JP3799158B2 - 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及び画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真法、静電記録法、磁気記録法などを利用した記録方法に用いられるトナー及び画像形成方法に関するものである。詳しくは本発明は予め静電潜像担持体上にトナー像を形成後、転写材上に転写させて画像形成する複写機、プリンター、ファックスに用いられるトナー及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで、該潜像をトナーで現像を行って可視像化し、必要に応じて紙などの転写材にトナー像を転写した後に、熱/圧力により転写材上にトナー像を定着して最終画像を得るものである。
【0003】
電気的潜像を可視化する方法としては、カスケード現像法、磁気ブラシ現像法、加圧現像方法等が知られている。さらには、磁性トナーを用い、中心に磁極を配した回転スリーブを用い感光体上とスリーブ上の間を電界にて飛翔させる方法も用いられている。
【0004】
一成分現像方式は二成分方式のようにガラスビーズや鉄粉等のキャリア粒子が不要なため、現像装置自体を小型化・軽量化できる。さらには、二成分現像方式はキャリア中のトナーの濃度を一定に保つ必要があるため、トナー濃度を検知し必要量のトナーを補給する装置が必要である。よって、ここでも現像装置が大きく重くなる。一成分現像方式ではこのような装置は必要とならないため、やはり小さく軽くできるため好ましい。
【0005】
また、プリンター装置はLED、LBPプリンターが最近の市場の主流になっており、技術の方向としてより高解像度即ち、従来300、600dpiであったものが1200、2400dpiとなってきている。従って現像方式もこれにともなってより高精細が要求されてきている。また、複写機においても高機能化が進んでおり、そのためデジタル化の方向に進みつつある。この方向は、静電荷像をレーザーで形成する方法が主であるため、やはり高解像度の方向に進んでおり、ここでもプリンターと同様に高解像・高精細の現像方式が要求されてきている。
【0006】
そこでトナーの高精細化現像を目的として、トナー粒子に所望の摩擦帯電性を付与する添加剤として、特定の荷電制御剤を添加することが行われている。今日当該技術分野で知られている荷電制御剤としては、負摩擦帯電性として、モノアゾ染料の金属錯塩、ヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸、芳香族ジオール等の金属錯塩、酸成分を含む樹脂等がある。正摩擦帯電性として、ニグロシン染料、アジン染料、トリフェニルメタン系染顔料、4級アンモニウム塩、4級アンモニウム塩を側鎖に有するポリマー等が知られている。
【0007】
しかしながら、これらの荷電制御剤のほとんどは、有色であり、カラートナーには使用できないという欠点がある。また、カラートナーに適用可能な無色、あるいは白色の荷電制御剤は、ハイライトの均一性が得られなかったり、耐久試験での画像濃度の変動が著しいといった性能的欠点があり実用的でないものがほとんどである。
【0008】
そこで、特開平2−201378号公報、特開平5−127426号公報には、実質的に無色透明の荷電制御剤として、カリックスアレン化合物を含有する静電荷像現像用トナーが提案されている。
【0009】
これらの荷電制御剤含有トナーは、耐環境性、保存安定性に優れ、初期の画像出力において、高精細な画像を再現することが可能であるが、該公報の実施例を行ったところ、耐久試験での現像性及び転写性において著しい欠点を生じ、さらに出力画像の濃度低下や画像の地カブリを生じるといった問題があり、さらなる改良が必要である。
【0010】
また、静電荷像現像方法において、現像工程で感光体上に形成されたトナー像は転写工程で転写材に転写されるが、感光体上に残った転写残トナーはクリーニング工程でクリーニングされ、廃トナー容器にトナーは蓄えられる。このクリーニング工程については、従来ブレードクリーニング、ファーブラシクリーニング、ローラークリーニング等が用いられていた。装置面からみると、かかるクリーニング装置を具備するために装置が必然的に大きくなり装置のコンパクト化を目指すときのネックになっていた。さらには、エコロジーの観点より、トナーの有効活用と言う意味で廃トナーの少ないシステムが望まれている。
【0011】
また、静電潜像担持体、中間転写体、帯電部材等のプロセスとのマッチングを鑑み、転写効率が更に改善されたトナーが求められている。
【0012】
特開昭61−279864号公報においては、形状係数SF−1及びSF−2を規定したトナーが提案されている。しかしながら、該公報には転写に関してなんの記載もなく、また、実施例を行った結果、転写効率が低く、さらなる改良が必要である。
【0013】
さらに、特開昭63−235953号公報においては、機械的衝撃力により球形化した磁性トナーが提案されている。しかしながら、転写効率はいまだ不十分であり、さらなる改良が必要である。
【0014】
また、現像耐久性に優れるトナーを得るために、現像器内での流動性にすぐれたトナーが求められている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点を解決したトナー及び画像形成方法を提供することにある。
【0016】
すなわち本発明の目的は、粒子の帯電均一性、耐環境性に優れ、耐久試験での画像変動の少なく、トナーが感光体上の非潜像域への飛び散りがほとんど発生しないか、またはこれらの現象が抑制されたトナー及び画像形成方法を提供することにある。
【0017】
さらに本発明の目的は、離型性並びに滑り性に優れ、これら機能が長期間および多数枚プリント後においても感光体削れが少ない、画像形成装置とのマッチングに優れるトナー及び画像形成方法を提供することにある。
【0018】
さらに本発明の目的は、静電潜像担持体に圧接する部材の汚染による帯電異常や画像欠陥が発生しないか、又はこれらの現象が抑制されたトナー及び画像形成方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者は、鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
【0020】
本発明は、少なくとも結着樹脂、ワックス及びフェノール誘導体縮合物を含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、i)該フェノール誘導体縮合物が、フェノール及び/またはその誘導体とアルデヒドとの縮合物であって、且つ該縮合物が鎖状縮合物と環状縮合物との混合物であり、ii)画像解析装置で測定した該トナー粒子の形状係数は、SF−1の値が100<SF−1≦160であり、SF−2の値が100<SF−2≦140であることを特徴とする静電荷像現像用トナーに関する。
【0021】
更に、本発明は、該トナーを用いた画像形成方法に関する。
【0022】
本発明において、上記フェノール誘導体縮合物として、鎖状縮合物(一般式<A>で表される)、あるいは、環状縮合物(一般式<B>で表されるカリックス(n)アレン化合物)、又は、該鎖状縮合物と該環状縮合物との混合物が用いられる。
【0023】
【化4】
Figure 0003799158
〔一般式<A>,<B>において、R1は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または−(CH2mCOOR10基を表す。なお、R10は水素原子または低級アルキル基を表し、mは1〜3の整数を表す。R2は、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、アラルキル基、−NO2、−NH2、−N(R72、−SO38、置換基を有してもよいフェニル基、または−Si(CH33を表す。また、ここにおいてR7は低級アルキル基を表し、R8は水素原子または低級アルキル基を表す。R3及びR4は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、−NH2、または−N(R92を表す。また、ここにおいてR9は低級アルキル基を表す。R5は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。R11は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、または−(CH2pCOOR20基を表す。また、ここにおいてR20は、水素原子または低級アルキル基を表し、pは1〜3の整数を表す。R12は、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、アラルキル基、−NO2、−NH2、−N(R172、−SO318、置換基を有してもよいフェニル基、または−Si(CH33を表す。また、ここにおいてR17は低級アルキル基を表し、R18は水素原子または低級アルキル基を表す。R13及びR14は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、−NH2、または−N(R192を表す。なお、R19は低級アルキル基を表す。R15は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。一般式<A>の末端R16及びR17は、水素原子、アルキル基、水酸基を含むアルキル基を表す。
【0024】
一般式<B>で表されるカリックス(n)アレン化合物において、その(n)と同式中におけるX及びYの関係は、n=X+Yで、X及びYは0〜8の自然数、nは自然数を示す。〕
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の縮合物は、フェノール類とホルムアルデヒド類とをアルカリ条件下で加熱することによって得られる。生成する縮合物は、選択的に環状あるいは線状縮合物となり、これらはその後混合して用いてもよい。これらの縮合物を選択的に合成するために、アルカリ金属の添加条件を調整してフェノール類とホルムアルデヒド類を加熱し、さらに洗浄、抽出の条件を調節すればよい。複数のアルカリ金属を添加することで、ユニット数の異なる縮合物の種類を多くすることができる。
【0026】
