JP2004233694A - 画像形成装置 - Google Patents

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利幸 加幡
Makoto Hino
真 日野
Hideo Nakamori
英雄 中森
Michio Kimura
美知夫 木村
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Abstract

【課題】感度分布に不均一のある感光体を使用しても、高画質が得られる画像形成法において、感光体の感度分布を画像形成域全面にわたって測定し、感光体の感度分布に対応して、高画質の画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】画像形成装置が、感光体に設けられた感光体の識別手段により感光体の感度分布データを入手し、該感光体の感度分布データに従い、感光体への書き込み光を補正することを特徴とする画像形成装置を主たる構成にする。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関し、さらに詳しくは、感光体の感度分布を検知し、これを感光体の感度バラツキに対する書き込み光の補正に用いた高画質画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高精細、高解像度で、忠実な画像形成を行うことができる画像形成装置が求められている。特に最近では写真に近い画像の中間調を有する画像の要求が高くなった。このような中間調を多用した画像形成では、画像の解像度が1000dpi以上になると、感光体自体が本質的に持つ感度ムラが無視できなく、中間調での感光体の感度ムラにより、画像には濃淡ムラとなり問題になる場合が多かった。
【0003】
また、カラー画像の要求も高くなってきている。カラー画像には、白黒画像に比べて中間調のより忠実な画像形成が求められるため、感光体の感度ムラによる画像品質の劣化は一般のユーザーの要求を満足できるものではなかった。
【0004】
さらに、画像形成装置の小型化の要求から、用いられる感光体も小径のものが用いられる傾向にあるが、小径の感光体を画像形成に用いる場合、感光体に感度ムラが存在すると、一枚の画像の中に、感光体の感度ムラに伴う濃度ムラが感光体の周長毎に複数生じてしまうため、画像品質は著しく低下してしまっていた。
【0005】
感光体の感度ムラは、感光体の各層の塗布ムラ、感光体の基体の表面状態の偏り等により発生してしまうため、感度ムラを完全になくすことはほとんど不可能に近い。従来のように、白黒の文字の画像形成や、解像度が低いうちは感光体の感度ムラはほとんど問題になることはなかったが、書き込み画像の解像度が高く、カラー画像のように中間調を多用した画像では、感光体の感度ムラは無視できないものとなってきた。
【0006】
本発明の従来技術として、a−Si感光体の感度分布に従って、露光光量を補正し、良質な画像形成を行う画像形成装置という技術開示は知られており、シェービング補正のように、感光体の長手方向の感度分布に対応して、露光光量を補正することは一般に行われている(例えば特許文献1参照)。
【0007】
しかしながら、感光体の画像形成域全体に渡って、感度分布を測定することは非常に困難であるため、潜在的に開示の画像形成装置は単なる希望でしかなく、画像形成域全体の感度分布を測定する方法の開示はない状況である。
【0008】
一般に感光体の感度測定は感光体を帯電後、一定量の光量の光を露光したときの感光体の電位あるいは感光体が一定量の電位に達する書き込み光の光量を測定することにより求められる。感光体の多くは円筒状であるため、感光体を回転させながら帯電、露光を行い、感光体の円周方向の表面電位を測定する方法が普通である。
【0009】
しかし、感光体と表面電位計の距離は一定でないと表面電位の測定精度が悪くなるため、表面電位計を固定して、表面電位と感光体との距離を一定に保ち、感光体を回転させながら感光体の表面電位を求める必要があった。このような方法では、感光体の周方向の一部のみしか感度分布を測定できない。
【0010】
感光体の画像形成域全面の感度を測定するため、表面電位計を感光体の鉛直方向に沿って複数並べ、広範囲の感光体の表面電位を測定することも可能であるが、表面電位計の配置には、物理的な限界があるとともに、表面電位計を近接して配置するとそれぞれの表面電位計が干渉し合い、正確な感光体の表面電位を測定することができない。そのため、感光体の画像形成域全面の感度を測定するには、実質的には感光体の感度分布を非常に粗いマトリックスでしか求めることはできず、高画質化のため、感光体の画像形成域全面に渡って、100mm以下の領域に分割して測定することは不可能であった。
【0011】
表面電位計の位置を微細に変えながら表面電位を測定することもできるが、多大な労力をかける必要があり、また、一箇所の感光体の感度を測定する度に、帯電、露光を繰り返すため、感光体の静電特性が最初の測定と、測定を繰り返した後で異なることが多く、感光体が本来持っている感度ムラなのか、測定を繰り返したために生じた感度ムラなのか判定が難しくなることが多かった。
【0012】
電子写真法により画像形成された画像の濃度は、感光体上の電荷量あるいは電界強度に応じて変化するため、感光体表面を均一に帯電し、一定の光量の光を感光体に露光して画像形成した画像の濃度分布は、理論的には感光体の感度分布を表すことになる。
【0013】
しかしながら、一般に、電子写真はレーザーやLEDなどによる主走査方向への1次元光書き込みと、感光体を副走査方向へ機械的に移動させることで2次元画像を形成させるため、書き込み装置の調整が完全でなければ、2元画像には主走査方向または副走査方向のノイズが発生し易く、均一な濃度または緩やかなグラデーションをもつ画像領域で顕著になる特徴がある。
【0014】
実際の画像には、各画像形成工程には回転ムラ等により、所謂バンディング等の横スジや、縦スジ等の感光体には起因しない異常画像が重畳されてしまう場合が多く、この横スジや縦スジは、不定期に発生し、しばしば感光体の感度分布による画像の濃度ムラと同等以上になってしまうことが多かった。特に、高解像度の画像形成装置に用いる感光体の感度分布に起因した画像の僅かな濃度ムラよりも、感光体に起因しないノイズの濃度ムラの方がはるかに大きくなる場合がほとんどであるため、マクベス濃度計等により画像の各箇所の画像濃度を測定しても、感光体の感度ムラに起因する画像濃度差を測定することは極めて難しい場合がほとんどであった。
【0015】
理想的には、画像形成装置のノイズを無くすべく、画像形成装置のメンテナンスを十分行うことができれば、画像から感光体の感度ムラを測定することは可能ではあるが、現実にはノイズを完全に無くすことは難しく、また感光体の感度分布の測定が要求される場合は、画像形成装置が不完全である開発途中であることが多いため、ノイズが重畳することは避けることができず、そのため、画像形成した画像から感光体の感度ムラを求める場合には、画像形成した画像から、感光体に起因しない濃度ムラを除去することが必須であった。
【0016】
画像の濃淡ムラを検出する従来技術として、カラーフィルタなどの検査を目的として、画像領域を2つ以上の領域に分割し、各領域の濃度平均と全体平均との差と、別途設定した敷居値とを比較することで、ムラ領域を特定するものがある(例えば特許文献2参照)。
【0017】
しかしながら、この方法では、ノイズが重畳した画像から、わずかな濃淡ムラを検出することはできないため、画像形成した画像から、感光体の感度ムラに起因する画像を十分に抽出することはできなかった。
【0018】
また、カラーフィルタのムラ検出を目的とした点状ムラの検出感度を向上させる濃淡ムラ検出法に関するものがある。この方法は、注目画像領域の平均輝度値と、該領域を取り囲むように設定されるドーナッツ状領域の平均輝度値との差を算出し、別途設定される閾値と比較してムラ領域を検出するものであった(例えば特許文献3参照)。
【0019】
しかしながら、この方法でもノイズが重畳した画像から僅かな濃淡ムラを検出することは困難であるため、画像形成した画像から、感光体の感度ムラに起因する画像を十分に抽出することはできなかった。
【0020】
また、画像ノイズを除去する方法としては、平滑化フィルタなどが有名である。しかしながら、この方法はノイズを除去するのではなく画像内へノイズを拡散させ目立たなくさせるだけであり、フィルタサイズ以上の広がりを持つノイズに対しては効果がなかった。
【0021】
従って、画像形成した画像情報から、詳細な感光体の感度ムラを求めることはできず、他の方法でも感光体の画像形成域にわたって詳細な感光体の感度ムラを求めることはできなかった。
【0022】
また、感光体上の電荷量あるいは電界強度は露光量とは線形の相関が存在しないため、単に一枚の画像では有用な感度の測定を行うことができなかった。
【0023】
感光体の感度分布が分れば、例えばシェービング補正あるは前記特許文献1に記載のように書き込み光の露光量を補正して感光体の感度ムラによる濃淡ムラを抑制する方法が考えられるが、前述のように、感光体の画像形成域全面に渡って感光体の感度分布を高密度に求めること自体が難しいため、希望でしかなかった。
【0024】
有機感光体では感光体の電荷発生層、電荷輸送層等の各層の膜厚ムラにより感度ムラが生じる。電荷発生層の膜厚ムラは、肉眼で認識できるため、目視検査等により、比較的容易に感度ムラの大きな感光体を選別することができる。しかし、電荷発生層は一般にほとんど透明であるため、目視検査による選別はほとんどできない。電荷輸送層による感度ムラは感度ムラは書き込み光の解像度が低いうちはほとんど問題になることはないが、書き込み光の解像度が1000dpiを越えると、感光体の感度ムラが書き込み画像に重畳され、問題になりやすいものの、このときの感度ムラは非常に小さく、従来の方法では測定できないため、画像試験により感光体を選別するしか方法がなかった。
