有機酸が存在しない状態で反応性官
能基の残存を抑え、硬化反応を促進するためには、より
長時間、高温にすることが必要となるが、感光体にあま
り大きな熱を加えると、たとえば、電荷発生物質や電荷
輸送物質の変性により必要な光感度を示さなくなるなど
の不具合が発生する場合があり好ましくない。また、変
性が起きない場合でも、樹脂を硬化させるのにより多く
のエネルギーが必要となることから、環境負荷が大きく
なることが懸念される。
【0017】ところで、電荷輸送層の上に金属酸化物微
粒子を含有した保護層を積層すると、繰返し使用時に残
留電位が蓄積し、露光部電位の上昇を引き起こす場合が
ある。これは、金属酸化物微粒子や該微粒子と樹脂、電
荷輸送物質との界面などが電荷のトラップなって電荷の
スムーズな移動を妨げていることが原因ではないかと考
えられる。ここで、電荷輸送物質の含有量を増加するこ
とで、残留電位の蓄積を抑えることも考えられるが、電
荷輸送物質の比率が大きくなると、耐摩耗性が低下して
しまうことが懸念される。また、一般的に電荷輸送物質
は高価な材料であることが多く、コストアップにつなが
る。
【0018】これに対して、本発明においては、有機酸
の含有量が樹脂に対して0.05〜5重量%としている
が、これは、本発明において有機酸は、単なる触媒とし
てだけ用いられるのではなく、硬化形成された保護層中
でルイス酸として作用する結果、芳香族性多環に起因し
て塩基性を示す電荷移動担体と協働する効果、及び保護
層を構成するバインダ高分子材料のコンホメションの弛
緩性をなくし又は分子凝集化を促進してオゾン、窒素酸
化物や水蒸気等のハザードガスの透過性を低減させる効
果をも発揮するものと思われる。したがって、架橋のた
めの触媒作用と電荷移動特性等の前記その余の効果との
バランスを考慮すると、より好ましくは0.1〜3重量
%である。
【0019】すなわち、該有機酸は、硬化時には触媒と
して作用するが、硬化後も保護層中に残存し、保護層の
体積抵抗を低下し伝導性を妨げる潜熱を放出する作用も
併せ持つ。このとき、有機酸は結着樹脂との相溶性がよ
いため、保護層中に局在することなく、全体的に適度に
抵抗を小さくする効果がある。そのため、電荷移動がよ
りスムーズに行なわれ、残留電位の上昇が抑えられると
考えられる。このとき、酸として無機酸を用いると、保
護層に残存した際に、樹脂との相溶性が悪く酸が局在化
してしまう恐れがある。酸が局在化すると、その部分だ
け極端に抵抗が小さくなり、暗部電位の低下を引き起こ
し、黒ポチ画像などの異常画像の原因となってしまう。
また、保護層形成用塗工液は樹脂、電荷輸送物質の溶解
性を考慮して有機溶剤が用いられることがほとんどであ
るが、無機酸は有機溶剤への溶解度もあまり高くないた
め、塗工液安定性という観点からもあまり好ましくな
い。
【0020】また、本発明によれば、有機酸として芳香
族スルホン酸またはその誘導体を用いることを特徴とす
る電子写真感光体が提供される。芳香族スルホン酸又は
その誘導体は、強酸性を有し触媒としての効果が高いこ
とから樹脂の硬化反応におけるエネルギーが小さくて済
むので、省エネルギー、環境負荷低減効果が大きい。ま
た、有機溶剤への溶解性が良く、塗工液の安定性、保護
層形成時の作業性などが良好であり、さらに、樹脂との
相溶性がよく、前述した黒ポチ画像などの異常画像が発
生しにくいことが分かった。
【0021】また、本発明に用いられる電子写真感光体
は、ドラムヒータ等で加熱することなく、画像流れを抑
えることができるので、画像形成装置内の感光体内部又
は感光体近傍にドラムヒータを設置する必要がなく、画
像形成装置の小型化、省エネルギー化に非常に有効であ
る。さらに、ヒータに関する配線、機構等を省略できる
ため画像形成装置の簡素化にも有効であり、その結果、
装置の低コスト化、省エネルギー化が実現できる。
【0022】以上のように、本発明によれば、導電性支
持体上に感光層及び保護層を有する電子写真感光体にお
いて、前記保護層が少なくとも金属酸化物微粒子と有機
酸と結着樹脂とからなり、該結着樹脂が熱硬化性樹脂で
あり、かつ該有機酸の含有量が硬化性樹脂に対して0.
05〜5重量%の範囲であることを特徴とする電子写真
感光体が提供される。ここで有機酸の含有量が樹脂に対
して0.05重量%未満では、触媒としての作用は達成
できたとしても、上記残留電位抑制の効果が小さくなる
ため、繰返し使用時の露光部電位の上昇を抑制する効果
が不充分となる場合がある。さらに5重量%よりも多い
場合、保護層の体積抵抗が小さくなりすぎて、感光体表
面に帯電された静電荷が保持されず、画像流れ、地肌汚
れなどの異常画像の原因となる場合があり好ましくな
い。特に高温高湿下ではその傾向が顕著になる。
【0023】また、本発明によれば、保護層が電荷輸送
性物質を含有することを特徴とする電子写真感光体が提
供される。このように保護層が電荷輸送性物質を含有す
ることによって、残留電位、帯電立上り遅れの小さい電
子写真感光体が実現される。上記保護層の上記結着樹脂
と上記電荷輸送性物質との重量比は、3/1〜1/3で
あることが好ましい。結着樹脂と電荷輸送性物質との重
量比が3/1より小さい場合、保護層中を電荷がスムー
ズに移動しにくく、残留電位抑制の効果が不充分になる
おそれがある。一方、結着樹脂と電荷輸送性物質との重
量比が1/3より大きい場合、保護層の結着樹脂の硬化
を妨げたり、電荷輸送性物質が結晶化して析出したりす
ることがあり、これらが耐摩耗性の低下や、不良画像の
原因になるおそれがある。保護層の結着樹脂と電荷輸送
性物質との重量比が3/1〜1/3である場合、保護層
中を電荷がスムーズに移動することができ、残留電位抑
制の効果が充分に得られる。また、保護層の結着樹脂の
硬化を妨げたり、電荷輸送性物質が結晶化して析出した
りすることがなく、耐摩耗性の低下や、不良画像の発生
を防止することができる。
【0024】また、本発明によれば、保護層の硬化性結
着樹脂を熱硬化性アクリル樹脂、メラミン樹脂、ベンゾ
グアナミン樹脂とすることで、充分な耐摩耗性並びに静
電特性を有し、かつ、低コストである電子写真感光体が
実現される。
【0025】即ち、本発明の好ましい態様の1つは、前
記保護層の結着樹脂を、前記熱硬化性を有するアクリル
樹脂と、前記メラミン樹脂または/及びグアナミン樹脂
を加熱硬化させて形成したものである。本発明における
電子写真感光体の保護層は、架橋によって三次元網目構
造を形成するように熱硬化性を有するアクリル樹脂と、
メラミン樹脂並びに/又はグアナミン樹脂を加熱硬化さ
せた保護層は、成膜性が高く平滑な表面を形成でき、充
分な耐摩耗性及び静電特性を有し、かつ、低コストに形
成できる。また、熱硬化性を有するアクリル樹脂と、メ
ラミン樹脂または/及びグアナミン樹脂の硬化樹脂は上
記電荷輸送性物質との相溶性が非常によく、透明性の高
い保護層を形成することができる。
【0026】うち、少なくとも1つは熱硬化性アクリル
樹脂であることが好ましい。また、前記硬化性樹脂のう
ちアクリル樹脂以外のものは、少なくとも1つはメラミ
ン樹脂またはグアナミン樹脂であることが好ましい。す
なわち、アクリル樹脂とメラミン、グアナミン樹脂を用
いることで、三次元網目構造を形成することによるもの
と思われる高い耐摩耗性と、透明性の高い平滑な塗膜の
保護層が達成される。
【0027】さらに、本発明においては、前記熱硬化性
を有するアクリル樹脂と、メラミン樹脂または/及びグ
アナミン樹脂との重量比が9/1〜4/6であることを
そのより好ましい態様の1つとして包含するものであ
る。実験によれば、アクリル樹脂と、メラミン樹脂また
は/及びグアナミン樹脂との重量比が9/1〜4/6の
範囲にあれば、耐摩耗性、金属酸化物の分散安定性、及
び樹脂の硬化度等が良好であった。
【0028】また、本発明の電子写真感光体は、前記の
ように、オゾン、窒素酸化物や水蒸気等のハザードガス
の透過性が低減されたものであるが、その保護層は、水
蒸気の透過率が50mg−2days−1−1以下であ
ることが好ましい。
【0029】また、本発明に用いられる電子写真感光体
は、ドラムヒータ等で加熱することなく、画像流れを抑
えることができるので、画像形成装置内の感光体内部又
は感光体近傍にドラムヒータを設置する必要がなく、画
像形成装置の小型化、省エネルギー化に非常に有効であ
る。さらに、ヒーターに関する配線、機構等を省略でき
るため画像形成装置の簡素化にも有効であり、その結
果、装置の低コスト化、省エネルギー化が実現できる。
【0030】このような本発明の電子写真感光体は、感
光層が、荷発生層と電荷輸送層とを順次積層して構成し
た積層型の有機感光層であることが、必要不可欠ではな
いが好ましい。電荷発生層と電荷輸送層とを順次積層し
て構成することにより、電荷発生機能と電荷輸送機能と
を分離した機能分離型の感光層とすることができる。
【0031】また、このような本発明の電子写真感光体
においては、前記導電性基体と前記感光層との間に下引
き層を設けたものとすることができる。導電性基体と感
光層との間に下引き層を設けることによって、接着性の
向上、モアレなどの防止、上層の塗工性改良及び残留電
位の低減等を図ることができる。
【0032】また、本発明によれば、保護層形成用塗工
液(硬化性樹脂からなる結着樹脂と、金属酸化物微粒子
と、酸触媒と、必要に応じて添加される電荷輸送性物質
もしくは添加剤とから構成される電子写真感光体の保護
層形成用塗工液)の固形分重量%が0.5〜30である
ことを特徴とする電子写真感光体の保護層形成用塗工液
が提供される。
【0033】また、本発明によれば、かかる保護層形成
用塗工液を感光層上にスプレー塗工法により塗工し、加
熱硬化して保護層を形成することを特徴とする電子写真
感光体の製造方法が提供される。
【0034】また、本発明によれば、このような電子写
真感光体に、少なくとも静電潜像を形成する段階、該静
電潜像を現像してトナー像化するための現像段階、該電
子写真感光体上のトナー像を被転写体上に転写するため
の転写段階を繰り返し行なう、長期的に使用しても感光
体表面の摩耗が小さく、ドラムヒータ等が無くとも画像
流れ、画像ボケといった不良画像が発生しにくい画像形
成方法が提供される。
【0035】また、本発明によれば、前記静電潜像を形
成する段階が、該電子写真感光体を帯電する段階および
像様の露光又は像様の光ビーム照射する段階からなる前
記画像形成方法が提供される。特殊の電極を用いて該電
子写真感光体上に直接静電潜像を与えることも可能であ
るが該電子写真感光体の優れた感光特性を発揮させるに
は像様の露光又は像様の光ビーム照射する段階を含む静
電潜像形成が有利である。
【0036】また、本発明によれば、導電性支持体上に
感光層及び保護層を有し静電潜像を担持するための電子
写真感光体と、該電子写真感光体上に静電潜像を形成す
るための潜像形成手段と、該静電潜像を現像してトナー
像化するための現像手段を有する画像形成手段を備えた
画像形成装置において、前記電子写真感光体の前記保護
層が、少なくとも金属酸化物微粒子と有機酸と結着樹脂
とからなり、該結着樹脂が熱硬化性樹脂であり、かつ該
有機酸の含有量が硬化性樹脂に対して0.05〜5重量
%の範囲であることを特徴とし、長期的に使用しても感
光体表面の摩耗が小さく、ドラムヒーター等が無くとも
画像流れ、画像ボケといった不良画像が発生しにくい画
像形成装置が提供される。
【0037】また、本発明によれば、このような電子写
真感光体を搭載し、この電子写真感光体上に静電潜像を
形成するための潜像形成手段と、該静電潜像を現像して
トナー像化するための現像手段と、該電子写真感光体上
のトナー像を被転写体上に転写するための転写手段とを
有する画像形成手段を複数個備え、且つ、該複数個の画
像形成手段の各電子写真感光体の表面に順次対向するよ
うに該被転写体表面を移動させる被転写体表面移動手段
を備え、長期的に使用しても感光体表面の摩耗が小さ
く、ドラムヒーター等が無くとも画像流れ、画像ボケと
いった不良画像が発生しにくい画像形成装置が提供され
る。
【0038】また、本発明によれば、前記潜像形成手段
が、前記電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電
部材を備え、該帯電部材を該潜像担持体に接触もしくは
近接配置した前記画像形成装置が提供される。この画像
形成装置では、帯電部材を潜像担持体に接触もしくは近
接配置することによって、チャージワイヤーを用いたコ
ロナ帯電方式に比べ、オゾンや窒素酸化物などの生成を
低減することができる。また、この画像形成装置に用い
られる潜像担持体は耐摩耗性が大きいので、上記帯電部
材を該潜像担持体に接触させて使用しても該潜像担持体
表面の摩耗を小さく抑えることができる。
【0039】また、本発明によれば、前記被転写体が中
間転写体であり、前記複数の潜像担持体上に現像された
トナー像を該中間転写体上に順次重ね合わせて一次転写
したのち、該中間転写体上に一次転写された重ね合わせ
トナー像を記録材上に一括して二次転写する中間転写手
段を有する前記画像形成装置が提供される。この間接転
写方式では、例えば、感光体から記録材に画像を直接転
写する直接転写方式に比べ、2次転写位置を比較的自由
に設定することができるので装置の小型化が図れるとい
った利点がある。
【0040】また、本発明によれば、前記被転写体が中
間転写体であり、該中間転写体が、シームレスベルト状
で、かつ、該ベルトの全層もしくは少なくとも1層を弾
性部材で構成した弾性ベルトである前記画像形成装置が
提供される。カラー画像は通常4色の着色トナーで形成
される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのト
ナー層が形成されている。トナー層は1次転写(感光体
から中間転写ベルトへの転写)や、2次転写(中間転写
ベルトからシートへの転写)を通過することで圧力を受
け、トナー同士の凝集力が高くなる。トナー同士の凝集
力が高くなると文字の中抜けやベタ部画像のエッジ抜け
の現象が発生しやすくなる。特に、従来から用いられて
いる樹脂ベルトでは硬度が高くトナー層に応じて変形し
ないため、トナー層を圧縮させやすく文字の中抜け現象
が発生しやすくなる。また、最近はフルカラー画像を様
々な用紙、例えば和紙や意図的に凹凸を付けた用紙に形
成したいという要求が高くなってきている。しかし、平
滑性の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやす
く、転写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるため
に2次転写部の転写圧を高めると、トナー層の凝縮力を
高めることになり、上述したような文字の中抜けを発生
させることになる。この画像形成装置では、中間転写体
が弾性ベルトであり、該弾性ベルトは樹脂ベルトに比べ
硬度が低いため、転写部でトナー層や平滑性の悪い用紙
に対応して変形する。つまり、上記弾性ベルトは局部的
な凹凸に追従して変形するため、過度にトナー層に対し
て転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られる。
これにより、文字の中抜けが無く、しかも平面性の悪い
用紙に対しても均一性の優れた転写画像を得ることがで
きる。
【0041】また、本発明によれば、該中間転写体の硬
度HS(JIS−A)が、10°以上、65°以下であ
る前記画像形成装置が提供される。中間転写体の硬度H
Sが10°(JIS−A)より小さいと、寸法精度良く
成形することが非常に困難となる。これは成形時に収縮
・膨張を受け易いことに起因する。また柔らかくする場
合には基材へオイル成分を含有させるのが一般的な方法
であるが、加圧状態で連続作動させるとオイル成分が滲
みだしてくるという欠点を有している。本発明者らの検
討により、中間転写体表面に直接接触する感光体に上記
オイル成分が付着すると、横帯状ムラを発生させること
が分かった。一般的に離型性向上のために表層を設けて
いるが、完全に滲み出し防止効果を与えるためには表層
は耐久品質等要求品質の高いものになり、材料の選定、
特性等の確保が困難になってくる。一方、中間転写体の
硬度HSが65°(JIS−A)よりも大きいと、硬度
が上がった分精度良く成形でき、しかもオイル含有量を
含まず若しくは少なく抑えることが可能となる。よっ
て、感光体に対するオイル付着は低減可能となるが、文
字の中抜け等の転写性改善の効果が得られなくなってし
まう。また、硬度が大き過ぎると張架ローラへの張架が
困難となってしまう。この画像形成装置では、中間転写
体の硬度HS(JIS−A)が、10°以上、65°以
下であるので、該中間転写体を加圧状態で連続作動させ
てもオイル成分が滲み出すことがなく、該オイル成分が
感光体に付着して横帯状ムラを発生させることはない。
また、文字の中抜け等の転写性改善の効果を充分に得る
ことができ、しかも中間転写体を張架ローラで良好に張
架することができる。
【0042】また、本発明によれば、該中間転写体は芯
体層を有するものである前記画像形成装置が提供され
る。中間転写体を弾性ベルトで構成すると、張架ローラ
で張架したときにテンションで該弾性ベルトが弾性変形
し、特に周方向に伸び易い。中間転写体が周方向に伸び
ると一次転写で各色の重ね合わせ位置のずれが生じた
り、画像が伸びて画像歪みが生じたりしてしまう。この
画像形成装置では、芯体層が中間転写体の伸びを防ぐの
で、一次転写で該中間転写体上への各色トナー像の重ね
合わせ位置を正確に一致させることができる。また、画
像の歪みを防ぐことができる。
【0043】さらに、本発明によれば、かかる電子写真
感光体を備えていることを特徴とする画像形成用プロセ
スカートリッジが提供される。この画像形成装置用のプ
ロセスカートリッジでは、潜像担持体を長期的に使用し
ても該潜像担持体表面の摩耗が小さく、しかも画像流れ
や画像ボケといった不良画像の発生を低減することがで
きる。
【0044】
【発明の実施の態様】以下、図面に沿って本発明をさら
に詳細に説明する。図1は、本発明の電子写真感光体の
模式断面図であり、導電性基体上に感光層、保護層を設
けた構成の電子写真感光体を示している。図2及び図3
は各々本発明のおける他の電子写真感光体の構成例を示
すものである。図2は、感光層が電荷発生層(CGL)
と電荷輸送層(CTL)より構成される機能分離型タイ
プの電子写真感光体を示し、図3は、導電性基体と機能
分離型タイプの感光層のCGL、CTLとの間に下引き
層を入れた電子写真感光体を示している。なお、本発明
に係る電子写真感光体としては、導電性支持体上に感光
層と保護層を少なくとも有していれば、上記以外のその
他の層が形成されていてもよく、また、感光層のタイプ
は任意に組み合わされていても構わない。
【0045】本発明において電子写真感光体に使用され
る導電性支持体としては、導電体もしくは導電処理をし
た絶縁体、例えばAl、Ni、Fe、Cu、Auなどの
金属、もしくはそれらの合金の他、ポリエステル、ポリ
カーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性基体上に
Al、Ag、Au等の金属あるいはIn23、SnO 2
等の導電材料の薄膜を形成したもの、導電処理をした紙
等が使用できる。導電性支持体の形状は特に制約はな
く、板状、ドラム状あるいはベルト状のいずれのものも
使用できるが、このような構造の装置の場合にはベルト
状の支持体を用いると、内部に駆動ローラー、従動ロー
ラーを設ける必要があるなど装置が複雑化したり、大型
化の面でもあまり好ましくない。また、保護層の可撓性
が不足して、表面にクラックとよばれる亀裂が入る可能
性があり、それが原因で色ぽちが発生することが考えら
れる。このようなことから、支持体としては剛性の高い
ドラム状のものがこのましく用いられる。
【0046】導電性支持体と感光層との間には、必要に
応じて、下引き層を設けてもよい。かかる下引き層は、
接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工
性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けら
れる。下引き層は、一般に樹脂を主成分とするが、これ
らの樹脂は、その上に感光層を溶剤を用いて塗布するこ