鎖状縮合物や環状縮合物の混合液も加熱温度、原料の添加時期、合成濃度等の合成条件溶媒、アルカリ金属の量、pHを調整することにより種々のものが得られる。また洗浄、抽出等の精製に用いることのできる溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール、エーテル、ヘキサン、ジオキサン、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシドなどがあげられる。
【0027】
本発明の鎖状縮合物の末端は、水素原子、アルキル基、水酸基を含むアルキル基がよく、水素原子、アルキル基が高温環境での帯電量において有利なため好ましい。
【0028】
本発明の縮合物中の鎖状縮合物と環状縮合物は、それぞれ単独でもよく、鎖状縮合物と環状縮合物を併用してもよい。
【0029】
本発明の縮合物の構造としては、一般式<A>及び<B>における置換基Rnにおいて、縮合反応を阻害しないものであれば、適用可能である。
【0030】
一般式<A>及び<B>における置換基R2では、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基、アラルキル基、アリサイクリック基である場合、帯電量の高さ、帯電の立ち上がりが良好になりやすい。その中でも、置換基を有してもよいフェニル基、クミル基、ノルマルアルキル基がよく、さらに好ましくは、少なくとも1種類のフェニル基を有するものが帯電の維持性向上のためによい。また、フェニル基、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を有することにより、適度な帯電量を保持するようになり、転写、定着においても制御がしやすくなる。このことにより転写、定着での画像の乱れが低減する。
【0031】
また、トナー定着性能に悪影響を与える置換基もあるが、フェニル基、メチル基は悪影響がない点でも好ましい。さらに原料においてp−フェニルフェノールを用いてフェニル基を導入するのが合成の容易さの点で好ましい。
【0032】
一般式<A>及び<B>における置換基R1では、水素原子が好ましいが、その他ではアルキル基、アラルキル基がよい。
【0033】
一般式<A>及び<B>における置換基R3,R4では、水素原子が好ましいが、その他ではアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基が帯電安定性向上の点でよい。
【0034】
一般式<A>及び<B>における置換基R5では、水素原子が好ましいが、その他ではメチル基が縮合反応を阻害せず、トナー性能に有害な不純物が含まれにくいのでよい。
【0035】
2種以上の置換基を有する縮合物も好ましい。2種以上の置換基を用いることで、得られる粉体の結晶性が崩れ、樹脂中への分散性、帯電の立ち上がり方を調整することができる。組み合わせとしては、たとえばフェニル基とシクロヘキシル基、フェニル基とメチル基、シクロヘキシル基とメチル基の組み合わせがよい。
【0036】
鎖状の化合物は、分散性に優れるので、帯電性にやや劣るが、均一な帯電性が得られやすく、好ましい。また、環状の化合物は、帯電性に優れるので、高い帯電量が得られる。これらの効果を有効に作用させるために、鎖状縮合物と環状縮合物を併用する使用方法がより好ましい。
【0037】
一般式<A>及び<B>における縮合物の繰り返しユニット数nは3〜12が好ましく、4〜8がさらに好ましい。繰り返しユニット数nが3未満では、帯電性が発揮できない。また、繰り返しユニット数nが12を超えると、分散性が悪化し、トナーの帯電性にムラが生じ、地カブリを発生するため好ましくない。
【0038】
なお、縮合物中の繰り返しユニット数nの存在比は、分子量分布をFD−MS(電解脱離質量分析)を用いて測定し、m/zピークの強度比を存在比として求める。各ユニットの分子量を計算し、そのユニットで構成される縮合物の分子量を計算し、ユニット構成を求める。
【0039】
本発明の化合物をトナーに含有させる方法としては、トナーに内添する方法とトナーに外添する方法がある。
【0040】
内添する場合の添加量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部の範囲で使用するのがより好ましい。
【0041】
0.1質量部未満では、トナーの帯電性において改良がみられず好ましくない。また、10質量部を超えると、経済的観点から好ましくない。
【0042】
また、外添する場合は、結着樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましく、持にメカノケミカル的にトナー表面に固着させるのが好ましい。
【0043】
さらに本発明の縮合物は、公知の荷電制御剤と組み合わせて使用することもできる。
【0044】
本発明のフェノール誘導体縮合物の具体例を以下に示すが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
【0045】
また、具体例中の縮合物の番号は、トナーの製造例で使用しているものと同一のものである。
【0046】
縮合物(1)
下記化合物(1)[p−クレゾール]とアルデヒド(1:1混合物)を出発原料とし、アルカリ触媒存在下で縮合させ、再結晶によって精製した縮合物であって、一般式<A>で表され、ユニットの繰り返し単位が6である鎖状縮合物。
【0047】
【化5】
Figure 0003799158
【0048】
縮合物(2)
化合物(1)[p−クレゾール]とアルデヒド(1:1混合物)を出発原料とし、アルカリ触媒存在下で縮合させ、再結晶によって精製した縮合物であって、一般式<B>で表され、ユニットの繰り返し単位が6である環状縮合物。
【0049】
【化6】
Figure 0003799158
【0050】
縮合物(3)
鎖状縮合物(1)と環状縮合物(2)の質量比1:1で混合した縮合物の混合体。
【0051】
縮合物(4)
化合物(2)[p−フェニルフェノール]とアルデヒド(1:1混合物)を出発原料とし、アルカリ触媒存在下で縮合させ、再結晶によって精製した縮合物であって、一般式<A>で表され、ユニットの繰り返し単位が5のものと6ものを含む鎖状縮合物。
【0052】
【化7】
Figure 0003799158
【0053】
縮合物(5)
化合物(2)[p−フェニルフェノール]とアルデヒド(1:1混合物)を出発原料とし、アルカリ触媒存在下で縮合させ、再結晶によって精製した縮合物であって、一般式<B>で表され、ユニットの繰り返し単位が6である環状縮合物。
【0054】
縮合物(6)
鎖状縮合物(4)と環状縮合物(5)の質量比1:1で混合した縮合物の混合体。
【0055】
縮合物(7)
化合物(3)[p−tertブチルフェノール]とアルデヒド(1:1混合物)を出発原料とし、アルカリ触媒存在下で縮合させ、再結晶によって精製した縮合物であって、一般式<A>で表され、ユニットの繰り返し単位が4のものと6のものの混合物である鎖状縮合物。
【0056】
【化8】
Figure 0003799158
【0057】
縮合物(8)
化合物(3)[p−tertブチルフェノール]とアルデヒド(1:1混合物)を出発原料とし、アルカリ触媒存在下で縮合させ、再結晶によって精製した縮合物であって、一般式<B>で表され、ユニットの繰り返し単位が6である環状縮合物。
【0058】
縮合物(9)
鎖状縮合物(7)と環状縮合物(8)の質量比1:1で混合した縮合物の混合体。
【0059】
縮合物(10)〜(20)
一般式<B>において、置換基R3〜R5及びR13〜R15が水素原子で、置換基R1,R2及びR11,R12が表1で表される組み合わせで表される環状縮合物。
【0060】
【表1】
Figure 0003799158
【0061】
縮合物(21)〜(30)
一般式<B>において、置換基が表2の組み合わせで表せる環状縮合物。
【0062】
【表2】
Figure 0003799158
【0063】
本発明において、形状係数を示すSF−1、SF−2とは、例えば日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い、1000倍に拡大した2μm以上のトナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して、例えばニコレ社製画像解析装置(Luzex III)に導入し解析を行い下式より算出し得られた値を形状係数SF−1、SF−2と定義する。
【0064】
【数1】
Figure 0003799158
(式中、MXLNGは粒子の絶対最大長、PERIMEは粒子の周囲長、AREAは粒子の投影面積を示す。)
【0065】
なお、トナー粒子に外添剤を外添した後に、上記の方法によりトナー粒子の形状係数の測定を行う場合には、トナー粒子表面に付着している外添剤が画像解析データには含まれないよう画像処理を行う。
【0066】
形状係数SF−1はトナー粒子の丸さの度合いを示し、形状係数SF−2はトナー粒子凹凸の度合を示している。形状係数SF−1はトナー粒子の丸さの度合を示し、形状係数SF−2はトナー粒子凹凸の度合を示している。
【0067】
トナーの形状係数の比(SF−2)/(SF−1)の値が1.0を超えるときは、一般にクリーニング不良が発生しやすく、トナーの形状係数SF−1が160を超えると、球形から離れて不定形に近づき、現像器内でトナーが破砕され易く、粒度分布が変動したり、帯電量分布がブロードになりやすくなるため、画像濃度低下や、地カブリや反転カブリといった画像カブリが生じやすい。また、SF−2が140を超えると、静電像保持体から中間転写体及び転写材への転写時におけるトナー像の転写効率の低下、および文字やライン画像の転写中抜けを招き好ましくない。
【0068】
特に上のごとき傾向は、複数のトナー像を現像/転写せしめるフルカラー複写機を用いた場合に顕在化する。すなわち、フルカラー画像の生成においては、4色のトナー像が均一に転写されにくく、さらに、中間転写体を用いる場合には色ムラやカラーバランスの面で問題が生じ易く、高画質のフルカラー画像を安定して出力することが困難となる。
【0069】
さらに、通常の不定形トナーを用いた場合には、感光体とクリーニング部材との間、及び/又は、感光体と中間転写体間でのズリカや摺擦力のために、感光体表面や中間転写体表面にトナーの融着やフィルミングが発生して画像形成装置とのマッチングに支障をきたす。
【0070】
したがって、これらの諸問題を回避するためには、トナーの形状係数SF−1の値が100<SF−1≦160であり、形状係数SF−2の値が100<SF−2≦140であることが好ましく、形状係数SF−1の値が100<SF−1≦140であり、形状係数SF−2の値が100<SF−2≦120であることが更に好ましい。また、(SF−2)/(SF−1)の値が1.0以下であることが好ましい。
