JP2006251094A - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 像担持体と、現像手段と、転写手段と、転写後、像担持体上に残存するトナーを清掃するクリーニングブレードを有する画像形成装置において、前記像担持体に対するクリーニングブレードの当接圧力を少なくとも2段階に変化させる機構を有し、該画像形成装置が画像形成動作中に当接圧Xでクリーニングブレードを当接し、画像形成を伴わない動作であって像担持体にトナーを微量現像し転写動作を行なわず像担持体を回転させる動作中に、Xよりも小さな当接圧Yでクリーニングブレードを当接することを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図1
Description
カラー画像形成装置には、1つの感光体のまわりに複数色の現像装置を備え、それらの現像装置でトナーを付着して感光体上に合成トナー画像を形成し、そのトナー画像を転写してシートにカラー画像を記録する、いわゆる1ドラム型のものと、並べて備える複数の感光体にそれぞれ個別に現像装置を備え、各感光体上にそれぞれ単色トナー画像を形成し、それらの単色トナー画像を順次転写してシートに合成カラー画像を記録する、いわゆるタンデム型のものとがある。
このような画像形成装置において、担持体に残留するトナーを除去するために、クリーニング手段として一般的に低コストで、コンパクトなブレードクリーニング方式が用いられている。ブレードクリーニング方式では、カウンター当接とトレーリング当接の2とおりの方式があるが、現在ではカウンター当接の方式が主流である。クリーニングブレードはゴム状弾性体が一般的である。ゴム状弾性体としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリウレタンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム等があるが、画像形成装置用のクリーニングブレードとしては、クリーニング性、耐オゾン性、機械的耐久性、耐候性、耐摩耗性、反発弾性等の特性に特に優れたポリウレタンゴムが用いられている。
本発明は、ブレードクリーニング方式の画像形成装置において、像担持体及びクリーニングブレードの耐久性の向上を可能とし、長期にわたる画像形成の繰返しにおいても、クリーニング性を維持し、像担持体にフィルミングを発生させない画像形成装置及び該装置用プロセスカートリッジを提供することを目的とする。
(1)「像担持体と、少なくとも像担持体上に形成された静電潜像をトナー像に現像する現像手段と、第二の像担持体または記録体にトナー像を転写する転写手段と、転写後、像担持体上に残存するトナーを清掃するクリーニングブレードを有する画像形成装置において、前記像担持体に対するクリーニングブレードの当接圧力を少なくとも2段階に変化させる機構を有し、該画像形成装置が画像形成動作中に当接圧Xでクリーニングブレードを当接し、画像形成を伴わない動作であって像担持体にトナーを微量現像し転写動作を行なわず像担持体を回転させる動作中に、Xよりも小さな当接圧Yでクリーニングブレードを当接することを特徴とする画像形成装置」;
(2)「前記当接圧XとYの関係が0.75X≧Yであることを特徴とする前記(1)に記載の画像形成装置」;
(3)「前記当接圧Xが10〜50g/cm、前記当接圧Yが3g/cm以上であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の画像形成装置」;
(4)「前記画像形成を伴わない動作が、少なくとも画像形成前の準備動作、画像形成後の装置停止までの動作、連続画像形成中の記録体間の画像形成を行わない動作、または、画像形成装置の調整動作から選ばれる2つ以上の画像形成を伴わない動作であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の画像形成装置」;
(5)「前記画像形成装置が複数の像担持体、帯電手段、現像手段、転写手段を有するタンデム型であることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の画像形成装置」;
(6)「前記画像形成装置が像担持体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する画像形成装置であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写することを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の画像形成装置」;
(7)「帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段、転写手段の内の少なくともクリーニング手段を含む手段と像担持体とを具備し、画像形成装置本体に装着するものであることを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の画像形成装置用プロセスカートリッジ」。
なお、本発明における「非画像形成動作中、像担持体にトナーを微量現像する」とは、以下に詳細に説明するが、像担持体に意識的に微量のトナーを現像することと、現像していないつもりでも現像ローラから現像されることのいずれか又は両方を意味する。該微量現像は結果として、例えばテープ転写濃度で0.01〜0.03程度現像されていればよく、ブレード低当接圧と組み合わせてフィルミング除去効果が向上する。