【0025】
【特許文献1】
特開2002−67387号公報
【特許文献2】
特開2000−2621号公報
【特許文献3】
特開2001−243473号公報
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、上記従来技術では感光体の画像形成域全面に渡って感光体の感度分布を高密度に求めること自体が難しく、書き込み光の解像度が1000dpiを越えると、従来の方法では測定できないという問題がある。
【0027】
そこで本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、感光体の感度分布を画像形成域全面にわたって測定し、感光体の感度分布に従い、高画質の画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、画像形成装置が、感光体に設けられた感光体の識別手段により感光体の感度分布データを入手し、該感光体の感度分布データに従い、感光体への書き込み光を補正する画像形成装置を最も主要な特徴とする。
【0029】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の画像形成装置の感光体の感度分布データが、感光体の画像形成域全面を100mm以下の面積に分割し測定して得た各場所の感度分布データである画像形成装置を主要な特徴とする。
【0030】
請求項3記載の発明では、請求項1または2記載の画像形成装置の感光体の感度分布データを、感光体に設けられた感光体の識別コードを用いて、インターネットを通じて入手する画像形成装置を主要な特徴とする。
【0031】
請求項4記載の発明では、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置の感光体が、感光体の画像形成を行う場所を特定するための手段を有している画像形成装置を主要な特徴とする。
【0032】
請求項5記載の発明では、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置の円筒状感光体の円筒の直径が50mm以下である画像形成装置を主要な特徴とする。
【0033】
請求項6記載の発明では、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置の書き込み画像の解像度が1000dpi以上である画像形成装置を主要な特徴とする。
【0034】
請求項7記載の発明では、請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置の感光体の感光層の膜厚が5μm以上15μm以下である画像形成装置を主要な特徴とする。
【0035】
請求項8記載の発明では、請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置がカラー画像形成装置である画像形成装置を主要な特徴とする。
【0036】
請求項9記載の発明では、請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置の感光体の感度分布が、感光体を搭載した画像形成装置を用いて、感光体を均一に帯電し、均一な露光量の書き込み光で露光し、現像、転写、定着を行った画像の感光体の感度を代表し得る画像情報から求めた画像形成装置を主要な特徴とする。
【0037】
請求項10記載の発明では、請求項9記載の画像形成装置の感光体において、感光体を搭載した画像形成装置で、感光体を均一に帯電し、均一な露光量の書き込み光で露光し、現像、転写、定着を行った画像の、感光体の感度を代表する画像情報が方向性を有するノイズを有し、該画像情報の任意の注目画素について、該注目画素を通りノイズの発生方向に所定領域の平均値を算出し、該注目画素値より該平均値を減算した値を感度を代表する感度値として、感光体の感度分布を求めた画像形成装置を主要な特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明者らは、感光体の感度分布を画像形成域全面にわたって、詳細に測定するためには、一定の光量の書き込み光を感光体の画像形成域全面にわたって露光し、画像形成した画像から、感光体に起因しないノイズの画像を除去することができれば、感光体の感度分布による画像を抽出することができることを見い出した。更に、抽出した画像から感光体の感度分布を求めることができ、その感光体の感度分布に従い、書き込み画像の光量を補正することで、非常に高品質の画像が得られることが可能であることをも見い出した。
【0039】
しかしながら、一般に、画像形成装置を製造、販売する際には、感光体は画像形成装置にセットされているものの、メンテナンス等によって、感光体は頻繁に交換されるため、画像形成装置と感光体が一対一の関係ではない。
【0040】
そこで本発明者らは、感光体は、それ自身が持つ感度分布を識別するための手段を有する必要があり、その識別手段に従って、感光体自身の感度分布を入手し、その感光体の感度分布に従って書き込み画像の光量を補正すればよいことに着眼し、その結果本発明に至った。
【0041】
即ち、本発明は画像形成装置が、感光体に設けられた感光体の識別手段により感光体の感度分布を入手し、該感光体の感度分布に従い、感光体への書き込み光を補正することを特徴とする画像形成装置である。
【0042】
本発明の画像形成装置における感光体の識別手段は、例えばバーコード、ナンバーコードあるいは物理的、電気的、電気化学的、磁気的方法等を例示することができ、光学的、電気的、電気化学的、磁気的手段で識別コードを読み取ることができる。この識別手段によって、インターネット、通信回線、LAN等を通じて、感光体の感度分布を入手することができ、中でも、インターネットによれば、大容量、高速のサーバーに感光体の識別手段と伴に、その感光体の感度分布を記憶させておけば、容易かつスムーズに感光体の感度分布を画像形成装置は入手することができる。
【0043】
本発明の画像形成装置の感光体の感度分布は、画像形成域全面を100mm以下、好ましくは50mm以下、より好ましくは0.01〜25mmの領域に分割したときの各場所の感度分布であり、その感度分布に従い、書き込み光の露光量を補正することを特徴とする画像形成装置である。
【0044】
感光体の感度分布が100mmを超える分割であると、感光体の感度ムラを正確に表現することが非常に難しくなり、結果、画像形成装置の画像品質はあまり向上することができない。
【0045】
この感光体の感度分布は、好ましくは半導体素子、磁気メモリー、光メモリーなどのメモリーによって、感光体が記憶し、画像形成を行う際に、取り出し用いることができる。また、メモリーは画像形成装置に感光体の感度分布を転送した後、感光体に付随してもいいし、取り外しても良い。
【0046】
本発明の画像形成装置の書き込み画像の解像度としては、どのような場合であっても高画質の画像形成を行うには大変好ましいが、特に書き込み光の解像度が1000dpi以上、好ましくは1200以上、さらに好ましくは1500〜3000dpiの高解像度の場合には効果が高い。
【0047】
感光体の感度分布を測定する手段としては、従来の方法に従い、根気良く測定しても良いが、多大な労力をかける割には非常に精度が悪いためあまり好ましくない。
【0048】
本発明では感光体を均一に帯電、露光、現像し、出力媒体上に転写、定着を行うことにより得られた画像情報より、感光体に起因しないノイズを除去した画像情報を感光体感度に変換することにより行うことができる。感度分布測定では、感光体の画像形成域全面を100mm以下、好ましくは50mm以下、より好ましくは0.01〜25mmの領域に分割し、分割した各領域の感度を測定することができる。
【0049】
また、出力媒体上に転写、定着を行った画像情報以外にも、感光体を帯電、露光、現像した感光体上の画像情報は、転写、定着のノイズを含まないため、より精度の高い感光体の感度分布が得られる利点がある。画像情報は、マイクロデンシトメーター、スキャナー、電子スチルカメラ、ビデオカメラ等の画像入力装置によりコンピュータ上に、出力画像の光学情報(たとえば、輝度、反射率、濃度、明度、色度など)を取り込み、感光体に起因しないノイズを除去し感光体の感度分布を求めることができる。
【0050】
画像形成装置に用いる本発明の感光体の感度分布の測定に関し、一例を説明する。感光体を均一に帯電、露光、現像し、紙に転写、定着を行うことにより得られた画像をスキャナーにより電子化した画像が、図8に示すような方向性を持った画像である。斯かる画像は、画像ノイズまたは画像構造が感光体の感度分布に由来するわずかな濃淡変化を持った画像に重畳した画像である。
【0051】
この画像から、方向性をもったノイズまたは画像構造を除去し、画像内のわずかな感光体の感度のバラツキに由来する濃淡変化を検出することが、図9および図11に示すフローチャートにより可能になる。
【0052】
図9のP(x,y)(ただし、x=1〜N、y=1〜M、(N、Mは正の整数))は、処理を行う対象画像中の任意の画素を示している。実際には対象画像の全画素に対して同様の処理を行うものである。ここで、方向性を持ったノイズの発生方向は既知であるとし、説明上y方向のノイズが発生している場合について説明する。画像データP(x,y)が入力され(S1)、注目画素P(x,y)を通るy方向の2n+1画素の平均値Pave(x,y)を算出する(S3)。一方、画像全体の平均値Paveも算出する(S4)。注目画素P(x,y)に対し、次式で表される演算を施す(S5)。
