JPH11344829A - 静電荷像現像用トナ―及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナ―及び画像形成方法

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JPH11344829A
JPH11344829A JP9170399A JP9170399A JPH11344829A JP H11344829 A JPH11344829 A JP H11344829A JP 9170399 A JP9170399 A JP 9170399A JP 9170399 A JP9170399 A JP 9170399A JP H11344829 A JPH11344829 A JP H11344829A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着性と耐オフセット性を向上し、高品質な
画像を長期にわたって安定して実現し、感光体やトナー
担持体、更には、中間転写体等に悪影響を及ぼさない電
子写真プロセスに高度に適用を可能とする静電荷像現像
用トナーを提供することにある。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂、着色剤及びワック
ス成分を含有するトナー粒子を有する静電荷像現像用ト
ナーにおいて、該トナーが、個数基準の粒径頻度分布に
おける円相当径個数平均において、2〜6μmの平均粒
径を有しており、粒径標準偏差が2.6未満であり、円
形度頻度分布における平均円形度が0.970〜0.9
95で、円形度標準偏差が0.030未満であって、ト
ナーの中の残存モノマーが500ppm以下であり、透
過型電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒子の断層面
観察において、該ワックス成分が、結着樹脂中に島状に
分散されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真法、静電記
録法、磁気記録法などを利用した記録方法に用いられる
トナー及び画像形成方法に関するものである。詳しくは
本発明は予め静電潜像担持体上にトナー像を形成後、転
写材上に転写させて画像形成する複写機、プリンター、
ファックスに用いられるトナー及び画像形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が
知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々
の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで、
該潜像をトナーで現像を行って可視像化し、必要に応じ
て紙などの転写材にトナー像を転写した後に、熱/圧力
により転写材上にトナー像を定着して最終画像を得るも
のである。
【0003】近年、電子写真法を用いた複写機、プリン
ター、ファックスは、カラー化の需要が高まると共に多
種多様なペーパーマテリアルに対応できることが要求さ
れている。しかしながら、各カラートナーはその処方の
差異により転写性が異なる上、転写材であるペーパーマ
テリアルによってその最適転写条件にずれを生じる。例
えば、厚紙やOHPフィルムではその最適転写電流値は
高い値になるが、薄い紙では低い値となる傾向があり、
機器本体の転写条件を厚紙やOHPフィルムに対して最
適化すると、薄い紙を用いた時に一旦転写材上に転写さ
れたトナーが静電潜像担持体上に戻ってしまう「再転
写」と呼ばれる現象を生じたり、得られた画像周辺部に
トナーが飛散してしまう「飛び散り」と呼ばれる現象を
生じる。また、逆に転写条件を薄い紙に対して最適化す
ると厚紙やOHPフィルムを用いた時、静電潜像担持体
から転写材への転写効率が低下し、画像濃度や解像性に
問題を生じる。
【0004】ところで、プリンター装置はレーザービー
ムやLEDを用いたものが最近の市場の主流となると共
に、複写機においては高機能化に伴いデジタル方式が採
用される様になり、今まで以上に高解像度が求められて
いる。従って、この様な点から現像方式にも高精細が要
求されるに至っている。そこで、特にデジタル方式のプ
リンターや複写機等では、静電潜像の高精細化を図る目
的で感光層の薄膜化が進んできている。このような薄膜
感光体を用いた場合では静電潜像の電位コントラストが
低下するため、現像に用いるトナーはより現像性の高い
トナーが望まれる。
【0005】特に、一成分現像方式では、現像時にトナ
ーが鎖状(一般には「穂立ち」と呼ばれている)となっ
て現像されるため、画像横方向の解像度が立て方向に比
べて悪くなり易く、また、ベタ黒画像に比べライン画像
上へはトナーの飛翔量が過多となり、トナー消費量が増
大し画像の再現性や経済性に劣る傾向にある。一方、ト
ナーによる顕画像化に際し、トナーが画像部から穂の状
態のままはみ出す尾引き現象や画像周辺部へのトナーの
飛び散り現象を生じ、解像度低下の一因となっている。
【0006】そこで、画像再現性を向上させる方法とし
て、トナー担持体(現像スリーブ)上へのトナー塗布を
極めて薄くし、トナーの穂立ちをより短くすることが必
要となる。しかしながら、従来のトナーにおいては、こ
の方法では、トナー粒子とトナー担持体表面に大きなス
トレスがかかることから、トナー表面の劣化やトナー担
持体表面の汚染やトナー固着、また、画像形成装置との
マッチング等に問題を生じていた。
【0007】これに対し、特開昭61−279864号
公報では形状係数SF−1及びSF−2を規定したトナ
ーが提案されているが、トナーの転写性に対して何ら配
慮されておらず、また、特開昭63−235953号公
報においては機械的衝撃力により球形化した磁性トナー
が提案されているが、転写性に関してはある程度の改善
が認められるものの十分ではなく、その現像性は高精細
化を達成するには至っていなかった。
【0008】一方、高解像・高精細の現像方法の要求に
対し、特開平1−112253号公報、特開平1−19
1156号公報、特開平2−214156号公報、特開
平2−284158号公報、特開平3−181952号
公報、特開平4−162048号公報等では特定の粒度
分布を有する小粒径トナーが提案されているが、やはり
上述の如きトナー劣化等による画質低下や転写性の問題
に加え、トナーの使用環境が低温低湿下である場合、ト
ナーの過剰な帯電による現像効率の低下を招き、解像度
を著しく低下させる等の問題を有していた。
【0009】また、特開平9−160283号公報で
は、平均粒径が6〜10μmで、平均円形度が0.85
〜0.98を有し、円形度が0.85以下の粒子の含有
率が10重量%以下であるトナーが提案されており、ト
ナーの流動性や帯電立ち上がり性及びクリーニングブレ
ードによるクリーニング性について言及されているもの
の、トナーの小粒径化に伴うトナーの耐久性や環境安定
性については全く配慮されておらず、高精細現像には至
っていない。
【0010】更に、特開平9−197714号公報で
は、現像剤粒子の50%平均径Aと10%平均径Bとの
比B/Aが40〜80%で、平均円形度が0.93〜
1.0で、円形度が0.85以下の割合が3.0%以下
となる様にトナー形状をコントロールすることにより総
合的に考慮した現像剤について提案されている。しか
し、現像剤の画像濃度の安定性等にある程度の改善が見
られるものの、平均円形度が0.96を超え、50%平
均径が8μm以下の小粒径化トナーについては全く考慮
されておらず、上述の如き問題点に対し改善の余地を残
しているのが実状である。
【0011】一方、近年では環境保護の観点から、従来
から使用されているコロナ放電を利用した一次帯電及び
転写プロセスから静電潜像担持体当接部材を用いた一次
帯電、転写プロセスが主流となりつつある。
【0012】例えば、特開昭63−149669号公報
や特開平2−123385号公報が提案されている。こ
れらは、接触帯電方法や接触転写方法に関するものであ
るが、静電潜像担持体に導電性弾性ローラーを当接し、
該導電性ローラーに電圧を印加しながら該静電潜像担持
体を一様に帯電し、次いで露光、現像工程によってトナ
ー像を得た後、該静電潜像担持体に電圧を印加した別の
導電性ローラーを押圧しながらその間に転写材を通過さ
せ、該静電潜像担持体上にトナー画像を転写材に転写し
た後、定着工程を経て転写画像を得ている。
【0013】しかしながら、このようなコロナ放電を用
いないローラー転写方式においては、転写部材が転写時
に転写材を介して感光体に当接されるため、感光体上に
形成されたトナー像を転写材へ転写する際にトナー像が
圧接され、所謂「転写中抜け」と称される部分的な転写
不良が発生した。
【0014】また、トナーが小径化するに従い、転写で
はトナー粒子にかかるクーロン力に比べて、トナー粒子
の感光体への付着力(鏡像力やファンデルワールス力な
ど)が大きくなってきて結果として転写残トナーが増加
する傾向があった。
【0015】更に、ローラー帯電方式においては、帯電
ローラーと静電潜像担持体間に発生する放電による静電
潜像担持体表面の物理的・化学的な作用がコロナ帯電方
式に比較して大きく、特に有機感光体/ブレードクリー
ニングとの組み合わせにおいて、感光体表面劣化に起因
する摩耗が生じ易く、寿命に問題があった。
【0016】従って、このような画像形成方法に用いら
れるトナーと静電潜像担持体は離型性に優れたものであ
ることが要求されていた。
【0017】上記に挙げたようなトナーに対して要求さ
れる種々の性能は互いに相反的であることが多く、しか
もそれらを共に高性能に満足することが近年ますます望
まれ、更に現像特性をも包括した総括的対応についての
研究が行われてきてはいるが、未だ十分なものはない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き問題を解決することのできる静電荷像現像用トナ
ー及び該トナーを用いた画像形成方法を提供することに
ある。
【0019】本発明の他の目的は、定着性と耐オフセッ
ト性に優れた静電荷像現像用トナー及び該トナーを用い
た画像形成方法を提供することにある。
【0020】本発明の他の目的は、高品質な画像を長期
にわたって安定して提供でき、静電潜像担持体やトナー
担持体、更には中間転写体の如き部材に悪影響を及ぼさ
ない静電荷像現像用トナー及び該トナーを用いた画像形
成方法を提供することにある。
【0021】即ち、本発明の目的は、少なくとも結着樹
脂、着色剤及びワックス成分を含有するトナー粒子を有
する静電荷像現像用トナーにおいて、該トナーが、個数
基準の粒径頻度分布における円相当径個数平均におい
て、2〜6μmの平均粒径を有しており、粒径標準偏差
が2.6未満であり、円形度頻度分布における平均円形
度が0.970〜0.995で、円形度標準偏差が0.