以上のような手段によって、像担持体及びブレードエッジの摩耗を抑え、フィルミング成分を除去できるのは、本発明に到達するまでに得られた結果から、次のような理由によるものと想定される。
そして本発明より、複雑な制御を必要とせず、画像形成動作以外におけるブレード当接圧制御によって、像担持体のフィルミング防止・除去を可能にし、更に像担持体及びブレードの長寿命化とクリーニング性を維持させることができる。
本発明の画像形成装置は、感光体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、クリーニング手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他による手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明による画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、クリーニング工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
前記静電潜像形成工程は、感光体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記感光体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行なうことができ、前記静電潜像形成手段により行なうことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記感光体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記感光体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性または半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行なうことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記感光体の裏面側から像様に露光を行なう光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像をトナー乃至現像剤を用いて現像することにより行なうことができ、前記現像手段により行なうことができる。
前記現像手段は、例えば、トナー乃至現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触または非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、トナー入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、
該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記感光体を帯電することにより行なうことができ、前記転写手段により行なうことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせなどが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記感光体上に残留する前記トナーを除去することができるものであり、本発明の画像形成装置においては、少なくともクリーニングブレードを用いる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、作像プロセスコントローラー回路は、(21)CPU、(22)ROM、(23)RAM、(24)I/Oから構成され、操作パネル、各種センサからの情報を基に、最適な画像が出力できるように、このコントローラーにより各作像プロセスは制御される。また、反射型フォトセンサは、各プロセス条件における感光体上又は中間転写体上のトナー濃度を光学的に計測するためのセンサであり、このセンサ出力をコントローラーへ取り込み、各作像プロセス条件を制御することによって最適な中間調再現性が得られる。
タンデム方式では、各色の潜像形成や現像を並行して行なうことができるため、リボルバ式よりも画像形成速度を遙かに高速化させることができる。
一方、現像部(167)には、現像ケース(170)の開口を通して感光体(110)と対向して現像スリーブ(165)を設けるとともに、その現像スリーブ(165)内にマグネット(172)を固定して設ける。また、その現像スリーブ(165)に先端を接近してドクタブレード(173)を設ける。図示例では、ドクタブレード(173)と現像スリーブ(165)間の最接近部における間隔は、500μmに設定してある。
そして、二成分現像剤を2本のスクリュ(168)で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ(165)に供給する。現像スリーブ(165)に供給された現像剤は、マグネット(172)により汲み上げて保持され、現像スリーブ(165)上に磁気ブラシを形成する。磁気ブラシは、現像スリーブ(165)の回転とともに、ドクタブレード(173)によって適正な量に穂切りされる。切り落とされた現像剤は、攪拌部(166)に戻される。
