JP3878427B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光体及びそれを用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像情報の高精度な再現性の要求のため、より高精細でより高解像度の画像形成が強く求められている。画像形成が高解像度の場合、画像情報以外に感光体そのものの情報が、形成する画像に出やすい。特に、書き込み光にレーザー等の可干渉光を用いた画像形成プロセスは、複写機、プリンター、FAX等のデジタル画像を形成する電子写真の分野で広く用いられているが、書き込み光に可干渉光を用いる電子写真プロセスでは可干渉光の感光体中での干渉により、画像に濃淡縞が生じてしまう問題が生じやすい。
【0003】
この濃淡縞は、感光体が2nd=mλ(n:電荷輸送層の屈折率、d:電荷輸送層の膜厚、λ:書き込み光の波長、m:整数)の関係を満たすときに書き込み光が強められて発生することが知られている。即ち、例えばλ=780nm、n=2.0とすると、電荷輸送層の膜厚が0.195μm変動する毎に一組の濃淡縞が発生することになる。濃淡縞を完全になくすためには、電荷輸送層の膜厚偏差を画像形成域全体について0.195μm以下とする必要があるが、そのような感光体を作成することは経済性の面で大変困難であるため、濃淡縞の抑制について種々の方法が提案されている。
【0004】
例えば、特開昭57−165845号公報では、a−Siを電荷発生層に用いた感光体において、アルミニウム基体上に光吸収層を設けて、アルミニウム基体での鏡面反射をなくすことにより、濃淡縞の発生を防ぐ感光体が開示されている。この手法は、a−Siのように感光体の層構成がアルミニウム基体/電荷輸送層/電荷発生層のような感光体には大変有効であるが、多くの有機感光体で見られるようなアルミニウム基体/電荷発生層/電荷輸送層の構成の感光体では効果は少なかった。
【0005】
特開平7−295269号公報では、アルミニウム基体/下引層/電荷発生層/電荷輸送層の層構成の感光体において、アルミニウム基体表面に光吸収層を設けて濃淡縞を防止する感光体が開示されているが、完全には濃淡縞を抑えることができなかった。
【0006】
基体の表面粗さのパラメータを規定した感光体(例えば特開平10−301311号公報)も提案されている。この感光体は、電子写真装置の解像度が低い場合には、濃淡縞を抑えられる場合もあるが、電子写真装置の解像度が高くなると、従来から用いられている表面粗さのパラメータ(最大高さ(Rmax)、十点平均粗さ(Rz)、中心線平均粗さ(Ra)等)で基体の表面粗さを規定しても濃淡縞は完全になくすための条件を定めることができなかった。
【0007】
特公平7−27262号公報には、円筒状支持体の中心軸を含む面で切断した凸部の断面形状が主ピークに副ピークが重畳された凸状形状である支持体を用いた感光体と、前記主ピークの1周期の大きさより小さい径で可干渉光を露光するための光学系を備えた電子写真装置が開示されている。ここで開示されている支持体は、切削加工等により比較的容易に作成することができ、一部の感光体については濃淡縞がかなり抑制される場合があった。しかし、円筒状支持体の中心軸を含む面で切断した凸部の断面形状が主ピークに副ピークが重畳された凸状形状である支持体を用いた感光体であっても濃淡縞の発生するものは数多くあった。また、この感光体の中で、前述の濃淡縞発生の関係式に従わない、微細なスジ状の異常画像が発生することも知られている。この微細なスジ状の異常画像は、感光体の基体の凹凸の周期と画像形成のための書き込み光の周期が整数倍近くになったときに生じることが多く、その発生メカニズムは定かではないが、規則的な周期的の凹凸がある基体に感光層を積層すると感光層の付着量は凸部よりも凹部の方が若干多くなってしまうと思われる。そのため、感光体の感度あるいは帯電性が基体の凸部と凹部で異なることとなり、感度あるいは帯電性の周期が画像形成のための書き込み光の周期の整数倍近くになると形成される画像の濃度が周期的に変化することとなるために生じるのではないかと考えられる。特に、電荷発生層と電荷輸送層を順次積層した積層型感光体においては、一般に電荷発生層の厚みは他の層の比べて極めて薄いため、僅かの付着量の差は、感光体の感度、帯電性を大きく変動させることにつながるものと思われる。
【0008】
この微細なスジ状の異常画像を防止するためには、▲1▼画像形成のための書き込み光の周期を一定にしない。▲2▼感光体基体の凹凸の周期を一定にしない。▲3▼基体の凹凸を覆い隠すように下引層を十分厚くする。▲4▼感光体基体の凹凸の周期と画像形成のための書き込み光の周期の差を十分大きく取る。▲5▼書き込み光のスポット径を感光体基体の凹凸よりも十分大きくすることで対処することができる。しかしながら、▲1▼の方法では、均一な画像形成そのものが難しくなり、▲2▼、▲3▼の方法では前述の可干渉光の感光体層中での干渉による濃淡縞が発生しやすい。▲5▼の方法は画像の高解像度化のためには逆の方法であり、実質的には▲4▼の方法をとらざるをえない。
【0009】
例えば特開平7−77817号公報では、基体の規則的な配列を正弦波関数に変換し、書き込み光の規則的な配列も正弦波関数に変換し、これらの正弦波関数を合成し、合成した関数の周期から切切削加工の方法を制御する基体の製造方法の開示があり、特に基体の正弦波の周期は、書き込み光の正弦波の周期の±5%の範囲外とする基体の製造方法が開示されている。しかしながら、基体の断面曲線は、複数の正弦波とノイズから構成されていることが多いため、単一の正弦波に変換すること自体が難しく、特に使い込まれた切削バイト等による切削では、この傾向が極めて強い。そのため、正弦波に変換することは不可能に近い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題を解決し、可干渉光の書き込み光による感光体中での多重反射により発生する濃淡縞画像の発生がないばかりでなく、書き込み光の周期と基体の凹凸の周期に起因する微細なスジ状の異常画像を発生することのない感光体及びそれを用いた高解像度で高品質な画像形成が可能な画像形成装置を提供することをその課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは高解像度で高画質な画像形成が可能な感光体及び画像形成装置を提供すべく、感光体基体の凹凸の周期と可干渉光である画像形成のための書き込み光のピッチとの関係で発生する濃淡縞を抑制する感光体について鋭意検討を重ねた結果、感光体基体の断面曲線をフーリエ変換することで基体の断面曲線を構成する種々の波をそれぞれの波の波長とパワーに容易に分解でき、その波の中でも最もパワーの大きな波の周期についてのみ考慮すれば良いこと見出した。即ち、濃淡縞が発生するとすればその濃淡縞は最もパワーの大きな波に起因するものであり、最もパワーの大きな波以外の波は、ノイズ成分でパワーが小さいため、これらパワーの小さな波に起因する濃淡縞が発生したとしても非常に弱くほとんど無視することができるためである。
さらに、濃淡縞の抑制について詳細に検討を重ねた結果、より厳密には、感光層の基体側界面の最もパワーの大きな波の周期と書き込み光のピッチの関係で、微細なスジ状の異常画像が発生することを見出した。
【0012】
本発明は、上記検討結果によりなされたものであり、下記の技術的手段の採用により、前記課題を解決したものである。
(1)基体上に少なくとも感光層を設けた感光体において、感光層の基体側界面が正弦波成分とノイズ成分からなり、基体の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数)により導出したパワースペクトルS(n/(N・Δt))において、1〜N/2の範囲でパワースペクトルS(n/(N・Δt))が最大となるnの値(nmax)と、可干渉光である画像形成のための書き込み光のピッチWlの関係が、(N・Δ/nmax)>1.05d・Wl又は(N・Δ/nmax)<0.95d・Wlであり、該基体上に少なくとも下引層を介して感光層を設けたことを特徴とする感光体。(ここで、dは(N・Δ/nmax)/Wlの値の小数点以下を四捨五入した整数である。ただし、(N・Δ/nmax)/Wl<1の場合はd=1である)
【数7】
Figure 0003878427
(ここで、n、mは整数、N=2p、pは整数である)
【数8】
Figure 0003878427
(2)Δtが0.01〜50.00μm、Nが2048以上であることを特徴とする上記(1)に記載の感光体。
(3)下式(数)により導出したI(S)が6.0×10−3以上であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の感光体。
【数9】
Figure 0003878427
(4)(N・Δt/nmax)≦200であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の感光体。
(5)基体上に下引層を介して感光層を設けた感光体において、下引層表面の断面曲線が正弦波成分とノイズ成分からなり、基体の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数10)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数11)により導出したパワースペクトルS(n/(N・Δt))において、1〜N/2の範囲でパワースペクトルS(n/(N・Δt))が最大となるnの値(nmax)と、可干渉光である画像形成のための書き込み光のピッチWlの関係が、(N・Δ/nmax)>1.05d・Wl又は(N・Δ/nmax)<0.95d・Wlであることを特徴とする感光体。(ここで、dは(N・Δ/nmax)/Wlの値の小数点以下を四捨五入した整数である。ただし、(N・Δ/nmax)/Wl<1の場合はd=1である)
【数10】
Figure 0003878427
(ここで、n、mは整数、N=2p、pは整数である)
【数11】
Figure 0003878427
(6)Δtが0.01〜50.00μm、Nが2048以上であることを特徴とする上記(5)に記載の感光体。
(7)下式(数12)により導出したI(S)が6.0×10−3以上であることを特徴とする上記(5)又は(6)に記載の感光体。
【数12】
Figure 0003878427
(8)(N・Δt/nmax)≦200であることを特徴とする上記(5)〜(7)のいずれかに記載の感光体。
)感光体の感光層の膜厚が15μm以下であることを特徴とする上記(1)〜()のいずれかに記載の感光体。
10)上記(1)〜()のいずれかに記載の感光体を用いるとともに、書き込み光として可干渉光を用いることを特徴とする画像形成装置。
11)多値方式による階調再現方法により書き込み画像を感光体に出力させることを特徴とする上記(10)に記載の画像形成装置。
12)カラー画像形成可能であることを特徴とする上記(10)又は(11)に記載の画像形成装置。
13)感光体上に各色のトナー画像を形成後、中間転写ベルト上に各色のトナーを転写し、出力媒体に中間転写ベルト上に積層されたトナーを2次転写することにより、画像形成を行うタイプのものであることを特徴とする上記(12)に記載の画像形成装置。
14)中間転写ベルトが弾性を有していることを特徴とする上記(13)に記載の画像形成装置。