【0053】
【数1】
Figure 2004233694
【0054】
上記演算を、x=1〜N、y=1〜Mについて繰り返す。Pave(x,y)の演算において、y<0またはy>Mとなる場合、Pave(x,y)=0としても良いし、Pave(x,y)=Pave(x,0)またはPave(x,M)としてもよい。両端における処理を本発明は規定するものではない。また、画像全体の平均値Paveは、処理後の画像の平均濃度を処理前の画像とほぼ等しくするために加算しているが、ノイズ除去後の画像の濃淡変動のみが必要な場合には、必ずしもPaveを加算する必要はないし、Paveの代わりに任意の値を用いてもよい。
【0055】
本発明では、上記(1)式において、注目画素P(x,y)を中心に、y方向に±n画素を用いて平均値Pave(x,y)を算出しているが、これに限定するものではなく、注目画素を通るy方向のk画素(kは整数)の平均値を算出すればよい。しかしながら、ノイズの除去精度を確保するためにはなるべく注目画素が平均を算出する範囲内の中心にあることが好ましい。
【0056】
また、平均化を行う注目画素を通るy方向のk画素の大きさを、本発明は限定するものではないが、小さすぎても大きすぎても十分なノイズ除去は行えない。注目画素に対して、高い相関が得られる範囲に設定する必要がある。
【0057】
つぎに、図8に示すようにy方向のみならずx方向にもノイズが発生している場合、(1)式によりy方向のノイズ除去を行った画像P’(x,y)に対し、(1)式と同様の処理を行えばよい。つまり、
【0058】
【数2】
Figure 2004233694
で表される処理を実施する。
【0059】
前記(1)式および(2)式は、説明のためx方向およびy方向のノイズについて説明を行ったが、これに限定されるものではなく、斜め方向のノイズに対しても同様に除去することが可能である。
【0060】
いずれにしても、これにより方向性を持ったノイズ成分を除去し、ノイズ成分に隠れていたわずかな濃淡情報を検出することができる。このようにして得られたわずかな濃淡情報から、感光体上の電荷量あるいは電界強度に変換することで、感光体の感度分布を測定することができる。前述のように感光体上の帯電量あるいは電界強度は露光量と線形関係にはないため、中間調付近で複数の露光量について感度分布を測定しておくことが必要である。
【0061】
前述のように感光体は、支持体上に感光層を含む複数層からなる塗膜が形成されている。前記感光体を用いて画像を出力した場合、これら塗膜の膜厚や表面状態の不均一により、画像内にわずかな濃淡ムラが発生する。発生する濃淡ムラは、感光体の製造方法により大きく左右されるが、スプレー塗工法の場合には、塗布液が霧状に塗布されるため、1〜20mm程度の塗布ムラが発生しやすく、浸漬塗工法では画像内になだらかな濃淡が発生しやすい。
【0062】
ここで、ノイズを除去するには、種々のものが考えられる。たとえば、メディアンフィルタを主走査方向と副走査方向に適用することによりスパイク状のノイズを除去することができる。また、高速フーリエ変換(FFT)を行い、感光体の濃淡ムラ周波数以外の帯域成分を除去してもよい。しかしながら、本発明はノイズの除去に限定されるものではない。
【0063】
電子写真で発生する主走査・副走査方向のノイズは、必ずしもスパイク状のノイズだったり高周波ノイズばかりではなく、低周波ノイズも発生する。そうした画像に対しては、メディアンフィルタやFFTによるノイズ除去では、方式上低周波ノイズの除去は困難であった。
【0064】
次に本発明の画像形成装置に用いる感光体の感度分布測定装置の構成例を図10に示す。図10の画像処理装置R1は、スキャナやデジタルカメラまたはマイクロデンシトメータ等の画像の光学情報を電気信号へ変換する入力装置R2と、前記入力装置により電気信号に変換された画像の光学情報を記憶するRAMやハードディスク等の記憶媒体からなる画像記憶部R3と、前記記憶媒体に記憶された画像データを読み出し、画像の平均値を算出する平均値算出部R4と、主走査x方向および副走査y方向のノイズ除去処理を行う演算処理部R5、R6と、前記ノイズ除去処理に必要な演算パラメータを保存するパラメータ記憶部R7と、ノイズ除去後の画像を表示するためのCRT、液晶モニタ等の画像表示部、または結果を記憶するハードディスクやフロッピィーディスク、CD−R等の記憶媒体よりなる処理後画像記憶部R8とから構成されている。
【0065】
ノイズ除去後の画像は、その画像を形成したときの露光量に対する感光体の感度分布を反映している。感度分布として、ノイズ除去後の画像情報(濃度、輝度)に対応させて、露光後の感光体上の電荷量あるいは電界強度を表示しても良いし、感光体上の露光後の感光体上の電荷量あるいは電界強度に従って、画像情報を変換させても良い。
【0066】
ここでは画像情報は紙に転写、定着したものを用いたが、画像形成装置の感光体上の転写前の画像情報を前記入力装置により電気信号に変換する場合も、同様な装置とすることができる。
【0067】
前記入力装置は、画像処理装置には必ずしも必要はなく、読み取られた画像情報を記憶できる記憶媒体が少なくともあればよい。
【0068】
次に、X方向ノイズ除去部R5のデータ処理のフローチャートを図11に示す。図10の画像記憶部R3に記憶された画像データを、一旦、ノイズ除去用の画像データ記憶部F0にコピーし記憶する。画像データ記憶部F0に記憶された画像データを用いて、画像平均値算出部F1で画像の全体平均値を算出する。
【0069】
つづいて、注目画素決定部F2でノイズ除去を行うべき画像中の画素を決定し、周辺画素平均値算出部F3において、注目画素を通るx方向の周辺画素の平均値を算出する。注目画素補正部F4では、前記(1)式に記した補正を実施し、補正後画像データ記憶部F5に記憶する。その後、処理終了判定部F6において、ノイズ除去処理を終了するか否かを判断し、継続する場合は、注目画素決定部F2以降の処理を繰り返す。
【0070】
y方向ノイズ除去部R6の構成は、x方向ノイズ除去部R5と同様であるので説明は省略する。ノイズの発生方向が、1方向のみである場合にはノイズ除去部R5またはR6のいずれか一方のみがあればよい。また、ノイズの発生方向はx方向およびy方向に限定するものではなく、任意の方向であってもかまわない。その場合には、予め図示しない画像変換手段により、ノイズ方向がxまたはy方向と一致するように回転処理を行うことで、同一装置により処理が可能である。
【0071】
以上、本発明の画像形成装置の感光体への書き込み光の補正についての説明をしたが、以下に本発明を適用する感光体及び画像形成装置について具体的に説明する。
【0072】
まず、本発明の画像形成装置に適用する感光体について説明する。感光体は、導電性支持体の上に感光層が設けられている。感光層の構成は電荷発生材と電荷輸送材を混在させた単層型、あるいは電荷発生層の上に電荷輸送層を設けた順層型、あるいは電荷輸送層の上に電荷発生層を設けた逆層型がある。また、感光層の上に保護層を設けることもできる。
【0073】
感光層と導電性支持体の間には下引き層が設けられていてもよい。感光体の感度ムラを発生させる原因としては、感光体の各層の表面状態、各層の膜厚が不均一な場合に発生する。
【0074】
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、例えば特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
【0075】
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性支持体として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
【0076】
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(R)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
【0077】
本発明の画像形成装置に適用する感光体は、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層から構成され、それぞれの層が一体となった単層についても用いることができる。電荷発生層は、種々の電荷発生材料が使用可能である。その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、種々のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。
【0078】
電荷発生層は、電荷発生材を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
【0079】
必要に応じて電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。中でも、ポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアセタールは良好に使用される。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
【0080】
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
【0081】
電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0082】