とを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い
樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、
ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナト
リウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチ
ル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタ
ン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキ
シ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが
挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸
化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示で
きる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物など
の微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は、適当な
溶媒を用いて、慣用される塗工法によって形成すること
ができる。
【0047】更に、かかる下引き層としては、シランカ
ップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリ
ング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成
した金属酸化物層も有用である。
【0048】この他に、かかる下引き層として、Al2
3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン
(パリレン)等の有機物や、SnO2、TiO2、IT
O、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けても
よい。下引き層の膜厚は約0.1〜5μmが適当であ
る。
【0049】この導電性支持体に下引き層を介して設け
られる感光層の種類は、Se系、OPC系等のいずれも
適用できる。無機系材料としては、結晶セレン、アモル
ファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハ
ロゲン、セレン−ヒ素化合物等が挙げられる。特に、環
境に対して優しくかつ安価なOPCが良好である。これ
らのうち、OPC系について以下に簡単に説明する。
【0050】本発明における感光層は、単層型でも積層
型でもよいが、ここでは積層型について述べる。はじめ
に、電荷発生層について説明することにする。電荷発生
層は、電荷発生物質を主成分とする層であって、必要に
応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物
質としては、無機系材料と有機系材料を用いることがで
きる。
【0051】一方、有機系材料としては、公知の材料を
用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無
金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズ
レニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバ
ゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格
を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ
顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フル
オレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格
を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペ
リレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔
料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフ
ェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系
顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系
顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられ
る。これらの電荷発生物質は、単独又は2種以上の混合
物として用いることができる。
【0052】電荷発生層に必要に応じて用いられるバイ
ンダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポ
キシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン
樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニ
ルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが
用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独又は2種
以上の混合物として用いることができる。
【0053】また、必要に応じて、電荷輸送性物質を添
加してもよい。また、電荷発生層のバインダー樹脂とし
て、上述のバインダー樹脂の他に、高分子電荷輸送性物
質が良好に用いられる。
【0054】電荷発生層を形成する方法としては、真空
薄膜作製法と、溶液分散系からのキャスティング法とが
大きく挙げられる。前者の方法としては、グロー放電重
合法、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、反応
性スパッタリング法、イオンプレーティング法、加速イ
オンインジェクション法等が挙げられる。この真空薄膜
作製法は、上述した無機系材料又は有機系材料を良好に
形成することができる。
【0055】また、後者のキャスティング法によって電
荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系
電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共に、テト
ラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジク
ロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、ア
トライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度
に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、
浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などの慣
用されている方法を用いて行なうことができる。
【0056】以上のようにして設けられる電荷発生層の
膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましく
は0.05〜2μmである。
【0057】電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、か
つ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動さ
せて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とす
る層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するため
には、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持し
ていた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するた
めには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性が良いこと
が要求される。
【0058】これらの要件を満足させるための電荷輸送
層は、電荷輸送性物質及び必要に応じて用いられるバイ
ンダー樹脂により構成される。かかる電荷輸送層は、こ
れらの電荷輸送性物質及びバインダー樹脂を適当な溶剤
に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより
形成できる。かかる電荷輸送層には、必要により、電荷
輸送性物質及びバインダー樹脂以外に、可塑剤、酸化防
止剤、レベリング剤等などの添加剤を適量添加すること
もできる。
【0059】電荷輸送性物質としては、正孔輸送物質と
電子輸送物質とがある。電子輸送物質としては、たとえ
ば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレ
ン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニト
ロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ
−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキ
サントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、
2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−
b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベ
ンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容
性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独又
は2種以上の混合物として用いることができる。
【0060】正孔輸送物質としては、以下に表わされる
電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。たとえ
ば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イ
ミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−
(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1
−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、
スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニル
ヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾ
ール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、
アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダ
ゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。こ
れらの正孔輸送物質は、単独又は2種以上の混合物とし
て用いることができる。
【0061】また、高分子電荷輸送性物質は、以下のよ
うな構造を有していてもよい。 (a)カルバゾール環を有する重合体 例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−
82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開
昭54−11737号公報、特開平4−175337号
公報、特開平4−183719号公報、特開平6−23
4841号公報に記載の化合物等が例示される。
【0062】(b)ヒドラゾン構造を有する重合体 例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−
20953号公報、特開昭61−296358号公報、
特開平1−134456号公報、特開平1−17916
4号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−
180852号公報、特開平3−50555号公報、特
開平5−310904号公報、特開平6−234840
号公報に記載の化合物等が例示される。
【0063】(c)ポリシリレン重合体 例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−
88461号公報、特開平4−264130号公報、特
開平4−264131号公報、特開平4−264132
号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−2
89867号公報に記載の化合物等が例示される。
【0064】(d)トリアリールアミン構造を有する重
合体 例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−ア
ミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特
開平2−282264号公報、特開平2−304456
号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−1
33066号公報、特開平5−40350号公報、特開
平5−202135号公報に記載の化合物等が例示され
る。
【0065】(e)その他の重合体 例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特
開昭51−73888号公報、特開昭56−15074
9号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−
234837号公報に記載の化合物等が例示される。
【0066】本発明に使用される電子供与性基を有する
重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合
体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマ
ーや、また、例えば特開平3−109406号公報に開
示されているような電子供与性基を有する架橋重合体等
を用いることも可能である。
【0067】また、本発明に用いられる高分子電荷輸送
性物質として更に有用なトリアリールアミン構造を有す
るポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポ
リエーテルとしては、例えば、特開昭64−1728号
公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−1
9049号公報、特開平4−11627号公報、特開平
4−225014号公報、特開平4−230767号公
報、特開平4−320420号公報、特開平5−232
727号公報、特開平7−56374号公報、特開平9
−127713号公報、特開平9−222740号公
報、特開平9−265197号公報、特開平9−211
877号公報、特開平9−304956号公報等に記載
の化合物が例示される。
【0068】更に、電荷輸送層に併用できるバインダー
樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、塩
化ビニル、酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデ
ン、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカル
バゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマー
ル、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、フェノキ
シ樹脂などが用いられる。これらのバインダー樹脂は、
単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
電荷輸送層の膜厚は、約5〜100μm程度が適当であ
る。
【0069】本発明における電荷輸送層中には、ゴム、
プラスチック、油脂類などに用いられる他の酸化防止剤
や可塑剤などの添加剤を添加してもかまわない。更に、
電荷輸送層中にレベリング剤を添加してもかまわない。
かかるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイ
ル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオ
イル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリ
マーあるいはオリゴマーなどが使用され、その使用量
は、バインダー樹脂100重量部に対して、0〜1重量
部が適当である。
【0070】塗工方法としては、浸漬塗工法やスプレー
コート、ビードコート法などの慣用されている方法を用
いて行なうことができる。
【0071】次に、感光層が単層構成の場合について説
明する。キャスティング法で単層感光層を設ける場合、
多くの場合、かかる単層感光層は、電荷発生物質と低分
子並びに高分子電荷輸送性物質を適当な溶剤に溶解ない
し分散し、これを塗布、乾燥することにより形成でき
る。電荷発生物質並びに電荷輸送性物質としては、前述
した材料を用いることができる。
【0072】また、かかる単層感光層には、必要によ
り、可塑剤を添加することもできる。更に、必要に応じ
て用いることのできるバインダー樹脂としては、先に電
荷輸送層で挙げたバインダー樹脂をそのまま用いること
ができる。その他に、電荷発生層で挙げたバインダー樹
脂を混合して用いてもよい。単層感光体の膜厚は、5〜
100μm程度が適当である。
【0073】本発明に係る電子写真感光体の保護層は、
少なくとも金属酸化物微粒子と硬化性結着樹脂、有機酸
を含有し、硬化性樹脂を酸存在下、加熱硬化させて形成
される。
【0074】保護層に含有される金属酸化物微粒子とし
ては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化ジ
ルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等を単独、又は
混合して使用することができる。これらの金属酸化物微
粒子は、分散性の向上などの目的で表面処理がなされて
いてもよい。また、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウ
ムで表面処理された酸化チタンは、分散性もよく、保護
層を形成したときの耐摩耗性も著しく向上するので、特
に好適に使用される。
【0075】このように、本発明によれば、金属酸化物
微粒子がシリカ、アルミナ又は酸化チタンのいずれかを
主成分とする微粒子1種類以上を含有することを特徴と
する電子写真感光体も提供される。電子写真感光体をこ
のように構成することによって、電荷輸送物質との間の
反応等による黒ポチ発生因子となり難く、低コストで、
耐摩耗性が大きい電子写真感光体を実現することができ
る。
【0076】樹脂組成物中に粉体或いは微細繊維を添加
することにより、樹脂組成物の機械的強度を増大させる
こと自体は、従来から広く一般的に知られた事項に属す
る。しかしながら、本発明においては有機酸の特定量を
含有することに加えて、本発明で保護層に用いる金属酸
化物微粉末の一次粒径の平均は、0.01〜1.0μ
m、好ましくは保護層の透光性や耐摩耗性の点から0.