030未満であって、トナー中の残存モノマーが500
ppm以下であり、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い
たトナー粒子の断層面観察において、該ワックス成分
が、結着樹脂中に島状に分散されていることを特徴とす
る静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0022】本発明の他の目的は、少なくとも、外部よ
り帯電部材に電荷を印加し、静電潜像担持体に帯電を行
う帯電工程と;帯電された静電潜像担持体に静電潜像を
形成する潜像形成工程と;静電潜像をトナー担持体に担
持されたトナーにより現像し、トナー像を静電潜像担持
体上に形成する現像工程と;静電潜像担持体上のトナー
像を中間転写体に転写する第1の転写工程と;該中間転
写体上のトナー像を転写材に転写する第2の転写工程及
び;転写材上のトナー像を加熱定着する定着工程を有す
る画像形成方法において、該トナーが、少なくとも結着
樹脂、着色剤及びワックス成分を含有するトナー粒子を
有しており、該トナーが、個数基準の粒径頻度分布にお
ける円相当径個数平均において、2〜6μmの平均粒径
を有しており、粒径標準偏差が2.6未満であり、円形
度頻度分布における平均円形度が0.970〜0.99
5で、円形度標準偏差が0.030未満であって、トナ
ー中の残存モノマーが500ppm以下であり、透過型
電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒子の断層面観察
において、該ワックス成分が、結着樹脂中に島状に分散
されていることを特徴とする画像形成方法を提供するこ
とにある。
【0023】本発明の他の目的は、少なくとも、外部よ
り帯電部材に電荷を印加し、静電潜像担持体に帯電を行
う帯電工程と;帯電された静電潜像担持体に静電潜像を
形成する潜像形成工程と;静電潜像をトナー担持体に担
持されたトナーにより現像し、トナー像を静電潜像担持
体上に形成する現像工程と;静電潜像担持体上のトナー
像を転写材に転写する転写工程及び;転写材上のトナー
像を加熱定着する定着工程を有する画像形成方法におい
て、該トナーが、少なくとも結着樹脂、着色剤及びワッ
クス成分を含有するトナー粒子を有しており、該トナー
が、個数基準の粒径頻度分布における円相当径個数平均
において、2〜6μmの平均粒径を有しており、粒径標
準偏差が2.6未満であり、円形度頻度分布における平
均円形度が0.970〜0.995で、円形度標準偏差
が0.030未満であって、トナー中の残存モノマーが
500ppm以下であり、透過型電子顕微鏡(TEM)
を用いたトナー粒子の断層面観察において、該ワックス
成分が結着樹脂中に島状に分散されていることを特徴と
する画像形成方法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、トナー粒
子の粒径頻度分布と円形度頻度分布が現像性と転写性に
及ぼす影響を検討したところ、非常に深い関わりがある
ことを見出した。
【0025】
【発明の実施の形態】トナーの個数基準の粒径頻度分布
における円相当個数平均径が2〜6μmで、粒径標準偏
差が2.6未満であり、円形度頻度分布における平均円
形度が0.970〜0.995で、円形度標準偏差が
0.030未満となる様にトナーの粒子形状を精密に制
御することにより、転写性と現像性をバランス良く改善
することができる。
【0026】トナーの個数基準の粒径頻度分布における
円相当個数平均径を2〜6μmと小粒径化することによ
り画像の輪郭部分、特に文字画像やラインパターンの現
像での再現性が良好なものとなる。しかし、一般にトナ
ー粒子を小粒径化すると、必然的に微小粒径のトナーの
存在率が高くなるため、トナーを均一に帯電させること
が困難となり画像カブリを生じるばかりか、静電潜像担
持体表面への付着力が高くなり、結果として転写残トナ
ーの増加を招いていた。
【0027】しかし、本発明のトナーは、粒径頻度分布
の粒径標準偏差を2.6未満とし、且つ、円形度頻度分
布の円形度標準偏差を0.030未満とすることで現像
性や転写性の環境変動に対する安定性、更には耐久性が
良好なものとなる。
【0028】その理由として本発明者らは、本発明のト
ナーは、現像工程においてトナー担持体上にトナーの薄
層を形成する際に、トナー層厚規制部材の規制力を通常
よりも強くしても十分なトナーコート量を保つことがで
きるため、トナー担持体に対するダメージを与えること
なくトナー担持体上のトナー帯電量を通常よりも高くす
ることが可能となるためと考えている。
【0029】また、円形度頻度分布における平均円形度
を0.970〜0.995、好ましくは0.980〜
0.995とすることにより、従来では困難であった小
粒径を呈するトナーの転写性が大幅に改善されると共に
低電位潜像に対する現像能力も格段に向上する。特にデ
ジタル方式の微小スポット潜像を現像する場合に有効で
ある。
【0030】平均円形度が0.970未満の場合、転写
性が悪化するばかりか、現像性が低下する。また、平均
円形度が0.995を超えるとトナー表面の劣化が著し
いものとなり耐久性に問題を生じる様になる。
【0031】本発明において、トナーの円相当径、円形
度及びそれらの頻度分布は、フロー式粒子像分布装置F
PIA−1000(東亜医用電子社製)を用いて以下の
通り測定される。
【0032】測定は、フィルターを通して微細なごみを
取り除き、その結果として10-3cm3 の水中に測定範
囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μ
m未満)の粒子数が20個以下のイオン交換水に界面活
性剤(好ましくは和光純薬製コンタミノン)を0.1〜
0.5重量%加えて調製した溶液約10ml(20℃)
に測定試料を約0.02g加えて均一に分散させて調製
した。分散させる手段としては、株式会社エスエムテー
社製の超音波分散機UH−50(振動子は5φのチタン
合金チップ)を用いた。分散時間は5分間以上とし、そ
の際、分散媒の温度が40℃以上にならないように適宜
冷却した。上記フロー式粒子像測定装置を用い、0.6
0μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒
子の粒度分布及び円形度分布を測定する。
【0033】測定の概略は、東亜医用電子社(株)発行
のFPIA−1000のカタログ(1995年6月
版)、測定装置の操作マニアル及び特開平8−1364
39号公報に記載されているが、以下の通りである。
【0034】試料分散液は、フラットで扁平な透明フロ
ーセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って
広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対し
て交差して通過する光路を形成するように、ストロボと
CCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に
位置するように装着される。試料分散液が流れている間
に、ストロボ光がフローセルを流れいる粒子の画像を得
るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞ
れの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次
元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像
の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径と
して算出する。更にそれぞれの粒子の2次元画像と同一
面積を持つ円(相当円)の周囲長をそれぞれの粒子の2
次元画像の周囲長で割って、それぞれの粒子の円形度を
算出する。
【0035】結果(頻度%及び累積%)は、表1に示す
通り、0.06〜400μmの範囲を226チャンネル
(1オクターブに対して30チャンネルに分割)に分割
して得ることができる。実際の測定では、円相当径が
0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の
測定を行う。
【0036】
【表1】
【0037】本発明における円形度はトナーの凹凸の度
合いを示す指標であり、トナーが完全な球形の場合に
1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は
小さな値となる。
【0038】本発明において、トナーの個数基準の粒径
頻度分布の平均値を意味する円相当個数平均径d1 と粒
径標準偏差SDdは、粒度分布の分割点iでの粒径(中
心値)をdi、頻度をf1 とすると次式から算出され
る。
【0039】
【外1】
【0040】また、円形度頻度分布の平均値を意味する
平均円形度cと円形度標準偏差SDcは、各粒子におけ
る円形度(中心値)をciとすると、次式から算出され
る。
【0041】
【外2】
【0042】一方、本発明のトナーはトナー中に残存す
るモノマー量が500ppm以下であり、好ましくは1
50ppm以下であり、更に好ましくは50ppm以下
である。トナー中に残存するモノマー量が500ppm
を超えると、トナーの帯電性や耐ブロッキング性に問題
を生じる。
【0043】本発明において残存モノマーとは、後述す
る結着樹脂の製造や直接重合法によりトナーを製造する
際の未反応モノマーである。
【0044】トナー中の残存モノマーを低減する方法と
しては、公知の方法を適用することが可能で、例えば結
着樹脂の製造や直接重合法によりトナーを製造する際に
開始剤の添加方法や反応温度をコントロールすることで
残存モノマーを抑制したり、重合後に蒸留を行うことで
残存モノマーを除去することができる。また、粉砕法に
よりトナーを製造する場合には、ニーダー等により原材
料を加熱混練する際に減圧して除去したり、重合法によ
りトナーを製造する際にはスプレードライ等の利用によ
り比較的効率良く残存モノマーを除去することができ
る。特に懸濁重合法によりトナーを製造する場合にはト
ナー粒子を加熱乾燥する際にも除去することが可能で、
円錐型混合機(乾燥機)を用い、加熱減圧下で撹拌しな
がら処理することもできる。トナー粒子の乾燥工程で
は、一般的には、トナー中の水分の乾燥に留まるもの
の、撹拌条件と処理時間を調整することにより、残存モ
ノマーの除去のみならず、トナー粒子の球形化処理を同
時に施すことが可能で、トナーの形状を好ましいものと
することができる。例えばトナー中の残存モノマー量を
500ppm以下とし、所望のトナー形状とするために
は、13.3kPa(100Torr)以下の減圧下
で、35℃以上から結着樹脂成分のガラス転移温度(T
g)以下の温度範囲で4時間以上加熱撹拌処理すること
で達成される。従来のトナーは、この様な処理条件下で
は残存モノマーの除去が困難であったり、トナー粒子同
士の凝集や合一を生じていたが、本発明のトナーは、ワ
ックス成分の分散状態と熱的特性を後述の如きに特定さ
れているため、トナー内部からの残存モノマーの除去が
容易であり、又、上記の如きトナー粒子の球形化処理に
対してもトナーの粗粒化やワックス成分による影響を最
小限とすることができ、非常に優れたものである。
【0045】本発明において、トナー中の残存モノマー
の定量方法については、熱天秤等により、加熱時の重
量減少量として測定する熱重量測定(TG)を用いる方
法、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いる方法等
の公知の方法を適用することができる。これらの中でも
GCを用いる方法は、特に有効な方法である。
【0046】本発明において、トナー中の残存モノマー
をTGにより定量する場合、サンプルを200℃まで加
熱した際に観測される加熱減量分より求められる。具体
例を以下に記す。
【0047】〈TGの測定条件〉 装置 :TGA−7、PE7700(パーキンエルマ
ー社製) 昇温速度:10℃/min 測定環境:N2 雰囲気下
【0048】また、トナー中の残存モノマーをGCを用
いて定量する場合の具体例を以下に記す。
【0049】〈GCの測定条件〉 装置 :GC−14A(島津製作所社製) カラム :溶融シリカキャピラリカラム(J&W
SCIENTIFC社製;サイズ…30m×0.249
mm、液相…DBWAX、膜厚…0.25μm) 試料 :2.55mgのDMFを内部標準とし、
100mlのアセトンを加えて内部標準品入り溶媒をつ
くる。次にトナー400mgを上記溶媒で10mlの溶
液とする。30分間超音波振とう機にかけた後、1時間
放置する。次に0.5μmのフィルターで濾過する。打
ち込み試料量は4μlとする。 検出器 :FID(スプリット比較…1:20) キャリアガス:N2 ガス オーブン温度:70℃→220℃(70℃で2分待機
後、5℃/分の割合で昇温) 注入口温度 :200℃ 検出器温度 :200℃ 検量線の作成:サンプル溶液と同様のDMF、アセトン
溶液に対象となるモノマーを加えた標準サンプルにいつ
いて同様にガスクロマトグラフ測定し、モノマーと内部
標準品DMFの重量比/面積比を求める。
【0050】本発明に係るワックス成分は、透過型電子
顕微鏡(TEM)を用いたトナーの断層面観察におい
て、該ワックス成分が結着樹脂と相溶しない状態で、島
状に分散されており、好ましくは球形又は紡錘形で島状
に分散されている。
【0051】本発明において、上記の如きワックス成分
の分散状態は以下の様に定義される。すなわち、前述の
フロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの重量基準
の粒径頻度分布の平均値を意味する円相当重量平均径D
4(μm)に対し、D4×0.9以上であり、D4×
1.1以下の長径を有するトナーの断層面を10ヶ所選
び出す。そして、各トナーの断層面の長径Rと、長径R
であるトナーの断層面中に存在しているワックス成分に
起因する相分離構造の中で、最も大きい長径rを計測
し、r/Rの平均値を求める。r/Rの平均値が0.0
5≦r/Rの平均値≦0.95を満たす分散状態にある
場合、ワックス成分が結着樹脂と相溶しない状態で、球
形又は紡錘形で島状の分散状態を有しているものとす
る。
【0052】ワックス成分を上記の如く分散させ、トナ
ー中に内包化させることによりトナーの劣化や画像形成
装置への汚染等を防止することが出来る。特にr/Rの
平均値が0.25≦r/Rの平均値≦0.90を満たす
分散状態にある場合、良好な帯電性が維持され、ドット
再現に優れたトナー画像を長期にわたって形成し得るこ
とが可能となるので好ましい。また、加熱時にはワック
ス成分が効率良く作用する為、低温定着性と耐オフセッ
ト性を満足なものとする。
【0053】本発明においてトナーの断層面を観察する
具体的方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中にト
ナー粒子を十分分散させた後温度40℃の雰囲気中で2
日間硬化させ得られた硬化物を四三酸化ルテニウム、必
要により四三酸化オスミウムを併用し染色を施した後、
ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサ
ンプルを切り出し透過型電子顕微鏡(TEM)を用いト
ナーの断層形態を観察する。本発明においては、用いる
ワックス成分と外殻を構成する樹脂との若干の結晶化度
の違いを利用して材料間のコントラストを付けるため四
三酸化ルテニウム染色法を用いることが好ましい。代表
的な一例を図5に示す。後記の実施例で得られたトナー
粒子は、ワックス成分が外殻樹脂で内包化されているこ
とが観測された。
【0054】本発明に係るワックス成分は、示差走査熱
量計により測定されるDSC曲線において、昇温時に5
0〜100℃の領域に最大吸熱ピークを示し、該最大吸
熱ピークを含む吸熱ピークの始点のオンセット温度が4
0℃以上であることが好ましく、特に該最大吸熱ピーク
のピーク温度と該オンセット温度の温度差が7〜50℃
の範囲であることが好ましい。
【0055】昇温時のDSC曲線において、上記温度領
域で溶融するワックス成分を用いることにより、他の添
加剤の分散性を良好なものとすることができると共に、
ワックス成分自身を前述の如き分散状態に容易にコント
ロールすることができる。
【0056】これによりトナーの良好な定着性はもとよ
り、該ワックス成分による離型効果が効果的に発現さ
れ、十分な定着領域が確保されると共に、従来から知ら
れるワックス成分による現像性、耐ブロッキング性や画
像形成装置への悪影響が排除されるのでこれらの特性が
格段に向上する。特に粒子形状が球形化するに従い、ト
ナーの比表面積は減少していくので、ワックス成分の分
散状態をコントロールすることは、非常に効果的なもの
となる。
【0057】本発明においてDSC測定では、ワックス
の熱のやり取りを測定し、その挙動を観測するので、測
定原理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量
計で測定することが好ましい。例えば、パーキンエルマ
ー社製のDSC−7が利用できる。
【0058】測定方法は、「ASTM D3418−8
2」に準じて行う。本発明に用いられるDSC極性は、
ワックス成分のみを測定する場合、1回昇温−降温させ
前履歴を取った後、温度速度10℃/minで昇温させ
た時に測定されるDSC曲線を用いる。また、トナー中
に含まれる状態で測定される場合には、前履歴を取ら
ず、そのまま測定されるDSC曲線を用いる。
【0059】本発明において特定されるワックス成分の
呈する各温度は、次のように定義される。
【0060】(最大吸熱ピーク)昇温時に得られるDS
C曲線において、50〜100℃の温度領域で最大吸熱
ピークを示すピークのピークトップ温度(図6中のMP
に相当)。
【0061】(吸熱ピークの始点のオンセット温度)昇
温時に得られるDSC曲線の微分値が最初に極大となる