15)複数の感光体を有し、それぞれの感光体に、異なる色のトナー画像を形成し、弾性を有する中間転写ベルトに各色のトナー画像を順次積層した後、出力媒体へ積層されたトナーを二次転写することにより、画像形成を行うタイプのものであることを特徴とする上記(10)〜(14)のいずれかに記載の画像形成装置。
16)感光体への書き込みが、複数のレーザー光を同時に照射することにより行われることを特徴とする上記10)〜(15)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の感光体は、基体上に少なくとも感光層を設けた感光体において、感光層の基体側界面が正弦波成分とノイズ成分からなり、感光層の基体側界面を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数13)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数14)により導出したパワースペクトルS(n/(N・Δt))において、1〜N/2の範囲でパワースペクトルS(n/(N・Δt))が最大となるnの値(nmax)と、可干渉光である画像形成のための書き込み光のピッチWlの関係が、(N・Δ/nmax)>1.05d・Wl又は(N・Δ/nmax)<0.95d・Wlであり、該基体上に少なくとも下引層を介して感光層を設けたことを特徴とするものである。(ここで、dは(N・Δ/nmax)/Wlの値の小数点以下を四捨五入した整数である。ただし、(N・Δ/nmax)/Wl<1の場合はd=1である)
【数13
Figure 0003878427
(ここで、n、mは整数、N=2p、pは整数である)
【数14
Figure 0003878427
【0014】
本発明の感光体の感光層の基体側界面を構成する最もパワーの強い波の波長は(N・Δt/nmax)であり、その値の再現性がきわめて高い。本発明の感光体は、感光層の基体側界面を構成する波のうち、最もパワーの強い波と可干渉光である画像形成のための書き込み光のピッチとが同期しないため、微細なスジ状の異常画像を発生させることがない。
【0015】
本発明の感光体における可干渉光である画像形成のための書き込み光のピッチWlは、最小の画素を形成するためのピッチだけではなく、ハーフトーン画像形成で行われるように、複数の最小画素を一つの画素単位とする場合は、その画素単位のピッチとなる。即ち、複数の画像形成方法で感光体が用いられる場合には、それぞれの画像形成方法によるWl全てに対して(N・Δt/nmax)>1.05d・Wlあるいは(N・Δt/nmax)<0.95d・Wlである必要がある。
【0016】
本発明の感光体における(N・Δt/nmax)は、好ましくは200μm以下、より好ましくは180μm以下、さらに好ましくは10〜160μmである。(N・Δt/nmax)が200μmより大きいと、可干渉光である画像形成のための書き込み光のピッチWlにかかわらず、感光体の感光層の基体側界面の最もパワーの強い波の凸部と凹部の間隔を肉眼で確認できるようになってしまうため、凸部と凹部での感度の違いにより発生する画像の濃度の違いが目立ってしまい好ましくない。
【0017】
本発明の感光体は可干渉光である画像形成のための書き込み光のピッチと感光体の感光層の基体側界面を構成する最もパワーの大きな波とから発生する微細なスジ状の異常画像を起こることはないが、可干渉光である画像形成のための書き込み光の感光層中での干渉による濃淡縞を防止するため、感光層の基体側界面は十分に荒れていることが好ましい。しかし、感光層の基体側界面の断面曲線を例えばJIS法に従って表面粗さのパラメータである最大高さ(Rmax)、十点平均粗さ(Rz)、中心線平均粗さ(Ra)を測定してもほとんど差がなかったり、傾向が逆転してしまう場合がかなりあった。また、感光層の基体側界面を制御するには感光体の基体の表面状態を制御することが極めて有効であることが分かったが、基体表面を従来からある表面粗さのパラメータではやはり好ましい基体表面状態を規定することができないことが多かった。
【0018】
本発明者らは、干渉による濃淡縞画像の発生メカニズムについて再度考察を重ね、感光層の基体側界面に、適切な凹凸を設けることで微細な濃淡縞を発生させても、その濃淡縞の間隔が十分狭ければ、結果として濃淡縞の発生を肉眼で確認できなくなると言う考えに基づき感光体の基体側界面をどのように制御すれば干渉による濃淡縞画像の問題のない感光体を提供できるか鋭意検討を重ねた結果、感光体の基体側界面には微細な凹凸があり、その微細な凹凸は多数の波から構成されていることを見出し、感光体の基体側界面を前述のような好ましい状態にするにはそれら全ての波の強さを強くすればよいことに到達した。
【0019】
全体の波の強さが強いという事は、感光体の基体側界面全体が大きく変動していることを意味し、即ち十分に荒れていることになり、干渉により発生する濃淡縞の間隔を十分狭くすることができ、干渉による濃淡縞画像は肉眼で判読することができなくできる。
【0020】
本発明の感光体は、基体上に少なくとも電荷発生物質及び電荷輸送物質を含有した感光層を設けた構成であり、必要により下引層、保護層を設けるもできる。本発明の感光体は、電荷発生層と電荷輸送層を別々に積層した積層型、電荷発生物質と電荷輸送物質が混合されている単層型いずれの感光体においても優れた性能を示す。本発明における感光層の基体側界面は、基体あるいは下引層が感光層を積層した際に、溶解、膨潤等の変形が生じない限り、感光体が下引層を有する場合には、感光層の基体側界面は、下引層表面の断面曲線とほとんど同じになるため、下引層表面の断面曲線を感光層の基体側界面として代用することができる。また、感光体が下引層を有していない場合には、感光層の基体側界面は、基体表面の断面曲線とほとんど同じになるため、基体表面の断面曲線を感光層の基体側界面として代用することができる。
【0021】
本発明における断面曲線の測定方法としては、光学的方法、電気的方法、電気化学的方法、物理的方法等、再現性が良く、測定精度の高く、簡便な方法であればどのような方法であっても良いが、光学的方法、物理的方法が簡便さの点で好ましく、中でも物理的方法で触芯式による測定方法が、再現性、測定精度の点で最も好ましい。
【0022】
感光体の基体側界面全体の波の強さは、水平方向にΔt(μm)の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数15)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数16)及び(数17)により導出したI(S)により代用できる。
【数15】
Figure 0003878427
(ここで、n、mは整数。N=2p、pは整数。)
【数16】
Figure 0003878427
【数17】
Figure 0003878427
【0023】
I(S)の値が6.0×10-3未満では基体側界面全体の波のエネルギーが弱いため、濃淡縞の間隔が広くなる部分が存在しやすくなり、濃淡縞画像として問題となりやすい。I(S)の値は、濃淡縞画像の抑制のみの目的では大きいほど良いが、あまり大きくなりすぎるとバリによる短絡やバリ周辺に感光体材料が凝集しやすく、濃淡縞画像とは別の異常画像が発生しやすいため、画像形成装置にもよるが、上限値としては100.0×10-3以下、好ましくは80.0×10-3以下、より好ましくは60.0×10-3以下である。
【0024】
感光体の感光層の基体側界面の断面曲線の水平方向の長さをt[μm]としたとき、表面粗さx(t)[μm]は、不規則変動量であるが、どのような不規則変動も種々の周波数の正弦波的変動を適当な位相と振幅で合成して得られる。つまり、これはフーリエ変換により表現できる。
【数18】
Figure 0003878427
【数19】
Figure 0003878427
(上記式中kは波数[μm−1;1μmの長さ当たりの波の数]。フーリエ成分X(k)は、不規則変動量x(t)に含まれる、波数k[すなわち波長で言うとλ=1/k[μm]の波の振幅]を表している。|X(k)|は、波数kの成分波のエネルギーを表している。)
【0025】
次に波数kとその成分波のエネルギー|X(k)|の分布関係(スペクトル)の考察を行う。
【数20】
Figure 0003878427
S(k)は、単位区間[1μm]当たりの断面曲線の波数kの成分波の平均エネルギーであり、S(k)をパワースペクトルと定義する。しかしながら実際は、断面曲線の高さx(t)は、−∞<t<∞で定義できる訳ではなく、測定は断面曲線内の一部分−T/2≦t≦T/2でなされる。ここでTは全測定区間の長さである。このため、T→∞の極限をとるのではなく、波長1/kに対して巨視的物理量としての平均が意味を持つ程度に十分大きいTをとり、下式(数21)を計算すれば、実質的には、T→∞の極限をとったものと一致する。
【数21】
Figure 0003878427
【0026】
フーリエ変換も、離散的なフーリエ変換を用いるために以下のような変更がなされる。
【数22】
Figure 0003878427
(ここで、n、mは整数、ただし、Nは、表面粗さのサンプリング点数で、N=2pの形で表される整数の必要がある。Δt[μm]は、断面曲線の高さの測定点(サンプリング)間隔であり、T/Δt=Nの関係がある。)
【0027】
断面曲線の水平方向の測定範囲Tは短すぎると変換に係る波の数が少なくなるため誤差が大きくなったり、存在すべき波を評価できなくなったりする。測定範囲Tは、Δt、Nの値により適切な値を選択する必要がある。本発明の感光体において、Δtは0.01〜50.00μm、好ましくは0.05〜40.00μm、より好ましくは0.10〜30.00μmである。サンプリング数Nが無限大であればΔtは小さいほど正確に断面曲線を再現できるため好ましいのであるが、Δtが0.01μm未満では、断面曲線を構成する全ての波をサンプリングできるように測定範囲Tを十分な大きさにするためには膨大な数のサンプリングが必要となり計算に負担がかかるため、結果的に測定範囲Tを小さくすることになってしまい、誤差が大きくなりやすい。Δtが50.00μmを超えると、感光体の特性に関係する多くの波を抽出することができなくなり、好ましくない。サンプリング数Nは計算の負担を考えなければ、大きいほどよいが、実用的には、2048以上、好ましくは4096以上、より好ましくは8192以上であることが誤差を小さくできる上で好ましい。
【0028】
本発明者らは、本発明の感光体における感光層の基体側界面のサンプリング点数N及びΔtの各組み合わせについてそれぞれパワースペクトルを求め検討した結果、本発明の実施例に用いられているサンプリング間隔Δt=0.31[μm]のとき、N=4096では、パワースペクトルは十分に収束していることを確認した。
【0029】
具体的な離散的なフーリエ変換でのパワースペクトル導出には、以下の計算を行う。
【数23】
Figure 0003878427
感光体の感光層の基体側界面の断面曲線を構成する最もパワーの大きな波は、1〜N/2の範囲でS(n/NΔt)が最大となるnの値(nmax)の波であり、その波の波長は(N・Δt/nmax)μmとなる。
【0030】
下記総和(数24)は、測定された断面曲線の全エネルギーを表している。
【数24】
Figure 0003878427
しかしながら、この値は、測定条件により変化してしまう。そのため、Nで規格化したI(S)を不偏的なパラメータとして用いる。すなわちI(S)は、下式(数25)により算出することができる。
【数25】
Figure 0003878427