ちなみに、図示例では、感光体(110)の線速を125mm/s、現像スリーブ(165)の線速を150mm/sとしている。感光体(110)の直径を30mm、現像スリーブ(65)の直径を18mmとして、現像行程が行なわれる。現像スリーブ(165)上のトナーの帯電量は、−10〜−30μC/gの範囲が好適である。感光体(110)と現像スリーブ(165)の間隙である現像ギャップGPは、従来と同様に0.8mmから0.4mmの範囲で設定でき、値を小さくすることで現像効率の向上を図ることが可能である。
感光体(110)の厚みを28μmとし、光学系のビームスポット径を50×60μm、光量を0.47mWとしている。また、感光体(110)の帯電(露光前)電位VOを−700V、露光後電位VLを−120Vとして現像バイアス電圧を−470Vすなわち現像ポテンシャル350Vとして現像工程が行なわれるものである。
そして、感光体(110)に対してカウンタ方向に回転するファーブラシ(176)で、感光体(110)上の残留トナーを除去する。ファーブラシ(176)に付着したトナーは、ファーブラシ(176)に対してカウンタ方向に接触して回転するバイアスを印加された電界ローラ(177)に取り除かれる。電界ローラ(177)に付着されたトナーは、スクレーパ(178)でクリーニングされる。感光体クリーニング装置(163)で回収したトナーは、回収スクリュ(179)で感光体クリーニング装置(163)の片側に寄せ、トナーリサイクル装置(180)で現像装置(161)へと戻して再利用する。
そして、感光体(110)の回転とともに、まず帯電装置(160)で感光体(110)の表面を一様に帯電し、次いでスキャナ(300)の読取り内容に応じて上述した露光装置(21)からレーザやLED等による書込み光(L)を照射して感光体(110)上に静電潜像を形成する。
その後、現像装置(161)によりトナーが付着され静電潜像を可視像化し、その可視像を1次転写装置(162)で中間転写体(150)上に転写する。画像転写後の感光体(110)の表面は、感光体クリーニング装置(163)で残留トナーを除去して清掃し、除電装置(164)で除電して再度の画像形成に備える。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する感光体を有し、該感光体表面を一様に帯電させる帯電手段、該帯電された感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、トナー像を像担持体に転写する転写手段、感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段のうちの少なくともクリーニング手段を含む手段を有してなる。
前記現像手段としては、トナー乃至現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持し、かつ搬送する現像ローラとを少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置、ファクシミリ、プリンターに着脱自在に備えさせることができ、後述する本発明の画像形成装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
露光手段(103)には、高解像度で書き込みが行なうことのできる光源が用いられる。帯電手段(102)には、任意の帯電部材が用いられる。
カウンター当接のブレードクリーニング方式の一例を図1に示す。クリーニングブレードを使用したクリーニング方式にはカウンター当接とトレーリング当接の2とおりの方式があるが、現在ではカウンター当接の方式が主流であり、トレーリング法は殆ど使用されないため、ここではカウンター方式について説明する。
また、非画像形成動作とは、最終的に記録体へトナー像を記録していないときの動作であり、より具体的には、画像形成前の準備動作、画像形成後の装置停止までの動作、連続画像形成中の記録体間の画像形成を行なわない動作、または、画像形成装置の調整動作を意味する。これらの非画像形成動作のうち少なくとも2つ以上の動作で、ブレード当接圧をYとし、微少贋造トナーをブレードエッジ部へ送ることで、フィルミングの除去・防止、さらには、ブレード当接圧低減による、感光体、ブレードの摩耗量を減らすことが可能となり、その長寿命化が達成可能となる。
即ち、フィルミングは、画像形成動作を繰り返すことにより発生する。本発明では、画像形成を伴わない動作中に主目的であるフィルミング除去を行なうが、当然、フィルミング除去動作(トナー微量現像+ブレード当接圧の低減)の機会(時間、回数)を多くすることによって、フィルミング除去効果は大きくなる。さらに言えば、画像形成動作以外の全ての動作中にフィルミング除去動作を行うのが最も効果が大きいことになる。
ここで画像形成装置の調整動作としては、フィルミングの除去を目的する動作を、一定の画像形成枚数毎に行なうことにより、フィルミング防止の効果をより向上させることも可能である。
a)肉厚(板厚):1〜5mm、通常は1.5〜3mm
厚いと感光体とブレード間にトナーの詰まりを生じ、クリーニング不良の要因になるため、可能な範囲で薄い方が望ましい。
b)硬度(JIS−A硬度 K6301):40〜90度、好適には55〜80度
JIS−A硬度が小さいと、強度不足でブレード先端部が潰れて、接触面積広がり摩擦抵抗が増加するが、潰によるブレードエッジの歪みが生じ、隙間を生じブレードの下にトナーが潜り込み、クリーニング不良を起こす。
一方、ブレードの硬度が高い場合には、ブレードエッジの強度が高まるため、感光体との密着性を充分に高くすることができるが、脆くなるためエッジが欠けて、感光体には摺擦傷が生じたり、ブレードの撓りが少ないため、充分に隙間を狭めることができなくなる。したがって、感光体との隙間からトナーが抜け出る現象が生じ、クリーニング不良の要因となる。