05〜0.5μmである。平均粒径が最大可視光波長λ
の約1/2即ち0、4〜0.5μmを超えると、本発明
の電子写真感光体においては像露光に用いる光の下層へ
の光透過性が阻害され感光体の感度を損なうことがあ
る。また、平均粒径が1.0μmを超えると、保護層の
膜厚との関係で保護層の耐久性に問題を生じることがあ
る。金属酸化物微粉末の一次粒径の平均が0.01μm
以下の金属酸化物微粉末の場合には、高価である上に保
護層製造時の取り扱いが難しく、また比表面積が大きす
ぎて活性になるためか黒ポチ発生因子となることがあ
る。
【0077】微粒子集合体を含む層構造の変形に関し、
一般に、固体材料例えば薄膜を構成する多数の微粒子か
らなる固体材料例えば薄膜や、微粒子を多層状態で充填
含有する固体材料例えば薄膜において、これを変形する
ための応力を考えると、いま図15に示されるように、
微粒子含有多層構造内部にズレを生じる面に関して上下
の微粒子群の2層に分け、上の微粒子群の層を下の微粒
子群の層に対してxだけずらすための応力τは、簡単化
して各層を構成する微粒子間の間隔bの周期的関数とし
ておくことができ、次式、即ち、τ=ksin(2πx
/b)の式で表わす(kは定数)ことができる。この
「微粒子間隔b」は、或る特定粒子とこの粒子に隣接す
る他の粒子との間の距離であり、該「或る粒子」の中心
と該「隣接粒子」の中心との間の距離であるが、両粒子
が同じ粒径ものであれば、即ち「粒径」と換言すること
ができることは勿論である(後程の垂直方向についての
「微粒子面間距離a」についても同様である)。ここ
で、xが小さい場合にはフックの法則が成り立つので、
剛性率をμ、微粒子面間距離をaとおけば、τ=μ(x
/a)の関係が成り立つ。また、前記のτ=ksin
(2πx/b)の式において、ズレxが微粒子間隔bよ
り充分小さい場合(ズレxが極小の場合)には、該式
は、τ〜k(2πx/b)となる(昭和58年1月20
日(株)培風館発行、井形直弘著「材料強度学」、第3
8頁参考)。つまり、一般に、ズレに要する応力は、含
有される微粒子の微粒子面間距離a、微粒子間隔bに反
比例する。換言すれば、微粒子を多く充填含有する固体
材料例えば薄膜においては、少なくとも機械的ズレに要
する応力は、含有される微粒子の粒径に反比例して、大
きくなるということになる。
【0078】また、微粒子の多数充填物の該微粒子を内
部転移するために要する応力については、別に、Hall‐
Petchの関係式(前記「材料強度学」、第108頁参
考)もある。該Hall‐Petchの関係式は、内部転移に要
する応力σと微粒子間の初期摩擦力σと微粒子の粒
径dとの関係について、次式即ちσ=σ+k
−1/ で表わされるとして、内部転移に要する応力σ
は、微粒子の粒径dの平方根に依存することを示して
いる。ここで、kは温度により異なる定数である。こ
の関係式によれば、内部転移に要する応力σは、粒子
相互間の初期摩擦力σの大きさにもより、定数k
もよるが、いずれにしても、微粒子の粒径dが或程度小
さい場合には、内部転移に要する応力σがより必要に
なることを示している点は否めない。そして、本発明の
保護層は、微粒かつ粒径分布範囲が限られた金属酸化物
を含有するときに、高い耐久性を示すという事実は、微
粒子集合体の変形に関するこれら従来説によく符合して
いる。
【0079】これら金属酸化物微粒子の含有量は、結着
樹脂に対して、10%〜200%の範囲が好ましく、1
0%未満だと、充分な耐摩耗性が得られないことがあ
り、また200%を超えると、保護層の体積抵抗が低下
して、保護層表面の静電荷が保持できなくなり、画像流
れや画像ボケといった不良画像が発生することがある。
【0080】硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹
脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、アルキッド樹脂、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等を用い
る。これらは単独で用いられ、好ましくは2種以上が併
用される。特に、架橋によって三次元網目構造を形成す
るように熱硬化性アクリル樹脂と、メラミン樹脂又は/
及びグアナミン樹脂とを加熱硬化させることによって、
得られる保護層の耐摩耗性を著しく向上させることがで
きる。熱硬化性アクリル樹脂と、メラミン樹脂又は/及
びグアナミン樹脂との混合比は、耐摩耗性、金属酸化物
の分散安定性、樹脂の硬化度等を考慮して最適化を図る
必要があるが、およそ重量比で9/1〜4/6の範囲が
好適である。
【0081】また、保護層に電荷輸送性物質を含有させ
ることで、繰り返し使用時の残留電位の上昇、それに伴
う画像不良を抑えることができる。かかる電荷輸送性物
質としては、先に挙げた電荷輸送層で用いられる電荷輸
送性物質を用いることができる。しかし、結着樹脂であ
る硬化性樹脂との相溶性などを考慮して選択することが
好ましい。本発明においては、熱硬化性アクリル樹脂
と、メラミン樹脂又は/及びグアナミン樹脂からなる硬
化樹脂は、電荷輸送性物質との相溶性が非常によく、透
明性の高い保護層を形成することができるので好まし
い。
【0082】耐摩耗性、電気特性の観点から見て画像保
護層に使用される電荷輸送性物質の量は、結着樹脂に対
して、重量比で3/1〜1/3の範囲が好適である。
【0083】また、本発明の保護層に含有される有機酸
は、硬化性樹脂の反応を促進させる触媒としての作用
と、硬化後には保護層膜中に残存して保護層の体積抵抗
を適度に低下させる作用を持つものが好ましい。そのよ
うな有機酸の例としては、マレイン酸、クエン酸、酒石
酸、コハク酸、スルホン酸等の有機酸及びその誘導体が
挙げられる。前述の通り、無機酸は樹脂硬化の触媒とし
ての作用は期待できるが、塗工液への溶解性や結着樹脂
との相溶性の低さから保護層中に含有させることはあま
り好ましくない。特に芳香族スルホン酸又はその誘導体
は、バラエティーに富んだ市販品が数多く存在してお
り、コストも安く、取り扱いも容易であるため、好まし
く用いられる。かかる芳香族スルホン酸の例としては、
例えば、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン
酸、2−ナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスル
ホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフ
タレンジスルホン酸、アントラキノン1,5−ジスルホ
ン酸、アントラキノン2,6−ジスルホン酸、アントラ
キノン2スルホン酸などが挙げられる。また、かかるス
ルホン酸エステル、スルホン酸アミド、スルホン酸ハロ
ゲン化物などの誘導体を用いてもよい。その中でも特に
酸価60〜150の範囲のものは触媒作用が高く速やか
に樹脂の硬化反応を促進し、かつ保護層の体積抵抗を適
度に下げるため好ましい。これを満足する試薬としては
三井サイテック社のキャタリスト4040、4050、
600等が挙げられるが、これらの試薬は取り扱いも容
易で安全なため、好ましい。
【0084】本発明の電子写真感光体は保護層の結着樹
脂である硬化性樹脂を有機酸存在下、加熱硬化すること
によって、有機酸が触媒として作用し、低温、短時間で
硬化が進行するので、硬化時の消費エネルギーを低く抑
えることができるため、省エネルギー、環境保護の面か
らも有利である。特に芳香族スルホン酸は触媒としての
効果が高く、より好適に用いられる。
【0085】更に、本発明に係る電子写真感光体の保護
層には、接着性、平滑性、化学的安定性を向上させる目
的で、種々の添加剤を加えてもかまわない。
【0086】本発明に係る電子写真感光体は、保護層形
成用塗工液を、導電性支持体上の感光層上に塗工して保
護層を形成した後、加熱乾燥、硬化させることによって
形成することができる。
【0087】かかる保護層形成用塗工液は、前記結着樹
脂と、金属酸化物微粒子と、酸触媒と、必要に応じて添
加される電荷輸送性物質と、各種添加剤とを含有して構
成される。この保護層形成用塗工液を構成する各成分に
適当な有機溶媒に加えて混合し、この混合液をボールミ
ル、ロールミル、サンドミル、アトライターなどの常法
を用いて分散することによって得ることができる。
【0088】このようにして得られた保護層形成用塗工
液は、浸漬塗工、スプレー塗工、ブレード塗工、ナイフ
塗工等の常法の塗工方法を用いて感光層上に塗工された
後、加熱乾燥されて硬化させることによって保護層が形
成される。量産性、塗膜品質などの面から浸漬塗工、ス
プレー塗工が有利であるが、なかでもスプレー塗工は、
保護層形成用塗工液の溶媒が下層である感光層表面を侵
すことが少なく、また、比較的容易に薄膜な保護層を形
成することができるという利点がある。
【0089】また、スプレー塗工を行なうためには、保
護層形成用塗工液の固形分は0.5〜30%の範囲にあ
るのが好ましい。固形分が0.5%より小さい場合に
は、所望の膜厚を得るために必要な溶媒量が増加し、コ
スト、環境保護の面から好ましくない。また、固形分が
30%より大きい場合には、スプレー塗工時に塗膜に気
泡が含まれたり、塗膜のレベリングが不充分になること
があり、塗膜品質が劣化し、良品率が低下するなどの原
因となる場合がある。保護層の膜厚は0.1〜10μm
の範囲が適当である。
【0090】上記のようにして得ることができる本発明
に係る電子写真感光体は、種々の層構成を有することが
できる。例えば、図1に示すように、本発明に係る電子
写真感光体は、3層構成になっていてもよい。つまり、
この3層構成からなる電子写真感光体は、導電性支持体
(150)上に感光層(160)が形成され、感光層
(160)上に保護層(170)が形成されている。
【0091】また、別の層構成を有する電子写真感光体
としては、例えば、図2に示すような4層構成を有する
電子写真感光体を挙げることができる。つまり、この4
層構成からなる電子写真感光体は、導電性支持体(15
0)上に電荷発生層(180)が形成され、該電荷発生
層(180)上に電荷輸送層(185)、更にその上に
保護層(170)が形成されている。
【0092】更に、別の層構成を有する電子写真感光体
としては、例えば、図3に示すような5層構成を有する
電子写真感光体を挙げることができる。つまり、この5
層構成からなる電子写真感光体は、図2で示した層構成
において、導電性支持体(150)と電荷発生層(18
0)との間に、下引き層(190)が形成されていて、
電荷発生層(180)上に電荷輸送層(185)、更に
その上に保護層(170)が形成されている。
【0093】本発明の画像形成装置について、図4を参
照して、下記に説明をする。図4は、本発明の画像形成
装置を説明するための概略図である。なお、下記するよ
うな変形例も本発明の範疇に属するものである。
【0094】[画像形成装置]図4は本発明の画像形成装
置の1例を示す横断面図である、図4に示すように、本
発明に係る電子写真感光体を用いた画像形成装置は、本
発明に係るドラム状の感光体(40)と、その周囲に配
置された接触方式の帯電部材からなる帯電装置(60)
と、イレーサ(60f)と、画像露光装置(21)と、
現像装置(61)と、転写前チャージャ(60a)と、転
写チャージャ(60b)と、分離チャージャ(60c)
と、分離爪(60e)と、クリーニング前チャージャ
(60d)と、クリーニングブラシ(76)及びクリー
ニングブレード(75)を有するクリーニング装置(6
3)と、除電光源(64)などから構成されている。な
お、感光体(40)の形状は、ドラム状の形状に限定さ
れるものではなく、例えば、シート状、エンドレスベル
ト状のものであっても良い。また、クリーニング前チャ
ージャ(60d)としては、コロトロン、スコロトロ
ン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)、
帯電ローラを始めとする公知の手段を用いることができ
る。接触方式の帯電部材からなる帯電装置(60)に代
えて近接配置した帯電部材を用いることができる。転写
手段としては、一般には上記の帯電器が使用できるが、
図示するような転写チャージャと分離チャージャとを併
用したものが効果的である。
【0095】また、画像露光装置(21)、除電光源
(64)としてのランプ等の光源には、蛍光灯、タング
ステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム
灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(L
D)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物
全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光
のみを照射するために、シャープカットフィルタ、バン
ドパスフィルタ、近赤外カットフィルタ、ダイクロイッ
クフィルタ、干渉フィルタ、色温度変換フィルターなど
の各種フィルタを用いることもできる。
【0096】かかる光源等は、図4に示される工程の他
に、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニン
グ工程、あるいは前露光などの工程を設けることによ
り、感光体に光を照射することができる。
【0097】さて、現像装置(61)により感光体(4
0)上に現像されたトナーは、転写紙(51a)に転写
されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体(4
0)上にトナーが残存する。このようなトナーは、クリ
ーニング装置(63)中のファーブラシであるクリーニ
ングブラシ(76)及びクリーニングブレード(75)
により、感光体より除去される。クリーニングは、クリ
ーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニ
ングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始め
とする公知のものが用いられる。
【0098】電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像
露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が
形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)
で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性
のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現
像手段としては、公知の方法が適用され、また、除電手
段にも公知の方法が用いられる。
【0099】図5には、本発明による他の1例の画像形
成装置が示され、また、この装置を用いた別のプロセス
の例を示す。図5の画像形成装置において、感光体(4
0)としては、本発明にて製造された電子写真感光体を
有しており、駆動ローラ(13a)、(13b)により
駆動され、接触方式の帯電部材からなる帯電装置(6
0)による帯電、画像露光装置(21)による像露光、
現像(図示せず)、転写チャージャ(60b)を用いる
転写、クリーニング前光源(63a)によるクリーニン
グ前露光、ブラシ(76)によるクリーニング、除電光
源(64)による除電が繰返し行なわれる。図5に示す
ように、感光体(40)(この場合は支持体が透光性で
ある)に支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行
なわれる。
【0100】図示したこれら画像形成装置は、本発明に
おける実施形態を例示するものであって、本発明はもち
ろん上記実施形態に一切限定されるものではなく、他の
実施形態も包含するものである。例えば、図5において
は、支持体側よりクリーニング前露光を行なっている
が、クリーニング前露光は感光層側から行なってもよい
し、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行なっ
てもよい。この図に示される装置の場合にも、接触方式
の帯電部材からなる帯電装置(60)に代えて近接配置
した帯電部材を用いることができる。
【0101】一方、光照射工程は、像露光、クリーニン
グ前露光、除電露光が図示されているが、その他に転写
前露光、像露光のプレ露光、及びその他公知の光照射工