【0071】
更に高画質化のためより微小な潜像ドットを忠実に現像するために、トナー粒子は重量平均径が4〜9μmであることが好ましい。重量平均径が4μm未満のトナー粒子においては、転写効率の低下から感光体上に転写残のトナーが多く、さらに、カブリ・転写不良に基づく画像の不均一ムラの原困となりやすく、本発明で使用するトナーには好ましくない。また、トナー粒子の重量平均径が9μmを超える場合には、文字やライン画像の飛び散りが生じやすい。
【0072】
トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)等を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェース(日科機製)及びPC−9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記コールターカウンターTA−II型によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから本発明に係る体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(D4)、個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)を求めた。
【0073】
また、本発明に係るトナーの単位質量あたりの帯電量(二成分法)は−20〜−80mC/kg(より好ましくは−40〜−70mC/kg)であり、トナーの逆極帯電性比は、0〜10%(より好ましくは0〜5%)であることが好ましい。
【0074】
トナーの単位質量あたりの帯電量が−20mC/kg未満では、画像濃度が低下し好ましくない。また、トナーの逆極帯電性比が10%を超えると、画像の地カブリ等の画像不良を発生するため好ましくない。また、トナーの単位質量あたりの帯電量が−80mC/kgを超えると、電圧を印加した転写部材を用いる転写方法において転写残トナーが増加するため好ましくない。
【0075】
帯電量分布の測定に関しては種々の方法があるが、本発明では吸引式ファラデーゲージ法でエアー吸引力を変えながら帯電量分布を算出する手段と、イースパートアナライザー(ホソカワミクロン社製)で得られたQ/dとd及びトナーの真比重より帯電量分布を算出する手段を併用して行った。
【0076】
本発明におけるトナーの二成分法による帯電量(二成分トリボ)の測定法を以下に示す(図9)。
【0077】
23℃,相対湿度60%環境下、キャリアとしてEFV200/300(パウダーテック社製)を用い、キャリア9.5gにトナー0.5gを加えた混合物を50〜100ml容量のポリエチレン製の瓶に入れ50回手で振とうする。次いで、底に500メッシュのスクリーン43のある金属製の測定容器42に前記混合物1.0〜1.2gを入れ、金属製のフタ44をする。この時の測定容器42全体の質量を秤りWl(g)とする。次に吸引機(測定容器22と接する部分は少なくとも絶緑体)において、吸引口47から吸引し風量調節弁46を調節して真空計45の圧力を2450Pa(250mmAq)とする。この状態で一分間吸引を行ないトナーを吸引除去する。この時の電位計49の電位をV(ボルト)とする。ここで48はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。また吸引後の測定機全体の質量を秤りW2(g)とする。このトナーの摩擦帯電量(mC/kg)は、下式の如く計算される。
【0078】
摩擦帯電量(m/kg)=CV/(W1−W2)
【0079】
また、帯電量分布測定には、二成分トリボ測定同様の現像剤を用い、帯電量分布測定装置(ホソカワミクロン社製;型式イースパートアナライザー)により、その帯電量分布を測定する。この帯電量分布の全体の面積(Sl)に対する逆極性帯電部分の面積(S2)の比率を求め、この値を逆極帯電性比として求めた。このトナーの逆極帯電性比(%)は、下式の如く計算される。
【0080】
逆極帯電性比(%)=[(S2)/(Sl)]×l00
【0081】
なお、本発明の画像形成方法に用いることのできるトナーは、トナーの流動性指数Gが80以下が好ましく、より好ましくは40以下が良い。トナーの流動性指数Gが80より高いと、トナーの搬送性及び現像器内でのトナーの撹拌性が劣るだけでなく、ひいては搬送装置に大きな負荷をかけてしまうことになり好ましくない。さらには、現像性が低下するという弊害もある。
【0082】
トナー流動性指数の測定には、下記に説明する細川ミクロン製パウダーテスターPT−D型を用いて測定した。
【0083】
測定は細川ミクロン製パウダーテスターPT−D型の可動部分に、ふるいを上から100mesh(1)、200mesh(2)及び400mesh(3)ふるいとなるように重ねてセットした後、最上段の100mesh(1)にトナー5.0gを静かに乗せて、振幅一定、周波数50Hzで、20秒間振動させた。
【0084】
振動を停止したのち、100mesh(1)、200mesh(2)及び400mesh(3)上のトナー重量(Wl)、トナー重量(W2)及びトナー重量(W3)を測定し、以下の式でトナー流動性指数Gを計算した。
【0085】
トナー流動性指数G=(Wl)×20+(W2)×l2+(W3)×3
【0086】
本発明において使用される結着樹脂は、トナーを製造する際に用いられるものであれば特に限定されるものではない。本発明に使用される結着樹脂の具体例としては、以下の重合性単量体単独の重合体、又は、重合性単量体単独の重合体の混合物、あるいは、2種以上の重合性単量体の共重合生成物が用いられる。更に具体的にはスチレン−アクリル酸系共重合体あるいはスチレン−メタクリル酸系共重合体が好ましい。
【0087】
スチレン系重合性単量体としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等のスチレン及びその誘導体が挙げられる。
【0088】
アクリル酸エステル系重合性単量体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類が挙げられる。メタクリル酸エステル系重合性単量体としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類が挙げられる。
【0089】
本発明に使用される結着樹脂には、トナーの定着温度を調整するために、以下に例示する架橋性重合性単量体を含有することが好ましい。
【0090】
架橋性重合性単量体としては主として2個以上の重合可能な二重結合を有する重合性単量体が用いられ、具体例としては、芳香族ジビニル化合物、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類;例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び、以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;更には、ポリエステル型ジアクリレート化合物類、例えば、商品名MANDA(日本化薬)が挙げられる。多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート;等が挙げられる。
【0091】
これらの架橋性重合性単量体は、他の重合性単量体成分100質量%に対して、1質量%以下の範囲で用いることにより、低温定着性と耐オフセット性を良好に満足するばかりか、トナーの保存性も向上する。
【0092】
これらの架橋性重合性単量体のうち好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられ、他の重合性単量体成分100質量%に対して0.001〜0.05質量%の範囲で使用するのが良い。これにより、トナーの粒径を微粒子化した場合でも各環境下における現像剤の現像特性が安定し、耐久性も向上する。また、本発明に係る共重合エステル化物と良好なマッチングを示す。
【0093】
本発明に用いられる結着樹脂を得るために、以下に例示する様な重合開始剤を用いることが好ましい。
【0094】
具体的には、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノアゾベンゼン、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノブタン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニロリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピレート)(ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート)等のアゾ、及び、ジアゾ化合物等が利用できる。
【0095】
これらの重合開始剤は、単独又は複数組合わせて使用しても良く、重合性単量体100質量部に対し、0.05〜20質量部で用いられ、より好ましくは0.5〜10質量部で用いられる。
【0096】
本発明のトナーに使用し得る着色剤としては、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。トナー着色剤は周知であって、例えば顔料としてカーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー等がある。これらは定着画像の光学濃度を維持するのに必要充分な量が用いられ、樹脂100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは2〜10質量部の添加量が良い。
【0097】
本発明に用いられるワックスは、トナーに使用できる公知のワックスが使用でき、例えばパラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタルワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、ポリエステル及びその誘導体、エステルワックス及びその誘導体、植物系ワックス及びその誘導体、動物系ワックス及びその誘導体、鉱物系ワックス及びその誘導体が挙げられ、誘導体に酸化物やアルキレンオキサイド付加物、ケン化物、塩等が含まれる。
【0098】
中でも好ましく用いられるワックスは、低分子量ポリアルキレン及びこの時の副生成物、低分子量ポリエステル及びエステル系ワックス、脂肪族の誘導体である。