c)ブレードエッジ表面粗さ:10μm以下、好ましくは5μm以下
ブレードエッジの表面粗さは、トナーのクリーニング性に重要な意味を持つ。すなわち、表面粗さが大きいと、トナーが自由にすり抜けクリーニングの用を足さない。10μm以下であればブレードに一定の当接圧(たとえば、20(g/cm)以上)を印加することにより、ブレードが撓り、感光体にブレードエッジを充分に密着可能である。ただし、当接圧を軽くした場合(たとえば、20(g/cm)以下)には、もう少し表面粗さを小さくすることが望ましく、5〜6μm程度にする。ただ、ブレードエッジでのトナーや、キャリアの阻止力が不充分でわずかに漏れ続けた場合、ブレードエッジが欠損するので、クリーニング不良は絶対阻止する必要がある。
d)ヤング率(弾性定数 N/mm2):4〜10 通常は6前後
e)100%モジュラス(Mpa):2〜5
f)300%モジュラス(Mpa):10〜15
g)反発弾性(K6301、リュプケ法):20〜60
すなわち、クリーニングブレードを一定の加重(当接圧)を掛けて感光体に押しつけたとき、クリーニングブレードのエッジと感光体間に隙間を作らないように、適度にしなり(撓り)、密着する物理特性(物性)を有することが重要である。
ブレードは高剛性の支持体にホットメルト接着剤等の接着強度の高い接着剤を用いて固定される。
支持体には、アルミニウム、真鍮、鉄、ステンレス等の金属が使用されるが、できるだけ制振性の高い(響きにくい)高剛性の金属を使用するのが好ましく、不足の場合には必要に応じて、制振処理が行なわれる。制振処理はクリーニングブレードと感光体が摺擦する際のブレード鳴きを抑制するためである。制振材にはブチルゴム、ソルボセイン(ブチルゴムと同じく合成ゴム)などがある。
ステンレス製であれば1.5mm以上、真鍮製、鉄製であれば2mm以上、アルミニウムであれば3mmは必要である。剛性が不足した場合には、感光体が回転する際にブレードが振動するため、クリーニング不良が起こりやすくなる。従って、クリーニングブレードは微振動しないように、充分な固定が必要である。
支持体に固定されたクリーニングブレードは感光体に対して下記のような当接角の数値範囲で固定される。
ブレードを感光体へ当接する場合の角度(当接角)は10〜40度の範囲が望ましく、好適には15〜30度、さらに好適には18〜22度、当接角が大きくても、小さくてもクリーニング性に不具合を来すため、好適な範囲で設定した方が望ましい。
クリーニングブレードには側面に導電塗料を塗って、電圧を印加することができる。電圧印加はブレードにトナーが付着しないようにするためで、トナーがブレードに付着することによって、クリーニングが阻害されるのを抑制させるが、導電塗料に近接したトナーには有効であるが、それ以外のトナーには電界が及びにくいため、トナーの流入が多い場合には効果が薄い。
クリーニングユニットにファーブラシとクリーニングブレードの両者を一体内蔵するクリーニング法は、図4に概略図を示すように、一般的にファーブラシは上流側(転写装置側)、クリーニングブレードは下流側(帯電装置側)に配置される。ファーブラシ/クリーニングブレードを併用使用するクリーニング法は特にHigh Volumeの画像形成装置や、クリーニングユニットが感光体の上部側に配置される場合に有利である。
残留粉体がクリーニングブレードに多量に流入したり滞留したりすると。クリーニングブレードの負担が大きくなり、耐久性が短くなりクリーニング不良を起こし、帯電部材の汚染や画像品質のSN比の低下につながる。
したがって、ファーブラシはクリーニングブレードに流入するトナーをあらかじめ除去し、クリーニングブレードの負担を軽くし、クリーニングブレードでのクリーニング性を維持することを目的とするものである。
更にファーブラシの感光体と対向する面と反対側に固体潤滑剤を当接して、感光体へ潤滑剤を供給し、クリーニング性を補助することも、本発明の目的であるフィルミング防止、感光体とブレードの長寿命化に繋がる。
使用する感光体1及び2は以下のようにして作製した。
[1]感光体1の作製
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50、大日本インキ化学工業株式会社製)15質量部、及びメラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)10質量部をメチルエチルケトン150質量部に溶解した。この溶液に、ルチル型酸化チタン粉末(タイペークCR−EL、石原産業株式会社製)80質量部、及びアルミナで表面処理された酸化チタン(タイペークCR−67、石原産業株式会社製)10質量部を加え、ボールミルで24時間分散し、下引き層用塗工液を調製した。
得られた下引き層用塗工液を直径30mm、厚さ0.8mmのアルミニウム基体に浸漬塗工法によって塗工し、130℃にて20分間乾燥して、厚み3μmの下引き層を形成した。
得られた電荷発生層用塗工液を前記下引き層上に浸漬塗工法によって塗工し、130℃にて20分間乾燥して、厚み0.2μmの電荷発生層を形成した。
得られた電荷輸送層用塗工液を前記電荷発生層上に浸漬塗工法によって塗工し、130℃にて20分間乾燥して、厚み20μmの電荷輸送層を形成した。
得られた表面保護層用塗工液を前記電荷輸送層上にスプレー塗工法によって塗工し、150℃にて20分間乾燥して、厚み5μmの表面保護層を形成した。以上のようにして感光体1を作製した。