程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
【0102】以上に示すような画像形成装置は、複写
機、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれ
ていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装
置内に組み込まれてもよい。ここでいうプロセスカート
リッジとは、感光体を内蔵し、その他に帯電手段、露光
手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手
段などを含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカ
ートリッジの形状等は多く挙げられる。一般的な例とし
て、図6に示すような、ケース(40a)内の感光体(4
0)の周囲に帯電装置(60)、画像露光装置(2
1)、ローラ形状の現像装置(61)、クリーニングブ
ラシ(76)を有するクリーニング装置を配置したプロ
セスカートリッジを挙げることができる。図6におい
て、感光体(40)は、導電性支持体上に本発明にて製
造された電子写真感光体を有してなるものである。
【0103】ここでいう接触方式の帯電部材とは、感光
体表面に帯電部材の表面が接触するタイプのものであ
り、帯電ローラー、帯電ブレード、帯電ブラシの形状が
ある。中でも帯電ローラーや帯電ブラシが良好に使用さ
れる。また、近接配置した帯電部材とは、感光体表面と
帯電部材表面の間に200μm以下の空隙(ギャップ)
を有するように非接触状態で近接配置したタイプのもの
である。空隙の距離から、コロトロン、スコロトロンに
代表される公知の帯電器とは区別されるものである。本
発明において使用される近接配置された帯電部材は、感
光体表面との空隙を適切に制御できる機構のものであれ
ばいかなる形状のものでも良い。例えば、感光体の回転
軸と帯電部材の回転軸を機械的に固定して、適正ギャッ
プを有するような配置にすればよい。中でも、帯電ロー
ラーの形状の帯電部材を用い、帯電部材の非画像形成部
両端にギャップ形成部材を配置して、この部分のみを感
光体表面に当接させ、画像形成領域を非接触配置させ
る、あるいは感光体非画像形成部両端ギャップ形成部材
を配置して、この部分のみを帯電部材表面に当接させ、
画像形成領域を非接触配置させる様な方法が、簡便な方
法でギャップを安定して維持できる方法である。帯電部
材側にギャップ形成部材を配置した近接帯電機構の一例
を図7に示す。
【0104】図7に示される近接帯電機構例は、帯電ロ
ーラ(60g)からなリ、この帯電ローラ(60g)に
は両側面開口にフランジ(60h)が設けられ、かつ両
端円周部に帯状のギャップ形成部材(60j)が設けら
れ、両フランジ(60h)にはそれらを貫通している金
属シャフト(60k)が設けられている。感光体(4
0)は両端の非画像形成領域(40c)がギャップ形成
部材(60j)とのみ接触し、したがってこれら接触部
を除く帯電ローラ(60g)の画像形成領域(40b)
表面はギャップ形成部材(60j)の厚さに相当するギ
ャップを隔てて感光体(40)と対面している。このよ
うな近接帯電機構例によれば、感光体表面との接触がな
いので接触ムラに起因する帯電ムラ発生を防ぐと共に感
光体表面の接触摩耗を防ぐことができ、かつ、感光体と
帯電部材との距離が近接しているので、帯電部材に供給
する電力を減少させオゾンや窒素酸化物等有害物質の発
生量を著しく軽減することができる。
【0105】図8には、この発明の画像形成装置の更に
別の一例としての、タンデム型間接転写方式のカラー電
子写真複写機の概略構成図が示される。この電子写真複
写機は、複写装置本体(100)、この複写機本体を載
せる給紙テーブル(200)、複写装置本体上に取り付
けるスキャナ(300)、さらにその上に取り付ける原
稿自動搬送装置(ADF)(400)から主に構成され
ている。複写装置本体(100)には、中央に、無端ベ
ルト状の中間転写体(10)を設ける。中間転写体(1
0)は、ベース層を、例えば伸びの少ないフッ素樹脂や
伸びの大きなゴム材料に帆布など伸びにくい材料で構成
された基層をつくり、その上に弾性層を設ける。この弾
性層は、例えばフッ素系ゴムやアクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合ゴムなどでつくる。その弾性層の表面は、
例えばフッ素系樹脂をコーティングして平滑性のよいコ
ート層で被ってなる。
【0106】そして、図8の例の装置では、中間転写体
(10)を、3つの支持ローラ(14)(15)、及び
(16)に掛け回して図中時計回り方向に回転搬送可能
とする。図示の例では、3つの支持ローラ(14)、
(15)、(16)のうち第2の支持ローラ(15)の
左側に、画像転写後に中間転写体(10)上に残留する
残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置(1
7)を設ける。また、第1の支持ローラ(14)と第2
の支持ローラ(15)との間に張り渡した中間転写体
(10)上には、その搬送方向に沿って、ブラック、イ
エロー、マゼンタ、シアンの4つの画像形成手段(1
8)を横に並べて配置してタンデム画像形成装置(2
0)を構成する。そのタンデム画像形成装置(20)の
上方には、図8に示すように、露光装置(21)を設け
る。
【0107】一方、中間転写体(10)を挟んでタンデ
ム画像形成装置(20)と反対の側には、2次転写装置
(22)を備える。2次転写装置(22)は、図示の例
では、2つのローラ(23)間に、無端ベルトである2
次転写ベルト(24)を掛け渡して構成し、中間転写体
(10)を介して第3の支持ローラ(16)に押し当て
て配置し、中間転写体(10)上の画像をシートに転写
する。また、2次転写装置(22)の横には、シート上
の転写画像を定着する定着装置(25)を設ける。定着
装置(25)は、無端ベルトである定着ベルト(26)
に加圧ローラ(27)を押し当てて構成する。
【0108】上述した2次転写装置(22)には、画像
転写後のシートをこの定着装置(25)へと搬送するシ
ート搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置
(22)として、転写ローラや非接触のチャージャを配
置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能
を併せて備えることは難しくなる。なお、図示の例で
は、このような2次転写装置(22)および定着装置
(25)の下側に、上述したタンデム画像形成装置(2
0)と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシート
を反転するシート反転装置(28)を備える。
【0109】さて、いまこのカラー電子写真複写機を用
いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置(400)
の原稿台(30)上に原稿をセットする。または、原稿
自動搬送装置(400)を開いてスキャナ(300)の
コンタクトガラス(32)上に原稿をセットし、原稿自
動搬送装置(400)を閉じてそれで押さえる。
【0110】そして、不図示のスタートスイッチを押す
と、原稿自動搬送装置(400)に原稿をセットしたと
きは、原稿を搬送してコンタクトガラス(32)上へと
移動して後、他方コンタクトガラス(32)上に原稿を
セットしたときは、直ちにスキャナ(300)を駆動
し、第1走行体(33)および第2走行体(34)を走
行する。そして、第1走行体(33)で光源から光を発
射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第
2走行体(34)に向け、第2走行体(34)のミラー
で反射して結像レンズ(35)を通して読取りセンサ
(36)に入れ、原稿内容を読み取る。
【0111】また、不図示のスタートスイッチを押す
と、不図示の駆動モータで支持ローラ(14)(1
5)、及び(16)の1つを回転駆動して他の2つの支
持ローラを従動回転し、中間転写体(10)を回転搬送
する。同時に、個々の画像形成手段(18)でその感光
体(40)を回転して各感光体(40)上にそれぞれ、
ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの単色画像を形
成する。そして、中間転写体(10)の搬送とともに、
それらの単色画像を順次転写して中間転写体(10)上
に合成カラー画像を形成する。
【0112】一方、不図示のスタートスイッチを押す
と、給紙テーブル(200)の給紙ローラ(42)の1
つを選択回転し、ペーパーバンク(43)に多段に備え
る給紙カセット(44)の1つからシートを繰り出し、
分離ローラ(45)で1枚ずつ分離して給紙路(46)
に入れ、搬送ローラ(47)で搬送して複写装置本体
(100)内の給紙路(48)に導き、レジストローラ
(49)に突き当てて止める。または、給紙ローラ(5
0)を回転して手差しトレイ(51)上のシートを繰り
出し、分離ローラ(52)で1枚ずつ分離して手差し給
紙路(53)に入れ、同じくレジストローラ(49)に
突き当てて止める。
【0113】そして、中間転写体(10)上の合成カラ
ー画像にタイミングを合わせてレジストローラ(49)
を回転し、中間転写体(10)と2次転写装置(22)
との間にシートを送り込み、2次転写装置(22)で転
写してシート上にカラー画像を記録する。画像転写後の
シートは、2次転写装置(22)で搬送して定着装置
(25)へと送り込み、定着装置(25)で熱と圧力と
を加えて転写画像を定着して後、切換爪(55)で切り
換えて排出ローラ(56)で排出し、排紙トレイ(5
7)上にスタックする。または、切換爪(55)で切り
換えてシート反転装置(28)に入れ、そこで反転して
再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排
出ローラ(56)で排紙トレイ(57)上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写体(10)は、中間転写体
クリーニング装置(17)で、画像転写後に中間転写体
(10)上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画
像形成装置(20)による再度の画像形成に備える。
【0114】ここで、レジストローラ(49)は一般的
には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉
除去のためにバイアスを印加することも可能である。例
えば、導電性ゴムローラを用いバイアスを印加する。径
φ18で、表面を1mm厚みの導電性NBRゴムとす
る。電気抵抗はゴム材の体積抵抗で109Ωcm程度で
あり、印加電圧はトナーを転写する側(表側)には−8
00V程度の電圧を印加し、また紙裏面側は+200V
程度の電圧を印加する。なお、一般的に中間転写方式は
紙粉が感光体にまで移動しづらいため、紙粉転写を考慮
する必要が少なくアースになっていても良い。また、印
加電圧として、DCバイアスが印加されているが、これ
はシートをより均一帯電させるためDCオフセット成分
を持ったAC電圧でも良い。このようにバイアスを印加
したレジストローラ(49)を通過した後の紙表面は、
若干マイナス側に帯電している。よって、中間転写体
(10)からシートへの転写では、レジストローラ(4
9)に電圧を印加しなかった場合に比べて転写条件が変
わり転写条件を変更する場合がある。
【0115】さて、上述したタンデム画像形成装置(2
0)において、個々の画像形成手段(18)は、詳しく
は、例えば図9に示すように、ドラム状の感光体(4
0)のまわりに、帯電装置(60)、現像装置(6
1)、1次転写装置(62)、感光体クリーニング装置
(63)、除電光源(64)などを備えてなる。
【0116】また、タンデム型の電子写真装置には、図
10に示すように、各感光体(1)上の画像を転写装置
(2)により、シート搬送ベルト(3)で搬送するシー
ト(s)に順次転写する直接転写方式のものと、図11
に示すように、各感光体(1)上の画像を1次転写装置
(2)によりいったん中間転写体(4)に順次転写して
後、その中間転写体(4)上の画像を2次転写装置
(5)によりシート(s)に一括転写する間接転写方式
のものとがある。この転写装置(5)は転写搬送ベルト
方式であるが、転写ローラ方式を用いることもできる。
【0117】直接転写方式のものと、間接転写方式のも
のとを比較すると、前者は、感光体(1)を並べたタン
デム型画像形成部(T)の上流側に給紙装置(6)を、
下流側に定着装置(7)を配置しなければならず、シー
ト搬送方向に大型化する欠点がある。これに対し、後者
は、2次転写位置を比較的自由に設置することができ、
給紙装置(6)、および定着装置(7)をタンデム型画
像形成部(T)と重ねて配置することができ、小型化が
可能となる利点がある。
【0118】また、前者は、シート搬送方向に大型化し
ないためには、定着装置(7)をタンデム型画像形成部
(T)に接近して配置することとなる。そのためシート
(s)がたわむことができる充分な余裕をもって定着装
置(7)を配置することができず、シート(s)の先端
が定着装置(7)に進入するときの衝撃(特に厚いシー
トで顕著となる)や、定着装置(7)を通過するときの
シート搬送速度と、転写搬送ベルトによるシート搬送速
度との速度差により、定着装置(7)が上流側の画像形
成に影響を及ぼしやすい欠点がある。
【0119】これに対し、後者は、シート(s)がたわ
むことができる充分な余裕をもって定着装置(7)を配
置することができるから、定着装置(7)がほとんど画
像形成に影響を及ぼさないようにすることができる。
【0120】以上のようなことから、最近は、タンデム
型電子写真装置の中の、特に中間転写ベルトを用いた間
接転写方式のものが注目されてきている。中間転写ベル
トは、従来から弗素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リイミド樹脂等が使用されてきていたが、近年ベルトの
全層やベルトの一部の層を弾性部材にした弾性ベルトが
使用されてきている。
【0121】なお、従来の樹脂ベルトを用いたカラー画
像の転写は以下の課題がある。カラー画像は通常4色の
着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層
から4層までのトナー層が形成されている。トナー層は
1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、2
次転写(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過す
ることで圧力を受け、トナー同士の凝集力が高くなる。
トナー同士の凝集力が高くなると文字の中抜けやベタ部
画像のエッジ抜けの現象が発生しやすくなる。樹脂ベル
トは硬度が高くトナー層に応じて変形しないため、トナ
ー層を圧縮させやすく文字の中抜け現象が発生しやすく
なる。
【0122】また、最近はフルカラー画像を様々な用
紙、例えば和紙や意図的に凹凸を付けや用紙に画像を形
成したいという要求が高くなってきている。しかし、平
滑性の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやす
く、転写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるため
に2次転写部の転写圧を高めると、トナー層の凝縮力を
高めることになり、上述したような文字の中抜けを発生
させることになる。
【0123】弾性ベルトは樹脂ベルトの欠点を次の理由
により解決することができる。弾性ベルトは樹脂ベルト
より硬度が低いため、転写部でトナー層や、平滑性の悪
い用紙に対応して変形する。つまり局部的な凹凸に追従
して弾性ベルトは変形するため、過度にトナー層に対し
て転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ文字
の中抜けの無い、平面性の悪い用紙に対しても均一性の
優れた転写画像を得ることができる。
【0124】上記弾性ベルトを構成する樹脂としては、
ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE、PVD
F)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−
メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチ
レン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重
合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アク
リル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル
共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチ
レン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル
酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル
共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル
酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ア
クリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレ
ンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合
体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹
脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変
性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビ
ニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂
等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレ
イン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリ
デン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコー
ン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共
重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、
ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等
からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使
用することができる。ただし、上記材料に限定されるも
のではないことは当然である。
【0125】また、上記弾性ベルトを構成する弾性材ゴ
ムもしくはエラストマーとしては、ブチルゴム、フッ素
系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレ
ンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、
エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンター
ポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエ
チレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオ
タクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリ
ン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポ
リノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エ
ラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン
系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド
系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等か
らなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用
することができる。ただし、上記材料に限定されるもの
ではないことは当然である。
【0126】弾性ベルトに添加する抵抗値調節用導電剤
に特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、グラ
ファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化
錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チ
タン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物
(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(IT
O)等の導電性金属酸化物、導電性金属酸化物は、硫酸
バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶
縁性微粒子を被覆したものでもよい。上記導電剤に限定
されるものではないことは当然である。
【0127】表層材料に制限はないが、転写ベルト表面
へのトナーの付着力を小さくして2次転写性を高めるも
のが要求される。例えば、ポリウレタン、ポリエステ
ル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用
し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、たと
えばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チ
タン、シリコンカーバイド等の粉体、粒子を1種類ある
いは2種類以上または粒径を異ならしたものを分散させ
使用することができる。また、フッ素系ゴム材料のよう
に熱処理を行なうことで表面にフッ素リッチな層を形成
させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用すること
もできる。
【0128】弾性ベルトの製造方法は限定されるもので
はない。例えば、回転する円筒形の型に材料を流し込み
ベルトを形成する遠心成型法、表層の薄い膜を形成させ
るスプレイ塗工法、円筒形の型を材料の溶液の中に浸け
て引き上げるディッピング法、内型・外型の中に注入す
る注型法、円筒形の型にコンパウンドを巻き付け加硫研
磨を行なう方法等があるがこれに限定されるものではな
く複数の製法を組み合わせてベルトを製造することがで
きるのはもちろんである。
【0129】弾性ベルトの伸びを防止する方法として
は、例えば、伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を形成す
る方法、芯体層に伸びを防止する材料を入れる方法等が
あるが、特に製法に関わるものではない。
【0130】伸びを防止する芯体層を構成する材料は、
例えば、綿、絹、などの天然繊維、ポリエステル繊維、
ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポ
リビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩
化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール
繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維などの
合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維などの無
機繊維、鉄繊維、銅繊維などの金属繊維からなる群より
選ばれる1種あるいは2種以上を用い織布状あるいは糸
状のものができる。もちろん上記材料に限定されるもの
ではない。
【0131】糸は1本または複数のフィラメントを撚っ
たもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方で
あってもよい。また、例えば上記材料群から選択された
材質の繊維を混紡してもよい。もちろん糸に適当な導電
処理を施して使用することもできる。一方織布は、メリ
ヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であ
り、もちろん交織した織布も使用可能であり当然導電処
理を施すこともできる。
【0132】芯体層を設ける製造方法は特に限定される
ものではない。例えば、筒状に織った織布を金型等に被
せその上に被覆層を設ける方法、筒状に織った織布を液
状ゴム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆層
を設ける方法、糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻
き付けその上に被覆層を設ける方法等を挙げることがで
きる。
【0133】弾性層の厚さは、弾性層の硬度にもよる
が、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂の発
生しやすくなる。また、伸縮量が大きくなることから画
像に伸びちじみが大きくなること等から厚すぎることは
好ましくない(およそ1mm以上)。
【0134】弾性層の硬度の適正範囲は10≦HS≦6
5゜(JIS−A)である。ベルトの層厚によって最適
硬度の調整は必要となる。硬度10゜(JIS−A)よ
り下のものは寸法精度良く成形することが非常に困難で
ある。これは成型時に収縮・膨張を受け易いことに起因
する。また柔らかくする場合には基材へオイル成分を含
有させるのが一般的な方法であるが、加圧状態で連続作
動させるとオイル成分が滲みだしてくるという欠点を有
している。これにより中間転写体表面に接触する感光体
に滲みだしたオイルが付着し横帯状ムラを発生させるこ
とが分かった。一般的に離型性向上のために表層を設け
ているが、完全に滲みだし防止効果を与えるためには表
層は耐久品質等要求品質の高いものになり、材料の選
定、特性等の確保が困難になってくる。これに対して、
硬度65゜(JIS−A)よりも大きいものは硬度が上
がった分精度良く成形できるのと、オイル含有量を含ま
ずもしくは少なく抑えることが可能となるので、感光体
に対するオイル付着性は低減可能であるが、文字の中抜
け等転写性改善の効果が得られなくなる。また、張架ロ
ーラへの張架が困難となる。
【0135】画像形成手段(18)を構成する部分のう
ち、帯電装置(60)は、図9の例ではローラ状につく
り、感光体(40)に接触して電圧を印加することによ
りその感光体(40)の帯電を行なう。勿論、非接触の
スコロトロンチャージャで帯電を行なうこともできる。
現像装置(61)は、一成分現像剤を使用してもよい
が、図9の例では、磁性キャリアFと非磁性トナーとよ
りなる二成分現像剤を使用する。そして、その二成分現
像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ(65)に二
成分現像剤を供給付着させる攪拌部(66)と、その現
像スリーブ(65)に付着した二成分現像剤のうちのト
ナーを感光体(40)に転移する現像部(67)とで構
成し、その現像部(67)より攪拌部(66)を低い位
置とする。攪拌部(66)には、平行な2本のスクリュ
(68)を設ける。2本のスクリュ(68)の間は、両
端部を除いて仕切り板(69)で仕切る(図12参
照)。また、現像ケース(70)にトナー濃度センサ
(71)を取り付ける。
【0136】一方、現像部(67)には、現像ケース
(70)の開口を通して感光体(40)と対向して現像
スリーブ(65)を設けるとともに、その現像スリーブ
(65)内にマグネット(72)を固定して設ける。ま
た、その現像スリーブ(65)に先端を接近してドクタ
ブレード(73)を設ける。図示例では、ドクタブレー
ド(73)と現像スリーブ(65)間の最接近部におけ
る間隔は、500μmに設定してある。
【0137】そして、2成分現像剤を2本のスクリュ
(68)で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ(6
5)に供給する。現像スリーブ(65)に供給された現
像剤は、マグネット(72)により汲み上げて保持さ
れ、現像スリーブ(65)上に磁気ブラシを形成する。
磁気ブラシは、現像スリーブ(65)の回転とともに、
ドクタブレード(73)によって適正な量に穂切りされ
る。切り落とされた現像剤は、攪拌部(66)に戻され
る。他方、現像スリーブ(65)上の現像剤のうちトナ
ーは、現像スリーブ(65)に印加する現像バイアス電
圧により感光体(40)に転移してその感光体(40)
上の静電潜像を可視像化する。可視像化後、現像スリー
ブ(65)上に残った現像剤は、マグネット(72)の
磁力がないところで現像スリーブ(65)から離れて攪
拌部(66)に戻る。この繰り返しにより、攪拌部(6
6)内のトナー濃度が薄くなると、それをトナー濃度セ
ンサ(71)で検知して攪拌部(66)にトナーが補給
される。
【0138】ちなみに、図示例では、感光体(40)の
線速を200mm/s、現像スリーブ(65)の線速を
240mm/sとしている。感光体(40)の直径を5
0mm、現像スリーブ(65)の直径を18mmとし
て、現像行程が行なわれる。現像スリーブ(65)上の
トナーの帯電量は、−10〜−30μC/gの範囲が好
適である。感光体(40)と現像スリーブ(65)の間
隙である現像ギャップ(GP)は、従来と同様に0.8
mmから0.4mmの範囲で設定でき、値を小さくする
ことで現像効率の向上を図ることが可能である。感光体
(40)の厚みを30μmとし、光学系のビームスポッ
ト径を50×60μm、光量を0.47mWとしてい
る。また、感光体(40)の帯電(露光前)電位V0を
−600V、露光後電位VLを−100Vとして現像バ
イアス電圧を−350Vすなわち現像ポテンシャル25
0Vとして現像工程が行なわれるものである。
【0139】次に、1次転写装置(62)は、ローラ状
とし、中間転写体(10)を挟んで感光体(40)に押
し当てて設ける。別に、ローラ状に限らず、導電性のブ
ラシ形状、非接触のコロナチャージャなどであってもよ
い。感光体クリーニング装置(63)は、先端を感光体
(40)に押し当てて、例えばポリウレタンゴム製のク
リーニングブレード(75)を備える。クリーニング性
を高めるために外周を感光体(40)に接触ブラシを併
用する。本説明図では外周を感光体(40)に接触導電
性のファーブラシ(76)を矢印方向に回転自在に備え
る。また、ファーブラシ(76)にバイアスを印加する
金属製電界ローラ(77)を矢示方向に回転自在に備
え、その電界ローラ(77)にスクレーパ(78)の先
端を押し当てる。さらに、除去したトナーを回収する回
収スクリュ(79)を設ける。
【0140】そして、感光体(40)に対してカウンタ
方向に回転するファーブラシ(76)で、感光体(4
0)上の残留トナーを除去する。ファーブラシ(76)
に付着したトナーは、ファーブラシ(76)に対してカ
ウンタ方向に接触して回転するバイアスを印加された電
界ローラ(77)に取り除かれる。電界ローラ(77)
に付着されたトナーは、スクレーパ(78)でクリーニ
ングされる。感光体クリーニング装置(63)で回収し
たトナーは、回収スクリュ(79)で感光体クリーニン
グ装置(63)の片側に寄せ、詳しくは後述するトナー
リサイクル装置(80)で現像装置(61)へと戻して
再利用する。除電光源(64)は、例えばランプであ
り、光を照射して感光体(40)の表面電位を初期化す
る。
【0141】そして、感光体(40)の回転とともに、
まず帯電装置(60)で感光体(40)の表面を一様に
帯電し、次いでスキャナ(300)の読取り内容に応じ
て上述した露光装置(21)からレーザやLED等によ
る書込み光Lを照射して感光体(40)上に静電潜像を
形成する。
【0142】その後、現像装置(61)によりトナーが
付着され静電潜像を可視像化し、その可視像を1次転写