電荷輸送層は、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電荷輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
【0083】
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、又は2種以上混合して用いられる。
【0084】
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0085】
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜100μm程度とすることが好ましく、特に5〜15μm、特に好ましくは5〜13μmとすることで高解像度の画像形成が可能となる。5〜15μmの感光体は高解像度の画像形成が可能である反面、感光体自身が有する感度分布に従い、濃淡ムラの異常画像を発生しやすいため、感光体が感度分布を記憶していることは高画質の画像形成を行う上では非常に重要になる。
【0086】
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
【0087】
本発明の画像形成装置に適用する感光体においては、電荷輸送層中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいは、オリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
【0088】
本発明の画像形成装置に適用する感光体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
【0089】
これらの下引き層は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の画像形成装置に適用する感光層の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0090】
本発明の画像形成装置に適用する感光体においては、感光層保護の目的で、保護層が感光層の上に設けられている。保護層に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
【0091】
保護層には、耐摩耗性を向上する目的で耐摩耗性粒子が含有されている。耐摩耗性粒子としてはポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂あるいは酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、チタン酸カリウム等の無機材料を分散したもの等を添加することができるが、特に、金属酸化物が耐磨耗性の観点から好ましく、粒子径が0.2〜0.8μm、好ましくは0.3〜0.7μm、特に好ましくは0.3〜0.6μmの金属酸化物の使用が、白スジ、フィルミングによる異常画像に関係する5〜50μmの大きさの傷の発生が非常に少なく、大変好ましい。また、金属酸化物の中でも、酸化アルミニウムが画像形成に伴い発生する各種不純物との反応、蓄積による画像品質の低下を起こさせることもなく、さらに、酸化アルミニウムの中でも、真空プロセスにより作製したものは、粒子径がほぼ一定で、純度も高く、大変好ましい。
【0092】
また保護層に電荷移動性をもたせるため保護層には通常電荷輸送層に含まれる電荷輸送材が含有させることで、残留電位の低下を図ることができ、好ましい。なお保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。
【0093】
本発明の画像形成装置に適用する感光体においては、感光層と保護層との間に中間層を設けることも可能である。中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく通常の塗布法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
【0094】
本発明の画像形成装置に適用する感光体の各層を積層する方法としては、浸漬塗工法、リング塗工法、スプレー塗工法、ロールコート法、ブレード塗工法等、いずれの方法も用いることができる。従来より、感光体の塗工方法では、浸漬塗工法が主に用いられてきた。浸漬塗工法は量産性に優れ、滑らかな表面形状の感光体を得ることができるものの、大量の塗工液を必要とするため、数ヶ月以上の塗工液の長期安定性が求められる。また、浸漬塗工法では、塗膜が重力によりずり落ちることは原理的にさけられないため、上下方向にロングレンジの膜厚傾斜を持ちやすく、特に塗工開始側には比較的大きな膜厚傾斜を持ちやすい。前述のように多くの感光体では複数の層を積層して製造されるが、浸漬塗工法では、下層が上層の塗工液に接触する時間が長いため、下層が上層の塗工液に溶解する場合には、上層を塗工することができなかった。
【0095】
一方、スプレー塗工法は、量産性にやや劣るものの、塗工液の安定性が悪い場合においても、塗膜形成が可能である。また、上層の塗工液が下層に接触する時間が短いため、上層の塗工液が下層を溶解する場合においても、塗膜形成が可能である。また、基体を回転させながら、スプレーガンを走査するのであれば、原理的に基体のどの場所においても、塗膜の形成のされ方は同じである。しかしながら、スプレー塗工中には、スプレーガンから霧状に噴出された塗工液が基体に到達するまでに、溶媒の蒸発、不純物の混入、塗工液の変質を受けやすく、塗工環境(温度、湿度、その他反応性ガス濃度)により塗膜の表面性、特性に差が出る場合がある。
【0096】
また、基体上に到達した塗工液が溶媒の自然蒸発により圧縮される途中で、新たな塗工液が付与される過程を経ることが避けられないため、塗工条件(塗工液の処方、塗工液の塗布量、塗布圧、塗工ブースのサイズ等)による影響を受けやすい。このため、スプレー塗工による膜形成を行った場合には、数百μm〜数十mmの大きさの斑点状の膜厚ムラを発生させやすい。レーザー光やLED光のような可干渉光を用いた画像形成装置では、感光体の膜厚ムラに対応して、画像形成された画像に濃度ムラが生じる場合があり、感光体への書き込み画像の解像度が高くなるとその傾向は一段と強くなる。
【0097】
感光体の直径は、画像形成装置の小型化を考慮すると、50mm以下、好ましくは45mm以下、さらに好ましくは10〜40mmである。感光体の直径が50mmを超えると、例えばA4横の用紙においては、従来の画像形成装置では、感光体の感度ムラに伴う濃度ムラが複数箇所生じてしまい、画像品質を著しく低下させるため、本発明の効果は高い。
【0098】
次に本発明を適用する画像形成装置に関して詳しく説明する。図1は、本発明を適用する画像形成プロセスおよび画像形成装置の詳細を説明するための概略図であり、以下に示すような変形例も本発明を適用する画像形成装置に属するものである。
【0099】
図1において、感光体1としては、前述した本発明に適用する感光層が設けられている。感光体1はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電チャージャ3、転写前チャージャ7、転写チャージャ10、分離チャージャ11、クリーニング前チャージャ13としては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)あるいは帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。
【0100】
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図1に示されるように転写チャージャと分離チャージャを併用したものが効果的である。また、画像露光部5、除電ランプ2等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
【0101】
かかる光源等は、図1に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
【0102】
さて、現像ユニット6により感光体1上に現像されたトナーは、転写紙9に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体1上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ14およびブレード15により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0103】
感光体1に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0104】
図2には、本発明を適用する画像形成装置の別の例を示す。図1で説明した内容と同一の機能を果たすものについては同一符号を用いて説明するものとする。感光体1は本発明に適用される感光層を有しており、駆動ローラ17により駆動され、帯電器3による帯電、光源5による像露光、現像(図示せず)、転写チャージャ10を用いる転写、除電ランプによるクリーニング前露光、クリーニングブラシ14によるクリーニング、除電ランプ2による除電が繰返し行なわれる。
【0105】
図2においては、感光体1(勿論この場合は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
【0106】