この積分値もΔt=0.31[μm]のときは、N=4096ならば、数%誤差内に収束することが確認されている。
【0031】
別の見方をすれば、感光体の感光層の基体側界面の測定値のサンプリング間隔(実空間)Δt[μm]、パワースペクトルのサンプリング間隔(逆空間)Δn=1/(N・Δt)[μm-1]となるが、これは、断面曲線の高さx(t)の定義域が、T=N・Δtの区間であることによるためで、逆空間でのΔn=1/(N・Δt)間隔のサンプル値のフーリエスペクトルにより、原信号x(t)が再現することを意味しており、ここで再現できる断面曲線の変動周期は、[シャノン(Shannon)のサンプリング定理によると]、2Δt程度である。現在考察している現象に関しては、この程度以上の変動周期の粗さが関与しており、Δt=0.31[μm]のサンプリング間隔で十分であるが、現象によってはさらに細かい周期の変動を考察対象とする必要がある。この時は、それに応じて、サンプリング間隔を短くすればよい。パワースペクトルによる感光体の基体の断面曲線の特定は、測定の再現性が極めて高く、測定者によるばらつきもほとんどないため、感光体基体の凹凸の周期と可干渉光である画像形成のための書き込み光のピッチとの関係で発生する濃淡縞及び干渉による濃淡縞の抑制には極めて有力な手段である。
【0032】
また、本発明の感光体が、下引層を介して、感光層を設ける場合においては、本発明の感光体は、基体上に下引層を介して感光層を設けた感光体において、下引層表面の断面曲線が正弦波成分とノイズ成分からなり、感光層の基体側界面を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数26)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数27)により導出したパワースペクトルS(n/(N・Δt))において、1〜N/2の範囲でパワースペクトルS(n/(N・Δt))が最大となるnの値(nmax)と、可干渉光である画像形成のための書き込み光のピッチWlの関係が、(N・Δ/nmax)>1.05d・Wl又は(N・Δ/nmax)<0.95d・Wlであることを特徴とするものである。(ここで、dは(N・Δ/nmax)/Wlの値の小数点以下を四捨五入した整数である。ただし、(N・Δ/nmax)/Wl<1の場合はd=1である)
【数26】
Figure 0003878427
(ここで、n、mは整数、N=2p、pは整数である)
【数27】
Figure 0003878427
【0033】
本発明の感光体の下引層界面の断面曲線を構成する最もパワーの強い波の波長は(N・Δt/nmax)であり、その値の再現性がきわめて高い。本発明の感光体は、下引層界面の断面曲線を構成する波のうち、最もパワーの強い波と可干渉光である画像形成のための書き込み光のピッチとが同期しないため、微細なスジ状の異常画像を発生させることがない。
【0034】
本発明の感光体における下引層の断面曲線のパワースペクトルにおいて、変動の全エネルギーと関係する下記式(数28)で表されるI(S)は6.0×10−3以上、好ましくは8.0×10−3以上、さらに好ましくは9.0×10−3以上である。
【数28】
Figure 0003878427
I(S)の値が6.0×10−3未満では下引層の波のエネルギーが弱いため、濃淡縞の間隔が広くなる部分が存在しやすくなり、濃淡縞画像として問題となりやすい。I(S)の値は、濃淡縞画像の抑制のみの目的では大きいほど良いが、あまり大きくなりすぎるとバリによる短絡やバリ周辺に感光体材料が凝集しやすく、濃淡縞画像とは別の異常画像が発生しやすいため、画像形成装置にもよるが、上限値としては100.0×10−3以下、好ましくは80.0×10−3以下、より好ましくは60.0×10−3以下である。
【0035】
下引層の断面曲線を制御する方法としては、下引層形成後、下引層を物理的、化学的方法、あるいは熱により加工する方法、下引層に粒子を混在させる方法、下引層が湿式方により形成される場合、下引層積層時の環境(温度、湿度、気圧等)を制御する方法、下引層塗工液に蒸発速度の異なる溶媒を混合して使用する方法、極性の異なる溶媒を混合して使用する方法、浸漬塗工法、スプレー法等の塗工条件により制御する方法、基体表面を制御する方法等が例示でき、これらを単独あるいはいくつかの方法を組み合わせて行われる。
【0036】
感光層の基体側界面の断面曲線のパワースペクトルを制御するためには、前述の様に基体表面の断面曲線を制御することが極めて有効である。これは、感光体が、下引層を有していない場合は当然であるが、下引層を有している場合、基体に下引層を積層した後、感光層が積層されるが、下引層が極端に厚いものでない限り、基体表面の凹凸、特に最もパワーの強い波は、下引層表面にも強く反映されているためである。
【0037】
本発明の感光体の基体表面の断面曲線が正弦波成分とノイズ成分からなり、感光層の基体側界面を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数29)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数30)により導出したパワースペクトルS(n/(N・Δt))において、1〜N/2の範囲でパワースペクトルS(n/(N・Δt))が最大となるnの値(nmax)と、可干渉光である画像形成のための書き込み光のピッチWlの関係が、(N・Δ/nmax)>1.05d・Wl又は(N・Δ/nmax)<0.95d・Wlであることを特徴とするものである。(ここで、dは(N・Δ/nmax)/Wlの値の小数点以下を四捨五入した整数である。ただし、(N・Δ/nmax)/Wl<1の場合はd=1である)
【数29】
Figure 0003878427
(ここで、n、mは整数、N=2p、pは整数である)
【数30】
Figure 0003878427
【0038】
本発明の感光体の基体表面の断面曲線を構成する最もパワーの強い波の波長は(N・Δt/nmax)であり、その値の再現性がきわめて高い。本発明の感光体は、基体表面の断面曲線を構成する波のうち、最もパワーの強い波と可干渉光である画像形成のための書き込み光のピッチとが同期しないため、微細なスジ状の異常画像を発生させることがない。
【0039】
本発明の感光体における基体表面の断面曲線のパワースペクトルにおいて、変動の全エネルギーと関係する下記式(数31)で表されるI(S)は6.0×10−3以上、好ましくは8.0×10−3以上、さらに好ましくは9.0×10−3以上である。
【数31】
Figure 0003878427
【0040】
本発明の感光体における基体表面の断面曲線のI(S)は12.0×10-3以上、好ましくは14.0×10-3以上、より好ましくは16.0×10-3以上である。I(S)の値が12.0×10-3未満では下引層を設けた感光体で特に感光層基体側界面全体の波の強さが弱くなり、濃淡縞の間隔が広くなる部分が存在しやすくなるため、濃淡縞画像として問題となりやすい。基体表面の断面曲線のパワースペクトルから導出したI(S)の値は、濃淡縞画像の抑制のみの目的では大きいほど良いが、あまり大きくなりすぎるとバリによる短絡やバリ周辺に感光体材料が凝集しやすく、濃淡縞画像とは別の異常画像が発生しやすいため、画像形成装置にもよるが、上限値としては150.0 ×10-3以下、好ましくは125.0×10-3以下、より好ましくは100.0 ×10-3以下である。
【0041】
本発明の感光体の基体の断面曲線のI(S)を制御するため、基体表面は切削、ブラスト、ホーミング等の機械加工法、電気化学的手法等により粗面化されるが、中でも切削による粗面化はI(S)を大きくすることができるため干渉による濃淡縞の抑制の面では最も好ましい。しかし、前述の感光体基体の凹凸の周期と可干渉光である画像形成のための書き込み光のピッチとの関係で発生する濃淡縞が発生しやすくなるため、必ず(N・Δt/nmax)>1.05d・Wl又は(N・Δt/nmax)<0.95d・Wlとしなければならない。
【0042】
本発明の感光体は前述のように基本的には基体上に感光層を設けた構造でよいのであるが、耐久性の面から基体上に下引層、電荷発生層、電荷輸送層を積層した構造が好ましい。
【0043】
本発明の感光体の感光層の厚みは、感光体の用いられる画像形成装置の求める静電特性、解像度に応じて適宜選定されるが、高解像度が求められる15μm以下、好ましくは14μm以下の場合に効果が高い。感光層の厚みが15μm以下の感光体は、高解像度である反面、感光体固有の情報も書き込み画像に重畳して画像形成しやすいため、従来の感光体では感光体基体の凹凸の周期と可干渉光である画像形成のための書き込み光のピッチとの関係で発生する微細なスジ状の異常画像及び干渉により発生する濃淡縞による異常画像が極めて起こりやすかったが、本発明の感光体ではそのような異常画像はほとんど起きることはない。
【0044】
本発明の感光体の基体としては、銅、アルミニウム、金、銀、白金、鉄、パラジウム、ニッケル等の金属あるいはこれら金属を主成分とする合金をドラム状あるいはベルト状に形成したものや、上記の金属、酸化錫、酸化インジウム等をプラスチックフィルム等に真空蒸着、無電解メッキ等によって付着させたベルトを例示することができる。本発明の感光体の基体表面は、感光層との接着性を向上させるために下引層の積層、陽極酸化皮膜形成、切削、ブラスト、ホーニング等により表面加工を施されていることが好ましい。また前述のように、スジ状画像、濃淡縞の異常画像を抑制するために基体表面を前述のように制御していることが好ましく、基体の組成、作成条件等を制御したり、物理的、化学的、電気化学的等の方法により荒らすことが好ましい。中でも切削、ブラスト等の物理的加工方法が荒らす効果が高く好ましい。
【0045】
本発明の感光体の下引層としては樹脂、あるいは白色顔料と樹脂を主成分としたもの、及び導電性基体表面を化学的あるいは電気化学的に酸化させた酸化金属膜等が例示できるが、白色顔料と樹脂を主成分とするものが好ましい。白色顔料としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられ、中でも導電性基体からの電荷の注入防止性が優れる酸化チタンを含有させることが最も好ましい。下引層に用いる樹脂としてはポリアミド、ポリビニルアルコール、カゼイン、メチルセルロース等の熱可塑性樹脂、アクリル、フェノール、メラミン、アルキッド、不飽和ポリエステル、エポキシ等熱の硬化性樹脂、これらの中の一種あるいは複数種の混合物を例示することができる。
【0046】
本発明の感光体に用いる電荷発生剤としては、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、テトラキスアゾ顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機系顔料及び染料や、セレン、セレン−ヒ素、セレン−テルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、酸化チタン、アモルファスシリコン等の無機材料を使用することができ、電荷発生剤は一種あるいは複数種を混合して用いることができる。
【0047】