装置(62)で中間転写体(10)上に転写する。画像
転写後の感光体(40)の表面は、感光体クリーニング
装置(63)で残留トナーを除去して清掃し、除電装置
(64)で除電して再度の画像形成に備える。
【0143】図13は、図8に示すカラー複写機の要部
拡大図である。同図においては、タンデム画像形成装置
(20)の各画像形成手段(18)、その画像形成手段
(18)の各感光体(40)、各現像装置(61)、各
感光体クリーニング装置(63)、および各画像形成手
段(18)の感光体(40)にそれぞれ対向して設ける
各1次転写装置(62)の各符号の後に、それぞれブラ
ックの場合はBKを、イエローの場合はYを、マゼンタ
の場合はMを、シアンの場合はCを付して示す。なお、
図13中符号(74)は、図8および図9では図示省略
するが、各1次転写装置(62)間において、中間転写
体(10)のベース層側(内周面側)に接触して設ける
導電性ローラである。この導電性ローラ(74)は、転
写時に各1次転写装置(62)により印加するバイアス
が、中抵抗のベース層を介して隣接する各画像形成手段
(18)に流れ込むことを阻止するものである。
【0144】次に、図14および図12には、トナーリ
サイクル装置(80)を示す。図14に示すとおり、感
光体クリーニング装置(63)の回収スクリュ(79)
には、一端に、ピン(81)を有するローラ部(82)
を設ける。そして、そのローラ部(82)に、トナーリ
サイクル装置(80)のベルト状回収トナー搬送部材
(83)の一側を掛け、その回収トナー搬送部材(8
3)の長孔(84)にピン(81)を入れる。回収トナ
ー搬送部材(83)の外周には一定間隔置きに羽根(8
5)を設けてなり、その他側は、回転軸(86)のロー
ラ部(87)に掛ける。
【0145】回収トナー搬送部材(83)は、回転軸
(86)とともに、図12に示す搬送路ケース(88)
内に入れる。搬送路ケース(88)は、カートリッジケ
ース(89)と一体につくり、その現像装置(61)側
の端部に、現像装置(61)の前述した2本のスクリュ
(68)の1本を入れてなる。
【0146】そして、外部から駆動力を伝達して回収ス
クリュ(79)を回転するとともに、回収トナー搬送部
材(83)を回転搬送し、感光体クリーニング装置(6
3)で回収したトナーを搬送路ケース(88)内を通し
て現像装置(61)へと搬送し、スクリュ(68)の回
転で現像装置(61)内に入れる。その後、上述したと
おり、2本のスクリュ(68)ですでに現像装置(6
1)内にある現像剤とともに攪拌しながら搬送循環し、
現像スリーブ(65)に供給してドクタブレード(7
3)により穂切りして後、感光体(40)に転移してそ
の感光体(40)上の潜像を現像する。
【0147】現像スリーブ(65)は、非磁性の回転可
能なスリーブ状の形状を持ち、内部には複数のマグネッ
ト(72)を配設している。マグネット(72)は、固
定されているために現像剤が所定の場所を通過するとき
に磁力を作用させられるようになっている。図示例で
は、現像スリーブ(65)の直径をφ18mmとし、表
面はサンドブラストまたは1〜数mmの深さを有する複
数の溝を形成する処理を行ないRzが10〜30μmの
範囲に入るように形成されている。
【0148】マグネット(72)は、例えば、ドクタブ
レード(73)の箇所から現像スリーブ(65)の回転
方向にN1、S1、N2、S2、S3の5磁極を有す
る。現像剤は、マグネット(72)により磁気ブラシを
形成され、現像スリーブ(65)上に担持される。現像
スリーブ(65)は、現像剤の磁気ブラシを形成した、
マグネット(72)のS1側の領域に、感光体(40)
に対向して配設されている。
【0149】ところで、図13に示すように、クリーニ
ング装置(17)に、クリーニング部材として2つのフ
ァーブラシ(90)、(91)を設ける。ファーブラシ
(90)、(91)は、φ20mm、アクリルカーボ
ン、6.25D/F、10万本/inch、E+7Ωのも
のを使用し、中間転写体(10)に対して接触してカウ
ンタ方向に回転するように設ける。そして、それぞれの
ファーブラシ(90)、(91)には、不図示の電源か
ら各々異なる極性のバイアスを印加する。
【0150】そのようなファーブラシ(90)、(9
1)には、それぞれ金属ローラ(92)、(93)を接
触して順または逆方向に回転するように設ける。そし
て、この例では、中間転写体(10)の回転方向上流側
の金属ローラ(92)に電源(94)から(−)電圧を
印加し、下流側の金属ローラ(93)に電源(95)か
ら(+)電圧を印加する。それらの金属ローラ(9
2)、(93)には、それぞれブレード(96)、(9
7)の先端を押し当てる。
【0151】そして、中間転写体(10)の矢示方向へ
の回転とともに、はじめ上流側のファーブラシ(90)
を用いて例えば(−)のバイアスを印加して中間転写体
(10)表面のクリーニングを行なう。仮に、金属ロー
ラ(92)に−700V印加すると、ファーブラシ(9
0)は−400Vとなり、中間転写体(10)上の
(+)トナーをファーブラシ(90)側に転移する。除
去したトナーをさらに電位差によりファーブラシ(9
0)から金属ローラ(92)に転移し、ブレード(9
6)により掻き落とす。
【0152】さて、ファーブラシ(90)で中間転写体
(10)上のトナーを除去するが、中間転写体(10)
上にはまだ多くのトナーが残っている。それらのトナー
は、ファーブラシ(90)に印加される(−)のバイア
スにより、(−)に帯電される。これは、電荷注入また
は放電により帯電されるものと考えられる。
【0153】しかし、次いで下流側のファーブラシ(9
1)を用いて今度は(+)のバイアスを印加してクリー
ニングを行なうことにより、それらのトナーを除去する
ことができる。除去したトナーは、電位差によりファー
ブラシ(91)から金属ローラ(93)に転移し、ブレ
ード(97)により掻き落とす。
【0154】ブレード(96)、(97)で掻き落とし
たトナーは、不図示のタンクに回収する。さて、ファー
ブラシ(91)でクリーニングされた後は、ほとんどの
トナーが除去されるが、中間転写体(10)上にはまだ
少しのトナーが残っている。それらの中間転写体(1
0)上に残ったトナーは、上述したようにファーブラシ
(91)に印加される(+)のバイアスにより、(+)
に帯電される。(+)に帯電されたトナーは、1次転写
位置で印加される転写電界により感光体(40)側に転
写され、感光体クリーニング装置(63)で回収するこ
とができる。最初の1次転写部で最も感光体側へトナー
は転写される。なお、画像を形成する色の順番は限定さ
れるものではなく、画像形成装置の持つ狙いや特性によ
って異なってくる。
【0155】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、下記実施例の態様に限定されるものではない。
なお、下記の実施例及び比較例において使用する単位で
ある「部」はいずれも重量基準である。
【0156】(実施例1)アルキッド樹脂(ベッコゾー
ル1307−60−EL、大日本インキ化学工業社製)
15部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821
−60、大日本インキ化学工業社製)10部をメチルエ
チルケトン150部に溶解し、これに酸化チタン粉末
(タイペールCR−EL、石原産業社製)90部を加え
て、ボールミルで12時間分散し、下引き層用塗工液を
作製した。得られた下引き層用塗工液をφ30mm、長
さ340mmのAlドラムに塗工し、130℃で20分
間乾燥して厚み3.5μmの下引き層を形成した。
【0157】次に、ポリビニルブチラール樹脂(エスレ
ックBL−S、積水化学工業社製)4部をシクロヘキサ
ノン150部に溶解し、これに下記構造式(1)のトリ
スアゾ顔料10部を加え、ボールミルで48時間分散
後、更にシクロヘキサノン210部を加えて3時間分散
を行った。これを容器に取り出して、固形分が1.5重
量%となるようにシクロヘキサノンで稀釈した。こうし
て得られた電荷発生層用塗工液を前記下引き層上に塗工
して、130℃で20分間乾燥して厚み0.2μmの電
荷発生層を形成した。
【0158】
【化1】
【0159】別に、テトラヒドロフラン83部に、ビス
フェノールZ型ポリカーボネート樹脂10部、シリコー
ンオイル(KF−50、信越化学工業社製)0.002
部を溶解し、これに下記構造式(2)の電荷輸送性物質
8部を加えて、電荷輸送層用塗工液を作製した。こうし
て得られた電荷輸送層用塗工液を前記電荷発生層上に塗
工、乾燥し、厚み20μmの電荷輸送層を形成した。
【0160】
【化2】
【0161】更に、シクロヘキサノン200部、テトラ
ヒドロフラン700部の混合溶液に、アクリル樹脂(ヒ
タロイド3001:不揮発成分50%、日立化成社製)
15部、メラミン樹脂(サイメル303、三井サイテッ
ク社製)5部、芳香族スルホン酸(キャタリスト404
0:不揮発分40%、三井サイテック社製)0.05部
を溶解し、シリカ(KMPX−100、信越化学社製)
9部を加え、ボールミルで48時間分散し、保護層形成
用塗工液を作成した。得られた保護層形成用塗工液を前
記電荷輸送層上にスプレー塗工により塗布し、130℃
で20分間加熱して、乾燥、硬化し、膜厚2μmの保護
層を形成した。以上のようにして、実施例1の電子写真
感光体を作製した。
【0162】(実施例2)シクロヘキサノン200部、
テトラヒドロフラン700部の混合溶液に、前記構造式
(2)の電荷輸送性物質8.6部、メラミン樹脂(サイ
メル303、三井サイテック社製)20部、芳香族スル
ホン酸(キャタリスト4040:不揮発分40%、三井
サイテック社製)0.05部を溶解し、シリカ(KMP
X−100、信越化学社製)9部を加え、ボールミルで
48時間分散し、保護層形成用塗工液を作成した以外は
実施例1と同様にして、実施例2の電子写真感光体を作
製した。
【0163】(実施例3)シクロヘキサノン200部、
テトラヒドロフラン700部の混合溶液に、前記構造式
(2)の電荷輸送性物質8.6部、アクリル樹脂(ヒタ
ロイド3001:不揮発成分50%、日立化成社製)1
5部、メラミン樹脂(サイメル303、三井サイテック
社製)5部、芳香族スルホン酸(キャタリスト404
0:不揮発分40%、三井サイテック社製)0.05部
を溶解し、シリカ(KMPX−100:信越化学社製)
9部を加え、ボールミルで48時間分散し、保護層形成
用塗工液を作成した以外は、実施例1と同様にして、実
施例3の電子写真感光体を作製した。
【0164】(実施例4)メラミン樹脂5部をグアナミ
ン樹脂(マイコート106:不揮発分77%、三井サイ
テック社製)6.5部にした以外は、実施例3と同様に
して、実施例4の電子写真感光体を作製した。
【0165】(実施例5)アクリル樹脂15部を異なる
アクリル樹脂(ヒタロイド2468:不揮発分60%、
日立化成社製)12.5部にした以外は、実施例3と同
様にして、実施例5の電子写真感光体を作製した。
【0166】(実施例6)アクリル樹脂15部を異なる
アクリル樹脂(ヒタロイド3509:不揮発分55%、
日立化成社製)13.6部にした以外は、実施例3と同
様にして、実施例6の電子写真感光体を作製した。
【0167】(実施例7)グアナミン樹脂(マイコート
106:不揮発分77%、三井サイテック社製)6.5
部をメラミン樹脂(スーパーベッカミンG821−6
0:不揮発分60%、大日本インキ社製)8.3部にし
た以外は、実施例4と同様にして、実施例7の電子写真
感光体を作製した。
【0168】(実施例8)グアナミン樹脂(マイコート
106:不揮発分77%、三井サイテック社製)6.5
部を異なるグアナミン樹脂(サイメル1123、三井サ
イテック社製)5部にした以外は、実施例4と同様にし
て、実施例8の電子写真感光体を作製した。
【0169】(実施例9)グアナミン樹脂(マイコート
106:不揮発分77%、三井サイテック社製)6.5
部を異なるグアナミン樹脂(マイコート1128、不揮
発分70%:三井サイテック社製)7.1部にした以外
は、実施例4と同様にして、実施例9の電子写真感光体
を作製した。
【0170】(実施例10)アクリル樹脂とグアナミン
樹脂の量をそれぞれ9.9部、9.7部とした以外は、
実施例4と同様にして実施例9の電子写真感光体を作製
した。
【0171】(実施例11)アクリル樹脂とグアナミン
樹脂の量をそれぞれ22.3部、1.6部とした以外
は、実施例4と同様にして実施例11の電子写真感光体
を作製した。
【0172】(実施例12)電荷輸送性物質(2)の量
を4.1部にした以外は、実施例4と同様にして実施例
12の電子写真感光体を作製した。
【0173】(実施例13)電荷輸送性物質(2)の量
を36.86部にした以外は、実施例4と同様にして実
施例13の電子写真感光体を作製した。
【0174】(実施例14)芳香族スルホン酸の量を1
部とした以外は、実施例4と同様にして実施例14の電
子写真感光体を作製した。
【0175】(実施例15)シリカの量を1.2部とし
た以外は、実施例4と同様にして実施例15の電子写真
感光体を作製した。
【0176】(実施例16)シリカの量を24部とした
以外は、実施例4と同様にして実施例16の電子写真感
光体を作製した。
【0177】(実施例17)シリカをアルミナ(AA0
3、住友化学工業社製)にした以外は、実施例3と同様
にして実施例17の電子写真感光体を作製した。
【0178】(実施例18)シリカをアルミナ(AA0
3、住友化学工業社製)にした以外は、実施例4と同様
にして、実施例18の電子写真感光体を作製した。
【0179】(実施例19)シリカを酸化チタン(タイ
ペークCR−97、石原産業社製)とした以外は、実施
例3と同様にして実施例19の電子写真感光体を作製し
た。
【0180】(実施例20)シリカを酸化チタン(タイ
ペークCR−97、石原産業社製)とした以外は、実施
例4と同様にして実施例20の電子写真感光体を作製し
た。
【0181】(実施例21)芳香族スルホン酸を酒石酸
0.2部とした以外は、実施例4と同様にして実施例2
1の電子写真感光体を作製した。
【0182】(実施例22)芳香族スルホン酸をアミン
ブロック芳香族スルホン酸(キャタリスト4050:不
揮発分55%、三井サイテック社製)0.036部にし
た以外は、実施例4と同様にして実施例22の電子写真
感光体を作製した。
【0183】(実施例23)アクリル樹脂をアルキッド
樹脂(ベッコライトM6401−50:不揮発分50
%、大日本インキ製)15部にした以外は、実施例3と
同様にして実施例23の電子写真感光体を作製した。こ
れら感光体の概要は表1に示される。
【0184】(比較例1)保護層の結着樹脂として、ア
クリル樹脂、メラミン樹脂のかわりにビスフェノールZ
型ポリカーボネート樹脂12.5部を用い、芳香族スル
ホン酸を加えなかった以外は、実施例1と同様にして比
較例1の電子写真感光体を作製した。
【0185】(比較例2)保護層の結着樹脂として、ア
クリル樹脂、メラミン樹脂のかわりにビスフェノールZ
型ポリカーボネート樹脂12.5部を用い、芳香族スル
ホン酸を加えなかった以外は、実施例3と同様にして比
較例2の電子写真感光体を作製した。
【0186】(比較例3)保護層の結着樹脂として、ア
クリル樹脂、メラミン樹脂のかわりにビスフェノールZ
型ポリカーボネート樹脂12.5部を用い、芳香族スル
ホン酸を加えなかった以外は、実施例17と同様にして
比較例3の電子写真感光体を作製した。
【0187】(比較例4)保護層の結着樹脂として、ア
クリル樹脂、メラミン樹脂のかわりにビスフェノールZ
型ポリカーボネート樹脂12.5部を用い、芳香族スル
ホン酸を加えなかった以外は、実施例19と同様にして
比較例3の電子写真感光体を作製した。
【0188】(比較例5)シリカを加えなかった以外
は、実施例3と同様にして、比較例5の電子写真感光体
を作製した。
【0189】(比較例6)シリカを加えなかった以外
は、実施例4と同様にして、比較例6の電子写真感光体
を作製した。
【0190】(比較例7)芳香族スルホン酸を加えなか
った以外は、実施例3と同様にして、比較例7の電子写
真感光体を作製した。
【0191】(比較例8)芳香族スルホン酸を加えなか
った以外は、実施例4と同様にして、比較例8の電子写
真感光体を作製した。 (比較例9)芳香族スルホン酸の量を0.01部とした
以外は実施例4と同様にして比較例9の電子写真感光体
を作製した。 (比較例10)芳香族スルホン酸の量を2部とした以外
は実施例4と同様にして比較例10の電子写真感光体を
作製した。 (比較例11)芳香族スルホン酸のかわりにホウ酸0.