【0099】
これらのワックスから、プレス発汗法、溶剤法、真空蒸留、超臨界ガス抽出法、分別結晶化(例えば、融液晶析及び結晶ろ別)等を利用して、ワックスを分子量により分別したワックスも本発明に好ましく用いられる。また分別後に、酸化やブロック共重合、グラフト変性を行なってもよい。
【0100】
本発明に係るトナーの製造法としては、従来から用いられる各種トナー製造方法が適用できるが、例えば一般的な例としては、結着樹脂,着色剤,エステル化混合物,ワックス,帯電制御剤等を混合機で均一に分散混合し、次いで混合物を密閉式ニーダー或いは一軸又は二軸の押出機等で溶融混練し、冷却後、クラッシャー,ハンマーミル等で粗粉砕し、ジェットミル,高速ローター式ミル等で微粉砕する溶融混合法;及び、結着樹脂,エステル化混合物,ワックスを有機溶剤中に溶解し、これをアトライター,ブレンダーミル等中に入れ、着色剤,帯電制御剤を加えて充分混合した後に、蒸留等により有機溶剤を除去し、次いでこの混合物を、ハンマーミル,クラッシャー等で粗粉砕し、ジェットミル,高速ローター式ミル等で微粉砕する溶液ブレンド法がある。
【0101】
また、重合性単量体中へ着色剤,エステル化混合物,ワックス,荷電制御剤等を、ディスパーサー,サイドグラインダー,アトライター等で混合し、次いで分散重合法,懸濁重合法,乳化重合法等の公知の方法により行っても良い。
【0102】
更に得られた粒子を、エルボジェット,ミクロプレックス,DSセパレーターなどの風力分級機でトナーの平均粒子径が3〜20μmになる様に分級しても良い。
【0103】
更に、トナーに外添処理をする場合には、分級トナーと外添剤をヘンシェルミキサー,スーパーミキサー等の高速撹拌機で撹拌混合すれば良い。
【0104】
次に本発明のトナーが適用される画像形成方法を添付図面を参照しながら以下に説明する。
【0105】
図1に示す装置システムにおいて、現像器4−1、4−2、4−3、4−4に、それぞれシアントナーを有する現像剤、マゼンタトナーを有する現像剤、イエロートナーを有する現像剤及びブラックトナーを有する現像剤が導入され、磁気ブラシ現像方式又は非磁性一成分方式等によって静電潜像担持体(例えば感光体ドラム)1に形成された静電荷像を現像し、各色トナー像が感光体ドラム1上に形成される。
【0106】
本発明のトナーは、磁性キャリアと混合し、例えば図2に示すような現像手段を用い現像を行うことができる。具体的には交番電界を印加しつつ、磁気ブラシが感光体ドラム13に接触している状態で現像を行うことが好ましい。現像剤担持体(現像スリーブ)11と感光体ドラム13の距離(S−D間距離)Bは100〜1000μmであることがキャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好である。100μmより狭いと現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くなり、1000μmを超えると磁石S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣ったり、キャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。
【0107】
交番電界のピーク間の電圧(Vpp)は500〜5000Vが好ましく、周波数(f)は500〜10000Hz、好ましくは500〜3000Hzであり、それぞれプロセスに適宜選択して用いることができる。この場合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形等種々選択して用いることができる。印加電圧が、500Vより低いと十分な画像濃度が得られにくく、また非画像部のカブリトナーを良好に回収することができない場合がある。50000Vを超える場合には磁気ブラシを介して、静電像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
【0108】
良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めることができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像システムにもよるが150V以下、より好ましくは100V以下が良い。
【0109】
コントラスト電位としては、十分画像濃度がでるように200V〜500Vが好ましく用いられる。
【0110】
周波数が500Hzより低いとプロセススピードにも関係するが、キャリアへの電荷注入が起こるためにキャリア付着、あるいは潜像を乱すことで画質を低下させる場合がある。10000Hzを超えると電界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
【0111】
十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優れ、かつキャリア付着のない現像を行うために現像スリーブ11上の磁気ブラシの感光体ドラム13との接触幅(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにすることである。現像ニップCが3mmより狭いと十分な画像濃度とドット再現性を良好に満足することが困難であり、8mmより広いと、現像剤のパッキングが起き機械の動作を止めてしまったり、またキャリア付着を十分に抑さえることが困難になる。現像ニップの調整方法としては、現像剤規制部材18と現像スリーブ11との距離Aを調整したり、現像スリーブ11と感光体ドラム13との距離Bを調整することでニップ幅を適宜調整する。
【0112】
特にハーフトーンを重視するようなフルカラー画像の出力において、マゼンタ用、シアン用、及びイエロー用の3個以上の現像器が使用され、本発明の現像剤及び現像方法を用い、特にデジタル潜像を形成した現像システムと組み合わせることで、磁気ブラシの影響がなく、潜像を乱さないためにドット潜像に対して忠実に現像することが可能となる。転写工程においても本発明トナーを用いることで高転写率が達成でき、したがって、ハーフトーン部、ベタ部共に高画質を達成できる。
【0113】
さらに初期の高画質化と併せて、本発明のトナーを用いることで多数枚の複写においても画質低下のない本発明の効果が十分に発揮できる。
【0114】
本発明のトナーは一成分現像にも好適に用いることが出来る。静電潜像担持体上に形成された静電像を現像する装置の一例を示すが必ずしもこれに限定されるものではない。
【0115】
図4において、20は静電潜像担持体(感光体ドラム)であり、潜像形成は電子写真プロセス手段又は静電記録手段により成される。24はトナー担持体(現像スリーブ)であり、アルミニウムあるいはステンレス等からなる非磁性スリーブからなる。
【0116】
現像スリーブ24の略右半周面はトナー容器21内のトナー溜りに常時接触していて、その現像スリーブ面近傍のトナーが現像スリーブ面にスリーブ内の磁気発生手段の磁力で及び/又は静電気力により付着保持される。
【0117】
本発明では、トナー担持体の表面粗度Ra(μm)を1.5以下となるように設定する。好ましくは1.0以下である。更に好ましくは0.5以下である。
【0118】
該表面粗度Raを1.5以下とすることでトナー担持体の有するトナー粒子の搬送能力を抑制し、該トナー担持体上のトナー層を薄層化すると共に、該トナー担持体とトナーの接触回数が多くなる為、該トナーの帯電性も改善されるので相乗的に画質が向上する。
【0119】
該トナー担持体の表面粗度Raが1.5を超えると、該トナー担持体上のトナー層の薄層化が困難となるばかりか、トナーの帯電性が改善されないので画質の向上は望めない。
【0120】
本発明において、トナー担持体の表面粗度Raは、JIS表面粗さ「JIS B 0601」に基づき、表面粗さ測定器(サーフコーダSE−30H、株式会社小坂研究所社製)を用いて測定される中心線平均粗さに相当する。具体的には、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さaとして2.5mmの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸,縦倍率の方向をY軸,粗さ曲線をy=f(x)で表わした時、次式によって求められる値をミクロメートル(μm)で表わしたものをいう。
【0121】
【数2】
Figure 0003799158
【0122】
本発明に用いられるトナー担持体としては、たとえばステンレス,アルミニウム等から成る円筒状、あるいはベルト状部材が好ましく用いられる。また必要に応じ表面を金属,樹脂等のコートをしても良く、樹脂や金属類,カーボンブラック,帯電制御剤等の微粒子を分散した樹脂をコートしても良い。
【0123】
本発明では、トナー担持体の表面移動速度を静電潜像担持体の表面移動速度に対し1.05〜3.0倍となるように設定することで、該トナー担持体上のトナー層は適度な撹拌効果を受ける為、静電潜像の忠実再現が一層良好なものとなる。
【0124】
該トナー担持体の表面移動速度が、静電潜像担持体の表面移動速度に対し1.05倍未満であると、該トナー層の受ける撹拌効果が不十分となり、良好な画像形成は望めない。また、ベタ黒画像等、広い面積にわたって多くのトナー量を必要とする画像を現像する場合、静電潜像へのトナー供給量が不足し画像濃度が薄くなる。逆に3.0を超える場合、上記の如きトナーの過剰な帯電によって引き起こされる種々の問題の他に、機械的ストレスによるトナーの劣化やトナー担持体へのトナー固着が発生、促進され、好ましくない。
【0125】
トナーTはトナー容器21に貯蔵されており、供給部材22によって現像スリーブ上へ供給される。供給部材として、多孔質弾性体、例えば軟質ポリウレタンフォーム等の発泡材より成る供給ローラーが好ましく用いられる。該供給ローラーを現像スリーブに対して、順または逆方向に0でない相対速度をもって回転させ、現像スリーブ上へのトナー供給と共に、スリーブ上の現像後のトナー(未現像トナー)のはぎ取りをも行う。この際、供給ローラーの現像スリーブへの当接幅は、トナーの供給及びはぎ取りのバランスを考慮すると、2.0〜10.0mmが好ましく、4.0〜6.0mmがより好ましい。その一方で、トナーに対する過大なストレスを余儀なくされ、トナーの劣化による凝集の増大、あるいは現像スリーブ,供給ローラー等へトナーの融着・固着が生じやすくなるが、本発明の現像法に用いられるトナーは、流動性,離型性に優れ、耐久安定性を有しているので、該供給部材を有する現像法においても好ましく用いられる。また、供給部材として、ナイロン,レーヨン等の樹脂繊維より成るブラシ部材を用いてもよい。尚、これらの供給部材は磁気拘束力を利用できない非磁性一成分トナーを使用する一成分現像方法において極めて有効であるが、磁性一成分トナーを使用する一成分現像方法に使用してもよい。