本発明の電子写真感光体に用いる電荷輸送材料としては、例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール誘導体、テトラゾール誘導体、メタロセン誘導体、フェノチアジン誘導体、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチリルヒドラゾン化合物、エナミン化合物、ブタジエン化合物、ジスチリル化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、チアゾール化合物、イミダゾール化合物、トリフェニルアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アミノスチルベン誘導体及びトリフェニルメタン誘導体等の一種あるいは複数種を混合して使用することができる。
【0048】
上記電荷発生層、電荷輸送層の感光層を形成するのに使用する結着樹脂としては、電気絶縁性であり、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂及び光導電性樹脂等を使用することができ、適当な結着樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネ−ト、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の光導電性樹脂など一種の結着樹脂あるいは複数種と結着樹脂の混合を挙げることができるが、特に、これらのものに限定されるものではない。
【0049】
本発明の感光体は、複写機、プリンター、FAX等の画像形成装置に用いることにより極めて高画質の画像形成が可能となる。
【0050】
本発明の画像形成装置は、書き込み光が、非干渉光、可干渉光、いずれにおいても高画質の画像形成が可能であるが、特に高度の画像処理、画像形成が容易な可干渉光を用いた場合においてもスジ状画像、濃淡縞の異常画像を発生させることないため、高解像度、高精細な画像品質の優れた画像形成が可能となる。
【0051】
本発明の画像形成装置の可干渉光である画像形成のための書き込み光のピッチWlは小さいほど高解像度の画像形成が可能であり好ましい。一般にWlが小さいほど、感光体基体の凹凸の周期と可干渉光である画像形成のための書き込み光のピッチとの関係で発生する濃淡縞が発生しやすくなるが、本発明の画像形成装置は高解像度でありながら濃淡縞の異常画像を発生させることはなく大変好ましい。
【0052】
本発明の画像形成装置の書き込み画像の解像度は、制限されるものではないが、特に1000dpi以上、さらには1200dpi以上の高解像度のときにおいても画像品質の優れた画像形成が可能である。このような高解像度の書き込み画像では、感光体固有の情報も書き込み画像に重畳されて画像形成されやすいため、従来の感光体を用いた画像形成装置ではスジ状画像、濃淡縞による異常画像が極めて起こりやすかったが、本発明の感光体を用いた画像形成装置ではほとんど起きることはない。
【0053】
本発明の画像形成装置の書き込み光の波長は特に制限はないが、700nm以下、好ましくは675nm以下、特に好ましくは400〜600nmの高解像の書き込み画像を実現することができる短波長の書き込み光に対しても濃淡縞の異常画像を発生させることなく、本発明の画像形成装置は高解像度、高精細な画像品質の優れた画像形成が可能となる。
【0054】
本発明の画像形成装置の書き込み画像の階調再現方法としては、特に制限はないが、多値方式による階調再現方法においては、画素の濃度が多段階に設定されるため、特に写真等の画像形成を行う場合には、忠実な画像形成が可能である反面、従来の感光体を用いた画像形成装置では微細なスジ状の異常画像、濃淡縞の異常画像が目立ちやすく、特にパルス幅変調、パワー変調あるいはパルス幅変調とパワー変調を組み合わせた場合、その傾向が極めて高かった。しかし、本発明の画像形成システムを用いた画像形成装置では、多値方式による階調再現方法であっても、異常画像が発生することはない。
【0055】
本発明の画像形成装置は、単色、多色、カラー画像形成、いずれにおいても、微細なスジ状の異常画像、濃淡縞の異常画像の発生のない、高品質な画像形成が可能である。一般に、カラー画像は、書き込み画像により忠実な画像形成を要求されることが多く、それぞれの色を重ね合わせて画像形成が行われるため、濃淡縞が発生する場合、感光体固有の情報が書き込み画像に重畳されて画像形成され、大変問題になりやすい。しかし、本発明の画像形成装置は、カラー画像形成においても、高品質の画像形成が可能である。
【0056】
本発明の画像形成装置は、単色、多色、カラー画像形成、いずれにおいても、濃淡縞の発生のない、高品質な画像形成が可能である。一般に、カラー画像は、書き込み画像により忠実な画像形成を要求されることが多く、それぞれの色を重ね合わせて画像形成が行われるため、濃淡縞が発生する場合、感光体固有の情報が書き込み画像に重畳されて画像形成され、大変問題になりやすい。しかし、本発明の画像形成装置は、カラー画像形成においても、高品質の画像形成が可能である。
【0057】
本発明の画像形成装置における、カラー画像形成方法としては、複数の色のトナー像を感光体上に形成後、順次出力媒体(多くの場合、紙)へ転写し画像形成を行う方法、あるいは複数の色のトナー像を感光体上に形成後、中間転写体上に各色のトナー像を順次積層し、積層されたトナー像を出力媒体へ転写し画像形成を行う方法、いずれも採用可能であるが、画像濃度が高い場合の画像品質の向上、色ずれの防止、転写効率の向上、出力媒体への柔軟な対応が可能な中間転写体を経由した画像形成方法、特に中間転写体として中間転写ベルトを経由した画像形成方法が、形成される画像品質が高く好ましい。
【0058】
中間転写ベルトには、従来から弗素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等からなるものが使用されてきていたが、近年、ベルトの全層や、ベルトの一部を弾性部材にした弾性ベルトが使用されてきている。
【0059】
樹脂ベルトを用いたカラー画像の転写には以下の課題がある。
カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのトナー層が形成されている。トナー層は1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、2次転写(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過することで圧力を受け、トナー同士の凝集力が高くなる。トナー同士の凝集力が高くなると文字の中抜けやベタ部画像のエッジ抜けの現象が発生しやすくなる。
樹脂ベルトは硬度が高くトナー層に応じて変形しないため、トナー層を圧縮させやすく、文字の中抜け現象が発生しやすくなる。
また、最近はフルカラー画像を様々な用紙、例えば和紙や意図的に凹凸を付けや用紙に形成したいという要求が高くなってきている。しかし、平滑性の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやすく、転写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるために2次転写部の転写圧を高めると、トナー層の凝縮力を高めることになり、上述したような文字の中抜けを発生させることになる。
【0060】
一方、弾性ベルトは次の狙いで使用される。
弾性ベルトは樹脂ベルトより硬度が低いため、転写部でトナー層、平滑性の悪い用紙に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形するため、過度にトナー層に対して転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ、文字の中抜けの無い、平面性の悪い用紙に対しても均一性の優れた転写画像を得ることができる。
【0061】
本発明において使用する弾性ベルトは、全層又は一部の層が弾性を有する材料から構成されるものである。このような弾性を有する材料としては、弾性を有する樹脂、弾性材ゴム、エラストマー等が挙げられる。弾性材料からなる弾性層の上に表層(コート層)を設けてもよいし、弾性層の下に基材層を設けてもよい。
【0062】
弾性ベルトの弾性層に使用できる樹脂としては、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE、PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
【0063】
弾性材ゴム、エラストマーとしては、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
【0064】
弾性ベルトには抵抗値調節用導電剤を含有させることができる。抵抗値調節用導電剤に特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物等が使用できる。導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。上記導電剤に限定されるものではないことは当然である。
【0065】
弾性ベルトには、離型性向上のために表層(コート層)を設けることができる。表層材料に制限はないが、転写ベルト表面へのトナーの付着力を小さくして2次転写性を高めるものが好ましい。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用するとともに、表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、例えばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、二酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上分散させたものを使用することができる。また、これら粉体、粒子の粒径を異ならせたものを分散させ使用することもできる
またフッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
【0066】
弾性ベルトの製造方法は限定されるものではなく、回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法、表層の薄い膜を形成させるスプレー塗工法、円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上げるディッピング法、内型、外型の中に注入する注型法、円筒形の型にコンパウンドを巻き付け、加硫研磨を行う方法がある。また、複数の製造方法を組合わせて弾性ベルトを製造することができるのは当然である。
【0067】
弾性ベルトの伸びを防止する方法としては、伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を形成する方法、芯体層に伸びを防止する材料を入れる方法等があるが、特に製造方法に関わるものではない。
【0068】
伸びを防止する芯体層を構成する材料としては、例えば綿、絹、などの天然繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維などの合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維などの無機繊維、鉄繊維、銅繊維などの金属繊維からなる群より選ばれる1種あるいは2種以上を用い、織布状あるいは糸状にしたものが使用できる。もちろん上記材料に限定されるものではない。
【0069】