5部を用いた以外は実施例4と同様にして比較例11を
作成した。これら感光体の概要は表1に示される。
【0192】こうして得られた電子写真感光体を、電子
写真複写機imagioMF2200(リコー製、ドラ
ムヒーターレス)の改造機(クリーニングブレードの当
接圧、現像部のギャップなどを調製して、電子写真感光
体の摩耗に対して、より負荷がかかるようにした)に搭
載して、初期の暗部電位(VD)、明部電位(VL)を
測定した。imagioMF2200は、各々の感光体
を搭載したときに初期VDが−900Vとなるようにチ
ャージ電圧を設定した。その後、連続5万枚の通紙試験
を行い、直後のVD、VLを測定し、あわせて画像品質
を評価した。また、感光層を含めた膜厚を渦電流式膜厚
測定器(型番560C、フィッシャー社製)を用いて測
定し、通紙試験前と通紙試験後の膜厚差から、5万枚あ
たりの摩耗量を算出した。結果を表1に示す。
【0193】
【表1−1】
【0194】
【表1−2】
【0195】
【表1−3】
【0196】また、実施例1〜4、12〜16、21〜
23と、比較例1〜4、7,9〜11の電子写真感光体
を搭載した前述の電子写真複写機imagioMF22
00(リコー製、ドラムヒーターレス)の改造機(クリ
ーニングブレードの当接圧、現像部のギャップなどを調
製して、電子写真感光体の摩耗に対して、より負荷がか
かるようにした)を、30℃90%RHの高温高湿環境
下、及び10℃15%RHの低温低湿環境下において、
連続5000枚の通紙試験を行い、その直後のVD、V
Lを測定し、画像品質を評価した。
【0197】(実施例24)アルキッド樹脂(ベッコラ
イトM6401−50、大日本インキ化学工業社製)1
5重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−82
1−60、大日本インキ化学工業社製)10重量部をメ
チルエチルケトン150重量部に溶解し、これにアルミ
ナ、酸化ジルコニウムで表面処理された酸化チタン粉末
(タイペークCR−97、石原産業社製)80重量部、
アルミナで表面処理された酸化チタン(タイペークCR
−67、石原産業社製)10部を加えボールミルで24
時間分散し、下引層用塗工液を作製した。これをφ50
mm、長さ340mm、厚み1mmのアルミニウム管に
浸漬塗工法によって塗工し130℃20分間乾燥して、
厚み4μmの下引き層を形成した。
【0198】次にポリビニールブチラール樹脂(エスレ
ックHL−S、積水化学工業社製)4重量部をシクロヘ
キサノン150重量部に溶解し、これを下記構造式
(3)に示すビスアゾ顔料10重量部に加え、ボールミ
ルで48時間分散後、さらにシクロヘキサノン210重
量部を加えて3時間分散を行った。これを容器に取り出
し固形分が1.5重量%となるようにシクロヘキサノン
で稀釈した。こうして得られた電荷発生層用塗工液を前
記下引き層上に浸漬塗工法によって塗工し130℃20
分間乾燥し厚み0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0199】
【化3】
【0200】次に、テトラヒドロフラン100重量部
に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂10重量
部、シリコンオイル(KF−50(信越化学工業社
製))0.002重量部を溶解し、これに前記構造式
(2)の電荷輸送物質8重量部を加えて電荷輸送層用塗
工液を作製した。こうして得られた電荷輸送層用塗工液
を電荷発生層上に浸漬塗工法によって塗工し、その後1
10℃20分間乾燥し、厚み20μmの電荷輸送層を形
成した。
【0201】次に、シクロヘキサノン200部、テトラ
ヒドロフラン700部の混合溶液に、アクリル樹脂(ヒ
タロイド3001:不揮発成分50%:日立化成社製)
15部、メラミン樹脂(サイメル303:不揮発成分1
00%:三井サイテック社製)5部、芳香族スルホン酸
(キャタリスト4040:不揮発分40%:三井サイテ
ック社製)0.05部を溶解し、シリカ(KMPX−1
00:信越化学社製)9部を加え、ボールミルで48時
間分散し、保護層形成用塗工液を作成した。得られた保
護層形成用塗工液を前記電荷輸送層上にをスプレー塗工
により塗布し、130℃、20分加熱して、乾燥、硬化
し、膜厚2μmの保護層を形成し実施例1用の電子写真
感光体を作製した。
【0202】この電子写真感光体を4本作製し、図8の
画像形成装置に搭載して、連続5万枚のフルカラー画像
を出力する通紙試験を行い、初期と通紙試験後の画像評
価と感光体塗膜の膜厚測定を行なった。膜厚測定は渦電
流式膜厚測定器(フィッシャースコープMMS:フィッ
シャー社製)を用いて測定し、通紙試験前と通紙試験後
の膜厚差から、5万枚あたりの感光体塗膜の摩耗量を算
出した。
【0203】(実施例25)シクロヘキサノン200
部、テトラヒドロフラン700部の混合溶液に、前記構
造式(2)の電荷輸送性物質8.6部、メラミン樹脂
(サイメル303:三井サイテック社製)20部を溶解
し、シリカ(KMPX−100:信越化学社製)9部を
加え、ボールミルで48時間分散し、保護層形成用塗工
液を作成した以外は実施例24と同様にして、実施例2
5に用いる電子写真感光体を作製し、実施例24と同様
の評価を行なった。
【0204】(実施例26)シクロヘキサノン200
部、テトラヒドロフラン700部の混合溶液に、前記構
造式(2)の電荷輸送性物質8.6部、アクリル樹脂
(ヒタロイド3001:不揮発成分50%:日立化成社
製)15部、メラミン樹脂(サイメル303:三井サイ
テック社製)5部を溶解し、シリカ(KMPX−10
0:信越化学社製)9部を加え、ボールミルで48時間
分散し、保護層形成用塗工液を作成した以外は実施例2
4と同様にして、実施例26に用いるの電子写真感光体
を作製し、実施例24と同様の評価を行なった。
【0205】(実施例27)メラミン樹脂5部をグアナ
ミン樹脂(マイコート106:不揮発分77%:三井サ
イテック社製)6.5%にした以外は実施例26と同様
にして、実施例27に用いる電子写真感光体を作製し、
実施例24と同様の評価を行なった。
【0206】(実施例28)アクリル樹脂15部を異な
るアクリル樹脂(ヒタロイド2468:不揮発分60
%:日立化成社製)12.5部にした以外は実施例27
と同様にして、実施例28に用いる電子写真感光体を作
製し、実施例24と同様の評価を行なった。
【0207】(実施例29)アクリル樹脂とグアナミン
樹脂の量をそれぞれ9.9部、9.7部とした以外は実
施例27と同様にして実施例29に用いる電子写真感光
体を作製し、実施例24と同様の評価を行なった。
【0208】(実施例30)アクリル樹脂とグアナミン
樹脂の量をそれぞれ22.3部、1.6部とした以外は
実施例27と同様にして実施例30に用いる電子写真感
光体を作製し、実施例24と同様の評価を行なった。
【0209】(実施例31)電荷輸送性物質(2)の量
を4.1部にした以外は実施例27と同様にして実施例
31に用いる電子写真感光体を作製し、実施例24と同
様の評価を行なった。
【0210】(実施例32)電荷輸送性物質(2)の量
を36.86部にした以外は実施例27と同様にして実
施例32に用いる電子写真感光体を作製し、実施例24
と同様の評価を行なった。
【0211】(実施例33)芳香族スルホン酸の量を1
部とした以外は実施例27と同様にして実施例33に用
いる電子写真感光体を作製し、実施例24と同様の評価
を行なった。
【0212】(実施例34)芳香族スルホン酸の量を
0.005部とした以外は実施例27と同様にして実施
例34に用いる電子写真感光体を作製し、実施例24と
同様の評価を行なった。
【0213】(実施例35)シリカの量を1.2部とし
た以外は実施例27と同様にして実施例35に用いる電
子写真感光体を作製し、実施例24と同様の評価を行な
った。
【0214】(実施例36)シリカの量を24部とした
以外は実施例27と同様にして実施例36に用いる電子
写真感光体を作製し、実施例24と同様の評価を行なっ
た。
【0215】(実施例37)シリカをアルミナ(AA0
3:住友化学工業社製)にした以外は実施例26と同様
にして実施例37に用いる電子写真感光体を作製し、実
施例24と同様の評価を行なった。
【0216】(実施例38)シリカをアルミナ(AA0
3:住友化学工業社製)にした以外は実施例27と同様
にして、実施例38に用いる電子写真感光体を作製し、
実施例24と同様の評価を行なった。
【0217】(実施例39)シリカを酸化チタン(タイ
ペークCR−97:石原産業社製)とした以外は実施例
26と同様にして実施例39に用いる電子写真感光体を
作製し、実施例24と同様の評価を行なった。
【0218】(実施例40)シリカを酸化チタン(タイ
ペークCR−97:石原産業社製)とした以外は実施例
27と同様にして実施例40に用いる電子写真感光体を
作製し、実施例24と同様の評価を行なった。
【0219】(実施例41)芳香族スルホン酸を酒石酸
0.2部とした以外は実施例27と同様にして実施例4
1に用いる電子写真感光体を作製し、実施例24と同様
の評価を行なった。
【0220】(実施例42)芳香族スルホン酸をアミン
ブロック芳香族スルホン酸(キャタリスト4050:不
揮発分55%:三井サイテック社製)0.036部にし
た以外は実施例27と同様にして実施例42に用いる電
子写真感光体を作製し、実施例24と同様の評価を行な
った。
【0221】(比較例12)結着樹脂として、アクリル
樹脂、メラミン樹脂のかわりにビスフェノールZ型ポリ
カーボネート樹脂12.5部を用い、芳香族スルホン酸
を加えなかった以外は実施例24と同様にして比較例1
2に用いる電子写真感光体を作製し、実施例24と同様
の評価を行なった。
【0222】(比較例13)結着樹脂として、アクリル
樹脂、メラミン樹脂のかわりにビスフェノールZ型ポリ
カーボネート樹脂12.5部を用い、芳香族スルホン酸
を加えなかった以外は実施例26と同様にして比較例1
3に用いる電子写真感光体を作製し、実施例24と同様
の評価を行なった。
【0223】(比較例14)結着樹脂として、アクリル
樹脂、メラミン樹脂のかわりにビスフェノールZ型ポリ
カーボネート樹脂12.5部を用い、芳香族スルホン酸
を加えなかった以外は実施例41と同様にして比較例1
4に用いる電子写真感光体を作製し、実施例24と同様
の評価を行なった。
【0224】(比較例15)シリカを加えなかった以外
は実施例26と同様にして、比較例15に用いる電子写
真感光体を作製し、実施例24と同様の評価を行なっ
た。
【0225】(比較例16)シリカを加えなかった以外
は実施例27と同様にして、比較例16に用いる電子写
真感光体を作製し、実施例24と同様の評価を行なっ
た。
【0226】(比較例17)芳香族スルホン酸を加えな
かった以外は実施例26と同様にして、比較例17に用
いる電子写真感光体を作製し、実施例24と同様の評価
を行なった。
【0227】(比較例18)芳香族スルホン酸を加えな
かった以外は実施例27と同様にして、比較例18に用
いる電子写真感光体を作製し、実施例24と同様の評価
を行なった。
【0228】これらの結果を表2に示す。なお、感光体
の摩耗量の値としては、4本の感光体それぞれについて
感光体塗膜の摩耗量を算出したが、感光体間の差はほと
んどなかったため、表2には図8の画像形成装置におい
て、転写ベルトの回転方向から見て、もっとも下流に位
置する感光体(図の一番右に位置する感光体)の値とし
た。
【0229】
【表2】
【0230】表2から明らかなように、実施例の画像形
成装置は、5万枚の通紙試験によってもほとんど塗膜が
摩耗せず、かつ画像ボケも発生しなかった。また、わず
かに画像濃度の低下、地汚れ、虫食い画像等が見られる
場合もあったが、いずれも実使用上はほとんど問題にな
らないレベルであった。
【0231】(実施例43)実施例26の画像形成装置
において、中間転写ベルトを以下の製造例によって作製
したものを用いた以外は実施例26と同様にして、通紙
試験後、画像評価を行なったところ、実施例26で見ら
れた虫食い画像が大幅に減少し、良好な画像が得られ
た。
【0232】(弾性中間転写ベルトの製造例)PVDF
100重量部に対して、カーボンブラック18重量部、
分散剤3重量部、トルエン400重量部を均一に分散さ
せた分散液に円筒形の型を浸け10mm/sで静かに引
き上げ室温にて乾燥をさせ75μmのPVDFの均一な
膜を形成した。75μmの膜が形成されている型を繰り
返し上記条件で溶液に円筒形の型を浸け10mm/sで
静かに引き上げ室温乾燥させ150μmのPVDFベル
トを形成した。これに、ポリウレタンプレポリマー10
0重量部、硬化剤(イソシアネート)3重量部、カーボ
ンブラック20重量部、分散剤3重量部、MEK500
重量部を均一分散させた分散液に上記150μmPVD
Fが形成されている円筒形型を浸け30mm/sで引き
上げを行い自然乾燥を行なった。乾燥後繰り返しを行な
い狙いの150μmのウレタンポリマー層を形成させ
た。さらに表層用にポリウレタンプレポリマー100重
量部、硬化剤(イソシアネート)3重量部、PTFE微
粉末粉体50重量部、分散剤4重量部、MEK500重
量部を均一分散させた。
【0233】上記150μmのウレタンプレポリマーが
形成されている円筒形型を浸け30mm/sで引き上げ
を行い自然乾燥を行なった。乾燥後繰り返しを行ない5
μmのPTFEが均一に分散されたウレタンポリマーの
表層を形成させた。室温で乾燥後130℃、2時間の架
橋を行ない樹脂層;150μm、弾性層;150μm、
表層;5μmの3層構成転写ベルトを得た。
【0234】(実施例44)実施例27の画像形成装置
において、実施例43に用いた中間転写ベルトを搭載し
て実施例27と同様にして、通紙試験後、画像評価を行
なったところ、実施例27で見られた虫食い画像が大幅
に減少し、良好な画像が得られた。
【0235】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明より明らか
なように、本発明の電子写真感光体は、従来の電子写真
感光体と比較して、著しい耐摩耗性を有し、また高温高
湿、低温低湿といった劣悪な環境下においても、繰り返
し使用による残留電位の上昇、帯電特性の劣化といった
電気特性の劣化も小さく、さらには、ドラムヒーターが
なくとも画像ボケのような不良画像を抑えることがで
き、高画質なハードコピーを長期間にわたって安定して
提供できることがわかった。また、この感光体を塔載し
た画像形成装置は、一万枚の通紙試験によっても塗膜が
ほとんど摩耗せず、かつ表面が清浄に保たれた結果、初
期暗電位緒及び露光電位の劣化もなく、したがって良好
な画像を形成することができると言う極めて優れたもの
であることが分かった。そして、本発明によれば、潜像
担持体の耐摩耗性を向上させて、摩耗を従来に比べ著し
く抑えることができる。また、耐摩耗性の高い潜像担持
体でしばしば問題となる画像流れや画像ボケの発生を防
止することができる。これらのことのよって、長期間に
わたって良好なカラー画像を形成することができるとい
う優れた効果がある。また、画像流れを防止するための
ヒータ等を具備する必要がないため、該ヒータ等の具備