点における曲線の接線とベースラインとの交点の温度
(図6中のSPに相当)。
【0062】本発明に係るワックス成分としては、パラ
フィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペト
ロラクタムの如き石油系ワックス及びその誘導体、モン
タンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ
法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレ
ンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導
体、カルナバワックス、キャンデリラワックス、天然ワ
ックス及びそれらの誘導体で、誘導体には酸化物や、ビ
ニルモノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物も
含み、また、高級脂肪族アルコール等のアルコール;ス
テアリン酸、パルミチン酸の如き脂肪酸或いはその化合
物;酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びそ
の誘導体、植物ワックス、動物ワックスが挙げられる。
これらは単独、もしくは併用して用いることができる。
【0063】これらの中でもポリオレフィン、フィッシ
ャートロプシュ法による炭化水素ワックス、石油系ワッ
クス、高級アルコール、もしくは、高級エステルである
場合に、現像性や転写性の改善効果が更に高くなる。
【0064】該ワックス成分には、トナーの帯電性に影
響を与えない範囲で酸化防止剤が添加されていても良
い。
【0065】上述したワックス成分は、結着樹脂100
重量部に対して1〜30重量部使用するのが好ましく、
4〜20重量部であることがより好ましい。
【0066】本発明のトナーに用いられる結着樹脂とし
ては、一般的に用いられているスチレン−(メタ)アク
リル共重合体,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,スチ
レン−ブタジエン共重合体が挙げられる。重合法により
直接トナー粒子を得る方法においては、それらを形成す
るための単量体が用いられる。具体的にはスチレン;o
−(m−,p−)メチルスチレン,m−(p−)エチル
スチレンの如きスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸
メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル
酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アク
リル酸オクチル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メ
タ)アクリル酸ステアリル,(メタ)アクリル酸ベヘニ
ル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)
アクリル酸ジメチルアミノエチル,(メタ)アクリル酸
ジエチルアミノエチルの如き(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体;ブタジエン,イソプレン,シクロヘキセ
ン,(メタ)アクリロニトリル,アクリル酸アミドの如
きエン系単量体が好ましく用いられる。これらは、単
独、または、一般的には出版物ポリマーハンドブック第
2版III−P139〜192(John Wiley
&Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)
が、40〜75℃を示すように単量体を適宜混合して用
いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合には
トナーの保存安定性や耐久安定性の面から問題が生じや
すく、一方75℃を超える場合はトナーの定着点の上昇
をもたらす。特にフルカラー画像を形成するためのカラ
ートナーの場合においては各色トナーの定着時の混色性
が低下し色再現性に乏しく、更にOHP画像の透明性が
低下するため好ましくない。
【0067】結着樹脂の分子量は、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)により測定される。低
軟化点物質を外殻樹脂で内包化した所謂コア−シェル構
造を有するトナーの場合、具体的なGPCの測定方法と
しては、予めトナーをソックスレー抽出器を用いトルエ
ン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレ
ーターでトルエンを留去せしめて抽出物を得、更に低軟
化点物質は溶解するが外殻樹脂は溶解しない有機溶剤
(例えばクロロホルム等)を抽出物に加え十分洗浄を行
った後、残留物をテトラヒドロフラン(THF)に溶解
した溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフ
ィルターでろ過したサンプル(THF溶液)をウォータ
ーズ社製150Cを用いて測定する。カラム構成は昭和
電工製A−801、802、803、804、805、
806、807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線
を用い分子量分布を測定し得る。本発明に係る結着樹脂
の主たるピーク分子量は5000〜100万、重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/
Mn)が、2〜100を示すものが本発明には好まし
い。
【0068】本発明において、上述の結着樹脂とポリエ
ステル、ポリカーボネート等の極性を有する樹脂を併用
することができる。中でも下記一般式(I)で示される
繰り返し単位を分子構造中に有するポリカーボネート系
樹脂を併用することが好ましく、トナーの帯電特性が向
上し画像カブリや飛び散りが改善されると共に、ドット
再現性に優れる高品位な画像を得ることができる。ま
た、トナーに適度な機械的強度を付与することが可能と
なり、画像形成装置とのマッチングが良化するばかり
か、前述の如きトナーの乾燥処理や球形化処理に対して
もトナー劣化の影響を最小限とすることができるので、
性能が相乗的に向上する。
【0069】
【外3】 〔式中、Rは有機基を示す。〕
【0070】上記一般式(I)は様々な構造のものがあ
るが、例えば2価フェノールとカーボネート前駆体とを
溶液法又は溶融法で反応せしめて製造されるあらゆる公
知のポリカーボネートを使用することができ、一例を挙
げれば下記一般式(II)
【0071】
【外4】 〔式中、R2 は、水素原子、脂肪族炭化水素基、芳香族
置換基であり、このR2が複数の場合、それらは同一で
あってもよいし、異なっていてもよく、mは、0〜4の
数である。Zは、単結合、脂肪族炭化水素基、芳香族置
換基、−S−、−SO−、−SO2 −、−O−、−CO
−結合で表わされる結合などを示す。〕で表わされる構
造の繰返し単位を有する重合体などが挙げられる。
【0072】このポリカーボネート樹脂は、様々なもの
を充当することができるが、通常は一般式(III)〜
(V)
【0073】
【外5】 (式中、R2 、m及びZは、前記と同じである。)で表
わされる二価フェノールとホスゲンまたは炭酸エステル
化合物の如きカーボネート前駆体とを反応させることに
よって容易に製造することができる。すなわち、例え
ば、塩化メチレンなどの溶媒中において、公知の酸受容
体や分子量調節剤の存在下、二価フェノールとホスゲン
のようなカーボネート前駆体との反応により、あるいは
二価フェノールとジフェニルカーボネートのようなカー
ボネート前駆体とのエステル交換反応によって製造され
る。
【0074】上記一般式(III)〜(V)で表わされ
る二価フェノールとしては様々なものがあり、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔通称:ビス
フェノールA〕をはじめ、例えば、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)メタン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)
フェニルメタン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフ
チルメタン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4−
イソプロピルフェニル)メタン;ビス(3,5−ジメチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)メタン;1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1−ナフチル−
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1−
フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エ
タン;1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン;2−メチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン;1−エチル−1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビ
ス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;1,4−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン;4−メチル−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
ン;4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタ
ン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン;
1,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカン
の如きジヒドロキシアリールアルカン類、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン;ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)スルホンの如きジヒドロキ
シアリールスルホン類、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)エーテルの如きジヒドロキシアリールエー
テル類;4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン;3,
3′、5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキ
シベンゾフェノンの如きジヒドロキシアリールケトン
類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニルスルフィド;ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スル
フィドの如きジヒドロキシアリールスルフィド類、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドの如きジヒド
ロキシアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキ
シジフェニルの如きジヒドロキシジフェニル類、ヒドロ
キノン;ゾルシノール;メチルヒドロキノンの如きジヒ
ドロキシベンゼン類,1,5−ジヒドロキシナフタレ
ン;2,6−ジヒドロキシナフタレンの如きジヒドロキ
シナフタレン類が挙げられる。これらの二価フェノール
は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0075】また、炭酸エステル化合物としては、ジフ
ェニルカーボネートの如きジアリールカーボネートやジ
メチルカーボネート、ジエチルカーボネートの如きジア
ルキルカーボネートが挙げられる。
【0076】そして、本発明で使用されるポリカーボネ
ート系樹脂は、これらの二価フェノールの1種を用いた
ホモポリマーであってもよく、また2種以上を用いたコ
ポリマーであってもよく、もしくはブレンド物であって
もよい。さらに、多官能性芳香族化合物を上記二価フェ
ノール及び/又はカーボネート前駆体と反応させて得ら
れる熱可塑性ランダム分岐ポリカーボネート樹脂であっ
てもよい。
【0077】また、ポリカーボネート系樹脂のガラス転
移温度や粘弾性を調節するために、二価フェノールの一
部をエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキ
シメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、水素添加ビスフェノールAおよびその誘導体、ビス
フェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノ
ールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトールの如き多
価アルコール等に置き換えた形の変性ポリカーボネート
系樹脂も好適に使用される。この場合、単純に二価フェ
ノール類の一部と置き換えて前記した方法により製造す
ることも可能であるが、他の製造方法の一例として、二
価フェノールと脂肪族あるいは芳香族のビスクロロホル
メートとをピリジンを触媒としてメチレンクロライド溶
媒中で反応させる方法などが例示されるが、もちろんそ
の他の製造方法による合成も可能である。
【0078】さらに、本発明においてはポリカーボネー
ト系樹脂として、上述したポリカーボネートとポリスチ
レン、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、ポリエス
テル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、
ポリアミド、ポリスルホン、ポリシアノアリールエーテ
ル、ポリアリーレンスルフィドとのブロック共重合体や
アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、
マレイン酸、スチレン系モノマーをグラフトしたグラフ
ト変性共重合体の使用も可能である。
【0079】本発明において用いられるポリカーボネー
ト系樹脂の分子量は特に制限されないが、GPCにおい
て測定したピーク分子量が1000〜500000の範
囲にあるものが好ましい。さらに好ましくは2000〜
100000である。ピーク分子量が1000よりも低
いと帯電特性に悪影響がでる場合があり、500000
よりも高いと溶融粘度が高くなりすぎ、定着性に問題を
生じる場合がある。また、本発明において使用されるポ
リカーボネート系樹脂を製造するに際し、適当な分子量
調節剤、粘弾性改善のための分岐剤、反応を促進するた
めの触媒等必要に応じて使用することができる。
【0080】本発明で使用されるポリカーボネート系樹
脂の含有量は特に制限されないが、全結着樹脂100重
量部に対して通常0.1〜50重量部、好ましくは0.
2〜40重量部、さらに好ましくは0.5〜30重量部
である。0.1重量部未満の場合には、添加効果が発現
されず、また、50重量部を超えるとトナーの帯電性や
定着性や画像形成装置とのマッチングに問題を生じる様
になる。
【0081】本発明に用いられる着色剤は、以下に示す
イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤が挙
げられ、黒色着色剤としてカーボンブラック、磁性体ま
たは以下に示すイエロー着色剤/マゼンタ着色剤/シア
ン着色剤を混合して黒色に調色されたものが利用され
る。
【0082】イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合
物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、
アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代
表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピ
グメントイエロー12、13、14、15、17、6
2、74、83、93、94、95、109、110、
111、128、129、147、168、180が好
適に用いられる。
【0083】マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合
物、ジケトピロロピロル化合物、アンスラキノン、キナ
クリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化
合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合
物、ペリレン化合物が用いられる。具体的いは、C.
I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、4
8:2、48:3、48:4、57:1、8:1、14
4、146、166、169、177、184、18
5、202、206、220、221、254が特に好
ましい。
【0084】シアン着色剤としては、銅フタロシアニン
化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染
料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.
ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、
15:3、15:4、60、62、66が特に好適に利
用できる。
【0085】これらの着色剤は、単独又は混合し更には
固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相、
彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー粒子中への
分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂
成分100重量部に対し1〜20重量部使用するのが好
ましい。
【0086】黒色着色剤として磁性体を用いた場合に
は、他の着色剤と異なり、樹脂100重量部に対し40
〜150重量部使用するのが好ましい。
【0087】本発明に用いられる荷電制御剤としては、
公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、且
つ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好
ましい。更に、トナー粒子を直接重合法を用いる場合に
は、重合阻害性が無く水系分散媒体への可溶化物の無い
荷電制御剤が特に好ましい。具体的化合物としては、ネ
ガ系荷電制御剤としてサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカ
ルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属化合物;スルホ
ン酸又はカルボン酸基を側鎖に持つ高分子型化合物;ホ
ウ素化合物;尿素化合物;ケイ素化合物;カリークスア
レーン等が挙げられる。ポジ系荷電制御剤として、四級
アンモニウム塩;該四級アンモニウム塩を側鎖に有する
高分子型化合物;グアニジン化合物;イミダゾール化合
物等が挙げられる。該荷電制御剤は樹脂100重量部に
対し0.5〜10重量部使用することが好ましい。しか
しながら、本発明において荷電制御剤の添加は必須では
なく、二成分現像方法を用いた場合においては、キャリ
ヤとの摩擦帯電を利用し、非磁性一成分ブレードコーテ
ィング現像方法を用いた場合においては、ブレード部材
やスリーブ部材との摩擦帯電を積極的に利用することで
トナー粒子中に必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
【0088】本発明のトナーに無機微粉体を添加するこ
とは、現像性、転写性、帯電安定性、流動性及び耐久性
向上のために好ましい実施形態である。該無機微粉体と
しては公知のものが使用可能であるが、特にシリカ、ア
ルミナ、チタニアあるいはその複酸化物の中から選ばれ
ることが好ましい。更には、シリカであることがより好
ましい。例えば、かかるシリカは硅素ハロゲン化物やア
ルコキシドの蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式
法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ及びアル
コキシド、水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリ
カの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の
内部にあるシラノール基が少なく、またNa2 O,SO
3 2-等の製造残渣の少ない乾式シリカの方が好ましい。
また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、
塩化アルミニウム、塩化チタン等他の金属ハロゲン化合
物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シ
リカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能で
ありそれらも包含する。
【0089】本発明に用いられる無機微粉体は、BET
法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2 /g以
上、特に50〜400m2 /gの範囲のものが良好な結
果を与え、トナー100重量部に対してシリカ微粉末
0.1〜8重量部、好ましくは0.5〜5重量部、さら
に好ましくは1.0を超えて3.0重量部まで使用する
のが特に良い。
【0090】また、本発明に用いられる無機微粉体は、
必要に応じ、疎水化、帯電性制御等の目的でシリコーン
ワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイ
ル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング
剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他有機
硅素化合物、有機チタン化合物の如き処理剤で、あるい
は、種々の処理剤で併用して処理されていることも可能
であり好ましい。
【0091】比表面積はBET法に従って、比表面積測
定装置オートソープ1(湯浅アイオニクス社製)を用い
て試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用い
て比表面積を算出した。
【0092】高い帯電量を維持し、低消費量及び高転写
率を達成するためには、無機微粉体は少なくともシリコ
ーンオイルで処理されることがさらに好ましい。
【0093】本発明のトナーにおいては、実質的な悪影
響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン
粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉
末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、
チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤;例えば酸化
チタン粉末、酸化アルミニウム粉末の如き流動性付与
剤;ケーキング防止剤、あるいは例えばカーボンブラッ
ク粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末の如き導電性付与
剤、また、逆極性の有機微粒子及び無機微粒子を現像性
向上剤として少量用いることもできる。
【0094】本発明のトナーを製造する方法としては、
樹脂、低軟化点物質からなる離型剤、着色剤、荷電制御
剤等を加圧ニーダーやエクストルダー又はメディア分散
機を用い均一に分散せしめた後、機械的又はジェット気
流下でターゲットに衝突させ、所望のトナー粒径に微粉
砕化せしめた後(必要により、トナー粒子の平滑化及び
球形化の工程を付加)、更に分級工程を経て粒度分布を
シャープにせしめトナーにする粉砕方法によるトナーの
製造方法の他に、特公昭56−13945号公報等に記
載のディスク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を空気
中に霧化し球状トナーを得る方法や、特公昭36−10
231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭
59−61842号公報に述べられている懸濁重合方法
を用いて直接トナーを生成する方法や、単量体には可溶
で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナ
ーを生成する分散重合方法又は水溶性極性重合開始剤存
在下で直接重合しトナーを生成するソープフリー重合法
に代表される乳化重合方法等を用いトナーを製造するこ
とが可能である。
【0095】粉砕法を用いてトナーを製造する方法にお
いては、トナー粒子の形状を所望の円形度頻度分布の範
囲に納めることが困難であり、溶融スプレー法において
は、ある程度の円形度を得ることができるが、得られる
トナーの粒度分布が広くなり易い傾向があると共に、ト
ナーの表面状態をコントロールすることが困難である。
他方、分散重合法においては、得れらるトナーは極めて
シャープな粒度分布を示すが、使用する材料の選択が狭
いことや有機溶剤の利用が廃溶剤の処理や溶剤の引火性
に関する観点から製造装置が複雑で煩雑化しやすい。ソ
ープフリー重合に代表される乳化重合方法は、トナーの
粒度分布が比較的揃うため有利であるが、使用した乳化
剤や重合開始剤末端がトナー粒子表面に存在した時に環
境特性を悪化させやすい。
【0096】本発明においては、トナー粒子の円形度頻
度分布のコトロールが重要であり、比較的容易に円相当
個数平均径が2〜6μmの微粒子トナーが得られる常圧
下、または、加圧下での乳化重合法又は懸濁重合方法を
用い、予め得られた重合体にメディアを用い定形化した
り、直接加圧衝突板に重合体を衝突せしめる方法や、更
には得られた重合体を水系中にて凍結せしめたり、塩析
や反対表面電荷を有する粒子をpH等の条件を考慮する
ことで合体し、凝集、合一せしめる凝集方法が特に好ま
しい。さらに、一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸
着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめるシード重
合方法も本発明に好適に利用することができる。
【0097】トナーの製造方法として直接重合方法を利
用する場合、トナー粒子の円形度頻度分布及び粒径頻度
分布の制御は、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用を
する分散剤の種類や添加量を変える方法や機械的装置条
件(例えばローターの周速、パス回数、攪拌羽根形状等
の攪拌条件や容器形状)又は、水溶液中での固形分濃度
等を制御することにより所定のトナー粒子を得ることが
できる。また、前述の如くトナー粒子の乾燥に用いられ
る円錘型乾燥機の攪拌条件、処理時間を調整することに
よっても所定のトナー粒子を得ることができる。
【0098】直接重合法によりトナーを製造する際、用
いられる重合開始剤として例えば、2,2′−アゾビス
−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−ア
ゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シク
ロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビ
ス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、
アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジアゾ系
重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケ
トンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネ
ート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベ
ンゾイルペルオキシド、ラウロイペルオキシドの如き過
酸化物系重合開始剤が用いられる。該重合開始剤の使用
量は、目的とする重合度により変化するが一般的には重
合性単量体に対し0.5〜20重量%用いられる。重合
開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、十時間半
減期温度を参考に、単独又は混合して使用される。
【0099】重合度を制御するため公知の架橋剤、連鎖
移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いても良い。
【0100】トナーの製法として分散安定剤を用いた懸
濁重合法を利用する場合、用いる分散安定剤としては、
無機化合物として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネ
シウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シ
リカ、アルミナが挙げられる。有機化合物としては、ポ
リビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メ
チルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリ
アクリル酸及びその塩、デンプンが挙げられる。これら
を水相に分散させて使用できる。これら分散安定剤は、
重合性単量体100重量部に対して0.2〜20重量部
を使用することが好ましい。
【0101】分散安定剤として、無機化合物を用いる場
合、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい粒子
を得るために、分散媒体中にて該無機化合物の微粒子を
生成しても良い。例えば、リン酸三カルシウムの場合、
高速攪拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カ
ルシウム水溶液を混合すると良い。
【0102】これら分散安定剤の微細な分散の為に、
0.001〜0.1重量部の界面活性剤を併用してもよ
い。これは上記分散安定剤の所期の作用を促進するため
のものであり、例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウ
ム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナ
トリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリ
ム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オ
レイン酸カルシウムが挙げられる。
【0103】本発明で使用するトナーの製造方法として
直接重合法を用いる場合においては、以下の如き製造方
法が可能である。
【0104】重合性単量体中に、低軟化点物質からなる
離型剤、着色剤、荷電制御剤、重合開始剤その他の添加
剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等によって均
一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤
を含有する水相中に通常の攪拌機またはホモミキサー、
ホモジナイザー等により分散せしめる。好ましくは単量
体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するよ
うに攪拌速度、攪拌時間を調整し、造粒する。その後は
分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒
子の沈降が防止される程度の攪拌を行えば良い。重合温
度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定
して重合を行うのが良い。重合反応後半に昇温しても良
く、更に、本発明における画像形成方法における耐久性
向上の目的で、未反応の重合性単量体、副生成物等を除
去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒
体を反応系から留去しても良い。反応終了後、生成した
トナー粒子を洗浄・濾過により回収し、乾燥する。懸濁
重合法においては、通常単量体組成物100重量部に対
して水300〜3000重量部を分散媒体として使用す
るのが好ましい。
【0105】次に本発明のトナーが適用される画像形成
方法を添付図面を参照しながら以下に説明する。
【0106】図1に示す装置システムにおいて、現像器
4−1、4−2、4−3、4−4に、それぞれシアント
ナーを有する現像剤、マゼンタトナーを有する現像剤、
イエロートナーを有する現像剤及びブラックトナーを有
する現像剤が導入され、磁気ブラシ現像方式又は非磁性
一成分方式等によって静電潜像担持体(例えば感光体ド
ラム)1に形成された静電荷像を現像し、各色トナー像
が感光体ドラム1上に形成される。
【0107】本発明のトナーは、磁性キャリアと混合
し、例えば図2に示すような現像手段を用い現像を行う
ことができる。具体的には交番電界を印加しつつ、磁気
ブラシが感光体ドラム13に接触している状態で現像を
行うことが好ましい。マグネットローラ14を内包する
現像剤担持体(現像スリーブ)11と感光体ドラム13
の距離(S−D間距離)Bは100〜1000μmであ
ることがキャリア付着防止及びドット再現性の向上にお
いて良好である。100μmより狭いと現像剤の供給が
不十分になりやすく、画像濃度が低くなり、1000μ
mを超えると磁石S1からの磁力線が広がり磁気ブラシ
の密度が低くなり、ドット再現性に劣ったり、キャリア
を拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。
【0108】交番電界のピーク間の電圧(Vpp)は5
00〜5000Vが好ましく、周波数(f)は500〜
10000Hz、好ましくは500〜3000Hzであ
り、それぞれプロセスに適宜選択して用いることができ
る。この場合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、
あるいはDuty比を変えた波形等種々選択して用いる
ことができる。印加電圧が、500Vより低いと十分な
画像濃度が得られにくく、また非画像部のカブリトナー
を良好に回収することができない場合がある。5000
Vを超える場合には磁気ブラシを介して、静電像を乱し
てしまい、画質低下を招く場合がある。
【0109】良好に帯電したトナーを有する二成分系現
像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)
を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めること
ができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbac
kは、現像システムにもよるが150V以下、より好ま
しくは100V以下が良い。
【0110】コントラスト電位としては、十分画像濃度
がでるように200V〜500Vが好ましく用いられ
る。
【0111】周波数が500Hzより低いとプロセスス
ピードにも関係するが、キャリアへの電荷注入が起こる
ためにキャリア付着、あるいは潜像を乱すことで画質を
低下させる場合がある。10000Hzを超えると電界
に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
【0112】十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優
れ、かつキャリア付着のない現像を行うために現像スリ
ーブ11上の磁気ブラシの感光体ドラム13との接触幅
(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにすることで
ある。現像ニップCが3mmより狭いと十分な画像濃度
とドット再現性を良好に満足することが困難であり、8
mmより広いと、現像剤のパッキングが起き機械の動作
を止めてしまったり、またキャリア付着を十分に抑える
ことが困難になる。現像ニップの調整方法としては、現
像剤規制部材18と現像スリーブ11との距離Aを調整
したり、現像スリーブ11と感光体ドラム13との距離
Bを調整することでニップ幅を適宜調整する。
【0113】特にハーフトーンを重視するようなフルカ
ラー画像の出力において、マゼンタ用、シアン用、及び
イエロー用の3個以上の現像器が使用され、本発明の現
像剤及び現像方法を用い、特にデジタル潜像を形成した
現像システムと組み合わせることで、磁気ブラシの影響
がなく、潜像を乱さないためにドット潜像に対して忠実
に現像することが可能となる。転写工程においても本発
明トナーを用いることで高転写率が達成でき、したがっ
て、ハーフトーン部、ベタ部共に高画質を達成できる。
【0114】さらに初期の高画質化と併せて、本発明の
トナーを用いることで多数枚の複写においても画質低下
を抑制するという本発明の効果が十分に発揮できる。
【0115】本発明のトナーは一成分現像にも好適に用
いることが出来る。静電潜像担持体上に形成された静電
像を現像する装置の一例を示すが必ずしもこれに限定さ
れるものではない。
【0116】図3において、25は静電潜像担持体(感
光体ドラム)であり、潜像形成は電子写真プロセス手段
又は静電記録手段により成される。24はトナー担持体
(現像スリーブ)であり、アルミニウムあるいはステン
レス等からなる非磁性スリーブからなる。
【0117】現像スリーブ24の略右半周面はトナー容
器21内のトナー溜りに常時接触していて、その現像ス
リーブ面近傍のトナーが現像スリーブ面にスリーブ内の
磁気発生手段の磁力及び/又は静電気力により付着保持
される。
【0118】本発明では、トナー担持体の表面粗度Ra
(μm)を1.5以下となるように設定する。好ましく
は1.0以下である。更に好ましくは0.5以下であ
る。
【0119】該表面粗度Raを1.5以下とすることで
トナー担持体の有するトナー粒子の搬送能力を抑制し、
該トナー担持体上のトナー層を薄層化すると共に、該ト
ナー担持体とトナーの接触回数が多くなる為、該トナー
の帯電性も改善されるので相乗的に画質が向上する。
【0120】該トナー担持体の表面粗度Raが1.5を
超えると、該トナー担持体上のトナー層の薄層化が困難
となるばかりか、トナーの帯電性が改善されないので画
質の向上は望めない。
【0121】本発明において、トナー担持体の表面粗度
Raは、JIS表面粗さ「JISB 0601」に基づ
き、表面粗さ測定器(サーフコーダSE−30H、株式
会社小坂研究所社製)を用いて測定される中心線平均粗
さに相当する。具体的には、粗さ曲線からその中心線の
方向に測定長さaとして2.5mmの部分を抜き取り、
この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY
軸、粗さ曲線をy=f(x)で表わした時、次式によっ
て求められる値をミクロメートル(μm)で表わしたも
のをいう。
【0122】
【外6】
【0123】本発明に用いられるトナー担持体として
は、たとえばステンレス、アルミニウム等から成る円筒
状、あるいはベルト状部材が好ましく用いられる。また
必要に応じ表面を金属、樹脂等のコートをしても良く、
樹脂や金属類、カーボンブラック、帯電制御剤等の微粒
子を分散した樹脂をコートしても良い。
【0124】本発明では、トナー担持体の表面移動速度
を静電潜像担持体の表面移動速度に対し1.05〜3.