以上の図示した画像形成プロセスは、本発明に適用する画像形成装置の実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、図2において支持体側よりクリーニング前露光60を行っているが、これは感光層側から行ってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行ってもよい。
【0107】
一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
【0108】
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として図3に示すものが挙げられる。図3においても図1で説明した内容と同一の機能を果たすものについては同一符号を用いて説明した。
【0109】
本発明が適用される画像形成装置の書き込み光の波長は、特に制限はないが、700nm以下、好ましくは675nm以下、特に好ましくは350〜600nm以下の波長の光によれば、高解像の書き込み画像を実現することができる反面、濃度ムラが発生しやすいため、感光体の感度分布に従って、書き込み光の露光量を補正することが非常に重要となる。
【0110】
本発明の画像形成装置の書き込み画像の階調再現方法としては、特に制限はないが、多値方式による階調再現方法においては、画素の濃度が多段階に設定されるため、従来の感光体を用いた画像形成装置では濃淡縞が目立ちやすく、特にパルス幅変調、パワー変調あるいはパルス幅変調とパワー変調を組み合わせた場合、その傾向が極めて高かった。しかし、本発明の画像形成装置では、多値方式による階調再現方法であっても、濃淡ムラが発生することはない。
【0111】
ところで、図4(1)のような構成の画像形成装置においては、上記クリーニング装置のクリーニングブラシ15を、感光体1の表面にステアリン酸亜鉛を付与するためのステアリン酸亜鉛付与手段として利用することが、該ステアリン酸亜鉛付与手段の設置に伴う装置の大型化やコストアップを回避する上で効果的である。
【0112】
そこで、本発明を適用できる画像形成装置では、図4(2)に示すように、上記クリーニング装置のクリーニングブラシ15に、ステアリン酸亜鉛の固形潤滑剤18を当接配置し、該クリーニング装置のクリーニングブラシ15を用いて、感光体1の表面にステアリン酸亜鉛を塗布するように構成した。この図4に示す例では、上記クリーニングブラシ15に該固形潤滑剤18を直接当接させた構成としたが、この固形潤滑剤18のステアリン酸亜鉛を感光体表面に塗布する構成としては、図4(2)に示すように、上記クリーニングブラシ15に当接配置された塗布ローラ20の周面に、該固形潤滑剤18を当接配置し、塗布ローラ20を介して、該クリーニングブラシ15にステアリン酸亜鉛を供給するように構成してもよい。
【0113】
ここで、この画像形成装置では、ステアリン酸亜鉛を主成分とする材料を溶融し、冷却固化させたものを固形潤滑剤18として用いた。この固形潤滑剤18は、クリーニングブラシ15のブラシ繊維によって約1μm程度のステアリン酸亜鉛の微粒子として削り取られ、該ブラシ繊維から感光体表面に塗布される。その後、該固形潤滑剤18の微粒子は、クリーニングブレード19の感光体1への当接圧力によって感光体表面に比較的強固に付着する。現像効率を考慮すると、感光体1上のステアリン酸亜鉛の塗布量は必要最小限にすることが望ましい。そこで、この画像形成装置では、ソレノイドなどを用いた接離機構(図示せず)によって、上記クリーニングブラシ15に対して上記固形潤滑剤18を接離可能に構成した。
【0114】
また、上記ブラシローラ15としては、炭素含有アクリル繊維による360デニール/24フィラメント、5万本/inch、毛足長さ5ミリ程度の直毛ブラシを用いた。このクリーニングブラシ11として、ブラシ繊維がループ状に形成されたループブラシを用いると、該ブラシ繊維による上記固形潤滑剤18の削り量が多くなり、感光体表面へのステアリン酸亜鉛の塗布量が過多になってしまうためあまり好ましくない。また、該直毛ブラシからなるクリーニングブラシ11の植毛密度や繊維の太さなどは、感光体1の線速、径、材質、および上記固形潤滑剤18の材料などにより、該感光体1へのステアリン酸亜鉛の供給量が最適となるように決定される。
【0115】
本発明を適用できる画像形成装置に用いるトナーとしては、忠実で、高画質な画像形成を行う上では、平均粒子径が8μm以下、好ましくは7μm以下、さらに好ましくは1〜6.5μmである。トナーの平均粒子径が8μm以下であると、非常に高画質な画像形成が可能であるが、感光体固有の情報も書き込み画像に重畳されて画像形成されやすいため、従来の感光体を用いた画像形成装置では、濃淡縞による異常画像が極めて起こりやすかったが、本発明の画像形成システムを用いた画像形成装置ではほとんど起きることはない。
【0116】
本発明の画像形成装置を適用する画像形成装置は、単色及び、多色、カラー画像形成いずれにおいても、濃淡縞の発生のない、高品質な画像形成が可能である。一般に、カラー画像は、単色の画像形成よりもより書き込み画像に忠実な画像形成を要求されることが多く、それぞれの色を重ね合わせて画像形成が行われるため、濃淡縞が発生する場合、感光体固有の情報が書き込み画像に重畳されて画像形成されるため、大変問題になりやすい。しかし、本発明の画像形成装置は、カラー画像形成においても、高品質の画像形成が可能である。
【0117】
本発明を適用する画像形成装置における、カラー画像形成方法としては、複数の色のトナー像を感光体上に形成後、順次出力媒体(多くの場合紙)へ転写し画像形成を行う方法、あるいは複数の色のトナー像を感光体上に形成後、中間転写体上に各色のトナー像を順次積層し、積層されたトナー像を出力媒体へ転写し画像形成を行う方法いずれも可能であるが、画像濃度が高い場合の画像品質の向上、色ずれの防止、転写効率の向上、出力媒体への柔軟な対応が可能な中間転写体を経由した画像形成、特に中間転写体として中間転写ベルトを経由した画像形成が形成される画像品質が高く好ましい。
【0118】
中間転写ベルトは、従来から弗素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等が使用されてきていたが、近年ベルトの全層や、ベルトの一部を弾性部材にした弾性ベルトが使用されてきている。
【0119】
ところで、樹脂ベルトを用いたカラー画像の転写は以下のような課題がある。カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層〜4層までのトナー層が形成されている。又、トナー層は1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、2次転写(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過することで圧力を受け、トナー同士の凝集力が高くなる。トナー同士の凝集力が高くなると文字の中抜けやベタ部画像のエッジ抜けの現象が発生しやすくなる。
【0120】
樹脂ベルトは硬度が高くトナー層に応じて変形しないため、トナー層を圧縮させやすく文字の中抜け現象が発生しやすくなる。また、最近はフルカラー画像を様々な用紙、例えば和紙や意図的に凹凸を付けや用紙に画像を形成したいという要求が高くなってきている。しかし、平滑性の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやすく、転写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるために2次転写部の転写圧を高めると、トナー層の凝縮力を高めることになり、上述したような文字の中抜けを発生させることになる。
【0121】
弾性ベルトは次の狙いで使用される。弾性ベルトは樹脂ベルトより硬度が低いため、転写部でトナー層、平滑性の悪い用紙に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形するため、過度にトナー層に対して転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ文字の中抜けの無い、平面性の悪い用紙に対しても均一性の優れた転写画像を得ることが出来る。
【0122】
特に、中間転写ベルト上に形成されるトナー像の最大厚みが30μmを越えるような場合では、従来の弾性のない中間転写ベルトでは画像の中抜けの問題が生じやすかったが、弾性ベルトを用いた中間転写ベルトでは、そのような問題はほとんど発生することなく、高画質の画像形成が可能となる。
【0123】
弾性ベルトの樹脂はポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE、PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
【0124】
また、弾性ベルトに使用される弾性材ゴム、エラストマーとしては、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
【0125】
必要に応じて中間転写体に添加される抵抗値調節用導電剤に特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物、導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。上記導電剤に限定されるものではないことは当然である。
【0126】