に伴う配線や機構等を省略して装置構成を簡素化でき、
小型で低コストしかも省エネルギな装置にできるという
優れた効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の層構成を例示する断
面図である。
【図2】本発明の電子写真感光体の別の層構成を例示す
る断面図である。
【図3】本発明の電子写真感光体の更に別の層構成を例
示する断面図である。
【図4】本発明の画像形成装置の1例を示す概略図であ
る。
【図5】本発明の画像形成装置の別の1例を示る概略図
である。
【図6】本発明の画像形成装置内に組み込まれるプロセ
スカートリッジの1例を示す概略図である。
【図7】本発明の画像形成装置で用いられる非接触帯電
機構の1例を示す概略図である。
【図8】本発明の画像形成装置の別の1例としてのタン
デム型画像形成装置を示す概略図である。
【図9】図8のタンデム型画像形成装置の感光体周辺の
拡大図である。
【図10】図8のタンデム型画像形成装置の中間転写部
(間接転写)を示す要部拡大図である。
【図11】図8のタンデム型画像形成装置の別の中間転
写部(直接転写)を示す要部拡大図である。
【図12】図8のタンデム型画像形成装置の現像装置の
1例を示す要部斜視図である。
【図13】図8のタンデム型画像形成装置の要部拡大図
である。
【図14】図8のタンデム型画像形成装置のトナーリサ
イクル装置の1例を示す要部斜視図である。
【図15】本発明の感光体の保護層における金属酸化物
微粒子の働きを説明する概要図である。
【符号の説明】
1 感光体 2 転写装置 3 シート搬送ベルト 4 中間転写体 5 2次転写装置 6 給紙装置 7 定着装置 10 中間転写体 13a 駆動ローラ 13b 駆動ローラ 14 支持ローラ 15 支持ローラ 16 支持ローラ 17 クリーニング装置 18 画像形成手段 20 タンデム画像形成装置 21 画像露光装置 22 2次転写装置 23 ローラ 24 2次転写ベルト 25 定着装置 26 定着ベルト 27 加圧ローラ 28 シート反転装置 30 原稿台 32 コンタクトガラス 33 第1走行体 34 第2走行体 35 結像レンズ 36 読取りセンサ 40 感光体 40a ケース 40b 画像形成領域 40c 非画像形成領域 42 給紙ローラ 43 ペーパーバンク 44 給紙カセット 45 分離ローラ 46 給紙路 47 搬送ローラ 48 給紙路 49 レジストローラ 50 給紙ローラ 51 手差しトレイ 51a 転写紙 52 分離ローラ 53 手差し給紙路 55 切換爪 56 排出ローラ 57 排紙トレイ 60 帯電装置 60a 転写前チャージャ 60b 転写チャージャ 60c 分離チャージャ 60d クリーニング前チャージャ 60e 分離爪 60f イレーサ 60g 帯電ローラ 60h フランジ 60j ギャップ形成部材 60k 金属シャフト 61 現像装置 62 1次転写装置 63 クリーニング装置 63a クリーニング前光源 64 除電光源 65 現像スリーブ 66 攪拌部 67 現像部 68 スクリュ 69 仕切り板 70 現像ケース 71 トナー濃度センサ 72 マグネット 73 ドクタブレード 74 導電性ローラ 75 クリーニングブレード 76 クリーニングブラシ 77 金属製電界ローラ 78 スクレーパ 79 回収スクリュ 80 トナーリサイクル装置 81 ピン 82 ローラ部 83 回収トナー搬送部材 84 長孔 85 羽根 86 回転軸 87 ローラ部 88 搬送路ケース 89 カートリッジケース 90 ファーブラシ 91 ファーブラシ 92 金属ローラ 93 金属ローラ 94 電源 95 電源 96 ブレード 97 ブレード 100 複写装置本体 150 導電性支持体 160 感光層 170 保護層 180 電荷発生層 185 電荷輸送層 190 下引き層 200 給紙テーブル 300 スキャナ 400 原稿自動搬送装置(ADF) GP 現像ギャップ s シート T タンデム型画像形成部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/01 114 G03G 15/01 114A 15/02 101 15/02 101 15/16 15/16 Fターム(参考) 2H068 AA03 AA04 AA37 AA41 BB06 BB36 BB37 BB58 CA06 CA29 CA33 EA17 FA27 FB13 FC01 FC11 2H200 FA01 FA02 FA03 FA09 GA12 GA13 GA14 GA23 GA34 GA47 GB02 GB12 GB15 GB22 HA02 HA11 HB03 HB12 HB22 JA02 JB06 JC03 JC13 JC15 JC17 LA19 LA23 MA03 MA04 MA12 MA14 MA20 MC02 2H300 EA06 EB04 EB07 EB12 EB18 EB19 EC01 EC02 EC05 EC09 EF03 EF06 EG02 EG03 EG13 EG14 EH16 EH26 EJ09 EJ47 EK03 GG02 GG03 GG13 GG31 GG36 GG37 HH19 HH23 KK03 KK05 KK08 KK13 KK14 MM04 NN01 NN02 NN03 NN04

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層及び保護層を有
    する電子写真感光体において、前記保護層が少なくとも
    金属酸化物微粒子と有機酸と結着樹脂とからなり、該結
    着樹脂が熱硬化性樹脂であり、かつ該有機酸の含有量が
    硬化性樹脂に対して0.05〜5重量%の範囲であるこ
    とを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記保護層が電荷輸送性物質を含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記保護層の結着樹脂と電荷輸送性物質
    の重量比が3/1〜1/3であることを特徴とする請求
    項2に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記保護層の結着樹脂が、2種類以上の
    熱硬化性樹脂を混合、硬化させて形成された結着樹脂で
    あることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記硬化性樹脂のうち、少なくとも1つ
    は熱硬化性アクリル樹脂であることを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記硬化性樹脂のうち、少なくとも1つ
    はメラミン樹脂またはグアナミン樹脂であることを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真感光
    体。
  7. 【請求項7】 前記保護層の結着樹脂が熱硬化性アクリ
    ル樹脂と、メラミン樹脂または/及びグアナミン樹脂と
    を加熱硬化させたものであることを特徴とする請求項1
    乃至6のいずれかに記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 前記熱硬化性アクリル樹脂と、メラミン
    樹脂または/及びグアナミン樹脂との重量比が9/1〜
    4/6であることを特徴とする請求項7に記載の電子写
    真感光体。
  9. 【請求項9】 前記保護層の金属酸化物微粒子がシリ
    カ、アルミナ、酸化チタンのいずれかを主成分とする微
    粒子1種類以上を含有することを特徴とする請求項1乃
    至8のいずれかに記載の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 前記保護層において、金属酸化物微粒
    子が結着樹脂に対して10〜200重量%であることを
    特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の電子写真
    感光体。
  11. 【請求項11】 前記有機酸が芳香族スルホン酸または
    その誘導体であることを特徴とする請求項1乃至10の
    いずれかに記載の電子写真感光体。
  12. 【請求項12】 前記感光層は、荷発生層と電荷輸送層
    とを順次積層して構成した積層型の有機感光層であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の電
    子写真感光体。
  13. 【請求項13】 前記導電性基体と前記感光層との間に
    下引き層が設けられたことを特徴とする請求項1乃至1
    2のいずれかに記載の電子写真感光体。
  14. 【請求項14】 導電性支持体上に感光層及び保護層を
    有する電子写真感光体の保護層形成用塗工液において、
    該保護層形成用塗工液の固形分重量%が0.5〜30で
    あり、該固形分が少なくとも金属酸化物微粒子と有機酸
    と結着樹脂とからなり、該結着樹脂が熱硬化性樹脂であ
    り、かつ該有機酸の含有量が該固形分中の硬化性樹脂に
    対して0.05〜5重量%の範囲であることを特徴とす
    る電子写真感光体の保護層形成用塗工液。
  15. 【請求項15】 導電性支持体上に感光層及び保護層を
    有する電子写真感光体の製造方法において、保護層形成
    用塗工液をスプレー塗工法により塗工し、加熱硬化して
    保護層を形成する段階を含み、前記該保護層形成用塗工
    液の固形分重量%が0.5〜30であり、該固形分が少
    なくとも金属酸化物微粒子と有機酸と結着樹脂とからな
    り、該結着樹脂が熱硬化性樹脂であり、かつ該有機酸の
    含有量が該固形分中の硬化性樹脂に対して0.05〜5
    重量%の範囲であることを特徴とする電子写真感光体の
    製造方法。
  16. 【請求項16】 導電性支持体上に感光層及び保護層を
    有し静電潜像を担持するための電子写真感光体に、少な
    くとも静電潜像を形成する段階、該静電潜像を現像して
    トナー像化するための現像段階、該電子写真感光体上の
    トナー像を被転写体上に転写するための転写段階を繰り
    返し行なう画像形成方法において、前記電子写真感光体
    の前記保護層が、少なくとも金属酸化物微粒子と有機酸
    と結着樹脂とからなり、該結着樹脂が熱硬化性樹脂であ
    り、かつ該有機酸の含有量が硬化性樹脂に対して0.0
    5〜5重量%の範囲であることを特徴とする画像形成方
    法。
  17. 【請求項17】 前記静電潜像を形成する段階が、該電
    子写真感光体を帯電する段階および像様の露光又は像様
    の光ビーム照射する段階の2つの段階からなることを特
    徴とする請求項16に記載の画像形成方法。
  18. 【請求項18】 導電性支持体上に感光層及び保護層を
    有し静電潜像を担持するための電子写真感光体と、該電
    子写真感光体上に静電潜像を形成するための潜像形成手
    段と、該静電潜像を現像してトナー像化するための現像
    手段を有する画像形成手段を備えた画像形成装置におい
    て、前記電子写真感光体の前記保護層が、少なくとも金
    属酸化物微粒子と有機酸と結着樹脂とからなり、該結着
    樹脂が熱硬化性樹脂であり、かつ該有機酸の含有量が硬
    化性樹脂に対して0.05〜5重量%の範囲であること
    を特徴とする画像形成装置。
  19. 【請求項19】 導電性支持体上に感光層及び保護層を
    有し静電潜像を担持するための電子写真感光体と、該電
    子写真感光体上に静電潜像を形成するための潜像形成手
    段と、該静電潜像を現像してトナー像化するための現像
    手段と、該電子写真感光体上のトナー像を被転写体上に
    転写するための転写手段とを有する画像形成手段を複数
    個備え、且つ、該複数個の画像形成手段の各電子写真感
    光体の表面に順次対向するように該被転写体表面を移動
    させる被転写体表面移動手段を備えた画像形成装置にお
    いて、前記電子写真感光体の前記保護層が、少なくとも
    金属酸化物微粒子と有機酸と結着樹脂とからなり、該結
    着樹脂が熱硬化性樹脂であり、かつ該有機酸の含有量が
    硬化性樹脂に対して0.05〜5重量%の範囲であるこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  20. 【請求項20】 前記潜像形成手段が、前記電子写真感
    光体の表面を帯電させるための帯電部材を備え、該帯電
    部材を該潜像担持体に接触もしくは近接配置したことを
    特徴とする請求項18又は19に記載の画像形成装置。
  21. 【請求項21】 前記被転写体が中間転写体であり、前
    記複数の電子写真感光体上に現像されたトナー像を該中
    間転写体上に順次重ね合わせて一次転写したのち、該中
    間転写体上に一次転写された重ね合わせトナー像を記録
    材上に一括して二次転写する中間転写手段を有すること
    を特徴とする請求項19又は20に記載の画像形成装
    置。
  22. 【請求項22】 前記被転写体が中間転写体であり、該
    中間転写体が、シームレスベルト状で、かつ、該ベルト
    の全層もしくは少なくとも1層を弾性部材で構成した弾
    性ベルトであることを特徴とする請求項19乃至21の
    いずれかに記載に画像形成装置。
  23. 【請求項23】 前記被転写体が中間転写体であり、該
    中間転写体の硬度HS(JIS−A)が、10°以上、
    65°以下であることを特徴とする請求項19乃至22
    のいずれかに記載の画像形成装置。
  24. 【請求項24】 前記被転写体が中間転写体であり、該
    中間転写体は芯体層を有することを特徴とする請求項1
    9乃至23のいずれかに記載の画像形成装置。
  25. 【請求項25】 潜像形成手段、現像手段及び転写手段
    のうちの少なくとも1つと、導電性支持体上に感光層及
    び保護層を有し静電潜像を担持するための電子写真感光
    体とを備えた画像形成装置用のプロセスカートリッジに
    おいて、前記電子写真感光体の前記保護層が、少なくと
    も金属酸化物微粒子と有機酸と結着樹脂とからなり、該
    結着樹脂が熱硬化性樹脂であり、かつ該有機酸の含有量
    が硬化性樹脂に対して0.05〜5重量%の範囲である
    ことを特徴とする感光体と、帯電手段、現像手段、転写
    手段、クリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの
    手段を一体に支持し、請求項19乃至24のいずれかに
    記載の画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴と
    するプロセスカ−トリッジ。
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