0倍となるように設定することで、該トナー担持体上の
トナー層は適度な攪拌効果を受ける為、静電潜像の忠実
再現が一層良好なものとなる。
【0125】該トナー担持体の表面移動速度が、静電潜
像担持体の表面移動速度に対し1.05倍未満である
と、該トナー層の受ける攪拌効果が不十分となり、良好
な画像形成は望めない。また、ベタ黒画像等、広い面積
にわたって多くのトナー量を必要とする画像を現像する
場合、静電潜像へのトナー供給量が不足し画像濃度が薄
くなる。逆に3.0を超える場合、上記の如きトナーの
過剰な帯電によって引き起こされる種々の問題の他に、
機械的ストレスによるトナーの劣化やトナー担持体への
トナー固着が発生、促進され、好ましくない。
【0126】トナーTはホッパー21に貯蔵されてお
り、供給部材22によって現像スリーブ上へ供給され
る。供給部材として、多孔質弾性体、例えば軟質ポリウ
レタンフォーム等の発泡材より成る供給ローラーが好ま
しく用いられる。該供給ローラーを現像スリーブに対し
て、順または逆方向に0でない相対速度をもって回転さ
せ、現像スリーブ上へのトナー供給と共に、スリーブ上
の現像後のトナー(未現像トナー)のはぎ取りをも行
う。この際、供給ローラーの現像スリーブへの当接幅
は、トナーの供給及びはぎ取りのバランスを考慮する
と、2.0〜10.0mmが好ましく、4.0〜6.0
mmがより好ましい。その一方で、トナーに対する過大
ななストレスを余儀なくされ、トナーの劣化による凝集
の増大、あるいは現像スリーブ、供給ローラー等へトナ
ーの融着・固着が生じやすくなるが、本発明の現像法に
用いられるトナーは、流動性、離型性に優れ、耐久安定
性を有しているので、該供給部材を有する現像法におい
ても好ましく用いられる。また、供給部材として、ナイ
ロン、レーヨンの如き樹脂繊維より成るブラシ部材を用
いてもよい。尚、これらの供給部材は磁気拘束力を利用
できない非磁性一成分トナーを使用する一成分現像方法
において極めて有効であるが、磁性一成分トナーを使用
する一成分現像方法に使用してもよい。
【0127】現像スリーブ上に供給されたトナーは規制
部材によって薄層かつ均一に塗布される。トナー薄層化
規制部材は、現像スリーブと一定の間隙をおいて配置さ
れる金属ブレード、磁性ブレードの如きドクターブレー
ドである。あるいは、ドクターブレードの代りに、金
属、樹脂、セラミックを用いた剛体ローラーやスリーブ
を用いても良く、それらの内部に磁気発生手段を入れて
も良い。
【0128】また、トナー薄層化の規制部材としてトナ
ーを圧接塗布する為の弾性ブレードや弾性ローラーの如
き弾性体を用いても良い。例えば図3において、弾性ブ
レード23はその上辺部側である基部を現像剤容器21
側に固定保持され、下辺部側をブレードの弾性に抗して
現像スリーブ24の順方向或いは逆方向にたわめ状態に
してブレード内面側(逆方向の場合には外面側)をスリ
ーブ24表面に適度の弾性押圧をもって当接させる。こ
の様な装置によると、環境の変動に対しても安定で、緻
密なトナー層が得られる。その理由は必ずしも明確では
ないが、該弾性体によって現像スリーブ表面と強制的に
摩擦される為トナーの環境変化による挙動の変化に関係
なく常に同じ状態で帯電が行われる為と推測される。
【0129】その一方で帯電が過剰になり易く、現像ス
リーブや弾性ブレード上にトナーが融着し易いが、本発
明に用いられるトナーは離型性に優れ摩擦帯電性が安定
しているので好ましく用いられる。
【0130】該弾性体には所望の極性にトナーを帯電さ
せるのに適した摩擦帯電系列の材質を選択することが好
ましく、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如き
ゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹
脂弾性体;ステンレス、鋼、リン青銅の如き金属弾性体
が使用できる。また、それらの複合体であっても良い。
【0131】また、弾性体とトナー担持体に耐久性が要
求される場合には、金属弾性体に樹脂やゴムをスリーブ
当接部に当るように貼り合わせたり、コーティング塗布
したものが好ましい。
【0132】更に、弾性体中に有機物や無機物を添加し
ても良く、溶融混合させても良いし、分散させても良
い。例えば、金属酸化物、金属粉、セラミックス、炭素
同素体、ウィスカー、無機繊維、染料、顔料、界面活性
剤を添加することにより、トナーの帯電性をコントロー
ルできる。特に、弾性体がゴムや樹脂の如き成型体の場
合には、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化錫、酸化ジ
ルコニウム、酸化亜鉛の如き金属酸化物微粉末、カーボ
ンブラック、一般にトナーに用いられる荷電制御剤等を
含有させることも好ましい。
【0133】またさらに、規制部材である現像ブレー
ド、供給部材である供給ローラー、ブラシ部材に直流電
場及び/または交流電場を印加することによっても、ト
ナーへのほぐし作用のため現像スリーブ上の規制部位に
おいては、均一薄層塗布性、均一帯電性がより向上し、
供給部位においては、トナーの供給/はぎとりがよりス
ムーズになされ、十分な画像濃度の達成及び良質の画像
を得ることができる。
【0134】該弾性体とトナー担持体との当接圧力は、
トナー担持体の母線方向の線圧として、0.1kg/m
以上、好ましくは0.3〜25kg/m、更に好ましく
は0.5〜12kg/mが有効である。これによりトナ
ーの凝集を効果的にほぐすことが可能となり、トナーの
帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。当接圧力
が0.1kg/mより小さい場合、トナーの均一塗布が
困難となり、トナーの帯電量分布がブロードになりカブ
リや飛散の原因となる。また当接圧力が25kg/mを
超えると、トナーに大きな圧力がかかり、トナーが劣化
したり、トナーの凝集物が発生するなど好ましくない。
またトナー担持体を駆動させるために大きなトルクを要
するため好ましくない。
【0135】静電潜像担持体とトナー担持体との間隙α
は、50〜500μmに設定され、ドクターブレードと
トナー担持体との間隙は、50〜400μmに設定され
ることが好ましい。
【0136】トナー担持体上のトナー層の層厚は、静電
潜像担持体とトナー担持体との間隙αよりも薄いことが
最も好ましいが、場合によりトナー層を構成する多数の
トナーの穂のうち、一部は静電潜像担持体に接する程度
にトナー層の層厚を規制してもよい。
【0137】一方、トナー担持体には、バイアス電源2
6により静電潜像担持体との間に交番電界を印加するこ
とによりトナー担持体から静電潜像担持体へのトナーの
移動を容易にし、更に良質の画像を得ることが出来る。
交番電界のVppは100V以上、好ましくは200〜
3000V、更に好ましくは300〜2000Vで用い
るのが良い。また、fは500〜5000Hz、好まし
くは1000〜3000Hz、更に好ましくは1500
〜3000Hzで用いられるこの場合の波形は、矩形
波、サイン波、のこぎり波、三角波が適用できる。ま
た、正、逆の電圧、時間の異なる非対称交流バイアスも
利用できる。また直流バイアスを重畳するのも好まし
い。
【0138】静電潜像担持体1はa−Se、Cds、Z
nO2 、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持
つ感光ドラムもしくは感光ベルトである。静電潜像担持
体1は図示しない駆動装置によって矢印方向に回転され
る。
【0139】静電潜像担持体としては、アモルファスシ
リコン感光層、又は有機系感光層を有する感光体が好ま
しく用いられる。
【0140】有機感光層としては、感光層が電荷発生物
質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する、
単一層型でもよく、又は、電荷輸送層を電荷発生層を成
分とする機能分離型感光層であっても良い。導電性基体
上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されてい
る構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
【0141】有機感光層の結着樹脂はポリカーボネート
樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に、転写
性、クリーニング性が良く、クリーニング不良、感光体
へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにく
い。
【0142】帯電工程では、コロナ帯電器を用いる静電
潜像担持体とは非接触である方式と、ローラ等を用いる
接触型の方式がありいずれのものも用いられる。効率的
な均一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のために図1
に示す如く接触方式のものが好ましく用いられる。
【0143】帯電ローラ2は、中心の芯金2bとその外
周を形成した導電性弾性層2aとを基本構成とするもの
である。帯電ローラ2は、静電潜像担持体1に押圧力を
もって圧接され、静電潜像担持体1の回転に伴い従動回
転する。
【0144】帯電ローラを用いた時の好ましいプロセス
条件としては、ローラの当接圧が5〜500g/cm
で、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた時に
は、交流電圧は0.5〜5kVpp、交流周波数は50
Hz〜5kHz、直流電圧は±0.2〜±1.5kVで
あり、直流電圧のみを用いた時には、直流電圧は±0.