【0126】
現像スリーブ上に供給されたトナーは規制部材によって薄層かつ均一に塗布される。トナー薄層化規制部材は、現像スリーブと一定の間隙をおいて配置される金属ブレード、磁性ブレード等のドクターブレードである。あるいは、ドクターブレードの代りに、金属,樹脂,セラミックなどを用いた剛体ローラーやスリーブを用いても良く、それらの内部に磁気発生手段を入れても良い。
【0127】
また、トナー薄層化の規制部材としてトナーを圧接塗布する為の弾性ブレードや弾性ローラーの如き弾性体を用いても良い。例えば図4において、弾性ブレード23はその上辺部側である基部をトナー容器21側に固定保持され、下辺部側をブレードの弾性に抗して現像スリーブ24の順方向或いは逆方向にたわめ状態にしてブレード内面側(逆方向の場合には外面側)をスリーブ24表面に適度の弾性押圧をもって当接させる。この様な装置によると、環境の変動に対しても安定で、緻密なトナー層が得られる。その理由は必ずしも明確ではないが、該弾性体によって現像スリーブ表面と強制的に摩擦される為トナーの環境変化による挙動の変化に関係なく常に同じ状態で帯電が行われる為と推測される。
【0128】
その一方で帯電が過剰になり易く、現像スリーブや弾性ブレード上にトナーが融着し易いが、本発明に用いられるトナーは離型性に優れ摩擦帯電性が安定しているので好ましく用いられる。
【0129】
該弾性体には所望の極性にトナーを帯電させるのに適した摩擦帯電系列の材質を選択することが好ましく、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂弾性体;ステンレス、鋼、リン青銅の如き金属弾性体が使用できる。また、それらの複合体であっても良い。
【0130】
また、弾性体とトナー担持体に耐久性が要求される場合には、金属弾性体に樹脂やゴムをスリーブ当接部に当るように貼り合わせたり、コーティング塗布したものが好ましい。
【0131】
更に、弾性体中に有機物や無機物を添加しても良く、溶融混合させても良いし、分散させても良い。例えば、金属酸化物、金属粉、セラミックス、炭素同素体、ウィスカー、無機繊維、染料、顔料、界面活性剤などを添加することにより、トナーの帯電性をコントロールできる。特に、弾性体がゴムや樹脂等の成型体の場合には、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化錫、酸化ジルコニア、酸化亜鉛等の金属酸化物微粉末、カーボンブラック、一般にトナーに用いられる荷電制御剤等を含有させることも好ましい。
【0132】
またさらに、規制部材である現像ブレード,供給部材である供給ローラー,ブラシ部材に直流電場及び/または交流電場を印加することによっても、トナーへのほぐし作用のため現像スリーブ上の規制部位においては、均一薄層塗布性,均一帯電性がより向上し、供給部位においては、トナーの供給/はぎとりがよりスムーズになされ、十分な画像濃度の達成及び良質の画像を得ることができる。
【0133】
該弾性体とトナー担持体との当接圧力は、トナー担持体の母線方向の線圧として、0.1kg/m以上、好ましくは0.3〜25kg/m、更に好ましくは0.5〜12kg/mが有効である。これによりトナーの凝集を効果的にほぐすことが可能となり、トナーの帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。当接圧力が0.1kg/mより小さい場合、トナーの均一塗布が困難となり、トナーの帯電量分布がブロードになりカブリや飛散の原因となる。また当接圧力が25kg/mを超えると、トナーに大きな圧力がかかり、トナーが劣化したり、トナーの凝集物が発生するなど好ましくない。またトナー担持体を駆動させるために大きなトルクを要するため好ましくない。
【0134】
静電潜像担持体とトナー担持体との間隙αは、50〜500μmに設定され、ドクターブレードとトナー担持体との間隙は、50〜400μmに設定されることが好ましい。
【0135】
トナー担持体上のトナー層の層厚は、静電潜像担持体とトナー担持体との間隙αよりも薄いことが最も好ましいが、場合によりトナー層を構成する多数のトナーの穂のうち、一部は静電潜像担持体に接する程度にトナー層の層厚を規制してもよい。
【0136】
一方、トナー担持体には、バイアス電源26により静電潜像担持体との間に交番電界を印加することによりトナー担持体から静電潜像担持体へのトナーの移動を容易にし、更に良質の画像を得ることが出来る。交番電界のVppは100V以上、好ましくは200〜3000V、更に好ましくは300〜2000Vで用いるのが良い。また、fは500〜5000Hz、好ましくは1000〜3000Hz、更に好ましくは1500〜3000Hzで用いられるこの場合の波形は、矩形波、サイン波、のこぎり波、三角波等の波形が適用できる。また、正、逆の電圧、時間の異なる非対称交流バイアスも利用できる。また直流バイアスを重畳するのも好ましい。
【0137】
静電潜像担持体1はa−Se、Cds、ZnO2、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光ドラムもしくは感光ベルトである。静電潜像担持体1は図示しない駆動装置によって矢印方向に回転される。
【0138】
静電潜像担持体1としては、アモルファスシリコン感光層、又は有機系感光層を有する感光体が好ましく用いられる。
【0139】
有機感光層としては、感光層が電荷発生物質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する、単一層型でもよく、又は、電荷輸送層を電荷発生層を成分とする機能分離型感光層であっても良い。導電性基体上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
【0140】
有機感光層の結着樹脂はポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に、転写性、クリーニング性が良く、クリーニング不良、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくい。
【0141】
帯電工程では、コロナ帯電器を用いる静電潜像担持体1とは非接触である方式と、ローラ等を用いる接触型の方式がありいずれのものも用いられる。効率的な均一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のために図1に示す如く接触方式のものが好ましく用いられる。
【0142】
帯電ローラ2は、中心の芯金2bとその外周を形成した導電性弾性層2aとを基本構成とするものである。帯電ローラ2は、静電潜像担持体1面に押圧力をもって圧接され、静電潜像担持体1の回転に伴い従動回転する。
【0143】
帯電ローラを用いた時の好ましいプロセス条件としては、ローラの当接圧が5〜500g/cmで、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた時には、交流電圧は0.5〜5kVpp、交流周波数は50Hz〜5kHz、直流電圧は±0.2〜±1.5kVであり、直流電圧のみを用いた時には、直流電圧は±0.2〜±5kVである。
【0144】
この他の帯電手段としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電手段は、高電圧が不必要になったり、オゾンの発生が低減するといった効果がある。
【0145】
接触帯電手段としての帯電ローラ及び帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜をもうけても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)などが適用可能である。
【0146】
静電潜像担持体上のトナー像は、電圧(例えば、±0.1〜±5kV)が印加されている中間転写体5に転写される。静電潜像担持体表面は、クリーニングブレード8を有するクリーニング手段9でクリーニングされる。
【0147】
中間転写体5は、パイプ状の導電性芯金5bと、その外周面に形成した中抵抗の弾性体層5aからなる。芯金5bは、プラスチックのパイプに導電性メッキをほどこしたものでも良い。
【0148】
中抵抗の弾性体層5aは、シリコーンゴム、テフロンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンの3元共重合体)などの弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化ケイ素の如き導電性付与材を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を105〜1011Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるいは発泡肉質の層である。
【0149】
中間転写体5は静電潜像担持体1に対して並行に軸受けさせて静電潜像担持体1の下面部に接触させて配設してあり、静電潜像担持体1と同じ周速度で矢印の反時計方向に回転する。
【0150】
静電潜像担持体1の面に形成担持された第1色のトナー像が、静電潜像担持体1と中間転写体5とが接する転写ニップ部を通過する過程で中間転写体5に対する印加転写バイアスで転写ニップ域に形成された電界によって、中間転写体5の外面に対して順次に中間転写されていく。
【0151】
必要により、着脱自在なクリーニング手段10により、転写材へのトナー像の転写後に、中間転写体5の表面がクリーニングされる。中間転写体上にトナー像がある場合、トナー像を乱さないようにクリーニング手段10は、中間転写体表面から離される。
【0152】
中間転写体5に対して並行に軸受けさせて中間転写体5の下面部に接触させて転写手段が配設され、転写手段7は例えば転写ローラ又は転写ベルトであり、中間転写体5と同じ周速度で矢印の時計方向に回転する。転写手段7は直接中間転写体5と接触するように配設されていても良く、またベルト等が中間転写体5と転写手段7との間に接触するように配置されても良い。
【0153】
転写ローラの場合、中心の芯金7bとその外周を形成した導電性弾性層7aとを基本構成とするものである。