糸は、1本又は複数のフィラメントを撚ったもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方であってもよい。また、例えば上記材料群から選択された材質の繊維を混紡してもよい。もちろん糸に適当な導電処理を施して使用することもできる。
一方、織布は、メリヤス織り等、どのような織り方の織布でも使用可能であり、もちろん交織した織布も使用可能であり、当然導電処理を施すこともできる。
【0070】
芯体層を設ける製造方法は特に限定されるものではなく、例えば筒状に織った織布を金型等に被せ、その上に被覆層を設ける方法、筒状に織った織布を液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆層を設ける方法、糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻き付け、その上に被覆層を設ける方法等を挙げることができる。
【0071】
弾性層の厚さは、弾性層の硬度にもよるが、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂の発生しやすくなり、また伸縮量が大きくなって画像に伸びちじみが大きくなること等から、厚すぎることは好ましくない(およそ1mm以上)。
【0072】
弾性層の硬度の適正範囲は10°≦HS≦65゜(JIS−A)である。ベルトの層厚によって最適硬度の調整は必要となる。硬度10゜(JIS−A)より下のものは寸法精度良く成形することが非常に困難である。これは成型時に収縮・膨張を受け易いことに起因する。また柔らかくする場合には基材へオイル成分を含有させることが一般的な方法であるが、加圧状態で連続作動させるとオイル成分が滲みだしてくるという欠点を有している。これにより中間転写体表面に接触する感光体を汚染し横帯状ムラを発生させることが分かった。一般的に離型性向上のために表層を設けているが、完全に滲みだし防止効果を与えるためには表層は耐久品質等要求品質の高いものになり、材料の選定、特性等の確保が困難になってくる。これに対して硬度65゜(JIS−A)以上のものは、硬度が上がった分、精度良く成形でき、オイル含有量を含まないか又は少なく抑えることが可能となるので、感光体に対する汚染性は低減可能であるが、文字の中抜け等転写性改善の効果が得られなくなり、ローラへの張架が困難となる。
【0073】
本発明のカラー画像形成においては、前述したように、単一の感光体上に順次異なる色のトナー像を形成後、出力媒体あるいは中間転写体へ順次積層する方法、あるいは複数の感光体上にそれぞれ異なる色のトナー像を形成後、出力媒体あるいは中間転写体への転写を行う方法等が例示できるが、画像形成の高速化への高いニーズに対応して複数の感光体を用いることが好ましく、特に、高品質の画像形成を行う上では、複数の感光体に、それぞれ異なる色のトナー画像を形成し、弾性を有する中間転写ベルトに各色のトナー画像を順次積層した後、出力媒体へ積層されたトナーを2次転写することにより、画像形成を行うことが大変好ましい。
【0074】
次に、本発明による画像形成装置の具体例を説明する。
図2は、本発明による画像形成装置の一つであるカラー複写機を示しており、このカラー複写機は、中間転写体として、無端状のベルト(以下、中間転写ベルトという)が用いられている。また、図3は、図2に示した装置における感光体・中間転写ベルト周りの拡大図である。以下に、本装置の構成・動作を説明する。
【0075】
本カラー複写機は、後述するカラー画像読み取り装置1とプリンター部をなすカラープリンター2とで構成されている。カラー画像読み取り装置(以下、カラースキャナーと記す)1は、原稿3の画像を照明ランプ4、ミラー5−1、5−2、5−3及びレンズ6を介してカラーセンサー7に結像させるようになっており、原稿のカラー画像情報を、例えば、ブルー(Blue)、グリーン(Green)、レッド(Red)の色分解光毎に読み取り、電気的な画像信号に変換することができるようになっている。なお、これら分解光は、以下の説明において便宜上、B、G、Rと表現する。カラースキャナー1では、スキャンにより得たB、G、Rの色分解画像信号強度レベルを基にして、画像処理部(図示されず)で色変換処理を行い、ブラック(以下、BKと記す)、シアン(同、C)、マゼンタ(同、M)、イエロー(同、Y)のカラー画像データを得る。これを、次に述べるカラー画像記録装置(以下、カラープリンターと記す)2によって、BK、C、M、Yのトナーを用いて顕像化し、これらトナー像を重ね合わせて4色フルカラー画像を形成する。
【0076】
次にカラープリンター2の概要を説明する。書き込み光学ユニット8は、カラースキャナー1からのカラー画像データを光信号に変換して原稿画像に対応した光書き込みを行うユニットである。このため、書き込み光学ユニット8は、レーザー光源8−1からのレーザービームを駆動モータ8−3により回転されるポリゴンミラー8−2を介して走査し、fθレンズ8−4、反射鏡8−5によって感光体ドラム9に走査光を導き、静電潜像を形成するようになっている。
【0077】
感光体ドラム9は、矢印の如く反時計方向に回転するが、その周囲には、感光体クリーニングユニット(クリーニング前除電器を含む)10、除電ランプ11、帯電器12、電位センサー13、BK現像器14、C現像器15、M現像器16、Y現像器17、現像濃度パターン検知器18、中間転写ベルト19などの電子写真複写工程を実行するための機器及び転写前除電装置が配置されている。各現像器は、図3に示すように、静電潜像を現像するために現像剤を感光体ドラム9に対向させるよう回転する現像スリーブ(14−1、15−1、16−1、17−1)と、現像剤を汲み上げ・攪拌するために回転する現像パドル(14−2、15−2、16−2、17−2)及び現像剤のトナー濃度検知センサー(14−3、15−3、16−3、17−3)などで構成されている。
【0078】
現像動作の順序(カラー画像形成順序)を、BK、C、M、Yとした場合につき、以下に説明する。但し、画像形成順序はこれに限定されるものではない。コピー動作が開始されると、カラースキャナー1で所定のタイミングによりBK画像データの読み取りがスタートし、この画像データに基づきレーザー光による光書き込み・潜像形成が始まる(以下、BK画像データによる静電潜像をBK潜像と称す。C、M、Yについても同じ)。BK潜像の先端部からの現像が行えるように、BK現像器14の現像位置に潜像先端部が到達する前に現像スリーブ14−1が回転を開始し、BK潜像をBKトナーで現像する。そして以後、BK潜像領域の現像動作を続けるが、BK潜像後端部がBK現像位置を通過した時点で現像不作動状態にする。これは少なくとも、次のC画像データによるC潜像先端部が到達する前に完了させる。
【0079】
感光体ドラム9に形成したBKトナー像は、感光体ドラム9と等速駆動している中間転写ベルト19の表面に転写される(以下、感光体ドラム9から中間転写ベルト19へのトナー像転写をベルト転写と記す)。ベルト転写は、感光体ドラム9と中間転写ベルト19が接触状態において、転写バイアスローラ20に所定のバイアス電圧を印加することで行う。なお、中間転写ベルト19には、感光体ドラム9に順次形成されるBK、C、M、Yのトナー像を同ー面に順次位置合せして4色重ねのベルト転写画像を形成し、その後、転写紙に一括転写を行う。この中間転写ベルトユニットの構成・動作については後述する。
【0080】
ところで、感光体ドラム9側ではBK工程の次にC工程に進むが、所定のタイミングによってカラースキャナー1によるC画像データ読み取りが始まり、その画像データによるレーザー光書き込みにより、C潜像が形成される。C現像器15は、その現像位置に対して、先のBK潜像後端部が通過した後で、かつ、C潜像の先端が到達する前に現像スリーブ15−1を回転開始して剤の穂立てを行い、C潜像をCトナーで現像する。以後、C潜像領域の現像を続けるが、潜像後端部が通過した時点で、先のBK現像器の場合と同様にC現像スリーブ15−1上の剤穂切りを行う。これもやはり次のM潜像先端部が到達する前に完了させる。なお、M及びYの工程については、それぞれの画像データ読み取り・潜像形成・現像の各工程が上述のBK・Cの工程と同様であるので説明は省略する。
【0081】
次に、中間転写ベルトユニットについて説明する。
中間転写ベルト19は、各色の可視像を担持するために設けられているものであり、駆動ローラ21、ベルト転写バイアスローラ20、転写アースローラ38及び従動ローラ群に張架され、図示されない駆動源をなすステッピングモータにより後述の如く駆動制御される。
【0082】
ベルトクリーニングユニット22は、図3に示すように、ブラシローラ22−1、ゴムブレード22−2、及び中間転写ベルトから19の接離機構22−3などで構成されており、1色目のBK画像をベルト転写した後の、2、3、4色目をベルト転写している間は、接離機構22−3によって中間転写ベルト19面から離間させられるようになっている。
【0083】
紙転写ユニット23は、紙転写バイアスローラ23−1、ローラクリーニングブレード23−2、及び中間転写ベルト19からの接離機構23−3などで構成されている。バイアスローラ23−1は、通常、中間転写ベルト19面から離間しているが、中間転写ベルト19面に形成された4色の重ね画像を転写紙に一括転写する時には、タイミングを設定されて接離機構23−3により押圧され、バイアスローラ23−1によって所定のバイアス電圧を印加しながら紙へトナー像の転写を行う。なお、転写紙24は、図3に示すように、給紙ローラ25、レジストローラ26によって、中間転写ベルト面の4色重ね画像の先端部が紙転写位置に到達するタイミングに合わせて給紙される。
【0084】
中間転写ベルト19の動作形式は、1色目のBKトナー像のベルト転写が後端部まで終了した後の動作方式として次の3通りが考えられるが、このなかの1方式か又はコピーサイズに応じて(コピー速度面などで)効率的な方式の組合わせによって動作させる。
【0085】
1)一定速往動方式
これは、第1番目の色のトナー像を転写された後においても、一定速度により中間転写ベルト19の移動を継続させる方式であり、この方式の場合には、感光体ドラム9側で可視像処理される次の色のトナー像の画像先端と、中間転写ベルト19上での画像先端とが合致するように、タイミングを設定して画像処理が行われる。そして、そのための工程は次のとおりである。
BKトナー像のベルト転写後も、そのまま一定速で往動を続ける。
そして、中間転写ベルト19面上のBK画像先端位置が、再び感光体ドラム9との接触部のベルト転写位置に到達した時、感光体ドラム9側は次のCトナー像の先端部が丁度その位置にくるように、タイミングを取って画像形成している。
その結果、C画像はBK画像に正確に位置合せして中間転写ベルト19上に重ねてベルト転写される。
その後も同様動作によってM、Y画像工程に進み、4色重ねのベルト転写画像を得る。
4色目のYトナー像ベルト転写工程に引き続きそのまま往動しながらベルト面上の4色重ねトナー像を、上記したように転写紙24に一括転写する。
【0086】
2)スキップ往動方式
これは、第1番目の色のトナー像を転写された後、感光体ドラム9から中間転写ベルト19を離間させ、第1番目の色のトナー像を転写する場合よりも高速で今までと同じ方向に移動させ、所定量を移動した時点で、当初の移動速度に切り換えて、再度、感光体ドラム9に当接させる方式である。この方式は、例えば、中間転写ベルト19の長さに対して転写される画像の長さが短い場合に実行され、感光体側での作像のためのサイクルタイムが長くなるのを防止できるものであり、このための工程は次のとおりである。