中間転写体の表層材料に制限はないが、転写ベルト表面へのトナーの付着力を小さくして2次転写性を高めるものが要求される。たとえばポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、たとえばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上または粒径を異ならしたものを分散させ使用することができる。またフッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
【0127】
ベルトの製造方法は限定されるものではない。回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法、表層の薄い膜を形成させるスプレー塗工法、円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上げるディッピング法、内型、外型の中に注入する注型法、円筒形の型にコンパウンドを巻き付け、加硫研磨を行う方法があるがこれに限定されるものではなく、複数の製法を組み合わせてベルトを製造することができるのは当然である。
【0128】
弾性ベルトとして伸びを防止する方法として、伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を形成する方法、芯体層に伸びを防止する材料を入れる方法等があるが、特に製法に関わるものではない。伸びを防止する芯体層を構成する材料は、例えば、綿、絹などの天然繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維などの合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維などの無機繊維、鉄繊維、銅繊維などの金属繊維からなる群より選ばれる1種あるいは2種以上を用い織布状あるいは糸状のものができる。もちろん上記材料に限定されるものではない。
【0129】
糸は1本または複数のフィラメントを撚ったもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方であってもよい。また、例えば上記材料群から選択された材質の繊維を混紡してもよい。もちろん糸に適当な導電処理を施して使用することもできる。
【0130】
一方、織布は、メリヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であり、もちろん交織した織布も使用可能であり当然導電処理を施すこともできる。
【0131】
芯体層を設ける製造方法は特に限定されるものではない、例えば筒状に織った織布を金型等に被せ、その上に被覆層を設ける方法、筒状に織った織布を液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆層を設ける方法、糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻き付け、その上に被覆層を設ける方法等を挙げることができる。
【0132】
弾性層の厚さは、弾性層の硬度にもよるが、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂の発生しやすくなる。又、伸縮量が大きくなることから画像に伸びちじみが大きくなること等から厚すぎることは好ましくない(およそ1mm以上)。
弾性層の硬度の適正範囲は10≦HS≦65゜(JIS−A)である。ベルトの層厚によって最適硬度の調整は必要となる。硬度10゜(JIS−A)未満のものは寸法精度良く成形する事が非常に困難である。これは成型時に収縮・膨張を受け易い事に起因する。
【0133】
また柔らかくする場合には基材へオイル成分を含有させる事が一般的な方法であるが、加圧状態で連続作動させるとオイル成分が滲みだして来るという欠点を有している。これが中間転写体表面に接触する感光体を汚染し横帯状ムラを発生させる事が判明した。一般的に離型性向上のために表層を設けているが、完全に浸みだし防止効果を与えるためには表層は耐久品質等要求品質の高いものになり、材料の選定、特性等の確保が困難になってくる。これに対して硬度65゜(JIS−A)を超えるものは硬度が上がった分精度良く成形できるのと、オイル含有量を含まない、または少なく抑えることが可能となるので、感光体に対する汚染性は低減可能であるが、文字の中抜け等転写性改善の効果が得られなくなり、ローラへの張架が困難となる。
【0134】
本発明の画像形成装置に適用するカラー画像形成においては、単一の感光体上に順次異なる色のトナー像を形成後、出力媒体あるいは中間転写体へ順次積層する方法、あるいは複数の感光体上にそれぞれ異なる色のトナー像を形成後、出力媒体あるいは中間転写体への転写を行う方法が例示できるが、画像形成の高速化への高いニーズに対応して複数の感光体を用いることが好ましく、特に、高品質の画像形成を行う上では、複数の感光体に、それぞれ異なる色のトナー画像を形成し、弾性を有する中間転写ベルトに各色のトナー画像を順次積層した後、出力媒体へ積層されたトナーを二次転写することにより、画像形成を行うことできるタンデム型間接転写方式が大変好ましい。
【0135】
タンデム型の画像形成装置では、複数の感光体に各色のトナー画像を形成させるため、用いる感光体の表面の断面曲線のI(S)を本発明の範囲内としなければ、特定の色の濃淡縞が発生し、不自然な画像となるため、注意が必要である。
【0136】
図5は、本発明を適用するタンデム型間接転写方式のカラー画像形成装置である。図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。複写装置本体100には、中央に、無端ベルト状の中間転写体26を設ける。又、図5に示すとおり、図示例では3つの支持ローラ27・28・29に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。
【0137】
この図示例では、3つのなかで第2の支持ローラの左に、画像転写後に中間転写体26上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置を設ける。また、3つのなかで第1の支持ローラ27と第2の支持ローラ28間に張り渡した中間転写体26上には、その搬送方向に沿って、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの4つの画像形成手段30を横に並べて配置してタンデム画像形成装置31を構成する。
【0138】
そのタンデム画像形成装置31の上には、図5に示すように、さらに露光装置32を設ける。一方、中間転写体26を挟んでタンデム画像形成装置31と反対の側には、2次転写装置33を備える。2次転写装置33は、図示例では、2つのローラ34間に、無端ベルトである2次転写ベルト35を掛け渡して構成し、中間転写体26を介して第3の支持ローラ29に押し当てて配置し、中間転写体26上の画像をシートに転写する。
【0139】
2次転写装置33の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置を設ける。定着装置は、無端ベルトである定着ベルトに加圧ローラを押し当てて構成する。上述した2次転写装置33には、画像転写後のシートをこの定着装置へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置33として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。なお、図示例では、このような2次転写装置33および定着装置の下に、上述したタンデム画像形成装置31と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置37を備える。
【0140】
さて、斯かるカラー電子写真装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台39上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス38上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
【0141】
不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス38上へと移動して後、他方コンタクトガラス38上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体および第2走行体を走行する。そして、第1走行体で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体に向け、第2走行体のミラーで反射して結像レンズを通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0142】
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ27・28・29の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体26を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段30でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写体26の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体26上に合成カラー画像を形成する。
【0143】
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
【0144】