【0154】
中間転写体及び転写ローラとしては、一般的な材料を用いることが可能である。中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値よりも転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値をより小さく設定することで転写ローラへの印加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成できると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止することができる。特に中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値が転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以上であることが特に好ましい。
【0155】
例えば、転写ローラ7の導電性弾性層7bはカーボン等の導電材を分散させたポリウレタン、エチレン−プロピレン−ジエン系三元共重合体(EPDM)等の体積抵抗106〜1010Ωcm程度の弾性体でつくられている。芯金7aには定電圧電源によりバイアスが印加されている。バイアス条件としては、±0.2〜±10kVが好ましい。
【0156】
本発明のトナーは、転写工程での転写効率が高く、転写残トナーが少ない上に、クリーニング性に優れているので、静電潜像担持体上にフィルミングを生じにくい。さらに、多数枚耐久試験を行っても従来のトナーよりも、本発明のトナーは外添剤のトナー粒子表面への埋没が少ないため、良好な画質を長期にわたって維持し得る。特に静電潜像担持体や中間転写体上の転写残トナーをクリーニングブレードの如きクリーニング手段で除去し、回収された該転写残トナーを再度利用するいわゆるリユース機構を有する画像形成装置に好ましく用いられる。
【0157】
次いで転写材6上のトナー画像は加熱加圧定着手段によって定着される。加熱加圧定着手段としては、ハロゲンヒーター等の発熱体を内蔵した加熱ローラーとこれと押圧力をもって圧接された弾性体の加圧ローラーを基本構成とする熱ロール方式や、フィルムを介してヒーターにより加熱定着する方式(図5,6)が挙げられるが、本発明のトナーは定着性と耐オフセット性に優れるので上記の如き加熱加圧定着手段と良好なマッチングを示す。
【0158】
【実施例】
以下、本発明を製造例及び実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。尚、以下の配合における部数は全て質量部である。
【0159】
トナー製造例(1)
高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットル用四つ口フラスコ中に、Na3PO4水溶液を添加し回転数を10000rpmに調整し、60℃に加温せしめた。ここにCaCl2水溶液を徐々に添加し、微小な難水溶性分散剤Ca3(PO42を含む水系分散媒体を調製した。
【0160】
一方、
・スチレン単量体 79部
・ヘキシルアクリレート単量体 21部
・ジビニルベンゼン単量体 0.25部
・シアン着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 7部
・飽和ポリエステル樹脂 5部
(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA,
酸価15mgKOH/g)
・鎖状縮合物(1) 2部
上記材料をボールミルを用い3時間分散させた後、離型剤(エステルワックス)20部と、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10部を添加した重合性単量体組成物を、上記水系分散媒体中に投入し回転数10000rpmを維持しつつ造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ65℃で3時間反応させた後、85℃で5時間重合させた。
【0161】
反応終了後、懸濁液を冷却し、酸を加えてCa3(PO42を溶解し、濾過,水洗,乾燥させ、青色重合粒子(1)を得た。この青色重合粒子(1)のコールターカウンターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定した粒度は、重量平均粒径6.2μm,個数平均粒子径5.2μmで、微粉量(個数分布における3.17μm以下の粒子の存在割合)は3個数%であった。この着色粒子(1)の形状係数SF−1は118、SF−2は110、(SF−2)/(SF−1)は0.93であった。
【0162】
上記重合粒子(1)100部に対して流動向上剤として、ヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:250m2/g)1.5部をヘンシェルミキサー乾式混合して、本発明のシアントナー(1)とした。該シアントナー(1)の流動性指数Gは30であった。
【0163】
さらに該青色トナー(1)7部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径:45μm)93部とを混合して、磁気ブラシ用二成分系青色現像剤(1)を調製した。
【0164】
該青色トナー(1)の常温常湿(25℃,60%RH)環境下での二成分帯電量は−50nC/mg、逆極帯電性比は3%であった。
【0165】
トナーの製造例(2)〜(3)
鎖状縮合物(1)の代わりに、環状縮合物(2)及び鎖状・環状縮合物混合体(3)1.0部を各々使用するほかは製造例1同様の方法により、青色トナー(2)〜(3)及び二成分系青色現像剤(2)〜(3)を得た。
【0166】
トナーの製造例(4)〜(6)
鎖状縮合物(1)の代わりに、環状縮合物(4),環状縮合物(5)及び鎖状・環状縮合物混合体(6)1.0部、シアン着色剤の代わりにカーボンブラック(かさ密度370g/cm3)を使用するほかは製造例1同様の方法により、黒トナー(4)〜(6)及び、二成分系黒色現像剤(4)〜(6)を得た。
【0167】
トナーの製造例(7)〜(9)
縮合物(1)の代わりに、環状縮合物(7),環状縮合物(8)及び鎖状・環状縮合物混合体(9)1.0部、シアン着色剤の代わりにマゼンタ着色剤(C.I.ピグメントレッド)を使用するほかは製造例1同様の方法により、マゼンタトナー(7)〜(9)及び、二成分系マゼンタ現像剤(7)〜(9)を得た。
【0168】
トナーの製造例(10)
・スチレン−ブチルアクリレート共重合樹脂 100部
(ガラス転移温度70℃)
・カーボンブラック(かさ密度370g/cm3) 5部
・環状縮合物(10) 1部
を混合し、二軸エクストルーダーで溶融混練した。この混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した。更に、ハイブリダイザー(奈良機械製作所製)を用いて球形化した後に分級し、黒色粒子(10)を得た。この黒色粒子(10)の粒度は、重量平均粒径6.8μm,個数平均粒子径5.lμmで、微粉量は2.0個数%であった。この着色粒子(10)の形状係数SF−1は135、SF−2は120、(SF−2)/(SF−1)は0.89であった。
【0169】
この黒色粒子(10)100部に対して流動向上剤として、ヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:250m2/g)1.5部をヘンシェルミキサーで乾式混合して、黒色トナー(10)を得た。該黒色トナー (10)の流動性指数Gは32であった。
【0170】
さらに該黒色トナー(10)7部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子系:45μm)93部とを混合して、磁気ブラシ用二成分系黒色現像剤(10)を調製した。
【0171】
該黒色トナー(10)の常温常湿(25℃,60%RH)環境下での二成分帯電量は−40nC/mg、逆極帯電性比は2%であった。
【0172】
トナーの製造例(11)〜(12)
縮合物(10)の代わりに、環状縮合物(11)〜(12)1.0部を各々使用するほかは製造例1同様の方法により、青色トナー(11)〜(12)及び、二成分系青色現像剤(11)〜(12)を得た。
【0173】
トナーの製造例(13)〜(15)
縮合物(10)の代わりに、環状縮合物(13)〜(15)1.0部と、黄色着色剤(C.I.ピグメントイエロー)7部を使用するほかは製造例1同様の方法により、イエロートナー(13)〜(15)及び、二成分系イエロー現像剤(13)〜(15)を得た。
【0174】
トナーの製造例(16)〜(17)
縮合物(10)の代わりに、環状縮合物(16)〜(17)1.0部と、赤色着色剤(C.I.ピグメントレッド)7部を使用するほかは製造例1同様の方法により、マゼンタトナー(16)〜(17)及び、二成分系マゼンタ現像剤(16)〜(17)を得た。
【0175】
トナーの製造例(18)〜(20)
縮合物(10)の代わりに、環状縮合物(18)〜(20)1.0部と、青色着色剤(C.I.ピグメントブルー)7部を使用するほかは製造例1同様の方法により、シアントナー(18)〜(20)及び、二成分系シアン現像剤(18)〜(20)を得た。
【0176】
得られたトナーの物性を表3に示す。
【0177】
【表3】
Figure 0003799158
【0178】
実施例1〜3、参考例1〜17
本実施例に用いた画像形成装置について説明する。図1は、本実施例に適用される画像形成装置の断面の概略的説明図である。
【0179】
感光体ドラム1は、基材1a上に有機光半導体を有する感光層1bを有し、矢印方向に回転し、対抗し接触回転する帯電ローラー2(導電性弾性層2a、芯金2b)により感光体ドラム1上に約−600Vの表面電位に帯電させる。露光3は、ポリゴンミラーにより感光体上にデジタル画像情報に応じてオン−オフさせることで露光部電位が−100V、暗部電位が−600Vの静電荷像が形成される。複数の現像器4−1、4−2、4−3、4−4を用いイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーまたは、ブラックトナーを感光体1上に反転現像方法を用いトナー像を得た。該トナー像は、中間転写体5(弾性層5a、支持体としての芯金5b)上に転写され中間転写体5上に四色の色重ね顕色像が形成される。感光体1上の転写材トナーはクリーナー部材8により、残トナー容器9中に回収される。
【0180】