電荷輸送層の厚みを28μmとし、表面保護層を設けなかったこと以外は、感光体1と同様にして感光体2の作製を行なった。
(トナー1の作製)
以下、部は重量部を示す。
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物690部、テレフタル酸230部を常圧下、210℃で10時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後160℃まで冷却し、これに18部の無水フタル酸を加えて2時間反応し変性されていないポリエステル(a)(重量平均分子量Mw:85000)を得た。
攪拌棒および温度計のついた反応槽中にイソホロンジアミン30部とメチルエチルケトン70部を仕込み、50℃で5時間反応を行ないケチミン化合物(1)を得た。
反応後の分散液(粘度:3500mP・s)を減圧下1.0時間以内に50℃以下の温度で有機溶剤を除去した後、濾別、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体粒子(1)を得た。
更に、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル行なった。このトナーの体積平均粒径と円形度を下表に示す。
スチレン−nブチルアクリレート共重合体(Mw7万、Mn2万) 200重量部
カーボンブラック 14重量部
極性樹脂[飽和ポリエステル(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性
ビスフェノールA、酸価15、ピーク分子量60000)] 10重量部
負極性電荷制御剤(ジアルキルサリチル酸金属化合物) 2重量部
低軟化点物質(エステルワックス化合物) 15重量部
上記組成物エクストルーダーを用いて溶融混練後、冷却した混練物を機械的に粉砕し、ジェット流を用いて粗粉砕物を衝突版に衝突させて微粉砕し、更に気流分級機で微粉砕物を分級し、得られたトナー2母体についてトナー1と同様に疎水性シリカの混合処理を行ない、体積平均粒径8.6μm、円形度0.914の粉砕トナーを得た。
トナーの円形度は、得られたトナー粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度を評価した。この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000により平均円形度として計測することができ、具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加え、試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
(クリーニングユニット1)
図2に示すクリーニング装置1を使用した。
クリーニング装置1内にクリーニングブレードの上流にクリーニングを補助するファーブラシを取り付けたクリーニング装置2を使用した。
クリーニング装置2のファーブラシの感光体と対向する面と反対側に固体潤滑剤(ステアリン酸亜鉛)をバネで当接させて、ファーブラシで固体潤滑剤を感光体へ供給する機構を設けたクリーニング装置3を使用した。
(ブレード当接圧制御1)
非画像形成動作を、画像形成前の準備動作、画像形成後の装置停止までの動作及び連続画像形成中の記録体間の画像形成を行なわない動作とし、この動作の中にブレード当接圧をYに設定し、感光体へトナーを微少現像し、転写動作を行ないように制御する。
非画像形成動作として、画像形成50枚毎にフィルミング除去を目的とする動作モードを設け、この動作の中にブレード当接圧をYに設定し、感光体へトナーを微少現像し、転写動作を行なわず、感光体を30回転させるように制御する。
ブレード当接圧制御1と2の非画像形成動作中に、ブレード当接圧をYに設定し、感光体へトナーを微少現像し、転写動作を行ないように制御する。
図5に示す画像形成装置を改造し、前記の感光体、トナー、クリーニングユニット、ブレード当接圧制御方法を組み合わせた画像形成装置を得た。
以上の感光体、トナー、クリーニングユニット、ブレード当接圧制御方法を組み合わせた各画像形成装置について、高温高湿(30℃、90%RH)条件下で画像面積率0.5%、2.5%、5%、10%、25%の原稿をこの順で1ジョブ当たり5枚連続で画像出力し、5万枚(A4横)の画像出力を行ない、クリーニング不良を目視確認し、評価を行なった。また、感光体とクリーニングブレードの摩耗量や感光体のフィルミング状態の評価も行なった。以下に評価方法と判断基準を示す。
現像バイアス値を振って、感光体へトナーを現像し、その現像トナーを透明テープに転写し、現像トナー量を反射濃度で測定し、所望の現像量となるように現像バイアス値に設定した。
[1]画像出力後の感光体膜厚を渦電流式膜厚計で測定し、その摩耗量を求めた。
[2]5K毎に感光体を取り外し、感光体表面を観察し、そのフィルミング状態を評価した。(◎:問題なし、○:目視では分からないが光学顕微鏡でわずかなフィルミングが見える、△:目視でわずかなフィルミングが見える、×:数カ所にはっきりとフィルミングが見える、××:フィルミングが多数見える)
画像出力後、クリーニングブレードを取り外し、超深度形状測定顕微鏡VK8500(レーザ顕微鏡)にて摩耗により消失した図10にブレード摩耗量と表示した部分を測定した。
出力された画像について目視にてクリーニング性を評価した。(◎:問題なし、○:わずかなが連続画像出力中にたまに出る、△:目視でわずかなスジが出力画像に見える、×:はっきりとした黒スジが見える、××:はきりとした黒スジが多数見える)