BKトナー像のベルト転写が終了したら、感光体ドラム9面から中間転写ベルト19を離間させ、そのままの往動方向に高速スキップさせて所定量を移動したら当初の往動速度に戻す。また、その後再び感光体ドラム9に中間転写ベルト19を接触させる。
そして、中間転写ベルト19面上のBK画像先端位置が再びベルト転写位置に到達した時、感光体ドラム9側は次のCトナー像の先端部が丁度その位置にくるようにタイミングを取って画像形成されている。その結果、C画像はBK画像に正確に位置合わせして重ねてベルト転写される。
その後も同様動作によってM、Y画像工程に進み、4色重ねのベルト転写画像を得る。
4色目のYトナー像ベルト転写工程に引き続きそのままの往動速度で、ベルト19面上の4色重ねトナー像を転写紙24に一括転写する。
【0087】
3)往復動(クイックリターン)方式
これは、第1番目の色のトナー像を転写した後、感光体ドラム9から中間転写ベルト19を離間させ、今までよりも高速で逆方向に中間転写ベルト19を移動させて、前に転写されたトナー像の位置を、感光体ドラム9に担持されている次の色のトナー像の位置に合致させた状態で待機し、再度、中間転写ベルト19を感光体ドラム9に当接させて感光体ドラム9と同方向に移動を開始するようにし、この動作を最終色のトナー像の転写まで継続させる方式である。この方式は、中間転写ベルト19上の画像位置を感光体ドラム9の画像位置に合わせる場合の制御に関していうと、中間転写ベルト19を順方向に移動させるのでなく、今まで進行した移動量のみを逆行させるだけであるので中間転写ベルト19の移動量をそれほど確保しなくて済むことを考慮すれば、制御が簡単になるものであり、このための工程は次のとおりである。
BKトナー像のベルト転写が終了したら、感光体ドラム9面から中間転写ベルト19を離間させ、そして往動を停止させると同時に逆方向に高速リターンさせる。リターンは、ベルト19面上のBK画像先端位置がベルト転写相当位置を逆方向に通過し、さらに予め設定された距離分を移動した後に停止させて待機状態にする。
次に感光体ドラム9側のCトナー像の先端部がベルト転写位置より手前の所定位置に到達した時点に、中間転写ベルト19を再び往動方向にスタートさせる。また中間転写ベルト19を感光体ドラム9面に再び接触させる。この場合も、C画像がベルト19面上でBK画像に正確に重なるような条件に制御されてベルト転写される。
その後も同様な動作によってM、Y画像工程に進み、4色重ねのベルト転写画像を得る。
4色目のYトナー像のベルト転写工程に引き続き、リターンせずにそのままの速度で往動して、中間転写ベルト19面上の4色重ねトナー像を転写紙24に一括転写する。
【0088】
中間転写ベルト19面から4色重ねトナー像を一括転写された転写紙24は、図2において、紙搬送ユニット27で定着器28に搬送され、所定温度にコントロールされた定着ローラ28−1と加圧ローラ28−2とでトナー像を溶融定着してコピートレイ29に搬出されフルカラーコピーを得る。
【0089】
ベルト転写後の感光体ドラム9は、感光体クリーニングユニット10(クリーニング前除電器10−1、ブラシローラ10−2、ゴムブレード10−3)で表面をクリーニングされ、また、除電ランプ11で均一に除電される。
【0090】
さらに、転写紙24にトナー像を転写した後の中間転写ベルト19は、クリーニングユニット22を再び接離機構22−3で押圧して表面をクリーニングされる。リピートコピーの時は、カラースキャナー1の動作及び感光体ドラム9への画像形成は、1枚目のY(4色目)画像工程に引き続き所定のタイミングで2枚目のBK(1色目)画像工程に進む。中間転写ベルト19は、1枚目の4色重ね画像を転写紙24へ一括転写する工程に引き続き、表面をクリーニングユニット22でクリーニングされた領域に、2枚目のBKトナー像がベルト転写される。その後は、1枚目と同様な動作が実行される。
【0091】
なお、図2において、転写紙カセット30、31、32、33には、各種サイズの転写紙が収納されており、操作パネル(図示なし)で指定されたサイズ紙の収納カセットからタイミングを取ってレジストローラ26の方向に向けて給紙、搬送される。なお、符号34はOHP用紙や厚紙などの手差し給紙トレイを示している。
【0092】
以上が4色フルカラーを得るコピーモードの説明であるが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は指定された色と回数の分について上記と同様の動作を実行する。また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、その色の現像器のみを現像作動(剤穂立て)状態にするとともに、中間転写ベルト19は、感光体ドラム9の表面に接触したまま往動方向にー定速駆動し、さらにベルトクリーナー22も中間転写ベルト19に接触したままの状態でコピー動作を行う。
【0093】
図4は、本発明による画像形成装置の別の例であるタンデム型間接転写方式の電子写真装置を示す。
図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナー、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
【0094】
複写装置本体100には、中央に、無端ベルト状の中間転写体10を設ける。中間転写体10は、図5に示すように、基材層11を、例えば伸びの少ないフッ素樹脂や伸びの大きなゴム材料に帆布など伸びにくい材料で構成された層をつくり、その上に弾性層12を設ける。弾性層12は、例えばフッ素系ゴムやアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムなどで作る。
その弾性層12の表面は、例えばフッ素系樹脂をコーティングして平滑性のよい表層13で被覆する。
そして、図1に示すとおり、図示例では3つの支持ローラ14、15、16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。
【0095】
この図示例では、3つの支持ローラのなかで第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設ける。
また、3つの支持ローラのなかで第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム画像形成装置20を構成する。
【0096】
このタンデム画像形成装置20の上には、図4に示すように、さらに露光装置21を設ける。一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対の側には、2次転写装置22を設ける。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23、23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシートに転写する。
【0097】
2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
【0098】
上述した2次転写装置22には、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよいが、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
【0099】
なお、図示例では、このような2次転写装置22及び定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を設けてある。
【0100】
さて、いまこのカラー電子写真装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナー300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動した後、キャナー300を駆動させ、第1走行体33及び第2走行体34を走行させる。他方、コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナー300を駆動させ、第1走行体33及び第2走行体34を走行させる。そして、第1走行体33で光源から光を発射させるとともに原稿面からの反射光をさらに反射させて第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射させて結像レンズ35を通して読み取りセンサー36に導入し、原稿内容を読み取る。
【0101】
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14、15、16のうちの1つを回転駆動させて、他の2つの支持ローラを従動回転させ、中間転写体10を回転搬送させる。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転させて各感光体40上に、それぞれブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの単色画像を形成させる。そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写させて中間転写体10上に合成カラー画像を形成させる。
【0102】
一方、不図示のスタートスイッチを押して、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転させ、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離させて給紙路46に導入し、搬送ローラ47で搬送させて複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
【0103】
あるいは、給紙ローラ50を回転させて手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離させて手差し給紙路53に導入し、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
【0104】
そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写させてシート上にカラー画像を記録する。
【0105】
画像転写後のシートは、2次転写装置22で搬送させて定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着させた後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックさせる。あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に導入し、そこで反転させて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録させた後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
【0106】
一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去させ、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
【0107】