そして、中間転写体26上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体26と2次転写装置33との間にシートを送り込み、2次転写装置33で転写してシート上にカラー画像を記録する。
【0145】
画像転写後のシートは、2次転写装置33で搬送して定着装置へと送り込み、定着装置で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置37に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
【0146】
一方、画像転写後の中間転写体26は、中間転写体クリーニング装置で、画像転写後に中間転写体26上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置31による再度の画像形成に備える。ここで、レジストローラ49は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
【0147】
一般的に中間転写方式は紙粉が感光体にまで移動しづらいため、紙粉転写を考慮する必要が少なくアースになっていても良い。また、印加電圧として、DCバイアスが印加されているが、これはシートをより均一帯電させるためDCオフセット成分を持ったAC電圧でも良い。
【0148】
このようにバイアスを印加したレジストローラ49を通過した後の紙表面は、若干マイナス側に帯電している。よって、中間転写体26からシートへの転写では、レジストローラ49に電圧を印加しなかった場合に比べて転写条件が変わり転写条件を変更する場合がある。
【0149】
さて、上述したタンデム画像形成装置31において、個々の画像形成手段30は、詳しくは、例えば図6に示すように、ドラム状の感光体40のまわりに、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62、感光体クリーニング装置63、除電装置64などを備えてなる。
【0150】
【実施例】
次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
【0151】
(実施例1)
実際に感光体を作製した実施例と、本発明により作成した感光体の品質を比較した例を示す。
下記組成の混合物をボールミルポットに取りφ10mmアルミナボールを使用し72時間ボールミリングした。
酸化チタン(CR−60:石原産業製) 50.0重量部
アルキッド樹脂
(ベッコライトM6401−50大日本インキ製) 15.0重量部
メラミン樹脂
(スーパーベッカミンL−121−60大日本インキ製)10.0重量部
メチルエチルケトン(関東化学製) 31.7重量部
このミリング液にシクロヘキサノン(関東化学製)105.0重量部を加えさらに2時間ボールミリングして下引き層用塗布液を作製した。この塗布液に直径40mm、厚さ1.5mmのアルミドラムを浸漬塗工し、135゜Cで25分間乾燥して、膜厚4.5μmの下引き層を形成した。
【0152】
続いて下記の(1)(リコー製)の電荷発生物質1.5重量部、(2)(リコー製)の電荷発生物質1.5重量部、ポリビニルブチーラール樹脂1.0部(エスレックBLS;積水化学製)、シクロヘキサノン(関東化学製)80.0重量部からなる混合物をボールミルポットに取りφ10mm瑪瑙ボールを使用し時間ボールミリングした後、さらにシクロヘキサノン78.4部とメチルエチルケトン237.6重量部を加え電荷発生層塗布液を調整した。この塗布液に下引層を積層したニッケルシームレスベルトを浸漬塗工し、130℃で20分間乾燥し、厚さ0.12μmの電荷発生層を形成した。
【0153】
【化1】
Figure 2004233694
【0154】
【化2】
Figure 2004233694
【0155】
次に下記組成の電荷輸送層塗工液を調整した。下引層、電荷発生層を積層したアルミドラムを回転させながら、電荷輸送層塗工液をスプレー塗工し、140℃で30分間乾燥し、厚さ約25μmの電荷輸送層を形成した。
【0156】
電荷輸送物質(下記式(3))(リコー製) 7重量部
【化3】
Figure 2004233694
ポリカーボネート樹脂(C−1400、帝人化成製) 10重量部
シリコーンオイル(KF−50、信越化学製) 0.002重量部
テトラヒドロフラン(関東化学製) 841.5重量部
シクロヘキサノン(関東化学製) 841.5重量部
3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール(東京化成製)0.04重量部
【0157】
感光体のフランジに、磁気パターンを印刷した。磁気パターンには、感光体の位置を示す記録の他、感光体のロットナンバーを記載しておいた。作製した感光体をIPSIO Color8000改造機(リコー製、タンデム機、書き込み画像の解像度600dpi)の黒の画像形成が可能な箇所に搭載し、全面均一に帯電を行い、露光量を6段階変化させて、黒の画像形成を行った。画像形成した画像を明度リニアな入力特性を持つスキャナにより100dpiの解像度でパソコンに電子情報として取り込んだ。取り込んだ画像情報から感光体の周方向の長さ290.3mm部分のみをトリミングした。第一図の画像処理方法を用いて、主主走査及び副走査方向のノイズを除去し、ノイズ除去後の画像を10×10画素のフィルタサイズで平滑化を行いノイズ除去画像を得た。
【0158】
画像処理前の画像と画像処理後の画像を図7に示した。処理後の画像は感光体の感度に対応した情報になっている。電子情報は画像の各座標(感光体表面の各座標)毎に画像情報(ここでは輝度)が与えられている。画像情報は輝度の他、濃度でも良い。露光量と画像濃度の関係(あるいは輝度の関係)から、感光体の各箇所の感度分布を算出した。算出した感光体の感度分布は、感光体のロットナンバーとともに、インターネットに接続しているサーバーに順次1000本の感光体を登録した。
【0159】
インターネットに接続しているIPSIO Color8000改造機(リコー製、タンデム機、書き込み画像の解像度600dpi)に作成した感光体をランダムに搭載した。感光体を搭載した箇所には、磁気読み取りセンサーが配置されており、感光体を新たにセットし、電源を投入すると、感光体のロットナンバーを読み取り、インターネットを通じて、サーバーから感光体の感度分布をIPSIO Color8000改造機に入手できるようにしている。入手した感度分布に従い、書き込み画像の露光量を補正し、画像形成ができるようにした。
【0160】
感光体を4本セットし、電源を投入し、各感光体の感度分布をIPSIO Color8000改造機が記憶したところで、カラーの風景写真をコピーしたところ、非常に高品質の画像が得られた。
【0161】
(実施例2)
実施例1において、作製した感光体をIPSIO Color8000改造機(リコー製、タンデム機、書き込み画像の解像度1200dpi)の黒の画像形成が可能な箇所に搭載し、全面均一に帯電を行い、露光量を6段階変化させて、黒の画像形成を行った。画像形成した画像を明度リニアな入力特性を持つスキャナにより200dpiの解像度でパソコンに電子情報として取り込んだ。取り込んだ画像情報から感光体の周方向の長さ290.3mm部分のみをトリミングした。図11の画像処理方法を用いて、主走査及び副走査方向のノイズを除去し、ノイズ除去後の画像を10×10画素のフィルタサイズで平滑化を行いノイズ除去画像を得た。
【0162】
画像処理前の画像と画像処理後の画像を図7に示した。処理後の画像は感光体の感度に対応した情報になっている。電子情報は画像の各座標(感光体表面の各座標)毎に画像情報(ここでは輝度)が与えられている。画像情報は輝度の他、濃度でも良い。露光量と画像濃度の関係(あるいは輝度の関係)から、感光体の各箇所の感度分布を算出した。算出した感光体の感度分布は、感光体のロットナンバーとともに、インターネットに接続しているサーバーに順次1600本の感光体を登録した。
【0163】
インターネットに接続しているIPSIO Color8000改造機(リコー製、タンデム機、書き込み画像の解像度1200dpi)に作成した感光体をランダムに搭載した。感光体を搭載した箇所には、磁気読み取りセンサーが配置されており、感光体を新たにセットし、電源を投入すると、感光体のロットナンバーを読み取り、インターネットを通じて、サーバーから感光体の感度分布をIPSIO Color8000改造機に入手できるようにしている。
【0164】
感光体を4本セットし、電源を投入し、各感光体の感度分布をIPSIO Color8000改造機が記憶したところで、カラーの風景写真をコピーしたところ、極めて高品質の画像が得られた。イエロー、マゼンタ、シアンの画像形成を行う感光体三本のみで、黒の画像形成を行ったところ、均一な画像が得られた。
【0165】
(比較例1)
実施例2において、IPSIO Color8000改造機(リコー製、タンデム機、書き込み画像の解像度1200dpi)が各感光体の感度分布に従い、書き込み光の露光量を補正しないようにして、感光体をセットし、カラーの風景写真をコピーしたが、画像の濃度が薄い部分で不自然な箇所が見られた。イエロー、マゼンタ、シアンの画像形成を行う感光体三本のみで、黒の画像形成を行ったところ、画像全面に濃度ムラが生じてしまった。
【0166】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によれば、感光体に設けられた感光体の識別手段により感光体の感度分布データを入手し、該感光体の感度分布データに従い、感光体への書き込み光を補正することを特徴とする画像形成装置により、識別手段により、感光体には最低限の記録から感光体の感度分布を入手することができ、高品質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