2〜±5kVである。
【0145】この他の帯電手段としては、帯電ブレード
を用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。こ
れらの接触帯電手段は、高電圧が不必要になったり、オ
ゾンの発生が低減するといった効果がある。
【0146】接触帯電手段としての帯電ローラ及び帯電
ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その
表面に離型性被膜をもうけても良い。離型性被膜として
は、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデ
ン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)が適用可能であ
る。
【0147】静電潜像担持体上のトナー像は、電圧(例
えば±0.1〜±5kV)が印加されている中間転写体
5に転写される。静電潜像担持体表面は、クリーニング
ブレード8を有するクリーニング手段9でクリーニング
される。
【0148】中間転写体5は、パイプ状の導電性芯金5
bと、その外周面に形成した中抵抗の弾性体層5aから
なる。芯金5bは、プラスチックのパイプに導電性メッ
キをほどこしたものでも良い。
【0149】中抵抗の弾性体層5aは、シリコーンゴ
ム、テフロンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、
EPDM(エチレンプロピレンジエンの3元共重合体)
の如き弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化
スズ、炭化ケイ素の如き導電性付与材を配合分散して電
気抵抗値(体積抵抗率)を105 〜1011Ω・cmの中
抵抗に調整した、ソリッドあるいは発泡肉質の層であ
る。
【0150】中間転写体5は静電潜像担持体1に対して
並行に軸受けさせて静電潜像担持体1の下面部に接触さ
せて配設してあり、静電潜像担持体1と同じ周速度で反
対方向に回転する。
【0151】静電潜像担持体1の面に形成担持された第
1色のトナー像が、静電潜像担持体1と中間転写体5と
が接する転写ニップ部を通過する過程で中間転写体5に
対する印加転写バイアスで転写ニップ域に形成された電
界によって、中間転写体5の外面に対して順次に中間転
写されていく。
【0152】必要により、着脱自在なクリーニング手段
10により、転写材へのトナー像の転写後に、中間転写
体5の表面がクリーニングされる。中間転写体上にトナ
ー像がある場合、トナー像を乱さないようにクリーニン
グ手段10は、中間転写体表面から離される。
【0153】中間転写体5に対して並行に軸受けさせて
中間転写体5の下面部に接触させて転写手段が配設さ
れ、転写手段7は例えば転写ローラ又は転写ベルトであ
り、中間転写体5と同じ周速度で矢印の時計方向に回転
する。転写手段7は直接中間転写体5と接触するように
配設されていても良く、またベルト等が中間転写体5と
転写手段7との間に接触するように配置されても良い。
【0154】転写ローラの場合、中心の芯金7bとその
外周を形成した導電性弾性層7aとを基本構成とするも
のである。
【0155】中間転写体及び転写ローラとしては、一般
的な材料を用いることが可能である。中間転写体の弾性
層の体積固有抵抗値よりも転写ローラの弾性層の体積固
有抵抗値をより小さく設定することで転写ローラへの印
加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成で
きると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止する
ことができる。特に中間転写体の弾性層の体積固有抵抗
値が転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以
上であることが特に好ましい。
【0156】例えば、転写ローラ7の導電性弾性層7a
はカーボン等の導電材を分散させたポリウレタン、エチ
レン−プロピレン−ジエン系三元共重合体(EPDM)
の如き体積抵抗106 〜1011Ωcm程度の弾性体でつ
くられている。芯金7bには定電圧電源によりバイアス
が印加されている。バイアス条件としては、±0.2〜
±10kVが好ましい。
【0157】本発明のトナーは、転写工程での転写効率
が高く、転写残トナーが少ない上に、クリーニング性に
優れているので、静電潜像担持体上にフィルミングを生
じにくい。さらに、多数枚耐久試験を行っても従来のト
ナーよりも、本発明のトナーは外添剤のトナー粒子表面
への埋没が少ないため、良好な画質を長期にわたって維
持し得る。特に静電潜像担持体や中間転写体上の転写残
トナーをクリーニングブレードの如きクリーニング手段
で除去し、回収された該転写残トナーを再度利用するい
わゆるリユース機構を有する画像形成装置に好ましく用
いられる。
【0158】次いで転写材6上のトナー画像は加熱加圧
定着手段によって定着される。加熱加圧定着手段として
は、ハロゲンヒーター等の発熱体を内蔵した加熱ローラ
ーと、加圧ローラーに対し押圧力をもって圧接された弾
性体の加圧ローラーを基本構成とする熱ロール方式や、
フィルムを介してヒーターにより加熱定着する方式が挙
げられるが、本発明のトナーは定着性と耐オフセット性
に優れるので上記の如き加熱加圧定着手段と良好なマッ
チングを示す。
【0159】
【実施例】以下、具体的実施例によって本発明を説明す
るが、本発明はなんらこれらに限定されるものではな
い。
【0160】本発明では、フィッシャートロプシュ法に
より合成したポリアルキレンの分別により得られた種々
のワックス成分を用いた。該ワックス成分のDSCの測
定結果及び分子量を表2にまとめる。
【0161】
【表2】
【0162】〔トナーの製造例及び比較製造例〕本発明
のトナーの製造例及び比較製造例について述べる。
【0163】トナーの製造例1 高速撹拌装置TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)
を備えた2リットル用4つの口フラスコ中にイオン交換
水650重量部と0.1mol/リットル−Na3 PO
4 水溶液500重量部を投入し、回転数を12000r
pmに調整し、70℃に加温せしめた。ここに1.0m
ol/リットル−CaCl2 水溶液70重量部を徐々に
添加し、微小な難水溶性分散安定剤Ca3 (PO42
を含む水系分散媒体を調製した。
【0164】一方、分散質として、 ・スチレン 77重量部 ・2−エチルヘキシルアクリレート 23重量部 ・ジビニルベンゼン 0.2重量部 ・カーボンブラック 8重量部 ・1、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンポリカーボネート( ピーク分子量=6500、Mw=7500、Mn=2800) 6重量部 ・負荷電性制御剤(アゾ染料系鉄化合物) 2重量部 ・前記表2のワックス成分〈A〉 10重量部
【0165】上記混合物をアトライター(三井金属社
製)を用い3時間分散させた後、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)5重量部を添加し
重合性単量体組成物を調製した。
【0166】次に、前記水系分散媒体中に該重合性単量
体組成物を投入し、内温70℃のN2 雰囲気下で、高速
撹拌器の回転数を12000rpmに維持しつつ、15
分間撹拌し、該重合性単量体組成物を造粒した。その
後、撹拌器をプロペラ撹拌羽根に換え50rpmで撹拌
しながら同温度で10時間保持して重合を完了した。
【0167】重合終了後、80℃/47kPa(350
Torr)の加熱減圧下で残存モノマーを留去し、懸濁
液を冷却し、次いで希塩酸を添加し分散安定剤を除去せ
しめた。更に水洗浄を数回繰り返した後、円錐型リボン
乾燥機(大川原製作所製)を用い、45℃/1.3kP
a(10Torr)の加熱減圧下で、螺旋リボン回転翼
で撹拌しながら重合体粒子の球形化処理と乾燥処理を6
時間行い、重合体粒子(A)を得た。該重合体粒子
(A)は、円相当個数平均径が3.7μmで、粒径分布
の標準偏差が1.5であり、円形度頻度分布における平
均円形度が0.990で、円形度標準偏差が0.016
で、GPCによる分子量分布で、ピーク分子量が1.3
万、Mw/Mnが12であった。
【0168】上記重合体粒子(A)100重量部と疎水
性オイル処理シリカ微粉体(BET比表面積=200m
2 /g)2重量部をヘンシェルミキサーで乾式混合し
て、本発明のトナーとした。該トナー(A)を用いて、
円相当個数平均径及びその標準偏差、平均円形度及びそ
の標準偏差を測定したところ重合体粒子(A)の測定結
果と同じであった。また、該トナー(A)に残存するモ
ノマー量は29ppmであった。更に、ワックス成分の
分散状態をTEMで確認したところ、図5(a)の模式
図に示されるように結着樹脂中に球形で島状に分散して
いた。
【0169】該トナー(A)5重量部と樹脂コート磁性
フェライトキャリア(平均粒径=40μm)95重量部
とを混合して磁気ブラシ現像用二成分径現像剤(A)を
調整した。
【0170】トナーの製造例2〜6 ワックス成分の種類及び添加量、極性樹脂の種類及び添
加量を変えると共に、残存モノマーの留去時の温度と減
圧度と処理時間、円錐型リボン乾燥機の設定温度と撹拌
条件と処理時間を変更することにより、粒子の粒度分布
と形状、及び残存モノマー量をコントロールした以外は
前記のトナーの製造例1と同様にして、重合体粒子
(B)〜(F)を得た後、本発明のトナー(B)〜
(F)、現像剤(B)〜(F)を調整した。それぞれの
製造例におけるワックスの種類及び添加量、極性樹脂の
種類及び添加量は、表2に示す。尚、重合体粒子(F)
の製造時に用いたポリエステルは、プロポキシ化ビスフ
ェノールAとテレフタル酸の縮合重合体であり、ピーク
分子量5000、Mwが6000、Mnが1700であ
った。
【0171】トナーの比較製造例1 ワックス成分〈A〉とポリカーボネート樹脂に代え、前
記表1のワックス成分〈D〉と飽和ポリエステル樹脂
(プロポキシ化ビスフェノールAとテレフタル酸の縮合
重合体、ピーク分子量=7000)を用い、球形化処理
と乾燥処理を40℃/2.6kPa(20Torr)の
加熱減圧下で行う以外は、トナーの製造例1と同様にし
て比較用重合体粒子(a)を得た後、比較用トナー
(a)、更には、比較用現像剤(a)を調製した。
【0172】 トナーの比較製造例2 ・スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート−ジビニルベンゼン樹脂 (ピーク分子量=1.3万、Mw/Mn=2.2、Tg=50℃) 100重量部 ・トナーの比較製造例1で用いた飽和ポリエステル樹脂 6重量部 ・トナーの製造例1で用いたカーボンブラック 8重量部 ・トナーの製造例1で用いた負荷電性制御剤 2重量部 ・前記表2のワックス成分〈a〉 10重量部
【0173】上記混合物を二軸エクストルーダーで溶融
混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗
粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕物を
熱風中に噴霧し、加熱処理を行った。加熱処理により球
状化した微粉砕物を分級して分級粉(b)とした。該分
級粉(b)を用い前記トナーの製造例1と同様にして比
較用トナー(b)、更には比較用現像剤(b)を調製し
た。
【0174】なお、比較用トナー(b)中に残存するモ
ノマー量は、188ppmであった。また、ワックス成
分は微分散していた。
【0175】トナーの比較製造例3 ワックス成分〈A〉とポリカーボネート樹脂に代え、ワ
ックス成分〈D〉とポリエステル樹脂(ピーク分子量=
6600、Tg=60℃)を用いると共に、球形化処理
と乾燥処理を50℃/1.3kPa(10Torr)の
条件下で3.5時間行う様に変更する以外は、前記のト
ナーの製造例1と同様にして比較用重合体粒子(c)、
及び、比較用トナー(c)を得た。該比較用トナー
(c)は、円相当個数平均径が3.8μmで、粒度分布
の標準偏差が2.0であり、円形度頻度分布における平
均円形度が0.980で、円形度標準偏差が0.039
で、GPCによる分子量分布でピーク分子量が1.4
万、Mw/Mnが14であった。
【0176】また、該比較用トナー(c)に残存するモ
ノマー量は、485ppmであり、ワックス成分は微分
散していた。
【0177】上記で得られたトナー(A)〜(F)、比
較用トナー(a)〜(c)の諸性状と耐ブロッキング性
評価結果を表3に示す。
【0178】
【表3】
【0179】〔実施例、並びに、比較例〕本実施例に用
いた画像形成装置について説明する。図1は、本実施例
に適用される画像形成装置の断面の概略的説明図であ
る。
【0180】感光体ドラム1は、基材1b上に有機光半
導体を有する感光層1aを有し、矢印方向に回転し、対
抗し接触回転する帯電ローラー2(導電性男性層2a、
芯金2b)により感光体ドラム1上に約−600Vの表
面電位に帯電させる。露光3は、ポリゴンミラーにより
感光体上にデジタル画像情報に応じてオン−オフさせる
ことで露光部電位が−100V、暗部電位が−600V
の静電荷像が形成される。複数の現像器4−1、4−
2、4−3、4−4を用いイエロートナー、マゼンタト
ナー、シアントナーまたは、ブラックトナーを感光体1
上に反転現像方法を用いトナー像を得た。該トナー像
は、中間転写体5(弾性層5a、支持体として芯金5
b)上に転写され中間転写体5上に四色の色重ね顕色像
が形成される。感光体ドラム1上の転写材トナーはクリ
ーナー部材8により、残トナー容器9中に回収される。
【0181】中間転写体5は、パイプ状の芯金5b上に
カーボンブラックの導電付与部材をニトリル−ブタジエ
ンラバー(NBR)中に十分分散させた弾性層5bをコ
ーティングした。該コート層5bの硬度は、「JIS
K−6301」に準拠し30度で且つ体積固有抵抗値
は、109 Ω・cmであった。感光体1から中間転写体
5への転写に必要な転写電流は4μAであり、これは電
源より+500Vを芯金5b上に付与することで得られ
た。
【0182】転写ローラ7の外径18mmで直径9mm
の芯金7b上にカーボンの導電性付与部材をエチレン−
プロピレン−ジエン系三元共重合体(EPDM)の発砲
体中に十分分散させたものをコーティングすることによ
り生成した弾性層7aを有し、弾性層7aの体積固有抵
抗値は、106 Ω・cmで、「JIS K−6301」
の基準の硬度は33度の値を示すものを用いた。転写ロ
ーラには電圧を印加して15μAの転写電流を流した。
【0183】加熱定着装置Hにはオイル塗布機能のない
熱ロール方式の定着装置を用いた。この時上部ローラ
ー、下部ローラー共にフッ素系樹脂の表面層を有するも
のを使用し、ローラーの直径は55mmであった。ま
た、定着温度は155℃、ニップ幅を8mmに設定し
た。
【0184】実施例1〜5及び比較例1、2 以上の設定条件で、図2に示す現像装置を用いて、常温
常湿(25℃、60%RH)と低温低湿(15℃、10
%RH)環境下、24枚(A4サイズ縦)/分のプリン
トアウト速度で現像剤(A)〜(E)及び比較用現像剤
(a),(b)を各々逐次補給しながら単色での連続モ
ード(すなわち、現像器を休止させることなくトナーの
消費を促進させるモード)で3000枚のプリントアウ
ト試験を行い、得られたプリントアウト画像を後述の項
目について評価した。
【0185】また、同時に、用いた画像形成装置と上記
現像剤のマッチングについても評価した。
【0186】尚、クリーニングにより回収された残トナ
ーは、リュース機構により現像器に搬送し、再使用し
た。
【0187】以上の評価結果を表4に示す。
【0188】
【表4】
【0189】実施例6及び7、比較例3 図2に示す画像形成装置の現像装置を図3に示すものに
交換し、トナー担持体面の移動速度が静電潜像担持体面
の移動速度に対し、2.8倍となるように設定し、24
枚(A4サイズ縦)/分のプリントアウト速度で、トナ
ー(A)と比較用トナー(a)の各々を逐次補給しなが
ら単色での間歇モード(すなわち、1枚プリントアウト
する毎に10秒間現像器を休止させ、再起動時の現像装
置の予備動作でトナーの劣化を促進させるモード)によ
り前記実施例と同様に評価を行った。
【0190】尚、ここで用いたトナー担持体の表面粗度
Raは1.5で、トナー規制プレードは、リン青銅ベー
ス板にウレタンゴムを接着し、トナー担持体との当接面
をナイロンによりコートしたものを用いた。また、加熱
定着装置Hには図10、図11に示した定着装置を用
い、加熱体の検温素子31の表面温度は140℃、加熱
体21−シリコンゴムの発砲体を下層に有するスポンジ
加圧ローラー33間の総圧は8kg、加圧ローラーとフ
ィルムのニップは6mmとし、定着フィルム32には、
転写材との接触面にPTEF(高分子量タイプ)に導電
性物質を分散させた低抵抗の離型層を有する厚さ60μ
mの耐熱性ポリイミドフィルムを使用した。以上の評価
結果を表5に示す。
【0191】
【表5】
【0192】実施例8及び比較例4、5 本実施例では市販のレーザービームプリンターLBP−
EX(キヤノン社製)にリユース機構を取り付け改造
し、再設定して用いた。即ち、図4において、感光体ド
ラム40上の未転写トナーを該感光体ドラムに当接して
いるクリーナー41の弾性ブレード42によりかき落と
した後、クリーナーローラーによってクリーナー内部へ
送り、更にクリーナースクリュー43を経て、搬送スク
リューを設けた供給用パイプ44によってホッパー45
を介して現像器46に戻し、再度、回収トナーを利用す
るシステムを取り付け、一次帯電ローラー47としてナ
イロン樹脂で被覆された導電性カーボンを分散したゴム
ローラー(直径12mm、当接圧50g/cm)を使用
し、静電潜像担持体にレーザー露光(600dpi)に
より暗部電位VD =−700V、明部電位VL =−20
0Vを形成した。トナー担持体として表面にカーボンブ
ラックを分散した樹脂をコートした表面粗度Raが1.