ここで、レジストローラ49は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
例えば、導電性ゴムローラを用いバイアスを印加する。径φ18mmで、表面を1mm厚みの導電性NBRゴムとする。電気抵抗はゴム材の体積抵抗で109Ωcm程度であり、印加電圧はトナーを転写する側(表側)には−800V(程度の電圧を印加し、紙裏面側は+200V程度の電圧を印加する。
一般的に中間転写方式は紙粉が感光体にまで移動しづらいため、紙粉転写を考慮する必要が少なくアースになっていても良い。
また、印加電圧として、DCバイアスが印加しているが、これはシートをより均一帯電させるためDCオフセット成分を持ったAC電圧でも良い。
このようにバイアスを印加したレジストローラ49を通過した後の紙表面は、若干マイナス側に帯電している。よって、中間転写体10からシートへの転写では、レジストローラ49に電圧を印加しなかった場合に比べて転写条件が変わり転写条件を変更する場合がある。
【0108】
さて、上述したタンデム画像形成装置20において、個々の画像形成手段18は、例えばドラム状の感光体40のまわりに、帯電装置、現像装置、1次転写装置、感光体クリーニング装置、除電装置を設けてある。
【0109】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を詳しく説明するが、これら実施例によって本発明は限定されるものではない。
【0110】
参考実施例1
アルミニウムドラムの表面を2.2Rのダイヤモンドバイトにより切削して、直径90mm、長さ352mm、厚さ2mmのアルミニウムドラムを3本作製した。このアルミニウムドラム表面を表面粗さ計サーフコム1400Aにて測定したところ、図5のような断面曲線を有していた。この断面曲線を正弦波に置き換えることはできなかった。この断面曲線からΔt=2500/8192μmで、N=8192個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、図6に示すパワースペクトルを作成した。このパワースペクトルはn=29に最も強いピークが存在しており、(N・Δt/nmax)=2500/29=86.2μmであった。I(S)を計算したところ、25.5×10-3であった。次に、アクリル樹脂(アクリディックA−460−60(大日本インキ化学工業製))15重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60(大日本インキ化学工業製))10重量部をメチルエチルケトン80重量部に溶解し、これに酸化チタン粉末(TM−1(富士チタン工業製))90重量部加え、ボールミルで12時間分散し、下引層塗布液を作製した。切削により表面を粗面化したアルミニウムドラムを上記下引層塗工液に浸漬した後、速度一定で垂直に引き上げて塗工した。アルミニウムドラムの方向を維持したまま、乾燥室に移動させ、140℃で20分乾燥し、厚さ3.5μmの下引層をアルミニウムドラム上に形成した。次に、ブチラール樹脂(エスレックBLS(積水化学製))15重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解し、これに下記構造式(化1)のトリスアゾ顔料10重量部を加えてボールミルで48時間分散した。
【化1】
Figure 0003878427
さらにシクロヘキサノン210重量部を加え、3時間分散を行った。これを固形分が1.5重量%になるように攪拌しながらシクロヘキサノンで希釈した。こうして得られた電荷発生層用塗工液に、下引層を形成したアルミニウムドラムを浸漬し、120℃、20分間下引層と同様に乾燥を行い約0.2μmの電荷発生層を形成した。さらに下記構造式(化2)の電荷輸送材料6重量部、ポリカーボネート樹脂(パンライトK−1300(帝人化成製))10重量部、シリコーンオイル(KF−50(信越化学工業製))0.002重量部を90重量部の塩化メチレンに溶解した。
【化2】
Figure 0003878427
こうして得られて電荷輸送層塗工液に、下引層/電荷発生層を形成したアルミニウムドラムを浸漬し、120℃、20分間下引層と同様に乾燥を行い、電荷発生層上に厚さ約23μmの電荷輸送層を形成し、感光体を作製した。この感光体を、書き込み光の波長が780nmで、画像形成のための書き込みピッチWlが63.5μmのimagio color 2800(リコー製)に搭載して、画像形成装置を作製した。本例では、(N・Δt/nmax)/Wl=86.2/63.5=1.36であるため、d=1となり、1.05d・Wl=66.7μmとなる。従って(N・Δt/nmax)>1.05d・Wlの関係を満たしている。この画像形成装置で全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な画像が得られ、濃淡縞の異常画像は認められなかった。また、カラーの風景写真をカラーコピーしたところ、高品質の画像が得られた。
【0111】
参考比較例1
参考実施例1において、画像形成のための書き込みピッチWlを42.3μmに改造したimagio color 2800を用いたこと以外は参考実施例1と同様にして画像形成装置を作製した。本例では、(N・Δt/nmax)/Wl=86.2/42.3=2.04であるため、d=2となり、1.05d・Wl=88.8μm及び0.95d・Wl=80.4μmとなった。従って、(N・Δt/nmax)>1.05d・Wl及び(N・Δt/nmax)<0.95d・Wlのいずれの関係式もこの画像形成装置は満たしていなかった。この画像形成装置で全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、画像の横方向に走る微細なスジ状異常画像が画像全体に発生してしまった。
【0112】
参考実施例2
参考実施例1で用いたバイトで、アルミニウムドラムを300本切削後、さらにもう1本切削したアルミニウムドラムを用いて参考実施例1と同様にして感光体を作製した。参考実施例1と同様に感光体のアルミニウムドラム表面の断面曲線を測定し、パワースペクトルを作成したところnmax=29であり、I(S)は11.8×10−3であった。この感光体を用いたこと以外は参考実施例1と同様にして画像形成装置を作製した。この画像形成装置は、(N・Δt/nmax)>1.05d・Wlの関係を満たしている。この画像形成装置で全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、参考比較例1で発生したような画像の横方向に走る微細なスジ状異常画像は見られなかった。
【0113】
実施例
参考実施例1において、電荷輸送層の形成において、感光体の引き上げ速度を感光体中央付近で変化させ、感光体中央付近に電荷輸送層の厚みが感光体長手方向約15mmに対して約1μmの差が生じるようにしたこと以外は参考実施例1と同様にして感光体を作製した。下引層の表面粗さを表面粗さ計サーフコム1400Aにて測定し、測定した断面曲線からΔt=2500/8192μmで、N=8192個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、パワースペクトルを作成した。このパワースペクトルはn=29に最も強いピークが存在しており、(N・Δt/nmax)=2500/29=86.2μmであった。I(S)を計算したところ、14.8×10−3であった。この感光体を用いたこと以外は参考実施例1と同様にして画像形成装置を作製した。この画像形成装置で全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な画像が得られ、濃淡縞の異常画像は認められなかった。また、カラーの風景写真をカラーコピーしたところ、高品質の画像が得られた。
【0114】
実施例
実施例において、下引層の厚みを6.0μmとしたこと以外は実施例と同様に感光体を作製した。この感光体を用いる以外は参考実施例1と同様にして感光体を作製した。下引層の表面粗さを表面粗さ計サーフコム1400Aにて測定し、測定した断面曲線からΔt=2500/8192μmで、N=8192個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、パワースペクトルを作成した。このパワースペクトルはn=26に最も強いピークが存在しており、(N・Δt/nmax)=2500/26=96.2μmであった。I(S)を計算したところ、9.8×10−3であった。この感光体を用いたこと以外は参考実施例1と同様にして画像形成装置を作製した。この画像形成装置で全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な画像が得られた。カラーの風景写真をカラーコピーしたところ、高品質の画像が得られた。
【0115】
参考実施例3〜4参考比較例2
参考実施例1おいて、種々のバイトの走査速度でアルミニウムドラムを切削した。これらアルミニウムドラム表面を表面粗さ計サーフコム1400Aにて測定した。断面曲線からΔt=0.31μmで、N=4096個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、図2に示すパワースペクトルを作成した。これらアルミニウムドラムを用いる以外は参考実施例1と同様にして感光体を作製した。これらの感光体を用いたこと以外は参考実施例1と同様に画像形成装置を作製し、全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力した。結果を表1に示した。
【0116】
【表1】
Figure 0003878427
【0117】
実施例
2.0Rのバイトを用いたこと以外は参考実施例1と同様にアルミニウムドラムを作製した。このアルミニウムドラム上に、下引層をスプレー法により塗工する以外は参考実施例1と同様に感光体を作製し、画像形成装置を作製した。なお、下引層の断面曲線を参考実施例1と同様に測定し、パワースペクトルを作成したところ、このパワースペクトルはn=25に最も強いピークが存在しており、(N・Δt/nmax)=2500/25=100.0μmであった。I(S)を計算したところ、14.6×10−3であった。画像形成のための書き込みピッチWlを42.3μmに改造したimagiocolor 2800を用いたこと以外は参考実施例1と同様にして画像形成装置を作製した。本例では、(N・Δt/nmax)/Wl=100.0/42.3=2.36であるため、d=2となり、1.05d・Wl=88.8μm及び0.95d・Wl=80.4μmとなった。従って、(N・Δt/nmax)>1.05d・Wlの関係式を満たしていた。この画像形成装置で全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、高画質の画像が得られた。また、カラーの風景写真をカラーコピーしたところ、高品質の画像が得られた。
【0118】
実施例