表2に示すように、感光体、トナー、クリーニングユニット、ブレード当接圧制御方法を組み合わせた各画像形成装置での評価結果を表2に示す。各実施例、比較例におけるブレード当接圧X、Y及び微少現像トナー量は表2のように設定した。
2 徐電ランプ
3 帯電チャージャ
4 LD(レーザダイオード)より発生された書込光
5 定着ローラ
6 電位センサ
7 加圧ローラ
8 温度センサ
9 転写ユニット
10 光反射型フォトセンサ
11 クリーニングユニット
12 現像剤攪拌部
13 トナー補給部
14 現像ユニット
15 第一現像ローラ
16 第二現像ローラ
17 トナーホッパ
18 トナー補給ローラ
19 現像バイアス電源
20 トナー濃度センサ
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 I/O
25 帯電チャージャ電源
26 転写ベルト駆動ローラ
27 転写ベルト従動ローラ
28 転写ベルト
29 温度センサ
30 クリーニング部
32 クリーニングケース
33 先端エッジ部
34 クリーニングブレード
35 支持部片
36 支持部材
37 枢軸
38 ソレノイド
39 引張ばね
40 トナー排出部材
80 感光体
81 露光光源
82 現像ユニット
83 除電ランプ
84 帯電ローラ
85 クリーニングユニット
86 バイアスローラ
87 中間転写ベルト
88 レジストローラ
89 紙
90 紙転写バイアスローラ
91 転写ベルト
92 搬送ベルト
93 定着ユニット
94 ファーブラシ
95 反射型フォトセンサ
96 温度センサ
97 電位センサ
101 感光体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 転写体
107 クリーニング手段
108 転写手段
110 感光体
114 支持ローラ
115 支持ローラ
116 支持ローラ
117 中間転写体クリーニング装置
118 画像形成手段
120 タンデム型現像器
121 露光装置
122 二次転写装置
123 ローラ
124 二次転写ベルト
125 定着装置
126 定着ベルト
127 加圧ローラ
128 シート反転装置
130 原稿台
132 コンタクトガラス
133 第1走行体
134 第2走行体
135 結像レンズ
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
149 レジストローラ
150 中間転写体
151 手差しトレイ
152 分離ローラ
153 手差し給紙路
160 帯電器
161 現像器
162 転写帯電器
163 感光体クリーニング装置
164 除電器
165 現像スリーブ
166 攪拌部
167 現像部
168 攪拌スクリュ
169 仕切り板
170 現像ケース
171 トナー濃度センサ
172 マグネット
173 ドクタブレード
175 クリーニングブレード
176 ファーブラシ
177 電界ローラ
178 スクレーパ
179 回収スクリュ
180 トナーリサイクル装置
L 露光
T トナー
200 給紙テーブル
250 複写装置本体
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (7)
- 像担持体と、少なくとも像担持体上に形成された静電潜像をトナー像に現像する現像手段と、第二の像担持体または記録体にトナー像を転写する転写手段と、転写後、像担持体上に残存するトナーを清掃するクリーニングブレードを有する画像形成装置において、前記像担持体に対するクリーニングブレードの当接圧力を少なくとも2段階に変化させる機構を有し、該画像形成装置が画像形成動作中に当接圧Xでクリーニングブレードを当接し、画像形成を伴わない動作であって像担持体にトナーを微量現像し転写動作を行なわず像担持体を回転させる動作中に、Xよりも小さな当接圧Yでクリーニングブレードを当接することを特徴とする画像形成装置。
- 前記当接圧XとYの関係が0.75X≧Yであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記当接圧Xが10〜50g/cm、前記当接圧Yが3g/cm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成を伴わない動作が、少なくとも画像形成前の準備動作、画像形成後の装置停止までの動作、連続画像形成中の記録体間の画像形成を行わない動作、または、画像形成装置の調整動作から選ばれる2つ以上の画像形成を伴わない動作であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置が複数の像担持体、帯電手段、現像手段、転写手段を有するタンデム型であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置が像担持体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する画像形成装置であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段、転写手段の内の少なくともクリーニング手段を含む手段と像担持体とを具備し、画像形成装置本体に装着するものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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