1を呈する現像スリーブ48を感光ドラム面の移動速度
に対して1.1倍となる様に設定し、次いで、感光体ド
ラムと該現像スリーブとの間隙(S−D間)を270μ
mとし、トナー規制部材としてウレタンゴム製ブレード
を当接させて用いた。現像バイアスとして直流バイアス
成分に交流バイアス成分を重畳して用いた。また、加熱
定着装置の設定温度150℃とした。
【0193】以上の設定条件で、常温常湿(25℃,6
0%RH)と高温高湿(30℃,80%RH)環境下、
24枚(A4サイズ縦)/分のプリントアウト速度で、
トナー(A)と比較用トナー(b)、(c)の各々を逐
次補給しながら間歇モード(すなわち、1枚プリントア
ウトする毎に10秒間現像器を休止させ、再起動時の予
備動作でトナーの劣化を促進させるモード)で3000
枚のプリントアウト試験を行い、得られたプリントアウ
ト画像を後述の項目について評価した。
【0194】また、同時に用いた画像形成装置と上記ト
ナーとのマッチングについても評価した。
【0195】以上の評価結果を表6に示す。
【0196】
【表6】
【0197】実施例9 図4のトナーリユース機構を取り外しプリントアウト速
度を16枚(A4サイズ)/分とした以外は、実施例8
と同様にし、前記トナー(A)を逐次補給しながら連続
モード(すなわち、現像器を休止させることなく、トナ
ーの消費を促進させるモード)でプリントアウト試験を
行った。
【0198】得られたプリントアウト画像を後述の項目
について評価すると共に、用いた画像形成装置とのマッ
チングについても評価した。その結果、いずれの項目に
ついても良好であった。
【0199】本発明の実施例及び比較例中に記載の評価
項目の説明との評価基準について述べる。
【0200】〔耐ブロッキング性評価〕50mlのポリ
カップにトナー10gを入れ、50℃に設定した熱風乾
燥器中に1週間静置した後、取り出したポリカップをゆ
っくりと回転させた際の放置トナーの様子を目視で評価
した。 A:流動性が損なわれていない。 B:流動性が低下しているものの、カップの回転に従
い、徐々に流動性を回復する。 C:凝集物が見られるものの針で突けばほぐれる。 D:針で突いてもほぐれない程に粒状化、或いはケーキ
ング。
【0201】〔プリントアウト画像評価〕 〈1〉画像濃度 通常の複写機用普通紙(75g/m2 )に所定の枚数の
プリントアウトを終了した時の画像濃度により評価し
た。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス
社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリ
ントアウト画像に対する相対濃度を測定した。 A:1.40以上 B:1.35以上、1.40未満 C:1.00以上、1.35未満 D:1.00未満
【0202】〈2〉画像濃度一様性 ベタ黒画像を連続して2枚プリントアウトした後、2枚
目のベタ黒画像上に生じた画像濃度の濃淡差を「マクベ
ス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて測定し評価し
た。 A:0.05未満 B:0.05以上、0.10未満 C:0.10以上、0.30未満 D:0.30以上
【0203】〈3〉ドット再現性 潜像電界によって電界が閉じ易く、再現しにくい図7に
示す様な小径(50μm)の孤立ドットパターンの画像
をプリントアウトし、そのドット再現性を評価した。 A:欠損2個以下/100個 B:欠損3〜5個/100個 C:欠損6〜10個/100個 D:欠損11個以上/100個
【0204】〈4〉画像カブリ 「リフレクトメータ」(東京電色社製)により測定した
プリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色
度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを
評価した。 A:1.5%未満 B:1.5%以上、2.5%未満 C:2.5%以上、4.0%未満 D:4.0%以上
【0205】〈5〉画像飛び散り 図8(a)に示した「電」文字パターンを普通紙(75
g/m2 )と厚紙(105g/m2 と135g/m2
に6ポイントの文字サイズでプリントした際の文字周辺
部へのトナー飛び散り(図8(b)の状態)をルーペを
用いて30倍に拡大して観察し評価した。 A:ほとんど発生せず。 B:軽微な飛び散りが見られる。 C:若干の飛び散りが見られる。 D:顕著な飛び散りが見られる。
【0206】〈6〉画像中抜け 図9(a)に示した「驚」文字パターンを厚紙(128
g/m2 と135g/m2 )に10ポイントの文字サイ
ズでプリントした際の文字の中抜け(図9(b)の状
態)をルーペを用いて30倍に拡大して観察し評価し
た。 A:ほとんど発生せず。 B:軽微な中抜けが見られる。 C:若干の中抜けが見られる。 D:顕著な中抜けが見られる。
【0207】〔画像形成装置マッチング評価〕 〈1〉現像スリーブとのマッチング プリントアウト試験終了後、現像スリーブ表面への残留
トナーの固着の様子とプリントアウト画像への影響を目
視で評価した。 A:固着は未発生 B:固着はほとんど発生せず C:固着があるが、画像への影響が少ない D:固着が多く、画像ムラを生じる
【0208】〈2〉感光ドラムとのマッチング プリントアウト試験終了後、感光体ドラム表面の傷や残
留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影
響を目視で評価した。 A:傷及び固着は未発生 B:わずかに傷の発生が見られるが、画像への影響はな
い C:固着や傷があるが、画像への影響が少ない D:固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる
【0209】〈3〉中間転写体とのマッチング プリントアウト試験終了後、中間転写体表面の傷や残留
トナーの固着状況を目視で評価した。 A:傷及び固着は未発生 B:表面に残留トナーの存在が認められるが、傷は認め
られず画像への影響はない C:固着や傷があるが、画像への影響が少ない D:固着が多く、画像欠陥を生じる
【0210】〈4〉定着装置とのマッチング プリントアウト試験終了後、定着ローラーやフィルムの
表面の傷や残留トナーの固着状況を目視で評価した。 A:傷及び固着は未発生 B:わずかに固着が見られるものの、傷は見られず画像
への影響はない C:固着や傷があるが、画像への影響が少ない D:固着が多く、画像欠陥を生じる
【0211】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
トナー粒子の粒径頻度分布との円形度頻度分布を精密に
制御すると共に、トナー中の残存モノマー量を500p
pmとし、且つ、ワックス成分を結着樹脂中に島状に分
散させることにより、トナーに望ましい現像性と転写性
を与えることが可能となり、ドット再現性に優れ、高品
位画像を長期に渡って形成することができる。また、ト
ナーの保存性や画像形成装置とのマッチングも好適なも
のとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に好適な画像形成装置の概略的説明図で
ある。
【図2】本発明の実施例に用いた二成分現像剤用の現像
装置の要部の拡大横断面図である。
【図3】本発明の実施例に用いた一成分現像剤用の現像
装置の要部の拡大横断面図である。
【図4】未転写トナーをリュースする画像形成装置の概
略的説明図である。
【図5】ワックス成分を内包化しているトナー粒子の断
面の一例を示す模式図である。
【図6】本発明に係るワックス成分の昇温時におけるD
SC曲線の概略的説明図である。
【図7】トナーの現像特性をチェックする為の孤立ドッ
トパターンの説明図である。
【図8】文字画像の飛び散りの状態を示す模式図であ
る。
【図9】文字画像の中抜けの状態を示す模式図である。
【図10】本発明の実施例に用いた定着装置の要部の分
解斜視図である。
【図11】本発明の実施例に用いた定着装置の非駆動時
のフィルムの状態を示した要部の拡大横断面図である。
【符号の説明】
1 感光体(静電潜像担持体) 2 帯電ローラー 3 露光 4 4色現像器(4−1、4−2、4−3、4−4) 5 中間転写体 6 転写材 7 転写ローラ 11 現像剤担持体 13 感光体ドラム 30 ステー 31 加熱体 31a ヒーター基板 31b 発熱体 31c 表面保護層 31d 検温素子 32 定着フィルム 33 加圧ローラー 34 コイルばね 35 フィルム端部規制フランジ 36 給電コネクター 37 断電部材 38 入口ガイド 39 出口ガイド(分離ガイド)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03G 15/08 504 G03G 15/16 103 507 15/20 101 15/16 103 9/08 321 15/20 101 365 21/10 15/08 507L 507H 21/00 326 (72)発明者 橋本 昭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 吉田 聡 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (51)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、着色剤及びワック
    ス成分を含有するトナー粒子を有する静電荷像現像用ト
    ナーにおいて、 該トナーが、個数基準の粒径頻度分布における円相当径
    個数平均において、2〜6μmの平均粒径を有してお
    り、粒径標準偏差が2.6未満であり、円形度頻度分布
    における平均円形度が0.970〜0.995で、円形
    度標準偏差が0.030未満であって、トナー中の残存
    モノマーが500ppm以下であり、 透過型電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒子の断層
    面観察において、該ワックス成分が、結着樹脂中に島状
    に分散されていることを特徴とする静電荷像現像用トナ
    ー。
  2. 【請求項2】 該トナーが、円形度頻度分布において
    0.980〜0.995の平均円形度を有することを特
    徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 該トナー中の残存モノマーが、200p
    pm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 該トナー中の残存モノマーが、50pp
    m以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 該ワックス成分が、結着樹脂100重量
    部に対して1〜30重量部含有されていることを特徴と
    する請求項1乃至4のいずれかに記載の静電荷像現像用
    トナー。
  6. 【請求項6】 該ワックス成分が、結着樹脂100重量
    部に対して4〜20重量部含有されていることを特徴と
    する請求項1乃至4のいずれかに記載の静電荷像現像用
    トナー。
  7. 【請求項7】 該トナーが、ポリカーボネート系樹脂を
    含有していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれ
    かに記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 【請求項8】 該トナーが、結着樹脂100重量部に対
    して0.1〜50重量部のポリカーボネート系樹脂を含
    有していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか
    に記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 【請求項9】 該ポリカーボネート系樹脂のゲルパーミ
    エーションクロマトグラフィー(GPC)によるピーク
    分子量が1000〜500,000であることを特徴と
    する請求項7又は8に記載の静電荷像現像用トナー。
  10. 【請求項10】 透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた
    トナー粒子の断層面観察において、 フロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの重量基準
    の円相当重量平均径(D4)に対し、0.9≦R/D4
    ≦1.1の関係を満たす長径R(μm)を呈するトナー
    粒子の断層面を10ヶ所選び、選び出したトナー粒子の
    断層面中に存在するワックス成分に起因する相分離構造
    のうち、最も大きいものの長径rをそれぞれ計測し、求
    められたrを用いてr/Rを計算し、その相加平均値
    (r/R)stが、 0.05≦(r/R)st≦0.95 を満たすように、該ワックス成分が、結着樹脂中に球
    形、又は、紡錘形で島状に分散していることを特徴とす
    る請求項1乃至9のいずれかに記載の静電荷像現像用ト
    ナー。
  11. 【請求項11】 透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた
    トナー粒子の断層面観察において、 フロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの重量基準
    の円相当重量平均径(D4)に対し、0.9≦R/D4
    ≦1.1の関係を満たす長径R(μm)を呈するトナー
    粒子の断層面を10ヶ所選び、選び出したトナー粒子の
    断層面中に存在するワックス成分に起因する相分離構造
    のうち、最も大きいものの長径rをそれぞれ計測し、求
    められたrを用いてr/Rを計算し、その相加平均値
    (r/R)stが、 0.25≦(r/R)st≦0.90 を満たすように、該ワックス成分が、結着樹脂中に球
    形、又は、紡錘形で島状に分散していることを特徴とす
    る請求項1乃至9のいずれかに記載の静電荷像現像用ト
    ナー。
  12. 【請求項12】 少なくとも、外部より帯電部材に電荷
    を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程と;帯
    電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する潜像形成
    工程と;静電潜像をトナー担持体に担持されたトナーに
    より現像し、トナー像を静電潜像担持体上に形成する現
    像工程と;静電潜像担持体上のトナー像を中間転写体に
    転写する第1の転写工程と;該中間転写体上のトナー像
    を転写材に転写する第2の転写工程及び;転写材上のト
    ナー像を加熱定着する定着工程を有する画像形成方法に
    おいて、 該トナーが、少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックス
    成分を含有するトナー粒子を有しており、 該トナーが、個数基準の粒径頻度分布における円相当径
    個数平均において、2〜6μmの平均粒径を有してお
    り、粒径標準偏差が2.6未満であり、円形度頻度分布