中間転写体5は、パイプ状の芯金5b上にカーボンブラックの導電付与部材をニトリル−ブタジエンラバー(NBR)中に十分分散させた弾性層5bをコーティングした。該コート層5bの硬度は、「JIS K−6301」に準拠し30度で且つ体積固有抵抗値は、109Ω・cmであった。感光体1から中間転写体5への転写に必要な転写電流は約5μAであり、これは電源より+500Vを芯金5b上に付与することで得られた。
【0181】
転写ローラ7の外径20mmで直径10mmの芯金7b上にカーボンの導電性付与部材をエチレン−プロピレン−ジエン系三元共重合体(EPDM)の発泡体中に十分分散させたものをコーティングすることにより生成した弾性層7aを有し、弾性層7aの体積固有抵抗値は、106Ω・cmで、「JIS K−6301」の基準の硬度は35度の値を示すものを用いた。転写ローラには電圧を印加して15μAの転写電流を流した。
【0182】
加熱定着装置Hにはオイル塗布機能のない熱ロール方式の定着装置を用いた。この時上部ローラー、下部ローラー共にフッ素系樹脂の表面層を有するものを使用し、ローラーの直径は60mmであった。また、定着温度は160℃、ニップ幅を7mmに設定した。
【0183】
以上の条件で、常温常湿(25℃,60%RH)環境下、8枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速度で、現像剤(1)〜(20)を逐次補給しながら単色での間歇モード(すなわち、一枚プリントアウトする毎に10秒間現像器を休止させ、再起動時の予備動作でトナーの劣化を促進させるモード)でプリントアウト試験を行い、得られたプリントアウト画像を後述の項目について評価した。
【0184】
また、同時に、用いた画像形成装置と上記現像剤のマッチングについても評価した。
【0185】
尚、クリーニングにより回収された残トナーは、リユース機構により現像器に搬送し、再使用した。
【0186】
以上の評価結果を表4にまとめる。
【0187】
【表4】
Figure 0003799158
【0188】
参考例18
本実施例では市販のレーザービームプリンターLBP−EX(キヤノン社製)にリユース機構を取り付け改造し、再設定して用いた。即ち、図3において、感光体ドラム20上の未転写トナーを該感光体ドラムに当接しているクリーナー21の弾性ブレード22よりかき落とした後、クリーナーローラーによってクリーナー内部へ送り、更にクリーナースクリュー23を経て、搬送スクリューを設けた供給用パイプ24によってホッパー25を介して現像器26に戻し、再度、回収トナーを利用するシステムを取り付け、一次帯電ローラー27としてナイロン樹脂で被覆された導電性カーボンを分散したゴムローラー(直径12mm,当接圧50g/cm)を使用し、静電潜像担持体にレーザー露光(600dpi)により暗部電位VD=−700V、明部電位VL=−200Vを形成した。トナー担持体として表面にカーボンブラックを分散した樹脂をコートした表面粗度Raが1.1を呈する現像スリーブ28を感光体ドラム面の移動速度に対して1.1倍となる様に設定し、次いで、感光体ドラムと該現像スリーブとの関隙(S−D間)を270μmとし、トナー規制部材としてウレタンゴム製ブレードを当接させて用いた。現像バイアスとして直流バイアス成分に交流バイアス成分を重畳して用いた。また、加熱定着装置の設定温度は160℃とした。
【0189】
以上の設定条件で、高温高湿(30℃,60%RH)環境下、12枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速度で、トナー(2)を逐次補給しながら連続モード(すなわち、現像器を休止させることなくトナーの消費を促進させるモード)でプリントアウト画像を後述の項目について評価した。
【0190】
また、同時に用いた画像形成装置と上記トナーとのマッチングについても評価した。
【0191】
以上の評価結果を表5にまとめる。
【0192】
【表5】
Figure 0003799158
【0193】
参考例19
図3のトナーリユース機構を取り外しプリントアウト速度を16枚(A4サイズ)/分とした以外は、参考例18と同様にし、前記トナー(2)を逐次補給しながら連続モード(すなわち、現像器を休止することなく、トナーの消費を促進させるモード)でプリントアウト試験を行った。
【0194】
得られたプリントアウト画像を後述の項目について評価すると共に、用いた画像形成装置とのマッチングについても評価した。その結果、いずれの項目についても良好であった。
【0195】
本発明の実施例に記載の評価項目の説明とその評価基準について述べる。
【0196】
[プリントアウト画像評価]
<1>画像濃度
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に所定の枚数のプリントアウトを終了した時の画像濃度維持により評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
◎:非常に良好(1.40以上)
○:良好 (1.35以上、1.40未満)
△:実用可 (1.00以上、1.35未満)
×:実用不可 (1.00未満)
【0197】
<2>画像飛び散り
図8(a)に示した「電」文字パターンを普通紙(100g/m2)にプリントした際の文字周辺部へのトナー飛び散り(図8(b)の状態)を目視で評価した。
◎:非常に良好(ほとんど発生せず)
○:良好(軽微な飛び散りが見られる)
△:実用可(若干の飛び散りが見られる)
×:実用不可(顕著な飛び散りが見られる;図8(b)レベル)
【0198】
[画像形成装置マッチング評価]
<1>現像スリーブとのマッチング
プリントアウト試験終了後、現像スリーブ表面への残留トナーの固着の様子とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好 (ほとんど発生せず)
△:実用可 (固着があるが、画像への影響が少ない)
×:実用不可 (固着が多く、画像ムラを生じる)
【0199】
<2>感光ドラムとのマッチング
プリントアウト試験終了後、感光体ドラム表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好 (わずかに傷の発生が見られるが、画像への影響はない)
△:実用可 (固着や傷があるが、画像への影響が少ない)
×:実用不可 (固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる)
【0200】
<3>中間転写体とのマッチング
プリントアウト試験終了後、中間転写体表面の傷や残留トナーの固着状況を目視で評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好 (わずかに傷の発生が見られるが、画像への影響はない)
△:実用可 (固着や傷があるが、画像への影響が少ない)
×:実用不可 (固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる)
【0201】
<4>定着装置とのマッチング
定着フィルム表面の様子を観察し、その耐久性を評価した。
【0202】
(1)表面性
プリントアウト試験終了後の定着フィルム表面の傷や削れの発生の様子を目視で評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好 (ほとんど発生せず)
△:実用可
×:実用不可
【0203】
(2)残留トナーの固着状況
プリントアウト試験終了後の定着フィルム表面の残留トナーの固着状況を目視で評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好 (ほとんど発生せず)
△:実用可
×:実用不可
【0204】
【発明の効果】
以上説明したように、粒子の帯電均一性が向上することで、トナーの流動性が向上し、さらに、低温低湿及び高温高湿環境下での多枚数の出力時においても高画像濃度が得られ、且つ高転写性を保持しつつ、且つ、現像プロセスとの良好なマッチングが得られるといった、産業的に有用な静電荷像現像用トナーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に好適な画像形成装置の概略的説明図である。
【図2】本発明の実施例に用いた二成分現像剤用の現像装置の要部の拡大横断面図である。
【図3】未転写トナーをリユースする画像形成装置の概略的説明図である。
【図4】本発明の実施例に用いた一成分現像剤用の現像装置の要部の拡大横断面図である。
【図5】本発明の実施例に用いた定着装置の要部の分解斜視図である。
【図6】本発明の実施例に用いた定着装置の非駆動時のフィルム状態を示した要部の拡大横断面図である。
【図7】トナーの現像特性をチェックする為のチェッカー模様の説明図である。
【図8】文字画像の飛び散りの状態を示す模式図である。
【図9】トナーの帯電量を測定するブローオフ帯電量測定装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1 感光体(静電潜像担持体)
2 帯電ローラー
3 露光
4 4色現像器(4−1、4−2、4−3、4−4)
5 中間転写体
6 転写材
7 転写ローラ
11 現像剤担持体
13 感光体ドラム
30 ステー
31 加熱体
31a ヒーター基板
31b 発熱体
31c 表面保護層
31d 検温素子
32 定着フィルム
33 加圧ローラー
34 コイルばね
35 フィルム端部規制フランジ
36 給電コネクター
37 断電部材
38 入口ガイド
39 出口ガイド(分離ガイド)

Claims (27)

  1. 少なくとも結着樹脂、ワックス及びフェノール誘導体縮合物を含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、i)該フェノール誘導体縮合物が、フェノール及び/またはその誘導体とアルデヒドとの縮合物であって、且つ該縮合物が鎖状縮合物と環状縮合物との混合物であり、ii)画像解析装置で測定した該トナー粒子の形状係数は、SF−1の値が100<SF−1≦160であり、SF−2の値が100<SF−2≦140であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 該鎖状縮合物が一般式<A>で表され、該環状縮合物が一般式<B>で表されることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
    Figure 0003799158