電荷輸送層の厚みを14.6μmとしたこと以外は実施例と同様に感光体を作製し、画像形成装置を作製した。なお、下引層の断面曲線を参考実施例1と同様に測定し、パワースペクトルを作成したところ、このパワースペクトルはn=25に最も強いピークが存在しており、(N・Δt/nmax)=2500/25=100.0μmであった。I(S)を計算したところ、14.4×10−3であった。画像形成のための書き込みピッチWlを42.3μmに改造したimagiocolor 2800を用いたこと以外は参考実施例1と同様にして画像形成装置を作製した。本例では、(N・Δt/nmax)/Wl=100.0/42.3=2.36であるため、d=2となり、1.05d・Wl=88.8μm及び0.95d・Wl=80.4μmとなった。従って、(N・Δt/nmax)>1.05d・Wlの関係式を満たしていた。この画像形成装置で全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、高画質の画像が得られた。また、カラーの風景写真をカラーコピーしたところ、高品質の画像が得られた。
【0119】
実施例
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)100重量部に対して、カーボンブラック18重量部、分散剤3重量部、トルエン400重量部を均一に分散させた分散液に円筒形の型を浸け、10mm/secで静かに引き上げ、室温にて乾燥をさせ、75μmのPVDFの均一な膜を形成した。75μmの膜が形成されている型を繰り返し上記条件で溶液に円筒形の型を浸け、10mm/secで静かに引き上げ、室温乾燥させ、150μmのPVDFベルトを形成した。これに、ポリウレタンプレポリマー100重量部、硬化剤(イソシアネート)3重量部、カーボンブラック20重量部、分散剤3重量部、MEK500重量部を均一分散させた分散液に上記150μmPVDFが形成されている円筒形型を浸け、30mm/secで引き上げを行い、自然乾燥を行った。乾燥後繰り返し上記操作を行い、狙いの150μmのウレタンポリマー層を形成させた。さらに表層用にポリウレタンプレポリマー100重量部、硬化剤(イソシアネート)3重量部、PTFE微粉末粉体50重量部、分散剤4重量部、MEK500重量部を均一分散させた。上記150μmのウレタンプレポリマーが形成されている円筒形型を浸け、30mm/secで引き上げを行い、自然乾燥を行った。乾燥後繰り返し上記操作を行い、5μmのPTFEが均一に分散されたウレタンポリマーの表層を形成させた。室温で乾燥後130℃、2時間の架橋を行い、樹脂層;150μm、弾性層;150μm、表層;5μmの3層構成転写ベルトを得た。この弾性中間転写ベルトを用いたこと以外は実施例と同様にして画像形成装置を作製し、実施例で用いたアニメセル画をコピーしたところ、画像濃度の高い部分の周辺を拡大鏡で拡大しても、画像欠陥が全く見つからず、極めて高画質の画像が得られた。
【0120】
【発明の効果】
請求項1〜2に記載の発明によれば、微細なスジ状の異常画像のない高品質の画像形成が可能な感光体を提供することができる。請求項3に記載の発明によれば、微細なスジ状の異常画像、濃淡縞画像のない高品質の画像形成が可能な感光体を提供することができる。請求項4に記載の発明によれば、スジ状の異常画像のない高品質の画像形成が可能な感光体を提供することができる。請求項5〜6に記載の発明によれば、微細なスジ状の異常画像のない高品質の画像形成が可能な感光体を提供することができる。請求項7に記載の発明によれば、微細なスジ状の異常画像、濃淡縞画像のない高品質の画像形成が可能な感光体を提供することができる。請求項8に記載の発明によれば、スジ状の異常画像のない高品質の画像形成が可能な感光体を提供することができる。請求項に記載の発明によれば、高解像度でありながら微細なスジ状の異常画像のない高品質の画像形成が可能な感光体を提供することができる。請求項10に記載の発明によれば、微細なスジ状の異常画像、濃淡縞画像のない高品質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。請求項11に記載の発明によれば、微細なスジ状の異常画像、濃淡縞画像のなく、極めて高品質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。請求項12に記載の発明によれば、微細なスジ状の異常画像、濃淡縞画像のない高品質のカラー画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。請求項13に記載の発明によれば、微細なスジ状の異常画像、濃淡縞画像、色ずれのない高品質のカラー画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。請求項14に記載の発明によれば、微細なスジ状の異常画像、濃淡縞画像、色ずれがなく、高品質のカラー画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。請求項15〜16に記載の発明によれば、微細なスジ状の異常画像、濃淡縞画像、色ずれがなく、極めて高品質のカラー画像形成を高速で行うことができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドラム状感光体の場合の好ましいサンプリング方向の説明図である。
【図2】本発明による画像形成装置の一つであるカラー複写機を示す図である。
【図3】図2に示した装置における感光体・中間転写ベルト周りの拡大図である。
【図4】本発明による画像形成装置の別の例であるタンデム型間接転写方式の電子写真装置を示す図である。
【図5】 参考実施例1で作製したアルミニウムドラム(基体)の表面の断面曲線を示す図である。
【図6】図5の断面曲線に基づいて作成したパワースペクトルを示す図である。
【符号の説明】
(図2及び図3)
1 カラー画像読み取り装置(カラースキャナー)
2 カラープリンター
3 原稿
6 カラーセンサー
8 書き込み光学ユニット
9 感光体ドラム
10 感光体クリーニングユニット
11 除電ランプ
12 帯電器
14 BK現像器
15 C現像器
16 M現像器
17 Y現像器
19 中間転写ベルト
22 ベルトクリーニングユニット
23 紙転写ユニット
24 転写紙
(図4)
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナー
400 原稿自動搬送装置(ADF)
10 中間転写体
14、15、16 支持ローラ
18 画像形成手段
20 タンデム画像形成装置
21 露光装置
22 2次転写装置
24 2次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置

Claims (16)

  1. 基体上に少なくとも感光層を設けた感光体において、感光層の基体側界面が正弦波成分とノイズ成分からなり、基体の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数1)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数2)により導出したパワースペクトルS(n/(N・Δt))において、1〜N/2の範囲でパワースペクトルS(n/(N・Δt))が最大となるnの値(nmax)と、可干渉光である画像形成のための書き込み光のピッチWlの関係が、(N・Δ/nmax)>1.05d・Wl又は(N・Δ/nmax)<0.95d・Wlであり、該基体上に少なくとも下引層を介して感光層を設けたことを特徴とする感光体。(ここで、dは(N・Δ/nmax)/Wlの値の小数点以下を四捨五入した整数である。ただし、(N・Δ/nmax)/Wl<1の場合はd=1である)
    Figure 0003878427
    (ここで、n、mは整数、N=2p、pは整数である)
    Figure 0003878427
  2. Δtが0.01〜50.00μm、Nが2048以上であることを特徴とする請求項1に記載の感光体。
  3. 下式(数3)により導出したI(S)が6.0×10−3以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の感光体。
    Figure 0003878427
  4. (N・Δt/nmax)≦200であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感光体。
  5. 基体上に下引層を介して感光層を設けた感光体において、下引層表面の断面曲線が正弦波成分とノイズ成分からなり、基体の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数4)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数5)により導出したパワースペクトルS(n/(N・Δt))において、1〜N/2の範囲でパワースペクトルS(n/(N・Δt))が最大となるnの値(nmax)と、可干渉光である画像形成のための書き込み光のピッチWlの関係が、(N・Δ/nmax)>1.05d・Wl又は(N・Δ/nmax)<0.95d・Wlであることを特徴とする感光体。(ここで、dは(N・Δ/nmax)/Wlの値の小数点以下を四捨五入した整数である。ただし、(N・Δ/nmax)/Wl<1の場合はd=1である)
    Figure 0003878427
    (ここで、n、mは整数、N=2p、pは整数である)
    Figure 0003878427
  6. Δtが0.01〜50.00μm、Nが2048以上であることを特徴とする請求項5に記載の感光体。
  7. 下式(数6)により導出したI(S)が6.0×10−3以上であることを特徴とする請求項5又は6に記載の感光体。
    Figure 0003878427
  8. (N・Δt/nmax)≦200であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の感光体。
  9. 感光体の感光層の膜厚が15μm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の感光体。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の感光体を用いるとともに、書き込み光として可干渉光を用いることを特徴とする画像形成装置。
  11. 多値方式による階調再現方法により書き込み画像を感光体に出力させることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. カラー画像形成可能であることを特徴とする請求項10又は11に記載の画像形成装置。
  13. 感光体上に各色のトナー画像を形成後、中間転写ベルト上に各色のトナーを転写し、出力媒体に中間転写ベルト上に積層されたトナーを2次転写することにより、画像形成を行うタイプのものであることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 中間転写ベルトが弾性を有していることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 複数の感光体を有し、それぞれの感光体に、異なる色のトナー画像を形成し、弾性を有する中間転写ベルトに各色のトナー画像を順次積層した後、出力媒体へ積層されたトナーを二次転写することにより、画像形成を行うタイプのものであることを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載の画像形成装置。
  16. 感光体への書き込みが、複数のレーザー光を同時に照射することにより行われることを特徴とする請求項10〜15のいずれかに記載の画像形成装置。
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