【0167】
請求項2によれば、請求項1記載の画像形成装置の感光体の感度分布データが、感光体の画像形成域全面を100mm以下の面積に分割し測定して得た各場所の感度分布データであることにより、高画質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することがが可能となる。
【0168】
請求項3によれば、請求項1または2記載の画像形成装置の感光体の感度分布データを、感光体に設けられた感光体の識別コードを用いて、インターネットを通じて入手することにより、感光体に多くの情報を設けることなく、感光体の感度分布を入手することができ、高品質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することが可能となる。
【0169】
請求項4によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置の感光体が、感光体の画像形成を行う場所を特定するための手段を有していることにより、感光体の感度分布に対応して適切に書き込み画像を補正することができるため、高品質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
【0170】
請求項5によれば、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置の円筒状感光体の円筒の直径が50mm以下であることにより、画像形成装置の小型化が実現でき、かつ高品質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することが可能となる。
【0171】
請求項6によれば、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置の書き込み画像の解像度が1000dpi以上であることにより、高解像度の画像でありながら、濃度ムラのない高品質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することが可能となる。
【0172】
請求項7によれば、請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置の感光体の感光層の膜厚が5以上15μm以下であることにより、高精細の画像でありながら、濃度ムラのない高品質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することが可能となる。
【0173】
請求項8によれば、請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置がカラー画像形成装置であることにより、濃度ムラのない高品質のカラー画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
【0174】
請求項9によれば、請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置の感光体の感度分布が、感光体を搭載した画像形成装置を用いて、感光体を均一に帯電し、均一な露光量の書き込み光で露光し、現像、転写、定着を行った画像の感光体の感度を代表し得る画像情報から求めたことにより、正確な感光体の感度分布から、濃度ムラのない高品質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することが可能となる。
【0175】
請求項10によれば、請求項9記載の画像形成装置の感光体において、感光体を搭載した画像形成装置で、感光体を均一に帯電し、均一な露光量の書き込み光で露光し、現像、転写、定着を行った画像の、感光体の感度を代表する画像情報が方向性を有するノイズを有し、該画像情報の任意の注目画素について、該注目画素を通りノイズの発生方向に所定領域の平均値を算出し、該注目画素値より該平均値を減算した値を感度を代表する感度値として、感光体の感度分布を求めたことにより、正確な感光体の感度分布から、濃度ムラのない高品質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する画像形成プロセスおよび画像形成装置を説明するための概略図である。
【図2】本発明を適用する画像形成プロセスと画像形成装置を説明する他の例の概略図である。
【図3】本発明を適用する画像形成プロセスに使用する公知プロセスカートリッジの概略図である。
【図4】本発明を適用する画像形成プロセスに使用する公知装置を説明する他の例の概略図である。
【図5】本発明を適用する画像形成法を説明するための公知タンデム型カラー画像形成装置の概略図である。
【図6】本発明を適用する上記タンデム型カラー画像形成装置の画像形成部の拡大概略図である。
【図7】本発明の画像処理による感度補正の効果を示す画像サンプルで、(a)は画像処理前の画像、(b)は画像処理後の画像である。
【図8】本発明の感光体の感度分布データ取得に際してのノイズ処理等の説明図である。
【図9】本発明の感光体の感度分布測定時の画像処理のフローチャートである。
【図10】本発明の感光体の感度分布測定装置の構成例を示すブロック図である。
【図11】本発明の感光体感度分布測定装置におけるノイズ除去画像処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブラシ
16 帯電チャージャ
17 駆動ローラ
18 固形潤滑剤
19 クリーニングブレード
20 塗布ローラ
21 現像ローラ
22 アジテータ
23 転写搬送ベルト
24 除電器
25 定着ローラ
26 中間転写体
27、28、29 支持ローラ
30 画像形成手段
31 タンデム画像形成装置
32 露光装置
33 2次転写装置
34 ローラ
35 2次転写ベルト
36 読取りセンサ
37 シート反転装置
38 コンタクトガラス
39 原稿台
40 感光体
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 給紙路
49 レジストローラ
50 給紙ローラ
51 手差しトレイ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
59 レジストローラ
60 クリーニング前露光
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
S1 画像データ入力
S3 画素平均値算出
S4 画像全体平均値算出
S5 注目画素値演算算出
R1 画像処理装置
R2 入力装置
R3 画像記憶部
R4 平均値算出部
R5 X方向ノイズ除去部
R6 Y方向ノイズ除去部
R7 パラメータ記憶部
R8 処理後画像記憶部
F0 補正前画像データ記憶部
F1 画像平均値算出部
F2 注目画素決定部
F3 周辺画素平均値算出部
F4 注目画素補正部
F5 補正後画素データ記憶部
F6 処理終了判断部

Claims (10)

  1. 画像形成装置が、感光体に設けられた感光体の識別手段により感光体の感度分布データを入手し、該感光体の感度分布データに従い、感光体への書き込み光量を補正することを特徴とする画像形成装置。
  2. 感光体の感度分布データが、感光体の画像形成域全面を100mm以下の面積に分割し測定して得た各場所の感度分布データであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 感光体の感度分布データを、感光体に設けられた感光体の識別コードを用いてインターネットを通じて入手することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 感光体が、感光体の画像形成を行う場所を特定するための手段を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 円筒状感光体の円筒の直径が50mm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 書き込み画像の解像度が1000dpi以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 感光体の感光層の膜厚が5μm以上15μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. カラー画像形成装置であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 感光体の感度分布が、感光体を搭載した画像形成装置を用いて、感光体を均一に帯電し、均一な露光量の書き込み光で露光し、現像、転写、定着を行った画像の感光体の感度を代表し得る画像情報から求めたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 感光体を搭載した画像形成装置で、感光体を均一に帯電し、均一な露光量の書き込み光で露光し、現像、転写、定着を行った画像の、感光体の感度を代表する画像情報が方向性を有するノイズを有し、該画像情報の任意の注目画素について、該注目画素を通りノイズの発生方向に所定領域の平均値を算出し、該注目画素値より該平均値を減算した値を感度を代表する感度値として、感光体の感度分布を求めたことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
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