    〔一般式<A>,<B>において、R1は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または−(CH2mCOOR10基を表す。なお、R10は水素原子または低級アルキル基を表し、mは1〜3の整数を表す。R2は、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、アラルキル基、−NO2、−NH2、−N(R72、−SO38、置換基を有してもよいフェニル基、または−Si(CH33を表す。また、ここにおいてR7は低級アルキル基を表し、R8は水素原子または低級アルキル基を表す。R3及びR4は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、−NH2、または−N(R92を表す。また、ここにおいてR9は低級アルキル基を表す。R5は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。R11は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、または−(CH2pCOOR20基を表す。また、ここにおいてR20は、水素原子または低級アルキル基を表し、pは1〜3の整数を表す。R12は、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、アラルキル基、−NO2、−NH2、−N(R172、−SO318、置換基を有してもよいフェニル基、または−Si(CH33を表す。また、ここにおいてR17は低級アルキル基を表し、R18は水素原子または低級アルキル基を表す。R13及びR14は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、−NH2、または−N(R192を表す。なお、R19は低級アルキル基を表す。R15は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。一般式<A>の末端R16及びR17は、水素原子、アルキル基、水酸基を含むアルキル基を表す。
    一般式<A>の鎖状縮合物と一般式<B>の環状縮合物とが、同じ置換基を有していても良く、異なる置換基を有していても良い。
    ユニットの繰り返し単位の数n(一般式<A>及び一般式<B>においてX+Yで表される)が3〜12であり、一般式<B>で表されるカリックスアレン化合物の場合には、X及びYは0〜8の整数を示す。〕
  3. 画像解析装置で測定した該トナー粒子の形状係数は、SF−1の値が100〜140であり、SF−2の値が100〜120であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 画像解析装置で測定した該トナー粒子の形状係数のSF−1とSF−2の比(SF−2)/(SF−1)の値が1.0以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 透過電子顕微鏡(TEM)を用いたトナーの断層観察において、該ワックス成分が、結着樹脂中に実質的に球状及び/又は紡錘形の島状に分散されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 少なくとも、外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程と、帯電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する潜像形成工程と、静電荷像をトナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を中間転写体に転写する第1の転写工程と、該中間転写体上のトナー像を転写材に転写する第2の転写工程と、転写材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを有する画像形成方法において、
    該トナーは、少なくとも結着樹脂、ワックス及びフェノール誘導体縮合物を含有するトナー粒子を有するトナーであって、i)該フェノール誘導体縮合物が、フェノール及び/またはその誘導体とアルデヒドとの縮合物であって、且つ該縮合物が鎖状縮合物と環状縮合物との混合物であり、ii)画像解析装置で測定した該トナー粒子の形状係数は、SF−1の値が100<SF−1≦160であり、SF−2の値が100<SF−2≦140であることを特徴とする画像形成方法。
  7. 該トナーが、請求項2乃至のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする請求項に記載の画像形成方法。
  8. 該現像工程において、現像領域におけるトナー担持体面の移動速度が、静電潜像担持体面の移動速度に対し、1.05〜3.0倍の速度であり、該トナー担持体の表面粗度Ra(μm)が1.5以下であることを特徴とする請求項又はに記載の画像形成方法。
  9. 該トナー担持体と対向して強磁性金属ブレードを微小間隔をもって配することを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の画像形成方法。
  10. 該トナー担持体と対向して弾性体からなるブレードを当接することを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の画像形成方法。
  11. 該静電潜像担持体とトナー担持体がある一定の間隙を有し、交互電界を印加しながら現像することを特徴とする請求項乃至10のいずれかに記載の画像形成方法。
  12. 該帯電工程が、帯電部材を静電潜像担持体に接触させて、外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体を帯電することを特徴とする請求項乃至11のいずれかに記載の画像形成方法。
  13. 該中間転写体上のトナー像を、転写装置を用いて転写材に静電転写する第2の転写工程の際に、該中間転写体と転写装置とが該転写材を介して当接することを特徴とする請求項乃至12のいずれかに記載の画像形成方法。
  14. 該加熱定着工程が、オフセット防止用液体の供給がない、或いは、定着器クリーナーを有しない加熱定着装置により、トナー画像を記録材に加熱定着することを特徴とする請求項乃至13のいずれかに記載の画像形成方法。
  15. 該加熱定着工程が、固定支持された加熱体と、該加熱体に対向圧接し、且つ、フィルムを介して該加熱体に密着させる加圧部材により、トナー画像を記録材に加熱定着することを特徴とする請求項乃至14のいずれかに記載の画像形成方法。
  16. 転写後の静電潜像担持体上の未転写の残留トナーをクリーニングして回収し、回収した該トナーを現像手段に供給して再度現像手段に保有させ、静電潜像担持体上の静電潜像を現像するトナーリユース機構を有することを特徴とする請求項乃至15のいずれかに記載の画像形成方法。
  17. 少なくとも、外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程と、帯電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する潜像形成工程と、静電荷像をトナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を転写材へ転写する転写工程と、転写材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを有する画像形成方法において、
    該トナーは、少なくとも結着樹脂、ワックス及びフェノール誘導体縮合物を含有するトナー粒子を有するトナーであって、i)該フェノール誘導体縮合物が、フェノール及び/またはその誘導体とアルデヒドとの縮合物であって、且つ該縮合物が鎖状縮合物と環状縮合物との混合物であり、ii)画像解析装置で測定した該トナー粒子の形状係数は、SF−1の値が100<SF−1≦160であり、SF−2の値が100<SF−2≦140であることを特徴とする画像形成方法。
  18. 該トナーが、請求項2乃至のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする請求項17に記載の画像形成方法。
  19. 該現像工程において、現像領域におけるトナー担持体面の移動速度が、静電潜像担持体面の移動速度に対し、1.05〜3.0倍の速度であり、該トナー担持体の表面粗度Ra(μm)が1.5以下であることを特徴とする請求項17又は18に記載の画像形成方法。
  20. 該トナー担持体と対向して強磁性金属ブレードを微小間隔をもって配することを特徴とする請求項17乃至19のいずれかに記載の画像形成方法。
  21. 該トナー担持体と対向して弾性体からなるブレードを当接することを特徴とする請求項17乃至19のいずれかに記載の画像形成方法。
  22. 該静電潜像担持体とトナー担持体がある一定の間隙を有し、交互電界を印加しながら現像することを特徴とする請求項17乃至21のいずれかに記載の画像形成方法。
  23. 該帯電工程が、帯電部材を静電潜像担持体に接触させて、外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体を帯電することを特徴とする請求項17乃至22のいずれかに記載の画像形成方法。
  24. 該静電潜像担持体上のトナー像を、転写装置を用いて転写材に静電転写する転写工程の際に、該静電潜像担持体と転写装置とが該転写材を介して当接することを特徴とする請求項17乃至23のいずれかに記載の画像形成方法。
  25. 該加熱定着工程が、オフセット防止用液体の供給がない、或いは、定着器クリーナーを有しない加熱定着装置により、トナー画像を記録材に加熱定着することを特徴とする請求項17乃至24のいずれかに記載の画像形成方法。
  26. 該加熱定着工程が、固定支持された加熱体と、該加熱体に対向圧接し、且つ、フィルムを介して該加熱体に密着させる加圧部材により、トナー画像を記録材に加熱定着することを特徴とする請求項17乃至25のいずれかに記載の画像形成方法。
  27. 転写後の静電潜像担持体上の未転写の残留トナーをクリーニングして回収し、回収した該トナーを現像手段に供給して再度現像手段に保有させ、静電潜像担持体上の静電潜像を現像するトナーリユース機構を有することを特徴とする請求項17乃至26のいずれかに記載の画像形成方法。
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