    における平均円形度が0.970〜0.995で、円形
    度標準偏差が0.030未満であって、トナー中の残存
    モノマーが500ppm以下であり、 透過型電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒子の断層
    面観察において、該ワックス成分が、結着樹脂中に島状
    に分散されていることを特徴とする画像形成方法。
  13. 【請求項13】 該トナーが、円形度頻度分布において
    0.980〜0.995の平均円形度を有することを特
    徴とする請求項12に記載の画像形成方法。
  14. 【請求項14】 該トナー中の残存モノマーが、200
    ppm以下であることを特徴とする請求項12又は13
    に記載の画像形成方法。
  15. 【請求項15】 該トナー中の残存モノマーが50pp
    m以下であることを特徴とする請求項12又は13に記
    載の画像形成方法。
  16. 【請求項16】 該ワックス成分が、結着樹脂100重
    量部に対して1〜30重量部含有されていることを特徴
    とする請求項12乃至15のいずれかに記載の画像形成
    方法。
  17. 【請求項17】 該ワックス成分が、結着樹脂100重
    量部に対して4〜20重量部含有されていることを特徴
    とする請求項12乃至15のいずれかに記載の画像形成
    方法。
  18. 【請求項18】 該トナーが、ポリカーボネート系樹脂
    を含有していることを特徴とする請求項12乃至17の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  19. 【請求項19】 該トナーが、結着樹脂100重量部に
    対して0.1〜50重量部のポリカーボネート系樹脂を
    含有していることを特徴とする請求項12乃至17のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  20. 【請求項20】 該ポリカーボネート系樹脂のゲルパー
    ミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるピー
    ク分子量が1000〜500,000であることを特徴
    とする請求項18又は19に記載の画像形成方法。
  21. 【請求項21】 透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた
    トナー粒子の断層面観察において、 フロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの重量基準
    の円相当重量平均径(D4)に対し、0.9≦R/D4
    ≦1.1の関係を満たす長径R(μm)を呈するトナー
    粒子の断層面を10ヶ所選び、選び出したトナー粒子の
    断層面中に存在するワックス成分に起因する相分離構造
    のうち、最も大きいものの長径rをそれぞれ計測し、求
    められたrを用いてr/Rを計算し、その相加平均値
    (r/R)stが、 0.05≦(r/R)st≦0.95 を満たすように、該ワックス成分が、結着樹脂中に球
    形、又は、紡錘形で島状に分散していることを特徴とす
    る請求項12乃至20のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  22. 【請求項22】 透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた
    トナー粒子の断層面観察において、 フロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの重量基準
    の円相当重量平均径(D4)に対し、0.9≦R/D4
    ≦1.1の関係を満たす長径R(μm)を呈するトナー
    粒子の断層面を10ヶ所選び、選び出したトナー粒子の
    断層面中に存在するワックス成分に起因する相分離構造
    のうち、最も大きいものの長径rをそれぞれ計測し、求
    められたrを用いてr/Rを計算し、その相加平均値
    (r/R)stが、 0.25≦(r/R)st≦0.90 を満たすように、該ワックス成分が、結着樹脂中に球
    形、又は、紡錘形で島状に分散していることを特徴とす
    る請求項12乃至20のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  23. 【請求項23】 現像領域におけるトナー担持体の表面
    の移動速度が、静電潜像担持体表面の移動速度に対し、
    1.05〜3.0倍の速度であり、該トナー担持体の表
    面粗度Ra(μm)が1.5以下であることを特徴とす
    る請求項12乃至22のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  24. 【請求項24】 該トナー担持体と対向して、強磁性金
    属ブレードを微小間隔をもって配することを特徴とする
    請求項12乃至23のいずれかに記載の画像形成方法。
  25. 【請求項25】 該トナー担持体と対向して、弾性体か
    らなるブレードを当接することを特徴とする請求項12
    乃至23のいずれかに記載の画像形成方法。
  26. 【請求項26】 静電潜像担持体とトナー担持体とが、
    微小な間隙を有して配されており、交番電界を印加しな
    がら現像が行われることを特徴とする請求項12乃至2
    5のいずれかに記載の画像形成方法。
  27. 【請求項27】 該帯電工程が、帯電部材を静電潜像担
    持体に接触させて、外部より帯電部材に電圧を印加し、
    静電潜像担持体を帯電する工程であることを特徴とする
    請求項12乃至26のいずれかに記載の画像形成方法。
  28. 【請求項28】 第2の転写工程において、中間転写体
    上のトナー像を転写材に転写装置を用いて転写する際、
    該中間転写体と転写装置とが、該転写材を介して当接し
    ていることを特徴とする請求項12乃至27のいずれか
    に記載の画像形成方法。
  29. 【請求項29】 該定着工程が、オフセット防止用液体
    の供給が無く、定着器クリーナーを有さない加熱定着装
    置により、トナー像を転写材に加熱定着する工程である
    ことを特徴とする請求項12乃至28のいずれかに記載
    の画像形成方法。
  30. 【請求項30】 該定着工程が、固定支持された加熱体
    と、該加熱体に対向圧接し、フィルムを介して該加熱体
    に密着させる加圧部材により、トナー像を転写材に加熱
    定着する工程であることを特徴とする請求項12乃至2
    9のいずれかに記載の画像形成方法。
  31. 【請求項31】 第1の転写工程後、静電潜像担持体上
    の未転写の残留トナーをクリーニングして回収し、回収
    したトナーを再度現像工程において利用するトナーリユ
    ース機構を有することを特徴とする請求項12乃至30
    のいずれかに記載の画像形成方法。
  32. 【請求項32】 少なくとも、外部より帯電部材に電荷
    を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程と;帯
    電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する潜像形成
    工程と;静電潜像をトナー担持体に担持されたトナーに
    より現像し、トナー像を静電潜像担持体上に形成する現
    像工程と、;静電潜像担持体上のトナー像を転写材に転
    写する転写工程及び;転写材上のトナー像を加熱定着す
    る定着工程を有する画像形成方法において、 該トナーが、少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックス
    成分を含有するトナー粒子を有しており、 該トナーが、個数基準の粒径頻度分布における円相当径
    個数平均において、2〜6μmの平均粒径を有してお
    り、粒径標準偏差が2.6未満であり、円形度頻度分布
    における平均円形度が0.970〜0.995で、円形
    度標準偏差が0.030未満であって、トナー中の残存
    モノマーが500ppm以下であり、 透過型電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒子の断層
    面観察において、該ワックス成分が結着樹脂中に島状に
    分散されていることを特徴とする画像形成方法。
  33. 【請求項33】 該トナーが、円形度頻度分布において
    0.980〜0.995の平均円形度を有することを特
    徴とする請求項32に記載の画像形成方法。
  34. 【請求項34】 該トナー中の残存モノマーが200p
    pm以下であることを特徴とする請求項32又は33に
    記載の画像形成方法。
  35. 【請求項35】 該トナー中の残存モノマーが50pp
    m以下であることを特徴とする請求項32又は33に記
    載の画像形成方法。
  36. 【請求項36】 該ワックス成分が、結着樹脂100重
    量部に対して1〜30重量部含有されていることを特徴
    とする請求項32乃至35のいずれかに記載の画像形成
    方法。
  37. 【請求項37】 該ワックス成分は、結着樹脂100重
    量部に対して4〜20重量部含有されていることを特徴
    とする請求項32乃至35のいずれかに記載の画像形成
    方法。
  38. 【請求項38】 該トナーが、ポリカーボネート系樹脂
    を含有していることを特徴とする請求項32乃至37の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  39. 【請求項39】 該トナーが、結着樹脂100重量部に
    対して0.1〜50重量部のポリカーボネート系樹脂を
    含有していることを特徴とする請求項32乃至37のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  40. 【請求項40】 該ポリカーボネート系樹脂のゲルパミ
    エーションクロマトグラフィー(GPC)によるピーク
    分子量が1000〜500,000であることを特徴と
    する請求項38又は39に記載の画像形成方法。
  41. 【請求項41】 透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた
    トナー粒子の断層面観察において、 フロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの重量基準
    の円相当重量平均径(D4)に対し、0.9≦R/D4
    ≦1.1の関係を満たす長径R(μm)を呈するトナー
    粒子の断層面を10ヶ所選び、選び出したトナー粒子の
    断層面中に存在するワックス成分に起因する相分離構造
    のうち、最も大きいものの長径rをそれぞれ計測し、求
    められたrを用いてr/Rを計算し、その相加平均値
    (r/R)stが、 0.05≦(r/R)st≦0.95 を満たすように、該ワックス成分が、結着樹脂中に球
    形、又は、紡錘形で島状に分散していることを特徴とす
    る請求項32乃至40のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  42. 【請求項42】 透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた
    トナー粒子の断層面観察において、 フロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの重量基準
    の円相当重量平均径(D4)に対し、0.9≦R/D4
    ≦1.1の関係を満たす長径R(μm)を呈するトナー
    粒子の断層面を10ヶ所選び、選び出したトナー粒子の
    断層面中に存在するワックス成分に起因する相分離構造
    のうち、最も大きいものの長径rをそれぞれ計測し、求
    められたrを用いてr/Rを計算し、その相加平均値
    (r/R)stが、 0.25≦(r/R)st≦0.90 を持たすように、該ワックス成分が、結着樹脂中に球
    形、又は、紡錘形で島状に分散していることを特徴とす
    る請求項32乃至41のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  43. 【請求項43】 現像領域におけるトナー担持体の表面
    の移動速度が、静電潜像担持体表面の移動速度に対し、
    1.05〜3.0倍の速度であり、該トナー担持体の表
    面粗度Ra(μm)が1.5以下であることを特徴とす
    る請求項32乃至42のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  44. 【請求項44】 該トナー担持体と対向して、強磁性金
    属ブレードを微小間隔をもって配することを特徴とする
    請求項32乃至43のいずれかに記載の画像形成方法。
  45. 【請求項45】 該トナー担持体と対向して、弾性体か
    らなるブレードを当接することを特徴とする請求項32
    乃至44のいずれかに記載の画像形成方法。
  46. 【請求項46】 静電潜像担持体とトナー担持体とが、
    微小な間隙を有して配されており、交番電界を印加しな
    がら現像が行われることを特徴とする請求項32乃至4
    5のいずれかに記載の画像形成方法。
  47. 【請求項47】 該帯電工程が、帯電部材を静電潜像担
    持体に接触させて、外部より帯電部材に電圧を印加し、
    静電潜像担持体を帯電する工程であることを特徴とする
    請求項32乃至46のいずれかに記載の画像形成方法。
  48. 【請求項48】 該転写工程において、静電潜像担持体
    上のトナー像を転写材に転写装置を用いて転写する際、
    該静電潜像担持体と転写装置とが、該転写材を介して当
    接していることを特徴とする請求項32乃至47のいず
    れかに記載の画像形成方法。
  49. 【請求項49】 該定着工程が、オフセット防止用液体
    の供給が無く、定着器クリーナーを有さない加熱定着装
    置により、トナー像を転写材に加熱定着する工程である
    ことを特徴とする請求項32乃至48のいずれかに記載
    の画像形成方法。
  50. 【請求項50】 該定着工程が、固定支持された加熱体
    と、該加熱体に対向圧接し、フィルムを介して該加熱体
    に密着させる加圧部材により、トナー像を転写材に加熱
    定着する工程であることを特徴とする請求項32乃至4
    9のいずれかに記載の画像形成方法。
  51. 【請求項51】 転写工程後、静電潜像担持体上の未転
    写の残留トナーをクリーニングして回収し、回収したト
    ナーを再度現像工程において利用するトナーリユース機
    構を有することを特徴とする請求項32乃至50のいず
    れかに記載の画像形成方法。
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